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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126504
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】生ゴミ処理装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/60 20220101AFI20240912BHJP
【FI】
B09B3/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034907
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】392000486
【氏名又は名称】株式会社エルム
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮原 隆和
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA03
4D004AC01
4D004CA19
4D004CB09
(57)【要約】
【課題】既存の生ごみ処理装置の欠点を補い、安価に、電池や商用電源を使用することなく、しかも処理対象物の投入や処理終了物の排出を容易にした生ごみ処理装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る生ごみ処理装置10は、両端面と側周を有し、該側周に開閉可能な開口部12A、12bを有する回転ドラム11A、11Bと、前記回転ドラム11A、11Bを回転自在に支える架台部13と、前記架台部13に固定されたモーター部18と、前記モーター部18の回転動力を前記回転ドラム11A、11Bに伝達する、クラッチ機構17を有する動力伝達機構と、前記モーター部18に電力を供給する太陽光発電パネル19とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 両端面と側周を有し、該側周に開閉可能な開口部を有する回転ドラムと、
b) 前記回転ドラムを回転自在に支える架台部と、
c) 前記架台部に固定されたモーター部と、
d) 前記モーター部の回転動力を前記回転ドラムに伝達する、クラッチ機構を有する動力伝達機構と、
e) 前記モーター部に電力を供給する太陽光発電パネルと
を備えることを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項2】
前記回転ドラムの回転軸が該ドラムの内部を貫通していない請求項1に記載の生ごみ処理装置。
【請求項3】
前記回転ドラムが2個以上並設されている請求項1又は2に記載の生ごみ処理装置。
【請求項4】
さらに、
f) 前記太陽光発電パネルで生成された電力を貯蔵する蓄電器
を備える請求項1又は2に記載の生ごみ処理装置。
【請求項5】
さらに、
g) 気温及び前記回転ドラム内の温度を測定する温度センサーと、
h) 前記温度センサーの出力に基づき、前記モーター部の回転を制御する制御部
を備える請求項4に記載の生ごみ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に一般家庭において排出される食品残渣や落ち葉などを分解して堆肥化するための生ゴミ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年SDGsなどの提唱もあり社会活動の環境負荷低減が重要なテーマとなっている。それに呼応して様々な形態の家庭用生ゴミ処理装置が販売されおり、地方自治体も補助金を出すなど普及活動も盛んである。
【0003】
家庭用生ゴミ処理装置の一つに、樽型の製品で一部を地中に埋めて生ゴミを処理するコンポスト容器と呼ばれる装置がある。これは、上から生ゴミを投入し、一定時間放置して微生物による分解を待つ形式であるため安価であるが、攪拌が困難で、嫌気性の腐敗や虫が発生するなど臭く汚いなどのマイナスポイントがある。また、出来上がった堆肥も汚く使いづらい。
【0004】
より高級なものとして、モーターやヒーター等を備えた装置も製造販売されている。この装置では、処理部に大鋸屑等をベースにして腐食菌が繁殖した基材を投入しておき、そこに生ごみを投入してモーターで攪拌することにより好気性発酵を促進する。これは臭いも殆ど無く短時間で処理できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-028958号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「エココンポスト EX-101 ブラック」、株式会社アイリスプラザ(https://www.irisplaza.co.jp/index.php?KB=SHOSAI&SID=G182749)
【非特許文献2】「室内用生ゴミ処理機ナクスル」、株式会社伝然(https://001.naxlu.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=gss_01&gclid=CjwKCAiA5sieBhBnEiwAR9oh2rmFqITXqGysVSwGLwFci8eC534HoxVLht8A6On7s9sBOUlvjC786hoCLn8QAvD_BwE)
【非特許文献3】「ダスクリンくるくる3型」、パネフリ工業株式会社(https://edgeband.com/product/%E3%83%80%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%81%8F%E3%82%8B3%E5%9E%8B-1%E5%8F%B0/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に示されるコンポスト容器と呼ばれる安価なパッシブ型(静置型)は、ごみの攪拌が成されないため主に嫌気性の細菌による腐敗により分解されるため悪臭が生じやすく、更にウジやナメクジなどが発生する上に出来上がる堆肥の品質が悪いという問題がある。一方、非特許文献2に示される装置は、部屋内で使用できる程度の臭いしか出ず、処理後の生ごみは殆ど無くなるなど、使い勝手は非常に良いが、10万円以上と高価な点が問題である。非特許文献3に示される装置は、その中間の手動で攪拌する形式で、高級機と同様に好気性発酵を利用するので悪臭も殆ど出ないが、人間が攪拌する必要がある為忘れると嫌気性の腐敗が進むなど管理が面倒である。特許文献1に記載の装置は、回転処理槽を低速で回転することにより分解処理水を用いて有機廃棄物を分解処理することができるとされているが、処理対象物の投入や排出に課題を残している。
【0008】
本発明は、上述した既存の生ごみ処理装置の欠点を補い、安価に、電池や商用電源を使用することなく、しかも処理対象物の投入や処理終了物の排出を容易にした生ごみ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために成された本発明に係る生ごみ処理装置は、
a) 回転軸が貫く両端面と該回転軸が貫かない側周を有し、該側周に開閉可能な開口部を有する回転ドラムと、
b) 前記回転ドラムを回転自在に支える架台部と、
c) 前記架台部に固定されたモーター部と、
d) 前記モーター部の回転動力を前記回転ドラムに伝達する、クラッチ機構を有する動力伝達機構と、
e) 前記モーター部に電力を供給する太陽光発電パネルと
を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明による生ごみ処理装置は、屋外若しくはベランダ等の、1日に1時間程度以上太陽光が当たる場所に設置して使用することができる。その際、太陽光発電パネルを、太陽光が最も良く当たる方向に向けておく。
【0011】
本生ごみ処理装置を使用する際は、まず、クラッチ機構により回転ドラムをモーター部から動力的に遮断し、回転ドラムの開口部が上(又は手前)に来るようにする。そして、大鋸屑や米ぬか等に生ごみを分解する好気性細菌を繁殖させた基材を開口部から回転ドラムに投入し、更に、生ごみや落ち葉などの有機物(処理対象物)を投入する。そして開口部を閉じ、クラッチ機構によりモーター部の動力を回転ドラムに伝達するようにして、回転ドラムを回転させる。この回転は非常に低速でよく、太陽光発電パネルにより得られた僅かな電力を、動力伝達機構により数百分の一から数千分の一に減速して回転させるだけでよい。具体的には、ドラムを1日に数回から数百回転程度回転させる程度でよい。これにより、太陽光発電パネル程度の小電力でも、回転ドラムを回転させるトルクを十分に得ることができる。基材の投入は最初だけでよく、その後は生ゴミが発生する毎に回転遮断機構で回転ドラムの回転を止め、開口部を上(又は手前)に持ってきて生ゴミのみを投入し、クラッチ機構により引き続き回転ドラムを回転させる。
【0012】
こうして、時期により異なるが、数時間から数日、回転による攪拌を続けることにより、回転ドラム内部の基材や生ごみを攪拌し、好気性細菌の発酵により分解することで生ごみを良質の堆肥に変えることができる。
生ゴミの処理が終了した後は、クラッチ機構により回転ドラムをモーター部から動力的に遮断し、開口部が下に来るようにして、開口部から処理後の堆肥を取り出す。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、家庭等で生じる生ごみや落ち葉等を手軽に良質の堆肥に変えることができるので、多くの家庭で使用することにより毎日ゴミ出しする手間が減ると共に、ごみ収集場所においてカラス等による鳥獣害も減り、ゴミ出しを忘れることによる悪臭などに悩まされることもなくなると共に、良質の堆肥が得られるので家庭園芸にも有効活用できる。また、商用電源が不要であるので、設置場所が限定されず、また、電気代負担も無い。
【0014】
また、従来、生ごみを収容した容器内の収容物を攪拌するために容器の内部でインペラーを回転するという方法も用いられていたが、同方法の場合は収容物の重量だけでなく、同収容物同士の摩擦と、同収容物と容器間の摩擦や、更に同収容物の繊維等を破断する力を必要とするため、大きな回転力(トルク)が必要であった。それに対し、本発明に係る生ごみ処理装置では最大でも収容物の重量しか負荷にならないため、駆動エネルギーを低く押さえることができる(通常は中で収容物が崩れ落ちるので、重量の半分以下の負荷にしかならない)。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施例に係る生ごみ処理装置の外観斜視図。
図2】第1実施例の生ごみ処理装置のクラッチ機構の部分の拡大説明図。
図3】本発明の第2実施例の生ごみ処理装置の2つの形態の外観斜視図。
図4】本発明の第3実施例の生ごみ処理装置の電源及び制御系統図。
図5】本発明の第4実施例の生ごみ処理装置の電源及び制御系統図。
図6】本発明の第5実施例の生ごみ処理装置の電源及び制御系統図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のいくつかの実施例を図面に基づいて説明する。
【0017】
(1) 第1実施例
(1-1) 第1実施例の構成
図1は、本発明の第1実施例に係る生ごみ処理装置10の外観である。本発明に係る生ごみ処理装置10は、生ごみ処理槽11と、生ごみ処理槽11を回転自在に支える架台部13と、架台部13側に固定された、生ごみ処理槽11を回転駆動するギヤードモーター18、そして、同じく架台部13から上方に立設された太陽光発電パネル19等から構成される。
【0018】
生ごみ処理槽11は同形の2個の六角柱状の回転ドラム11A、11Bで構成され、両端面の中心から外方に突出した中心軸の回りに回転可能となっている。本実施例では中心軸が各回転ドラム11A、11Bの内部を貫通せず、端面に固定されているのみであるため、回転ドラム11A、11Bの内部に大量の生ごみを投入したとしても、中心の回転軸に邪魔されることなく、十分な攪拌が可能となる。両回転ドラム11A、11Bは互いに固定されていてもよいし、分離され、独立に回転可能とされていてもよい。後者の場合、両回転ドラム11A、11Bを連結/切り離し可能にするフック等を設けて後述のクラッチ機構を含む駆動機構を1つで済むようにすることが望ましいが、両回転ドラム11A、11Bのそれぞれに駆動機構を設けるようにしてもよい。各回転ドラム11A、11Bの側周の1つの面には、スライド式の蓋を有する開口部12A、12Bが設けられている。
【0019】
生ごみ処理槽11の一方の端面(図1では回転ドラム11Aの側の端面)には、前記回転軸を中心とする円形のドリブンギヤ14が固定され、ギヤードモーター18の出力軸に設けられたドライブギヤ15と噛合するようになっている。ギヤードモーター18は、架台部13のベース13Cから垂直に立設されている支柱13A(図1には現れていないが、奥側の回転ドラム11Bの向こう側にも当然支柱13Bがある。)の上端から水平に突出する駆動架台16の先端に回動可能に設けられた駆動アーム17の先端に設けられている。この回動可能の駆動アーム17が本発明のクラッチ機構を構成する。太陽光発電パネル19も駆動架台16から上方に、生ごみ処理槽11よりも高い位置となるように立設されており、太陽光発電パネル19で生成された電力はギヤードモーター18に供給されるようになっている。
【0020】
太陽光発電パネル19は1W以下という微小な電力を生成する程度のもので十分である。この場合、太陽光発電パネル19の大きさは名刺程度の小型サイズとすることができる。このような小電力であっても、ドライブギヤ15とドリブンギヤ14のギア比(さらにはギヤードモーター18内でのドライブギヤ15の回転比)を調整することによりギヤードモーター18の回転数を数百分の1から数千分の1に減速すれば、生ごみ処理槽11の駆動トルクを10kg/cm~50kg/cmとすることができ、中に満量の生ごみを入れても十分に回転することができる。この場合、生ごみ処理槽11の回転速度は数RPM以下となるが、内部の生ごみの攪拌には適切な速度となる。
【0021】
(1-2) 第1実施例の設置
本生ごみ処理装置10は屋外、ベランダ等の太陽光線が直接当たる場所か、ガラス越しに当たる場所に設置する。そして、太陽光発電パネル19を太陽が南中する方向に向けておく。
【0022】
(1-3) 第1実施例の使用方法
本生ごみ処理装置10を使用する方法を図1及び図2を用いて説明する。先ず、使用者が回転ドラム11Aを駆動アーム17が持ち上がる方向(図2のD方向)に回転させる。すると、ギヤードモーター18が回転中でも停止中でも、駆動アーム17(すなわち、ギヤードモーター18とドライブギヤ15)は矢印Bの方向に持ち上げられて位置Bに移り、ドライブギヤ15とドリブンギヤ14の噛合が緩む。従って、使用者は回転ドラム11Aをその方向に必要な角度だけ回転することができる。このとき、ドリブンギヤ14とドライブギヤ15はギヤードモーター18の重量程度の強さで接触し、両者はカリカリと滑りながら回転ずれを続ける。この間、仮にギヤードモーター18が動き続けたとしても、減速後のドライブギヤ15の回転速度が非常に遅く、その駆動力も小さいので、人体に危害を与えることはない。なお、更に安全を考慮して、この間は太陽光発電パネル19の向きを変えて太陽光が当たらないようにするか、タオル等を掛けて遮光することが望ましい。
【0023】
こうして生ごみ処理槽11を回転し、その開口部12A、12Bが手前の方に来るようにする。そして、開口部12A、12Bの蓋を開け、生ごみ処理槽11(両回転ドラム11A、11B)内に、大鋸屑や米ぬか等にセルロース等を分解できる好気性細菌を繁殖させた基材を投入しておく。そして、処理すべき生ごみを開口部12A、12Bから更に投入する。基材及び生ごみの投入が終了すれば開口部12A、12Bの蓋を閉める。
【0024】
この間、駆動アーム17(すなわち、ギヤードモーター18及びドライブギヤ15)は自重により図2の矢印Aの方向に回転して位置Aに移り、ドライブギヤ15がドリブンギヤ14と再び噛合するが、この場合も生ごみ処理槽11の回転速度が非常に遅いことから、基材や生ごみの投入に問題はない(後述の堆肥排出の場合も同じである)。なお、ここでドライブギヤ15とドリブンギヤ14の噛合の位置がずれても直ぐに手で修正できるので問題は無い。
【0025】
図2の位置Aにおいて、駆動アーム17にはギヤードモーター18の重量により常に下側に(図2の矢印Aの方向に)回転するようなトルクが与えられ、ドライブギヤ15とドリブンギヤ14の軽い噛合は常に確保される。更に、ドライブギヤ15が矢印の方向Cに回転するとその反力で駆動アーム17には矢印Aの方向に回転する力(トルク)が与えられ、ドライブギヤ15は更に強くドリブンギヤ14と噛合することになる。
【0026】
この様に、基材と生ごみを投入した後、生ごみ処理装置10を放置しておくだけで、生ごみ処理槽11は自動的に1日に数回転から数百回転し、その内部で基材と生ごみが十分に攪拌され、両者に十分な量の酸素が供給される。これにより好気性発酵が盛んに進み、短時間で生ごみが分解され堆肥化されることになる。
【0027】
基材は最初に入れるだけでよく、その後は生ごみが発生する毎に生ごみだけを上記要領で処理槽11内に投入してゆく。生ごみは、基材中の好気性細菌により徐々に分解されてゆき、十分分解した後は、発酵により熟成され、堆肥に変化してゆく。通常、1~2週間程度で堆肥化処理は完了する。このような堆肥化処理の間、生ごみの状態が短時間であることと、基材及び生ごみが動いていることから、ウジなどの不快害虫が発生せず、同理由により悪臭も発生しない。
【0028】
本実施例の生ごみ処理槽11では、回転ドラム11A、11Bを2つ備えているため、それを交互に使用することで、連続的に生ごみの処理(堆肥化処理)を行うことができる。すなわち、最初に一方の回転ドラム(例えば回転ドラム11A)に基材及び生ごみを投入し、その後、その回転ドラム11Aに次々と生ごみを投入してゆくことにより、分解、発酵処理を行ってゆく。その回転ドラム11Aがいっぱいになった時点で、他の回転ドラム11Bの方に基材及び生ごみを投入し、今度はそちらの回転ドラム11Bの方に生ごみ投入を続けてゆく。この間、回転ドラム11Aの方は好気性細菌による熟成処理が続けられることとなる。こうして、2つの回転ドラムを投入用と熟成処理用に分けて、季節により異なるが、概ね1~2週間毎に交互に使用することにより、生ごみの連続的投入の機会が確保される。
【0029】
本生ごみ処理装置は、太陽光発電パネル19とギヤードモーター18が直結され、複雑な電子回路を必要としないため、安価に製造することができ、更に故障も生じにくい。
【0030】
(2) 第2実施例
第1実施例では、回転ドラムを2つ設け、交互に使うことにより、生ごみ投入槽と、熟成槽を交互に使い分けて使い勝手を良くしているが、さらに使い勝手を良くするために、回転ドラムを3個以上連設するようにしてもよい(図3(a)の生ごみ処理槽20)。逆に、安価にするとともに設置スペースを減らすために、回転ドラムを1つにしても良い(図3(b)の生ごみ処理槽30)。
【0031】
(3) 第3実施例
上記第1、第2実施例は太陽光発電パネル19とギヤードモーター18を直結した事例で、構造が簡単で安く耐久性も高いが、反面、太陽光の照射量により回転数が変動することや、夜間・雨天・曇天時には回転できない等の問題点もある。その問題点を解決するのが第3の実施例で、図4に示すように、太陽光発電パネル19で生成された電力を二次電池やスーパーキャパシタ等の蓄電器21に蓄電し、コントローラ22の制御で定められた間隔でギヤードモーター18を回転させることにより、天候や昼夜に関係なく、適切な周期・回数で生ごみ処理槽を回転・攪拌することができる。蓄電器21としてスーパーキャパシタを使用すると、その内部インピーダンスが非常に低いことから、短時間であれば大きな電流を流すことができ、仮に生ごみ処理槽11に重い生ごみが大量に投入され、負荷が大きくなることを想定しても、太陽光発電パネル19も小型で良く、ギヤードモーター18も大型化する必要がない。また、太陽光が当たっていても、間欠的に駆動する(例えば30分に3分間)ことは、ギヤードモーター18の耐久性が(10倍)に伸びるというメリットもある。
【0032】
(4) 第4実施例
更に、図5に示すように、気温や収容物の温度を測るセンサー23、24を設けることにより、最も適切なタイミングで生ごみ処理槽11を攪拌することができるようになる。
【0033】
(5) 第5実施例
また、図6に示すように、駆動アーム17を上下に回動させるソレノイドアクチュエータ32を駆動架台16に設け、さらに、回転ドラム11A、11Bの回転位置を検出するセンサー34を架台部13に設けて、使用者がスイッチ31を操作することにより、生ごみ投入時(「IN」スイッチ操作時)には回転ドラム11A、11Bの開口部12A、12Bが上側に、堆肥排出時(「OUT」スイッチ操作時)には開口部12A、12Bが下側に来るように、コントローラ33がギヤードモーター18を制御するようにしてもよい。このとき、ギヤードモーター18の回転速度を上げることにより、生ごみ処理槽11を速く回転させるようにするとよい。生ごみの投入、堆肥の排出が終了した後は、駆動スイッチ(「RUN」スイッチ)を操作することにより、回転ドラム11A、11Bの回転が再開する。
【0034】
(6) 変形例
上記各実施例では、回転ドラム11A、11Bを六角柱状としたが、四角柱状から円柱状まで形状は任意に決めることができる。また、内部に羽板やリブを設けることにより更に攪拌を確実にすることができる。
【符号の説明】
【0035】
10、20、30…生ごみ処理装置
11…生ごみ処理槽
11A、11B…回転ドラム
12A、12B…生ごみ処理槽の開口部
13…架台部
13A…支柱
13C…ベース
14…ドリブンギヤ
15…ドライブギヤ
16…駆動架台
17…駆動アーム
18…ギヤードモーター
19…太陽光発電パネル
21…蓄電器
22、33…コントローラ
23、24…温度センサー
31…回転ドラム駆動スイッチ
32…ソレノイドアクチュエータ
34…回転ドラム位置センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6