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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126502
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】車いす
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/12 20060101AFI20240912BHJP
   A61G 5/04 20130101ALI20240912BHJP
【FI】
A61G5/12 705
A61G5/04 707
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034902
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】598026851
【氏名又は名称】株式会社カワムラサイクル
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 青空
(57)【要約】
【課題】第一姿勢と第二姿勢との姿勢変化で電気配線の処理が容易な車いすの提供。
【解決手段】車いす2は、第一姿勢と第二姿勢とに姿勢変化可能なである。車いす2は、機能部52と、第一姿勢と第二姿勢との姿勢変化によって機能部52の動作制限を切り替える、動作制限部22とを備える。好ましくは、動作制限部22が、第一姿勢と第二姿勢とで電気配線を切り替える接点22である。好ましくは、接点22が第一姿勢と第二姿勢とで接触した通電可能状態と離れた通電不可状態とに切り替わる第一端子22A及び第二端子22Bを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一姿勢と第二姿勢とに姿勢変化可能な車いすであって、
機能部と、
前記第一姿勢と前記第二姿勢との姿勢変化によって前記機能部の動作制限を切り替える動作制限部と
を備える、車いす。
【請求項2】
前記動作制限部が、前記第一姿勢と前記第二姿勢とで電気配線を切り替える接点である、請求項1に記載の車いす。
【請求項3】
前記接点が前記第一姿勢と前記第二姿勢とで接触した前記通電可能状態と離れた前記通電不可状態とに切り替わる第一端子及び第二端子を有し、
前記第一端子が配置された第一部材と、
前記第一姿勢と前記第二姿勢とで前記第一部材との相対位置が変化する第二部材とを備え、
前記第二端子が、前記第二部材に配置され、前記第一姿勢と前記第二姿勢とによって前記通電可能状態と前記通電不可状態とに切り替わる位置に配置されている、請求項2に記載の車いす。
【請求項4】
前記第一部材に対して前記第二部材が回動して前記第一姿勢と前記第二姿勢とに姿勢変化する、請求項3に記載の車いす。
【請求項5】
前記第一端子と前記第一部材との間に介在する第一絶縁体と、前記第二端子と前記第二部材との間に介在する第二絶縁体とを備える、請求項3又は4に記載の車いす。
【請求項6】
前記第一部材及び前記第二部材の少なくとも一方が、前記第一端子と前記第二端子とが接触する接触範囲の異物排出部を有する、請求項3又は4に記載の車いす。
【請求項7】
少なくとも、前記第一端子と前記第二端子との位置ずれを吸収する接触位置調整部を有する、請求項3又は4に記載の車いす。
【請求項8】
前記接点が前記第一姿勢と前記第二姿勢とで接触した通電可能状態と離れた通電不可状態とに切り替わる第三端子及び第四端子を更に有し、
前記第三端子が前記第一部材に配置され、
前記第四端子が前記第二部材に配置され、
前記第三端子と前記第四端子とが、前記第一端子と前記第二端子とが接触する前記第一部材と前記第二部材との接触範囲から離れた位置に配置されている、請求項3又は4に記載の車いす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、車いすを開示する。
【背景技術】
【0002】
車いすには、使用姿勢と非使用姿勢とで姿勢が変化するものがある。非使用姿勢では、車いすが、折り畳まれていたり、分離されていたり、その一部が取り外されていたりする。これにより、この車いすの保管や運搬が容易にできる。この様な車いすの例が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-181019公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えば、車いすの電動化が進められている。電動化した車いすは、使用者及び介助者の利便性を向上できる。電動化した車いすは、機能部として、電動アクチュエータや電動アクチュエータを含む機器を備える。この電動化した車いすでも、例えば、使用姿勢と非使用姿勢と間の様に、第一姿勢と第二姿勢との間で姿勢変化する。車いすでは、第一姿勢では機能部を動作させ、第二姿勢では機能部の動作部の動作を制限する場合がある。この様なときに、機能部の動作制限の切り替えの処理が必要となる。この様な車いすでは、車いすの姿勢変化に伴って、動作制限の切り替えの処理の手間が生じる。
【0005】
本出願人の意図するところは、第一姿勢と第二姿勢との姿勢変化で機能部の動作制限の切り変えが容易な車いすの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する車いすは、第一姿勢と第二姿勢とに姿勢変化可能な車いすであって、機能部と、前記第一姿勢と前記第二姿勢との姿勢変化によって前記機能部の動作制限を切り替える動作制限部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
この車いすは、前記第一姿勢と前記第二姿勢との姿勢変化によって機能部の動作制限を切り替える動作制限部を備える。これにより、車いすは、第一姿勢と第二姿勢とに姿勢変化させることで、機能部の動作制限が切り替わる。この車いすは、機能部の動作制限の切り変えが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る車いすの使用姿勢が示された斜視図である。
図2図2は、図1の車いすの非使用姿勢の一例が示された斜視図である。
図3図3は、図1の車いすのフットレッグサポート及びベースフレームの一部の分解図である。
図4図4Aは、図4Bの線分VIA-VIAに沿った、図1の車いすのベースフレームの部分拡大断面図であり、図4Bは、図4Aの線分VIB-VIBに沿った、ベースフレームの部分拡大断面図である。
図5図5Aは、図1の車いすのフットレッグサポートの部分拡大平面図であり、図5Bは、図5Aの線分VB-VBに沿った、フットレッグサポートの部分拡大断面図である。
図6図6は、図1の車いすの非使用姿勢におけるフットレッグサポートが示された部分拡大図である。
図7図7は、図1の車いすの使用姿勢におけるフットレッグサポートが示された部分拡大図である。
図8図8は、図1の車いすの他の非使用姿勢におけるフットレッグサポートが示された部分拡大図である。
図9図9Aは、他の実施形態に係る車いすのフットレッグサポートの使用状態が示された部分拡大図であり、図9Bは、この車いすのフットレッグサポートの他の使用状態が示された部分拡大図である。
図10図10は、更に他の実施形態に係る車いすのフットレッグサポートの部分拡大図である。
図11図11は、更に他の実施形態に係る車いすの斜視図である。
図12図12は、更に他の実施形態に係る車いすのアームサポートの使用状態が示された部分拡大図である。
図13図13は、更に他の実施形態に係る車いすの使用状態が示された部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。
【0010】
図1に、車いす2が示されている。図1の矢印Xは車いす2の前後方向前向きを表し、矢印Yは左右方向左向きを表し、矢印Zは上下方向上向きを表している。
【0011】
車いす2は、ベースフレーム4、一対の前輪6、一対の後輪8、シート10、一対のアームサポート12、バックフレーム14、バックサポート16、ヘッドサポート18及び一対のフットレッグサポート20を備える。
【0012】
それぞれの前輪6は、ベースフレーム4の前方に取付けられている。それぞれの後輪8は、ベースフレーム4の後方に取付けられている。シート10は、ベースフレーム4に取付けられている。シート10は、ベースフレーム4の上に配置されている。一方のアームサポート12はベースフレーム4の左に取付けられ、他方のアームサポート12はベースフレーム4の右に取付けられている。
【0013】
バックフレーム14は、一対のバックパイプ14A及び一対のグリップ14Bを含む。バックフレーム14は、ベースフレーム4の後方に取付けられている。バックフレーム14は、ベースフレーム4に対して回動可能である。一対のバックパイプ14Aは、左右方向に間隔を空けて上下方向に延びている。それぞれのバックパイプ14Aから、グリップ14Bが後方に突出している。バックサポート16及びヘッドサポート18は、バックフレーム14に取付けられている。バックサポート16は、一対のバックパイプ14Aに架け渡されている。バックサポート16及びヘッドサポート18は、バックフレーム14の前面に配置されている。ヘッドサポート18は、バックサポート16の上方に配置されている。
【0014】
一方のフットレッグサポート20はベースフレーム4の左前方に配置され、他方のフットレッグサポート20はベースフレーム4の右前方に配置されている。それぞれのフットレッグサポート20は、ベースフレーム4に取付けられている。
【0015】
図2には、車いす2の非使用姿勢の一例が示されている。この車いす2では、左のフットレッグサポート20がベースフレーム4から左外向きに配置され、右のフットレッグサポート20がベースフレーム4から右外向きに配置されている。この車いす2の非使用姿勢では、その他は、図1に示された車いす2の使用姿勢と同様である。この車いす2は、図1の使用姿勢と図2の非使用姿勢との間で姿勢変化可能である。ここでは、図1の使用姿勢を第一姿勢とし、図2の非使用姿勢を第二姿勢として説明がされる。しかし、第一姿勢と第二姿勢は、これに限定されない。例えば、第一姿勢が非使用姿勢であり、第二姿勢が使用姿勢であってもよい。
【0016】
図3には、ベースフレーム4の一部及びフットレッグサポート20の部分分解図が示されている。
【0017】
車いす2は、接点22を更に備える。接点22は、第一端子22A及び第二端子22Bを含む。第一端子22Aは、ベースフレーム4に配置されている。第二端子22Bは、フットレッグサポート20に配置されている。
【0018】
ベースフレーム4は、その前方に位置するパイプ24、一対のサポート26及び位置決め28を含む。この車いす2では、パイプ24は、上下方向に延びている。
【0019】
それぞれのサポート26は、プレート30、ケース32、カバー34、回動軸36及びホルダー38を有する。プレート30は、パイプ24から突出している。プレート30の上面30Aは水平方向に広がっている。回動軸36は、ケース32を介してプレート30に取付けられている。ホルダー38は、ケース32に収容されている。ケース32は、ホルダー38を収容するための開口を有する。カバー34がケース32の開口を覆っている。カバー34はケース32にねじ止めされている。ホルダー38は、カバー34によってケース32から抜け止めされている。
【0020】
位置決め28は、パイプ24に取付けられている。位置決め28は、パイプ24の長手方向において、一対のサポート26の間に位置している。位置決め28は、外向きに開口する位置決め孔28Aを有する。
【0021】
図3に示される様に、フットレッグサポート20は、ベースパイプ42、レッグパイプ44、レッグプレート46、支持軸48、フットプレート50、アクチュエータ52、一対のマウンター54及び位置決めピン55を有する。
【0022】
レッグパイプ44は、ベースパイプ42に取付けられている。レッグパイプ44は、ベースパイプ42に対して、上下方向に回動可能である。レッグプレート46は、レッグパイプ44に取付けられている。レッグプレート46の主面は、レッグパイプ44の長手方向に沿って広がっている。支持軸48は、レッグパイプ44から、レッグパイプ44の長手方向に直交する向きに伸びている。支持軸48は、車いす2の使用姿勢において、前後方向に延びている。フットプレート50は、支持軸48に取付けられている。フットプレート50は、支持軸48に対して回動可能である。
【0023】
アクチュエータ52の基端部52Aは、ベースパイプ42に取付けられている。アクチュエータ52は、ベースパイプ42に対して回動可能である。アクチュエータ52の先端部52Bは、レッグパイプ44に取付けられている。アクチュエータ52は、レッグパイプ44に対して回動可能である。アクチュエータ52は、伸縮可能である。アクチュエータ52は、特に限定されないが、例えば電動伸縮機である。
【0024】
それぞれのマウンター54は、プレート56、カバー58、絶縁体60及びブッシュ62を有する。絶縁体60及びブッシュ62は、プレート56に取付けられている。カバー58はプレート56に取付けられている。カバー58は、プレート56にねじ止めされている。カバー58は、プレート56の上面を覆っている。
【0025】
接点22の第一端子22Aは、電線の端子64Aと共に、ホルダー38に取付けられる。第二端子22Bは、電線の端子64Bと共に、プレート56に取付けられる。
【0026】
図3には示されないが、接点22は、更に、第三端子22Cと第四端子22Dとを有する。図示されないが、他方のサポート26では、第一端子22Aと同様に、第三端子22Cが、電線の端子64Cと共に、他方のホルダー38に取付けられている。図示されないが、第四端子22Dは、第二端子22Bと同様に、電線の端子64Dと共に、他方のプレート56に取付けられている。
【0027】
図4A及び図4Bには、サポート26の部分拡大断面図が示されている。図4Aは、図4Bの線分VIA-VIAに沿った断面である。図4Bは、図4Aの線分VIB-VIBに沿った断面である。図4Aには、第一端子22Aに接触する第二端子22Bと、第一端子22Aから離れた第二端子22Bとが二点鎖線で示されている。
【0028】
図4Aに示される様に、ケース32は、ホルダー溝32A及び端子溝32Bを有する。
第二端子22Bは、端子溝32Bに沿って、第一端子22Aと接触する位置と、第一端子22Aから離れた位置とに移動可能である。ホルダー38は、ホルダー溝32Aに収容されている。ホルダー溝32Aは、端子溝32Bに開口している。ホルダー38は、ホルダー溝32A内の所定の範囲で移動可能である。ホルダー38は、端子溝32Bに対して、所定の範囲で位置変更可能である。
【0029】
第一端子22Aは、ベース片66A及び一対のガイド片66Bを有する。それぞれのガイド片66Bは、ベース片66Aの端から互いに対向して延びている。ガイド片66Bは、互いに平行に延びており、先端部が互いに離れる向きに傾斜して延びている。ガイド片66Bは、ベース片66Aの端から先端に向かって、互いに離れる向きに傾斜して延びていてもよい。ここでは、ベース片66A及び一対のガイド片66Bは、導電性金属板を折り曲げて形成されている。この第一端子22Aは、例示であって、これに限定されない。
【0030】
第一端子22Aは、ホルダー38に取付けられている。ベース片66Aがホルダー38にねじ止めされている。第一端子22Aは、電線の端子64Aと接している。ベース片66Aが端子64Aと接している。一対のガイド片66Bは、ホルダー溝32Aの開口から端子溝32Bに突出している。それぞれのガイド片66Bは、端子溝32Bに沿って延びている。
【0031】
第一端子22Aは、ベース片66Aと一対のガイド片66Bとに囲まれる空間を形成している。この空間は、下方に開口している。ケース32は、開口32Cを有する。この開口32Cは、端子溝32Bに連続して形成されている。この開口32Cは、第一端子22Aの空間の下方に位置している。この開口32Cは、第一端子22Aと第二端子22Bとが接触する範囲の下方に形成されている。
【0032】
図5Aにはマウンター54の平面図が示されている。図5Bには、図5Aの線分VB-VBに沿った断面が示されている。
【0033】
図5Bに示される様に、プレート56は、貫通孔56A及び軸孔56Bを有する。絶縁体60は、貫通孔56Aに挿入されている。ブッシュ62は、軸孔56Bに挿入されている。第二端子22Bは、円盤状の頭部と頭部から延びる円柱状のピン部とを有する。第二端子22Bは、導電性金属からなる。絶縁体60に、第二端子22Bが挿入されている。第二端子22Bと電線の端子64Bが接している。カバー58が、プレート56にねじ止めされている。第二端子22Bは、カバー58によって、プレート56から抜け止めされる。
【0034】
図5Bには、サポート26の回動軸36が二点鎖線で示されている。この回動軸36は、ブッシュ62に挿入されている。これにより、マウンター54は、サポート26に対して回動可能である。このマウンター54の回動によって、第二端子22Bは第一端子22Aに接触する位置と、第一端子22Aから離れた位置とに移動可能である(図4A参照)
【0035】
図6では、サポート26のマウンター54が、サポート26の回動軸36から外されている。図6に示される様に、マウンター54は、サポート26から取り外し可能である。このフットレッグサポート20は、ベースフレーム4から取り外されている。図6は、車いす2の非使用姿勢におけるフットレッグサポート20の一例を示している。
【0036】
取り外されたフットレッグサポート20では、第一端子22Aと第二端子22Bとが接していない。同様に、第三端子22Cと第四端子22Dとが接していない。これにより、アクチュエータ52は駆動不可な状態にある。レッグパイプ44は回動不可な状態にある。
【0037】
図7では、マウンター54が、サポート26に取付けられている。それぞれのマウンター54が回動軸36に取付けられている。位置決めピン55が、位置決め28の位置決め孔28Aに挿入されている。これにより、フットレッグサポート20は、フットプレート50を前方に向けて位置決めされている。図7は、車いす2の使用姿勢におけるフットレッグサポート20を示している。
【0038】
図7のフットレッグサポート20では、第一端子22Aと第二端子22Bとが接している。第三端子22Cと第四端子22Dとが接している。これにより、図示されないスイッチの操作により、アクチュエータ52は駆動可能である。このアクチュエータ52の伸縮により、ベースパイプ42に対して、レッグパイプ44が回動可能である。これにより、レッグパイプ44は、適正な回動位置に位置調整可能である。
【0039】
図8では、フットレッグサポート20は、フットプレート50を左右方向外向きに向けている。図8では、左のフットレッグサポート20が、ベースフレーム4に対して、左外向きに回動した位置にある。図8の使用状態では、図7の使用状態から、フットレッグサポート20は、ベースフレーム4に対して外向きに回動して位置している。図8は、車いす2の非使用姿勢におけるフットレッグサポート20の他の一例を示している。
【0040】
図8にフットレッグサポート20では、第一端子22Aと第二端子22Bとが接していない。第三端子22Cと第四端子22Dとが接していない。これにより、アクチュエータ52は駆動不可な状態にある。レッグパイプ44は回動不可な状態にある。
【0041】
この車いす2は、使用姿勢と非使用姿勢とで通電可能状態と通電不可状態とに切り替わる。接点22は、通電可能状態と通電不可状態とで、図示されない電気配線を切り替える。車いす2は、動作制限の切り替えをする動作制限部としての接点22を備える。ここでいう動作制限部とは、車いす2の第一姿勢と第二姿勢との姿勢変化によって機能部としての機器の動作制限を切り替えるものである。ここでは、第一姿勢が使用姿勢として、第二姿勢が非使用姿勢として、説明がされるが、これに限定されない。この車いす2では、使用姿勢にされると、アクチュエータ52は、通電可能状態になり、駆動可能である。非使用姿勢にされると、アクチュエータ52は、通電不可状態になり、駆動不可である。ここでは、機能部としてアクチュエータ52を例に説明がされるが、機能部はこれに限定されない。この車いす2では、使用姿勢と非使用姿勢との切り替え時に、電気配線の接続作業及び切断作業が必要ない。この車いす2は、電気配線の処理が容易である。この車いす2では、フットレッグサポート20を取り外したときに、電気配線が邪魔にならない。
【0042】
この車いす2では、非使用姿勢でアクチュエータ52が動作することが確実に防止される。この車いす2は、非使用姿勢で、意図しないアクチュエータ52の動作を防止できる。例えば、走行用電動機を備える車いす2では、走行用電動機が通電不可状態にされる。この車いす2は、非使用姿勢での走行が防止される。この車いす2は、安全性にも優れている。
【0043】
車いす2では、接点22が使用姿勢と非使用姿勢とで接触した通電可能状態と離れた通電不可状態とに切り替わる第一端子22A及び第二端子22Bを有する。この車いす2は、第一端子22Aが配置されたベースフレーム4と、使用姿勢と非使用姿勢とでベースフレーム4との相対位置が変化するフットレッグサポート20とを備える。第二端子22Bは、フットレッグサポート20に配置され、使用姿勢と非使用姿勢とによって通電可能状態と前記通電不可状態とに切り替わる位置に配置されている。これにより、車いす2は、使用姿勢と非使用姿勢とに切り替えることで、通電可能状態と通電不可状態とに切り替わる。
【0044】
この車いす2では、ベースフレーム4に対してフットレッグサポート20が回動して使用姿勢と非使用姿勢とに姿勢変化する。この様な回動機構を利用することで、通電可能状態と前記通電不可状態とに切り替え処理が容易にされている。なお、使用姿勢と非使用姿勢との切り替えは、この様な回動機構に限定されない。例えば、図6に示された様に、使用姿勢と非使用姿勢との切り替えは、ベースフレーム4にフットレッグサポート20が取付けられ、また、取り外されることで、されてもよい。
【0045】
この車いす2では、接点22は使用姿勢と非使用姿勢とで接触した通電可能状態と離れた通電不可状態とに切り替わる第三端子22C及び第四端子22Dを更に有する。第三端子22Cはベースフレーム4に配置されている。第四端子22Dは、フットレッグサポート20に配置されている。第一端子22Aと第二端子22Bとが接触する一方のサポート26及びマウンター54と、第三端子22Cと第四端子22Dとが接触する他方のサポート26及びマウンター54と、別々に離れて設けられている。この車いす2では、第一端子22Aと第三端子22Cとが電源に接続されている。この第一端子22Aと第三端子22Cとの間で、電気のショートが発生することが防止できる。この車いす2は安全性に優れる。この観点から、第三端子22Cと第四端子22Dとは、一方のサポート26及びマウンター54との接触範囲から離れた位置に配置されることが、好ましい。なお、ここでは、一例として、第一端子22Aと第三端子22Cとが電源に接続されたが、第一端子22Aと第三端子22Cとに代えて、第二端子22Bと第四端子22Dとが電源に接続されてもよい。
【0046】
車いす2では、第一端子22Aとプレート30との間に、第一絶縁体としてのケース32、カバー34及びホルダー38が介在している。また、第二端子22Bとプレート56との間に、第二絶縁体としてのカバー58及び絶縁体60が介在している。これにより、漏電が防止されている。この車いす2は安全性に優れる。この観点から、第一端子22Aとベースフレーム4のプレート30との間に第一絶縁体が介在することが好ましい。また、第二端子22Bとフットレッグサポート20のプレート56との間に、第二絶縁体が介在することが好ましい。
【0047】
この車いす2では、ケース32は、第一端子22Aと第二端子22Bとが接触する範囲の下方に位置する開口32Cを有する。第一端子22Aと第二端子22Bとが接触する範囲周辺の異物は、開口32Cから下方に排出される。開口32Cは、異物を排除して、第一端子22Aと第二端子22Bとの接触不良を抑制する。この開口32Cは、水等による漏電をも抑制する。この開口32Cは、異物排出部として機能する。この観点から、ベースフレーム4及びフットレッグサポート20の少なくとも一方が、第一端子22Aと第二端子22Bとが接触する接触範囲の異物排出部を有することが、好ましい。異物排出部は、第一端子22Aと第二端子22Bとが接触する範囲周辺の異物を排出できればよく、この開口32Cに限定されない。異物排出部は、例えば、第一端子22Aと第二端子22Bとが接触する範囲の下方に形成された有底の凹部であってもよい。
【0048】
この車いす2では、ホルダー38は、ホルダー溝32A内の所定の範囲で移動可能である。ホルダー38は、ケース32に対して、所定の範囲で位置変更可能である。このホルダー38は、ケース32に対して第一端子22Aを所定の範囲で移動可能に保持している。第一端子22Aは、ケース32に対して、所定の範囲で位置変更可能である。これにより、回動する第二端子22Bと第一端子22Aとの位置ずれが吸収される。第一端子22Aと第二端子22Bとの接触不良が抑制される。このホルダー38は、第一端子22Aの接触位置調整部として機能する。なお、この第一端子22Aに代えて、又は、第一端子22Aと共に、第二端子22Bがマウンター54に対して所定の範囲で位置変更可能であってもよい。この観点から、車いす2は、少なくとも、ベースフレーム4に対して第一端子22Aを所定の範囲で移動可能に保持し、又は、フットレッグサポート20に対して第二端子22Bを所定の範囲で移動可能に保持する、接触位置調整部を有することが好ましい。
【0049】
また、車いす2は、路面状態等によって、走行中に振動することがある。第二端子22Bと第一端子22Aとの位置ずれが吸収されることで、この車いす2は、振動による接触不良をも防止できる。この観点からも、車いす2は、少なくとも、ベースフレーム4に対して第一端子22Aを所定の範囲で移動可能に保持し、又は、フットレッグサポート20に対して第二端子22Bを所定の範囲で移動可能に保持する、接触位置調整部を有することが好ましい。
【0050】
なお、位置調整部は、第一端子22Aを所定の範囲で移動可能に保持し、又は、第二端子22Bを所定の範囲で移動可能に保持するものに限定されない。相対的に移動する第一端子22Aと第二端子22Bとの位置ずれを吸収し、第一端子22Aと第二端子22Bとを接触させるものであればよい。例えば、第一端子22Aが有する一対のガイド片66Bが(図4A参照)、位置調節部として機能してもよい。
【0051】
図5Bに示される様に、この車いす2では、第二端子22Bの収容スペースが、プレート56の貫通孔56Aとカバー58の凹部とで形成されている。第二端子22Bは、この収容スペースに収容されている。プレート56にカバー58が取付けられることで、第二端子22Bが抜け止めされている。この第二端子22Bは、プレート56やカバー58にねじ締結等で取付ける必要がない。この第二端子22Bの取付け構造は、ねじ等の取付具が削減でき、部品点数の削減に寄与する。また、この取付け構造は、第二端子22Bの着脱作業の工数が低減できる。この取付け構造は、生産性の向上に寄与する。
【0052】
この車いす2では、接点22は、第一端子22A、第二端子22B、第三端子22C及び第四端子22Dを有したが、接点22は、第一端子22A及び第二端子22Bだけを有してでもよい。接点22の端子数は、特に限定されない。接点22の端子数は、更に多くてもよい。また、モーターを用いる場合には、モーターは、DCモーターやブラシレスモーター等、用いられる態様に応じて適宜選択される。
【0053】
ここでは、接点22は、フットレッグサポート20を上下方向に回動させるアクチュエータ52に用いられたが、この接点22が用いられる機能部は、これに限定されない。接点22は、車いす2に使用される電気機器に広く適用できる。接点22は、例えば、走行用電動機、バックフレーム14のティルト用電動機やリクライニング用電動機、転倒防止用電動アクチュエータ、警報器、照明、各種センサ等に用いられてもよい。
【0054】
また、この接点22は、車いす2の使用姿勢で通電可能状態にされ、非使用姿勢で通電不可状態にされたが、これに限定されない。この接点22は、車いす2の非使用姿勢で通電可能状態にされ、使用姿勢で通電不可状態にされてもよい。接点22は、車いす2の非使用姿勢で稼働させる電気機器の通電可能状態と通電不可状態との切り替えに用いられてもよい。
【0055】
図9A及び図9Bには、他の実施形態に係る車いす72の一部が示されている。ここでは、車いす72の構成について車いす2と異なる部分が説明され、車いす2と同様の構成について、その説明が省略される。また、車いす2と同様の構成については、同じ符号を用いて説明がされる。
【0056】
車いす72は、接点74、サポート76及びマウンター78を有する。接点74は、第一端子74A及び第二端子74Bを有する。図示されないが、接点74は、更に、第三端子74C及び第四端子74Dを有してもよい。もしくは、接点74は、同軸ケーブル等を用いて、第一端子74A及び第二端子74Bのみの構成としてもよい。車いす72のその他の構成は、車いす2と同様である。
【0057】
サポート76は、プレート80、回動軸82及び絶縁体84を有する。プレート80は、マウンター78の載置面80Aと、載置面80Aから離れる向きに向かって上向きに傾斜する傾斜面80Bとを有する。プレート80に、回動軸82及び絶縁体84が取付けられている。絶縁体84に、回動軸82が挿入されている。絶縁体84には、電線の端子64A及び第一端子74Aが取付けられている。電線の端子64Aと第一端子74Aは接している。第一端子74Aは、載置面80Aから露出している。
【0058】
マウンター78は、プレート86、カバー88、ブッシュ90及び絶縁体92を有する。プレート86にブッシュ90及び絶縁体92が取付けられている。ブッシュ90は、絶縁体92に挿入されている。絶縁体92には、電線の端子64B及び第二端子74Bが取付けられている。電線の端子64Bと第二端子74Bは接している。第二端子74Bは、載置面80Aに対向する下面から露出している。
【0059】
図9Aでは、サポート76及びマウンター78の使用状態が示されている。これは、車いす72の使用姿勢における使用状態である。この使用状態では、第一端子74Aと第二端子74Bとが接している。図示されないが、同様に、第三端子74Cと第四端子74Dとが接している。車いす72の使用姿勢では、図示されないスイッチの操作により、アクチュエータ52は駆動可能である。
【0060】
図9Bでは、サポート76及びマウンター78の他の使用状態が示されている。これは、車いす72の非使用姿勢における使用状態である。この使用状態では、回動軸82を中心にして、マウンター78が回動した位置にある。マウンター78は、回動することで傾斜面80Bによって、押し上げられている。この使用状態では、第一端子74Aと第二端子74Bとは接していない。図示されないが、同様に、第三端子74Cと第四端子74Dとは接していない。この非使用姿勢では、アクチュエータ52は駆動不可である。
【0061】
この車いす72では、ベースフレーム4に対してフットレッグサポート20を回動させることで、接点74が通電可能状態と通電不可状態とに切り替わる。接点74は、通電可能状態と通電不可状態とで、図示されない電気配線を切り替える。この車いす72は、使用姿勢と非使用姿勢との切り替え時に、電気配線の接続作業及び切断作業が必要ない。この車いす72は、電気配線の処理が容易である。
【0062】
図10には、更に他の実施形態に係る車いす102の一部が示されている。ここでは、車いす102の構成について車いす2と異なる部分が説明され、車いす2と同様の構成について、その説明が省略される。また、車いす2と同様の構成については、同じ符号を用いて説明がされる。
【0063】
車いす102は、フットレッグサポート104を有する。このフットレッグサポート104は、ベースパイプ106、レッグパイプ44、レッグプレート46、支持軸48、フットプレート50、アクチュエータ52、一対のマウンター54及び位置決めピン55を有する。
【0064】
レッグパイプ44は、ベースパイプ106に取付けられている。レッグパイプ44は、ベースパイプ106に対して、上下方向に回動可能である。アクチュエータ52の基端部52Aは、位置決めピン55より下方で、ベースパイプ106に取付けられている。アクチュエータ52は、ベースパイプ106に対して回動可能である。
【0065】
この車いす102では、位置決めピン55が、アクチュエータ52より上方に位置している。これにより、位置決めピン55の操作が容易にできる。この車いす102は、フットレッグサポート104の左右方向の回動作業が容易にできる。
【0066】
図11には、更に他の実施形態に係る車いす112の全体が示されている。ここでは、車いす112の構成について車いす2と異なる部分が説明され、車いす2と同様の構成について、その説明が省略される。また、車いす2と同様の構成については、同じ符号を用いて説明がされる。
【0067】
この車いす112は、一対のサイドフレーム118、クロスフレーム120、縮み止め122及び一対のフットレッグサポート124を備える。 それぞれのフットレッグサポート124は、サイドフレーム118に固定され、サイドフレーム118の前方に位置している。
【0068】
それぞれのサイドフレーム118は、シートサイドパイプ126、ベースパイプ128及びバックパイプ130を有する。シートサイドパイプ126は前後方向に延びている。ベースパイプ128は、シートサイドパイプ126の下方に位置して前後方向に延びている。バックパイプ130は、シートサイドパイプ126の後方に位置して上下方向に延びている。このシートサイドパイプ126、ベースパイプ128及びバックパイプ130は、一体に固定されている。
【0069】
クロスフレーム120は、一対のシートパイプ132、及びクロスメンバー対134を有する。それぞれのシートパイプ132は、シートサイドパイプ126に沿って前後方向に延びている。クロスメンバー対134は、クロスメンバー134A及びクロスメンバー134Bを備える。クロスメンバー134Aの中央部とクロスメンバー134Bの中央部が軸着されている。クロスメンバー134Aの上端に左のシートパイプ132が固定され、クロスメンバー134Bの上端に右のシートパイプ132が固定されている。クロスメンバー134Aの下端部は右のベースパイプ128に回動可能に取付けられている。クロスメンバー134Bの下端部は左のベースパイプ128に回動可能に取付けられている。
【0070】
それぞれのシートサイドパイプ126は、パイプ受け126A及びパイプ受け126Bを有する。右のシートパイプ132は、右のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bによって支持可能である。左のシートパイプ132は、右のシートパイプ132と同様にして、左のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bによって支持可能である。
【0071】
縮み止め122は、第一リンク122A及び第二リンク122Bを有する。縮み止め122は、サイドフレーム118の間に位置する。第一リンク122Aの基端部が右のサイドフレーム118に取付けられる。第一リンク122Aは右のサイドフレーム118に対して回動可能である。第二リンク122Bの基端部が左のサイドフレーム118に取付けられる。第二リンク122Bは左のサイドフレーム118に対して回動可能である。第一リンク122Aの先端部と第二リンク122Bの先端部とが軸着されている。
【0072】
図11の符号P1は、第一リンク122Aの基端部の回動中心を表す。符号P2は、第二リンク122Bの基端部の回動中心を表す。符号P3は、第一リンク122Aの先端部及び第二リンク122Bの先端部の回動中心を表す。二点鎖線Lは、回動中心P1と回動中心P2とを通る仮想直線を表している。
【0073】
図11は、非使用姿勢における車いす112の一部が示されている。図11では、図示さない使用姿勢に対して、サイドフレーム118は互いに接近して位置している。サイドフレーム118の接近に伴って、クロスメンバー134Aとクロスメンバー134Bとが回動して位置している。右のシートパイプ132は、右のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bから離れている。図示されないが、左のシートサイドパイプ126も、同様に、左のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bから離れている。また、サイドフレーム118の接近に伴って、回動中心P3は、仮想直線Lより上方に位置する。
【0074】
図示されないが、使用姿勢における車いす112では、図11の非使用姿勢に対して、サイドフレーム118は互いに離れて位置している。サイドフレーム118が互いに離れることに伴って、シートパイプ132も図11の非使用姿勢に比べて互いに離れて位置する。右のシートパイプ132は、右のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bに支持される。左のシートサイドパイプ126も、左のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bに支持される。また、サイドフレーム118の離間に伴って、回動中心P3は、仮想直線Lを越えて直線Lより下方に位置する。縮み止め122では、越えて直線Lより下方に位置する回動中心P3が、更に下方に位置する様に、第一リンク122A及び第二リンク122Bが回動することが規制されている。これにより、縮み止め122は、サイドフレーム118が互いに接近することを規制する。
【0075】
この車いす112では、右のパイプ受け126Aに第一端子22Aが配置されている。右のパイプ受け126Bに第三端子22Cが配置されている。右のシートパイプ132に第二端子22B及び第四端子22Dが配置されている。
【0076】
そして、使用姿勢では、右のシートパイプ132が右のパイプ受け126Aに支持されて、第一端子22Aと第二端子22Bと接している。また、右のシートパイプ132が右のパイプ受け126Bに支持されて、第三端子22Cと第四端子22Dとが接している。これにより、車いす112は、通電可能状態になっている。また、非使用姿勢では、右のシートパイプ132が右のパイプ受け126A及びパイプ受け12Bから離れている。第一端子22Aと第二端子22Bとは接しておらず、第三端子22Cと第四端子22Dとは接していない。これにより、車いす112は、通電不可状態になっている。接点22は、通電可能状態と通電不可状態とで、図示されない電気配線を切り替える。
【0077】
ここでは、接点22は、右のシートパイプ132と右のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bとに設けられたが、これに限定されない。接点22は、左のシートパイプ132と左のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bとに設けられてよい。また、接点22は、右のシートパイプ132と右のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bとの間、左のシートパイプ132と左のパイプ受け126A及びパイプ受け126Bとの間の全てに設けられてもよいし、それらの一部に設けられてもよい。ここでは、第一姿勢が使用姿勢、第二姿勢が非使用姿勢として、説明がされたが、これに限定されない。
【0078】
また、接点22は、縮み止め122に設けられてもよい。例えば、第一リンク122Aの先端部に第一端子22Aが配置され、第二リンク122Bの先端部に第二端子22Bが配置されてもよい。この場合、第一端子22Aと第二端子22Bとは、車いす112の使用姿勢において第一端子22Aと第二端子22Bとが接する位置に配置される。そして、第一端子22Aと第二端子22Bとは、非使用姿勢において第一端子22Aと第二端子22Bとが接しない位置に配置される。更に、第一リンク122Aの先端部に、第三端子22Cが配置され、第二リンク122Bの先端部に、第四端子22Dが配置されてもよい。この場合、第三端子22Cと第四端子22Dとは、車いす112の使用姿勢において第三端子22Cと第四端子22Dとが接する位置に配置される。そして、第三端子22Cと第四端子22Dとは、非使用姿勢において第三端子22Cと第四端子22Dとが接しない位置に配置される。接点22は、通電可能状態と通電不可状態とで、図示されない電気配線を切り替える。ここでは、第一姿勢が使用姿勢、第二姿勢が非使用姿勢として、説明がされたが、これに限定されない。
【0079】
図12には、更に他の実施形態に係る車いす142の一部が示されている。ここでは、車いす142の構成について車いす112と異なる部分が説明され、車いす112と同様の構成について、その説明が省略される。また、車いす112と同様の構成については、同じ符号を用いて説明がされる。
【0080】
この車いす142は、一対のサイドフレーム144及び一対のアームレスト146を備える。図12には、左のサイドフレーム144及びアームレスト146が示されている。
【0081】
それぞれのサイドフレーム144は、シートサイドパイプ148及びアーム受け150を有する。シートサイドパイプ148は前後方向に延びている。アーム受け150はシートサイドパイプ148に取付けられている。アーム受け150は、位置決め孔150Aを有する。
【0082】
それぞれのアームレスト146は、アームフレーム152、肘載せ154、側板156、レバー158及び位置決めピン160を有する。アームフレーム152はサイドフレーム144に取付けられている。アームフレーム152の後端部が、サイドフレーム144に軸着されている。アームフレーム152は、サイドフレーム144に対して回動可能である。アームフレーム152の先端部には、位置決めピン160が取付けられている。肘載せ154は、アームフレーム152に対して、上下方向に移動可能である。
【0083】
図12には、非使用姿勢の車いす142の一部が示されている。アームフレーム152の先端部がアーム受け150から離れて位置している。図示されないが、使用姿勢の車いす142では、アームフレーム152の先端部はアーム受け150に載置される。位置決めピン160がアーム受け150の位置決め孔150Aに挿入される。この使用姿勢では、アームフレーム152の先端部がアーム受け150に接している。
【0084】
この車いす142では、アーム受け150に第一端子22Aが配置されている。アームフレーム152の先端部に第二端子22Bが配置されている。第一端子22Aと第二端子22Bとは、アームフレーム152の先端部がアーム受け150に接することで、接する位置に配置されている。図12の非使用姿勢では、第一端子22Aと第二端子22Bとは接してない。非使用姿勢の車いす142は、通電不可状態になっている。一方で、使用姿勢の車いす142では、アームフレーム152の先端部がアーム受け150に接している。この車いす142は、通電可能状態になっている。接点22は、通電可能状態と通電不可状態とで、図示されない電気配線を切り替える。
【0085】
使用姿勢の車いす142では、図示されない電動アクチュエータが、図示されないスイッチの操作により、駆動可能である。この電動アクチュエータによって、肘載せ154が、アームフレーム152に対して、上下方向に移動する。ここでは、第一姿勢が使用姿勢、第二姿勢が非使用姿勢として、説明がされたが、これに限定されない。
【0086】
図13には、更に他の実施形態に係る車いす162の一部が示されている。ここでは、車いす162の構成について車いす2と異なる部分が説明され、車いす2と同様の構成について、その説明が省略される。また、車いす2と同様の構成については、同じ符号を用いて説明がされる。
【0087】
車いす162は、ベースフレーム164、バックフレーム166、転倒防止バー168、切替プレート170及び接点172を備える。
【0088】
バックフレーム166は、ベースフレーム164の後方に取付けられている。バックフレーム166は、ベースフレーム164に対して回動可能である。転倒防止バー168は、ベースフレーム164の後方に位置している。図示されないが、転倒防止バー168は、ベースフレーム164に対して前後方向に移動可能である。図示されないが、車いす162は、転倒防止バー168の後方への突出量を変化させるアクチュエータを備える。切替プレート170は、バックフレーム166に取付けられている。切替プレート170は、バックフレーム166に固定されている。
【0089】
接点172は、第一端子172A、及び、2つの第二端子172Bを有する。第一端子172Aは、ベースフレーム164に取付けられている。2つの第二端子172Bは切替プレート170に取付けられている。図13には、ベースフレーム164に対してバックフレーム166が起こされている使用姿勢が示されている。この使用姿勢では、第一端子172Aと一方の第二端子172Bとが接している。図示されないが、ベースフレーム164に対してバックフレーム166が深く倒された使用姿勢では、第一端子172Aと他方の第二端子172Bとが接する。この接点172は、バックフレーム166の倒される角度によって、第一端子172Aに接する第二端子172Bが切り替わる。この切り替わりによって、図示されないアクチュエータが、転倒防止バー168の突出量を変える。この車いす162は、走行時に転倒防止バー168の突出量を小さくできる。車いす162が停止しバックフレーム166が深く倒されたときに、転倒防止バー168の突出量を大きくできる。この車いす162では、転倒防止バー168が走行の障害になり難い。一方で、バックフレーム166が深く倒された使用姿勢で、車いす2の後方への転倒を防止できる。ここでは、第一姿勢がバックフレーム166が起こされている使用姿勢、第二姿勢がバックフレーム166が深く倒されている使用姿勢として、説明がされたが、これに限定されない。
【0090】
この接点172は、2つの第二端子172Bを有したが、これに限定されない。この接点172は、更に、多くの第二端子172Bを有してもよい。第一端子172Aが接する第二端子172Bによって、転倒防止バー168の突出量が更に細かく変化してもよい。この接点172は、複数の第二端子172Bのいずれかに接続し、電気配線を切り替えてもよい。この接点172の様に、動作制限部による、機能部の動作制限を切り替えることは、機能部の動作不可と動作可能とを切り替えることに限定されず、機能部の動作可能範囲を切り替えることを含む。また、この接点172では、バックフレーム166の所定の位置において、第一端子172Aが第二端子172Bに接しない位置(通電不可状態の位置)に配置されてもよい。即ち、動作制限部は、第一姿勢において機能部の電気配線を接続し、第二姿勢において機能部の電気配線を接続しないものであってもよい。
【0091】
[開示項目]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態を開示する。
【0092】
[項目1]
第一姿勢と第二姿勢とに姿勢変化可能な車いすであって、
機能部と、
前記第一姿勢と前記第二姿勢との姿勢変化によって前記機能部の動作制限を切り替える動作制限部と
を備える、車いす。
【0093】
[項目2]
前記動作制限部が、前記第一姿勢と前記第二姿勢とで電気配線を切り替える接点である、項目1に記載の車いす。
【0094】
[項目3]
前記接点が前記第一姿勢と前記第二姿勢とで接触した前記通電可能状態と離れた前記通電不可状態とに切り替わる第一端子及び第二端子を有し、
前記第一端子が配置された第一部材と、
前記第一姿勢と前記第二姿勢とで前記第一部材との相対位置が変化する第二部材とを備え、
前記第二端子が、前記第二部材に配置され、前記第一姿勢と前記第二姿勢とによって前記通電可能状態と前記通電不可状態とに切り替わる位置に配置されている、項目2に記載の車いす。
【0095】
[項目4]
前記第一部材に対して前記第二部材が回動して前記第一姿勢と前記第二姿勢とに姿勢変化する、項目3に記載の車いす。
【0096】
[項目5]
前記第一端子と前記第一部材との間に介在する第一絶縁体と、前記第二端子と前記第二部材との間に介在する第二絶縁体とを備える、項目3又は4に記載の車いす
【0097】
[項目6]
前記第一部材及び前記第二部材の少なくとも一方が、前記第一端子と前記第二端子とが接触する前記第一部材と前記第二部材との接触範囲の異物排出部を有する、項目3から5のいずれかに記載の車いす。
【0098】
[項目7]
少なくとも、前記第一端子と前記第二端子との位置ずれを吸収する接触位置調整部を有する、請求項3から6のいずれかに記載の車いす。
【0099】
[項目8]
前記接点が前記第一姿勢と前記第二姿勢とで接触した通電可能状態と離れた通電不可状態とに切り替わる第三端子及び第四端子を更に有し、
前記第三端子が前記第一部材に配置され、
前記第四端子が前記第二部材に配置され、
前記第三端子と前記第四端子とが、前記第一端子と前記第二端子とが接触する前記第一部材と前記第二部材との接触範囲から離れた位置に配置されている、項目3から7のいずれかに記載の車いす。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上説明された車いすは、非使用姿勢と使用姿勢とに姿勢変化する車いすに広く適用できる。
【符号の説明】
【0101】
2、72、102、112、142、162・・・車いす
4、164・・・ベースフレーム(第一部材)
20、104・・・フットレッグサポート(第二部材)
22、74、172・・・接点
22A、74A、172A・・・第一端子
22B、74B、172B・・・第二端子
22C、74C・・・第三端子
22D、74D・・・第四端子
32・・・ケース(第一絶縁体)
32C・・・開口(異物排出部)
34・・・カバー(第一絶縁体)
38・・・ホルダー(第一絶縁体、接触位置調整部)
52・・・アクチュエータ(機能部)
58・・・カバー(第二絶縁体)
60・・・絶縁体(第二絶縁体)
118、144・・・サイドフレーム(第一部材)
120・・・クロスフレーム(第二部材)
122A・・・第一リンク(第一部材)
122B・・・第二リンク(第二部材)
146・・・アームレスト(第二部材)
166・・・バックフレーム(第二部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13