(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126489
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】洗濯支援システム
(51)【国際特許分類】
D06F 33/32 20200101AFI20240912BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240912BHJP
【FI】
D06F33/32
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034885
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】喜多 亜矢子
【テーマコード(参考)】
3B167
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3B167AC21
3B167AD07
3B167AE03
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA40
3B167BA48
3B167BA49
3B167BA52
3B167BA78
3B167BA91
3B167BA92
3B167FB01
3B167HA07
3B167HA08
3B167MA08
3B167MA12
3B167MA19
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】本発明は、生活に伴って発生し得る洗濯物に適した洗濯を支援することが可能な洗濯支援システムに関する。
【解決手段】本発明の一形態に係る洗濯支援システムは、洗濯を支援するための洗濯支援システムであって、ユーザの予定についての予定情報を取得し、前記予定情報に基づいて、前記予定に伴って発生し得る洗濯物の性質に応じた洗濯条件を予測し、予測された前記洗濯条件に関連する洗濯条件関連情報を出力する、制御部を具備する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯を支援するための洗濯支援システムであって、
ユーザの予定についての予定情報を取得し、
前記予定情報に基づいて、前記予定に伴って発生し得る洗濯物の性質に応じた洗濯条件を予測し、
予測された前記洗濯条件に関連する洗濯条件関連情報を出力する
制御部
を具備する洗濯支援システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記予定情報に基づいて前記洗濯物の性質を予測し、予測された前記洗濯物の性質に基づいて前記洗濯条件を予測する
請求項1に記載の洗濯支援システム。
【請求項3】
前記洗濯支援システムは、
前記洗濯物の性質に関連付けられた洗濯物カテゴリと、前記洗濯物カテゴリに属する前記洗濯物の性質に応じた前記洗濯条件とを対応付けて記憶する記憶部をさらに具備し、
前記制御部は、
前記予定情報を前記洗濯物カテゴリに分類し、分類された前記洗濯物カテゴリに対応する前記洗濯条件を予測する
請求項1又は2に記載の洗濯支援システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記予定情報を取得した後、前記予定に関する追加情報を取得し、
前記予定情報及び前記追加情報に基づいて、前記洗濯物に応じた前記洗濯条件を予測する
請求項1から3のいずれか一項に記載の洗濯支援システム。
【請求項5】
前記追加情報は、前記予定の変更についての情報を含み、
前記制御部は、
前記予定が変更されたと判定した場合、前記予定の変更に伴って発生し得る前記洗濯物に応じた前記洗濯条件を予測する
請求項4に記載の洗濯支援システム。
【請求項6】
前記予定情報は、前記予定の主要な参加者についての主要参加者情報を含み、
前記制御部は、
前記主要参加者情報を含む前記予定情報に基づいて、前記洗濯物に応じた前記洗濯条件を予測する
請求項1から5のいずれか一項に記載の洗濯支援システム。
【請求項7】
前記洗濯条件は、洗濯に用いられる洗濯処理剤又は洗濯方法の少なくとも一方の情報を含む
請求項1から6のいずれか一項に記載の洗濯支援システム。
【請求項8】
前記洗濯条件は、前記洗濯処理剤についての情報を含み、
前記洗濯条件関連情報は、前記洗濯処理剤の入手を推奨する推奨情報を含む
請求項7に記載の洗濯支援システム。
【請求項9】
前記推奨情報は、前記洗濯処理剤の送付を伴うサブスクリプションサービスを推奨する情報を含む
請求項8に記載の洗濯支援システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記ユーザの使用する端末装置に前記洗濯条件関連情報を出力する
請求項1から9のいずれか一項に記載の洗濯支援システム。
【請求項11】
前記制御部は、洗濯業務を行う洗濯業者の使用する端末装置に前記洗濯条件関連情報を出力する
請求項1から10のいずれか一項に記載の洗濯支援システム。
【請求項12】
洗濯を支援するための洗濯支援方法であって、
ユーザの予定についての予定情報を取得し、
前記予定情報に基づいて、前記予定に伴って発生し得る洗濯物の性質に応じた洗濯条件を予測し、
予測された前記洗濯条件に関連する洗濯条件関連情報を出力する
洗濯支援方法。
【請求項13】
洗濯を支援するためのプログラムであって、情報処理装置に、
ユーザの予定についての予定情報を取得するステップと、
前記予定情報に基づいて、前記予定に伴って発生し得る洗濯物の性質に応じた洗濯条件を予測するステップと、
予測された前記洗濯条件に関連する洗濯条件関連情報を出力するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯を支援する洗濯支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの好みに応じた洗濯機の運転内容を自動設定できるようにする技術が知られている。例えば特許文献1には、洗濯運転の結果に関するアンケートの回答結果に基づいて、洗濯機の制御値を変更することを特徴とする洗濯機用管理装置が開示されている。例えば特許文献2には、洗濯運転中の状態情報に基づいて洗濯機の制御値を変更する洗濯機管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-29614号公報
【特許文献2】特開2021-45236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、イベントやライフスタイルの変化に応じて、洗濯物の状態、素材又は量などが変化することがある。そこで、生活に伴って発生し得る洗濯物に適した洗濯を支援する技術が求められている。
【0005】
本発明は、生活に伴って発生し得る洗濯物に適した洗濯を支援することが可能な洗濯支援システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る洗濯支援システムは、洗濯を支援するための洗濯支援システムであって、
ユーザの予定についての予定情報を取得し、
前記予定情報に基づいて、前記予定に伴って発生し得る洗濯物の性質に応じた洗濯条件を予測し、
予測された前記洗濯条件に関連する洗濯条件関連情報を出力する
制御部
を具備する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、生活に伴って発生し得る洗濯物に適した洗濯を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る洗濯支援システムの構成例を示す図である。
【
図2】上記洗濯支援システムの情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】上記洗濯支援システムによる処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図4】上記洗濯支援システムの端末装置に表示された、予定入力画面を例示する図である。
【
図5】上記洗濯支援システムによる処理における、予定情報とそれに対応する洗濯物カテゴリ、洗濯物の性質、洗濯条件の例を示す図である。
【
図6】上記端末装置に表示された、洗濯条件関連情報の表示画面を例示する図である。
【
図7】上記洗濯支援システムによる変形例3の処理における、予定情報とそれに対応する洗濯物カテゴリ、洗濯物の性質、洗濯条件の例を示す図である。
【
図8】上記洗濯支援システムによる変形例4の処理における、予定情報とそれに対応する洗濯物カテゴリ、洗濯物の性質、洗濯条件の例を示す図である。
【
図9】上記洗濯支援システムによる変形例5の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図10】上記端末装置に表示された、追加情報の問い合わせ画面を例示する図である。
【
図11】上記洗濯支援システムによる変形例5の処理における、予定情報とそれに対応する洗濯物カテゴリ、洗濯物の性質、洗濯条件の例を示す図である。
【
図12】上記端末装置に表示された、洗濯条件関連情報の表示画面を例示する図である。
【
図13】上記実施形態の変形例9に係る洗濯支援システムの構成例を示す図である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係る洗濯支援システムの構成例を示す図である。
【
図15】上記洗濯支援システムによる処理の流れを示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、本明細書において、「システム」は、1又は複数の情報処理装置を含むものとする。例えば、情報処理装置単体でもシステムを構成し得るし、複数の情報処理装置が協働してウェブサーバ等の機能を果たす場合もこれらの情報処理装置がシステムを構成し得る。また、以下の実施形態で説明するように、「システム」は、ウェブサーバとして機能する情報処理装置と複数の端末装置とを含んでいてもよい。
【0010】
<第1実施形態>
[洗濯支援システムの構成例]
本発明の第1実施形態に係る洗濯支援システムは、例えばインターネットNを介したシステムを構成する。
図1に示す例において、本実施形態に係るシステムは、インターネットN上のサーバ100と、複数の端末装置200とを含む。
【0011】
サーバ100は、例えば、洗濯を支援する洗濯支援サービスの運営者によって運営されるウェブサーバ(情報処理装置)とすることができる。サーバ100は、例えば、複数の端末装置200とインターネットNを介して接続されている。サーバ100は、例えば、ウェブサイト(以下、「洗濯支援サイト」)又はアプリケーション等を介して端末装置200に洗濯支援サービスを提供することができる。
【0012】
端末装置200(200A,200B,200C...)は、洗濯支援サービスに登録しているユーザ(ユーザA,B,C…)により使用される情報処理装置である。ユーザは、家庭で洗濯機を使用して洗濯を行う者でもよいし、コインランドリーを利用して洗濯を行う者でもよい。端末装置200は、例えば、スマートフォン、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、スマートウォッチ等であり得るが、これに限定されない。端末装置200は、例えば、サーバ100へアクセスし、サーバ100により生成されたウェブページ等を受信してブラウザ等により画面に表示する。
【0013】
本実施形態では、サーバ100は、ユーザの予定についての予定情報に基づいて、予定に伴って発生し得る洗濯物に応じた洗濯条件を予測し、予測された洗濯条件に関連する洗濯条件関連情報を端末装置200に出力する。これにより、サーバ100は、イベントやライフスタイルの変化等に応じて最適な洗濯条件をユーザに提案することができ、ユーザの洗濯を支援することができる。
【0014】
[情報処理装置のハードウェア構成]
図2に示すように、サーバ100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0015】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらサーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータ等のファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0016】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0017】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0018】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0019】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0020】
本実施形態において、記憶部18は、後述する洗濯条件の予測処理に必要なプログラム等の他、ユーザ情報データベース、その他の予測処理に用いられるデータベースを有していてもよい。ユーザ情報データベース等のデータベースは、洗濯条件の予測処理において、必要に応じて参照される。なお、これらのデータベースは、記憶部18ではなくサーバ100に外部接続された記憶装置やサーバに記憶されていてもよい。
【0021】
ユーザ情報データベースは、洗濯支援サービスに登録するユーザの属性情報をユーザ毎に記憶している。ユーザの属性情報としては、特に限定されないが、例えば、氏名(ニックネーム)、ユーザを識別するためのユーザID、年齢(年代)、職業、住所(居住エリア)、性別、メールアドレス、といった一般的な情報の他、家族構成、洗濯機の種類や機種、洗濯を行う時間帯といった洗濯に関する情報を含んでいてもよい。ユーザ情報データベースは、さらに、ユーザ毎に、予定情報とそれに基づいて予測された洗濯条件の情報とを含んでいてもよい。
【0022】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記端末装置200との間の通信処理を担う。
【0023】
なお、端末装置200の基本的なハードウェア構成も上記サーバ100のハードウェア構成と略同様であり得る。
【0024】
[システムの動作例]
次に、以上のように構成されたサーバ100及び端末装置200の動作例について説明する。以下で説明するサーバ100の動作は、CPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。端末装置200の動作も同様に、CPU及び通信部等のハードウェアと、記憶部に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。なお、本動作例では、サーバ100が洗濯支援サイトを介して洗濯支援サービスを提供する例について説明するが、同様の動作によりアプリケーションを介して洗濯支援サービスを提供することもできる。
【0025】
まず、サーバ100のCPU11は、ユーザの予定についての予定情報を取得する(ST11)。ユーザの予定は、イベント、活動、ライフイベント(ユーザ又は家族の結婚、出産、就学、就職又は介護など)等を含む。予定情報は、例えば予定のタイトル及び予定日時の情報を含むことが好ましく、さらに、予定の参加者、場所、予定に関するメモ等の情報を含んでいてもよい。
【0026】
CPU11は、例えば、ユーザのスケジュール情報を管理するスケジュール管理アプリケーションを介して予定情報を取得してもよい。この場合、CPU11は、スケジュール管理サービスを提供するウェブサーバから、インターネットNを介して予定情報を受信することができる。
あるいは、CPU11は、ユーザの使用する端末装置200から、インターネットNを介して予定情報を受信してもよい。この場合、CPU11は、例えば、洗濯支援サイト上で予定情報の入力のための予定入力画面を表示させ、当該予定入力画面を介して予定情報を取得することができる。
【0027】
図4に示す例において、例えば洗濯支援サイト上で表示された予定入力画面30は、予定のタイトル入力欄31、予定日時入力欄32、場所入力欄33、参加者入力欄34、及び登録ボタン35を含む。ユーザは、各入力欄に情報を入力した後、登録ボタン35をタップ等により指定する。これにより、端末装置200が、入力された予定情報をサーバ100に送信することができる。
【0028】
続いて、CPU11は、予定情報に基づいて、予定に伴って発生し得る洗濯物の性質に応じた洗濯条件を予測する(ST12)。「予定に伴って発生し得る洗濯物」は、例えば、予定の実施時に使用し得る衣類等の洗濯物、又は予定に関連して発生し得る洗濯物(例えば予定のキャンセルに伴って発生し得る洗濯物等)の少なくとも一方を含む。「洗濯物の性質」は、例えば、洗濯物の状態、取り扱い方法又は量の少なくとも一つを含む。洗濯物の状態としては、例えば、洗濯物の種類(例えば、シャツ、スカート、ズボンなどの衣服の種類、普段着、おしゃれ着、スポーツウェアなどの用途の種類、毛布、タオルなどの素材又は生地の種類等)、洗濯物の汚れや臭いやダメージ(シワ、毛羽立ち等)等の状態が挙げられる。洗濯物の取り扱い方法としては、例えば、洗濯機洗いの可否、手洗いの可否、特定の洗濯処理剤(漂白剤等)の使用の可否、乾燥機使用の可否、部屋干しの要否等が挙げられる。洗濯物の量としては、例えば、洗濯物量の増減、洗濯物の質量、洗濯に用いる水量等が挙げられる。
【0029】
洗濯条件は、洗濯に用いられる洗濯処理剤又は洗濯方法から選択された少なくとも一つの情報を含む。洗濯処理剤としては、洗濯用洗剤、洗濯用漂白剤、柔軟剤、消臭剤、その他の洗濯に用いられる剤が挙げられる。洗濯処理剤の情報は、例えば、洗濯処理剤の種類(洗剤、漂白剤など)又は製品名の情報の少なくとも一方を含む。洗濯処理剤の情報としては、液性(弱アルカリ性、中性など)、用途に記載された毛(ウール)、絹(シルク)等の洗濯に適した繊維材質、おしゃれ着用の情報および、除菌、抗菌、消臭などの効果を含む。また、洗濯処理剤の成分としては、界面活性剤の種類や量、アルカリ剤、分散剤、酵素、抗菌剤、除菌剤等の情報を含む。洗濯方法の情報としては、例えば、各工程(前処理(漬け置き、噴霧、塗布など)、洗い、すすぎ、脱水、後処理等)の回数や時間、水温、機械力(JIS L 1930:2014の附属書JAに記載の方法で測定されるMA値)、洗濯物量の目安、洗濯処理剤の使用量・濃度、洗濯機への洗濯物の投入方法(折り畳む、ネットの使用等)等が挙げられる。
前処理(漬け置き、噴霧、塗布など)とは、織物、布地もしくは衣料品と洗浄剤組成物もしくは希釈した洗浄液を接触させ、処理する工程である。この工程の後にそのまま洗い、あるいはすすぎ工程を行ってよい。
洗いとは、織物、布地もしくは衣料品と洗浄液を接触させ、洗浄する工程であって主に汚れを落とす目的を持つ工程である。
すすぎとは、織物、布地もしくは衣料品を水中ですすぎ洗う工程である。すすぎは脱水工程を挟んで数回実施してもよい。最終すすぎ工程にて柔軟剤、消臭剤等の洗濯用助剤を浴中に含んだ水で処理すると布地処理効果を有し仕上がり性が良好な繊維製品が得られる。
脱水とは、洗い、すすぎの後に織物、布地もしくは衣料品から水を取り除く工程である。洗い、すすぎを洗濯槽で行った場合には洗濯槽から繊維製品を取り出さずに実施してもよい。
後処理とは、脱水後、乾燥工程の前、もしくは乾燥後、繊維製品に処理効果をもたらすことである。処理効果をもたらす剤は人が行っても洗濯槽内で自動的に実施してもよい。
洗濯方法の実行としては、手洗い又は洗濯機の少なくとも一方を選択できる。洗濯方法は選択された洗濯処理剤に応じて提供してもよく、洗濯方法の情報の1又は2以上の情報を組み合わせて提供してもよい。
洗濯方法としては、任意に洗濯用品を使用してもよい。洗濯用品としては、例えば、洗濯ネット、洗濯物干し、ピンチ、ピンチハンガー、洗い桶などが挙げられる。
洗濯方法としては、洗濯物の乾燥方法を提供してもよい。
【0030】
本実施形態において、CPU11は、まず予定情報に基づいて、予定に伴って発生し得る洗濯物の性質を予測する(ST121)。具体例として、CPU11は、予定情報を洗濯物の性質に関連付けられた洗濯物カテゴリに分類することで洗濯物の性質を予測することができる。例えばCPU11は、予定情報から予定キーワード(
図4の例では「運動会」)を抽出し、予定キーワードに基づいて予定情報を洗濯物カテゴリに分類することができる。予定キーワードは、公知の言語解析技術を用いて、例えば予定のタイトルから抽出され得る。
【0031】
CPU11は、例えば、予め生成された分類モデルに対して抽出された予定キーワードを適用して、洗濯物カテゴリの分類処理を行うことができる。分類モデルは、予定キーワードとそれに対応する洗濯物の性質のデータセットを教師データとして用いた機械学習により生成することができる。あるいは、CPU11は、予定キーワードと洗濯物カテゴリとを対応付けて記憶部18に記憶されたテーブルを用いて洗濯物カテゴリの分類を行ってもよい。
図5に示す例では、当該予定キーワードが「運動会」の場合、この予定情報は「屋外運動汚れ」カテゴリに分類される。
【0032】
ST121の後、CPU11は、予測された洗濯物の性質に基づいて洗濯条件を予測する(ST122)。例えばCPU11は、洗濯物カテゴリと洗濯条件とを対応付けて記憶部18に記憶されたテーブルに基づいて、洗濯物カテゴリに対応する洗濯条件を予測することができる。あるいは、CPU11は、予め生成された予測モデルに対して分類された洗濯物カテゴリを適用することで、洗濯条件を予測することもできる。この場合の予測モデルは、例えば、洗濯物カテゴリとそれに対応する洗濯条件のデータセットを教師データとして用いた機械学習により生成することができる。予測された洗濯条件は、例えば記憶部18に記憶される。
【0033】
図5に示す例では、「屋外運動汚れ」には、「泥汚れ・汗臭・皮脂汚れ」という洗濯物の性質に適した洗濯条件が対応付けられている。洗濯条件における洗濯方法は、提案する洗濯方法と同じ洗濯方法を実行する洗濯機のコースにより実行してもよい。これにより、CPU11は、「運動会」の予定に対応する洗濯条件として、上記洗濯条件を予測することができる。なお、
図5においては、洗濯物カテゴリとそれに対応する洗濯物の性質とを併記しているが、本動作例における処理では、洗濯物カテゴリの情報が使用され、洗濯物の性質を直接予測する処理は行わなくてもよい。
【0034】
図5に示す他の例として、「飲み会」という予定情報は、衣類へのアルコール臭、食べ物臭、煙や油のニオイ等の付着が予測されることから、「アルコール臭、食べ物臭、煙や油のニオイ」カテゴリに分類され、アルコール臭、食べ物臭、煙や油のニオイ等を解消するような洗濯条件が予測される。「子供の誕生日パーティー」という予定情報は、子供の食べこぼし汚れが予測されることから、「食事汚れ」カテゴリに分類され、食べこぼし汚れを解消するような洗濯条件が予測される。「トレーニング」という予定情報は、室内での運動に伴って汗臭・皮脂汚れが予測されることから、「屋内運動汚れ」カテゴリに分類され、汗臭・皮脂汚れを解消するような洗濯条件が予測される。「介護ケア」という予定情報は、介護に伴って排泄物汚れやその臭いが予測されることから、「排泄物汚れ」カテゴリに分類され、排泄物汚れや臭いを解消するような洗濯条件が予測される。また「食事会」という予定情報は、お出かけ着・おしゃれ着などを着用しての外出が予測されることから「おしゃれ着・お出かけ服」カテゴリに分類される。さらに、「家遊び」というキーワードと予定日時として「6月」という情報を含む予定情報は、梅雨で雨天が続くことが予測されることから、「部屋干し」カテゴリに分類され、部屋干しによる生乾き臭などを抑制するような洗濯条件が予測される。
【0035】
ST122の後、CPU11は、洗濯条件に関連する洗濯条件関連情報を出力する(ST13)。洗濯条件関連情報は、例えば、洗濯条件についての情報、洗濯条件に含まれる洗濯処理剤を推奨する推奨情報、洗濯条件を分析した情報等から選択された少なくとも一つの情報を含む。本動作例において、洗濯条件関連情報は、ユーザに対して予定に応じた洗濯条件を提示する観点から、洗濯条件についての情報を含むことが好ましい。例えば、洗濯条件についての情報は、CPU11によって予測された洗濯条件を、ユーザ向けの平易な文言に変換した情報を含んでいてもよい。また、同様の観点から、CPU11は、予定情報と洗濯情報関連情報を関連付けて出力することが好ましい。
【0036】
ST13において、CPU11は、インターネットNを介して端末装置200に洗濯条件関連情報を送信することができる。これにより、CPU11は、予定を登録したユーザに洗濯条件関連情報を提示することができる。この場合、CPU11は、プッシュ通知等の通知機能や洗濯支援サイトのURL等のアクセス情報が記載されたメール等によって、洗濯条件関連情報の出力を端末装置200に通知してもよい。
【0037】
ST13における洗濯条件関連情報の出力タイミングは、例えば、ユーザの洗濯のタイミングを考慮して、予定の当日でもよいし、その次の日の朝などでもよい。当該出力タイミングは、洗濯支援サイト等を介したユーザの入力操作により設定されてもよいし、ユーザの洗濯を行う時間帯(朝又は夜など)のアンケート結果などに基づいてCPU11により設定されてもよい。あるいは、後述するように、CPU11は、洗濯条件に含まれる洗濯処理剤の入手に必要な時間を考慮して、予定情報に含まれている予定日時よりも所定の期間前に洗濯条件関連情報を出力してもよい。
【0038】
そして、端末装置200のCPUは、洗濯条件関連情報を受信し(ST21)、受信した洗濯条件関連情報を表示部に表示される(ST22)。洗濯条件関連情報は、例えば、洗濯支援サイトの表示画面において表示される。
【0039】
図6に示すように、洗濯条件関連情報の表示画面40は、処理対象の予定情報41と、予定情報41に対応する洗濯条件の情報42と、を含む。さらに表示画面40は、例えば、洗濯条件に関する追加アドバイス情報43を含んでいてもよい。
【0040】
以上のように、本実施形態の洗濯支援システムでは、ユーザの予定に伴って発生し得る洗濯物に適した洗濯条件を、ユーザに提案することができる。これにより、ユーザのイベント、活動やライフイベントに応じて発生する多様な洗濯物の性質に適した洗濯を支援することができ、洗濯物の汚れ落ちや洗濯後の不快臭、洗濯物の仕上がりなどの洗濯に伴う不満を解消することができる。したがって、上記構成の洗濯支援システムによれば、ユーザの洗濯に対する満足度を高めることができ、ユーザの生活の質の向上に貢献することができる。
【0041】
[変形例1]
上述の例では、ST121において、CPU11が予定情報を洗濯物カテゴリに分類する処理を行ったが、これに限定されない。例えば、CPU11は、予定情報から洗濯物の性質を予測するための予測モデルを用いて洗濯物の性質を予測してもよい。具体的に、CPU11は、予定情報から予定キーワードを抽出し、当該予測モデルに対して予定キーワードを適用して、洗濯物の性質を予測することができる。当該予測モデルは、予定キーワードとそれに対応する洗濯物の性質のデータセットを教師データとして用いた機械学習により生成することができる。あるいは、CPU11は、記憶部18に記憶された、予定キーワードとそれに対応する洗濯物の性質とを含むテーブルを用いて予測処理を行うこともできる。
【0042】
あるいは、CPU11が予定情報を洗濯物カテゴリに分類した後、記憶部18に記憶されたテーブルなどを用いて洗濯物カテゴリから洗濯物の性質を予測してもよい。
【0043】
[変形例2]
また、CPU11は、洗濯物の性質を予測せずに、予定情報に基づいて洗濯条件を予測してもよい。この場合、CPU11は、例えば、予定情報から洗濯条件を予測するための予測モデルを用いて洗濯条件を予測することができる。具体的に、CPU11は、予定情報から予定キーワードを抽出し、当該予測モデルに対して予定キーワードを適用して、洗濯条件を予測することができる。当該予測モデルは、予定キーワードとそれに対応する洗濯条件のデータセットを教師データとして用いた機械学習により生成することができる。あるいは、CPU11は、記憶部18に記憶された、予定キーワードとそれに対応する洗濯条件とを含むテーブルを用いて予測処理を行うこともできる。
【0044】
[変形例3]
また、CPU11は、一つの予定に対して複数の洗濯条件を予測してもよい。これにより、ユーザに複数の洗濯条件の選択肢を与えることができ、ユーザの好みや実情に応じた洗濯条件を選択させることができる。
【0045】
例えば、出産によって新生児の洗濯物が追加される場合、ユーザの好み等により、新生児用の衣料をデリケートな衣料として取り扱いたい場合と、洗濯物量の増加に適した洗濯方法で洗濯したい場合とがあり得る。このような場合、
図7に示すように、CPU11は、「出産」という予定情報から「デリケート衣類」と「洗濯物量の増加」という2つの洗濯物の性質を予測することができ、それぞれに対応する洗濯条件を予測することができる。これにより、多様なユーザの好みに応じた洗濯条件を提示することができる。
【0046】
[変形例4]
例えば、同一のタイトルの予定でも、主要な参加者によって、発生し得る洗濯物の性質が異なることがある。例えば、友人の「結婚パーティー」という予定では、結婚パーティーで着用したデリケートな衣類などの洗濯物が発生する可能性がある。一方で、ユーザ自身の「結婚パーティー」という予定では、結婚パーティーで着用した衣類は家庭で洗濯しない可能性が高いが、結婚によるライフスタイルの変化に伴って洗濯物が増えて家事負担が増加する可能性がある。このように、CPU11が予定の主要な参加者についての主要参加者情報を取得することで、実際の洗濯物により適した洗濯条件を予測することができる。
【0047】
具体的に、予定情報は、予定の主要な参加者についての主要参加者情報を含んでいてもよい。主要参加者は、予定を実施する参加者やイベントなどの主役、ライフイベントの当事者となる者であり得る。主要参加者情報は、例えば、予定のタイトルに含まれる所有格の単語から抽出されてもよい。例えば、「子供のサッカーの試合」という予定のタイトルから、CPU11は、所有格であって人物を示す「子供」という単語を主要参加者情報として抽出することができる。あるいは、主要参加者情報は、予定情報の参加者情報から抽出されてもよい。この場合、参加者がユーザのみの場合には、ユーザを主要参加者とすることができる。あるいは、参加者が複数の場合には、参加者情報が主要参加者を識別する情報(例えば主要参加者を示すフラグなど)を含んでいてもよい。主要参加者を識別する情報は、例えば予定の登録者であるユーザによって登録され得る。
【0048】
また、主要参加者情報が人物名やニックネームなどの名称の情報を含むこともある。この場合、記憶部18のユーザ情報データベースが、ユーザに関連する人物の名称とその属性の情報を対応付けて記憶していてもよい。人物の属性情報としては、例えば、ユーザとの関係、年齢(年代)、性別、ユーザとの同居の有無等の情報が挙げられる。これにより、CPU11が、抽出された人物の名称から、その属性を判断することができる。あるいは、予定情報の参加者情報が、参加者の属性情報を含んでいてもよい。この属性情報は、例えば予定の登録者であるユーザによって登録され得る。
【0049】
本変形例のST12において、CPU11は、主要参加者情報を含む予定情報に基づいて、洗濯条件を予測してもよい。例えば
図8に示すように、「結婚パーティー」という予定の主要参加者がユーザ自身である場合、CPU11は、この予定情報を「ライフイベント(結婚)」カテゴリに分類することで、洗濯物量の増加と、それによる家事負担を低減するような洗濯条件を予測することができる。一方で、「結婚パーティー」という予定の主要参加者がユーザの「友人」である場合、ユーザは結婚パーティーに参加し、着用したデリケートな衣類の洗濯物が発生し得る。このため、CPU11は、この予定情報を「デリケート衣類」カテゴリに分類することで、デリケートな品質の洗濯物に対応する洗濯条件を予測することができる。
【0050】
他の例として、
図8に示すように、「サッカーの試合」という予定の主要参加者が「子供」であった場合、汗臭や皮脂汚れの他、泥汚れが多いと考えられる。このため、CPU11は、例えばこの予定情報を「子供運動汚れ」カテゴリに分類し、泥汚れに対応する洗濯条件を予測することができる。一方で、「サッカーの試合」という予定の主要参加者が「大人」であった場合、子供よりも泥汚れは少ないが、汗臭や皮脂汚れがより気になると考えられる。このため、CPU11は、例えばこの予定情報を「大人運動汚れ」カテゴリに分類し、皮脂汚れや汗臭により適した洗濯条件を予測することができる。
【0051】
[変形例5]
上述の実施形態では、CPU11が予定情報から洗濯条件を予測する例を示したが、予定の変更など、予定情報のみからでは実情に即した洗濯条件を予測できないこともあり得る。このため、CPU11は、予定情報を取得した後、予定に関する追加情報を取得してもよい。これにより、CPU11は、予定情報及び追加情報に基づいて、予定に伴って発生し得る洗濯物に応じた洗濯条件を予測することができる。追加情報は、例えば、予定の変更についての情報、天気情報、主要参加者情報、その他の洗濯物の性質の予測に有用な情報から選択された少なくとも一つの情報を含む。
【0052】
まず、追加情報が予定の変更についての情報を含む例について説明する。この場合、CPU11は、予定が変更されたと判定した場合、予定の変更に伴って発生し得る洗濯物に応じた洗濯条件を予測することができる。
【0053】
具体的な動作例について説明する。
図9に示すように、CPU11は、予定情報の取得(ST11)の後に、端末装置200に対し、予定の変更(追加情報)についての問い合わせを送信する(ST14)。端末装置200のCPUは、当該問い合わせを受信し(ST23)、問い合わせ画面を表示部に表示させる(ST24)。CPU11は、予定の変更を反映しつつ、予定に伴う洗濯物の洗濯前に洗濯条件関連情報を出力する観点から、例えば予定の当日又はその1日前に問い合わせを送信することができる。
【0054】
図10に示す例において、問い合わせ画面50は、予定の変更に関する質問の回答欄51と、予定の変更後の日時の入力欄52と、アンケートの送信ボタン53と、を含む。ユーザは、例えばラジオボタン等によって回答欄51に回答し、必要に応じて入力欄52に予定の変更後の日時を入力し、送信ボタン53をタップ等により指定する。これにより、端末装置200が、入力された情報を追加情報としてサーバ100に送信することができる。
【0055】
続いて、サーバ100のCPU11は、追加情報を受信する(ST15)。そして、CPU11は、予定情報及び追加情報に基づいて、洗濯物の性質を予測し(ST121)、それに応じた洗濯条件を予測する(ST122)。
【0056】
例えば、
図11に示すように、予定情報が「運動会」という情報を含み、追加情報が「運動会の中止又は延期」という情報を含んでいた場合には、予定の当日には運動会に伴う洗濯物は発生せず、雨天の可能性が高い。このため、CPU11は、上記予定情報及び追加情報に基づいて、例えば「部屋干しによる生乾き臭」という洗濯物の性質に対応する洗濯条件を予測することができる。これにより、より実情に即した洗濯条件を提案することができる。
【0057】
他の例として、CPU11は、追加情報として、端末装置200に上述の主要参加者情報を問い合わせてもよい。これにより、予定情報に上述の主要参加者情報が含まれていない場合でも、主要参加者の情報に基づいて、実際の洗濯物により即した洗濯条件を予測することができる。
【0058】
次に、追加情報が天気の情報を含む例について説明する。この場合、CPU11は、例えば、インターネットNを介して天気情報提供サービスを提供するウェブサーバから、予定日時又はその近傍の日時の天気情報を追加情報として取得することができる。天気情報は、将来の天気についての天気予報の情報でも、現在又は過去の天気の情報でもよく、例えば、天候、降水確率、気温、湿度、風速等の情報を含む。また、取得する天気の日時は、予定の当日の天気でもよく、ユーザの洗濯のタイミングに応じた日時(例えば予定当日の次の日など)でもよい。
なお、本明細書において、「ある時刻の近傍」は、例えば当該時刻を基準として前後12時間程度の範囲の時間とする。
【0059】
この例において、CPU11は、予定情報及び天気情報に基づいて、洗濯物の性質に応じた洗濯条件を予測することができる。これにより、CPU11が、例えば雨天の場合は部屋干しに対応する洗濯条件を予測することや、気温に応じて汗臭や皮脂汚れに対応する洗濯条件を予測することが可能となる。また、風が強い場合や降水確率の高まる場合など、CPU11が、洗濯物の取り扱い方法(干し方など)についてのアドバイスを提供することもできる。
【0060】
例えば、
図11に示すように、「家族で食事」という予定について、天気情報が「晴天」という情報を含む場合、CPU11は例えば「食事汚れ」に対応する洗濯条件を予測することができる。一方で、同一の「家族で食事」という予定について、天気情報が「雨天」という情報を含む場合、CPU11は「部屋干し」に対応する洗濯条件を予測することができる。なお、CPU11は、「部屋干し」に対応する洗濯条件とともに、「食事汚れ」に対応する洗濯条件に関する情報も出力してもよい。これにより、実際の洗濯物に食事汚れがあった場合など、より実情に即した洗濯条件をユーザに選択させることができる。さらに、CPU11は、雨天の場合には、「食事汚れと部屋干し」という性質を予測することで、これらの双方の性質に対応する洗濯条件(例えばシミ取り向けの前処理と、部屋干し用の洗剤とを組み合わせた条件など)を予測することもできる。
【0061】
[変形例6]
CPU11が洗濯条件として洗濯処理剤についての情報を出力する場合、ユーザが提示された洗濯処理剤を所有していない場合もある。このため、サーバ100は、洗濯条件に含まれる洗濯処理剤の入手を推奨する情報を出力し、ユーザに対して洗濯処理剤の入手を支援することができる。
【0062】
具体的に、洗濯条件が洗濯処理剤についての情報を含む場合、洗濯条件関連情報は、洗濯処理剤の入手を推奨する推奨情報を含んでいてもよい。推奨情報は、例えば、洗濯処理剤の入手が可能なウェブページへのアクセス情報(ハイパーリンク、ウェブページのURL又は2次元バーコード等)、洗濯処理剤の広告などの情報を含む。なお、ここでいう洗濯処理剤の「入手」は、購入による入手の他、例えば試供品などによる無料での入手も含むものとする。
【0063】
CPU11は、例えば端末装置200に、洗濯条件についての情報と推奨情報とを含む洗濯条件関連情報を出力することができる。これにより、端末装置200が、洗濯条件と推奨情報とを含む表示画面を表示することができ、ユーザに対して洗濯処理剤の入手をより促進することができる。
【0064】
図12に示す例において、洗濯条件関連情報の表示画面40は、処理対象の予定情報41と、予定情報41に対応する洗濯条件の情報42の他、さらに洗濯処理剤の推奨情報44を含む。推奨情報44は、例えば、推奨する洗濯処理剤の購入ページのアクセス情報45を含んでいる。
【0065】
さらに、推奨情報は、洗濯処理剤の送付を伴うサブスクリプションサービスを推奨する情報を含んでいてもよい。ここでいうサブスクリプションサービスは、洗濯処理剤の送付を伴う洗濯支援サービスの定額利用サービスの他、洗濯処理剤の定期購入サービスを含むものとする。当該推奨情報は、例えば、サブスクリプションサービスの登録が可能なウェブページへのアクセス情報、サブスクリプションサービスの広告などの情報を含む。サブスクリプションサービスが洗濯処理剤の定期購入サービスを伴う場合、このサービスは、予測される洗濯条件に応じた洗濯処理剤を送付するものであることが好ましい。これにより、ユーザによる購入処理の手間や端末装置200による購入処理の負担を軽減することができる。
【0066】
[変形例7]
さらに、CPU11は、ユーザが洗濯処理剤を入手する期間を考慮したタイミングで洗濯条件関連情報を出力してもよい。すなわち、予定情報が予定日時の情報を含む場合、CPU11は、予定日時から所定の期間前に洗濯条件関連情報を出力してもよい。所定の期間は、洗濯処理剤の入手(購入など)が可能な期間であり、例えば上述の推奨情報から洗濯処理剤の入手が可能な場合は、インターネットNを介した入手処理にかかる時間及び配送にかかる時間を考慮した期間とすることができる。これにより、ユーザに対して洗濯条件に基づく洗濯物に適した洗濯処理剤を用いた洗濯を支援することができる。
【0067】
[変形例8]
さらに、ユーザが洗濯支援サービスとは異なるコンテンツを閲覧している際に、ウェブ広告によって洗濯条件に含まれる洗濯処理剤の情報を提示してもよい。具体的に、当該ウェブ広告は、ディスプレイ広告(バナー広告など)、動画広告、リスティング広告等が挙げられる。
【0068】
この例において、洗濯条件関連情報は、洗濯条件に含まれる洗濯処理剤のウェブ広告を端末装置200に配信するよう制御するための広告配信制御情報を含み、CPU11は、インターネットNを介して、上記広告配信制御情報を、ウェブ広告の配信を管理する広告配信サービスを運営する広告配信サーバに送信することができる。なお、サーバ100は、ユーザに対して洗濯条件に関する情報を明確に提示する観点から、広告配信サーバへの広告配信制御情報の送信に加えて、端末装置200へ洗濯条件関連情報(洗濯条件についての情報など)を送信してもよい。
【0069】
具体的に、広告配信制御情報は、ユーザの識別に関するユーザ識別関連情報と、ユーザの予定情報に対応する洗濯条件に含まれる洗濯処理剤についての情報と、を含むことが好ましい。ユーザ識別関連情報は、洗濯支援サービスと広告配信サービスとで共通に用いられる情報であり、ユーザを洗濯処理剤のウェブ広告のターゲットとして含むことが可能な情報であればよい。ユーザ識別関連情報としては、例えば、両サービスで共有されているユーザID、端末装置200のIPアドレス、端末装置200の位置情報等が挙げられる。なお、広告配信制御情報に含まれる情報は、個人情報の保護や通信の秘密など、本開示の実施に必要な実施国の法的事項の遵守を前提として利用される。
【0070】
広告配信制御情報を受信した広告配信サーバは、例えば、端末装置200をターゲットとして洗濯処理剤のウェブ広告を配信する。これにより、端末装置200は、洗濯支援サービスとは異なるコンテンツとともに、洗濯処理剤のウェブ広告を表示することができる。したがって、ユーザによる洗濯処理剤の購入機会を増加させることができ、ユーザに対して最適な洗濯処理剤を用いた洗濯を支援することができる。
【0071】
さらに、広告配信制御情報は、ユーザ識別関連情報と、上記洗濯処理剤の情報とに加えて、ウェブ広告の配信タイミングを制御する情報を含んでいることが好ましい。ウェブ広告の配信タイミングの例としては、予定情報に含まれる予定の終了時刻の近傍のタイミングが挙げられる。このようなタイミングでウェブ広告を配信することにより、運動会などの予定を終えた直後のユーザに、洗濯処理剤の広告を閲覧させることができ、洗濯処理剤の入手や使用を効果的に促すことができる。ウェブ広告の配信タイミングの他の例としては、洗濯処理剤のより確実な入手を促す観点から、予定情報に含まれる予定日時の所定期間前のタイミングでもよい。あるいは、当該タイミングは、サーバ100が端末装置200に洗濯条件関連情報を送信する時刻の近傍でもよい。
【0072】
[変形例9]
端末装置は、ユーザの使用するスマートフォン等の情報端末に限定されない。例えば
図13に示すように、端末装置が、予定情報を登録したユーザの使用する洗濯機300でもよい。洗濯機300は、本実施形態において、
図2と同様のハードウェア構成を有する情報処理装置を含む。つまり、洗濯機300は、洗濯処理を行う洗濯槽及びこれを駆動する駆動部の他に、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM、バス、入出力インタフェース、表示部301、操作受付部302、記憶部、通信部等を有する。
【0073】
この例において、サーバ100は、洗濯機300に洗濯条件関連情報を出力することができる。これにより、例えば洗濯機300は、表示部301に、洗濯条件に含まれる洗濯処理剤の条件や洗濯方法などを表示することができる。したがって、洗濯機300が、洗濯機300の起動時にユーザに最適な洗濯条件を提示することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0074】
さらに、この例において、サーバ100は、インターネットNを介して、ユーザの使用する洗濯機300の他に、ユーザの使用する端末装置200とも接続されていてもよい。すなわち、この例において、サーバ100は、端末装置200及び洗濯機300の双方に洗濯条件関連情報を出力することができる。この場合、例えば洗濯機300に出力される洗濯条件関連情報は、少なくとも洗濯方法の情報を含み、端末装置200に出力される洗濯条件関連情報は、洗濯処理剤と洗濯方法の情報の他、前処理(手洗い)の情報や洗濯のアドバイス情報など、洗濯機300よりも多くの情報を含んでいてもよい。これにより、ユーザに対して端末装置200を介して充実した内容の洗濯条件関連情報を提示することができるとともに、洗濯機300の起動時にも洗濯条件の情報を提示でき、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0075】
<第2実施形態>
コインランドリー業者及びクリーニング業者等の洗濯業務を行う洗濯業者は、顧客の洗濯物に応じた洗濯条件を知ることで、洗濯物に適した洗濯業務を効率よく行える可能性がある。そこで、本発明の第2実施形態では、洗濯業者の洗濯業務を支援する観点から、サーバ100のCPU11が洗濯業者の使用する端末装置400に洗濯条件関連情報を出力する例について説明する。
なお、本実施形態において、上述の第1実施形態と対応する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
図14に示すように、本発明の第2実施形態に係る洗濯支援システムは、インターネットN上のサーバ100と、端末装置400(400A,400B,400C…)と、を含む。
【0077】
端末装置400は、例えば、洗濯支援サービスに登録している洗濯業者により使用される端末装置である。端末装置400は、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン等の、
図2と同様のハードウェア構成を有する情報処理装置である。洗濯業者は、衣料品等の洗濯サービスを提供するクリーニング業者又はコインランドリー業者であり得る。
【0078】
[システムの動作例]
以下の動作例では、サーバ100が、ユーザから取得された予定情報から予測された洗濯条件の情報を複数記憶しており、記憶された複数の洗濯条件に関する洗濯条件関連情報を端末装置400に出力する例について説明する。複数のユーザは、予定情報の利用について同意しているユーザであり、洗濯支援サービスを直接的に利用していなくてもよい。また、複数のユーザは、洗濯業者の顧客であることが好ましいが、顧客でなくてもよい。
【0079】
まず、サーバ100のCPU11は、ユーザの予定についての予定情報を取得する(ST31)。予定情報は、ユーザの予定についての情報の他、ユーザの属性についての情報を含んでいることが好ましい。
【0080】
続いて、CPU11は、取得された予定情報に基づいて、予定に伴って発生し得る洗濯物の性質に応じた洗濯条件を予測する(ST32)。ST32において、CPU11は、第1実施形態と同様に、予定に伴って発生し得る洗濯物の性質を予測し、当該性質に基づいて洗濯条件を予測してもよい。あるいは、CPU11は、取得された予定情報から、洗濯物の性質の予測をせずに洗濯条件を予測してもよい。
【0081】
続いて、CPU11は、予測された洗濯条件を予定情報と関連付けて記憶部18に記憶する(ST33)。この例において、記憶部18は、予定情報とそれに対応付けられた洗濯条件とを含む洗濯条件データベースを記憶している。洗濯条件データベースには、予定情報から予測された洗濯条件の情報が蓄積される。
【0082】
そして、CPU11は、洗濯業者の端末装置400に対し、複数の洗濯条件に関する洗濯条件関連情報を出力(送信)する(ST34)。洗濯条件関連情報は、端末装置400の要求に応じて出力されてもよいし、所定のタイミングで出力されてもよい。
【0083】
本実施形態において、洗濯条件関連情報は、所定の条件の予定情報に対して予測された複数の洗濯条件に関連する情報を含んでいる。所定の条件としては、例えば、予定日時の範囲、予定情報の提供元のユーザの属性等が挙げられる。ユーザの属性としては、例えば、居住地域、洗濯業者の提供するサービスの登録の有無、所属組織等が挙げられる。
具体例として、洗濯条件関連情報は、予定日時が所定の期間に属する予定についての予定情報に対する洗濯条件に関連する情報を含んでいてもよい。これにより、サーバ100は、例えば運動会や忘年会・新年会など、特定の時期に集中する予定に応じた洗濯条件に関する情報を提供することができる。
また、洗濯条件関連情報は、洗濯業者の店舗の所在する地域又はその近傍の地域に居住するユーザや、洗濯業者の提供するサービスに登録するユーザ、洗濯業者と提携する組織(企業、学校等)に属するユーザの予定情報に対する洗濯条件に関連する情報を含んでいてもよい。これにより、サーバ100は、洗濯業者の顧客となる可能性の高いユーザの予定についての洗濯条件に関連する情報を提供することができる。
【0084】
また、洗濯条件関連情報は、複数の洗濯条件についての情報を含んでいてもよいし、複数の洗濯条件について分析した分析情報を含んでいてもよい。複数の洗濯条件についての情報としては、例えば、予測された洗濯条件をリスト化した情報などが挙げられる。分析情報としては、例えば、洗濯条件の予測数の順位などの洗濯条件の傾向を分析した情報、予定日時に応じた洗濯条件の変化に関する情報等が挙げられる。分析情報を提供することにより、洗濯業者に対し、将来ニーズの高まる洗濯条件を的確に把握させることができる。
【0085】
そして、端末装置400は、洗濯条件関連情報を受信し(ST41)、受信した洗濯条件関連情報を表示部に表示させる(ST42)。洗濯条件関連情報は、例えば、洗濯支援サイト等の表示画面において表示されてもよいし、表計算ソフトウェア等の他のアプリケーションによって編集可能なデータとして表示されてもよい。
【0086】
以上のように、本実施形態の洗濯支援システムでは、洗濯業者に対し、顧客の将来のニーズに応じた洗濯条件に関する情報を提供することができ、洗濯業者の円滑な業務を支援することができる。例えば、洗濯業者がクリーニング業者の場合は、洗濯条件関連情報に基づいて、予定に伴う洗濯物の依頼前に、当該洗濯物に適した洗濯処理剤の購入や洗濯方法の確認を行うことができる。これにより、当該洗濯物の実際の依頼時に迅速に対応することができる。また、洗濯業者がコインランドリー業者の場合は、洗濯条件関連情報に基づいて、洗濯機の自動洗剤投入機に補充する洗濯処理剤の変更等を検討することができる。また、コインランドリー業者は、提案された洗濯処理剤を推奨する情報や洗濯方法のアドバイスなどの情報を店内に掲示することもできる。あるいは、コインランドリー業者が顧客向けにウェブサービスを提供している場合には、当該ウェブサービスのウェブサイトやアプリケーション上で、提案された洗濯処理剤を推奨する情報や洗濯方法のアドバイスなどの情報を提供することができる。
【0087】
[変形例1]
さらに、洗濯条件関連情報は、多く予測された洗濯条件に含まれる洗濯処理剤の入手を推奨する推奨情報を含んでいてもよい。これにより、洗濯業者に対して将来のニーズに応じた洗濯処理剤の入手を支援することができる。
【0088】
他の例として、洗濯条件関連情報は、例えば、予定情報を提供したユーザの識別情報と、当該ユーザの予定に係る洗濯条件についての情報と、を含んでいてもよい。この例において、予定情報を提供したユーザは、例えば洗濯業者の顧客であり、ユーザの識別情報は、洗濯支援サービスと、洗濯業者の提供するサービスとで共通に使用される情報であり得る。これにより、洗濯業者に対し、特定の顧客の洗濯物に適した洗濯条件を提案することができ、顧客個人のニーズに応じた洗濯業務を支援することができる。
【0089】
[変形例2]
また、本実施形態に係る端末装置400は、洗濯業者の使用する端末装置に限定されず、コインランドリー利用者により使用される端末装置でもよい。この場合、CPU11は、コインランドリー利用者以外のユーザを含む複数のユーザの予定情報に基づいて、複数の洗濯条件を予測し、それらに関する洗濯条件関連情報を出力することができる。これにより、コインランドリー利用者は、複数のユーザの予定の傾向に基づく洗濯条件やそれらを分析した分析情報を取得することができ、コインランドリー利用時の参考にすることができる。
【0090】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
【0091】
図13に示す洗濯機300を含む洗濯支援システムの例において、洗濯機300に出力される洗濯条件関連情報は、予測された洗濯条件に基づいて洗濯機を制御する情報を含んでいてもよい。これにより、例えば洗濯機300が予測された洗濯方法や洗濯工程を自動的に設定することができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0092】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「洗濯支援方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「洗濯支援方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0093】
11…CPU
18…記憶部
19…通信部
100…サーバ(情報処理装置)
200,400…端末装置
300…洗濯機(端末装置)