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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126753
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】センサシステムおよびセンサ構造
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20240912BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A61B5/11 100
A47C27/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035354
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松村 文幸
(72)【発明者】
【氏名】細井 みのり
(72)【発明者】
【氏名】小林 万里子
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 洋仁
(72)【発明者】
【氏名】矢萩 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔太
【テーマコード(参考)】
3B096
4C038
【Fターム(参考)】
3B096AC11
4C038VA04
4C038VB29
4C038VB32
4C038VB33
4C038VC20
(57)【要約】
【課題】様々なタイプの寝具に配置することが可能なセンサシステムおよびセンサ構造を提供する。
【解決手段】寝具上の被検者の生体情報を検知する検知部と、前記検知部を収容する収容部とを有する寝具用センサと、検知された前記生体情報を処理するとともに、前記寝具用センサに取り付けられた取付状態および前記寝具用センサから離間した離間状態をとり得る情報処理装置とを備えるセンサシステム。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝具上の被検者の生体情報を検知する検知部と、前記検知部を収容する収容部とを有する寝具用センサと、
検知された前記生体情報を処理するとともに、前記寝具用センサに取り付けられた取付状態および前記寝具用センサから離間した離間状態をとり得る情報処理装置と
を備えるセンサシステム。
【請求項2】
前記取付状態の前記情報処理装置は、取付具により、前記寝具用センサに取り付けられる請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記取付状態の前記情報処理装置は、前記取付具に固定される固定部を有する請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記寝具用センサは、前記寝具に敷設され、前記寝具に対向する第1面および第2面を有する請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記取付状態の前記情報処理装置は、前記取付具により、前記寝具用センサの前記第1面または前記第2面に取り付けられる請求項4に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記取付具は、前記第1面または第2面から突出して前記寝具用センサに設けられるとともに、前記情報処理装置を保持可能に構成された突起部材を含む請求項5に記載のセンサシステム。
【請求項7】
前記取付状態の前記情報処理装置は、前記取付具により、前記寝具用センサの前記第1面と前記第2面との間に取り付けられる請求項5に記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記取付具は、前記寝具用センサに設けられた板状部材を含み、
前記板状部材には、前記情報処理装置を着脱可能に構成された一対のツメ部分が設けられている請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項9】
前記取付具は、前記寝具用センサに設けられるとともに、前記情報処理装置を接着可能に構成された接着部材を含む請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項10】
前記取付具は、前記寝具用センサに設けられるとともに、前記情報処理装置を収容可能に構成された筐体を含む請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項11】
前記取付具は、前記寝具用センサに設けられるとともに、前記情報処理装置を嵌合可能に構成された溝部を含む請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項12】
前記収容部には、前記情報処理装置を受け入れ可能な開口が設けられ、
前記取付具は、前記開口を開閉可能に構成された開閉部材を含む請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項13】
前記取付具は、前記寝具用センサに設けられるとともに、前記情報処理装置を支持可能に構成された支持部材を含む請求項2に記載のセンサシステム。
【請求項14】
前記取付状態の前記情報処理装置は、前記収容部に取り付けられる請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項15】
前記検知部と前記情報処理装置とを接続する接続部材をさらに有する請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項16】
前記生体情報は、前記被検者の体動に関する情報を含む請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項17】
寝具上の被検者の生体情報を検知する検知部と、前記検知部を収容する収容部とを有する寝具用センサと、
検知された前記生体情報を処理する情報処理装置を、前記寝具用センサに取り付ける取付具とを備え、
前記情報処理装置は、前記取付具により前記寝具用センサに取り付けられた取付状態と、前記寝具用センサから離間した離間状態とをとり得るセンサ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサシステムおよびセンサ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド等の寝具とともに配置されるセンサシステムの開発が進められている(たとえば、特許文献1等)。このセンサシステムは、たとえば、寝具上の被検者の体動を検知するセンサと、センサで検知された生体情報を処理する情報処理装置とを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-213587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなセンサシステムを、様々なタイプの寝具に配置できることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、様々なタイプの寝具に配置することが可能なセンサシステムおよびセンサ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明に係るセンサシステムは、寝具上の被検者の生体情報を検知する検知部と、前記検知部を収容する収容部とを有する寝具用センサと、検知された前記生体情報を処理するとともに、前記寝具用センサに取り付けられた取付状態および前記寝具用センサから離間した離間状態をとり得る情報処理装置とを備える。
【0007】
本願発明に係るセンサ構造は、寝具上の被検者の生体情報を検知する検知部と、前記検知部を収容する収容部とを有する寝具用センサと、検知された前記生体情報を処理する情報処理装置を、前記寝具用センサに取り付ける取付具とを備え、前記情報処理装置は、前記取付具により前記寝具用センサに取り付けられた取付状態と、前記寝具用センサから離間した離間状態とをとり得る。
【発明の効果】
【0008】
本願発明に係るセンサシステムおよびセンサ構造では、情報処理装置が、取付状態および離間状態をとり得るので、寝具の形状、機構または使用状況等に応じて、取付状態および離間状態の変更が可能となる。よって、様々なタイプの寝具に配置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るセンサシステムの全体構成の一例を表す平面図である。
図2図1に示したセンサシステムの一部の断面構成の一例を寝具とともに表す図である。
図3図1に示した情報処理装置が取付状態にあるときについて説明するための斜視図である。
図4図3に示した情報処理装置が離間状態にあるときについて説明するための斜視図である。
図5図1に示した情報処理装置が取付状態にあるときのセンサシステムの他の例を表す平面図である。
図6図5に示したセンサシステムの要部の断面構成を表す図である。
図7A図6等に示した板状部材の側面の構成の一例を表す図である。
図7B図5等に示した寝具用センサの第1面とともに、板状部材の構成の一例を表す図である。
図8図1等に示した情報処理装置の構成の一例を表すブロック図である。
図9】変形例1に係るセンサシステムの断面構成の一例を表す図である。
図10】第2実施形態に係るセンサシステムの断面構成の一例を表す図である。
図11図10に示した寝具用センサの第2面の構成の一例を表す平面図である。
図12図11に示した寝具用センサの第2面の構成の他の例を表す平面図である。
図13】変形例2に係るセンサシステムの断面構成の一例を表す図である。
図14】変形例3に係るセンサシステムの断面構成の一例を表す図である。
図15】変形例4に係るセンサシステムの平面構成の一例を表す図である。
図16】第3実施形態に係るセンサシステムの断面構成の一例を表す図である。
図17図16に示したセンサシステムの他の状態を表す断面図である。
図18】取付状態の情報処理装置の他の例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係る実施の形態を説明する。本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。なお、図面において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0011】
<第1実施形態>
[センサシステム1の構成]
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係るセンサシステム1の構成の一例を表している。このセンサシステム1は、ベッド等の寝具40とともに配置される。センサシステム1は、寝具40上の被検者から経時的に生体情報を検知する。被検者は、たとえば、寝具40上に就寝する。ユーザーは、このセンサシステム1を用いて、被検者の状態をモニタリングすることが可能となる。ユーザーは、たとえば、医療従事者、介護者および被検者の家族等である。ユーザーは、被検者本人であってもよい。
【0012】
センサシステム1は、たとえば、寝具用センサ10、情報処理装置20、接続部材30および板状部材50を有している。ここでは、板状部材50が、本発明の取付具の一具体例に対応し、少なくとも寝具用センサ10および板状部材50を含む構造が、本発明のセンサ構造の一具体例に対応する。以下の説明では、略矩形の寝具40の長辺方向をY方向、短辺方向をX方向、厚み方向をZ方向という場合もある。図1は、センサシステム1の平面(XY平面)構成の一例を表し、図2は、図1に示したセンサシステム1の一部の断面(YZ断面)構成を、寝具40とともに表している。
【0013】
寝具用センサ10は、検知部11と、検知部11を収容する収容部12とを含んでいる。情報処理装置20は、検知部11により検知された被検者の生体情報を取得し、取得した生体情報を処理する。この情報処理装置20は、たとえば、寝具用センサ10および寝具40から離間して配置されている(図1)。接続部材30は、検知部11と情報処理装置20とを接続している。板状部材50は、情報処理装置20を寝具用センサ10に取り付けるときに使用される。
【0014】
寝具用センサ10は、寝具40に敷設されて使用される。寝具40は、たとえば、ベッド、布団、マットレス、シーツ、オーバーレイおよびクッション等である。寝具用センサ10は、被検者に接して配置されてもよく、被検者と寝具用センサ10との間に寝具40等が配置されてもよい。寝具40に敷設された寝具用センサ10は、寝具40に対向する第1面S1および第2面S2を有している(図2)。第1面S1および第2面S2は、たとえば、XY平面である。たとえば、寝具用センサ10は、第1面S1側に乗った被検者の生体情報を取得する。
【0015】
検知部11は、寝具40上の被検者の生体情報を検知する。検知部11により検知される生体情報は、たとえば、被検者の体動に関する情報を含んでいる。検知部11は、たとえば、エアパッドまたは圧電センサ等を有している。寝具用センサ10は、複数の検知部11を有していてもよい。検知部11は、エアパッドおよび圧電センサの両方を含んでいてもよい。
【0016】
検知部11を収容する収容部12は、たとえば、検知部11の全面を覆っている。収容部12は、たとえば、袋形状を有している。第1面S1および第2面S2は、たとえば、収容部12の一部により構成されている。収容部12は、検知部11の一部を覆っていてもよい。収容部12は、たとえば、布、ビニールまたはプラスチック等により構成されている。
【0017】
検知部11により検知された被検者の生体情報は、接続部材30を介して、情報処理装置20に送られる。情報処理装置20は、たとえば、直方体または立方体等の箱形の外形を有している。本実施形態では、この情報処理装置20が、寝具用センサ10から離間して配置された離間状態(図1および図2)と、寝具用センサ10に取り付けられた取付状態(たとえば、後述の図5および図6)とを相互にとり得るように構成されている。詳細は後述するが、これにより、寝具の形状、機構または使用状況等に応じて、ユーザーが取付状態および離間状態を変更することができ、様々なタイプの寝具にセンサシステム1を配置することが可能となる。
【0018】
ここで、取付状態の情報処理装置20とは、寝具用センサ10と一体化されており、寝具用センサ10に直接、あるいは、後述の取付具を介して保持されている状態をいう。取付状態の情報処理装置20は、たとえば、寝具用センサ10の収容部12に取り付けられている。
【0019】
図3は、取付状態の情報処理装置20の構成の一例を表している。取付状態の情報処理装置20は、検知部11とともに、収容部12内に設けられていてもよい。
【0020】
離間状態の情報処理装置20は、寝具用センサ10による保持が外れた状態をいう。このとき、たとえば、寝具用センサ10の収容部12と情報処理装置20とが離間して配置され、収容部12と情報処理装置20とを別々に動かすことができる。離間状態の情報処理装置20は、たとえば、接続部材30のみによって寝具用センサ10(検知部11)に接続される。
【0021】
図4は、離間状態の情報処理装置20の構成の一例を表している。離間状態の情報処理装置20は、たとえば、寝具40(ベッド)のフレームに掛けられていてもよい。
【0022】
図5および図6は、取付状態の情報処理装置20の構成の他の例を表している。図5は、取付状態の情報処理装置20を有するセンサシステム1の平面(XY平面)構成を表し、図6は、図5に示したセンサシステム1の要部の断面(YZ断面)構成を表している。取付状態の情報処理装置20は、たとえば、寝具用センサ10の第1面S1に取り付けられていてもよい(図6)。情報処理装置20は、たとえば、寝具用センサ10に設けられた板状部材50によって、寝具用センサ10に取り付けられている。ここでは、板状部材50が、本発明の取付具の一具体例に対応する。
【0023】
図7Aおよび図7Bは、板状部材50の構成の一例を表している。図7Aは、板状部材50の側面(XZ平面)の構成の一例を表し、図7Bは、寝具用センサ10の第1面S1とともに、板状部材50の構成の一例を表している。板状部材50は、たとえば、平面部分51および一対のツメ部分52を有している。板状部材50は、離間状態への変更が可能となるように、情報処理装置20を寝具用センサ10に取り付ける。換言すれば、ユーザーは、板状部材50を用いて、寝具用センサ10への情報処理装置20の取り付けおよび取り外しを自在に行うことができる。
【0024】
平面部分51は、たとえば、台形等の四角形の平面(XY平面)形状を有している。平面部分51は、たとえば、寝具用センサ10の第1面S1と第2面S2との間に、X方向に沿って挿入される。たとえば、平面部分51は、検知部11とともに、収容部12に収容されている。この平面部分51は、収容部12の所定の位置に固定されている。取付状態では、この平面部分51上に、収容部12を介して情報処理装置20が載置される。
【0025】
一対のツメ部分52は、平面部分51のX方向の両端に設けられ、Z方向に立設している(図7A)。この一対のツメ部分52は、たとえば、Y方向に所定の大きさを有している。一対のツメ部分52は、たとえば、収容部12から露出して配置される(図7B)。一対のツメ部分52は、情報処理装置20を着脱可能に構成されており、たとえば、一対のツメ部分52の間の距離(X方向の距離)は、情報処理装置20のX方向の大きさと略同じである。取付状態では、この一対のツメ部分52の間に、情報処理装置20が嵌まり、情報処理装置20が寝具用センサ10に保持される。
【0026】
情報処理装置20は、一対のツメ部分52に対応する形状の凹部等を有していてもよい。たとえば、この凹部等がツメ部分52に固定される。ここでは、この凹部等が、本発明の固定部の一具体例に対応する。
【0027】
たとえば、ユーザーが、一対のツメ部分52の間に情報処理装置20を挿入することにより、情報処理装置20が一対のツメ部分52の間に嵌まり、取付状態となる。ユーザーが、一対のツメ部分52の間から取付状態の情報処理装置20を抜くことにより、情報処理装置20が一対のツメ部分52の間から外れ、離間状態となる。
【0028】
図8は、情報処理装置20の概略構成を示すブロック図である。情報処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、ストレージ204、通信インターフェース205、操作部206および検出部207を有する。各構成は、バス208を介して相互に通信可能に接続されている。
【0029】
CPU201は、ROM202またはストレージ204に記録されているプログラムにしたがって、寝具用センサ10の制御や各種の演算処理を行う。CPU201は、たとえば、寝具用センサ10に、寝具40上の被検者の生体情報を検知させるとともに、情報処理装置20に、検知された生体情報を処理させ、被検者の状態を表す所定のパラメーターを算出させる。情報処理装置20は、たとえば、寝具用センサ10によって検知された被検者の生体情報に基づいて、被検者の脈拍、心拍波形、心拍数、脈波、呼吸数、呼吸波形、心音、離床状態、いびきの状態、寝言の状態、体動波形、心理ストレス指標または睡眠状態を表す指標等を算出する。CPU201は、たとえば、検出部207から取得した信号にフィルタ処理を行なうことにより、所定の周波数帯域の信号を抽出し、抽出した信号に基づいて所定のパラメーターを算出する。
【0030】
ROM202は、所定のパラメーターを算出するための各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM203は、作業領域として一時的にプログラムおよびデータを記憶する。
【0031】
ストレージ204は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムおよび各種データを格納する。たとえば、ストレージ204には、寝具用センサ10との間で各種情報を送受信したり、寝具用センサ10から取得する生体情報に基づいて算出する所定のパラメーターを決定したりするためのアプリケーションがインストールされている。
【0032】
通信インターフェース205は、他の装置と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース205としては、有線または無線の各種規格による通信インターフェースが用いられる。たとえば、この通信インターフェース205が接続部材30に接続されている。情報処理装置20によって算出された所定のパラメーターが、通信インターフェース205を介して、他の端末装置に送信されてもよい。
【0033】
操作部206は、たとえば、操作ボタン等により構成されており、ユーザーからの各種入力を受け付ける。たとえば、ユーザーが操作部206に、指示を入力することにより、寝具用センサ10による生体情報の検知が開始される。操作部206は、タッチパネル式のディスプレイ等により構成されていてもよい。情報処理装置20は、操作部206と別に、算出した所定のパラメーターに関する情報を表示するための表示部を有していてもよい。
【0034】
検出部207は、接続部材30を介して寝具用センサ10から送られる被検者の生体情報を検出し、生体情報に基づく電気信号を生成する。CPU201は、たとえば、検出部207によって生成された電気信号を用いて、所定のパラメーターを算出する。たとえば、検出部207は、圧電素子を含んでいてもよい。この圧電素子は、たとえば、接続部材30を介して寝具用センサ10から送られる空気の圧力を検出する。
【0035】
情報処理装置20と検知部11とを接続する接続部材30は、検知部11によって検知された被検者の生体情報を情報処理装置20に伝達する役割を担っている。接続部材30は、たとえば、検知部11と情報処理装置20とを電気的に接続する配線、または、検知部11から情報処理装置20に空気等の流体を流す管等により構成されている。
【0036】
[センサシステム1の作用効果]
本実施形態に係るセンサシステム1では、情報処理装置20が、寝具用センサ10に取り付けられた取付状態と、寝具用センサ10から離間した離間状態とを相互にとり得るように構成されている。具体的には、情報処理装置20は、一対のツメ部分52の間に嵌められることにより、寝具用センサ10に保持され、取付状態となる。この取付状態の情報処理装置20は、一対のツメ部分52の間から抜かれることにより、寝具用センサ10による保持が外れ、離間状態となる。このように、情報処理装置20が、取付状態および離間状態を相互にとり得るので、寝具40の形状、機構または使用状況等に応じて、取付状態および離間状態の変更が可能となり、様々なタイプの寝具に配置することが可能となる。以下、この作用効果について説明する。
【0037】
各医療機関等で使用される寝具の形状および機構等は異なっている。たとえば、医療機関によって、ベッドにおけるリクライニング機構の有無、移動機構の有無、折り畳み機構の有無および柵の取り外しの可否等が異なる。また、医療機関によって、マットレス等の幅、厚さおよび硬さ等も異なる。たとえば、情報処理装置が取付状態および離間状態のどちらか一方の状態のままであり、相互に変更できないとき、寝具へのセンサシステムの設置が困難となるおそれがある。たとえば、情報処理装置が取付状態のままであると、ベッドの柵の取り外すときに、情報処理装置が柵に巻き込まれ、破損するおそれがある。
【0038】
これに対し、センサシステム1では、情報処理装置20が、取付状態および離間状態を相互にとり得るので、寝具40の形状、機構または使用状況等に応じて、ユーザーは、取付状態および離間状態を容易に変更することができる。たとえば、ベッドの柵を取り外すときには、情報処理装置20を一旦離間状態にし、柵の取り外し後は、取付状態にしてもよい。このように、柵の取り外しの可否等に関わらず、様々なタイプの寝具40にセンサシステム1を配置することが可能となる。
【0039】
以下、上記第1実施形態で説明したセンサシステム1の変形例および他の実施形態を説明する。なお、以下では、説明の重複を避けるため、上記第1実施形態で説明したセンサシステム1の各構成と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0040】
<変形例1>
図9は、変形例1に係るセンサシステム1Aの断面(YZ断面)構成の一例を、寝具40とともに表している。このセンサシステム1Aでは、寝具用センサ10に設けられた溝部12Gによって、情報処理装置20が寝具用センサ10に取り付けられている。即ち、ここでは、溝部12Gが、本発明の取付具の一具体例に対応する。この点を除き、このセンサシステム1Aは、上記第1実施形態で説明したセンサシステム1と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。
【0041】
溝部12Gは、たとえば、寝具用センサ10の第1面S1に、X方向に沿って設けられている。溝部12Gは、たとえば、収容部12に設けられている。この溝部12Gは、情報処理装置20を嵌合可能に構成されている。取付状態では、この溝部12Gに情報処理装置20が嵌合されて、情報処理装置20が寝具用センサ10に保持される。
【0042】
情報処理装置20は、溝部12Gに対応する形状の凸部等を有していてもよい。たとえば、この凸部等が溝部12Gに固定される。ここでは、この凸部等が、本発明の固定部の一具体例に対応する。
【0043】
たとえば、ユーザーが、X方向にスライドさせながら溝部12Gに情報処理装置20を挿入することにより、情報処理装置20が溝部12Gに嵌合され、取付状態となる。ユーザーが、取付状態の情報処理装置20を、X方向にスライドさせて溝部12Gから引き抜くことにより、離間状態となる。
【0044】
上記変形例1に係るセンサシステム1Aでも、上記第1実施形態で説明したのと同様に、情報処理装置20が、取付状態および離間状態を相互にとり得るので、寝具40の形状、機構または使用状況等に応じて、ユーザーは、取付状態および離間状態を容易に変更することができる。よって、様々なタイプの寝具40にセンサシステム1Aを配置することが可能となる。
【0045】
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態に係るセンサシステム2の断面(YZ断面)構成の一例を、寝具40とともに表している。このセンサシステム2では、情報処理装置20が、寝具用センサ10の第2面S2に取り付けられる。この点を除き、このセンサシステム2は、上記第1実施形態で説明したセンサシステム1と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。
【0046】
取付状態の情報処理装置20は、たとえば、第1接着部材61によって、寝具用センサ10の第2面S2に取り付けられている。即ち、ここでは、第1接着部材61が、本発明の取付具の一具体例に対応する。第1接着部材61は、寝具用センサ10および情報処理装置20を接着可能に構成されている。
【0047】
図11は、寝具用センサ10の第2面S2に設けられた第1接着部材61の構成の一例を表している。たとえば、複数の第1接着部材61が、第2面S2に設けられている。第1接着部材61は、たとえば、面ファスナーまたは磁石等を含んでいる。このとき、情報処理装置20は、第1接着部材61に固定される固定部21を有している。固定部21は、たとえば、面ファスナーまたは磁石等により構成されている。取付状態では、たとえば、複数の第1接着部材61各々に、固定部21が接着することにより、情報処理装置20が寝具用センサ10に保持される。
【0048】
図12は、寝具用センサ10の第2面S2の構成の他の例を表している。寝具用センサ10の第2面S2には、第1接着部材61とともに、第2接着部材62a,62b,62c,62dが設けられていてもよい。たとえば、第2接着部材62aは第2接着部材62cに接着され、第2接着部材62bは第2接着部材62dに接着される。これにより、寝具用センサ10の第2面S2がライン12Lに沿って曲がり、取付状態の情報処理装置20が第2面S2によって覆われる。
【0049】
このセンサシステム2では、たとえば、ユーザーが、第1接着部材61に情報処理装置20の固定部21を接着させることにより、取付状態となる。ユーザーが、取付状態の情報処理装置20の固定部21を、第1接着部材61から剥がすことにより、離間状態となる。
【0050】
第2実施形態に係るセンサシステム2でも、上記第1実施形態で説明したのと同様に、情報処理装置20が、取付状態および離間状態を相互にとり得るので、寝具40の形状、機構または使用状況等に応じて、ユーザーは、取付状態および離間状態を容易に変更することができる。よって、様々なタイプの寝具40にセンサシステム2を配置することが可能となる。
【0051】
<変形例2>
図13は、変形例2に係るセンサシステム2Aの断面(YZ断面)構成の一例を、寝具40とともに表している。このセンサシステム2Aでは、寝具用センサ10の第2面S2に突起部材63が設けられている。情報処理装置20は、この突起部材63によって、寝具用センサ10に取り付けられる。即ち、ここでは、突起部材63が、本発明の取付具の一具体例に対応する。この点を除き、このセンサシステム2Aは、上記第2実施形態で説明したセンサシステム2と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。
【0052】
突起部材63は、第2面S2から突出して設けられている。突起部材63は、たとえば、接着剤(図示せず)等により、第2面S2に固着されている。第2面S2には、複数の突起部材63が設けられていてもよい。突起部材63は、情報処理装置20を保持可能に構成されている。このとき、情報処理装置20は、たとえば、突起部材63に固定される固定部22を有している。突起部材63および固定部22は、たとえば、互いに係合可能な鉤形状を有している。突起部材63は、たとえば、フックまたはホック等である。取付状態では、情報処理装置20の固定部22が突起部材63に係合されることにより、情報処理装置20が寝具用センサ10に保持される。
【0053】
たとえば、ユーザーが、突起部材63に情報処理装置20の固定部21を係合させることにより、情報処理装置20が取付状態となる。ユーザーが、取付状態の情報処理装置20の固定部21を、突起部材63から外すことにより、離間状態となる。
【0054】
上記変形例2に係るセンサシステム2Aでも、上記第2実施形態で説明したのと同様に、情報処理装置20が、取付状態および離間状態を相互にとり得るので、寝具40の形状、機構または使用状況等に応じて、ユーザーは、取付状態および離間状態を容易に変更することができる。よって、様々なタイプの寝具40にセンサシステム2Aを配置することが可能となる。
【0055】
<変形例3>
図14は、変形例3に係るセンサシステム2Bの断面(YZ断面)構成の一例を、寝具40とともに表している。このセンサシステム2Bでは、寝具用センサ10の第2面S2に筐体64が設けられている。情報処理装置20は、この筐体64によって、寝具用センサ10に取り付けられる。即ち、ここでは、筐体64が本発明の取付具の一具体例に対応する。この点を除き、このセンサシステム2Bは、上記第2実施形態で説明したセンサシステム2と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。
【0056】
筐体64は、情報処理装置20を収容可能に構成されている。筐体64は、たとえば、情報処理装置20の一部を覆い、情報処理装置20を収容する。たとえば、筐体64は、情報処理装置20の一方の主面から他方の主面の外周部までを覆い、他方の主面の中央部を露出させる。筐体64は、情報処理装置20の全面を覆っていてもよい。筐体64は、たとえば、樹脂材料等の可撓性材料により構成されている。筐体64は、たとえば、接着剤(図示せず)等により、第2面S2に固着されている。取付状態では、たとえば、情報処理装置20が筐体64に収容されることにより、情報処理装置20が寝具用センサ10に保持される。
【0057】
たとえば、ユーザーが、筐体64に情報処理装置20を収容させることにより、情報処理装置20が取付状態となる。ユーザーが、取付状態の情報処理装置20を、筐体64から出すことにより、情報処理装置20が離間状態となる。
【0058】
上記変形例3に係るセンサシステム2Bでも、上記第1実施形態で説明したのと同様に、情報処理装置20が、取付状態および離間状態を相互にとり得るので、寝具40の形状、機構または使用状況等に応じて、ユーザーは、取付状態および離間状態を容易に変更することができる。よって、様々なタイプの寝具40にセンサシステム2Bを配置することが可能となる。
【0059】
<変形例4>
図15は、変形例4に係るセンサシステム2Cの平面(XY平面)構成の一例を表している。このセンサシステム2Cでは、寝具用センサ10の第2面S2に支持部材65が設けられている。情報処理装置20は、この支持部材65によって、寝具用センサ10に取り付けられる。即ち、ここでは、支持部材65が、本発明の取付具の一具体例に対応する。この点を除き、このセンサシステム2Cは、上記第2実施形態で説明したセンサシステム2と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。
【0060】
支持部材65は、寝具用センサ10の第2面S2に設けられており、情報処理装置20を支持可能に構成されている。支持部材65は、たとえば、複数の帯状部材を含んでおり、複数の帯状部材各々の両端は、固定具65Fによって、寝具用センサ10の第2面S2に固着されている。複数の帯状部材は、たとえば、弾性材料により構成されている。支持部材65には、たとえば、ゴムバンド等を用いることができる。取付状態では、たとえば、情報処理装置20が、支持部材65に支持されることにより、情報処理装置20が寝具用センサ10に保持される。
【0061】
たとえば、ユーザーが、支持部材65と寝具用センサ10の第2面S2との間に情報処理装置20を置き、支持部材65に情報処理装置20を支持させることにより、情報処理装置20が取付状態となる。ユーザーが、支持部材65と寝具用センサ10の第2面S2との間から取付状態の情報処理装置20を出すことにより、情報処理装置20が離間状態となる。
【0062】
上記変形例4に係るセンサシステム2Cでも、上記第1実施形態で説明したのと同様に、情報処理装置20が、取付状態および離間状態を相互にとり得るので、寝具40の形状、機構または使用状況等に応じて、ユーザーは、取付状態および離間状態を容易に変更することができる。よって、様々なタイプの寝具40にセンサシステム2Cを配置することが可能となる。
【0063】
<第3実施形態>
図16は、第3実施形態に係るセンサシステム3の断面(YZ断面)構成の一例を、寝具40とともに表している。このセンサシステム3では、取付状態の情報処理装置20が、寝具用センサ10の第1面S1と第2面S2との間に取り付けられる。この点を除き、このセンサシステム3は、上記第1実施形態で説明したセンサシステム1と同様の構成を有し、同様の作用効果を奏する。
【0064】
図17は、図16に示したセンサシステム3の他の状態を表している。たとえば、このセンサシステム1の収容部12には、情報処理装置20を受け入れ可能な開口12Mが設けられている。センサシステム1は、この開口12Mを開閉可能に構成された開閉部材66を有しており、取付状態の情報処理装置20は、開閉部材66によって、寝具用センサ10の第1面S1と第2面S2との間に取り付けられる(図16)。開閉部材66は、たとえば、チャック、ファスナー、ジッパー、ボタン、バックルまたはベルト等により構成されている。ここでは、開閉部材66が、本発明の取付具の一具体例に対応する。
【0065】
このセンサシステム3では、たとえば、ユーザーが開口12Mから寝具用センサ10の第1面S1と第2面S2との間に情報処理装置20を入れ、開閉部材66を用いて開口12Mを閉じることにより、情報処理装置20が取付状態となる。ユーザーが、開閉部材66を用いて開けた開口12Mから、取付状態の情報処理装置20を出すことにより、離間状態となる。
【0066】
第3実施形態に係るセンサシステム3でも、上記第1実施形態で説明したのと同様に、情報処理装置20が、取付状態および離間状態を相互にとり得るので、寝具40の形状、機構または使用状況等に応じて、ユーザーは、取付状態および離間状態を容易に変更することができる。よって、様々なタイプの寝具40にセンサシステム3を配置することが可能となる。
【0067】
以上、実施形態および変形例を用いて、本発明のセンサシステムおよびセンサ構造について説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができる。たとえば、上記実施形態等で説明したセンサシステムおよびセンサ構造の各部の構成、形状および大きさ等は一例であり、他の構成、形状および大きさ等であってもよい。
【0068】
たとえば、上記実施形態等では、取付具について、具体的な例を挙げて説明したが、取付具は、取付状態および離間状態を取り得るように、情報処理装置20を寝具用センサ10に取り付けることができるものであればよい。
【0069】
また、上記実施形態等では、取付状態の情報処理装置20が、寝具用センサ10の第1面S1、第2面S2または第1面S1と第2面S2との間に取り付けられる例について説明したが、取付状態の情報処理装置20は、寝具用センサ10の他の部分に取り付けられていてもよい。
【0070】
図18は、取付状態の情報処理装置20の一例を表している。このように、取付状態の情報処理装置20が、寝具用センサ10の第1面S1と第2面S2とをつなぐ面に取り付けられていてもよい。
【0071】
また、上記実施形態等では、寝具用センサ10が略矩形の平面形状を有する例を説明したが、寝具用センサ10は正方形および楕円等の他の平面形状を有していてもよい。
【0072】
また、上記実施形態等では、寝具用センサ10の第1面S1側に被検者が乗って、寝具用センサ10が被検者の生体情報を取得する例について説明したが、寝具用センサ10は、第2面S2側に乗った被検者の生体情報を取得してもよい。
【0073】
また、上記実施形態等では、センサシステム1等が、接続部材30を有する例を説明したが、検知部11と情報処理装置20とが無線接続されていてもよく、センサシステム1等は、接続部材30を有していなくてもよい。このとき、離間状態の情報処理装置20は、接続部材30によって、寝具用センサ10と接続されていなくてもよい。
【0074】
また、上記実施形態等では、取付状態の情報処理装置20が、収容部12に取り付けられる例について説明したが、取付状態の情報処理装置20は、寝具用センサ10の検知部11に取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,1A,2,2A,2B,2C,3 センサシステム、
10 寝具用センサ、
11 検知部、
12 収容部、
12G 溝部、
12M 開口、
20 情報処理装置、
201 CPU、
202 ROM、
203 RAM、
204 ストレージ、
205 通信インターフェース、
206 操作部、
207 検出部、
21 固定部、
30 接続部材、
40 寝具、
50 板状部材、
51 平板部、
52 ツメ部、
61 第1接着部材、
62a,62b,62c,62d 第2接着部材、
63 突起部材、
64 筐体、
65 支持部材、
65F 固定部材、
66 開閉部材、
S1 第1面、
S2 第2面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18