(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126730
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20240912BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20240912BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240912BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240912BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20240912BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240912BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240912BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240912BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20240912BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B21/00 U
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
G08B25/08 A
G08G1/16 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035306
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮部 航太朗
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA19
5C086CA28
5C086CB36
5C086FA06
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087AA37
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD06
5C087DD14
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL07
5H181MB12
5H181MC19
5H181MC24
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】
車内に取り残された生体の救助のために車両の破壊が必要な状況において、当該車両の所有者又はこれに準ずる者が車両の近くに居ない場合であっても、当該生体の迅速な救助を可能とする情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体を提供することを目的の1つとしている。
【解決手段】
車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出部と、前記車内放置が検出されると、前記車内放置を示す通知を前記車両に関連付けられた端末装置に送信する通知部と、前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記生体の救助のための前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させる放音制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出部と、
前記車内放置が検出されると、前記車内放置を示す通知を前記車両に関連付けられた端末装置に送信する通知部と、
前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記生体の救助のための前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させる放音制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記放音制御部は、前記通知への応答として、前記生体の救助を求めることを示す救助要求を受信した場合に、前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記放音制御部は、前記通知への応答として、前記生体の救助が不要である旨の指示を受信した場合には、前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記放音制御部は、前記通知への応答を所定時間内に受信しない場合、前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記放音制御部は、前記車両の破壊許可を含む音声とともに、前記車両の破壊方法を示す音声を前記車両外に放音させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記通知とともに、前記車内放置の状況を示す情報を前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記車内放置の状況を示す情報は、前記車両の内部を撮像した車内画像、前記車両の外部を撮像した車外画像、前記車両内の温度、及び前記車内放置の継続時間の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記放音制御部は、前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記端末装置から送信された音声を前記車両外に放音させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記車両外から収音された音声を前記端末装置に送信可能な収音制御部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記通知部は、前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記通知及び前記車両の位置情報を含む情報を警察機関または消防機関に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記放音制御部は、前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、警察機関又は消防機関から送信された音声を前記車両外に放音させ、
前記収音制御部は、前記車両外から収音された音声を前記警察機関または消防機関に送信することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出ステップと、
前記車内放置が検出されると、前記車内放置を示す通知を前記車両に関連付けられた端末装置に送信する通知ステップと、
前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記生体の救助のための前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させる放音制御ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータを備える情報処理装置によって実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータに、
車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出ステップと、
前記車内放置が検出されると、前記車内放置を示す通知を前記車両に関連付けられた端末装置に送信する通知ステップと、
前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記生体の救助のための前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させる放音制御ステップと、
を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項14】
コンピュータを備える情報処理装置に、
車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出ステップと、
前記車内放置が検出されると、前記車内放置を示す通知を前記車両に関連付けられた端末装置に送信する通知ステップと、
前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記生体の救助のための前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させる放音制御ステップと、
を実行させるための情報処理プログラムを記憶するコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体に関し、例えば、移動体からの放音に関する情報処理を行う情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車室内に取り残された乗員の体調具合が重篤であると判定されると、車両の外面に、重篤の乗員が居ることを示唆する情報を表示する表示部を備える車両の車内異常報知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、子供やペット等の生体の車内への置き去りが発生した状況で、当該生体を救助するためには車両の破壊が必要な場合を考える。この場合、上記文献のように、車両の周囲に居る人に向けて車両内に取り残された生体の存在を示唆する表示を行ったとしても、車両の所有者が近くに居なければ、当該車両の周囲に居る人は、車両の破壊を躊躇すると想定され、生体の速やかな救助が困難であることが課題の1つとして挙げられる。
【0005】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、車内に取り残された生体の救助のために車両の破壊が必要な状況において、当該車両の所有者又はこれに準ずる者が車両の近くに居ない場合であっても、当該生体の迅速な救助を可能とする情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体を提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出部と、前記車内放置が検出されると、前記車内放置を示す通知を前記車両に関連付けられた端末装置に送信する通知部と、前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記生体の救助のための前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させる放音制御部と、を有することを特徴とする情報処理装置である。
【0007】
請求項10に記載の発明は、情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出ステップと、前記車内放置が検出されると、前記車内放置を示す通知を前記車両に関連付けられた端末装置に送信する通知ステップと、前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記生体の救助のための前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させる放音制御ステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法である。
【0008】
請求項11に記載の発明は、コンピュータを備える情報処理装置によって実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータに、車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出ステップと、前記車内放置が検出されると、前記車内放置を示す通知を前記車両に関連付けられた端末装置に送信する通知ステップと、前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記生体の救助のための前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させる放音制御ステップと、を実行させるための情報処理プログラムである。
【0009】
請求項12に記載の発明は、コンピュータを備える情報処理装置に、車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出ステップと、前記車内放置が検出されると、前記車内放置を示す通知を前記車両に関連付けられた端末装置に送信する通知ステップと、前記端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、前記生体の救助のための前記車両の破壊許可を含む音声を前記車両外に放音させる放音制御ステップと、を実行させるための情報処理プログラムを記憶するコンピュータが読み取り可能な記憶媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例に係る情報処理システムの概略を示す模式図である。
【
図2】実施例1に係る自動車の前席部分の構成を示す図である。
【
図3】実施例1に係る車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施例1に係る車載装置からサーバ装置に送信される情報の一例を示す図である。
【
図5】実施例1に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】実施例1に係るサーバ装置から端末装置に送信される情報の一例を示す図である。
【
図7】実施例1に係る端末装置の外観の一例を示す図である。
【
図8】実施例1に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】実施例1に係る情報処理システムによって実行される情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】実施例1における車両外への放音の様子を示す図である。
【
図11】実施例1に係る車載装置によって実行されるルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図12】実施例1に係るサーバ装置によって実行されるルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施例1に係る車載装置によって実行されるルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図14】実施例2に係る情報処理システムによって実行される情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図15】実施例2に係るサーバ装置によって実行されるルーチンの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例0012】
実施例1に係る情報処理装置を含む情報処理システム100の構成について添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、情報処理システム100の構成の概要を示している。
図1に示すように、情報処理システム100は、車載装置10、情報処理装置としてのサーバ30及びオーナー端末50を含んで構成されている。なお、
図1においては、車載装置10が車両の一例としての自動車Mに搭載されている場合を示している。また、オーナー端末50は、自動車Mの所有者(オーナー)が使用する端末装置である。
図1においては、オーナー端末50の一例として、スマートフォンを示している。
【0014】
車載装置10、サーバ30及びオーナー端末50は、ネットワークNWを介して、例えば、TCP/IPや、UDP/IP等の通信プロトコルを用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、移動体通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信及び有線通信を含むインターネット通信により構築され得る。
【0015】
情報処理システム100は、子供や老人又はペット等の生体が自動車M内に所定時間以上放置された場合に、当該生体の迅速な救助を支援する情報処理システムである。車載装置10は、自動車M内の生体の検出を行って検出結果をサーバ30に送信したり、サーバ30の制御に基づいて、自動車M内に放置された生体の救助を求める音声を自動車Mに備えられたスピーカ(図示せず)から放音したりすることが可能な端末装置である。
【0016】
サーバ30は、車載装置10から受信した情報に基づいて自動車M内に生体が所定時間以上放置されている状態である生体の車内放置を検出し、自動車Mのオーナーに通知する制御や、自動車Mに備えられたスピーカ(図示せず)から生体の救助のための音声を放音させる制御等の生体の救助に関連する情報処理を行うサーバ装置である。
【0017】
オーナー端末50は、上記の通り自動車Mのオーナーが使用する端末装置であり、サーバ30からの通知を受信したり、当該通知に対する応答を送信したり、オーナーが発した音声をサーバ30を介して車載装置10に送信したりすることが可能である。
【0018】
なお、本実施例は、自動車M内に放置された生体の救助のために車外の無関係の他人が自動車Mへの関与が必要な場合、例えば自動車Mのドアを開けるために触れなければならない場合、さらには自動車Mの破壊が必要な場合を想定している。例えば、ドアがロックされかつ窓が閉まっている車両内に生体が放置され、当該生体が自分でドア又は窓を開けることができない場合、当該生体の救助のために、当該車両の破壊が必要となる。
【0019】
また、本実施例において、オーナー端末50は、自動車Mの所有者又は所有者に準ずる者が使用する1又は複数の端末装置である。所有者に準ずる者は、例えば、自動車Mの所有者の家族であってもよい。また、例えば、所有者に準ずる者は、所有者の家族であるか否かに関わらず、生体の車内放置が生じた際の自動車Mの破壊の許否の判断を任された者であってもよい。
【0020】
以下、本実施例においては、車載装置10がカーナビゲーション装置である場合を例に説明する。また、本実施例においては、車載装置10が、ユーザが案内を希望する目的地をユーザから受け付け、当該目的地をサーバ30に送信し、サーバ30が目的地への経路を生成する、いわゆるクラウド型のカーナビゲーション装置の端末装置である場合を例に説明する。
【0021】
図2は、車載装置10を搭載している自動車Mの前席付近を示す斜視図である。
図2では、取り付け例として、自動車MのフロントガラスFGの上端または当該上端付近の天井部に車載装置10が取り付けられている場合を示す。
【0022】
車内カメラ11は、自動車Mの内部を撮影する撮像装置である。本実施例において、車内カメラ11は、車載装置10に内蔵されている。例えば、車内カメラ11は、自動車Mの助手席や後部座席を含めた自動車Mの内部を撮影可能に設けられている。
【0023】
例えば、車内カメラ11によって撮像された映像に基づいて、自動車M内に生体が存在するか否かの判定がなされる。また、例えば、車内カメラ11によって撮像された映像に基づいて、自動車Mのドアがロックされているか否か、及び窓が閉まっているか否かの判定がなされる。
【0024】
車外カメラ13は、自動車Mの周囲を撮影する撮像装置である。本実施例において、車外カメラ13は、前方が撮影方向となる様にダッシュボードDBに配されている。例えば、車外カメラ13は、フロントガラスを介して自動車Mの前方を撮影可能である。なお、車外カメラ13は、ルームミラーRMの近傍に設けられても良く、フロントガラスFGの内側に取り付けられていてもよい。また、自動車Mには、車外カメラ13に加えて、自動車Mの周囲を撮影する撮像装置として、自動車Mの側方又は後方を撮影可能なカメラが備えられていてもよい。
【0025】
例えば、生体が車内に放置されていることを示す通知の際に、車内カメラ11の画像がオーナー端末50に送信される。また、当該通知の際に、車外カメラ13の画像も併せてオーナー端末50に送信されてもよい。
【0026】
GPS受信機14は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号(GPS信号)を受信する装置である。GPS受信機14は、例えば、ダッシュボードDB上に配されている。なお、GPS受信機14は、GPS信号が受信できればどこに配されていてもよい。GPS受信機14は、受信したGPS信号を車載装置10に送信することが可能である。車載装置10は、GPS信号を用いて自動車Mの現在位置情報を取得する。
【0027】
タッチパネル15は、例えば、画像を表示可能な液晶ディスプレイ等のディスプレイとタッチパッドとが組み合わされたタッチパネルモニターである。タッチパネル15は、例えば、ダッシュボードDBのセンターコンソールに配されている。タッチパネル15は、運転者から視認できかつ運転者の手が届く場所に配されていればよい。例えば、タッチパネル15は、ダッシュボードDB上に取り付けられていてもよい。
【0028】
タッチパネル15は、車載装置10の制御に基づいて画面表示を行うことが可能である。また、タッチパネル15は、ユーザから受け付けたタッチパネル15への入力操作を表す信号を車載装置10に送信することが可能である。
【0029】
例えば、タッチパネル15には、カーナビゲーションの案内表示がなされても良い。また、タッチパネル15を介して、目的地を設定する等、カーナビゲーション機能に関する操作が可能であってもよい。
【0030】
また、タッチパネル15には、生体の車内放置への対策に関する画面が表示されてもよい。例えば、子供が車内に取り残された場合に、当該子供に提示するための画面が表示されてもよい。例えば、子供にドアのロックの外し方や窓の開け方を伝えるための画面や、オーナー端末50から送信されたオーナーの映像が表示されてもよい。
【0031】
振動スピーカ17は、例えば、フロントガラスFGに貼り付けられている。振動スピーカ17は、車載装置10の制御に基づいて、フロントガラスFGを振動させて音声や注意喚起音等の音を自動車Mの周囲に向けて放音することが可能である。振動スピーカ17からは、オーナー端末50から送信された音声又はサーバ30から送信された音声が発せられる。
【0032】
例えば、振動スピーカ17は、自動車Mの周囲(例えば、数メートルから数十メートル以内)に居る人に聞こえるレベル以上の音量で音を発することが可能である。振動スピーカ17は、自動車Mの周囲に向けて放音可能であれば、どこに設けられていてもよく、例えばリアガラス又はドアガラスに貼り付けられていてもよい。
【0033】
なお、振動スピーカ17の代わりに、例えばボンネット等の自動車Mの外側にスピーカが設けられていてもよく、車載装置10の制御に基づいて、オーナー端末50から送信された音声や注意喚起音等の音が当該スピーカから発せられてもよい。
【0034】
例えば、ナビゲーションの音声等の自動車Mの内部に向けた音声についても、振動スピーカ17から発せられる。又は、振動スピーカ17とは別に、自動車Mの内部に向けた音声を発するためのスピーカが自動車Mの内部に設けられていてもよい。
【0035】
高感度マイク19は、自動車Mの周囲の音及び自動車Mの内部の音を収音して電気信号に変換する音響機器であり、例えば、ダッシュボードDB上に配されている。高感度マイク19は、自動車Mの周囲の音を収音可能であれば、ルームミラーRM等、どこに設けられていてもよい。例えば、自動車Mの周囲に居る人の声が高感度マイク19によって収音されて生成された音声データがオーナー端末50に送信される。なお、自動車Mの内部の音を収音するマイクが、自動車Mの周囲の音を収音する高感度マイク19とは別に設けられていてもよい。
【0036】
なお、高感度マイク19に代えて、自動車Mの外側、例えば自動車Mのボンネット上にマイクが設けられていてもよい。当該外側に設けられたマイクによって自動車Mの周囲の音が収音された音声データがオーナー端末50に送信されてもよい。
【0037】
CO2センサ21は、大気中のCO2濃度を測定可能なCO2濃度計である。CO2センサ21は、例えばダッシュボードDBに取り付けられており、自動車Mの内部のCO2濃度を測定し、測定結果を車載装置10に送信することが可能である。CO2センサ21は、自動車Mの内部のCO2濃度を適切に測定可能な位置であればどこに設けられていてもよい。CO2センサ21によって測定されたCO2濃度データは、自動車M内の生体の検出に用いられる。
【0038】
なお、CO2センサ21に代えて、又はこれに加えて、生体を検出するための他のセンサが自動車M内に備えられていてもよい。例えば、自動車M内の座席の座面に、荷重センサ又は圧力センサが備えられていてもよく、例えば座面にかかっている圧力の分布から生体の有無を検出してもよい。例えば、自動車Mの内部に存在する物体を検出可能なレーダーが自動車M内に備えられていてもよい。
【0039】
例えば、車載装置10は、少なくとも1つのセンサからデータを取得して生体の有無を検出する。例えば、車載装置10は、車内カメラ11によって撮像された映像に基づいて、自動車M内に生体の存在を検出してもよいし、自動車Mの内部の音を収音するマイクで取得した音声データに基づいて生体の存在を検出してもよい。または、車載装置10は、複数のセンサを組み合わせて生体の有無を検出してもよい。例えばCO2センサ21によって検出されたCO2濃度及び自動車M内の座席の座面に設けられた荷重センサの少なくとも一方が閾値を超えた場合に、生体の存在が検出されてもよい。
【0040】
図3は、車載装置10の構成を示すブロック図である。例えば、車載装置10は、システムバス31を介して、入力部33と、記憶部35と、制御部37と、通信部39と、出力部41とが協働する装置である。
【0041】
また、自動車Mには加速度センサ23が搭載されている。加速度センサ23は、自動車Mの加速度を測定可能であり、当該測定された加速度を示す信号を出力可能である。加速度センサ23は、自動車Mの上方から見て自動車Mの進行方向、すなわち前後方向の加速度を検出可能なセンサである。また、加速度センサは、例えば、自動車Mの進行方向と垂直な横方向(幅方向)の加速度を検出可能である。
【0042】
入力部33は、車載装置10と、GPS受信機14、車内カメラ11及び車外カメラ13、タッチパネル15、高感度マイク19、CO2センサ21並びに加速度センサ23とを通信可能に接続するインタフェース部である。
【0043】
車載装置10は、入力部33を介して、GPS受信機14から、GPS信号を受信し、当該GPS信号から車載装置10の現在位置、すなわち本実施例では自動車Mの現在位置の情報を取得することが可能である。また、車載装置10は、入力部33を介して車外カメラ13及び車内カメラ11が撮影した画像を取得することが可能である。
【0044】
車載装置10は、入力部33を介して、タッチパネル15のタッチパッドに対してなされた入力操作を示す信号を受信することが可能である。例えば、車載装置10は、入力部33を介して、タッチパネル15に対してユーザからなされたカーナビゲーションの目的地の設定入力を受け付けることが可能である。
【0045】
車載装置10は、入力部33を介して、高感度マイク19によって収音された音声の音声データを取得可能である。また、車載装置10は、入力部33を介して、CO2センサ21によって計測された自動車M内の大気中のCO2濃度のデータを取得可能である。
【0046】
車載装置10は、入力部33を介して、加速度センサ23によって測定された加速度を示す信号を受信可能である。車載装置10は、例えば、加速度センサ23のセンサ信号が示す加速度に基づいて、自動車Mの加速度を取得する。車載装置10は、例えば、GPS受信機14からのGPS信号に加えて、加速度センサ23のセンサ信号が示す加速度に基づいて、自動車Mの現在位置情報を取得してもよい。
【0047】
記憶部35は、例えば、ハードディスク装置、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により構成される記憶デバイスである。記憶部35は、オペレーティングシステムや、端末用のソフトウェア等の車載装置10において実行される各種プログラムを記憶する。当該各種プログラムは、上述のように、情報処理システム100において生体の車内放置への対策に関する情報処理が実行される際の車載装置10における処理を実行するためのプログラムを含む。
【0048】
各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、記憶部35に記憶される各種プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0049】
また、記憶部35は、オーナー端末50の宛先情報を記憶していてもよい。例えば、記憶部35には、1又は複数のオーナー端末50の電話番号、メールアドレス、又はMACアドレスが記憶されている。なお、本実施例において、オーナー端末50の宛先情報は、サーバ30に記憶されていれば、車載装置10には記憶されていなくともよい。
【0050】
また、記憶部35は、道路地図を含む地図情報を記憶している。当該地図情報は、例えば、カーナビゲーションの案内表示に使用される。
【0051】
制御部37は、CPU(Central Processing Unit)37A、ROM(Read Only Memory)37B、RAM(Random Access Memory)37C等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPU37Aが、ROM37Bや記憶部35に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0052】
本実施例においては、制御部37によって、生体の検出結果等の自動車M内の状況に関する情報をサーバ30に送信する機能、サーバ30から受信した情報に基づいて振動スピーカ17から音声を放音する機能、カーナビゲーション機能等が発揮される。
【0053】
例えば、制御部37は、車内カメラ11から取得した画像及びCO2センサ21から取得したCO2濃度データに基づいて、自動車Mの内部に生体が存在するか否か(生体有無)を検出する。
【0054】
例えば、制御部37は、車内カメラ11から取得した画像に基づいて、自動車Mのドアがロックされているか否か(ドアロック状態)を判定する。また、制御部37は、車内カメラ11から取得した画像に基づいて、自動車Mの窓が閉まっているか否か(窓の開閉状態)を判定する。
【0055】
なお、本実施例において、制御部37は、自動車Mのドアロック状態及び窓の開閉状態の判定を車内カメラ11から取得した画像に基づいて行うが、これに限られない。例えば、ドアの開閉を検出するドアセンサを自動車Mのドアに取り付けて、制御部37が当該ドアセンサによる検出データを受信してドアロック状態を判定するようにしてもよい。同様に、例えば、窓の開閉を検出する窓センサを自動車Mの窓に取り付けて、制御部37が当該窓センサによる検出データを受信して窓の開閉状態を判定するようにしてもよい。なお、制御部37は、ドアロック状態及び窓の開閉状態を示す情報をECU(Electronic Control Unit)から取得してもよい。
【0056】
通信部39は、制御部37の指示に従って外部機器とのデータの送受信を行う通信装置である。通信部39は、例えば、ネットワークNWに接続するためのNIC(Network Interface Card)である。
【0057】
通信部39は、上記したネットワークNWに接続されており、種々のデータをサーバ30との間で送受信する。また、通信部39は、サーバ30を介して種々のデータをオーナー端末50との間で送受信する。
【0058】
制御部37は、通信部39を介して、自動車M内の状況を示す車両状況情報をサーバ30に送信する。車両状況情報は、自動車Mの内部に生体が存在するか否か(生体有無)の判定結果を含む。また、例えば、車両状況情報は、自動車Mのドアがロックされているか否か(ドアロック状態)の判定結果、及び自動車Mの窓が閉まっているか否か(窓の開閉状態)の判定結果を含む。車両状況情報は、サーバ30において、車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置が発生したか否かの判定に用いられる。
【0059】
図4は、車両状況情報の一例であるデータVD1を示す図である。車両状況情報は、例えば、車載装置10を識別可能な車載装置IDに、当該車載装置10が搭載されている自動車M内の状況を示す情報が対応付けられた情報である。例えば、車両状況情報には、車載装置10が搭載されている車両を識別可能な車両ID(例えば、自動車登録番号)、生体有無が検出された時刻、当該時刻における自動車Mの速度を示す情報が含まれる。
【0060】
例えば、制御部37は、自動車Mのエンジンが停止されると、車両状況情報のサーバ30への送信を開始する。例えば、車載装置10は、自動車Mのアクセサリー電源(ACC)に接続され、かつ、バッテリーを内蔵していてもよい。例えば、車載装置10は、自動車Mのエンジンが停止してACC電源からの電源供給が停止されると、バッテリー電源に切り替える。例えば、制御部37は、ACC電源からの電源供給が停止されたか否かによって、自動車Mのエンジンが停止されたか否かを判定してもよい。
【0061】
例えば、制御部37は、自動車Mの速度がゼロ(0km/h)になると、車両状況情報のサーバ30への送信を開始してもよい。なお、制御部37は、自動車Mのエンジンが停止されたか否か又は自動車Mの速度がゼロになったか否かに関わらず、車両状況情報を常時送信してもよい。
【0062】
車両状況情報はオーナー端末50の識別子であるオーナー端末IDを含んでいてもよい。オーナー端末IDは、例えば、サーバ30がオーナー端末50にデータを送信する際の宛先となる。
【0063】
例えば、制御部37は、車両状況情報をサーバ30に送信する際に、逐次送信してもよく、定期的に、例えば数十秒から数分に1回の頻度で送信してもよい。
【0064】
制御部37は、通信部39を介して、オーナー端末50に入力された音声の音声データをサーバ30又はオーナー端末50から受信可能である。また、制御部37は、通信部39を介して、高感度マイク19によって収音された自動車Mの周囲の音声の音声データをサーバ30又はオーナー端末50に送信可能である。
【0065】
例えば、制御部37は、通信部39を介して、車載装置10の現在位置すなわち本実施例では自動車Mの現在位置の情報をサーバ30に送信可能である。例えば、制御部37は、通信部39を介して、車載装置10のユーザによって入力された目的地を含む情報をサーバ30に送信し、サーバ30から、当該目的地への経路情報またはナビゲーション情報を受信可能である。
【0066】
出力部41は、タッチパネル15及び振動スピーカ17と通信可能に接続されており、タッチパネル15に画像信号を送信して表示をさせたり、振動スピーカ17に音声信号を送信して、音を出力させたりすることが可能である。制御部37は、オーナー端末50から受信した音声データに基づいて、出力部41を介して振動スピーカ17から放音させることが可能である。また、制御部37は、サーバ30から受信したナビゲーション画面等の画像をタッチパネル15のディスプレイに表示させることが可能である。
【0067】
図5は、サーバ30の構成を示すブロック図である。例えば、サーバ30はシステムバス43を介して、大容量記憶装置45と、制御部47と、通信部49とが協働している装置である。
【0068】
サーバ30は、車載装置10から受信した情報に基づいて自動車M内に生体が所定時間以上放置されている状態である車内放置を検出したり、当該車内放置を示す通知をオーナー端末50に送信したり、自動車Mにおいて生体の救助のための音声を放音させたりする機能を有する。
【0069】
また、サーバ30は、車載装置10から自動車Mの現在位置情報及び自動車Mの乗員であるユーザが設定した目的地の情報を受信し、当該現在位置情報及び目的地の情報に基づいて当該目的地への経路を生成する機能を有する。
【0070】
大容量記憶装置45は、例えば、ハードディスク装置及びSSD(solid state drive)等により構成されており、オペレーティングシステムや、サーバ30用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0071】
また、大容量記憶装置45は、オーナー端末50の各々の宛先を含む登録情報を記憶している。登録情報は、例えば、車載装置10の車載装置ID毎に、当該車載装置10が搭載されている自動車MのID、自動車Mオーナー及びオーナーに準ずる者が使用する1又は複数のオーナー端末50との通信に有効な宛先、例えば、電話番号、電子メールアドレス又はMACアドレスが対応付けられた情報である。なお、当該登録情報は、サーバ30とは別の外部のサーバに記憶されてもよい。また、大容量記憶装置45内には、道路地図を含む地図情報が保存されている地図情報データベース(図示せず)が含まれている。
【0072】
制御部47は、CPU(Central Processing Unit)47A、ROM(Read Only Memory)47B、RAM(Random Access Memory)47C等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPU47Aが、ROM47Bや大容量記憶装置45に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0073】
通信部49は、上記したネットワークNWに接続されており、種々のデータを車載装置10及びオーナー端末50との間で送受信する。
【0074】
例えば、制御部47は、通信部49を介して、車載装置10から車両状況情報を受信する。上述したように、車両状況情報は、例えば、自動車Mのエンジンが停止した場合に車載装置10から送信が開始されるか又は常時送信される。車両状況情報は、自動車M内の生体の有無を示す情報、ドアロック状態及び窓の開閉状態を示す情報を含む。
【0075】
制御部47は、受信した車両状況情報に基づいて、自動車M内に生体が所定時間以上放置されているか否かを判定する。例えば、車内放置になり得る状況の条件は、自動車Mのエンジンが停止しているか又は速度がゼロであるということ、及び自動車M内に生体が存在することであり、さらにドアがロックされていること及び窓が閉まっていることを当該条件に含めてもよい。制御部47は、これらの条件を全て満たした状態が所定時間以上継続した場合に、車内放置であると判定する。
【0076】
例えば、制御部47は、車両状況情報を逐次受信し、車両状況情報が上記条件を満たした時点からの経過時間が所定時間以上となった場合に、車内放置が発生したか否かを判定する。制御部47は、自動車M内に生体が所定時間以上放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出ステップを実行する車内放置検出部として機能する。
【0077】
車内放置の判定基準となる当該所定時間は、例えば約15分であり、例えば季節や車内温度に応じた長さに設定されてもよい。例えば、車内温度の生体への影響が大きくなりやすい夏季及び冬季には車内放置の判定基準が短時間(例えば、5分~10分)に設定され、他の季節にはより長時間(例えば、15分~30分)に設定されてもよい。また、例えば、車内温度が上限値(例えば、30℃)よりも高い場合や下限値(例えば、5℃)よりも低い場合には車内放置の判定基準を短時間に設定するようにしてもよい。
【0078】
制御部47は、自動車M内への生体の車内放置を検出すると、自動車M内で生体が車内放置されていることを示す情報を、通信部49を介してオーナー端末50に送信する。制御部47は、車内放置が検出されると、当該車内放置を示す通知を、自動車Mに関連付けられた端末装置としてのオーナー端末50に通知する通知ステップを実行する通知部として機能する。
【0079】
図6は、車内放置が検出された際に、制御部47によってサーバ30からオーナー端末50に送信される通知情報の一例である通知情報ND1を示す図である。例えば、通知情報は、車載装置10の識別子である車載装置IDに、車載装置10が搭載されている自動車Mの車両ID及び車内放置の状況を示す情報が対応付けられた情報である。
【0080】
通知情報には、例えば、自動車Mの現在位置を示す位置情報が含まれる。また、通知情報には、例えば、発生時刻として、車内放置が判定された時刻が含まれる。また、通知情報には、車内放置の発生時刻から、現在時刻すなわち通知情報の生成時の時刻までの経過時間(すなわち、車内放置の継続時間)が含まれてもよい。また、例えば、通知情報には、自動車M内の温度を示す情報が含まれる。
【0081】
また、通知情報には、自動車Mの内部が車内カメラ11によって撮影された車内カメラ映像が含まれてもよい。さらに、通知情報には、自動車Mの周囲の様子が車外カメラ13によって撮影された車外カメラ画像が含まれてもよい。
【0082】
図6に示す例においては、通知情報は、自動車Mにおける生体の車内放置の状況を示す情報として、車内カメラ画像(車両の内部を撮影した車内画像)、車外カメラ画像(車両の外部を撮影した車外画像)、車両内の温度及び車内放置の継続時間を含んでいるが、これに限られない。通知情報は、車内放置の状況を示す情報として、車内画像、車外画像、車両内の温度、及び車内放置の継続時間の少なくとも1つを含んでいればよい。例えば、通知情報ND1は、車外カメラ画像を含まなくともよい。
【0083】
制御部47は、例えば、通知情報に付加する、自動車Mの車内温度、車内カメラ画像及び車外カメラ画像等の付加情報を車載装置10から取得して通知情報を生成する。例えば、制御部47は、当該車内温度や車内カメラ画像等の付加情報を、通知情報の生成時に車載装置10から取得する。なお、当該車内温度や車内カメラ画像等の情報が車載装置10からサーバ30に常時送信されていてもよく、車両状況情報とともに送信されてもよい。
【0084】
通知情報の内容は、オーナー端末50においてオーナーに提示される。例えば通知情報の内容を示す画像がオーナー端末50の表示画面に表示される。
【0085】
制御部47は、通知情報の送信後、当該通知情報に対するオーナー端末50からの応答を受信すると、当該応答に応じて、オーナー端末50から送信された音声を車載装置10に送信し、当該音声を自動車Mにおいて振動スピーカ17から自動車Mの周囲に向けて放音させる制御を行う。
【0086】
言い換えれば、制御部47は、端末装置としてのオーナー端末50からの、車内放置を示す通知への応答に応じて、当該端末装置から送信された音声を車両外に放音させる放音制御ステップを実行する放音制御部として機能する。
【0087】
放音制御部としての制御部47は、車内放置を示す通知へのオーナー端末50からの応答として、生体の救助を求めることを示す救助要求を受信した場合に、オーナー端末50から送信された音声を車両外に放音させる。
【0088】
例えば、自動車Mのオーナーは、自動車Mの周囲に居る人に生体の救助を求めることを示すコメントを発話し、当該オーナーが発話した音声がオーナー端末50から送信され、自動車Mにおいて自動車Mの周囲に居る人に向けて放音される。例えば、オーナーは、生体の救助に自動車Mの破壊が必要と判断した場合に、自動車Mの周囲に居る人に向けた発話に自動車Mの破壊許可を含めることができる。例えば、自動車Mの窓ガラスの破壊又は自動車Mのドアのシリンダー錠の破壊など、自動車Mの一部を破壊することを許可する旨のコメントが自動車Mにおいて放音され得る。
【0089】
例えば、オーナー端末50からの応答が、生体の救助が不要である旨の救助不要の指示である場合には、制御部47は、オーナー端末50から送信された音声を車両外に放音させる制御を行わない。
【0090】
例えば、オーナー端末50からの応答が無い場合、制御部47は、応答を受信するまで待機してもよく、所定時間が経過しても応答が無い場合には、例えば再度通知情報を送信してもよい。
【0091】
なお、複数の端末装置がオーナー端末50として登録されている場合、1の端末装置からの応答が無い場合に次の端末装置へ通知情報が送信されてもよく、最初から複数の端末装置に通知情報が送信されてもよい。
【0092】
例えば、制御部47は、車内放置を示す通知への応答に応じて、注意喚起音を所定時間放音させた上で、オーナー端末50からの音声を自動車Mにおいて放音させてもよい。そのようにすることで、より確実に、自動車Mの周囲に居る人の注意を引くことができる。
【0093】
例えば、注意喚起音は、自動車Mが視界に入らない程度に(例えば、数十メートル)離れている通行人の注意を引く程度の音量で発せられてもよい。それによって、例えば、注意喚起音に気づいた人が自動車Mに近づいてからオーナーの声が放音されるようにできる。
【0094】
また、制御部47は、自動車Mにおいて高感度マイク19によって収音された自動車Mの周囲の音声の音声データを車載装置10から受信し、当該受信した音声データをオーナー端末50に送信する収音制御が可能である。制御部47は、当該放音制御を、車内放置を示す通知に対するオーナー端末50からの応答に応じて行う。例えば、制御部47は、当該応答が、生体の救助を求めることを示す救助要求である場合に収音制御を行う。
【0095】
言い換えれば、制御部47は、オーナー端末50からの通知への応答に応じて、自動車M外から収音された音声をオーナー端末50に送信する収音制御部として機能する。制御部47による上記の放音制御及び収音制御によって、オーナー端末50のユーザと、自動車Mの周囲に居る人との間で通話が確立される。
【0096】
なお、本実施例において、サーバ30は、上記のように放音制御及び収音制御を行って自動車Mの周囲の人とオーナー端末50との間の音声通話を確立する場合、当該音声通話のデータを転送するSIPサーバのような機能を果たす。
【0097】
図7は、オーナー端末50の外観を示す正面図である。上述のように、実施例1において、オーナー端末50はスマートフォンである。
【0098】
タッチパネル51は、例えば、画像を表示可能な液晶ディスプレイ等のディスプレイとタッチパッドとが組み合わされたタッチパネルモニターである。タッチパネル51は、ユーザから受け付けたタッチパネル51への入力操作を表す信号を生成することが可能である。本実施例において、タッチパネル51には、サーバ30から送信された車内放置を示す通知の画面が表示される。
【0099】
例えば、車内放置の通知の画面には、生体の車内放置(置き去り)が発生している旨のメッセージに加えて、車内放置の状況を示す情報が表示される。
図7に示す例においては、車内放置の状況を示す情報(置き去り状況)として、発生日時、発生からの経過時間、車内温度、車内画像及び車外画像がタッチパネル51に表示されている。さらに、自動車Mの現在位置が重畳された地図を表示させるための車両位置表示ボタンがタッチパネル51に表示されている。
【0100】
また、通知の画面には、当該通知に対する応答として、周囲の人による救助が必要か否かを示す「救助要」又は「救助不要」を選択可能な選択ボタンが表示されている。
【0101】
例えば、オーナー端末50のユーザである自動車Mのオーナーは、車内放置の状況を示す情報を参考にして、自動車Mの周囲に居る人による救助が必要か否かを判断し、「救助要」又は「救助不要」を選択することができる。
【0102】
例えば、オーナー端末50のユーザは、車内画像、車内温度、及び経過時間に基づいて、すぐに救助が必要であり、自動車Mの現在位置が重畳された地図を確認して自分で救助に行くには時間がかかると判断した場合に「救助要」を選択することができる。例えば、オーナー端末50のユーザは、自分ですぐに救助に行けると判断した場合や、車内画像や車内温度から周囲の人の救助は求めなくてよいと判断した場合には「救助不要」を選択することができる。
【0103】
例えば、「救助要」が選択されると、通知への応答として、生体の救助を求めることを示す応答がオーナー端末50からサーバ30に送信される。例えば、「救助不要」が選択されると、通知への応答として、生体の救助が不要であることを示す応答がオーナー端末50からサーバ30に送信される。
【0104】
スピーカ53は、音楽や音声等の音を発することが可能である。例えば、サーバ30によって収音制御がなされると、自動車Mの周囲の音声がスピーカ53から発せられる。
【0105】
マイク55は、オーナー端末50に向けて発せられた音を受音するマイク装置である。例えば、サーバ30によって放音制御がなされると、マイク55に収音された自動車Mのオーナーの音声がサーバ30を介して車載装置10に送信される。
【0106】
図8は、オーナー端末50の構成の一例を示すブロック図である。例えば、オーナー端末50は、システムバス57を介して、記憶部59と、制御部61と、入力部63と、出力部65と、通信部67と、が協働する装置である。
【0107】
記憶部59は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成されており、オペレーティングシステムや、オーナー端末50用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0108】
なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、記憶部59に記憶される各種プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0109】
制御部61は、CPU(Central Processing Unit)61A、ROM(Read Only Memory)61B、RAM(Random Access Memory)61C等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPU61AがROM61Bや記憶部59に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0110】
制御部61は、通知情報を受信すると
図7のような車内放置を示す通知の画面を表示する機能を有する。また、当該通知の画面に対してユーザによってなされた操作に応じて、例えば「救助要」又は「救助不要」等の通知への応答をサーバ30に送信する機能を有する。
【0111】
入力部63は、タッチパネル51及びマイク55に対する入力インタフェース部である。制御部61は、入力部63を介して、タッチパネル51への入力操作を示す信号およびマイク55からの音声入力信号を受信することが可能である。例えば、制御部61は、入力部63を介して、タッチパネル51に対してユーザからなされた通知に対する応答の選択を受け付けることが可能である。また、制御部61は、マイク55によって収音されたオーナー端末50のユーザの音声データを取得することが可能である。
【0112】
出力部65は、タッチパネル51及びスピーカ53への出力インタフェース部である。制御部61は、出力部65を介してタッチパネル51に画像信号を送信して表示をさせたり、スピーカ53に音声信号を送信して、音を出力させたりすることが可能である。
【0113】
例えば、制御部61は、サーバ30から送信された車内放置を示す通知情報に基づく画像をタッチパネル51に画像信号を送信して通知の画面を表示させる。例えば、制御部61は、自動車Mの周囲から収音されて車載装置10から送信された音声データをスピーカ53に送信して音を出力させることが可能である。
【0114】
通信部67は、上記したネットワークNWに接続されており、種々のデータをサーバ30との間で送受信する。また、通信部67は、車載装置10から送信された音声等の種々のデータをサーバ30を介して車載装置10との間で送受信する。
【0115】
例えば、制御部61は、通信部67を介してサーバ30から車内放置を示す通知情報を受信する。例えば、制御部61は、通信部67を介して、通知情報に対する「救助要」又は「救助不要」等の応答をサーバ30に送信する。
【0116】
また、制御部61は、通信部67を介して、マイク55によって収音された音声の音声データをサーバ30を介して車載装置10に送信可能である。また、制御部61は、通信部67を介して、自動車Mの周囲から収音されて車載装置10から送信された音声データを受信可能である。
【0117】
以下、本実施例の情報処理システム100において実行される各装置間の通信シーケンス及びサーバ30による制御ルーチンについて説明する。
【0118】
[シーケンス]
図9は、本実施例の情報処理システム100において実行されるシーケンスの一例を示すシーケンス図である。例えば、自動車Mのエンジンが停止されると、車載装置10において、車両状況情報の取得が開始され(ステップS11)、車両状況情報のサーバ30への送信が開始される(ステップS12)。
【0119】
サーバ30は、車載装置10から送信された車両状況情報に基づいて、自動車M内における生体の車内放置を検出すると(ステップS13)、車内放置を示す通知情報をオーナー端末50に送信する(ステップS14)。
【0120】
オーナー端末50は、通知情報を受信すると通知情報の内容をタッチパネル51に表示することでオーナー端末50のユーザに提示する(ステップS15)。オーナー端末50は、ユーザによる「救助要」の選択を受け付けると、通知に対する応答として、生体の救助を求めることを示す情報(「救助要」の応答)をサーバ30に送信する(ステップS17)。
【0121】
サーバ30は、「救助要」の応答を受信すると、オーナー端末50から送信された音声を車載装置10を介して自動車M外に放音させる放音制御及び自動車M外から収音されて車載装置10から送信された音声をオーナー端末50に送信する収音制御を開始することで、オーナー端末50のユーザと、自動車Mの周囲の人との間の通話を確立させる(ステップS18)。
【0122】
上述したように、自動車Mのオーナーは、オーナー端末50に向かって発話することで、自動車Mの周囲の人に生体の救助を求めることができ、当該発話に、自動車Mの破壊許可を含めることができる。
【0123】
例えば、
図10に示すように、オーナーが発話した「戻るまで時間が掛かります。すぐに助けてください。窓を割っていいです」といった自動車Mの破壊許可を含む音声が、車載装置10によって受信され、振動スピーカ17から放音される。
【0124】
また、収音制御がなされることによって、「わかりました。窓を割ります。」といった周囲の人の音声がオーナー端末50に送信され、スピーカ53から発せられる。
【0125】
例えば、サーバ30は、オーナー端末50からの指示に応じて、破壊方法を示す音声を振動スピーカ17から放音させる制御を行ってもよい。例えば、サーバ30による制御に応じて、「先の尖った硬いもので、サイドガラスの隅を強く打ち付けてください。」といったガラスの割り方の要領を示す音声が、振動スピーカ17から放音されてもよい。
【0126】
破壊方法を示す音声は、例えば、サーバ30から送信されてもよく、車載装置10に予め記憶されていてもよい。例えば、「ガラスの割り方の要領」を示す音声を放音するか否かを選択可能な選択ボタンがオーナー端末50のタッチパネル51に表示され、当該選択ボタンの選択に従って、破壊方法を示す音声の放音がなされてもよい。
【0127】
なお、ステップS18において、サーバ30は、収音制御を行わずに放音制御のみを行ってもよい。
【0128】
[制御ルーチン]
図11は、車載装置10の制御部37が実行する制御ルーチンの一例である情報送信ルーチンRT1を示すフローチャートである。制御部37は、車載装置10に電源が投入されると、情報送信ルーチンRT1を繰り返し実行する。
【0129】
制御部37は、情報送信ルーチンRT1を開始すると、自動車Mのエンジンが停止しているか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101において、自動車Mのエンジンが停止していないと判定する(ステップS101:NO)と、制御部37は、情報送信ルーチンRT1を終了し、新たに情報送信ルーチンRT1を開始する。
【0130】
ステップS101において、自動車Mのエンジンが停止していると判定する(ステップS101:YES)と、制御部37は、車両状況情報のサーバ30への送信を開始する(ステップS102)。ステップS102において、例えば、制御部37は、車内カメラ11の画像及びCO2センサ21によるCO2濃度データに基づいて、自動車Mの内部に生体が存在するか否か(生体有無)の検出を開始する。ステップS102において、例えば、制御部37は、車内カメラ11の画像に基づくドアロック状態の判定及び窓の開閉状態の判定を開始する。
【0131】
ステップS102において、例えば、制御部37は、生体有無の検出結果、ドアロック状態の判定結果及び窓の開閉状態の判定結果を含む、
図4に例示したような車両状況情報を逐次生成してサーバ30に逐次送信する。
【0132】
ステップS102の実行後、制御部37は、自動車Mのエンジンが始動したか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103において、制御部37は、エンジンが始動していないと判定する(ステップS103:NO)と、ステップS103を繰り返し、自動車Mのエンジンが始動したか否かを再び判定する。
【0133】
ステップS103において、制御部37は、エンジンが始動したと判定する(ステップS103:YES)と、車両状況情報のサーバ30への送信を終了する(ステップS104)。
【0134】
ステップS104の実行後、制御部37は、情報送信ルーチンRT1を終了し、新たに情報送信ルーチンRT1を開始する。
【0135】
本実施例において、例えば、車載装置10は、自動車Mのエンジンが停止すると、車内放置警戒モードに入り、エンジンが始動すると、車内放置警戒モードが解除されることとしてもよい。例えば、車載装置10は、情報送信ルーチンRT1で車両状況情報の送信を開始するとともに車内放置警戒モードに入り、車両状況情報の送信を終了するとともに車内放置警戒モードを終了することとしてもよい。なお、車載装置10は、エンジン停止から所定時間(例えば2時間)が経過した場合に、車内放置が発生している可能性が無いと見做して車内放置警戒モードを終了することとしてもよい。
【0136】
図12は、サーバ30の制御部47が実行する制御ルーチンの一例である情報処理ルーチンRT2を示すフローチャートである。制御部47は、例えば、サーバ30に電源が投入されると、情報処理ルーチンRT2を繰り返し実行する。
【0137】
制御部47は、情報処理ルーチンRT2を開始すると、車両状況情報が車載装置10から到来したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201において、例えば、
図4に例示したような、自動車Mの速度、生体有無、ドアロック状態及び窓の開閉状態を示す情報を車載装置10から受信したか否かが判定される。ステップS201において、例えば、車載装置10から逐次送信される車両状況情報の受信が開始された場合に、車両状況情報が到来したと判定される。
【0138】
ステップS201において、車両状況情報が到来していないと判定する(ステップS201:NO)と、制御部47は、情報処理ルーチンRT2を終了し、情報処理ルーチンRT2を新たに開始する。
【0139】
ステップS201において、車両状況情報が到来したと判定する(ステップS201:YES)と、制御部47は、車両状況情報が車内放置の条件を満たすか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202において、例えば、制御部47は、受信した車両状況情報が、自動車Mの速度がゼロであり、生体が存在し(生体「有」)、ドアがロックされており、窓が閉まっていることを示す場合に、車内放置の条件を満たすと判定する。
【0140】
ステップS202において、車内放置の条件を満たさないと判定する(ステップS202:NO)と、制御部47は、情報処理ルーチンRT2を終了し、情報処理ルーチンRT2を新たに開始する。
【0141】
ステップS202において、車内放置の条件を満たすと判定する(ステップS202:YES)と、制御部47は、車内放置の条件を満たした状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203において、例えば、制御部47は、車内放置の条件を満たす車両状況情報を最初に受信してからの経過時間が所定時間以上であるか否かを判定する。上述したように、車内放置と判定する放置状態(生体が車内に閉じ込められている状態)の継続時間は、例えば15分であり、季節や車内温度に応じて変更されてもよい。
【0142】
ステップS203において、制御部47は、車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出部として機能する。
【0143】
ステップS203において、生体が車内に放置されている状態が所定時間以上継続していないと判定する(ステップS203:NO)と、制御部47は、ステップS202に戻り、車内放置の条件を満たすか否かを再び判定する。
【0144】
ステップS203において、生体が車内に放置されている状態が所定時間以上継続していると判定する(ステップS203:YES)と、制御部47は、通知情報をオーナー端末50に送信する(ステップS204)。ステップS204において、制御部47は、例えば
図6に例示したような、車内温度や車内カメラ画像等の車内放置の状況を示す情報を含む通知情報を送信する。ステップS204において、例えば、制御部47は、車内温度や車内カメラ画像等の情報を車載装置10から取得して通知情報を生成する。
【0145】
ステップS204において、例えば、制御部47は、大容量記憶装置45に記憶されているオーナー端末50の登録情報に基づいて、ステップS201で受信した車両状況情報を送信した車載装置10に対応付けられた1又は複数のオーナー端末50の各々に通知情報を送信する。
【0146】
ステップS204において、制御部47は、車内放置が検出されると、車内放置を示す通知を車両に関連付けられた端末に送信する通知部として機能する。
【0147】
ステップS204の実行後、制御部47は、通知情報に対する応答として、生体の救助を求めることを示す救助要求をオーナー端末50から受信したか否かを判定する(ステップS205)。
【0148】
ステップS205において、救助要求を受信したと判定する(ステップS205:YES)と、制御部47は、オーナー端末50と、自動車Mの周囲に居る人との間で通話を確立する(ステップS206)。ステップS206において、例えば、制御部47は、オーナー端末50から送信された音声を車載装置10に送信し、車載装置10に接続された振動スピーカ17から放音させることで、オーナー端末50から送信された音声を自動車M外に放音させる放音制御を行う。
【0149】
ステップS206において、制御部47は、車内放置を示す通知への端末装置からの応答に応じて、端末装置から送信された音声を車両外に放音させる放音部として機能する。
【0150】
ステップS206において、制御部47は、高感度マイク19によって収音された自動車Mの周囲に居る人の音声を車載装置10から受信してオーナー端末50に送信することで、自動車M外から収音された音声をオーナー端末50に送信する収音制御を行う。ステップS206において、制御部47は、車内放置を示す通知への端末装置からの応答に応じて、車両外から収音された音声を端末装置に送信する収音制御部として機能する。
【0151】
つまり、制御部47は、放音制御及び収音制御を行うことで、オーナー端末50と、自動車Mの周囲に居る人との間の通話を確立する。例えば、オーナー端末50のユーザである自動車Mのオーナーは、生体の救助を求める旨をオーナー端末50及び車載装置10を介した通話によって自動車Mの周囲に居る人に向けて発話することができる。その際に、生体の救助のための自動車Mの破壊を許可する旨を含めて発話することができる。
【0152】
なお、ステップS206において、制御部47は、収音制御は行わずに放音制御のみを行うようにしてもよい。その場合にも、オーナーの破壊許可を含むコメントを自動車Mの周囲に向けて放音することができる。
【0153】
ステップS205において、救助要求を受信していないと判定する(ステップS205:NO)と、制御部47は、通知への応答として、生体の救助が不要である旨の救助不要指示をオーナー端末50から受信したか否かを判定する(ステップS207)。
【0154】
ステップS207において、救助不要指示を受信していないと判定する(ステップS207:NO)と、ステップS205に戻り、救助要求を受信したか否かを再び判定する。ステップS207において、救助不要指示を受信したと判定すると、制御部47は、情報処理ルーチンRT2を終了し、情報処理ルーチンRT2を新たに開始する。
【0155】
ステップS206の実行後、制御部47は、オーナー端末50によって通話が終了されたか否かを判定する(ステップS208)。例えば、オーナー端末50において、通話中に通話停止ボタンが表示画面に表示されてもよく、当該通話停止ボタンが押されると、オーナー端末50側から通話が停止される。
【0156】
ステップS208において、オーナー端末50が通話を停止していないと判定する(ステップS208:NO)と、ステップS206に戻り、オーナー端末50と、自動車Mの周囲に居る人との通話の確立を継続する。
【0157】
ステップS208において、オーナー端末50が通話を停止したと判定する(ステップS208:YES)と、制御部47は、情報処理ルーチンRT2を終了し、情報処理ルーチンRT2を新たに開始する。
【0158】
なお、ステップS205及びステップS206において、所定時間経過してもオーナー端末50からの応答が無い場合、制御部47は、通知情報をオーナー端末50に再度送信してもよい。または、所定時間経過してもオーナー端末50からの応答が無い場合、制御部47は、情報処理ルーチンRT2を終了してもよい。
【0159】
また、ステップS206において、例えば、オーナー端末50と自動車Mの周囲に居る人との間で通話を確立する前に、オーナー端末50のユーザと自動車M内の生体との間で通話を確立するようにしてもよい。例えば、子供が車内に放置されている場合に、振動スピーカ17又は車内用のスピーカ(図示せず)を介して、オーナー端末50のユーザが当該子供に話かけて、ドアの開け方等の指示を行ってもよい。それでも車内放置が解消されない場合に、オーナー端末50と自動車Mの周囲に居る人との間で通話を確立してもよい。
【0160】
図13は、車載装置10の制御部37が実行する制御ルーチンの一例である通話ルーチンRT3を示すフローチャートである。制御部37は、車載装置10に電源が投入されると、通話ルーチンRT3を繰り返し実行する。
【0161】
制御部37は、通話ルーチンRT3を開始すると、通信要求が到来したか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301において、例えば、制御部37は、サーバ30から、オーナー端末50との間の通信の要求を受信したか否かを判定する。
【0162】
ステップS301において、通信要求が到来していないと判定する(ステップS301:NO)と、制御部37は、通話ルーチンRT3を終了し、通話ルーチンRT3を新たに開始する。
【0163】
ステップS301において、通信要求が到来したと判定する(ステップS301:YES)と、制御部37は、オーナー端末50との間で通話を開始する(ステップS302)。ステップS302において、例えば、制御部37は、サーバ30の制御に従って、オーナー端末50から送信された音声の振動スピーカ17からの放音を開始し、高感度マイク19によって収音された自動車Mの周囲の音声のサーバ30への送信を開始する。
【0164】
ステップS302の実行後、制御部37は、通信が終了したか否かを判定する(ステップS303)。ステップS303において、例えば、制御部37は、オーナー端末50との通信の終了通知をサーバ30から受信した場合に、通信が終了したと判定する。
【0165】
ステップS303において、通信が終了していないと判定する(ステップS303:NO)と、制御部37は、ステップS303を繰り返し、通信が終了したか否かを再び判定する。
【0166】
ステップS303において、通信が終了したと判定する(ステップS303:YES)と、制御部37は、オーナー端末50との間の通話を終了する(ステップS304)。ステップS304において、例えば、制御部37は、オーナー端末50から送信された音声の振動スピーカ17からの放音を停止し、高感度マイク19によって収音された自動車Mの周囲の音声のサーバ30への送信を停止する。
【0167】
ステップS304の実行後、制御部37は、通話ルーチンRT3を終了し、通話ルーチンRT3を新たに開始する。
【0168】
以上、説明したように、本実施例の情報処理装置は、車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出部と、車内放置が検出されると、車内放置を示す通知を車両に関連付けられた端末装置としてのオーナー端末に送信する通知部と、当該端末装置からの前記通知への応答に応じて、端末装置から送信された音声を車両外に放音させる放音制御部と、を有する。
【0169】
上記のような構成により、例えば、オーナー端末のユーザは、車両の周囲に居る人に生体の救助を求める旨の発話を行った音声を、オーナー端末を介して、車両外に放音させることができる。例えば、生体の救助のために車両の破壊が必要な場合、オーナー端末のユーザは、車両の周囲に居る人に向けた発話に、車両の破壊を許可する旨のコメントを含めることができる。それによって、車両の周囲に居る人は、躊躇することなく車両を破壊して生体を救助することができる。
【0170】
従って、車内に取り残された生体の救助のために車両の破壊が必要な状況において、当該車両の所有者又はこれに準ずる者が車両の近くに居ない場合であっても、当該生体の迅速な救助を可能とする情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体を提供することができる。
【0171】
さらに、本実施例の情報処理装置は、上記の車内放置を示す通知への応答に応じて、車両外から収音された音声をオーナー端末に送信する収音制御部を有する。このような構成により、オーナー端末のユーザと、車両の周囲に居る人との間の通話が実現され、生体の救助及びそれに伴う車両の破壊について意思の疎通を図ることができ、より迅速な救助に繋げることができる。
実施例2の情報処理システム100は、実施例1の情報処理システム100と同様に構成されており、通知情報に対するオーナー端末50からの応答に応じて、サーバ30が実行する制御の内容が異なる。具体的には、サーバ30は、生体の車内放置を示す通知へのオーナー端末50からの応答に応じて、自動的に、生体の救助のための自動車Mの破壊を許可することを示す破壊許可を含む音声を、車載装置10を介して振動スピーカ17から自動車M外に放音させる放音制御を行う。
サーバ30の大容量記憶装置45には、破壊許可を含む音声の音声データが記憶されている。破壊許可を含む音声は、例えば機械音であるが、予め自動車Mのオーナーの声が録音されたものであってもよい。例えば、車載装置10の識別子に対応付けて、破壊許可を含むオーナーの声の音声データが大容量記憶装置45に記憶されていてもよい。
制御部47は、生体の車内放置を示す通知へのオーナー端末50からの応答の内容又は応答の有無に応じて、生体の救助のための車両の破壊許可を含む音声を車両外に放音させる放音制御ステップを実行する放音制御部として機能する。
例えば、制御部47は、生体の救助を求めることを示す救助要求を受信した場合に、車両の破壊許可を含む音声を車両外に放音させる。例えば、実施例1の場合と同様に、通知情報を受信したオーナー端末50のタッチパネル51に表示された「救助要」ボタンが選択され、救助要の応答がオーナー端末50からサーバ30に送信された場合に、制御部47は、救助要求を受信する。または、例えば、制御部47は、通知情報をオーナー端末50に送信後、所定時間内に当該オーナー端末50からの応答がない場合に、車両の破壊許可を含む音声を車両外に放音させる。
例えば、制御部47は、通知情報をオーナー端末50に送信後、生体の救助が不要である旨の指示(救助不要の指示)を受信した場合には、上記のような放音制御を実行しない。すなわち、生体の救助のための車両の破壊許可を含む音声を車両外に放音させない。
例えば、制御部47は、生体の救助を求めることを示す救助要求を受信した場合及び所定時間内にオーナー端末50からの応答がない場合に、車両の破壊許可を含む音声を車両外に放音させるように制御することが可能である。言い換えれば、制御部47は、救助不要の指示が無い限り生体の救助のための車両の破壊許可を含む音声を車両外に放音させることが可能である。
なお、制御部47による、オーナー端末からの応答の内容又は応答の有無に応じた放音制御は、上記した場合に限られず、例えば、所定時間内に当該オーナー端末50からの応答がない場合に、車両の破壊許可を含む音声を車両外に放音させないようにしてもよい。
具体的には、サーバ30は、車載装置10から送信された車両状況情報に基づいて、車内放置を検出し(ステップS23)、車内放置を示す通知情報をオーナー端末50に送信する(ステップS24)。オーナー端末50は、通知情報の内容をタッチパネル51に表示することで通知情報をオーナー端末50のユーザに提示する(ステップS25)。
ユーザによる操作受付が所定時間以上なされない場合(ステップS26)、サーバ30は、所定時間以上応答が無いと判定し(ステップS27)、車載装置10に振動スピーカ17から自動車Mの破壊許可を含む音声を放音させるための音声データを含む放音制御情報を車載装置10に送信する(ステップS28)。
車載装置10は、放音制御情報を受信すると、受信した音声データを再生して、自動車Mの破壊許可を含む音声を振動スピーカ17から放音させる(ステップS29)。例えば、「戻るまで時間が掛かります。すぐに助けてください。窓を割っていいです」といった自動車Mの破壊許可を含む音声が、振動スピーカ17から放音される。
例えば、放音制御情報には、車両の破壊方法を示す音声の音声データが含まれていてもよく、車両の破壊許可を含む音声とともに、車両の破壊方法を示す音声が振動スピーカ17から放音されてもよい。例えば、「先の尖った硬いもので、サイドガラスの隅を強く打ち付けてください。」といったガラスの割り方の要領を示す音声が、振動スピーカ17から放音されてもよい。
制御部47は、情報処理ルーチンRT4を開始すると、車両状況情報が車載装置10から到来したか否かを判定し(ステップS401)、車両状況情報が到来したと判定した場合(ステップS401:YES)、当該車両状況情報が車内放置の条件を満たすか否かを判定する(ステップS402)。
ステップS402において、車内放置の条件を満たすと判定する(ステップS402:YES)と、制御部47は、車内放置の条件を満たした状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS403)。ステップS403において、制御部47は、車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出部として機能する。
ステップS405において、応答を受信したと判定する(ステップS405:YES)と、制御部47は、受信した応答が、生体の救助が不要である無の指示(救助不要指示)であるか否かを判定する(ステップS406)。
ステップS406において、受信した応答が救助不要指示であると判定する(ステップS406:YES)と、制御部47は、情報処理ルーチンRT4を終了し、新たに情報処理ルーチンRT4を開始する。
ステップS406において、受信した応答が救助不要指示ではないと判定する(ステップS406:NO)と、制御部47は、破壊許可を含む放音制御情報を車載装置10に送信する(ステップS407)。ステップS407において、例えば、「戻るまで時間が掛かります。すぐに助けてください。窓を割っていいです」といった破壊許可を含む音声の音声データを含む情報が放音制御情報として送信される。また、例えば、放音制御情報には、「先の尖った硬いもので、サイドガラスの隅を強く打ち付けてください。」といった車両の破壊の要領を示す音声の音声データが含まれていてもよい。
ステップS405において、応答を受信していないと判定する(ステップS405:NO)と、制御部47は、通知情報を送信後、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS408)。当該所定時間は、例えば自動車Mのオーナーが設定できるようにしてもよい。
ステップS408において、所定時間が経過していないと判定する(ステップS408:NO)と、制御部47は、ステップS405に戻り、応答を受信したか否かを再び判定する。
ステップS408において、所定時間が経過したと判定する(ステップS408:YES)と、制御部47は、ステップS407に移り、破壊許可を含む放音制御情報を車載装置10に送信する。
ステップS407において、制御部47は、端末装置からの通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、生体の救助のための車両の破壊許可を含む音声を車両外に放音させる放音制御部として機能する。ステップS407の実行後、制御部47は、情報処理ルーチンRT4を終了し、新たに情報処理ルーチンRT4を開始する。
情報処理ルーチンRT4は、実施例1の制御ルーチンと組み合わせてもよい。例えば、ステップS407において、制御部47は、破壊許可を含む音声の放音制御を行った上で、オーナー端末50から送信された音声を自動車M外に放音させてもよい。
また、上記したように、制御部47は、自動車Mの周囲から収音された音声をオーナー端末50に送信する収音制御をさらに行ってもよい。それによって、破壊許可を含む音声の放音制御を行った上で、オーナー端末50のユーザと、自動車Mの周囲に居る人との間で通話を確立することができる。
さらに、制御部47は、端末装置からの通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、警察機関又は消防機関への通報を行ってもよい。例えば、ステップS407において、放音制御と並行して、自動車M内の車内放置を示す通知情報と、自動車Mの現在位置を示す位置情報とを含む情報を警察機関又は消防機関に送信してもよい。さらに、ステップS407において、制御部47は、破壊許可を含む音声又は破壊許可を示す情報を警察機関又は消防機関に送信してもよい。
また、例えば、制御部47は、警察機関又は消防機関への通報後、警察機関又は消防機関から送信された音声を車両外に放音させてもよい。また、収音制御部としての制御部47は、自動車Mの周囲から収音された音声を警察機関又は消防機関に送信してもよい。それによって、警察機関又は消防機関と、自動車Mの周囲に居る人との間の通話を確立することができる。
以上、説明したように、本実施例の情報処理装置は、車両内に生体が所定時間以上継続して放置された状態である車内放置を検出する車内放置検出部と、車内放置が検出されると、車内放置を示す通知を車両に関連付けられた端末装置に送信する通知部と、端末装置からの前記通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、生体の救助のための車両の破壊許可を含む音声を車両外に放音させる放音制御部と、を有する。
このような構成により、車内放置を示す通知への応答の内容又は応答の有無に応じて、自動的に、生体の救助のための車両の破壊許可を含む音声を車両の周囲に居る人に向けて放音することができる。従って、車両の周囲に居る人が車両の破壊をためらう場合であっても、破壊許可を含む音声によって当該周囲に居る人の不安を解消し、迅速な救助を促すことができる。すなわち、車内に取り残された生体の救助のために車両の破壊が必要な状況において、当該車両の所有者又はこれに準ずる者が車両の近くに居ない場合であっても、当該生体の迅速な救助を可能とする情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体を提供することができる。
本実施例において、例えば、車両の所有者又は所有者に準ずる者から、通知に対する応答が無い場合であっても、自動的に、破壊許可を含む音声を車両外に放音することができる。
本実施例において、例えば、生体の救助をしようとする自動車Mの周囲の人にとって、自動車Mのオーナーの予め録音された本人の声によって破壊許可を含む音声が発せられると、機械音声と比較して、自動車Mを破壊することについての不安が低減されると考えられる。
また、本実施例において、上記の破壊許可を含む音声に加えて、車両を破壊して生体の救助を行う人に対して、車両の破壊についての責任を問わないことを示す音声を放音することで、自動車Mを破壊することについての不安が低減されると考えられる。
上述した実施例における車載装置10、サーバ30及びオーナー端末50の構成、ルーチン等は、例示に過ぎず、用途等に応じて、適宜選択または変更することができる。
例えば、車両内に生体が所定時間以上放置された状態である車内放置の検出をサーバ30が行うことについて説明したが、これに限られない。例えば、車内放置の検出を車載装置10が行ってもよく、車内放置を示す情報をサーバ30に送信してもよい。
上記の実施例において、車載装置10とオーナー端末50との間で通話が確立される際に、車内カメラ11又は車外カメラ13によって撮影された映像がオーナー端末50に配信されるようにしてもよい。
また、上記の実施例においては、通話を確立する際に車載装置10とオーナー端末50とがサーバ30を介して通信を行うこととしたが、車載装置10とオーナー端末50との間で直接通信がなされてもよい。
上記実施例において、車載装置10は、車載ナビゲーション装置であるとしたが、車載装置10は、ナビゲーション機能を有していなくともよい。その場合、例えば、車載装置10が自動車Mの現在位置情報をサーバ30に送信可能に構成されていればよく、例えば警察機関や消防機関に自動車Mの位置情報を送信可能であればよい。
例えば、車載装置10は、車載装置10と同様の構成を有する端末装置と車外カメラ13とタッチパネル15とが一体化された構成であってもよい。具体的には、例えば、車載装置10は、上記車載装置10と同様の機能を発揮するアプリケーションを搭載したカメラ付きのスマートフォン、タブレットまたはPC等の端末装置であってもよい。この場合、車載装置10は、内蔵カメラが自動車Mのフロントガラスを通して自動車Mの前方を撮影可能なように、例えばクレードル等でダッシュボードDB上に取り付けられ得る。
また、車載装置10は、自動車Mの運転者に提示する画面を表示しない構成であってもよい。例えば、車載装置10は、ドライブレコーダのような構成を有していてもよく、例えば、車外カメラ13と一体となった装置であってもよい。この場合、車載装置10は、上記において説明したような種々の表示出力を行わないこととしてもよい。
上記の実施例において、オーナー端末50はスマートフォンである場合について説明したが、これに限られない。オーナー端末50は、オーナー端末50のユーザがサーバ30を介した車載装置10との通信に利用できる端末装置であって、当該通信に関する表示又はメッセージの提示、通信を行うために必要な操作入力の受付、音声データの送受信並びに画像の受信及び表示が可能に構成されていればよい。例えば、オーナー端末50は、タブレット、PC、ウェアラブル端末等の端末装置であってもよい。