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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126612
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】除湿装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20240912BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20240912BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20240912BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20240912BHJP
【FI】
B01D53/26 100
F24F3/14
F24F11/74
F24F11/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035105
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】甲田 幸大
【テーマコード(参考)】
3L053
3L260
4D052
【Fターム(参考)】
3L053BC02
3L260AB13
3L260BA05
3L260BA16
3L260CB67
3L260CB71
3L260DA05
3L260EA09
3L260FA12
3L260FB72
4D052AA08
4D052BA04
4D052BB02
4D052BB04
4D052BB06
4D052BB09
4D052CB00
4D052DA03
4D052DA06
4D052DB01
4D052DB03
4D052GA01
4D052GA02
4D052GA03
4D052GA04
4D052GB00
4D052GB01
4D052GB07
4D052HA03
(57)【要約】
【課題】内部乾燥運転における乾燥効率を高めることができる除湿装置を提供する。
【解決手段】除湿装置は、吸込口と排出口とを備える筐体と、前記排出口に設けられたルーバを開閉するルーバ駆動部と、前記吸込口から装置外の空気を取り入れて前記排出口へ導風する送風部と、空気中の水分を除湿する除湿部と、前記吸込口から取り入れた空気を前記除湿部で除湿して、前記ルーバが開放された前記排出口から排出する除湿運転モードと、前記除湿運転モードが停止した後に装置内部を乾燥させる内部乾燥モードとを実行させる制御部とを備え、前記除湿部は、前記吸引口から取り入れた空気を蒸発部で冷却して空気中の水分を凝縮させて除湿する冷却サイクル式除湿部を含み、前記制御部は、前記内部乾燥モードにおいて、前記ルーバを開放させた状態で前記送風部を所定時間駆動させる。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口と排出口とを備える筐体と、
前記排出口に設けられたルーバを開閉するルーバ駆動部と、
前記吸込口から装置外の空気を取り入れて前記排出口へ導風する送風部と、
空気中の水分を除湿する除湿部と、
前記吸込口から取り入れた空気を前記除湿部で除湿して、前記ルーバが開放された前記排出口から排出する除湿運転モードと、前記除湿運転モードが停止した後に装置内部を乾燥させる内部乾燥モードとを実行させる制御部と
を備え、
前記除湿部は、前記吸引口から取り入れた空気を蒸発部で冷却して空気中の水分を凝縮させて除湿する冷却サイクル式除湿部を含み、
前記制御部は、前記内部乾燥モードにおいて、前記ルーバを開放させた状態で前記送風部を所定時間駆動させる
除湿装置。
【請求項2】
次の(a)から(e)までのいずれかの場合に、前記制御部は、前記除湿運転モードの実行を停止する
請求項1に記載の除湿装置。
(a)ユーザから操作部に除湿運転終了の操作を受け付けたとき
(b)除湿された水分を貯留するタンクに設けられた満水センサにより満水が検出されたとき
(c)タイマに予め設定されていた時間が経過したとき
(d)装置に設けられた傾きセンサにより装置が所定角度以上傾倒したことが検出されたとき
(e)複数の回路基板を相互に通信可能に備えており、回路基板間の通信異常が検出されたとき
【請求項3】
前記送風部は、ファンと前記ファンを回転駆動するファン駆動モータを備え、
前記制御部は、前記内部乾燥モードにおける前記ファンの回転速度が、前記除湿運転モードにおける前記ファンの最低回転速度に対して、70~130%の範囲内となるように前記ファン駆動モータを制御する
請求項1又は2に記載の除湿装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記除湿運転モードの実行時間に基づき、前記内部乾燥モードの実行時間を決定する
請求項1又は2に記載の除湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の水分を除く除湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
除湿装置として、例えば、特許文献1では、吸い込んだ空気中の水分を蒸発器で凝縮し、結露した水を回収するタンクと、乾燥した空気を吹き出す吹出口と、該吹出口を開いた開位置と前記吹出口を閉じた閉位置との間で開閉自在に風向きを調節するルーバとを有し、タンクが満水になったことが検知されたときに除湿運転を停止し、強制的に前記ルーバを閉位置にする構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4188856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、除湿運転が停止した後に除湿装置の内部の蒸発器などを乾燥するため、外部の空気を取り込んで内部を乾燥させるモード(内部乾燥モード)を実行する構成が知られている。このような内部乾燥モードを実行させる場合において、上記特許文献1のように吹出口を閉じてしまうと、機内(除湿装置の筐体内部)で同じ空気が滞留し、新たな外部の空気が機内に流入しにくくなるので、乾燥効率がよいとは言えない。
本発明は、内部乾燥モードが実行可能な除湿装置において、当該内部乾燥モードにおける乾燥効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る除湿装置は、吸込口と排出口とを備える筐体と、前記排出口に設けられたルーバを開閉するルーバ駆動部と、前記吸込口から装置外の空気を取り入れて前記排出口へ導風する送風部と、空気中の水分を除湿する除湿部と、前記吸込口から取り入れた空気を前記除湿部で除湿して、前記ルーバが開放された前記排出口から排出する除湿運転モードと、前記除湿運転モードが停止した後に装置内部を乾燥させる内部乾燥モードとを実行させる制御部とを備え、前記除湿部は、前記吸引口から取り入れた空気を蒸発部で冷却して空気中の水分を凝縮させて除湿する冷却サイクル式除湿部を含み、前記制御部は、前記内部乾燥モードにおいて、前記ルーバを開放させた状態で前記送風部を所定時間駆動させる。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、内部乾燥モードにおいて、排出口が開放された状態で送風部が駆動されるので、新たな外気が除湿装置の筐体内部に流入しやすくなり、内部の乾燥効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る除湿装置の斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側上方から見た図である。
図2】除湿装置の断面図である。
図3】除湿装置の筐体を外した状態の斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側上方から見た図である。
図4】筐体を外した装置の分解状態を前側上方から見た斜視図である。
図5】筐体を外した装置の分解状態を後側下方から見た斜視図である。
図6】除湿装置における制御部と各部の制御系統を示すブロック図である。
図7】上記制御部により実行される制御内容を示すフローチャートである。
図8】制御部のメモリ部に格納されるテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る第1の除湿装置は、吸込口と排出口とを備える筐体と、前記排出口に設けられたルーバを開閉するルーバ駆動部と、前記吸込口から装置外の空気を取り入れて前記排出口へ導風する送風部と、空気中の水分を除湿する除湿部と、前記吸込口から取り入れた空気を前記除湿部で除湿して、前記ルーバが開放された前記排出口から排出する除湿運転モードと、前記除湿運転モードが停止した後に装置内部を乾燥させる内部乾燥モードとを実行させる制御部とを備え、前記除湿部は、前記吸引口から取り入れた空気を蒸発部で冷却して空気中の水分を凝縮させて除湿する冷却サイクル式除湿部を含み、前記制御部は、前記内部乾燥モードにおいて、前記ルーバを開放させた状態で前記送風部を所定時間駆動させる。
これにより内部乾燥モードにおいて、排出口が開放された状態で送風部が駆動されるので、新たな外気が除湿装置の筐体内部に流入しやすくなり、内部の乾燥効率を高めることができる。
【0009】
実施形態の別態様に係る第2の除湿装置は、第1の除湿装置において、次の(a)から(e)までのいずれかの場合に、前記制御部は、前記除湿運転モードの実行を停止する。(a)ユーザから操作部に除湿運転終了の操作を受け付けたとき、(b)除湿された水分を貯留するタンクに設けられた満水センサにより満水が検出されたとき、(c)タイマに予め設定されていた時間が経過したとき、(d)装置に設けられた傾きセンサにより装置が所定角度以上傾倒したことが検出されたとき、(e)複数の回路基板を相互に通信可能に備えており、回路基板間の通信異常が検出されたとき。
これによりどのような理由で除湿運転を停止した場合でも内部乾燥モードを実行することができる。
【0010】
実施形態の別態様に係る第3の除湿装置は、第1又は第2の除湿装置において、前記送風部は、ファンと前記ファンを回転駆動するファン駆動モータを備え、前記制御部は、前記内部乾燥モードにおける前記ファンの回転速度が、前記除湿運転モードにおける前記ファンの最低回転速度に対して、70~130%の範囲内となるように前記ファン駆動モータを制御する。
これにより内部乾燥実行時における騒音を通常の除湿運転時よりも抑えることができる。
【0011】
実施形態の別態様に係る第4の除湿装置は、第1~第3のいずれかの除湿装置において、前記制御部は、前記除湿運転モードの実行時間に基づき、前記内部乾燥モードの実行時間を決定する。
これにより内部乾燥に必要な時間だけ内部乾燥モードを実行することができ、過剰に内部乾燥運転をする必要がなくなる。
【0012】
<実施形態>
1.除湿装置全体の概要
図1(a)、(b)は、それぞれ本実施形態に係る除湿装置Xを前側上方、及び後側上方から見たときの外観斜視図である。
図1(a)、(b)に示すように、除湿装置Xは、外気を装置内に取り込むための吸込口11b(図1(b))と、装置内の除湿部で除湿された空気を排出するための排出口11cと、除湿された水分を貯留するタンク81を出し入れするための開口部11aとを有する筐体1を備える。
以下、説明の便宜上、除湿装置Xのタンク81用の開口部11aが存在する側を前側、吸込口11bが存在する側を後側、排出口11cが存在する側を上側とそれぞれ定義し、前後方向(奥行方向)と上下方向とに直交する方向(幅方向)を左右方向とする。
【0013】
図2は、除湿装置Xの内部構造を示すため、上記左右方向に伸びる仮想線に対し垂直な平面で除湿装置Xを切断したときの断面図であって、図の左側が装置前側、右側が装置後側を示している。
図2の断面図に示すように、除湿装置Xは、少なくとも、吸込口11bから吸引された空気を除湿する第1除湿部4と、吸込口11bから装置外部の空気を吸引して、第1除湿部4を経由して排出口11cから排出する空気流を生成するための送風部3とを、筐体1内に備える。また、本実施形態の除湿装置Xは、筐体1内に第2除湿部2を備える。第1除湿部4は、いわゆる、コンプレッサ式であり、第2除湿部2は、いわゆる、デシカント式である。このため、除湿装置Xは、ハイブリッド式除湿装置である。
第1除湿部4と第2除湿部2とは、両者を区別するために、便宜上、「第1」又は「第2」を付している。第1除湿部4と第2除湿部2は、筐体1内でフレーム7により支持されている。
本実施形態の除湿装置Xは、除湿された水を貯留するタンク81を筐体1に対して着脱(出し入れ)可能に備える。
また、除湿装置Xは、使用者が装置を操作するための操作部5、電源部と制御部63(図6参照)とを一体に備える回路ユニット6とを備える。
【0014】
2.各部の説明
以下、各部の構成について詳細に説明する。
(1)筐体
筐体1は、箱状をし、前側下部にタンク81用の開口部11aを、後側の中部から上部に亘って吸込口11bを、上側前部に排出口11cを、上側後部に操作部5用の開口をそれぞれ有している。
図1(b)、図2に示すように、吸込口11bにはフィルタ82が配設されており、埃などの異物が内部に吸引されないようになっている。また、排出口11cにはルーバ13が支軸13aを介して図2の矢印方向に揺動可能に設けられており、ルーバ駆動部131により開閉駆動される。
筐体1又はその内部に配置される第2フレーム73(図4参照)には、タンク81の満水状態を検出するための満水センサ811(図2参照)が設けられている。満水センサ811は本実施形態では、液位によって上下動するフロート(内のマグネット)を検出する水位センサ(磁気センサ)を利用しているが、これに限定されず、タンク81全体の重量を検出する重量センサなど公知のセンサが使用されてよい。
なお、除湿装置Xの筐体1には、除湿装置Xの鉛直方向に対する傾きを検出する傾きセンサ601(図2参照)も設けられている。
【0015】
(2)第1除湿部
(2-1)第1除湿部4の構成の概要
第1除湿部4は、少なくとも、コンプレッサ(圧縮器)41と蒸発器42と放熱器43とを備える。
本実施形態では、第1除湿部4は、上記コンプレッサ41、蒸発器42、放熱器43以外に減圧器44を備え、これらは、熱媒体が流動する配管45により接続されている。これにより、熱媒体は、コンプレッサ41から流出し、放熱器43、減圧器44、蒸発器42を経由してコンプレッサ41へと流入し、循環する。なお、熱媒体として、例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒を利用できる。
【0016】
(2-2)第1除湿部4における各部の構成
(コンプレッサ)
コンプレッサ41は、配管411(図3参照)を介して蒸発器42から流入してきた熱媒体を圧縮して、配管412(図3参照)を介して放熱器43へと流出する。コンプレッサ41は、重量構造物であり、装置の重心を低くして安定性を得るため筐体1の下部に配される。
【0017】
(放熱器)
放熱器43は筐体1内であって第2除湿部2よりも空気排出流路下流側(排出口11c側)に配されており、蒸発器42及び第2除湿部2を順に経由して冷却された空気を加熱する機能を有する。
放熱器43は、放熱器43を通過する空気を高温の熱媒体により熱交換(加熱)する。放熱器43は、熱伝導性の良い材料(例えば、銅、アルミニウム)からなるパイプ材431を備え、パイプ材431の内部を熱媒体が流動する。
パイプ材431は、放熱器43を通過する空気との熱交換効率を高めるために、ジグザク状に構成されている。ここでは、パイプ材431は、左右方向に延伸し、左右方向の端部で反対側に折り返されて複数回反転する。放熱器43は、上記のジグザグ状の2本のパイプ材431を前後方向に重ねる状態で備える。
パイプ材431は、薄い金属板により構成された複数のフィン432と熱的に接続し、フィン432により保持されている。なお、フィン432は、図3~5では、ブロック状で示している。
放熱器43は、第2除湿部2の除湿ロータ21の下流側、つまり、吸込口11bと反対側に配されている。
【0018】
(減圧器)
減圧器44は、例えば、膨張弁やキャピラリーチューブ等により構成され、ここではキャピラリーチューブが利用されている。減圧器44は、配管441(図3参照)を介して放熱器43から流入してきた熱媒体を減圧して低温化し、低温化された熱媒体が配管442(図3参照)を介して蒸発器42へと流出される。
【0019】
(蒸発器)
蒸発器42は、筐体1の第2除湿部2の熱交換器25よりも吸込口11bに近い側に配される。つまり、蒸発器42は、当該蒸発器42と上記放熱器43との間に第2除湿部2を挟むような位置関係となるように設けられている。
蒸発器42は、熱伝導性の良い材料(例えば、銅、アルミニウム)からなるパイプ材421を備え、パイプ材421の内部を低温の熱媒体が流動する。パイプ材421は、蒸発器42を通過する空気との接触面積を多くして熱交換効率を高めるために、ジグザグ状に構成されている。ここでは、パイプ材421は、左右方向に延伸し、左右方向の端部で反対側に複数回反転する。
パイプ材421は、薄板金属板により構成された複数のフィン422と熱的に接続し、フィン422により保持されている。なお、フィン422は、図3~5では、ブロック状で示している。
減圧器44で減圧された熱媒体が蒸発器42内に流入されてより膨張して気化され(蒸発され)、一層低温化して、吸込口11bから流入する空気を、低温の熱媒体により熱交換(冷却)する。
なお、蒸発器42は、第2除湿部2の熱交換器25の上流側、つまり、吸込口11b側に配されている。これにより、蒸発器42により冷却された空気が、下流側の熱交換器25に接触することとなり、熱交換器25の熱交換効率を高めることができる。特に、蒸発器42は、熱交換器25に近接配置されているため、蒸発器42で冷却された空気がそのまま熱交換器25に供給されることとなり一層熱交換効率を高め、第2除湿部2における除湿効率の向上にも資する。
【0020】
(2-3)第1除湿部4における除湿処理
第1除湿部4の除湿は次のようにして行われる。まず、吸込口11bから吸い込まれた空気中の水分は、蒸発器42を通過する際に熱媒体により熱が奪われる(冷却される)ことで凝縮されて水となり、タンク81に貯留され、これにより除湿処理がなされる。
蒸発器42を通過した熱媒体は、コンプレッサ41に送られ、コンプレッサ41で再び圧縮されて高圧高温となり、放熱器43へと送られる。
蒸発器42を通過した低温の空気は、放熱器43で熱媒体から熱を奪い(昇温され)、排出口11cから排出される。放熱器43の熱媒体は、減圧器44に送られ、減圧器44で減圧されて低圧低温となり、蒸発器42に送られ、以下、除湿処理サイクルが繰り返し行われる。
【0021】
(3)第2除湿部2
(3-1)第2除湿部2の概要
主に、図4及び図5を用いて説明する。
第2除湿部2は、少なくとも吸込口11bから吸い込んだ空気中の水分を除湿する除湿ロータ(デシカントロータ)21を備え、吸込口11bから吸い込まれた空気が排出口11cから排出されるまでの空気の流路上に設けられている(図2参照)。
第2除湿部2は、除湿ロータ21以外に、除湿ロータ21を部分的に加熱する加熱器22と、除湿ロータ21を回転駆動するロータ用モータ23と、加熱器22に空気を送り込む送風器24と、加熱器22により加熱されて除湿ロータ21を通過した空気と熱交換する熱交換器25(図5)と、送風器24により発生させた空気流を循環させる循環路26とを第1フレーム72に備える。
なお、循環路26は、送風器24と加熱器22とを接続する第1通路261と、加熱器22と熱交換器25とを接続する第2通路262と、熱交換器25と送風器24とを接続する第3通路263とを有しており、第1フレーム72を利用して設けられている。
【0022】
(3-2)第2除湿部2の各部の構成
(除湿ロータ)
除湿ロータ21は、例えばゼオライト等を利用し、第1フレーム72に回転可能に支持されている。除湿ロータ21を通過する空気中の水分を吸湿材に吸湿させる。
【0023】
(加熱器)
加熱器22は、除湿ロータ21に対して吸込口11bと反対側に配されたヒータケース221内にヒータを備え、除湿ロータ21を挟んでヒータケース221の反対側にレシーバ222を備える。
加熱器22のヒータケース221は、図4に示すように、円盤状の除湿ロータ21と同心上に配され且つ除湿ロータ21の外周部に沿った扇状をしている。加熱器22は、吸込口11b側から見ると、除湿ロータ21の中心を通り上下方向に延伸する仮想線に対して、左右方向の一方側であってその上部に配されている。
【0024】
(送風器)
送風器24は、図4に示すように、第1フレーム72おける吸込口11bと反対側であって左右方向の略中央の下部に配され、ファン241(図2参照)とモータ242(図4参照)とを備える。送風器24は、第1通路261を構成する第1通路カバー264に設けられており、第1通路261を介して加熱器22のヒータケース221に空気を送る。
加熱器22のヒータで加熱された空気流は、除湿ロータ21を通過して、反対側のレシーバ222で受け取られ、第1フレーム72の上部カバー265を装着してなる第2通路262を介して熱交換器25に送られる。
【0025】
(熱交換器)
熱交換器25は、図5に示すように、第1除湿部4の蒸発器42と除湿ロータ21との間であって、吸込口11b側から見たときに、除湿ロータ21の中心を通り上下方向に延伸する仮想線に対して、左右方向における加熱器22が配された側と反対側(図5では左側)に配されている。
本実施形態では、熱交換器25は、図2図5に示すように、多数本の樹脂パイプを平行に配してなる熱交換部252を備えており、上記送風器24により除湿ロータ21を通過した温風を熱交換部252の樹脂パイプ内を通過させる。熱交換部252の後側には、第1除湿部4の蒸発器42が配設されており、これにより熱交換器25の樹脂パイプ内を通過した温風が冷却されて結露が生じ、その水分がタンク81内に回収されるように構成されている。
【0026】
(3-3)第2除湿部2における除湿処理
第2除湿部2の除湿処理は次のようにして行われる。まず、吸込口11bから吸い込まれた空気が、除湿ロータ21を通過する際に空気中の水分(湿気)が除湿ロータ21に吸着される。
除湿ロータ21の水分を吸着した部分は、除湿ロータ21の回転により加熱器22に達する。送風器24と加熱器22により発生した温風が除湿ロータ21を通過すると、除湿ロータ21の吸湿材に吸湿された水分が温風内に蒸発し、この水蒸気を多く含む温風が、レシーバ222で回収されて第2通路262を介して熱交換器25に供給される。
熱交換器25は低温の蒸発器42に隣接しているため、熱交換器25の樹脂パイプ内を流れる温風が熱交換により冷却され、内部の水蒸気が凝縮されて水となり、タンク81に貯留される。
一方、除湿ロータ21のうち加熱器22により加熱された部分は、水分を放出することにより再生され、回転により加熱器22に対向する位置から移動し、再び吸込口11bから流入する空気に接触してその水分を吸着する。
このように、除湿ロータ21によって外気の水分を吸着し、送風器24及び加熱器22により生成された温風によって除湿ロータ21に吸着した水分を蒸発(除去)することにより再生し、除湿ロータ21を通過した温風を熱交換器25において冷却して水蒸気を凝縮し、結露した水分をタンク81へ回収するというサイクルを繰り返すことにより、除湿ロータ21の吸湿性能を維持して効果的にデシカント式除湿処理を実行することができる。
【0027】
(4)送風部
送風部3は、吸込口11bから装置外の空気を取り込んで、第1除湿部4、第2除湿部2を経由して、排出口11cから排出する空気流を創出するものであって、本実施形態では、排出口11cの直下に配されている。
送風部3は、図4及び図5に示すように、送風カバー31と、送風カバー31における吸込口11b側に設けられたファン32と、送風カバー31における吸込口11bと反対側に設けられ且つファン32を回転駆動させるファン用モータ33とを備える。
【0028】
(5)操作部
操作部5は、図4及び図5に示すように、使用者が装置を操作するための複数の操作ボタン部51と、装置の運転状況や使用者の操作内容を表示する表示部52とをベース53の裏面の操作基板54に備える。なお、操作ボタン部51はベース53に保持され、操作ボタン部51と表示部52は、図1に示すように、筐体1の上面に露出している。
【0029】
(6)回路ユニット
回路ユニット6は、電気コード62(図3(b)参照)を介して受電した商用電源から、第1除湿部4、送風部3、第2除湿部2、操作部5の表示部52等を駆動させるための駆動電力を生成する電源部と、使用者の操作に従って第1除湿部4、送風部3、第2除湿部2、操作部5の表示部52等を制御する制御部63(図6参照)とを有する。
電源部及び制御部63は、複数個の電子部品が回路構成された回路基板に実装されることで構成され、図4及び図5に示すように、回路ケース61に収容されている。
【0030】
2.制御部
(1)制御部の概要
図6は、上記回路ユニット6内における制御部63及び、制御部63と各部との制御系統の構成を概略的に示すブロック図である。
同図に示すように、制御部63は、CPU(Central Processing Unit)631、メモリ部632、第1タイマ633、第2タイマ634を含む。メモリ部632は、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリを含んでおり、不揮発性メモリ内に制御プログラムや当該制御に必要なテーブルが格納されている。
CPU631は、例えば操作部5から電源ONの指示を受け付けて除湿装置Xに電源が投入される際に、メモリ部632の不揮発性メモリから必要な制御プログラムを読み出し、揮発性メモリを作業用記憶領域として当該制御プログラムを実行し、除湿処理を実行させるモード(以下、「除湿運転モード」という。)及び除湿運転モード停止後に装置内部を乾燥させるモード(以下、「内部乾燥モード」という。)を少なくとも実行するようになっている。
【0031】
(2)除湿運転モード
この除湿運転モードでは、具体的に次のような(A)~(D)の制御が実行される。
(A)ルーバ駆動部131を駆動して、ルーバ13を揺動させ、排出口11cを開放状態にする。
(B)送風部3を駆動して吸込口11bから装置外部の空気を吸引して、第1除湿部4、第2除湿部2を経由してする排出口11cから排出される空気流AF(太い点線の矢印)を生成する。このとき送風部3のファン32(図5参照)を毎分R1回転(R1 rpm)で回転されるようにファン用モータ33(図4参照)の駆動が制御される。
なお、毎分当りの回転数R1の値は、除湿装置Xの除湿部(第1除湿部4及び第2除湿部2)による除湿能力を勘案しつつ決定され、また、ユーザが操作部5から操作し風量に対応して決定される。除湿能力を勘案して決定されている回転速度は、通常の除湿運転時の回転速度(標準回転速度とする)であり、ユーザの操作により、標準回転速度よりも遅い静音運転時の回転速度(静音回転速度とする)と、標準回転速度よりも速いターボ運転時の回転速度(ターボ回転速度とする)とがある。なお、静音回転速度は、除湿運転時の最低回転速度の場合もある。
【0032】
(C)第1除湿部4におけるコンプレッサ41を駆動して、冷凍サイクル式の除湿処理を実行させる。
すなわち、コンプレッサ41により熱媒体は、2点鎖線に示す順路で放熱器43、減圧器44、蒸発器42内を循環する。なお、図6は、模式図なので、便宜上減圧器44の図示は省略している。また、蒸発器42では、内部の熱媒体が気化(蒸発)して気化熱により低温になっている。この蒸発器42は、上述したように実際には第2除湿部2より上流側(吸込口11b側)に配されており(図2図5)、吸込口11bから流入した空気を、まず冷却して空気中の水分を凝縮させて除湿させる。
【0033】
(D)第2除湿部2を駆動して、デシカント式の除湿処理を実行させる。
すなわち、第1ロータ用モータ211により除湿ロータ21を所定の回転速度で回転させると共に、送風器24と加熱器22のヒータケース221内のヒータ223にそれぞれ必要な電力を供給する。これにより送風器24によって発生した空気流は、ヒータ223で加熱されて温風となり、回転により除湿ロータ21における加熱器22に対面する位置に移動した部分を通過して当該部分における水分を蒸発させる。除湿ロータ21を通過した温風は、熱交換器25内を通過することにより冷却されて水分が凝縮されて、その水滴がタンク81内に回収される。
【0034】
(3)除湿運転モードの停止
上記の除湿運転モードは、制御部63が停止信号を受信することにより停止され、内部冷却(クーリング)モードを経て内部乾燥モードに移行する。
通常の場合、停止信号は、ユーザが操作部5により、停止ボタンを押下するなど除湿運転停止の操作を行うことにより発生するが、本実施形態では、タンク81が満水になったとき、又は除湿装置Xが所定角度以上傾斜したときに停止信号が発生するように構成されている。
すなわち、除湿によりタンク81に貯留された水分の水位が満水センサ811により検出されると、その検出信号が停止信号として制御部63に送出され、制御部63は除湿運転モードを停止する。
また、傾きセンサ601により除湿装置Xが所定角度以上傾斜(この所定角度はそれ以上傾くと、元の姿勢に復帰できなくなり転倒してしまう角度に設定される。もっとも完全に転倒してしまったときの角度に設定されていてもよい。)したことが検出されると、その信号を停止信号として受け付けて安全のため除湿運転モードを停止する。
【0035】
(4)内部乾燥モード
制御部63は、上述のように停止信号により除湿処理を停止させて、機内を乾燥させる処理(内部乾燥処理)を実行させるため内部乾燥モードに切り換える。
この内部乾燥モードにおいて、これにより除湿運転後に装置内部に湿気や水滴が残り、それにより雑菌が繁殖したりカビが発生したりするのを防止するためである。
【0036】
本実施形態では、内部乾燥モードにおいて、次のように制御するようにしている。
まず、第1除湿部4におけるコンプレッサ41への電力供給を停止すると共に、第2除湿部2における加熱器22のヒータ223への電力供給を停止する。
一方、送風部3の駆動を継続することにより機外から空気を取り入れる。この際、ルーバ13を開放したままにすることにより、吸込口11bから取り入れた空気が円滑に排出口11cから流出可能となり、機内の空気の流動性が向上し、装置内部の乾燥をより促進することができる。もっとも、ルーバ13の角度(排出口11cの開放率)は、例えば除湿運転モード実行時と同じであるがこれに限定されず、例えば除湿運転モード実行時に対して30~80%の開放率であってもよい。
送風部3における内部乾燥モード実行時における機械音や送風音の発生を押さえるため、ファン用モータ33の回転速度を標準回転速度以下とすること、好ましくは、最低回転速度と同等にすることが望ましい。なお、「最低回転速度と同等」とは、最低回転速度に対して、70~130%である。
【0037】
さらに、除湿ロータ21を回転させたままで、送風器24を駆動させておくことにより、外部から流入してきた空気中の不純物が除湿ロータ21の特定箇所に集中して吸着するのを抑制する。また、これらの動作により生ずる空気の流れにより除湿ロータ21やその周辺部における乾燥を促進させることができる。
なお、除湿処理により装置内部に残存して各構成部、特に蒸発器42や除湿ロータ21などに付着する水滴の量は、除湿運転モードの継続時間に依存するので、上記内部乾燥モードの実行時間は、除湿運転モードの継続時間に応じて決定するのが望ましい。節電性や静音性の観点から過剰に内部乾燥モードを実行する必要性はないからである。
そのため、本実施形態では、直前に実行された除湿運転モードの継続時間に応じて、乾燥に必要な内部乾燥モードの実行時間を予め実験などにより求めておいて、その対応関係をテーブルとして制御部63のメモリ部632の不揮発性メモリに保存しておき、当該テーブルを参照して内部乾燥モードの実行時間を取得し、当該時間経過後に、送風部3、送風器24、除湿ロータ21の駆動を完全に停止して内部乾燥モードを終了する。
【0038】
(5)内部乾燥モードにおけるフローチャート
図7は、制御部63により、除湿運転モード及び、除湿処理が停止された後に実行される内部乾燥モードにおける制御内容を示すフローチャートである。
除湿装置Xの操作部5から除湿運転開始の操作がされると、操作部5から制御部63に除湿運転モードを実行する旨の信号が発せられ、制御部63は上述したようにルーバ13を開放すると共に第1除湿部4、第2除湿部2、送風部3の各部を駆動させて除湿処理が開始される(除湿処理ON)(ステップS11)。
これに合わせて、除湿運転モードの実行時間(除湿運転時間T1)を計時すべく第1タイマ633をスタートさせる(ステップS12)。
そして、制御部63は当該停止信号の有無を判定し(ステップS13)、停止信号がなければ除湿運転モードを継続し(ステップS13でNO)、停止信号を受信すれば(ステップS13でYES)、内部冷却(クーリング)モードを経て内部乾燥モードに切り換える。
そのため、まず、第1タイマ633による除湿運転時間T1を取得し(ステップS14)、当該除湿運転時間T1に基づき、内部乾燥モードを実行すべき時間(内部乾燥上限時間Th)を取得する。
【0039】
メモリ部632の不揮発性メモリ内には、除湿運転時間T1と内部乾燥上限時間Thとの対応を示すテーブルが格納されており、CPU631は当該テーブルを参照して、内部乾燥上限時間Thを取得する。
なお、このテーブルの内容として、例えば、除湿運転時間T1が1時間未満の場合には内部乾燥上限時間Thは30分、除湿運転時間T1が1時間以上4時間未満の場合には、内部乾燥上限時間Thは60分、除湿運転時間T1が4時間以上の場合には、内部乾燥上限時間Thは90分として、除湿運転時間T1が長くなれば、内部乾燥上限時間Thも長くなるように規定されている(図8参照)。なお、図8のテーブルに示される通り、内部冷却(クーリング)モードの実行時間は、除湿運転時間の長さに拘わらず一定(例えば1分間)である。
この内部冷却(クーリング)モードの実行時においても、不純物の特定箇所への付着防止の観点から除湿ロータ21、送風器24を駆動させておくのが望ましい。
【0040】
そして、第2タイマ634をスタートして内部乾燥時間T2の計時を開始する(ステップS16)と共に、第1除湿部4におけるコンプレッサ41及び第2除湿部2におけるヒータ223への電力の供給を停止する(ステップS17)。
また送風部3にファン回転速度が、除湿運転モード実行時の静音回転速度(最低回転速度)と同等の回転速度となるように調整する(ステップS18)。
【0041】
そして、第2タイマ634で計時されている内部乾燥時間T2が上記ステップS15で取得した内部乾燥上限時間Th以上になったか否か、すなわちT2≧Thであるか否かを判定し(ステップS19)、T2≧Thでなければ(ステップS19でNO)、そのまま内部乾燥モードを継続し、T2≧Thであれば(ステップS19でYES)、内部乾燥モードの実行を停止すべく除湿ロータ21、送風器24、送風部3の駆動を停止し(ステップS20)、第2タイマ634の計時をストップし、その計時した内部乾燥時間T2をリセットし(ステップS21)、内部乾燥モードを終了し、ルーバ13を閉じる。
なお、上記制御例では、除湿運転モードの停止後、送風部3、送風器24、除湿ロータ21などは停止させずに、そのまま内部乾燥モードに移行するようにしたが、除湿運転モードの停止信号を受けたときに、それらの全ての駆動を一旦停止し、内部乾燥モードの開始時に改めて内部乾燥処理に必要な部分だけ駆動させるようにしても構わない。
【0042】
<変形例>
以上、実施形態について説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、各変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0043】
1.筐体
筐体1は、吸込口11b及び排出口11cを有していればよく、その位置は特に限定するものではない。但し、除湿部(第2除湿部2)と冷却部(蒸発器42)は、吸込口11bから吸い込まれた空気が排出口11cから排出される流路上に位置する必要がある。
【0044】
2.冷却部
(1)上記実施形態においては、冷却部として第1除湿部4と第2除湿部2とを備え、吸込口11b、蒸発器42、熱交換器25、除湿ロータ21は、前後方向に並ぶように設けられているが、例えば、吸込口を筐体1の側面に設ける場合、吸込口から熱交換器への空気の流路上の冷却部があればよく、前後方向に限定するものではない。
(2)上記実施形態では、第1除湿部4の蒸発器42により第2除湿部2の熱交換器25に供給される空気を冷却するようにしていたが、第1除湿部4の蒸発器42以外のものでもよく、例えば、ペルチェ素子を利用して冷却するようにしても構わない。
また、蒸発器42内を流動する熱媒体として、HFC冷媒を利用したが、例えば、パイプ材421内に水や空気を循環させるような冷却部(放熱器等を備えない)であってもよい。
【0045】
3.停止信号の発生
(1)上記実施形態において図7のステップS13では、除湿運転モードの実行を停止する停止信号を発生する要因として、操作部5からの停止操作、満水センサ811によるタンク81の満水検出、傾きセンサ601による装置の所定角度以上の傾倒の検出の場合について説明したが、例えば満水センサ811による満水検出の場合には、停止信号を発する以外に操作部5に視覚的(例えば表示部に設けた警告ランプを点灯)、もしくは聴覚的(例えば、警告の音声や警告音を発生)にユーザに警告する警告手段を設けるようにしてもよい。
【0046】
(2)また、除湿運転の開始から、予めメモリ部632内に設定された所定時間(例えば、12時間)を経過すれば、自動的に停止信号を発生させるように構成しても構わない(オートパワーオフ機能)。これによりユーザの消し忘れによる無駄な除湿運転を阻止して、節電にも資する。
さらに、自分で選択した時間経過後に除湿運転を停止するようにユーザが操作部5から入力できる構成(おやすみタイマ機能)を設けて、当該選択した時間経過後に停止信号を発生するようにしても構わない。選択できる時間の候補は、例えば、2、4、6時間などである。
上記オートパワーオフ機能とおやすみタイマ機能の双方を含む上位概念として、本明細書において「タイマに設定された時間が経過したときに停止信号が発生される」と定義する。
なお、操作部5の表示部52には、現在内部乾燥モードの実行中であることを示す表示(例えば、LEDの点灯)をさせるようにする方が望ましい。これによりユーザが除湿装置Xの動作音を耳にしたとき、現在除湿運転モードと内部乾燥モードのどちらが実行されているかを容易に判別できる。
ただし、「おやすみタイマ機能」が操作された場合は、通常は睡眠前又は睡眠中なので、睡眠を妨げないため、除湿運転モードを実行する際には、LEDの発光量を低下させる(減光させる)ように制御するのが望ましい。
【0047】
(3)除湿装置Xは、回路ユニット6内以外にも複数の回路基板を有し、各回路基板間に相互に通信して信号のやり取りをしながら全体の制御を行うような場合において、いずれかの回路基板との通信が不良になった場合にも停止信号を発生して除湿運転モードの実施を停止させるのが望ましい。また、この回路基板間の通信不良をユーザに警告する警告手段を設けておく方が望ましい。
上記のようにすることにより、除湿運転モードがいずれかの原因により停止されても、その後、ルーバ13の開放状態を維持して装置内部を空気が流動しやすい状態で送風部3などによって空気流を発生させ、効率的に装置内部を乾燥することができ、装置内部にカビや雑菌などが発生するのを防止することが可能となる。
【0048】
4.除湿部
上記実施形態では、除湿部として、コンプレッサ方式の除湿部(第1除湿部4)とデシカント式除湿部(第2除湿部2)とのハイブリッドの構成としたが、場合によっては第1除湿部4のみであっても構わない。すなわち、本発明の除湿装置は、ハイブリッド式の除湿装置に限定されず、コンプレッサ式の除湿装置にも適用可能である。第1除湿部4の除湿方式では、筐体1の内部に結露が生じやすいので、内部乾燥モードを実行することによるカビ・雑菌発生の防止の効果が大きい。
【0049】
5.内部乾燥モードの運転時間
上記実施形態においては、内部乾燥モードの運転時間を、その直前に実行された除湿運転モードの運転時間に基づきメモリ部632に格納されたテーブルを参照して決定するようにした。しかし、実際の内部乾燥に要する時間は、吸込口11bから取り入れた空気の温度や湿度にも影響されるので、吸込口11bに温度センサ及び/又は湿度センサを配して、それらの検出値に基づいて、テーブルに設定された内部乾燥上限時間Thを補正するようにすれば、より細やかな内部乾燥制御が可能になる。
【0050】
6.送風部のファン回転速度
上記実施形態では、除湿運転モードにおける送風部3のファン回転速度が3種類しか設定されてなかったが、例えば、ユーザが操作部5から、静音性を、複数(4以上の自然数)の段階に設定できるように構成してもよい。この場合、静音性が一番高い段階が選択されると、送風部3のファン回転速度が最低回転速度に設定される。そして、内部乾燥モードの実行時における送風部3のファン回転速度は、上記除湿運転モードにおける最低回転速度の70~130%の範囲内で設定されるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0051】
X 除湿装置
1 筐体
2 第1除湿部
3 送風部
4 第2除湿部
11a 開口部
11b 吸込口
11c 排出口
13 ルーバ
21 除湿ロータ
22 加熱器
23 ロータ用モータ
24 送風器
25 熱交換器
41 圧縮器
42 蒸発器
43 放熱器
44 減圧器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8