(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126644
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】機器ケース及び時計
(51)【国際特許分類】
G04B 43/00 20060101AFI20240912BHJP
G04B 45/00 20060101ALI20240912BHJP
G04B 37/18 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G04B43/00 Z
G04B45/00 C
G04B37/18 Y
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035173
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 善弘
(72)【発明者】
【氏名】天野 正男
(57)【要約】
【課題】機器ケースが破損するのを防ぐ。
【解決手段】機器ケース10が、ケース本体1の上面側に載置される「第1の外装部材」としてのベゼル6と、「第1の外装部材」としてのベゼル6の少なくとも上方を覆う「第2の外装部材」としてのガード部材7と、「第1の外装部材」(すなわち、ベゼル6)と「第2の外装部材」(すなわち、ガード部材7)との間に配置された「一の緩衝部材」である「第1の緩衝部材91」と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体の上面側に載置される第1の外装部材と、
前記第1の外装部材の少なくとも上方を覆う第2の外装部材と、
前記第1の外装部材と前記第2の外装部材との間に配置された緩衝部材としての一の緩衝部材と、
を備える、
ことを特徴とする機器ケース。
【請求項2】
前記第2の外装部材は、前記ケース本体の周面の少なくとも一部において、前記第1の外装部材の上方から前記ケース本体の外周側面までを覆い、前記ケース本体に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項3】
前記ケース本体、前記第1の外装部材及び前記第2の外装部材は、金属材料で形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項4】
前記第1の外装部材又は前記第2の外装部材の少なくともいずれか一方には、前記一の緩衝部材の少なくとも一部を収容する凹部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項5】
前記ケース本体と前記第1の外装部材との間に、緩衝部材としての他の緩衝部材を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項6】
前記他の緩衝部材は、前記ケース本体の上面又は側面の少なくともいずれか一方に接するように配置される、
ことを特徴とする請求項5に記載の機器ケース。
【請求項7】
前記ケース本体又は前記第1の外装部材の少なくともいずれか一方には、前記他の緩衝部材の少なくとも一部を収容する凹部が形成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の機器ケース。
【請求項8】
緩衝部材には、少なくとも一部に凸部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項9】
前記緩衝部材として互いに異なる位置に配置される一の緩衝部材、他の緩衝部材を備える場合に、前記一の緩衝部材と前記他の緩衝部材とは互いに硬度が異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項10】
前記緩衝部材として互いに異なる位置に配置される一の緩衝部材、他の緩衝部材を備える場合に、前記一の緩衝部材と前記他の緩衝部材とは互いに形成する材料の材質が異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項11】
前記一の緩衝部材と、前記他の緩衝部材における前記ケース本体の上面に接するように配置される第2の緩衝部材と、はフッ素系ゴムで形成され、
前記他の緩衝部材における前記ケース本体の側面に接するように配置される第3の緩衝部材は、フッ素系樹脂により形成される、
ことを特徴とする請求項6に記載の機器ケース。
【請求項12】
前記第3の緩衝部材は、前記ケース本体側の下側角部、及び前記第1の外装部材側の上側角部が面取りされて形成されている、
ことを特徴とする請求項11に記載の機器ケース。
【請求項13】
前記緩衝部材として互いに異なる位置に配置される一の緩衝部材、他の緩衝部材を備える場合に、前記一の緩衝部材と前記他の緩衝部材とは互いに厚みが異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の機器ケースを備える、
ことを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器ケース及び時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器ケース等に設けられる第1外装部材の上部外周に、金属材料等によって形成された第2外装部材(例えばベゼル等)を設けることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、双方の外装部材が金属で形成されている場合、外部から衝撃を受けた際に十分に衝撃を吸収しきれずに、機器ケースが破損するおそれがある。
【0005】
本発明はこうした課題を解決するためのものであり、破損するのを防ぐことのできる機器ケース及び時計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る機器ケースは、
ケース本体の上面側に載置される第1の外装部材と、
前記第1の外装部材の少なくとも上方を覆う第2の外装部材と、
前記第1の外装部材と前記第2の外装部材との間に配置された緩衝部材としての一の緩衝部材と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機器ケースが破損するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1に示す時計の表示部分及び操作部を省略して要部を示した要部斜視図である。
【
図3】
図2に示した状態の時計の要部分解斜視図である。
【
図4】
図1におけるIV-IV線に沿う断面図である。
【
図7】
図1におけるVII-VII線に沿う断面図である。
【
図8】
図1におけるVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図9】(a)は、凸部を設けた緩衝部材の一例を示す上面図であり、(b)は、(a)に示す緩衝部材の側面図である。
【
図10】凸部を設けた環状の緩衝部材の一例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から
図8を参照しつつ、本発明に係る機器ケース及びこれを備える時計の一実施形態について説明する。本実施形態では機器ケースが時計(腕時計)のケースである場合を例示している。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
[構成]
図1は、本実施形態における時計の正面図である。
図2は、
図1に示す時計の要部を示した要部斜視図である。また
図3は、本実施形態における要部分解斜視図である。また
図4は、
図1におけるIV-IVに沿う要部断面図である。なお
図1から
図3では、時計100の表示部分その他、機器ケース10内部に収容される各種部品の図示を省略している。
【0011】
従来、時計等の機器ケースにおいて、ケース本体に金属製等の外装部材を設けることで高級感のある外観を実現することができる。しかしながら、外装部材が取り付けられるケース本体も金属で形成されている場合、金属同士が接触することにより、双方の部材が傷ついてしまうおそれがある。
このような状況を改善するためのものであり、破損するのを防ぐことのできる機器ケース及び時計を以下の通り説明する。
【0012】
図1から
図4に示すように、本実施形態における時計100は、機器ケース10を備えている。機器ケース10はケース本体1を含んでいる。
ケース本体1は、例えばチタン、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属材料で形成されている。なお、ケース本体1を構成する材料はここに例示したものに限定されない。
本実施形態のケース本体1は、時計100の厚み方向の上下が開口した中空の短柱形状に形成されている。内部の中空部分には、モジュール2(
図4、
図7、
図8において一点鎖線で示す)等の各種部品が収容されている。
モジュール2の具体的な構成について詳説しないが、時計100が電子時計である場合に、時計100の各種動作部やこれらを制御する制御部、バッテリ等がモジュール2に含まれる。
【0013】
時計100は、図示しない指針等を備えるアナログ方式の表示部を備えていてもよいし、例えば液晶表示部等を備えるデジタル方式の表示部を備えていてもよい。
例えば時計100がアナログ表示方式である場合には、動作部として、指針、当該指針を回転動作させる歯車列(輪列機構)や駆動部(モータ等)等を有する。また時計100がデジタル表示方式である場合には、動作部として、上記各構成の代わりに液晶(Liquid Crystal)表示パネル等を含む表示部等を備え、この表示部が時計の表面側(視認側)に配置される。なお時計100は、デジタル方式とアナログ方式の両方を有するハイブリッドタイプでもよく、この場合には、双方の構成部を動作部として有する。
制御部は、図示しない回路基板上等に実装されており、動作部による表示動作等を制御する。
【0014】
ケース本体1の外側面であって時計の12時側及び6時側(すなわち
図1において上下両端部)には、図示しない時計バンドが取り付けられるバンド取付部11が設けられている。
また、機器ケース10の外側部等には、ユーザが各種入力操作を行う各種操作部3(押ボタンやりゅうず等)が設けられている。操作部3は、機器ケース10のケース本体1内に挿入される軸部31と、軸部31の一端側に取り付けられケース本体1の外側に配置される操作頭部32とを含んでいる。
【0015】
本実施形態においてケース本体1の側部には、操作部3の位置に対応して軸部31を挿通させる貫通孔12が形成されている。軸部31は、ケース本体1の外側から内側に向って貫通孔12に挿通され、少なくとも先端部分がケース本体1内のモジュール2に接触してモジュール2に対して作用する。操作頭部32はユーザが操作可能な部分であり、操作頭部32を押し込み又は回転させることによって各種操作が可能となる。なお、操作部3の配置や設ける数、形状等は、図示例に限定されない。
【0016】
ケース本体1の下側(時計100における裏面側)には、裏面側の開口部分を閉塞する裏蓋部材4(
図6等参照)が設けられている。なお、ケース本体1と裏蓋部材4とを一体成型し、ケース本体1の下側に開口部分を設けない構成としてもよい。
【0017】
ケース本体1の上側(時計における視認側、表面側)の開口側の端部は、下側部分よりも径の小さな立上り頸部13となっている。すなわちケース本体1は、円筒部14と、この円筒部14における上側(時計における視認側、表面側)であって内径側に連続して上方向に立ち上がるように形成された立上り頸部13と、を含んでいる。
図4等に示すように、立上り頸部13の外周面(立上り面131)と円筒部14の上端面141とは断面視でほぼL字状となっている。
【0018】
立上り頸部13の内側には、防水リング51等を介して風防部材5が取り付けられている。ケース本体1の開口部分と風防部材5との間に防水リング51等を介在させることで、気密性が確保された状態でケース本体1の上側の開口が閉塞される。
風防部材5は、例えばガラス材料や透明な樹脂材料等により形成された透明な部材(カバー部材)である。
【0019】
ケース本体1の上面側には、「第1の外装部材」としてのベゼル6が載置される。
図3等に示すように本実施形態のベゼル6は、ほぼ環状の部材であり、立上り頸部13の上端面及び円筒部14の上端面141を覆うように配置される。
ベゼル6は、例えばチタン、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属材料で形成されている。なお、ベゼル6を形成する材料はここに例示したものに限定されない。ベゼル6はケース本体1と同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
【0020】
また機器ケース10は、「第1の外装部材」であるベゼル6の上方からケース本体1の外周側面までを覆う「第2の外装部材」としてのガード部材7を備えている。
ガード部材7は、例えばチタン、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属材料で形成されている。なお、ガード部材7を形成する材料はここに例示したものに限定されない。ガード部材7はベゼル6等と同じ材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
【0021】
ガード部材7は、ケース本体1の周面の少なくとも一部においてベゼル6の上方からケース本体1の外周側面までを覆うものであり、本実施形態では、時計における3時側と9時側の、操作部3が設けられている部分に対応して配置されている。すなわち、本実施形態の機器ケース10は、時計100の3時側に配置されるガード部材7(これを「第1のガード部材7a」とする。)と時計100の9時側に配置されるガード部材7(これを「第2のガード部材7b」とする。)と、を備えている。なお、以下において単に「ガード部材7」としたときは、「第1のガード部材7a」及び「第2のガード部材7b」の両方を含むものとする。なおガード部材7を設ける範囲や配置、数、形状等は図示例に限定されない。
【0022】
各ガード部材7は、ベゼル6の上方を覆う上面部71とケース本体1の外周側面を覆う側面部72とを有している。
図3、
図4等に示すように、ベゼル6の上面であって、ガード部材7と接触する部分には凹部61が形成されており、この凹部61内には緩衝部材9が配置されている。ベゼル6上面の凹部61内に配置される緩衝部材9(「一の緩衝部材」)を「第1の緩衝部材91」とする。「一の緩衝部材」である「第1の緩衝部材91」は、例えばフッ素系ゴムにより形成されている。なお、「第1の緩衝部材91」を形成する材料はこれに限定されない。
本実施形態では
図3に示すように、「第1のガード部材7a」に対応して1つの「第1の緩衝部材91」が設けられ、「第2のガード部材7b」に対応して2つの「第1の緩衝部材91」が設けられている。
「第1の緩衝部材91」を固定する手法は特に限定されないが、例えば両面テープ101による。なお、「第1の緩衝部材91」自体に粘着面が設けられ、粘着面を保護する剥離紙等を剥離するだけで、対象物に貼着固定できるようになっていてもよい。
【0023】
なお、「第1の緩衝部材91」を設ける位置、範囲、大きさ、形状等は図示例に限定されない。例えば「第1のガード部材7a」に対応して「第1のガード部材7a」とベゼル6との間に2つの「第1の緩衝部材91」が設けられていてもよい。
また「第1の緩衝部材91」が収容されるのは、ベゼル6上面に形成された凹部61に限定されない。「第1の緩衝部材91」はその少なくとも一部が「第1の外装部材」であるベゼル6又は「第2の外装部材」であるガード部材7の少なくともいずれか一方に形成された凹部内に収容されることが好ましく、例えばガード部材7側に「第1の緩衝部材91」はその少なくとも一部を収容する凹部が形成されていてもよい。また、ベゼル6及びガード部材7の両方の対応位置に「第1の緩衝部材91」の厚みの半分以下の凹部を設けて、両方の凹部内に「第1の緩衝部材91」を挟み込むようにしてもよい。
【0024】
また各ガード部材7の側面部72には、操作部3に対応する部分に孔部721(
図3、
図5参照)又は切欠き部722(
図3、
図6参照)が設けられている。操作部3に対応する部分に孔部を設けるか切欠き部を設けるかは特に限定されず、いずれのガード部材7にも孔部を設けてもよいし、いずれのガード部材7にも切欠き部を設けてもよい。
図5は、時計における3時側を拡大した要部拡大斜視図である。また
図6は、時計における9時側を拡大した要部拡大斜視図である。なお
図5及び
図6では、ベゼル6の図示を省略している。
【0025】
本実施形態では
図1等に示すように、時計における3時側に、3つの操作部3が設けられており、前述のように、ケース本体1の3時側の側面にはこれらの操作部3を挿通させる貫通孔12が形成されている。
図3及び
図5に示すように、3時側に配置されるガード部材7(「第1のガード部材7a」)には、ケース本体1の貫通孔12に対応する位置に、それぞれ孔部721が形成されている。
第1のガード部材7aは、図示しないねじや両面テープ等によりケース本体1の側面に固定されている。第1のガード部材7aがケース本体1に固定されることにより、ベゼル6が上方から上面部71によって押さえられ、「第1の外装部材」であるベゼル6はケース本体1と第1のガード部材7a(第1のガード部材7aの上面部71)との間で保持される。なお、第1のガード部材7aをねじ止め固定する場合には、ねじによる結合部分に少しの余裕を持たせておき、外的な衝撃が加わった際に微少可動する構造とすることが好ましい。
【0026】
また
図1等に示すように、時計における9時側に、2つの操作部3が設けられており、前述のように、ケース本体1の9時側の側面にはこれらの操作部3を挿通させる貫通孔12が形成されている。
図3及び
図6に示すように、9時側に配置されるガード部材7(「第2のガード部材7b」)には、ケース本体1の貫通孔12に対応する位置に、それぞれ切欠き部722が形成されている。
【0027】
また第2のガード部材7bの側面部72には、切欠き部722を避けた位置にねじ孔723が形成されている。ケース本体1の側面にはこのねじ孔723に対応する位置にねじ孔15が形成されている。第2のガード部材7bは、ねじ8を外側からねじ孔723及びねじ孔15に挿通させてケース本体1の側面にねじ止めされるようになっている。第2のガード部材7bがケース本体1に固定されることにより、ベゼル6が上方から上面部71によって押さえられ、「第1の外装部材」であるベゼル6はケース本体1と第2のガード部材7b(第2のガード部材7bの上面部71)との間で保持される。なお、第2のガード部材7bをねじ止め固定するねじ8による結合部分には、少しの余裕を持たせておき、外的な衝撃が加わった際に微少可動する構造とすることが好ましい。
【0028】
また本実施形態の機器ケース10は、ベゼル6とガード部材7との間に緩衝部材9(「一の緩衝部材」)として「第1の緩衝部材91」が設けられる他、「一の緩衝部材」である「第1の緩衝部材91」と互いに異なる位置に配置される緩衝部材9(これを「他の緩衝部材」とする)を備えている。
図7は、
図1におけるVII-VII線に沿う模式的な断面図である。また
図8は、
図1におけるVIII-VIII線に沿う模式的な断面図である。
図4から
図8に示すように、例えばケース本体1とベゼル6との間(図示例では、円筒部14の上端面141とベゼル6との間)には、例えばほぼ環状に形成された緩衝部材9(第2の緩衝部材92)が配置されている。第2の緩衝部材92は、ケース本体1の上面に接するように配置される「他の緩衝部材」である。「第2の緩衝部材92」は、例えばフッ素系ゴムにより形成されている。なお、「第2の緩衝部材92」を形成する材料はこれに限定されない。
【0029】
上端面141には、第2の緩衝部材92の配置位置に第2の緩衝部材92を嵌め込むことのできる凹部142が形成されている。第2の緩衝部材92を凹部142内に配置させた上で、その上からベゼル6を載置し、固定すると、第2の緩衝部材92が円筒部14の上端面141とベゼル6との間に固定される。第2の緩衝部材92は凹部142内で潰され押し広げられた状態となってもよい。
なお、第2の緩衝部材92が配置される凹部はケース本体1側(本実施形態では上端面141)に設けられている場合に限定されない。例えばベゼル6側に凹部が形成されていてもよいし、ケース本体1及びベゼル6の両方の対応位置に「第2の緩衝部材92」の厚みの半分以下の凹部を設けて、両方の凹部内に「第2の緩衝部材92」を挟み込むようにしてもよい。
【0030】
また、立上り頸部13の外周面(立上り面131)とベゼル6との間)には、例えばほぼ環状に形成された緩衝部材9(第3の緩衝部材93)が配置されている。第3の緩衝部材93は、ベゼル6とケース本体1とが機器ケース10の厚み方向の面(側面)において径方向に嵌合する場合に、ケース本体1の側面に接するように配置される「他の緩衝部材」である。「第3の緩衝部材93」は厚み方向の面である立上り面131に沿って配置されるため、緩衝効果だけでなく、組み付ける際に撚れ等を生じないことが求められる。このため、ある程度の硬さや滑りのよさ、嵌り合いのよさ等が求められ、このような観点から「第3の緩衝部材93」を形成する材料としては、フッ素系樹脂が好適に用いられる。なお、「第3の緩衝部材93」を形成する材料はこれに限定されない。「第3の緩衝部材93」は、嵌めこみ易いように、前記ケース本体1の立上り頸部13側である内側の下側角部が面取りされて形成されている。また、「第3の緩衝部材93」のベゼル6(第1の外装部材)側である外側の上側角部も面取りされて形成されている。
【0031】
ベゼル6の内側面であって、第3の緩衝部材93の配置位置に対応する部分には第3の緩衝部材93を嵌め込むことのできる凹部62が形成されている。第3の緩衝部材93を62内に配置させ、その状態でベゼル6をケース本体1に取り付け、ベゼル6が固定されると、第3の緩衝部材93が凹部62内で潰され押し広げられた状態となる。
なお、第3の緩衝部材93が配置される凹部はベゼル6側に設けられている場合に限定されない。例えば立上り頸部13の立上り面131側に凹部が形成されていてもよいし、ケース本体1及びベゼル6の両方の対応位置に「第3の緩衝部材93」の厚みの半分以下の凹部を設けて、両方の凹部内に「第3の緩衝部材93」を挟み込むようにしてもよい。
【0032】
なお、立上り頸部13の立上り面131と円筒部14の上端面141とは、前述のように断面視でほぼL字状となっており、上端面141に沿って配置される第2の緩衝部材92と、立上り面131に沿って配置される第3の緩衝部材93とは、断面形状がほぼL字状となる一つながりの緩衝部材となっていてもよい。
また第2の緩衝部材92や第3の緩衝部材93は、環状に形成されたものに限定されない。例えば、ケース本体1の周方向に沿って部分的に配置される緩衝部材であってもよい。この場合にも、第2の緩衝部材92と第3の緩衝部材93とを互いに対応する範囲に設けるものとし、第2の緩衝部材92と第3の緩衝部材93とを、断面形状がほぼL字状となる一つながりの緩衝部材としてもよい。
このように、第2の緩衝部材92と第3の緩衝部材93とを一つながりの緩衝部材とする場合には、硬さや滑りのよさ等を重視して例えばフッ素系樹脂により形成することが好ましい。
【0033】
さらに
図5及び
図7に示すように、本実施形態において「第1のガード部材7a」が設けられている時計100の3時側には、ケース本体1(ケース本体1の円筒部14)の外側面に「他の緩衝部材」として、ケース本体1と「第1のガード部材7a」(第1のガード部材7aの側面部72)との間に配置される第4の緩衝部材94が設けられている。
第4の緩衝部材94は、例えばフッ素系ゴムで形成される。
【0034】
本実施形態ではケース本体1の3時側の側面であって、操作部3の軸部31が挿通される貫通孔12の近傍(図示例では隣り合う貫通孔12の間)にそれぞれ凹部16が形成されており、各凹部16内に第4の緩衝部材94が配置される。なお、
図7に示すように、「第1のガード部材7a」をケース本体1に組み付けた際、第4の緩衝部材94に対応する位置にも凹部724が形成されている。これにより、第4の緩衝部材94は、凹部16と凹部724とに挟み込まれた状態でケース本体1と「第1のガード部材7a」との間に介在する。なお、第4の緩衝部材94を配置させる凹部は、ケース本体1と「第1のガード部材7a」の両方に設けられている場合に限定されず、ケース本体1側のみ、又は「第1のガード部材7a」のみにだけ設けられていてもよい。
【0035】
また
図6及び
図8に示すように、本実施形態において「第2のガード部材7b」が設けられている時計100の9時側には、ケース本体1(ケース本体1の円筒部14)の外側面に「他の緩衝部材」として、ケース本体1と「第2のガード部材7b」(第2のガード部材7bの側面部72)との間に配置される第5の緩衝部材95が設けられている。
第5の緩衝部材95は、例えばフッ素系ゴムで形成される。
【0036】
本実施形態ではケース本体1の9時側の側面であって、操作部3の軸部31が挿通される貫通孔12の近傍(図示例では各貫通孔12の隣)にそれぞれねじ8が挿通されるねじ孔15が形成されている。各ねじ孔15の周りは他の部分よりも一段掘り下げられた凹部17となっており、この凹部17内に第5の緩衝部材95が配置される。なお、
図8に示すように、「第2のガード部材7b」をケース本体1に組み付けた際、第5の緩衝部材95に対応する位置にも凹部725が形成されている。これにより、第5の緩衝部材95は、凹部17と凹部725とに挟み込まれた状態でケース本体1と「第2のガード部材7b」との間に介在する。なお、第5の緩衝部材95を配置させる凹部は、ケース本体1と「第2のガード部材7b」の両方に設けられている場合に限定されず、ケース本体1側のみ、又は「第2のガード部材7b」のみにだけ設けられていてもよい。
【0037】
なおこれらの各緩衝部材9(「他の緩衝部材」である「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」)を固定する手法は特に限定されない。
例えば「第1の緩衝部材91」と同様に、両面テープ102や、緩衝部材9自体に設けられた粘着面により対象物に貼着固定できるようになっていてもよい。
また、「一の緩衝部材」(第1の緩衝部材91)とは互いに異なる位置に配置される緩衝部材9(「他の緩衝部材」)は、ここに示したものに限定されない。この他ケース本体1とベゼル6との間、ケース本体1とガード部材7との間において、各所に「他の緩衝部材」を配置してもよい。
【0038】
[作用]
次に、本実施形態にかかる機器ケース10及びこれを備える時計100の作用について説明する。
本実施形態の機器ケース10及びこれを備える時計100を組み立てる場合には、ケース本体1内にモジュール2を収容して、視認側の開口部分を風防部材で閉塞するとともに、非視認側の開口部分を裏蓋部材で閉塞する。またケース本体1の上面側(視認側)に「第1の外装部材」としてのベゼル6を載置する。
【0039】
さらにケース本体1の周面の少なくとも一部において、ベゼル6の上方からケース本体1の外周側面までを覆う「第2の外装部材」であるガード部材7を配置する。本実施形態では時計における3時側に第1のガード部材7aを配置し、9時側に第2のガード部材7bを配置する。そしてガード部材7をケース本体1に固定することでベゼル6を保持する。
【0040】
その際、ベゼル6とガード部材7との間には、緩衝部材9として「一の緩衝部材」である「第1の緩衝部材91」を配置する。
また、ケース本体1とベゼル6との間には、適宜緩衝部材9として「他の緩衝部材」である「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」を配置する。また、ケース本体1とガード部材7との間にも、適宜緩衝部材9として「他の緩衝部材」である「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」を配置する。
【0041】
そして、ケース本体1の側部等にガード部材7の外側から押しボタンやりゅうず等の操作部3を取り付ける。また、本実施形態において9時側に設けられる第2のガード部材7bについて、ねじ8を第2のガード部材7bの外側からねじ孔723及びねじ孔15に挿通させてケース本体1の側面にねじ止めする。
これにより、本実施形態における機器ケース10を備える時計100が完成する。
【0042】
本実施形態の機器ケース10は、ケース本体1、ベゼル6及びガード部材7がともに金属材料で形成されている。このため、時計100として高級感があり、外観意匠的にも優れる。
また、金属部材同士が接触、干渉する部分には、それぞれ緩衝部材9を配置している。このため、機器ケース10及びこれを備える時計100が落下等による衝撃を受けた場合、緩衝部材9が衝撃を吸収し、機器ケース10内部に収容されたモジュール2等に影響が及ばないようになっている。
【0043】
すなわち、例えば時計100が視認側から落下した場合、ベゼル6とガード部材7との間に設けられた「第1の緩衝部材91」によってまず衝撃が吸収され、さらにベゼル6とケース本体1との間に配置された「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」が衝撃を吸収する。また、例えば時計100が側面から衝撃を受けた場合でも、ケース本体1とガード部材7との間に配置された「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」により衝撃が吸収される。
このように、二重、三重に衝撃を吸収する構成をとっているため、視認側、側面、いずれの側から衝撃を受けた場合にも効果的に衝撃を吸収し、内部に収容された精密部品等を含むモジュール2への影響が緩和、軽減される。このため、ケース本体1やケース本体1内に収容されているモジュール2が破損するのを防ぐことができる。
【0044】
[効果]
以上のように本実施形態における機器ケース10は、ケース本体1の上面側に載置される「第1の外装部材」であるベゼル6と、ケース本体1の周面の少なくとも一部において、ベゼル6の上方からケース本体1の外周側面までを覆い、ケース本体1に固定されることでベゼル6を保持する「第2の外装部材」であるガード部材7と、ベゼル6とガード部材7との間に配置された緩衝部材9としての第1の緩衝部材91(「一の緩衝部材」)と、を備えている。
このように、互いに接触し干渉しあう部材の間に緩衝部材9を配置することで、外部からの衝撃を効果的に吸収することができる。このため、ケース本体1内部に収容されたモジュール2等の部品に衝撃の影響が及ぶのを防止し、部品の破損等を回避することができる。
【0045】
また本実施形態のケース本体、第1の外装部材であるベゼル6及び第2の外装部材であるガード部材7は、金属材料で形成されている。
これにより、機器ケース10を高級感のある外観に仕上げることができる。
このように金属製のケース本体1に金属製の外装部材(第1の外装部材としてのベゼル6や第2の外装部材としてのガード部材7)が取り付けられている場合にも、金属製の部材同士の間に配置された緩衝部材9によって樹脂製の外装部材を設ける場合と同様に、外部からの衝撃を吸収し、ケース本体1内部に収容されたモジュール2等の部品を衝撃から守ることができる。
また、金属製の部品同士が直接的に干渉しあうことを防止できるため、部品が傷つくことも防ぐことができる。
【0046】
また本実施形態の第1の外装部材としてのベゼル6及び第2の外装部材としてのガード部材7の少なくともいずれか一方には、第1の緩衝部材91(「一の緩衝部材」)の少なくとも一部を収容する凹部が形成されている。
これにより、第1の緩衝部材91が凹部内に収まることで、衝撃が加わった際にも位置ずれ等を生じにくい。
また、凹部があることで第1の緩衝部材91を組み付ける際の目安となる。このため組み込み作業を効率よく行うことができる。
また、ベゼル6とガード部材7との間に緩衝部材9を配置してもベゼル6とガード部材7との間に隙間が空くのを防いで良好な外観を実現することができる。
【0047】
また本実施形態のケース本体1と第1の外装部材であるベゼル6との間に、緩衝部材9としての「他の緩衝部材」(第2の緩衝部材92、第3の緩衝部材93)を備える。
これにより、ケース本体1とベゼル6との間でも衝撃を吸収してケース本体1内部への影響を軽減することができる。
【0048】
また本実施形態の「他の緩衝部材」(第2の緩衝部材92、第3の緩衝部材93)は、ケース本体1の上面又は側面の少なくともいずれか一方に接するように配置される。
これにより、ケース本体1の視認側である上面や側面方向からの衝撃を効率よく吸収し、耐衝撃性を向上させることができる。
【0049】
また本実施形態のケース本体1又は第1の外装部材であるベゼル6の少なくともいずれか一方には、「他の緩衝部材」(第2の緩衝部材92、第3の緩衝部材93)の少なくとも一部を収容する凹部が形成されている。
これにより、第2の緩衝部材92、第3の緩衝部材93が凹部内に収まることで、衝撃が加わった際にも位置ずれ等を生じにくい。
また、凹部があることで第2の緩衝部材92、第3の緩衝部材93を組み付ける際の目安となる。このため組み込み作業を効率よく行うことができる。
また、ケース本体1とベゼル6との間に緩衝部材9を配置してもケース本体1とベゼル6との間に隙間が空くのを防いで良好な外観を実現することができる。
【0050】
また本実施形態では、第1の緩衝部材91(「一の緩衝部材」)と「他の緩衝部材」のうち第2の緩衝部材92と、はフッ素系ゴムで形成され、「他の緩衝部材」のうち第3の緩衝部材93は、フッ素系樹脂により形成される。
第1の緩衝部材91、第2の緩衝部材92は、フッ素系ゴムで形成することにより、高い緩衝効果を期待できる。一方第3の緩衝部材93は厚み方向の面である立上り面131に沿って配置されるため、緩衝効果だけでなく、組み付ける際に撚れ等を生じないことが求められる。このため、ある程度の硬さや滑りのよさ、嵌り合いのよさ等が求められ、このような観点から第3の緩衝部材93を形成する材料としては、フッ素系樹脂が好適に用いられる。
【0051】
また本実施形態において、第3の緩衝部材93は、ケース本体1側の下側角部、及び第1の外装部材であるベゼル6側の上側角部が面取りされて形成されており、嵌めこみ易いようになっている。
【0052】
また本実施形態の機器ケース10を時計100に適用した場合には、衝撃に強い構造を実現することができる。
【0053】
[変形例]
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0054】
例えば、上記実施形態では、ベゼル6とガード部材7との間に緩衝部材9(「一の緩衝部材」)としての「第1の緩衝部材91」を備え、これとは互いに異なる位置に配置される緩衝部材9(「他の緩衝部材」)として、「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」を備えている。本実施形態ではこのうち「第3の緩衝部材93」のみをフッ素系樹脂により形成し、その他の緩衝部材9についてはフッ素系ゴムで形成される場合を例示したが、「一の緩衝部材」(「第1の緩衝部材91」)と「他の緩衝部材」(「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」)を形成する材料はこれに限定されない。
【0055】
例えば「一の緩衝部材」(「第1の緩衝部材91」)と「他の緩衝部材」(「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」)とは互いに形成する材料の材質が異なってもよい。例えばゴムでも、配置する場所等に応じて、アクリル系ゴム、ニトリル系ゴム(例えばNBR;ニトリルブタジエンラバー)、ブチル系ゴム、シリコン系ゴム等を適宜用いてもよい。「第1の緩衝部材91」から「第5の緩衝部材95」はすべて同じ材質の材料で形成されてもよいし、それぞれ異なる材質の材料を用いてもよい。
これにより、配置する場所等に応じて適切な材料を適用することができる。
【0056】
また同じゴムであっても、「一の緩衝部材」(「第1の緩衝部材91」)と「他の緩衝部材」(「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」)とで互いに硬度が異なってもよい。例えばより機器ケース10の外側に配置される緩衝部材9には硬度の高い硬いもの(例えばJIS硬度90度等)を用いて、内側に配置されるものは硬度の低い柔らかいもの(例えばJIS硬度70度等)を用いるとしてもよい。
なお、各緩衝部材9の硬度はこれに限定されない。上記とは逆に機器ケース10の内側に配置される緩衝部材9には硬度の高い硬いものを用いて、外側に配置されるものは硬度の低い柔らかいものを用いるとしてもよい。
硬度が高い、固いものほど反発力も大きく、硬度が低い、柔らかいものほど反発力が小さい。このため、各緩衝部材9を配置する場所に応じて適宜高度の異なる材料を使い分け、組み合わせることで、全体としての緩衝性能を高めることが期待できる。
【0057】
さらに同じゴムであっても、「一の緩衝部材」(「第1の緩衝部材91」)と「他の緩衝部材」(「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」)とで互いに厚みが異なってもよい。
例えば厚い緩衝部材9を配置するスペースを確保できる箇所では厚いものを適用し、薄い物しか配置できない部分には薄い緩衝部材9を配置する。
また、配置スペース等に応じてより効果的に緩衝効果を高めることができるように、各部の緩衝部材9を形成する材料の厚み、硬度、材料の材質等を組み合わせてもよい。
【0058】
また本実施形態において、各緩衝部材9(すなわち「第1の緩衝部材91」「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」)には、少なくとも一部(例えば表面や裏面)に凸部90を形成してもよい。
図9(a)及び
図9(b)は、例えば本実施形態における「第1の緩衝部材91」「第4の緩衝部材94」「第5の緩衝部材95」のように、部分的に配置される緩衝部材9(緩衝部材9a)の表面に凸部90を設けた例を示している。
図9(a)は緩衝部材9aの表面を示す上面図であり、
図9(b)は、
図9(a)に示す緩衝部材9aの側面図である。
また
図10は、例えば本実施形態における「第2の緩衝部材92」「第3の緩衝部材93」のように環状に形成された緩衝部材9(緩衝部材9b)の表面に凸部90を設けた例を示している。
【0059】
なお、
図9(a)、
図9(b)及び
図10では、緩衝部材9の表面に凸部90を設けた場合を図示したが、凸部は緩衝部材9の裏面に設けられてもよい。また緩衝部材9の表裏の面に凸部90を設けてもよい。
また、凸部90の高さや、面に対して設ける数(密度)等は特に限定されない。緩衝部材9を形成する材料の材質や硬度、厚み等によっても凸部90の大きさや高さ等を調整してもよい。
このように、緩衝部材9に凸部90を設けることで、緩衝部材9を介在させる部品同士の間で緩衝部材9を点接触させることができる。これにより、より高い緩衝効果を持たせることができ、外部からの衝撃を効果的に吸収することが期待できる。
【0060】
また例えば、上記実施形態では、機器ケース10が時計100に適用される場合を例示したが機器ケース10は時計のケースに限定されない。
衝撃による破損等が懸念される部品をケース本体1内部に収容する機器のケースについて本実施形態の機器ケース10を広く適用してよい。
例えば各種のスマートウォッチ、スポーツウォッチ等の電子機器、時刻の他、心拍や血流の情報等の生体情報を取得するウェアラブル機器等の電子機器に適用することも可能である。
【0061】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0062】
1 ケース本体
2 モジュール
6 ベゼル(第1の外装部材)
7 ガード部材(第2の外装部材)
9 緩衝部材
91 第1の緩衝部材
92 第2の緩衝部材
93 第3の緩衝部材
94 第4の緩衝部材
95 第5の緩衝部材
10 機器ケース
100 時計
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る機器ケースは、
ケース本体の上面側に載置される第1の外装部材と、
前記第1の外装部材の少なくとも上方を覆う第2の外装部材と、
前記第1の外装部材と前記第2の外装部材との間に配置された緩衝部材としての一の緩衝部材と、
を備え、
前記第1の外装部材は上面側に傾斜面を有し、
前記一の緩衝部材は前記第1の外装部材の前記傾斜面に配置されている、
ことを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
各ガード部材7は、ベゼル6の上方を覆う上面部71と
、ケース本体1の外周側面を覆う側面部72と
、を有している。
ベゼル6は上面に、時計の表示面と略平行な平面部と、時計の表示面に対して所定の角度傾斜した傾斜部と、を有している。ガード部材7は、ベゼル6の最上面である平面部上に位置する平面部と、ベゼル6の傾斜部上に位置する傾斜部と、を有している。
図3、
図4等に示すように、ベゼル6の上面
に位置する傾斜部であって、ガード部材7と接触する部分には凹部61が形成されており、この凹部61内には緩衝部材9が配置されている。ベゼル6上面
に位置する傾斜部の凹部61内に配置される緩衝部材9(「一の緩衝部材」)を「第1の緩衝部材91」とする。「一の緩衝部材」である「第1の緩衝部材91」は、例えばフッ素系ゴムにより形成されている。なお、「第1の緩衝部材91」を形成する材料はこれに限定されない。
このように、ベゼル6の上面に位置する傾斜部と、ガード部材7の下面に位置する傾斜部と、の間には第1の緩衝部材91が配置されている。従って、外部から衝撃があった場合でも、衝撃を、時計の表示面の面方向であるX方向及びY方向、時計の表示面と直交する方向(時計の厚み方向)であるZ方向に分散することができる。仮に、ベゼル6の上面の平面部と、ガード部材7の下面の平面部と、の間に第1の緩衝部材91が配置されていた場合には、外部から衝撃があった場合、衝撃はZ方向にのみ伝わり、X方向及びY方向に衝撃を分散することができなくなり、内部のモジュールが衝撃の影響を受ける可能性がある。
本実施形態では
図3に示すように、「第1のガード部材7a」に対応して1つの「第1の緩衝部材91」が設けられ、「第2のガード部材7b」に対応して2つの「第1の緩衝部材91」が設けられている。
「第1の緩衝部材91」を固定する手法は特に限定されないが、例えば両面テープ101による。なお、「第1の緩衝部材91」自体に粘着面が設けられ、粘着面を保護する剥離紙等を剥離するだけで、対象物に貼着固定できるようになっていてもよい。
また、ベゼル6とケース本体1との間の緩衝部材は、ベゼル6の下側に配置された第2の緩衝部材92と、ベゼル6の側面側に配置された第3の緩衝部材93と、に分離され、たがいに離間して配置されているので、材料や硬度を変えることができる。仮に、ベゼル6の下側から側面側にかけて第2の緩衝部材92と第3の緩衝部材93とが一体になっていた場合には、材料や硬度を変えることができない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体の上面側に載置される第1の外装部材と、
前記第1の外装部材の少なくとも上方を覆う第2の外装部材と、
前記第1の外装部材と前記第2の外装部材との間に配置された緩衝部材としての一の緩衝部材と、
を備え、
前記第1の外装部材は上面側に傾斜面を有し、
前記一の緩衝部材は前記第1の外装部材の前記傾斜面に配置されている、
ことを特徴とする機器ケース。
【請求項2】
前記第2の外装部材は、前記ケース本体の周面の少なくとも一部において、前記第1の外装部材の上方から前記ケース本体の外周側面までを覆い、前記ケース本体に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項3】
前記ケース本体、前記第1の外装部材及び前記第2の外装部材は、金属材料で形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項4】
前記第1の外装部材又は前記第2の外装部材の少なくともいずれか一方には、前記一の緩衝部材の少なくとも一部を収容する凹部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項5】
前記ケース本体と前記第1の外装部材との間に、緩衝部材としての他の緩衝部材を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項6】
前記他の緩衝部材は、前記ケース本体の上面に接するように配置される第2の緩衝部材と、前記ケース本体の側面に接するように配置される第3の緩衝部材と、を含み、
前記第2の緩衝部材と前記第3の緩衝部材とは、互いに離間して配置される、ことを特徴とする請求項5に記載の機器ケース。
【請求項7】
前記第2の緩衝部材と前記第3の緩衝部材とは、互いに硬度が異なる、及び/叉は互いに形成された材料の材質が異なる、
ことを特徴とする請求項6に記載の機器ケース。
【請求項8】
前記ケース本体又は前記第1の外装部材の少なくともいずれか一方には、前記他の緩衝部材の少なくとも一部を収容する凹部が形成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の機器ケース。
【請求項9】
緩衝部材には、少なくとも一部に凸部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項10】
前記緩衝部材として互いに異なる位置に配置される一の緩衝部材、他の緩衝部材を備える場合に、前記一の緩衝部材と前記他の緩衝部材とは互いに硬度が異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項11】
前記緩衝部材として互いに異なる位置に配置される一の緩衝部材、他の緩衝部材を備える場合に、前記一の緩衝部材と前記他の緩衝部材とは互いに形成する材料の材質が異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項12】
前記一の緩衝部材と前記第2の緩衝部材とは、フッ素系ゴムで形成され、
前記第3の緩衝部材は、フッ素系樹脂により形成される、
ことを特徴とする請求項6に記載の機器ケース。
【請求項13】
前記第3の緩衝部材は、前記ケース本体側の下側角部、及び前記第1の外装部材側の上側角部が面取りされて形成されている、
ことを特徴とする請求項12に記載の機器ケース。
【請求項14】
前記緩衝部材として互いに異なる位置に配置される一の緩衝部材、他の緩衝部材を備える場合に、前記一の緩衝部材と前記他の緩衝部材とは互いに厚みが異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項15】
前記ケース本体と前記第2の外装部材との間に、緩衝部材としての他の緩衝部材を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の機器ケース。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の機器ケースを備える、
ことを特徴とする時計。