(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126595
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】磁気共鳴イメージング装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A61B5/055 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035076
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 資弘
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB07
4C096AD25
4C096BA18
4C096BB06
(57)【要約】
【課題】他の磁気共鳴イメージング装置が近接して設置される場合に、画像品質を保ちながらMR信号の収集を行うこと。
【解決手段】一実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、少なくとも1台の他の磁気共鳴イメージング装置と近接して設置され、収集部と、判定部と、再収集部と、を備える。収集部は、被検体に印加されたRFパルスに応じて被検体から発生するMR信号を収集する。判定部は、他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルスが、収集中のMR信号に影響を与え得るか否かの判定をする。再収集部は、判定においてMR信号に影響を与え得ると判定された場合、収集中のMR信号無効とし、無効とされたMR信号を再度収集する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台の他の磁気共鳴イメージング装置と近接して設置された磁気共鳴イメージング装置であって、
被検体に印加されたRFパルスに応じて前記被検体から発生するMR信号を収集する収集部と、
前記他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルスが、収集中の前記MR信号に影響を与え得るか否かの判定をする判定部と、
前記判定において前記MR信号に影響を与え得ると判定された場合、収集中の前記MR信号を無効とし、無効とされた前記MR信号を再度収集する再収集部と、
を備える磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記収集部は、位相エンコードを所定の繰り返し時間で変えながら、前記MR信号を前記繰り返し時間の単位で順次収集し、
前記判定部は、前記繰り返し時間の単位ごとに、前記外部RFパルスが収集中の前記MR信号に影響を与え得るか否かを判定し、
前記再収集部は、前記外部RFパルスが収集中の前記MR信号に影響を与え得ると判定された場合、無効とされた前記MR信号と同じ位相エンコードの前記MR信号を再度収集する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記収集部及び前記再収集部は、前記外部RFパルスが収集中の前記MR信号に影響を与え得るか否かに関わらず、前記繰り返し時間と前記MR信号を発生させるためのRFパルス印加の周期を一定に維持して前記MR信号を収集する、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記再収集部は、無効とされた前記MR信号と同じ位相エンコードの前記MR信号を、無効とされた直後、または、一群の位相エンコードの終了後に、再度収集する、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記収集部は、複数の位相エンコードを所定の繰り返し時間で変えながら、複数のMR信号を前記繰り返し時間の単位で順次収集し、
前記判定部は、前記繰り返し時間の単位ごとに、前記外部RFパルスが収集中の複数の前記MR信号のうち少なくとも1つの前記MR信号に影響を与え得るか否かを判定し、
前記再収集部は、前記外部RFパルスが収集中の複数の前記MR信号のうち少なくとも1つの前記MR信号に影響を与え得ると判定された場合、無効とされた複数の前記MR信号と同じ複数の位相エンコードの前記MR信号を再度収集する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記位相エンコードは、前記MR信号を3次元で収集する場合には、スライス位相エンコードを含む、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
前記他の磁気共鳴イメージング装置の前記外部RFパルス印加のタイミング信号を受信するインターフェース、をさらに備え、
前記判定部は、前記インターフェースが受信した前記外部RFパルス印加のタイミング信号に基づいて、前記外部RFパルスが収集中の前記MR信号に影響を与え得るか否かを判定する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
前記インターフェースは、前記他の磁気共鳴イメージング装置と通信可能に構成され、前記他の磁気共鳴イメージング装置から送信される前記外部RFパルス印加のタイミング信号を受信する、
請求項7に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
前記他の磁気共鳴イメージング装置の検査室内に前記外部RFパルス印加のタイミング信号を検出する外部RFパルス検出器、をさらに備え、
前記インターフェースは、前記外部RFパルス検出器から前記外部RFパルス印加のタイミング信号を受信する、
請求項7に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
前記外部RFパルスを含む妨害信号を検出するための妨害信号検出器と、
前記妨害信号検出器が検出した前記妨害信号に関する情報を受信するインターフェースと、をさらに備え、
前記判定部は、前記インターフェースが受信した前記妨害信号に関する情報に基づいて、前記妨害信号が収集中の前記MR信号に影響を与え得るか否かを判定する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
前記判定部は、前記MR信号の収集中に、前記妨害信号検出器において所定の閾値以上の前記妨害信号が検出された場合に、前記妨害信号が収集中の前記MR信号に影響を与え得ると判定する、
請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項12】
前記妨害信号検出器は、当該磁気共鳴イメージング装置の静磁場強度における磁気共鳴周波数帯域における前記妨害信号を検出する、
請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項13】
前記所定の閾値は、収集される前記MR信号の信号強度と、前記外部RFパルスに起因する前記妨害信号の信号強度とに基づいて設定される、
請求項11に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項14】
前記所定の閾値は、当該磁気共鳴イメージング装置で実行されているパルスシーケンスの種類、撮像条件、前記RFパルスの出力の大きさ、及び前記MR信号を受信するコイルの情報のうち少なくとも1つに基づいて設定される、
請求項11に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF:Radio Frequency)信号で励起し、励起に伴って被検体から発生する磁気共鳴信号(MR(Magnetic Resonance)信号)を再構成して画像を生成する撮像装置である。
【0003】
一般的に、磁気共鳴イメージング装置は、電波・磁場シールドが施された状態で設置される。電波シールドにより、画像ノイズの発生原因となる周波数帯域の外来電磁波の侵入を防いだり、RF発生装置等の電波による周辺機器の動作への影響を抑えたりすることができる。また、磁場シールドにより、磁場均一性を妨げる要因となりうるエレベーター等の移動する大きな磁性体、電気室等の磁場変動の発生源による磁場の侵入を防いだり、漏洩磁場による周辺機器の動作への影響を抑えたりすることができる。
【0004】
しかしながら、病院等の設置施設によっては、2台以上の磁気共鳴イメージング装置が近接して設置され、電波・磁場シールド等の効果が十分でないため、MR信号の再構成画像の品質が保たれない場合がある。特に、近接した磁気共鳴イメージング装置の静磁場強度が同じ場合には、磁気共鳴周波数はほぼ同じであるため、例えば、一方の装置のMR信号のデータ収集中に他方の装置の励起用などのRFパルスが混入することでアーチファクトが発生することがある。また、MR信号のデータ収集中に人体で発生したMR信号以外に妨害信号としての外来電磁波が受信されると再構成された画像にノイズが混入し画像品質が損なわれることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の1つは、他の磁気共鳴イメージング装置が近接して設置される場合に、画像品質を保ちながらMR信号の収集を行うことである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、少なくとも1台の他の磁気共鳴イメージング装置と近接して設置され、収集部と、判定部と、再収集部と、を備える。収集部は、被検体に印加されたRFパルスに応じて被検体から発生するMR信号を収集する。判定部は、他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルスが、収集中のMR信号に影響を与え得るか否かの判定をする。再収集部は、判定においてMR信号に影響を与え得ると判定された場合、収集中のMR信号無効とし、無効とされたMR信号を再度収集する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の全体構成の一例を示す概略図。
【
図2】2台以上の磁気共鳴イメージング装置が近接して設置された場合の影響について説明する図。
【
図3】第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置と他の磁気共鳴イメージング装置との関係を説明する図。
【
図4】第1の実施形態に係るMR信号のデータ収集の動作例を示すフローチャート。
【
図5】第1の実施形態に係るMR信号のデータ収集における外部RFパルスからの影響を説明する図。
【
図6】第1の実施形態に係るMR信号のK空間データの収集方法の一例について説明する図。
【
図7】第1の実施形態の第1変形例に係るMR信号のデータ収集の動作例を示すフローチャート。
【
図8】第1の実施形態の第2変形例に係る磁気共鳴イメージング装置の全体構成の一例を示す概略図。
【
図9】第1の実施形態の第3変形例に係るMR信号のデータ収集における外部RFパルスからの影響を説明する図。
【
図10】第1の実施形態の第3変形例に係るMR信号のK空間データの収集方法の一例について説明する図。
【
図11】第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置と他の磁気共鳴イメージング装置との関係を説明する図。
【
図12】第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置と他の磁気共鳴イメージング装置との関係を説明する図。
【
図13】第3の実施形態に係るMR信号のデータ収集の動作例を示すフローチャート。
【
図14】第3の実施形態に係るMR信号のデータ収集における妨害信号からの影響を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、磁気共鳴イメージング装置の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(磁気共鳴イメージング装置の全体構成)
図1は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置)1の全体構成の一例を示す概略図である。磁気共鳴イメージング装置1は、磁石架台100と、制御キャビネット300と、画像処理装置(例えば、コンソール)400と、寝台500とを備えて構成される。
【0011】
磁石架台100と寝台500とは、例えば、検査室と呼ばれるシールドルームに配置される。一方、制御キャビネット300は、例えば、機械室に配置され、コンソール400は、例えば、操作室に配置される。
【0012】
図1は、静磁場磁石10と、傾斜磁場コイル11と、WB(Whole Body)コイル12とが概略円筒形状をなしている円筒型の磁気共鳴イメージング装置であるが、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、平行平板型の磁気共鳴イメージング装置であってもよい。平行平板型の磁気共鳴イメージング装置は、例えば、磁石架台を平板円形状とし、平行に配置された2つの平板状の静磁場磁石に挟まれた開放空間において被検体Pを撮像するように構成される。平行平板型の磁気共鳴イメージング装置は、磁石架台を構成する静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、WBコイルとが、平行平板状をなしている以外は、概略円筒形状をなしている円筒型の磁気共鳴イメージング装置と同様の構成を備える。
【0013】
磁石架台100は、静磁場磁石10と、傾斜磁場コイル11と、WBコイル12とを有しており、これらの構成品は円筒状の筐体に収納されている。寝台500は、寝台本体50と寝台天板51を有している。また、磁気共鳴イメージング装置1は、被検体Pに近接して配設されるRFコイル20を有している。以下の説明では、RFコイル20は磁気共鳴イメージング装置1の構成品の1つであるものとして説明するが、RFコイル20が磁気共鳴イメージング装置1の構成に含まれない場合もあり得る。この場合、RFコイル20は磁気共鳴イメージング装置1の構成には含まれないものの、RFコイル20と磁気共鳴イメージング装置1とは互いに接続可能に構成されている。より具体的には、RFコイル20と、磁気共鳴イメージング装置1の寝台天板51とが互いに接続可能に構成されている。
【0014】
制御キャビネット300は、傾斜磁場電源31(X軸用31x、Y軸用31y、Z軸用31z)、RF受信器32、RF送信器33、及びシーケンスコントローラ34を備えている。
【0015】
磁石架台100の静磁場磁石10は、概略円筒形状をなしており、被検体Pの撮像領域であるボア(静磁場磁石10の円筒内部の空間)内に静磁場を発生させる。静磁場磁石10は超電導コイルを内蔵し、液体ヘリウムによって超電導コイルが極低温に冷却されている。静磁場磁石10は、励磁モードにおいて静磁場用電源(図示せず)から供給される電流を超電導コイルに印加することで静磁場を発生し、その後、永久電流モードに移行すると、静磁場用電源は切り離される。一旦永久電流モードに移行すると、静磁場磁石10は長時間、例えば1年以上に亘って、大きな静磁場を発生し続ける。なお、静磁場磁石10を永久磁石として構成してもよい。静磁場磁石10は、平行平板状として構成されてもよい。
【0016】
傾斜磁場コイル11も概略円筒形状をなし、静磁場磁石10の内側に固定されている。この傾斜磁場コイル11は、X軸用、Y軸用、Z軸用の3つの傾斜磁場コイルから構成されている。夫々の傾斜磁場コイルが傾斜磁場電源(31x、31y、31z)から傾斜磁場電流を供給されることにより、X軸,Y軸,Z軸の方向に傾斜磁場を発生し、被検体Pに印加する。静磁場磁石10を平行平板状で構成する場合、傾斜磁場コイル11も同様の形状として構成される。
【0017】
寝台500の寝台本体50は寝台天板51を上下方向及び水平方向に移動可能であり、撮像前に寝台天板51に載った被検体Pを所定の高さまで移動させる。その後、撮影時には寝台天板51を水平方向に移動させて被検体Pをボア内に移動させる。
【0018】
WBコイル12は、傾斜磁場コイル11の内側に被検体Pを取り囲むように概略円筒形状に固定されている。WBコイル12は、RF送信器33から伝送されるRFパルスを被検体Pに向けて送信する一方、水素原子核の励起によって被検体Pから放出される磁気共鳴信号(即ち、MR信号)を受信することもできる。静磁場磁石10を平行平板状で構成する場合、WBコイル12も同様な形状として構成される。
【0019】
RFコイル20は、被検体Pから放出されるMR信号を被検体Pに近い位置で受信する。RFコイル20は、被検体Pの撮像部位に応じて、頭部用、胸部用、脊椎用、下肢用、或いは全身用など種々のタイプがある。
図1では胸部用のRFコイル20が載置されている状態を例示している。WBコイル12とRFコイル20とは、MR信号を受信するコイルの一例である。
【0020】
RF送信器33は、シーケンスコントローラ34からの指示に基づいて、WBコイル12にRFパルスを送信する。RF受信器32は、WBコイル12又はRFコイル20によって受信されたMR信号を検出し、検出したMR信号をデジタル化して得られるデータ(即ち、生データ)をシーケンスコントローラ34に送る。
【0021】
シーケンスコントローラ34は、コンソール400による制御のもと、傾斜磁場電源31、RF送信器33およびRF受信器32をそれぞれ駆動することによって被検体Pのスキャンを行う。そして、シーケンスコントローラ34は、スキャンを行ってRF受信器32からデータを受信すると、そのデータをコンソール400に送る。
【0022】
さらに、シーケンスコントローラ34は、画像品質を保ちながらデータ収集を行うために、MR信号のデータ収集時にMR画像の品質が損なわれる要因となり得るデータを除外するための処理ができる。なお、この処理の一部又は全部はコンソール400で行われてもよい。シーケンスコントローラ34は、処理回路340、及び記憶回路350を具備している。
【0023】
処理回路340は、例えば、CPUや、専用又は汎用のプロセッサを備える回路である。プロセッサは、記憶回路350に記憶した各種のプログラムを実行することによって、後述する各種の機能を実現する。処理回路340は、FPGA(field programmable gate array)やASIC(application specific integrated circuit)等のハードウェアで構成してもよい。これらのハードウェアによっても後述する各種の機能を実現することができる。また、処理回路340は、プロセッサとプログラムによるソフトウェア処理と、ハードウェア処理とを組み合わせて、各種の機能を実現することもできる。
【0024】
記憶回路350は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)の他、HDD(Hard Disk Drive)や光ディスク装置等の外部記憶装置を含む記憶媒体である。記憶回路350は、各種の情報やデータを記憶する他、処理回路340が具備するプロセッサが実行する各種のプログラムを記憶する。さらに、記憶回路350は、無効とされたMR信号と同じ位相エンコード等、MR信号を再度収集するための情報や、無効とするMR信号を判定する所定の閾値の情報等、を記憶できる。また、記憶回路350は、MR信号の信号強度に基づいてMR信号のデータを無効とするための閾値の情報等を記憶できる。
【0025】
コンソール400は、処理回路40、記憶回路41、ディスプレイ42、及び入力デバイス43を有するコンピュータとして構成されている。コンソール400は、画像処理装置の一例である。
【0026】
処理回路40及び記憶回路41の構成については、シーケンスコントローラ34の処理回路340及び記憶回路350と同等であるので説明を省略する。ディスプレイ42は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネル等の表示デバイスである。入力デバイス43は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル等であり、各種の情報をユーザが入力するための種々のデバイスを含む。
【0027】
これらの各構成品によって、コンソール400は、磁気共鳴イメージング装置1全体を制御する。具体的には、検査技師等のユーザによる、マウスやキーボード等(入力デバイス43)の操作によって撮像条件その他の各種情報や指示を受け付ける。そして、処理回路40は、入力された撮像条件に基づいてシーケンスコントローラ34にスキャンを実行させる一方、シーケンスコントローラ34から送信されたデータに基づいて画像を再構成する。再構成された画像はディスプレイ42に表示され、或いは記憶回路41に保存される。
【0028】
磁気共鳴イメージング装置1は、インターフェース4を備える。インターフェース4は、画像品質を保ちながらデータ収集を行うために、MR信号のデータ収集時にMR画像の品質が損なわれる要因となり得るデータを除外するための情報を受信できる。インターフェース4は、他の磁気共鳴イメージング装置から情報を受信できるように構成されてもよい。インターフェース4は、他の磁気共鳴イメージング装置に設けられた後述する外部RFパルス検出器5(
図11を参照)から情報を受信できるように構成されてもよい。インターフェース4は、磁気共鳴イメージング装置1の検査室に設けられた後述する妨害信号検出器6(
図12を参照)から情報を受信できるように構成されてもよい。インターフェース4における情報の受信は、有線でされてもよいし、無線でされてもよい。
【0029】
(他の磁気共鳴イメージング装置による影響)
ところで、病院等の施設において、2台以上の磁気共鳴イメージング装置が近接して設置された場合に、電波・磁場シールド等の効果が十分でないため、MR信号の再構成画像(即ち、MR画像)の品質が保たれない場合があることが知られている。
【0030】
実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の動作について説明する前に、一般的なMR画像の取得及び信号強度と、2台以上の磁気共鳴イメージング装置が近接して設置された場合の影響とについて、
図2を用いて概略を説明する。
【0031】
磁気共鳴イメージング装置は、被検体に印加したRFパルスに応じて被検体から発生するMR信号を収集する。MR信号の位置情報は、静磁場に、傾斜磁場を重畳しながら、データ収集をすることで付加される。互いに直交するスライス傾斜磁場Gs、位相エンコード傾斜磁場Gp、及びリード(即ち、周波数エンコード)傾斜磁場Grが所望の方向に形成されるように、X軸、Y軸、Z軸の各軸に沿う傾斜磁場が合成される。
【0032】
例えば、スライス傾斜磁場Gsは任意に撮像断面(スライス)を選択し、位相エンコード傾斜磁場Gpは空間的位置に応じてMR信号の位相をエンコードし、リード傾斜磁場Grは空間的位置に応じてMR信号の周波数をエンコードする。また、スライス傾斜磁場Gsは、3次元のMR画像の収集において、空間的位置に応じてスライス方向におけるMR信号の位相をエンコードする。そして、空間的位置情報が付加されたMR信号のデータが収集される。
【0033】
MR画像は、収集されたMR信号のデータが充填された2次元もしくは3次元のK空間において、2次元もしくは3次元フーリエ変換を行うことにより、再構成される。
【0034】
図2は、磁気共鳴イメージング装置では2Dスピンエコー(SE)法系によるデータ収集が、他の磁気共鳴イメージング装置では2Dグラディエントエコー(GRE)法系によるMR信号のデータ収集が、それぞれ並行して行われている様子を示す。
【0035】
SE法では、90°RFパルスと180°RFパルスとを一連のRFパルスの組み合わせとして、繰り返し時間(TR)で連続的に印加する。一連のRFパルスの組み合わせとして、TRで連続的に印加することにより、定常状態となり、エコー時間(TE)でMR信号が観測される。90°RFパルス印加からTE/2後の180°RFパルス印加により再収束され、180°RFパルス印加からTE/2後にスピンエコーのMR信号が観測される。リード傾斜磁場Grのサンプリング時間(Ts)中にMR信号がデータとして収集される。
【0036】
また、生体組織及びそれぞれの疾患等により、それぞれスピン-格子緩和時間(T1)、スピン-スピン緩和時間(T2)が異なる。一般的なSE法の信号強度式Sig_SEは、TE<<TRの場合、式(1)で与えられる。ρはプロトン密度である。
【0037】
【0038】
式(1)に示すように、例えば、TR=500ms程度、TE=15ms程度等、TR及びTEを短く設定することによりT1を強調したコントラストとすることができ、TR=3000ms程度、TE=120ms程度等、TR及びTEを長く設定することによりT2を強調したコントラストとすることができ、TRとTEとの組み合わせにより所望のコントラストを強調したMR画像を取得できる。
【0039】
また、GRE法(FE法ともよばれる)では、フリップ角θ°のRFパルスを用いてプロトンを励起後、エンコード傾斜磁場を印加し、SE法の180°RFパルス印加による再収束に代えてリード傾斜磁場Grの極性を反転させて、θ°RFパルスからTE後にMR信号が観測される。一般的なGRE法の信号強度式Sig_GREはTR>>T2の場合、式(2)で与えられる。なお、GRE法においては、磁場不均一等の影響からT2に代えてT2*となる。
【0040】
【0041】
式(2)に示すように、TR、TE、及びフリップ角、の組み合わせにより所望のコントラストを強調したMR画像を取得できる。さらに、RFパルスのSpoiling等、強制的な位相分散等でコントラストが調整される場合もある。他に、例えば、IR法におけるインバージョン時間(TI)、各種プリパルス等、公知の方法でコントラストが調整される場合もある。
【0042】
このように、所望のコントラストを強調したMR画像の取得にあたり、RFパルスを、TRで連続的に印加し、定常状態でMR信号を観測する。また、式(1)及び式(2)に示すように、パルスシーケンスの種類、各種パラメータ等による撮像条件の設定、等により、収集されるMR信号の信号強度は異なる。なお、
図2においては、SE法とGRE法とによるMR信号のデータ収集を示したが、パルスシーケンスの種類が、FSE法やEPI法等の高速撮像法であってもよい。
【0043】
続いて、2台以上の磁気共鳴イメージング装置が近接して設置された場合の影響について説明する。例えば、パルスシーケンスの種類、各種パラメータ等による撮像条件の設定、等によって、磁気共鳴イメージング装置のMR信号のデータ収集中に、他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルスの印加が重なることがある。また、他の磁気共鳴イメージング装置のMR信号のデータ収集中に、磁気共鳴イメージング装置のRFパルスの印加が重なることもある。
【0044】
その場合に、例えば、電波・磁場シールド等の効果が十分でないため、磁気共鳴イメージング装置のMR信号のデータに、他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルスが妨害信号として混入し、MR画像にアーチファクトが発生することがある。また、磁気共鳴イメージング装置のMR信号のデータ収集中に、偶発的に他の磁気共鳴イメージング装置に起因する外来電磁波が妨害信号として受信され、MR画像の品質が損なわれることもある。特に、近接して設置された磁気共鳴イメージング装置と他の磁気共鳴イメージング装置との静磁場強度が同じ場合には、両装置において磁気共鳴周波数(即ち、ラーモア周波数)はほぼ同じとなるため、悪影響を受けやすい。
【0045】
また、病院等の施設において、静磁場強度が同じである磁気共鳴イメージング装置と他の磁気共鳴イメージング装置とを近接して設置するにあたり、両装置においてラーモア周波数を多少ずらして設置された場合であっても、RFパルスの帯域幅、マルチスライス選択のためのRFパルスの周波数のオフセット、等により、磁気共鳴イメージング装置と、他の磁気共鳴イメージング装置とでラーモア周波数の帯域幅が重なり、MR画像に悪影響を及ぼすことがある。
【0046】
そこで、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、少なくとも1台の他の磁気共鳴イメージング装置と近接して設置された場合に、画像品質を保ちながらデータ収集を行うために、MR信号のデータ収集時にMR画像の品質が損なわれる要因となり得るデータを除外する。なお、本明細書では、「他の磁気共鳴イメージング装置」が出力するRFパルスを「外部RFパルス」と呼び、「他の磁気共鳴イメージング装置」から影響を受ける「磁気共鳴イメージング装置1」が出力するRFパルスを単に「RFパルス」と呼ぶことで、両者を区別するようにしている。
【0047】
なお、他の磁気共鳴イメージング装置の構成及び動作は、以下説明する少なくとも1つの実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1と実質的に異ならないため、説明を省略する。また、他の磁気共鳴イメージング装置が以下説明する少なくとも1つの実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の構成及び動作を備えることにより、両装置において、MR信号のデータ収集時にMR画像の品質が損なわれる要因となり得るデータを除外することができる。
【0048】
以下、MR信号のデータ収集時にMR画像の品質が損なわれる要因となり得るデータを除外するために、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、他の磁気共鳴イメージング装置側の情報を受け取る手法を提供し、第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、磁気共鳴イメージング装置1において情報を検出する手法を提供する。
【0049】
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1と他の磁気共鳴イメージング装置との関係を説明する図である。第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1のインターフェース4は、他の磁気共鳴イメージング装置で実行されているパルスシーケンスのうち少なくとも外部RFパルスのタイミング信号を受信できるように、他の磁気共鳴イメージング装置と通信可能に構成される。インターフェース4は、例えば、他の磁気共鳴イメージング装置のRF送信器、シーケンスコントローラ、処理回路等のタイミング回路から、他の磁気共鳴イメージング装置から送信される外部RFパルスの印加タイミングに関するタイミング信号を受信できる。
【0050】
処理回路340は、
図1に示すように、収集機能341、判定機能342、及び再収集機能343の各機能を実現する。収集機能341は、MR信号を収集する。判定機能342は、他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルスが、収集中のMR信号に影響を与え得るか否かの判定をする。再収集機能343は、判定においてMR信号に影響を与え得ると判定された場合、収集中のMR信号を無効とし、無効とされたMR信号を再度収集する。
【0051】
処理回路340の上記各機能の構成及び動作について、
図4のフローチャート、
図5及び
図6を用いて説明する。なお、
図4のステップST20におけるデータの収集は、以下の説明において判り易さのために、収集機能341によるデータの収集がされる場合はステップST20A、再収集機能343によるデータの収集がされる場合はステップST20Bとする。
【0052】
始めに、寝台16の天板15の上に被検体Pが載置される。そして、処理回路340が、ユーザの入力操作、予め設定された検査種別、検査名、等により取得した、例えば、位相エンコード数、TE、TR等の各種パラメータ等による撮像条件に基づいて、シーケンスコントローラ34にスキャンをさせるための設定をする。なお、位相エンコード数は、画像分解能、画像SN比、撮像時間等に応じて任意に選択される。
【0053】
位相エンコードは、位相エンコード数に基づいて、例えば、撮像条件で位相エンコード数が256とされれば、位相エンコード傾斜磁場をかけない場合を0エンコードとして、0エンコードよりプラス側に128分割、マイナス側に127分割された位相エンコード傾斜磁場とされる。そして、全ての位相エンコードにおいて、MR信号のデータが収集されることとなる。また、ハーフフーリエ法が用いられてもよい。
【0054】
ステップST10において、収集機能341は、位相エンコードの初期値を設定する。位相エンコードの初期値の設定は、例えば、各種パラメータ等による撮像条件に基づいて行われる。また、例えば、記憶回路350に記憶された位相エンコードに関する情報やテーブル等に基づいて行われてもよい。
【0055】
ステップST20Aにおいて、収集機能341は、設定された位相エンコードにおける繰り返し時間の単位でMR信号のデータを収集する。設定された位相エンコードは、ステップST10からステップST20Aに続く場合には、初期値の位相エンコードが用いられ、後述するステップST50AからステップST20Aに続く場合には、ステップST50Aで変更された位相エンコードが用いられる。また、収集機能341は、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得るか否かの判定に関わらず、繰り返し時間とMR信号を発生させるためのRFパルス印加の周期とを一定に維持してMR信号を収集する。
【0056】
ステップST30において、判定機能342は、繰り返し時間の単位ごとに、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得るか否かを判定する。外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得るか否かは、MR信号の収集期間と、すなわち、MR信号のサンプリング時間と、他の磁気共鳴イメージング装置における外部RFパルスとが重なっているか否かで判定される。
【0057】
MR信号のサンプリング時間と外部RFパルスとの重なりは、インターフェース4が受信した外部RFパルス印加のタイミング信号に基づいて判定される。インターフェース4が受信するタイミング信号は、外部RFパルス印加のタイミングがわかればよく、外部RFパルス印加のタイミング信号に代えて、例えば、スライスを選択励起するための勾配のタイミング信号等であってもよい。
【0058】
ステップST30において、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得ると判定された(即ち、
図4においてYES)場合には、無効とされたMR信号と同じ位相エンコードの状態で、後述するMR信号を再度収集するステップST20Bに進む。
【0059】
ステップST20Bにおいて、再収集機能343は、位相エンコードにおける繰り返し時間の単位でMR信号のデータを収集する。再収集機能343は、無効とされたMR信号と同じ位相エンコードのMR信号を、無効とされた直後に再度収集する。また、再収集機能343は、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得るか否かの判定に関わらず、繰り返し時間とMR信号を発生させるためのRFパルス印加の周期とを一定に維持してMR信号を収集する。
【0060】
ここで、
図5及び
図6を用いて、磁気共鳴イメージング装置1において、MR信号のデータ収集中に外部RFパルスからの影響を受けた場合のK空間データの収集方法について具体的に説明する。
図6のハッチングは、無効とされ、再度収集されたMR信号のデータであることを示す。また、ここで、ビューとは、特定の位相エンコードで収集されるK空間上の特定の読み出しラインのことである。例えば、磁気共鳴イメージング装置1は、2次元のSE法により、定常状態の下、位相エンコードをビュー1、ビュー2、ビュー3、ビュー4、…と各ビューのMR信号のデータを収集できるように、ビューN(N:自然数)まで変更する。
図5に示すように例えば、ビュー2のMR信号のデータ収集中に外部RFパルスのタイミング信号を受信した場合に、ビュー2のMR信号のデータは無効とされる。そして、無効とされたMR信号と同じ位相エンコードで、ビュー2のMR信号が、無効とされた直後に再度収集される。
【0061】
図4に戻り、ステップST30において、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得ないと判定された(即ち、
図4においてNO)場合には、後述するシーケンスの終了を判定するステップST40に進む。
【0062】
ステップST40において、収集機能341及び再収集機能343は、全てのMR信号のデータ収集が終了したか否かを判定する。
【0063】
ステップST40において、全てのMR信号のデータ収集が終了していないと判定された(即ち、
図4においてNO)場合には、後述する位相エンコードを変更するステップST50Aに進む。ステップST40において、全てのMR信号のデータ収集が終了したと判定された(即ち、
図4においてYES)場合、終了する。そして、全てのMR信号のデータ収集が終了すると、MR画像が再構成される。
【0064】
ステップST50Aにおいて、収集機能341は、位相エンコードを変更する。位相エンコードの変更後、ステップST20Aに進み、MR信号を繰り返し時間の単位で順次収集することなる。位相エンコードの変更は、例えば、記憶回路350に記憶された位相エンコードに関する情報やテーブル等に基づいて行われる。
【0065】
第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、他の磁気共鳴イメージング装置が近接して設置される場合に、外部RFパルス印加のタイミングを受信することで、MR信号のデータ収集時にMR画像の品質が損なわれる要因となり得るデータを除外することができ、画像品質を保ちながらMR信号の収集を行うことができる。そのため、静磁場強度が同じ磁気共鳴イメージング装置を設置する場合に想定される設置位置等、設置環境への配慮の緩和につながる可能性がある。また、電波・磁場シールド等のシールドルームに対する要求の低減につながる可能性がある。
【0066】
(第1の実施形態の第1変形例)
図7は、第1の実施形態の第1変形例に係るMR信号のデータ収集の動作例を示すフローチャートである。
図7に示すように、第1の実施形態の第1変形例の磁気共鳴イメージング装置1では、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得ると判定された場合に、判定により無効とされたMR信号の位相エンコードに関する情報を記憶しておき、一群の位相エンコードに係るシーケンス終了後に、無効とされたMR信号と同じ位相エンコードのMR信号を再度収集する。この点で、無効とされたMR信号と同じ位相エンコードのMR信号を、無効とされた直後に再度収集していた第1の実施形態と異なる。他の構成及び作用については
図1に示す第1の実施形態と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
以下の説明において判り易さのために、収集機能341によるデータの収集がされる場合はステップST20A、再収集機能343によるデータの収集がされる場合はステップST20Cとする。また、同様に、収集機能341による位相エンコードの変更がされる場合はステップST50A、再収集機能343による位相エンコードの変更がされる場合はステップST50Bとする。
【0068】
第1の実施形態と実質的に異ならないステップST10、及びステップST20Aには同一符号を付し、重複する説明を省略する。ステップST20Aの後、ステップST31に進む。
【0069】
ステップST31において、判定機能342は、繰り返し時間の単位ごとに、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得るか否かを判定する。そして、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得ると判定された場合に、記憶回路350は、判定により無効とされたMR信号の位相エンコードに関する情報を記憶する。ステップST31では、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得るか否かの判定によらず、ステップST35に進む。
【0070】
ステップST35において、収集機能341及び再収集機能343は、シーケンスが終了したか否かを判定する。「シーケンスの終了」とは、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得ると判定されたか否かにかかわらず、計画された「一群の位相エンコード」に係るシーケンスの実行が終了したことである。「一群の位相エンコード」とは、MR画像の再構成に必要とされる全ての位相エンコードと、全ての位相エンコードを複数のグループに分割した場合の当該グループ内の全ての位相エンコードとである。
【0071】
シーケンスの終了判定が、全ての位相エンコードが終了したか否かで判定される場合には、全ての位相エンコードにおいてデータ収集後に、記憶されていた無効とされたMR信号の位相エンコードのデータが再度収集されることとなる。
【0072】
また、全ての位相エンコードを複数のグループに分割し、シーケンスの終了判定をグループ毎に当該グループの位相エンコードが終了したかどうかを判定する場合には、特定のグループの位相エンコードにおいてデータの収集後に、記憶されていた無効とされたMR信号の位相エンコードのデータを再度収集し、別の特定のグループにおいても同様にデータの収集とデータの再度収集とを繰り返し、全てのグループのデータ、即ち全ての位相エンコードのデータを収集することとなる。
【0073】
ステップST35において、シーケンスが終了していないと判定された(即ち、
図7においてNO)場合、ステップST50Aに進む。ステップST50Aは、
図4のステップST50Aと実質的に異ならないため、重複する説明を省略する。
【0074】
ステップST35において、シーケンスが終了したと判定された(即ち、
図7においてYES)場合、ステップST41に進む。ステップST41は、全てのMR信号のデータ収集が終了していないと判定された(即ち、
図7においてNO)場合には、後述するステップST60に進む。ステップST41において、全てのMR信号のデータ収集が終了したと判定された(即ち、
図7においてYES)場合、終了する。そして、全てのMR信号のデータ収集が終了すると、MR画像が再構成される。
【0075】
具体的には、ステップST60において、再収集機能343は、記憶された無効とされたMR信号の位相エンコードに関する情報を取得し、新たな位相エンコードとして設定する。ステップST60は、ステップST20Cに進む。
【0076】
ステップST20Cにおいて、再収集機能343は、位相エンコードにおける繰り返し時間の単位でMR信号のデータを収集する。再収集機能343は、無効とされたMR信号と同じ位相エンコードのMR信号をシーケンスが終了した後再度収集する。また、再収集機能343は、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得るか否かの判定に関わらず、繰り返し時間とMR信号を発生させるためのRFパルス印加の周期とを一定に維持してMR信号を収集する。
【0077】
記憶された無効とされたMR信号の位相エンコードに関する情報が新たな位相エンコードとして設定された後の動作は、ステップST35において、シーケンスが終了していないと判定された(即ち、
図7においてNO)場合、ステップST50Bに進む以外は、前述した動作と実質的に異ならないため、重複する説明を省略する。
【0078】
ステップST50Bにおいて、再収集機能343は、位相エンコードを変更する。位相エンコードの変更後、ステップST20Cに進み、MR信号を繰り返し時間の単位で順次収集することなる。位相エンコードの変更は、例えば、記憶回路350に記憶された位相エンコードに関する情報やテーブル等に基づいて行われる。
【0079】
(第1の実施形態の第2変形例)
図8は、第1の実施形態の第2変形例に係る磁気共鳴イメージング装置1の全体構成の一例を示す概略図である。
図8に示すように、第1の実施形態の第2変形例に係る磁気共鳴イメージング装置1は、処理回路340に、報知機能344をさらに実現する点で第1の実施形態と異なる。他の構成および作用については
図1に示す第1の実施形態と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
報知機能344は、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得ると判定され、無効とされるMR信号のデータが連続して続く等、撮影時間が延長される場合には、撮影時間が延長する旨の情報を、ディスプレイ42、音声等により、ユーザに報知してもよい。
【0081】
また、報知機能344は、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得ると判定された場合に、無効とされたMR信号のデータの数やTR等の撮像条件に基づいて新たに算出された延長後の撮影時間を、ディスプレイ42、音声等により、ユーザに報知してもよい。
【0082】
第1の実施形態の第2変形例に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、ユーザは撮影時間の延長を知ることができ、被検体Pとなる患者にかかる負担に配慮する等、その延長時間に応じた新たな対応を考えることができる。
【0083】
(第1の実施形態の第3変形例)
第1の実施形態では、1TRあたり1ビューのMR信号のデータ収集をしていたのに対して、第1の実施形態の第3変形例に係る磁気共鳴イメージング装置1は、1TRあたり複数ビューのMR信号のデータ収集をする。
図9及び
図10において2次元の高速スピンエコー(FSE)法を一例として、MR信号をデータ収集中に、外部RFパルスからの影響を受けた場合について説明する。なお、TEは実効TEとなる。
図9及び
図10では、画像生成に必要な全ビューの数をNとし、全ビューを4つのセグメントに分割し、1TRの期間で1セグメント内の各ビューを収集する例を示している。つまり、
図9及び
図10は、1TRあたりのエコー数がN/4の場合の例を示している。なお、1TRあたりのエコー数は、撮像条件により設定可能である。
【0084】
図9では、例えば、1回目のTRにおいて、ビュー1、ビュー5、ビュー9、…、と各ビューのMR信号のデータを収集できるように、ビュー(N-3)まで位相エンコードを変更し、2回目のTRにおいて、ビュー2、ビュー6、ビュー10、…、と各ビューのMR信号のデータを収集できるように、ビュー(N-2)まで位相エンコードを変更しながら、最終的にビュー1からビューN(N:自然数)までのMR信号のデータが収集されている。
【0085】
例えば、2回目のTRにおけるビュー6におけるMR信号のデータ収集中に外部RFパルスのタイミング信号を受信した場合に、ビュー6のMR信号のデータは無効とされる。この場合、無効とされた直後の3回目のTRにおいて、無効とされたMR信号と同じ位相エンコードであるビュー6のMR信号を少なくとも含むように、MR信号のデータが再度収集される。
図10においてハッチングで示すように、例えば、無効とされたビュー6のみに限らず、2回目のTRでデータ収集が行われた、ビュー2、ビュー6、ビュー10、…、ビュー(N-2)の複数のMR信号のデータが、3回目のTRにおいて再度収集されてもよい。
【0086】
つまり、収集機能341は、複数の位相エンコードを所定の繰り返し時間で変えながら、複数のMR信号を繰り返し時間の単位で順次収集し、判定機能342は、繰り返し時間の単位ごとに、外部RFパルスが収集中の複数のMR信号のうち少なくとも1つのMR信号に影響を与え得るか否かを判定し、再収集機能343は、外部RFパルスが収集中の複数のMR信号のうち少なくとも1つのMR信号に影響を与え得ると判定された場合、無効とされた複数のMR信号と同じ複数の位相エンコードのMR信号を再度収集してもよい。
【0087】
(第1の実施形態のその他の変形例)
第1の実施形態及び第1の実施形態の第3変形例に係る磁気共鳴イメージング装置1において、2次元のSE法及びFSE法を用いて説明したが、SE法、FSE法の他に、例えば、IR法、SSFP法、GRE法、EPI法等、公知の2次元、及び3次元のパルスシーケンスを用いることができる。
【0088】
MR信号を3次元で収集する場合には、位相エンコードとして、スライス傾斜磁場Gsによるスライス位相エンコードも含まれる。スライス位相エンコードを所定の繰り返し時間で変えながら、MR信号を繰り返し時間の単位で順次収集し、繰り返し時間の単位ごとに、外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得るか否かを判定し、無効とされたMR信号と同じスライス位相エンコードのMR信号を、無効とされた直後、または、一群のスライス位相エンコードの終了後に、再度収集してもよい。同じのビューに対する全てのスライスのMR信号のデータを収集してビューを変更して次のビューに対する全てのスライスのMR信号のデータを収集していく場合には、一群のスライス位相エンコードは、例えば、位相エンコード傾斜磁場Gpの一つの位相エンコードに対する全てのスライス位相エンコードと設定してもよい。
【0089】
また、
図6及び
図10は、位相エンコード傾斜磁場Gpを少しずつ変化させて、位相エンコードの異なる複数のMR信号をデータ収集し、K空間において平行な方向に並ぶようにK空間を充填するカーテシアン収集法として説明した。しかし、K空間データの収集方法は、K空間の原点を中心として回転角の異なる複数のMR信号のデータが放射状に並ぶように配置するラディアル収集法等の、公知の非カーテシアン収集法でもよい。例えば、MR信号をラディアル収集法で収集する場合には、位相エンコードとして、位相エンコード傾斜磁場Gpとリード傾斜磁場Grとによる位相エンコードが行われてもよい。すなわち、外部RFパルスが、ラディアル収集法で収集中のMR信号に影響を与え得ると判定された場合、収集中のMR信号を無効とし、無効とされたMR信号を再度収集してもよい。
【0090】
(第2の実施形態)
図11は、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1と他の磁気共鳴イメージング装置との関係を説明する図である。
図11に示すように、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、他の磁気共鳴イメージング装置の検査室B内に備えられた外部RFパルス検出器5から外部RFパルス印加のタイミング信号を受信する点において、第1の実施形態と異なる。また、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1のインターフェース4は、外部RFパルス検出器5から情報を受信できるように構成される。他の構成及び作用については
図1に示す第1の実施形態と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0091】
磁気共鳴イメージング装置1は、他の磁気共鳴イメージング装置の検査室B内に外部RFパルス検出器5をさらに備える。外部RFパルス検出器5は、他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルス印加のタイミング信号の検出が可能に構成される。外部RFパルス検出器5は、外部RFパルス印加のタイミング信号をインターフェース4に送信する。また、インターフェース4は、外部RFパルス検出器5から外部RFパルス印加のタイミング信号を受信できる。また、第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、外部RFパルス検出器5から受信した外部RFパルス印加のタイミング信号を利用する点を除き、動作は、
図4に示す第1の実施形態と実質的に異ならないため、説明を省略する。
【0092】
第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、磁気共鳴イメージング装置1と他の磁気共鳴イメージング装置とが、他社の製品である等、通信可能でない場合であっても、外部RFパルス印加のタイミング信号を受信することができ、MR信号のデータ収集時にMR画像の品質が損なわれる要因となり得るデータを除外することができる。
【0093】
(第3の実施形態)
図12は、第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の全体構成の一例を示す概略図である。
図12に示すように、第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、さらに、外部RFパルスを含む妨害信号検出器6を備えている点において、第1の実施形態と異なる。また、第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1のインターフェース4は、妨害信号検出器6から情報を受信できるように構成される。他の構成及び作用については
図1に示す第1の実施形態と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0094】
図12は、第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1と他の磁気共鳴イメージング装置との関係を説明する図である。
図12に示すように、磁気共鳴イメージング装置1の設置された検査室A内に、さらに妨害信号検出器6が設けられる。
【0095】
妨害信号検出器6は、例えば、アンテナ61と、バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)62と、検波器63と、から構成される。アンテナ61は、妨害信号を受信する。妨害信号には、例えば、磁気共鳴イメージング装置1におけるMR信号のデータ収集において発生するノイズ、他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルス自体、或いは、外部RFパルスに起因するノイズ等が含まれる。バンドパスフィルタ62は、アンテナ61が受信した妨害信号のうち、磁気共鳴イメージング装置1の静磁場強度における磁気共鳴周波数帯域の妨害信号を通過させる。検波器63は、バンドパスフィルタ62を通過した周波数帯域の妨害信号を検波する。妨害信号検出器6は、検出した妨害信号に関する情報を磁気共鳴イメージング装置1のインターフェース4に送信する。
【0096】
また、妨害信号検出器6は、検査室A内において磁気共鳴イメージング装置1の外側に設けられる。妨害信号検出器6のうち少なくともアンテナ61は、例えば、検査室A内で、かつ、他の磁気共鳴イメージング装置が設置された検査室Bに近い場所に設置されてもよい。検査室Bに近い場所に設置されれば、他の磁気共鳴イメージング装置に起因する妨害信号を効率よく受信することができる。
【0097】
図13は、第3の実施形態に係るMR信号のデータ収集の動作例を示すフローチャートである。
図4に示すように、第1の実施形態では、MR信号のデータ収集と他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルス印加から送信されるタイミング信号とが重なっているか否かに基づいて外部RFパルスが収集中のMR信号に影響を与え得るか否かを判定していたのに対して、第3の実施形態では、MR信号のデータ収集中に検出された妨害信号に関する情報に基づいて外部RFパルスを含む妨害信号が収集中のMR信号に影響を与え得るか否かを判定する点で第1の実施形態と異なる。
【0098】
図4に示す第1の実施形態と実質的に異ならないステップST10、ステップST20(ST20A、ST20B)、ステップST40、及びステップST50Aには同一符号を付し、重複する説明を省略する。ただし、ステップST20(ST20A、ST20B)、及びステップST50Aにおいて、収集機能341及び再収集機能343は、外部RFパルスを含む妨害信号が収集中のMR信号に影響を与え得るか否かの判定に関わらず、繰り返し時間とMR信号を発生させるためのRFパルス印加の周期とを一定に維持してMR信号を収集する。
【0099】
ステップST32において、判定機能342は、繰り返し時間の単位ごとに、インターフェース4が受信した妨害信号に関する情報に基づいて、妨害信号が収集中のMR信号に影響を与え得るか否かを判定する。判定機能342は、例えば、MR信号の収集中に、妨害信号検出器6において所定の閾値以上の妨害信号が検出された場合に、妨害信号が収集中のMR信号に影響を与え得ると判定する。
【0100】
ここで、ステップST32について、
図14を用いて、より具体的に説明する。
図14に示すように、例えば、磁気共鳴イメージング装置1は、
図5の場合と同様に、定常状態の下、ビュー1、ビュー2、ビュー3、ビュー4、…、と各ビューのMR信号のデータを収集できるように、ビューN(N:自然数)まで位相エンコードを変更する。例えば、ビュー2のMR信号のデータ収集中に所定の閾値以上の妨害信号N1が検出され、ビュー2のMR信号のデータは無効とされる。この場合、無効とされたMR信号と同じ位相エンコードで、ビュー2のMR信号が、無効とされた直後に再度収集される。ビュー2のMR信号が再度収集される中、再び妨害信号N2が検出されているが、妨害信号N2は所定の閾値未満であるため、再度収集されたデータは有効なものとして取り扱われ、次のビュー3のMR信号のデータが収集されることとなる。
【0101】
所定の閾値は、収集されるMR信号の信号強度と、他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルスに起因する妨害信号の信号強度とに基づいて設定されてもよい。例えば、収集されるMR信号の信号強度と他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルスに起因する妨害信号の信号強度とは大きさが異なるため、より大きい外部RFパルスに起因する妨害信号を除外するように閾値を設定することができる。また、所定の閾値は、アンテナ61及び検波器63の効率等から予め記憶回路350に記憶された閾値が設定されてもよい。
【0102】
また、所定の閾値は、収集されるMR信号の信号強度に応じて、MR信号のデータが不当に無効にされることがないように設定されるとよい。例えば、MR信号の信号強度が大きい条件では、MR信号の信号強度が小さい条件に比べて、所定の閾値は大きく設定される。
【0103】
収集されるMR信号の信号強度は、前述した式(1)及び式(2)に示すように、パルスシーケンスの種類、各種パラメータ等による撮像条件の設定、等により異なる。所定の閾値は、当該磁気共鳴イメージング装置で実行されているパルスシーケンスの種類及び各種パラメータ等による撮像条件に基づいて設定されてもよい。また、被検体Pに印加されるRFパルスの出力の大きさや、MR信号を受信するコイルの種類等によって、収集されるMR信号の信号強度は異なる。よって、所定の閾値は、当該磁気共鳴イメージング装置で被検体Pに印加されるRFパルスの出力の大きさや、MR信号を受信するコイルの情報に基づいて設定されてもよい。
【0104】
第3の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1によれば、MR信号のデータ収集中に、他の磁気共鳴イメージング装置の外部RFパルスが妨害信号として混入した場合に無効なデータを除外することができる他に、他の磁気共鳴イメージング装置に起因して、偶発的にMR画像の品質が損なわれる要因となり得る外来電磁波等が発生し、妨害信号として混入した場合においても無効なデータを除外することができる。
【0105】
以上説明した少なくとも1つの実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置によれば、他の磁気共鳴イメージング装置が近接して設置される場合に、画像品質を保ちながらMR信号の収集を行うことができる。
【0106】
なお、上記実施形態において、「プロセッサ」という文言は、例えば、専用、又は、汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。また、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存するかわりに、当該プログラムに相当する機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行するハードウェア処理により各種機能を実現する。或いは、また、プロセッサは、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを組み合わせて各種機能を実現することもできる。
【0107】
また、上記実施形態では処理回路の単一のプロセッサが各機能を実現する場合の例について示したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサが各機能を実現してもよい。また、プロセッサが複数設けられる場合、プログラムを記憶する記憶回路は、プロセッサごとに個別に設けられてもよいし、1つの記憶回路が全てのプロセッサの機能に対応するプログラムを一括して記憶してもよい。
【0108】
なお、実施形態の説明における収集機能341、判定機能342、及び再収集機能343は、夫々、特許請求の範囲の記載における、収集部、判定部、及び再収集部の一例である。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0110】
1 磁気共鳴イメージング装置 4…インターフェース 5…外部RFパルス検出器 6…妨害信号検出器 10…静磁場磁石 11…傾斜磁場コイル 33…RF送信器 34…シーケンスコントローラ 61…アンテナ 62…バンドパスフィルタ 63…検波器 P…被検体 340…処理回路 350…記憶回路 341…収集機能 342…判定機能 343…再収集機能 344…報知機能