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特開2024-126566電子契約支援システム及び電子契約支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126566
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電子契約支援システム及び電子契約支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20240912BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240912BHJP
【FI】
H04N7/15
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034993
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】517307636
【氏名又は名称】HackLab株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】吉井 清敏
【テーマコード(参考)】
5C164
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA09
5C164FA10
5C164UB41S
5C164UB81S
5C164VA04S
5C164VA07P
5C164YA11
5L030BB67
5L049BB67
(57)【要約】
【課題】集契約者本人が契約に同意したことを検証可能な電子契約の真正性を確保した電子契約支援システムを提供する。または、契約者本人が契約に同意したことを検証可能な電子契約の真正性を確保した電子契約支援プログラムを提供する。
【解決手段】一実施形態によると、撮像装置と、手書き署名の入力領域と、前記撮像装置で撮像された画像を表示する第1の表示領域と、を同一画面に表示する表示装置と、を備え、前記撮像装置は、手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を撮像し、前記第1の表示領域は、前記撮像装置が撮像した前記手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を表示する、電子契約支援システムが提供される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の撮像装置と、
手書き署名入力部と、
前記第1の撮像装置で撮像された画像を表示する第1の表示領域と、前記手書き署名入力部に対応する第1の手書き署名表示領域と、を同一画面に表示する第1の表示装置と、を含む第1の端末を備え、
前記第1の撮像装置は、手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を撮像し、
前記第1の表示領域は、前記第1の撮像装置が撮像した前記手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を表示する、電子契約支援システム。
【請求項2】
第1の撮像装置と、手書き署名入力部と、前記第1の撮像装置で撮像された画像を表示する第1の表示領域と、前記手書き署名入力部に対応する第1の手書き署名表示領域と、を同一画面に表示する第1の表示装置と、を含み、前記第1の撮像装置が、手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を撮像し、前記第1の表示領域が、前記第1の撮像装置が撮像した前記手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を表示する第1の端末が送信した前記手書き署名入力部に入力された手書き署名を表示する第2の手書き署名表示領域と、前記第1の撮像装置が撮像した前記手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を表示する第2の表示領域と、を同一画面に表示する第2の表示装置と、
承認処理を実行させる承認指示部と、を含む第2の端末を備える、電子契約支援システム。
【請求項3】
前記第2の端末が、前記手書き署名入力部から入力された手書き署名データを削除し、前記第1の手書き署名表示領域及び前記第2の手書き署名表示領域に表示された手書き署名を消去する却下指示部をさらに含む、請求項2に記載の電子契約支援システム。
【請求項4】
記憶装置をさらに備え、
前記承認指示部は、前記手書き署名入力部から入力された手書き署名データを電子契約書の署名欄に追加し、前記署名データが追加された電子契約書を前記記憶装置に格納する、請求項2に記載の電子契約支援システム。
【請求項5】
前記手書き署名データは、手書き署名のストローク・データと、手書き署名開始時からの経過時間を含み、
前記第1の手書き署名表示領域又は前記第2の手書き署名表示領域は、前記手書き署名データに基づいて、前記手書き署名を再現する動画を表示する、請求項2に記載の電子契約支援システム。
【請求項6】
前記第1の表示装置又は前記第2の表示装置の画面を一定の時間間隔でキャプチャし、画像データとして前記記憶装置に保存する、請求項4に記載の電子契約支援システム。
【請求項7】
前記承認指示部は、前記第1の表示装置又は前記第2の表示装置の画面をキャプチャし、画像データとして前記記憶装置に保存する、請求項4に記載の電子契約支援システム。
【請求項8】
記憶装置をさらに備え、
前記手書き署名開始時から前記承認指示部が前記承認処理を終了するまでの間、前記第1の表示装置又は前記第2の表示装置の画面をキャプチャし、動画データとして前記記憶装置に保存する、請求項5に記載の電子契約支援システム。
【請求項9】
下記(A)~(E)の何れか1つ以上を前記電子契約書に関連付けて前記記憶装置に格納する、請求項4に記載の電子契約支援システム。
(A)手書き署名のストローク・データ
(B)前記第2の表示装置の画面をキャプチャした静止画
(C)前記第2の表示装置の画面をキャプチャした動画又は前記動画の一部
(D)前記第2の表示装置の画面をキャプチャした動画から切り出した静止画
(E)上記(A)~(D)のハッシュ値
【請求項10】
前記承認処理が終了した後に、前記署名データが追加された電子契約書に、電子署名を行う電子署名部をさらに備える、請求項4に記載の電子契約支援システム。
【請求項11】
前記電子署名部は、前記電子署名を行った後の前記電子契約書にタイムスタンプを付与する、請求項10に記載の電子契約支援システム。
【請求項12】
第1の表示領域と第1の手書き署名表示領域を表示する第1の表示装置の画面に切り替えさせ、
撮像装置を起動させ、手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を撮像させて、ビデオ通話を開始させ、
前記第1の表示領域に、前記撮像装置が撮像した前記ユーザの顔を含む範囲を表示させ、
手書き署名入力部を起動させ、前記手書き署名入力部に入力された手書き署名を、前記手書き署名表示領域に表示させる、電子契約支援プログラム。
【請求項13】
第1の端末の手書き署名入力部から入力された手書き署名を、第2の端末の第2の手書き署名表示領域に表示させ、
前記第1の端末の撮像装置が撮像した手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を、前記第2の手書き署名表示領域と同一画面に表示される第2の表示領域に表示させる、電子契約支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、電子契約支援システムに関する。または、本発明の一実施形態は、電子契約支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な商取引において、旧来行われていた対面及び書面による契約から、Web上での電子契約への切り替えが行われている。これに伴い、消費者が行う電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示について特定の錯誤があった場合の消費者保護の観点から、令和2年4月1日には、電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律(所謂、電子契約法)が施行された。
【0003】
一方、契約に基づいて商品やサービスを提供する事業者にとっては、対面で行われる契約とは異なる様々な対策がWeb上で行われる電子契約には必要となる。例えば、電子契約の真正性を確保する手段の1つとして、電子署名を用いたシステムが利用されている。
【0004】
また、例えば、不動産取引の場合、契約に至るまでに宅地建物取引士による重要事項説明のような重要な手続きが必要となるが、2022年5月より、重要事項説明書の電子交付及びテレビ会議などのITツールを活用した非対面で行う重要事項説明(所謂、IT重説)が可能となった。しかし、このような手続きを必要とする電子契約では、説明された契約内容に契約者本人が同意する過程が重要であるため、電子署名のみでは電子契約の真正性を十分に確保することは困難であった。
【0005】
このような問題から、例えば、契約当事者の本人確認の証拠性が高い立会人型電子契約を提供すること、及び電子契約書の非改ざん証明に加えて、成立の真正性を証明可能にすることを目的として、特許文献1には、電子契約書を取得する電子契約書取得手段と、前記電子契約書の立会人型電子契約を行う複数当事者が操作する各端末装置に対して、前記電子契約書が表示された契約内容確認画面を提供する契約書提供手段と、前記電子契約書について前記複数当事者間で行われるビデオ会議の動画を前記契約内容確認画面内に提供する動画提供手段と、前記ビデオ会議の内容を一意に表すビデオ会議データを取得するビデオ会議データ取得手段と、前記電子契約書と前記ビデオ会議データを含む署名対象に対して、電子契約サーバによる電子署名を行う電子署名手段と、前記電子署名が行われた電子契約書を保存する保存手段と、を具備したことを特徴とする電子契約サーバが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-159911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1においては、電子契約の真正性を確保するために、電子署名と、動画又は静止画データを組み合わせているが、動画又は静止画データ記録された契約者本人以外の第三者が電子署名を行うことも可能であるため、電子契約の真正性を確保する観点からは十分なシステムではない。また、特許文献1においては、契約者本人が事前に電子証明書を取得する必要があり、また、電子署名にコストが掛かる問題もある。
【0008】
本発明の一実施形態は、上述した問題を解決するものであって、契約者本人が契約に同意したことを検証可能にすることで電子契約の真正性を確保した電子契約支援システムを提供する。または、一実施形態において、契約者本人が契約に同意したことを検証可能にすることで電子契約の真正性を確保した電子契約支援プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によると、第1の撮像装置と、手書き署名入力部と、第1の撮像装置で撮像された画像を表示する第1の表示領域と、手書き署名入力部に対応する第1の手書き署名表示領域と、を同一画面に表示する第1の表示装置と、を含む第1の端末を備え、第1の撮像装置は、手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を撮像し、第1の表示領域は、第1の撮像装置が撮像した手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を表示する、電子契約支援システムシステムが提供される。
【0010】
本発明の一実施形態によると、第1の撮像装置と、手書き署名入力部と、第1の撮像装置で撮像された画像を表示する第1の表示領域と、手書き署名入力部に対応する第1の手書き署名表示領域と、を同一画面に表示する第1の表示装置と、を含み、第1の撮像装置が、手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を撮像し、第1の表示領域が、第1の撮像装置が撮像した手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を表示する第1の端末が送信した手書き署名入力部に入力された手書き署名入力部から入力された手書き署名を表示する第2の手書き署名表示領域と、第1の撮像装置が撮像した前記手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を表示する第2の表示領域と、を同一画面に表示する第2の表示装置と、承認処理を実行させる承認指示部と、を含む第2の端末を備え、電子契約支援システムが提供される。
【0011】
第2の端末が、手書き署名入力部から入力された手書き署名データを削除し、第1の手書き署名表示領域及び第2の手書き署名表示領域に表示された手書き署名を消去する却下指示部をさらに含んでもよい。
【0012】
記憶装置をさらに備え、承認指示部は、手書き署名入力部から入力された手書き署名データを電子契約書の署名欄に追加し、署名データが追加された電子契約書を記憶装置に格納してもよい。
【0013】
手書き署名データは、手書き署名のストローク・データと、手書き署名開始時からの経過時間を含み、第1の手書き署名表示領域又は第2の手書き署名表示領域は、手書き署名データに基づいて、手書き署名を再現する動画を表示してもよい。
【0014】
第1の表示装置又は第2の表示装置の画面を一定の時間間隔でキャプチャし、画像データとして記憶装置に保存してもよい。
【0015】
承認指示部は、第1の表示装置又は第2の表示装置の画面をキャプチャし、画像データとして記憶装置に保存してもよい。
【0016】
記憶装置をさらに備え、手書き署名開始時から承認指示部が承認処理を終了するまでの間、第1の表示装置又は第2の表示装置の画面をキャプチャし、動画データとして記憶装置に保存してもよい。
【0017】
下記(A)~(E)の何れか1つ以上を電子契約書に関連付けて記憶装置に格納してもよい。
(A)手書き署名のストローク・データ
(B)第2の表示装置の画面をキャプチャした静止画
(C)第2の表示装置の画面をキャプチャした動画又は動画の一部
(D)第2の表示装置の画面をキャプチャした動画から切り出した静止画
(E)上記(A)~(D)のハッシュ値
【0018】
承認処理が終了した後に、署名データが追加された電子契約書に、電子署名を行う電子署名部をさらに備えてもよい。
【0019】
電子署名部は、電子署名を行った後の電子契約書にタイムスタンプを付与してもよい。
【0020】
本発明の一実施形態によると、第1の表示領域と第1の手書き署名表示領域を表示する第1の表示装置の画面に切り替えさせ、撮像装置を起動させ、手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を撮像させて、ビデオ通話を開始させ、第1の表示領域に、撮像装置が撮像したユーザの顔を含む範囲を表示させ、手書き署名入力部を起動させ、手書き署名入力部に入力された手書き署名を、手書き署名表示領域に表示させる、電子契約支援プログラムが提供される。
【0021】
本発明の一実施形態によると、第1の端末の手書き署名入力部から入力された手書き署名を、第2の端末の第2の手書き署名表示領域に表示させ、第1の端末の撮像装置が撮像した手書き署名をするユーザの顔を含む範囲を、第2の手書き署名表示領域と同一画面に表示される第2の表示領域に表示させる、電子契約支援プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施形態によると、契約者本人が契約に同意したことを検証可能にすることで電子契約の真正性を確保した電子契約支援システムが提供される。一実施形態に係る電子契約支援システムは、契約者本人の電子署名を必要としないため、契約者の利便性に優れ、電子契約のコストを低減することができる。または、一実施形態において、契約者本人が契約に同意したことを検証可能な電子契約の真正性を確保した電子契約支援プログラムが提供される。一実施形態に係る電子契約支援プログラムは、契約者本人の電子署名を必要としないため、契約者の利便性に優れ、電子契約のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る電子契約支援システム100を示す模式図である。
図2A】本発明の一実施形態に係る契約者が有する第1の端末10を説明する模式図である。
図2B】本発明の一実施形態に係る契約相手方が有する第2の端末30を説明する模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る契約者が有する第1の端末10を示すブロック構成図である。
図4】本発明の一実施形態に係る契約相手方が有する第2の端末30を示すブロック構成図である。
図5】本発明の一実施形態に係るサーバ50を示すブロック構成図である。
図6A】発明の一実施形態に係るサーバ50Aを示すブロック構成図である。
図6B】本発明の一実施形態に係るサーバ50Bを示すブロック構成図である。
図7A】本発明の一実施形態に係るサーバ50Cを示すブロック構成図である。
図7B】本発明の一実施形態に係るサーバ50Dを示すブロック構成図である。
図8A】本発明の一実施形態に係る契約者が有する第1の端末10の第1の表示装置140に表示された電子契約書の一例を示す図である。
図8B】本発明の一実施形態に係る契約者が有する第1の端末10の第1の表示装置140に表示された、手書き署名が追加された電子契約書の一例を示す図である。
図9】本実施形態に係る電子契約を説明するフロー図である。
図10】本実施形態に係る手書き署名の方法を説明するフロー図である。
図11】本発明の一実施形態に係る第1の端末10の入力装置130の手書き署名入力部131に入力された手書き署名を、サーバ50を介して、第2の端末30の第2の表示装置340の第2の手書き署名表示領域343に表示させる方法を説明するシーケンス図である。
図12A】本発明の一実施形態に係る第1の端末10の第1の表示装置140の第1の表示領域141と、手書き署名が表示された第1の手書き署名表示領域143を含む画面の模式図である。
図12B】本発明の一実施形態に係る第2の端末30の第2の表示装置340の第2の表示領域341と、手書き署名が表示された第2の手書き署名表示領域343を含む画面の模式図である。
図13】本発明の一実施形態に係る第2の端末30より指示された承認処理を説明するシーケンス図である。
図14図13のシーケンス図における第1の端末10内での処理を説明するシーケンス図である。
図15】本発明の一実施形態に係る電子契約を契約者が承諾して終了させるための第1の端末10の第1の表示装置140の画面の一例を示す模式図である。
図16】本発明の一実施形態に係る第1の端末10より指示された承諾処理を説明するシーケンス図である。
図17図16のシーケンス図におけるサーバ50内での処理を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明に係る電子契約支援システム及び電子契約支援プログラムについて説明する。本発明に係る電子契約支援システム及び電子契約支援プログラムは、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子契約支援システム100を示す模式図である。電子契約支援システム100は、例えば、契約者(契約申込者又はユーザ)が有する端末(第1の端末)10、契約相手方(又は、仲介者)が有する端末(第2の端末)30、及びサーバ50を含む。契約者が有する第1の端末10、契約相手方が有する第2の端末30、及びサーバ50は、ネットワーク90を介して通信可能に接続される。ネットワーク90は、例えば、インターネット、イントラネット等の有線通信又は無線通信を示し、契約者が有する第1の端末10、契約相手方が有する第2の端末30、及びサーバ50と接続可能な通信網である。
【0026】
[契約者が使用する端末]
図2Aは、本発明の一実施形態に係る契約者が有する第1の端末10を説明する模式図である。また、図3は、本発明の一実施形態に係る契約者が有する第1の端末10を示すブロック構成図である。本実施形態において、契約者が有する第1の端末10は、例えば、契約者を撮像可能な撮像装置(以下、第1の撮像装置とも称する。)120、及び手書き署名が可能な手書き署名入力部131と、表示装置(以下、第1の表示装置とも称する。)140を有する端末であり、例えば、スマートフォンを用いることができる。また、契約者が有する第1の端末10は、スマートフォンと同様にこれらの構成を有する、例えば、タブレット端末10Aであってもよい。以下では、契約者が有する第1の端末10及びタブレット端末10Aを、契約者が有する第1の端末10と総称する。
【0027】
撮像装置120は、第1の端末10を操作している契約者の顔を含む範囲を撮像可能な装置であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いることができる。第1の端末10を操作している契約者の顔を含む範囲を撮像する目的から、撮像装置120は、手書き署名入力部131及び第1の表示装置140が配置される第1の端末10の面と同じ面に配置されることが好ましい。なお、撮像装置120は、第1の端末10を操作している契約者の顔を含む範囲を撮像可能な位置に配置される限り、手書き署名入力部131及び第1の表示装置140が配置される第1の端末10の面と同じ面でなくてもよい。
【0028】
第1の端末10は、手書き署名入力部131を含む入力装置130を備える。入力装置130は、例えば、第1の表示装置140上に配置されたタッチパネルで構成される。手書き署名入力部131は、指による手書き入力以外に、又は指による手書き入力に加えて、ペン型入力デバイスによる手書き入力可能なタッチパネルで構成されてもよい。手書き署名入力部131は、入力された手書き署名から、ストローク形状と、ストローク番号配列と、手書き署名の書き始めからの経過時間(時間情報)を取得し、サーバ50へストローク形状、ストローク番号配列及び手書き署名の書き始めからの時間情報を含む手書き署名データを送信する、又はサーバ50を介して、契約相手方が有する第2の端末30へストローク形状、ストローク番号配列及び手書き署名の書き始めからの時間情報を含む手書き署名データを送信する。
【0029】
一実施形態において、第1の端末10又は第2の端末30は、サーバ50に格納されたストローク形状、ストローク番号配列及び手書き署名の書き始めからの時間情報を含む手書き署名データを取得して、第1の手書き署名表示領域143又は第2の手書き署名表示領域343に、手書き署名を再現する動画を表示することができる。
【0030】
また、入力装置130は、手書き署名入力部131に加えて、スマートフォンやタブレット端末が有するタッチ操作が可能な入力部を有することができる。例えば、契約者が手書き署名入力部131に手書き署名を入力する際に、書き直しをしたい場合がある。図2Aに示すように、入力装置130は、例えば、署名クリアボタン133を含むことができる。契約者は、署名クリアボタン133をタッチすることにより、入力した手書き署名データを削除し、後述する第1の表示装置140の第1の手書き署名表示領域143に表示された手書き署名を消去する。また、後述するように、この操作により、第2の端末30の第2の表示装置340の第2の手書き署名表示領域343に表示された手書き署名も消去される。図2Aにおいては、タッチ操作が可能な入力部として、署名クリアボタン133を示したが、タッチ操作が可能な入力部はこれに限定されるものではなく、スマートフォンやタブレット端末が通常備えるアイコン、ボタン及びソフトウェアキーボード等を有することができる。
【0031】
第1の端末10は、撮像装置120で撮像された画像を表示する第1の表示領域141と、手書き署名入力部131に対応する第1の手書き署名表示領域143と、を同一画面に表示する第1の表示装置140を有する。図2Aにおいては、第1の表示領域141が第1の表示装置140の画面の左側に配置され、第1の手書き署名表示領域143が第1の表示装置140の画面の右側に隣接して配置される例を示したが、第1の表示装置140の画面における第1の表示領域141と第1の手書き署名表示領域143の配置はこれに限定されず、第1の表示領域141が第1の表示装置140の画面の右側に配置され、第1の手書き署名表示領域143が第1の表示装置140の画面の左側に隣接して配置されてもよい。また、第1の表示領域141が第1の表示装置140の画面の上側に配置され、第1の手書き署名表示領域143が第1の表示装置140の画面の下側に隣接して配置されてもよく、又は第1の表示領域141が第1の表示装置140の画面の下側に配置され、第1の手書き署名表示領域143が第1の表示装置140の画面の上側に隣接して配置されてもよい。
【0032】
本実施形態においては、撮像装置120が、第1の端末10を操作している契約者の顔を含む範囲を撮像可能な位置に配置されるため、撮像装置120が、手書き署名入力部131に手書き署名をする契約者の顔を含む範囲を撮像することができる。または、撮像装置120が、入力装置130を操作する契約者の顔を含む範囲を撮像することができる。さらに、第1の表示領域141と、第1の手書き署名表示領域143と、が同一画面に表示されるため、契約者は、手書き署名時の自身の顔が撮像装置120により撮像されていることを認識することができる。
【0033】
契約者が手書き署名入力部131に手書き署名をする場合、又は契約者が入力装置130を操作する場合には、契約者が第1の端末10から50cm以内に存在する必要がある。撮像装置120が、契約者が手書き署名入力部131に手書き署名をする際の契約者の顔を含む範囲の画像、又は契約者が入力装置130を操作する際の契約者の顔を含む範囲の画像を撮像することにより、契約者が手書き署名入力部131に実際に手書き署名をしたこと、又は契約者が入力装置130を実際に操作したことの証拠となる。
【0034】
第1の端末10は、例えば、制御装置110、記憶装置150、通信装置180及び電源装置190をさらに備える。また、第1の端末10は、マイク160及びスピーカ170をさらに備える。制御装置110は、例えば、中央処理装置(CPU)、オペレーティングシステム(OS)、第1の端末10を制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等により構成される。本実施形態において、第1の端末10は、ビデオ通話処理部(以下、第1のビデオ通話処理部とも称する。)111及び手書き署名処理部113を備える。ビデオ通話処理部111は、第1の端末10と、契約相手方が有する第2の端末30とが、ネットワーク90を介してビデオ通話をするためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。ビデオ通話処理部111を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置150に格納され、制御装置110のCPUにより実行される。一実施形態において、ビデオ通話処理部111は、ネットワーク90に通信可能に接続した、サーバ50を介して、第1の端末10と第2の端末30とのビデオ通話を実現することができる。より詳細には、ビデオ通話処理部111は、撮像装置120が撮像した画像データ又は映像データと、マイク160等の音声入力装置により収集され、録音された契約者の音声データを、サーバ50を介して第2の端末30に送信する。また、ビデオ通話処理部111は、第2の端末30より受信した契約相手方の画像データ又は映像データを第1の表示装置140に表示させ、第2の端末30より受信した契約相手方の音声データをスピーカ170等の音声出力装置により出力する。
【0035】
手書き署名処理部113は、手書き署名入力部131より契約者の手書き署名の入力を受けて、手書き署名表示領域143に手書き署名を表示させるとともに、後述するファイルに手書き署名を追加するためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。手書き署名処理部113を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置150に格納され、制御装置110のCPUにより実行される。一実施形態において、手書き署名処理部113は、手書き署名入力部131に入力された手書き署名を、ネットワーク90を介して、第2の端末30に送信する。また、手書き署名処理部113は、サーバ50に手書き署名データを格納することができる。
【0036】
記憶装置150は、例えば、CPUの内部及び/又はCPUに外部に配置され、CPUによる制御により読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)で構成される主記憶装置を含む。また、記憶装置150は、例えば、第1の端末10に内蔵されるリードオンリーメモリ(ROM)及びソリッドステートディスク(SSD)、並びに第1の端末10に設置可能なメモリーカードのような補助記憶装置を含む。オペレーティングシステム(OS)、第1の端末10を制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等は、記憶装置150の補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込み、CPUが実行することができる。また、ビデオ通話処理部111を構成するアプリケーションプログラム又はモジュール及び手書き署名処理部113を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置150の補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込み、CPUが実行することができる。一実施形態において、記憶装置150の補助記憶装置には、例えば、サーバ50から受信した電子契約書151及び重要事項説明書153等のファイルが格納される。これらのファイルは、PDF(Portable Document Format)ファイルであってもよい。
【0037】
通信装置180は、例えば、ネットワークアダプタやオンボードの通信用チップ等により構成され、移動体通信によるネットワーク90を介した契約相手方が有する第2の端末30及びサーバ50との通信が可能である。本実施形態において、通信装置180は、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)又はそれ移行の移動通信システム、並びにIEEE 802.11規格を使用した無線LAN(Wi-Fi(登録商標))等の通信システムを利用可能な通信装置である。
【0038】
電源装置190は、第1の端末10の各装置に外部からの電力を供給する装置であって、特に限定されない。
【0039】
また、契約者が有する第1の端末10は、スマートフォンやタブレット端末が有するその他の公知の電子機器を備えてもよい。
【0040】
[契約相手方が使用する端末]
図2Bは、本発明の一実施形態に係る契約相手方が有する第2の端末30を説明する模式図である。また、図4は、本発明の一実施形態に係る契約相手方が有する第2の端末30を示すブロック構成図である。本実施形態において、契約相手方が有する第2の端末30は、例えば、表示装置(以下、第2の表示装置とも称する。)340と、承認処理を実行させる承認指示部313を有する端末である。また、本実施形態において、契約相手方が有する第2の端末30は、契約相手方を撮像可能な撮像装置320を有する。第2の端末30として、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)を用いることができる。一実施形態において、第2の端末30は、デスクトップ型、ノート型又はタップトップ型のPCであってもよい。または、第2の端末30として、スマートフォン又はタブレット端末を用いることもできる。
【0041】
撮像装置320は、第2の端末30を操作している契約相手方の顔を含む範囲を撮像可能な装置であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いることができる。撮像装置320は、PCに組み込まれたカメラであってもよく、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)等の接続方法によりPCに接続可能なカメラであってもよい。また、第2の端末30がスマートフォン又はタブレット端末である場合には、撮像装置320は、スマートフォン又はタブレット端末に組み込まれたカメラであってもよい。
【0042】
第2の端末30は、契約相手方が操作可能な入力装置330を備える。入力装置330は、例えば、第2の端末30に有線若しくは無線通信により接続されたキーボード又はマウスであってもよい。または、入力装置330は、第2の表示装置340上に配置されたタッチパネルであってもよい。後述するように、承認指示部313は、入力装置330からの入力受けて、承認処理を実行する。
【0043】
第2の端末30は、第1の端末10の撮像装置120で撮像された画像又は映像を表示する第2の表示領域341と、第1の端末10の手書き署名入力部131から入力された手書き署名を表示する第2の手書き署名表示領域343と、を同一画面に表示する第2の表示装置340を有する。図2Bにおいては、第2の表示領域341が第2の表示装置340の画面の左側に配置され、第2の手書き署名表示領域343が第2の表示装置340の画面の右側に隣接して配置される例を示したが、第2の表示装置340の画面における第2の表示領域341と第2の手書き署名表示領域343の配置はこれに限定されず、第2の表示領域341が第2の表示装置340の画面の右側に配置され、第2の手書き署名表示領域343が第2の表示装置340の画面の左側に隣接して配置されてもよい。また、第2の表示領域341が第2の表示装置340の画面の上側に配置され、第2の手書き署名表示領域343が第2の表示装置340の画面の下側に隣接して配置されてもよく、又は第2の表示領域341が第2の表示装置340の画面の下側に配置され、第2の手書き署名表示領域343が第2の表示装置340の画面の上側に隣接して配置されてもよい。
【0044】
本実施形態においては、第1の端末10を操作している契約者の顔を含む範囲が第2の端末30の第2の表示領域341に表示され、第1の端末10の手書き署名入力部131に入力された契約者の手書き署名が第2の端末30の第2の手書き署名表示領域343に表示されることにより、契約相手方は、契約者が現に手書き署名をしていることを確認することができる。また、第2の端末30の第2の表示装置340においては、第2の表示領域341に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第2の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が同一画面に表示されるため、契約者が現に手書き署名をした証拠として、この画面のスクリーンショットを、例えば、サーバ50に保存することができる。
【0045】
第2の端末30は、例えば、制御装置310、記憶装置350、通信装置380及び電源装置390をさらに備える。また、第2の端末30は、マイク160及びスピーカ170をさらに備える。制御装置310は、例えば、中央処理装置(CPU)、オペレーティングシステム(OS)、第2の端末30を制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等により構成される。本実施形態において、第2の端末30は、ビデオ通話処理部(以下、第2のビデオ通話処理部とも称する。)311と、承認指示部313及び却下指示部315を備える。ビデオ通話処理部311は、第1の端末10とのビデオ通話をするためのアプリケーションプログラム又はモジュールであり、上述したビデオ通話処理部111と同様の構成を有する。詳細には、ビデオ通話処理部311は、第1の端末10の撮像装置120が撮像した画像データ又は映像データと、第1の端末10のマイク160により収集され、録音された契約者の音声データを、サーバ50を介して受信する。ビデオ通話処理部311は、第1の端末10より受信した契約者の画像データ又は映像データを第2の表示装置340に表示させ、第1の端末10より受信した契約者の音声データをスピーカ370より出力する。また、ビデオ通話処理部311は、第2の端末30の撮像装置320が撮像した画像データ又は映像データと、第2の端末30のマイク360により収集され、録音された契約相手方の音声データを、サーバ50を介して送信する。
【0046】
承認指示部313は、入力装置330のから入力された契約相手方が承認ボタン335をクリックする承認操作に基づき、承認処理を実行するためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。承認指示部313を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置350に格納され、制御装置310のCPUにより実行される。一実施形態において、承認指示部313は、ネットワーク90を介して第1の端末10より受信した手書き署名を、契約相手方の承認操作に基づき、サーバ50に格納することができる。また、承認指示部313は、契約相手方の承認操作に基づき、第1の端末10より受信した手書き署名を、電子契約書351又は重要事項説明書353等のファイルの署名欄に追加し、署名データが追加された電子契約書351又は重要事項説明書353等のファイルを記憶装置350及び/又はサーバ50に格納することができる。また、一実施形態において、承認指示部313は、契約相手方の承認操作に基づき、第1の表示領域141に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第1の手書き署名表示領域143に表示された契約者の手書き署名が表示された第1の表示装置140の画面、又は第2の表示領域341に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第2の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が表示された第2の表示装置340の画面をキャプチャしてスクリーンショットを取得し、記憶装置350及び/又はサーバ50に保存することができる。
【0047】
却下指示部315は、入力装置330から入力された契約相手方の却下操作に基づき、却下処理を実行するためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。却下指示部315を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置350に格納され、制御装置310のCPUにより実行される。例えば、契約者が手書き署名入力部131より入力した手書き署名が不鮮明である場合がある。このような場合、契約相手方は、契約者に対して、手書き署名の書き直しを要求する必要がある。一実施形態において、契約相手方が、入力装置330が有する署名クリアボタン333をクリックすることにより、却下指示部315は、ネットワーク90を介して第1の端末10より受信した手書き署名データを、契約相手方の署名クリア操作に基づき削除し、第1の手書き署名表示領域143及び第2の手書き署名表示領域343に表示された手書き署名を消去して、契約者へ手書き署名の書き直しを要求することができる。
【0048】
記憶装置350は、上述した記憶装置150と同様の構成である。第2の端末30を制御するOS、第2の端末30を制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等は、記憶装置350の補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。一実施形態において、上述したビデオ通話処理部311、承認指示部313及び却下指示部315を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置350の補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。また、一実施形態において、記憶装置350の補助記憶装置には、例えば、サーバ50から受信した電子契約書351及び重要事項説明書353等のファイルが格納される。これらのファイルは、PDF(Portable Document Format)ファイルであってもよい。
【0049】
通信装置380は、上述した通信装置180と同様の構成であってもよく、詳細な説明は、省略する。また、電源装置390は、第2の端末30の各装置に外部からの電力を供給する装置であって、特に限定されない。契約相手方が有する第2の端末30は、PC、スマートフォンやタブレット端末が有するその他の公知の電子機器をさらに備えてもよい。
【0050】
[サーバ]
図5は、本発明の一実施形態に係るサーバ50を示すブロック構成図である。本実施形態において、サーバ50は、例えば、ビデオ通話中継部511と、手書き署名中継部513と、電子署名部515と、タイムスタンプ部517と、を有する。また、一実施形態において、サーバ50は、例えば、電子契約書データベース551と、手書きストロークデータベース553と、画面キャプチャデータベース555を有する。また、サーバ50は、例えば、制御装置510、記憶装置550、通信装置580及び電源装置590をさらに備える。
【0051】
制御装置510は、例えば、中央処理装置(CPU)、オペレーティングシステム(OS)、サーバ50を制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等により構成される。本実施形態において、制御装置510は、ビデオ通話中継部511及び手書き署名中継部513を備える。ビデオ通話中継部511は、第1の端末10と第2の端末30とのビデオ通話を実行するために、第1の端末10からの画像データ又は映像データ及び契約者の音声データを第2の端末30に中継するとともに、第2の端末30からの画像データ又は映像データ及び契約相手方の音声データを第1の端末10に中継するためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。ビデオ通話中継部511を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置550に格納され、制御装置510のCPUにより実行される。
【0052】
一実施形態において、ビデオ通話中継部511は、第1の端末10から送信された第1の表示装置140の画面又は第2の端末30から送信された第2の表示装置の画面を一定の時間間隔でキャプチャし、画像データとして記憶装置550の画面キャプチャデータベース555に格納することができる。また、一実施形態において、ビデオ通話中継部511は、契約相手方の承認操作に基づきキャプチャされた第1の表示領域141に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第1の手書き署名表示領域143に表示された契約者の手書き署名が表示された第1の表示装置140の画面、又は第2の表示領域341に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第2の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が表示された第2の表示装置340の画面のスクリーンショットを画面キャプチャデータベース555に格納することができる。また、一実施形態において、手書き署名入力部131への手書き署名開始時から承認指示部313が承認処理を終了するまでの間、第1の表示装置140又は第2の表示装置340の画面をキャプチャし、動画データとして画面キャプチャデータベース555に格納することができる。
【0053】
手書き署名中継部513は、第1の端末10の手書き署名入力部131より入力された契約者の手書き署名データを第2の端末30へ中継するとともに、第2の端末30の承認指示部313により実行された承認処理若しくは却下指示部315により実行された却下処理による結果を第1の端末10に中継する、又はサーバ50の記憶装置550に格納するためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。手書き署名中継部513を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置550に格納され、制御装置510のCPUにより実行される。
【0054】
電子署名部515は、第1の端末10の手書き署名入力部131より入力された契約者の手書き署名データ、手書き署名時の契約者の顔を含む範囲を表示した第2の表示装置340の画面のスクリーンショット、及び電子署名を、電子契約書に関連付けるためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。電子署名部515を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置550に格納され、制御装置510のCPUにより実行される。電子署名部515は、ネットワーク90を介して認証局のサーバから電子証明書を取得してもよい。本実施形態においては、契約者の手書き署名データ及び手書き署名時の契約者の顔を含む範囲を表示した第2の表示装置340の画面のキャプチャデータを電子契約書に関連付けることにより、契約者本人が署名した証拠となり、契約の真正性を担保することができる。また、契約相手方が取得した電子証明書による電子署名を電子契約書に付与することにより、電子契約書及び電子契約書に関連付けられた契約者の手書き署名データ及び手書き署名時の契約者の顔を含む範囲を表示した第2の表示装置340の画面のキャプチャデータの改ざんを防止することができる。本実施形態においては、契約相手方のみが電子証明書を取得するため、契約者本人の電子証明書の取得を必要とせず、契約者の利便性に優れ、電子契約のコストを低減することができる。なお、当事者型の電子署名を例に説明したが、本実施形態に係る電子署名は、立会人型であってもよい。すなわち、電子契約支援システム100の運営者が取得した電子証明書による電子署名を電子契約書に付与してもよい。立会人型の電子署名を用いることにより、契約相手方の電子証明書の取得も必要とせず、契約者相手方の利便性にも優れ、電子契約のコストを低減することができる。
【0055】
タイムスタンプ部517は、電子契約書にタイムスタンプを付与するためのアプリケーションプログラム又はモジュールである。タイムスタンプ部517を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置550に格納され、制御装置510のCPUにより実行される。タイムスタンプ部517は、ネットワーク90を介して時刻認証局のサーバからタイムスタンプトークンを取得してもよい。電子契約書にタイムスタンプを付与することにより、契約が成立した日時を確定し、電子契約書の改ざんを防止することができる。
【0056】
なお、一実施形態において、契約相手方が有する第2の端末30が、電子署名部及びタイムスタンプ部を備えてもよい。この場合、記憶装置550が電子署名部及び/又はタイムスタンプ部を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールを格納し、ネットワーク90を介して第2の端末30に、電子署名部及び/又はタイムスタンプ部を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールを提供してもよい。また、電子署名部は、ネットワーク90を介して認証局のサーバから電子証明書を取得してもよい。また、タイムスタンプ部は、ネットワーク90を介して時刻認証局のサーバからタイムスタンプトークンを取得してもよい。
【0057】
記憶装置550は、上述した記憶装置150と同様の構成であってもよい。サーバ50を制御するOS、サーバ50を制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等は、記憶装置550の補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。一実施形態において、上述したビデオ通話中継部511、手書き署名中継部513、電子署名部515及び/若しくはタイムスタンプ部517を構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置550の補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。また、一実施形態において、記憶装置550の補助記憶装置には、例えば、第1の端末10及び/又は第2の端末30に送信する電子契約書等を格納した電子契約書データベース551、第1の端末10の手書き署名入力部131より入力された契約者の手書き署名データを格納する手書きストロークデータベース553、並びに第1の端末10の撮像装置120で撮像された画像又は映像及び/又は第2の端末30から送信された第2の表示装置340の画面のスクリーンショットを格納する画面キャプチャデータベース555が格納される。
【0058】
また、一実施形態において、記憶装置550は、第1の端末10及び/又は第2の端末30において実行されるアプリケーションプログラム又はモジュール557を格納することができる。サーバ50は、第1の端末10及び/又は第2の端末30の要求に応じて、記憶装置550に格納されたアプリケーションプログラム又はモジュール557を第1の端末10及び/又は第2の端末30に送信することができる。一実施形態において、記憶装置550は、第1の端末10と第2の端末30とのビデオ通話を実行するためのアプリケーションプログラム又はモジュール557Aを記憶装置550に格納し、第1の端末10及び/又は第2の端末30に送信することができる。また、一実施形態において、記憶装置550は、第1の端末10において手書き署名処理部113を構成するアプリケーションプログラム又はモジュール、並びに第2の端末30において承認指示部313及び却下指示部315を構成するアプリケーションプログラム又はモジュール557Bを格納し、第1の端末10又は第2の端末30に送信することができる。
【0059】
通信装置580は、上述した通信装置180と同様の構成であってもよく、詳細な説明は、省略する。また、電源装置590は、サーバ50の各装置に外部からの電力を供給する装置であって、特に限定されない。サーバ50は、公知のサーバが有するその他の公知の電子機器をさらに備えてもよい。
【0060】
[サーバの変形例]
上述したサーバ50においては、ビデオ通話中継部511、手書き署名中継部513、電子署名部515及びタイムスタンプ部を1つのサーバに備える例を説明した。変形例として、ビデオ通話中継部511、手書き署名中継部513、電子署名部515及びタイムスタンプ部をそれぞれ別のサーバに備える例を説明する。
【0061】
図6Aは、本発明の一実施形態に係るサーバ50Aを示すブロック構成図である。変形例において、サーバ50Aは、ビデオ通話中継サーバとして機能する。このため、サーバ50Aは、ビデオ通話中継部511Aを有する。制御装置510Aは、例えば、中央処理装置(CPU)、オペレーティングシステム(OS)、サーバ50Aを制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等により構成される。変形例において、制御装置510Aは、ビデオ通話中継部511Aを備える。ビデオ通話中継部511Aの構成は、ビデオ通話中継部511と同様の構成であってもよく、詳細な説明は省略する。
【0062】
記憶装置550Aは、上述した記憶装置150と同様の構成であってもよい。サーバ50Aを制御するOS、サーバ50Aを制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等は、記憶装置550Aの補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。一実施形態において、上述したビデオ通話中継部511Aを構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置550Aの補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。また、記憶装置550について説明したように、一実施形態において、記憶装置550Aは、第1の端末10と第2の端末30とのビデオ通話を実行するためのアプリケーションプログラム又はモジュール557Aを記憶装置550Aに格納し、第1の端末10及び/又は第2の端末30にアプリケーションプログラム又はモジュール557Aを送信することができる。
【0063】
通信装置580Aは、上述した通信装置180と同様の構成であってもよく、詳細な説明は、省略する。また、電源装置590Aは、サーバ50Aの各装置に外部からの電力を供給する装置であって、特に限定されない。サーバ50Aは、公知のサーバが有するその他の公知の電子機器をさらに備えてもよい。
【0064】
図6Bは、本発明の一実施形態に係るサーバ50Bを示すブロック構成図である。変形例において、サーバ50Bは、手書き署名中継サーバとして機能する。このため、サーバ50Bは、手書き署名中継部513Bを有する。制御装置510Bは、例えば、中央処理装置(CPU)、オペレーティングシステム(OS)、サーバ50Bを制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等により構成される。変形例において、制御装置510Bは、手書き署名中継部513Bを備える。手書き署名中継部513Bの構成は、手書き署名中継部513と同様の構成であってもよく、詳細な説明は省略する。
【0065】
記憶装置550Bは、上述した記憶装置150と同様の構成であってもよい。サーバ50Bを制御するOS、サーバ50Bを制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等は、記憶装置550Bの補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。一実施形態において、上述した手書き署名中継部513Bを構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置550Bの補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。また、一実施形態において、記憶装置550Bの補助記憶装置には、例えば、第1の端末10及び/又は第2の端末30に送信する電子契約書等を格納した電子契約書データベース551B、第1の端末10の手書き署名入力部131より入力された契約者の手書き署名データを格納する手書きストロークデータベース553B、並びに第1の端末10の撮像装置120で撮像された画像又は映像及び/又は第2の端末30から送信された第2の表示装置340の画面のスクリーンショットを格納する画面キャプチャデータベース555Bが格納される。
【0066】
また、記憶装置550について説明したように、一実施形態において、記憶装置550Bは、第1の端末10及び/又は第2の端末30において実行されるアプリケーションプログラム又はモジュール557Bを格納することができる。一実施形態において、記憶装置550Bは、第1の端末10において手書き署名処理部113を構成するアプリケーションプログラム又はモジュール、並びに第2の端末30において承認指示部313及び却下指示部315を構成するアプリケーションプログラム又はモジュール557Bを格納し、第1の端末10又は第2の端末30に各アプリケーションプログラム又はモジュール557Bを送信することができる。
【0067】
通信装置580Bは、上述した通信装置180と同様の構成であってもよく、詳細な説明は、省略する。また、電源装置590Bは、サーバ50Bの各装置に外部からの電力を供給する装置であって、特に限定されない。サーバ50Bは、公知のサーバが有するその他の公知の電子機器をさらに備えてもよい。
【0068】
図7Aは、本発明の一実施形態に係るサーバ50Cを示すブロック構成図である。変形例において、サーバ50Cは、電子署名サーバとして機能する。このため、サーバ50Cは、電子署名部515Cを有する。制御装置510Cは、例えば、中央処理装置(CPU)、オペレーティングシステム(OS)、サーバ50Cを制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等により構成される。変形例において、制御装置510Cは、電子署名部515Cを備える。電子署名部515Cの構成は、電子署名部515と同様の構成であってもよく、詳細な説明は省略する。
【0069】
記憶装置550Cは、上述した記憶装置150と同様の構成であってもよい。サーバ50Cを制御するOS、サーバ50Cを制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等は、記憶装置550Cの補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。一実施形態において、上述した電子署名部515Cを構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置550Cの補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。
【0070】
通信装置580Cは、上述した通信装置180と同様の構成であってもよく、詳細な説明は、省略する。また、電源装置590Cは、サーバ50Cの各装置に外部からの電力を供給する装置であって、特に限定されない。サーバ50Cは、公知のサーバが有するその他の公知の電子機器をさらに備えてもよい。
【0071】
図7Bは、本発明の一実施形態に係るサーバ50Dを示すブロック構成図である。変形例において、サーバ50Dは、タイムスタンプサーバとして機能する。このため、サーバ50Dは、タイムスタンプ部517Dを有する。制御装置510Dは、例えば、中央処理装置(CPU)、オペレーティングシステム(OS)、サーバ50Dを制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等により構成される。変形例において、制御装置510Dは、タイムスタンプ部517Dを備える。手書き署名中継部513Dの構成は、タイムスタンプ部517と同様の構成であってもよく、詳細な説明は省略する。
【0072】
記憶装置550Dは、上述した記憶装置150と同様の構成であってもよい。サーバ50Dを制御するOS、サーバ50Dを制御するアプリケーションプログラム又はモジュール等は、記憶装置550Dの補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。一実施形態において、上述したタイムスタンプ部517Dを構成するアプリケーションプログラム又はモジュールは、記憶装置550Dの補助記憶装置に格納され、主記憶装置に読み込まれ、CPUが実行することができる。
【0073】
通信装置580Dは、上述した通信装置180と同様の構成であってもよく、詳細な説明は、省略する。また、電源装置590Dは、サーバ50Dの各装置に外部からの電力を供給する装置であって、特に限定されない。サーバ50Dは、公知のサーバが有するその他の公知の電子機器をさらに備えてもよい。
【0074】
[電子契約支援システムによる電子契約]
上述した電子契約支援システム100を利用した電子契約について、以下に説明する。図8Aは、契約者が有する第1の端末10の第1の表示装置140に表示された電子契約書の一例を示す図である。表示装置140の電子契約書表示領域1410においては、契約書の一例として、重要事項説明書(確認書)153が表示されている。入力装置130には、重要事項説明書(確認書)153の「ここをタップして署名」と記載された領域に、手書き署名入力部131の起動ボタン1310が配置される。また、入力装置130には、重要事項説明書(確認書)153に四角形で表示された領域に、チェックボタン1330が配置される。一実施形態において、入力装置130は、電子契約を途中で終了可能な終了ボタン1350を有してもよい。なお、これらのボタンは、一例であって、公知の入力機構を利用することができる。
【0075】
図9は、本実施形態に係る電子契約を説明するフロー図である。また、図10は、本実施形態に係る手書き署名の方法を説明するフロー図である。制御装置110は、サーバ50から受信して記憶装置150に格納された電子契約書151又は重要事項説明書153を読み込み、電子契約書表示領域1410に表示する(S110)。図8Aにおいては、重要事項説明書(確認書)153が表示されている。契約者は、入力装置130から、手書き署名を入力する(S130)。詳細には、契約者が、手書き署名入力部131の起動ボタン1310をタップする(S131)と、図2Aに示した第1の表示領域141と第1の手書き署名表示領域143を表示する画面に切り替わり、撮像装置120、マイク160及びスピーカ170が起動し、ビデオ通話を開始する。また、撮像装置120により撮像された契約者の顔を含む範囲の画像データは、サーバ50を介して、契約相手方が有する第2の端末30にも送信される(S133)。第2の端末30に送信された画像データは、第2の表示領域341に表示される。また、第1の手書き署名表示領域143上に配置された手書き署名入力部131が起動し、手書き署名が開始されるまで待機する。
【0076】
契約者は、手書き署名入力部131に手書き署名を入力する(S135)。ここで、図11を参照する。図11は、第1の端末10の入力装置130の手書き署名入力部131に入力された手書き署名を、サーバ50を介して、第2の端末30の第2の表示装置340の第2の手書き署名表示領域343に表示させる方法を説明するシーケンス図である。契約者が手書き署名入力部131に手書き署名のストローク(文字の一画)を書き込む(S135)。手書き署名入力部131は、入力された手書き署名から、手書き署名を構成する各ストロークのストローク形状と、手書き署名を構成する各ストロークに付与するストローク番号(識別子)を含むストローク番号配列を取得する。
【0077】
一実施形態において、ストローク番号(識別子)は、UUID(Universally Unique Identifier)等のランダム且つ重複しない識別子を使用することができる。例えば、ストローク番号配列は、下記のデータ構造を有することができる。

ストローク番号配列:[ストローク番号1,ストローク番号2,・・・,ストローク番号N]
【0078】
本実施形態において、ストローク形状は、そのストロークに付与されたストローク番号、そのストロークの始点及び終点(必要に応じて中間点)の情報を含む。また、ストローク形状は、各点の情報として、X座標、Y座標、始点からの経過時間を含むことができる。また、一実施形態において、ストローク形状は、その点におけるストロークの太さ(筆圧、ペン型入力デバイスの傾き)等を含むことができる。例えば、ストローク形状は、下記のデータ構造を有することができる。

ストローク形状:{ストローク番号、[始点0,中間点1,中間点2,・・・,終点n]}
【0079】
通信装置180は、ストローク形状をサーバ50へ送信し(S135a)、ストローク番号配列をサーバ50へ送信する(S135b)。また、一実施形態において、通信装置180は、ストローク形状及びストローク番号配列を含む手書き署名データをサーバ50へ送信してもよい。
【0080】
サーバ50は、第1の端末10の通信装置180から受信したストローク形状及びストローク番号配列を、手書きストロークデータベース553に格納する。また、サーバ50は、通信装置580からストローク番号配列を、第2の端末30へ送信する(S135c)。第2の端末30の通信装置380は、サーバ50の通信装置580からストローク番号配列を受信し、ストローク番号配列に含まれるストローク番号に対応するストローク形状をサーバ50に要求する。ストローク番号に対応するストローク形状が不足している場合、通信装置380は、不足するストローク形状をサーバ50に要求する(S135d)。サーバ50は、第2の端末30からの要求に対して、通信装置580からストローク形状を第2の端末30へ送信する(S135e)。
【0081】
一般に、通信ネットワークを介したデータの送受信においては、サーバと端末との接続が断続的に切断される場合があり、データの中継ミス(ロスト)が発生しうる。本実施形態においては、手書き署名からストローク形状とストローク番号配列を取得して、手書きストロークデータベース553に格納するとともに、サーバ50から第2の端末30へストローク番号配列を先に送信して、後から各ストロークに対応するストローク形状を送信する。これにより、ネットワーク90を介したサーバ50との接続が断続的に切断された場合にも、第2の端末30の通信装置380は、ストローク番号配列を参照して、第2の端末30に存在しない(サーバ50から未受信の)ストローク番号に対応するストローク形状だけを取得することができる。
【0082】
第2の端末30の通信装置380は、サーバ50から受信した手書き署名を構成する全てのストローク(ストローク群)を第2の表示装置340に提供する。第2の表示装置340は、ストローク群に基づき、第2の手書き署名表示領域343に手書き署名を表示する(S137)。このようにして、契約者が第1の端末10の手書き署名入力部131に入力した手書き署名が、第2の端末30の第2の手書き署名表示領域343に表示される。図12Bは、本発明の一実施形態に係る第2の端末30の第2の表示装置340の第2の表示領域341と、手書き署名が表示された第2の手書き署名表示領域343を含む画面の模式図である。これにより、契約相手方は、契約者の手書き署名を確認することができる。
【0083】
また、同様に、第1の表示装置140は、手書き署名入力部131に入力されたストローク群に基づき、第1の手書き署名表示領域143に手書き署名を表示する。図12Aは、本発明の一実施形態に係る第1の端末10の第1の表示装置140の第1の表示領域141と、手書き署名が表示された第1の手書き署名表示領域143を含む画面の模式図である。これにより、契約者は、自身の手書き署名を確認することができる。
【0084】
一実施形態において、契約者は、手書き署名入力部131に入力した手書き署名を書き直すことができる。契約者は、入力装置130に配置された署名クリアボタン133をタッチする(S147)。入力装置130は、第1の端末10の通信装置180に、サーバ50へ空のストローク番号配列(ストローク番号が1つも含まれていないストローク番号配列)を送信させる(S147a)。サーバ50の通信装置580は、第1の端末10の通信装置180から受信した空のストローク番号配列を、第2の端末30に送信する(S147b)。第2の端末30の通信装置380は、サーバ50の通信装置580から受信した空のストローク番号配列を、第2の表示装置340に提供する。第2の表示装置340は、空のストローク番号配列に基づき、第2の手書き署名表示領域343に空の手書き署名を表示することにより、第2の手書き署名表示領域343の手書き署名を消去することができる(S149)。
【0085】
また、同様に、第1の表示装置140は、入力装置130により生成された空のストローク番号配列に基づき、第1の手書き署名表示領域143に空の手書き署名を表示することにより、第1の手書き署名表示領域143の手書き署名を消去することができる。
【0086】
契約相手方は、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名を確認する(S139)。一実施形態において、契約相手方は、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が不適切であると判断した場合には、契約者に対して、手書き署名の再入力を要求することができる。
【0087】
契約相手方は、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が不適切であると判断した場合、入力装置330が有する署名クリアボタン333をクリックする(S147)。却下指示部315は、署名クリアボタン333からの入力に応じて、通信装置380から空のストローク番号配列を、サーバ50へ送信する。サーバ50の通信装置580は、第2の端末30の通信装置380から受信した空のストローク番号配列を、第1の端末10へ送信する。第1の端末10の通信装置180は、サーバ50の通信装置580から受信した空のストローク番号配列を、第1の表示装置140に提供する。第1の表示装置140は、空のストローク番号配列に基づき、第1の手書き署名表示領域143に空の手書き署名を表示することにより、第1の手書き署名表示領域143の手書き署名を消去することができる(S149)。
【0088】
また、同様に、第2の表示装置340は、却下指示部315により生成された空のストローク番号配列に基づき、第2の手書き署名表示領域343に空の手書き署名を表示することにより、第2の手書き署名表示領域343の手書き署名を消去することができる。
【0089】
契約相手方は、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が適切であると判断した場合、入力装置330が有する承認ボタン335をクリックする(S141)。ここで、図13を参照する。図13は、第2の端末30より指示された承認処理を説明するシーケンス図である。また、図14は、図13のシーケンス図における第1の端末10内での処理を説明するシーケンス図である。承認ボタン335がクリックされたことにより、入力装置330は、第2の表示領域341と、手書き署名が表示された第2の手書き署名表示領域343を含む画面のキャプチャを第2の表示装置340へ指示する(S141a)。第2の表示装置340は、第2の表示領域341と、手書き署名が表示された第2の手書き署名表示領域343を含む画面をキャプチャした静止画を生成し(S141b)、キャプチャした静止画を通信装置380からサーバ50に送信する(S141c)。サーバ50の通信装置580は、第2の端末30の通信装置380から受信した静止画を、記憶装置550の画面キャプチャデータベース555に格納する。なお、一実施形態において、第1の表示領域141と、手書き署名が表示された第1の手書き署名表示領域143を含む画面をキャプチャした静止画を生成して、キャプチャした静止画を通信装置180からサーバ50に送信させるように設定されてもよい。
【0090】
また、承認ボタン335がクリックされたことにより、入力装置330は、署名承認指示を生成し(S141d)、通信装置380からサーバ50に送信する(S141e)。サーバ50の通信装置580は、第2の端末30の通信装置380から受信した署名承認指示を第1の端末10に送信する(S141f)。第1の端末10の通信装置180は、サーバ50から受信した署名承認指示に基づき、ビデオ通話処理部111に、ビデオ通話の停止及び動画キャプチャの停止を指示する(S143)。ビデオ通話処理部111は、撮像装置120にビデオ通話の停止及び動画キャプチャの停止を指示する(S143a)。また、ビデオ通話処理部111は、第1の表示装置140に、ビデオ通話の停止を指示する(S143b~S143d)。ビデオ通話処理部111からの指示に基づき、撮像装置120は、ビデオ通話及び動画キャプチャを停止する。また、ビデオ通話処理部111からの指示に基づき、第1の表示装置140は、ビデオ通話を停止する。
【0091】
さらに、第1の端末10の通信装置180は、サーバ50から受信した署名承認指示に基づき、手書き署名処理部113に、手書き署名画面を閉じるように指示する(S145)。手書き署名処理部113は、第1の表示装置140に手書き署名画面を閉じるように指示する(S145a)。手書き署名処理部113からの指示に基づき、第1の表示装置140は手書き署名画面を閉じる。また、手書き署名処理部113は、手書き署名入力部131に手書き署名の入力の停止を指示する(S145b)。手書き署名処理部113からの指示に基づき、手書き署名入力部131は手書き署名の入力を停止する。
【0092】
本実施形態においては、手書き署名入力部131の起動と停止が画面のキャプチャの開始と終了に連動するように制御されるため、画面のキャプチャの開始と終了を操作するための別途のボタンやその操作を必要とせず、自動的に画面をキャプチャすることができる。また、手書き署名をする際の契約者の顔がキャプチャされるため、手書き署名の本人性を担保することができる。
【0093】
上記の承認処理により、手書き署名は、電子契約書の署名欄に追加された状態として、契約者が有する第1の端末10の第1の表示装置140に表示される。図8Bは、契約者が有する第1の端末10の第1の表示装置140に表示された、手書き署名が追加された電子契約書の一例を示す図である。図8Bにおいては、重要事項説明書(確認書)153に四角形で表示された領域に配置されたチェックボタン1330が、契約者によりチェックされ、電子契約書表示領域1410の四角形で表示された領域にチェックマーク1431が表示された状態を示す。図8Bにおいては、表示された画面を閉じて、次の手続き処理に進むための「同意して次へ」と表示されたボタン1370が配置される。契約者がボタン1370をタップすることにより、次の手続き処理に進むことができる。
【0094】
図15は、本実施形態に係る電子契約を契約者が承諾して終了させるための第1の端末10の第1の表示装置140の画面の一例を示す模式図である。第1の表示装置140の電子契約書表示領域1410においては、電子契約の最終確認をするための契約書153が表示されている。入力装置130には、第1の表示装置140の画面の「同意して終了」と表示された領域に、同意ボタン1390が配置される。一実施形態において、入力装置130は、電子契約を途中で終了可能な終了ボタン1350を有してもよい。
【0095】
契約者が同意ボタン1390をタッチすると、承諾処理が開始される。図16は、第1の端末10より指示された承諾処理を説明するシーケンス図である。また、図17は、図16のシーケンス図におけるサーバ50内での処理を説明するシーケンス図である。契約者が同意ボタン1390をタッチすると(S150)、入力装置130は、通信装置180に終了を指示する(S150a)。通信装置180は、サーバ50に終了を指示する(S150b)。
【0096】
サーバ50の通信装置580は、電子署名部515に終了を指示する(S150c)。電子署名部515は、記憶装置550の電子契約書データベース551に格納された電子契約書の原本を要求する(S170a)。電子契約書データベース551は、電子署名部515に、電子契約書の原本を送信する(S170b)。電子署名部515は、電子契約書の原本に、手書き署名を付与するために、手書きストロークデータベース553に格納された契約者の手書き署名データを要求する(S170c)。手書きストロークデータベース553は、電子署名部515に、契約者の手書き署名データを送信する(S170d)。また、電子署名部515は、画面キャプチャデータベース555に格納された第1の表示領域141に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第1の手書き署名表示領域143に表示された契約者の手書き署名が表示された第1の表示装置140の画面のキャプチャデータ、又は第2の表示領域341に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第2の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が表示された第2の表示装置340の画面のキャプチャデータを要求する(S170e)。画面キャプチャデータベース555は、電子署名部515に、第1の表示領域141に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第1の手書き署名表示領域143に表示された契約者の手書き署名が表示された第1の表示装置140の画面のキャプチャデータ、又は第2の表示領域341に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第2の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が表示された第2の表示装置340の画面のキャプチャデータを送信する(S170f)。
【0097】
電子署名部515は、電子契約書の原本に、契約者の手書き署名データ及び画面のキャプチャデータを付与する(S170)。一実施形態において、電子署名部515は、契約者の手書き署名データからハッシュ値を生成して、電子契約書の原本に付与してもよい。また、電子署名部515は、画面のキャプチャデータからハッシュ値を生成して、電子契約書の原本に付与してもよい。
【0098】
したがって、電子署名部515は、下記(A)~(E)の何れか1つ以上を電子契約書の原本に関連付けて記憶装置550に格納してもよい。
(A)手書き署名のストローク・データ
(B)第2の表示装置の画面をキャプチャした静止画
(C)第2の表示装置の画面をキャプチャした動画又は動画の一部
(D)第2の表示装置の画面をキャプチャした動画から切り出した静止画
(E)上記(A)~(D)のハッシュ値
【0099】
本実施形態においては、契約者の手書き署名データ及び手書き署名時の契約者の顔を含む範囲を表示した第2の表示装置340の画面のスクリーンショット又はそれらのハッシュ値を電子契約書に関連付けることにより、契約者本人が署名した証拠となり、契約の真正性を担保することができる。
【0100】
電子署名部515は、電子契約書の原本に、電子署名を付与する(S190)。電子署名の付与は上述した公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態においては、契約相手方が取得した電子証明書による電子署名、又は電子契約支援システム100の運営者が取得した電子証明書による電子署名を電子契約書に付与することにより、電子契約書及び電子契約書に関連付けられた契約者の手書き署名データ及び手書き署名時の契約者の顔を含む範囲を表示した画面のキャプチャデータの改ざんを防止することができる。
【0101】
電子署名部515は、タイムスタンプ部517にタイムスタンプを要求し(S210a)、電子契約書の原本に、タイムスタンプを付与する(S210)。タイムスタンプの付与は上述した公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態においては、電子契約書にタイムスタンプを付与することにより、契約が成立した日時を確定し、電子契約書の改ざんを防止することができる。
【0102】
上記の処理により作成された電子契約書は、電子契約書データベース551に格納される(S230)。本実施形態においては、契約相手方のみが電子証明書を取得するため、契約者本人の電子証明書の取得を必要とせず、契約者の利便性に優れ、電子契約のコストを低減することができる。または、電子契約支援システム100の運営者が電子証明書を取得するため、契約者本人及び契約相手方の電子証明書の取得を必要とせず、契約者及び契約相手方の利便性に優れ、電子契約のコストを低減することができる。
【0103】
[電子契約支援プログラム]
本発明の一実施形態において、上述した電子契約支援システムを構築するためのプログラムを提供することができる。なお、電子契約支援プログラムは、以下に説明する複数のプログラムによって構成されたソフトウェアスイートとして提供されてもよく、個別のプログラム又はそれの組み合わせとして提供されてもよい。
【0104】
一実施形態において、本プログラムは、サーバ50から第1の端末10及び/又は第2の端末30に提供されてもよい。一実施形態において、第1の端末10に本プログラムを提供する場合、第2の端末30から第1の端末10へ送信されたメール又はショートメッセージに、サーバ50から本プログラムをダウンロードするためのリンクを付与してもよい。
【0105】
[手書き署名プログラム]
手書き署名プログラムは、第1の端末10で実行され、第1の端末10を制御するプログラムである。図9図12Bを参照して、手書き署名プログラムについて、説明する。手書き署名プログラムは、サーバ50から受信して記憶装置150に格納された電子契約書151又は重要事項説明書153を第1の端末10に読み込みませ、電子契約書表示領域1410に表示させる(S110)。手書き署名プログラムは、契約者に、入力装置130からの手書き署名の入力を要求する(S130)。契約者が、手書き署名入力部131の起動ボタン1310をタップする(S131)ことにより、手書き署名プログラムは、図2Aに示した第1の表示領域141と第1の手書き署名表示領域143を表示する画面に切り替え、撮像装置120、マイク160及びスピーカ170を起動させ、第1の撮像装置120に、契約者の顔を含む範囲を撮像させて、ビデオ通話を開始させる。また、手書き署名プログラムは、第1の表示領域141に、撮像装置120が撮像した契約者の顔を含む範囲を表示させるとともに、撮像装置120により撮像された契約者の顔を含む範囲の画像データを、サーバ50を介して、契約相手方が有する第2の端末30にも送信させる(S133)。手書き署名プログラムは、第2の端末30に送信された画像データを、第2の表示領域341に表示させる。また、手書き署名プログラムは、第1の手書き署名表示領域143上に配置された手書き署名入力部131を起動させ、手書き署名が開始されるまで手書き署名入力部131を待機させる。
【0106】
手書き署名プログラムは、契約者に、手書き署名入力部131への手書き署名の入力を要求する。手書き署名プログラムは、契約者が手書き署名入力部131に手書き署名のストローク(文字の一画)を書き込む(S135)毎に、手書き署名入力部131に、入力された手書き署名から、ストローク形状と、ストローク番号配列と、手書き署名の書き始めからの経過時間(時間情報)を取得させる。手書き署名プログラムは、通信装置180に、ストローク形状をサーバ50へ送信させ(S135a)、ストローク番号配列をサーバ50へ送信させる(S135b)。また、手書き署名プログラムは、通信装置180に、手書き署名の書き始めからの時間情報をサーバ50へさらに送信させることもできる。また、一実施形態において、手書き署名プログラムは、通信装置180に、ストローク形状、ストローク番号配列及び手書き署名の書き始めからの時間情報を含む手書き署名データをサーバ50へ送信させるようにしてもよい。
【0107】
手書き署名プログラムは、第1の表示装置140に、手書き署名入力部131に入力されたストローク群に基づいて、第1の手書き署名表示領域143に手書き署名を表示させる。これにより、契約者は、自身の手書き署名を確認することができる。
【0108】
一実施形態において、手書き署名プログラムは、契約者に、手書き署名入力部131に入力した手書き署名を書き直させることができる。契約者が、入力装置130に配置された署名クリアボタン133をタッチする(S147)と、手書き署名プログラムは、入力装置130に空のストローク番号配列を生成させ、生成させた空のストローク番号配列に基づいて、第1の表示装置140の第1の手書き署名表示領域143に空の手書き署名を表示させることにより、第1の手書き署名表示領域143の手書き署名を消去させることができる。
【0109】
一実施形態において、手書き署名プログラムは、契約相手方が、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名を確認し(S139)、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が不適切であると判断した場合には、手書き署名入力部131に入力した手書き署名を書き直させることができる。
【0110】
手書き署名プログラムは、通信装置180に、サーバ50の通信装置580から受信した空のストローク番号配列を、第1の表示装置140へ提供させる。手書き署名プログラムは、空のストローク番号配列に基づいて、第1の表示装置140の第1の手書き署名表示領域143に空の手書き署名を表示することにより、第1の手書き署名表示領域143の手書き署名を消去させることができる(S149)。
【0111】
[手書き署名中継プログラム]
手書き署名中継プログラムは、サーバ50で実行され、サーバ50を制御するプログラムである。図9図12Bを参照して、手書き署名中継プログラムについて、説明する。手書き署名中継プログラムは、第1の端末10の通信装置180から受信したストローク形状及びストローク番号配列を、手書きストロークデータベース553に格納させる。また、手書き署名中継プログラムは、通信装置580からストローク番号配列を、第2の端末30へ送信させる(S135c)。また、手書き署名中継プログラムは、第2の端末30から不足するストローク形状の要求があった場合に、通信装置580からストローク形状を第2の端末30へ送信させる(S135e)。
【0112】
一実施形態において、手書き署名中継プログラムは、契約者が手書き署名入力部131に入力した手書き署名の書き直しを第2の端末30に中継することができる。手書き署名中継プログラムは、第1の端末10の通信装置180から、空のストローク番号配列を受信すると(S147a)、通信装置580に、第1の端末10の通信装置180から受信した空のストローク番号配列を、第2の端末30に送信させる(S147b)。
【0113】
契約相手方が、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名を確認し(S139)、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が不適切であると判断した場合には、手書き署名中継プログラムは、第2の端末30からの手書き署名の再入力要求を中継することができる。
【0114】
手書き署名中継プログラムは、通信装置580に、第2の端末30の通信装置380から受信した空のストローク番号配列を、第1の端末10へ送信させる。
【0115】
[手書き署名表示プログラム]
手書き署名表示プログラムは、第2の端末30で実行され、第2の端末30を制御するプログラムである。図9図12Bを参照して、手書き署名表示プログラムについて、説明する。手書き署名表示プログラムは、第2の端末30の通信装置380に、サーバ50の通信装置580からストローク番号配列を受信させ、ストローク番号配列に含まれるストローク番号に対応するストローク形状をサーバ50に要求させる。ストローク番号に対応するストローク形状が不足している場合、手書き署名表示プログラムは、通信装置380に、不足するストローク形状をサーバ50に要求させる(S135d)。本実施形態においては、ネットワーク90を介したサーバ50との接続が断続的に切断された場合にも、手書き署名表示プログラムは、通信装置380にストローク番号配列を参照させ、第2の端末30に存在しない(サーバ50から未受信の)ストローク番号に対応するストローク形状だけを取得させることができる。
【0116】
手書き署名表示プログラムは、第2の端末30の通信装置380に、サーバ50から受信した手書き署名を構成する全てのストローク(ストローク群)を第2の表示装置340に提供させる。手書き署名表示プログラムは、第2の表示装置340に、ストローク群に基づいて、第2の手書き署名表示領域343に手書き署名を表示させる(S137)。手書き署名表示プログラムは、契約者が第1の端末10の手書き署名入力部131に入力した手書き署名を、第2の端末30の第2の手書き署名表示領域343に表示させる。これにより、契約相手方は、契約者の手書き署名を確認することができる。このとき、手書き署名表示プログラムは、サーバ50を介して受信した画像データに基づき、撮像装置120により撮像された契約者の顔を含む範囲を、第2の表示領域341に表示させる。これにより、第2の端末30の第2の表示装置340において、第2の表示領域341に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第2の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が同一画面に表示される。
【0117】
一実施形態において、契約者は、手書き署名入力部131に入力した手書き署名を書き直すことができる。手書き署名表示プログラムは、通信装置380がサーバ50の通信装置580から空のストローク番号配列を受信すると、第2の表示装置340に提供させる。手書き署名表示プログラムは、空のストローク番号配列に基づき、第2の表示装置340の第2の手書き署名表示領域343に空の手書き署名を表示させることにより、第2の手書き署名表示領域343の手書き署名を消去させることができる(S149)。
【0118】
契約相手方が、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名を確認し(S139)、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が不適切であると判断した場合には、手書き署名表示プログラムは、第1の端末10に対して、契約者の手書き署名の再入力を要求することができる。
【0119】
契約相手方が、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が不適切であると判断した場合、入力装置330が有する署名クリアボタン333をクリックする(S147)。手書き署名表示プログラムは、却下指示部315に、署名クリアボタン333からの入力に応じて、通信装置380から空のストローク番号配列を、サーバ50へ送信させる。
【0120】
また、手書き署名表示プログラムは、却下指示部315により生成された空のストローク番号配列に基づいて、第2の表示装置340の第2の手書き署名表示領域343に空の手書き署名を表示させることにより、第2の手書き署名表示領域343の手書き署名を消去させることができる。
【0121】
[手書き署名承認プログラム]
手書き署名承認プログラムは、第2の端末30で実行され、第1の端末10及び第2の端末30を制御するプログラムである。図10及び図12B図14を参照して、手書き署名承認プログラムについて、説明する。契約相手方は、第2の端末30の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が適切であると判断した場合、入力装置330が有する承認ボタン335をクリックする(S141)。承認ボタン335がクリックされたことにより、手書き署名承認プログラムは、第2の表示領域341と、手書き署名が表示された第2の手書き署名表示領域343を含む画面のキャプチャを第2の表示装置340へ指示する(S141a)。手書き署名承認プログラムは、第2の表示装置340に、第2の表示領域341と、手書き署名が表示された第2の手書き署名表示領域343を含む画面をキャプチャした静止画を生成させ(S141b)、キャプチャした静止画を通信装置380からサーバ50に送信させる(S141c)。手書き署名承認プログラムは、第2の端末30の通信装置380から受信した静止画を、記憶装置550の画面キャプチャデータベース555に格納させる。なお、一実施形態において、手書き署名承認プログラムは、第1の表示領域141と、手書き署名が表示された第1の手書き署名表示領域143を含む画面をキャプチャした静止画を生成させて、キャプチャさせた静止画を通信装置180からサーバ50に送信させるように設定されてもよい。
【0122】
また、承認ボタン335がクリックされたことにより、手書き署名承認プログラムは、入力装置330に、署名承認指示を生成させ(S141d)、通信装置380からサーバ50に送信させる(S141e)。手書き署名承認プログラムは、サーバ50の通信装置580に、第2の端末30の通信装置380から受信した署名承認指示を第1の端末10に送信させる(S141f)。手書き署名承認プログラムは、ビデオ通話処理部111に、ビデオ通話の停止及び動画キャプチャの停止を指示させる(S143)。手書き署名承認プログラムは、撮像装置120にビデオ通話の停止及び動画キャプチャの停止を指示する(S143a)。また、手書き署名承認プログラムは、第1の表示装置140に、ビデオ通話の停止を指示する(S143b~S143d)。
【0123】
さらに、手書き署名承認プログラムは、手書き署名処理部113に、手書き署名画面を閉じるように指示する(S145)。手書き署名承認プログラムは、第1の表示装置140に手書き署名画面を閉じるように指示する(S145a)。手書き署名承認プログラムは、第1の表示装置140に手書き署名画面を閉じさせる。また、手書き署名承認プログラムは、手書き署名入力部131に手書き署名の入力の停止を指示する(S145b)。
【0124】
[電子契約書作成プログラム]
電子契約書作成プログラムは、サーバ50で実行され、サーバ50を制御するプログラムである。図9及び図15図17を参照して、電子契約書作成プログラムについて、説明する。契約者が同意ボタン1390をタッチすると、電子契約書作成プログラムは、承諾処理が開始する。契約者が同意ボタン1390をタッチすると(S150)、電子契約書作成プログラムは、電子署名部515に終了を指示する(S150c)。電子契約書作成プログラムは、電子署名部515に、記憶装置550の電子契約書データベース551に格納された電子契約書の原本を要求させる(S170a)。電子契約書作成プログラムは、電子契約書データベース551から電子署名部515へ、電子契約書の原本を送信させる(S170b)。電子契約書作成プログラムは、電子契約書の原本に手書き署名を付与するために、電子署名部515に、手書きストロークデータベース553に格納された契約者の手書き署名データを要求させる(S170c)。電子契約書作成プログラムは、手書きストロークデータベース553から電子署名部515へ、契約者の手書き署名データを送信させる(S170d)。また、電子契約書作成プログラムは、電子署名部515に、画面キャプチャデータベース555に格納された第1の表示領域141に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第1の手書き署名表示領域143に表示された契約者の手書き署名が表示された第1の表示装置140の画面のキャプチャデータ、又は第2の表示領域341に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第2の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が表示された第2の表示装置340の画面のキャプチャデータを要求させる(S170e)。電子契約書作成プログラムは、画面キャプチャデータベース555から電子署名部515へ、第1の表示領域141に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第1の手書き署名表示領域143に表示された契約者の手書き署名が表示された第1の表示装置140の画面のキャプチャデータ、又は第2の表示領域341に表示された手書き署名をしている契約者の顔を含む範囲の画像と、第2の手書き署名表示領域343に表示された契約者の手書き署名が表示された第2の表示装置340の画面のキャプチャデータを送信させる(S170f)。
【0125】
電子契約書作成プログラムは、電子署名部515に、契約者の手書き署名データ及び画面のキャプチャデータを電子契約書の原本に付与させる(S170)。一実施形態において、電子契約書作成プログラムは、電子署名部515に、契約者の手書き署名データからハッシュ値を生成させて、電子契約書の原本に付与させてもよい。また、電子契約書作成プログラムは、電子署名部515に、画面のキャプチャデータからハッシュ値を生成させて、電子契約書の原本に付与させてもよい。
【0126】
したがって、電子契約書作成プログラムは、下記(A)~(E)の何れか1つ以上を電子契約書の原本に関連付けて記憶装置550に格納させてもよい。
(A)手書き署名のストローク・データ
(B)第2の表示装置の画面をキャプチャした静止画
(C)第2の表示装置の画面をキャプチャした動画又は動画の一部
(D)第2の表示装置の画面をキャプチャした動画から切り出した静止画
(E)上記(A)~(D)のハッシュ値
【0127】
本実施形態においては、契約者の手書き署名データ及び手書き署名時の契約者の顔を含む範囲を表示した第2の表示装置340の画面のスクリーンショット又はそれらのハッシュ値を電子契約書に関連付けることにより、契約者本人が署名した証拠となり、契約の真正性を担保することができる。
【0128】
電子契約書作成プログラムは、電子署名部515に、電子署名を電子契約書の原本に付与させる(S190)。電子署名の付与は上述した公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態においては、契約相手方が取得した電子証明書による電子署名、又は電子契約支援システム100の運営者が取得した電子証明書による電子署名を電子契約書に付与することにより、電子契約書及び電子契約書に関連付けられた契約者の手書き署名データ及び手書き署名時の契約者の顔を含む範囲を表示した画面のキャプチャデータの改ざんを防止することができる。
【0129】
電子契約書作成プログラムは、電子署名部515からタイムスタンプ部517へタイムスタンプを要求させ(S210a)、タイムスタンプを電子契約書の原本に付与させる(S210)。タイムスタンプの付与は上述した公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態においては、電子契約書にタイムスタンプを付与することにより、契約が成立した日時を確定し、電子契約書の改ざんを防止することができる。
【0130】
電子契約書作成プログラムは、上記の処理により作成された電子契約書を、電子契約書データベース551に格納させる(S230)。本実施形態においては、契約相手方のみが電子証明書を取得するため、契約者本人の電子証明書の取得を必要とせず、契約者の利便性に優れ、電子契約のコストを低減することができる。または、電子契約支援システム100の運営者が電子証明書を取得するため、契約者本人及び契約相手方の電子証明書の取得を必要とせず、契約者及び契約相手方の利便性に優れ、電子契約のコストを低減することができる。
【符号の説明】
【0131】
10 第1の端末、10A タブレット端末、30 第2の端末、50 サーバ、50A サーバ、50B サーバ、50C サーバ、、50D サーバ、90 ネットワーク、100 電子契約支援システム、110 制御装置、111 ビデオ通話処理部、113 署名処理部、120 撮像装置、130 入力装置、131 署名入力部、133 署名クリアボタン、140 第1の表示装置、141 第1の表示領域、143 署名表示領域、150 記憶装置、151 電子契約書、153 契約書、160 マイク、170 スピーカ、180 通信装置、190 電源装置、310 制御装置、311 ビデオ通話処理部、313 承認指示部、315 却下指示部、320 撮像装置、330 入力装置、333 署名クリアボタン、335 承認ボタン、340 第2の表示装置、341 第2の表示領域、343 署名表示領域、350 記憶装置、351 電子契約書、353 重要事項説明書、360 マイク、370 スピーカ、380 通信装置、390 電源装置、510 制御装置、510A 制御装置、510B 制御装置、510C 制御装置、510D 制御装置、511 ビデオ通話中継部、511A ビデオ通話中継部、513 署名中継部、513B 署名中継部、513D 署名中継部、515 電子署名部、515C 電子署名部、517 タイムスタンプ部、517D タイムスタンプ部、550 記憶装置、550A 記憶装置、550B 記憶装置、550C 記憶装置、550D 記憶装置、551 電子契約書データベース、551B 電子契約書データベース、553 ストロークデータベース、553B ストロークデータベース、555 画面キャプチャデータベース、555B 画面キャプチャデータベース、557 モジュール、557A モジュール、557B モジュール、580 通信装置、580A 通信装置、580B 通信装置、580C 通信装置、580D 通信装置、590 電源装置、590A 電源装置、590B 電源装置、590C 電源装置、590D 電源装置、1310 起動ボタン、1330 チェックボタン、1350 終了ボタン、1370 ボタン、1390 同意ボタン、1410 電子契約書表示領域、1431 チェックマーク
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17