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特開2024-126771プロジェクター装置、プロジェクションシステム及びプロジェクター用固定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126771
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】プロジェクター装置、プロジェクションシステム及びプロジェクター用固定装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/00 20060101AFI20240912BHJP
   F16C 11/06 20060101ALI20240912BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G03B21/00 D
F16C11/06 Z
H04N5/64 501D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035392
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】田端 航
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 崇
【テーマコード(参考)】
2K203
3J105
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA22
2K203FA25
2K203FA34
2K203FA43
2K203FA44
2K203FA62
2K203FA93
2K203FB04
2K203KA05
2K203KA93
2K203MA40
3J105AA22
3J105AB03
3J105AB22
3J105AC10
3J105BB04
3J105BB23
3J105CB73
3J105CC02
(57)【要約】
【課題】設置面においてプロジェクターを固定できるプロジェクター装置、プロジェクションシステム及びプロジェクター用固定装置を提供する。
【解決手段】プロジェクター装置は、第1軸にて互いに反対側となる第1面及び第2面と、第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面及び第4面と、第1軸及び第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面及び第6面とを有するプロジェクターと、第3軸に交差する設置面に固定され、第1連結部を有する固定具と、第1面、第2面、第3面及び第4面のうち1つの面に対向してプロジェクターに固定され、第1連結部に連結される第2連結部を有するホルダーと、を備え、固定具及びホルダーは、互いに連結して、第1軸に沿うプロジェクターの動きと、第2軸に沿うプロジェクターの動きと、を規制する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸にて互いに反対側となる第1面及び第2面と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面及び第4面と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面及び第6面とを有するプロジェクターと、
前記第3軸に交差する設置面に固定され、第1連結部を有する固定具と、
前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面のうち1つの面に対向して前記プロジェクターに固定され、前記第1連結部に連結される第2連結部を有するホルダーと、を備え、
前記固定具及び前記ホルダーは、互いに連結して、前記第1軸に沿う前記プロジェクターの動きと、前記第2軸に沿う前記プロジェクターの動きと、を規制する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクター装置において、
前記ホルダーは、前記第3軸に沿って前記固定具に対して着脱可能である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクター装置において、
前記ホルダーは、
前記プロジェクターに固定される固定部と、
前記1つの面に接触する接触面と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項4】
請求項3に記載のプロジェクター装置において、
前記第6面は、前記設置面に対向し、
前記固定部は、ねじによって前記第6面に固定される、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項5】
請求項4に記載のプロジェクター装置において、
前記プロジェクターは、前記ねじが固定されるねじ穴を前記第6面に有し、
前記ねじ穴は、前記第6面が上を向く状態に前記プロジェクターを固定する金具のねじが挿入されるねじ穴である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクター装置において、
前記第1連結部と前記第2連結部とのうち一方の連結部は、凹部であり、
前記第1連結部と前記第2連結部とのうち他方の連結部は、前記一方の連結部に挿入可能な凸部である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクター装置を複数備え、
複数の前記プロジェクター装置のそれぞれから投射される画像によって一つの連続した映像を構成する、ことを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項8】
第1軸にて互いに反対側となる第1面及び第2面と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面及び第4面と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面及び第6面と、を有するプロジェクターを前記第3軸に交差する設置面に固定するプロジェクター用固定装置において、
前記設置面に固定され、第1連結部を有する固定具と、
前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面のうち1つの面に対向して前記プロジェクターに固定され、前記第1連結部に連結される第2連結部を有するホルダーと、を備え、
前記固定具及び前記ホルダーは、互いに連結して、前記第1軸に沿う前記プロジェクターの動きと、前記第2軸に沿う前記プロジェクターの動きと、を規制する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項9】
請求項8に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記ホルダーは、前記第3軸に沿って前記固定具に対して着脱可能である、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項10】
請求項9に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記ホルダーは、
前記プロジェクターに固定される固定部と、
前記1つの面に接触する接触面と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項11】
請求項10に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記第6面は、前記設置面に対向し、
前記固定部は、ねじによって前記第6面に固定される、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項12】
請求項10に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記接触面が前記1つの面に接触する方向から前記ホルダーを見て、前記接触面は、前記固定部を挟む第1接触面及び第2接触面を含む、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項13】
請求項8から請求項12のいずれか一項に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記第1連結部と前記第2連結部とのうち一方の連結部は、凹部であり、
前記第1連結部と前記第2連結部とのうち他方の連結部は、前記凹部に挿入可能な凸部である、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項14】
請求項13に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記他方の連結部は、前記他方の連結部の外径が前記一方の連結部への挿入方向の端部に向かうに従って小さくなる部分を有し、
前記一方の連結部は、前記他方の連結部の外形に沿う内形を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項15】
請求項14に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記固定具は、延長面が前記1つの面に交差し、かつ、前記第1連結部が設けられる規制面を有し、
前記ホルダーは、前記第2連結部が前記第1連結部に連結したときに、前記規制面に対向する対向面を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項16】
請求項13に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記固定具及び前記ホルダーのそれぞれは、前記1つの面に沿って延在する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【請求項17】
請求項16に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記ホルダーは、前記固定具と前記プロジェクターとの間に位置し、前記固定具と対向する延在部を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクター装置、プロジェクションシステム及びプロジェクター用固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、机からのプロジェクターの落下を防止する落下防止具が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の落下防止具は、2つの皿ねじによって机の天板に固定される。落下防止具は、引っ掛かり部を有し、プロジェクターは、筐体の前面下部を引っ掛かり部に接触させた状態にて天板上に配置される。これにより、プロジェクターの前面下部が引っ掛かり部に引っ掛かることによって、プロジェクターの前方への移動が阻止され、机上からのプロジェクターの落下が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-151562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の落下防止具は、プロジェクターの後方及び左右方向への移動を規制しない。このため、何等かの衝撃によってプロジェクターが机上にて移動してしまうという問題がある。そして、プロジェクターが後方に移動されると、投射画像のサイズが変化したり、投射画像がぼけたりする。プロジェクターが左右に移動されると、プロジェクターによる画像の投射方向及び投射位置がずれる。
このため、設置面においてプロジェクターを固定できる構成が要望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係るプロジェクター装置は、第1軸にて互いに反対側となる第1面及び第2面と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面及び第4面と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面及び第6面とを有するプロジェクターと、前記第3軸に交差する設置面に固定され、第1連結部を有する固定具と、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面のうち1つの面に対向して前記プロジェクターに固定され、前記第1連結部に連結される第2連結部を有するホルダーと、を備え、前記固定具及び前記ホルダーは、互いに連結して、前記第1軸に沿う前記プロジェクターの動きと、前記第2軸に沿う前記プロジェクターの動きと、を規制する。
【0006】
本開示の第2態様に係るプロジェクションシステムは、上記第1態様に係るプロジェクター装置を複数備え、複数の前記プロジェクター装置のそれぞれから投射される画像によって一つの連続した映像を構成する。
【0007】
本開示の第3態様に係るプロジェクター用固定装置は、第1軸にて互いに反対側となる第1面及び第2面と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面及び第4面と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面及び第6面と、を有するプロジェクターを前記第3軸に交差する設置面に固定するプロジェクター用固定装置において、前記設置面に固定され、第1連結部を有する固定具と、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面のうち1つの面に対向して前記プロジェクターに固定され、前記第1連結部に連結される第2連結部を有するホルダーと、を備え、前記固定具及び前記ホルダーは、互いに連結して、前記第1軸に沿う前記プロジェクターの動きと、前記第2軸に沿う前記プロジェクターの動きと、を規制する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るプロジェクションシステムの構成を示す模式図。
図2】第1実施形態に係るプロジェクター装置を示す斜視図。
図3】第1実施形態に係るプロジェクター装置を示す斜視図。
図4】第1実施形態に係るプロジェクターを示す底面図。
図5】第1実施形態に係るプロジェクターの内部構成を示す図。
図6】第1実施形態に係る固定装置を示す斜視図。
図7】第1実施形態に係る固定装置を示す斜視図。
図8】第1実施形態に係る固定具を示す斜視図。
図9】第1実施形態に係るホルダーを示す平面図。
図10】第1実施形態に係る固定装置においてプロジェクターの動きを規制する部分を説明する図。
図11】第2実施形態に係るプロジェクションシステムのプロジェクター装置が備える固定装置を示す図。
図12】固定装置の配置の変形を示すプロジェクター装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
[プロジェクションシステムの構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクションシステムPSの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクションシステムPSは、図1に示すように、設置面SFに設置される複数のプロジェクター装置1によって構成され、複数のプロジェクター装置1のそれぞれからスクリーン等の被投射面SCに投射される画像によって一つの連続した映像を表示する。本実施形態では、プロジェクションシステムPSは、2つのプロジェクター装置11,12を備えるが、プロジェクションシステムPSが備えるプロジェクター装置1の数は、2以上であれば、適宜変更可能である。
本実施形態では、プロジェクションシステムPSは、複数のプロジェクター装置1のそれぞれから投射される画像の一部が互いに重畳されるタイリング型のプロジェクションシステムである。しかしながら、これに限らず、プロジェクションシステムPSは、各プロジェクター装置1から投射される画像が互いに重畳されるスタッキング型のプロジェクションシステムであってもよい。
【0010】
[プロジェクター装置の構成]
図2は、正面側から見たプロジェクター装置1を示す斜視図であり、図3は、背面側から見たプロジェクター装置1を示す斜視図である。
プロジェクター装置1は、台等の設置面SFに配置され、被投射面SCに画像を投射する。プロジェクター装置1は、図2及び図3に示すように、プロジェクター2と、少なくとも1つの固定装置5と、を備える。本実施形態では、プロジェクター装置1は、2つの固定装置5を備える。
【0011】
[プロジェクターの構成]
プロジェクター2は、画像情報に応じた画像を被投射面SCに投射する。プロジェクター2は、外装筐体3を備える。
以下の説明では、互いに直交する三方向を、+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。また、図示を省略するが、+X方向に沿う軸をX軸とし、+Y方向に沿う軸をY軸とし、+Z方向に沿う軸をZ軸とする。X軸は第1軸に相当し、Z軸は第2軸に相当し、Y軸は第3軸に相当する。
【0012】
[外装筐体の構成]
外装筐体3は、プロジェクター2の外装を構成する筐体である。外装筐体3は、+Y方向の部分を構成するアッパーケース3Aと、-Y方向の部分を構成するロアーケース3Bと、を備え、アッパーケース3Aとロアーケース3Bとが組み合わされて略直方体形状に構成される。外装筐体3は、正面31、背面32、左側面33、右側面34、天面35及び底面36を有する。
正面31、背面32、左側面33及び右側面34のそれぞれは、アッパーケース3Aの一部とロアーケース3Bの一部とによって構成される。天面35は、アッパーケース3Aによって構成され、底面36は、ロアーケース3Bによって構成される。なお、ロアーケース3Bは、-Y方向に突出した突出部3B1を有する。
【0013】
正面31と背面32とは、X軸において互いに反対側となる面である。正面31は、-X方向から見えるプロジェクター2の外面であり、-X方向を向く外面である。背面32は、+X方向から見えるプロジェクター2の外面であり、+X方向を向く外面である。
左側面33と右側面34とは、Z軸において互いに反対側となる面である。左側面33は、-Z方向から見えるプロジェクター2の外面であり、-Z方向を向く外面である。右側面34は、+Z方向から見えるプロジェクター2の面であり、+Z方向を向く外面である。
なお、突出部3B1において-X方向を向く面は、正面31の一部を構成し、+X方向を向く面は、背面32の一部を構成する。突出部3B1において-Z方向を向く面は、左側面33の一部を構成し、+Z方向を向く面は、右側面34の一部を構成し、-Y方向を向く面は、底面36を構成する。
【0014】
天面35と底面36とは、Y軸において互いに反対側となる面である。
天面35は、+Y方向から見えるプロジェクター2の外面であり、+Y方向を向く外面である。天面35は、底面36側に凹む凹部351と、凹部351の底部に設けられた投射口352と、を有する。投射口352は、後述する投射光学装置43から投射された画像光が通過する開口部である。
【0015】
図4は、プロジェクター2を示す底面図である。
底面36は、-Y方向から見えるプロジェクター2の面であり、-Y方向を向く面である。底面36は、プロジェクター2が設置される設置面SFと対向する。底面36は、固定脚部361、可動脚部362、導入口363及びねじ穴364を有する。
固定脚部361は、底面36において正面31側の両端部に設けられ、設置面SFに接触する。固定脚部361は、底面36に2つ設けられている。
可動脚部362は、底面36において背面32側の端部における中央に設けられている。可動脚部362は、底面36に対する垂直方向に突出及び没入可能に設けられている。可動脚部362を底面36から突出させることによって、設置面SFに対して底面36が傾斜される。これにより、天面35から投射される画像光の被投射面SCにおける投射位置が調節される。
導入口363は、外装筐体3の外部の気体を外装筐体3の内部に導入する。
【0016】
ねじ穴364は、底面36に複数設けられている。複数のねじ穴364には、図示しない金具のねじが挿入される。図示しない金具は、天井や壁など所望の設置面と底面36とでプロジェクター2を固定する。複数のねじ穴364は、4つのねじ穴365と、4つのねじ穴366と、1つのねじ穴367と、を含む。
4つのねじ穴365は、第1金具に対応するねじ穴である。4つのねじ穴365は、例えばVESA(Video Electronics Standards Association)規格に準拠したねじ穴であり、底面36の略中央に設けられている。
4つのねじ穴366は、第2金具に対応するねじ穴であり、4つのねじ穴365に対して外側に設けられている。4つのねじ穴366のうち、背面32側の部分に設けられた2つのねじ穴366Aのそれぞれには、後述する固定装置5のホルダー7が、図3に示したねじSRによって固定される。すなわち、2つのねじ穴366Aは、第2金具固定用のねじ穴であり、ホルダー7の固定用のねじ穴でもある。なお、ホルダー7の固定用のねじ穴366Aは、第2金具固定用のねじ穴と兼用せず、第2金具固定用のねじ穴とは別に設けてもよい。その場合、第2金具固定用のねじ穴は、底面36に限らず、天面35等に設けられていてもよい。
1つのねじ穴367は、プロジェクターの落下防止用のワイヤー金具を固定するねじ穴である。
【0017】
[プロジェクターの内部構成]
図5は、プロジェクター2の内部構成を示す図である。
プロジェクター2は、外装筐体3内に収容される画像投射ユニット4を更に備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター2は、プロジェクター2の動作を制御する制御装置、プロジェクター2の冷却対象を冷却する冷却装置、及び、プロジェクター2の電子部品に電力を供給する電源装置を備える。制御装置、冷却装置及び電源装置は、外装筐体3内に収容されている。
【0018】
[画像投射ユニットの構成]
画像投射ユニット4は、制御装置から入力する画像信号に応じた画像を生成し、生成した画像を投射する。画像投射ユニット4は、光源装置41、画像形成装置42及び投射光学装置43を備える。
画像投射ユニット4は、外装筐体3内における背面32側かつ左側面33側の位置から右側面34側に延出した後、外装筐体3の中央にて正面31側に屈曲した略L字形状に形成されている。
【0019】
[光源装置の構成]
光源装置41は、投射光学装置43に対して-Z方向に配置され、画像形成装置42に白色光を出射する。光源装置41としては、発光素子と、発光素子から出射された光の波長を変換する波長変換素子とを有する光源装置を例示できる他、超高圧水銀ランプ等の放電光源ランプを備える光源装置を例示できる。
【0020】
[画像形成装置の構成]
画像形成装置42は、光源装置41から入射する白色光から画像光を形成する。詳述すると、画像形成装置42は、光変調装置421と、色合成素子422と、を有する。
光変調装置421は、入射する光を変調する。光変調装置421は、3つ設けられている。3つの光変調装置421は、赤色光を変調する赤用光変調装置421Rと、緑色光を変調する緑用光変調装置421Gと、青色光を変調する青用光変調装置421Bと、を含む。光変調装置421としては、透過型液晶パネルと、透過型液晶パネルを挟む一対の偏光板とを備える構成、反射型液晶パネルを備える構成、又は、DMD(Digital Micromirror Device)等の液晶以外の光変調素子を備える構成を採用できる。
色合成素子422は、各光変調装置421R,421G,421Bによって変調された各色光を合成して画像光を形成する。本実施形態では、色合成素子422は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
【0021】
[投射光学装置の構成]
投射光学装置43は、画像形成装置42によって形成された画像光を被投射面SCに投射する。投射光学装置43は、+X方向に延在した後に+Z方向に延在するレンズ筐体431と、図示しない光路変更素子及び拡大反射部材を備える。
レンズ筐体431は、複数のレンズを内部に収容する。レンズ筐体431は、入射部432、屈曲部433及び出射部434を有する。
入射部432は、投射光学装置43から+X方向に入射した画像光が通過する部分である。
屈曲部433は、入射部432と出射部434とを接続する部分である。図示を省略するが、屈曲部433の内部には光路変更素子が設けられ、光路変更素子は、入射部を+X方向に通過する画像光の進行方向を+Z方向に屈曲させる。
出射部434は、屈曲部433から-X方向に延出している。図示を省略するが、出射部434の内部には、拡大反射部材が設けられている。拡大反射部材は、出射部434を-X方向に進行した画像光の進行方向を反対方向に変更する非球面ミラーである。拡大反射部材は、光路変更素子にて反射されて出射部を通過した画像光を反射して拡大する。拡大反射部材によって反射された画像光は、投射口352から+X方向かつ+Y方向に投射される。
【0022】
[固定装置の構成]
図6は、-X方向かつ+Y方向から見た固定装置5を示す斜視図であり、図7は、+X方向かつ-Y方向から見た固定装置5を示す斜視図である。
固定装置5は、外装筐体3の正面31、背面32、左側面33及び右側面34のうち1つの面に対向して設けられる。本実施形態では、固定装置5は、図3に示したように、背面32に対向して設けられ、プロジェクター2を設置面SFに固定するプロジェクター用固定装置である。固定装置5は、図6及び図7に示すように、固定具6及びホルダー7を備え、固定具6とホルダー7とは、互いに連結可能である。
なお、以下の説明では、正面31、背面32、左側面33及び右側面34のうち固定装置5と対向する面を、対向外面という。
【0023】
[固定具の構成]
図8は、-X方向かつ+Y方向から見た固定具6を示す斜視図である。
固定具6は、設置面SFに固定される。固定具6は、図6~8に示すように、固定具本体61及び連結部62を有する。
固定具本体61は、+Y方向から見てZ軸に長い略長方形状に形成されており、-Y方向の面61Aが設置面SFに接触する。+Y方向における固定具本体61の寸法は、+Z方向に向かうに従って大きくなる。
固定具本体61は、凹部611、孔部612、第1規制面613及び第2規制面614を有する。
【0024】
凹部611は、固定具本体61における+Y方向の面から-Y方向に凹んでいる。
孔部612は、凹部611の底部における略中央に設けられている。孔部612には、固定具6を設置面SFに固定する図示しないねじが挿入される。当該ねじが設置面SFに固定されることによって、固定具6は、設置面SFに固定される。なお、固定具6は、図7に示すように、固定具本体61における-Y方向の面61Aに接着テープATを設け、接着テープATによって設置面SFに固定することも可能である。また、接着テープATに代えて、接着剤によって固定具6を設置面SFに固定することも可能である。
第1規制面613は、図6図8に示すように、固定具本体61における-X方向の面である。第1規制面613は、ホルダー7の後述する第1対向面722と対向する。
第2規制面614は、規制面に相当する。固定具本体61における+Z方向の面である。第2規制面614は、ホルダー7の後述する第2対向面731と対向する。なお、固定具6とホルダー7とが連結されたときに、第2規制面614の延長面は、背面32と交差する。
【0025】
連結部62は、第1連結部に相当し、ホルダー7の後述する連結部74と連結される。連結部62は、第2規制面614から+Z方向に突出した凸部である。
連結部62は、+Y方向から見て略円柱状に形成された柱状部621と、柱状部621と固定具本体61とを接続する接続部623と、を有する。
【0026】
柱状部621は、柱状部621の外周面に設けられた複数の突条部622を有する。
複数の突条部622は、柱状部621の周方向に沿って外周面に略等間隔に設けられ、Y軸に沿って延在している。柱状部621の外周面からの突条部622の突出寸法は、-Y方向における突条部622の端部622Aから+Y方向における突条部622の端部622Bに向かって大きくなり、また、端部622Bから端部622Aに向かって大きくなる。すなわち、柱状部621の外周面からの突条部622の突出寸法は、Y軸における突条部622の中央部が最も大きい。
このため、連結部62は、連結部74への挿入方向である-Y方向の端部62Aに向かうに従って連結部62の外径が小さくなる部分を有する。詳述すると、連結部62の外径は、連結部62の一端である端部62Aと連結部62の他端である端部62Bとの間において、端部62Aから端部62Bに向かって大きくなり、また、端部62Bから端部62Aに向かって大きくなる。なお、端部62A,62Bのうち、一方の端部は第1端部に相当し、他方の端部は第2端部に相当する。
【0027】
[ホルダーの構成]
図9は、+Y方向から見たホルダー7を示す平面図である。
ホルダー7は、プロジェクター2に取り付けられる。ホルダー7は、図6図7及び図9に示すように、固定部71、延在部72、規制部73及び連結部74を備える。
【0028】
固定部71は、規制部73から-X方向に略半長円形状に突出している。固定部71は、プロジェクター2の底面36と設置面SFとの間に配置されて、底面36に固定される部分である。すなわち、Y軸に沿う固定部71の寸法は、底面36と固定脚部361との間のY軸に沿う寸法よりも小さい。固定部71は、凹部711及び孔部712を有する。
凹部711は、固定部71における-X方向の端部に設けられ、固定部71における+Y方向の面から-Y方向に凹んでいる。凹部711は、底面36においてねじ穴366Aの周囲に設けられた突出部分を避けるための凹部である。
孔部712は、ホルダー7を底面36に固定するねじSRが挿通する孔部である。孔部712を+Y方向に挿通したねじSRが、ねじ穴366Aに固定されることによって、ホルダー7は、底面36に固定される。なお、ホルダー7は、底面36に接着テープ又は接着剤によって固定されてもよい。
【0029】
延在部72は、規制部73から-Z方向に突出している。延在部72は、ホルダー7が底面36に固定されて、固定具6とホルダー7とが連結されたときに、対向外面である背面32と固定具6との間に配置される。
延在部72における-X方向の面は、ホルダー7が底面36に固定されたときに、背面32と接触する接触面721である。接触面721は、規制部73における-X方向の面と連続している。
接触面721は、図11に示すように、Z軸において固定部71を挟む第1接触面721A及び第2接触面721Bを含む。ホルダー7を底面36に固定するねじSRが回転されたときに、第1接触面721A及び第2接触面721Bのうち少なくとも一方の接触面が背面32に接触することによって、ねじSRを中心とするホルダー7の回転を規制できる。本実施形態では、背面32において接触面721が接触する部分は、ロアーケース3Bの突出部3B1によって構成される部分である。しかしながら、これに限らず、接触面721は、背面32においてロアーケース3Bによって構成された他の部分に接触してもよく、アッパーケース3Aによって構成された部分に接触してもよい。
延在部72における+X方向の面は、固定具6の第1規制面613と対向する第1対向面722である。
【0030】
規制部73は、固定具6と連結されて、プロジェクター2の動きを規制する。規制部73は、第2対向面731を有する。
第2対向面731は、規制部73における-Z方向の面である。ホルダー7が底面36に固定された場合、第2対向面731の延長面は、背面32と交差する。第2対向面731は、固定具6とホルダー7とが連結されたときに、第2規制面614と対向する。
【0031】
連結部74は、第2連結部に相当し、第1対向面722と第2対向面731との交差部分から+Z方向に凹んだ凹部である。連結部74は、Y軸に沿って規制部73を貫通している。詳述すると、連結部74は、+Y方向、-Y方向及び-Z方向に開口している。
連結部74は、連結部62の外形に沿う内形を有する。具体的に、連結部74は、柱状部621の形状に応じた略円筒孔部分と、接続部623の形状に応じた略四角筒孔部分と、を有する。このような連結部74には、連結部62がY軸に沿って挿入可能である。
【0032】
[固定装置によるプロジェクターの固定]
固定装置5によってプロジェクター2を設置面SFに固定する場合、まず、固定具6を設置面SFに固定する。
固定具6を設置面SFに固定する場合、ホルダー7が取り付けられたプロジェクター2を設置面SFにおける任意の位置に配置する。例えば、プロジェクター装置11のプロジェクター2と、プロジェクター装置12のプロジェクター2とは、各プロジェクター2から被投射面SCに投射された各画像の少なくとも一部が互いに重なる位置、或いは、各画像が互いに隣接する設置面SFの位置に配置される。
次に、ホルダー7の連結部74と固定具6の連結部62とが連結される位置に固定具6を配置する。具体的に、凹部である連結部74に対して凸部である連結部74を-Y方向に挿入して、ホルダー7に対して固定具6を配置する。
この後、固定具6を接着テープAT、接着剤又はねじによって設置面SFに固定する。これにより、固定具6が設置面SFに固定され、ひいては、プロジェクター2が設置面SFに固定される。
ここで、ホルダー7の連結部74は、固定具6の連結部62に対してY軸に沿って移動可能である。このため、設置面SFに配置されたプロジェクター2を+Y方向に移動させることによって、固定具6とホルダー7との連結を解除でき、ひいては、設置面SFからプロジェクター2を移動させることができる。
【0033】
[固定装置によるプロジェクターの移動規制]
図10は、固定装置5においてプロジェクター2の動きを規制する部分を説明する図である。
設置面SFに固定されたプロジェクター2に外力が作用した場合に、固定装置5によってプロジェクター2の動きが規制されることについて、図10を用いて説明する。
プロジェクター2に+X方向への外力F1が作用した場合、ホルダー7の連結部74の内面において+X方向を向く部分が固定具6の連結部62における+X方向を向く部分に接触する。この他、ホルダー7の第1対向面722が固定具6の第1規制面613に接触する。これにより、プロジェクター2の+X方向への移動が規制される。
プロジェクター2に-X方向への外力F2が作用した場合、連結部74の内面において-X方向を向く内面が、連結部62において+X方向を向く部分に接触する。これにより、プロジェクター2の-X方向への移動が規制される。
【0034】
プロジェクター2に+Z方向への外力F3が作用した場合、連結部74の内面において+Z方向を向く部分が、連結部62において-Z方向を向く部分に接触する。これにより、プロジェクター2の+Z方向への移動が規制される。
プロジェクター2に-X方向への外力F4が作用した場合、連結部74の内面において-Z方向を向く部分が、連結部62において+Z方向を向く部分に接触する。この他、ホルダー7の第2対向面731が固定具6の第2規制面614に接触する。これにより、プロジェクター2の-Z方向への移動が規制される。
【0035】
このように、固定装置5によって設置面SFに固定されたプロジェクター2にY軸に直交する方向の外力が加わった場合でも、プロジェクター2が設置面SFに沿って移動してしまうことを抑制できる。
一方、ホルダー7が取り付けられたプロジェクター2を、設置面SFから+Y方向に移動させることによって、固定具6とホルダー7との連結を解除できるので、プロジェクター2を設置面SFから移動させることができる。
【0036】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクションシステムPSは、以下の効果を奏する。
プロジェクションシステムPSは、複数のプロジェクター装置1を備え、プロジェクター装置1によって連続した映像を構成する。
プロジェクター装置1は、プロジェクター2、固定具6及びホルダー7を備える。
プロジェクター2は、正面31、背面32、左側面33、右側面34、天面35及び底面36を有する。正面31と背面32とは、X軸にて互いに反対側に配置され、左側面33と右側面34とは、Z軸にて互いに反対側に配置され、天面35と底面36とは、Y軸にて互いに反対側に配置される。正面31、背面32、左側面33及び右側面34は、第1面、第2面、第3面及び第4面に相当する。X軸は第1軸に相当し、Z軸は、第1軸に直交する第2軸に相当し、Y軸は、第1軸及び第2軸のそれぞれに直交する第3軸に相当する。
固定具6は、Y軸に交差する設置面SFに固定される。固定具6は、第1連結部としての連結部62を有する。
ホルダー7は、正面31、背面32、左側面33及び右側面34のうち、1つの面である対向外面に対向してプロジェクター2に固定される。ホルダー7は、連結部62に連結される連結部74を有し、連結部74は、第2連結部に相当する。
固定具6及びホルダー7は、互いに連結して、X軸に沿うプロジェクター2の動きと、Z軸に沿うプロジェクター2の動きと、を規制する。
【0037】
換言すると、固定装置5は、プロジェクター2をY軸に交差する設置面SFに固定するプロジェクター用固定装置である。固定装置5は、固定具6及びホルダー7を備える。なお、プロジェクター2は、X軸にて互いに反対側となる正面31及び背面32と、Z軸にて互いに反対側となる左側面33及び右側面34と、Y軸にて互いに反対側となる天面35及び底面36と、を有する。
固定具6は、設置面SFに固定され、連結部62を有する。連結部62は、第1連結部に相当する。
ホルダー7は、正面31、背面32、左側面33及び右側面34のうち、1つの面である対向外面に対向してプロジェクター2に固定される。ホルダー7は、連結部62に連結される連結部74を有し、連結部74は、第2連結部に相当する。
固定具6及びホルダー7は、互いに連結して、X軸に沿うプロジェクター2の動きと、Z軸に沿うプロジェクター2の動きと、を規制する。
【0038】
このような構成によれば、プロジェクター2にX軸に沿う方向の外力、及び、Z軸に沿う方向の外力が作用した場合でも、固定具6とホルダー7とが互いに連結していることによって、プロジェクター2の動きを規制できる。従って、プロジェクター2が予め設定した固定位置からずれることを抑制でき、プロジェクター2による画像の投射位置が変化することを抑制できる。更に、設置面SFに対する各プロジェクター装置1のプロジェクター2の位置合わせを容易に実施でき、ひいては、各プロジェクター2から投射される画像の位置を容易に合わせることができる。
なお、本実施形態では、固定具6及びホルダー7は、背面32に対向して設けられている。すなわち、固定具6は、プロジェクター2と被投射面SCとの間に配置されている。ホルダー7の固定部71は、設置面SFと底面36との間に配置され、ホルダー7の固定部71以外の構成は、プロジェクター2と被投射面SCとの間に配置されている。このため、固定具6及びホルダー7がユーザーの視界に入ることを抑制できる。
【0039】
ホルダー7は、Y軸に沿って固定具6に対して着脱可能である。
このような構成によれば、プロジェクター2をY軸に沿って移動させることによって、設置面SFに固定された固定具6に対して、プロジェクター2に固定されたホルダー7を着脱できる。このため、Y軸に沿って固定具6から離間する方向にプロジェクター2を移動させることによって、固定具6によるプロジェクター2の固定を解除できる。また、Y軸に沿って固定具6に近接する方向にプロジェクター2を移動させることによって、固定具6によってプロジェクター2を設置面SFに固定できる。従って、プロジェクター2の利便性を高めることができる。
【0040】
ホルダー7は、プロジェクター2に固定される固定部71と、対向外面である背面32に接触する接触面721と、を有する。
このような構成によれば、プロジェクター2から接触面721に向かう方向の力を、比較的大きな面積を有する接触面721によって受けることができる。従って、ホルダー7又は固定具6に局所的に力が加わることを抑制できる。
【0041】
プロジェクター2の底面36は、設置面SFに対向する。固定部71は、ねじSRによって底面36に固定される。
このような構成によれば、プロジェクター2にホルダー7を強固に固定できる。
また、プロジェクター2にホルダー7をねじ固定するときに、ねじSRの回転力がホルダー7に作用した場合でも、底面36と交差する背面32に接触面721が接触していることによって、ホルダー7の回転を規制できる。
【0042】
接触面721が背面32に接触する+X方向からホルダー7を見て、接触面721は、固定部71を挟む第1接触面721A及び第2接触面721Bを含む。
Y軸に沿ってホルダー7をプロジェクター2に固定するねじSRを取り付ける場合、又は、ねじSRを緩める場合には、ねじSRの回転に伴って、ホルダー7には、ねじSRを中心とする回転力が作用する。
これに対し、背面32に接触する第1接触面721A及び第2接触面721Bが固定部71を挟んで配置されていることによって、ねじSRの回転に伴うホルダー7の回転を規制できる。従って、意図せずにねじSRが緩むことを抑制でき、プロジェクターからのホルダーの脱落を抑制できる。
【0043】
プロジェクター2は、ねじSRが固定されるねじ穴366Aを底面36に有する。
ねじ穴366Aは、底面36が上を向く状態にプロジェクター2を固定する金具のねじが挿入されるねじ穴である。
このような構成によれば、プロジェクター2に予め設けられたねじ穴366Aを利用して、プロジェクター2にホルダー7を固定できる。従って、プロジェクター2にホルダー固定用のねじ穴を設ける必要が無い。
【0044】
連結部62と連結部74とのうち、ホルダー7が有する連結部74は、凹部である。
連結部62と連結部74とのうち、固定具6が有する連結部62は、連結部74に挿入可能な凸部である。
このような構成によれば、連結部62と連結部74とを容易に連結できる他、連結部62,74を比較的簡易に構成できる。
【0045】
凸部である連結部62は、連結部62の外径が連結部74への挿入方向である-Y方向の端部62Aに向かうに従って小さくなる部分を有する。
凹部である連結部74は、連結部62の外形に沿う内形を有する。
このような構成によれば、連結部74の凹部形状、及び、連結部62の凸部形状により連結部62を連結部74に挿入しやすくすることができる。この他、連結部62,74の連結を外れにくくすることができるので、設置面SFにおけるプロジェクター2のずれを抑制できる。
【0046】
凸部である連結部62は、凹部である連結部74への挿入方向において互いに反対側に位置する端部62A,62Bを有する。端部62A,62Bのうち、一方の端部は第1端部に相当し、他方の端部は第2端部に相当する。
連結部62の外径は、端部62Aと端部62Bとの間において、端部62Aから端部62Bに向かって大きくなり、端部62Bから端部62Aに向かって大きくなる。
【0047】
ここで、固定具6を設置面SFに設置する場合には、まず、設置面SFに対する所定の位置にプロジェクター2を設置し、設置されたプロジェクター2に設けられたホルダー7に対して固定具6を連結する。
一方、プロジェクター2を設置面SFに設置する場合には、設置面SFに固定された固定具6に対してホルダー7を連結する。
このように、設置面SFに対する固定具6の固定時と、設置面SFに固定された固定具6に対するホルダー7の連結時とでは、凹部である連結部74に対する凸部である連結部62の挿入方向は、互いに反対方向となる。
これに対し、連結部62の外径が、端部62Aから端部62Bに向かって大きくなり、端部62Bから端部62Aに向かって大きくなることにより、設置面SFに固定具6を設置するときに、ホルダー7に対して固定具6を連結しやすくすることができる他、設置面SFに固定された固定具6にホルダー7を連結しやすくすることができる。
【0048】
固定具6は、延長面が対向外面である背面32に交差し、かつ、連結部62が設けられる第2規制面614を有する。第2規制面614は、本開示の規制面に相当する。
ホルダー7は、連結部74が連結部62に連結したときに、第2規制面614に対向する第2対向面731を有する。第2対向面731は、本開示の対向面に相当する。
このような構成によれば、第2規制面614と第2対向面731とは、Y軸に交差し、かつ、背面32に沿う方向にて対向する。すなわち、第2対向面731は、第2規制面614に対して-Z方向に対向する。このため、-Z方向への外力がプロジェクター2に作用した場合に、第2規制面614と第2対向面731とが互いに接触することによって、-Z方向へのプロジェクター2のずれを抑制できる。
【0049】
固定具6及びホルダー7のそれぞれは、対向外面である背面32に沿って延在する。
このような構成によれば、プロジェクター2に固定されるホルダー7を、背面32に近い位置に配置でき、ひいては、ホルダー7と連結される固定具6を、背面32に近い位置に配置できる。
また、ホルダー7及び固定具6が、背面32に沿って延在することによって、設置面SFに対する固定具6の設置面積を大きくできるので、背面32に交差する±X方向に沿う外力に対する固定具6のずれを抑制でき、ひては、プロジェクター2のずれを抑制できる。
【0050】
ホルダー7は、固定具6とプロジェクター2の背面32との間に位置し、固定具6と対向する延在部72を有する。
このような構成によれば、プロジェクター2から固定具6に向かう+X方向の外力がプロジェクター2に作用した場合に、固定具6とホルダー7の延在部72とが接することで、プロジェクターのずれを抑制できる。
【0051】
プロジェクター装置1は、複数の固定装置5を備える。
各固定装置5のホルダー7は、1つの対向外面である背面32に対向して設けられている。各固定装置5の固定具6は、複数のホルダー7のそれぞれに応じて設けられている。
このような構成によれば、固定具6及びホルダー7の組が複数設けられることによって、X軸に沿うプロジェクター2のずれ、及び、Z軸に沿うプロジェクター2のずれを一層抑制できる。この他、固定具6及びホルダー7の組が複数設けられることにより、Y軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクター2に作用した場合でも、プロジェクター2が回転することを抑制できる。
【0052】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクションシステムは、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の構成を備えるが、固定装置の構成が異なる。詳述すると、第1実施形態に係る固定装置5では、設置面SFに固定される固定具6が凸部である連結部62を有し、プロジェクター2に固定されるホルダー7が凹部である連結部74を有する。これに対し、本実施形態に係る固定装置では、固定具が凹部である連結部を有し、ホルダーが凸部である連結部を有する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図11は、本実施形態に係るプロジェクションシステムのプロジェクター装置1が備える固定装置5Aを+Y方向から見た図である。
本実施形態に係るプロジェクションシステムは、第1実施形態に係る固定装置5に代えて、図11に示す固定装置5Aを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の構成及び機能を備える。すなわち、本実施形態に係るプロジェクター装置1は、第1実施形態に係るプロジェクター2と、図11に示す固定装置5Aと、を備える。
固定装置5Aは、設置面SFに固定される固定具8と、プロジェクター2に固定されるホルダー9と、を備える。
【0054】
[固定具の構成]
固定具8は、連結部62に代えて、連結部82を有する他は、第1実施形態に係る固定具6と同様の構成及び機能を備える。すなわち、固定具8は、固定具本体61と、連結部82と、を備える。
上記のように、固定具本体61における+Z方向の面は第1規制面613であり、固定具本体61における-X方向の面は、第2規制面614である。
【0055】
連結部82は、第1連結部に相当する。具体的に、連結部82は、固定具本体61において+Z方向を向く第2規制面614から-Z方向に凹む凹部である。連結部82は、第1実施形態に係る連結部74と同様の凹部であり、Y軸に沿って固定具本体61を貫通している。詳述すると、連結部82は、+Y方向、-Y方向及び+Z方向に開口している。
連結部82は、ホルダー9の後述する連結部94の外形に沿う内形を有する。連結部82には、連結部94がY軸に沿って挿入可能である。
【0056】
[ホルダーの構成]
ホルダー9は、連結部74に代えて連結部94を有する他は、第1実施形態に係るホルダー7と同様の構成及び機能を備える。すなわち、ホルダー9は、固定部71、延在部72、規制部73及び連結部94を備える。
なお、延在部72における-X方向の面は、対向外面である背面32と接触する接触面721である。延在部72における+X方向の面は、固定具8の第1規制面613と対向する第1対向面722である。規制部73における-Z方向の面は、固定具8の第2規制面614と対向する第2対向面731である。
【0057】
連結部94は、第2連結部に相当する。連結部94は、第2対向面731から+Z方向に突出した凸部であり、第1実施形態に係る連結部62と同様の凸部である。すなわち、連結部94は、+Y方向から見て略円柱状に形成された柱状部621と、柱状部621と第2対向面731とを接続する接続部623と、を有する。なお、柱状部621には、上記した複数の突条部622が設けられている。
【0058】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクションシステムは、第1実施形態に係るプロジェクションシステムPSと同様の効果を奏する。
【0059】
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記各実施形態では、プロジェクター装置1は、2つの固定装置5,5Aを備え、各固定装置5,5Aは、プロジェクター2の背面32に対向して配置されるとした。しかしながら、これに限らず、プロジェクター装置1が備える固定装置5,5Aの数は、1であってもよく、3以上であってもよい。
【0060】
上記各実施形態では、固定装置5,5Aは、プロジェクター2の背面32に対向して設けられるとした。すなわち、固定装置5,5Aに対向する対向外面は、背面32であるとした。しかしながら、固定装置5,5Aと対向する対向外面は、背面32に限らず、正面31、左側面33及び右側面34のうちの1つの面であってもよい。例えば、プロジェクター装置1が2つの固定装置5を備える場合、2つの固定装置5のそれぞれは、正面31、左側面33及び右側面34のうち1つの面に対向して設けられていてもよい。
【0061】
図12は、固定装置5の配置の変形を示すプロジェクター装置1の平面図である。
また例えば、図12に示すように、プロジェクター装置1が2つの固定装置5を備える場合、1つの固定装置5は、背面32に対向して配置され、他の固定装置5は、右側面34に対向して配置されてもよい。すなわち、2つの固定装置5のうち、1つの固定装置5は、正面31、背面32、左側面33及び右側面34のうち互いに交差する2つの面の一方に設けられ、他の固定装置5は、2つの面の他方に設けられていてもよい。
また例えば、プロジェクター装置1が2つの固定装置5を備える場合、2つの固定装置5のうち、1つの固定装置5は、正面31、背面32、左側面33及び右側面34のうち互いに反対側となる2つの面の一方に設けられ、他の固定装置5は、2つの面の他方に設けられていてもよい。
固定装置5に代えて固定装置5Aが採用される場合も同様である。
【0062】
すなわち、ホルダー7,9は、正面31、背面32、左側面33及び右側面34のうち少なくとも2つの面のそれぞれに設けられ、固定具6,8は、ホルダー7,9に応じて設けられていてもよい。
このような構成によれば、固定具6及びホルダー7の組が複数設けられる場合と同様に、X軸に沿うプロジェクター2のずれ、及び、Z軸に沿うプロジェクターのずれを一層抑制できる他、プロジェクター2がY軸に沿う回転軸を中心に回転することを抑制できる。
【0063】
更に、ホルダー7,9は、正面31及び背面32のうち一方の面と、左側面33及び右側面34のうち一方の面とのそれぞれに設けられ、固定具6,8は、ホルダー7,9に応じて設けられていてもよい。
このような構成によれば、正面31、背面32、左側面33及び右側面34のうち互いに交差する面に対向して配置される複数のホルダー7,9と複数の固定具6,8とにより、X軸に沿うプロジェクターのずれ、及び、Z軸に沿うプロジェクターのずれを一層抑制できる他、プロジェクター2がY軸に沿う回転軸を中心に回転することを抑制できる。
【0064】
上記第1実施形態では、ホルダー7は、固定具6に対してY軸に沿って着脱可能であるとした。上記第2実施形態では、ホルダー9は、固定具8に対してY軸に沿って着脱可能であるとした。しかしながら、これに限らず、固定具6,8に対してホルダー7,9を着脱する方向は、Y軸に交差する方向であってもよい。
また例えば、プロジェクター装置1を使用する場合には、Y軸に直交する方向へのプロジェクター2の移動を規制し、プロジェクター装置1を使用しない場合には、Y軸に直交する方向へのプロジェクター2の移動を許容するロック機構が設けられる場合には、固定具に対してホルダーを着脱する方向は、Y軸に直交する方向であってもよい。
【0065】
上記各実施形態では、ホルダー7,9は、ホルダー7,9がプロジェクター2に取り付けられたときに背面32に接触する接触面721を有するとした。すなわち、ホルダー7,9は、プロジェクター2の正面31、背面32、左側面33及び右側面34のうち、対向外面に接触する接触面721を有するとした。しかしながら、これに限らず、固定部71でのプロジェクター2に対するホルダー7,9の固定が強固である場合等においては、接触面721は無くてもよい。
また、外装筐体3に対してホルダー7,9がねじSRを中心に回転しないように、外装筐体3及びホルダー7,9のうち一方にピン及びリブ等の突起を設け、外装筐体3及びホルダー7,9のうち一方に、突起が挿入される凹部又は穴を設けてもよい。
更に、接触面721は、固定部71を挟む第1接触面721A及び第2接触面721Bを含むとした。しかしながら、これに限らず、接触面721は、第1接触面721A及び第2接触面721Bのうち一方の接触面であってもよい。すなわち、孔部712を中心とするホルダー7の回転を規制できれば、プロジェクター2の外面に接触する接触面721の位置は問わない。
【0066】
上記各実施形態では、ホルダー7,9を底面36に取り付けるねじSRが固定されるねじ穴366Aは、金具固定用のねじ穴であり、ホルダー7の固定用のねじ穴でもあるとした。しかしながら、これに限らず、ねじ穴366Aは、金具固定用のねじ穴とは別に設けられ、ホルダー7の固定用に設けられたねじ穴であってもよい。また、ホルダー7,9が固定されるねじ穴は、他のねじ穴364のうちの1つであってもよく、例えば、ねじ穴365のうちの1つであってもよい。
また、ホルダー7,9を固定するねじSRが取り付けられるねじ穴は、底面36以外の面に設けられていてもよい。
【0067】
上記第1実施形態では、第1連結部としての連結部62は、凸部であり、第2連結部としての連結部74は、凸部が挿入可能な凹部であるとした。上記第2実施形態では、第1連結部としての連結部82は、凹部であり、第2連結部としての連結部94は、凹部に挿入可能な凸部であるとした。しかしながら、これに限らず、第1連結部と第2連結部とが互いに連結可能で、かつ、互いに脱離可能な形状であれば、第1連結部及び第2連結部のそれぞれの構成は適宜変更可能である。
【0068】
上記各実施形態では、凸部である連結部62,94の外径は、Y軸における一方の端部から他方の端部に向かって大きくなり、他方の端部から一方の端部に向かって大きくなるとした。換言すると、連結部62,94の外径は、Y軸における一方の端部に向かって小さくなり、他方の端部に向かって小さくなるとした。しかしながら、これに限らず、凸部である連結部62,94の外径は、一定であってもよい。
また、凹部である連結部74,82の内形も、Y軸に直交する方向への連結部62,94の動きを規制できれば、必ずしも連結部62,94の外形に沿っていなくてもよい。
【0069】
上記各実施形態では、連結部62又は連結部94が設けられる第2規制面614の延長面は、対向外面に交差し、ホルダー7,9は、第2規制面614に対向する第2対向面731を有するとした。ここで、第2規制面614に向かう方向への外力がプロジェクター2に採用した場合でも、第2対向面731は、第2規制面614に接触しなくてもよい。
【0070】
上記各実施形態では、ホルダー7,9は、固定具6,8とプロジェクター2との間に配置され、固定具6,8と対向する延在部72を有するとした。しかしながら、これに限らず、延在部72は無くてもよい。この場合、プロジェクター2から固定具6,8に向かう方向の外力がプロジェクター2に作用した場合に、プロジェクター2の対向外面が固定具6,8に接触することによって、プロジェクター2の移動が規制されてもよい。
【0071】
上記各実施形態では、ホルダー7,9は、ねじSRによってプロジェクター2の外装筐体3に取り付けられるとした。しかしながら、これに限らず、外装筐体3が、ホルダー7,9と同様の構成を備えていてもよい。すなわち、固定具6,8が有する連結部62,82と連結される連結部をプロジェクターが備えていてもよい。
【0072】
上記各実施形態では、プロジェクター2は、3つの光変調装置421R,421G,421Bを備えるとした。しかしながら、これに限らず、プロジェクター2は、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を備えていてもよい。
上記各実施形態では、投射光学装置43は、-X方向から入射する画像光を+X方向かつ+Y方向に反射する拡大反射部材を備えるとした。しかしながら、これに限らず、拡大反射部材は無くてもよく、投射光学装置43は、-X方向に画像光を投射するものであってもよい。
上記各実施形態では、投射光学装置43は、画像形成装置42から+Z方向に出射された画像光が通過する入射部432と、画像光の光路を変更する屈曲部433と、屈曲部433から+X方向に画像光が通過する出射部434と、を備えるとした。すなわち、投射光学装置43は、L字状に構成されているとした。しかしながら、これに限らず、投射光学装置43は、直線状に構成されていてもよい。
【0073】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
第1軸にて互いに反対側となる第1面及び第2面と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面及び第4面と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面及び第6面とを有するプロジェクターと、
前記第3軸に交差する設置面に固定され、第1連結部を有する固定具と、
前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面のうち1つの面に対向して前記プロジェクターに固定され、前記第1連結部に連結される第2連結部を有するホルダーと、を備え、
前記固定具及び前記ホルダーは、互いに連結して、前記第1軸に沿う前記プロジェクターの動きと、前記第2軸に沿う前記プロジェクターの動きと、を規制する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【0074】
このような構成によれば、プロジェクターに第1軸に沿う方向の力、及び、第2軸に沿う方向の力が作用した場合でも、固定具とホルダーとが互いに連結していることによって、プロジェクターの動きを規制できる。従って、プロジェクターが予め設定した固定位置からずれることを抑制でき、プロジェクターによる画像の投射位置が変化することを抑制できる。
【0075】
[付記2]
付記1に記載のプロジェクター装置において、
前記ホルダーは、前記第3軸に沿って前記固定具に対して着脱可能である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、プロジェクターを第3軸に沿って移動させることによって、設置面に固定された固定具に対して、プロジェクターに固定されたホルダーを着脱できる。このため、第3軸に沿って固定具から離間する方向にプロジェクターを移動させることによって、固定具によるプロジェクターの固定を解除できる。また、第3軸に沿って固定具に近接する方向にプロジェクターを移動させることによって、固定具によってプロジェクターを設置面に固定できる。従って、プロジェクターの利便性を高めることができる。
【0076】
[付記3]
付記1又は付記2に記載のプロジェクター装置において、
前記ホルダーは、
前記プロジェクターに固定される固定部と、
前記1つの面に接触する接触面と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、プロジェクターから接触面に向かう方向の力を、比較的大きな面積を有する接触面によって受けることができる。従って、ホルダー又は固定具に局所的に力が加わることを抑制できる。
【0077】
[付記4]
付記3に記載のプロジェクター装置において、
前記第6面は、前記設置面に対向し、
前記固定部は、ねじによって前記第6面に固定される、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、プロジェクターにホルダーを強固に固定できる。
また、プロジェクターにホルダーをねじ固定するときに、ねじの回転力がホルダーに作用した場合でも、第6面と交差する上記1つの面に接触面が接触していることによって、ホルダーの回転を規制できる。
【0078】
[付記5]
付記4に記載のプロジェクター装置において、
前記接触面が前記1つの面に接触する方向から前記ホルダーを見て、前記接触面は、前記固定部を挟む第1接触面及び第2接触面を含む、ことを特徴とするプロジェクター装置。
第3軸に沿ってホルダーをプロジェクターに固定するねじを取り付ける場合、又は、ねじを緩める場合には、ねじの回転に伴って、ホルダーには、ねじを中心とする回転力が作用する。
これに対し、上記1つの面に接触する第1接触面及び第2接触面が固定部を挟んで配置されていることによって、ねじの回転に伴うホルダーの回転を規制できる。従って、意図せずにねじが緩むことを抑制でき、プロジェクターからのホルダーの脱落を抑制できる。
【0079】
[付記6]
付記4又は付記5に記載のプロジェクター装置において、
前記プロジェクターは、前記ねじが固定されるねじ穴を前記第6面に有し、
前記ねじ穴は、前記第6面が上を向く状態に前記プロジェクターを固定する金具のねじが挿入されるねじ穴である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、プロジェクターに予め設けられたねじ孔を利用して、プロジェクターにホルダーを固定できる。従って、プロジェクターにホルダー固定用のねじ穴を設ける必要が無い。
【0080】
[付記7]
付記1から付記6のいずれか1つに記載のプロジェクター装置において、
前記第1連結部と前記第2連結部とのうち一方の連結部は、凹部であり、
前記第1連結部と前記第2連結部とのうち他方の連結部は、前記凹部に挿入可能な凸部である、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、第1連結部と第2連結部とを容易に連結できる他、第1連結部及び第2連結部を比較的簡易に構成できる。
【0081】
[付記8]
付記7に記載のプロジェクター装置において、
前記他方の連結部は、前記他方の連結部の外径が前記一方の連結部への挿入方向の端部に向かうに従って小さくなる部分を有し、
前記一方の連結部は、前記他方の連結部の外形に沿う内形を有する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、一方の連結部の凹部形状、及び、他方の連結部の凸部形状によって、他方の連結部を一方の連結部に挿入しやすくすることができる。この他、第1連結部と第2連結部との連結を外れにくくすることができるので、設置面におけるプロジェクターのずれを抑制できる。
【0082】
[付記9]
付記8に記載のプロジェクター装置において、
前記他方の連結部は、前記一方の連結部への挿入方向において互いに反対側に位置する第1端部及び第2端部を有し、
前記他方の連結部の外径は、前記第1端部と前記第2端部との間において、前記第1端部から前記第2端部に向かって大きくなり、前記第2端部から前記第1端部に向かって大きくなる、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【0083】
ここで、固定具を設置面に設置する場合には、まず、設置面に対する所定の位置にプロジェクターを設置し、設置されたプロジェクターに設けられたホルダーに対して固定具を連結する。
一方、設置面に固定された固定具に対してホルダーを連結することによって、設置面にプロジェクターを配置する。
このように、設置面に対する固定具の固定時と、設置面に固定された固定具に対するホルダーの連結時とでは、凹部である一方の連結部に対する他方の連結部の挿入方向は、互いに反対方向となる。
これに対し、他方の連結部の外径が、第1端部から第2端部に向かって大きくなり、第2端部から第1端部に向かって大きくなることにより、設置面に固定具を設置するときに、ホルダーに対して固定具を連結しやすくすることができる他、設置面に固定された固定具にホルダーを連結しやすくすることができる。
【0084】
[付記10]
付記8又は付記9に記載のプロジェクター装置において、
前記固定具は、延長面が前記1つの面に交差し、かつ、前記第1連結部が設けられる規制面を有し、
前記ホルダーは、前記第2連結部が前記第1連結部に連結したときに、前記規制面に対向する対向面を有する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、規制面と対向面とは、第3軸に交差し、かつ、上記1つの面に沿う方向にて対向する。このため、対向面が規制面に向かう方向の外力がプロジェクターに作用した場合に、規制面と対向面とが互いに接触することによって、プロジェクターのずれを抑制できる。
【0085】
[付記11]
付記7から付記10のいずれか1つに記載のプロジェクター装置において、
前記固定具及び前記ホルダーのそれぞれは、前記1つの面に沿って延在する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、プロジェクターに固定されるホルダーを、プロジェクターの上記1つの面に近い位置に配置でき、ひいては、ホルダーと連結される固定具を、上記1つの面に近い位置に配置できる。
また、ホルダー及び固定具が、上記1つの面に沿って延在することによって、設置面に対する固定具の設置面積を大きくできるので、上記1つの面に交差する方向に沿う力に対する固定具のずれを抑制でき、ひいては、プロジェクターのずれを抑制できる。
【0086】
[付記12]
付記11に記載のプロジェクター装置において、
前記ホルダーは、前記固定具と前記プロジェクターとの間に位置し、前記固定具と対向する延在部を有する、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、プロジェクターから固定具に向かう方向の外力がプロジェクターに作用した場合に、固定具とホルダーの延在部とが接することで、プロジェクターのずれを抑制できる。
【0087】
[付記13]
付記1から付記12のいずれか1つに記載のプロジェクター装置において、
前記ホルダーは、前記1つの面に対向して複数設けられ、
前記固定具は、複数の前記ホルダーのそれぞれに応じて複数設けられている、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、固定具及びホルダーの組が複数設けられることによって、第1軸に沿うプロジェクターのずれ、及び、第2軸に沿うプロジェクターのずれを一層抑制できる。この他、固定具及びホルダーの組が複数設けられることにより、第3軸に沿う回転軸を中心とする回転力がプロジェクターに作用した場合でも、プロジェクターが回転することを抑制できる。
【0088】
[付記14]
付記1から付記12のいずれか1つに記載のプロジェクター装置において、
前記ホルダーは、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面のうち少なくとも2つの面のそれぞれに設けられ、
前記固定具は、前記ホルダーに応じて設けられている、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、付記13に係るプロジェクターと同様に、第1軸に沿うプロジェクターのずれ、及び、第2軸に沿うプロジェクターのずれを一層抑制できる他、プロジェクターが回転することを抑制できる。
【0089】
[付記15]
付記14に記載のプロジェクター装置において、
前記ホルダーは、前記第1面及び前記第2面のうち一方の面と、前記第3面及び前記第4面のうち一方の面とのそれぞれに設けられ、
前記固定具は、前記ホルダーに応じて設けられている、ことを特徴とするプロジェクター装置。
このような構成によれば、第1面及び第2面のうち一方の面と、第3面及び第4面のうち一方の面とは交差する面であるので、互いに交差する面に対向して配置される複数のホルダーと複数の固定具とにより、第1軸に沿うプロジェクターのずれ、及び、第2軸に沿うプロジェクターのずれを一層抑制でき他、プロジェクターが第3軸に沿う回転軸を中心に回転することを抑制できる。
【0090】
[付記16]
付記1から付記15のいずれか1つに記載のプロジェクター装置を複数備え、
複数の前記プロジェクター装置のそれぞれから投射される画像によって一つの連続した映像を構成する、ことを特徴とするプロジェクションシステム。
このような構成によれば、設置面に対する各プロジェクターの位置合わせを容易に実施でき、ひいては、各プロジェクターから投射される画像の位置を容易に合わせることができる。
【0091】
[付記17]
第1軸にて互いに反対側となる第1面及び第2面と、前記第1軸に直交する第2軸にて互いに反対側となる第3面及び第4面と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸にて互いに反対側となる第5面及び第6面と、を有するプロジェクターを前記第3軸に交差する設置面に固定するプロジェクター用固定装置において、
前記設置面に固定され、第1連結部を有する固定具と、
前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面のうち1つの面に対向して前記プロジェクターに固定され、前記第1連結部に連結される第2連結部を有するホルダーと、を備え、
前記固定具及び前記ホルダーは、互いに連結して、前記第1軸に沿う前記プロジェクターの動きと、前記第2軸に沿う前記プロジェクターの動きと、を規制する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記1に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0092】
[付記18]
付記17に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記ホルダーは、前記第3軸に沿って前記固定具に対して着脱可能である、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記2に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0093】
[付記19]
付記17又は付記18に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記ホルダーは、
前記プロジェクターに固定される固定部と、
前記1つの面に接触する接触面と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記1に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0094】
[付記20]
付記19に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記第6面は、前記設置面に対向し、
前記固定部は、ねじによって前記第6面に固定される、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記3に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0095】
[付記21]
付記20に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記接触面が前記1つの面に接触する方向から前記ホルダーを見て、前記接触面は、前記固定部を挟む第1接触面及び第2接触面を含む、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記5に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0096】
[付記22]
付記17から付記21のいずれか1つに記載のプロジェクター用固定装置において、
前記第1連結部と前記第2連結部とのうち一方の連結部は、凹部であり、
前記第1連結部と前記第2連結部とのうち他方の連結部は、前記凹部に挿入可能な凸部である、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記7に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0097】
[付記23]
付記22に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記他方の連結部は、前記他方の連結部の外径が前記一方の連結部への挿入方向の端部に向かうに従って小さくなる部分を有し、
前記一方の連結部は、前記他方の連結部の外形に沿う内形を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記8に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0098】
[付記24]
付記23に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記他方の連結部は、前記一方の連結部への挿入方向において互いに反対側に位置する第1端部及び第2端部を有し、
前記他方の連結部の外径は、前記第1端部と前記第2端部との間において、前記第1端部から前記第2端部に向かって大きくなり、前記第2端部から前記第1端部に向かって大きくなる、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記9に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0099】
[付記25]
付記23又は付記24に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記固定具は、延長面が前記1つの面に交差し、かつ、前記第1連結部が設けられる規制面を有し、
前記ホルダーは、前記第2連結部が前記第1連結部に連結したときに、前記規制面に対向する対向面を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記10に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0100】
[付記26]
付記22から付記25のいずれか1つに記載のプロジェクター用固定装置において、
前記固定具及び前記ホルダーのそれぞれは、前記1つの面に沿って延在する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記11に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【0101】
[付記27]
付記26に記載のプロジェクター用固定装置において、
前記ホルダーは、前記固定具と前記プロジェクターとの間に位置し、前記固定具と対向する延在部を有する、ことを特徴とするプロジェクター用固定装置。
このような構成によれば、上記付記12に係るプロジェクター装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0102】
1,11,12…プロジェクター装置、2…プロジェクター、3…外装筐体、31…正面(第1面)、32…背面(第2面)、33…左側面(第3面)、34…右側面(第4面)、35…天面(第5面)、36…底面(第6面)、364,365,366,366A,367…ねじ穴、4…画像投射ユニット、41…光源装置、42…画像形成装置、43…投射光学装置、5,5A…固定装置(プロジェクター用固定装置)、6…固定具、61…固定具本体、613…第1規制面、614…第2規制面(規制面)、62…連結部(第1連結部)、62A…端部(第1端部又は第2端部)、62B…端部(第1端部又は第2端部)、7…ホルダー、71…固定部、72…延在部、721…接触面、721A…第1接触面、721B…第2接触面、722…第1対向面、73…規制部、731…第2対向面(対向面)、74…連結部(第2連結部)、8…固定具、82…連結部(第1連結部)、9…ホルダー、94…連結部、PS…プロジェクションシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12