(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126747
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】廃棄物容器及び廃棄物処理方法
(51)【国際特許分類】
B65F 1/00 20060101AFI20240912BHJP
B65F 1/14 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B65F1/00 M
B65F1/00 A
B65F1/14 A
B65F1/00 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035343
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】594156857
【氏名又は名称】東明興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002446
【氏名又は名称】弁理士法人アイリンク国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 文雄
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA14
3E023AA18
3E023BA03
3E023BA12
3E023EA02
3E023EB02
3E023GB02
3E023GC01
(57)【要約】
【課題】 様々な形状の固形廃棄物を減容するとともに、外形を整えることができるようにすること。
【解決手段】 外形が直方体で、上面に挿入口1aが開口した外枠1と、外枠1の内底面2に設置され、上面に開口部8aを有する直方体の内箱8と、上端に開口部15aを有し、外枠1内に設置された内箱8内に下部が収容され、外枠1及び内箱8に対し着脱可能にされる柔軟性を有する袋本体15とを備え、内箱8の側面高さH2は、外枠1の側面高さH1よりも低く設定され、袋本体15は、開口部15aを開閉可能にする封止機構16と、空気の流通を当該袋本体の内部から外部方向へのみ許容する逆止弁機構を有する吸引口18とを備え、開口部15aの内周は、外枠1の挿入口1aの外周より大きく設定されるとともに、下部が内箱8の底面9に接触した状態で外枠1内に設置された際に当該開口部15aが挿入口1aを介して外枠1の外側に位置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が直方体で、上面に挿入口が開口した外枠と、
上記外枠の内底面に設置され、上面に開口部を有する直方体の内箱と、
上端に開口部を有し、上記外枠内に設置された上記内箱内に下部が収容され、上記外枠及び内箱に対し着脱可能にされる柔軟性を有する袋本体とを備え、
上記内箱の側面高さは、上記外枠の側面高さよりも低く設定され、
上記袋本体は、
上記開口部を開閉可能にする封止機構と、空気の流通を当該袋本体の内部から外部方向へのみ許容する逆止弁機構を有する吸引口とを備え、
上記開口部の内周は、上記外枠の挿入口の外周より大きく設定されるとともに、
上記下部が上記内箱の底面に接触した状態で上記外枠内に設置された際に当該開口部が上記挿入口を介して上記外枠の外側に位置する廃棄物容器。
【請求項2】
上記外枠の開口縁が、クッション部材で覆われた請求項1に記載の廃棄物容器。
【請求項3】
上記外枠の一側面が解放可能に構成され、上記内箱を当該外枠の底面から取り出し可能にした請求項1又は2に記載の廃棄物容器。
【請求項4】
上記内箱の一側面が解放可能に構成され、上記袋本体を当該内箱の側面から取り出し可能にした請求項1又は2に記載の廃棄物容器。
【請求項5】
上記袋本体の側面において、上記下部に位置し、水の流通を当該袋本体の内部から外部方向へのみ許容する逆止弁機構を有する排水口を備えた請求項1に記載の廃棄物容器。
【請求項6】
請求項1に記載の廃棄物容器を用いた廃棄物処理方法であって、
上記袋本体を挿入した内箱を上記外枠の内に設置する工程と、
上記袋本体の開口部を広げて、上記袋本体の側面を、上記外枠の内側から外側に向かって上記挿入口の開口縁に被せる工程と、
上記開口縁に袋本体の側面が被せられた状態で、上記袋本体内に廃棄物を投入する工程と、
上記廃棄物が上記袋本体内において、上記外枠の側面の高さ位置近傍に達した時点で、上記袋本体の開口部を封止する工程と、
上記吸引口から袋本体の内部空気を吸引して袋本体を圧縮する工程と、
上記内箱を上記外枠から取り出す工程と、
圧縮された上記袋本体を上記内箱から取り出して次工程へ搬送する工程と
を備えた廃棄物処理方法。
【請求項7】
上記袋本体の内部空気を吸引して袋本体を圧縮する工程と、上記袋本体を上記内箱から取り出す工程との間に、
上記袋本体の体積が上記内箱の容量と同等もしくはそれ以下になったことを確認する工程を備えた請求項6に記載の廃棄物処理方法。
【請求項8】
上記袋本体は排水口を備えており、
上記袋本体の開口部を封止する工程の前に、上記排水口から袋本体内の水分を排出する工程を備えた請求項6又は7に記載の廃棄物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建築物の廃材などの廃棄物を収容する廃棄物容器と、それを用いた廃棄物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の新築・解体・改修現場などで発生した廃棄物を、容器に詰めて搬送することがあるが、その際の搬送コストを抑えるため、搬送物をできるだけ減容することが考えられている。
特に、建築物から発生する樹脂製の固形廃棄物などは、形状が一定していないものが多い。そのため嵩張ってしまい、袋などの容器に効率よく詰めることが難しい。
そこで、不定形の固形廃棄物を細かく粉砕して袋詰めにする装置が考えられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-234212号公報
【特許文献2】特開2016-141492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、固形廃棄物を粉砕する装置は大型になるので、規模が小さい現場に設置するのは、かえって効率が悪くなってしまう。
一方で、廃棄物を詰めた袋を圧縮する方法も考えられている。
例えば、特許文献2には、壁用クロスの廃材を袋に詰めてから、内部の空気を吸引して袋の体積を小さくし、搬送物を減容することが記載されている。
特許文献2のように、廃棄物が壁用クロスの場合には、それを詰めた袋を減圧すれば、袋の変形に応じて内容物である壁用クロスも変形し、搬送すべき袋が減容できる。
しかし、建造物の解体時に発生するような、樹脂製の固形廃棄物は、壁用クロスのように簡単に変形しない。空気を吸引して、袋が内容物の形状に沿って変形するだけでは、減容はできるが圧縮された袋は、内容物に応じた様々な形状になってしまう。
様々な不定形の袋は、それを積み重ねて置くことは難しく、大きな保管場所が必要になってしまう。また、車などへの積載作業も、手間がかかるものとなる。
【0005】
この発明の目的は、様々な形状の固形廃棄物を減容するとともに、外形を整えることができる廃棄物容器及び廃棄物処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、外形が直方体で、上面に挿入口が開口した外枠と、上記外枠の内底面に設置され、上面に開口部を有する直方体の内箱と、上端に開口部を有し、上記外枠内に設置された上記内箱内に下部が収容され、上記外枠及び内箱に対し着脱可能にされる柔軟性を有する袋本体とを備え、上記内箱の側面高さは、上記外枠の側面高さよりも低く設定され、上記袋本体は、上記開口部を開閉可能にする封止機構と、空気の流通を当該袋本体の内部から外部方向へのみ許容する逆止弁機構を有する吸引口とを備え、上記開口部の内周は、上記外枠の挿入口の外周より大きく設定されるとともに、上記下部が上記内箱の底面に接触した状態で上記外枠内に設置された際に当該開口部が上記挿入口を介して上記外枠の外側に位置する。
【0007】
第2の発明は、上記外枠の開口縁が、クッション部材で覆われている。
【0008】
第3の発明は、上記外枠の一側面が解放可能に構成され、上記内箱を当該外枠の側面から取り出し可能にしている。
【0009】
第4の発明は、上記内箱の一側面が解放可能に構成され、上記袋本体を当該内箱の底面に沿って取り出し可能にしている。
【0010】
第5の発明は、上記袋本体の側面において、上記下部に位置し、水の流通を当該袋本体の内部から外部方向へのみ許容する逆止弁機構を有する。
【0011】
第6の発明の廃棄物処理方法は、第1の発明の廃棄物容器を用いた廃棄物処理方法であって、上記袋本体を挿入した内箱を上記外枠の内に設置する工程と、上記袋本体の開口部を広げて、上記袋本体の側面を、上記外枠の内側から外側に向かって上記挿入口の開口縁に被せる工程と、上記開口縁に袋本体の側面が被せられた状態で、上記袋本体内に廃棄物を投入する工程と、上記廃棄物が上記袋本体内において、上記外枠の側面の高さ位置近傍に達した時点で、上記袋本体の開口部を封止する工程と、上記吸引口から袋本体の内部空気を吸引して袋本体を圧縮する工程と、上記内箱を上記外枠から取り出す工程と、圧縮された上記袋本体を上記内箱から取り出して次工程へ搬送する工程とを備えている。
【0012】
第7の発明は、上記袋本体の内部空気を吸引して袋本体を圧縮する工程と、上記袋本体を上記内箱から取り出す工程との間に、上記袋本体の体積が上記内箱の容量と同等もしくはそれ以下になったことを確認する工程を備えている。
【0013】
第8の発明は、上記袋本体は排水口を備えており、上記袋本体の開口部を封止する工程の前に、上記排水口から袋本体内の水分を排出する工程を備えている。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、袋本体の開口部を、外枠の挿入口に内側から被せるように広げられるので、廃棄物を投入しやすい。また、圧縮された、廃棄物が入った袋本体が内箱形状に沿って変形するので、減容と整形とが同時にできる。圧縮後の袋本体が内箱の形状に沿った形状(直方体)となるため、不定形と比べて搬送や保管の効率が向上する。
【0015】
第2の発明によれば、外枠の挿入口の開口縁がクッション材で覆われているため、袋本体の開口部を広げる際に、外枠の開口縁で袋本体がこすられて破損してしまうようなことがない。そのため、袋本体の開口部を十分に広げることができ、廃棄物を投入しやすくなる。
【0016】
第3の発明によれば、外枠の側面を解放して、側面から内箱を取り出すことができる。外枠の側面は、圧縮された袋本体や内箱の高さよりも高く、外枠の挿入口から袋本体を取り出すのは大変である。しかし、本発明では、外枠の側面を解放し、側面から内箱を簡単に取り出して、取り出した内箱から袋本体を取り出すことができる。
【0017】
第4の発明によれば、内箱の側面を解放して、側面から袋本体を取り出すことができる。廃棄物とともに圧縮された袋本体は、内箱に押し付けられていて、内箱から取り出すのは容易ではない。本発明では、内箱の側面を解放して、側面から簡単に袋本体を取り出すことができる。
【0018】
第5の発明によれば、廃棄物に付着している水分を排水してから袋本体を圧縮できる。袋本体内に水分が残っていると、空気の吸引がうまくいかずに、袋本体を十分に圧縮できないことがあるが、きちんと排水すれば、そのような問題は発生しない。
【0019】
第6~第8の発明の廃棄物処理方法によれば、不定形の廃棄物を収容した廃棄物容器を、圧縮して減容するとともに外形を整形して輸送や保管の効率を上げることができる。
【0020】
特に、第7の発明によれば、袋本体の体積が内箱の容量と同等もしくはそれ以下になってから取り出すことができる。取り出された袋本体の体積が一定になるので、輸送や保管が効率的にできる。
【0021】
第8の発明によれば、袋本体内の水分を排出してから効率的に空気を吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】
図4は、実施形態の外枠内に、中箱及び袋本体を装着した状態の概観斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態において、廃棄物が収容された袋本体を取り出す際の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[実施形態]
以下に、図を用いてこの発明の一実施形態を説明する。
図1は、実施形態の外枠の外観斜視図である。
図2は、中箱の斜視図、
図3は袋本体の平面図である。
図4は、外枠に中箱及び袋本体を装着した状態の概観斜視図であり、
図5は廃棄物が収容された袋本体を取り出す過程を示した概観斜視図である。
【0024】
外枠1は、
図1に示すように、底面2と、4つの側面3,4,5,6とで囲まれた直方体からなり、上方に挿入口1aを開口させている。
上記底面2及び側面3~6のそれぞれは、金属製のネット状の板部材で構成され、内部が外側から見えるようになっている。また、一側面3は、その下端部が底面2に対して回動可能に支持され、かつ図示していない連結部材によって両脇の側面4,6に対し着脱可能に連結されている。したがって、側面3は、両脇の連結部材を外すことによって、二点鎖線で示したように外側へ解放可能にされている。
さらに、各側面3~6の上端部には、挿入口1aの開口縁を囲むように棒状のクッション部材7が設けられ、このクッション部材7によって開口縁が覆われている。なお、図中の符号Cは底面2に取り付けられたキャスターである。
【0025】
また、上記外枠1の内底面(底面2上)に設置可能な内箱8を備えている。
図2に示す内箱8は、長方形の底面9の周囲に4側面10,11,12,13を起立させ、上部に開口部8aを有する直方体である。この内箱8は、樹脂製の1枚の板部材を折り曲げて構成され、隣合う側面同士が開閉可能な止め部材14a,14b,14c,14dで連結されている。そのため、上記止め部材14a,14b,14c,14dを開けば、各側面10,11,12,13を解放させることができる。例えば、止め部材14a,14dを開けば側面10を二点鎖線で示すように前方へ倒して解放できる。
なお、内箱8の底面9は、外枠1の底面2より、一回り小さい長方形であり、各側面10~13の高さH2は、外枠1の側面3~6の高さH1の約3分の1に設定されている。すなわち、内箱8は、外枠1の底部に収容される大きさに形成されている。
【0026】
図3に示す袋本体15は、この実施形態において廃棄物が直接収容される部材である。
袋本体15は、透明な樹脂製、例えばナイロン/ポリエチレンなどで形成され、1辺に開口部15aを有する柔軟性を有する袋である。そして、この袋本体15は、広げたときの内容量が、上記外枠1に比べて十分に大きくなるようにされているとともに、開口部15aの内周は外枠1の挿入口1aの外周よりも大きく設定されている。
また、袋本体15の内周面にはエンボス加工を施して、開きやすくすることもできる。
【0027】
また、袋本体15は、外枠1内に設置された内箱8内に収容して広げたとき、袋本体15の下部15bが内箱8の底面9上で、余裕を保って広がる大きさを備えている。なお、袋本体15の下部15bが広がりやすいように、下部15bや脇にマチを設けてもよい。
また、開口部15aには、袋本体15を密閉可能な封止機構であるファスナー16とこのファスナー16を閉じるためのスライダー17が設けられている。
【0028】
さらに、袋本体15の側面において、開口部15aの近傍には吸引口18が設けられ、下部15b側には排水口19が設けられている。上記吸引口18及び排水口19には、空気や水に対し、袋本体15の内部から外部方向への流通のみを許容する逆止弁機構が備わっている。これらの逆止弁機構は、袋本体15の内部が負圧になったとき、密閉状態を保つことができれば、どのような構造でもかまわない。
また、上記排水口19は、袋本体15を内箱8内に収容して下部15bを広げたとき、上記底面9の近傍に位置するように配置されている。
【0029】
[作用・効果等]
上記廃棄物容器を使用した廃棄物処理方法について説明する。
まず、内箱8内に袋本体15を入れ、袋本体15の下部15bを広げて底面9に沿わせるようにする。次に袋本体15を入れた内箱8を外枠1内に設置する。
内箱8を外枠1の底面2に設置したら、袋本体15の側面を引き上げ、開口部15aを広げて外枠1の挿入口1aの外側まで引き出す。
【0030】
袋本体15の開口部15aの内周は、外枠1の挿入口1aの外周より十分に大きく設定されているので、開口部15aを大きく広げて、袋本体15の側面を外枠1の挿入口1aの開口縁に引っ掛けるようにし、開口部15aを外枠1の外側に位置させることができる(
図4参照)。
このように、外枠1の開口縁に袋本体15の側面が被せられ、開口部15aが大きく開かれた状態で、作業者は袋本体15内に廃棄物を投入する。
【0031】
図4のように、袋本体15の側面を外枠1の挿入口1aの開口縁に引っ掛けるようにすれば、袋本体15の開口部15aが大きく開口した状態を保つことができる。したがって、廃棄物の投入作業が容易になる。
また、外枠1の挿入口1aの開口縁にはクッション部材7が設けられているので、袋本体15の開口部15aを外枠1の外側に位置させるとき、袋本体15が外枠1の開口縁と接触して摩擦されたとしても、袋本体15が損傷することを防止できる。例えば、外枠1が金網などで形成され、その端部が開口縁として露出していると、開口部15aを広げて外側に引き出す際に金網の端部との摩擦によって、袋本体15が傷ついたり破けたりする可能性もある。袋本体15が傷付いてしまった場合には、密閉性が保たれなくなってしまう。しかし、この実施形態では、上記クッション部材7を備えているため、気兼ねなく開口部15aを広げることができる。
【0032】
投入する廃棄物は、新築・解体・改修現場などから出る樹脂製の部品など不定形の廃棄物である。このような廃棄物が、袋本体15内において、外枠1の側面3~6の高さH1の近傍に達するまで、作業者は廃棄物の投入を続け、廃棄物の高さが、高さH1近傍に達した時点で投入を終了する。
廃棄物の投入を終了したら、袋本体15の側面を上記クッション部材7(外枠の挿入口1aの開口縁)から外して、ファスナー16によって開口部15aを封止する。
【0033】
なお、廃棄物に付着した水分が多い場合には、開口部15aを封止する前に、水分が袋本体15内で下部15bへ移動するのを待ち、下部15b近傍に設けられた排水口19から排水させる。この時、外枠1を振動させ、水分の落下を促すようにしてもよい。なお、排水口19から排出された水分は、内箱8内に溜まるが、袋本体15を取り出してから排水させればよい。
ただし、廃棄物の発生現場によって、廃棄物に付着する水分が問題にならない場合には、袋本体15に排水口19を備えていなくてもかまわない。
【0034】
袋本体15内の排水が終了し、袋本体15の開口部15aを封止したら、吸引口18から袋本体15の内部空気を吸引する。吸引口18は、逆止弁機構を備えた口であるが、この吸引口18に専用の吸引装置を接続して、袋本体15内の空気を吸引して袋本体15を圧縮する。袋本体15内が吸引されて内部が負圧になると、逆止弁機構が機能し上記排水口19は閉鎖される。
【0035】
作業者は、上記袋本体15が圧縮される過程を監視し、内容物(廃棄物)とともに袋本体15の高さが内箱8の側面10~13の高さH2と略同等、すなわち袋本体15の体積が内箱8の容量と同等になったら、吸引作業を停止する。
次に、外枠1の側面3を解放し、外枠1から内箱8を取り出す。
さらに、内箱8の側面10を解放し、底面9及び側面10に沿って袋本体15を引き出すようにして取り出し、袋本体を後工程へ搬送する。このとき、内箱8内の水分を捨てることができる。
【0036】
上記のように内箱8を取り出す際に、外枠1の側面3を解放できるので、高さが高い側面の上部(挿入口1a)から内箱8を取り出す場合と比べて、圧倒的に作業性がよい。なお、側面3は全面を解放可能にせず、例えば上半分だけ解放可能にしてもよい。
また、内箱8の側面10も、解放可能にしているため、圧縮された袋本体15を取り出しやすい。廃棄物とともに圧縮された袋本体15は、内箱8に押し付けられて整形されているので、内箱8から取り出すのは容易ではない。内箱8の側面10を解放すれば、側面10に沿って袋本体15を簡単に引き出すことができる。
【0037】
上記のようにして、内箱8から取り出された袋本体15は、廃棄物を収容した状態で内箱8の内形状に沿って変形し、略直方体に整形されている。そのため、積み重ねて、保管したり搬送したりでき、作業効率が向上する。しかも、高さがH2の直方体で、容量は圧縮前の約3分の1になっているので、保管スペースも節約できる。また、廃棄物を収容した袋本体15が複数ある場合でも、各袋本体15が高さH2で同様な形状の直方体になっているので、それらをまとめて運搬、保管するときでも、積み重ね易く、また、保管スペースを無駄なく利用することができる。
なお、上記処理方法によって処理される廃棄物は、解体現場の樹脂製の廃材に限らない。袋本体15の圧縮によって変形が容易な物体であれば、減容及び整形のより大きな効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
不定形の廃棄物の処理に有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 外枠
1a 挿入部
3~6 (外枠の)側面
H1 (外枠の)側面高さ
7 クッション部材
8 内箱
10~13 (内箱の)側面
H2 (内箱の)側面高さ
15 袋本体
15a 開口部
15b 下部
16 (封止機構)ファスナー
17 (封止機構)スライダー
18 吸引口
19 排水口