(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126649
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報提示装置、情報提示方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035182
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】宮部 航太朗
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB22
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD21
2F129DD35
2F129DD39
2F129EE02
2F129EE21
2F129EE35
2F129EE43
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE90
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129FF39
2F129FF56
2F129FF60
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH02
2F129HH03
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH20
(57)【要約】
【課題】忘れ物を防止することが可能な情報提示装置等を提供する。
【解決手段】情報提示装置は、今回状況取得部と、標準状況取得部と、判定部と、提示制御部と、を備える。今回状況取得部は、移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する。標準状況取得部は、出発地及び出発日時に対応する過去の移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する。判定部は、今回情報及び標準情報に基づき、移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する。提示制御部は、イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、移動体の搭乗者に対し、搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示するための制御を行う。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する今回状況取得部と、
前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する標準状況取得部と、
前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する判定部と、
前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示するための制御を行う提示制御部と、
を備える情報提示装置。
【請求項2】
前記標準状況取得部は、前記移動体の今回の搭乗者のスケジュールの履歴に基づき、前記過去の前記移動体の移動に対応する期間における前記搭乗者の標準的なスケジュール内容を示す情報を含む前記標準情報を取得し、
前記判定部は、前記今回情報として取得した前記出発日時を含む所定期間における前記搭乗者のスケジュール内容が、前記標準的なスケジュール内容と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記標準状況取得部は、前記過去の前記移動体の移動における前記移動体の標準的な運転者を示す情報を含む前記標準情報を取得し、
前記判定部は、前記今回情報として取得した前記移動体の運転者が前記標準的な運転者と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記標準状況取得部は、前記過去の前記移動体の移動における前記移動体の標準的な搭乗者数を示す情報を含む前記標準情報を取得し、
前記判定部は、前記今回情報として取得した前記移動体の搭乗者数が前記標準的な搭乗者数と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項5】
前記標準状況取得部は、前記過去の前記移動体の移動における前記移動体の標準的な移動経路を示す情報を含む前記標準情報を取得し、
前記判定部は、前記今回情報として取得した前記移動体の移動経路が前記標準的な移動経路と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項6】
前記標準状況取得部は、前記過去の前記移動体の移動における前記移動体の運転に係る標準的な運転負荷を示す情報を含む前記標準情報を取得し、
前記判定部は、前記今回情報として取得した前記移動体の運転に係る運転負荷が前記標準的な運転負荷と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項7】
情報提示装置が実行する情報提示方法であって、
移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する今回状況取得工程と、
前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する標準状況取得工程と、
前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する判定工程と、
前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示する提示工程と、
を有する情報提示方法。
【請求項8】
コンピュータを備える情報提示装置により実行されるプログラムであって、
移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する今回状況取得部、
前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する標準状況取得部、
前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する判定部、及び、
前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示するための制御を行う提示制御部、
として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、忘れ物の防止に適用可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車内への忘れ物を防止するための技術が従来提案されている。具体的には、例えば、特許文献1には、ユーザが車両から降車する際にカメラで車室内を撮影し、当該カメラで撮影された当該車室内の画像と基準画像とを比較することにより、当該車室内への忘れ物を検知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された技術によれば、例えば、座席の下部等のようなカメラの死角になる領域に忘れ物がある場合に、当該忘れ物を検知できないことに起因し、当該忘れ物の存在をユーザに知らせることができないおそれがある、という課題が生じている。
【0005】
本開示は、上記の課題を鑑み、忘れ物を直接的に検知せずとも、忘れ物を防止することが可能な情報提示装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、情報提示装置であって、移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する今回状況取得部と、前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する標準状況取得部と、前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する判定部と、前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示するための制御を行う提示制御部と、を備える。
【0007】
請求項に記載の発明は、情報提示装置が実行する情報提示方法であって、移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する今回状況取得工程と、前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する標準状況取得工程と、前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する判定工程と、前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示する提示工程と、を有する。
【0008】
請求項に記載の発明は、コンピュータを備える情報提示装置により実行されるプログラムであって、移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する今回状況取得部、前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する標準状況取得部、 前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する判定部、及び、前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示するための制御を行う提示制御部、として前記コンピュータを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例に係る案内システムの構成例を示す図。
【
図2】実施例に係る音声出力装置の概略構成を示す図。
【
図3】走行状況情報に含まれる情報の一例を示す図。
【
図4】走行履歴情報に含まれる情報の一例を示す図。
【
図5】音声出力装置により行われる処理の一例を示すフローチャート。
【
図6】音声出力装置により行われる処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】音声出力装置により行われる処理の一例を示すフローチャート。
【
図8】変形例に係る案内システムの構成例を示す図。
【
図9】変形例に係るサーバ装置の概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの好適な実施形態では、情報提示装置は、移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する今回状況取得部と、前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する標準状況取得部と、前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する判定部と、前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示するための制御を行う提示制御部と、を備える。
【0011】
上記の情報提示装置は、今回状況取得部と、標準状況取得部と、判定部と、提示制御部と、を備える。今回状況取得部は、移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する。標準状況取得部は、前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する。判定部は、前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する。提示制御部は、前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示するための制御を行う。これにより、日常的に繰り返される移動であるがゆえに生じがちな忘れ物を防止することができる。
【0012】
上記の情報提示装置の一態様では、前記標準状況取得部は、前記移動体の今回の搭乗者のスケジュールの履歴に基づき、前記過去の前記移動体の移動に対応する期間における前記搭乗者の標準的なスケジュール内容を示す情報を含む前記標準情報を取得し、前記判定部は、前記今回情報として取得した前記出発日時を含む所定期間における前記搭乗者のスケジュール内容が、前記標準的なスケジュール内容と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する。これにより、日常的に繰り返される移動中であっても、搭乗者のスケジュールがいつもとは異なる場合には、忘れ物を防止するための情報を提示することができる。
【0013】
上記の情報提示装置の一態様では、前記標準状況取得部は、前記過去の前記移動体の移動における前記移動体の標準的な運転者を示す情報を含む前記標準情報を取得し、前記判定部は、前記今回情報として取得した前記移動体の運転者が前記標準的な運転者と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する。これにより、日常的に繰り返される移動中であっても、運転者がいつもとは異なる場合には、忘れ物を防止するための情報を提示することができる。
【0014】
上記の情報提示装置の一態様では、前記標準状況取得部は、前記過去の前記移動体の移動における前記移動体の標準的な搭乗者数を示す情報を含む前記標準情報を取得し、前記判定部は、前記今回情報として取得した前記移動体の搭乗者数が前記標準的な搭乗者数と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する。これにより、日常的に繰り返される移動中であっても、搭乗者数がいつもとは異なる場合には、忘れ物を防止するための情報を提示することができる。
【0015】
上記の情報提示装置の一態様では、前記標準状況取得部は、前記過去の前記移動体の移動における前記移動体の標準的な移動経路を示す情報を含む前記標準情報を取得し、前記判定部は、前記今回情報として取得した前記移動体の移動経路が前記標準的な移動経路と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する。これにより、日常的に繰り返される移動中であっても、移動経路がいつもとは異なる場合には、経路に気を取られて生じがちな忘れ物を防止するための情報を提示することができる。
【0016】
上記の情報提示装置の一態様では、前記標準状況取得部は、前記過去の前記移動体の移動における前記移動体の運転に係る標準的な運転負荷を示す情報を含む前記標準情報を取得し、前記判定部は、前記今回情報として取得した前記移動体の運転に係る運転負荷が前記標準的な運転負荷と異なる場合に、前記イレギュラーな事象が発生していると判定する。これにより、日常的に繰り返される移動中であっても、運転負荷がいつもとは異なる場合には、運転に気を取られて生じがちな忘れ物を防止するための情報を提示することができる。
【0017】
本発明の他の好適な実施形態では、情報提示装置が実行する情報提示方法は、移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得し、前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得し、前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定し、前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示する。これにより、日常的に繰り返されている移動であるがゆえに生じがちな忘れ物を防止することができる。
【0018】
本発明のさらに他の好適な実施形態では、コンピュータを備える情報提示装置により実行されるプログラムは、移動体の今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地及び出発日時を含む今回情報を取得する今回状況取得部、前記出発地及び前記出発日時に対応する過去の前記移動体の移動に関する標準的な状況を示す標準情報を取得する標準状況取得部、前記今回情報及び前記標準情報に基づき、前記移動体の今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する判定部、及び、前記イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前記移動体の搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示するための制御を行う提示制御部として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記の情報提示装置を実現することができる。このプログラムは記憶媒体に記憶して使用することができる。これにより、日常的に繰り返されている移動であるがゆえに生じがちな忘れ物を防止することができる。
【実施例0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0020】
<第1実施例>
まず、第1実施例について以下に説明する。
【0021】
[システム構成]
(全体構成)
図1は、実施例に係る案内システムの構成例を示す図である。案内システムは、ユーザが指定したスポット及びそれに関連するスポット等に関する音声案内を行うことが可能なシステムであって、ユーザが乗車する車両Veと共に移動する音声出力装置1を有する。ここで、「スポット」は、目的地として設定され得る任意の場所を指し、任意の施設であってもよく、観光スポットなどの場所であってもよい。また、車両Veは、移動体の一例として扱うことができる。
【0022】
(音声出力装置)
音声出力装置1は、ユーザとの対話により各種の情報をユーザに提供することができる。また、音声出力装置1は、車両Veの搭乗者であるユーザに対してユーザが指定したスポットへの経路案内及びその他の情報提供を行う。また、音声出力装置1は、案内経路に沿って車両Veが走行するように、音声を主とした経路案内を行う。なお、「音声を主とした経路案内」は、案内経路に沿って車両Veを運転するために必要な情報をユーザが少なくとも音声のみから把握可能な経路案内を指し、音声出力装置1が現在位置周辺の地図などを補助的に表示することを除外するものではない。本実施例では、音声出力装置1は、少なくとも、案内が必要な経路上の地点(「案内地点」とも呼ぶ。)など、運転に係る様々な情報を音声により出力する。ここで、案内地点は、例えば車両Veの右左折を伴う交差点、その他、案内経路に沿って車両Veが走行するために重要な通過地点が該当する。音声出力装置1は、例えば、車両Veから次の案内地点までの距離、当該案内地点での進行方向などの案内地点に関する音声案内を行う。また、音声出力装置1は、情報提示装置の一例として扱うことができる。
【0023】
音声出力装置1は、車両Veに設置され、設定された目的地への経路案内を行うナビゲーション装置であってもよく、ユーザが携帯するスマートフォンなどの携帯端末であってもよい。また、音声出力装置1は、車両Veに組み込まれていてもよい。
【0024】
図2は、実施例に係る音声出力装置の概略構成を示す図である。音声出力装置1は、主に、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、制御部14と、センサ群15と、表示部16と、集音部17と、音出力部18と、車内撮影部19と、を有する。音声出力装置1内の各要素は、バスライン10を介して相互に接続されている。
【0025】
通信部11は、制御部14の制御に基づき、外部装置とのデータ通信を行う。通信部11は、例えば、地
図DB(DataBase)4を更新するための地図データを図示しない地図管理サーバから受信してもよい。
【0026】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含む)などの各種のメモリにより構成される。記憶部12は、音声出力装置1が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部12は、制御部14の作業メモリとして使用される。なお、音声出力装置1が実行するプログラムは、記憶部12以外の記憶媒体に記憶されてもよい。
【0027】
また、記憶部12は、地
図DB(DataBase)4と、スポット情報DB5と、を記憶する。地
図DB4には、経路案内に必要な種々のデータが記録されている。
【0028】
地
図DB4は、対象車両の現在位置などの所定の位置を基準とした地図表示に必要なデータである。地
図DB4は、例えば、道路網をノードとリンクの組合せにより表した道路データを含んでいる。また、各リンクに関するデータであるリンクデータには、各リンクに対応する道路の属性情報が含まれている。
【0029】
スポット情報DB5は、目的地として設定され得るスポットのデータベースである。スポット情報DB5は、スポットごとの情報を表すレコードを含んでおり、各レコードは、対応するスポットのスポット名、種類(カテゴリ)、及び口コミ等に基づく評価に関する情報等を含んでいる。地
図DB4及びスポット情報DB5は、制御部14の制御下において、通信部11が図示しない地図管理サーバから受信する情報に基づき更新されてもよい。
【0030】
記憶部12は、車両Veの今回の走行状況を示す情報である走行状況情報6を記憶する。
図3は、走行状況情報に含まれる情報の一例を示す図である。
【0031】
走行状況情報6には、車両Veの今回の走行に係る情報として、例えば、当該車両Veの出発地SBCと、当該車両Veが当該出発地SBCから出発した出発日時STCと、当該車両Veの到着地TBCと、当該車両Veが当該到着地TBCに到着した到着日時TTCと、を示す情報が含まれている(
図3参照)。なお、到着地TBC及び到着日時TTCは、車両Veの走行が終了した際に記録されるものであればよい。また、走行状況情報6には、車両Veの今回の走行に係る情報として、例えば、当該車両Veを運転する運転者DRCと、当該車両Veに搭乗している搭乗者数TNCと、当該車両Veが走行している走行経路TRCと、当該車両Veを運転している当該運転者DRCの運転負荷LDCと、を示す情報が含まれている(
図3参照)。また、走行状況情報6には、車両Veの今回の走行に係る情報として、例えば、運転者DRCのスケジュールSJCを示す情報が含まれている(
図3参照)。なお、スケジュールSJCは、例えば、運転者DRCが所有する携帯端末等において起動中のスケジューラアプリケーション等から取得することができる。また、走行状況情報6には、車両Veの今回の走行に係る情報として、例えば、出発日時STCから到着日時TTCまでの期間に対応する走行時間帯TSCを示す情報が含まれている(
図3参照)。
【0032】
記憶部12は、車両Veの過去の走行状況を示す情報である走行履歴情報7を記憶する。記憶部12は、車両Veの過去の走行の1回分以上に対応する走行履歴情報7を記憶する。
図4は、走行履歴情報に含まれる情報の一例を示す図である。
【0033】
走行履歴情報7には、車両Veの過去の走行に係る情報として1回の走行毎に記録された情報が含まれている。また、走行履歴情報7の各々には、車両Veの過去の1回分の走行に係る情報として、例えば、当該車両Veの出発地SBPと、当該車両Veが当該出発地SBCから出発した出発日時STPと、当該車両Veの到着地TBPと、当該車両Veが当該到着地TBPに到着した到着日時TTPと、を示す情報がレコードとして含まれている(
図4参照)。また、走行履歴情報7の各々には、車両Veの過去の1回分の走行に係る情報として、例えば、当該車両Veを運転した運転者DRPと、当該車両Veに搭乗していた搭乗者数TNPと、当該車両Veが走行していた走行経路TRPと、当該車両Veを運転していた当該運転者DRPの運転負荷LDPと、を示す情報がレコードとして含まれている(
図4参照)。また、走行履歴情報7の各々には、車両Veの過去の1回分の走行に係る情報として、例えば、運転者DRPのスケジュールSJPを示す情報がレコードとして含まれている(
図4参照)。また、走行履歴情報7の各々には、車両Veの過去の1回分の走行に係る情報として、例えば、出発日時STPから到着日時TTPまでの期間に対応する走行時間帯TSPを示す情報がレコードとして含まれている(
図4参照)。なお、以降においては、特に言及のない限り、走行履歴情報7の各々に含まれる各情報が、走行状況情報6に含まれる各情報を記録する方法と同様の方法で記録されたものとして説明を行う。
【0034】
入力部13は、ユーザの入力を受け付けるユーザインタフェースを有している。入力部13には、例えば、ボタン、タッチパネル及びリモートコントローラ等のうちの少なくとも1つのユーザインタフェースが含まれていればよい。表示部16は、制御部14の制御に基づき情報の表示を行う。表示部16には、例えば、ディスプレイ及びプロジェクタ等のうちの少なくとも1つの装置が含まれていればよい。集音部17は、車両Veの車内の音声、特に運転者の発話等を集音する。集音部17には、例えば、マイク等の装置が含まれていればよい。音出力部18は、制御部14の制御に基づき音を出力する。音出力部18には、例えば、スピーカ等の装置が含まれていればよい。車内撮影部19は、車両Veの車内の様子を撮影するための少なくとも1つのカメラを有している。また、車内撮影部19は、少なくとも運転席周辺を撮影可能な位置に設けられたカメラを有していることが望ましい。
【0035】
センサ群15には、車両Veの状態又は車外の環境に関するセンシングを行う種々のセンサが含まれている。センサ群15は、外界センサ20と、内界センサ21と、を有する。外界センサ20は、例えば、ライダ、レーダ、超音波センサ、赤外線センサ、ソナー、カメラなどの車両Veの周辺環境を認識するための1又は複数のセンサである。内界センサ21は、車両の測位を行うセンサであり、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、ジャイロセンサ、IMU(Inertial Measurement Unit)、車速センサ、又はこれらの組合せである。なお、センサ群15は、制御部14がセンサ群15の出力から車両Veの位置を直接的に又は間接的に(即ち推定処理を行うことによって)導出可能なセンサを有していればよい。
【0036】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などを含み、音声出力装置1の全体を制御する。例えば、制御部14は、センサ群15の1又は複数のセンサの出力に基づき、車両Veの位置(進行方向の向きも含む)を推定する。また、制御部14は、入力部13又は集音部17により目的地が指定された場合に、当該目的地までの経路である案内経路を示す経路情報を生成し、当該経路情報と推定した車両Veの位置情報と地
図DB4とに基づき、経路案内を行う。この場合、制御部14は、案内経路に対する案内に関する音声を音出力部18から出力させる。また、制御部14は、表示部16を制御することで、再生中の音楽の情報、映像コンテンツ、又は現在位置周辺の地図などの表示を行う。また、制御部14は、コンピュータの一例として扱うことができる。また、制御部14は、今回状況取得部、標準状況取得部、判定部、及び、提示制御部としての機能を有する。
【0037】
なお、制御部14が実行する処理は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、制御部14が実行する処理は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、制御部14が本実施例において実行するプログラムを実現してもよい。このように、制御部14は、プロセッサ以外のハードウェアにより実現されてもよい。
【0038】
図2に示す音声出力装置1の構成は一例であり、
図2に示す構成に対して種々の変更がなされてもよい。例えば、地
図DB4及びスポット情報DB5を記憶部12が記憶する代わりに、制御部14が通信部11を介し、図示しない地図管理サーバから地
図DB4及びスポット情報DB5に相当する情報を受信してもよい。他の例では、入力部13、表示部16及び音出力部18のうちの少なくともいずれか1つが、音声出力装置1の外部装置として対象車両内に設けられ、生成した信号を音声出力装置1に供給してもよい。また、センサ群15の少なくとも一部のセンサは、車両Veに備え付けられたセンサであってもよい。この場合、音声出力装置1は、車両Veに備え付けられたセンサが出力する情報を、車両VeからCAN(Controller Area Network)などの通信プロトコルに基づき取得してもよい。
【0039】
[音声案内に係る処理の具体例]
続いて、本実施例における音声案内に係る処理の具体例について説明する。
【0040】
車両Veの運転者が、いつもは行わない臨時のタスクを移動の途中に行わなければならない場合に、いつもの出発地をいつもの時間帯に出発すると、日常的に繰り返されている走行であるがゆえに、臨時のタスクの実行を忘れてしまう場合がある。例えば、車両Veによる通勤の途中で、臨時のタスクとして、店舗に立ち寄って買い物をしなければならない場合、いつもの時刻帯にいつもの自宅から出発すると、毎日繰り返す通勤であるがゆえに、うっかり店舗に立ち寄ることを忘れて職場に到着してしまうのである。このようなうっかり忘れを防止するため、本実施例における音声出力装置1は、今回の出発地及び出発日時が日常で繰り返される走行の出発地及び出発日時と同じである場合には、日常とは異なるイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定し、何らかのイレギュラーな事象が発生していると判定された場合には、車両Veの搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示する。
【0041】
そのために、制御部14は、車両Veの電源がオンされた際に、当該車両Veの現在位置を取得し、当該取得した現在位置を走行状況情報6における出発地SBCとして記録する。また、制御部14は、車両Veの電源がオンされた際に、現在時刻を取得し、当該取得した現在時刻を走行状況情報6における出発日時STCとして記録する。また、制御部14は、車両Veの電源がオンされた後に、車内撮影部19により撮影された車内の画像等に基づいて運転席の人物を特定し、当該特定した人物を走行状況情報6における運転者DRCとして記録する。また、制御部14は、車両Veの電源がオンされた後に、車内撮影部19により撮影された車内の画像等に基づいて当該車内に存在する人物の数を特定し、当該特定した人物の数を走行状況情報6における搭乗者数TNCとして記録する。また、制御部14は、車両Veの走行が開始された後に、当該車両Veの現在位置等に基づいて当該車両Veが走行している経路を取得し、当該取得した経路を走行状況情報6における走行経路TRCとして記録する。また、制御部14は、運転者DRCの運転中の負荷を推定し、当該推定した負荷を走行状況情報6における運転負荷LDCとして記録する。運転負荷LDCは、車両Veが通過した経路に含まれる道路区間毎の負荷の大きさを表す値であってもよく、または、当該車両Veが通過した経路全体における負荷の平均を表す値であってもよい。また、運転負荷LDCは、少なくとも渋滞状況及び天候に基づいて推定されることが望ましい。具体的には、運転負荷LDCは、例えば、渋滞の距離の長さ、及び、天候の変化に応じて異なる大きさを有する値として推定されることが望ましい。また、運転負荷LDCは、車内撮影部19により撮影された車内の画像における運転者DRCの表情等から推定される運転者DRCの疲労度に基づいて特定されてもよい。
【0042】
制御部14は、今回の走行に係る出発地SBC及び出発日時STCと、標準的な出発地SBU及び標準的な出発日時STUと、に基づき、車両Veが標準的な走行を開始するか否かに係る判定を行う。
【0043】
標準的な出発地SBUは、例えば、自宅及び勤務先等のような、車両Veの標準的な走行が開始される場所に相当する。制御部14は、例えば、運転者DRC等の車両Veの搭乗者により予め設定された場所を標準的な出発地SBUとして用いてもよい。または、制御部14は、例えば、走行履歴情報7における出現回数が所定の回数以上となる出発地SBPを標準的な出発地SBUとして設定してもよい。または、制御部14は、例えば、走行履歴情報7における出現頻度が所定の頻度以上となる出発地SBPを標準的な出発地SBUとして設定してもよい。
【0044】
標準的な出発日時STUは、例えば、自宅から勤務先へ出発する時間、及び、当該勤務先から当該自宅へ出発する時間等のような、車両Veの標準的な走行が開始される時間に相当する。制御部14は、例えば、運転者DRC等の車両Veの搭乗者により予め設定された時間を標準的な出発日時STUとして用いてもよい。または、制御部14は、例えば、走行履歴情報7において、出発日時STPの出現回数が所定の回数以上となる日時(曜日ごとの出発時間帯)を標準的な出発日時STUとして設定してもよい。または、制御部14は、例えば、走行履歴情報7における出発日時STPの出現頻度が所定の頻度以上となる日時(曜日ごとの出発時間帯)を標準的な出発日時STUとして設定してもよい。具体的には、例えば、出発日時STPとして、日曜日の10時を中心とする所定時間幅である10分の間(すなわち9時55分から10時5分の10分間)に所定の回数以上の出発が記憶されており、かつ、平日の7時30分を中心とする所定時間幅である10分の間(すなわち7時25分から7時35分の10分間)に所定の回数以上の出発が記憶されていた場合、制御部14は、日曜日については10時から10時10分の時間帯を、平日については7時25分から7時35分の時間帯を、それぞれ標準的な出発日時STUとして設定してもよい。
【0045】
制御部14は、今回の走行に係る出発地SBC及び出発日時STCの組合せが、標準的な出発地SBU及び標準的な出発日時STUの組合せに該当しない場合には、車両Veが非標準的な走行を開始するとの判定結果を取得し、後述の音声案内を行わずに処理を終了する。また、制御部14は、出発地SBC及び出発日時STCの組合せが、標準的な出発地SBU及び標準的な出発日時STUの組合せに該当する場合には、車両Veが標準的な走行を開始するとの判定結果を取得する。
【0046】
制御部14は、車両Veが標準的な走行を開始するとの判定結果を得た場合に、出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7に基づき、当該車両Veの走行に係るイレギュラーな事象の発生の有無を検出する。
【0047】
ここで、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象の発生の有無を検出する検出処理の具体例について説明する。
【0048】
制御部14は、車両Veを今回運転する運転者DRCの今回の出発日時STCを含む所定期間内のスケジュールSJCの内容と、今回の走行に係る出発地SBC、出発日時STC、及び運転者DRCの組合せに対応する走行履歴情報7に記憶されているスケジュールSJPから特定した標準的なスケジュールSJUの内容を比較し、今回のスケジュールSJCが標準的なスケジュールSJUと異なるか否かを判定する。
【0049】
標準的なスケジュールSJUは、出発日時STP及び出発地SBPの組合せが共通する複数の走行履歴情報7にレコードとして記憶されているスケジュールSJPのうち、当該出発日時STP及び当該出発地SBPの組合せの走行時において恒常的な内容となっているスケジュールである。具体的には、例えば、出発日時STPが日曜日の10時から10時10分の時間帯に属し、出発地SBPが自宅である走行履歴情報7が複数存在し、かつ、これらの走行履歴情報7に含まれるスケジュールSJPの内容の殆んどが「ゴルフ練習」であったとする。この場合、制御部14は、日曜日の10時から10時10分の時間帯に自宅を出発する標準的な走行に対応する標準的なスケジュールSJUとしては、「ゴルフ練習」を内容とするスケジュールを設定する。すなわち、制御部14は、車両Veの標準的な走行が行われる期間に対応付けて標準的なスケジュールSJUを取得する。制御部14は、例えば、今回の走行に係る出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7において、出現回数が所定の回数以上となるスケジュールSJPを標準的なスケジュールSJUとして取得してもよい。また、制御部14は、例えば、出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7において、出現頻度が所定の頻度以上となるスケジュールSJPを標準的なスケジュールSJUとして取得してもよい。また、制御部14は、出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7において、スケジュールSJPが存在しないケースの出現回数が所定の回数以上となる場合、または、出現頻度が所定の頻度以上となる場合には、「スケジュール無し」を標準的なスケジュールSJUとして取得してもよい。なお、制御部14は、車両Veを今回運転する運転者のスケジュールが標準的なスケジュールと異なるかを判定することに加えて、車両Veに複数の搭乗者が存在する場合には、当該複数の搭乗者のうちの少なくとも一部の搭乗者の今回のスケジュールについて、当該一部の搭乗者の標準的なスケジュールと異なるかを判定してもよい。
【0050】
制御部14は、スケジュールSJCの内容が標準的なスケジュールSJUの内容と異なる場合に、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象が発生していることを検出する。また、制御部14は、スケジュールSJCの内容が標準的なスケジュールSJUの内容に該当する場合に、出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7に基づき、走行状況情報6の運転者DRC、搭乗者数TNC、走行経路TRC及び運転負荷LDCの全てが標準的な状態に該当するか否かを判定する。
【0051】
制御部14は、運転者DRC、搭乗者数TNC、走行経路TRC及び運転負荷LDCのうちの少なくとも1つが標準的な状態に該当しない場合に、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象が発生していることを検出する。また、制御部14は、運転者DRC、搭乗者数TNC、走行経路TRC及び運転負荷LDCの全てが標準的な状態に該当する場合に、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象が発生していないことを検出する。
【0052】
運転者DRC、搭乗者数TNC、走行経路TRC及び運転負荷LDCの全てが標準的な状態に該当するか否かについては、以下に述べるような方法で判定することができる。
【0053】
制御部14は、例えば、今回の走行に係る出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7における出現頻度または出現回数が最大となる運転者DRPを、車両Veの標準的な運転者DRUとして取得する。そして、制御部14は、今回の運転者DRCと標準的な運転者DRUとが異なる場合に、当該運転者DRCが標準的な状態に該当しないと判定する。また、制御部14は、運転者DRCと標準的な運転者DRUとが同一である場合に、当該運転者DRCが標準的な状態に該当すると判定する。
【0054】
制御部14は、例えば、今回の走行に係る出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7における出現頻度または出現回数が最大となる搭乗者数TNPを、車両Veの標準的な搭乗者数TNUとして取得する。そして、制御部14は、今回の搭乗者数TNCと搭乗者数TNUとが異なる場合に、当該搭乗者数TNCが標準的な状態に該当しないと判定する。また、制御部14は、搭乗者数TNCと標準的な搭乗者数TNUとが同一である場合に、当該搭乗者数TNCが標準的な状態に該当すると判定する。
【0055】
なお、制御部14は、例えば、標準的な走行を行う車両Veにおいて開閉されたドアと、標準的に開閉されるドアと、が異なる場合に、搭乗者数TNCが標準的な状態に該当しないと判定するようにしてもよい。また、制御部14は、例えば、標準的な走行を行う車両Veにおいて開閉されたドアと、標準的に開閉されるドアと、が同一である場合に、搭乗者数TNCが標準的な状態に該当すると判定するようにしてもよい。また、制御部14は、車両Veのドアの開閉を、センサ群15からの出力に基づいて検出してもよく、または、車内撮影部19により撮影された車内の画像に基づいて検出してもよい。
【0056】
制御部14は、例えば、今回の走行に係る出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7における出現頻度または出現回数が最大となる走行経路TRPを、車両Veの標準的な走行経路TRUとして取得する。そして、制御部14は、今回の走行経路TRCと走行経路TRUとが異なる場合に、当該走行経路TRCが標準的な状態に該当しないと判定する。また、制御部14は、走行経路TRCと走行経路TRUとが同一である場合に、当該走行経路TRCが標準的な状態に該当すると判定する。
【0057】
制御部14は、例えば、今回の走行に係る出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7に含まれる各運転負荷LDPの平均を標準的な運転負荷LDUとして取得する。そして、制御部14は、今回の運転負荷LDCが標準的な運転負荷LDUを基準とする所定の負荷範囲LDZから外れている場合に、当該運転負荷LDCが標準的な状態に該当しないと判定する。また、制御部14は、運転負荷LDCが所定の負荷範囲LDZに属する場合に、当該運転負荷LDCが標準的な状態に該当すると判定する。
【0058】
制御部14は、例えば、運転者DRCと標準的な運転者DRUとが同一であり、搭乗者数TNCと標準的な搭乗者数TNUとが同一であり、走行経路TRCと標準的な走行経路TRUとが同一であり、かつ、運転負荷LDCが所定の負荷範囲LDZに属する場合に、当該運転者DRC、当該搭乗者数TNC、当該走行経路TRC及び当該運転負荷LDCの全てが標準的な状態に該当すると判定する。
【0059】
制御部14は、車両Veが標準的な走行を開始してから、標準的な到着地TBUに到着するまでの期間、または、当該標準的な走行が終了するまでの期間までにおいて、以上に述べたような検出処理を繰り返し行う。
【0060】
標準的な到着地TBUは、例えば、自宅及び勤務先等のような、車両Veの標準的な走行が終了する場所に相当する。制御部14は、例えば、運転者DRC等の車両Veの搭乗者により予め設定された場所を標準的な到着地TBUとして用いてもよい。または、制御部14は、例えば、走行履歴情報7における出現回数が所定の回数以上となる到着地TBPを標準的な到着地TBUとして設定してもよい。または、制御部14は、例えば、走行履歴情報7における出現頻度が所定の頻度以上となる到着地TBPを標準的な到着地TBUとして設定してもよい。
【0061】
制御部14は、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象が発生していることを検出した場合に、運転者DRC等の車両Veの搭乗者により行われるタスクに係る目的地の設定、経由地の設定またはリマインダの設定を促すための音声案内を生成し、当該生成した音声案内を音出力部18から出力させる。具体的には、制御部14は、例えば、『何か特別な用事があれば登録してください。目的地、経由地、またはリマインダを設定しますか?』という文章を有する音声案内を生成し、当該生成した音声案内を音出力部18から出力させる。このような音声案内によれば、例えば、車両Veの標準的な走行において当該車両Veが臨時の目的地または臨時の経由地へ向かう場合に、当該目的地または当該経由地に応じた経路案内を実施可能とするための設定内容の更新を当該車両Veの搭乗者に促すことができる。また、前述の音声案内によれば、例えば、車両Veの標準的な走行において当該車両Veの搭乗者により行われる臨時のタスクが存在する場合に、当該タスクに係るリマインダを実施可能とするための設定内容の更新を当該搭乗者に促すことができる。なお、本実施例によれば、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前述の音声案内が1回のみ行われるようにしてもよく、または、前述の音声案内が複数回繰り返し行われるようにしてもよい。また、本実施例によれば、前述のリマインダが、車両Veの走行中において所定の条件を満たしたタイミングで行われてもよく、または、車両Veの搭乗者により設定されたタイミングで行われてもよい。そのため、前述の音声案内によれば、例えば、『○○幼稚園に近づいたタイミングで「子供を降車させる」』というリマインダを実施可能とするための設定内容の更新を車両Veの搭乗者に促すことができる。また、前述の音声案内によれば、『△△スーパーに到着したタイミングで「牛乳を買う」』というリマインダを実施可能とするための設定内容の更新を車両Veの搭乗者に促すことができる。
【0062】
以上に述べたように、制御部14は、車両Veの今回の移動に関する状況を示す情報であって、出発地SBC及び出発日時STCを含む情報に相当する今回情報を取得することができる。また、制御部14は、今回情報として、出発地SBC及び出発日時STCに加え、運転者DRCと、スケジュールSJCと、搭乗者数TNCと、走行経路TRCと、運転負荷LDCと、のうちの少なくとも1つを含む情報を取得することができる。また、制御部14は、車両Veの移動履歴を含む走行履歴情報7に基づき、出発地SBC及び出発日時STCに対応する過去の車両Veの移動に関する標準的な状況を示す情報である標準情報を取得することができる。また、制御部14は、標準情報として、標準的な運転者DRUと、標準的なスケジュールSJUと、標準的な搭乗者数TNUと、標準的な走行経路TRUと、標準的な運転負荷LDUと、のうちの少なくとも1つを含む情報を取得することができる。また、制御部14は、今回情報及び標準情報に基づき、車両Veの今回の移動においてイレギュラーな事象が発生しているか否かを判定することができる。また、制御部14は、イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、車両Veの搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地の設定、経由地の設定、または、リマインダの設定を促す情報を提示するための制御を行うことができる。また、制御部14は、車両Veの今回の搭乗者の標準的なスケジュールSJUの内容を標準情報として取得し、今回情報として取得したスケジュールSJCの内容が当該標準的なスケジュールSJUの内容と異なる場合に、イレギュラーな事象が発生していると判定することができる。また、制御部14は、標準的な運転者DRUを標準情報として取得し、今回情報として取得した運転者DRCが当該標準的な運転者DRUと異なる場合に、イレギュラーな事象が発生していると判定することができる。また、制御部14は、標準的な搭乗者数TNUを標準情報として取得し、今回情報として取得した搭乗者数TNCが当該標準的な搭乗者数TNUと異なる場合に、イレギュラーな事象が発生していると判定することができる。また、制御部14は、標準的な走行経路TRUを標準情報として取得し、今回情報として取得した走行経路TRCが当該標準的な走行経路TRUと異なる場合に、イレギュラーな事象が発生していると判定することができる。また、制御部14は、標準的な運転負荷LDUを標準情報として取得し、今回情報として取得した運転負荷LDCが当該標準的な運転負荷LDUと異なる場合に、イレギュラーな事象が発生していると判定することができる。
【0063】
[処理フロー]
続いて、音声出力装置1により行われる音声案内に係る処理の流れについて説明する。
図5及び
図6は、音声出力装置により行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
まず、音声出力装置1は、車両Veの電源がオンされた際に、当該車両Veの現在位置を取得し、当該取得した現在位置を走行状況情報6における出発地SBCとして記録する(ステップS11)。また、音声出力装置1は、車両Veの電源がオンされた際に、現在時刻を取得し、当該取得した現在時刻を走行状況情報6における出発日時STCとして記録する(ステップS11)。
【0065】
次に、音声出力装置1は、ステップS11により記録した出発地SBC及び出発日時STCの組合せが、標準的な出発地SBU及び標準的な出発日時STUの組合せに該当するか否かを判定する(ステップS12)。
【0066】
音声出力装置1は、ステップS11により記録した出発地SBC及び出発日時STCの組合せが、標準的な出発地SBU及び標準的な出発日時STUの組合せに該当しない場合(ステップS12:NO)には、車両Veが非標準的な走行を開始するとの判定結果を取得し、一連の処理を終了する。また、音声出力装置1は、ステップS11により記録した出発地SBC及び出発日時STCの組合せが、標準的な出発地SBU及び標準的な出発日時STUの組合せに該当する場合(ステップS12:YES)には、車両Veが標準的な走行を開始するとの判定結果を取得する。
【0067】
続いて、音声出力装置1は、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象の発生の有無を検出する処理として、
図6に示す処理を行う(ステップS13)。
【0068】
音声出力装置1は、
図6に示す処理を開始した際に、運転者DRCのスケジュールSJCを取得する(ステップS21)。
【0069】
音声出力装置1は、ステップS21により得られたスケジュールSJCが標準的なスケジュールSJUに該当するか否かを判定する(ステップS22)。
【0070】
音声出力装置1は、スケジュールSJCが標準的なスケジュールSJUと内容が異なる場合(ステップS22:NO)には、イレギュラーな事象が発生していることを検出した(ステップS25)後、
図5のステップS14の処理を行う。また、音声出力装置1は、スケジュールSJCが標準的なスケジュールSJUに該当する場合(ステップS22:YES)には、後述のステップS23の処理を行う。
【0071】
音声出力装置1は、出発地SBC及び出発日時STCに対応する走行履歴情報7に基づき、運転者DRC、搭乗者数TNC、走行経路TRC及び運転負荷LDCの全てが標準的な状態に該当するか否かを判定する(ステップS23)。
【0072】
音声出力装置1は、運転者DRC、搭乗者数TNC、走行経路TRC及び運転負荷LDCの全てが標準的な状態に該当する場合(ステップS23:YES)には、イレギュラーな事象が発生していないことを検出した(ステップS24)後、
図5のステップS14の処理を行う。また、音声出力装置1は、運転者DRC、搭乗者数TNC、走行経路TRC及び運転負荷LDCのうちの少なくとも1つが標準的な状態に該当しない場合(ステップS23:NO)には、イレギュラーな事象が発生していることを検出した(ステップS25)後、
図5のステップS14の処理を行う。
【0073】
音声出力装置1は、ステップS13の処理結果に基づき、イレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する(ステップS14)。
【0074】
音声出力装置1は、イレギュラーな事象が発生していないと判定した場合(ステップS14:NO)には、後述のステップS18の処理を行う。また、音声出力装置1は、イレギュラーな事象が発生していると判定した場合(ステップS14:YES)には、運転者DRCにより行われるタスクに係る目的地の設定、経由地の設定またはリマインダの設定を促すための音声案内を生成し、当該生成した音声案内を出力する(ステップS15)。
【0075】
音声出力装置1は、ステップS15により音声案内を出力した後、当該音声案内に応じた新たな設定が行われたか否かを判定する(ステップS16)。
【0076】
音声出力装置1は、ステップS15の音声案内に応じた新たな設定が行われなかった場合(ステップS16:NO)には、後述のステップS18の処理を行う。音声出力装置1は、ステップS15の音声案内に応じた新たな設定が行われた場合(ステップS16:YES)には、当該新たな設定により既存の設定内容を更新した(ステップS17)後、後述のステップS18の処理を行う。
【0077】
音声出力装置1は、車両Veの今回の走行の終了に係る走行終了条件を満たしたか否かを判定する(ステップS18)。
【0078】
音声出力装置1は、例えば、車両Veが標準的な到着地TBUに到着した場合、または、当該車両Veの電源がオフされた場合に、走行終了条件を満たしたと判定し(ステップS18:YES)、一連の処理を終了する。また、音声出力装置1は、例えば、車両Veが標準的な到着地TBUに到着しておらず、かつ、車両Veの電源がオンされている場合に、走行終了条件を満たしていないと判定し(ステップS18:NO)、ステップS13以降の処理を再度行う。
【0079】
以上に述べたように、本実施例によれば、車両Veの標準的な走行中にイレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、当該車両Veの搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係る目的地または経由地に対応する経路案内を実施可能とするための設定内容の更新を促すことができる。そのため、本実施例によれば、例えば、車両Veの標準的な走行中にイレギュラーな事象が発生している場合に、臨時の目的地または臨時の経由地へ向かうことを当該車両Veの搭乗者に認識させることができる。すなわち、本実施例によれば、日常的に繰り返されている移動であるがゆえに生じがちな忘れ物を防止することができる。
【0080】
以上に述べたように、本実施例によれば、車両Veの標準的な走行中にイレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、当該車両Veの搭乗者に対し、当該搭乗者のタスクに係るリマインダを実施可能とするための設定内容の更新を促すことができる。そのため、本実施例によれば、例えば、車両Veの標準的な走行中にイレギュラーな事象が発生している場合に、臨時のタスクが存在することを当該車両Veの搭乗者に認識させることができる。すなわち、本実施例によれば、日常的に繰り返されている移動であるがゆえに生じがちな忘れ物を防止することができる。
【0081】
<第2実施例>
次に、第2実施例について以下に説明する。なお、本実施例においては、第1実施例と同様の構成等を適用可能な部分についての説明を適宜省略するとともに、第1実施例とは異なる部分に主眼を置いて説明を行うものとする。具体的には、本実施例においては、システム構成が第1実施例と略同様である一方で、音声案内に係る処理内容の一部が第1実施例とは異なっている。そのため、以下においては、音声案内に係る処理についての説明を主に行うものとする。
【0082】
[音声案内に係る処理の具体例]
制御部14は、車両Veが標準的な走行を開始するとの判定結果を得た場合に、第1実施例と同様の検出処理を行うことにより、当該車両Veの走行に係るイレギュラーな事象の発生の有無を検出する。
【0083】
制御部14は、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象が発生していることを検出した場合に、当該イレギュラーな事象の内容を取得する。具体的には、制御部14は、例えば、第1実施例と同様の検出処理を行うことにより得られた検出結果に基づき、スケジュールSJC、運転者DRC、搭乗者数TNC、走行経路TRC及び運転負荷LDCの中で標準的な状態に該当しないものをイレギュラーな事象の内容として取得する。
【0084】
制御部14は、前述のように取得したイレギュラーな事象の内容を示す情報を含む音声案内を生成し、当該生成した音声案内を音出力部18から出力させる。具体的には、制御部14は、例えば、搭乗者数TNC及び走行経路TRCが標準的な状態に該当しない場合には、『今回は、搭乗者数及び走行経路がいつもと異なります。忘れ物がないか確認してください。』という文章を有する音声案内を生成し、当該生成した音声案内を音出力部18から出力させる。このような音声案内によれば、例えば、車両Veの標準的な走行において当該車両Veの搭乗者により行われる臨時のタスクが存在する場合に、当該搭乗者における当該タスクの失念を防ぐことができる。なお、本実施例によれば、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、前述の音声案内が1回のみ行われるようにしてもよく、または、前述の音声案内が複数回繰り返し行われるようにしてもよい。
【0085】
以上に述べたように、制御部14は、イレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、車両Veの搭乗者に対し、当該イレギュラーな事象の内容を示す情報を含む注意喚起情報を提示するための制御を行うことができる。また、制御部14は、注意喚起情報として、イレギュラーな事象の内容を示しつつ忘れ物に関する注意を促す情報を提示することができる。
【0086】
[処理フロー]
続いて、音声出力装置1により行われる音声案内に係る処理の流れについて説明する。
図7は、音声出力装置により行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【0087】
音声出力装置1は、ステップS31~ステップS33において、ステップS11~ステップS13の処理と同様の処理を行う。また、音声出力装置1は、ステップS33の処理結果に基づき、イレギュラーな事象が発生しているか否かを判定する(ステップS34)。
【0088】
音声出力装置1は、ステップS33の処理結果に基づき、イレギュラーな事象が発生していないと判定した場合(ステップS34:NO)には、後述のステップS37の処理を行う。また、音声出力装置1は、ステップS33の処理結果に基づき、イレギュラーな事象が発生していると判定した場合(ステップS34:YES)には、当該イレギュラーな事象の内容を取得する(ステップS35)。
【0089】
音声出力装置1は、ステップS35により取得したイレギュラーな事象の内容を示す情報を含む音声案内を生成し、当該生成した音声案内を出力した(ステップS36)後、後述のステップS37の処理を行う。
【0090】
音声出力装置1は、車両Veの今回の走行の終了に係る走行終了条件として、ステップS18と同様の条件を満たしたか否かを判定する(ステップS37)。
【0091】
音声出力装置1は、走行終了条件を満たしたと判定した場合(ステップS37:YES)には、一連の処理を終了する。また、音声出力装置1は、走行終了条件を満たしていないと判定した場合(ステップS37:NO)には、ステップS33以降の処理を再度行う。
【0092】
以上に述べたように、本実施例によれば、車両Veの標準的な走行中にイレギュラーな事象が発生していると判定された場合に、当該車両Veの搭乗者に対し、当該イレギュラーな事象の内容に関する注意を促すことができる。そのため、搭乗者は、何がいつもとは違うのかを認識することができるとともに、当該認識をヒントとして臨時のタスクを容易に思い出すことができる。従って、本実施例によれば、忘れ物をより効果的に防止することができる。
【0093】
<変形例>
続いて、上述した各実施例に好適な変形例について説明する。以下の変形例は組み合わせて上述の各実施例に適用してもよい。
【0094】
[変形例1]
上述した各実施例によれば、音声出力装置1により行われる各処理のうちの少なくとも一部の処理が、音声出力装置1とデータ通信を行うサーバ装置において行われるようにしてもよい。
【0095】
図8は、変形例に係る案内システムの構成例を示す図である。案内システムは、音声出力装置1Aと、サーバ装置200と、を有する。音声出力装置1A及びサーバ装置200は、ネットワーク150を介してデータ通信を行う。音声出力装置1Aは、サーバ装置200から受信した情報に基づいて音声案内を行う。また、サーバ装置200は、情報提示装置の一例として扱うことができる。
【0096】
音声出力装置1Aは、上述の第1実施例において説明した音声出力装置1と同様の構成(
図2参照)を有する。なお、走行状況情報6及び走行履歴情報7に基づく処理をサーバ装置200が行う場合には、音声出力装置1Aは、走行状況情報6及び走行履歴情報7を記憶しなくともよい。そして、音声出力装置1Aは、入力部13において入力された情報、センサ群15により得られた情報、及び、車内撮影部19により撮影された画像等をサーバ装置200へ送信する。
【0097】
図9は、変形例に係るサーバ装置の概略構成を示す図である。
図9に示すように、サーバ装置200は、通信部101と、記憶部102と、制御部104と、を有する。通信部101、記憶部102及び制御部104は、バスライン100を介して相互に接続されている。
【0098】
通信部101は、制御部104の制御に基づき、ネットワーク150を介し、各種データの送信及び受信を行う。記憶部102は、例えば、HDDなどにより構成されている。また、記憶部102は、例えば、走行状況情報6及び走行履歴情報7等のような、音声案内に必要なデータを記憶する。制御部104は、CPUやROM及びRAMなどのメモリを有し、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、サーバ装置200の全般的な制御を行う。また、制御部104は、コンピュータの一例として扱うことができる。また、制御部104は、今回状況取得部、標準状況取得部、判定部、及び、提示制御部としての機能を有する。
【0099】
以上に述べたような構成において、制御部104は、音声出力装置1Aから受信した情報を走行状況情報6として記録する。また、制御部104は、走行状況情報6として記録した情報に基づき、車両Veが標準的な走行を開始するか否かに係る判定を行う。また、制御部104は、車両Veが標準的な走行を開始するとの判定結果を得た場合に、起動中のスケジューラアプリケーション等から受信したスケジュールSJCと、記憶部102に記憶されている走行履歴情報7と、に基づき、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象の発生の有無を検出する。また、制御部104は、車両Veの走行に係るイレギュラーな事象が発生していることを検出した場合に、音声案内用のデータを生成し、当該生成したデータを通信部101から音声出力装置1Aへ送信させる。このような場合において、制御部14は、サーバ装置200から受信したデータに応じた音声案内を音出力部18から出力させる。
【0100】
このように、サーバ装置200が制御部14の処理の一部を実行した場合であっても、音声出力装置1Aは、音声案内の出力に係る処理を行うことができる。なお、本変形例によれば、サーバ装置200において行われる処理と同様の処理が、複数のサーバ装置を有するサーバシステムにおいて行われるようにしてもよい。
【0101】
[変形例2]
上述した各実施例によれば、音声案内と同様の情報を車両Veの搭乗者に対して提示する限りにおいては、制御部14は、当該音声案内に対応する文字列等を表示部16に表示させるための制御を行うものであってもよい。
【0102】
なお、上述した各実施例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(Non-transitory Computer Readable Medium)を用いて格納され、コンピュータである制御部等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体(Tangible Storage Medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記憶媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0103】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。