(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126591
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20240912BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20240912BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240912BHJP
【FI】
G06T19/00 300B
A63F13/52
A63F13/55
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035059
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 聡士
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA11
5B050BA12
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA04
5B050DA05
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA19
5B050FA05
5B050FA10
(57)【要約】
【課題】仮想空間においてユーザの興趣性を向上させる。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを、第1仮想空間を生成する第1生成手段と、マップ、又は、オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が前記第1仮想空間と共通する第2仮想空間を生成する第2生成手段と、前記第1仮想空間に所属する第1アバターが第1行動可能に制御する第1制御手段と、前記第2仮想空間に所属する第2アバターが第2行動可能に制御する第2制御手段と、前記第1アバター、及び、前記第2アバターを含むアバターの所属を決定する決定手段と、前記第2アバターを操作するユーザ以外の操作に基づき、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更する変更手段として機能させる。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1仮想空間を生成する第1生成手段と、
マップ、又は、オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が前記第1仮想空間と共通する第2仮想空間を生成する第2生成手段と、
前記第1仮想空間に所属する第1アバターが第1行動可能に制御する第1制御手段と、
前記第2仮想空間に所属する第2アバターが第2行動可能に制御する第2制御手段と、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターを含むアバターの所属を決定する決定手段と、
前記第2アバターを操作するユーザ以外の操作に基づき、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更する変更手段として機能させるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記第2行動を制限する制限手段として更に機能させるプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
定期的に、前記第1アバター、又は、前記第2アバターの所属を変更するか否かを判断する
プログラム。
【請求項4】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
前記第2アバターの所属を変更する前に、前記第1仮想空間、及び、前記第2仮想空間とは異なる仮想空間に前記第2アバターを所属させるように変更する
プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
前記第2アバターを操作するユーザ以外の他のユーザ、又は、管理者を含む指定人が指定する前記第2アバターを、所属を変更する変更対象にする
プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記変更対象に対して、所定期間内になされた評価結果に基づき、前記第2アバターの所属を変更するか否かを判断する第1判断手段として更に機能させる
プログラム。
【請求項7】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターの数に基づき、前記第2アバターの所属を変更するか否かを判断する
プログラム。
【請求項8】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターに対する複数の評価による評価結果に基づき、所属を変更するか否かを判断する
プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記複数の評価とは別に、特別権限が設定され、
前記変更手段は、
前記特別権限による特別評価に基づき、前記第1アバター、又は、前記第2アバターの所属を変更する
プログラム。
【請求項10】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
所属を変更するか否かの検討対象にする前記第2アバターが与えられた課題を達成したか否かに応じて前記第2アバターの所属を変更する
プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記課題は、課題期間が設定され、
前記変更手段は、
前記課題期間に行う前記第2アバターの前記第2行動に対する評価結果に基づき、前記第2アバターの所属を変更する
プログラム。
【請求項12】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記第1アバター、又は、前記第2アバターの所属を変更した後、試行期間内になされた前記第1アバター、又は、前記第2アバターに対する評価結果に基づき、前記第1アバター、若しくは、前記第2アバターの所属の変更を取り消す、又は、前記第1アバター、若しくは、前記第2アバターの所属の変更を確定させる判断をする第2判断手段として更に機能させる
プログラム。
【請求項13】
第1仮想空間を生成する第1生成手段と、
マップ、又は、オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が前記第1仮想空間と共通する第2仮想空間を生成する第2生成手段と、
前記第1仮想空間に所属する第1アバターが第1行動可能に制御する第1制御手段と、
前記第2仮想空間に所属する第2アバターが第2行動可能に制御する第2制御手段と、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターを含むアバターの所属を決定する決定手段と、
前記第2アバターを操作するユーザ以外の操作に基づき、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更する変更手段と
を備える情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置、及び、前記情報処理装置と接続するユーザ端末を有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
第1仮想空間を生成する第1生成手段と、
マップ、又は、オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が前記第1仮想空間と共通する第2仮想空間を生成する第2生成手段と、
前記第1仮想空間に所属する第1アバターが第1行動可能に制御する第1制御手段と、
前記第2仮想空間に所属する第2アバターが第2行動可能に制御する第2制御手段と、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターを含むアバターの所属を決定する決定手段と、
前記第2アバターを操作するユーザ以外の操作に基づき、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更する変更手段とを備える
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームを遊ぶ場合において、ゲームを開始する前に、ユーザのゲームにおける能力に合ったゲームの難易度を設定する技術が知られている。
【0003】
具体的には、ゲームを開始する前に、ユーザのゲームにおける能力を把握するためのゲームを行う。このゲームの結果に基づき、ユーザのゲームにおける能力を把握して、ゲームレベルを設定する技術が知られている(例えば、特許文献1等である)。
【0004】
ほかにも、ゲームデータ、及び、ゲームレベルごとに対応付けする条件を事前に記憶手段が記憶する。そして、各ゲームデータに適合する条件を読み出し、各条件に基づいて、ゲームレベルが決定される。このようにして、簡単、かつ、適切にゲームレベルを選択する技術が知られている(例えば、特許文献2等である)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-135231号公報
【特許文献2】特許第4150577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の技術は、仮想空間においてユーザの興趣性を向上できない。
【0007】
本発明は、仮想空間においてユーザの興趣性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するため、プログラムは、
コンピュータを、
第1仮想空間を生成する第1生成手段と、
マップ、又は、オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が前記第1仮想空間と共通する第2仮想空間を生成する第2生成手段と、
前記第1仮想空間に所属する第1アバターが第1行動可能に制御する第1制御手段と、
前記第2仮想空間に所属する第2アバターが第2行動可能に制御する第2制御手段と、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターを含むアバターの所属を決定する決定手段と、
前記第2アバターを操作するユーザ以外の操作に基づき、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更する変更手段として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仮想空間においてユーザの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るシステムの概要を示す図である。
【
図3】ユーザ端末の一例であるHMDセットのハードウェア構成図である。
【
図4】ユーザ端末の他の例であるタブレット端末のハードウェア構成図である。
【
図6】仮想空間において視界領域をX方向から見たYZ断面を表す図である。
【
図7】仮想空間において視界領域をY方向から見たXZ断面を表す図である。
【
図10】第1仮想空間、及び、第2仮想空間の生成例を示す図である。
【
図11】マップ、及び、オブジェクトの例を示す図である。
【
図12】リストを用いた評価用のインタフェース例を示す図である。
【
図13】アバターが接近状態における評価用のインタフェース例を示す図である。
【
図16】全体処理を実現するシーケンスを示す図である。
【
図19】第2実施形態における所属の変更前の例を示す図である。
【
図20】第2実施形態における指定による変更例を示す図である。
【
図21】第2実施形態における全体処理例を示す図である。
【
図22】第2実施形態における全体処理を実現するシーケンスを示す図である。
【
図23】第2実施形態における機能構成例を示す図である。
【
図24】第3実施形態におけるイベントの発生例を示す図である。
【
図25】第3実施形態における全体処理例を示す図である。
【
図26】第3実施形態における全体処理を実現するシーケンスを示す図である。
【
図27】第3実施形態における機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
[第1実施形態]
【0013】
[システム1の概要]
図1は、本実施形態に係るシステム1の概要を示す図である。例えば、
図1に示すように、システム1は、ユーザ端末20A、20B、20C(以下、これらを総称して、「ユーザ端末20」と表記することがある。)と、サーバ10とを主に備える。
【0014】
以下、サーバ10を操作する者を「管理者3」という。また、ユーザ端末20A、20B、及び、20Cを操作するそれぞれの者を「ユーザ4A、4B、4C」(以下、これらを総称して、「ユーザ4」と表記することがある。)という。
【0015】
管理者3は、システム1による情報処理サービスを運営する役割の者である。一方で、ユーザ4は、システム1による情報処理サービスを利用する者である。また、管理者3、及び、ユーザ4は、管理装置の例であるサーバ10、又は、ユーザ端末20のどちらの情報処理装置を操作するかが異なる。
【0016】
なお、
図1に示す例は、ユーザ端末20が3つ、かつ、サーバ10が1つの例であるが、サーバ10の台数、ユーザ端末20の台数、管理者3の人数、及び、ユーザ4の人数は問わない。
【0017】
サーバ10、及び、ユーザ端末20は、通信ネットワーク2を介して相互通信可能に接続する。例えば、通信ネットワーク2は、インターネット、移動体通信システム(例えば、4G(4th Generation、第4世代移動通信規格)、又は、5G(5th Generation、第5世代移動通信規格)等による公衆回線である。)、Wi-Fi(登録商標)等の無線ネットワーク、又は、これらの組み合わせである。
【0018】
システム1は、サーバ10が提供する共通の仮想空間を、複数のユーザ端末20A乃至20Cを操作するユーザ4に体験させるためのシステムである。より詳細には、ユーザ端末20は、ユーザに関連付けられたユーザキャラクタ(以下、「アバター」と表記することがある。)を仮想空間に配置し、予め設定された視点から仮想空間を見た画像をユーザ端末20に表示させる。
【0019】
また、ユーザ端末20は、仮想空間内のアバターを予め設定した設定視点から撮像して、設定視点映像を生成する。また、ユーザ端末20は、生成した設定視点映像を編集して視聴映像を生成し、生成した視聴映像をサーバ10にアップロードする。さらに、ユーザ端末20は、サーバ10から視聴映像をダウンロードしてユーザに視聴させる。
【0020】
以下、アバターを動作させるためのユーザ端末20を「プレイ端末」と表記し、設定視点映像を編集するためのユーザ端末20を「編集端末」と表記し、視聴映像を視聴するためのユーザ端末20を「視聴端末」と表記することがある。
【0021】
なお、プレイ端末、編集端末、及び、視聴端末は、同一の端末でもよいし、異なる端末でもよい。例えば、プレイ端末としてはHMD(Head Mounted Display、ヘッドマウンテッドディスプレイ)セットが好適であり、編集端末としてはラップトップ型コンピュータ又はデスクトップコンピュータが好適であり、視聴端末としてはタブレット端末又はスマートフォンが好適である。但し、各端末の具体的な形態は、前述の例に限定されない。
【0022】
[サーバ10の構成]
図2は、サーバ10のハードウェア構成図である。サーバ10は、例えば、ワークステーション、又は、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータである。
【0023】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、入出力インタフェース14と、通信インタフェース15とを主に備える。また、サーバ10の各構成要素は、通信バス19に接続する。
【0024】
プロセッサ11は、メモリ12又はストレージ13に格納されているサーバプログラム13Pに含まれる一連の命令を実行することによって、処理、及び、制御を実現する。
【0025】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又は、これらの組み合わせ等の演算装置、及び、制御装置である。
【0026】
メモリ12は、サーバプログラム13P、及び、データ等を記憶する主記憶装置である。例えば、サーバプログラム13Pは、ストレージ13からロードされる。また、データは、サーバ10に入力されたデータと、プロセッサ11によって生成されたデータとを含む。例えば、メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、又は、その他の揮発メモリである。
【0027】
ストレージ13は、サーバプログラム13P、及び、データ等を記憶する補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスク装置、フラッシュメモリ、又は、その他の不揮発記憶装置である。また、ストレージ13は、メモリカードのように着脱可能な記憶装置でもよい。さらに他の例として、ストレージ13は、外部記憶装置であってもよい。このような構成によれば、例えば、アミューズメント施設のように複数のユーザ端末20が使用される場面において、サーバプログラム13P、又は、データの更新等を一括して行うことが可能になる。
【0028】
入出力インタフェース14は、モニタ、入力装置(例えば、キーボード、又は、ポインティングデバイス等である。)、外部記憶装置、スピーカ、カメラ、マイク、及び、センサ等の外部装置をサーバ10に接続するインタフェースである。
【0029】
また、プロセッサ11は、入出力インタフェース14を通じて外部装置と通信する。入出力インタフェース14は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、無線、及び、その他の端子である。
【0030】
通信インタフェース15は、通信ネットワーク2に接続する他の装置(例えば、ユーザ端末20等である。)と通信する。例えば、通信インタフェース15は、LAN(Local Area Network)等の有線通信インタフェース、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、又は、NFC(Near Field Communication)等の無線通信インタフェースである。
【0031】
[ユーザ端末20の構成]
図3は、ユーザ端末20の一例であるHMDセットのハードウェア構成図である。
【0032】
図4は、ユーザ端末20の他の例であるタブレット端末のハードウェア構成図である。
【0033】
具体的には、ユーザ端末20は、
図3に示すHMDセット、
図4に示すタブレット端末の他、スマートフォン、フィーチャーフォン、ラップトップ型コンピュータ、又は、デスクトップコンピュータ等である。
【0034】
図3に示すように、HMDセットであるユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、入出力インタフェース24と、通信インタフェース25とを有するコンピュータ26を備える。また、コンピュータ26の各構成要素は、通信バス29に接続する。
【0035】
プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、入出力インタフェース24、通信インタフェース25、及び、通信バス29の基本的な構成は、例えば、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、入出力インタフェース14、通信インタフェース15、通信バス19と共通する。また、ストレージ23は、端末プログラム23Pを保持する。
【0036】
また、HMDセットであるユーザ端末20は、コンピュータ26に、HMD30と、動きセンサ41と、操作装置42とを接続する構成である。例えば、HMD30、動きセンサ41、及び、操作装置42は、入出力インタフェース24を通じてプロセッサ21に接続する。
【0037】
HMD30は、ユーザの頭部に装着されて、仮想空間をユーザに提供する。より詳細には、HMD30は、モニタを備える所謂ヘッドマウントディスプレイ、又は、スマートフォンその他のモニタを有する端末を含んでもよい。
【0038】
HMD30は、モニタ31(表示装置)と、注視センサ32と、カメラ33、34と、マイク35と、スピーカ36とを主に備える。
【0039】
例えば、モニタ31は、非透過型の表示装置である。具体的には、モニタ31は、ユーザの両目の前方に位置するように配置する。また、非透過型のモニタ31は、例えば、液晶モニタ、有機EL(Electro Luminescence)モニタ等である。
【0040】
他の例として、モニタ31は、透過型の表示装置である。透過型は、ユーザの目を覆う密閉型ではなく、メガネ型のような開放型となる。
【0041】
モニタ31は、仮想空間を構成する画像の一部と、現実空間とを同時に表示する構成を含んでもよい。一例として、透過型のモニタ31は、HMD30に搭載されたカメラで撮像した現実空間の画像を表示してもよい。
【0042】
また、透過型のモニタ31は、透過率を調整可能に構成されていてもよい。そして、透過型のモニタ31は、表示領域の一部の透過率を高く設定して、現実空間を直接視認できるようにしてもよい。
【0043】
また、モニタ31は、ユーザに3次元画像を視認させるために、以下の構成があってもよい。例えば、モニタ31は、右目用の画像を表示するサブモニタと、左目用の画像を表示するサブモニタとを含んでもよい。
【0044】
他の例として、モニタ31は、右目用の画像と左目用の画像とを一体として表示する構成であってもよい。この構成では、モニタ31は、高速シャッタを行う。高速シャッタは、画像がいずれか一方の目にのみ認識されるように、右目用の画像と左目用の画像とを交互に表示可能に作動する。
【0045】
注視センサ32は、ユーザ4の右目、及び、左目の視線が向く方向を検知する。つまり、注視センサ32は、ユーザの視線を検知する。
【0046】
注視センサ32は、例えば、アイトラッキング機能を有するセンサにより実現される。注視センサ32は、右目用のセンサ、及び、左目用のセンサを含むことが好ましい。注視センサ32は、ユーザの右目及び左目に赤外光を照射し、照射光に対する角膜及び虹彩からの反射光を受けることにより、各眼球の回転角を検知する。そして、注視センサ32は、検知した各回転角に基づいて、ユーザの視線を特定する。
【0047】
カメラ33は、HMD30を装着したユーザの顔の上部(より詳細には、ユーザの目、眉等である。)を撮像する。
【0048】
カメラ34は、HMD30を装着したユーザの顔の下部(より詳細には、ユーザ4の鼻、又は、口等である。)を撮像する。
【0049】
例えば、HMD30の筐体のうち、ユーザに対面する側にカメラ33が取り付けられ、ユーザと対面する側と反対側にカメラ34が取り付けられる。なお、HMD30は、2台のカメラ33、34に代えて、ユーザの顔全体を撮像する1台のカメラを備えてもよい。
【0050】
マイク35は、ユーザの発話を音声信号(電気信号)に変換してコンピュータ26に出力する。スピーカ36は、コンピュータ26から出力された音声信号を音声に変換してユーザに出力する。なお、HMD30は、スピーカ36に替えてイヤホンを有してもよい。
【0051】
動きセンサ41は、HMD30の動きを検出するため、ポジショントラッキング機能を有する。一例として、動きセンサ41は、HMD30が発する複数の赤外線を読み取って、現実空間内におけるHMD30の位置及び傾きを検出してもよい。
【0052】
他の例として、動きセンサ41は、カメラでもよい。具体的には、動きセンサ41は、カメラから出力される画像を解析して、HMD30の位置、及び、傾きを検出する。なお、動きセンサ41は、角速度センサ、地磁気センサ、又は、加速度センサでもよい。
【0053】
操作装置42は、有線、又は、無線によりコンピュータ26に接続する。そして、操作装置42は、ユーザ4によるコンピュータ26に対する操作を受け付ける。
【0054】
例えば、操作装置42は、ユーザ4が把持した状態で操作する、所謂コントローラでもよい。なお、操作装置42は、ユーザの身体、又は、衣類の一部に装着可能に構成され、モーションセンサによってユーザ4の動きを検知しもよい。
【0055】
ただし、操作装置42は、これらに限定されず、キーボード、ポインティングデバイス、又は、タッチパネル等といった他の入力装置でもよい。
【0056】
図4に示すように、タブレット端末であるユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース25と、モニタ31と、カメラ33、34と、マイク35と、スピーカ36と、動きセンサ41と、操作装置42とを主に備える。タブレット端末の各構成要素は、通信バス29に接続する。
【0057】
プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信インタフェース25、モニタ31、カメラ33、34、マイク35、スピーカ36、動きセンサ41、及び、操作装置42の基本的な構成は、HMDセット(すなわち、
図3で説明する構成である。)と共通するので、以下、重複する説明を省略し、タブレット端末に特有の構成を説明する。
【0058】
モニタ31は、平板状の筐体の表面に設けられる。
【0059】
カメラ33は、平板状の筐体の表面に取り付けられて、モニタ31を視認するユーザの顔を撮像する、所謂インカメラである。
【0060】
カメラ34は、平板状の筐体の裏面(モニタ31と反対側の面である。)に取り付けられて、周囲を撮像する、所謂アウトカメラである。
【0061】
動きセンサ41は、筐体の動き(例えば、互いに直交する3軸周りの回転)を検知する。
【0062】
タブレット端末に好適な操作装置42としては、例えば、モニタ31に重畳されて、ユーザによる各種タッチ操作(例えば、タップ、スライド、フリック、ピンチイン、又は、ピンチアウト等)を受け付けるタッチパネルである。
【0063】
[仮想空間90の概要]
図5は、仮想空間90の一態様を概念的に表す図である。
【0064】
図6は、仮想空間90において視界領域94をX方向から見たYZ断面を表す図である。
【0065】
図7は、仮想空間90において視界領域94をY方向から見たXZ断面を表す図である。
【0066】
図5に示すように、仮想空間90は、中心Cの360度方向の全体を覆う全天球状の構造である。以下、説明を簡略化するため、仮想空間90の上半分の天球に絞って例示する。
【0067】
仮想空間90では、各メッシュが設定される。例えば、各メッシュの位置は、仮想空間90に規定するグローバル座標系であるXYZ座標系における座標値として予め規定されている。
【0068】
仮想空間90に展開可能なパノラマ画像91(静止画、又は、動画等の形式である。)を構成する各部分画像は、仮想空間90において対応する各メッシュにそれぞれ対応付けられる。
【0069】
例えば、仮想空間90では、中心Cを原点とするXYZ座標系が規定される。XYZ座標系は、例えば、実座標系に平行である。以下、XYZ座標系における水平方向、鉛直方向(上下方向)、及び、前後方向は、X軸、Y軸、及び、Z軸とする。したがって、XYZ座標系において、X軸(水平方向)は、実座標系のx軸と平行である。また、XYZ座標系において、Y軸(鉛直方向)は、実座標系のy軸と平行である。さらに、XYZ座標系において、Z軸(前後方向)は、実座標系のz軸と平行である。
【0070】
仮想空間90には、ユーザ端末20に対応付けられた仮想カメラ92が配置される。そして、仮想空間90内における仮想カメラ92の位置は、仮想空間90内におけるユーザの視点に相当する。
【0071】
また、仮想カメラ92の向きは、仮想空間90におけるユーザの視線(
図5では、基準視線93で示す。)に相当する。そして、プロセッサ21は、仮想カメラ92の位置と向きとに基づいて、仮想空間90における視界領域94(すなわち、仮想カメラ92の画角となる。)を規定する。
【0072】
図6に示すように、視界領域94は、YZ断面において、領域95を一部に含む。また、領域95は、仮想空間90内で基準視線93を含む鉛直断面(すなわち、YZ断面である。)において、基準視線93を中心とする極角αの範囲である。
【0073】
図7に示すように、視界領域94は、XZ断面において領域96を一部に含む。また、領域96は、仮想空間90内で基準視線93を含む水平断面(すなわち、XZ断面である。)において、基準視線93を中心とする方位角βの範囲である。
【0074】
プロセッサ21は、仮想空間90に展開されたパノラマ画像91のうち、視界領域94に含まれる部分画像を、仮想カメラ92が撮像した仮想空間画像97として生成(抽出)する。そして、プロセッサ21は、生成した仮想空間画像97をモニタ31に表示させる。
【0075】
すなわち、視界領域94は、仮想空間90内におけるユーザの視界に相当する。さらに、仮想空間90内において、仮想カメラ92の位置、及び、向きの変化に追従して視界領域94が移動し、モニタ31に表示される仮想空間画像97が更新される。すなわち、ユーザ4の視界が移動する。
【0076】
例えば、プロセッサ21は、操作装置42で受け付けたユーザ4の操作に連動して、仮想空間90内で仮想カメラ92を移動させる。また、プロセッサ21は、動きセンサ41で検知されたユーザ端末20の動き(例えば、互いに直交する3軸周りの回転である。)に連動して、仮想カメラ92の向き(すなわち、基準視線93である。)を変化させる。さらに、プロセッサ21は、位置及び向きが変化した後の仮想カメラ92で撮像した仮想空間画像97をモニタ31に表示させる。
【0077】
以上のように、ワールド座標系において、カメラ座標系等の条件が定まると、視界領域94が定まる。このように定まる視界領域94を表示する画像がユーザ4に対して出力される。
【0078】
なお、上記以外の処理によって、ユーザ4に対して出力する仮想空間の画像が定まってもよい。
【0079】
[仮想空間90の生成例]
図8は、仮想空間の生成例を示す図である。以下、実在する所定の街を3次元にコンピュータグラフィックスで再現して表示する例で説明する。
【0080】
図8(A)は、
図5乃至
図7と同様の形式で視点の設定例を説明する図である。例えば、ユーザ端末20は、本人アバター位置50を原点にし、視界領域94の範囲を3次元にコンピュータグラフィックスで再現して表示する。
【0081】
図8(B)は、仮想空間の表示例である。例えば、
図8(A)のように設定された視界領域94は、視界領域94に対応する仮想空間画像97をユーザ4に表示する。
【0082】
また、本人アバター位置50の近くに、複数の他人アバター52A、51B、52B、51C、52C、及び、52Dの6人のアバターがいるとする。これらの他人アバター52A、51B、52B、51C、52C、及び、52Dのうち、他人アバター52A、51B、及び、52Bの3人のアバターの位置は、視界領域94内であるとする。一方で、これらの他人アバター52A、51B、52B、51C、52C、及び、52Dのうち、他人アバター51C、52C、及び、52Dの3人のアバターの位置は、視界領域94外であるとする。
【0083】
図8(B)に示すように、視界領域94内にいる他人アバター52A、51B、及び、52Bの3人のアバターは、仮想空間画像97に、街と一緒に表示される。そして、他人アバター52A、51B、及び、52Bのユーザ4が操作すると、仮想空間画像97では、操作に基づいた動作が反映されて表示される。
【0084】
図9は、仮想空間における行動例を示す図である。例えば、ユーザ4は、本人アバター54を操作して、仮想空間における店舗で買い物が可能である。具体的には、仮想空間では、本人アバター54は、
図9に示すように、店舗内に移動、及び、店舗内で商品を見る等の行動が可能である。
【0085】
ほかにも、本人アバター54で店員アバター55に話しかけるように操作すると、本人アバター54を介して、ユーザ4は、コミュニケーションを取ることが可能である。具体的には、ユーザ4は、コミュニケーションを取ることによって、商品の説明を受ける、購入の手続きを行う、又は、価格を交渉する等のコミュニケーションが可能である。
【0086】
なお、仮想空間において、アバターを用いて行う行動は、前述の例に限られない。例えば、行動は、店舗以外の地点に移動する、イベントに参加する、アバターの外観(例えば、衣裳、体型、色、又は、装飾品等である。)、アバターが発する音声(例えば、声等である。)、又は、特定条件下で自動的に行うモーションを変更する等である。
【0087】
このように、行動は、ユーザ4による入力操作に対し、アバターの移動、又は、仮想空間におけるコミュニケーションが含まれるものであればよい。
【0088】
[複数の仮想空間90の生成例]
図10は、第1仮想空間、及び、第2仮想空間の生成例を示す図である。以下、2つの仮想空間である第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102を生成する例で説明する。
【0089】
各アバターは、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のうち、どちらかに所属する。以下、第1仮想空間101に所属するアバターを「第1アバター」という。一方で、第2仮想空間102に所属するアバターを「第2アバター」という。
【0090】
また、第1アバターによる行動を「第1行動」という。同様に、第2アバターによる行動を「第2行動」という。
【0091】
図10に示す例では、第1アバターは、ユーザ4Aの入力操作に基づいて行動する「第10アバター110」、及び、ユーザ4Bの入力操作に基づいて行動する「第11アバター111」である。一方で、
図10に示す例では、第2アバターは、ユーザ4Cの入力操作に基づいて行動する「第20アバター120」である。
【0092】
第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102は、マップ、及び、オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が共通する仮想空間である。具体的には、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102は、実在する同じ街を3次元にコンピュータグラフィックスで再現した仮想空間である。
【0093】
したがって、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102は、所定の街、又は、特定の地域等(以下、「特定地点」という。)を再現し、かつ、お互いの仮想空間は、同期する関係である。例えば、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102は、どちらも「渋谷」の街を再現して示す仮想空間である。
【0094】
具体的には、ユーザ4は、ユーザ端末20を介して仮想の「渋谷」にログインする。なお、ログインに際し、ユーザ4は、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のどちらに所属するかは選択しない。そして、ログインの操作が行われると、ユーザ端末20は、ログイン情報をサーバ10に送信する。
【0095】
サーバ10は、ユーザ端末20から受信したログイン情報と、予め構成しておくユーザデータベースとに基づいて、ユーザ4のアバターを第1仮想空間101の「渋谷」又は第2仮想空間102の「渋谷」のどちらに所属させるかを決定する。
【0096】
また、サーバ10は、初めてログインしたユーザ等(以下「新規ユーザ」という。)のアバターを第3仮想空間の「渋谷」に振り分けて、ユーザデータベースに新規登録してもよい。そして、サーバ10は、決定した結果をユーザ端末20に返信する。
【0097】
このような結果を受け取ると、ユーザ端末20は、サーバ10からの返信に基づいて振り分けられたマップをモニタに表示させる。
【0098】
なお、新規ユーザは、初めてログインしたユーザに限られない。例えば、新規ユーザは、ゲームを初めて所定期間経過していないユーザ、特定のイベントに参加していないユーザ、又は、特定の期間中に初めてイベントに参加するユーザ等が含まれてもよい。
【0099】
第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102は、同じ特定地域を再現し、かつ、生じる事象が同期しているため、例えば、一方の仮想空間で、あるオブジェクトを取り除く事象が生じると、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のどちらの仮想空間でも取り除いたオブジェクトが再現されなくなる。
【0100】
ほかにも、一方の仮想空間でイベントを開催する事象が生じれば、同時に同じイベントが進行される等といった同期が行われる。同期しているため、イベントは同じ開始時刻で開始され、同じ終了時刻で終了する。このように、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102は、イベント等の事象を生じさせると、事象が同期し、同じスケジュールで進行される。
【0101】
なお、同期される事象は、イベントに限られない。例えば、時間の流れ、又は、店舗における展示品を一致させる等でもよい。このように共通した事象が同期して進行されると、提供者が1つの事象を管理するので済み、管理負担が軽減できる。
【0102】
なお、特定地点は、街以外が対象でもよい。また、特定地点は、実在する地域等でなく、架空の街等でもよい。すなわち、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102に再現される特定地点は、マップ、及び、オブジェクトのデータが用意できる地域であればよい。
【0103】
第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102を生成するため、サーバ10は、マップ、及び、オブジェクトのデータを予め入力する。
【0104】
図11は、マップ、及び、オブジェクトの例を示す図である。例えば、マップ、及び、オブジェクトのデータがあると、サーバ10は、特定地点を再現した仮想空間を生成できる。
【0105】
マップは、例えば、仮想空間において、アバターが通過できる空間等を指定するデータである。具体的には、街を再現する仮想空間においては、道130が、アバターが通過できる空間となる。すなわち、アバターの通過できる空間を道130で示し、かつ、道130以外の空間はアバターが通過できないように設定したデータをマップが示す。
【0106】
なお、マップには、道130以外のデータが含まれてもよい。マップは、特定地点における地形等を示すデータでもある。
【0107】
オブジェクトは、例えば、街に再現する道、建物、名所、設置物、又は、店舗等の構造物131である。したがって、オブジェクトのデータは、構造物の形状、及び、寸法等を示す設計データ等である。すなわち、サーバ10は、オブジェクトのデータがあると、仮想空間に3次元モデルの構造物を再現できる。
【0108】
また、マップは、構造物131の配置等のデータも含まれる。したがって、マップ、及び、オブジェクトが実空間に存在する街と同様の地形、及び、構造物131に対応しているのであれば、サーバ10は、マップ、及び、オブジェクトに基づき、街に存在する通りに道130を構成し、かつ、構造物131を実在する街に存在する通りに配置した地形を再現するように、仮想空間を生成できる。
【0109】
[評価用のインタフェース例]
図12は、リストを用いた評価用のインタフェース例を示す図である。例えば、各々のユーザ4は、他のユーザの評価人となって、他のユーザに対して評価点を入力する。
【0110】
評価は、例えば、リストをインタフェースにする。リストは、仮想空間において知り合った他のユーザを一覧にした表形式のインタフェースである。リストには、ユーザごとに、各ユーザの情報が記載される。したがって、リストを見ると、ユーザは、他のユーザの各種ステータスを見ることができる。
【0111】
仮想空間においてアバターを介して接触する他のユーザに対し、「友達」とする申請を行うと、申請された「友達」が一覧となる。ただし、インタフェースは、リストに限らず、他の形式でもよい。
【0112】
以下、ユーザ4Aのリスト(以下、単に「リスト140」という。)を例に説明する。まず、ユーザ4Aは、ユーザ4B、及び、ユーザ4Cと仮想空間において、交流がある関係であるとする。すなわち、ユーザ4Aは、ユーザ4B、及び、ユーザ4Cと所謂「友達」の設定がされている関係であるとする。
【0113】
このように「友達」であると、リスト140は、「友達」の情報を一覧形式で表示する。リスト140には、例えば、どの仮想空間に所属しているかを示す「所属名」、及び、各々の「アバター名」等が対応した形式で表示される。なお、リスト140には、所属名、及び、アバター名以外の情報があってもよい。
【0114】
例えば、評価点は、評価ボタンのインタフェースで入力される。以下、ユーザ4Bのアバターに対する評価ボタンを「第1ボタン141」とする。同様に、ユーザ4Cのアバターに対する評価ボタンを「第2ボタン142」とする。
【0115】
ユーザ4Aは、第1ボタン141を押して、ユーザ4B対する評価点を入力する。具体的には、第1ボタン141は、例えば、「〇」と「×」の2つのボタンで構成する。そして、ユーザ4Aは、「〇」と「×」の2つのボタンのうち、どちらか1つを押す操作を第1ボタン141に入力する。
【0116】
「〇」は、ユーザ4Bを高評価する場合に押すボタンである。一方で、「×」は、ユーザ4Bを低評価する場合に押すボタンである。
【0117】
同様に、第2ボタン142を操作して、ユーザ4Aは、ユーザ4Bに対する評価点を入力する。このように、評価点は、評価人によって、ユーザごとに入力される。
【0118】
図13は、アバターが接近状態における評価用のインタフェース例を示す図である。例えば、第1仮想空間101において、第10アバター110、及び、第11アバター111の距離が一定以下になった状態を「接近状態」とする。なお、どの程度を接近状態とするかの閾値は、例えば、事前に設定される。
【0119】
このように、ユーザ4Aは、自分の操作するアバター(この例では、第10アバター110である。)に対して接近状態である他人のアバター(この例では、第11アバター111である。)に対して評価ができる。
【0120】
例えば、ユーザ4Aは、
図12と同様に、第1ボタン141を押して、ユーザ4Bに対する評価点を入力する。
【0121】
なお、評価点を入力するインタフェースは、前述した以外の形式でもよい。
【0122】
また、複数の評価人には、管理者3が含まれてもよい。つまり、ユーザ4以外の者が評価人となってもよい。このように複数の評価者で評価する体制にすると、公平な評価がしやすくできる。
【0123】
そして、複数の評価人が入力する評価点を計算して総合点が算出される。例えば、総合点は、すべての評価点を合計して計算される。
【0124】
なお、評価人の入力する評価点は、重み付けがあってもよい。すなわち、各評価点に対し、事前に重み係数が設定されてもよい。そして、総合点は、「重み係数×評価点」を合計して計算される。
【0125】
また、総合点を計算する上で、評価点、又は、「重み係数×評価点」以外の数値が用いられてもよい。例えば、総合点には、AI(Artificial Intelligence、人工知能)等による評価結果(数値化した形式のデータである)、又は、NGワードの発言等といった禁止行動に応じた数値等が計算に加わってもよい。
【0126】
AIを用いる場合には、AIに事前に良い行動、及び、悪い行動を学習させる。このように学習させると、AIは、行動が入力されると、行動を評価、又は、悪い行動をする可能性のあるアバターを推測する等ができる。
【0127】
総合点は、ユーザ4に公開されてもよいし、非公開でもよい。公開にするか、又は、非公開にするかは、例えば、管理者3が設定する。
【0128】
評価者は、所謂マナーを評価する。例えば、評価は、ユーザの言動を対象とし、乱暴な動作、好ましくない発言、又は、非常識な動作等といったマナー違反があると、低評価となる。なお、ユーザの操作によって、アバターを介してのマナーも評価される。
【0129】
[第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102の違い、及び、制限の例]
サーバ10は、第2行動、すなわち、第2アバターに対して様々な制限を行う。したがって、第1仮想空間101は、第2仮想空間102と比較して制限が少ないため、第1仮想空間101は、第2仮想空間102と比較して好条件な仮想空間となる。
【0130】
例えば、第2行動で行うイベント参加、第2行動で第2アバターが移動する際の行動パラメータ、第2行動における第2アバターの視界、第2アバターの外観、第2仮想空間102に存在するオブジェクトの外観、第2仮想空間102の雰囲気、第2行動で生じるコスト、第2行動で受けるサービス品質、又は、これらの組み合わせが制限の対象となる。
【0131】
イベント参加を制限対象とすると、制限は、同じイベントであっても、第2仮想空間102で参加する方が、イベント参加回数に制限がある、演出効果が弱い、参加費用が高い、参加できる人数が少ない、又は、イベントの内容が少ない等である。
【0132】
行動パラメータを制限対象とすると、制限は、第2仮想空間102ではアバターの移動速度が遅い、ジャンプが低い、動きが鈍い、移動できる範囲が狭い、又は、移動できるパターンが少ない等である。
【0133】
第2アバターの視界を制限対象とすると、制限は、視界が狭い、画質が悪い、カメラワークの自由度が低い、透明度が低い、ぼかしが入る、又は、至近距離しか表示されない等である。
【0134】
第2アバターの外観を制限対象とすると、制限は、使用できるアバターの種類、アバターに着せる衣服、及び、装飾品の種類が少ない等である。
【0135】
第2仮想空間102に存在するオブジェクトの外観を制限対象とすると、制限は、オブジェクトの外観が第1仮想空間101より暗い印象になる、輝度が低い、又は、オブジェクトの一部が壊れている等である。
【0136】
第2仮想空間102の雰囲気を制限対象とすると、制限は、第2仮想空間102全体の雰囲気が第1仮想空間101より暗い印象になる、アバター及びNPC(non player character)の色表現が少ない、又は、暗い印象音楽が流れる等である。
【0137】
第2行動で生じるコストを制限対象とすると、制限は、第1仮想空間101と比較して、第2仮想空間102で商品を購入する、サービスを受ける、又は、イベントに参加する、等において支払う料金が高い、別途手数料が生じる、又は、クーポンが使用できない等である。
【0138】
第2行動で受けるサービス品質を制限対象とすると、制限は、同じサービスであっても、第2仮想空間102でサービスを受ける方が、費用が高い、店員によるサポートが少ない、店員の態度が悪い、又は、サービスの種類が少ない等である。
【0139】
ほかにも、第1アバターは、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のどちらでも行動できるが、第2アバターは、第2仮想空間102での行動に限定される制限等でもよい。
【0140】
なお、制限の種類は、前述するものに限られない。制限の種類は、管理者3が設定できればよく、第1仮想空間101が第2仮想空間102より快適な空間となれば種類は問わない。
【0141】
[第3仮想空間の追加例]
図14は、第3仮想空間103の生成例を示す図である。
【0142】
サーバ10は、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102とは異なる第3仮想空間103を更に生成するのが望ましい。
【0143】
例えば、初めて参加するユーザのアバター(以下「第3アバター」という。)は、まず第3仮想空間103に所属する。したがって、サーバ10は、第3アバターが新規に加入すると、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102ではなく、まず第3仮想空間103に振り分ける。
【0144】
第3アバターによる行動を「第3行動」という。第3行動は、第1行動より強く制限され、かつ、第2行動より弱く制限される。以下、第1行動に対して課す制限を「第1制限」という。同様に、第2行動に対して課す制限を「第2制限」、第3行動に対して課す制限を「第3制限」という。
【0145】
第3制限は、第1制限と比較してより強い制限である。一方で、第3制限は、第2制限と比較してより弱い制限である。
【0146】
例えば、第1制限、第2制限、及び、第3制限が、いずれもイベントに対する料金を課す内容であるとする。このような制限内容において、第1制限が最も安い料金が設定される。一方で、第2制限が最も高い料金が設定される。そして、第3制限は、第1制限と第2制限の中間となる料金が設定される。このように、第3制限は、第1制限と第2制限の中間となる強度で行う制限である。
【0147】
つまり、第3仮想空間103は、第1仮想空間101より制限があるが、第2仮想空間102ほどは制限がない。このように、第3仮想空間103は、第1仮想空間101と第2仮想空間102の中間に位置する。
【0148】
第3アバターは、まだ未参加であるため、行動が少なく、評価が不明である。そのため、第3仮想空間103により、評価される期間を作るのが望ましい。
【0149】
したがって、第3アバターは、一定期間が過ぎると、第1仮想空間101、又は、第2仮想空間102のどちらかに所属するように振り分けられる。このような第3仮想空間103があると、より所属する仮想空間が適正に判断できる。
【0150】
また、ユーザ4が各仮想空間の違いを認識できるように、第1仮想空間101、第2仮想空間102、及び、第3仮想空間103に一時的に所属を変更できてもよい。一時的であるため、一定期間が過ぎると、各アバターの所属は、元の所属に戻る。このような体験ができると、ユーザ4は、第1仮想空間101の快適さ等が実感できる。
【0151】
このように、他の仮想空間での快適さ、又は、劣悪さを実感すると、ユーザ4は、マナーを向上させて、より好条件な方に所属しようとする。ゆえに、仮想空間においてユーザ4のマナー向上が図れる。
【0152】
[全体処理例]
図15は、全体処理例を示す図である。例えば、サーバ10は、以下のような手順を行う。
【0153】
ステップS01では、サーバ10は、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102を生成する。以降、生成した各仮想空間には、アバターが所属する。
【0154】
ステップS02では、サーバ10は、ユーザ4の操作に基づき、アバターを制御する。このような制御によって、各アバターは、行動を行う。
【0155】
ステップS03では、サーバ10は、ユーザを評価する。そして、複数の評価人による評価点を集計すると、総合点が計算される。このように計算される総合点に基づいて定まる。
【0156】
ステップS04では、サーバ10は、総合点等を参照して定まる評価結果に基づき、各アバターの所属を決定する。そして、サーバ10は、所属に基づき、各アバターを振り分ける。
【0157】
ステップS05では、サーバ10は、第2アバターによる第2行動を制限する。すなわち、サーバ10は、第1仮想空間101を第2仮想空間102と比較して、制限をしない分、コスト面、又は、性能面等において好条件な仮想空間にする。
【0158】
上記のような全体処理を行う場合、システム1では、全体処理は、以下のようなシーケンスとなる。
【0159】
図16は、全体処理を実現するシーケンスを示す図である。なお、
図16では、
図15と同様の手順は同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0160】
ステップS01は、サーバ10によって、サービス開始前に事前に実行される。すなわち、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102が事前に生成される。そして、サービスが開始されると、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のどちらかにアバターが所属するような設定である。
【0161】
サービスが開始されると、ユーザ端末20は、ユーザ4の操作結果を入力する。この操作結果、及び、ユーザ端末20での処理結果がサーバ10に送信される。このように送信されるデータには、ユーザに対する評価点が含まれる。
【0162】
したがって、ステップS03では、サーバ10は、ユーザ端末20ごとに送信される評価点を受信し、集計して総合点を計算する。このように計算される総合点に基づき、サーバ10は、評価結果を求める。
【0163】
この評価結果に基づき、サーバ10は、所属を決定し、アバターを振り分ける。その振り分け結果は、例えば、アバターの所属名等をユーザ端末20に送信して、ユーザ4に出力される。
【0164】
以降、サーバ10は、第2仮想空間102、すなわち、第2アバターによる第2行動を制限する。
【0165】
なお、全体処理は、前述の手順、及び、処理順序に限られない。例えば、全体処理は、前述する手順以外の手順、又は、前述したのとは異なる順序で手順を実行してもよい。
【0166】
[機能構成例]
図17は、機能構成例を示す図である。具体的には、サーバ10は、プログラムに基づき、第1生成手段1F1、第2生成手段1F2、第1制御手段1F3、第2制御手段1F4、及び、制限手段1F5を備えるように機能する。さらに、サーバ10は、第3生成手段1F6、振分手段1F7、第3制御手段1F8、決定手段1F11、計算手段1F12、及び、評価手段1F13を更に備えるように機能してもよい。また、ユーザ端末20は、リスト出力手段1F9、及び、操作手段1F10を備えるように機能してもよい。
【0167】
第1生成手段1F1は、第1仮想空間101を生成する第1生成手順を行う。例えば、第1生成手段1F1は、プロセッサ11等で実現する。
【0168】
第2生成手段1F2は、第2仮想空間102を生成する第2生成手順を行う。例えば、第2生成手段1F2は、プロセッサ11等で実現する。
【0169】
第1制御手段1F3は、第1アバターが第1行動可能に制御する第1制御手順を行う。例えば、第1制御手段1F3は、プロセッサ11等で実現する。
【0170】
第2制御手段1F4は、第2アバターが第2行動可能に制御する第2制御手順を行う。例えば、第2制御手段1F4は、プロセッサ11等で実現する。
【0171】
制限手段1F5は、第2行動を制限する制限手順を行う。例えば、制限手段1F5は、プロセッサ11等で実現する。
【0172】
第3生成手段1F6は、第3仮想空間103を生成する第1生成手順を行う。例えば、第3生成手段1F6は、プロセッサ11等で実現する。
【0173】
振分手段1F7は、第3アバターを第3仮想空間103に所属させる振分手順を行う。例えば、振分手段1F7は、プロセッサ11等で実現する。
【0174】
第3制御手段1F8は、第3アバターが第3行動可能に制御する第3制御手順を行う。例えば、第3制御手段1F8は、プロセッサ11等で実現する。
【0175】
リスト出力手段1F9は、所属名、及び、アバター名を各アバターに対応させたリストを出力するリスト出力手順を行う。例えば、リスト出力手段1F9は、プロセッサ21等で実現する。
【0176】
操作手段1F10は、各ユーザに対する評価点を入力する操作手順を行う。例えば、操作手段1F10は、プロセッサ21等で実現する。
【0177】
決定手段1F11は、第1行動、又は、第2行動の評価結果に基づき、第1仮想空間、及び、第2仮想空間のどちらに所属するかを決定する決定手順を行う。例えば、決定手段1F11は、プロセッサ11等で実現する。
【0178】
計算手段1F12は、ユーザ端末ごとに、操作手段1F10によって複数の評価人が評価点を入力すると、評価点に基づいて総合点を計算する計算手順を行う。例えば、計算手段1F12は、プロセッサ11等で実現する。
【0179】
評価手段1F13は、計算手段1F12が計算する総合点に基づき、評価結果を決定する評価手順を行う。例えば、評価手段1F13は、プロセッサ11等で実現する。
【0180】
以上のような構成であると、サーバ10は、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のように、2つ以上の仮想空間を生成できる。そして、各アバターは、複数の仮想空間のうち、いずれかの仮想空間に所属する。
【0181】
どの仮想空間に所属するかは、ユーザ4のマナーに応じて評価される。仮想空間によって快適さが異なるように調整されるため、ユーザ4は、優遇を受けたいため、仮想空間内において、マナーを守るようにアバターを操作するようになる。このように、複数の仮想空間を生成し、同じ特定地点を再現する仮想空間であっても、意図的に制限をかけて快適さに差をつけると、仮想空間においてユーザの興趣性を向上させることができる。
【0182】
[メタバース(metaverse)について]
仮想空間は、所謂メタバース空間である。メタバースとは、「メタ(meta、超越)」と「ユニバース(universe、宇宙、世界)」を組み合わせた言葉である。そして、メタバースは、多人数が参加可能であって、参加者がその中で自由に行動できるコンピュータネットワーク上の3次元仮想空間等をいう。
【0183】
メタバースには、アバターを用いて複数人が参加する。そして、メタバース空間では、三次元の画像処理で実行する空間内で取引が実行される場合もある。
【0184】
メタバース上での取引には、任意のトークンが用いられる場合が多い。取引は、例えば、オンラインゲーム、バーチャルライブ、又は、EC(electronic commerce、電子商取引)等の様々な種類が実行可能である。
【0185】
また、メタバースは、AR(Augment Reality)、又は、VR(Virtual Reality)といった「XR」を用いて実現される場合もある。ほかにも、メタバースは、3DCG、高速通信技術、AI、及び、ブロックチェーン等の技術も用いて実現する場合もある。
【0186】
[補助装置を用いる構成について]
アバターは、仮想空間におけるユーザ4の分身となる。そのため、仮想空間では、各アバターの行動には、そのアバターに対応付けされているユーザの言動が出現する。
【0187】
例えば、ユーザ端末20は、操作装置に入力するユーザ4の操作に連動して、仮想空間内でアバターを動作させる。アバターの動作とは、例えば、仮想空間内で移動すること、身体の各部を動かすこと、姿勢を変えること、顔の表情を変化させること、発話すること、又は、仮想空間内に配置されたオブジェクトを動かすこと等を含む。
【0188】
さらに、ユーザ端末20は、アバターの動作、又は、ステータスの変化を示すアバターデータを、通信ネットワーク2を通じてサーバ10に送信する。次に、サーバ10は、ユーザ端末20から受信したアバターデータを、通信ネットワーク2を通じて他のユーザ端末20に送信する。そして、ユーザ端末20は、サーバ10から受信したアバターデータに基づいて、仮想空間内の対応するアバターの動作、又は、ステータスを更新する。
【0189】
一方で、アバター関連の処理は、ユーザ端末20側が行ってもよいし、サーバ10側で行ってもよい。例えば、ユーザ端末20は、1以上のサーバ10から各種の情報、及び、各種の要求を受信する。
【0190】
サーバ10からユーザ端末20には、進行情報、配信情報、及び、ユーザ情報等の情報が送信される。
【0191】
進行情報は、仮想空間におけるイベント等の進行状況である。具体的には、進行情報は、仮想空間に配置された1以上のアバターの種類情報、アバターの座標情報、アバターのアクション情報、及び、その他の情報である。
【0192】
アバターのアクション情報は、アバターの姿勢、アイテムの使用、スキルの使用、又は、ジャンプ等を示す情報である。
【0193】
アバターの種類情報は、アバターの設定、アバターの装備、又は、アバターの容姿等を示す情報である。
【0194】
配信情報は、仮想空間における事象を、視聴空間(現実空間である。)に再現するための情報等を示す情報である。また、配信情報は、仮想空間に配置された1以上のアバターの種類情報、アバターの座標情報、アバターのアクション情報、及び、その他の情報を含んでもよい。
【0195】
上記のような処理は、サーバ10、及び、ユーザ端末20以外の情報処理装置が補助的に行ってもよい。
【0196】
図18は、補助装置を用いる構成例を示す図である。
図1に示す例と比較すると、
図17に示す構成は、補助装置60が加わる点が異なる。なお、補助装置60は、一時的に用いる構成でもよい。
【0197】
補助装置60は、ユーザ端末20(この例では、ユーザ端末20A付近に設置しているが、他の装置近くにあってもよい。)等の近くに設置される情報処理装置である。そして、補助装置60は、特定の処理をユーザ端末20、又は、サーバ10に代わって一部又は全部を実行する。
【0198】
例えば、補助装置60は、グラフィック処理に特化したデバイスを備えて、グラフィック処理を高速で行う。このように、補助装置60等を設置して、所謂エッジコンピューティング(Edge Computing)等が行われてもよい。このように、前述する処理は、様々な情報処理装置のハードウェアリソースを活用して実行されてもよい。したがって、前述する処理は、前述したのとは異なる情報処理装置が実行してもよい。
【0199】
[第2実施形態]
第2実施形態は、例えば、第1実施形態と同様に、
図1に示すシステム1等で実現する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
【0200】
[所属の変更例]
図19は、第2実施形態における所属の変更前の例を示す図である。まず、サーバ10は、すべてのアバターを第1仮想空間101、又は、第2仮想空間102のどちらに所属するか決定する。
【0201】
例えば、不適切な発言(所謂NGワードを含む発言、又は、チャット等である。)、不正な手続き(例えば、違法行為、又は、規定違反となる行動である。)、通報、マナー違反等があると、サーバ10は、不正行動があったと判断し、第1仮想空間101から第2仮想空間102に所属を変更する。
【0202】
具体的には、荒らし行為、妨害行為、他のアバターにぶつかる行為、又は、すり抜ける行為、他のアバターを追いかけ回す行為等が好ましくない行動に該当する。ほかにも、ボイスチャット、又は、メッセージ等において、荒らす行為等も好ましくない行動に該当する。ほかにも、好ましい行動を行う機会があったにもかかわらず、行動しなかった場合等も好ましくない行動に該当する。
【0203】
一方で、掃除をする、他のアバターを助ける、寄付行為、又は、落とし物を届ける等の行為が好ましい行動に該当する。
【0204】
なお、変更は、評価人による評価結果に基づいて行われてもよい。
【0205】
しかし、行動が不正行動に一致した、又は、類似してしまう偶然が発生することがある。ほかにも、所謂「偽の通報」等もあり得る。
【0206】
つまり、全体的には、第1仮想空間101に所属するのが妥当なアバターであっても、偶然、又は、不正な操作により、誤って所属変更の対象となってしまう可能性がある。
【0207】
逆に、全体的に不正等が多いアバターであっても、規則等に触れないように上手く不正行動等を避けてしまうアバターが存在する場合もある。
【0208】
このような何らかの間違いにより、適さない仮想空間に誤って所属するアバターを適正な仮想空間に所属させる。
【0209】
図20は、指定による変更例を示す図である。なお、
図20は、
図19に示す決定があった後である。
【0210】
図19が示すように、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のうち、どちらにアバターを所属させるかは、例えば、サーバ10が一律に処理する。したがって、このような処理には、公平性が乏しい場合もある。そこで、
図20に示すように、各々のユーザ端末20が、誤った決定があったのに対し、誤りを是正する変更対象を指定する操作を受け付ける。
【0211】
変更対象は、他のユーザが指定できるのが望ましい。以下、指定を行う者を「指定人」という。指定人は、例えば、第2アバターを操作するユーザ(この例では、ユーザ4Cである。)以外の他のユーザ(この例では、ユーザ4A、及び、ユーザ4Bである。)である。なお、指定人に管理者3が含まれてもよい。
【0212】
指定は、例えば、リストから指定人が選ぶ操作を入力して行われる。具体的には、ユーザ端末20Aは、ユーザ4Aによる第2アバターを指定する操作を受け付ける。同様に、ユーザ端末20Bは、ユーザ4Bによる第2アバターを指定する操作を受け付ける。また、管理者3が指定人である場合には、サーバ10は、管理者3による第2アバターを指定する操作を受け付ける。
【0213】
このような第2アバターを指定する操作があると、サーバ10は、指定の要求を受け付ける。なお、サーバ10は、指定がいくつあるか等を集計してもよい。次に、この要求に基づき、サーバ10は、第2アバターの所属を第1仮想空間101から第2仮想空間102に変更する。
【0214】
このように複数の指定人による指定であると、公正に所属を決めることができる。例えば、誤った操作により、第2仮想空間102の所属になってしまった第2アバターを救済することができる。
【0215】
一方で、不正等が多い悪質と他のユーザから見られるアバターは、指定に基づき、第1仮想空間101から第2仮想空間102に所属を変更するように指定できてもよい。
【0216】
また、このような救済ができると、普段の行動が適切であれば、間違って変更対象となってしまっても救済されるとユーザ4が考えるようになり、仮想空間におけるマナー向上を図ることができる。
【0217】
なお、指定されるアバターの数は、制限があってもよい。すなわち、変更は、第1アバター、及び、第2アバターの数(又は、数の比率でもよい。)に基づいて行われてもよい。第1アバター、及び、第2アバターの人数比が偏り、一方の仮想空間でアバターの数が極端に多くなってしまうと、快適さが失われる場合がある。したがって、どちらかの仮想空間に極端にアバターの数が偏ってしまうような変更が多発しないように、指定できるアバターの数は、制限されてもよい。このような指定の制限ができると、仮想空間に所属するアバターの数のバランスを調整できる。
【0218】
ほかにも、指定ができる期間(以下「指定期間」という。)が定まっていてもよい。例えば、指定期間は、管理者3が事前に設定する。
【0219】
また、指定人が指定できる対象は、例えば、リストアップされているアバターのみ(すなわち、「友達」の関係にあるアバターに限って指定でき、交流がないアバターは指定の対象にしない。)でもよい。
【0220】
なお、指定されたアバターは、所定期間、評価対象として所定期間内に一定の評価が得られた場合に、変更されてもよい。つまり、指定があったとしても、所定期間内は様子を見るようにし、指定があってもすぐに変更をしなくともよい。
【0221】
又は、指定されたアバターは、所属を変更した後、試行期間が設定されてもよい。そして、試行期間内は変更されたアバターは、評価がされる。つまり、「お試し期間」が設定されてもよい。試行期間が終了した時点で、適正な所属であると評価される評価結果であれば、所属の変更が確定する。一方で、適正な所属でないと評価される評価結果であれば、所属の変更が取り消される。
【0222】
「所定期間」、又は、「試行期間」のように、一定の間、変更対象としてよいか行動を評価してみる期間があると、より不適切な所属のアバターを少なくできる。
【0223】
さらに、変更は、例えば、評価結果に基づいて行われてもよい。つまり、複数の評価人による評価点に基づいて計算される総合点等を参照して変更が行われてもよい。
【0224】
例えば、評価結果をスコアにし、スコアは、評価人の操作によって数値が変動する。このスコアに対し、変更対象になる閾値(以下「変更基準値」という。)を事前に設定しておく。
【0225】
第1仮想空間101では、スコアが変更基準値以下になると、第1アバターが変更対象になる。一方で、第2仮想空間102では、スコアが変更基準値以上になると、第2アバターが変更対象になる。
【0226】
また、変更があると、変更対象となったアバターの所属が変更され、別の仮想空間に移転したことが他のユーザに通知されてもよい。
【0227】
なお、所属を変更するか否かの判断は、定期的に行われるのが望ましい。例えば、周期は、管理者3が事前に設定する。具体的には、周期は、1週間ごと、同じ曜日というように設定される。
【0228】
[課題を与える例]
変更をするか否かの判断をするために「課題」が与えられてもよい。例えば、指定された第2アバターは、すぐに所属の変更とならず、「検討対象」となる。なお、検討対象とする条件は、指定以外であってもよい。
【0229】
検討対象になった第2アバターには、課題が与えられる。そして、課題を達成した検討対象のみが変更される。
【0230】
課題は、例えば、管理者3が事前に設定する。具体的には、課題は、設定される一定の期間(以下「課題期間」という。)内に行う行動が評価されるか等のように設定される。
【0231】
つまり、課題期間内の行動が好ましい行動であれば、検討対象は、第1仮想空間101に所属を変更してもよいという評価結果になる。
【0232】
このように課題を与えて評価した評価結果で所属の変更を判断すると、より不適切な所属のアバターを少なくできる。
【0233】
[特別評価人の例]
特別権限が設定される評価人(以下「特別評価人」という。)が設定されてもよい。
【0234】
特別権限は、所属の変更を単独で評価できる(以下「特別評価」という。)権限である。つまり、複数の評価人による評価を集めず、特別評価人による特別評価がされた場合には、他の評価結果に関わらず、各アバターの所属が変更される。
【0235】
なお、特別評価に基づく変更の場合であっても、課題の設定、所定期間の評価、又は、試行期間の評価がされてもよい。
【0236】
[異空間の例]
変更は、第1仮想空間101から第2仮想空間102、又は、第2仮想空間102から第1仮想空間101の変更に限られない。例えば、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102とは異なる仮想空間(以下「異空間」という。)が事前に生成されてもよい。そして、変更は、変更先を異空間としてもよい。
【0237】
異空間は、所謂VIP(Very Important Person)空間等である。したがって、異空間は、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102より、好条件でもよいし、第1仮想空間101と第2仮想空間102の中間ぐらいの条件でもよい。
【0238】
変更の対象になったアバターは、第1仮想空間101、又は、第2仮想空間102のどちらにも所属させない方が良い場合がある。このような場合に、変更の対象となるアバターは、異空間に所属させるのが望ましい。
【0239】
なお、異空間への所属は、一時的であってもよい。
【0240】
[全体処理例]
図21は、全体処理例を示す図である。例えば、サーバ10は、以下のような手順を行う。
【0241】
ステップS01では、サーバ10は、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102を生成する。以降、生成した各仮想空間には、アバターが所属する。
【0242】
ステップS02では、サーバ10は、ユーザ4の操作に基づき、アバターを制御する。このような制御によって、各アバターは、行動を行う。
【0243】
ステップS21では、サーバ10は、すべてのアバターの所属を決定する。
【0244】
ステップS22では、サーバ10は、評価結果等に基づき、所属を変更する。なお、変更のトリガ(Trigger)は、事前に設定される。
【0245】
上記のような全体処理を行う場合、システム1では、全体処理は、以下のようなシーケンスとなる。
【0246】
図22は、全体処理を実現するシーケンスを示す図である。なお、
図22では、
図21と同様の手順は同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0247】
ステップS01は、サーバ10によって、サービス開始前に事前に実行される。すなわち、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102が事前に生成される。そして、サービスが開始されると、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のどちらかにアバターが所属するような設定である。
【0248】
サービスが開始されると、ユーザ端末20は、ユーザ4の操作結果を入力する。この操作結果、及び、ユーザ端末20での処理結果がサーバ10に送信される。例えば、一定期間、ユーザ4によって操作されたアバターが行動していく。
【0249】
ステップS02では、ユーザ端末20にアバターに対する操作が入力されると、その操作結果により、アバターが制御される。この結果に基づき、ステップS03が実行される。
【0250】
ステップS21では、サーバ10は、所属を決定し、アバターを振り分ける。その振り分け結果は、例えば、アバターの所属名等をユーザ端末20に送信して、ユーザ4に出力される。
【0251】
以降、サーバ10は、第2仮想空間102、すなわち、第2アバターによる第2行動を制限する。
【0252】
ステップS21による決定が誤ったものであると、誤った所属と考えられるユーザに対しては、ユーザ端末20は、他のユーザが指名する操作等を受け付ける。これらの指名等に基づき、ステップS22では、サーバ10は、指名されたユーザのアバターの所属を変更する。
【0253】
なお、全体処理は、前述の手順、及び、処理順序に限られない。例えば、全体処理は、前述する手順以外の手順、又は、前述したのとは異なる順序で手順を実行してもよい。
【0254】
[機能構成例]
図23は、機能構成例を示す図である。具体的には、サーバ10は、プログラムに基づき、第1生成手段1F1、第2生成手段1F2、第1制御手段1F3、第2制御手段1F4、決定手段1F11、及び、変更手段1F20を備えるように機能する。さらに、サーバ10は、制限手段1F5、第1判断手段1F21、及び、第2判断手段1F22を備えるように機能してもよい。
【0255】
第1生成手段1F1は、第1仮想空間101を生成する第1生成手順を行う。例えば、第1生成手段1F1は、プロセッサ11等で実現する。
【0256】
第2生成手段1F2は、第2仮想空間102を生成する第2生成手順を行う。例えば、第2生成手段1F2は、プロセッサ11等で実現する。
【0257】
第1制御手段1F3は、第1アバターが第1行動可能に制御する第1制御手順を行う。例えば、第1制御手段1F3は、プロセッサ11等で実現する。
【0258】
第2制御手段1F4は、第2アバターが第2行動可能に制御する第2制御手順を行う。例えば、第2制御手段1F4は、プロセッサ11等で実現する。
【0259】
制限手段1F5は、第2行動を制限する制限手順を行う。例えば、制限手段1F5は、プロセッサ11等で実現する。
【0260】
決定手段1F11は、アバターの所属を決定する決定手順を行う。例えば、決定手段1F11は、プロセッサ11等で実現する。
【0261】
変更手段1F20は、第2アバターの所属を第1仮想空間101に変更する変更手順を行う。例えば、変更手段1F20は、プロセッサ11等で実現する。
【0262】
第1判断手段1F21は、変更対象に対して、所定期間内になされた評価結果に基づき、第2アバターの所属を変更するか否かを判断する第1判断手順を行う。例えば、第1判断手段1F21は、プロセッサ11等で実現する。
【0263】
第2判断手段1F22は、第1アバター、又は、第2アバターの所属を変更した後、試行期間内になされた第1アバター、又は、第2アバターに対する評価結果に基づき、第1アバター、若しくは、第2アバターの所属の変更を取り消す、又は、第1アバター、若しくは、第2アバターの所属の変更を確定させる判断をする第2判断手順を行う。例えば、第2判断手段1F22は、プロセッサ11等で実現する。
【0264】
以上のような構成であると、サーバ10は、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のように、2つ以上の仮想空間を生成できる。そして、各アバターは、複数の仮想空間のうち、いずれかの仮想空間にまず所属するように決定される。
【0265】
どの仮想空間に所属するかは、ユーザ4のマナーに応じて評価される。仮想空間によって快適さが異なるように調整されるため、ユーザ4は、優遇を受けたいため、仮想空間内において、マナーを守るようにアバターを操作するようになる。
【0266】
このように、複数の仮想空間を生成し、同じ特定地点を再現する仮想空間であっても、意図的に制限をかけて快適さに差をつけると、仮想空間においてユーザのマナーを向上させることができる。
【0267】
そして、決定した所属が何らかの間違いで適さない仮想空間に誤って所属するアバターの所属を変更できると、不適切な所属のアバターが少なくできる。ゆえに、よりマナー向上が図れる。
【0268】
管理者3、又は、AI等で不正行為等を監視する方式において、1度の行動で悪条件な仮想空間に所属を変更されてしまう、又は、アカウントを凍結する等を行うと、マナーを守るようなユーザであっても、偶然等で変更対象になる場合がある。
【0269】
また、管理者3等が単独で判断すると、判断基準が担当者等によってばらつく、又は、基準が個人の裁量となり曖昧になりやすい。ほかにも、常時監視しているのが難しく、「たまたま」の行動だけで判断されてしまう場合もある。これに対し、「友達」等のユーザを良く知っている者の評価等が加わると、不適切な所属であるか否かが適切に評価されやすい。
【0270】
このように、「不適切」とは、マナーに対応する所属ではない状態をいう。
【0271】
また、ユーザ等が評価、又は、指定できる方が、単独の管理者3だけで決める等よりも不公平感を少なくできる場合が多い。このように、複数の者で評価した結果で所属が変更できるのが望ましい。
【0272】
[第3実施形態]
第3実施形態は、例えば、第1実施形態と同様に、
図1に示すシステム1等で実現する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明を省略する。
【0273】
[イベントの発生例]
図24は、イベントの発生例を示す図である。以下、第1仮想空間101に発生させるイベントを「第1イベント」という。一方で、第2仮想空間102に発生させるイベントを「第2イベント」という。また、第1イベント、及び、第2イベントで用いるパラメータを「イベントパラメータ」という。以下、イベントパラメータを「イベントポイント」とする。ただし、イベントパラメータは数値以外の形式でもよい。
【0274】
第1イベントは、第1仮想空間において、第1アバターに対し、第1類型行動をする機会を与えるイベントである。第1類型行動は、例えば、好ましくない行動である。具体的には、
図24に示すように、第1アバターの付近に落とし物201を発生させる。イベントは、例えば、サーバ10が発生させる。
【0275】
そして、落とし物201に第1アバターが近づくと、「自分の所有物にする」、又は、「届ける」が選択肢として表示され、ユーザ4Bは、どちらかを選択する操作をユーザ端末20Bに入力する。
【0276】
この選択肢には、「好ましくない行動」に該当するコマンドが含まれる。この例では、「自分の所有物にする」のコマンドを選択し、落とし物201を不正に取得しようとする行動が好ましくない行動に該当する。
【0277】
ほかにも、落とし物201を取るジェスチャーをして所有した後、落とし物201を特定オブジェクト(例えば、交番のオブジェクト等である。)に届けずに通り過ぎる等の行動は、好ましくない行動に該当する。
【0278】
落とし物201を落とすのを目撃した後、落とし物201を落としたアバターから離れる行動は、好ましくない行動に該当する。
【0279】
このように、コマンドに限らず、動作内容を検出して好ましくない行動に該当するか否かが判断されてもよい。
【0280】
第1イベントにおいて、好ましくない行動が行われると、イベントポイントが減点される。又は、第1仮想空間101から第2仮想空間102に所属が変更されるでもよい。
【0281】
このように、第1仮想空間101では、好ましくない行動を誘う第1イベントが発生する。なお、第1イベントは、前述のイベントに限られず、他の好ましくない行動を誘う内容でもよい。
【0282】
第2イベントは、第2仮想空間において、第2アバターに対し、第2類型行動をする機会を与えるイベントである。第2類型行動は、例えば、好ましい行動である。具体的には、
図24に示すように、第2アバターの付近に救助を求めるアバターを発生させる。なお、救助を求めるアバターは、他のユーザが操作するものでもよいし、NPCでもよい。
【0283】
そして、救助を求めるアバターに対し、第2アバターは、「救助行動をする」、又は、「救助行動をしない」等のように行動が選択できる。ほかにも、行動は画像の選択等でもよい。
【0284】
例えば、救助行動は、回復アイテムにより救助を求めるアバターを回復させる等である。ほかに、ユーザが救助行動のジェスチャー(例えば、人を持ち上げる動き等である。)があると、救助行動としてもよい。
【0285】
この行動が、「好ましい行動」に該当するか否かが判断される。この例では、「救助行動をする」という第2行動を行い、他の困っているアバターを助ける行動が好ましい行動に該当する。
【0286】
第2イベントにおいて、好ましい行動が行われると、イベントポイントが加点される。又は、第2仮想空間102から第1仮想空間101に所属が変更されるでもよい。
【0287】
このように、第2仮想空間102では、好ましい行動を誘う第2イベントが発生する。なお、第2イベントは、前述のイベントに限られず、他の好ましい行動を誘う内容でもよい。
【0288】
イベントポイントが一定の値(以下、「変更基準値」という。)になると、各アバターは、変更の対象となる。なお、変更基準値は、事前に設定する。
【0289】
つまり、好ましい行動が多い第2アバターは、イベントポイントが加算されていくため、イベントポイントに基づき、第2仮想空間102から第1仮想空間101に所属が変更される可能性が高い。
【0290】
一方で、好ましくない行動が多い第1アバターは、イベントポイントが減点されていくため、イベントポイントに基づき、第1仮想空間101から第2仮想空間102に所属が変更される可能性が高い。
【0291】
なお、イベントの結果だけでなく、イベントに対する行動が評価されてもよい。例えば、落とし物201を制限時間内に届けるといった結果が、時間が間に合わないためにできなくとも、拾って届けようとしたという行動があれば、好ましい行動とみなして、イベントポイントが加算されてもよい。
【0292】
所属する仮想空間が固定化されると、ユーザ4は、刺激がなくなる。また、「GOOD」又は「BAD」といった他者の評価では変更が少なくなり、固定化される場合がある。そこで、意図的にイベントを発生させると、刺激となる。また、イベントによる変更によって、一方の仮想空間にアバターの人数が偏るのを防ぐことができる。
【0293】
このように、第2イベントが発生すると、第2アバターは、好条件な第1仮想空間101に移れる機会が得られる。
【0294】
一方で、第1イベントが発生すると、第1アバターは、悪条件な第2仮想空間102に移されてしまう脅威が生じる。
【0295】
このようなイベントは、ユーザ4が意図的に所属する仮想空間を変更できるのではなく、マナーの良し悪しにより、所属を変更するきっかけとなる。このようなイベントにより、各アバターは、マナーを守るようになる。そのため、仮想空間におけるマナーを向上させることができる。
【0296】
また、仮想空間において、イベントを発生させると、所属する仮想空間が変更されることが増える。そのため、複数の仮想空間を行き来するアバターが増える。このようにして、所属するアバターが固定化するのを防ぎ、入れ替わりを促進する。
【0297】
第1イベント、及び、第2イベントは、例えば、管理者3が企画し、事前に設定して発生させる。ただし、第1イベント、及び、第2イベントは、ユーザ4等が企画してもよい。
【0298】
例えば、ユーザ4は、発生させるイベントの種類、イベントを発生させる時刻(ランダムも含む。)、又は、イベントが発生する領域(ランダムも含む。)等が設定できてもよい。
【0299】
なお、イベントを企画したユーザ4がイベントに参加する場合には、イベントによって、イベントポイントの増減、及び、所属の変更がないのが望ましい。このように、自分で企画したイベントによるイベントポイントの増減、及び、所属の変更がないと、所謂「自作自演」といった、自己に都合の良いイベントを企画するのを防げる。
【0300】
イベントは、例えば、第1アバターと第2アバターの人数比に基づいて発生してもよい。すなわち、サーバ10は、第1アバターと第2アバターの人数比に偏りがある場合になるのをトリガにして、イベントを発生させてもよい。なお、トリガは、時期、条件、又は、ユーザの要望等でもよい。
【0301】
例えば、第1アバターが第2アバターと比較して人数が多い場合等に、サーバ10は、第1イベントを発生させる。このようにして、第1アバターを減らし、第2アバターが増えるようにイベントを発生させる。このようにイベントを発生させると、第1アバターと第2アバターの人数比を調整できる。
【0302】
また、イベントポイントは、ランキングになって表示されてもよい。すなわち、イベントポイントが多い、又は、少ないアバターがユーザ4に分かるように表示してもよい。このようにランキングでイベントポイントの多少が分かると、自分の順位が分かるので、特に下位の順位に位置するユーザ4は、所属する仮想空間を悪条件な仮想空間に変更される可能性を考え、マナーを向上させようと考える。このようにして、仮想空間におけるマナーを向上させることができる。
【0303】
[全体処理例]
図25は、全体処理例を示す図である。例えば、サーバ10は、以下のような手順を行う。
【0304】
ステップS01では、サーバ10は、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102を生成する。以降、生成した各仮想空間には、アバターが所属する。
【0305】
ステップS02では、サーバ10は、ユーザ4の操作に基づき、アバターを制御する。このような制御によって、各アバターは、行動を行う。
【0306】
ステップS21では、サーバ10は、すべてのバターの所属を決定する。
【0307】
ステップS31では、サーバ10は、イベントを発生させる。なお、イベントは、条件を満たした場合、又は、定期的に発生させてもよい。
【0308】
ステップS32では、サーバ10は、イベントポイントに基づき、所属の変更を行う。例えば、ステップS31によるイベントが終了したことで、各アバターに対するイベントポイントが変動する場合がある。したがって、変更基準値に対し、所属を変更する対象になるアバターがいる場合がある。このようなアバターをサーバ10は、イベントポイントに対応する所属へ変更する。
【0309】
図26は、全体処理を実現するシーケンスを示す図である。なお、
図26では、
図25と同様の手順は同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0310】
ステップS01は、サーバ10によって、サービス開始前に事前に実行される。すなわち、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102が事前に生成される。そして、サービスが開始されると、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のどちらかにアバターが所属するような設定である。
【0311】
サービスが開始されると、ユーザ端末20は、ユーザ4の操作結果を入力する。この操作結果、及び、ユーザ端末20での処理結果がサーバ10に送信される。このように送信されるデータには、ユーザに対する評価点が含まれる。
【0312】
したがって、ステップS21では、サーバ10は、ユーザ端末20ごとに送信される評価を受信し、集計して総合点を計算する。このように計算される総合点に基づき、サーバ10は、評価結果を求める。
【0313】
この評価結果に基づき、サーバ10は、所属を決定し、アバターを振り分ける。その振り分け結果は、例えば、アバターの所属名等をユーザ端末20に送信して、ユーザ4に出力される。
【0314】
ステップS31は、例えば、サーバ10が定期的に実行する。したがって、イベントは、サーバ10に事前に設定される一定期間ごとに開催される。ただし、イベントは、ユーザ4の要求等に応じて開催されてもよい。このため、イベント開催の要求がユーザ端末20に入力されてもよい。
【0315】
ステップS32では、サーバ10は、ユーザ4ごとのイベントポイントと変更基準値を比較して変更対象であるかを判断する。そして、変更対象であれば、サーバ10は、アバターの所属を変更する。
【0316】
以降、サーバ10は、第2仮想空間102、すなわち、第2アバターによる第2行動を制限する。
【0317】
なお、全体処理は、前述の手順、及び、処理順序に限られない。例えば、全体処理は、前述する手順以外の手順、又は、前述したのとは異なる順序で手順を実行してもよい。
【0318】
[機能構成例]
図27は、機能構成例を示す図である。具体的には、サーバ10は、プログラムに基づき、第1生成手段1F1、第2生成手段1F2、第1制御手段1F3、第2制御手段1F4、決定手段1F11、変更手段1F20、及び、発生手段1F30を備えるように機能する。さらに、サーバ10は、制限手段1F5を備えるように機能してもよい。
【0319】
第1生成手段1F1は、第1仮想空間101を生成する第1生成手順を行う。例えば、第1生成手段1F1は、プロセッサ11等で実現する。
【0320】
第2生成手段1F2は、第2仮想空間102を生成する第2生成手順を行う。例えば、第2生成手段1F2は、プロセッサ11等で実現する。
【0321】
第1制御手段1F3は、第1アバターが第1行動可能に制御する第1制御手順を行う。例えば、第1制御手段1F3は、プロセッサ11等で実現する。
【0322】
第2制御手段1F4は、第2アバターが第2行動可能に制御する第2制御手順を行う。例えば、第2制御手段1F4は、プロセッサ11等で実現する。
【0323】
制限手段1F5は、第2行動を制限する制限手順を行う。例えば、制限手段1F5は、プロセッサ11等で実現する。
【0324】
決定手段1F11は、アバターの所属を決定する決定手順を行う。例えば、決定手段1F11は、プロセッサ11等で実現する。
【0325】
変更手段1F20は、イベントの結果、又は、イベントに対する行動に基づき、第2アバターの所属を第1仮想空間101に変更する変更手順を行う。例えば、変更手段1F20は、プロセッサ11等で実現する。
【0326】
発生手段1F30は、第1イベント、又は、第2イベントを発生させる発生手順を行う。例えば、発生手段1F30は、プロセッサ11等で実現する。
【0327】
以上のような構成であると、サーバ10は、第1仮想空間101、及び、第2仮想空間102のように、2つ以上の仮想空間を生成できる。そして、各アバターは、複数の仮想空間のうち、いずれかの仮想空間にまず所属するように決定される。
【0328】
どの仮想空間に所属するかは、ユーザ4のマナーに応じて評価される。仮想空間によって快適さが異なるように調整されるため、ユーザ4は、優遇を受けたいため、仮想空間内において、マナーを守るようにアバターを操作するようになる。このように、複数の仮想空間を生成し、同じ特定地点を再現する仮想空間であっても、意図的に制限をかけて快適さに差をつけると、仮想空間においてユーザのマナーを向上させることができる。
【0329】
そして、決定した所属が何らかの間違いで適さない仮想空間に誤って所属するアバターの所属を変更できると、不適切な所属のアバターが少なくできる。ゆえに、よりマナー向上が図れる。
【0330】
イベントが発生すると、イベントによって仮想空間の所属が変更される。そのため、一方の仮想空間に同じアバターが長期間所属する固定が少なくできる。また、イベントによる所属の変更で、複数の仮想空間の間の往来を活発にできる。さらに、一方の仮想空間に人数比が偏るような場合に、イベントを利用して、人数比を均等に近づける調整等もできる。このようにして、特定のアバターが同じ仮想空間に固定化されるのを少なくし、仮想空間に所属するアバターの固定化を緩和できる。
【0331】
[その他の実施形態]
アバターは、人間の外観に限られない。例えば、アバターは、動物、又は、架空のもの等でもよい。すなわち、アバターは、上述したものに限られず、ユーザ4の設定等で自由に設定できる。
【0332】
AIが用いられてもよい。例えば、AIはディープラーニング(deep learning、深層学習)等の学習モデルで実現する。例えば、AIは、よく使用されるコマンド、又は、メッセージ(他のユーザの使用履歴等を学習データとする学習済みモデルによる。)をリコメンドする等である。ほかに、AIは、過去の実績を学習して各種の予測結果を表示してもよい。
【0333】
前述の処理、及び、本実施形態で実行される処理に用いるデータは、情報処理システムによって実行、及び、記憶されてもよい。例えば、情報処理システムは、処理又は記憶を冗長、分散、並列、又は、これらの組み合わせを実現するため、複数の情報処理装置で実行又は記憶してもよい。したがって、本発明は、前述に示すハードウェア構成以外の装置、及び、前述に示す装置以外のシステムで実現されてもよい。
【0334】
また、本発明に係るプログラムは、単一のプログラムに限定されず、複数のプログラムの集合体でもよい。また、本発明に係るプログラムは、単一の装置で実行されるものに限定されず、複数の情報処理装置で分担して実行されてもよい。さらに、各情報処理装置の役割分担は、前述の例に限定されない。すなわち、前述した処理の一部、又は、全部が前述した情報処理装置とは異なる情報処理装置が実行してもよい。
【0335】
さらに、プログラムによって実現される各手段の一部、又は、全部は、集積回路等のハードウェアで実現することもできる。さらに、プログラムは、コンピュータによって読み出し可能な非一過性の記録媒体に記録されて提供されてもよい。記録媒体とは、例えば、ハードディスク、SDカード(登録商標)、DVD等の光学ディスク、又は、インターネット上のサーバ等を指す。したがって、プログラムは、インターネット等の電気通信回線を介して配信されでもよい。
【0336】
また、情報処理システムを構成する情報処理装置等は、海外にあってもよい。
【0337】
なお、本発明は、前述に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、前述に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現で可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0338】
1 :システム
1F1 :第1生成手段
1F10 :操作手段
1F2 :第2生成手段
1F3 :第1制御手段
1F4 :第2制御手段
1F5 :制限手段
1F6 :第3生成手段
1F7 :振分手段
1F8 :第3制御手段
1F9 :リスト出力手段
1F10 :操作手段
1F11 :決定手段
1F12 :計算手段
1F13 :評価手段
1F20 :変更手段
1F21 :第1判断手段
1F22 :第2判断手段
1F30 :発生手段
3 :管理者
4 :ユーザ
4A :ユーザ
4B :ユーザ
4C :ユーザ
10 :サーバ
101 :第1仮想空間
102 :第2仮想空間
103 :第3仮想空間
110 :第10アバター
111 :第11アバター
120 :第20アバター
130 :道
131 :構造物
140 :リスト
141 :第1ボタン
142 :第2ボタン
201 :落とし物
【手続補正書】
【提出日】2024-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
マップ、及び、オブジェクトを含む第1仮想空間を生成する第1生成手段と、
前記マップ、又は、前記オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が前記第1仮想空間とは異なる第2仮想空間を生成する第2生成手段と、
前記第1仮想空間に第1アバターを所属すること、及び、前記第2仮想空間に第2アバターを所属することを決定する決定手段と、
前記決定手段による決定後、前記第1アバターをユーザが入力する入力操作で指示する行動である第1行動を行うように制御する第1制御手段と、
前記決定手段による決定後、前記第1アバターとは異なるアバターであって、前記第2アバターをユーザが入力する入力操作で指示する行動である第2行動を行うように、前記第1制御手段とは別に制御する第2制御手段と、
前記決定手段による決定後、前記第2アバターを操作するユーザとは異なるユーザが前記第2アバターに対して入力する評価が高評価であると、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更する変更手段として機能させ、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターは、
前記第1仮想空間、又は、前記第2仮想空間に配置され、関連付けされた異なるユーザの操作によって動作し、
前記オブジェクトは、前記第1アバター、及び、前記第2アバターとは異なるオブジェクトであり、
前記第1行動は、
前記第1アバターの前記第1仮想空間における行動であって、ユーザが入力する前記入力操作に基づく行動であり、
前記第2行動は、
前記第2アバターの前記第2仮想空間における行動であって、ユーザが入力する前記入力操作に基づく行動であり、
前記第1行動、及び、前記第2行動は、
異なるアバターが行う異なる行動である
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記第1行動は、
前記第1アバターの移動、イベントに参加、前記第1アバターの外観の変更、前記第1アバターの発する音声の変更、又は、前記第1アバターが特定条件下で自動的に行うモーションの変更であり、
前記第2行動は、
前記第2アバターの移動、イベントに参加、前記第2アバターの外観の変更、前記第2アバターの発する音声の変更、又は、前記第2アバターが特定条件下で自動的に行うモーションの変更である
プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
定期的に、前記第2アバターを操作するユーザとは異なるユーザが前記第2アバターに対して入力する評価が高評価であると、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更するか否かを判断する、
又は、
定期的に、前記第1アバターを操作するユーザとは異なるユーザが前記第1アバターに対して入力する評価が低評価であると、前記第1アバターの所属を前記第2仮想空間に変更するか否かを判断する
プログラム。
【請求項4】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
前記第2アバターの所属を変更する前に、前記第1仮想空間、及び、前記第2仮想空間とは異なる仮想空間であって、前記第1仮想空間、及び、前記第2仮想空間とは、前記マップ、又は、前記オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が異なる仮想空間に前記第2アバターを所属させるように変更する
プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
前記第2アバターを操作するユーザ以外の他のユーザ、又は、管理者を含む指定人が指定する前記第2アバターを、所属を変更する変更対象にする
プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記変更対象に対して、所定期間内になされた評価結果が適正な所属であるという評価であると、前記第2アバターの所属の変更を確定すると判断し、又は、前記評価結果が適正な所属でないという評価であると、前記第2アバターの所属の変更を取り消すと判断する第1判断手段として更に機能させ、
前記所定期間は、
前記評価結果の入力を行う指定する期間であり、
前記評価結果は、
前記変更対象の前記変更手段による所属の変更後の所属が適正な所属であるかの評価である
プログラム。
【請求項7】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
前記第1仮想空間に前記第1アバターが所属している数、前記第2仮想空間に前記第2アバターが所属している数、又は、前記第1仮想空間に前記第1アバターが所属している数と前記第2仮想空間に前記第2アバターが所属している数の比率が前記第1仮想空間、及び、前記第2仮想空間のどちらかに偏ると判断する場合、前記第1アバター又は前記第2アバターの所属を変更するのを制限する
プログラム。
【請求項8】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターに対し、前記第1アバター、及び、前記第2アバターに関連付けしたユーザとは異なる複数の他人が前記第1アバター、又は、前記第2アバターが行う行動に対して入力する複数の評価による評価結果をスコアにして、前記スコアが、事前に設定する閾値である変更基準値以上であると、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更するか否かを判断する、
又は、
前記スコアが前記変更基準値以下であると、前記第1アバターの所属を前記第2仮想空間に変更するか否かを判断する
プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記複数の評価を入力する人とは別に設定される評価人である特別評価人に特別権限が設定され、
前記変更手段は、
前記複数の評価に関わらず、前記特別権限による特別評価が高評価であると、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更するか否かを判断する、
又は、
前記特別評価が低評価であると、前記第1アバターの所属を前記第2仮想空間に変更するか否かを判断する
プログラム。
【請求項10】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記変更手段は、
所属を変更するか否かの検討対象にする前記第2アバターが与えられた課題を達成すると、前記第2アバターの所属を変更し、又は、前記課題を達成しないと、前記第2アバターの所属を変更せず、
前記課題は、
前記第2アバターに対して与えられ、達成すると前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更する対象となる条件である
プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記課題は、課題期間が設定され、
前記課題期間は、
前記課題を達成するのが評価される期間であり、
前記変更手段は、
前記課題期間に行う前記第2アバターの前記第2行動が前記課題に対して好ましい行動であるとする評価結果であると、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更するか否かを判断する
プログラム。
【請求項12】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記第1アバター、又は、前記第2アバターの所属を変更した後、試行期間内になされた前記第1アバター、又は、前記第2アバターに対し、前記第1アバター、及び、前記第2アバターに関連付けしたユーザとは異なるユーザが前記第1アバター、又は、前記第2アバターが行う行動に対して入力する評価結果が前記第2アバターの変更後が適正な所属であるという評価であると、前記第2アバターの所属の変更を確定すると判断し、
前記評価結果が前記第2アバターの変更後が適正な所属でないという評価であると、前記第2アバターの所属の変更を取り消すと判断し、
前記評価結果が前記第1アバターの変更後が適正な所属であるという評価であると、前記第1アバターの所属の変更を確定すると判断し、
又は、
前記評価結果が前記第1アバターの変更後が適正な所属でないという評価であると、前記第1アバターの所属の変更を取り消すと判断する第2判断手段として更に機能させる
プログラム。
【請求項13】
マップ、及び、オブジェクトを含む第1仮想空間を生成する第1生成手段と、
前記マップ、又は、前記オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が前記第1仮想空間とは異なる第2仮想空間を生成する第2生成手段と、
前記第1仮想空間に第1アバターを所属すること、及び、前記第2仮想空間に第2アバターを所属することを決定する決定手段と、
前記決定手段による決定後、前記第1アバターをユーザが入力する入力操作で指示する行動である第1行動を行うように制御する第1制御手段と、
前記決定手段による決定後、前記第1アバターとは異なるアバターであって、前記第2アバターをユーザが入力する入力操作で指示する行動である第2行動を行うように、前記第1制御手段とは別に制御する第2制御手段と、
前記決定手段による決定後、前記第2アバターを操作するユーザとは異なる他人が前記第2アバターに対して入力する評価が高評価であると、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更する変更手段と
を備え、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターは、
前記第1仮想空間、又は、前記第2仮想空間に配置され、関連付けされた異なるユーザの操作によって動作し、
前記オブジェクトは、前記第1アバター、及び、前記第2アバターとは異なるオブジェクトであり、
前記第1行動は、
前記第1アバターの前記第1仮想空間における行動であって、ユーザが入力する前記入力操作に基づく行動であり、
前記第2行動は、
前記第2アバターの前記第2仮想空間における行動であって、ユーザが入力する前記入力操作に基づく行動であり、
前記第1行動、及び、前記第2行動は、
異なるアバターが行う異なる行動である
情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置、及び、前記情報処理装置と接続するユーザ端末を有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
マップ、及び、オブジェクトを含む第1仮想空間を生成する第1生成手段と、
前記マップ、又は、前記オブジェクトのうち、少なくともどちらか一方の一部が前記第1仮想空間とは異なる第2仮想空間を生成する第2生成手段と、
前記第1仮想空間に第1アバターを所属すること、及び、前記第2仮想空間に第2アバターを所属することを決定する決定手段と、
前記決定手段による決定後、前記第1アバターをユーザが入力する入力操作で指示する行動である第1行動を行うように制御する第1制御手段と、
前記決定手段による決定後、前記第1アバターとは異なるアバターであって、前記第2アバターをユーザが入力する入力操作で指示する行動である第2行動を行うように、前記第1制御手段とは別に制御する第2制御手段と、
前記決定手段による決定後、前記第2アバターを操作するユーザとは異なるユーザが前記第2アバターに対して入力する評価が高評価であると、前記第2アバターの所属を前記第1仮想空間に変更する変更手段とを備え、
前記第1アバター、及び、前記第2アバターは、
前記第1仮想空間、又は、前記第2仮想空間に配置され、関連付けされた異なるユーザの操作によって動作し、
前記オブジェクトは、前記第1アバター、及び、前記第2アバターとは異なるオブジェクトであり、
前記第1行動は、
前記第1アバターの前記第1仮想空間における行動であって、ユーザが入力する前記入力操作に基づく行動であり、
前記第2行動は、
前記第2アバターの前記第2仮想空間における行動であって、ユーザが入力する前記入力操作に基づく行動であり、
前記第1行動、及び、前記第2行動は、
異なるアバターが行う異なる行動である
情報処理システム。