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特開2024-126589クーポンシート、クーポンシート連続体およびクーポン管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126589
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】クーポンシート、クーポンシート連続体およびクーポン管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0211 20230101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q30/0211
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035057
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【弁理士】
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】緒方 哲治
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】クーポンシートの送付元で、クーポンシートの送付に用いるダイレクトメールの開封状況を確認できるようにする。
【解決手段】クーポンシート1の送付元で、クーポンシート1の送付に用いるダイレクトメールの開封状況を確認できるよう、クーポンシート1には、クーポンシート1の送付先ごとにユニークな情報を含ませた受取コード11と、この送付先に与える特典を示す情報を含ませた1つまたは複数のクーポンコード12を含むコードセット10それぞれを光学式読取りコードの形態で印刷している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送付先ごとにユニークな受取コードと、送付先に与える特典を示す情報を含ませた1つまたは複数のクーポンコードを含むコードセットを印刷したことを特徴とするクーポンシート。
【請求項2】
前記受取コードと前記クーポンコードそれぞれを光学式読取りコードの形態で印刷したことを特徴とする、請求項1に記載したクーポンシート。
【請求項3】
表紙片、中紙片および裏紙片がこの順で連接し、前記表紙片に送付先を印刷し、前記中紙片または前記裏紙片に、光学式読取りコードの形態の前記受取コードと光学式読取りコードの形態の前記クーポンコードを印刷し、三つ折りして糊付けすることで封書形態に形成可能に構成したことを特徴とする、請求項2に記載したクーポンシート。
【請求項4】
送付先ごとにユニークな情報を含ませた受取コードと、送付先に与える特典を示す情報を含ませた1つまたは複数のクーポンコードを含むコードセットを印刷した複数のクーポンシートを連接させたことを特徴とするクーポンシート連続体。
【請求項5】
前記受取コードと前記クーポンコードそれぞれを光学式読取りコードの形態で前記クーポンシートに印刷したことを特徴とする、請求項4に記載したクーポンシート連続体。
【請求項6】
表紙片、中紙片および裏紙片がこの順で連接し、前記表紙片に送付先を印刷し、前記中紙片または前記裏紙片に、光学式読取りコードの形態の前記受取コードと光学式読取りコードの形態の前記クーポンコードを印刷し、三つ折りして糊付けすることで封書形態に形成可能に前記クーポンシートを構成したことを特徴とする、請求項5に記載したクーポンシート連続体。
【請求項7】
送付先ごとにユニークな情報を含ませた受取コードと、送付先に与える特典を示す情報を含ませた1つまたは複数のクーポンコードを含むコードセットを印刷したクーポンシートと、前記受取コードを入力するユーザ機器と、前記クーポンシートに印刷した前記コードセットを前記クーポンシートごとに記憶しているクーポン管理装置を含み、
前記ユーザ機器は、前記ユーザ機器に入力された前記受取コードを前記クーポン管理装置へ送信し、前記クーポン管理装置は、前記ユーザ機器から送信された前記受取コードを含む前記コードセットを有効にする処理を実行する、
ことを特徴とするクーポン管理システム。
【請求項8】
前記クーポンコードを入力する決済機器を含み、前記決済機器は、前記決済機器に入力された前記クーポンコードを前記クーポン管理装置へ送信し、前記クーポン管理装置は、前記決済機器が送信した前記クーポンコードを含む前記コードセットが有効であるか否かを確認することを特徴とする、請求項7に記載したクーポン管理システム。
【請求項9】
前記受取コードと前記クーポンコードそれぞれを光学式読取りコードの形態で前記クーポンシートに印刷し、前記ユーザ機器は、光学式読取りコードの形態の前記受取コードを読み取る機能を備え、前記決済機器は、光学式読取りコードの形態の前記クーポンコードを読み取る機能を備えていることを特徴とする、請求項8に記載したクーポン管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つまたは複数のクーポン券を設けたクーポンシートに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
商品などの販売促進に用いる媒体として、顧客に特典を与えるクーポン券が以前より利用されている。クーポン券の形態には、チケットや紙幣などにサイズを合わせた紙片状の形態もあるが、一つまたは複数のクーポン券を設けたシート状の形態もある。例えば、特許文献1では、複数のクーポン券それぞれを分離可能に設けたクーポンシート(情報通知シート)が開示されている。特許文献1で開示されたクーポンシート(情報通知シート)は、複数のクーポン券それぞれを分離可能に設けた裏紙片に加えて、送付先を印刷した表紙片と中紙片を備える。送付先を印刷した表紙片の面が表面になり、クーポン券を印刷した裏紙片の面が裏面になるようにクーポンシート(情報通知シート)をZ状に折り畳むことで、特許文献1で開示されたクーポンシート(情報通知シート)を郵送はがきの形態に形成できる。
【0003】
クーポン券の識別に用いる情報などをエンコードした光学式読取りコードをクーポン券に印字することもある。クーポン券に印字した光学式読取りコードは、POS(Point of Sales)端末またはスマートフォンなどの携帯情報端末によって読み取られる。特許文献1で開示された発明では、クーポンシート(情報通知シート)に設けたそれぞれのクーポン券の裏に、クーポン券の種別や内容を識別するための光学式読取りコード(バーコード)を印刷している。また、特許文献2で開示された発明では、チラシ状のクーポン券の認証に用いる認証情報をエンコードした光学式読取りコード(2次元コード)をクーポン券に印刷している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-10882号公報
【特許文献2】特開2011-145997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つまたは複数のクーポン券を設けたシート媒体であるクーポンシートをダイレクトメールで顧客に送付する場合、クーポンシートの送付元で、クーポンシートの送付に用いたダイレクトメールの開封状況を確認したいことがある。そこで、本発明では、クーポンシートの送付元で、クーポンシートの送付に用いるダイレクトメールの開封状況を確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する第1発明は、送付先ごとにユニークな情報を含ませた受取コードと、送付先に与える特典を示す情報を含ませた1つまたは複数のクーポンコードを含むコードセットを印刷したことを特徴とするクーポンシートである。第1発明では、前記受取コードと前記クーポンコードそれぞれを機械読み取りできるように、前記受取コードと前記クーポンコードそれぞれを光学式読取りコードの形態でクーポンシートに印刷することが望ましい。更に、第1発明では、三つ折りした封書形態に形成できるように、表紙片、中紙片および裏紙片がこの順で連接し、前記表紙片に送付先を印刷し、前記中紙片または前記裏紙片に、光学式読取りコードの形態の前記受取コードと光学式読取りコードの形態の前記クーポンコードを印刷し、三つ折りして糊付けすることで封書形態に形成可能にクーポンシートを構成することが望ましい。
【0007】
更に、上述した課題を解決する第2発明は、送付先ごとにユニークな情報を含ませた受取コードと、送付先に与える特典を示す情報を含ませた1つまたは複数のクーポンコードを含むコードセットを印刷した複数のクーポンシートを連接させたことを特徴とするクーポンシート連続体である。第2発明では、前記受取コードと前記クーポンコードそれぞれを機械読み取りできるように、前記受取コードと前記クーポンコードそれぞれを光学式読取りコードの形態で前記クーポンシートに印刷することが望ましい。更に、第2発明では、三つ折りした封書形態に形成できるように、表紙片、中紙片および裏紙片がこの順で連接し、前記表紙片に送付先を印刷し、前記中紙片または前記裏紙片に、光学式読取りコードの形態の前記受取コードと光学式読取りコードの形態の前記クーポンコードを印刷し、三つ折りして糊付けすることで封書形態に形成可能に前記クーポンシートを構成することが望ましい。
【0008】
更に、上述した課題を解決する第3発明は、送付先ごとにユニークな情報を含ませた受取コードと、送付先に与える特典を示す情報を含ませた1つまたは複数のクーポンコードを含むコードセットを印刷したクーポンシートと、前記受取コードを入力するユーザ機器と、前記クーポンシートに印刷した前記コードセットを前記クーポンシートごとに記憶しているクーポン管理装置を含み、前記ユーザ機器は、前記ユーザ機器に入力された前記受取コードを前記クーポン管理装置へ送信し、前記クーポン管理装置は、前記ユーザ機器から送信された前記受取コードを含む前記コードセットを有効にする処理を実行することを特徴とするクーポン管理システムである。第3発明では、前記クーポンシートを受け取った顧客に送付した前記クーポンコードのみを利用できるように、前記クーポンコードを入力する決済機器を含ませ、前記決済機器は、前記決済機器に入力された前記クーポンコードを前記クーポン管理装置へ送信し、前記クーポン管理装置は、前記決済機器が送信した前記クーポンコードを含む前記コードセットが有効であるか否かを確認することが好適である。また、第3発明では、前記受取コードと前記クーポンコードそれぞれを機械読み取りできるように、前記受取コードと前記クーポンコードそれぞれを光学式読取りコードの形態で前記クーポンシートに印刷し、光学式読取りコードの形態の前記受取コードを読み取る機能を前記ユーザ機器に備えさせ、光学式読取りコードの形態の前記クーポンコードを読み取る機能を前記決済機器に備えさせることが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本願で開示する発明では、クーポンシートの送付元で、クーポンシートの送付に用いるダイレクトメールの開封状況を確認できるよう、送付先ごとにユニークな情報を含ませた受取コードと、送付先に与える特典を示す情報を含ませた1つまたは複数のクーポンコードを含むコードセットをクーポンシートに印刷している。クーポンシートに印刷した受取コードをダイレクトメールの送付元で取得できれば、クーポンシートの送付元で、クーポンシートの送付に用いたダイレクトメールを開封した顧客と、この顧客に与えたクーポンコードをそれぞれ特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るクーポンシートを示す図。
図2】封書形態のクーポンシートを示した図。
図3】縦長のクーポンシートを示した図。
図4】クーポンシートの製造工程を説明する図。
図5】クーポンシート連続体を示した図。
図6】クーポン管理システムの構成を説明する図。
図7】クーポン管理システムで実行される処理フローを示した図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここから、本発明に係る実施形態について記載する。本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものである。本発明は、本実施形態に限定されるものではない。また、特に断りのない限り、図面は、本発明の理解を容易にするために描かれた模式的な図である。
【0012】
図1は、実施形態に係るクーポンシート1を示す図である。本願で開示するクーポンシート1は、クーポンをダイレクトメールで顧客に送付するときに用いるシート状の媒体である。本願で開示するクーポンシート1には、本願の課題を解決できるように、送付先ごとにユニークな情報を含ませた受取コード11と、送付先に与える特典を示す情報を含ませた1つまたは複数のクーポンコード12を含むコードセット10を印刷している。
【0013】
コードセット10に含ませる受取コード11とは、クーポンシート1の送付に用いたダイレクトメールの開封状況の確認に用いるコードである。クーポンシート1の送付に用いたダイレクトメールを開封した顧客を特定できるように、受取コード11は、クーポンシート1の送付先ごとにユニークな情報を含んでいる。クーポンシート1の送付先ごとにユニークな情報としては、個々の送付先を識別するために送付先に割り当てたシリアル番号を利用できる。会員制サービスに加入している顧客に対して、クーポンシート1を送付する場合、送付先ごとにユニークな情報として、会員制サービスの会員番号を利用できる。
【0014】
コードセット10に含ませるクーポンコード12とは、クーポンシート1の送付先となる顧客に与える特典(例えば、割引率)を示す情報を含む。特典を示す情報に加えて、クーポンコード12の有効期限またはクーポンコード12を使用できる店舗を示す情報をクーポンコード12に含ませることができる。クーポンシート1に印刷するクーポンコード12は、クーポンシート1ごとに共通でもよいが、クーポンシート1の送付先となる顧客に適したクーポンコード12をクーポンシート1に印刷することが望ましい。
【0015】
図1で示したクーポンシート1では、クーポンコード12を機械読み取りできるように、光学式読取りコードの形態でクーポンコード12をクーポンシート1に印刷している。光学式読取りコードとは、光学式に機械読取り可能なコードを意味する。光学式読取りコードとしては、1次元のバーコード、2次元コード、カラーバーコードなどがある。
【0016】
本実施形態では、受取コード11を少なくともエンコードした光学式読取りコードを第1光学式読取りコード110と呼んでいる。図1で示した通り、本実施形態では、第1光学式読取りコード110に2次元コードを利用している。受取コード11をエンコードする第1光学式読取りコード110には、受取コード11以外の情報をエンコードできる。例えば、受取コード11と、受取コード11の送信先となるサーバのアドレス(例えば、URL: Uniform Resource Locator)を第1光学式読取りコード110にエンコードできる。また、本実施形態では、クーポンコード12をエンコードした光学式読取りコードを第2光学式読取りコード120と呼び、第2光学式読取りコード120に1次元のバーコードを利用している。
【0017】
受取コード11をエンコードした第1光学式読取りコード110を読み取る機器は、クーポンシート1を受けった顧客が所持し、第1光学式読取りコード(ここでは、2次元コード)の読み取り機能を備えたユーザ機器になる。第1光学式読取りコード(ここでは、2次元コード)の読み取り機能を有するユーザ機器としては、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどの携帯情報端末がある。
【0018】
クーポンコード12をエンコードした第2光学式読取りコード120(ここでは、バーコード)を読み取る機器は、クーポンコード12がエンコードされた第2光学式読取りコード120(ここでは、バーコード)の読み取り機能を備えた決済機器になる。クーポンコード12を利用できる店舗が実店舗の場合、クーポンコード12の読み取りに用いる決済機器は、POS端末(POS: Point of Sales)になる。また、クーポンコード12を利用できる店舗が仮想店舗の場合、クーポンコード12の読み取りに用いる決済機器は、上述したユーザ機器になる。
【0019】
クーポンシート1に印刷したコードセット10をクーポンシート1の送信元で管理し、上述したクーポンシート1を顧客に送付することで、クーポンシート1の送信元側では、クーポンシート1の送信元に送信された受取コード11を利用して、クーポンシート1を受け取り開封した顧客を確認できる。クーポンシート1の送信元に送信された受取コード11を含むコードセット10をクーポンシート1の送信元側で有効にすれば、クーポンシート1の送信元に受取コード11を送信した顧客に対してのみ、クーポンシート1に印刷したクーポンコード12の利用を許可できる。
【0020】
クーポンシート1に印刷するクーポンコード12は、クーポンコード12を使用するときに読み取られるコードになる。クーポンシート1の送信元において、クーポンコード12を含むコードセット10が有効であるか否かを確認したいとき、クーポンコード12からクーポンコード12を含むコードセット10を特定できなければならない。コードセット10を識別する情報をクーポンコード12に含ませることで、この情報を検索キーとして、クーポンコード12を含むコードセット10を検索できる。また、クーポンコード12をユニークな情報にすれば、クーポンコード12を検索キーとして、クーポンコード12を含むコードセット10を検索できる。
【0021】
図1で示したクーポンシート1は、封書形態に形成可能な構成になっている。具体的に、図1で示したクーポンシート1は、三つ折りできるように、表紙片14、中紙片15および裏紙片16をこの順で連接した構成になっている。ここで、封書形態とは、複数の紙片が重ね合わされて剥離可能に接着されている形態を意味する。
【0022】
図1で示したクーポンシート1において、受取コード11をエンコードした第1光学式読取りコード110を印刷した紙片は中紙片15である。図1で示したクーポンシート1の中紙片15には、第1光学式読取りコード110に加えて、クーポンシート1の案内文172を印刷している。また、中紙片15から裏紙片16にかけて、キャラクタ―絵柄173と、クーポンシート1の使い方を示す文書174を印刷している。
【0023】
図1で示したクーポンシート1において、クーポンコード12をエンコードした第2光学式読取りコード120を印刷した紙片は裏紙片16になる。図1で示したクーポンシート1では、第2光学式読取りコード120を含む3つのクーポン券13を、裏紙片16の側辺に沿って1列に並べた状態で印刷している。クーポン券13はクーポンシート1から切り離して使用されることが多いため、クーポン券13を切り取るためのミシン目線130を、クーポン券13を印刷する紙片(ここで、裏紙片16)に加工している。
【0024】
実施形態では、クーポンシート1を郵送により顧客に届けることを想定している。このため、クーポンシート1の表紙片14には、クーポンシート1の送付先170と、別納郵便のマーク171を印刷している。なお、図1で図示していないクーポンシート1の面は無地でもよいが、この面に、キャンペーンの詳細などの情報を印刷してもよい。
【0025】
図2は、封書形態のクーポンシート2を示した図である。実施形態では、封書形態のクーポンシート2を顧客に送付する。図2の上図で示した通り、クーポンシート1を三つ折り(例えば、Z折り)して、表紙片14と中紙片15および中紙片15と裏紙片16それぞれを開封可能に接着することで、図2の下図で示した通り、一枚のクーポンシート1を封書形態のクーポンシート2を形成できる。図2では、クーポンシート1の送付先170などを印刷した表紙片14の面が表に向き、第1光学式読取りコード110と第1光学式読取りコード120を隠蔽するように、クーポンシート1を三つ折りしている。これは、受取コード11などのコードの不正使用を防止するためである。なお、クーポンシート1を容易に三つ折りできるように、中紙片15の幅(連接方向の長さ)を他の紙片(表紙片14と裏紙片16)よりも若干長くすることが好適である。
【0026】
当然のことながら、クーポンシート1のデザインは図1のデザインに限定されない。図1で示したクーポンシート1は横長になっているが、クーポンシート1を縦長にもできる。また、図1では、クーポンコード12をエンコードした第2光学式読取りコード120を含む3つのクーポン券13をクーポンシート1に印刷しているが、クーポンシート1に印刷するクーポン券13の数は任意でよい。裏紙片16の全面を利用して、行列状に配置したクーポン券13を印刷してもよい。
【0027】
図3では、縦長のクーポンシート1aを示した図である。図3で示した縦長のクーポンシート1aの表紙片14a、中紙片15aおよび裏紙片16aそれぞれは縦長になっている。図3で示した縦長のクーポンシート1aにおいても、受取コード11をエンコードした第1光学式読取りコード110を中紙片15aに印刷している。図3で示したクーポンシート1aの裏紙片16aの全面を利用して、クーポンコード12をエンコードした第1光学式読取りコード120を含む8個のクーポン券13aが印刷されている。
【0028】
なお、顧客に送付するときのクーポンシート1の形態は封書形態に限定されない。三つ折り(例えば、Z折り)して折り畳んだクーポンシート1を封筒に封入して顧客に送付してもよい。また、クーポンシート1を圧着ハガキの形態で顧客に送付することもできる。
【0029】
クーポンシート1の素材は、クーポンシート1の形態などに依存して決定できる。クーポンシート1を封書形態で顧客に送付することを考えると、80g/m~105g/m程度の用紙がクーポンシート1に適している。また、クーポンシート1の素材は、圧着ハガキに使用する特殊用紙であってもよい。
【0030】
ここから、クーポンシート1の製造工程について説明する。図4は、クーポンシート1の製造工程を説明する図である。
【0031】
実施形態に係るクーポンシート1の製造工程の最初の工程は、クーポンシート1の製造会社4がバリアブル印刷機40を用いて、複数のクーポンシート1を連ねたクーポンシート連続体3を製造する工程である。バリアブル印刷機40をクーポンシート連続体3の印刷に用いるのは、クーポンシート連続体3に含ませるクーポンシート1ごとに印刷内容を変更できるからである。
【0032】
図5は、クーポンシート連続体3を示した図である。上述した通り、クーポンシート連続体3は、それぞれ異なる内容を印刷した複数のクーポンシート1を連ねた形態をなしている。バリアブル印刷機40をクーポンシート連続体3の印刷に用いることで、図5で示したクーポンシート連続体3では、クーポンシート連続体3に含ませるクーポンシート1ごとに、表紙片14に印刷する送付先170を変えている。また、図5で図示したクーポンシート連続体3では、クーポンシート連続体3に含ませるクーポンシート1ごとに、中紙片15に印刷する第1光学式読取りマーク110にエンコードする受取コード11を送付先170に応じたコードできる。更に、図5で図示したクーポンシート連続体3では、第2光学式読取りコード120にエンコードするクーポンコード12を、クーポンシート1の送付先170となる顧客に適したクーポンコード12にできる。
【0033】
クーポンシート連続体3に含まれる1枚のクーポンシート1に印刷した受取コード11と1つまたは複数のクーポンコード12を含むコードセット10は、クーポンシート1の送付元が利用する情報になる。そこで、クーポンシート連続体3の製造会社4は、クーポンシート1の製造に用いたコードセット10を、クーポンシート1の送付元が管理する装置であるクーポン管理装置50へ送信し、クーポン管理装置50にコードセット10を登録する。
【0034】
バリアブル印刷機40によりクーポンシート連続体3を製造した後に実施する工程は、接着させる箇所に相当する外周に糊付けし、クーポンシート連続体3を三つ折り加工する工程である。クーポンシート連続体3に付ける糊は再剥離接着剤にすることができる。再剥離接着剤ではない糊を用いる場合、クーポンシート連続体3に含ませるクーポンシート1に糊を付ける余白を設けることが望ましい。クーポンシート連続体3を三つ折りした後に実施する工程は、三つ折りしたクーポンシート連続体3をクーポンシート1の単位で断裁する工程である。三つ折りしたクーポンシート連続体3をクーポンシート1の単位で断裁することで、封書形態のクーポンシート2が製造される。封書形態のクーポンシート2は、表紙片14に印刷された送付先170へ送付される。
【0035】
ここから、本願で開示するクーポンシート1を利用するクーポン管理システム5について説明する。図6は、クーポン管理システム5の構成を説明する図である。図6で図示したクーポン管理システム5は、上述したクーポンシート1と、クーポンシート1に印刷された第1光学式読取りコード110を読み取る機能を備え、第1光学式読取りコード110にエンコードされた受取コード11が入力されるユーザ機器51と、受取コード11と1つまたは複数のクーポンコード12を含むコードセット10を記憶するクーポン管理装置50を含む。図6で示したクーポン管理システム5には、クーポンコード12がエンコードされた第2光学式読取りコード120を読み取る機能を備え、第2光学式読取りコード120にエンコードされたクーポンコード12が入力される決済機器52(図6では、POS端末)を含ませている。ユーザ機器51と決済機器52は、ネットワーク6を介して、クーポン管理装置50と接続している。
【0036】
図7では、クーポン管理システム5で実行される処理フローを示している。クーポン管理装置50は、クーポンシート1の製造会社4からコードセット10が送信される装置になる。クーポンシート1の製造会社4は、封書形態のクーポンシート2を製造すると(ステップS1)、クーポンシート1の製造に用いたコードセット10すべてをクーポン管理装置50へ送信する(ステップS2)。クーポン管理装置50は、クーポンシート1の製造会社4から送信されたコードセット10を記憶する(ステップS3)。
【0037】
クーポンシート1の製造会社4が製造した封書形態のクーポンシート2は、クーポンシート1の表紙片14に印刷した送付先170へ送付される。封書形態のクーポンシート2を受け取った顧客は、封書形態のクーポンシート2を開封し、クーポンシート1に印刷されたクーポンコード12を使用する場合、クーポンシート1に印刷されている受取コード11をユーザ機器51により読み取らせる(ステップS4)。受取コード11を読み取ったユーザ機器51は、受取コード11をクーポン管理装置50へ送信する(ステップS5)。受取コード11の送信先となるクーポン管理装置50のアドレスは、受取コード11をエンコードする第1光学式読取りコード110に含ませることができる。また、ユーザ機器51にインストールしたアプリケーションを利用して受取コード11を読み取る場合、ユーザ機器51にインストールしたアプリケーションに、クーポン管理装置50のアドレスを記憶させることができる。
【0038】
ユーザ機器51から受取コード11が送信されたクーポン管理装置50は、ユーザ機器51から送信された受取コード11を含むコードセット10を検索し、このコードセット10を有効化する(ステップS6)。例えば、ユーザ機器51から受取コード11が送信されたクーポン管理装置50は、ユーザ機器51から送信された受取コード11を含むコードセット10に有効を示すフラグを付与する。本実施形態では、有効化したコードセット10に含まれるすべてのクーポンコード12が有効になる。
【0039】
クーポンシート1に印刷されたクーポンコード12を実店舗で使用する場合、顧客は、実店舗で使用するクーポンコード12を含むクーポン券13をクーポンシート1から切り取り、このクーポン券13を実店舗の店員に渡して、クーポン券13に含まれる第2光学式読取りコード120を決済機器52に読み取らせる(ステップS7)。クーポンコード12を読み取った決済機器52は、第2光学式読取りコード120をデコードして得られたクーポンコード12をクーポン管理装置50へ送信する(ステップS8)。
【0040】
決済機器52からクーポンコード12が送信されたクーポン管理装置50は、決済機器52から送信されたクーポンコード12を含むコードセット10が有効であるか確認し、クーポンコード12の有効確認結果を決済機器52へ送信する(ステップS9)。決済機器52は、クーポンコード12の有効確認結果により有効が示される場合のみ、クーポンコード12で示される特典を顧客に与える処理を実行する(ステップS10)。
【符号の説明】
【0041】
1 クーポンシート
10 コードセット
11 受取コード
110 第1光学式読取りコード
12 クーポンコード
120 第2光学式読取りコード
13 クーポン券
14 表紙片
15 中紙片
16 裏紙片
2 封書形態のクーポンシート
3 クーポンシート連続体
4 製造会社
5 クーポン管理システム
50 クーポン管理装置
51 ユーザ機器
52 決済機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7