(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126762
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電気化学反応単セル
(51)【国際特許分類】
H01M 4/86 20060101AFI20240912BHJP
C25B 1/042 20210101ALI20240912BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20240912BHJP
C25B 9/70 20210101ALI20240912BHJP
C25B 9/23 20210101ALI20240912BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20240912BHJP
【FI】
H01M4/86 U
C25B1/042
C25B9/00 A
C25B9/70
C25B9/23
H01M8/12 101
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035374
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】519322392
【氏名又は名称】森村SOFCテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 暁
【テーマコード(参考)】
4K021
5H018
5H126
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021CA09
4K021DA09
4K021DB40
4K021DB53
4K021DC01
4K021DC03
5H018AA06
5H018AS03
5H018EE13
5H018HH05
5H126BB06
(57)【要約】
【課題】電気化学反応単セルにおいて、空気極と電解質層との剥離を抑制し、かつ、反応性を向上する。
【解決手段】電気化学反応単セルは、電解質層と、電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極と、を備える。空気極は、ABO
3で表されるペロブスカイト型酸化物を含有する第1の領域と、第1の領域と電解質層との間に位置し、ABO
3で表されるペロブスカイト型酸化物を含有する第2の領域と、を有する。ペロブスカイト型酸化物におけるBサイトに含まれる元素のモル数に対するAサイトに含まれる元素のモル数の比であるA/B比について、第2の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、第1の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数よりも大きい。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質層と、前記電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極と、を備える電気化学反応単セルであって、
前記空気極は、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物を含有する第1の領域と、前記第1の領域と前記電解質層との間に位置し、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物を含有する第2の領域と、を有する、電気化学反応単セルにおいて、
ペロブスカイト型酸化物におけるBサイトに含まれる元素のモル数に対するAサイトに含まれる元素のモル数の比であるA/B比について、前記第2の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、前記第1の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数よりも大きい、
ことを特徴とする、電気化学反応単セル。
【請求項2】
請求項1に記載の電気化学反応単セルであって、
前記第2の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、0.10以上である、
ことを特徴とする、電気化学反応単セル。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の電気化学反応単セルであって、
前記第2の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、0.25以下である、
ことを特徴とする、電気化学反応単セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、電気化学反応単セルに関する。
【背景技術】
【0002】
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の1つとして、固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という。)が知られている。SOFCは、燃料電池単セル(以下、「単セル」という。)を備える。単セルは、電解質層と、電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極と、を備える。空気極は、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物を含有している。
【0003】
SOFCには、高い反応性(発電性能)と、長時間にわたって反応性を維持できる耐久性能とが要求される。SOFCの耐久性能の低下の要因の1つとして、空気極と電解質層との密着性を長時間にわたって安定的に確保することが難しいことが挙げられる。具体的には、空気極は、供給された酸素ガスの反応場であるため、酸素ガスの消費が起こりやすい。酸素ガスが消費され、酸素分圧が低下すると、空気極に含まれるペロブスカイト型酸化物の結晶構造が不安定となる。その結果、ペロブスカイト型酸化物の分解が進行し、ひいては、空気極と電解質層との剥離を引き起こすと考えられている。
【0004】
上記のような課題に対し、従来、ペロブスカイト型酸化物のBサイトに含まれる金属のモル数に対するペロブスカイト型酸化物のAサイトに含まれる金属のモル数の比率をA/B比としたとき、粒子間で異なるA/B比を有するペロブスカイト型酸化物を含む空気極材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
空気極に含まれるペロブスカイト型酸化物は、A/B比が1.0に近いほど結晶構造が安定し、高い反応性を示すことが知られている。従って、上記従来技術の空気極材料を空気極全体に適用し、空気極全体において粒子間のA/B比を変えた(すなわち、A/B比のばらつきを大きくした)場合、反応性が低下し、耐久性能と反応性とを両立することができなくなるおそれがある。
【0007】
なお、このような課題は、例えば、水の電気分解反応を利用して酸素と水素を生成する電解単セル(以下、「SOEC」という。)にも共通の課題である。なお、本明細書では、燃料電池単セルと電解単セルとをまとめて電気化学反応単セルと呼び、燃料電池発電単位と電解セル単位とをまとめて電気化学反応単位と呼び、燃料電池スタックと電解セルスタックとをまとめて電気化学反応セルスタックと呼ぶ。また、このような課題は、SOFCやSOECに限らず、他のタイプの電気化学反応セルスタック等の種々の電気化学反応装置にも共通の課題である。
【0008】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0010】
(1)本明細書に開示される電気化学反応単セルは、電解質層と、前記電解質層を挟んで互いに対向する空気極および燃料極と、を備える。前記空気極は、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物を含有する第1の領域と、前記第1の領域と前記電解質層との間に位置し、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物を含有する第2の領域と、を有する。ペロブスカイト型酸化物におけるBサイトに含まれる元素のモル数に対するAサイトに含まれる元素のモル数の比であるA/B比について、前記第2の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、前記第1の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数よりも大きい。
【0011】
電気化学反応単セルの空気極では、酸素分圧が低下すると、空気極に含まれるペロブスカイト型酸化物の分解が進行することにより、空気極が電解質層から剥離しやすい状態となる。このような課題に対し、ペロブスカイト型酸化物におけるBサイトに含まれる元素のモル数に対するAサイトに含まれる元素のモル数の比であるA/B比の変動係数が大きい(すなわち、A/B比のばらつきが大きい)ほど、各構成元素の拡散が起こりやすい状態となり、拡散接合による接合強度が向上することによって空気極と電解質層との剥離が抑制される。一方で、ペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数が大きいほど、各構成元素がペロブスカイト構造を取りにくくなるため、反応性が低下するという課題がある。本電気化学反応単セルでは、酸素分圧が低下しやすい第2の領域のA/B比の変動係数は、酸素分圧が低下しにくい第1の領域のA/B比の変動係数よりも比較的大きい。そのため、A/B比のばらつきが空気極の全体で一定である構成と比較して、空気極と電解質層との剥離を抑制しつつ、かつ、反応性を向上することができる。従って、本電気化学反応単セルによれば、耐久性能を向上し、かつ、反応性を向上することができる。
【0012】
(2)上記電気化学反応単セルにおいて、前記第2の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、0.10以上である構成としてもよい。本構成によれば、空気極における第2の領域のペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数が0.10以上であるため、空気極と電解質層との剥離を抑制し、耐久性能をより効果的に向上することができる。
【0013】
(3)上記電気化学反応単セルにおいて、前記第2の領域に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、0.25以下である構成としてもよい。本構成によれば、空気極における第2の領域のペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数が0.25以下であるため、反応性をより効果的に向上することができる。
【0014】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電気化学反応単セル、複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図
【
図2】
図1のII-IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図
【
図3】
図1のIII-IIIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図
【
図4】
図1のIV-IVの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図
【
図5】
図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図
【
図6】
図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図
【
図7】
図4に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図
【
図8】
図5のX1部のXZ断面構成を拡大して示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.実施形態:
A-1.燃料電池スタック100の構成:
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、
図2は、
図1のII-IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、
図3は、
図1のIII-IIIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、
図4は、
図1のIV-IVの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は、実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
【0017】
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)燃料電池発電単位(以下、単に「発電単位」という。)102と、一対のターミナルプレート410,420と、一対の電流線414,424と、末端セパレータ210と、下端プレート189と、絶縁部200と、上端プレート220と、一対のエンドプレート104,106とを備える。
【0018】
7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。一対のターミナルプレート410,420のうちの一方(以下、「上側ターミナルプレート410」という。)は、7つの発電単位102から構成される集合体(以下、「発電ブロック103」という。)の上側に配置されており、一対のターミナルプレート410,420のうちの他方(以下、「下側ターミナルプレート420」という。)は、発電ブロック103の下側に配置されている。末端セパレータ210は、上側ターミナルプレート410の上側に配置されており、下端プレート189は、下側ターミナルプレート420の下側に配置されている。絶縁部200は、末端セパレータ210の上側に配置されている。一対のエンドプレート104,106のうちの一方(以下、「上側エンドプレート104」という。)は、絶縁部200の上側に配置されており、一対のエンドプレート104,106のうちの他方(以下、「下側エンドプレート106」という。)は、下端プレート189の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106は、発電ブロック103と、ターミナルプレート410,420と、末端セパレータ210と、下端プレート189と、絶縁部200とを上下から挟むように配置されている。
【0019】
図1および
図4に示すように、燃料電池スタック100を構成する各層(発電ブロック103、ターミナルプレート410,420、末端セパレータ210、下端プレート189、絶縁部200、および、エンドプレート104,106)のZ軸方向回りの外周の4つの角部付近には、各層を上下方向に貫通する孔が形成されている。これらの各層に形成された互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、上下方向に延びるボルト孔109を構成している。以下の説明では、ボルト孔109を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、ボルト孔109と呼ぶ場合がある。
【0020】
各ボルト孔109にはボルト22が挿入されている。各ボルト22の上端部は、上側エンドプレート104の孔を介してナット24のネジ孔に螺合しており、各ボルト22の下端部は、下側エンドプレート106の孔を介してナット24のネジ孔に螺合している。このような構成のボルト22およびナット24により、燃料電池スタック100の各層が一体に締結されている。
【0021】
また、
図1から
図3に示すように、燃料電池スタック100を構成する各層(各発電単位102、下側ターミナルプレート420、下端プレート189、下側エンドプレート106)のZ軸方向回りの周縁部には、各層を上下方向に貫通する4つの孔が形成されており、各層に形成された互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、最上部の発電単位102から下側エンドプレート106にわたって上下方向に延びる連通孔108を構成している。以下の説明では、連通孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、連通孔108と呼ぶ場合がある。なお、以下、連通孔108のうち、下側エンドプレート106に形成された孔を、特にエンド貫通孔107という。
【0022】
図1および
図2に示すように、燃料電池スタック100のZ軸方向回りの外周を構成する1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の付近に位置する1つの連通孔108は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102の後述する空気室166に供給するガス流路である空気極側ガス供給マニホールド161として機能し、該辺の反対側の辺の付近に位置する1つの連通孔108は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へ排出するガス流路である空気極側ガス排出マニホールド162として機能する。なお、酸化剤ガスOGとしては、例えば空気が使用される。
【0023】
また、
図1および
図3に示すように、燃料電池スタック100のZ軸方向回りの外周を構成する辺の内、上述した空気極側ガス供給マニホールド161として機能する連通孔108に最も近い辺の付近に位置する他の1つの連通孔108は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102の後述する燃料室176に供給するガス流路である燃料極側ガス供給マニホールド171として機能し、上述した空気極側ガス排出マニホールド162として機能する連通孔108に最も近い辺の付近に位置する他の1つの連通孔108は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へ排出するガス流路である燃料極側ガス排出マニホールド172として機能する。なお、燃料ガスFGとしては、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
【0024】
図1から
図3に示すように、燃料電池スタック100には、4つのガス通路部材27が設けられている。各ガス通路部材27は、例えば金属により形成され、中空筒状の本体部28とフランジ部29とを有している。本体部28には、上下方向に貫通するガス貫通孔26が形成されている。本体部28の上端は、下側エンドプレート106に形成されたエンド貫通孔107内に挿入され、例えば溶接により接合されている。フランジ部29は、本体部28の下端側から上下方向に垂直な面方向に張り出すように設けられている。フランジ部29の上下方向視での形状は略矩形状であり、フランジ部29の4つの角部のそれぞれにはボルト孔29A(
図1参照)が形成されている。各ボルト孔29Aには、燃料電池スタック100を外部装置に接続するためのボルト(図示せず)が挿入される。
【0025】
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、Z軸方向視での外形が略矩形の平板状の部材であり、例えば金属により形成されている。一対のエンドプレート104,106の中央付近には、それぞれ、Z軸方向に貫通する孔32,34が形成されている。Z軸方向視で、一対のエンドプレート104,106のそれぞれに形成された孔32,34の内周線は、後述する各単セル110の少なくとも一部を内包している。各ボルト22および各ナット24による締結によって生じるZ軸方向の圧縮力は、主として各発電単位102の周縁部(後述する各単セル110より外周側の部分)に作用する。
【0026】
(ターミナルプレート410,420および電流線414,424の構成)
一対のターミナルプレート410,420は、Z軸方向視での外形が略矩形の平板状の部材であり、導電材料により形成されている。上側ターミナルプレート410の中央付近には、Z軸方向に貫通する孔412が形成されている。Z軸方向視で、上側ターミナルプレート410に形成された孔412の内周線は、後述する各単セル110の少なくとも一部を内包している。Z軸方向視で、一対のターミナルプレート410,420のそれぞれの一方側の端部は、発電ブロック103から側方に張り出している。ターミナルプレート410,420のそれぞれの上面には、溶接部415,425を介して電流線414,424が接続されている。電流線414,424は、平板状の部材であり、導電材料により形成されている。電流線414,424のうち、上側にある上側電流線414は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側にある下側電流線424は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
【0027】
(上端プレート220の構成)
上端プレート220は、Z軸方向視での外形が略矩形の平板状の部材であり、導電材料により形成されている。上端プレート220は、発電ブロック103の上側に配置されており、発電ブロック103における上端に位置するインターコネクタ190(後述)に電気的に接続されている。本実施形態では、上端プレート220とインターコネクタ190とは、後述の燃料極側集電部材144と同一構造の接続部材を介して電気的に接続されている。
【0028】
(末端セパレータ210の構成)
末端セパレータ210は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の貫通孔211が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。末端セパレータ210における貫通孔211を取り囲む部分(以下、「貫通孔周囲部」という。)は、上端プレート220の周囲部における上側の表面に例えば溶接により接合されている。末端セパレータ210は、上端プレート220と発電ブロック103との間の空間と燃料電池スタック100の外部空間とを区画する。
【0029】
末端セパレータ210は、末端セパレータ210の貫通孔周囲部を含む内側部216と、内側部216より外周側に位置する外側部217と、内側部216と外側部217とを連結する連結部218とを備える。本実施形態では、内側部216および外側部217は、Z軸方向に略直交する方向に延びる略平板状である。また、連結部218は、内側部216と外側部217との両方に対して下側に突出するように湾曲した形状である。すなわち、連結部218は、下側に凸、かつ、上側に凹な形状である。連結部218は、Z軸方向における位置が内側部216および外側部217とは異なる部分を含んでいる。
【0030】
(下端プレート189の構成)
下端プレート189は、Z軸方向視での外形が略矩形の平板状の部材であり、例えば絶縁材料により形成されている。下端プレート189の周縁部は、下側ターミナルプレート420と下側エンドプレート106との間に挟み込まれており、これにより、下側ターミナルプレート420と下側エンドプレート106との絶縁性が確保されている。
【0031】
(絶縁部200の構成)
絶縁部200は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の貫通孔が形成されたフレーム状の部材であり、例えば絶縁材料により形成されている。絶縁部200は、上側エンドプレート104と末端セパレータ210との間に挟み込まれており、これにより、上側エンドプレート104と末端セパレータ210との絶縁性が確保されている。
【0032】
(発電単位102の構成)
図5は、
図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、
図6は、
図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、
図7は、
図4に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
【0033】
図5から
図7に示すように、発電単位102は、燃料電池単セル(以下、「単セル」という。)110と、単セル用セパレータ120と、空気極側フレーム130と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電部材144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ190および一対のIC用セパレータ180とを備えている。単セル用セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、IC用セパレータ180におけるZ軸方向回りの周縁部には、各マニホールド161,162,171,172として機能する各連通孔108を構成する孔と、各ボルト孔109を構成する孔とが形成されている。単セル110は、特許請求の範囲における電気化学反応単セルの一例である。
【0034】
単セル110は、電解質層112と、電解質層112の上側に配置された空気極114と、電解質層112の下側に配置された燃料極116とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で単セル110を構成する他の層(電解質層112、空気極114)を支持する燃料極支持型の単セルである。
【0035】
電解質層112は、Z軸方向視で略矩形の平板状の部材であり、固体酸化物(例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア))を含むように構成されている。すなわち、本実施形態の単セル110は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。空気極114は、Z軸方向視で電解質層112より小さい略矩形の平板状の部材であり、例えばペロブスカイト型酸化物(例えば、LSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物))を含むように構成されている。空気極114の詳細な構成については、後述する。燃料極116は、Z軸方向視で電解質層112と略同じ大きさの略矩形の平板状の部材であり、例えば、Ni(ニッケル)、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金等により形成されている。
【0036】
単セル用セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の貫通孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。単セル用セパレータ120における貫通孔121を取り囲む部分(以下、「貫通孔周囲部」という。)は、単セル110(電解質層112)の周縁部における上側の表面に対向している。単セル用セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、単セル110と接合されている。単セル用セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画される。
【0037】
単セル用セパレータ120は、単セル用セパレータ120の貫通孔周囲部を含む内側部126と、内側部126より外周側に位置する外側部127と、内側部126と外側部127とを連結する連結部128とを備える。本実施形態では、内側部126および外側部127は、Z軸方向に略直交する方向に延びる略平板状である。また、連結部128は、内側部126と外側部127との両方に対して下側に突出するように湾曲した形状である。すなわち、連結部128は、下側に凸、かつ、上側に凹な形状である。換言すれば、連結部128は、単セル用セパレータ120により区画される空気室166および燃料室176のうちの空気室166側に凹な形状である。連結部128は、Z軸方向における位置が内側部126および外側部127とは異なる部分を含んでいる。
【0038】
単セル用セパレータ120における貫通孔121付近には、ガラスを含むガラスシール部125が配置されている。ガラスシール部125は、接合部124に対して空気室166側に位置しており、単セル用セパレータ120の貫通孔周囲部の表面と、単セル110(本実施形態では電解質層112)の表面との両方に接触するように形成されている。ガラスシール部125により、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリーク(クロスリーク)が効果的に抑制される。
【0039】
インターコネクタ190は、略矩形の平板状の平板部150と、平板部150から空気極114側に突出した複数の略柱状の空気極側集電部134とを有する導電性の部材であり、金属(例えば、フェライト系ステンレス)により形成されている。本実施形態では、インターコネクタ190の表面(空気室166に面する表面)に、例えばスピネル型酸化物により構成された導電性の被覆層194が形成されている。以下では、被覆層194に覆われたインターコネクタ190を、単にインターコネクタ190という。インターコネクタ190の各空気極側集電部134は、例えばスピネル型酸化物により構成された導電性接合材196を介して、単セル110の空気極114に接合されており、これにより単セル110の空気極114に電気的に接続されている。インターコネクタ190は、発電単位102間の電気的導通を確保するとともに、発電単位102間での反応ガスの混合を抑制する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ190は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ190は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ190と同一部材である。また、燃料電池スタック100は下側ターミナルプレート420および下端プレート189を備えているため、燃料電池スタック100において最も下側に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ190を備えていない(
図2から
図4参照)。
【0040】
IC用セパレータ180は、中央付近に上下方向に貫通する略矩形の貫通孔181が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。IC用セパレータ180における貫通孔181を取り囲む部分(以下、「貫通孔周囲部」という。)は、インターコネクタ190の平板部150の周縁部における上側の表面に例えば溶接により接合されている。ある発電単位102に含まれる一対のIC用セパレータ180のうち、上側のIC用セパレータ180は、該発電単位102の空気室166と、該発電単位102に対して上側に隣り合う他の発電単位102の燃料室176とを区画する。また、ある発電単位102に含まれる一対のIC用セパレータ180のうち、下側のIC用セパレータ180は、該発電単位102の燃料室176と、該発電単位102に対して下側に隣り合う他の発電単位102の空気室166とを区画する。このように、IC用セパレータ180により、発電単位102の周縁部における発電単位102間のガスのリークが抑制される。なお、燃料電池スタック100において最も上側に位置する発電単位102の上側のインターコネクタ190に接合されたIC用セパレータ180は、上側ターミナルプレート410に電気的に接続されている。
【0041】
IC用セパレータ180は、IC用セパレータ180の貫通孔周囲部を含む内側部186と、内側部186より外周側に位置する外側部187と、内側部186と外側部187とを連結する連結部188とを備える。本実施形態では、内側部186および外側部187は、Z軸方向に略直交する方向に延びる略平板状である。また、連結部188は、内側部186と外側部187との両方に対して下側に突出するように湾曲した形状である。すなわち、連結部188は、下側に凸、かつ、上側に凹な形状である。連結部188は、Z軸方向における位置が内側部186および外側部187とは異なる部分を含んでいる。
【0042】
空気極側フレーム130は、中央付近にZ軸方向に貫通する略矩形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130の孔131は、空気極114に面する空気室166を画定する。空気極側フレーム130は、単セル用セパレータ120の周縁部における上側の表面と、上側のIC用セパレータ180の周縁部における下側の表面とに接触しており、両者の間のガスシール性(すなわち、空気室166のガスシール性)を確保するシール部材として機能する。また、空気極側フレーム130によって、発電単位102に含まれる一対のIC用セパレータ180の間(すなわち、一対のインターコネクタ190の間)が電気的に絶縁される。また、空気極側フレーム130には、空気極側ガス供給マニホールド161と空気室166とを連通する空気極側ガス供給連通孔132と、空気室166と空気極側ガス排出マニホールド162とを連通する空気極側ガス排出連通孔133とが形成されている。
【0043】
燃料極側フレーム140は、中央付近にZ軸方向に貫通する略矩形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140の孔141は、燃料極116に面する燃料室176を画定する。燃料極側フレーム140は、単セル用セパレータ120の周縁部における下側の表面と、下側のIC用セパレータ180の周縁部における上側の表面とに接触している。また、燃料極側フレーム140には、燃料極側ガス供給マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料極側ガス供給連通孔142と、燃料室176と燃料極側ガス排出マニホールド172とを連通する燃料極側ガス排出連通孔143とが形成されている。
【0044】
燃料極側集電部材144は、燃料室176内に配置されている。燃料極側集電部材144は、インターコネクタ対向部146と、電極対向部145と、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。電極対向部145は、燃料極116の下側の表面に接触しており、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ190の平板部150の上側の表面に接触している。ただし、上述したように、燃料電池スタック100において最も下側に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ190を備えていないため、該発電単位102における燃料極側集電部材144のインターコネクタ対向部146は、下側ターミナルプレート420に接触している。燃料極側集電部材144は、このような構成であるため、燃料極116とインターコネクタ190(または下端プレート189)とを電気的に接続する。なお、燃料極側集電部材144の電極対向部145とインターコネクタ対向部146との間には、例えばマイカにより形成されたスペーサー149が配置されている。そのため、燃料極側集電部材144が温度サイクルや反応ガス圧力変動による発電単位102の変形に追随し、燃料極側集電部材144を介した燃料極116とインターコネクタ190(または下側ターミナルプレート420)との電気的接続が良好に維持される。燃料極側集電部材144は、例えば、平板状の材料(例えば、厚さが10~200μmのニッケル箔)に複数の矩形の切り込みを入れ、複数の矩形部分を曲げ起こしてスペーサー149を挟むように加工することにより作製される。曲げ起こされた各矩形部分が電極対向部145となり、曲げ起こされた部分以外の穴が開いた状態の平板部分がインターコネクタ対向部146となり、電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ部分が連接部147となる。
【0045】
A-2.空気極114とその周辺部分の詳細構成:
次に、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各単セル110における空気極114とその周辺部分の詳細構成について説明する。
図8は、
図5のX1部のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。
図8には、導電性接合材196の一部と、空気極114の一部と、電解質層112の一部と、燃料極116の一部とが示されている。
【0046】
図8に示すように、本実施形態では、空気極114は、集電層240と、集電層240と電解質層112との間に配置された機能層230とから構成されている。集電層240と機能層230とには、気孔が形成されている。機能層230の気孔率は、集電層240の気孔率よりも小さい。機能層230の上方側の表面に、集電層240が接合されている。集電層240は、特許請求の範囲における第1の領域の一例である。機能層230は、特許請求の範囲における第2の領域の一例である。
【0047】
機能層230は、主として、酸化剤ガスOGに含まれる酸素のイオン化反応の場として機能する層であり、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物(本実施形態では、LSCF。以下、「第1の材料」という。)と、酸素イオン導電体である希土類元素ドープ酸化セリウム(本実施形態では、GDC。以下、「第2の材料」という。)とを含むように構成されている。なお、LSCFは、Aイオンが希土類元素およびアルカリ土類元素であり、かつ、Bイオンが第4周期遷移元素であるペロブスカイト型酸化物に該当する。機能層230における第1の材料(LSCF)の含有率は、10vol%以上であることが好ましく、30vol%以上であることがさらに好ましい。機能層230の厚さは、例えば、5-20μm程度である。
【0048】
なお、機能層230に含有される第1の材料として、LSCF以外のペロブスカイト型酸化物を採用してもよく、Aイオンがアルカリ土類金属であり、かつ、Bイオンが第4周期遷移元素であるペロブスカイト型酸化物(例えば、LSC(ランタンストロンチウムコバルト酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄酸化物))を採用してもよい。また、機能層230に含有される第2の材料として希土類元素ドープ酸化セリウムに換えて、または加えて、希土類元素ドープ酸化ジルコニウム(例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア))を採用してもよい。
【0049】
集電層240は、主として、空気室166から供給された酸化剤ガスOGを拡散させるとともに、発電反応により得られた電気を集電する場として機能する層であり、例えば、機能層230に含まれる第1の材料と同じであって、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物の1つであるLSCFを含むように構成されている。集電層240におけるLSCFの含有率は、機能層230におけるLSCFの含有率よりも多く、80vol%以上であることが好ましく、90vol%以上であることがさらに好ましい。集電層240の厚さは、例えば、50-100μm程度である。
【0050】
なお、集電層240に含有されるペロブスカイト型酸化物として、Aイオンがアルカリ土類金属であり、かつ、Bイオンが第4周期遷移元素であるLSCF以外のペロブスカイト型酸化物(例えば、LSC、LSM、LNF)を採用してもよい。
【0051】
本実施形態の燃料電池スタック100では、集電層240および機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物におけるBサイトに含まれる元素のモル数に対するAサイトに含まれる元素のモル数の比であるA/B比について、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、集電層240に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数よりも大きい。A/B比の変動係数とは、集電層240または機能層230のそれぞれに含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の標準偏差を、A/B比の平均値で除した値であり、換言すれば、A/B比のばらつきを示す値である。すなわち、燃料電池スタック100では、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比のばらつきは、集電層240に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比のばらつきよりも大きい。また、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、0.10以上である。また、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、0.25以下である。
【0052】
A-3.燃料電池スタック100の動作:
図2および
図5に示すように、空気極側ガス供給マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27のガス貫通孔26を介して空気極側ガス供給マニホールド161に供給され、空気極側ガス供給マニホールド161から各発電単位102の空気極側ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。また、
図3および
図6に示すように、燃料極側ガス供給マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27のガス貫通孔26を介して燃料極側ガス供給マニホールド171に供給され、燃料極側ガス供給マニホールド171から各発電単位102の燃料極側ガス供給連通孔142を介して、燃料室176に供給される。
【0053】
各発電単位102の空気室166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料室176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料ガスFGの電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。各発電単位102において、単セル110の空気極114は上側のインターコネクタ190に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電部材144を介して下側のインターコネクタ190(または、下端プレート189)に電気的に接続されている。すなわち、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。また、最も上側に位置する発電単位102の上側のインターコネクタ190およびIC用セパレータ180は、上側ターミナルプレート410に電気的に接続されており、最も下側に位置する発電単位102の燃料極側集電部材144には、下側ターミナルプレート420が電気的に接続されている。そのため、ターミナルプレート410,420と電気的に接続され、燃料電池スタック100の出力端子として機能する電流線414,424から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば600℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
【0054】
図2および
図5に示すように、各発電単位102の空気室166から空気極側ガス排出連通孔133を介して空気極側ガス排出マニホールド162に排出された酸化剤オフガスOOGは、空気極側ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28のガス貫通孔26を経て、当該本体部28に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。また、
図3および
図6に示すように、各発電単位102の燃料室176から燃料極側ガス排出連通孔143を介して燃料極側ガス排出マニホールド172に排出された燃料オフガスFOGは、燃料極側ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28のガス貫通孔26を経て、当該本体部28に接続されたガス配管(図示しない)を介して燃料電池スタック100の外部に排出される。
【0055】
A-4.単セル110の製造方法:
本実施形態の単セル110の製造方法は、例えば以下の通りである。
【0056】
(電解質層112と燃料極116との積層体の形成)
YSZ粉末に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるジオクチルフタレート(DOP)と、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、例えば厚さ約10μmの電解質層用グリーンシートを得る。また、NiOの粉末をNi重量に換算して55質量部となるように秤量し、YSZの粉末45質量部と混合して混合粉末を得る。この混合粉末に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエンとエタノールとの混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調製する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、例えば厚さ270μmの燃料極用グリーンシートを得る。電解質層用グリーンシートと燃料極用グリーンシートとを貼り付けて、乾燥させる。その後、例えば1400℃にて焼成を行うことによって、電解質層112と燃料極116との積層体を得る。
【0057】
(空気極114の形成)
粉砕したLSCF粉末と、GDC粉末と、アルミナ粉末と、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを混合し、粘度を調整して、空気極機能層用ペーストを調製する。この際に混合されるLSCF粉末とGDC粉末との重量比は、例えば1:1である。次に、得られた空気極機能層用ペーストを、上述した電解質層112と燃料極116との積層体における電解質層112の表面にスクリーン印刷によって塗布し、乾燥させる。
【0058】
また、LSCF粉末と、アルミナ粉末と、有機バインダとしてのポリビニルアルコールと、有機溶媒としてのブチルカルビトールとを混合した混合粉末を作製し、粘度を調整して、空気極集電層用ペーストを調製する。次に、得られた空気極集電層用ペーストを、上述した空気極機能層ペーストの上にスクリーン印刷によって塗布し、乾燥させる。その後、所定の温度(例えば、1000℃)で所定時間(例えば、3時間)、焼成を行う。焼成により、空気極114の機能層230および集電層240が形成される。以上の工程により、上述した構成の単セル110が製造される。なお、機能層230に含有される第1の材料として、LSCF以外のペロブスカイト型酸化物を採用する場合や、第2の材料として、希土類元素ドープ酸化セリウムに換えて、または加えて、希土類元素ドープ酸化ジルコニウムを採用する場合の製造方法についても基本的には同様である。なお、機能層230および集電層240のペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数の調整は、ペロブスカイト型酸化物のA/B比がそれぞれ異なる複数のLSCF粉末を用意し、それらを適宜混合することによって実施することができる。
【0059】
A-5.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで互いに対向する空気極114および燃料極116と、を備える。単セル110の空気極114は、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物を含有する集電層240と、集電層240と電解質層112との間に位置し、ABO3で表されるペロブスカイト型酸化物を含有する機能層230と、を有する。ペロブスカイト型酸化物におけるBサイトに含まれる元素のモル数に対するAサイトに含まれる元素のモル数の比であるA/B比について、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、集電層240に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数よりも大きい。
【0060】
単セル110の空気極114では、酸素分圧が低下すると、空気極114に含まれるペロブスカイト型酸化物の分解が進行することにより、空気極114が電解質層112から剥離しやすい状態となる。このような課題に対し、ペロブスカイト型酸化物におけるBサイトに含まれる元素のモル数に対するAサイトに含まれる元素のモル数の比であるA/B比の変動係数が大きい(すなわち、A/B比のばらつきが大きい)ほど、各構成元素の拡散が起こりやすい状態となり、拡散接合による接合強度が増大することによって空気極114と電解質層112との剥離が抑制される。一方で、ペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数が大きいほど、各構成元素がペロブスカイト構造を取りにくくなるため、反応性が低下するという課題がある。本実施形態の単セル110では、酸素分圧が低下しやすい機能層230のA/B比の変動係数は、酸素分圧が低下しにくい集電層240のA/B比の変動係数よりも大きい。そのため、A/B比のばらつきが空気極114の全体で一定である構成と比較して、空気極114と電解質層112との剥離を抑制しつつ、かつ、反応性を向上することができる。従って、本実施形態の単セル110によれば、耐久性能を向上し、かつ、反応性を向上することができる。
【0061】
また、本実施形態の単セル110は、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、0.10以上である。本実施形態の単セル110によれば、空気極114における機能層230のA/B比の変動係数が0.10以上であるため、空気極114と電解質層112との剥離を抑制し、耐久性能をより効果的に向上することができる。
【0062】
また、本実施形態の単セル110は、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数は、0.25以下である。本実施形態の単セル110によれば、空気極114における機能層230のA/B比の変動係数が0.25以下であるため、反応性をより効果的に向上することができる。
【0063】
A-6.性能評価:
次に、本実施形態の性能評価について説明する。空気極114に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数が互いに異なる複数の単セル110のサンプルを作製し、当該サンプルを用いて性能評価を行った。表1および表2は、性能評価結果を表している。
【0064】
(単セル110の性能評価用サンプルの作製)
本性能評価では、単セル110の替わりとして、単セル110と基本的な構成(材質等)が同じである複数のボタンセルを用いた。各サンプル(ボタンセル)は、上下方向視で25mmの辺を有する四角形をなす燃料極116と電解質層112とを備える積層体の上に、上下方向視で直径13mmの円形をなす空気極114が形成されたものである。各サンプルは、上述の単セル110の製造方法に倣って作製されたものである。各サンプルにおいて、空気極114の形成の際、A/B比が異なる複数のLSCF粉末を用意し、サンプル毎で各LSCF粉末の混合比率を変えることにより、互いに異なったA/B比の変動係数を有するサンプルを作製した。
【0065】
(機能層230および集電層240のA/B比の変動係数の測定方法)
各サンプルにおける上下方向に平行な任意の断面について、走査型電子顕微鏡(SEM)によって、加速電圧15eVの条件で、20μm×20μmの範囲の画像を取得した。当該範囲を256×256ピクセルに分割し、各ピクセルについて電子線マイクロアナライザ―(EPMA)によって元素マッピングを行うことにより、各ピクセルに含まれる構成元素の濃度(原子濃度)を測定した。各ピクセルに含まれる構成元素の濃度から、Bサイトに含まれる元素(本実施形態では、Co、Fe)のモル数に対するAサイトに含まれる元素(本実施形態では、La、Sr)のモル数の比を求めることによって、ピクセル毎のA/B比を決定した。機能層230および集電層240の各層についての測定範囲に含まれる全てのピクセルのうち、気孔を表すピクセルおよびGDCを表すピクセルを除いたピクセルを分析ピクセルとし、各層に含まれる分析ピクセルのA/B比の標準偏差を、各層に含まれる分析ピクセルのA/B比の平均値で除することにより、各層のA/B比の変動係数を決定した。
【0066】
なお、SEMによって取得された各サンプルの任意の断面の画像について、空気極114の厚み方向に平行な方向を縦、上下方向に交差する方向を横とした場合、縦方向において、空気極114における電解質層112とは反対側の端部に位置する縦3μm×横20μmの領域を集電層240についての測定範囲とし、空気極114における電解質層112側の端部に位置する縦3μm×横20μmの領域を機能層230についての測定範囲とした。また、気孔を表すピクセルとは、具体的には、当該ピクセルに含まれる全構成元素の濃度のうち、La、Sr、Co、Fe、Gd、Ceのそれぞれが占める濃度の合計が50%以下であれば、当該ピクセルを気孔を表すピクセルであると定義した。GDCを表すピクセルとは、具体的には、当該ピクセルに含まれるLa、Sr、Co、Fe、Gd、Ceのそれぞれが占める濃度の合計に対する、Gd、Ceのそれぞれが占める濃度の合計の割合が60%以上であれば、当該ピクセルをGDCを表すピクセルであると定義した。機能層230における測定範囲に含まれる分析ピクセルのA/B比の平均値は、例えば0.8~1.2とすることができ、集電層240に含まれる分析ピクセルのA/B比の平均値は、例えば0.8~1.2とすることができる。
【0067】
(単セル110の性能評価方法)
初めに、各サンプルの発電性能(反応性)の評価を行った。各サンプルについて、約700℃で、空気極114に酸化剤ガスOGを供給し、燃料極116に燃料ガスFG(水素)を供給し、電流密度が1.5A/cm2のときの単セル110の出力電圧を測定した。このときの電圧の値が、0.73以上であったサンプルを良「○」、0.73未満であったサンプルを不可「×」とした。
【0068】
各サンプルの発電性能の測定後、各サンプルについて、850℃、500時間の継続運転を行うことにより、各サンプルの耐久試験を行った。その後、耐久試験を実施した後のサンプルについて、空気極114と電解質層112との耐剥離性の評価を行った。耐剥離性の評価とは、空気極114と電解質層112との間に剥離があるか否かを評価したものである。事前の検討により、耐久試験後のサンプルの出力電圧と、電解質層112と空気極114との間の剥離の有無に相関があることが確認されており、剥離が無いサンプルは、比較的出力電圧が高く、剥離が有るサンプルは、比較的出力電圧が低い。すなわち、耐剥離性の評価は、各サンプルの耐久性能の評価ということができる。耐剥離性の評価は、公知の試験方法(JIS K 5600-5-6)により実施し、電解質層112と空気極114との間に剥離が確認されなかったサンプルを良「○」、剥離が確認されたサンプルを不可「×」とした。
【0069】
また、発電性能の評価と、耐剥離性の評価とを総合的に評価した総合評価は、発電性能の評価および耐剥離性の評価について、両方の評価が良「○」であったサンプルを良「○」とし、いずれか一方の評価が不可「×」であったサンプルを不可「×」とした。
【0070】
(単セル110の性能評価結果)
表1は、性能評価結果を表す表である。
【表1】
【0071】
表1では、各サンプルについて、集電層240および機能層230に含まれるペロブスカイト型のA/B比の変動係数と、発電性能の評価と、耐剥離性の評価と、総合評価とを示している。各サンプルは、集電層240および機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数が異なっている。なお、表1には示していないが、いずれのサンプルについても、集電層240および機能層230のペロブスカイト型酸化物のA/B比の平均値は1.0となるように構成されている。
【0072】
耐剥離性の評価において、サンプルS2,S3は、良「○」であり、サンプルS1、S4は、不可「×」であった。この結果は、機能層230のA/B比の変動係数に相関を示しており、機能層230のA/B比の変動係数が比較的大きいサンプルにおいて、耐剥離性の向上が確認された。
【0073】
発電性能の評価において、サンプルS1,S2は、良「○」であり、サンプルS3,S4は、不可「×」であった。この結果は、集電層240のA/B比の変動係数に相関を示しており、集電層240のA/B比の変動係数が比較的小さいサンプルにおいて、発電性能の向上が確認された。
【0074】
総合評価では、サンプルS2は、良「○」であり、サンプルS1,S3,S4は、不可「×」であった。サンプルS2は、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/Bの変動係数が、集電層240に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/Bの変動係数よりも大きい。一方、サンプルS1,S3,S4は、サンプルS2とは反対に、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/Bの変動係数が、集電層240に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/Bの変動係数よりも小さい。以上の結果から、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/Bの変動係数が、集電層240に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/Bの変動係数よりも大きい構成において、耐久性能が向上し、かつ、反応性が向上することが確認された。
【0075】
【0076】
表2では、各サンプルについて、集電層240および機能層230に含まれるペロブスカイト型のA/B比の変動係数と、発電性能の評価と、耐剥離性の評価と、総合評価とを示している。各サンプルは、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/B比の変動係数が異なっている。なお、表2には示していないが、いずれのサンプルについても、集電層240および機能層230のペロブスカイト型酸化物のA/B比の平均値は1.0となるように構成されている。
【0077】
耐剥離性の評価において、サンプルS6,S7,S8は、良「○」であり、サンプルS5は、不可「×」であった。この結果から、機能層230のA/B比の変動係数が0.10以上であるサンプルにおいて、耐久性能が向上することが確認された。
【0078】
発電性能の評価については、サンプルS5からS8までのすべてで、良「○」であった。この結果から、機能層230のA/B比の変動係数が0.25以下であるサンプルにおいて、反応性が向上することが確認された。
【0079】
総合評価では、サンプルS6,S7,S8は、良「○」であり、サンプルS5は、不可「×」であった。以上の結果から、機能層230に含まれるペロブスカイト型酸化物のA/Bの変動係数が、0.10以上であって、0.25以下である構成において、耐久性能が向上し、かつ、反応性が向上することが確認された。
【0080】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0081】
上記実施形態における燃料電池スタック100の構成や燃料電池スタック100を構成する各部分の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、空気極114は、機能層230と集電層240の二層構成であるとしているが、空気極114が機能層230および集電層240以外の他の層を含むとしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されていてもよい。例えば、上記実施形態において、空気極114(機能層230および集電層240)が上述したペロブスカイト型酸化物以外のペロブスカイト型酸化物をさらに含んでいてもよい。
【0083】
また、上記実施形態に記載したような構成を有する単セル110が燃料電池スタック100に適用される場合、必ずしも燃料電池スタック100に含まれるすべての単セル110が上述した構成を備える必要はない。すなわち、燃料電池スタック100に含まれる少なくとも1つの単セル110について、上述した機能層230および集電層240を有する空気極114を備えていれば、耐久性能を向上し、かつ、反応性を向上させることができる。
【0084】
また、上記実施形態では、単セル110が、電解質層112と、空気極114と、燃料極116とから構成されているが、単セル110の構成は、これに限定されるものではない。例えば、電解質層112と空気極114との間に、空気極114から拡散した元素(例えば、Sr)と、電解質層112に含まれる元素(例えば、Zr)とが反応して高抵抗な物質(例えば、SrZrO3)が生成されることを抑制する、GDCを含む反応防止層を備えていてもよい。このような場合においても、単セル110が、上記実施形態で示されたような空気極114を備えることにより、上記実施形態と同様の効果を示し、空気極114と反応防止層との剥離を抑制し、かつ、反応性を向上することができる。
【0085】
また、上記実施形態では、インターコネクタ190は導電性の被覆層194を含んでいるが、インターコネクタ190が被覆層194を含んでいなくてもよい。
【0086】
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる単セル110の個数(発電単位102の個数)は、あくまで一例であり、単セル110の個数は、燃料電池スタック100に要求される出力電圧に応じて適宜決められる。また、上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されてもよい。
【0087】
また、上記実施形態の燃料電池スタック100は、コフロータイプのSOFCであるが、本明細書に開示される技術は、カウンターフロータイプやクロスフロータイプのSOFCにも同様に適用可能である。
【0088】
また、上記実施形態では、単セル110は、燃料極支持型の単セルであるが、金属支持型や電解質支持型等の他のタイプの単セルであってもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行うSOFCを対象としているが、本明細書に開示される技術は、例えば、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形電解セル(SOEC)の構成単位である電解セル単位や、電解セル単位を複数備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セル単位および電解セルスタックの構成は、例えば特開2016-81813号に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における発電単位102および燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替え、単セル110を電解単セルと読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、マニホールドを介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、マニホールドを介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。
【0090】
また、上記実施形態では、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を例に説明したが、本明細書に開示される技術は、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)といった他のタイプの燃料電池(または電解セル)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
22:ボルト 24:ナット 26:ガス貫通孔 27:ガス通路部材 28:本体部 29:フランジ部 29A:ボルト孔 32,34:孔 100:燃料電池スタック 102:発電単位 103:発電ブロック 104:上側エンドプレート 106:下側エンドプレート 107:エンド貫通孔 108:連通孔 109:ボルト孔 110:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:単セル用セパレータ 121:貫通孔 124:接合部 125:ガラスシール部 126:内側部 127:外側部 128:連結部 130:空気極側フレーム 131:孔 132:空気極側ガス供給連通孔 133:空気極側ガス排出連通孔 134:空気極側集電部 140:燃料極側フレーム 141:孔 142:燃料極側ガス供給連通孔 143:燃料極側ガス排出連通孔 144:燃料極側集電部材 145:電極対向部 146:インターコネクタ対向部 147:連接部 149:スペーサー 150:平板部 161:空気極側ガス供給マニホールド 162:空気極側ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料極側ガス供給マニホールド 172:燃料極側ガス排出マニホールド 176:燃料室 180:IC用セパレータ 181:貫通孔 186:内側部 187:外側部 188:連結部 189:下端プレート 190:インターコネクタ 194:被覆層 196:導電性接合材 200:絶縁部 210:末端セパレータ 211:貫通孔 216:内側部 217:外側部 218:連結部 220:上端プレート 230:機能層 240:集電層 410:上側ターミナルプレート 412:孔 414:上側電流線 420:下側ターミナルプレート 424:下側電流線 415,425:溶接部 FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス