(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126499
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20240912BHJP
【FI】
G06F3/04842
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034898
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼谷 優樹
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA22
5E555AA23
5E555AA26
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC17
5E555CA12
5E555CA17
5E555CB12
5E555CB23
5E555CB34
5E555CB45
5E555CB59
5E555CC03
5E555DB18
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC11
5E555DC17
5E555DC21
5E555DC26
5E555DC27
5E555DC31
5E555DC35
5E555DC60
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】操作性を高めたディスプレイの表示を可能とする情報処理方法及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置10のコントローラ11は、入力操作を検出する操作検出部12と、選択されたウィジェットに対してエフェクトを付与するエフェクト処理部13と、描画順序を決定する描画処理部14と、を有し、一のアイテムに対する入力操作を検出した場合には、一のアイテムの描画順序を他のアイテムの描画順序より後にして、一のアイテムと他のアイテムとをディスプレイに描画し、一のアイテムの大きさを他のアイテムより大きく描画する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラが、タッチパネル式ディスプレイの画面表示を制御する情報処理方法であって、
前記画面表示は、一のアイテムと、前記一のアイテムとは異なる他のアイテムを含み、
前記コントローラは、
前記一のアイテムに対する入力操作を検出した場合には、前記一のアイテムの描画順序を、前記他のアイテムの描画順序より後にして、前記一のアイテムと前記他のアイテムとを前記ディスプレイに描画し、
前記一のアイテムの大きさは、前記他のアイテムより大きい情報処理方法。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理方法において、
前記一のアイテムは一のアイコンと一のパネルと含み、
前記他のアイテムは他のアイコンと他のパネルとを含み、
前記コントローラは、
前記一のアイテムに対する入力操作を検出した場合には、前記一のアイテムに対して、前記他のアイテムの大きさよりも大きくするエフェクトを付与し、
前記エフェクトを付与しない場合には、前記一のアイコンと前記他のアイコンの描画順序を、前記一のパネルと前記他のパネルの描画順序よりも後にして、前記一のアイテムと前記他のアイテムとを前記ディスプレイを描画し、
前記エフェクトを付与する場合には、前記一のパネルと前記一のアイコンの描画順序を、前記他のパネルと前記他のアイコンの描画順序よりも後にして、前記一のアイテムと前記他のアイテムとを前記ディスプレイを描画する情報処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の情報処理方法において、
前記コントローラは、
前記一のアイテムに対する入力操作を検出した場合には、前記一のアイテムを、前記他のアイテムよりも所定の倍率で拡大して表示されるようにエフェクトを付与する情報処理方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の情報処理方法において、
前記コントローラは、
前記一のアイテムに対する入力操作を検出した場合には、前記他のアイテムを、前記一のアイテムよりも所定の倍率で縮小して表示されるようにエフェクトを付与する情報処理方法。
【請求項5】
請求項1又は2記載の情報処理方法において、
前記ディスプレイは車両に搭載される情報処理方法。
【請求項6】
請求項1又は2記載の情報処理方法において、
前記入力操作は、前記ディスプレイをタッチするタッチ操作、及び/又は、ステアリングスイッチによる操作である情報処理方法。
【請求項7】
請求項1又は2記載の情報処理方法において、
前記入力操作は、ステアリングスイッチによる操作であり、
前記コントローラは、
前記ステアリングスイッチにより指定された方向に応じて、前記アイテムのフォーカスを移動させる情報処理方法。
【請求項8】
請求項1又は2記載の情報処理方法において、
前記コントローラは、
車両の車速情報を取得し、
前記一のアイテムに対する入力操作を検出した場合には、前記一のアイテムを、前記他のアイテムよりも所定の倍率で拡大して表示されるようにエフェクトを付与し、
前記車両の車速に応じて前記所定の倍率を設定する情報処理方法。
【請求項9】
請求項1又は2記載の情報処理方法において、
前記コントローラは、
車両の車速情報を取得し、
前記コントローラは、
前記一のアイテムに対する入力操作を検出した場合には、前記他のアイテムを、前記一のアイテムよりも所定の倍率で縮小して表示されるようにエフェクトを付与し、
前記車両の車速に応じて前記所定の倍率を設定する情報処理方法。
【請求項10】
タッチパネル式ディスプレイの画面表示を制御するコントローラを備え、
前記画面表示は、一のアイテムと、前記一のアイテムとは異なる他のアイテムを含み、
前記コントローラは、
前記画面表示に含まれるアイテムに対する入力操作を検出し、
前記一のアイテムに対する入力操作を検出した場合には、前記一のアイテムの描画順序を、前記他のアイテムの描画順序より後にして、前記一のアイテムと前記他のアイテムとを前記ディスプレイに描画し、
前記一のアイテムの大きさは、前記他のアイテムより大きい情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法及び情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、拡大表示を行う表示装置が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1記載の表示装置は、表示画面に表示されるコンテンツに、表示物のブロックが複数あり、複数のブロックのうちの何れかに対するタッチ操作が行われると、タッチ操作が行われたブロックを所定の拡大率で表示画面に拡大表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の表示装置は、タッチ操作が行われたブロックに含まれるコンテンツを表示画面全体に拡大して表示しており、タッチ操作が行われていないブロックに含まれるコンテンツが表示されない。そのため、表示画面において、ユーザにより選択されたアイテムが他のアイテムに隠れずに当該他のアイテムよりも大きくするような表示ができず、操作性が低いという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、操作性を高めたディスプレイの表示を可能とする情報処理方法及び情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一のアイテムに対する入力操作を検出した場合には、一のアイテムの描画順序を、他のアイテムの描画順序より後にして、一のアイテムと他のアイテムとをディスプレイに描画し、一のアイテムの大きさを他のアイテムより大きくすることによって、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る情報提示装置の構成概略図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る情報提示装置及びディスプレイを説明するための図である。
【
図3】
図3は、ディスプレイの表示画面の概念図である。
【
図4】
図4は、比較例を説明するための図であり、ディスプレイの表示画面の概念図である。
【
図5】
図5は、ディスプレイの表示画面の概念図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理装置の処理を説明するための図である。
【
図7】本実施形態に係る情報処理装置の処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る情報処理方法、及び情報処理装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報提示装置100の構成概略図である。情報提示装置100は、車両の室内に設けられ、乗員に対して様々な情報を提示する装置である。情報提示装置100は、例えば、ナビゲーション装置、オーディオ機器、空調装置などの車載機器を操作するための操作画面、乗員の操作に応じて動作している車載機器の動作画面(車両のルート案内等を行うための地図情報など)などを乗員に提示する。
【0011】
図1に示すように、情報提示装置100は、ディスプレイ1と、記憶装置2と、ステアリングスイッチ3と、情報処理装置10を含んで構成される。
【0012】
ディスプレイ1は、タッチパネル式のディスプレイであり、車両に搭載されている。タッチパネル式のディスプレイ1は、感圧センサを備え、接触操作時にディスプレイ1に与えられた押圧力を抵抗値や電圧などから検出する。感圧センサの機構は特に限定されず、出願時に知られた感圧センサの機構を適宜に用いることができる。またタッチパネルは、感圧式に限らず、静電式等、他の方式でもよい。ディスプレイ1は、タッチパネル式のディスプレイ1であればよく、ディスプレイ1の種別は特に限定されない。ディスプレイ1は、液晶ディスプレイであってもよいし、有機EL(Organic electro-luminescence: OEL)ディスプレイであってもよい。
【0013】
例えば、ディスプレイ1は、ダッシュボードのうち運転席と助手席の間の位置に配置される。またディスプレイ1は、運転席に着座するドライバー及び助手席に着座する乗員(以降、助手席乗員という)のそれぞれの手が届くように、運転席及び助手席の前方に配置される。ステアリングスイッチ3はステアリングホイールに設けられる。
【0014】
図2は、本実施形態に係る情報提示装置100及びディスプレイ1を説明するための図である。
図2は、車両の内装を示す図であって、情報提示装置100及びディスプレイ1の一例である。
図2に示すように、例えば、ディスプレイ1は、
図2を正面視した場合に、ステアリングホイールに対して左側に設けられる。本実施形態では、ディスプレイ1は、上下方向に対して左右方向に長い形状のディスプレイである。ドライバー及び助手席乗員は、ディスプレイ1にタッチ操作することで、情報提示装置100への操作内容をディスプレイ1に入力する。タッチ操作は、ディスプレイ1に表示されるオブジェクトに指等で触れる操作である。
【0015】
ディスプレイ1の表示画面には、ウィジェットW1~ウィジェットW4が表示される。ディスプレイ1を正面視した場合に、ウィジェットW1~ウィジェットW4は左から右に向かって並んで表示されている。ウィジェットは、識別可能な表示でアプリケーションを端的に表したアイコン、アプリケーションソフトウェアに関する情報を表示するパネル、アイコンの境界及びパネルの境界に表示される影(図示しない)を含む。パネルはアイコンよりも広く、アイコンはパネルの中心線に対して右側に重畳して表示される。また、アイコン、パネル、及び影のレイア関係は、アイコンが最も上に位置し、影が最も下に位置するような順で描画される。なお、ウィジェットの対象となるアプリケーションは特に限定されず、一例としては、通話アプリ、検索アプリ、天気予報アプリ、地図アプリ、音楽アプリなどが挙げられる。なお、ウィジェットW1~W4の数は必ずしも4つに限らず、複数であればよい。
図2に示されるウィジェットW1~W4が本発明の「アイテム」に相当する。ステアリングスイッチ3は、上下左右のそれぞれの方向を示す複数のボタン(矢印キー、十字キー等)、又は、スクロールボタン等で構成されている。なお、ステアリングスイッチ3は、音声を調整するためのスイッチや、自律運転モードのオン、オフを切り替えるスイッチ等を含んでもよい。
【0016】
図1に戻り、ドライバー又は助手席乗員によるタッチ操作について説明する。タッチ操作は、タップ(画面を1回タッチする)、ダブルタップ(画面を2回タッチする)、ロングタップ(画面を長押しする)、スワイプ(画面に触れた指を画面上でそのままスライドさせる(指をなぞる))、フリック(画面に触れた指を、画面上で素早く弾くように動かす)、ピンチイン/ピンチアウト(2本の指で画面に触れて、2本の指を近づける/遠ざける)、ドラッグ(画面上のアイテムを指で長押しながら、そのままスライドさせる)、ドロップ(ドラッグ操作でアイテムを指で長押した状態から、指を画面から放す)、スクロール(画面から指を放さずに、画面上で上下方向又は左右方向に指を移動させる)等を含む。なお、タッチ操作は、ディスプレイ1の画面表示に直接触れなくても、指等を画面表示に近づける、いわゆるホバリングであってもよい。なお、タッチ操作の操作方法は、これらに限定されず他の方法であってもよい。
【0017】
ドライバー又は助手席乗員がディスプレイ1に対してタッチ操作を行うと、ディスプレイ1は、画面表示上でタッチ操作された位置を検出し、検出した位置の情報を情報処理装置10に出力する。またディスプレイ1は、タッチ操作された位置とともに、感圧センサによる検出結果を情報処理装置10に出力する。一方、ディスプレイ1には、情報処理装置10から、画像データを表示するための制御指令が入力される。ディスプレイ1は、画像データに基づく一又は複数の画面を表示させる。
【0018】
記憶装置2は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶デバイスである。記憶装置2は、ウィジェットに関する情報として、アイコンの画像データ、パネルの画像データ、影の画像データなどを記憶する。また記憶装置2は、情報処理装置10からの制御指令に応じて、記憶するデータを情報処理装置10に出力する。また記憶装置2は、情報処理装置10からの制御指令に応じて、データの削除、既存データの更新、新規データの記憶などを行う。
【0019】
情報処理装置10は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成されている。
図1に示すコントローラ11は、後述する本発明に係る情報処理方法を実行する主体であり、コンピュータに相当する。
【0020】
図1に示すように、情報処理装置10のコントローラ11は、機能ブロックとして、操作検出部12と、エフェクト処理部13と、描画処理部14を有している。
【0021】
操作検出部12は、ウィジェットW1~W4に対する入力操作を検出する。ウィジェットW1~W4に対する入力操作は、ディスプレイ1のタッチ操作、及び/又は、ステアリングスイッチ3のスイッチ操作等である。操作検出部12は、ディスプレイ1から入力される情報に基づいて、ディスプレイ1に対して行われたタッチ操作を検出する。操作検出部12には、ディスプレイ1から、タッチ操作されたディスプレイ1上の位置情報及び感圧センサによる検出結果(押圧力を示す抵抗値や電圧など)が入力される。例えば、操作検出部12は、ディスプレイ1から入力される情報に基づいて、タップ操作、スワイプ操作等の各種のタッチ操作を検出する。なお、操作検出部12が検出するタッチ操作の数は特に限定されず、例えば、操作検出部12は、タッチダウン操作やタッチアップ操作を検出する。タッチダウン操作(タッチダウンイベント)は、指がディスプレイ1に近づき、ディスプレイ1に接触することで生じる操作である。タッチアップ操作(タッチアップイベント)は、指がディスプレイ1に接触した状態から、指がディスプレイ1から離れることで生じる操作である。
【0022】
また操作検出部12は、ステアリングスイッチ3から入力される情報に基づいて、ディスプレイ1に対する操作を検出する。操作検出部12には、ステアリングスイッチ3から、スイッチのオン情報が入力される。乗員は、ウィジェットW1~W4に付与されたフォーカスを移動するために、ステアリングスイッチ3を操作する。フォーカスは、ウィジェットW1~W4の選択を演出するための表示形態であり、例えばウィジェットの色の反転や、パネルの色の変更等の演出で表される。例えば、
図2に示すディスプレイ1の表示画面上で、ウィジェットW1にフォーカスが当たっている状態で、ユーザがステアリングスイッチ3に含まれる右向きボタンを押すと、フォーカスが、ウィジェットW1からウィジェットW2に移動する。
【0023】
ウィジェットW1~W4がディスプレイ1の表示画面に描画されている状態で、ウィジェットW1~W4に対する入力操作が検出された場合には、操作検出部12は、入力操作により選択されたウィジェット(以下、単に「選択ウィジェット」とも称する)を特定する。
【0024】
エフェクト処理部13は、ウィジェットW1~W4に対する入力操作を検出した場合には、選択されたウィジェットに対してエフェクトを付与する。ウィジェットW1~W4のうち、入力操作により選択されたウィジェットが選択ウィジェットとなる。エフェクトは、選択ウィジェットを、選択されてないウィジェット(以下、単に「選択外ウィジェット」とも称する)よりも視覚で目立たせるような加工処理である。選択ウィジェットの大きさが、選択外ウィジェットの大きさよりも大きくなるように、エフェクト処理部13は、ウィジェットW1~W4にエフェクトを付与する。例えば、乗員が、ディスプレイ1の表示画面のうち、ウィジェットW1の部分をタッチした場合には、ウィジェットW1が選択される。つまり、ウィジェットW1が選択ウィジェットとなり、ウィジェットW2~W4が選択外ウィジェットとなる。そして、ウィジェットW1にエフェクトが付与されて、ウィジェットW1の大きさが、選択されていないウィジェットW2~W4より大きくなる。すなわち、エフェクト処理部13は、ウィジェットW1~W4のうち一のウィジェットW1~W4に対する入力操作を検出した場合には、一のウィジェットW1~W4(選択ウィジェット)に対して、他のウィジェットW1~W4(選択外ウィジェット)の大きさよりも大きくするエフェクトを付与する。なお、エフェクトはパネル及びアイコンの両方に付与されてもよく、パネル及びアイコンのいずれか一方のみに付与されてもよい。
【0025】
エフェクト処理部13は、エフェクトを付与する処理では、エフェクトが付与されていないウィジェットW1~W4の大きさに対して、所定の倍率をかけて大きくすることで、選択ウィジェットを大きくする。所定の倍率は、1より大きい値であり、予め設定されている。つまり、エフェクト処理部13は、選択ウィジェットを、選択外ウィジェットよりも所定の倍率で拡大して表示されるようにエフェクトを付与する。また拡大エフェクトを付与した場合には、選択ウィジェットは、隣の選択外ウィジェットの少なくとも一部と重なるような描画となる。ウィジェットW1~W4に対して、拡大エフェクトを付与しない場合には、各ウィジェットW1~W4は、隣のウィジェットW1~W4と重なることは無い。一方、ウィジェットW1~W4のうち少なくとも1つのウィジェットW1~W4に対して、拡大エフェクトを付与した場合には、エフェクトを付与したウィジェットW1~W4は、隣のウィジェットW1~W4と部分的に重なる。
【0026】
なおエフェクト処理部13は、エフェクトを付与する処理において、エフェクトが付与されていないウィジェットW1~W4の大きさに対して、所定の倍率をかけて小さくすることで、選択外ウィジェットを小さくし、選択ウィジェットの大きさを変えなくてもよい。所定の倍率は、1より小さい値である。つまり、エフェクト処理部13は、選択外ウィジェットを、選択ウィジェットよりも所定の倍率で縮小して表示されるようにエフェクトを付与する。
【0027】
描画処理部14は、ウィジェットW1~W4に対する入力操作に応じて、ウィジェットW1~W4の描画順序を決定して、決定した描画順序でウィジェットW1~W4を描画する。ウィジェットW1~W4の描画順序は、複数のパネルと複数のアイコンにそれぞれ付けられる。描画処理部14は、ウィジェットW1~W4にエフェクトを付与する場合と、ウィジェットW1~W4にエフェクトを付与しない場合で、ウィジェットW1~W4の描画順序を変更する。
【0028】
図3は、ウィジェットW1~W4の描画順序を説明するための図であり、ディスプレイ1の表示画面の概念図である。なお、
図3で「1」~「8」の表記は描画順序を表している。また、
図3では、エフェクト処理部13によるエフェクトは付与されていない。ウィジェットW1~W4にエフェクトを付与しない場合には、描画処理部14は、ウィジェットW1~W4のレイヤ順を描画順序とする。ウィジェットW1はアイコンi1とパネルp1を含む。ウィジェットW2~W4はアイコンi2~i4とパネルp2~p4をそれぞれ含む。パネルp1~p4のレイヤはアイコンi1~i4のレイヤより上に位置し、レイヤ順ではパネルp1~p4がアイコンi1~i4よりも先となる。
【0029】
ウィジェットW1~W4にエフェクトを付与しない場合には、描画処理部14は、同一レイヤに位置するパネルp1~p4に対して、表示画面の左方向又は右方向から連続した順序となるように、描画順序を決める。描画処理部14は、同一レイヤに位置するアイコンi1~i4の描画順序も、パネルp1~p4と同様に決める。
図3の例では、描画処理部14は、同一レイヤに位置するパネルp1~p4に対して、表示画面の左方向からの順番で「1」~「4」となるように、パネルp1~p4の描画順序を決定する。また、描画処理部14は、同一レイヤに位置するアイコンi1~i4に対して、表示画面の左方向からの順番で「5」~「8」となるように、アイコンi1~i4の描画順序を決定する。そして、描画処理部14は、決定した描画順序に従って、パネルp1からパネルp4の順番で描画し、アイコンi1からアイコンi4の順序で描画する。すなわち、ウィジェットW1~W4にエフェクトを付与しない場合には、描画処理部14は、アイコンi1~i4の描画順序を、パネルp1~p4の描画順序よりも後にして、ウィジェットW1~W4を描画する。これにより、
図3に示すように、アイコンi1からアイコンi4は、パネルp1からパネルp4にそれぞれ重畳するように、ウィジェットW1~W4が表示される。ウィジェットW1~W4には、拡大エフェクトが付与されないため、隣同士のウィジェットが重なることはなく、またアイコンi1~i4はパネルp1~p4の上に位置する(レイヤ順で上側に位置する)。
【0030】
次に、拡大エフェクトを付与した場合のウィジェットW1~W4の描画について、
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は、拡大エフェクトを付与しない場合の描画順序で、エフェクト付きのウィジェットW1~W4を描画した時の、ディスプレイ1の表示画面の概念図である。
図4は、ウィジェットW1~W4の比較例を示す。
図5は、描画処理部14で決定した描画順序で、エフェクト付きのウィジェットW1~W4を描画した時の、ディスプレイ1の表示画面の概念図である。
【0031】
図4を参照し、比較例におけるウィジェットW1~W4の描画を説明する。エフェクトはウィジェットW3に付与される。パネルp1~p4の描画順序は、表示画面の左方向からの順番で「1」~「4」となる。パネルp1~p4は、パネルp1~p4の描画順序で、ディスプレイ1の表示画面上に描画される。このとき、ウィジェットW3には、拡大エフェクトが付与されるため、パネルp3の大きさが、他のパネルp1、p2、p4の大きさより大きくなる。そのため、パネルp3の左側の一部がアイコンi2の描画範囲に入るように、パネルp3は描画される。アイコンi1~i4の描画順序は、表示画面の左方向からの順番で「5」~「8」となる。パネルp1~p4の描画の後、アイコンi1~i4は、アイコンi1~i4の描画順序で、ディスプレイ1の表示画面上に描画される。アイコンi1~i4は、パネルp1~p4の上でパネルp1~p4と重なるように、それぞれ描画される。このとき、アイコンi2は、パネルp3の上に描画されるため、パネルp3の一部が隠れてしまう。パネルp3を含むウィジェットW3は、エフェクト付きで選択ウィジェットである。そのため、選択ウィジェットW3は選択外ウィジェットW1、W2、W4に隠れないように、選択ウィジェットW3に含まれるパネルp3とアイコンi3は、選択外ウィジェットW1、W2、W4よりも上に描画されることが求められる。しかしながら、比較例のように、拡大エフェクトを付与する場合に、エフェクトを付与しない時の描画順序でウィジェットW1~W4を描画すると、選択ウィジェットの一部が選択外ウィジェットに隠れてしまう。
【0032】
本実施形態において、拡大エフェクトをウィジェットW1~W4に付与する場合には、描画処理部14は、ウィジェットW1~W4の描画順序を変更する。すなわち、描画処理部14は、選択ウィジェットの描画順序を、選択外ウィジェットの描画順序よりも後にして、選択ウィジェットと選択外ウィジェットを描画する。
【0033】
図5を参照し、比較例におけるウィジェットW1~W4の描画を説明する。エフェクトはウィジェットW3に付与される。入力操作によりウィジェットW1~W4の中から、ウィジェットW3が選択されると、描画処理部14は、選択外ウィジェットW1、W2、W4の描画順序を決定する。描画処理部14は、パネルp1、p2、p4に対して、表示画面の左方向から順に「1」、「2」、「3」となるように、パネルp1、p2、p4の描画順序を決定する。次に、描画処理部14は、アイコンi1、i2、i4に対して、表示画面の左方向から順に「4」、「5」、「6」となるように、アイコンi1、i2、i4の描画順序を決定する。選択外ウィジェットW1、W2、W4の描画順序の決定後に、描画処理部14は選択ウィジェットW3の描画順序を決定する。描画処理部14は、パネルp3に対して「7」、アイコンi3に対して「8」となるように、パネルp3とアイコンi3の描画順序を決定する。そして、描画処理部14は、決定した描画順序に従って、パネルp1、p2、p4の描画、アイコンi1、i2、i4の描画、パネルp3の描画、アイコンi3の描画の順番で描画処理を行う。すなわち、ウィジェットW3にエフェクトを付与する場合には、描画処理部14は、パネルp3とアイコンi3の描画順序を、パネルp1、p2、p4とアイコンi1、i2、i4の描画順序よりも後にして、ウィジェットW1~W4を描画する。
【0034】
図5に示すように、パネルP3の描画順序「7」は、アイコンi2の描画順序「5」よりも後のため、パネルP3がアイコンi2の上に描画される。また、アイコンi3の描画順序「8」は、パネルp4の描画順序「3」よりも後のため、アイコンi3はパネルp4の上に描画される。これにより、エフェクト付きの選択ウィジェットW3の一部が、選択外ウィジェットW1、W2、W4に隠れることはない。
【0035】
図6及び
図7を参照して、コントローラによるウィジェットW1~W4を描画する際の制御フローを説明する。
図6は、タッチ操作(タッチダウン操作及びタッチアップ操作)によりディスプレイ1を操作している時の制御フローを示すフローチャートである。
図7は、ステアリングスイッチ3によりディスプレイ1を操作している時の制御フローを示すフローチャートである。
【0036】
ステップS1にて、コントローラ11は、記憶装置2からホーム画面に関する情報を取得し、ホーム画面を表示するための制御指令をディスプレイ1に出力する。ディスプレイ1は、制御指令に基づきホーム画面を表示する。ホーム画面には
図2の例のように、ウィジェットW1~W4が表示される。ステップS2にて、コントローラ11の操作検出部12は、ディスプレイ1のタッチ操作による入力操作を検出する。ステップS3にて、操作検出部12は、タッチ操作が検出されたか否か判定する。
図6の例では、操作検出部12は、タッチダウン操作を検出したか否かは判定する。タッチダウン操作を検出していない場合には、コントローラ11はステップS2の制御フローを実行する。
【0037】
タッチダウン操作を検出した場合には、操作検出部12は、タッチダウン操作で触れた部分に該当するウィジェットW1~W4を選択ウィジェットとして特定する(ステップS4)。なお、タッチダウン操作は検出できたが、該当するウィジェットW1~W4を特定できない場合(例えば、ウィジェットW1~W4の表示以外の部分をタッチしている場合)は、コントローラ11はステップS2の制御フローを実行してもよい。また、
図6の制御フローでは特に示していないが、操作検出部12は、タッチダウン操作を検出した後は、タッチアップ操作がされたか否か検出している。
【0038】
ステップS5にて、コントローラ11の描画処理部14は、選択外ウィジェットの描画順序を決定し、描画順序に従って、選択外ウィジェットをディスプレイ1の表示画面上に描画する。ステップS6にて、描画処理部14は、選択ウィジェットの描画順序を決定し、描画順序に従って、選択ウィジェットをディスプレイ1の表示画面上に描画する。ステップS7にて、描画処理部14は、選択ウィジェットにエフェクトを付与する。なお、ステップS5~ステップS7の制御フローは、必ずしも
図6の示す順序で実行される必要はなく、コントローラ11は例えばステップS7の制御フローをステップS5、S6の制御フローよりも前に実行してもよい。また、ステップS4~ステップS7の制御フローは、あくまでコントローラ11による描画処理のロジックの一例にすぎず、ディスプレイ1を見るユーザの見た目で、一度の表示の中で実行されている。
【0039】
ステップS8にて、操作検出部12はタッチアップ操作を検出したか否かは判定する。タッチアップ操作を検出していない場合には、コントローラ11はステップS5の制御フローを実行する。これにより、コントローラ11は、タッチダウン操作により指がディスプレイ1に触れている間は、選択外ウィジェットよりも上の位置で、選択ウィジェットをエフェクト付きで描画する。タッチアップ操作を検出した場合には、描画処理部14は、エフェクトによる演出を解除して、エフェクトを付与しない場合の描画順序で、ウィジェットW1~W4を描画する。そして、コントローラ11は、タッチダウン及びタッチアップ操作時の制御フローを終了する。
【0040】
次に、ステアリングスイッチ3によりディスプレイ1を操作している時の制御フローを、
図7を参照して説明する。なお、ステアリングスイッチ3の操作により選択されたウィジェットW1~W4には、エフェクトに加えてフォーカスを付与する。
【0041】
ステップS11にて、コントローラ11は、ホーム画面を表示するようディスプレイ1を制御する。なお、ホーム画面は、例えば左端に位置するウィジェットW1に対してフォーカスを付与した表示でもよく、あるいは前回選択したウィジェットに対して対してフォーカスを付与した表示としてもよい。ステップS12にて、コントローラ11の操作検出部12は、ステアリングスイッチ3のボタン操作による入力操作を検出する。ステップS13にて、操作検出部12は、フォーカス移動操作が検出されたか否か判定する。フォーカス移動操作は、例えば、ステアリングスイッチ3に含まれる矢印キーや十字キーの押下である。フォーカス移動操作を検出していない場合には、コントローラ11はステップS12の制御フローを実行する。
【0042】
フォーカス移動操作を検出した場合には、操作検出部12は、フォーカス移動操作により指定されたウィジェットW1~W4を選択ウィジェットとして特定する(ステップS14)。ステップS15にて、コントローラ11の描画処理部14は、選択外ウィジェットの描画順序を決定し、描画順序に従って、選択外ウィジェットをディスプレイの表示画面上に描画する。ステップS16にて、描画処理部14は、選択ウィジェットの描画順序を決定し、描画順序に従って、選択ウィジェットをディスプレイの表示画面上に描画する。ステップS17にて、描画処理部14は、選択ウィジェットにエフェクトを付与する。ステップS18にて、描画処理部14は、選択ウィジェットにフォーカスを付与する。そして、コントローラ11は、タッチダウン及びタッチダウン操作時の制御フローを終了する。なお、ステップS15~ステップS18の制御フローは、必ずしも
図7の示す順序で実行される必要はなく、コントローラ11は例えばステップS17、S18の制御フローをステップS15、S16の制御フローよりも前に実行してもよい。また、ステップS14~ステップS18の制御フローは、あくまでコントローラ11による描画処理のロジックの一例にすぎず、ディスプレイ1を見るユーザの見た目で、一度の表示の中で実行されている。
【0043】
上記のように、本実施形態に係る情報処理方法又は情報処理装置において、ディスプレイ1に表示される画面表示は、一のウィジェットと他のウィジェットを含んでおり、コントローラ11は、一のウィジェットに対する入力操作を検出した場合には、一のウィジェットの描画順序を、他のウィジェットの描画順序より後にして、一のウィジェットと他のウィジェットとをディスプレイ1に描画する。そして、ディスプレイ1の画面表示において、一のウィジェットの大きさは他のウィジェットの大きさより大きい。これにより、入力操作により選択された一のウィジェット(選択ウィジェット)を、隣接する他のウィジェット(選択外ウィジェット)よりも前面に表示させることができる。この結果として、選択ウィジェットは選択外ウィジェットに隠れないため、操作性を高めることができる。なお、ウィジェットW1~W4のうちの少なくとも1つが一のウィジェットに対応し、ウィジェットW1~W4のうち、一のウィジェットではないウィジェットが他のウィジェットに対応する。
【0044】
また本実施形態において、コントローラ11は、一のウィジェットに対する入力操作を検出した場合には、一のウィジェットに対して、他のウィジェットの大きさよりも大きくするエフェクトを付与する。コントローラ11は、エフェクトを付与しない場合には、一のアイコンと他のアイコンの描画順序を、一のパネルと他のパネルの描画順序よりも後にして、一のウィジェットと他のウィジェットとをディスプレイ1を描画する。またコントローラ11は、エフェクトを付与する場合には、一のパネルと一のアイコンの描画順序を、他のパネルと他のアイコンの描画順序よりも後にして、一のウィジェットと他のウィジェットとをディスプレイ1を描画する。これにより、選択ウィジェットに含まれるパネルとアイコンを、選択外ウィジェットに含まれるパネルとアイコンよりも前面に表示させることができる。この結果として、操作性を高めることができる。
【0045】
また本実施形態において、コントローラ11は、一のウィジェットに対する入力操作を検出した場合には、一のウィジェットを、他のウィジェットよりも所定の倍率で拡大して表示されるようにエフェクトを付与する。これにより、選択ウィジェットの大きさが選択外ウィジェットに対して相対的に大きくなるため、操作性を高めることができる。
【0046】
また本実施形態において、コントローラ11は、一のウィジェットに対する入力操作を検出した場合には、他のウィジェットを、一のウィジェットよりも所定の倍率で縮小して表示されるようにエフェクトを付与する。これにより、選択ウィジェットの大きさが選択外ウィジェットに対して相対的に大きくなるため、操作性を高めることができる。
【0047】
また本実施形態において、コントローラ11は、ステアリングスイッチ3により指定された方向に応じて、アイテムのフォーカスを移動させる。これにより操作性を高めることができる。
【0048】
なお、本実施形態の変形例として、コントローラ11は、エフェクトを付与する処理において、所定の倍率を車両の車速に応じて設定してもよい。コントローラ11は、例えば車速センサからセンサ検出値を取得することで、現在の車速を検出する。選択ウィジェットに対して所定の倍率で拡大して表示されるようなエフェクトを付与する場合には、コントローラ11は、車速が高いほど所定の倍率が高くなるように、所定の倍率を設定する。また、選択外ウィジェットに対して所定の倍率で縮小して表示されるようなエフェクトを付与する場合には、コントローラ11は、車速が高いほど所定の倍率が低くなるように、所定の倍率を設定する。これにより、車両の走行中は、停車中と比較して、選択ウィジェットがより大きくなるため、表示画面が見やすくなる。また、選択外ウィジェットに対する操作がやり難くなるため、運転中の誤操作を防止できる。
【符号の説明】
【0049】
1 ディスプレイ
2 記憶装置
10 情報処理装置
11 コントローラ
12 操作検出部
13 エフェクト処理部
14 描画処理部
100 情報提示装置