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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126567
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】画面変換方法及び画面変換装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20240912BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240912BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240912BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20240912BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20240912BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F3/01 510
G09G5/00 510H
G09G5/37 320
G09G5/38 100
G09G5/00 550H
G09G5/00 550C
G09G5/00 530T
G09G5/37 310
G09G5/00 510A
G09G5/00 530M
G09G5/00 X
G09G5/377 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034994
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 善郎
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB15
5C182AB25
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC12
5C182AC35
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA30
5C182BA46
5C182BA47
5C182BA54
5C182BA75
5C182CA32
5C182CB13
5C182CB34
5C182CB42
5C182CB44
5C182CB54
5C182CC21
5C182DA70
5E555AA30
5E555AA64
5E555BA02
5E555BA23
5E555BA25
5E555BB02
5E555BB23
5E555BB25
5E555BC08
5E555CA12
5E555CA46
5E555CB12
5E555CB78
5E555CC03
5E555DB04
5E555DC21
5E555EA07
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザが、画面に含まれるオブジェクトのグループごとに位置の変換の対象とするか否かを選択できる画面変換方法及び画面変換装置を提供することである。
【解決手段】第1画面に含まれるオブジェクトのグループの座標位置を取得し、グループごとに、ユーザによって設定された位置変換の対象とするか否かの変換要否情報を取得し、グループの座標位置を変換するためのグループ変換行列を取得し、位置変換の対象となる対象グループの座標位置とグループ変換行列とに基づいて、対象グループの座標位置を変換することによって上記課題を解決する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラによって実行される画面変換方法であって、
前記コントローラは、
第1画面に含まれるオブジェクトのグループの前記第1画面における座標位置を取得し、
前記グループごとに、ユーザによって設定された位置変換の対象とするか否かの変換要否情報を取得し、
前記ユーザによって予め定義された、前記グループの座標位置を変換するためのグループ変換行列を取得し、
前記位置変換の対象となる前記グループを対象グループとして、前記対象グループの座標位置と前記グループ変換行列とに基づいて、前記対象グループの座標位置を変換する画面変換方法。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記対象グループの変換後の座標位置を含む第2画面に関する画面情報を生成し、
前記第2画面における前記グループ又は前記グループに属する前記オブジェクトの座標位置に基づいて、前記第2画面上において前記グループ同士で又は前記オブジェクト同士で重なる部分があるか否かを判定し、
重なる部分があると判定した場合に、重なる部分があることを前記ユーザに通知する請求項1に記載の画面変換方法。
【請求項3】
前記コントローラは、
車両の車内にいる乗員の前記車内における着座位置を取得し、
前記着座位置が前記車内の出力装置に対して左側にあるか右側にあるかを判定し、
前記着座位置が前記出力装置に対して左側にあるか右側にあるかの判定結果に応じて、前記第1画面と、前記対象グループの変換後の座標位置を含む第2画面とで前記出力装置の画面表示を切り替える請求項1又は2に記載の画面変換方法。
【請求項4】
前記コントローラは、
車両の車内にいる乗員によって前記車内の出力装置の画面表示を切り替える操作があった場合に、前記第1画面と、前記対象グループの変換後の座標位置を含む第2画面とで前記出力装置の画面表示を切り替える請求項1又は2に記載の画面変換方法。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記第1画面に含まれる前記グループの座標位置を、前記第1画面に対して水平方向に反転変換させるための前記グループ変換行列を取得する請求項1又は2に記載の画面変換方法。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記第1画面上で前記グループに属する前記オブジェクトが配置される前記グループの領域を設定し、
前記グループに属する前記オブジェクトの前記グループの領域における座標位置を取得し、
前記グループに属する前記オブジェクトごとに、前記ユーザによって設定された、位置変換の対象とするか否かの変換要否情報を取得し、
前記ユーザによって予め定義された、前記グループの領域内で前記グループに属する前記オブジェクトの座標位置を変換するためのオブジェクト変換行列を取得し、
前記位置変換の対象となる前記オブジェクトを対象オブジェクトとして、前記対象オブジェクトの座標位置と前記オブジェクト変換行列とに基づいて、前記対象オブジェクトの座標位置を変換する請求項1又は2に記載の画面変換方法。
【請求項7】
コントローラを備える画面変換装置であって、
前記コントローラは、
第1画面に含まれるオブジェクトのグループの前記第1画面における座標位置を取得し、
前記グループごとに、ユーザによって設定された位置変換の対象とするか否かの変換要否情報を取得し、
前記ユーザによって予め定義された、前記グループの座標位置を変換するためのグループ変換行列を取得し、
前記位置変換の対象となる前記グループを対象グループとして、前記対象グループの座標位置と前記グループ変換行列とに基づいて、前記対象グループの座標位置を変換する画面変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面変換方法及び画面変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のハンドル位置が左又は右のいずれにあるかのハンドル情報を取得し、ハンドル情報に基づいて、画面の地図上で車両の位置に所定の車両マークを表示させる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-257847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、画面全体を左右反転させるように変換した画像を表示する技術であり、画面に含まれるすべてのオブジェクトが位置の変換の対象となるため、ユーザがオブジェクトのグループごとに位置の変換の対象とするか否かを選択できないという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザが、画面に含まれるオブジェクトのグループごとに位置の変換の対象とするか否かを選択できる画面変換方法及び画面変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1画面に含まれるオブジェクトのグループの座標位置を取得し、グループごとに、ユーザによって設定された位置変換の対象とするか否かの変換要否情報を取得し、グループの座標位置を変換するためのグループ変換行列を取得し、位置変換の対象となる対象グループの座標位置とグループ変換行列とに基づいて、対象グループの座標位置を変換することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが、画面に含まれるオブジェクトのグループごとに位置の変換の対象とするか否かを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る画面変換装置を含む画面設計システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態において操作画面上のオブジェクトの配置を編集する編集画面の一例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態において第1画面に含まれる座標位置を水平方向に反転変換する一例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態においてグループの領域における各オブジェクトの位置の変換の一例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る第1画面及び第2画面が表示されている編集画面の一例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る画面変換方法の制御処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態に係る画面変換装置を含む画面表示システムの一例を示す構成図である。
図8図8は、第2実施形態に係る表示制御方法の制御処理の手順の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
<<第1実施形態>>
図1を用いて、本発明の第1実施形態に係る画面変換装置について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画面変換装置を含む画面設計システムの構成を示すブロック図である。画面設計システム1は、入力装置2と、出力装置3と、記憶装置4と、画面変換装置10とを備える。これらの装置は、有線又は無線により接続され、相互に情報の送受信を行うことができる。
【0011】
画面設計システム1は、表示装置(ディスプレイ)に表示される画面の設計を支援するシステムである。表示装置に表示される画面は、例えば、GUI(Graphical User Interface)の操作画面である。操作画面は、例えば、車両に搭載される表示装置に表示される画面であって、車載装置を操作するための操作画面である。車載装置は、車両に搭載されて乗員に操作される装置であって、例えば、IVI(In-Vehicle Infotainment)装置である。IVI装置は、オーディオ機能、ナビゲーション機能、通話機能等を実現する装置である。例えば、画面設計システム1に備えられる各装置は、車両に搭載されずに執務室に配置され、執務室にて設計者が操作画面を設計するのを支援するために用いられるコンピュータであってもよい。
【0012】
画面設計システム1では、GUIの設計者であるユーザが画面のレイアウトの設計を行う。ユーザは、車載装置の要求仕様、操作内容を決定し、車載装置を操作するための操作画面の仕様を決定する。操作画面の仕様が決定した後、ユーザは、操作画面の仕様を満たすレイアウトの設計を行う。また、ユーザは、設計した操作画面を実装し、実装された操作画面を確認して評価する。ユーザは、設計した操作画面の情報を記憶装置4に記憶させる。記憶された操作画面は、車両が走行しているときなどに、読み出されて乗員に対して表示される。
【0013】
一般に、車載装置の操作に必要な操作画面などの画面は枚数が多いため、ユーザは設計、実装、評価を含む一連の作業を行うのに時間がかかる。特に、操作画面に含まれるオブジェクトの内容が同じであっても、操作する乗員の位置に応じて異なるレイアウトでオブジェクトを操作画面上に配置することがあり、このようなレイアウトの違いによっても操作画面の枚数が多くなる。例えば、同じIVI装置の操作画面でも、左ハンドル車用の画面と右ハンドル車用の画面とではレイアウトが異なる。このような異なるレイアウトの操作画面も含めてすべてユーザが手作業で設計すると設計の作業に時間がかかる。そのため、本実施形態では、ユーザが、車内の所定の位置にいる乗員が操作するための操作画面のレイアウトを設計した場合に、画面変換装置10が、当該操作画面に関する画面情報に基づいて、所定の位置以外の位置にいる乗員が操作するための操作画面のレイアウトを生成する。これにより、設計等の作業にかかる時間を短縮することができる。以下、画面設計システム1の各装置の詳細について説明する。
【0014】
入力装置2は、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル等のユーザインタフェースであり、ユーザに操作されて情報入力等に用いられる。入力装置2は、画面変換装置10に接続され、ユーザの操作を操作信号に変換して画面変換装置10に出力する。タッチパネル・ディスプレイを用いる場合には、出力装置3と兼用することができる。入力装置2に入力される情報は、例えば、表示装置に表示される画面に関する画面情報である。当該画面情報は、変換前の画面に関する情報である。以下、変換前の画面は、第1画面とも称する。ユーザは、第1画面に関する画面情報を入力装置2に入力する。
【0015】
第1画面に関する画面情報は、第1画面のサイズと、第1画面に含まれるオブジェクトのグループに関する情報とを含む。第1画面のサイズは、第1画面の横幅及び高さである。オブジェクトのグループに関する情報は、グループを識別するための識別情報と、グループに属するオブジェクトに関する情報と、グループの第1画面における座標位置とを含む。識別情報は、グループごとに予め付与されている。オブジェクトは、操作画面上に配置することができるUI要素であって、車載装置の機能を実行するための最小単位である。オブジェクトは、例えば、アイコン、テキスト、ボタンを含む。オブジェクトに関する情報は、オブジェクトの形状、大きさ、オブジェクト内の表示内容、第1画面におけるオブジェクトの座標位置の情報を含む。また、オブジェクトに関する情報は、オブジェクトが属するグループの領域におけるオブジェクトの座標位置を含むこととしてもよい。グループの領域におけるオブジェクトの座標位置は、矩形状のグループの領域の左上の頂点を原点とした相対的な座標位置であって、例えば、オブジェクトの4隅の頂点の座標位置である。オブジェクトのグループでは、関連性のあるオブジェクトがグループごとに紐づけられている。例えば、ユーザが、関連性のあるオブジェクトを同じグループに設定した場合に、当該オブジェクトに同じグループの識別情報が紐づけられる。本実施形態では、後述するとおり、オブジェクトは、グループ単位で位置の変換が実行される。また、以下の説明では、各グループには複数のオブジェクトが属することとして説明するが、本実施形態では、これに限らず、単数のオブジェクトが属するグループがあってもよい。
【0016】
オブジェクトのグループには、グループごとに、第1画面上でグループに属するオブジェクトが配置されるグループの領域が設定されている。グループの領域は、例えば、矩形状の領域である。オブジェクトのグループの第1画面における座標位置は、第1画面の左上位置を原点とした相対的な座標位置であって、例えば、矩形状のグループの領域の4隅の頂点の座標位置である。なお、本実施形態では、オブジェクトのグループは、複数のグループからなる階層構造を有することとしてもよい。具体的には、上位階層のオブジェクトのグループの領域内に、下位階層のオブジェクトのグループの領域が設定されてもよい。下位階層のグループの領域は、上位階層のグループの領域よりも小さい。上位階層及び下位階層のグループそれぞれに、属するオブジェクトが紐づいている。
【0017】
また、グループに関する情報は、変換要否情報を含む。変換要否情報は、オブジェクトのグループを位置変換の対象とするか否かの情報である。変換要否情報は、オブジェクトのグループごとに、ユーザによって設定されている。オブジェクトのグループは、位置変換の対象となる対象グループと、位置変換をしない非対象グループとに分類される。変換要否情報は、オブジェクトごとに設定されることとしてもよい。
【0018】
出力装置3は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置であり、画面変換装置10と接続され、操作画面上のオブジェクトの配置を編集する編集画面を表示するために使用される。入力装置2にタッチパネル・ディスプレイを用いる場合には、出力装置3は、入力装置2と兼用することができる。出力装置3は、音声情報を出力するスピーカーを備えることとしてもよい。以下、タッチパネル・ディスプレイを用いて、入力装置2と出力装置3を兼用する例を用いて本実施形態を説明する。
【0019】
記憶装置4は、情報を記憶する記憶媒体である。本実施形態では、記憶装置4は、第1画面に関する画面情報及び第2画面に関する画面情報を記憶する。また、記憶装置4は、座標位置を変換するための変換行列を記憶する。記憶される変換行列は、例えば、第1画面に対して水平方向に反転変換(左右反転)させるための変換行列と、単位行列とを含む。また、よく使われる変換行列は、予め1箇所に定義して、複数のグループに適用することとしてもよい。
【0020】
本実施形態では、ユーザは、出力装置3(入力装置2)のディスプレイに表示される編集画面上で、設計対象となる第1画面のレイアウトを設計することで、第1画面に関する画面情報を入力装置2に入力する。具体的には、ユーザは、編集画面上で、第1画面に含まれるオブジェクトのグループの領域を設定し、グループの領域内にオブジェクトを配置して、第1画面のレイアウトを設計する。これにより、ユーザは、オブジェクトのグループの第1画面における座標位置と、グループの領域内に配置されているオブジェクトの座標位置とを入力する。入力装置2は、オブジェクトのグループの第1画面における座標位置の情報と、オブジェクトのグループの領域における座標位置の情報とを受け付ける。
【0021】
図2は、操作画面上のオブジェクトの配置を編集する編集画面の一例を示す図である。例えば、編集画面ESには、設計対象である第1画面S1と、第1画面S1に設定されているグループG1、G2、G3、G4と、第1画面に表示されるオブジェクトT1、T2、T3、T4、T5、T6とが表示されている。第1画面S1が、座標位置の変換対象である変換前の画面である。第1画面S1は、オーディオ機能を有する車載装置を操作するための操作画面である。図2では、編集画面ESの左側に、第1画面S1が表示され、右側に、第1画面に配置するオブジェクトT1~T6が表示されている。オブジェクトT1~T6は、グループG1に属するオブジェクト群である。第1画面S1内には、第1画面S1に含まれるグループG1~4の領域がユーザによって設定されている。点線で示された各領域が、各グループの領域である。例えば、ユーザは、編集画面ES上で、第1画面S1内で、点線で示される各グループの領域の枠線の位置を調整することで、各グループの領域を設定する。また、図2で示されるように、ユーザは、オブジェクトT1~T6をグループG1の領域内に配置する。これにより、オブジェクトT1~T6が、グループG1に属するオブジェクトに設定される。オブジェクトT1~T3は、オーディオ機能によって出力される音楽に関する情報を表すテキストである。オブジェクトT4~T6は、オーディオ機能を操作するためのアイコンであって、それぞれ前曲再生、一時停止、次曲再生の操作を表すアイコンである。
【0022】
また、入力装置2は、座標位置の位置変換に用いられる変換行列の入力を受け付ける。ユーザは、平行移動や回転移動などの座標変換の関数を3×3の行列を用いて定義する。変換行列は、例えば、第1画面に対して水平方向に反転変換(左右反転)させるための変換行列である。当該変換行列は、以下の式(1)で求められる。
【数1】
変換行列は、座標位置を第2象限から第1象限に平行移動させるための行列と、Y軸に関する鏡映変換をするための行列とにより求められる。画面横幅は、第1画面の横幅である。また、入力される変換行列は、座標位置を移動させないための変換行列であってもよい。当該変換行列には、単位行列が用いられる。
【0023】
画面変換装置10は、コントローラ100を備える。コントローラ100は、ハードウェア及びソフトウェアを有するコンピュータを備えており、このコンピュータはプログラムを格納したROMと、ROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMを含むものである。コントローラ100は、機能ブロックとして、少なくとも入力情報取得部101と、画面変換部102と、通知部103とを備える。なお、本実施形態では、コントローラ100が有する機能を3つのブロックとして分けた上で、各機能ブロックの機能を説明するが、コントローラ100の機能は必ずしも3つのブロックに分ける必要はなく、2つ以下の機能ブロック、あるいは、4つ以上の機能ブロックで分けてもよい。
【0024】
入力情報取得部101は、入力装置2に入力された情報を取得する。ユーザが入力装置2に入力操作を行った場合、入力情報取得部101は、入力装置2から、入力操作によって入力された入力情報を取得する。入力情報は、第1画面に関する画面情報と、変換行列の情報とを含む。第1画面に関する画面情報は、例えば、第1画面のサイズと、第1画面に含まれるオブジェクトのグループの第1画面における座標位置と、変換要否情報とを含む。変換要否情報は、グループごとに、ユーザによって設定された位置変換の対象とするか否かの情報である。入力情報取得部101は、グループの座標位置を変換するための変換行列をグループ変換行列として取得する。取得される変換行列は、例えば、第1画面に含まれるグループの座標位置を、第1画面に対して水平方向に反転変換させるための変換行列である。入力情報取得部101は、取得した入力情報を記憶装置4に記憶させる。
【0025】
また、取得される第1画面に関する画面情報には、第1画面に含まれるグループごとに、グループに属するオブジェクトに関する情報が含まれる。オブジェクトに関する情報は、グループに属するオブジェクトの、グループの領域における座標位置を含む。また、入力情報取得部101は、グループに属するオブジェクトごとに、ユーザによって設定された、位置変換の対象とするか否かの変換要否情報を取得してもよい。オブジェクトに設定される変換要否情報は、グループの領域内における位置変換の対象となるか否かを示す情報である。位置変換の対象ではないオブジェクトであっても、属するグループ自体の位置変換がされた場合には、グループの位置変換に合わせて第1画面における座標位置は移動する。このとき、位置変換の対象ではないオブジェクトは、グループの領域内における相対的な位置は移動しない。入力情報取得部101は、グループの領域内でグループに属するオブジェクトの座標位置を変換するための変換行列をオブジェクト変換行列として取得してもよい。なお、取得される変換行列は、グループ変換行列と同じであってもよく、例えば、第1画面に対して水平方向に反転変換(左右反転)させるための変換行列である。
【0026】
画面変換部102は、第1画面に関する画面情報と、変換行列の情報とに基づいて、第1画面を第2画面に変換する画面変換処理を実行する。画面変換処理では、画面変換部102は、変換要否情報に基づいて、第1画面に含まれるオブジェクトのグループのうち、位置変換の対象となる対象グループを特定する。画面変換部102は、対象グループの座標位置と変換行列とに基づいて、対象グループの座標位置を変換する。なお、本実施形態では、画面変換部102は、記憶装置4に記憶されている、第1画面に関する画面情報と変換行列の情報とを取得することとしてもよい。
【0027】
例えば、画面変換部102は、記憶装置4から、第1画面に対して水平方向に反転するための変換行列をグループ変換行列として読み出し、第1画面の横幅の値をグループ変換行列に代入する。取得される変換行列は、例えば、式(1)で求められる変換行列である。そして、画面変換部102は、対象グループの座標位置と、横幅の値を代入した変換行列との積を算出することで、対象グループの座標位置を水平反転するように変換する。対象グループの座標位置は、対象グループの領域の4隅の頂点の座標位置である。画面変換部102は、対象グループの領域の4隅の頂点の座標位置それぞれに対して、変換行列を積算して、4隅の頂点の変換後の座標位置を算出する。算出された4隅の頂点の変換後の座標位置が、変換後の対象グループの座標位置、すなわち、対象グループの第2画面における座標位置である。なお、対象グループの座標位置は、対象グループの領域の中心点であってもよい。
【0028】
また、画面変換部102は、記憶装置4から、単位行列をグループ変換行列として読み出し、非対象グループの座標位置と単位行列との積を算出することで、非対象グループの変換後の座標位置を算出する。すなわち、非対象グループの座標位置は、位置の変換が行われない。なお、非対象グループの座標位置は、単位行列を積算させずに、第1画面における座標位置をそのまま第2画面における座標位置として特定することとしてもよい。
【0029】
ここで、図3を用いて、第1画面に含まれるグループの座標位置を水平方向に反転変換する一例を説明する。図3は、第1画面に含まれる座標位置を水平方向に反転変換する一例を示す図である。図3では、第1画面S1は、ユーザが設計したレイアウトでオブジェクトのグループの領域が配置された画面である。第2画面S2は、水平方向に反転変換した後のレイアウトでオブジェクトのグループの領域が配置された画面である。第1画面S1及び第2画面S2の横幅は1920ピクセルである。
【0030】
オブジェクトのグループの座標位置の反転変換について、第1画面S1に含まれるオブジェクトのグループG1の座標位置の反転変換を例として説明する。図3では、第1画面S1の左上の位置を原点Oとして、グループG1の領域の4隅のうち、左上側の頂点P1の座標位置が(1350、166)であり、右上側の頂点P2の座標位置は(1920、166)である。
【0031】
頂点P1は、以下の式(2)で示されるように、座標位置と変換行列との積により、水平反転するように変換される。変換後のP1の座標位置は、(570、166)である。頂点P2は、以下の式(3)で示されるように、座標位置と変換行列との積により、水平反転するように変換される。変換後の頂点P2の座標位置は、(0、166)である。図3で示されるように、第2画面S2では、頂点P1を水平方向に反転変換した頂点は頂点P1′であり、頂点P2を水平方向に反転変換した頂点は頂点P2′である。頂点P2′が、グループG1の領域の左上側の頂点となり、頂点P1′は、グループG1の領域の右上側の頂点となる。
【数2】
【数3】
【0032】
また、画面変換部102は、第1画面に含まれるグループG1の領域の左下側の頂点P3と右下側の頂点P4に対しても、頂点P1及びP2と同様に、座標位置の反転変換を行う。グループの領域の座標位置の変換後に、画面変換部102は、変換後のグループの領域内に、グループに属するオブジェクトを配置する。画面変換部102は、変換後のグループG1の領域の左上の頂点(図3では、頂点P2′に対応)を原点として、グループG1の領域における各オブジェクトの座標位置にオブジェクトを配置する。以上のように、水平反転後のグループの領域の座標位置に従って、グループに属するオブジェクトの座標位置も移動する。すなわち、グループに属するオブジェクトの座標位置は水平反転するように変換されるが、グループに属するオブジェクトのテキストやアイコンなどの表示内容は反転しない。
【0033】
また、本実施形態では、グループに属する各オブジェクトをグループの領域内で位置の変換を行うこととしてもよい。図4を用いて、グループの領域におけるグループに属する各オブジェクトの位置の変換の一例を説明する。図4は、グループの領域における各オブジェクトの位置の変換の一例を示す図である。図4では、グループG4は、第1画面に含まれるグループであって、グループG4の領域は、実線で示される領域である。グループG4′は、グループG4が変換された第2画面に含まれるグループであって、グループG4′の領域は、実線で示される領域である。オブジェクトT41、T42、T43は、グループG4に属するオブジェクトである。グループG4の領域には、ユーザが設計したレイアウトで配置されたオブジェクトT41~T43が含まれる。また、グループG4′の領域には、画面変換処理後のレイアウトで配置されたオブジェクトT41~T43が含まれる。
【0034】
画面変換部102は、位置変換の対象となるオブジェクトを対象オブジェクトとして、対象オブジェクトの座標位置とオブジェクト変換行列とに基づいて、対象オブジェクトの座標位置を変換する。オブジェクトの座標位置の水平反転の方法は、グループの領域の座標位置の水平反転の方法と同様である。オブジェクト変換行列は、オブジェクトの座標位置を水平反転させるための変換行列である。画面変換部102は、オブジェクトの4隅の座標位置に対して、オブジェクト変換行列との積算を行い、オブジェクトの4隅の座標位置がグループの領域内で水平反転するように変換する。図4で示されるように、第2画面に含まれるグループG4′では、グループG4に属するオブジェクトT41~T43が、グループG4の領域内で水平反転された位置に配置されている。このとき、オブジェクトの座標位置を水平反転するが、オブジェクトのテキストやアイコンなどの表示内容は反転させない。本実施形態では、グループの領域において位置変換の対象となるオブジェクトは、例えば、Backボタン、デジタル時計、ステアリングマーク、HVACの風量設定、温度設定である。
【0035】
ここで、本実施形態に係る画面変換方法が実行される適用例を説明する。例えば、ユーザが、車両が右ハンドル車である場合の右ハンドル車用画面のレイアウト、及び、車両が左ハンドル車である場合の左ハンドル車用画面のレイアウトを設計する場合に、本実施形態に係る画面変換方法が実行される。設計対象が車載装置の操作画面である場合、車両が右ハンドル車か左ハンドル車かに応じて、操作画面に含まれるオブジェクトの配置位置を左右反転させた画面を表示することがあるため、右ハンドル車用画面及び左ハンドル車用画面の両方のレイアウトを設計する必要がある。ここでは、第1画面を左ハンドル車用画面として、第2画面を右ハンドル車用画面とする。ユーザは、左ハンドル車用画面のレイアウトを設計し、入力装置2に左ハンドル車用画面に関する画面情報を入力する。左ハンドル車用画面は、ハンドルの右側に配置される操作画面においてボタンオブジェクトを操作し易いようにボタンオブジェクトが配置された画面である。例えば、当該画面では、乗員による操作頻度の高い機能のオブジェクトが、操作頻度の低い機能のオブジェクトよりも運転者の着座位置に近い位置に配置されている。情報表示のためのテキスト及びアイコンは、操作頻度が低いオブジェクトである。
【0036】
画面変換装置10は、入力された左ハンドル車用画面に関する画面情報に基づいて、左ハンドル車用画面に含まれるオブジェクトのグループの座標位置を水平反転するように変換して、右ハンドル車用画面を生成する。右ハンドル車用画面は、ハンドルの左側に配置される操作画面においてボタンオブジェクトを操作し易いようにボタンオブジェクトが配置された画面である。なお、第1画面を右ハンドル車用画面として、第2画面を左ハンドル車用画面としてもよい。すなわち、ユーザが、右ハンドル車用画面に関する画面情報を入力した場合に、右ハンドル車用画面のレイアウトを反転変換して、左ハンドル車用画面のレイアウトを生成してもよい。
【0037】
以上のように、各操作画面に対して、右ハンドル車用画面及び左ハンドル車用画面それぞれで異なるレイアウトを設計する必要がある場合でも、ユーザが、いずれか一方の画面のレイアウトを設計すれば、他方の画面のレイアウトを自動で生成することができる。これにより、画面設計にかかる費用や工数を削減することができる。
【0038】
図5を用いて、本実施形態に係る第1画面及び第2画面の一例を説明する。図5は、本実施形態に係る第1画面及び第2画面が表示されている編集画面の一例を示す図である。図5では、第1画面のレイアウト設計が完了した後、画面変換装置10が、入力された第1画面に関する画面情報に基づいて、第1画面を第2画面に変換し、変換した結果を編集画面ES上に表示している。編集画面ESの左側の画面は、第1画面S1であって、例えば、左ハンドル車用画面である。編集画面ESの右側の画面は、第2画面S2であって、例えば、右ハンドル車用画面である。第1画面及び第2画面は、オーディオ機能を有する車載装置の操作画面である。両画面には、オブジェクトのグループG1、G2、G3、G4が配置されている。各グループには、当該グループに属するオブジェクトが配置されている。
【0039】
両画面において、画面に含まれるグループと、グループの領域内に配置されるオブジェクトは同じものであるが、各グループの領域が配置されている位置が異なる。すなわち、グループの領域のレイアウトが異なる。例えば、グループG2は、曲選択のためのオブジェクト群を含むグループであって、各曲名を示すボタンオブジェクトが含まれる。また、グループG3は、オーディオ機能以外の機能に関するメニューアイコンなどを含むオブジェクトのグループである。グループG2及びG3は、乗員が高頻度で操作するオブジェクトのグループであるため、他の操作頻度の低い機能のオブジェクトのグループよりも運転者の着座位置に近い位置に配置されている。また、例えば、グループG4に含まれる、前の画面に戻るためのBackボタンを示すオブジェクトT41は、乗員が高頻度で操作するオブジェクトであるため、他の操作頻度の低い機能のオブジェクトよりも運転者の着座位置に近い位置に配置されている。
【0040】
また、本実施形態に係る画面変換方法が実行される適用例としては、右ハンドル車用画面及び右ハンドル車用画面の設計に限らず、他の画面の設計に適用されることとしてもよい。例えば、操作画面の操作者が操作画面に対して左側に位置するか右側に位置するかに応じて異なるレイアウトの操作画面を設計する場合に適用されてもよい。また、運転席にいる操作者のための操作画面、及び、助手席にいる操作者のための操作画面を設計する場合に適用されてもよい。いずれの場合でも、ユーザが、いずれか一方の画面のレイアウトを設計すれば、設計されたレイアウトを水平反転した他方の画面のレイアウトを自動で生成することができる。
【0041】
画面変換部102は、対象グループの座標位置を変換した後、第2画面に関する画面情報を生成する。第2画面に関する画面情報は、第2画面のサイズと、第1画面に含まれるオブジェクトのグループに関する情報とを含む。第2画面のサイズは、第1画面のサイズと同じである。オブジェクトのグループに関する情報は、対象グループの変換後の座標位置を含む。また、オブジェクトのグループに、位置の変換の対象ではない非対象グループが含まれる場合には、オブジェクトのグループに関する情報は、非対象グループの座標位置を含む。また、オブジェクトのグループに関する情報は、グループを識別するための識別情報と、グループに属するオブジェクトに関する情報とを含む。画面変換部は、第1画面に関する画面情報及び第2画面に関する画面情報を記憶装置4に記憶させる。
【0042】
通知部103は、出力装置3を介して、ユーザに提示される警報やメッセージを通知する。例えば、通知部103は、視覚的な警報やメッセージを出力装置3に表示させてもよく、聴覚的な警報やメッセージを出力装置3から出力させてもよい。
【0043】
本実施形態では、通知部103は、第2画面におけるグループ又はグループに属するオブジェクトの座標位置に基づいて、第2画面上においてグループ同士で又はオブジェクト同士で重なる部分があるか否かを判定する。例えば、通知部103は、第2画面に含まれる各グループの領域の4隅の座標位置の位置関係から、第2画面上においてグループ同士で重なる部分があるか否かを判定する。また、通知部103は、グループに属するオブジェクトの4隅の座標位置の位置関係から、第2画面上においてオブジェクト同士で重なる部分があるか否かを判定する。通知部103は、重なる部分があると判定した場合に、重なる部分があることをユーザに通知する。例えば、オブジェクト又はオブジェクトのグループが重なっていることを通知する警報やメッセージを出力装置3に出力させる。例えば、重なっているオブジェクト又はグループを強調表示することにより配置位置の調整を設計者に促してもよい。例えば、オブジェクトの色、線の太さなどの表示態様を変更することによりオブジェクトを強調表示してよい。
【0044】
次に、図6を用いて、本実施形態に係る画面変換方法の制御処理の手順の一例について説明する。図6は、本実施形態に係る画面変換方法の制御処理の手順の一例を示すフローチャート図である。図6では、ユーザが画面設計システムを起動した場合に、コントローラ100は、ステップS101からフローを開始する。ステップS101では、コントローラ100は、第1画面に含まれるオブジェクトに関する情報を取得する。ユーザが、第1画面に配置するオブジェクトに関する情報を入力装置2に入力した場合に、コントローラ100は、入力装置2から、オブジェクトに関する情報を取得する。ステップS102では、コントローラ100は、オブジェクトをグループ化する。ユーザが関連性のあるオブジェクトを同じグループに設定した場合に、コントローラ100は、当該オブジェクトと、当該グループの識別情報とを紐づけて記憶装置4に記憶させる。
【0045】
ステップS103では、コントローラ100は、グループごとに、グループに関する情報を取得する。グループに関する情報は、グループの第1画面における座標位置と、グループの変換要否情報とを含む。ステップS104では、コントローラ100は、第1画面のサイズを取得する。第1画面のサイズは、例えば、第1画面の横幅である。ステップS105では、コントローラ100は、第1画面に含まれるグループの座標位置を変換するための変換行列をグループ変換行列として取得する。変換行列は、座標位置を水平方向に反転変換するための変換行列及び/又は単位行列を含む。ステップS106では、コントローラ100は、グループの第1画面における座標位置を変換する。例えば、コントローラ100は、変換要否情報に基づいて、第1画面に含まれるグループのうち、位置の変換の対象となる対象グループを特定し、対象グループの第1画面における座標位置と、第1画面の横幅を代入した変換行列との積を算出することで、対象グループの第1画面における座標位置を変換する。また、コントローラ100は、変換要否情報に基づいて、第1画面に含まれるグループのうち、位置の変換の対象ではない非対象グループを特定し、非対象グループの第1画面における座標位置と単位行列との積を算出してもよい。すなわち、非対象グループは、位置の変換が行われない。
【0046】
ステップS107では、コントローラ100は、グループ同士が重なっているか否かを判定する。例えば、コントローラ100は、複数のグループの領域の座標位置をそれぞれ比較し、グループの領域が重なっているか否かを判定する。グループ同士が重なっていると判定した場合に、コントローラ100は、ステップS108に進む。グループ同士が重なっていないと判定した場合に、コントローラ100は、ステップS109に進む。ステップS108では、コントローラ100は、ユーザにグループ同士が重なっていることを通知する。ステップS109では、コントローラ100は、第1画面に関する画面情報と、ステップS106で変換したグループの座標位置を含む第2画面に関する画面情報を記憶装置4に記憶させる。
【0047】
なお、図6のフローチャートでは、ステップS108でグループ同士が重なっていることをユーザに通知した後、ステップS102に進み、オブジェクトのグループを設定することとしているが、本実施形態では、グループ同士の重なりを解消するための操作であれば、オブジェクトのグループ化に限らない。例えば、コントローラ100は、ステップS103に進み、ユーザが位置の調整のために再度入力したグループの座標位置を含むグループに関する情報を取得することとしてもよいし、ステップS105に進み、位置の調整のために座標位置を平行移動又は回転移動させる変換行列を取得することとしてもよい。また、編集画面上で、第2画面に含まれるグループの領域の座標位置を直接操作して、グループ同士が重ならないように位置の調整をしてもよい。
【0048】
以上のように、本実施形態に係る画面変換方法及び画面変換装置では、コントローラは、第1画面に含まれるオブジェクトのグループの第1画面における座標位置を取得し、グループごとに、ユーザによって設定された位置変換の対象とするか否かの変換要否情報を取得し、ユーザによって予め定義された、グループの座標位置を変換するためのグループ変換行列を取得し、位置変換の対象となるグループを対象グループとして、対象グループの座標位置とグループ変換行列とに基づいて、対象グループの座標位置を変換する。これにより、ユーザが、画面に含まれるオブジェクトのグループごとに位置の変換の対象とするか否かを選択できる。
【0049】
また、本実施形態に係る画面変換方法及び画面変換装置では、コントローラは、対象グループの変換後の座標位置を含む第2画面に関する画面情報を生成し、第2画面におけるグループ又はグループに属するオブジェクトの座標位置に基づいて、第2画面上においてグループ同士で又はオブジェクト同士で重なる部分があるか否かを判定し、重なる部分があると判定した場合に、重なる部分があることをユーザに通知する。これにより、ユーザは、オブジェクトのグループ又はオブジェクトが重なる部分を発見することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る画面変換方法及び画面変換装置では、コントローラは、第1画面に含まれるグループの座標位置を、第1画面に対して水平方向に反転変換させるためのグループ変換行列を取得する。これにより、オブジェクトのグループの位置が左右反転した画面のレイアウトを設計できる。
【0051】
また、本実施形態に係る画面変換方法及び画面変換装置では、コントローラは、第1画面上でグループに属するオブジェクトが配置されるグループの領域を設定し、グループに属するオブジェクトのグループの領域における座標位置を取得し、グループに属するオブジェクトごとに、ユーザによって設定された、位置変換の対象とするか否かの変換要否情報を取得し、ユーザによって予め定義された、グループの領域内でグループに属するオブジェクトの座標位置を変換するためのオブジェクト変換行列を取得し、位置変換の対象となるオブジェクトを対象オブジェクトとして、対象オブジェクトの座標位置とオブジェクト変換行列とに基づいて、対象オブジェクトの座標位置を変換する。これにより、ユーザが、グループに属するオブジェクトごとに、グループの領域内で位置を変換する対象とするか否かを選択できる。
【0052】
<<第2実施形態>>
第1実施形態では、画面変換装置10が画面設計システム1に適用されるものとして説明したが、これに限らず、画面変換装置10が画面表示システムに適用されるものとしてもよい。以下、図7を用いて、画面変換装置が画面表示システムに備えられる一例を説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る画面変換装置を含む画面表示システムの一例を示す構成図である。図7で示されるように、画面表示システム5は、入力装置2、出力装置3、記憶装置4、画面変換装置10に加えて、さらに、検出装置6を備える。これらの装置は、車両に搭載された車載装置であって、出力装置3のディスプレイに操作画面を表示するために使用されるコンピュータであってもよい。操作画面は、例えば、車載のIVI装置を操作するための画面である。入力装置2、出力装置3、記憶装置4、検出装置6及び画面変換装置10は、たとえばCANその他の車載LANにより接続され、相互に情報の送受信を行うことができる。
【0053】
第2実施形態では、コントローラ100は、機能ブロックとして、さらに、着座位置取得部104と表示制御部105とを備える点で第1実施形態とは異なる。第1実施形態では、画面変換装置10で変換された画面の情報は、記憶装置4に記憶されることとしているが、第2実施形態では、画面変換装置10で変換された画面は、出力装置3を介して、車両の乗員に向けて表示される。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、以下の説明において、第1実施形態と同じ構成及び制御処理については説明を省略するが、省略した説明には、第1実施形態の記載が適宜、援用される。
【0054】
検出装置6は、車両の車内の状況を検出する装置である。車両の車内の状況は、例えば、乗員が着座している着座位置を含む。検出装置6は、例えば、座席における着座状態を検知する着座センサによって構成される。着座センサは、車内の座席ごとに設置され、座席に対して所定値以上の荷重が検出されるか否かによって、オン値又はオフ値を含むセンサ信号を出力する。検出装置6は、着座センサからオン値を含むセンサ信号が出力されている座席を乗員の着座位置として取得する。また、検出装置6は、車両の車内の撮像画像を取得するカメラによって構成されることとしてもよい。検出装置6は、カメラを用いて車両の車内を撮像した撮像画像に対して画像認識処理を実行し、乗員が着座している着座位置を取得する。検出装置によって取得された着座位置の情報は、画面変換装置10に出力される。
【0055】
本実施形態では、コントローラ100は、入力情報取得部101、画面変換部102及び通知部103に加えて、着座位置取得部104と、表示制御部105とを備える。本実施形態では、コントローラ100は、車両の車内にいる乗員の着座位置に基づいて、第1画面と第2画面とで画面表示を切り替える。出力装置3に表示する画面に含まれるオブジェクトのグループの座標位置の変換をするか否かを判定し、座標位置の変換をすると判定した場合には、グループの変換後の座標位置を含む画面情報に基づいて、画面表示を行う。
【0056】
着座位置取得部104は、検出装置6から、車両の車内にいる乗員の着座位置を取得する。着座位置は、例えば、運転席又は助手席である。画面変換部102は、乗員の着座位置に基づいて、グループの座標位置の変換をするか否かを判定する。例えば、本実施形態では、第1画面は、運転席用の画面である。記憶装置4には、予め第1画面に関する画面情報が記憶されている。第2画面は、助手席用の画面である。第2画面は、記憶装置4には予め記憶されておらず、第1画面から変換されて取得される。画面変換部102は、乗員の着座位置に基づいて、乗員の着座位置が助手席である場合には、第1画面に含まれるグループの座標位置の変換をすると判定する。画面変換部102は、乗員の着座位置が運転席である場合には、グループの座標位置の変換をしないと判定する。この場合には、表示制御部105は、記憶装置4に記憶されている第1画面(運転席用の画面)を出力装置3に表示させる。
【0057】
以上のように、本実施形態では、運転席用の画面と助手席用の画面など、レイアウトが異なる画面のうち、いずれか一方の画面に関する画面情報が予め記憶されている。そして、コントローラ100は、乗員の着座位置を取得し、予め記憶されている一方の画面が乗員の着座位置に対応した画面ではない場合には、一方の画面を他方の画面に変換する。例えば、予め記憶されている画面が運転席用の画面で、乗員が助手席にいる場合には、予め記憶されている画面が、乗員の着座位置に対応していないため、コントローラ100は、画面変換処理によって助手席用の画面を生成する。なお、乗員の着座位置は、運転席か助手席かに限らず、出力装置3に対して左側の座席か右側の座席かを判定することとしてもよい。
【0058】
画面変換部102は、グループの座標位置の変換をすると判定した場合には、第1画面に含まれるオブジェクトのグループの座標位置を変換する。変換の具体的な方法は、第1実施形態における変換方法と同様である。
【0059】
表示制御部105は、乗員の着座位置が運転席か助手席かに応じて、第1画面と第2画面とで出力装置3における画面表示の切り替えを行う。表示制御部105は、乗員の着座位置が助手席である場合には、第2画面を出力装置3に表示させる。すなわち、表示制御部105は、画面変換部102によって第1画面から第2画面に変換された場合に、第2画面を表示させる。表示制御部105は、乗員の着座位置が運転席である場合には、記憶装置4から第1画面を取得し、第1画面を出力装置3に表示させる。
【0060】
表示制御部105は、乗員の着座位置が出力装置3に対して左側にあるか右側にあるかの判定結果に応じて、第1画面と第2画面とで出力装置3における画面表示の切り替えを行うこととしてもよい。例えば、第1画面が、乗員の着座位置が出力装置3に対して左側にある場合の画面で、第2画面が、乗員の着座位置が出力装置3に対して右側にある場合の画面とする。表示制御部105は、乗員の着座位置が出力装置3に対して左側にあるか右側にあるかの判定結果に応じて、第1画面及び第2画面のうち、判定結果に対応するほうの画面を表示させる。また、表示制御部105は、車両の車内にいる乗員によって車内の出力装置3の画面表示を切り替える操作があった場合に、第1画面と第2画面とで出力装置3における画面表示の切り替えを行う。
【0061】
次に、図8を用いて、本実施形態に係る表示制御方法の制御処理の手順の一例について説明する。図8は、本実施形態に係る表示制御方法の制御処理の手順の一例を示すフローチャート図である。図8の実施例では、第1画面は、運転席用の画面で、第2画面は、助手席用の画面である。ステップS201では、コントローラ100は、検出装置6から取得した情報に基づいて、乗員が車両の車内で座席に着席したか否かを判定する。乗員が車両の車内で座席に着席したと判定した場合に、コントローラ100は、ステップS202に進む。乗員が車両の車内で座席に着席していないと判定した場合に、コントローラ100は、ステップS201に戻り、以下フローを繰り返す。ステップS202では、コントローラ100は、出力装置3に画面を表示する。このとき表示する画面は、車載装置のホーム画面などの初期画面である。
【0062】
ステップS203では、コントローラ100は、乗員の着座位置を取得する。乗員の着座位置は、検出装置6から取得される。また、乗員の着座位置は、乗員が入力装置2に入力した情報であってもよい。乗員の着座位置は、運転席又は助手席である。ステップS204では、コントローラ100は、グループごとに、グループに関する情報を取得する。グループに関する情報は、グループの第1画面における座標位置とグループの変換要否情報とを含む。ステップS205では、コントローラ100は、第1画面のサイズを取得する。第1画面のサイズは、第1画面の横幅である。ステップS206では、コントローラ100は、第1画面の座標位置を変換するための変換行列をグループ変換行列として取得する。取得される変換行列は、座標位置を水平方向に反転変換するための変換行列及び/又は単位行列を含む。ステップS207では、コントローラ100は、第1画面に含まれるグループの座標位置を変換する。例えば、コントローラ100は、グループの第1画面における座標位置と、第1画面の横幅を代入した変換行列との積を算出することで、グループの第1画面における座標位置を変換する。
【0063】
ステップS208では、コントローラ100は、ステップS203で取得した乗員の着座位置に応じて、出力装置3における画面表示の切り替えを行う。すなわち、コントローラ100は、出力装置3における画面表示を第1画面と第2画面とで切り替える。例えば、コントローラ100は、乗員の着座位置が助手席である場合には、第2画面を表示させる。コントローラ100は、乗員の着座位置が運転席である場合には、第1画面を表示させる。なお、本実施形態では、ステップS203で取得した乗員の着座位置に応じて、ステップS208で、画面表示の切り替えを行うこととしているが、これに限らず、グループの座標位置を変換するか否かの判定に、ステップS203で取得した乗員の着座位置を用いてもよい。すなわち、ステップS207で、コントローラ100は、ステップS203で取得した乗員の着座位置に基づいて、グループの座標位置を変換するか否かを判定して、グループの座標位置を変換すると判定された場合に、グループの座標位置を変換することとしてもよい。
【0064】
ステップS209では、コントローラ100は、乗員による表示切替操作があったか否かを判定する。例えば、コントローラ100は、入力装置2を介して乗員による表示切替操作の入力情報を取得した場合には、乗員による表示切替操作があったと判定する。乗員による表示切替操作があったと判定した場合には、コントローラ100は、ステップS210に進む。乗員による表示切替操作がないと判定した場合には、コントローラ100は、ステップS211に進む。ステップS210では、コントローラ100は、第1画面と第2画面とで出力装置3における画面表示を切り替える。ステップS211では、コントローラ100は、乗員が車両の車内の座席から離席したか否かを判定する。乗員が車両の車内の座席から離席したと判定した場合には、コントローラ100は、ステップS212に進む。ステップS212では、コントローラ100は、出力装置3の画面を非表示にする。乗員が車両の車内の座席から離席していないと判定した場合には、コントローラ100は、ステップS209に戻り、以下フローを繰り返す。
【0065】
以上のように、本実施形態に係る画面変換方法及び画面変換装置では、コントローラは、車両の車内にいる乗員の車内における着座位置を取得し、着座位置が車内の出力装置に対して左側にあるか右側にあるかを判定し、着座位置が出力装置に対して左側にあるか右側にあるかの判定結果に応じて、第1画面と、対象グループの変換後の座標位置を含む第2画面とで出力装置の画面表示を切り替える。これにより、乗員の位置に応じて適した画面を表示できる。
【0066】
また、本実施形態に係る画面変換方法及び画面変換装置では、コントローラは、車両の車内にいる乗員によって車内の出力装置の画面表示を切り替える操作があった場合に、第1画面と、対象グループの変換後の座標位置を含む第2画面とで出力装置の画面表示を切り替える。これにより、乗員の選択に合った画面を表示できる。
【0067】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0068】
10…画面変換装置
100…コントローラ
101…入力情報取得部
102…画面変換部
103…通知部
104…着座位置取得部
105…表示制御部
2…入力装置
3…出力装置
4…記憶装置
6…検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8