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特開2024-126477移動制御システム、移動制御方法及び移動制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126477
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】移動制御システム、移動制御方法及び移動制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240912BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G05D1/02 P
B65G1/04 555
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034867
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼尾 健司
(72)【発明者】
【氏名】筈井 祐介
【テーマコード(参考)】
3F022
5H301
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022JJ11
3F022JJ12
3F022MM05
3F022MM11
5H301AA02
5H301AA10
5H301BB07
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG08
5H301GG09
5H301KK02
5H301KK03
5H301KK04
5H301KK08
5H301KK09
5H301KK18
5H301KK19
5H301QQ01
(57)【要約】
【課題】複数の対象物を効率的に搬送する。
【解決手段】移動制御システムは、第1領域を自動で移動し、第1領域に配置される複数の対象物を中継領域に搬入する複数の第1移動体と、第1領域とは異なる第2領域を自動で移動し、中継領域に搬入された対象物を第2領域に搬出する1台以上の第2移動体と、中継領域において対象物の搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択し、選択結果に基づいて、第1移動体及び第2移動体のうち他方の動作を実行できない方の移動体を制御する制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域を自動で移動し、前記第1領域に配置される複数の対象物を中継領域に搬入する1台以上の第1移動体と、
前記第1領域とは異なる第2領域を自動で移動し、前記中継領域に搬入された前記対象物を前記中継領域から搬出する1台以上の第2移動体と、
前記中継領域において前記対象物の搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、前記一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択し、選択結果に基づいて、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記他方の動作を実行できない方の移動体を制御する制御部と
を備える移動制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記待機動作を行う場合に要する待機時間と、前記所定動作を行う場合に要する動作時間とを比較し、時間が短い方の動作を行うように前記移動体を制御する
請求項1に記載の移動制御システム。
【請求項3】
前記一方の動作は、前記対象物の搬入であり、
前記他方の動作は、前記対象物の搬出であり、
前記所定動作は、前記中継領域への搬入が完了している他の前記対象物を搬出する動作である
請求項1に記載の移動制御システム。
【請求項4】
前記中継領域は、複数個所に設けられ、
前記所定動作で搬出対象とする他の前記対象物は、前記一方の動作が完了していない前記中継領域とは異なる前記中継領域に搬入された前記対象物を含む
請求項3に記載の移動制御システム。
【請求項5】
前記一方の動作は、前記対象物の搬出であり、
前記他方の動作は、前記対象物の搬入であり、
前記所定動作は、前記第1領域に設けられる仮置き領域に前記対象物を配置し、前記仮置き領域に配置した前記対象物を前記中継領域に搬入する動作である
請求項1に記載の移動制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記待機動作を行うように前記移動体を制御する場合には、前記移動体の以降の動作のタイミングが前記待機動作を行う場合に要する待機時間の分だけ後にずれるように制御する
請求項1に記載の移動制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記所定動作を行うように前記移動体を制御する場合において、前記所定動作により前記対象物の搬送状況が変化する場合には、前記対象物の搬送状況に応じて前記移動体の以降の動作のタイミングを調整する
請求項1に記載の移動制御システム。
【請求項8】
第1領域を自動で移動する1台以上の第1移動体により、前記第1領域に配置される複数の対象物を中継領域に搬入するステップと、
前記第1領域とは異なる第2領域を自動で移動する1台以上の第2移動体により、前記中継領域に搬入された前記対象物を前記中継領域から搬出するステップと、
前記中継領域において前記対象物の搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、前記一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択し、選択結果に基づいて、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記他方の動作を実行できない方の移動体を制御するステップと
を含む移動制御方法。
【請求項9】
第1領域を自動で移動する1台以上の第1移動体により、前記第1領域に配置される複数の対象物を中継領域に搬入するステップと、
前記第1領域とは異なる第2領域を自動で移動する1台以上の第2移動体により、前記中継領域に搬入された前記対象物を前記中継領域から搬出するステップと、
前記中継領域において前記対象物の搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、前記一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択し、選択結果に基づいて、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記他方の動作を実行できない方の移動体を制御するステップと
をコンピュータに実行させる移動制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動制御システム、移動制御方法及び移動制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動で移動して荷物等の対象物を搬送する移動体が知られている。例えば特許文献1には、複数のコンベアの間で無人搬送車が荷物を搬送する搬送システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5729606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような移動体を制御する移動制御システムにおいては、複数の対象物を効率的に搬送することが求められる。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、複数の対象物を効率的に搬送することが可能な移動制御システム、移動制御方法及び移動制御プログラム提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る移動制御システムは、第1領域を自動で移動し、前記第1領域に配置される複数の対象物を中継領域に搬入する1台以上の第1移動体と、前記第1領域とは異なる第2領域を自動で移動し、前記中継領域に搬入された前記対象物を前記中継領域から搬出する1台以上の第2移動体と、前記中継領域において前記対象物の搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、前記一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択し、選択結果に基づいて、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記他方の動作を実行できない方の移動体を制御する制御部とを備える。
【0007】
本開示に係る移動制御方法は、第1領域を自動で移動する1台以上の第1移動体により、前記第1領域に配置される複数の対象物を中継領域に搬入するステップと、前記第1領域とは異なる第2領域を自動で移動する1台以上の第2移動体により、前記中継領域に搬入された前記対象物を前記中継領域から搬出するステップと、前記中継領域において前記対象物の搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、前記一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択し、選択結果に基づいて、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記他方の動作を実行できない方の移動体を制御するステップとを含む。
【0008】
本開示に係る移動制御プログラムは、第1領域を自動で移動する1台以上の第1移動体により、前記第1領域に配置される複数の対象物を中継領域に搬入するステップと、前記第1領域とは異なる第2領域を自動で移動する1台以上の第2移動体により、前記中継領域に搬入された前記対象物を前記中継領域から搬出するステップと、前記中継領域において前記対象物の搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、前記一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択し、選択結果に基づいて、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記他方の動作を実行できない方の移動体を制御するステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数の対象物を効率的に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る移動制御システムの模式図である。
図2図2は、移動体の構成の模式図である。
図3図3は、管理装置の模式的なブロック図である。
図4図4は、情報処理装置の模式的なブロック図である。
図5図5は、移動体の制御装置の模式的なブロック図である。
図6図6は、移送指示情報の一例を示す図である。
図7図7は、第1指定情報の一例を示す図である。
図8図8は、第2指定情報の一例を示す図である。
図9図9は、スケジュール情報の一例を示す図である。
図10図10は、指定情報を更新する場合の例を示す図である。
図11図11は、対象物の搬送状況の一例を模式的に示す図である。
図12図12は、対象物の搬送状況の一例を模式的に示す図である。
図13図13は、待機動作の一例を模式的に示す図である。
図14図14は、待機動作の一例を模式的に示す図である。
図15図15は、スケジュール情報を変更する場合の例を示す図である。
図16図16は、所定動作の一例を模式的に示す図である。
図17図17は、所定動作の一例を模式的に示す図である。
図18図18は、スケジュール情報を変更する場合の例を示す図である。
図19図19は、本実施形態に係る移動制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図20図20は、作業領域の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0012】
(移動制御システム)
図1は、本実施形態に係る移動制御システムの模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る移動制御システム100は、移動体10と管理装置12と情報処理装置14とを含む。移動制御システム100は、設備Wに所属する移動体10の移動を制御するシステムである。設備Wは、例えば倉庫など、物流管理される設備であるが、移動体10を運用する任意の設備であってよい。移動制御システム100においては、移動体10は、設備W内に配置された対象物Pをピックアップして搬送し、別の場所にドロップする。移動体10が搬送する対象物Pは、本実施形態では、パレット上に荷物が積載された搬送対象物である。ただし、対象物Pは、パレット上に荷物が積載されたものに限られず任意の形態であってよく、例えばパレットを有さず荷物のみであってもよい。また、移動体10は、対象物Pを搬送するものにも限られず、設備W内を任意の目的で移動する装置であってよい。
【0013】
(作業領域)
図1に示すように、設備Wには、作業領域ARが設定されている。作業領域ARは、本実施形態の移動体10が荷役作業等の所定の作業を行う領域である。作業領域ARは、積降領域(第1領域)AR1と、移送領域(第2領域)AR2とを含む。
【0014】
積降領域AR1は、移動体10が配備されている領域である。移動体10は、積降領域AR1内を移動可能である。ただし、移動体10は、積降領域AR1の全域を移動可能ではなく、例えば、後述の駐車領域ARVや、対象物Pや固定物P0(例えば設備W内の柱や壁など)が位置している領域については、移動不可能であってよい。以降において、積降領域AR1に沿った一方向をX方向とし、積降領域AR1に沿った方向であって方向Xに交差する方向を、Y方向とする。本実施形態では、Y方向は、X方向に直交する方向である。X方向、Y方向は、水平面に沿った方向といってもよい。X方向及びY方向において、矢印の方向を+方向(又は+側)とし、+方向とは反対の方向を-方向(又は-側)と表記する。また、X方向、Y方向に直交する方向を、より詳しくは鉛直方向の上方に向かう方向を、Z方向とする。また、本実施形態においては、「位置」とは、特に断りのない限り、積降領域AR1上の二次元面における座標系(積降領域AR1の座標系)における位置(座標)を指す。また、移動体10などの「姿勢(向き)」とは、特に断りのない限り、積降領域AR1の座標系における移動体10などの向きであり、Z方向から見た場合に、X方向を0°とした際の移動体10のヨー角(回転角度)を指す。
【0015】
積降領域AR1は、いわゆるトラックバースであり、運送車両Vが駐車される駐車領域ARVと、移動体10が移動可能な移動領域ARWとを含む。駐車領域ARVは、運送車両Vの駐車用の領域であり、移動領域ARWは、積降領域AR1のうちで駐車領域ARV以外の領域である。運送車両Vは、駐車領域ARVに対して予め定められた位置及び姿勢で駐車されることが好ましい。運送車両Vは、搭載した対象物Pを、設備W内外の区間で運送する移動体である。例えば、運送車両Vは、対象物Pを搭載した状態で設備Wに到着して駐車領域ARV内に停車され、搭載した対象物Pが移動体10により搬出される。また、駐車領域ARV内で停車する運送車両Vに、移動体10により対象物Pが搭載される場合もある。運送車両Vは、本実施形態ではトラックであるが、それに限られず、例えば鉄道車両など、対象物Pを搬送する任意の移動体であってよい。運送車両Vには、対象物Pが配置される収納室Vaが設けられている。図1の例では、運送車両Vの両側方(+X側及び-X側)に扉Vbが設けられている。移動体10は、扉Vbが開いた状態で、運送車両Vの扉Vbの開口部分(ここでは側方側)から収納室Vaにアプローチすることで、収納室Va内の対象物Pをピックアップしたり、収納室Va内に対象物Pをドロップしたりする。ただし、運送車両Vは、側方に扉Vbが設けられるものに限られず、運送車両Vの任意の位置(例えば後方)に扉Vbが設けられていてもよい。
【0016】
積降領域AR1には、対象物Pを配置する仮設置領域ARFも設定されることが好ましい。仮設置領域ARFは、移動領域ARW内の一部の領域に設定される。本実施形態の例では、仮設置領域ARFは、移動領域ARWと同じ高さであるため、移動体10は、対象物Pが配置されてない仮設置領域ARF内に進入可能である。ただしそれに限られず、移動体10は、仮設置領域ARF内に進入不可能であってよい。図1の例では、積降領域AR1は、積降領域AR1内において、駐車領域ARVのX方向側及びX方向と反対側とに設定される。ただし、仮設置領域ARFの位置及び数は任意であり、駐車領域ARVとは別の任意の位置に設けられてよい。本実施形態では、仮設置領域ARFは、対象物Pの仮置き場である。すなわち例えば、設備Wの稼働状況に応じて、運送車両Vに積まれた対象物Pや、運送車両Vに積まれる予定の対象物Pが、仮設置領域ARF内に仮置きされる場合がある。仮設置領域ARF内に仮置きされた対象物Pは、別の場所(例えば、運送車両Vや、後述する移送領域AR2)に搬送される。ただし、移送領域AR2の用途は仮置き場であることに限られない。移送領域AR2は、対象物Pが設置される任意の用途の領域であってよい。
【0017】
仮設置領域ARFは、複数の単位領域Aを含む。単位領域Aとは、対象物Pを配置するために設定された領域であり、対象物Pが設置される可能性がある領域ともいえる。単位領域Aの形状及び大きさは、予め設定されている。図1の例では単位領域Aは矩形であるが、形状及び大きさは任意であってよい。また、単位領域Aは、対象物P毎に区画されており、単位領域Aにはそれぞれ対象物Pが1つ配置される。それぞれの単位領域Aには、設備Wの状況に応じて、対象物Pが配置されている場合もあるし、配置されていない場合もある。図1の例では、仮設置領域ARFには、単位領域AがY方向に並んで設定されているが、仮設置領域ARF内における単位領域Aの並び方及び数は、任意であってよい。
【0018】
積降領域AR1は、図1の例では1つであるが、複数設けられていてもよい。すなわち例えば、駐車領域ARV及び移動領域ARWを含む積降領域AR1が、X方向に並んで複数設定されていてもよい。また、積降領域AR1は、駐車領域ARV及び移動領域ARWを含むトラックバースであることに限られず、移動体10が移動する(作業する)任意の領域であってよい。
【0019】
移送領域AR2は、積降領域AR1(移動領域ARW)と隣接する位置に設けられる。移送領域AR2は、図1の例において、積降領域AR1(移動領域ARW)の-Y側に位置する。移送領域AR2は、配置領域ARTを有する。配置領域ARTは、対象物Pを配置する。配置領域ARTは、複数の単位領域Aを含む。単位領域Aの配置、形状等については、図1に示す例に限定されない。
【0020】
本実施形態では、積降領域AR1内の移動体10は、移送領域AR2に対象物Pをドロップし、移送領域AR2に配置された対象物Pをピックアップすることは可能であるが、移送領域AR2内を移動しないことが好ましい。例えば、移送領域AR2は、積降領域AR1よりもZ方向側に位置している(すなわち積降領域AR1よりも高い位置に設定されており)。移動体10は、積降領域AR1と移送領域AR2との間で相互の進入が規制されている。つまり、移動体10は、積降領域AR1から移送領域AR2への進入が規制されている。また、移動体10は、移送領域AR2から積降領域AR1への進入が規制されている。なお、積降領域AR1内の移動体10が、移送領域AR2へ進入可能であってもよいし、移送領域AR2内の移動体10が、積降領域AR1へ浸入可能であってもよい。例えば、積降領域AR1と移送領域AR2とが同じ高さに設定されていてよい。以下、積降領域AR1を移動する移動体10と移送領域AR2を移動する移動体10とを区別する場合には、積降領域AR1を移動する移動体10を第1移動体10Aと表記し、移送領域AR2を移動する移動体10を第2移動体10Bと表記する。
【0021】
移送領域AR2の一部には、中継領域AR3が設けられる。中継領域AR3は、対象物Pを配置するための領域である。本実施形態において、中継領域AR3は、積降領域AR1と移送領域AR2との間で対象物Pの受け渡しを行う。中継領域AR3は、積降領域AR1及び移送領域AR2の両方の領域から移動体10によるアクセスが可能である。中継領域AR3は、積降領域AR1と移送領域AR2との間に設けられてもよいし、積降領域AR1の一部に設けられてもよい。例えば、積降領域AR1内の移動体10は、運送車両Vや仮設置領域ARFからピックアップした対象物Pを、中継領域AR3に搬入する。また、積降領域AR1内の移動体10は、中継領域AR3に搬入された対象物Pをピックアップして中継領域AR3から搬出し、運送車両Vや仮設置領域ARFに搬送する。また、移送領域AR2内の移動体10は、中継領域AR3に搬入された対象物Pをピックアップして中継領域AR3から搬出し、配置領域ARTに搬送する。また、移送領域AR2内の移動体10は、配置領域ARTに配置された対象物Pを、中継領域AR3に搬入する。中継領域AR3は、対象物Pの受け渡しに限られず、他の用途で用いてもよい。
【0022】
中継領域AR3は、複数の単位領域Aを含む。図1の例では、中継領域AR3には、単位領域AがX方向に並んで設定されているが、中継領域AR3内における単位領域Aの並び方及び数は、任意であってよい。中継領域AR3は、作業領域ARにおいて、複数個所に設けられてもよい。例えば、積降領域AR1がX方向に並んで複数設けられる場合、当該積降領域AR1ごとに中継領域AR3が設けられた構成であってもよい。
【0023】
(ウェイポイント)
作業領域ARには、位置(座標)毎にウェイポイントWPが設定されている。移動体10の移動経路は、ウェイポイントWPを繋ぐように設定される。すなわち、移動体10が通過を予定するウェイポイントWPを接続する経路が、移動体10の移動経路となる。ウェイポイントWPは、作業領域ARのレイアウトに応じて設定される。例えば、ウェイポイントWPは、作業領域ARにおいて移動体10の移動可能な領域にマトリクス状に設定されてよい。また、ウェイポイントWPは、駐車領域ARV内において対象物Pが配置される位置に応じて予め設定される。また、ウェイポイントWPは、作業領域ARにおいて対象物Pが配置される単位領域A等と対応するように設定することができる。例えば、それぞれの単位領域Aに対応する位置(座標)に、ウェイポイントWPを設定することができる。
【0024】
(移動体)
図2は、移動体の構成の模式図である。移動体10は、自動で移動可能な装置である。本実施形態では、移動体10は、真横に移動できない非ホノロミックなシステムである。なお、移動体10は、3輪駆動、3輪操舵の構成であってもよい。また、移動体10は、真横に移動可能な構成であってもよいし、信地旋回可能な構成であってもよい。本実施形態では、移動体10は、目標物を搬送可能な装置である。さらに言えば、本実施形態では、移動体10は、フォークリフトであり、より詳しくはいわゆるAGV(Automated Guided Vehicle)やAGF(Automated Guided Forklift)である。ただし、移動体10は、目標物を搬送するフォークリフトであることに限られず、自動で移動可能な任意な装置であってよい。
【0025】
図2に示すように、移動体10は、車体20と、車輪20Aと、ストラドルレッグ21と、マスト22と、フォーク24と、センサ26Aと、制御装置28とを備えている。ストラドルレッグ21は、車体20の前後方向における一方の端部に設けられて、車体20から突出する一対の軸状の部材である。車輪20Aは、それぞれのストラドルレッグ21の先端と、車体20とに設けられている。すなわち、車輪20Aは、合計3個設けられているが、車輪20Aの設けられる位置や個数は任意であってよい。マスト22は、ストラドルレッグ21に移動可能に取り付けられ、車体20の前後方向に移動する。マスト22は、前後方向に直交する上下方向(ここでは方向Z)に沿って延在する。フォーク24は、マスト22に方向Zに移動可能に取付けられている。フォーク24は、マスト22に対して、車体20の横方向(上下方向及び前後方向に交差する方向)にも移動可能であってよい。フォーク24は、一対のツメ24A、24Bを有している。ツメ24A、24Bは、マスト22から車体20の前方向に向けて延在している。ツメ24Aとツメ24Bとは、マスト22の横方向に、互いに離れて配置されている。以下、前後方向のうち、移動体10においてフォーク24が設けられている側の方向を、前方向とし、フォーク24が設けられていない側の方向を、後方向とする。
【0026】
センサ26Aは、車体20の周辺に存在する対象物の位置及び姿勢の少なくとも1つを検出する。センサ26Aは、移動体10に対する対象物の位置と、移動体10に対する対象物の姿勢との少なくとも一方を検出するともいえる。本実施形態では、センサ26Aは、それぞれのストラドルレッグ21の前方向における先端と、車体20の後方向側とに設けられている。ただし、センサ26Aの設けられる位置はこれに限られず、任意の位置に設けられてもよいし、設けられる数も任意であってよい。
【0027】
センサ26Aは、例えばレーザ光を照射するセンサである。センサ26Aは、一方向(ここでは横方向)に走査しつつレーザ光を照射し、照射したレーザ光の反射光から、対象物の位置及び向きを検出する。すなわち、センサ26Aは、いわゆる2次元(2D)-LiDAR(Light Detection And Ranging)であるともいえる。ただし、センサ26Aは、以上のものに限られず任意の方法で対象物を検出するセンサであってよく、例えば、複数の方向に走査されるいわゆる3次元(3D)-LiDARであってもよいし、走査されない、いわゆる1次元(1D)-LiDARであってもよいし、カメラであってもよい。
【0028】
制御装置28は、移動体10の移動を制御する。制御装置28については後述する。
【0029】
(管理装置)
図3は、管理装置の模式的なブロック図である。管理装置12は、設備Wにおける物流を管理するシステムである。管理装置12は、本実施形態ではWCS(Warehouse Control System)やWMS(Warehouse Management System)であるが、WCS及びWMSに限られず任意のシステムであってよく、例えば、その他の生産管理系システムのようなバックエンドシステムでも構わない。管理装置12が設けられる位置は任意であり、設備W内に設けられてもよいし、設備Wから離れた位置に設けられて、離れた位置から設備Wを管理するものであってもよい。管理装置12は、コンピュータであり、図3に示すように、通信部30と記憶部32と制御部34とを含む。
【0030】
通信部30は、制御部34に用いられて、情報処理装置14などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナやなどを含んでよい。通信部30による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部32は、制御部34の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0031】
制御部34は、演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算回路を含む。制御部34は、情報取得部40と、移送指示部42とを含む。制御部34は、記憶部32からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、情報取得部40及び移送指示部42とを実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部34は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、情報取得部40及び移送指示部42の少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部32が保存する制御部34用のプログラムは、管理装置12が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0032】
情報取得部40は、設備Wに向かって移動する運送車両Vの到着予定時刻、運送車両Vに積載される対象物Pの個数、設備Wの移送領域AR2に設けられる配置領域ARTの空き状況等の情報を取得する。移送指示部42は、取得した情報に基づいて、移送指示情報を生成し、生成した移送指示情報を通信部30から送信させる。移送指示情報は、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pを移送領域AR2に移送するように指示する情報である。これらの具体的な内容については後述する。
【0033】
(情報処理装置)
図4は、情報処理装置の模式的なブロック図である。情報処理装置14は、移動体10の移動に関する情報などを処理する装置である。情報処理装置14は、例えばFCS(Fleet Control System)であるが、それに限られず、移動体10の移動に関する情報を処理する任意の装置であってよい。情報処理装置14は、コンピュータであり、図4に示すように、通信部50と記憶部52と制御部54とを含む。通信部50は、制御部54に用いられて、管理装置12や移動体10などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部50による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部52は、制御部54の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0034】
制御部54は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部54は、情報取得部60と、指定情報処理部62と、スケジュール情報設定部64と、動作選択部66とを含む。制御部54は、記憶部52からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、情報取得部60と指定情報処理部62とスケジュール情報設定部64と動作選択部66とを実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部54は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、情報取得部60と指定情報処理部62とスケジュール情報設定部64と動作選択部66の少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部52が保存する制御部54用のプログラムは、情報処理装置14が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0035】
情報取得部60は、管理装置12から送信される移送指示情報を取得する。情報取得部60は、移動体10から送信される当該移動体10の搬送状況を取得する。指定情報処理部62は、取得した情報に基づいて、指定情報を生成及び更新する。指定情報は、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pのそれぞれについて搬送先である中継領域AR3における位置を指定する第1指定情報と、中継領域AR3に配置される対象物Pのそれぞれについて搬送先である移送領域AR2における位置を指定する第2指定情報とを含む。スケジュール情報設定部64は、移動体10のスケジュール情報を設定する。動作選択部66は、中継領域AR3において対象物Pのドロップ(搬入)及びピックアップ(搬出)のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない事態が発生していると後述の判定部86で判定された場合、一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0036】
なお、本実施形態では、管理装置12と情報処理装置14とが別の装置であったが、一体の装置であってもよい。すなわち、管理装置12が情報処理装置14の少なくとも一部の機能を兼ね備えてよいし、情報処理装置14が管理装置12の少なくとも一部の機能を兼ね備えてよい。
【0037】
(移動体の制御装置)
次に、移動体10の制御装置28について説明する。図5は、移動体の制御装置の模式的なブロック図である。制御装置28は、移動体10を制御する装置である。制御装置28は、コンピュータであり、図5に示すように、通信部70と記憶部72と制御部74とを含む。通信部70は、制御部74に用いられて、情報処理装置14などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部70による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部72は、制御部74の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部72は、例えば移動体10が1つの対象物Pをピックアップする動作に要する時間、1つの対象物Pをドロップする動作に要する時間、ウェイポイントWP間を移動する時間等、移動体10の動作の所要時間についての情報を記憶する。
【0038】
制御部74は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部74は、搬送制御部82と、搬送状況検出部84と、判定部86とを含む。制御部74は、記憶部72からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、スケジュール情報設定部80、搬送制御部82、搬送状況検出部84及び判定部86を実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部74は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、搬送制御部82、搬送状況検出部84及び判定部86の少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部72が保存する制御部74用のプログラムは、制御装置28が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0039】
搬送制御部82は、移動体10の駆動部やステアリングなどの移動機構を制御して、移動体10の移動を制御する。搬送状況検出部84は、センサ26Aの検出結果、移動体10の動作履歴等に基づいて、当該移動体10による対象物Pの移動状況を検出する。搬送状況検出部84は、検出した移動状況を通信部70から情報処理装置14に送信させる。判定部86は、中継領域AR3において対象物Pのドロップ(搬入)及びピックアップ(搬出)のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない事態が発生しているか否かを判定する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0040】
(移動制御システムの処理)
移動制御システム100の処理内容について、以下で説明する。
【0041】
管理装置12において、情報取得部40は、設備Wに向かって移動する運送車両Vの到着予定時刻、運送車両Vに積載される対象物Pの個数、設備Wの移送領域AR2に設けられる配置領域ARTの空き状況等の情報を取得する。移送指示部42は、取得した情報に基づいて、移送指示情報を生成する。移送指示情報は、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pを、移送領域AR2に移送するように指示する情報である。図6は、移送指示情報I0の一例を示す図である。図6に示すように、移送指示情報I0は、積降領域AR1に停車する運送車両Vごとに、オーダ番号、駐車領域ARVの位置又は識別情報、移送領域AR2における配置領域ARTの範囲、運送車両Vの到着予定時刻等の時刻情報等が含まれる。移送指示部42は、生成した移送指示情報I0を通信部30から送信させる。
【0042】
情報処理装置14において、通信部50は、移送指示情報I0を受信する。情報取得部60は、受信した移送指示情報I0を取得する。指定情報処理部62は、取得した移送指示情報I0に基づいて、対象物Pの搬送先を指定する指定情報を生成する。指定情報は、積降領域AR1内を移動する第1移動体10Aに対する第1指定情報と、移送領域AR2内を移動する第2移動体10Bに対する第2指定情報とを含む。
【0043】
図7は、第1指定情報I1の一例を示す図である。第1指定情報I1は、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pのそれぞれについて、搬送先である中継領域AR3における位置を指定する情報である。搬送先である中継領域AR3における位置としては、例えば中継領域AR3の各単位領域Aの位置又は識別情報等が挙げられる。また、第1指定情報I1には、対象物Pごとに当該対象物Pを搬送する移動体10を指定する情報が含まれる。図7に示すように、第1指定情報I1は、オーダ番号、対象物Pの識別情報、対象物Pを搬送する移動体10の識別情報、対象物Pの搬送先を示す中継領域AR3の単位領域Aの位置又は識別情報、等が含まれる。
【0044】
図8は、第2指定情報I2の一例を示す図である。第2指定情報I2は、中継領域AR3に配置される対象物Pのそれぞれについて搬送先である移送領域AR2における位置を指定する情報である。搬送先である移送領域AR2の位置としては、例えば上記した配置領域ARTの各単位領域Aの位置又は識別情報等が挙げられる。図8に示すように、第2指定情報I2は、オーダ番号、対象物Pの識別情報、対象物Pを搬送する移動体10の識別情報、対象物Pの搬送元を示す中継領域AR3の単位領域Aの位置又は識別情報、対象物Pの搬送先を示す配置領域ARTの単位領域Aの位置又は識別情報等が含まれる。
【0045】
第1移動体10A及び第2移動体10Bによる対象物Pの搬送状況によっては、対象物Pをどの移動体10が搬送するか、第1移動体10A及び第2移動体10Bによる対象物Pの搬送先をどこにするか、第2移動体10Bが搬送する対象物Pの搬送元がどこになるか、等を設定することが困難な場合がある。このような場合、指定情報処理部62は、設定対象となる項目について、「未」等のように未設定とすることができる。
【0046】
スケジュール情報設定部64は、移動体10に対して対象物Pを搬送するタイミングを指定するスケジュール情報を生成する。なお、スケジュール情報は、移動体10の制御装置28において生成されてもよい。すなわち、スケジュール情報設定部64に対応する機能が制御装置28の制御部74に設けられてもよい。図9は、スケジュール情報I3の一例を示す図である。図9に示すように、スケジュール情報I3は、第1移動体10Aについての第1スケジュール情報I3Aと、第2移動体10Bについての第2スケジュール情報I3Bとを含む。図9において、横軸は時間である。
【0047】
図9に示すように、第1スケジュール情報I3Aは、運送車両Vに移動し、運送車両Vで対象物Pをピックアップし、中継領域AR3に移動し、中継領域AR3の単位領域Aに対象物Pをドロップし、再び運送車両Vに向けて移動する、という第1移動体10Aの一連の搬送動作のスケジュールが規定される。なお、図9に示す第1スケジュール情報I3Aでは、第1移動体10Aの搬送動作の一部が示されている。
【0048】
また、図9に示すように、第2スケジュール情報I3Bは、中継領域AR3に移動し、中継領域AR3の単位領域Aで対象物Pをピックアップし、配置領域ARTに移動し、配置領域ARTの単位領域Aに対象物Pをドロップする、という第2移動体10Bの一連の搬送動作のスケジュールが規定される。なお、図9に示す第2スケジュール情報I3Bでは、第2移動体10Bの搬送動作の一部が示されている。
【0049】
図9において、第1スケジュール情報I3A及び第2スケジュール情報I3Bでは、第1移動体10A及び第2移動体10Bが通過又は停止する予定のウェイポイントWPごとに、当該ウェイポイントWPを通過するタイミング又はウェイポイントWPで停止するタイミングが規定される。
【0050】
移動体10の制御装置28は、第1指定情報I1、第2指定情報I2及びスケジュール情報設定部64で生成されたスケジュール情報I3に基づいて、移動体10の動作を制御する。すなわち、第1移動体10Aの制御装置28は、第1指定情報I1及びスケジュール情報I3に基づいて第1移動体10Aの動作を制御する。また、第2移動体10Bの制御装置28は、第2指定情報I2及びスケジュール情報I3に基づいて第2移動体10Bの動作を制御する。
【0051】
搬送制御部82は、スケジュール情報に基づいて移動体10を制御する。第1移動体10A及び第2移動体10Bは、搬送制御部82の制御に基づいて、作業領域ARを移動し、対象物Pを搬送する。搬送状況検出部84は、それぞれの移動体10の搬送状況を検出し、検出結果を情報処理装置14に送信する。
【0052】
情報処理装置14において、通信部50は、送信された搬送状況を受信する。情報取得部60は、受信した搬送状況を取得する。指定情報処理部62は、それぞれの移動体10の搬送状況に基づいて、対象物Pの搬送状況を検出する。指定情報処理部62は、対象物Pの搬送状況に応じて、第1指定情報I1、第2指定情報I2及びスケジュール情報I3を更新することができる。図10は、指定情報を更新する場合の例を示す図である。図10に示すように、指定情報処理部62は、第1指定情報I1及び第2指定情報I2において未設定とした設定対象項目について、搬送状況に応じて設定可能な状態となった場合に、適宜設定することができる。また、図10に示すように、指定情報処理部62は、第1指定情報I1及び第2指定情報I2において設定済みの対象項目についても、搬送状況に応じて設定を変更することができる。これにより、搬送状況に応じて柔軟な制御が可能となる。
【0053】
対象物Pの搬送状況によっては、スケジュール情報設定部64で設定されたスケジュール情報I3の通りに搬送動作が進まない場合がある。図11及び図12は、対象物Pの搬送状況の一例を模式的に示す図である。例えば、図11に示すように、中継領域AR3の単位領域Aに対象物Pを第1移動体10Aによりドロップ(搬入)する予定である場合において、ドロップする予定の単位領域Aに対象物Pが残っている場合又は当該単位領域Aで第2移動体10Bが対象物Pをピックアップしている途中であり完了していない場合には、第1移動体10Aは対象物Pを予定通りドロップできない状況となる。また、例えば、図12に示すように、中継領域AR3の単位領域Aから第2移動体10Bにより対象物Pをピックアップ(搬出)する予定である場合において、ピックアップする予定の単位領域Aに対象物Pが配置されていない場合又は当該単位領域Aで第1移動体10Aが対象物Pをドロップしている途中であり完了していない場合には、第2移動体10Bは対象物Pを予定通りピックアップ状況となる。
【0054】
移動体10が対象物Pをドロップする予定の単位領域Aに対象物Pが残っている又はピックアップの途中であるという情報は、例えば移動体10による動作履歴及び移動体10のセンサ26A等により検出することができる。同様に、移動体10が対象物Pをピックアップする予定の単位領域Aに対象物Pが存在しない又はドロップの途中であるという情報は、例えば移動体10による動作履歴及び移動体10のセンサ26A等により検出することができる。このように、中継領域AR3において対象物Pの搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できないという状況は、移動体10において検出することができる。
【0055】
制御装置28の判定部86は、移動体10で検出される情報に基づいて、中継領域AR3において対象物Pのドロップ及びピックアップのうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない事態が発生しているか否かを判定する。判定部86により当該事態が発生していないと判定された場合、搬送制御部82は、引き続き搬送動作を行わせる。
【0056】
一方、判定部86により当該事態が発生していると判定した場合、判定結果を情報処理装置14に送信させる。情報処理装置14では、制御部54の動作選択部66において、一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかの選択を行う。動作選択部66は、選択結果を移動体10に送信させる。なお、動作選択部66の上記の選択動作については、制御装置28の制御部74において行ってもよい。すなわち、上記の動作選択部66に対応する機能が情制御部74に設けられてもよい。動作選択部66は、例えば待機動作を行う場合に要する待機時間と、所定動作を行う場合に要する動作時間とを算出する。
【0057】
待機時間を算出する場合、動作選択部66は、例えば一方の動作の全体の所要時間と、現時刻における一方の動作の搬送状況とに基づいて、残りの動作の所要時間を待機時間として算出することができる。一方の動作の搬送状況については、例えば情報取得部60で取得された情報を用いることができる。
【0058】
また、完了していない一方の動作が対象物Pのピックアップであり、実行できない他方の動作が対象物Pのドロップである場合、所定動作は、積降領域AR1及び移送領域AR2のうち移動体10が存在する領域に存在する仮置き領域(仮設置領域ARF等)に対象物Pを一旦ドロップし、当該仮置き領域にドロップした対象物Pを再度ピックアップして、本来ドロップ予定であった中継領域AR3の単位領域Aに戻る又は戻った後に対象物Pをドロップする第1動作とすることができる。第1動作の動作時間を算出する際、搬送制御部82は、例えば中継領域AR3から仮置き領域に移動する動作、対象物Pを仮置き領域の単位領域Aにドロップする動作、ドロップした対象物Pをピックアップする動作、中継領域AR3に戻る動作、のそれぞれの所要時間の和を動作時間として算出することができる。
【0059】
動作選択部66は、所定動作については、一方の動作と他方の動作との内容に応じて異なる動作を行わせる。すなわち、完了していない一方の動作が対象物Pのドロップであり、実行できない他方の動作が対象物Pのピックアップである場合、所定動作は、中継領域AR3へのドロップが完了している他の対象物Pをピックアップして搬送先の単位領域Aにドロップし、ドロップ後に本来ピックアップ予定であった中継領域AR3の単位領域に戻る又は戻った後に対象物Pをピックアップする第2動作とすることができる。第2動作の動作時間を算出する際、動作選択部66は、例えば他の対象物Pまで移動する動作、他の対象物Pをピックアップする動作、他の対象物Pを保持して単位領域Aまで移動する動作、単位領域Aでドロップする動作、単位領域Aから中継領域AR3に移動する動作、のそれぞれの所要時間の和を動作時間として算出することができる。
【0060】
動作選択部66は、例えば第1動作を行わせる場合、算出した待機時間と動作時間とを比較し、時間が短い方の動作を行うように移動体10を制御する。また、動作選択部66は、例えば第2動作を行わせる場合、本来の対象物Pのピックアップを後回しにして第2動作を先に行わせる、すなわち作業順を入れ替えることになる。したがって、動作選択部66は、上記の動作時間に基づいて、作業順を入れ替えることで必要になる作業を行うための作業時間を算出する。例えば、作業順を入れ替えることで、本来の計画よりも移動距離が長くなった場合、当該長くなった距離を移動するための時間を作業時間として算出する。動作選択部66は、算出した作業時間と、上記の待機時間とを比較して、時間が短い方の動作を行うように移動体10を制御する。
【0061】
図13及び図14は、待機動作の一例を模式的に示す図である。図13及び図14に示すように、搬送制御部82は、他方の動作を行う予定の中継領域AR3の単位領域Aの位置(ウェイポイントWP)で、一方の動作が完了するまで待機するように移動体10を制御する。搬送制御部82は、一方の動作が完了した後、他方の動作をおこなうように移動体10を制御する。
【0062】
図15は、スケジュール情報を変更する場合の例を示す図である。図15では、第1移動体10Aが中継領域AR3の単位領域Aに対象物Pをドロップする際に遅れが発生し、当該遅れにより第2移動体10Bが当該単位領域Aの対象物Pをピックアップできなくなっている場合を示している。この状況において、動作選択部66により第2移動体10Bが待機動作を行うように選択された場合、タイミング情報生成部64は、遅れが発生した時間だけドロップのスケジュールを先にずらすように第1移動体10Aのスケジュール情報I3Aを更新する。また、タイミング情報生成部64は、例えば単位領域Aに到達する前のウェイポイントWP1で待機動作を行うように第2移動体10Bのスケジュール情報I3Bを更新する。この場合、タイミング情報生成部64は、当該待機動作に要する待機時間の分だけ、ピックアップの作業時間を先にずらすように第2移動体10Bのスケジュール情報I3Bを更新する。
【0063】
図16及び図17は、所定動作の一例を模式的に示す図である。所定動作として第1動作を行わせる場合、図16に示すように、搬送制御部82は、例えば中継領域AR3から仮置き領域に移動する動作、対象物Pを仮置き領域の単位領域Aにドロップする動作、ドロップした対象物Pをピックアップする動作、中継領域AR3に戻る動作を移動体10に行わせる。
【0064】
所定動作として第2動作を行わせる場合、図17に示すように、搬送制御部82は、例えば他の対象物Pまで移動する動作、他の対象物Pをピックアップする動作、他の対象物Pを保持して単位領域Aまで移動する動作、単位領域Aでドロップする動作、単位領域Aから中継領域AR3に移動する動作を移動体10に行わせる。
【0065】
図18は、スケジュール情報を変更する場合の例を示す図である。所定動作を行うように移動体10を制御する場合、所定動作により対象物Pの搬送状況が変化する場合には、図18に示すように、タイミング情報生成部64は、対象物Pの搬送状況に応じて、所定動作を行う移動体10と、当該所定動作を行う移動体10以外の各移動体10について、以降の動作のタイミングを調整する。例えば、タイミング情報生成部64は、対象物Pをピックアップ又はドロップする対象となる単位領域Aの変更、移動、ピックアップ、ドロップの各動作のタイミング等の変更を行う。
【0066】
このように、中継領域AR3において対象物Pの搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択し、選択結果に基づいて、第1移動体10A及び第2移動体10Bのうち他方の動作を実行できない方の移動体10を制御する。
【0067】
図19は、本実施形態に係る移動制御システム100の動作の一例を示すフローチャートである。図19に示すように、移動制御システム100において、管理装置12の移送指示部42は、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pを、積降領域AR1とは異なる移送領域AR2に移送するように指示する移送指示情報I0を送信する(ステップS10)。
【0068】
次に、情報処理装置14の指定情報処理部62は、移送指示情報I0に基づいて、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pのそれぞれについて搬送先である中継領域AR3における位置を指定する第1指定情報I1と、中継領域AR3に配置される対象物Pのそれぞれについて搬送先である移送領域AR2における位置を指定する第2指定情報I2とを生成して送信する(ステップS20)。
【0069】
次に、制御装置28の搬送制御部82は、第1指定情報I1及び第2指定情報I2に基づいて、自動で移動して対象物Pを搬送可能な複数の移動体10を制御する(ステップS30)。ステップS30の制御により、例えば積降領域AR1を自動で移動する第1移動体10Aは、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pを中継領域AR3にドロップする(ステップS31)。また、積降領域AR1とは異なる移送領域AR2を自動で移動する1台以上の第2移動体10Bは、中継領域AR3に搬入された対象物Pを中継領域AR3からピックアップする(ステップS32)。搬送状況検出部84は、それぞれの移動体10の搬送状況を検出して情報処理装置14に送信する(ステップS40)。
【0070】
情報処理装置14の指定情報処理部62は、それぞれの移動体10の搬送状況に基づいて、対象物P全体の搬送状況を検出する(ステップS50)。指定情報処理部62は、対象物Pの搬送状況に応じて、第1指定情報I1及び第2指定情報I2を更新し、更新した第1指定情報I1及び第2指定情報I2を送信させる(ステップS60)。
【0071】
なお、上記したステップS10からステップS60は、複数の移動体10の搬送動作の制御を行う手順の一例であり、この構成に限定されない。複数の移動体10は、上記したステップS31及びステップS32の動作を適切に行うことが可能であれば、ステップS10からステップS60の手順とは異なる他の手順により搬送動作が行われてもよい。
【0072】
上記の搬送動作を行う場合に、制御装置28の判定部86は、中継領域AR3において対象物Pのドロップ及びピックアップのうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない所定事態が発生したか否かを判定する(ステップS70)。当該所定事態が発生していないと判定された場合(ステップS70のNo)、ステップS30に戻って処理を行う。
【0073】
また、ステップS70において所定事態が発生したと判定された場合(ステップS70のYes)、動作選択部66は、一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを選択する(ステップS80)。動作選択部66により待機動作が選択された場合(ステップS80のYes)、搬送制御部82は、一方の動作が完了するまで移動体10を待機させる(ステップS90)。搬送制御部82は、一方の動作が完了した後、移動体10に予定していた他方の動作を行わせる(ステップS100)。
【0074】
また、動作選択部66により待機動作ではなく所定動作が選択された場合(ステップS80のNo)、搬送制御部82は、移動体10に所定動作を行わせ(ステップS110)、所定動作が完了した後にステップS70に戻って処理を行う。
【0075】
ステップS100の後、情報処理装置14の指定情報処理部62は、それぞれの移動体10の搬送状況に基づいて、全ての対象物Pの搬送が完了したか否かを判定する(ステップS120)。全ての対象物Pの搬送が完了していないと判定された場合(ステップS120のNo)、ステップS30に戻って処理を行う。全ての対象物Pの搬送が完了したと判定された場合(ステップS120のYes)、処理を完了する。
【0076】
図20は、作業領域ARの他の例を示す図である。図20に示すように、作業領域ARには、駐車領域ARV及び移動領域ARWを含む積降領域AR1が、X方向に並んで複数設定されている。移送領域AR2は、複数の積降領域AR1に跨って設けられる。中継領域AR3は、積降領域AR1ごとに設けられる。図20に示す例では、積降領域AR1がX方向に3箇所並んだ状態で設けられる。この場合、3箇所の積降領域AR1の全てで同時に荷役作業を行う設定とはせず、例えばX方向の中央の1箇所のみ、又はX方向の両側の2箇所のみで同時に荷役作業を行う設定とすることができる。
【0077】
X方向の両側の2箇所で同時に荷役作業を実行する場合、各積降領域AR1には、当該積降領域AR1で専用の第1移動体10Aが複数台、例えば2台ずつ配置される。また、移送領域AR2には、第2移動体10Bが3台配置される。3台の第2移動体10Bのうち、1台は+X側の中継領域AR3に対応するように専用で配置され、1台は-X側の中継領域AR3に対応するように専用で配置され、残り1台は+X側の中継領域AR3と-X側の中継領域AR3との両方に対応するように兼用で配置される。
【0078】
この場合、制御装置28において、搬送制御部82は、所定動作で第2移動体10Bに第2動作を行わせる場合、一方の動作が完了していない中継領域AR3とは異なる中継領域AR3に搬入された対象物Pをピックアップの対象とするように制御することができる。この動作により、+X側及び-X側の積降領域AR1を稼働する場合において、対象物Pの搬送効率を高めることができる。
【0079】
以上のように、本開示の第1態様に従えば、積降領域AR1を自動で移動し、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pを中継領域AR3に搬入する1台以上の第1移動体10Aと、積降領域AR1とは異なる移送領域AR2を自動で移動し、中継領域AR3に搬入された対象物Pを中継領域AR3から搬出する1台以上の第2移動体10Bと、中継領域AR3において対象物Pの搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを判定し、判定結果に基づいて、第1移動体10A及び第2移動体10Bのうち他方の動作を実行できない方の移動体10を制御する制御部54、74とを備える移動制御システム100が提供される。
【0080】
この構成によれば、中継領域AR3において対象物Pの搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、待機動作又は所定動作を選択して行うことにより、移動体10を効率的に制御することができる。これにより、複数の対象物Pを効率的に搬送することができる。
【0081】
本開示の第2態様に従えば、本開示の第1態様に係る移動制御システムにおいて、制御部54、74は、待機動作を行う場合に要する待機時間と、所定動作を行う場合に要する動作時間とを比較し、時間が短い方の動作を行うように移動体10を制御する。従って、移動体10を効率的に制御することができる。
【0082】
本開示の第3態様に従えば、本開示の第1態様又は第2態様に係る移動制御システムにおいて、一方の動作は、対象物Pの搬入であり、他方の動作は、対象物Pの搬出であり、所定動作は、中継領域AR3への搬入が完了している他の対象物Pを搬出する動作である。従って、一方の動作が対象物Pの搬入であり、他方の動作が対象物Pの搬出である場合に、中継領域AR3への搬入が完了している他の対象物Pを搬出する動作を所定動作として行うことができるため、移動体10を効率的に制御することができる。
【0083】
本開示の第4態様に従えば、本開示の第3態様に係る移動制御システムにおいて、中継領域AR3は、複数個所に設けられ、所定動作で搬出対象とする他の対象物Pは、一方の動作が完了していない中継領域AR3とは異なる中継領域AR3に搬入された対象物Pを含む。従って、中継領域AR3が複数個所に設定される場合において、異なる中継領域AR3に配置される対象物Pを1台の移動体10に搬送させることができるため、対象物Pの搬送効率を高めることができる。
【0084】
本開示の第5態様に従えば、本開示の第1態様又は第2態様に係る移動制御システムにおいて、一方の動作は、対象物Pの搬出であり、他方の動作は、対象物Pの搬入であり、所定動作は、積降領域AR1に設けられる仮設置領域ARFに対象物Pを配置し、仮設置領域ARFに配置した対象物Pを中継領域AR3に搬入する動作である。従って、一方の動作が対象物Pの搬出であり、他方の動作が対象物Pの搬入である場合に、積降領域AR1に設けられる仮設置領域ARFに対象物Pを配置し、仮設置領域ARFに配置した対象物Pを中継領域AR3に搬入する動作を所定動作として行うことができるため、移動体10を効率的に制御することができる。
【0085】
本開示の第6態様に従えば、本開示の第1態様から第5態様のいずれかに係る移動制御システムにおいて、制御部54、74は、待機動作を行うように移動体10を制御する場合には、移動体10の以降の動作のタイミングが待機動作を行う場合に要する待機時間の分だけ後にずれるように制御する。従って、待機動作によって動作のタイミングが変更される場合に移動体10の動作を適切に制御することができる。
【0086】
本開示の第7態様に従えば、本開示の第1態様から第5態様のいずれかに係る移動制御システムにおいて、制御部54、74は、所定動作を行うように移動体10を制御する場合において、所定動作により対象物Pの搬送状況が変化する場合には、対象物Pの搬送状況に応じて移動体10の以降の動作のタイミングを調整する。従って、所定動作によって動作のタイミングが変更される場合に移動体10の動作を適切に制御することができる。
【0087】
本開示の第7態様に従えば、積降領域AR1を自動で移動する1台以上の第1移動体10Aにより、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pを中継領域AR3に搬入するステップと、積降領域AR1とは異なる移送領域AR2を自動で移動する1台以上の第2移動体10Bにより、中継領域AR3に搬入された対象物Pを中継領域AR3から搬出するステップと、中継領域AR3において対象物Pの搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを判定し、判定結果に基づいて、第1移動体10A及び第2移動体10Bのうち他方の動作を実行できない方の移動体10を制御するステップとを含む移動制御方法が提供される。この構成によれば、中継領域AR3において対象物Pの搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、待機動作又は所定動作を選択して行うことにより、移動体10を効率的に制御することができる。これにより、複数の対象物Pを効率的に搬送することができる。
【0088】
本開示の第8態様に従えば、積降領域AR1を自動で移動する1台以上の第1移動体10Aにより、積降領域AR1に配置される複数の対象物Pを中継領域AR3に搬入するステップと、積降領域AR1とは異なる移送領域AR2を自動で移動する1台以上の第2移動体10Bにより、中継領域AR3に搬入された対象物Pを中継領域AR3から搬出するステップと、中継領域AR3において対象物Pの搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、一方の動作が完了するまで待機する待機動作を行うか、当該待機動作とは異なる所定動作を行うかを判定し、判定結果に基づいて、第1移動体10A及び第2移動体10Bのうち他方の動作を実行できない方の移動体10を制御するステップとをコンピュータに実行させる移動制御プログラムが提供される。この構成によれば、中継領域AR3において対象物Pの搬入及び搬出のうち一方の動作が完了していないことに起因して他方の動作を実行できない場合に、待機動作又は所定動作を選択して行うことにより、移動体10を効率的に制御することができる。これにより、複数の対象物Pを効率的に搬送することができる。
【0089】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0090】
例えば、上記実施形態においては、第1領域が積降領域AR1であり、第2領域が移送領域AR2である場合、すなわち、積降領域AR1に停車する運送車両Vから対象物Pを降ろして設備Wの移送領域AR2に移送する場合を例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。例えば第1領域が移送領域AR2であり、第2領域が積降領域AR1である場合、すなわち、設備Wの移送領域AR2に配置される対象物Pを積降領域AR1に移送し、積降領域AR1に停車する運送車両Vに積み込む場合等においても同様の説明が可能である。なお、この場合には、移送領域AR2に配置される移動体10が中継領域AR3に対象物Pをドロップし、積降領域AR1に配置される移動体10が中継領域AR3から対象物Pをピックアップする。
【符号の説明】
【0091】
10 移動体
10,10A 第1移動体
10,10B 第2移動体
12 管理装置
14 情報処理装置
20 車体
20A 車輪
21 ストラドルレッグ
22 マスト
24 フォーク
24A,24B ツメ
26A センサ
28 制御装置
30,50,70 通信部
32,52,72 記憶部
34,54,74 制御部
40,60 情報取得部
42 移送指示部
62 指定情報処理部
64 スケジュール情報設定部
66 動作選択部
82 搬送制御部
84 搬送状況検出部
86 判定部
100,100A 移動制御システム
A 単位領域
AR 作業領域
AR1 積降領域
AR2 移送領域
AR3 中継領域
ARF 仮設置領域
ART 配置領域
ARV 駐車領域
ARW 移動領域
I0 移送指示情報
I1 第1指定情報
I2 第2指定情報
I3 スケジュール情報
I3A 第1スケジュール情報
I3B 第2スケジュール情報
P 対象物
P0 固定物
V 運送車両
Va 収納室
Vb 扉
W 設備
WP ウェイポイント
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