(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126792
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】釣竿
(51)【国際特許分類】
A01K 87/08 20060101AFI20240912BHJP
A01K 87/06 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A01K87/08 B
A01K87/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035430
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 慎太郎
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA07
2B019CB03
(57)【要約】
【課題】設計の自由度の向上及び軽量化を図ることができる釣竿を提供する。
【解決手段】竿杆2と、リールのリール脚部R1が挿入される固定式及び遊動式の一対のフードを備えるとともに、竿杆2が挿通されるリールシート3と、リールシート3の端部(前端部32)に取り付けられ、グリップとなる筒状体4と、を備え、筒状体4は、リールシート3の端部の外周面に取り付けられていることを特徴とする。筒状体4は、リールシート3の端部の外周面に取り付けられた本体部41と、本体部41に連続し、リールシート3から離間する方向に向かうにつれて縮径する中空の延設部42と、を備えていることが好ましい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿杆と、
リールのリール脚部が挿入される固定式及び遊動式の一対のフードを備えるとともに、前記竿杆が挿通されるリールシートと、
前記リールシートの端部に取り付けられ、グリップとなる筒状体と、を備え、
前記筒状体は、前記リールシートの端部の外周面に取り付けられていることを特徴とする釣竿。
【請求項2】
前記筒状体は、前記リールシートの端部の外周面に取り付けられた本体部と、
前記本体部に連続し、前記リールシートから離間する方向に向かうにつれて縮径する中空の延設部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】
前記筒状体は、金属で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項4】
前記本体部は、前記フードの外周に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項5】
前記延設部は、前記竿杆とは離間していることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項6】
前記リールシートは、中央部及び当該中央部の端に前記端部を備え、
前記リールシートの前記端部が前記中央部よりも小径となることで段差面が形成されており、
前記段差面に前記筒状体が取り付けられることで、前記筒状体の前記本体部の外周面と前記リールシートの前記中央部の外周面とが面一になっていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項7】
前記延設部には、側方に開口する開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
竿杆にリールシートを装着するとともに、リールシートの前後にグリップを装着したものが知られている(例えば、特許文献1)。グリップは、握り心地が良好となるように、EVA、ウレタン、コルクなどで形成されて竿杆に外嵌されている。また、グリップは、竿杆の外周面に対して接着剤によって固定されているのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グリップを竿杆に固定する場合、リールシートの外径と概ね同径となるまでグリップを肉厚にするため、質量が増加する傾向がある。軽量化を図るために、コルクなどの材料を用いることができるが、加工性が悪く、デザインの幅を広げるのも困難であるという問題がある。また、竿杆が比較的細い場合、グリップとの接着面積を大きくしようとすると、接着面を軸長方向に延ばさざるを得ず、設計の自由度が低いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、設計の自由度の向上及び軽量化を図ることができる釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、竿杆と、リールのリール脚部が挿入される固定式及び遊動式の一対のフードを備えるとともに、前記竿杆が挿通されるリールシートと、前記リールシートの端部に取り付けられ、グリップとなる筒状体と、を備え、前記筒状体は、前記リールシートの端部の外周面に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、筒状体をグリップとして利用することができる。筒状体は筒状を呈し内部が中空になっているため軽量化を図ることができる。また、竿杆に比べて径の大きいリールシートの端部に筒状体を取り付けるため、竿杆に取り付けるのに比べて筒状体との接触面積を大きくすることができる。これにより、取付時の制限が少なくなり、設計の自由度を高めることができる。
【0008】
前記筒状体は、前記リールシートの端部の外周面に取り付けられた本体部と、前記本体部に連続し、前記リールシートから離間する方向に向かうにつれて縮径する中空の延設部と、を備えていることが好ましい。
本発明によれば、筒状体の延設部が縮径しているため、握持性を高めることができる。
【0009】
また、前記筒状体は、金属で形成されていることが好ましい。
本発明によれば、筒状体の強度を高めることができるとともに、EVA、ウレタン、コルクなどに比べて成形性が高いため、部材間の段差や隙間を小さくするか又は無くすことができる。
【0010】
また、前記本体部は、前記フードの外周に接着されていることが好ましい。
本発明によれば、軸方向の長さを短くでき小型化を図ることができる。また、接着によりリールシートの端部に筒状体を容易に固定することができる。
【0011】
また、前記延設部は、前記竿杆とは離間していることが好ましい。
本発明によれば、竿杆のしなりによって筒状体が破損するのを防ぐことができる。
【0012】
また、前記リールシートは、中央部及び当該中央部の端に前記端部を備え、前記リールシートの前記端部が前記中央部よりも小径となることで段差面が形成されており、前記段差面に前記筒状体が取り付けられることで、前記筒状体の前記本体部の外周面と前記リールシートの前記中央部の外周面とが面一になっていることが好ましい。
本発明によれば、握持性をより高めることができる。
【0013】
また、前記延設部には、側方に開口する開口部が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、握持性をより高めることができるとともに、デザイン性を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る釣竿によれば、設計の自由度の向上、握持性の向上及び軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る釣竿を示す側面図である。
【
図2】
図1に示すリールシートの部分断面図である。
【
図5】筒状体及びリールシートの取付構造を示す断面図である。
【
図6】本発明の第二実施形態に係る釣竿を示す側面図である。
【
図7】本発明の第三実施形態に係る釣竿を示す側面図である。
【
図8】本発明の第四実施形態に係る釣竿を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第一実施形態>
以下、添付した図面を参照し、本発明の釣竿に係る第一実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は、適宜省略する。以下の説明において、「前後」、「上下」は、
図1,
図2及び
図5の矢印に従う。当該方向は、説明の便宜上用いるものであって、本発明の方向を限定するものではない。
【0017】
図1に示すように、釣竿1は、竿杆2と、リールシート3と、筒状体4と、後グリップ5と、エンドグリップ7とを備えている。釣竿1は、竿先側から、筒状体4、リールシート3、後グリップ5、エンドグリップ7の順番でこれらの部材に竿杆2が挿通されて構成されている。
【0018】
竿杆2は、釣竿1の本体となる樹脂製又は木製の円筒形状の部材である。竿杆2は、一本で構成されていてもよいし、複数本で構成された継ぎ構造としてもよい。
リールシート3は、釣用リールのリール脚部R1が着脱自在に固定される筒状の部材である。リールシート3の材料は特に制限されないが、本実施形態では軽量化を考慮して樹脂で形成されている。リールシート3の内部の中空部に竿杆2が挿通される。
図5に示すように、リールシート3は、スペーサ9を介して接着により竿杆2に固定されている。
【0019】
図2に示すように、リールシート3は、中央部31と、前端部(端部)32と、後端部(端部)33とを備えている。中央部31は、リールシート3の軸方向の中央を構成する部位であって、内部が中空になっている。中央部31の上面には、平坦な載置面51が形成されている。載置面51は、リール脚部R1の中央部が載置される部位である。
【0020】
前端部32は、リールシート3の前端を構成する部位である。
図5に示すように、前端部32は、概ね円筒状を呈し、中実になっている。前端部32は、大径部34と、小径部35と、を備えている。大径部34は、中央部31に連続する部位である。大径部34の外周面34aの外径は、中央部31の外周面31aの外径よりも若干小さくなっている。外周面34aと外周面31aとの間には、互いに垂直となる段差面37が形成されている。
【0021】
小径部35は、大径部34の前側に連続する部位である。小径部35の外周面35aは、大径部34の外周面34aよりも若干小さくなっている(
図5中、上部参照)。大径部34と小径部35との間には、傾斜する段差面38が形成されている。小径部35の下部には、成形時に形成され、軸方向に延設される成形溝53が形成されている。
【0022】
前端部32の上部には、大径部34から小径部35にかけて切り欠かれた固定フード(固定式のフード)36が形成されている。固定フード36は、後方に開放する穴であって、リール脚部R1の前端が挿入される部位である。固定フード36には、平坦な載置面52が設けられている。載置面52は、中央部31の載置面51と概ね同じ高さ位置に形成されている。載置面52は、リール脚部R1の前端が載置される部位である。
【0023】
後端部33は、
図1及び
図2に示すように、リールシート3の後端を構成する部位である。後端部33は、概ね円筒状を呈し、中空になっている。後端部33の後部の外周面には、雌ねじが形成されており、雄ねじを有する操作筒10と螺合している。操作筒10の前端は、遊動フード(遊動式のフード)6と回転可能に係合されている。また、操作筒10の外周面には、後グリップ5が周方向及び軸方向に亘って設けられている。後グリップ5は、例えば、天然コルク、人工コルク、発泡性樹脂のEVA(ethylene vinyl acetate copolymer)等の柔軟部材で形成されている。
【0024】
遊動フード6は、後端部33に挿通されるとともに、上部において前方に開放する穴を備えた筒状部材である。遊動フード6は、後端部33に対して前後方向に移動可能に形成されている。後端部33のうち遊動フード6に対応する部位には、平坦な載置面54が設けられている。載置面54は、中央部31の載置面51と概ね同じ高さ位置に形成されている。載置面54は、リール脚部R1の後端が載置される部位である。遊動フード6の外周面には、リング部材60が取り付けられている。リング部材60は、装飾又は握持性を高めるための凸凹などが施されている。リング部材60は省略してもよい。
【0025】
後グリップ5を軸心C周りに正逆回動させると操作筒10の螺合によって操作筒10が前後方向に移動する。これに伴って、遊動フード6も前後方向に移動することでリール脚部R1を固定又は解除することができる。
筒状体4は、
図4及び
図5に示すように、本体部41と、延設部42とを備えている。筒状体4の材料は特に制限されないが、例えば、金属、樹脂(炭素繊維樹脂、ガラス繊維樹脂などの繊維強化樹脂も含む)等、で形成されている。筒状体4は、利用者が握持するグリップ機能を備えている。本体部41は、円筒状を呈し中空になっている。本体部41の外周面41aには、装飾又は握持性を高めるための凸凹などが施されている。外周面41aは、平坦面であってもよい。
【0026】
本体部41の内周面41bには、大径内周面41b1、小径内周面41b2及び傾斜内周面41b3が形成されている。大径内周面41b1は、小径内周面41b2よりも若干大径になっている。傾斜内周面41b3は、大径内周面41b1と小径内周面41b2との間に傾斜する面である。大径内周面41b1は、大径部34の外周面34aと面接触している。小径内周面41b2は、小径部35の外周面35aと面接触している。傾斜内周面41b3は、段差面38と面接触している。
【0027】
前記したように、本体部41の内部には、前端部32が嵌め合わされている。本体部41の端面41cは、段差面37に当接している。前端部32と本体部41とは、嵌合、圧入、螺合などで取り付けられていてもよいが、本実施形態では接着剤による接着で固定されている。
【0028】
延設部42は、本体部41の前端に連続し、リールシート3から離間する方向に延設されている。延設部42は、リールシート3から離間するにつれて竿杆2に近接するように縮径している。延設部42の前端に形成された挿通孔44に竿杆2が挿通されている。竿杆2は、延設部42には接触しないように構成されている。つまり、挿通孔44の内径は、竿杆2の外径よりも大きくなっている。延設部42には、側方に開放する開口部43が複数個形成されている。開口部43の形状や個数は適宜設定すればよい。
【0029】
延設部42の内部には、樹脂又は金属の化粧リング8が設けられている。化粧リング8は、フランジ部8aと、立上り部8bとを備えている。フランジ部8aは、板状かつリング状を呈する。フランジ部8aは、前端部32の端面に接着剤で接着されている。立上り部8bは、フランジ部8aから前方に向かって立ち上がる部位である。立上り部8bは、前側に向かうにつれて近接するように縮径している。立上り部8bは、本実施形態のように竿杆2に接触してもよいし、離間してもよい。
【0030】
以上説明した本実施形態によれば、筒状体4をグリップとして利用することができる。筒状体4は筒状を呈し内部が中空になっているため軽量化を図ることができる。また、筒状体4の延設部42が縮径しているため、握持性を高めることができる。
ここで、従来、本実施形態のように比較的竿杆の外径が小さい場合(例えば、3~10mm程度)、グリップ等を取り付けるには軸心C方向の接触長さを大きくして接触面積を確保しなければならず、設計の自由度が制限されていた。
【0031】
この点、本実施形態では、竿杆2に比べて径の大きいリールシート3の前端部32に筒状体4を取り付けるため、竿杆2に取り付けるのに比べて筒状体4との接触面積を大きくすることができる。換言すると、前端部32の外径が大きい分、軸心C方向の接触長さは短くて済む。これにより、取付時の制限が少なくなり、設計の自由度を高めることができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、筒状体4の強度を高めることができるとともに、EVA、ウレタン、コルクなどに比べて成形性が高いため、部材間の段差や隙間を小さく又は無くすことができる。より詳しくは、筒状体4の外周面41aと、中央部31の外周面31aとの隙間や段差を小さくするか又は無くすことができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、本体部41は、固定フード36の外周に接着されている。これにより、軸方向の長さを短くでき小型化を図ることができる。また、接着によりリールシート3の前端部32に筒状体4を容易に固定することができる。また、本実施形態によれば、延設部42が竿杆2とは離間している。これにより、竿杆2のしなりによって筒状体4が破損するのを防ぐことができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、筒状体4の本体部41の外周面41aとリールシート3の中央部31の外周面31aとが面一又は概ね面一になっている。これにより、利用者の握持性をより高めることができる。
また、本実施形態によれば、延設部42には、側方に開口する開口部43が形成されている。これにより、握持性をより高めることができるとともに、デザイン性を高めることができる。また、開口部43によって内部が見えるため、化粧リング8を設けることで立体的なデザインを施すことができる。また、化粧リング8は、竿杆2と接触しており、前端部32の前端を塞いでいるため、リールシート3の内部に水や異物が混入するのを防ぐことができる。
【0035】
また、筒状体4の内周面に、大径内周面41b1及び傾斜内周面41b3を設けているため前端部32に筒状体4を挿入しやすくなっている。また、挿入した後は、前端部32の外周面と筒状体4の内周面とがそれぞれ軸心C方向に亘って面接触するため、取付強度を高めることができる。
【0036】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係る釣竿について説明する。
図6に示すように、第二実施形態では、遊動フード6が前端部32に設けられ、固定フード36が、後端部33の上部に形成されている点で第一実施形態と相違する。つまり、第一実施形態ではアップロック式であったが、第二実施形態ではダウンロック式になっている(第三実施形態及び第四実施形態も同じ)。また、筒状体4Aは、延設部42Aの外径が一定になっている点で第一実施形態と相違する。第二実施形態に係る釣竿1Aでは、第一実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0037】
図6に示すように、釣竿1Aは、竿杆2と、リールシート3と、筒状体4Aと、前グリップ5Aと、を備えている。筒状体4Aは、グリップとなる部位であって、円筒状を呈し中空となる本体部41Aと、延設部42Aとを備えている。本体部41Aの外径は、軸方向に亘って一定となっている。筒状体4Aの内部に後端部33を嵌め合わせることで、リールシート3の後端部33に筒状体4Aが取り付けられている。換言すると、本体部41Aは、固定フード36の外側に取り付けられている。
【0038】
延設部42Aは、本体部41Aに連続し後方に延設されている。延設部42Aは、円筒状を呈し、一定の外径になっている。延設部42A自体は竿杆2に接触していない。延設部42Aの後端には、後端を覆う蓋部材61が設けられている。蓋部材61は省略してもよい。
【0039】
前端部32の前部の外周面には、雌ねじが形成されており、雄ねじを有する操作筒10と螺合している。操作筒10の後端は、遊動フード6と回転可能に係合されている。また、操作筒10の外周面には、前グリップ5Aが周方向及び軸方向に亘って設けられている。前グリップ5Aは、例えば、天然コルク、人工コルク、発泡性樹脂のEVA(ethylene vinyl acetate copolymer)等の柔軟部材で形成されている。
【0040】
以上説明した釣竿1Aによっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。つまり、筒状体4Aを、リールシート3の後端に取り付けてもよい。また、竿杆2に比べて径の大きいリールシート3の後端部33に筒状体4Aを取り付けるため、竿杆2に取り付けるのに比べて筒状体4Aとの接触面積を大きくすることができる。換言すると、後端部33の外径が大きい分、軸心C方向の接触長さは短くて済む。これにより、取付時の制限が少なくなり、設計の自由度を高めることができる。
【0041】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態に係る釣竿について説明する。
図7に示すように、第三実施形態では、筒状体4Bの形状が第二実施形態と異なっている。第三実施形態に係る釣竿1Bでは、第二実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0042】
図7に示すように、筒状体4Bは、本体部41Bと、延設部42Bと、開口部43Bと、を備えている。本体部41Bは、円筒状を呈し中空になっている。延設部42Bは、本体部41Bの後端部に連続し、後方に向かうにつれて拡径する部位である。延設部42B自体は竿杆2に接触していない。開口部43Bは、延設部42Bにおいて側方に開口する孔である。延設部42Bの後端には、後端を覆う蓋部材61が設けられている。蓋部材61は省略してもよい。
【0043】
以上説明した釣竿1Bによっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。つまり、筒状体4Bを、リールシート3の後端に取り付けてもよいし、延設部42Bを後方に向けて拡径させてもよい。これにより、グリップ形態にバリエーションを持たせることができる。
【0044】
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態に係る釣竿について説明する。
図8に示すように、第四実施形態では、筒状体4Cの形状が第二実施形態と異なっている。第四実施形態に係る釣竿1Cでは、第二実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0045】
図8に示すように、筒状体4Cは、本体部41Cと、延設部42Cと、を備えている。本体部41Cは、円筒状を呈し中空になっている。延設部42Cは、本体部41Cの後端部に連続し筒状を呈する。延設部42Cの中央には、他の部位より縮径する段差部42C1が形成されている。延設部42C自体は竿杆2に接触していない。延設部42Cの後端には、後端を覆う蓋部材61が設けられている。蓋部材61は省略してもよい。
【0046】
以上説明した釣竿1Cによっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。つまり、筒状体4Cを、リールシート3の後端に取り付けてもよいし、延設部42Cのように段差を備えた複合形状としてもよい。これにより、グリップ形態にバリエーションを持たせることができる。
【0047】
以上本発明の実施形態について説明したが、発明の趣旨に反しない範囲において、適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態では筒状体4は、固定フード36の外側に取り付けたが、これに限定されるものではない。例えば、リールシートの前端が長く形成されている場合において、固定フードよりも前側に取り付けてもよい。また、本実施形態では、筒状体4を固定フード36の外側に取り付けたが、筒状体を遊動フードの外側に取り付けてもよい。また、第一実施形態の筒状体4において、延設部42を縮径させたが、一定の外径にしてもよいし、前方に向けて拡径させてもよいし、凸凹となるように複合形状としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 釣竿
2 竿杆
3 リールシート
6 遊動フード(フード)
31 中央部
32 前端部(端部)
33 後端部(端部)
4 筒状体(グリップ)
36 固定フード(フード)
37 段差面
41 本体部
42 延設部
43 開口部