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特開2024-126742印刷制御システム、及び、クラウドサーバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126742
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】印刷制御システム、及び、クラウドサーバー
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240912BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 304
G06F3/12 322
G06F3/12 338
G06F3/12 385
G06F3/12 353
B41J29/38 202
B41J29/38 203
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035337
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】平沢 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】南原 哲幸
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 亮
(72)【発明者】
【氏名】▲斎▼藤 伸之
(72)【発明者】
【氏名】新倉 有二
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2C061HQ05
(57)【要約】
【課題】ユーザーを煩わせずに適切なユーザーが該ユーザーに紐付けられた印刷設定をプリンターに適用する。
【解決手段】印刷制御システムは、ユーザーに紐付けられた1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定の入手要求、及び、前記選ばれた印刷設定を適用する対象のプリンターを示すプリンター選択情報の受信を端末装置から受け付け、前記プリンター選択情報で示されるプリンターがプリンターリスト情報において前記ユーザーに紐付けられていると判断すると、印刷設定リスト情報のうち前記選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報を前記ユーザーに紐付けて生成し、前記印刷設定情報で示される印刷設定が前記ユーザーに紐付けられていると判断すると、前記プリンター選択情報で示されるプリンターに対して前記印刷設定情報で示される印刷設定を適用する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサーバー、及び、該クラウドサーバーにネットワーク接続される端末装置を備える印刷制御システムであって、
前記クラウドサーバーは、
複数のプリンターのうちユーザーに紐付けられた1以上のプリンターを示すプリンターリスト情報、及び、前記ユーザーに紐付けられた1以上の印刷設定を示す印刷設定リスト情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザーに紐付けられた前記1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定の入手要求、及び、前記選ばれた印刷設定を適用する対象のプリンターを示すプリンター選択情報を前記端末装置から受け付ける印刷設定入手要求受付部と、
前記プリンター選択情報で示されるプリンターが前記プリンターリスト情報において前記ユーザーに紐付けられていると判断すると、前記印刷設定リスト情報のうち前記選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報を前記ユーザーに紐付けて生成する印刷設定情報生成部と、を備え、
前記印刷制御システムは、前記印刷設定情報で示される印刷設定が前記ユーザーに紐付けられていると判断すると、前記プリンター選択情報で示されるプリンターに対して前記印刷設定情報で示される印刷設定を適用する印刷設定適用部を有する、
印刷制御システム。
【請求項2】
前記印刷設定リスト情報で示される印刷設定は、前記対象のプリンターによる印刷対象の媒体に紐付けられている、請求項1に記載の印刷制御システム。
【請求項3】
前記印刷設定入手要求受付部は、前記ユーザーの認証要求を前記端末装置から受け付け、前記ユーザーを認証すると前記入手要求及び前記プリンター選択情報を前記端末装置から受け付ける、請求項1又は請求項2に記載の印刷制御システム。
【請求項4】
前記印刷設定適用部は、前記クラウドサーバーにある送信側印刷設定適用部、及び、前記端末装置にある受信側印刷設定適用部を含み、
前記送信側印刷設定適用部は、前記印刷設定情報を前記端末装置に送信し、
前記受信側印刷設定適用部は、前記クラウドサーバーから前記印刷設定情報を受信し、前記印刷設定情報で示される印刷設定が前記ユーザーに紐付けられていると判断すると、前記プリンター選択情報で示されるプリンターに対して前記印刷設定情報で示される印刷設定を適用する、請求項1又は請求項2に記載の印刷制御システム。
【請求項5】
前記クラウドサーバーは、前記ユーザーに紐付けられた1以上の印刷設定の更新要求を前記端末装置から受け付け、前記更新要求に従って前記印刷設定リスト情報を更新する更新部をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載の印刷制御システム。
【請求項6】
前記更新部は、前記ユーザーに紐付けられた1以上の印刷設定からから選ばれた印刷設定に基づいて一部が変更された印刷設定の追加要求を前記更新要求として前記端末装置から受け付け、前記追加要求に従って、前記変更された印刷設定のうち変更部分を示す変更部分情報を前記印刷設定リスト情報に追加する、請求項5に記載の印刷制御システム。
【請求項7】
前記端末装置は、前記複数のプリンターのいずれかに含まれている、請求項1又は請求項2に記載の印刷制御システム。
【請求項8】
端末装置にネットワーク接続されるクラウドサーバーであって、
複数のプリンターのうちユーザーに紐付けられた1以上のプリンターを示すプリンターリスト情報、及び、前記ユーザーに紐付けられた1以上の印刷設定を示す印刷設定リスト情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザーに紐付けられた前記1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定の入手要求、及び、前記選ばれた印刷設定を適用する対象のプリンターを示すプリンター選択情報を前記端末装置から受け付ける印刷設定入手要求受付部と、
前記プリンター選択情報で示されるプリンターが前記プリンターリスト情報において前記ユーザーに紐付けられていると判断すると、前記印刷設定リスト情報のうち前記選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報を前記ユーザーに紐付けて生成し、該印刷設定情報を前記端末装置に送信する印刷設定情報送信部と、
を備えるクラウドサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御システム、及び、クラウドサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターを使用するユーザーは、プリンターに適用する印刷設定をカスタマイズしたパッケージファイルをエクスポートすることがある。ユーザーは、同一機種の複数のプリンターを有している場合、パッケージファイルをコンピューターにインポートすることにより、或るプリンターに適用した印刷設定を同一機種の別のプリンターに適用することができる。
参考として、特許文献1には、出力設定が変更された場合に変更後の出力設定に含まれるプリンタID(プリンタ識別情報)と印刷データ出力先のプリンタIDとが異なる場合に出力設定をコンバート可能な印刷制御装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-163082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エクスポートされるパッケージファイルには、ICC(International Color Consortium)プロファイル等といった、ライセンス情報が含まれたファイルが入ることがある。この場合、ライセンス規約に応じてパッケージファイルの使用を適切なユーザーに限定する必要がある。上述した印刷制御装置は、出力設定を適切なユーザーに限定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷制御システムは、クラウドサーバー、及び、該クラウドサーバーにネットワーク接続される端末装置を備える印刷制御システムであって、
前記クラウドサーバーは、
複数のプリンターのうちユーザーに紐付けられた1以上のプリンターを示すプリンターリスト情報、及び、前記ユーザーに紐付けられた1以上の印刷設定を示す印刷設定リスト情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザーに紐付けられた前記1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定の入手要求、及び、前記選ばれた印刷設定を適用する対象のプリンターを示すプリンター選択情報を前記端末装置から受け付ける印刷設定入手要求受付部と、
前記プリンター選択情報で示されるプリンターが前記プリンターリスト情報において前記ユーザーに紐付けられていると判断すると、前記印刷設定リスト情報のうち前記選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報を前記ユーザーに紐付けて生成する印刷設定情報生成部と、を備え、
前記印刷制御システムは、前記印刷設定情報で示される印刷設定が前記ユーザーに紐付けられていると判断すると、前記プリンター選択情報で示されるプリンターに対して前記印刷設定情報で示される印刷設定を適用する印刷設定適用部を有する、態様を有する。
【0006】
また、本発明のクラウドサーバーは、端末装置にネットワーク接続されるクラウドサーバーであって、
複数のプリンターのうちユーザーに紐付けられた1以上のプリンターを示すプリンターリスト情報、及び、前記ユーザーに紐付けられた1以上の印刷設定を示す印刷設定リスト情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザーに紐付けられた前記1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定の入手要求、及び、前記選ばれた印刷設定を適用する対象のプリンターを示すプリンター選択情報を前記端末装置から受け付ける印刷設定入手要求受付部と、
前記プリンター選択情報で示されるプリンターが前記プリンターリスト情報において前記ユーザーに紐付けられていると判断すると、前記印刷設定リスト情報のうち前記選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報を前記ユーザーに紐付けて生成し、該印刷設定情報を前記端末装置に送信する印刷設定情報送信部と、
を備える、態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】印刷制御システムの構成例を模式的に示すブロック図。
図2】クラウドサーバーの構成例を模式的に示すブロック図。
図3】端末装置の構成例を模式的に示すブロック図。
図4】ネットワークプリンターの構成例を模式的に示すブロック図。
図5】印刷制御システムの処理の例を模式的に示すフローチャート。
図6】エクスポート画面の表示例を模式的に示す図。
図7】印刷設定リスト情報を更新する処理の例を模式的に示すフローチャート。
図8】更新画面の表示例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
【0009】
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1~8に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。「本発明に含まれる技術の概要」において、括弧内は直前の語の補足説明を意味する。
【0010】
[態様1]
図1,2,5等に例示するように、本技術の一態様に係る印刷制御システムSY1は、クラウドサーバー100、及び、該クラウドサーバー100にネットワーク接続される端末装置200を備える。前記クラウドサーバー100は、記憶部114、印刷設定入手要求受付部121、及び、印刷設定情報生成部123を備える。前記記憶部114は、複数のプリンター300のうちユーザーUS0に紐付けられた1以上のプリンターを示すプリンターリスト情報IN1、及び、前記ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定を示す印刷設定リスト情報IN2を記憶する。前記印刷設定入手要求受付部121は、前記ユーザーUS0に紐付けられた前記1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定の入手要求RE1、及び、前記選ばれた印刷設定を適用する対象のプリンターを示すプリンター選択情報IN3を前記端末装置200から受け付ける。前記印刷設定情報生成部123は、前記プリンター選択情報IN3で示されるプリンターが前記プリンターリスト情報IN1において前記ユーザーUS0に紐付けられていると判断すると、前記印刷設定リスト情報IN2のうち前記選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報(例えばパッケージファイルFL1)を前記ユーザーUS0に紐付けて生成する。本印刷制御システムSY1は、前記印刷設定情報(FL1)で示される印刷設定が前記ユーザーUS0に紐付けられていると判断すると、前記プリンター選択情報IN3で示されるプリンターに対して前記印刷設定情報(FL1)で示される印刷設定を適用する印刷設定適用部U1を有する。
【0011】
以上より、正規のユーザーUS0は、印刷設定を適用する対象のプリンターがユーザーUS0に紐付けられていれば、ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報(FL1)を端末装置200にダウンロードすることができ、対象のプリンターに選ばれた印刷設定を適用することができる。正規でないユーザーは、正規のユーザーUS0に紐付けられた印刷設定を示す印刷設定情報(FL1)をダウンロードすることができない。また、正規でないユーザーが正規のユーザーUS0に紐付けられた印刷設定を示す印刷設定情報(FL1)を入手しても、正規でないユーザーに紐付けられていない印刷設定はプリンターに適用されない。従って、上記態様は、ユーザーを煩わせずに適切なユーザーが該ユーザーに紐付けられた印刷設定をプリンターに適用することができる。例えば、ライセンス情報が含まれたファイルが印刷設定情報(FL1)にある場合、正規のユーザーUS0が管理するプリンターには印刷設定情報(FL1)で示される印刷設定が適用される一方、正規でないユーザーが管理するプリンターには印刷設定情報(FL1)で示される印刷設定が適用されない。
【0012】
ここで、印刷設定には、カラープロファイル(例えばICCプロファイル)の設定、印刷対象の媒体のサイズ、高画質モードであるか高速モードであるかといった印刷モード、プラテンギャップ、ヒーター温度、等が含まれる。
プリンターに対して印刷設定を適用することには、プリンターに設定値を記憶させること、及び、プリンタードライバーやRIP(Raster Image Processor)といったソフトウェアに印刷設定を適用することにより間接的に印刷設定をプリンターに適用することが含まれる。
印刷設定適用部は、クラウドサーバーと端末装置とに跨がって設けられてもよいし、クラウドサーバーに設けられてもよい。
尚、上述した付言は、以下の態様においても適用される。
【0013】
[態様2]
図2に例示するように、前記印刷設定リスト情報IN2で示される印刷設定は、前記対象のプリンターによる印刷対象の媒体ME1に紐付けられてもよい。
以上の場合、対象のプリンターには、媒体ME1に応じた印刷設定が適用される。従って、上記態様は、適切なユーザーが媒体に応じた印刷設定をプリンターに適用することができる。
【0014】
[態様3]
図5に例示するように、前記印刷設定入手要求受付部121は、前記ユーザーUS0の認証要求RE2を前記端末装置200から受け付けてもよく、前記ユーザーUS0を認証すると前記入手要求RE1及び前記プリンター選択情報IN3を前記端末装置200から受け付けてもよい。
以上の場合、ユーザーUS0認証が行われた正規のユーザーUS0が印刷設定情報(FL1)を入手することができる。従って、上記態様は、適切なユーザーが印刷設定をプリンターに適用するための好適な例を提供することができる。
【0015】
[態様4]
図1に例示するように、前記印刷設定適用部U1は、前記クラウドサーバー100にある送信側印刷設定適用部124、及び、前記端末装置200にある受信側印刷設定適用部221を含んでいてもよい。前記送信側印刷設定適用部124は、前記印刷設定情報(FL1)を前記端末装置200に送信してもよい。前記受信側印刷設定適用部221は、前記クラウドサーバー100から前記印刷設定情報(FL1)を受信してもよい。当該受信側印刷設定適用部221は、前記印刷設定情報(FL1)で示される印刷設定が前記ユーザーUS0に紐付けられていると判断すると、前記プリンター選択情報IN3で示されるプリンターに対して前記印刷設定情報(FL1)で示される印刷設定を適用してもよい。
以上の場合、正規のユーザーUS0は、端末装置200に印刷設定情報(FL1)をダウンロードすることができる。従って、上記態様は、端末装置にダウンロードした印刷設定情報を適切なユーザーがプリンターに適用することができる。
【0016】
[態様5]
図1に例示するように、前記クラウドサーバー100は、更新部125をさらに備えていてもよい。前記更新部125は、図7,8に例示するように、前記ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定の更新要求RE3を前記端末装置200から受け付け、前記更新要求RE3に従って前記印刷設定リスト情報IN2を更新する。
以上の場合、正規のユーザーUS0は、カスタマイズした印刷設定をクラウドサーバー100に登録したり、登録されている印刷設定を修正又は削除したりすることができる。従って、上記態様は、適切なユーザーがカスタマイズした印刷設定をプリンターに適用することができる。
【0017】
また、前記更新部125は、前記ユーザーUS0に紐付けられた1以上のプリンターを更新するプリンター更新要求を前記端末装置200から受け付け、前記プリンター更新要求に従って前記プリンターリスト情報IN1を更新してもよい。すると、正規のユーザーUS0は、管理するプリンターをクラウドサーバー100に登録したり、登録されているプリンターを削除したりすることができる。
【0018】
[態様6]
図7,8に例示するように、前記更新部125は、前記ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定からから選ばれた印刷設定に基づいて一部が変更された印刷設定の追加要求RE4を前記更新要求RE3として前記端末装置200から受け付けてもよい。当該更新部125は、前記追加要求RE4に従って、前記変更された印刷設定のうち変更部分を示す変更部分情報IN4を前記印刷設定リスト情報IN2に追加してもよい。本態様は、印刷設定リスト情報のデータ容量の増加を極力少なくさせることができる。
【0019】
[態様7]
図1,4に例示するように、前記端末装置200は、前記複数のプリンター300のいずれかに含まれていてもよい。本態様は、ネットワーク接続されるプリンターを利用することができる。
【0020】
[態様8]
ところで、本技術の一態様に係るクラウドサーバー100は、図1,2,5等に例示するように、前記記憶部114、前記印刷設定入手要求受付部121、及び、印刷設定情報送信部122を備え、端末装置200にネットワーク接続される。前記印刷設定情報送信部122は、前記プリンター選択情報IN3で示されるプリンターが前記プリンターリスト情報IN1において前記ユーザーUS0に紐付けられていると判断すると、前記印刷設定リスト情報IN2のうち前記選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報(FL1)を前記ユーザーUS0に紐付けて生成し、該印刷設定情報(FL1)を前記端末装置200に送信する。
上記態様も、ユーザーを煩わせずに適切なユーザーが該ユーザーに紐付けられた印刷設定をプリンターに適用することができる。
【0021】
さらに、本技術は、上述した印刷制御システムのための制御方法、上述したクラウドサーバーのための制御方法、上述した印刷制御システムの制御プログラム、上述したクラウドサーバーの制御プログラム、前述のいずれかの制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体、等に適用可能である。前述のクラウドサーバーは、分散した複数のコンピューターで構成されてもよい。
【0022】
(2)印刷制御システムの具体例:
図1は、印刷制御システムSY1の構成を模式的に例示している。図1に示す印刷制御システムSY1は、クラウドサーバー100、端末装置200、及び、複数のプリンター300を含んでいる。複数のプリンター300は、広域のネットワークNE1に接続されていない1以上のローカルプリンター301、及び、広域のネットワークNE1に接続されている1以上のネットワークプリンター302を含んでいる。ネットワークプリンター302は、端末装置200を含んでいてもよい。クラウドサーバー100、端末装置200、及び、ネットワークプリンター302は、ネットワークNE1に接続されている。ネットワークNE1は、共通の通信仕様に従って世界中の多数の通信機器が接続されたインターネットでもよいし、限定された範囲の広域のネットワークでもよい。端末装置200とローカルプリンター301との接続は、LANでもよいし、ネットワークによらない接続でもよい。ここで、LANは、Local Area Networkの略称である。印刷制御システムSY1は、図1に示されていない追加要素を含んでいてもよい。
【0023】
図2は、クラウドサーバー100の構成を模式的に例示している。図2に示すクラウドサーバー100は、プロセッサーであるCPU111、半導体メモリーであるROM112、半導体メモリーであるRAM113、記憶部114、入力部115、表示部116、I/F117、等を備えている。ここで、CPUはCentral Processing Unitの略称であり、ROMはRead Only Memoryの略称であり、RAMはRandom Access Memoryの略称であり、I/Fはインターフェイスの略称である。前述の要素111~117等は、電気的に接続されていることにより互いに情報を入出力可能である。CPU111、ROM112、及び、RAM113は、制御部110に含まれる。尚、制御部110を構成するプロセッサーは、一つのCPUに限定されず、複数のCPU、ASICといったハードウェア回路、CPUとハードウェア回路との組合せ、等でもよい。ここで、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。記憶部114は、プリンター300及び印刷設定の管理プログラムPR1、プリンターリスト情報IN1、印刷設定リスト情報IN2、等を記憶している。記憶部114に記憶されている情報は、適宜、RAM113に読み出され、管理処理に使用される。記憶部114には、ハードディスクといった磁気記憶装置、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、等を用いることができる。プリンターリスト情報IN1と印刷設定リスト情報IN2を記憶するクラウドサーバー100は、データベースといえる。入力部115には、ポインティングデバイス、キーボードを含むハードキー、タッチパネル、等を用いることができる。表示部116には、液晶表示パネル等を用いることができる。I/F117は、ネットワークNE1に接続され、図1に示すように端末装置200やネットワークプリンター302との間で情報の送受信を行う。クラウドサーバー100は、複数のコンピューターで構成されてもよい。
【0024】
管理プログラムPR1は、図1に示すように、クラウドサーバー100を、印刷設定入手要求受付部121、印刷設定情報送信部122、及び、更新部125として機能させる。従って、管理プログラムPR1は、印刷設定入手要求受付部121に対応する印刷設定入手要求受付機能、印刷設定情報送信部122に対応する印刷設定情報送信機能、及び、更新部125に対応する更新機能をクラウドサーバー100に実現させる。管理プログラムPR1を実行するクラウドサーバー100は、印刷設定入手要求受付部121、印刷設定情報送信部122、及び、更新部125を備えるといえる。印刷設定情報送信部122は、印刷設定情報生成部123、及び、印刷設定適用部U1に含まれる送信側印刷設定適用部124を含んでいる。管理プログラムPR1を記憶している記憶部114は、管理プログラムPR1を記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体といえる。管理プログラムPR1が外部の記録媒体に記録されると、該記録媒体は管理プログラムPR1を記録したコンピューター読み取り可能な媒体といえる。
【0025】
プリンターリスト情報IN1は、複数のプリンター300の内、ユーザーUS0を特定するユーザー情報UIN0に紐付けられた1以上のプリンターを示す情報を有している。プリンターリスト情報IN1は、親情報としてユーザー情報UIN0を有し、子情報としてユーザーUS0が管理するプリンター情報を有するといえる。例えば、図2に示すユーザー情報「User-1」には、プリンター情報として「Printer A」、「Printer B」、及び、「Printer C」が紐付けられている。ユーザー情報「User-2」には、プリンター情報として「Printer A」、及び、「Printer D」が紐付けられている。このように、複数のユーザーが共通のプリンターを使用してもよい。プリンターリスト情報IN1は、複数のプリンター300のうちユーザーUS0に紐付けられた1以上のプリンターを示す情報といえる。
【0026】
印刷設定リスト情報IN2は、ユーザーUS0を特定するユーザー情報UIN0に紐付けられた1以上の印刷設定を示す情報を有している。印刷設定リスト情報IN2で示される印刷設定は、前述の1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定を適用する対象のプリンターによる印刷対象の媒体ME1(図4参照)に紐付けられている。印刷設定リスト情報IN2は、親情報として媒体ME1の基礎情報を有し、子情報としてカラー設定やメカ設定等の詳細設定を有する。基礎情報には、媒体名、媒体ME1の種類、ベンダー名、等が含まれる。詳細設定には、カラー設定としてのカラープロファイル設定、媒体ME1のサイズ、単方向印刷モードといった高画質モードであるか双方向印刷モードといった高速モードであるかといった印刷モード、メカ設定としての各種設定値、等が含まれる。各種設定値には、プラテンギャップ、ヒーター温度、等が含まれる。例えば、図2に示すユーザー情報「User-1」には、媒体ME1の基礎情報として「媒体a」、「媒体b」、及び、「媒体c」が紐付けられている。これらの基礎情報「媒体a」、「媒体b」、及び、「媒体c」のそれぞれには、詳細設定が紐付けられている。ユーザー情報「User-2」には、媒体ME1の基礎情報として「媒体b」、及び、「媒体d」が紐付けられている。このように、複数のユーザーが共通の媒体を使用してもよい。印刷設定リスト情報IN2は、ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定を示す情報といえる。
【0027】
図3は、端末装置200の構成を模式的に例示している。図3に示す端末装置200は、CPU211、ROM212、RAM213、記憶装置214、入力部215、表示部216、I/F217,218、等を備えている。前述の要素211~218等は、電気的に接続されていることにより互いに情報を入出力可能である。CPU211、ROM212、及び、RAM213は、制御部210に含まれる。尚、制御部210を構成するプロセッサーは、一つのCPUに限定されず、複数のCPU、ASICといったハードウェア回路、CPUとハードウェア回路との組合せ、等でもよい。記憶装置214は、プリンター300を制御するソフトウェアであるドライバーPR2等を記憶している。記憶装置214には、端末装置200を使用するユーザーUS0を特定するユーザー情報UIN0、クラウドサーバー100からダウンロードされたパッケージファイルFL1、等も記憶される。記憶装置214に記憶されている情報は、適宜、RAM213に読み出され、印刷制御処理に使用される。記憶装置214には、不揮発性半導体メモリー、磁気記憶装置、等を用いることができる。入力部215には、ポインティングデバイス、ハードキー、タッチパネル、等を用いることができる。表示部216には、液晶表示パネル等を用いることができる。I/F217は、ネットワークNE1に接続され、図1に示すようにクラウドサーバー100との間で情報の送受信を行う。I/F218は、ローカルプリンター301に直接又は間接的に接続され、ローカルプリンター301との間で情報の送受信を行う。端末装置200は、タブレット型端末を含むパーソナルコンピューターに限定されず、スマートフォンといった携帯電話等でもよい。端末装置200は、複数のコンピューターで構成されてもよい。
【0028】
ドライバーPR2は、図1に示すように、印刷設定適用部U1に含まれる受信側印刷設定適用部221として端末装置200を機能させる。従って、ドライバーPR2は、受信側印刷設定適用部221に対応する受信側印刷設定適用機能をクラウドサーバー100に実現させる。ドライバーPR2を実行する端末装置200は、受信側印刷設定適用部221を備えるといえる。ドライバーPR2を記憶している記憶装置214は、ドライバーPR2を記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体といえる。ドライバーPR2が外部の記録媒体に記録されると、該記録媒体はドライバーPR2を記録したコンピューター読み取り可能な媒体といえる。
【0029】
パッケージファイルFL1は、印刷設定リスト情報IN2のうちユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報の例である。パッケージファイルFL1は、ユーザー情報UIN0、及び、含んでいる情報で示される印刷設定を対象のプリンターに適用する処理を行う実行型ファイルを含んでいる。図3には、ユーザー情報「User-1」のユーザーが使用する端末装置200の記憶装置214に、ユーザー情報「User-1」を含むパッケージファイルFL1が記憶されることが示されている。図3に示すパッケージファイルFL1は、カラープロファイルの設定、印刷モード、プラテンギャップ、等を示す情報を含んでいる。端末装置200は、パッケージファイルFL1に含まれる実行型ファイルを実行することにより、パッケージファイルFL1に含まれる情報で示される印刷設定を対象のプリンターに設定する。
【0030】
図4は、ネットワークプリンター302の構成を模式的に例示している。図4に示すネットワークプリンター302は、CPU311、ROM312、RAM313、記憶装置314、入力部315、表示部316、I/F317、印刷エンジン318、等を備えている。前述の要素311~318等は、電気的に接続されていることにより互いに情報を入出力可能である。CPU311、ROM312、及び、RAM313は、制御部310に含まれる。尚、制御部310を構成するプロセッサーは、一つのCPUに限定されず、複数のCPU、ASICといったハードウェア回路、CPUとハードウェア回路との組合せ、等でもよい。ネットワークプリンター302が端末装置200を含んでいる場合、記憶装置314はネットワークプリンター302のドライバーPR2等を記憶する。この場合、記憶装置314には、ネットワークプリンター302を端末装置200として使用するユーザーUS0を特定するユーザー情報UIN0、クラウドサーバー100からダウンロードされたパッケージファイルFL1、等も記憶される。記憶装置314に記憶されている情報は、適宜、RAM313に読み出され、印刷制御処理に使用される。記憶装置314には、不揮発性半導体メモリー、磁気記憶装置、等を用いることができる。入力部315には、ハードキー、タッチパネル、ポインティングデバイス、等を用いることができる。表示部316には、液晶表示パネル等を用いることができる。I/F317は、ネットワークNE1に接続され、図1に示すようにクラウドサーバー100との間で情報の送受信を行う。印刷エンジン318は、適用された印刷設定に従って媒体ME1に印刷を行う。印刷エンジン318は、インクジェット方式の印刷機構でもよいし、レーザー方式といった電子写真方式の印刷機構等でもよい。
【0031】
ネットワークプリンター302が端末装置200を含まない場合、記憶装置314には、ドライバーPR2が記憶されなくてもよく、ユーザー情報UIN0が記憶されなくてもよく、パッケージファイルFL1が記憶されなくてもよい。
図示していないが、ローカルプリンター301は、図4に示すネットワークプリンター302と同様の要素(311~318)を備えていてもよい。この場合、I/F317に端末装置200が直接又は間接的に接続されることにより、端末装置200からローカルプリンター301に印刷設定が適用される。記憶装置314には、ドライバーPR2が記憶されなくてもよく、ユーザー情報UIN0が記憶されなくてもよく、パッケージファイルFL1が記憶されなくてもよい。
【0032】
パッケージファイルFL1には、ICCプロファイル等といった、ライセンス情報が含まれたファイルが入ることがある。この場合、ライセンス規約に応じてパッケージファイルFL1の使用を適切なユーザーUS0に限定する必要がある。
そのため、ユーザーUS0が使用するコンピューターがパッケージファイルFL1をエクスポートするときに対象のプリンターを特定するプリンター情報、例えばシリアルナンバー等をパッケージファイルFL1に埋め込むことが考えられる。ユーザーUS0が使用するコンピューターは、ユーザーUS0が管理するプリンターを特定するプリンター情報とパッケージファイルFL1内のプリンター情報とが一致すれば、パッケージファイルFL1をインポートすることができる。ユーザーUS0が同一機種の複数のプリンターを管理している場合、或るプリンターに適用した印刷設定を同一機種の別のプリンターに適用することができる。
【0033】
しかし、パッケージファイルFL1をインポートするためには、パッケージファイルFL1のエクスポート時に使用されたプリンターが必要である。例えば、パッケージファイルFL1のエクスポート時に使用されたプリンターが故障、廃棄、等により失われると、パッケージファイルFL1をインポートすることができない。また、ユーザーUS0が企業において分散した複数の拠点でコンピューターを使用する等、ユーザーが分断されたネットワーク環境でコンピューターを使用する場合も、パッケージファイルFL1のエクスポート時に使用されたプリンターがネットワーク環境に無ければ、パッケージファイルFL1をインポートすることができない。
本具体例では、印刷設定の作成時には印刷設定をユーザー情報UIN0に紐付けてクラウド上のデータベースで管理し、印刷設定の適用時には適切なユーザーUS0であることを確認することにしている。これにより、ユーザーを煩わせずに適切なユーザーが該ユーザーに紐付けられた印刷設定をプリンターに適用することができる。例えば、ライセンス情報が含まれたファイルがパッケージファイルFL1にある場合、正規のユーザーUS0が管理するプリンターには印刷設定が適用される一方、正規でないユーザーが管理するプリンターには印刷設定が適用されない。
【0034】
(3)印刷制御システムの処理の具体例:
以下、図5等を参照して、印刷制御システムSY1が行う処理の例を説明する。図5は、印刷制御システムSY1においてクラウドサーバー100と端末装置200が行う処理を模式的に例示している。図6は、パッケージファイルFL1のエクスポート画面500を模式的に例示している。
ユーザーUS0は、印刷制御システムSY1に含まれるいずれかの端末装置200において、図6に示すエクスポート画面500の表示を要求する操作、例えば、所定のWebアドレスであるURLのエクスポート画面500を表示させる操作を行うと、図5に示す処理が開始する。ここで、URLは、Uniform Resource Locatorの略称である。端末装置200は、ネットワークプリンター302に含まれていてもよい。ここで、ステップS104~S106,S112は、図1に示す印刷設定入手要求受付部121に対応している。ステップS114,S118は、図1に示す印刷設定情報生成部123に対応している。ステップS120は、図1に示す印刷設定適用部U1の送信側印刷設定適用部124に対応している。ステップS122~S128は、図1に示す印刷設定適用部U1の受信側印刷設定適用部221に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略する。
【0035】
ユーザーUS0が使用する端末装置200がエクスポート画面500を表示させるための操作をユーザーUS0から受け付けると、クラウドサーバー100は、不図示のユーザー認証画面を端末装置200に送信する。ユーザー認証画面は、例えば、ユーザー情報UIN0とパスワードの入力欄を有している。端末装置200は、ユーザー認証画面を受信して表示部216又は表示部316に表示させ、ユーザー情報UIN0とパスワードを入力する操作をユーザーUS0から受け付ける。ユーザー認証画面にユーザー情報UIN0とパスワードが入力されると、端末装置200は、ユーザー情報UIN0及びパスワードとともにユーザーUS0の認証要求RE2をクラウドサーバー100に送信する(S102)。クラウドサーバー100は、ユーザー情報UIN0及びパスワードとともに認証要求RE2を受信すると、ユーザー情報UIN0とパスワードに基づいてユーザー認証を受け付けるか否かを判断する(S104)。クラウドサーバー100は、受信したユーザー情報UIN0及びパスワードが記憶部114に記憶されているユーザー情報UIN0及びパスワードと一致する場合、処理をS106に進める。クラウドサーバー100は、受信したユーザー情報UIN0及びパスワードが記憶部114に記憶されているユーザー情報UIN0及びパスワードと一致しない場合、ユーザーUS0が認証されないことを示すエラー画面を端末装置200に表示させてもよく、図5に示す処理を終了させてもよい。
以上のようにして、印刷設定入手要求受付部121は、ユーザーUS0の認証要求RE2を端末装置200から受け付ける。
【0036】
S106において、クラウドサーバー100は、図6に示すエクスポート画面500を端末装置200に送信する。端末装置200は、エクスポート画面500を受信して表示部216又は表示部316に表示させる(S108)。エクスポート画面500は、プリンター選択欄501、印刷設定表示領域502、印刷設定毎の詳細ボタン504、エクスポートボタン505、等を有している。
【0037】
クラウドサーバー100は、管理している複数のプリンター300の中からいずれか一つを選択可能なプリンター選択欄501を生成する。従って、端末装置200は、プリンター選択欄501において、複数のプリンター300の中から印刷設定を適用する対象のプリンターを一つ選択する操作を受け付ける。ユーザーUS0は、印刷設定を適用する対象のプリンターとしてプリンター選択欄501に示されるプリンターを一つ選択可能である。図1に示すプリンター選択欄501には、印刷設定を適用する対象のプリンターとして「Printer C」で示されるプリンターが選択されている状態が示されている。
【0038】
クラウドサーバー100は、図2に示す印刷設定リスト情報IN2に基づいて、ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定を示す情報をリストにした印刷設定表示領域502を生成する。端末装置200は、印刷設定リスト情報IN2において、ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定の中から1の印刷設定を選択する操作を受け付ける。例えば、端末装置200が送信したユーザー情報UIN0がユーザー情報「User-1」である場合、印刷設定表示領域502には「メディア(媒体)a」、「メディア(媒体)b」、及び、「メディア(媒体)c」が表示される。端末装置200は、「メディアa」に対応する詳細ボタン504の操作を受け付けると、印刷設定リスト情報IN2に基づいて、基礎情報「媒体a」に紐付けられている詳細情報を表示する。端末装置200は、「メディアb」に対応する詳細ボタン504の操作を受け付けると、印刷設定リスト情報IN2に基づいて、基礎情報「媒体b」に紐付けられている詳細情報を表示する。また、ユーザーUS0は、印刷設定として、「メディアa」、「メディアb」、及び、「メディアc」のいずれか一つで示される印刷設定を選択可能である。端末装置200は、印刷設定表示領域502の中からいずれか一つの印刷設定の表示を選択する操作を受け付ける。図6には、端末装置200が「メディアa」の印刷設定503が選択されている状態が示されている。
【0039】
端末装置200は、エクスポートボタン505の操作をユーザーUS0から受け付けると、プリンター選択欄501で選択されたプリンターを示すプリンター選択情報IN3とともに、印刷設定表示領域502において選択された印刷設定の入手要求RE1をクラウドサーバー100に送信する(S110)。クラウドサーバー100は、印刷設定の入手要求RE1、及び、プリンター選択情報IN3を受信する(S112)。
以上のようにして、印刷設定入手要求受付部121は、ユーザーUS0を認証すると、ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定の入手要求RE1、及び、選ばれた印刷設定を適用する対象のプリンターを示すプリンター選択情報IN3を端末装置200から受け付ける。
【0040】
入手要求RE1及びプリンター選択情報IN3の受信後、クラウドサーバー100は、図2に示すプリンターリスト情報IN1に基づいて、プリンター選択情報IN3で示されるプリンターがユーザーUS0の管理下にあるか否かを判断する(S114)。例えば、ユーザー情報「User-1」で特定されるユーザーUS0が「Printer C」で示されるプリンターを選択した場合、プリンターリスト情報IN1において「Printer C」が「User-1」に紐付けられているので、選択されたプリンターはユーザーUS0が管理している。この場合、クラウドサーバー100は、処理をS118に進める。一方、ユーザー情報「User-1」で特定されるユーザーUS0が「Printer D」で示されるプリンターを選択した場合、プリンターリスト情報IN1において「Printer D」が「User-1」に紐付けられていないので、選択されたプリンターはユーザーUS0が管理していない。この場合、クラウドサーバー100は、選択されたプリンターがユーザーUS0の管理下にないことを示すエラー画面を端末装置200に送信する。端末装置200は、前述のエラー画面を受信して表示し(S116)、図5に示す処理を終了させる。
【0041】
S118において、クラウドサーバー100は、図2に示す印刷設定リスト情報IN2のうちエクスポート画面500の印刷設定表示領域502において選択された印刷設定を示す情報に加えてユーザー情報UIN0を含むパッケージファイルFL1を生成する。パッケージファイルFL1に組み込まれるユーザー情報UIN0は、S104において端末装置200から受信したユーザー情報UIN0である。パッケージファイルFL1には、印刷設定を対象のプリンターに適用する処理を行う実行型ファイルも組み込まれる。
以上のようにして、印刷設定情報生成部123は、印刷設定リスト情報IN2のうち選ばれた印刷設定を示す印刷設定情報をユーザーUS0に紐付けて生成する。
【0042】
パッケージファイルFL1の生成後、クラウドサーバー100は、パッケージファイルFL1を端末装置200に送信する(S120)。端末装置200は、クラウドサーバー100からパッケージファイルFL1を受信して実行型ファイルを実行し(S122)、記憶装置214又は記憶装置314に記憶しているユーザー情報UIN0と、パッケージファイルFL1に含まれるユーザー情報UIN0と、が一致するか否かを判断する(S124)。両ユーザー情報UIN0が一致している場合、端末装置200は、パッケージファイルFL1に含まれる印刷設定を対象のプリンターに適用し(S126)、図5に示す処理を終了させる。S126において、端末装置200は、例えば、対象のプリンターにプラテンギャップ等のメカ設定の設定値を記憶させ、ドライバーPR2やRIPにカラープロファイル等を設定する。両ユーザー情報UIN0が一致しない場合としては、例えば、或るユーザーがダウンロードしたパッケージファイルFL1を別のユーザーがコピーしてパッケージファイルFL1に含まれる実行型ファイルを実行させる場合等が考えられる。この場合、端末装置200は、ユーザー情報の不一致を示すエラー画面を表示し(S128)、図5に示す処理を終了させる。
以上のようにして、印刷設定適用部U1は、印刷設定情報で示される印刷設定がユーザーUS0に紐付けられていると判断すると、プリンター選択情報IN3で示されるプリンターに対して印刷設定情報で示される印刷設定を適用する。
【0043】
以上説明したように、正規のユーザーUS0は、印刷設定を適用する対象のプリンターがユーザーUS0の管理下にあれば、ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定から選ばれた印刷設定を適用可能なパッケージファイルFL1を端末装置200にダウンロードすることができる。そのうえで、正規のユーザーUS0は、対象のプリンターに選ばれた印刷設定を適用することができる。正規でないユーザーは、正規のユーザーUS0に紐付けられた印刷設定を適用可能なパッケージファイルFL1をダウンロードすることができない。また、正規でないユーザーが正規のユーザーUS0に紐付けられた印刷設定を適用可能なパッケージファイルFL1を入手しても、正規でないユーザーに紐付けられていない印刷設定はプリンターに適用されない。従って、本具体例の印刷制御システムSY1は、ユーザーUS0を煩わせずに適切なユーザーUS0が該ユーザーUS0に紐付けられた印刷設定をプリンターに適用することができる。その結果、ライセンス情報が含まれたファイルがパッケージファイルFL1にある場合、正規のユーザーUS0が管理するプリンターにはパッケージファイルFL1に従った印刷設定が適用される一方、正規でないユーザーが管理するプリンターにはパッケージファイルFL1に従った印刷設定が適用されない。パッケージファイルFL1のエクスポート時に使用されたプリンターが廃棄されたりネットワーク環境に無かったりしても、パッケージファイルFL1をインポートすることができる。
【0044】
また、図7に例示するように、印刷設定リスト情報IN2を更新する処理が行われてもよい。図7は、印刷制御システムSY1において印刷設定リスト情報IN2を更新する処理を模式的に例示している。図8は、印刷設定リスト情報IN2の更新画面600を模式的に例示している。
ユーザーUS0は、印刷制御システムSY1に含まれるいずれかの端末装置200において、図8に示す更新画面600の表示を要求する操作、例えば、所定のWebアドレスであるURLの更新画面600を表示させる操作を行うと、図7に示す処理が開始する。S204~S206,S212,S216は、図1に示す更新部125に対応している。
【0045】
ユーザーUS0が使用する端末装置200が更新画面600を表示させるための操作をユーザーUS0から受け付けると、クラウドサーバー100は、不図示のユーザー認証画面を端末装置200に送信する。端末装置200は、図5で示したS102と同様、ユーザー情報UIN0及びパスワードとともにユーザーUS0の認証要求RE2をクラウドサーバー100に送信する(S202)。クラウドサーバー100は、図5で示したS104と同様、ユーザー情報UIN0とパスワードに基づいてユーザー認証を受け付けるか否かを判断する(S204)。クラウドサーバー100は、ユーザー認証を受け付けた場合に処理をS206に進める。クラウドサーバー100は、ユーザー認証を受け付けない場合にユーザーUS0が認証されないことを示すエラー画面を端末装置200に表示させてもよい。
【0046】
S206において、クラウドサーバー100は、図8に示す更新画面600を端末装置200に送信する。端末装置200は、更新画面600を受信して表示部216又は表示部316に表示させる(S208)。更新画面600は、印刷設定表示領域601、印刷設定毎の詳細ボタン603、新規追加ボタン604、「コピーして追加」ボタン605、更新ボタン606、等を有している。
【0047】
クラウドサーバー100は、図2に示す印刷設定リスト情報IN2に基づいて、ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定を示す情報をリストにした印刷設定表示領域601を生成する。端末装置200は、各印刷設定に対応する詳細ボタン603の操作を受け付けると、印刷設定リスト情報IN2に基づいて詳細情報を表示する。端末装置200は、新規追加ボタン604の操作を受け付けると、新たな印刷設定を登録するための表示欄を印刷設定表示領域601に追加する。端末装置200は、印刷設定表示領域601に含まれる印刷設定のいずれか一つが選択されている状態で「コピーして追加」ボタン605の操作を受け付けると、選択された印刷設定をコピーした状態で印刷設定を登録するための表示欄を印刷設定表示領域601に追加する。図8には、「メディア(媒体)a」の印刷設定が選択された状態で「コピーして追加」ボタン605の操作により「メディア(媒体)a-1」の印刷設定602が追加されたことが示されている。尚、端末装置200は、印刷設定表示領域601に含まれる印刷設定のいずれかが選択されている状態で不図示のdeleteキーの操作を受け付けると、選択された印刷設定を印刷設定表示領域601から削除する。
【0048】
端末装置200は、更新ボタン606の操作をユーザーUS0から受け付けると、印刷設定表示領域601において編集された印刷設定の更新要求RE3をクラウドサーバー100に送信する(S210)。クラウドサーバー100は、印刷設定の更新要求RE3を受信し、更新要求RE3に従って印刷設定リスト情報IN2を更新する(S212)。尚、端末装置200は更新要求RE3の送信後に更新画面600において印刷設定の編集を受け付けてもよく、クラウドサーバー100は更新要求RE3の受信毎に印刷設定リスト情報IN2を更新してもよい。
以上のようにして、更新部125は、ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定の更新要求RE3を端末装置200から受け付け、更新要求RE3に従って印刷設定リスト情報IN2を更新する。正規のユーザーUS0は、カスタマイズした印刷設定をクラウドサーバー100に登録したり、登録されている印刷設定を修正又は削除したりすることができる。
【0049】
印刷設定がコピーされた場合、追加される印刷設定は元の印刷設定から変わらない部分があってもよい。この場合、記憶部114に記憶されている印刷設定リスト情報IN2には、追加された印刷設定のうち元の印刷設定から変更された部分のみ追加されてもよい。図7には、S210の更新要求送信処理に含まれるS214の追加要求送信処理、及び、S212の印刷設定リスト情報更新処理に含まれるS216の変更部分追加処理が示されている。以下の説明において、図8に示す「メディア(媒体)a-1」の印刷設定602が追加された後に印刷設定602の一部が変更されたものとする。
【0050】
S214において、端末装置200は、更新ボタン606の操作をユーザーUS0から受け付けると、追加された印刷設定602において一部が変更された印刷設定の追加要求RE4をクラウドサーバー100に送信する。追加要求RE4の概念は、更新要求RE3の概念に含まれる。クラウドサーバー100は、印刷設定の追加要求RE4を受信し、追加要求RE4に従って、変更された印刷設定602のうち変更部分を示す変更部分情報IN4を印刷設定リスト情報IN2に追加する(S216)。例えば、「媒体a」の印刷設定がコピーされることにより追加された「媒体a-1]の印刷設定において「高画質モード」から「高速モード」への変更しか行われなかったとする。この場合、クラウドサーバー100は、図7に示すように、「媒体a-1]の印刷設定として変更部分「高速モード」を示す変更部分情報IN4のみ印刷設定リスト情報IN2に追加する。
以上のようにして、更新部125は、ユーザーUS0に紐付けられた1以上の印刷設定からから選ばれた印刷設定に基づいて一部が変更された印刷設定の追加要求RE4を端末装置200から受け付け、追加要求RE4に従って変更部分情報IN4を印刷設定リスト情報IN2に追加する。これにより、印刷設定リスト情報IN2のデータ容量の増加を極力少なくさせることができる。
【0051】
その後、図5で示した処理が行われることにより、ユーザーUS0を煩わせずに適切なユーザーUS0が該ユーザーUS0に紐付けられた印刷設定をプリンターに適用することができる。
【0052】
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、対象のプリンターがネットワークプリンター302である場合、対象のプリンターに印刷設定を適用する処理は、クラウドサーバー100が行ってもよい。従って、図5に示すS124~S128の処理は、クラウドサーバー100が行ってもよい。
【0053】
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、ユーザーを煩わせずに適切なユーザーが該ユーザーに紐付けられた印刷設定をプリンターに適用することが可能な技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0054】
100…クラウドサーバー、110…制御部、114…記憶部、121…印刷設定入手要求受付部、122…印刷設定情報送信部、123…印刷設定情報生成部、124…送信側印刷設定適用部、125…更新部、200…端末装置、210…制御部、214…記憶装置、221…受信側印刷設定適用部、300…プリンター、301…ローカルプリンター、302…ネットワークプリンター、500…エクスポート画面、600…更新画面、FL1…パッケージファイル(印刷設定情報の例)、IN1…プリンターリスト情報、IN2…印刷設定リスト情報、IN3…プリンター選択情報、IN4…変更部分情報、ME1…媒体、NE1…ネットワーク、PR1…管理プログラム、PR2…ドライバー、RE1…入手要求、RE2…認証要求、RE3…更新要求、RE4…追加要求、U1…印刷設定適用部、UIN0…ユーザー情報、US0…ユーザー、SY1…印刷制御システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8