(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126479
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ETC車載器およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240912BHJP
【FI】
G07B15/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034870
(22)【出願日】2023-03-07
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
(71)【出願人】
【識別番号】318006365
【氏名又は名称】JRCモビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】杉▲崎▼ 裕吾
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA70
3E127CA14
3E127CA18
3E127FA27
3E127FB10
(57)【要約】
【課題】消費電力を削減可能なETC車載器及びその制御方法を提供する。
【解決手段】ETCゲート路側機5と通信を行うアンテナ11及びRF部12と、アンテナ11及びRF部12を介してETCゲート路側機5と料金収受処理を行なう通常モードと、休止状態となるスリープモードとを備えるCPU14と、ETCゲート路側器5からの送信波を受信するための受信処理をアンテナ11及びRF部12に間欠的に行なわせ、アンテナ11及びRF部12が前記送信波を受信した場合にはCPU14へ割込信号を出力して、CPU14をスリープモードから通常モードへ切り替えるFPGA13と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、ETCゲート路側機と通信を行なって有料道路の通行料金を支払うための料金収受処理を行なうETC車載器であって、
前記ETCゲート路側機と通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して前記ETCゲート路側機と前記料金収受処理を行なう通常モードと、休止状態となるスリープモードとを備えるCPUと、
前記ETCゲート路側器からの送信波を受信するための受信処理を前記通信手段に間欠的に行なわせ、前記通信手段が前記送信波を受信した場合には前記CPUへ割込信号を出力して、前記CPUを前記スリープモードから前記通常モードへ切り替えるCPU補助演算手段と、
を備える、ことを特徴とするETC車載器。
【請求項2】
前記CPU補助演算手段が、前記料金収受処理の終了後に前記CPUを前記通常モードから前記スリープモードへ切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載のETC車載器。
【請求項3】
前記CPU補助演算手段が、前記車両の位置情報を取得する外部装置からETCゲート付近であることを知らせる判定信号を受信した場合に、前記CPUへ割込信号を出力して、前記CPUを前記スリープモードから前記通常モードへ切り替える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のETC車載器。
【請求項4】
前記CPU補助演算手段が、前記車両の停車を知らせる停車信号を受信した場合に、前記通信手段の受信処理を停止させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のETC車載器。
【請求項5】
車両に搭載され、ETCゲート路側機と通信を行なって有料道路の通行料金を支払うための料金収受処理を行なうETC車載器の制御方法であって、
前記料金収受処理を行なうCPUをスリープモードに切り替えるステップと、
前記ETCゲート路側機からの送信波を受信するための受信処理を通信手段に間欠的に行なわせるステップと、
前記通信手段が前記送信波を受信した場合には前記CPUへ割込信号を出力し、前記CPUを前記スリープモードから前記料金収受処理を行なう通常モードへと切り替えるステップと、
を備える、ことを特徴とするETC車載器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速道路等の有料道路において、無線を介して自動で通行料金の収受を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速道路等の有料道路において、料金所付近の渋滞の解消および緩和を図るためETC(Electronic Toll Collection)システムが導入されつつある。
【0003】
このETCシステムは、無線通信機能を有し、ユーザー固有の情報等が記憶されたICカードが着脱自在に設けられたETC車載器を車両に搭載し、このETC車載器と有料道路等の料金所のゲートに設けられた路側機(ETCゲート路側機)との間で無線通信を行い、当該車両の通行料金を電子的に徴収するものである。
【0004】
ETC車載器は、本来、車両がETCゲートに近接したときだけ、路側機の間で電波送受信を行うものであるが、従来は車両がETCゲートを通過するタイミングがわからないため、常時受信しており、無効な電力を消費していた(
図4(b)参照)。
【0005】
特許文献1には、VICS、ETC及びGPSの各システム別に無線回路が収納されている無線ユニットとカーナビゲーション装置とを接続した構成を有する車載用複合ユニットが開示されている。この車載用複合ユニットによれば、GPSで検出された位置情報に基づいて、自動車が料金徴収所に近接したときだけ電源が自動投入されるようにしているので、通常走行時におけるETC車載電源の電力消費がなく、その分、車載電源の電力消費量を低減することが可能になるという効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の車載用複合ユニットにおいて、自動車が料金所のごく近傍に達した時にETC用の無線回路に電源が入るようにするためには、カーナビゲーション装置の電源を常に入れておく必要があり、車載用複合ユニット全体としての低消費電力化には至っていなかった。
【0008】
一方、車両のEV化に伴い、車両の装着機器の低消費電力化がますます必要とされている。
【0009】
本発明は、消費電力を削減可能なETC車載器及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両に搭載され、ETCゲート路側機と通信を行なって有料道路の通行料金を支払うための料金収受処理を行なうETC車載器であって、前記ETCゲート路側機と通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記ETCゲート路側機と前記料金収受処理を行なう通常モードと、休止状態となるスリープモードとを備えるCPUと、前記ETCゲート路側器からの送信波を受信するための受信処理を前記通信手段に間欠的に行なわせ、前記通信手段が前記送信波を受信した場合には前記CPUへ割込信号を出力して、前記CPUを前記スリープモードから前記通常モードへ切り替えるCPU補助演算手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のETC車載器であって、前記CPU補助演算手段が、前記料金収受処理の終了後に前記CPUを前記通常モードから前記スリープモードへ切り替える、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のETC車載器であって、前記CPU補助演算手段が、前記車両の位置情報を取得する外部装置からETCゲート付近であることを知らせる判定信号を受信した場合に、前記CPUへ割込信号を出力して、前記CPUを前記スリープモードから前記通常モードへ切り替える、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載のETC車載器であって、前記CPU補助演算手段が、前記車両の停車を知らせる停車信号を受信した場合に、前記通信手段の受信処理を停止させる、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、車両に搭載され、ETCゲート路側機と通信を行なって有料道路の通行料金を支払うための料金収受処理を行なうETC車載器の制御方法であって、前記料金収受処理を行なうCPUをスリープモードに切り替えるステップと、前記ETCゲート路側器からの送信波を受信するための受信処理を通信手段に間欠的に行なわせるステップと、前記通信手段が前記送信波を受信した場合には前記CPUへ割込信号を出力し、前記CPUを前記スリープモードから前記料金収受処理を行なう通常モードへと切り替えるステップと、を備える、ことを特徴とする。
である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1および請求項5記載の発明によれば、CPU補助演算手段を設けることにより、ETCゲート路側器からの送信波を受信してCPUへ割込信号を出力するまでは、CPUを休止状態にしておくことができるので、CPUの消費電力を削減し、延いてはETC車載器の消費電力を低減することが可能となる。また、ETCゲート路側機からの送信波を間欠的に受信するので、通信手段の消費電力を削減し、延いてはETC車載器の消費電力を低減することが可能となる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、料金収受処理の終了後にはCPUを休止状態へ切り替えるので、CPUの稼働時間を最小限に抑え、CPUの消費電力を一層削減することが可能となる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、車両の位置情報を取得する外部装置からETCゲート付近であることを知らせる判定信号を受信した場合にも、CPUを起動させる(スリープモードから通常モードに切り替える)ので、間欠受信をさせることによりETCゲート路側機からの送信波を受信し損ねて料金収受処理に失敗するという事態を回避することが可能となる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、車両の停車を知らせる停車信号を受信した場合に、通信手段の受信処理を停止させるので、無効な電力消費を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明の実施の形態1に係るETC車載器の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1のETC車載器により実行される処理手順を示すフローチャートである。
【
図3】この発明の実施の形態2及び3に係るETC車載器の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】車両のETCゲート通過を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係るETC車載器1の概略構成を示すブロック図である。ETC車載器1は、車両4に搭載され、車両4がETCゲート路側機5の通信エリアに入ると、ETCゲート路側機5と通信を行い、有料道路の通行料金を支払うための料金収受処理を行なう装置である(
図4参照)。ETC車載器1は、アンテナ11と、RF部12と、FPGA13(CPU補助演算手段)と、CPU14と、ICカードソケット15とを備える。この実施の形態では、アンテナ11と本体部(RF部12、FPGA13、CPU14)とICカードソケット15が一体型のETC車載器1を用いているが、ETC車載器1は、アンテナ11が本体部とICカードソケット15から分離された2ピースタイプであっても良いし、アンテナ11、本体部、ICカードソケット15の3つに分離された3ピースタイプであっても良い。また、ETC車載器1としては、DSRC(Dedicated Short-Range Communications)通信用の車載器を用いても良い。
【0022】
ETC車載器1の通信手段は、ETCゲート路側機5と通信を行う。アンテナ11とRF(Radio Frequency)部12が、この通信手段に相当する。アンテナ11は、無線信号の送受信を行い、RF部12に接続されている。RF部12は、無線信号の処理を行い、FPGA13を介して、CPU14に接続されている。
【0023】
FPGA(Field Programmable Gate Array)13は、所定のプログラムを搭載した集積回路・デバイスである。FPGA13は、一方で、RF部12に間欠受信信号を送信し、ETCゲート路側器5からの送信波を受信するための受信処理を通信手段(アンテナ11及びRF部12)に間欠的に行なわせる(
図4(a)参照)。間欠受信とすることにより、通信手段の中でも特に電力消費量の多いRF部12を低消費電力化することができる。
【0024】
間欠受信信号には、間欠受信の指示信号だけでなく、間欠受信の受信間隔についての信号も含まれる。この受信間隔は、車両4が通信エリアを通過する間にETCゲート路側機5からの送信波を確実に受信できる間隔に設定するのが好ましい。具体的には、ETCゲート路側機5の通信エリアの長さ(ETCゲート路側機5から送信波が到達する距離)と、ゲートを通過する車両4の速度(例えば、ゲート通過時の推奨速度20km/h)とからゲート通過時間を算出し、このゲート通過時間内に複数回の間欠受信が行なえるようにするなどして設定する。
【0025】
FPGA13は、もう一方で、通信手段(アンテナ11及びRF部12)がETCゲート路側機5からの送信波を受信した場合には、CPU14へ割込信号を出力して、CPUを休止状態のスリープモードから、ETCゲート路側機5と料金収受処理を行なう通常モードへ切り替える。このようにCPU14に加えてFPGA13を設けることにより、ETCゲート路側器5からの送信波を受信してCPU14へ割込信号を出力するまでは、CPUを休止状態にしておくことができる。この場合、FPGA13は常時作動しておくことになるが、消費電力の高いCPU14を休止状態にできるので、ETC車載器1の消費電力の低減化を実現することが可能となる。
【0026】
料金収受処理は、ETC車載器1において一般的に行われている処理である。具体的には、CPU14とETCゲート路側機5との通信により、ETCゲート路側機5からの料金収受に関する情報(車両情報、入口料金所情報、決済情報、課金情報および料金収受の履歴等)をCPU14がICカードソケット15に収納されたICカードへ書き込み、ICカードの情報(ICカードを特定するための情報等)をCPU14が読み出してETCゲート路側機5へ送信する処理である。UI(user interface)としてアラームやスピーカを設けたり、ETC車載器1の表示装置に表示したりすることにより、処理の完了、処理の異常などをユーザーに知らせるようにしても良い。
【0027】
FPGA13は、料金収受処理の終了後に、CPU14を通常モードからスリープモードへ切り替えることが好ましい。これにより、CPU14の稼働時間を最小限に抑え、CPU14の消費電力を削減することが可能となる。
【0028】
なお、CPU14からFPGA13へ、及び、FPGA13からRF部12へ、タイミング信号を送信し、これら機能ブロック間の同期を取っても良い。
【0029】
次に、
図2に示すフローチャートに従って、上記の実施の形態1に係る作用について説明する。車両4の電源が入ると、ETC車載器1の電源が入り、CPU14による各部の機能チェックが行われ(ステップS1)、CPU14がスリープモードへ切り替わる(ステップS2)。そして、FPGA13からの間欠受信信号により通信手段(アンテナ11及びRF部12)が間欠受信処理を開始する(ステップS3)。
【0030】
ステップS3において、通信手段(アンテナ11及びRF部12)がETCゲート路側機5からの送信波を受信した場合には(ステップS4)、FPGA13がCPU14へ割込信号を出力して、CPU14を通常モードへ切り替え(ステップS5)、CPU14はETCゲート路側機5と通信を行って、料金収受処理を行う(ステップS6)。料金収受処理の終了後、CPU14は再びスリープモードに切り替わることが好ましい。
【0031】
一方、ステップS3において、通信手段(アンテナ11及びRF部12)がETCゲート路側機5からの送信波を受信しなかった場合には(ステップS4)、通信手段(アンテナ11及びRF部12)は間欠受信処理を継続する。
【0032】
以上説明した通り、この実施の形態に係るETC車載器1によれば、FPGA13を設けることにより、ETCゲート路側器5からの送信波を受信してCPU14へ割込信号を出力するまでは、CPU14を休止状態にしておくことができるので、CPU14の消費電力を削減することができる。また、ETCゲート路側機5からの送信波を間欠的に受信するので、通信手段(特に、RF部12)の消費電力を削減することができる。また、料金収受処理の終了後にはCPU14を休止状態へ切り替えることにより、CPU14の稼働時間を最小限に抑え、CPU14の消費電力を一層削減することができる。これらの構成を備えることにより、ETC車載器1の低消費電力化が可能となる。
【0033】
(実施の形態2)
図3は、この実施の形態に係るETC車載器1の概略構成を示すブロック図である。
【0034】
この実施の形態に係るETC車載器1は、ナビゲーション2(車両4の位置情報を取得する外部装置)からETCゲート付近であることを知らせる判定信号を受信するという補助機能を有する点において上記の実施の形態1と構成が異なるものの、その他の構成は上記の実施の形態1と同等であるので、上記の実施の形態1と同等の構成については同一符号を付することでその説明を省略する。
【0035】
実施の形態2では、ナビゲーション2とETC車載器1のFPGA13とを接続し、FPGA13が、ナビゲーション2から、ETCゲート付近であることを知らせる判定信号を受信した場合にも、CPU14へ割込信号を出力して、CPU14をスリープモードから通常モードへ切り替える構成となっている。なお、外部装置はナビゲーション2に限定されない。
【0036】
ETCゲート付近であることを知らせる判定信号は、例えば、車両4がETCゲート路側機5から所定距離以内手前に位置すると判定した場合に送信する、と設定することができる。また、ETCゲート路側機5から所定距離以内手前になったことをETC車載器1の表示装置、アラームやスピーカ、又は、ナビゲーション12の表示装置によりユーザーに通知するようにしても良い。
【0037】
なお、この実施の形態では、FPGA13がCPU14へ割込み信号を出力してCPU14を通常モードへ切替えるタイミングが2つある。1つは、通信手段(アンテナ11及びRF部12)がETCゲート路側機5からの送信波を受信したタイミング(間欠受信のタイミング)で、もう一つは、ナビゲーション2からETCゲート付近であることを知らせる判定信号を受信したタイミング(ナビゲーションのタイミング)である。消費電力の低減化の点から、CPU14を通常モードへ切替えるのは一回であることが好ましい。従って、例えば、間欠受信のタイミングとナビゲーションのタイミングのうち、最先のタイミングにのみ、CPU14へ割込み信号を出力するという構成にしても良い。或いは、間欠受信のタイミングを優先する構成、具体的には、基本的には間欠受信のタイミングでCPU14へ割込み信号を出力するようにしておき、ナビゲーション2からの判定信号を受信して所定時間経過してもETCゲート路側機5からの送信波を受信できない場合にのみ、ナビゲーション2からの判定信号に基づく割込み信号をCPU14へ出力する、という構成にしても良い。
【0038】
以上説明した通り、この実施の形態に係るETC車載器1によれば、ETCゲート路側機5からの送信波を受信した場合だけでなく、ナビゲーション2からETCゲート付近であることを知らせる判定信号を受信した場合にも、CPUを起動させる(スリープモードから通常モードに切り替える)ことができるので、間欠受信をさせることによりETCゲート路側機5からの送信波を受信し損ねて料金収受処理に失敗するという事態を回避することが可能となる。
【0039】
(実施の形態3)
図3は、この実施の形態に係るETC車載器1の概略構成を示すブロック図である。
【0040】
この実施の形態に係るETC車載器1は、パーキングブレーキ3が作動して車両4が停車した場合に、車両4の停車を知らせる停車信号を受信するという補助機能を有する点において上記の実施の形態1と構成が異なるものの、その他の構成は上記の実施の形態1と同等であるので、上記の実施の形態1と同等の構成については同一符号を付することでその説明を省略する。
【0041】
実施の形態3では、パーキングブレーキ3の作動により車両4が停車して、ETC車載器1のFPGA13が車両4の停車を知らせる停車信号を受信した場合には、通信手段(アンテナ11及びRF部12)の受信処理を停止させる構成となっている。車両4の停車中は、ETCゲート路側機5と通信を行って料金収受処理を行う必要がないからである。
【0042】
この実施の形態では、パーキングブレーキ3が作動したことに基づいて車両4が停車したと判定しているが、判定基準はパーキングブレーキ3の作動に限定されない。例えば、エンジンやモータの回転数、振動センサによって検出された振動などに基づいて、車両4の停車を判定しても良い。
【0043】
以上説明した通り、この実施の形態に係るETC車載器1によれば、車両4の停車を知らせる停車信号を受信した場合には、通信手段(アンテナ11及びRF部12)の受信処理を完全に停止させるので、無効な電力消費を削減することが可能となる。
【0044】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、CPU補助演算手段としてFPGA13を用いているが、これに限定されず、例えば、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やCSSP(Customer Specific Standard Products、登録商標)などで構成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 ETC車載器
11 アンテナ
12 RF部
13 FPGA(CPU補助演算手段)
14 CPU
15 ICカードソケット
2 ナビゲーション(車両の位置情報を取得する外部装置)
3 パーキングブレーキ
4 車両
5 ETCゲート路側機