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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126794
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20240912BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20240912BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A61B5/02 310B
A61B5/1455
A61B5/0245 100B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035433
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】深川 剛史
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA10
4C017AB02
4C017AC26
4C017EE01
4C017FF17
4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038KY01
(57)【要約】
【課題】受光部による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる検出装置を提供すること。
【解決手段】基板と、第1光を発光し、基板に設けられる第1発光部と、第1光を受光し、基板と平行な第1方向から見た場合、基板と平行であり、且つ、第1方向と直交する第2方向に向かって第1発光部と並んで基板に設けられる第1受光部と、第1光を透過し、基板において第1発光部を覆う第1光学部材と、第1光を透過し、基板において第1受光部を覆う第2光学部材と、基板に設けられ、第1発光部と、第1光学部材と、第1受光部と、第2光学部材とが収容される開口が形成される収容部材と、を備え、第2方向において、第1光学部材と第2光学部材との間の少なくとも一部は、空隙である、検出装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
第1光を発光し、前記基板に設けられる第1発光部と、
前記第1光を受光し、前記基板と平行な第1方向から見た場合、前記基板と平行であり、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第1受光部と、
前記第1光を透過し、前記基板において前記第1発光部を覆う第1光学部材と、
前記第1光を透過し、前記基板において前記第1受光部を覆う第2光学部材と、
前記基板に設けられ、前記第1発光部と、前記第1光学部材と、前記第1受光部と、前記第2光学部材とが収容される開口が形成される収容部材と、
を備え、
前記第2方向において、前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の少なくとも一部は、空隙である、
検出装置。
【請求項2】
前記第2光学部材が有する面のうち前記基板と接している面と反対の第1面の少なくとも一部に設けられ、前記第1面に対して第1角度未満で入射する前記第1光の透過率を、前記第1面に対して前記第1角度以上で入射する前記第1光の透過率よりも高くするコート部材を備える、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記空隙の前記第2方向における長さは、前記第1方向と前記第2方向との両方と直交する第3方向に向かって前記基板から離れるほど長い、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記第1光の波長帯と異なる波長帯の第2光を発光し、前記第1方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第2発光部と、
前記第2光を受光し、前記第2方向に向かって前記第1受光部と並んで前記基板に設けられる第2受光部と、
前記第2光を透過し、前記基板において前記第2発光部を覆う第3光学部材と、
前記第2光を透過し、前記基板において前記第2受光部を覆う第4光学部材と、
を更に備え、
前記開口には、前記第1発光部、前記第1光学部材、前記第1受光部、前記第2光学部材のそれぞれとともに、前記第2発光部と、前記第3光学部材と、前記第2受光部と、前記第4光学部材とが収容され、
前記第2光学部材と、前記第4光学部材との間は、空隙であり、
前記第1光学部材と、前記第3光学部材との間は、空隙である、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
前記第1光学部材と前記第3光学部材との間の空隙の前記第1方向における長さは、前記第3光学部材と前記第4光学部材との間の空隙の前記第2方向における長さよりも長い、
請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記第1方向と前記第2方向との両方と直交する第3方向において、前記第1光学部材と前記第1発光部との間に、前記基板において前記第1発光部を覆う第5光学部材を備え、
前記第5光学部材の屈折率は、前記第1光学部材の屈折率よりも大きく、
前記第1光学部材は、前記基板において前記第5光学部材を覆うことにより、前記第1発光部を覆う、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項7】
前記第5光学部材が有する面のうち前記基板と反対の面は、前記第3方向に向かって正の勾配を有する曲面を含む、
請求項6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記第2方向から見た場合、前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の空隙の一部は、前記第1発光部及び前記第1受光部のそれぞれと重なっている、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項9】
前記基板は、前記空隙と重なる位置に凹部を有する、
請求項1に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非侵襲な方法により、脈波、脈拍、酸素飽和度等の生体情報を検出する検出装置についての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、発光素子と受光素子を備えた検出部と、当該検出部と信号線を介して接続された回路部を内蔵する検出装置本体とを備え、検出部を人の手首の甲側又は前腕部の甲側に取り付けて使用され、発光素子から発光された光のうち人の血管内に含まれるヘモグロビンによって反射された光の受光量の時間的な変化に基づいて脈波を検出する検出装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-353133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載されたような検出装置は、更に、凸形状の曲面を有する透光板を備えている。これは、検出部と人の皮膚の表面との間の密着性を向上させるとともに、発光素子から発光された光のうち人の血管内に含まれるヘモグロビンによって反射された光の受光量を増大させるためである。しかしながら、当該検出装置は、透光板そのものの大きさ、透光板に付随する部品の増加等によって、小型化が困難な場合があった。すなわち、当該検出装置は、当該受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することが困難な場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本開示の一態様は、基板と、第1光を発光し、前記基板に設けられる第1発光部と、前記第1光を受光し、前記基板と平行な第1方向から見た場合、前記基板と平行であり、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第1受光部と、前記第1光を透過し、前記基板において前記第1発光部を覆う第1光学部材と、前記第1光を透過し、前記基板において前記第1受光部を覆う第2光学部材と、前記基板に設けられ、前記第1発光部と、前記第1光学部材と、前記第1受光部と、前記第2光学部材とが収容される開口が形成される収容部材と、を備え、前記第2方向において、前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の少なくとも一部は、空隙である、検出装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】検出装置1の第1構成例を示す断面図である。
図2図1に示した検出装置1の上面図である。
図3】コート部材URS11を省略していない場合の検出装置1の上面図である。
図4】第2方向A12における第1発光部L11と第1受光部R11との間の距離を変化させた場合における光電効率比の変化の一例を示す図である。
図5】検出装置1の第2構成例を示す断面図である。
図6図5に示した検出装置1の上面図である。
図7】検出装置1の第3構成例を示す断面図である。
図8】検出装置1の第4構成例を示す上面図である。
図9図8に示した検出装置1の断面図である。
図10図8に示した検出装置1の他の例を示す断面図である。
図11】空隙AG14及び空隙AG15の両方の形状が台形状である場合の検出装置1の一例を示す断面図である。
図12】検出装置2の第1構成例を示す断面図である。
図13図12に示した検出装置2の上面図である。
図14】基板BD2の上面に金型MM1を乗せた様子の一例を示す断面図である。
図15】基板BD2の上面に金型MM2を乗せた様子の一例を示す断面図である。
図16】検出装置2の第2構成例を示す上面図である。
図17】検出装置2の第3構成例を示す断面図である。
図18図17に示した検出装置2の上面図である。
図19】検出装置2の第4構成例を示す断面図である。
図20図19に示した検出装置2の上面図である。
図21】検出装置2の第5構成例を示す上面図である。
図22】検出装置2の第6構成例を示す断面図である。
図23図22に示した検出装置2の上面図である。
図24】検出装置3の第1構成例を示す断面図である。
図25】検出装置3の第2構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<本開示の概要>
以下、本開示の概要について説明する。本開示では、生体内に向けて光を発光し、生体内において反射される光の量の時間的な変化に基づいて生体情報を検出する検出装置の構成について説明する。より具体的には、本開示では、生体内において反射される光の受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる検出装置の構成について説明する。このような構成は、例えば、以下において説明する第1実施形態~第3実施形態の3つの実施形態のそれぞれ、又は、これら3つの実施形態のうちの一部又は全部の組み合わせによって実現することができる。そこで、以下では、これら3つの実施形態のそれぞれについて詳しく説明する。なお、これら3つの実施形態のそれぞれ、又は、これら3つの実施形態のうちの一部又は全部の組み合わせは、以下において説明する検出装置の機能を損なわない限りにおいて、他の構成と組み合わされてもよい。
【0009】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
<第1実施形態に係る検出装置の概要>
まず、第1実施形態に係る検出装置の概要について説明する。
【0011】
第1実施形態に係る検出装置は、基板と、第1発光部と、第1受光部と、第1光学部材と、第2光学部材と、収容部材を備える。第1発光部は、第1光を発光し、基板に設けられる。第1受光部は、第1光を受光し、基板と平行な第1方向から見た場合、第2方向に向かって第1発光部と並んで基板に設けられる。ここで、第2方向は、基板と平行であり、且つ、第1方向と直交する方向である。第1光学部材は、第1光を透過し、基板において第1発光部を覆う。第2光学部材は、第1光を透過し、基板において第1受光部を覆う。収容部材は、基板に設けられ、第1発光部と、第1光学部材と、第1受光部と、第2光学部材とが収容される開口が形成される。そして、第2方向において、第1光学部材と第2光学部材との間の少なくとも一部は、空隙である。これにより、当該検出装置は、空隙の代わりに樹脂、金属等が配置されている場合と比較して、第1発光部と第1受光部とを近づけて第1受光部による受光量を増大させることができるとともに、第2方向における大きさを小さくすることができる。すなわち、当該検出装置は、受光部による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。
【0012】
第1実施形態に係る検出装置の構成について詳しく説明する。
【0013】
<第1実施形態に係る検出装置の構成>
以下、第1実施形態に係る検出装置の構成について、検出装置1を例に挙げて説明する。第1実施形態では、説明の便宜上、検出装置1のユーザーを、第1ユーザーと称して説明する。また、第1実施形態では、説明の便宜上、ある方向に向かって検出装置1を見た場合のことを、当該方向から見た場合と称して説明する。
【0014】
図1は、検出装置1の第1構成例を示す断面図である。ここで、三次元座標系TCは、三次元座標系TCが描かれた図における方向を示す三次元直交座標系である。本開示では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるX軸を、単にX軸と称して説明する。また、本開示では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるY軸を、単にY軸と称して説明する。また、本開示では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるZ軸を、単にZ軸と称して説明する。また、本開示では、説明の便宜上、Z軸の正方向を上又は上方向と称し、Z軸の負方向を下又は下方向と称して説明する。
【0015】
検出装置1は、非侵襲な方法により、生体情報を検出する装置である。第1実施形態では、一例として、検出装置1が、人の生体情報を検出する装置である場合について説明する。この場合、検出装置1は、脈波、脈拍、酸素飽和度等を生体情報として検出し、例えば、スマートウォッチ、アクティブトラッカー、スマートリング等のバイタル機器に備えられる。なお、検出装置1は、人以外の動物の生体情報を検出する構成であってもよく、植物の生体情報を検出する構成であってもよい。
【0016】
具体的には、検出装置1は、人の皮膚に押し当てられ、予め決められた波長帯の光を当該皮膚に向かって発する。そして、検出装置1は、当該皮膚に向かって発した光の反射光を受光し、受光した反射光の受光量の時間的な変化に基づいて、脈拍、酸素飽和度等を検出する。ここで、検出装置1が発光した光を反射する物質は、例えば、毛細血管内のヘモグロビン等であるが、これに限られるわけではない。また、例えば、検出装置1は、脈拍を検出する場合、緑色の波長帯の光を利用する。緑色の波長帯は、500~570[nm]である。また、例えば、検出装置1は、酸素飽和度を検出する場合、赤色の波長帯の光、赤外線の波長帯の光等を利用する。赤色の波長帯は、630~680[nm]であり、赤外線の波長帯の光は、850~1000[nm]である。本開示では、説明の便宜上、緑色の波長帯の光を緑光と称して説明する。また、本開示では、説明の便宜上、赤色の波長帯の光を赤光と称して説明する。また、本開示では、説明の便宜上、赤外線の波長帯の光を赤外光と称して説明する。
【0017】
検出装置1は、例えば、基板BD1と、第1発光部L11と、第1受光部R11と、第1発光側光学部材LRS11と、第1受光側光学部材RRS11と、収容部材CS1と、コート部材URS11を備える。なお、検出装置1は、第1受光部R11により受光された光の受光量を示すデータを取得し、取得したデータに基づく各種の処理を行うプロセッサー等の他の部材も備えている。当該各種の処理には、例えば、当該データが示す受光量の時間的な変化に基づく脈拍、酸素飽和度等を算出する処理が含まれている。しかしながら、本開示では、これら他の部材についての説明は、省略する。このため、各図においても、これら他の部材について省略している。また、検出装置1は、コート部材URS11を備えない構成であってもよい。
【0018】
基板BD1は、検出装置1の基板として利用可能な基板であれば、如何なる基板であってもよい。基板BD1は、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂を用いた基盤である。基板BD1には、第1発光部L11と、第1受光部R11と、第1発光側光学部材LRS11と、第1受光側光学部材RRS11と、収容部材CS1とが設けられる。第1実施形態では、説明の便宜上、基板BD1が有する2つの面のうち、各図におけるZ軸の正方向の面を基板BD1の上面と称し、各図におけるZ軸の負方向の面を基板BD1の下面と称して説明する。また、以下では、一例として、第1発光部L11と、第1受光部R11と、第1発光側光学部材LRS11と、第1受光側光学部材RRS11と、収容部材CS1とのそれぞれが、基板BD1の上面に設けられる場合について説明する。
【0019】
第1発光部L11は、予め決められた第1波長帯の光を第1光として発光する発光素子、発光装置等である。第1発光部L11は、例えば、LED(Light Emitting Diode)であるが、これに代えて、OLED(Organic Light Emitting Diode)、μ(Micro)LED、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)等の他の発光素子、他の発光装置であってもよい。第1実施形態では、一例として、第1波長帯が緑色の波長帯である場合について説明する。この場合、第1発光部L11は、緑光を第1光として発光する。
【0020】
第1発光部L11は、基板BD1の上面に設けられる。なお、第1実施形態では、第1実施形態の説明に用いられる各図において、図が煩雑になるのを防ぐため、基板BD1上の伝送路と第1発光部L11とを接続する部材については、省略している。ここで、当該部材は、例えば、ワイヤーボンディング、接続端子等であるが、これらに限られるわけではない。第1発光部L11は、第1発光部の一例である。
【0021】
第1受光部R11は、第1発光部L11により発光された第1光を受光する受光素子、受光装置等である。なお、第1受光部R11は、第1光を受光可能であり、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を受光不可能な構成であってもよい。第1波長帯と異なる波長帯の光を受光不可能な構成は、例えば、バンドパスフィルター等によって実現される。第1実施形態では、一例として、第1受光部R11が、第1光を受光可能であり、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を受光可能である場合について説明する。
【0022】
第1受光部R11は、基板BD1に対して予め決められた第1方向A11から見た場合、第2方向A12に向かって第1発光部L11と並んで基板BD1の上面に設けられる。ここで、第1方向A11は、基板BD1と平行な方向であれば、如何なる方向であってもよい。また、第2方向A12は、基板BD1と平行であり、且つ、第1方向A11と直交する方向である。
【0023】
第1実施形態の説明に用いられる各図では、一例として、第1方向A11が、X軸の負方向と一致している様子が示されている。また、当該各図では、一例として、第2方向A12が、Y軸の正方向と一致している様子が示されている。このため、図1に示した断面図は、第1方向A11から見た場合において、第1発光部L11及び第1受光部R11が見えるように、第1方向A11と直交する仮想的な面に沿って検出装置1を切断した断面図である。なお、当該各図において、図が煩雑になるのを防ぐため、基板BD1上の伝送路と第1受光部R11とを接続する部材については、省略している。ここで、当該部材は、例えば、ワイヤーボンディング、接続端子等であるが、これに限られるわけではない。第1受光部R11は、第1受光部の一例である。
【0024】
第1発光側光学部材LRS11は、第1光を透過する。なお、第1発光側光学部材LRS11は、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過する構成であってもよく、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過しない構成であってもよい。第1実施形態では、一例として、第1発光側光学部材LRS11が、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過する場合について説明する。第1発光側光学部材LRS11は、1.4程度以上の屈折率を有し、且つ、第1光を透過する材質によって構成され、例えば、透明のエポキシ樹脂、透明のアクリル樹脂等の光を透過する樹脂であるが、これらに限られるわけではない。なお、透明なエポキシ樹脂の屈折率は、1.52程度である。また、透明なアクリル樹脂の屈折率は、1.45程度である。
【0025】
第1発光側光学部材LRS11は、基板BD1において第1発光部L11を覆う。換言すると、第1発光側光学部材LRS11は、基板BD1とともに第1発光部L11を挟んで包み込む。第1実施形態では、一例として、第1発光側光学部材LRS11が、第1発光部L11との間に空隙が発生しないように基板BD1の上面に設けられる場合について説明する。この場合、第1発光側光学部材LRS11と第1発光部L11との間には、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、空隙が存在しない。これにより、検出装置1は、第1発光部L11から発光された第1光が、第1発光側光学部材LRS11と基板BD1との間において屈折されてしまうことを抑制することができる。その結果、検出装置1は、光学的な設計を単純化することができる。
【0026】
また、第1発光部L11が第1発光側光学部材LRS11により覆われているため、検出装置1は、第1ユーザーが第1発光部L11に誤って触れてしまうこと、粉塵、水等に第1発光部L11が曝されてしまうこと等を抑制することができる。その結果、検出装置1は、第1発光部L11に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。なお、検出装置1は、第1発光側光学部材LRS11と第1発光部L11との間のうちの一部に空隙が形成される構成であってもよい。第1発光側光学部材LRS11は、第1光学部材の一例である。
【0027】
第1受光側光学部材RRS11は、第1光を透過する。なお、第1受光側光学部材RRS11は、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過する構成であってもよく、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過しない構成であってもよい。第1実施形態では、一例として、第1受光側光学部材RRS11が、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過する場合について説明する。第1受光側光学部材RRS11は、1.4程度以上の屈折率を有し、且つ、第1光を透過する材質によって構成され、例えば、透明のエポキシ樹脂、透明のアクリル樹脂等の光を透過する樹脂であるが、これらに限られるわけではない。第1実施形態では、一例として、第1受光側光学部材RRS11を構成する樹脂が、第1発光側光学部材LRS11を構成する樹脂と同じ樹脂である場合について説明する。
【0028】
第1受光側光学部材RRS11は、基板BD1において第1受光部R11を覆う。換言すると、第1受光側光学部材RRS11は、基板BD1とともに第1受光部R11を挟んで包み込む。以下では、一例として、第1受光側光学部材RRS11が、第1受光部R11との間に空隙が発生しないように基板BD1の上面に設けられる場合について説明する。この場合、第1受光側光学部材RRS11と第1受光部R11との間には、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、空隙が存在しない。これにより、検出装置1は、第1受光側光学部材RRS11へ入射した第1光が、第1受光側光学部材RRS11と基板BD1との間において屈折されてしまうことを抑制することができる。
【0029】
その結果、検出装置1は、光学的な設計を単純化することができる。また、第1受光部R11が第1受光側光学部材RRS11により覆われているため、検出装置1は、第1ユーザーが第1受光部R11に誤って触れてしまうこと、粉塵、水等に第1受光部R11が曝されてしまうこと等を抑制することができる。その結果、検出装置1は、第1受光部R11に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。なお、検出装置1は、第1受光側光学部材RRS11と第1受光部R11との間のうちの一部に空隙が形成される構成であってもよい。第1受光側光学部材RRS11は、第2光学部材の一例である。
【0030】
収容部材CS1は、基板BD1の上面に設けられる。収容部材CS1は、基板BD1、コート部材URS11のそれぞれとともに検出装置1の外形を構成する部材である。以下では、説明を簡略化するため、一例として、収容部材CS1の外形が、収容部材CS1に形成された各種の開口、製造誤差による歪み等を除いて、全体として直方体形状である場合について説明する。この場合、収容部材CS1の上面は、基板BD1と平行な面である。なお、収容部材CS1の上面は、基板BD1と非平行な面であってもよい。また、収容部材CS1の上面の基板BD1からの高さは、第1発光部L11の基板BD1からの高さよりも高い高さになるように決められる。
【0031】
収容部材CS1は、例えば、光の反射率の高い不透明な樹脂、金属粉が混入された透明な樹脂、金属等によって構成される。第1実施形態では、一例として、収容部材CS1が、可視光及び赤外光を略透過しない白色のエポキシ樹脂である場合について説明する。また、本開示では、説明の便宜上、当該白色のエポキシ樹脂を、白樹脂と称して説明する。
【0032】
ここで、収容部材CS1には、第1開口H11が形成されている。図2は、図1に示した検出装置1の上面図である。ただし、図2では、収容部材CS1の形状を明確に示すため、検出装置1の上面を覆う部材であるコート部材URS11が省略されている。なお、図3は、コート部材URS11を省略していない場合の検出装置1の上面図である。
【0033】
第1開口H11は、基板BD1と交差する第3方向A13に向かって収容部材CS1を貫通する孔である。第1実施形態では、一例として、第3方向A13が、基板BD1と直交する2つの方向のうち、基板BD1から第1発光部L11に向かう方向である場合について説明する。この場合、第3方向A13は、第1方向A11及び第2方向A12と直交し、且つ、第1実施形態の説明に用いられる各図においてZ軸の正方向と一致している。
【0034】
また、第1開口H11は、基板BD1の上面において、第1発光部L11と、第1発光側光学部材LRS11と、第1受光部R11と、第1受光側光学部材RRS11とが収容される孔である。図1及び図2に示した例では、第1開口H11の輪郭の形状は、第1方向A11から見た場合、長方形状である。また、当該例では、第1開口H11の輪郭の形状は、第3方向A13から見た場合、長方形状である。すなわち、第1開口H11の形状は、直方体形状である。なお、第1開口H11の形状は、直方体形状に代えて、基板BD1の上面において、第1発光部L11と、第1発光側光学部材LRS11と、第1受光部R11と、第1受光側光学部材RRS11とを収容可能な他の形状であってもよい。当該他の形状は、例えば、台形状等であるが、これに限られるわけではない。
【0035】
コート部材URS11は、第1受光側光学部材RRS11が有する面のうち基板BD1と接している面と反対の第1面M11の少なくとも一部に設けられる部材である。コート部材URS11は、第1面M11に対して第1角度未満で入射する第1光の透過率を、第1面M11に対して第1角度以上で入射する第1光の透過率よりも高くする部材である。コート部材URS11は、例えば、AR(Anti Reflection)コートであるが、これに代えて、第1面M11に対して第1角度未満で入射する第1光の透過率を、第1面M11に対して第1角度以上で入射する第1光の透過率よりも高くすることが可能な他の部材であってもよい。第1角度は、例えば、30以上、60°以下の角度であり、好ましくは、42°以上の角度である。第1実施形態では、一例として、図1に示したように、コート部材URS11が、第1面M11の全面に加えて、第1発光側光学部材LRS11の上面、収容部材CS1の上面それぞれのすべてに設けられる場合について説明する。この場合、コート部材URS11は、検出装置1の上面の少なくとも一部を覆い、検出装置1の上面を構成する。なお、コート部材URS11は、第1発光側光学部材LRS11の上面の一部又は全部を覆わない構成であってもよい。また、コート部材URS11は、収容部材CS1の上面の一部又は全部を覆わない構成であってもよい。
【0036】
ここで、図1及び図2に示したように、検出装置1が備える第1開口H11内において、第1発光側光学部材LRS11と第1受光側光学部材RRS11との間は、空隙AG11である。すなわち、第2方向A12において、第1発光側光学部材LRS11と第1受光側光学部材RRS11との間は、空隙AG11である。換言すると、第1開口H11内において、第1発光側光学部材LRS11と第1受光側光学部材RRS11との間には、空隙AG11が形成されている。更に換言すると、第1開口H11内には、第1発光側光学部材LRS11と第1受光側光学部材RRS11との間に形成された空隙AG11が存在する。また、図1に示した例では、空隙AG11の一部は、第2方向A12において、すなわち、Y軸の負方向において、第1発光部L11及び第1受光部R11のそれぞれと重なっている。より具体的には、空隙AG11に含まれる領域のうちの最下方の領域は、第1発光部L11及び第1受光部R11のそれぞれと重なっている。換言すると、当該場合、空隙AG11を形成している壁面のうち最下方の壁面は、第1発光部L11及び第1受光部R11のそれぞれの上面よりも下方に位置している。
【0037】
また、当該例では、空隙AG11は、上方において、検出装置1の外側の領域と接続している。空隙AG11は、例えば、以下のような形成方法により形成することができる。まず、検出装置1の製造者は、ダイボンディング及びワイヤーボンディングによって第1発光部L11及び第1受光部R11のそれぞれを基板BD1の上面に設ける。その後、当該製造者は、直方体形状に樹脂を固めるための金型を用いて、第1発光部L11及び第1受光部R11の両方を覆うように、基板BD1の上面に樹脂を充填して固める。この際、この樹脂の基板BD1上における高さは、第1発光部L11と第1受光部R11とのうち高い方の高さよりも0.2[mm]以上高くする。この樹脂は、第1発光側光学部材LRS11及び第1受光側光学部材RRS11のそれぞれを構成する樹脂である。
【0038】
次に、当該製造者は、基板BD1の上面に充填した樹脂の上面に、コート部材URS11を蒸着させる。そして、当該製造者は、基板BD1の上面に充填した樹脂を、第1発光部L11を覆う樹脂と、第1受光部R11を覆う樹脂との2つの樹脂に切断する。このようにして切断された2つの樹脂のうち、第1発光部L11を覆う樹脂が、第1発光側光学部材LRS11である。
【0039】
一方、当該2つの樹脂のうち、第1受光部R11を覆う樹脂が、第1受光側光学部材RRS11である。なお、当該製造者は、基板BD1の上面に充填した樹脂を、コート部材URS11ごと切断してもよく、側面から当該樹脂のみを切断してもよい。図1図3に示した例では、コート部材URS11が2つに切断されている。すなわち、当該例では、当該製造者は、当該樹脂をコート部材URS11ごと切断している。当該製造者が側面から当該樹脂のみを切断する場合、第1発光側光学部材LRS11の上面に設けられたコート部材URS11と、第1受光側光学部材RRS11の上面に設けられたコート部材URS11とは、繋がっていてもよい。また、当該樹脂の切断において、当該製造者は、当該樹脂とともに基板BD1の上面の一部を切断する構成であってもよい。この場合、基板BD1の上面には、凹部が形成され、形成された凹部の下面よりも上方が、空隙AG11となる。すなわち、空隙AG11は、基板BD1の凹部と重なっている。また、第1開口H11内において、第1発光側光学部材LRS11と第1受光側光学部材RRS11との間のうちの一部は、繋がっていてもよい。
【0040】
次に、当該製造者は、収容部材CS1として、例えば、白樹脂を基板BD1の上面に流し込んで固める。この際、当該製造者は、白樹脂が空隙AG11に入り込まないようにマスキングする。最後に、当該製造者は、基板BD1の上面に形成された収容部材CS1の上面に、コート部材URS11を蒸着させ、検出装置1を完成させる。これにより、当該製造者は、図1に示したような空隙AG11が形成された構成の検出装置1を製造することができる。なお、収容部材CS1が有する壁面の厚みは、例えば、0.3[mm]であるが、これに限られるわけではない。また、空隙AG11の第2方向A12における幅は、0.05[mm]であるが、これに限られるわけではない。
【0041】
以上のような構成の検出装置1では、第1発光部L11から発光された第1光は、収容部材CS1、空隙AG11のそれぞれで反射される。例えば、図1に示した矢印LT11が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光は、第1発光部L11から収容部材CS1に向かって発光された第1光の一例である。矢印LT11が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光は、収容部材CS1で反射され、矢印LT12が示す方向に向かって進む。この際、矢印LT11が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光は、第1面M11に対して第1角度以上で入射するため、検出装置1に備えられているコート部材URS11を透過する。その結果、当該第1光は、第1発光側光学部材LRS11の上面において略反射されず、検出装置1の外側へ出て行く。すなわち、検出装置1は、当該第1光が、当該上面において反射されて第1発光側光学部材LRS11内で迷光になることを抑制することができる。換言すると、検出装置1は、コート部材URS11を備えることにより、人の皮膚の中に入射する光の量を増大させることができる。
【0042】
一方、例えば、図1に示した矢印LT13が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光は、第1発光部L11から第1受光側光学部材RRS11に向かって発光された第1光の一例である。矢印LT13が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光の一部は、第1発光側光学部材LRS11と空隙AG11との界面において反射され、矢印LT14が示す方向に向かって進み、検出装置1の外側へ出て行く。これにより、検出装置1は、人の皮膚の中に入ることなく第1受光側光学部材RRS11へ入射する迷光になってしまう当該第1光の光量を抑制することができる。
【0043】
また、矢印LT13が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光のうち、第1発光側光学部材LRS11と空隙AG11との界面において反射されずに透過した第1光は、第1発光側光学部材LRS11と空隙AG11との界面と、第1受光側光学部材RRS11と空隙AG11との界面とのそれぞれにおける屈折を経て、図1に示した矢印LT15に沿って、第1受光側光学部材RRS11の上面に設けられたコート部材URS11に向かって進む。コート部材URS11に入射した第1光は、第1面M11に対して第1角度以上で入射し、コート部材URS11を透過する。すなわち、当該第1光は、第1受光側光学部材RRS11の上面において反射されず、検出装置1の外側へ出て行く。これにより、検出装置1は、当該第1光が、第1受光側光学部材RRS11内で迷光になってしまうことを抑制することができる。
【0044】
以上のことから、検出装置1は、コート部材URS11を備え、且つ、空隙AG11が形成されていることにより、第1発光部L11から発光された第1光が、人の皮膚の中に入射する光の量を増大させることができ、第1受光側光学部材RRS11へ入射する迷光になってしまう当該第1光の光量を抑制できる。これは、第1受光部R11による受光量が減少してしまうことを抑制することに繋がり、有用である。
【0045】
また、検出装置1は、第1発光側光学部材LRS11と第1受光側光学部材RRS11との間に空隙AG11が形成されていることにより、空隙AG11の代わりに樹脂、金属等が配置されている場合と比較して、第1発光部L11と第1受光部R11とを近づけて第1受光部R11による受光量を増大させることができるとともに、第2方向A12における大きさを小さくすることができる。すなわち、検出装置1は、第1受光部R11による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。なお、検出装置1は、コート部材URS11を備えていない場合であっても、第1発光側光学部材LRS11から第1受光側光学部材RRS11へ入射する第1光が、第1発光側光学部材LRS11と空隙AG11との界面によって反射されるため、人の皮膚の中に入ることなく第1受光側光学部材RRS11へ入射する迷光になってしまうことを抑制することができる。このため、検出装置1は、当該場合であっても、第1受光部R11による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。また、検出装置1は、第1発光側光学部材LRS11と第1受光側光学部材RRS11との間に空隙AG11が形成されていることにより、空隙AG11の代わりに樹脂、金属等が配置されている場合と比較して、樹脂、金属等を用いるための材料費等のコストを削減することができる。
【0046】
ここで、図4は、第2方向A12における第1発光部L11と第1受光部R11との間の距離を変化させた場合における光電効率比の変化の一例を示す図である。光電効率比は、第1光電効率に対する第2光電効率との比である。第1光電効率は、空隙AG11の代わりに白樹脂を配置した場合の検出装置1における光電効率である。第2光電効率は、図1に示した検出装置1における光電効率である。そして、光電効率は、第1発光部L11による第1光の発光量に対する、人の皮膚内において反射された第1光の第1受光部R11による受光量と比である。
【0047】
また、図4に示したグラフは、出願人が事前に行った実験結果の一例である。当該グラフの横軸は、第2方向A12における第1発光部L11と第1受光部R11との間の距離を示す。当該グラフの縦軸は、光電効率比を示す。図4を見ると、第2方向A12における第1発光部L11と第1受光部R11との間の距離を近づけるほど、光電効率比が高くなることが分かる。例えば、当該グラフは、第2方向A12における第1発光部L11と第1受光部R11との間の距離を1.43[mm]程度にすることにより、空隙AG11の代わりに白樹脂を配置した場合の検出装置1における光電効率に対して、図1に示した検出装置1の光電効率を2倍程度にすることができることを示している。
【0048】
これは、図1に示したように検出装置1に空隙AG11が形成されている場合、空隙AG11の代わりに白樹脂を配置した場合の検出装置1と比較して、第2方向A12における第1発光部L11と第1受光部R11との間の距離を短くすることができ、その結果、光電効率を向上させることができることを意味している。なお、このような光電効率の上昇には、前述の空隙AG11による第1光の反射と、コート部材URS11による第1光の透過とのそれぞれも寄与している。
【0049】
なお、第1実施形態に係る検出装置1は、図5及び図6に示したように、光学部材IRSを備える構成であってもよい。図5は、検出装置1の第2構成例を示す断面図である。図5に示した断面図も、第1方向A11から見た場合において、第1発光部L11及び第1受光部R11が見えるように、第1方向A11と直交する仮想的な面に沿って検出装置1を切断した断面図である。図6は、図5に示した検出装置1の上面図である。ただし、図6では、光学部材IRSと第1発光側光学部材LRS11との位置関係を明確に示すため、コート部材URS11が省略されている。
【0050】
光学部材IRSは、第1光を透過し、第1発光側光学部材LRS11の屈折率よりも0.05以上大きい屈折率を有する光学部材である。光学部材IRSは、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過する構成であってもよく、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過しない構成であってもよい。以下では、一例として、光学部材IRSが、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過する場合について説明する。光学部材IRSは、例えば、第1発光側光学部材LRS11の屈折率よりも0.05以上大きい屈折率を有する透明な樹脂等であるが、これらに限られるわけではない。なお、より望ましくは、光学部材IRSの屈折率は、1.65以上である。
【0051】
光学部材IRSは、第1発光側光学部材LRS11と第1発光部L11との間に挟まれ、基板BD1において第1発光部L11を覆う。このため、検出装置1が光学部材IRSを備える場合、第1発光側光学部材LRS11は、図5及び図6に示したように、基板BD1において光学部材IRSを覆うことにより、第1発光部L11を覆う。すなわち、検出装置1の製造者は、例えば、第1発光側光学部材LRS11及び第1受光側光学部材RRS11のそれぞれを構成する樹脂を基板BD1の上面に充填する前に、光学部材IRSを構成する樹脂を基板BD1の上面に充填して固める。以下では、一例として、光学部材IRSが、第1発光部L11との間に空隙が発生しないように基板BD1の上面に設けられる場合について説明する。この場合、光学部材IRSと第1発光部L11との間には、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、空隙が存在しない。これにより、検出装置1は、第1発光部L11から発光された第1光が、光学部材IRSと基板BD1との間において屈折されてしまうことを抑制することができる。その結果、検出装置1は、光学的な設計を単純化することができる。なお、光学部材IRSは、第5光学部材の一例である。
【0052】
光学部材IRSが有する面のうち基板BD1と反対の面は、前述の第3方向A13に向かって正の勾配を有する面を含む。図5及び図6に示した例では、光学部材IRSの形状は、第1発光部L11を覆うドーム形状である。このため、光学部材IRSが有する面のうち基板BD1と反対の面は、前述の第3方向A13に向かって正の勾配を有する曲面を含んでいる。
【0053】
図5に示した矢印LT16が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光は、第1発光部L11から第1受光側光学部材RRS11に向かって発光された第1光の一例である。ここで、第1発光部L11は、ドーム形状の光学部材IRSによって覆われている。また、光学部材IRSの屈折率は、第1発光側光学部材LRS11の屈折率よりも大きい。これらのため、矢印LT16が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光は、光学部材IRSと第1発光側光学部材LRS11との界面で屈折され、矢印LT17が示す方向に屈折する。矢印LT17が示す方向は、第1受光部R11から離れる方向である。そして、第1受光部R21から離れる方向は、屈折前の第1光の進行方向よりも第3方向A13に近い方向と換言されてもよい。
【0054】
図5に示した例では、矢印LT17が示す方向は、第1受光部R11から離れる方向であり、第1発光側光学部材LRS11の上面に設けられたコート部材URS11に向かう方向である。そして、矢印LT17が示す方向は、矢印LT16が示す方向よりも第3方向A13に近い方向である。このため、矢印LT17が示す方向に向かって進む第1光は、第1発光側光学部材LRS11の上面において略反射されず、検出装置1の外側へ出て行く。
【0055】
すなわち、検出装置1は、光学部材IRSを備えることにより、第1光が、人の皮膚の中に入ることなく第1発光側光学部材LRS11内で迷光になってしまうことを、より確実に抑制することができ、その結果、人の皮膚の中に入射する光の量を増大させることができる。これは、検出装置1による脈拍の検出についてのS(Signal)/N(Noise)比を向上させることに繋がるため、有用である。なお、光学部材IRSの形状は、ドーム形状に代えて、第1方向A11から見た場合において、第1発光部L11から第1受光側光学部材RRS11に向かって発光された第1光を、第1発光側光学部材LRS11と光学部材IRSとの境界面で第1受光部R11から離れる方向に屈折させることが可能な形状であれば、三角錐形状、四角錐形状等の他の形状であってもよい。
【0056】
また、第1実施形態に係る検出装置1では、図7に示したように、空隙AG11の第2方向A12における長さが、基板BD1と交差する方向に向かって基板BD1から離れるほど長くなる構成であってもよい。図7は、検出装置1の第3構成例を示す断面図である。なお、図7に示した断面図も、第1方向A11から見た場合において、第1発光部L11及び第1受光部R11が見えるように、第1方向A11と直交する仮想的な面に沿って検出装置1を切断した断面図である。
【0057】
図7に示した例では、空隙AG11は、第2方向A12における長さが、第3方向A13に向かって基板BD1から離れるほど長くなっている。例えば、当該例では、幅W2は、幅W1よりも長い。図7に示した幅W2は、空隙AG11の最上部の第2方向A12における長さ、すなわち、基板BD1から最も遠い空隙AG11の第2方向A12における長さの一例を示す。図7に示した幅W1は、空隙AG11の最下部の第2方向A12における長さ、すなわち、基板BD1に最も近い空隙AG11の第2方向A12における長さの一例を示す。
【0058】
図7に示した矢印LT18が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光は、第1発光部L11から第1受光側光学部材RRS11に向かって発光された第1光の一例である。矢印LT18が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光は、第1受光側光学部材RRS11に到達する前に、第1発光側光学部材LRS11と空隙AG11との界面によって、矢印LT19が示す方向に屈折する。矢印LT19が示す方向は、第1受光部R21から離れる方向である。そして、第1受光部R21から離れる方向は、前述した通り、屈折前の第1光の進行方向よりも第3方向A13に近い方向と換言されてもよい。
【0059】
図7に示した例では、第1受光部R11から離れる方向は、矢印LT19によって示されている。そして、当該例では、矢印LT19が示す方向は、空隙AG11を通って検出装置1の外側に向かう方向であり、矢印LT18が示す方向よりも第3方向A13に近い方向である。このため、矢印LT19が示す方向に向かって進む第1光は、第1受光側光学部材RRS11へ入射されることなく、検出装置1の外側へ出て行く。すなわち、検出装置1は、空隙AG11の構成が図7に示した構成であることにより、第1光が、第1受光側光学部材RRS11内で迷光になってしまうことを、より確実に抑制することができる。その結果、検出装置1は、人の皮膚の中に入射する第1光の量を増大させることができる。これは、検出装置1による脈拍の検出についてのS/N比を向上させることに繋がるため、有用である。
【0060】
また、第1実施形態に係る検出装置1は、図8に示すように、基板BD1と、第1発光部L11と、第2発光部L12と、第3発光部L13と、第1受光部R11と、第2受光部R12と、第1発光側光学部材LRS11と、第2発光側光学部材LRS12と、第3発光側光学部材LRS13と、第1受光側光学部材RRS11と、第2受光側光学部材RRS12と、収容部材CS1と、コート部材URS11を備える構成であってもよい。図8は、検出装置1の第4構成例を示す上面図である。ただし、図8では、第1発光側光学部材LRS11と、第1受光側光学部材RRS11と、第2発光側光学部材LRS12と、第3発光側光学部材LRS13と、第2受光側光学部材RRS12との位置関係を明確に示すため、コート部材URS11を省略している。
【0061】
第2発光部L12は、第1方向A11に向かって第1発光部L11と並んで基板BD1の上面に設けられる。図8に示した例では、第2発光部L12は、第1発光部L11の第1方向A11の隣に設けられている。第2発光部L12は、予め決められた第2波長帯の光を第2光として発光する発光素子、発光装置等である。第2発光部L12は、例えば、LEDであるが、これに代えて、OLED、μLED、VCSEL等の他の発光素子、他の発光装置であってもよい。第1実施形態では、一例として、第2波長帯が赤色の波長帯である場合について説明する。この場合、第2発光部L12は、赤光を第2光として発光する。なお、第1実施形態では、第2発光部L12が描かれた各図において、図が煩雑になるのを防ぐため、基板BD1上の伝送路と第2発光部L12とを接続する部材については、省略している。ここで、当該部材は、例えば、ワイヤーボンディング、接続端子等であるが、これに限られるわけではない。第2発光部L12は、第2発光部の一例である。
【0062】
第3発光部L13は、第1方向A11に向かって第1発光部L11と並んで基板BD1の上面に設けられる。図8に示した例では、第3発光部L13は、第1発光部L11の第1方向A11と反対の方向の隣に設けられている。すなわち、当該例では、第1発光部L11は、第1方向A11において、第2発光部L12と第3発光部L13とによって挟まれている。第3発光部L13は、予め決められた第3波長帯の光を第3光として発光する発光素子、発光装置等である。第3発光部L13は、例えば、LEDであるが、これに代えて、OLED、μLED、VCSEL等の他の発光素子、他の発光装置であってもよい。第1実施形態では、一例として、第3波長帯が赤外線の波長帯である場合について説明する。この場合、第3発光部L13は、赤外光を第3光として発光する。なお、第1実施形態では、第3発光部L13が描かれた各図において、図が煩雑になるのを防ぐため、基板BD1上の伝送路と第3発光部L13とを接続する部材については、省略している。ここで、当該部材は、例えば、ワイヤーボンディング、接続端子等であるが、これに限られるわけではない。第3発光部L13は、第3発光部の一例である。
【0063】
第2受光部R12は、第2方向A12に向かって第1受光部R11と並んで基板BD1に設けられる。図8に示した例では、第2受光部R12は、第1受光部R11の第2方向A12の隣に設けられている。第2受光部R12は、第2発光部L12により発光された第2光と、第3発光部L13により発光された第3光とのそれぞれを受光する受光素子、受光装置等である。
【0064】
なお、第2受光部R12は、第2光及び第3光を受光可能であり、且つ、第2波長帯及び第3波長帯のそれぞれと異なる波長帯の光を受光可能な構成であってもよく、第2光及び第3光を受光可能であり、且つ、第2波長帯及び第3波長帯のそれぞれと異なる波長帯の光を受光不可能な構成であってもよい。第2波長帯及び第3波長帯と異なる波長帯の光を受光不可能な構成は、例えば、バンドパスフィルター等によって実現される。第1実施形態では、一例として、第2受光部R12が、第2光及び第3光を受光可能であり、且つ、第2波長帯及び第3波長帯と異なる波長帯の光を受光可能である場合について説明する。なお、第1実施形態では、第2受光部R12が描かれた各図において、図が煩雑になるのを防ぐため、基板BD1上の伝送路と第2受光部R12とを接続する部材については、省略している。ここで、当該部材は、例えば、ワイヤーボンディング、接続端子等であるが、これに限られるわけではない。第2受光部R12は、第2受光部の一例である。
【0065】
第2発光側光学部材LRS12は、第2光を透過する。なお、第2発光側光学部材LRS12は、第2光を透過し、且つ、第2波長帯と異なる波長帯の光を透過する構成であってもよく、第2光を透過し、且つ、第2波長帯と異なる波長帯の光を透過しない構成であってもよい。第1実施形態では、一例として、第2発光側光学部材LRS12が、第2光を透過し、且つ、第2波長帯と異なる波長帯の光を透過する場合について説明する。第2発光側光学部材LRS12は、例えば、透明のエポキシ樹脂、透明のアクリル樹脂等の光を透過する樹脂であるが、これらに限られるわけではない。第1実施形態では、一例として、第2発光側光学部材LRS12を構成する樹脂が、第1発光側光学部材LRS11を構成する樹脂と同じ樹脂である場合について説明する。
【0066】
第2発光側光学部材LRS12は、基板BD1において第2発光部L12を覆う。換言すると、第2発光側光学部材LRS12は、基板BD1とともに第2発光部L12を挟んで包み込む。第1実施形態では、一例として、第2発光側光学部材LRS12が、第2発光部L12との間に空隙が発生しないように基板BD1の上面に設けられる場合について説明する。
【0067】
この場合、第2発光側光学部材LRS12と第2発光部L12との間には、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、空隙が存在しない。これにより、検出装置1は、第2発光部L12から発光された第2光が、第2発光側光学部材LRS12と基板BD1との間において屈折されてしまうことを抑制することができる。その結果、検出装置1は、光学的な設計を単純化することができる。また、第2発光部L12が第2発光側光学部材LRS12により覆われているため、検出装置1は、第1ユーザーが第2発光部L12に誤って触れてしまうこと、粉塵、水等に第2発光部L12が曝されてしまうこと等を抑制することができる。その結果、検出装置1は、第2発光部L12に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。なお、検出装置1は、第2発光側光学部材LRS12と第2発光部L12との間のうちの一部に空隙が形成される構成であってもよい。第2発光側光学部材LRS12は、第3光学部材の一例である。
【0068】
第3発光側光学部材LRS13は、第3光を透過する。なお、第3発光側光学部材LRS13は、第3光を透過し、且つ、第3波長帯と異なる波長帯の光を透過する構成であってもよく、第3光を透過し、且つ、第3波長帯と異なる波長帯の光を透過しない構成であってもよい。第1実施形態では、一例として、第3発光側光学部材LRS13が、第3光を透過し、且つ、第3波長帯と異なる波長帯の光を透過する場合について説明する。第3発光側光学部材LRS13は、例えば、透明のエポキシ樹脂、透明のアクリル樹脂等の光を透過する樹脂であるが、これらに限られるわけではない。第1実施形態では、一例として、第3発光側光学部材LRS13を構成する樹脂が、第1発光側光学部材LRS11を構成する樹脂と同じ樹脂である場合について説明する。
【0069】
第3発光側光学部材LRS13は、基板BD1において第3発光部L13を覆う。換言すると、第3発光側光学部材LRS13は、基板BD1とともに第3発光部L13を挟んで包み込む。第1実施形態では、一例として、第3発光側光学部材LRS13が、第3発光部L13との間に空隙が発生しないように基板BD1の上面に設けられる場合について説明する。この場合、第3発光側光学部材LRS13と第3発光部L13との間には、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、空隙が存在しない。
【0070】
これにより、検出装置1は、第3発光部L13から発光された第3光が、第3発光側光学部材LRS13と基板BD1との間において屈折されてしまうことを抑制することができる。その結果、検出装置1は、光学的な設計を単純化することができる。また、第3発光部L13が第3発光側光学部材LRS13により覆われているため、検出装置1は、第1ユーザーが第3発光部L13に誤って触れてしまうこと、粉塵、水等に第3発光部L13が曝されてしまうこと等を抑制することができる。その結果、検出装置1は、第3発光部L13に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。なお、検出装置1は、第3発光側光学部材LRS13と第3発光部L13との間のうちの一部に空隙が形成される構成であってもよい。第3発光側光学部材LRS13は、第3光学部材の一例である。
【0071】
第2受光側光学部材RRS12は、第2光及び第3光を透過する。なお、第2受光側光学部材RRS12は、第2光及び第3光を透過し、且つ、第2波長帯及び第3波長帯と異なる波長帯の光を透過する構成であってもよく、第2光及び第3光を透過し、且つ、第2波長帯及び第3波長帯と異なる波長帯の光を透過しない構成であってもよい。第1実施形態では、一例として、第2受光側光学部材RRS12が、第2光及び第3光を透過し、且つ、第2波長帯及び第3波長帯と異なる波長帯の光を透過する場合について説明する。第2受光側光学部材RRS12は、例えば、透明のエポキシ樹脂、透明のアクリル樹脂等の光を透過する樹脂であるが、これらに限られるわけではない。第1実施形態では、一例として、第2受光側光学部材RRS12を構成する樹脂が、第1発光側光学部材LRS11を構成する樹脂と同じ樹脂である場合について説明する。
【0072】
第2受光側光学部材RRS12は、基板BD1において第2受光部R12を覆う。換言すると、第2受光側光学部材RRS12は、基板BD1とともに第2受光部R12を挟んで包み込む。第1実施形態では、一例として、第2受光側光学部材RRS12が、第2受光部R12との間に空隙が発生しないように基板BD1の上面に設けられる場合について説明する。
【0073】
この場合、第2受光側光学部材RRS12と第2受光部R12との間には、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、空隙が存在しない。これにより、検出装置1は、第2受光側光学部材RRS12へ入射した第2光及び第3光が、第2受光側光学部材RRS12と基板BD1との間において屈折されてしまうことを抑制することができる。その結果、検出装置1は、光学的な設計を単純化することができる。また、第2受光部R12が第2受光側光学部材RRS12により覆われているため、検出装置1は、第1ユーザーが第2受光部R12に誤って触れてしまうこと、粉塵、水等に第2受光部R12が曝されてしまうこと等を抑制することができる。その結果、検出装置1は、第2受光部R12に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。なお、検出装置1は、第2受光側光学部材RRS12と第2受光部R12との間のうちの一部に空隙が形成される構成であってもよい。第2受光側光学部材RRS12は、第4光学部材の一例である。
【0074】
図8に示した検出装置1では、コート部材URS11は、第1発光側光学部材LRS11、第2発光側光学部材LRS12、第3発光側光学部材LRS13、第1受光側光学部材RRS11、第2受光側光学部材RRS12、収容部材CS1のそれぞれの上面に設けられる。そして、これらの上面に設けられたコート部材URS11の一部又は全部は、接続していてもよく、離間していてもよい。なお、当該検出装置1では、コート部材URS11は、第1発光側光学部材LRS11の上面の一部又は全部に設けられていない構成であってもよい。また、当該検出装置1では、コート部材URS11は、第2発光側光学部材LRS12の上面の一部又は全部に設けられていない構成であってもよい。また、当該検出装置1では、コート部材URS11は、第3発光側光学部材LRS13の上面の一部又は全部に設けられていない構成であってもよい。また、当該検出装置1では、コート部材URS11は、第1受光側光学部材RRS11の上面の一部又は全部に設けられていない構成であってもよい。また、当該検出装置1では、コート部材URS11は、第2受光側光学部材RRS12の上面の一部又は全部に設けられていない構成であってもよい。また、当該検出装置1では、コート部材URS11は、収容部材CS1の上面の一部又は全部に設けられていない構成であってもよい。
【0075】
以上のように、図8に示した検出装置1は、第1発光部L11によって緑光を発光し、第2発光部L12によって赤光を発光し、第3発光部L13によって赤外光を発光する。第1発光部L11により発光された緑光の少なくとも一部は、人の皮膚内において反射される。ここで、緑光は、赤光及び赤外光に比べて、人の皮膚内における平均自由行程が短い。このため、緑光の反射光は、第2受光部R12よりも第1発光部L11に近い第1受光部R11によって受光され易い。
【0076】
一方、第2発光部L12により発光された赤光の少なくとも一部も、人の皮膚内において反射される。しかしながら、赤光は、緑光と比べて、人の皮膚内における平均自由行程が長い。このため、赤光の反射光は、第1受光部R11よりも第2発光部L12から遠い第2受光部R12によって受光され易い。同様に、第3発光部L13により発光された赤外光の少なくとも一部も、人の皮膚内において反射される。しかしながら、赤外光は、緑光と比べて、人の皮膚内における平均自由行程が長い。このため、赤外光の反射光は、第1受光部R11よりも第3発光部L13から遠い第2受光部R12によって受光され易い。
【0077】
このような事情により、検出装置1は、第1受光部R11によって緑光の光量を検出し、第2受光部R12によって赤光及び赤外光の光量を検出する。これにより、検出装置1は、人の脈拍と、人の酸素飽和度との両方を検出することができる。そして、第1受光部R11によって受光される赤光及び赤外光は、第1受光部R11による緑光の検出のノイズとなる。また、第2受光部R12によって受光される緑光は、第2受光部R12による赤光及び赤外光の検出のノイズとなる。
【0078】
ここで、図8に示したように、検出装置1が備える第1開口H11内において、第1発光側光学部材LRS11、第2発光側光学部材LRS12、第3発光側光学部材LRS13の3つの光学部材と第1受光側光学部材RRS11との間は、空隙AG12である。換言すると、第1開口H11内において、当該3つの光学部材と第1受光側光学部材RRS11との間には、空隙AG12が形成されている。更に換言すると、第1開口H11内には、当該3つの光学部材と第1受光側光学部材RRS11との間に形成された空隙AG12が存在する。
【0079】
これにより、検出装置1は、空隙AG12の代わりに樹脂、金属等が配置されている場合と比較して、第1発光部L11、第2発光部L12、第3発光部L13の3つの発光部と第1受光部R11、第2受光部R12の2つの受光部とを近づけて当該2つの受光部による受光量を増大させることができるとともに、第2方向A12における大きさを小さくすることができる。すなわち、検出装置1は、当該2つの受光部による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。なお、空隙AG12は、例えば、空隙AG11と同様の形成方法により形成することができる。
【0080】
また、第1開口H11内に空隙AG12がある場合、検出装置1は、第1発光部L11から発光された第1光、第2発光部L12から発光された第2光、第3発光部L13から発光された第3光の3つの光が、人の皮膚の中に入ることなく第1受光側光学部材RRS11へ入射する迷光になってしまうことを抑制することができる。この理由は、第1光が第1発光側光学部材LRS11と空隙AG11との界面によって反射されることによって第1光が迷光になってしまうことを抑制することができる理由と同様の理由である。
【0081】
また、図8に示したように、検出装置1が備える第1開口H11内において、第1受光側光学部材RRS11と第2受光側光学部材RRS12との間は、空隙AG13である。換言すると、第1開口H11内において、第1受光側光学部材RRS11と第2受光側光学部材RRS12との間には、空隙AG13が形成されている。更に換言すると、第1開口H11内には、第1受光側光学部材RRS11と第2受光側光学部材RRS12との間に形成された空隙AG13が存在する。これにより、検出装置1は、空隙AG13の代わりに樹脂、金属等が配置されている場合と比較して、第1受光側光学部材RRS11と第2受光側光学部材RRS12とを近づけて、第2方向A12における大きさを小さくすることができる。すなわち、検出装置1は、空隙AG13が形成されていることにより、第2方向A12における大きさの増大を抑制しつつ、人の脈拍、酸素飽和度の両方を検出することができる。なお、空隙AG13は、例えば、空隙AG11と同様の形成方法により形成することができる。
【0082】
人の皮膚内において反射され、第1受光側光学部材RRS11に入射された緑光のうち、第1受光側光学部材RRS11を通って第2受光側光学部材RRS12へ入射する緑光の少なくとも一部は、第1受光側光学部材RRS11と空隙AG13との界面と、第2受光側光学部材RRS12と空隙AG13との界面とのそれぞれにおいて反射される。このため、検出装置1は、空隙AG13が形成されていることにより、第1光が第2受光側光学部材RRS12へ入射する迷光になってしまうことを抑制することができる。同様に、人の皮膚内において反射され、第2受光側光学部材RRS12に入射された赤光のうち、第2受光側光学部材RRS12を通って第1受光側光学部材RRS11へ入射する赤光の少なくとも一部は、第2受光側光学部材RRS12と空隙AG13との界面と、第1受光側光学部材RRS11と空隙AG13との界面とのそれぞれにおいて反射される。このため、検出装置1は、空隙AG13が形成されていることにより、第2光が第1受光側光学部材RRS11へ入射する迷光になってしまうことを抑制することができる。
【0083】
また、人の皮膚内において反射され、第2受光側光学部材RRS12に入射された赤外光のうち、第2受光側光学部材RRS12を通って第1受光側光学部材RRS11へ入射する赤外光の少なくとも一部は、第2受光側光学部材RRS12と空隙AG13との界面と、第1受光側光学部材RRS11と空隙AG13との界面とのそれぞれにおいて反射される。このため、検出装置1は、空隙AG13が形成されていることにより、第3光が第1受光側光学部材RRS11へ入射する迷光になってしまうことを抑制することができる。
【0084】
なお、検出装置1では、空隙AG13が形成されていない構成であってもよい。この場合、第1受光側光学部材RRS11と第2受光側光学部材RRS12とは、一体に構成される。
【0085】
また、図8に示したように、検出装置1が備える第1開口H11内において、第1発光側光学部材LRS11と、第2発光側光学部材LRS12との間は、空隙AG14である。換言すると、第1開口H11内において、第1発光側光学部材LRS11と第2発光側光学部材LRS12との間には、空隙AG14が形成されている。更に換言すると、第1開口H11内には、第1発光側光学部材LRS11と第2発光側光学部材LRS12との間に形成された空隙AG14が存在する。これにより、検出装置1は、空隙AG14の代わりに樹脂、金属等が配置されている場合と比較して、第1発光部L11と、第2発光部L12とを近づけて、第1方向A11における大きさを小さくすることができる。なお、空隙AG14は、例えば、空隙AG11と同様の形成方法により形成することができる。
【0086】
第1発光部L11から発光された第1光のうち、第1発光側光学部材LRS11を通って第2発光側光学部材LRS12へ入射する第1光の少なくとも一部は、第1発光側光学部材LRS11と空隙AG14との界面と、第2発光側光学部材LRS12と空隙AG14との界面とのそれぞれにおいて反射される。このようにして反射された第1光は、図9に示したように、コート部材URS11を通って検出装置1の外側へ出て行く。図9は、図8に示した検出装置1の断面図である。ただし、図9に示した断面図は、第2方向A12から見た場合において、第1発光部L11、第2発光部L12、第3発光部L13のそれぞれが見えるように、第2方向A12と直交する仮想的な面に沿って検出装置1を切断した断面図である。
【0087】
例えば、図9に示した矢印LT21が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光は、第1発光部L11から第2発光側光学部材LRS12に向かって発光された第1光の一例である。矢印LT21が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光の少なくとも一部は、第1発光側光学部材LRS11と空隙AG14との界面で反射され、矢印LT22が示す方向に向かって進む。この際、第1光は、第1面M11に対して第1角度以上で入射するため、検出装置1に備えられているコート部材URS11を透過する。その結果、当該第1光は、検出装置1の外側へ出て行く。これにより、検出装置1は、当該第1光のうち、第1発光側光学部材LRS11の上方に向かう成分の量を多くすることができる。換言すると、検出装置1は、第1受光部R11によって受光される第1光の受光量を増大させることができる。
【0088】
また、図8に示したように、検出装置1が備える第1開口H11内において、第1発光側光学部材LRS11と、第3発光側光学部材LRS13との間は、空隙AG15である。換言すると、第1開口H11内において、第1発光側光学部材LRS11と第3発光側光学部材LRS13との間には、空隙AG15が形成されている。更に換言すると、第1開口H11内には、第1発光側光学部材LRS11と第3発光側光学部材LRS13との間に形成された空隙AG15が存在する。これにより、検出装置1は、空隙AG15の代わりに樹脂、金属等が配置されている場合と比較して、第1発光部L11と、第3発光部L13とを近づけて、第1方向A11における大きさを小さくすることができる。なお、空隙AG15は、例えば、空隙AG11と同様の形成方法により形成することができる。
【0089】
第1発光部L11から発光された第1光のうち、第1発光側光学部材LRS11を通って第3発光側光学部材LRS13へ入射する第1光の少なくとも一部は、第1発光側光学部材LRS11と空隙AG15との界面と、第3発光側光学部材LRS13と空隙AG15との界面とのそれぞれにおいて反射する。このようにして反射された第1光は、矢印LT21が示す方向に発光された第1光と同様に、コート部材URS11を通って検出装置1の外側へ出て行く。これにより、検出装置1は、当該第1光のうち、第1発光側光学部材LRS11の上方に向かう成分の量を多くすることができる。その結果、検出装置1は、第1受光部R11によって受光される第1光の受光量を増大させることができる。
【0090】
なお、図9に示した幅W3は、第1方向A11における空隙AG14の幅の一例を示す。また、図9に示した幅W4は、第1方向A11における空隙AG15の幅の一例を示す。幅W4は、幅W3と同じ長さの幅であってもよく、幅W3と異なる長さの幅であってもよい。以下では、一例として、幅W4が幅W3と同じ長さの幅である場合について説明する。
【0091】
ここで、第1発光部L11から発光された第1光のうち、迷光となる成分の量は、第1方向A11における空隙AG14の幅が狭くなるほど、多くなる。換言すると、第1発光部L11から発光された第1光のうち、迷光となる成分の量は、第1方向A11における空隙AG14の幅が広くなるほど、少なくなる。これは、空隙AG15についても、同様である。すなわち、第1発光部L11から発光された第1光のうち、迷光となる成分の量は、第1方向A11における空隙AG15の幅が広くなるほど、少なくなる。
【0092】
例えば、図9に示した矢印LT21が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光の一部は、人の皮膚内において反射したとしても、第1受光部R11により受光されない可能性が高い。何故なら、図9に示した矢印LT21が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光の一部は、空隙AG14において反射せずに、第2発光側光学部材LRS12に向かって透過するからである。すなわち、矢印LT21が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光の一部は、第1発光部L11から発光された第1光のうち、迷光となる成分の一例である。図9に示した例では、このように透過した第1光は、例えば、矢印LT23が示す方向に向かって進み、第2発光側光学部材LRS12に入射する。その後、第2発光側光学部材LRS12に入射した第1光は、例えば、矢印LT24が示す方向に向かって進み、第2発光側光学部材LRS12の上面に設けられたコート部材URS11を通って、検出装置1の外側へ出て行く。このようにして検出装置1の外側に向かって進む第1光と基板BD1との間の角度が小さいほど、当該第1光は、第1受光部R11に向かう方向と異なる方向に反射し易い。
【0093】
そこで、検出装置1は、図10に示したように、第1方向A11における空隙AG14の幅を、幅W3よりも長い幅W5にすることにより、第1受光部R11による第1光の受光量を増大させることができる。同様に、検出装置1は、図10に示したように、第1方向A11における空隙AG15の幅を、幅W4よりも長い幅W6にすることにより、第1受光部R11による第1光の受光量を増大させることができる。
【0094】
図10は、図8に示した検出装置1の他の例を示す断面図である。ただし、図10に示した断面図は、第2方向A12から見た場合において、第1発光部L11、第2発光部L12、第3発光部L13のそれぞれが見えるように、第2方向A12と直交する仮想的な面に沿って検出装置1を切断した断面図である。図10に示した幅W5は、図10に示した検出装置1の空隙AG14の第1方向A11における幅の一例を示す。図10に示した幅W6は、図10に示した検出装置1の空隙AG15の第1方向A11における幅の一例を示す。なお、幅W6は、幅W5と同じ長さの幅であってもよく、幅W5と異なる長さの幅であってもよい。以下では、一例として、幅W6が、幅W5と同じ長さの幅である場合について説明する。
【0095】
幅W5は、図9に示した幅W3よりも長い幅である。これは、例えば、第2方向A12から見た場合における第1発光側光学部材LRS11が有する端部のうち第2発光部L12に近い方の端部と、第1発光部L11との間の距離を短くすることにより、実現できる。また、これは、例えば、第2方向A12から見た場合における第2発光側光学部材LRS12が有する端部のうち第1発光部L11に近い方の端部と、第2発光部L12との間の距離を短くすることにより、実現できる。図10に示した例では、図9に示した例と比べて、これら2つの距離の両方を短くすることにより、第1方向A11における空隙AG14の幅を幅W3よりも長い幅W5にすることができている。この場合、第1発光部L11から発光された第1光のうち、迷光となる成分の量が少なくなる。何故なら、図10に示した矢印LT25が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光の一部が、空隙AG14において反射せずに透過し、且つ、空隙AG14を通って検出装置1の外側に出て行くからである。ここで、矢印LT25が示す方向は、図9に示した矢印LT21が示す方向と同じ方向である。
【0096】
例えば、矢印LT25が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光の一部は、空隙AG14によって反射されずに、矢印LT26が示す方向に向かって進み、空隙AG14を通って検出装置1の外側に出て行く。矢印LT26が示す方向に向かって進む第1光と基板BD1との間の角度は、図9に示した矢印LT24が示す方向に向かって進む第1光と基板BD1との間の角度よりも大きい。このため、矢印LT26が示す方向に向かって進む第1光は、図9に示した矢印LT24が示す方向に向かって進む第1光と比べて、第1受光部R11に向かう方向に反射し易い。すなわち、検出装置1は、第1方向A11における空隙AG14の幅を広くするほど、第1発光部L11から発せられる第1光のうちの迷光となってしまう成分の量を少なくすることができる。これは、空隙AG15についても、同様に成り立つ。すなわち、検出装置1は、第1方向A11における空隙AG15の幅を広くするほど、第1発光部L11から発せられる第1光のうちの迷光となってしまう成分の量を少なくすることができる。
【0097】
このように、第1方向A11における空隙AG14及び空隙AG15それぞれの幅を広くすることについては、第1発光部L11から発光された第1光のうち、迷光となる成分の量を減らすことによる動機付けがある。一方、検出装置1の第2方向A12の大きさを小さくしたいという動機から、第1受光側光学部材RRS11と第2受光側光学部材RRS12との間の空隙AG12の第2方向A12における幅は、狭い方が望ましい。このことから、検出装置1は、第2方向A12における空隙AG12の幅よりも、第1方向A11における空隙AG14及び空隙AG15それぞれの幅を広くすることにより、第2方向A12の大きさが増大してしまうことを抑制しつつ、第1発光部L11から発光された第1光のうちの迷光となる成分の量を減らすことができる。
【0098】
また、第1発光部L11から発光された第1光のうち、迷光となる成分の量は、図11に示すように、第2方向A12から見た場合における空隙AG14と空隙AG15とのうちの少なくとも一方の形状を台形状にすることによって、更に少なくすることができる。図11は、空隙AG14及び空隙AG15の両方の形状が台形状である場合の検出装置1の一例を示す断面図である。ただし、図11に示した断面図は、第2方向A12から見た場合において、第1発光部L11、第2発光部L12、第3発光部L13のそれぞれが見えるように、第2方向A12と直交する仮想的な面に沿って検出装置1を切断した断面図である。図11に示した例では、第2方向A12から見た場合の空隙AG14の形状は、最下部から最上部に向かって幅が狭くなる台形状である。この場合、図11に示した矢印LT27が示す方向に向かって第1発光部L11から発光された第1光の一部は、空隙AG14において反射し、第1発光部L11の略直上に向かって進む。
【0099】
図11に示した例では、このように反射した第1光は、例えば、矢印LT28が示す方向に向かって進み、コート部材URS11を通って検出装置1の外側に出て行く。そして、矢印LT28と重力方向との間の角度は、第2方向A12から見た場合において空隙AG14を形成している壁面のうちX軸の正方向側の壁面と重力方向との角度が大きいほど、小さくなる。すなわち、検出装置1では、第2方向A12から見た場合において空隙AG14を形成している壁面のうちX軸の正方向側の壁面と重力方向との角度が大きくすることにより、当該壁面において反射した第1光が第1発光部L11の略直上に進み易くなる。これは、当該第1光が人の皮膚内において反射した後、第1受光部R11に向かって進む可能性が高くなることを意味する。すなわち、検出装置1は、第2方向A12から見た場合における空隙AG14の形状を台形状にすることによって、第1発光部L11から発光された第1光のうち、迷光となる成分の量を、より確実に少なくすることができる。このような事情は、空隙AG15についても同様である。
【0100】
以上のように、第1実施形態に係る検出装置1は、基板BD1と、第1発光部L11と、第1受光部R11と、第1発光側光学部材LRS11と、第1受光側光学部材RRS11と、収容部材CS1を備える。第1発光部L11は、第1光を発光し、基板BD1に設けられる。第1受光部R11は、第1光を受光し、基板BD1と平行な第1方向A11から見た場合、第2方向A12に向かって第1発光部L11と並んで基板BD1に設けられる。ここで、第2方向A12は、基板BD1と平行であり、且つ、第1方向A11と直交する方向である。第1発光側光学部材LRS11は、第1光を透過し、基板BD1において第1発光部L11を覆う。第1受光側光学部材RRS11は、第1光を透過し、基板BD1において第1受光部R11を覆う。収容部材CS1は、基板BD1に設けられ、第1発光部L11と、第1発光側光学部材LRS11と、第1受光部R11と、第1受光側光学部材RRS11とが収容される第1開口H11が形成される。そして、第2方向において、第1発光側光学部材LRS11と第1受光側光学部材RRS11との間の少なくとも一部は、空隙AG11である。これにより、検出装置1は、空隙AG11の代わりに樹脂、金属等が配置されている場合と比較して、第1発光部L11と第1受光部R11とを近づけて第1受光部R11による受光量を増大させることができるとともに、第2方向A12における大きさを小さくすることができる。すなわち、検出装置1は、第1受光部R11による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。
【0101】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、図面を参照して説明する。
【0102】
<第2実施形態に係る検出装置の概要>
まず、第2実施形態に係る検出装置の概要について説明する。
【0103】
第2実施形態に係る検出装置は、基板と、第1発光部と、第1受光部と、第1光学部材と、第2光学部材と、収容部材を備える。第1発光部は、第1光を発光し、基板に設けられる。第1受光部は、第1光を受光し、基板と平行な第1方向から見た場合、第2方向に向かって第1発光部と並んで基板に設けられる。ここで、第2方向は、基板と平行であり、且つ、第1方向と直交する方向である。第1光学部材は、第1光を透過し、基板において第1発光部を覆う。第2光学部材は、第1光を透過し、基板において第1受光部を覆う。収容部材は、基板に設けられ、第1発光部と第1光学部材とが収容される第1開口と、第1受光部と第2光学部材とが収容される第2開口とが形成される。そして、第1光学部材と第2光学部材とのうちの少なくとも一方の光学部材は、第1方向と第2方向とに交差する第3方向へ、収容部材に形成された開口から突出している。
【0104】
これにより、当該検出装置は、人の皮膚との間の密着性を向上させて第1受光部による受光量を増大させることができるとともに、第1発光部から発光された第1光を集光するレンズ、第1光の反射光を第1受光部に向かって集光するレンズ、これらのレンズを検出装置1に取り付けるための部材等を備えている場合と比較して、第3方向における大きさを小さくすることができる。すなわち、当該検出装置は、受光部による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。
【0105】
以下では、第2実施形態に係る検出装置の構成について詳しく説明する。
【0106】
<第2実施形態に係る検出装置の構成>
以下、第2実施形態に係る検出装置の構成について、検出装置2を例に挙げて説明する。以下では、説明の便宜上、検出装置2のユーザーを、第2ユーザーと称して説明する。また、第2実施形態でも、説明の便宜上、ある方向に向かって検出装置2を見た場合のことを、当該方向から見た場合と称して説明する。また、第2実施形態に係る検出装置2の構成は、第1実施形態に係る検出装置1の構成と如何様に組み合わされてもよい。
【0107】
図12は、検出装置2の第1構成例を示す断面図である。また、図13は、図12に示した検出装置2の上面図である。
【0108】
検出装置2は、非侵襲な方法により、生体情報を検出する装置である。以下では、一例として、検出装置2が、人の生体情報を検出する装置である場合について説明する。この場合、検出装置2は、脈波、脈拍、酸素飽和度等を生体情報として検出し、例えば、スマートウォッチ、アクティブトラッカー、スマートリング等のバイタル機器に備えられる。なお、検出装置2は、人以外の動物の生体情報を検出する構成であってもよく、植物の生体情報を検出する構成であってもよい。
【0109】
具体的には、検出装置2は、人の皮膚に押し当てられ、予め決められた波長帯の光を当該皮膚に向かって発する。そして、検出装置2は、当該皮膚に向かって発した光の反射光を受光し、受光した反射光の受光量の時間的な変化に基づいて、脈拍、酸素飽和度等を検出する。ここで、検出装置2が発光した光を反射する物質は、例えば、毛細血管内のヘモグロビン等であるが、これに限られるわけではない。また、例えば、検出装置2は、人の脈拍を検出する場合、緑光を利用する。また、例えば、検出装置2は、人の酸素飽和度を検出する場合、赤光、赤外光等を利用する。
【0110】
検出装置2は、例えば、基板BD2と、第1発光部L21と、第2発光部L22と、第3発光部L23と、第1受光部R21と、第2受光部R22と、第1発光側光学部材LRS21と、第1受光側光学部材RRS21と、第2受光側光学部材RRS22と、収容部材CS2を備える。なお、検出装置2は、第1受光部R11により受光された光の光量を示すデータを取得し、取得したデータに基づく各種の処理を行うプロセッサー等の他の部材も備えている。当該各種の処理には、例えば、当該データが示す受光量の時間的な変化に基づく脈拍、酸素飽和度等を算出する処理が含まれている。しかしながら、本開示では、これら他の部材についての説明は、省略する。このため、各図においても、これら他の部材について省略している。
【0111】
また、検出装置2は、第2発光部L22と第3発光部L23とのうちのいずれか一方又は両方を備えない構成であってもよい。ここで、検出装置2は、第2発光部L22及び第3発光部L23の両方を備えない場合、第2受光部R22及び第2受光側光学部材RRS22の両方を備えない。また、検出装置2は、第1受光部R21と、第1受光側光学部材RRS21との両方を備えず、第2受光部R22と、第2受光側光学部材RRS22との両方を備える構成であってもよい。また、検出装置2は、第2受光部R22と、第2受光側光学部材RRS22との両方を備えず、第1受光部R21と、第1受光側光学部材RRS21との両方を備える構成であってもよい。
【0112】
基板BD2は、検出装置2の基板として利用可能な基板であれば、如何なる基板であってもよい。基板BD2には、第1発光部L21と、第2発光部L22と、第3発光部L23と、第1受光部R21と、第2受光部R22と、第1発光側光学部材LRS21と、第1受光側光学部材RRS21と、第2受光側光学部材RRS22と、収容部材CS2とが設けられる。以下では、説明の便宜上、基板BD2が有する2つの面のうち、各図におけるZ軸の正方向の面を基板BD2の上面と称し、各図におけるZ軸の負方向の面を基板BD2の下面と称して説明する。また、以下では、一例として、基板BD2には、第1発光部L21と、第2発光部L22と、第3発光部L23と、第1受光部R21と、第2受光部R22と、第1発光側光学部材LRS21と、第1受光側光学部材RRS21と、第2受光側光学部材RRS22と、収容部材CS2とのそれぞれが、基板BD2の上面に設けられる場合について説明する。
【0113】
第1発光部L21の構成は、第1実施形態に係る第1発光部L11の構成と同様の構成である。このため、第2実施形態では、第1発光部L21の構成の詳細な説明を省略する。ただし、第2実施形態でも、一例として、第1波長帯が緑色の波長帯である場合について説明する。この場合、第1発光部L21は、緑光を第1光として発光する。第1発光部L21は、第1発光部の一例である。
【0114】
第2発光部L22の構成は、第1実施形態に係る第2発光部L12の構成と同様の構成である。このため、第2実施形態では、第2発光部L22の構成の詳細な説明を省略する。第2発光部L22は、基板BD2に対して予め決められた第1方向A21に向かって第1発光部L21と並んで基板BD2の上面に設けられる。ここで、第1方向A21は、基板BD2と平行な方向であれば、如何なる方向であってもよい。第2実施形態の説明に用いられる各図では、一例として、第1方向A21が、X軸の負方向と一致している様子が示されている。そして、図12及び図13に示した例では、第2発光部L22は、第1発光部L21の第1方向A21の隣に設けられている。第2発光部L22は、第2発光部の一例である。
【0115】
第3発光部L23の構成は、第1実施形態に係る第3発光部L13の構成と同様の構成である。このため、第2実施形態では、第3発光部L23の構成の詳細な説明を省略する。第2発光部L22は、第1方向A21に向かって第1発光部L21と並んで基板BD2の上面に設けられる。図12及び図13に示した例では、第2発光部L22は、第1発光部L21の第1方向A21と反対の方向の隣に設けられている。すなわち、当該例では、第1発光部L21は、第1方向A21において、第2発光部L22と第3発光部L23との間に設けられる。第3発光部L23は、第2発光部の一例である。
【0116】
なお、第2実施形態では、説明を簡略化するため、第1発光部L21~第3発光部L23が互いに同じ形状であり、且つ、第1方向A21から見た場合、第1発光部L21~第3発光部L23が重なっている場合について説明する。
【0117】
第1受光部R21の構成は、第1実施形態に係る第1受光部R11の構成と同様の構成である。このため、第2実施形態では、第1受光部R21の構成の詳細な説明を省略する。第1受光部R21は、第1方向A21から見た場合、第2方向A22に向かって第1発光部L21と並んで基板BD2の上面に設けられる。第2方向A22は、基板BD2と平行であり、且つ、第1方向A21と直交する方向である。第2実施形態の説明に用いられる各図では、一例として、第2方向A22が、Y軸の正方向と一致している様子が示されている。このため、図12に示した断面図は、第1方向A21から見た場合において、第1発光部L21、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれが見えるように、第1方向A21と直交する仮想的な面に沿って検出装置2を切断した断面図である。なお、第2実施形態では、当該各図において、図が煩雑になるのを防ぐため、基板BD2上の伝送路と第1受光部R21とを接続する部材については、省略している。ここで、当該部材は、例えば、ワイヤーボンディング、接続端子等であるが、これに限られるわけではない。第1受光部R21は、第1受光部の一例である。
【0118】
第2受光部R22の構成は、第1実施形態に係る第2受光部R12の構成と同様の構成である。このため、第2実施形態では、第2受光部R22の構成の詳細な説明を省略する。第2受光部R22は、第1方向A21から見た場合、第2方向A22に向かって第1受光部R21と並んで基板BD2の上面に設けられる。図12及び図13に示した例では、第2受光部R22は、第1受光部R21の第2方向A22の隣に設けられている。すなわち、当該例では、第1受光部R21は、第2方向A22において、第1発光部L21と第2受光部R22とによって挟まれている。なお、第2実施形態では、当該各図において、図が煩雑になるのを防ぐため、基板BD2上の伝送路と第2受光部R22とを接続する部材については、省略している。ここで、当該部材は、例えば、ワイヤーボンディング、接続端子等であるが、これに限られるわけではない。第2受光部R22は、第2受光部の一例である。
【0119】
第1発光側光学部材LRS21は、第1光、第2光、第3光のそれぞれを透過する。なお、第1発光側光学部材LRS21は、第1光、第2光、第3光のそれぞれを透過し、且つ、第1波長帯、第2波長帯、第3波長帯のそれぞれと異なる波長帯の光を透過する構成であってもよく、第1光、第2光、第3光のそれぞれを透過し、且つ、第1波長帯、第2波長帯、第3波長帯のそれぞれと異なる波長帯の光を透過しない構成であってもよい。第1実施形態では、一例として、第1発光側光学部材LRS21が、第1光、第2光、第3光のそれぞれを透過し、且つ、第1波長帯、第2波長帯、第3波長帯のそれぞれと異なる波長帯の光を透過する場合について説明する。第1発光側光学部材LRS21は、例えば、透明のエポキシ樹脂、透明のアクリル樹脂等の光を透過する樹脂であるが、これらに限られるわけではない。第2実施形態では、一例として、第1発光側光学部材LRS21を構成する樹脂が、第1実施形態において説明した第1発光側光学部材LRS11を構成する樹脂と同じ樹脂である場合について説明する。
【0120】
第1発光側光学部材LRS21は、基板BD2において第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23の全部を覆う。換言すると、第1発光側光学部材LRS21は、基板BD2とともに第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23の3つの発光部を挟んで包み込む。のそれぞれを挟んで包み込む。第2実施形態では、一例として、第1発光側光学部材LRS21が、当該3つの発光部との間に空隙が発生しないように基板BD2の上面に設けられる場合について説明する。この場合、第1発光側光学部材LRS21と当該3つの発光部との間には、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、空隙が存在しない。
【0121】
これにより、検出装置2は、当該3つの発光部から発光された光が、第1発光側光学部材LRS21と基板BD2との間において屈折されてしまうことを抑制することができる。その結果、検出装置2は、光学的な設計を単純化することができる。また、当該3つの発光部が第1発光側光学部材LRS21により覆われているため、検出装置2は、第2ユーザーが当該3つの発光部に誤って触れてしまうこと、粉塵、水等に当該3つの発光部が曝されてしまうこと等を抑制することができる。その結果、検出装置2は、当該3つの発光部に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。なお、検出装置2は、第1発光側光学部材LRS21と当該3つの発光部との間のうちの一部に空隙が形成される構成であってもよい。第1発光側光学部材LRS21は、第1光学部材の一例である。
【0122】
第1受光側光学部材RRS21は、第1光を透過する。なお、第1受光側光学部材RRS11は、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過する構成であってもよく、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過しない構成であってもよい。第2実施形態では、一例として、第1受光側光学部材RRS21が、第1光を透過し、且つ、第1波長帯と異なる波長帯の光を透過する場合について説明する。第1受光側光学部材RRS11は、1.4程度以上の屈折率を有し、且つ、第1光を透過する材質によって構成され、例えば、透明のエポキシ樹脂、透明のアクリル樹脂等の光を透過する樹脂であるが、これらに限られるわけではない。第2実施形態では、一例として、第1受光側光学部材RRS21を構成する樹脂が、第1実施形態において説明した第1発光側光学部材LRS11を構成する樹脂と同じ樹脂である場合について説明する。
【0123】
第1受光側光学部材RRS21は、基板BD2において第1受光部R21を覆う。換言すると、第1受光側光学部材RRS21は、基板BD2とともに第1受光部R21を挟んで包み込む。第2実施形態では、一例として、第1受光側光学部材RRS21が、第1受光部R21との間に空隙が発生しないように基板BD2の上面に設けられる場合について説明する。
【0124】
この場合、第1受光側光学部材RRS21と第1受光部R21との間には、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、空隙が存在しない。これにより、検出装置2は、第1受光側光学部材RRS21へ入射した第1光が、第1受光側光学部材RRS21と基板BD2との間において屈折されてしまうことを抑制することができる。その結果、検出装置2は、光学的な設計を単純化することができる。また、第1受光部R21が第1受光側光学部材RRS21により覆われているため、検出装置2は、第2ユーザーが第1受光部R21に誤って触れてしまうこと、粉塵、水等に第1受光部R21が曝されてしまうこと等を抑制することができる。その結果、検出装置2は、第1受光部R21に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。なお、検出装置2は、第1受光側光学部材RRS21と第1受光部R21との間のうちの一部に空隙が形成される構成であってもよい。
【0125】
また、検出装置2では、第1受光側光学部材RRS21の第1方向A21における長さは、第1発光側光学部材LRS21の第1方向A21における長さと同じ長さであってもよく、第1発光側光学部材LRS21の第1方向A21における長さと異なる長さであってもよい。第1受光側光学部材RRS21は、第2光学部材の一例である。
【0126】
第2受光側光学部材RRS22は、第2光、第3光のそれぞれを透過する。なお、第2受光側光学部材RRS22は、第2光、第3光のそれぞれを透過し、且つ、第2波長帯、第3波長帯のそれぞれと異なる波長帯の光を透過する構成であってもよく、第2光、第3光のそれぞれを透過し、且つ、第2波長帯、第3波長帯のそれぞれと異なる波長帯の光を透過しない構成であってもよい。第2実施形態では、一例として、第2受光側光学部材RRS22が、第2光、第3光のそれぞれを透過し、且つ、第2波長帯、第3波長帯のそれぞれと異なる波長帯の光を透過する場合について説明する。第2受光側光学部材RRS22は、1.4程度以上の屈折率を有し、且つ、第2光、第3光のそれぞれを透過する材質によって構成され、例えば、透明のエポキシ樹脂、透明のアクリル樹脂等の光を透過する樹脂であるが、これらに限られるわけではない。第2実施形態では、一例として、第2受光側光学部材RRS22を構成する樹脂が、第1実施形態において説明した第1発光側光学部材LRS11を構成する樹脂と同じ樹脂である場合について説明する。
【0127】
第2受光側光学部材RRS22は、基板BD2において第2受光部R22を覆う。換言すると、第2受光側光学部材RRS22は、基板BD2とともに第2受光部R22を挟んで包み込む。以下では、一例として、第2受光側光学部材RRS22が、第2受光部R22との間に空隙が発生しないように基板BD2の上面に設けられる場合について説明する。この場合、第2受光側光学部材RRS22と第2受光部R22との間には、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、空隙が存在しない。これにより、検出装置2は、第2受光側光学部材RRS22へ入射した第2光、第3光のそれぞれが、第2受光側光学部材RRS22と基板BD2との間において屈折されてしまうことを抑制することができる。
【0128】
その結果、検出装置2は、光学的な設計を単純化することができる。また、第2受光部R22が第2受光側光学部材RRS22により覆われているため、検出装置2は、第2ユーザーが第2受光部R22に誤って触れてしまうこと、粉塵、水等に第2受光部R22が曝されてしまうこと等を抑制することができる。その結果、検出装置2は、第2受光部R22に不具合が生じてしまうことを抑制することができる。なお、検出装置2は、第2受光側光学部材RRS22と第2受光部R22との間のうちの一部に空隙が形成される構成であってもよい。
【0129】
また、検出装置2では、第2受光側光学部材RRS22の第1方向A21における長さは、第1発光側光学部材LRS21の第1方向A21における長さと同じ長さであってもよく、第1発光側光学部材LRS21の第1方向A21における長さと異なる長さであってもよい。第2受光側光学部材RRS22は、第4光学部材の一例である。
【0130】
収容部材CS2は、基板BD2の上面に設けられる。収容部材CS2は、基板BD2とともに検出装置2の外形を構成する部材である。以下では、説明を簡略化するため、一例として、収容部材CS2の外形が、収容部材CS2に形成された各種の開口、製造誤差による歪み等を除いて、全体として直方体形状である場合について説明する。この場合、収容部材CS2の上面は、基板BD2と平行な面である。なお、収容部材CS2の上面は、基板BD2と非平行な面であってもよい。また、収容部材CS2の上面の基板BD2からの高さは、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のいずれの基板BD1からの高さよりも高い高さになるように決められる。
【0131】
収容部材CS2は、例えば、光の反射率の高い不透明な樹脂、金属粉が混入された透明な樹脂、金属等によって構成される。第2実施形態では、一例として、収容部材CS2が、白樹脂である場合について説明する。
【0132】
ここで、収容部材CS2には、第1開口H21と、第2開口H22と、第3開口H23とのそれぞれが形成されている。
【0133】
第1開口H21~第3開口H23のそれぞれは、第1方向A21と第2方向A22とに交差する第3方向A23に向かって収容部材CS2を貫通する孔である。以下では、一例として、第3方向A23が、第1方向A21と第2方向A22との両方に直交する2つの方向のうち、基板BD2から第1発光部L21に向かう方向である場合について説明する。この場合、第3方向A23は、第1方向A21及び第2方向A22と直交し、且つ、第2実施形態の説明に用いられる各図においてZ軸の正方向と一致している。また、この場合、収容部材CS2の上面は、第3方向A23と直交する。
【0134】
第1開口H21は、基板BD2の上面において、第1発光部L21と、第2発光部L22と、第3発光部L23と、第1発光側光学部材LRS21とが収容される孔である。図12及び図13に示した例では、第1開口H21の輪郭の形状は、第1方向A21から見た場合、長方形状である。また、当該例では、第1開口H21の輪郭の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状である。すなわち、第1開口H21の形状は、直方体形状である。なお、第1開口H21の形状は、直方体形状に代えて、基板BD2の上面において、第1発光部L21と、第2発光部L22と、第3発光部L23と、第1発光側光学部材LRS21とを収容可能な他の形状であってもよい。当該他の形状は、例えば、台形状等であるが、これに限られるわけではない。
【0135】
第2開口H22は、基板BD2の上面において、第1受光部R21と、第1受光側光学部材RRS21とが収容される孔である。図12及び図13に示した例では、第2開口H22の輪郭の形状は、第1方向A21から見た場合、長方形状である。また、当該例では、第2開口H22の輪郭の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状である。すなわち、第2開口H22の形状は、直方体形状である。なお、第2開口H22の形状は、直方体形状に代えて、基板BD2の上面において、第1受光部R21と、第1受光側光学部材RRS21とを収容可能な他の形状であってもよい。当該他の形状は、例えば、台形状等であるが、これに限られるわけではない。また、前述した通り、検出装置2では、第1受光側光学部材RRS21の第1方向A21における長さは、第1発光側光学部材LRS21の第1方向A21における長さと同じ長さであってもよく、第1発光側光学部材LRS21の第1方向A21における長さと異なる長さであってもよい。このため、検出装置2では、第2開口H22の第1方向A21における長さは、第1開口H21の第1方向A21における長さと同じ長さであってもよく、第1開口H21の第1方向A21における長さと異なる長さであってもよい。
【0136】
第3開口H23は、基板BD2の上面において、第2受光部R22と、第2受光側光学部材RRS22とが収容される孔である。図12及び図13に示した例では、第3開口H23の輪郭の形状は、第1方向A21から見た場合、長方形状である。また、当該例では、第3開口H23の輪郭の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状である。すなわち、第3開口H23の形状は、直方体形状である。なお、第3開口H23の形状は、直方体形状に代えて、基板BD2の上面において、第2受光部R22と、第2受光側光学部材RRS22とを収容可能な他の形状であってもよい。当該他の形状は、例えば、台形状等であるが、これに限られるわけではない。また、前述した通り、検出装置2では、第2受光側光学部材RRS22の第1方向A21における長さは、第1発光側光学部材LRS21の第1方向A21における長さと同じ長さであってもよく、第1発光側光学部材LRS21の第1方向A21における長さと異なる長さであってもよい。このため、検出装置2では、第3開口H23の第1方向A21における長さは、第1開口H21の第1方向A21における長さと同じ長さであってもよく、第1開口H21の第1方向A21における長さと異なる長さであってもよい。
【0137】
ここで、第1発光側光学部材LRS21、第1受光側光学部材RRS21、第2受光側光学部材RRS22のそれぞれは、収容部材CS2に形成された開口から第3方向A23へ突出している。
【0138】
より具体的には、第1発光側光学部材LRS21は、収容部材CS2に形成された第1開口H21から第3方向A23へ突出している。そして、第1発光側光学部材LRS21が有する面のうち第3方向A23の面は、第3方向A23に向かって正の勾配を有する曲面を含む。第2実施形態では、説明の便宜上、第1発光側光学部材LRS21が有する面のうち第3方向A23の面のことを、第1発光側光学部材LRS21の上面と称して説明する。
【0139】
図12及び図13に示した例では、第1発光側光学部材LRS21は、第1方向A21から見た場合、収容部材CS2と重なる第1発光側非突出領域と、収容部材CS2と重ならない第1発光側突出領域とに区分される。そして、当該場合、第1発光側非突出領域の形状は、長方形状である。換言すると、当該場合、第1発光側光学部材LRS21が有する領域のうち第1開口H21と重なっている領域の形状は、長方形状である。すなわち、検出装置2において、第1開口H21は、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、第1発光側光学部材LRS21を構成する樹脂によって埋め尽くされている。このため、収容部材CS2の上面を含む仮想的な面によって第1発光側光学部材LRS21を切断した断面の輪郭は、第3方向A23から見た場合における第1開口H21の内縁の形状と一致している。これにより、検出装置2は、第1開口H21内において光の屈折が起きてしまうことを抑制することができ、その結果、迷光を生じさせてしまうことを抑制することができる。
【0140】
一方、当該場合、第1発光側突出領域は、上に凸のドーム形状である。また、第1発光側光学部材LRS21の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状である。また、第1発光側光学部材LRS21の上面は、第3方向A23における収容部材CS2からの高さが最も高い部分を第1頂点部分TP1として有している。そして、第1発光側光学部材LRS21の上面は、当該上面の端部から第1頂点部分TP1に向かって基板BD2からの高さが高くなっている。図12に示した例では、第1発光側光学部材LRS21の上面は、更に、当該上面の端部から第1頂点部分TP1に向かって勾配が徐々に緩やかになっている。第1頂点部分TP1は、点状の部分であってもよく、線状に延伸した部分であってもよく、帯状に延伸した部分であってもよく、面状に拡がった部分であってもよい。
【0141】
図12及び図13に示した例では、第1頂点部分TP1は、第1方向A21における第1発光側光学部材LRS21の両端を結ぶように、第1方向A21に向かって帯状に延伸している。また、当該例では、第1頂点部分TP1は、第1方向A21から見た場合、第1発光部L21が有する面のうちの第3方向A23の面の中心を通り、第3方向A23に向かって延伸する仮想的な第1線分AX1と重なっている。このような第1発光側光学部材LRS21は、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光された光の一部を、第1発光側光学部材LRS21の上面において、第1受光部R21に近づく方向に屈折することができる。第1受光部R21に近づく方向は、屈折前の第1光の進行方向よりも第2方向A22に近い方向と換言されてもよい。例えば、図12に示した矢印LT31が示す方向に向かって第1発光部L21から発光された第1光は、第1発光側光学部材LRS21の上面において屈折し、矢印LT32が示す方向に向かって進む。矢印LT32が示す方向は、矢印LT31が示す方向よりも第1受光部R21に近い方向の一例であり、屈折前の第1光の進行方向よりも第2方向A22に近い方向の一例である。
【0142】
これにより、検出装置2は、第1発光部L21から発光された第1光を、人の皮膚内のうち第1受光部R21に近い位置の皮膚内で反射させることができる。これは、第2発光部L22から発光された第2光、第3発光部L23から発光された第3光のそれぞれについても、同様に成り立つ。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第1光の第1受光部R21による受光量を増大させることができる。また、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第2光及び第3光の第2受光部R22による受光量を増大させることができる。そして、このような受光量の増大は、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光された光のうちの迷光となる成分の量を少なくすることに繋がる。その結果、検出装置2は、脈拍、酸素飽和度それぞれの検出についてのノイズを低減することができ、これらの検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0143】
また、第1受光側光学部材RRS21は、収容部材CS2に形成された第2開口H22から第3方向A23へ突出している。そして、第1受光側光学部材RRS21が有する面のうち第3方向A23の面は、第3方向A23に向かって正の勾配を有する曲面を含む。第2実施形態では、説明の便宜上、第1受光側光学部材RRS21が有する面のうち第3方向A23の面を、第1受光側光学部材RRS21の上面と称して説明する。
【0144】
図12及び図13に示した例では、第1受光側光学部材RRS21は、第1方向A21から見た場合、収容部材CS2と重なる第1受光側非突出領域と、収容部材CS2と重ならない第1受光側突出領域とに区分される。そして、当該場合、第1受光側光学部材RRS21の形状は、長方形状である。換言すると、当該場合、第1受光側光学部材RRS21が有する領域のうち第2開口H22と重なっている領域の形状は、長方形状である。すなわち、検出装置2において、第2開口H22は、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、第1受光側光学部材RRS21を構成する樹脂によって埋め尽くされている。このため、収容部材CS2の上面を含む仮想的な面によって第1受光側光学部材RRS21を切断した断面の輪郭は、第3方向A23から見た場合における第2開口H22の内縁の形状と一致している。これにより、検出装置2は、第2開口H22内において光の屈折が起きてしまうことを抑制することができ、その結果、迷光を生じさせてしまうことを抑制することができる。
【0145】
一方、当該場合、第1受光側突出領域は、上に凸のドーム形状である。また、第1受光側光学部材RRS21の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状である。また、第1受光側光学部材RRS21の上面は、第3方向A23における収容部材CS2からの高さが最も高い部分を第2頂点部分TP2として有している。そして、第1受光側光学部材RRS21の上面は、当該上面の端部から第2頂点部分TP2に向かって基板BD2からの高さが高くなっている。図12に示した例では、第1受光側光学部材RRS21の上面は、更に、当該上面の端部から第2頂点部分TP2に向かって勾配が徐々に緩やかになっている。第2頂点部分TP2は、点状の部分であってもよく、線状に延伸した部分であってもよく、帯状に延伸した部分であってもよく、面状に拡がった部分であってもよい。
【0146】
図12及び図13に示した例では、第2頂点部分TP2は、第1方向A21における第1受光側光学部材RRS21の両端を結ぶように、第1方向A21に向かって帯状に延伸している。また、当該例では、第2頂点部分TP2は、第1方向A21から見た場合、第1受光部R21が有する面のうちの第3方向A23の面の中心を通り、第3方向A23に向かって延伸する仮想的な第2線分AX2と重なっている。このような第1受光側光学部材RRS21は、第1受光側光学部材RRS21に入射する光の一部を、第1受光側光学部材RRS21の上面において、第1受光部R21に向かう方向に屈折することができる。
【0147】
例えば、図12に示した矢印LT33が示す方向に向かって第1受光側光学部材RRS21に入射する第1光は、第2発光側突出領域の第3方向A23の面において屈折し、矢印LT34が示す方向に向かって進む。矢印LT34が示す方向は、第1受光部R21に向かう方向の一例である。すなわち、検出装置2は、第1受光側光学部材RRS21により、人の皮膚内において反射された第1光を、第1受光部R21に向かって屈折させることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第1光の第1受光部R21による受光量を増大させることができる。そして、このような受光量の増大は、第1発光部L21から発光された第1光のうちの迷光となる成分の量を少なくすることに繋がる。その結果、検出装置2は、脈拍の検出についてのノイズを低減することができ、脈拍の検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0148】
また、第2受光側光学部材RRS22は、収容部材CS2に形成された第3開口H23から第3方向A23へ突出している。そして、第2受光側光学部材RRS22が有する面のうち第3方向A23の面は、第3方向A23に向かって正の勾配を有する曲面を含む。第2実施形態では、説明の便宜上、第2受光側光学部材RRS22が有する面のうち第3方向A23の面を、第2受光側光学部材RRS22の上面と称して説明する。
【0149】
図12及び図13に示した例では、第2受光側光学部材RRS22は、第1方向A21から見た場合、収容部材CS2と重なる第2受光側非突出領域と、収容部材CS2と重ならない第2受光側突出領域とに区分される。そして、当該場合、第2受光側光学部材RRS22の形状は、長方形状である。換言すると、当該場合、第2受光側光学部材RRS22が有する領域のうち第3開口H23と重なっている領域の形状は、長方形状である。すなわち、検出装置2において、第3開口H23は、製造過程において意図せず形成された空隙を除いて、第2受光側光学部材RRS22を構成する樹脂によって埋め尽くされている。このため、収容部材CS2の上面を含む仮想的な面によって第2受光側光学部材RRS22を切断した断面の輪郭は、第3方向A23から見た場合における第3開口H23の内縁の形状と一致している。これにより、検出装置2は、第3開口H23内において光の屈折が起きてしまうことを抑制することができ、その結果、迷光を生じさせてしまうことを抑制することができる。
【0150】
一方、当該場合、第2受光側突出領域は、上に凸のドーム形状である。また、第2受光側光学部材RRS22の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状であり、第2受光側光学部材RRS22の上面は、第3方向A23における収容部材CS2からの高さが最も高い部分を第3頂点部分TP3として有している。そして、第2受光側光学部材RRS22の上面は、当該上面の端部から第3頂点部分TP3に向かって基板BD2からの高さが高くなっている。図12に示した例では、第2受光側光学部材RRS22の上面は、更に、当該上面の端部から第3頂点部分TP3に向かって勾配が徐々に緩やかになっている。第3頂点部分TP3は、点状の部分であってもよく、線状に延伸した部分であってもよく、帯状に延伸した部分であってもよく、面状に拡がった部分であってもよい。
【0151】
図12及び図13に示した例では、第3頂点部分TP3は、第1方向A21における第2受光側光学部材RRS22の両端を結ぶように、第1方向A21に向かって帯状に延伸している。また、当該例では、第3頂点部分TP3は、第1方向A21から見た場合、第2受光部R22が有する面のうちの第3方向A23の面の中心を通り、第3方向A23に向かって延伸する仮想的な第3線分AX3と重なっている。このような第2受光側光学部材RRS22は、第2受光側光学部材RRS22に入射する光の一部を、第2受光側光学部材RRS22の上面において、第2受光部R22に向かう方向に屈折することができる。
【0152】
例えば、図12に示した矢印LT35が示す方向に向かって第2受光側光学部材RRS22に入射する第2光、第3光のそれぞれは、第3発光側突出領域の第3方向A23の面において屈折し、矢印LT36が示す方向に向かって進む。矢印LT36が示す方向は、第2受光部R22に向かう方向の一例である。すなわち、検出装置2は、第2受光側光学部材RRS22により、人の皮膚内において反射された第2光、第3光のそれぞれを、第2受光部R22に向かって屈折させることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第2光、第3光のそれぞれの第2受光部R22による受光量を増大させることができる。そして、このような受光量の増大は、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光された光のうちの迷光となる成分の量を少なくすることに繋がる。その結果、検出装置2は、酸素飽和度の検出についてのノイズを低減することができ、酸素飽和度の検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0153】
以上のように、検出装置2では、第1発光側光学部材LRS21が第1開口H21から第3方向A23に向かって突出しており、第1受光側光学部材RRS21が第2開口H22から第3方向A23に向かって突出しており、第2受光側光学部材RRS22が第3開口H23から第3方向A23に向かって突出している。このため、検出装置2は、人の皮膚に密着させる集光レンズを第1開口H21、第2開口H22、第3開口H23のそれぞれに設けることなく、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれによる受光量を増大させることができる。その結果、検出装置2は、当該集光レンズ、及び当該集光レンズを検出装置2に取り付けるための部材等のぶん、第3方向A23における大きさを小さくすることができる。
【0154】
また、検出装置2は、人の皮膚に密着させる集光レンズが第1開口H21、第2開口H22、第3開口H23のそれぞれに設けられていないため、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれと人の皮膚との間の距離が短くなることにより、当該集光レンズを備える場合と比較して、当該皮膚に対する発光強度を高くすることができる。これは、消費電力の低減に繋がり、有用である。また、検出装置2は、同様の理由により、製造するために必要な部品点数を少なくすることができ、製造コストの増大を抑制することができる。なお、検出装置2は、第1発光側光学部材LRS21が第1開口H21から第3方向A23に向かって突出していない構成であってもよい。この場合、検出装置2は、人の皮膚に密着させる集光レンズが第1開口H21に設けられる構成であってもよい。
【0155】
また、検出装置2は、第1受光側光学部材RRS21が第2開口H22から第3方向A23に向かって突出していない構成であってもよい。この場合、検出装置2は、人の皮膚に密着させる集光レンズが第2開口H22に設けられる構成であってもよい。また、検出装置2は、第2受光側光学部材RRS22が第3開口H23から第3方向A23に向かって突出していない構成であってもよい。この場合、検出装置2は、人の皮膚に密着させる集光レンズが第3開口H23に設けられる構成であってもよい。
【0156】
なお、第1方向A21から見た場合における第1発光側突出領域、第2発光側突出領域、第3発光側突出領域それぞれの収容部材CS2の上面からの高さは、人の皮膚との密着性を向上させるため、製造誤差による違いを除いて、互いに同じ高さである。そして、第1方向A21から見た場合における第1発光側突出領域、第2発光側突出領域、第3発光側突出領域それぞれの収容部材CS2の上面からの高さは、予め決められた第1条件を満たす第1高さ以上、予め決められた第2条件を満たす第2高さ以下の高さである。例えば、第1条件は、人の皮膚との密着性が低下してしまわない高さであること、である。この場合、第1高さは、例えば、0.2[mm]程度であるが、これに限られるわけではない。これは、人の表皮の平均的な厚さが0.2[mm]であり、第1発光側突出領域、第2発光側突出領域、第3発光側突出領域のそれぞれの収容部材CS2の上面からの高さが表皮の平均的な厚さに近いほど、検出装置2と人の皮膚との密着性が高くなるからである。
【0157】
なお、第1条件は、人の皮膚との密着性が低下してしまわない高さを規定可能な他の条件であってもよい。また、第2条件は、人の皮膚内の血管内に含まれるヘモグロビンの量が、検出装置2と人の皮膚との密着によって変化しない高さを規定することが可能な条件であれば、如何なる条件であってもよい。例えば、第2条件は、人の真皮内の毛細血管が潰れない高さであること、である。この場合、第2高さは、1.2[mm]程度であるが、これに限られるわけではない。これは、人の真皮の平均的な厚さが2[mm]であり、真皮の厚さが半分以下の厚さになるほど真皮が潰れた場合、真皮内の毛細血管が潰れてしまうためである。
【0158】
また、図13に示した例では、第1発光側光学部材LRS21と第1受光側光学部材RRS21との間の第2方向A22における距離W7は、第1受光側光学部材RRS21と第2受光側光学部材RRS22との間の第2方向A22における距離W8よりも長い。この場合、検出装置2は、第1発光部L11から発光された第1光のうち、人の表皮付近において反射されて第1受光部R21に受光される第1光の受光量を減らすことができる。このような第1光は、血管内のヘモグロビンによって反射されているわけではないため、脈拍の検出においてノイズとなる光である。すなわち、検出装置2は、距離W7を距離W8よりも長くすることにより、脈拍の検出におけるノイズを低減することができる。
【0159】
以上のような構成の検出装置2は、例えば、以下において説明するような製造方法により、製造することができる。まず、検出装置2の製造者は、ダイボンディング及びワイヤーボンディングによって第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれを基板BD2の上面に設ける。以下では、説明の便宜上、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23、第1受光部R21、第2受光部R22を区別する必要が無い限り、まとめて設置素子と称して説明する。
【0160】
基板BD2の上面に設置素子を設けた後、当該製造者は、図14に示したように、金型MM1を用いて、第1発光側光学部材LRS21、第1受光側光学部材RRS21、第2受光側光学部材RRS22のそれぞれを構成する樹脂を、基板BD2の上面に充填して固める。図14は、基板BD2の上面に金型MM1を乗せた様子の一例を示す断面図である。ただし、図14に示した断面図は、第1方向A21から見た場合において、第1発光部L21、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれが見えるように、第1方向A21と直交する仮想的な面に沿って基板BD2及び金型MM1を切断した断面図である。
【0161】
金型MM1は、第1発光側光学部材LRS21、第1受光側光学部材RRS21、第2受光側光学部材RRS22のそれぞれと嵌合する形状の凹部が形成された金型である。そして、それらの凹部の上面には、樹脂を充填するための孔が開けられている。金型MM1が基板BD2の上面の予め決められた載置位置に乗せられた場合、これら凹部のうち第1発光側光学部材LRS21に対応する凹部の位置は、基板BD2の上面において第1発光側光学部材LRS21を位置させる予め決められた位置と一致する。また、当該場合、これら凹部のうち第1受光側光学部材RRS21に対応する凹部の位置は、基板BD2の上面において第1受光側光学部材RRS21を位置させる予め決められた位置と一致する。また、当該場合、これら凹部のうち第2受光側光学部材RRS22に対応する凹部の位置は、基板BD2の上面において第2受光側光学部材RRS22を位置させる予め決められた位置と一致する。
【0162】
これらにより、当該製造者は、基板BD2の上面に乗せた後の金型MM1に形成されている3つの凹部に樹脂を充填して固めることにより、第1発光側光学部材LRS21、第1受光側光学部材RRS21、第2受光側光学部材RRS22のそれぞれを基板BD2の上面に形成することができる。
【0163】
次に、当該製造者は、図15に示したような金型MM2を用いて、収容部材CS2を基板BD2の上面に形成する。図15は、基板BD2の上面に金型MM2を乗せた様子の一例を示す断面図である。ただし、図15に示した断面図は、第1方向A21から見た場合において、第1発光部L21、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれが見えるように、第1方向A21と直交する仮想的な面に沿って、基板BD2及び金型MM2を切断した断面図である。
【0164】
金型MM2は、第1発光側光学部材LRS21、第1受光側光学部材RRS21、第2受光側光学部材RRS22それぞれの上面に金型MM2を乗せた場合、第1発光側突出領域、第1受光側突出領域、第2受光側突出領域のそれぞれを上から覆う凹部が形成された金型である。金型MM2の外形は、全体として直方体形状である。そして、金型MM2は、第1発光側非突出領域、第1受光側非突出領域、第2受光側非突出領域のそれぞれの側面を覆わない。このため、当該製造者は、例えば、白樹脂を金型MM2と基板BD2との間に充填して固めることにより、収容部材CS2を形成することができる。以上のような製造方法により、当該製造者は、検出装置2を製造することができる。
【0165】
なお、検出装置2では、第1発光側光学部材LRS21と第1受光側光学部材RRS21との間の第2方向A22における距離W7は、図16に示したように、第1受光側光学部材RRS21と第2受光側光学部材RRS22との間の第2方向A22における距離W8よりも短い構成であってもよい。図16は、検出装置2の第2構成例を示す上面図である。これにより、検出装置2では、第1発光部L11と第1受光部R21との間の距離を近くすることができ、その結果、人の皮膚内において反射された第1光の第1受光部R21による受光量を増大させることができる。
【0166】
ここで、第1発光部L21から発光された第1光は、人の皮膚内の第1受光部R21に近い位置において反射されるほど、第1受光部R21に受光される可能性が高くなる。同様に、第2発光部L22から発光された第2光、及び、第3発光部L23から発光された第3光は、人の皮膚内の第2受光部R22に近い位置において反射されるほど、第2受光部R22に受光される可能性が高くなる。そこで、検出装置2は、第1方向A21から見た場合、図17及び図18に示したように、第1頂点部分TP1が第1線分AX1と重なっておらず、第1線分AX1よりも第1受光部R21に近い構成であってもよい。図17は、検出装置2の第3構成例を示す断面図である。ただし、図17に示した断面図は、第1方向A21から見た場合において、第1発光部L21、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれが見えるように、第1方向A21と直交する仮想的な面に沿って検出装置2を切断した断面図である。図18は、図17に示した検出装置2の上面図である。
【0167】
第1頂点部分TP1が第1線分AX1を基準とし、第1発光側光学部材LRS21の第1受光部R21に近い側にある場合、第1発光側光学部材LRS21の上面に含まれる面のうち第1頂点部分TP1よりも第2方向A22と反対の方向の面K11は、当該上面に含まれる面のうち第1頂点部分TP1よりも第2方向A22の面K12よりも広い。このため、第1発光部L21から発光された第1光の多くは、面K11に向かって入射する。
【0168】
面K11は、第1方向A21から見た場合、面K11が有する端部のうち第2方向A22と反対の方向の端部EG11から第1頂点部分TP1に向かって、正の勾配を有する曲面である。図17に示した例では、面K11は、当該場合、端部EG11から第1頂点部分TP1に向かうほど、基板BD2からの高さが高くなり、且つ、端部EG11から第1頂点部分TP1に向かって勾配が徐々に緩やかになっている。この場合、第1発光部L21から発光された第1光のうち面K11に入射する第1光は、第1方向A21から見ると、面K11において進行方向が第2方向A22に向かってずれるように屈折する。
【0169】
例えば、図17に示した矢印LT41が示す方向に向かって第1発光部L21から発光された第1光は、面K11に向かって第1発光部L21から発光された第1光のうち面K11に入射する第1光の一例である。矢印LT41が示す方向に向かって第1発光部L21から発光された第1光は、面K11において、矢印LT42が示す方向に向かって進むように屈折する。そして、矢印LT42が示す方向は、図17に示したように、矢印LT41が示す方向よりも第2方向A22に向かってずれている。従って、検出装置2は、第1頂点部分TP1が第1線分AX1よりも第1受光部R21に近い場合、第1発光部L21から発光された第1光のうち面K11に入射する第1光を、人の皮膚内における位置のうち第1受光部R21に近い位置において反射させることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第1光の第1受光部R21による受光量を増大させることができ、検出装置2による脈拍の検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0170】
なお、このような事情は、第2光及び第3光についても、同様に成り立つ。すなわち、検出装置2は、第1頂点部分TP1が第1線分AX1よりも第1受光部R21に近い場合、第2発光部L22から発光された第2光のうち面K11に入射する第2光を、人の皮膚内における位置のうち第2受光部R22に近い位置において反射させることができるとともに、第3発光部L23から発光された第3光のうち面K11に入射する第3光を、人の皮膚内における位置のうち第2受光部R22に近い位置において反射させることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第2光及び第3光の第2受光部R22による受光量を増大させることができ、検出装置2による酸素飽和度の検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0171】
一方、第1発光部L21から発光された第1光のうち面K12に入射する第1光は、進行方向が第2方向A22に近過ぎるため、迷光になってしまう可能性が高い。しかしながら、面K12も、第1方向A21から見た場合、面K12が有する端部のうち第2方向A22の端部EG12から第1頂点部分TP1に向かって、正の勾配を有する曲面である。図17に示した例では、面K12は、当該場合、第1頂点部分TP1から端部EG12に向かうほど、基板BD2からの高さが低くなり、且つ、第1頂点部分TP1から端部EG12に向かって勾配が急峻になっている。この場合、第1発光部L21から発光された第1光のうち面K12に入射する第1光は、第1方向A21から見ると、面K12において進行方向が第3方向A31に向かってずれるように屈折する。
【0172】
例えば、図17に示した矢印LT43が示す方向に向かって第1発光部L21から発光された第1光は、面K12に向かって第1発光部L21から発光された第1光のうち面K12に入射する第1光の一例である。矢印LT43が示す方向に向かって第1発光部L21から発光された第1光は、面K12において、矢印LT44が示す方向に向かって進むように屈折する。そして、矢印LT44が示す方向は、図17に示したように、矢印LT43が示す方向よりも第3方向A23に向かってずれている。従って、検出装置2は、第1頂点部分TP1が第1線分AX1よりも第1受光部R21に近い場合、第1発光部L21から発光された第1光のうち面K12に入射する第1光が迷光になってしまうことを抑制することができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第1光の第1受光部R21による受光量を増大させることができ、検出装置2による脈拍の検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0173】
なお、このような事情は、第2光及び第3光についても、同様に成り立つ。すなわち、検出装置2は、第1頂点部分TP1が第1線分AX1よりも第1受光部R21に近い場合、第2発光部L22から発光された第2光のうち面K12に入射する第2光が迷光になってしまうことを抑制することができるとともに、第3発光部L23から発光された第3光のうち面K12に入射する第3光が迷光になってしまうことを抑制することができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第2光及び第3光の第2受光部R22による受光量を増大させることができ、検出装置2による酸素飽和度の検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0174】
また、図17及び図18に示したように、検出装置2は、第1受光側光学部材RRS21において、第2頂点部分TP2が第2線分AX2と重なっておらず、第2頂点部分TP2が第2線分AX2よりも第1発光部L21に近い構成であってもよい。この場合、第1方向A21から見た場合における第1発光側光学部材LRS21の上面の形状と、第1方向A21から見た場合における第1受光側光学部材RRS21の上面の形状とは、異なる形状である。
【0175】
第2頂点部分TP2が第2線分AX2より第1発光部L21に近い場合、第1受光側光学部材RRS21の上面に含まれる面のうち第2頂点部分TP2よりも第2方向A22の面K21は、当該上面に含まれる面のうち第2頂点部分TP2よりも第2方向A22と反対の方向の面K22よりも広い。このため、人の皮膚内において反射された第1光の多くは、面K21に向かって入射する。
【0176】
面K21は、第1方向A21から見た場合、面K21が有する端部のうち第2方向A22の端部EG21から第2頂点部分TP2に向かって、正の勾配を有する曲面である。図17に示した例では、面K21は、当該場合、端部EG21から第2頂点部分TP2に向かうほど、基板BD2からの高さが高くなり、且つ、端部EG21から第2頂点部分TP2に向かって勾配が徐々に緩やかになっている。この場合、人の皮膚内において反射された第1光のうち面K21に入射する第1光は、第1方向A21から見ると、面K21において進行方向が第3方向A23と反対の方向に向かってずれるように屈折する。
【0177】
例えば、図17に示した矢印LT45が示す方向に向かって面K21に入射する第1光は、人の皮膚内において反射された第1光のうち面K21に入射する第1光の一例である。矢印LT45が示す方向に向かって面K21に入射する第1光は、面K21において、矢印LT46が示す方向に向かって進むように屈折する。そして、矢印LT46が示す方向は、図17に示したように、矢印LT45が示す方向よりも第3方向A23に向かってずれている。従って、検出装置2は、第2頂点部分TP2が第2線分AX2よりも第1発光部L21に近い場合、人の皮膚内において反射された第1光のうち面K21に入射する第1光を、第1受光部R21に向かって反射させることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第1光の第1受光部R21による受光量を増大させることができ、検出装置2による脈拍の検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0178】
なお、このような事情は、第2光及び第3光についても、同様に成り立つ。しかしながら、第2光及び第3光は、第1光と比べて、人の皮膚内における平均自由行程が長い。このため、第2光及び第3光が第1受光側光学部材RRS21に入射する量は、第1光と比べて少ない。このため、第2実施形態において、第1受光側光学部材RRS21の上面と、第2光、第3光のそれぞれとの関係については、説明を省略する。また、人の皮膚内において反射された第1光のうち面K22に入射する第1光の量も、人の皮膚内において反射された第1光のうち面K21に入射する第1光の量と比べて少ない。このため、第2実施形態において、面K21と、面K21に入射する第1光との関係についても、説明を省略する。
【0179】
また、図17及び図18に示したように、検出装置2は、第2受光側光学部材RRS22において、第3頂点部分TP3が第3線分AX3と重なっておらず、第3頂点部分TP3が第3線分AX3よりも第1発光部L21に近い構成であってもよい。この場合、第1方向A21から見た場合における第1発光側光学部材LRS21の上面の形状と、第1方向A21から見た場合における第2受光側光学部材RRS22の上面の形状とは、異なる形状である。
【0180】
第3頂点部分TP3が第3線分AX3より第1発光部L21に近い場合、第2受光側光学部材RRS22の上面に含まれる面のうち第3頂点部分TP3よりも第2方向A22の面K31は、当該上面に含まれる面のうち第3頂点部分TP3よりも第2方向A22と反対の方向の面K32よりも広い。このため、人の皮膚内において反射された第2光、第3光それぞれの多くは、面K31に向かって入射する。
【0181】
面K31は、第1方向A21から見た場合、面K31が有する端部のうち第2方向A22の端部EG31から第3頂点部分TP3に向かって、正の勾配を有する曲面である。図17に示した例では、面K31は、当該場合、端部EG31から第3頂点部分TP3に向かうほど、基板BD2からの高さが高くなり、且つ、端部EG31から第3頂点部分TP3に向かって勾配が徐々に緩やかになっている。この場合、人の皮膚内において反射された第2光のうち面K31に入射する第2光は、第1方向A21から見ると、面K31において進行方向が第3方向A23と反対の方向に向かってずれるように屈折する。これは、第3光についても、同様に成り立つ。
【0182】
そして、このように屈折は、図17に示した第1受光側光学部材RRS21の面K21に第1光が入射した場合における第1光の屈折が起きる理由と同様に理由である。このため、第2実施形態では、面M31に第2光が入射した場合における第2光の屈折、及び、面M31に第3光が入射した場合における第3光の屈折についての説明を省略する。検出装置2は、第3頂点部分TP3が第3線分AX3よりも第1発光部L21に近い場合、人の皮膚内において反射された第2光のうち面K31に入射する第2光を、第2受光部R22に向かって反射させることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第2光の第2受光部R22による受光量を増大させることができ、検出装置2による酸素飽和度の検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0183】
また、検出装置2は、第3頂点部分TP3が第3線分AX3よりも第1発光部L21に近い場合、人の皮膚内において反射された第3光のうち面K31に入射する第3光を、第2受光部R22に向かって反射させることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第3光の第2受光部R22による受光量を増大させることができ、検出装置2による酸素飽和度の検出についてのS/N比を向上させることができる。
【0184】
なお、第2光及び第3光は、第1光と比べて、人の皮膚内における平均自由行程が長いため、人の皮膚の深層において反射する傾向にある。このため、人の皮膚内において反射された第2光及び第3光の進行方向は、第3方向A23と反対の方向に近いことが多い。そこで、第3線分AX3と第3頂点部分TP3との間の第2方向A22における距離は、第2線分AX2と第2頂点部分TP2との間の第2方向A22における距離よりも短い構成であってもよい。この場合、第1方向A21から見た場合における第1受光側光学部材RRS21の上面の形状と、第1方向A21から見た場合における第2受光側光学部材RRS22の上面の形状とは、異なる形状である。これにより、検出装置2は、第2受光部R22による第2光及び第3光それぞれの受光量を増大させることができる。
【0185】
図19及び図20に示した検出装置2の構成は、この構成を更に変形させた構成である。すなわち、図17に示した検出装置2において、第2受光側光学部材RRS22の上面の形状は、図19及び図20に示すように、第1方向A21から見た場合に、第3頂点部分TP3が第3線分AX3と重なる形状であってもよい。
【0186】
図19は、検出装置2の第4構成例を示す断面図である。ただし、図19に示した断面図は、第1方向A21から見た場合において、第1発光部L21、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれが見えるように、第1方向A21と直交する仮想的な面に沿って検出装置2を切断した断面図である。
【0187】
図20は、図19に示した検出装置2の上面図である。この場合も、第1方向A21から見た場合における第1受光側光学部材RRS21の上面の形状と、第1方向A21から見た場合における第2受光側光学部材RRS22の上面の形状とは、異なる形状である。
【0188】
図19及び図20に示した第1発光側光学部材LRS21の形状は、図17及び図18に示した第1発光側光学部材LRS21の形状と同じ形状である。また、図19及び図20に示した第1受光側光学部材RRS21の形状は、図17及び図18に示した第1受光側光学部材RRS21の形状と同じ形状である。これに対し、図19及び図20に示した第1発光側光学部材LRS21の形状は、第1方向A21から見た場合に、第3頂点部分TP3が第3線分AX3と重なる形状である。換言すると、図19及び図20に示した第2受光側光学部材RRS22の形状は、図12及び図13に示した第2受光側光学部材RRS22の形状と同じ形状である。
【0189】
この場合、第2受光側光学部材RRS22の上面の位置のうち第3頂点部分TP3に含まれていない位置に、第3方向A23と反対の方向に向かって入射する第2光及び第3光は、第2受光部R22に向かう方向へ屈折する。すなわち、検出装置2は、第2受光側光学部材RRS22の上面の形状を、第1方向A21から見た場合に、第3線分AX3と重なる形状にすることにより、人の皮膚内において反射された第2光及び第3光の第2受光部R22による受光量を増大させることができる。
【0190】
また、検出装置2は、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光された光のうち迷光となってしまう成分の量を少なくするため、図21に示したように、第1発光側光学部材LRS21が3つの光学部材に分割されている構成であってもよい。図21は、検出装置2の第5構成例を示す上面図である。図21に示した例では、基板BD2とともに第1発光部L21を覆う第1発光側光学部材LRS211と、基板BD2とともに第2発光部L22を覆う第2発光側光学部材LRS212と、基板BD2とともに第3発光部L23を覆う第3発光側光学部材LRS213との3つの光学部材に第1発光側光学部材LRS21が分割されている。このため、図21に示した例では、収容部材CS2には、第1開口H21に代えて、開口H211と、開口H212と、開口H213との3つの開口が形成されている。
【0191】
開口H211は、第3方向A23に向かって収容部材CS2を貫通する孔である。開口H211は、基板BD2の上面において、第1発光部L21と第1発光側光学部材LRS211とが収容される孔である。図21に示した例では、開口H211の輪郭の形状は、第1方向A21から見た場合、長方形状である。また、当該例では、開口H211の輪郭の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状である。すなわち、開口H211の形状は、直方体形状である。なお、開口H211の形状は、直方体形状に代えて、基板BD2の上面において、第1発光部L21と、第1発光側光学部材LRS211を収容可能な他の形状であってもよい。当該他の形状は、例えば、台形状等であるが、これに限られるわけではない。開口H212は、第1開口の一例である。
【0192】
開口H212は、第3方向A23に向かって収容部材CS2を貫通する孔である。開口H212は、基板BD2の上面において、第2発光部L22と第2発光側光学部材LRS212とが収容される孔である。図21に示した例では、開口H212の輪郭の形状は、第1方向A21から見た場合、長方形状である。また、当該例では、開口H212の輪郭の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状である。すなわち、開口H212の形状は、直方体形状である。なお、開口H212の形状は、直方体形状に代えて、基板BD2の上面において、第2発光部L22と、第2発光側光学部材LRS212を収容可能な他の形状であってもよい。当該他の形状は、例えば、台形状等であるが、これに限られるわけではない。開口H212は、第4開口の一例である。
【0193】
開口H213は、第3方向A23に向かって収容部材CS2を貫通する孔である。開口H213は、基板BD2の上面において、第3発光部L23と第3発光側光学部材LRS213とが収容される孔である。図21に示した例では、開口H213の輪郭の形状は、第1方向A21から見た場合、長方形状である。また、当該例では、開口H213の輪郭の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状である。すなわち、開口H213の形状は、直方体形状である。なお、開口H213の形状は、直方体形状に代えて、基板BD2の上面において、第3発光部L23と、第3発光側光学部材LRS213を収容可能な他の形状であってもよい。当該他の形状は、例えば、台形状等であるが、これに限られるわけではない。開口H213は、第4開口の一例である。
【0194】
また、第1発光側光学部材LRS211、第2発光側光学部材LRS212、第3発光側光学部材LRS213のそれぞれの形状は、第1発光側光学部材LRS21の第1方向A21における幅を短くした形状である。このため、第1発光側光学部材LRS211の上面は、第1発光側光学部材LRS21の上面の一部に相当し、第1頂点部分TP1に相当する頂点部分TP11を含む。また、第2発光側光学部材LRS212の上面は、第1発光側光学部材LRS21の上面の一部に相当し、第1頂点部分TP1に相当する頂点部分TP12を含む。また、第3発光側光学部材LRS213の上面は、第1発光側光学部材LRS21の上面の一部に相当し、第1頂点部分TP1に相当する頂点部分TP13を含む。また、第2方向A22から見た場合における第1発光側光学部材LRS211の上面の形状と、第2方向A22から見た場合における第2発光側光学部材LRS212の上面の形状とは、同じ形状である。また、第2方向A22から見た場合における第1発光側光学部材LRS211の上面の形状と、第2方向A22から見た場合における第3発光側光学部材LRS213の上面の形状とは、同じ形状である。
【0195】
このような検出装置2では、例えば、第1発光部L21から発光された第1光のうち開口H211を形成している壁面に向かって進む第1光は、当該壁面によって反射され、開口H211の上方に向かって進む。これにより、検出装置2は、人の皮膚内に入射する第1光の量を増大させることができる。このような事情は、第2光及び第3光のそれぞれについても、同様である。その結果、検出装置2は、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光された光のうち迷光となってしまう成分の量を少なくすることができる。
【0196】
なお、図21に示した検出装置2において、第1発光側光学部材LRS211、第2発光側光学部材LRS212、第3発光側光学部材LRS213のそれぞれの形状は、図22及び図23に示すように、略点状の頂点部分を有する形状であってもよい。図22は、検出装置2の第6構成例を示す断面図である。ただし、図22に示した断面図は、第1方向A21から見た場合において、第1発光部L21、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれが見えるように、第1方向A21と直交する仮想的な面に沿って検出装置2を切断した断面図である。図23は、図22に示した検出装置2の上面図である。
【0197】
図22及び図23に示した例では、第1発光側光学部材LRS211の頂点部分TP11の形状は、点状、又は、略点状である。本開示において、略点状は、略点と見做すことができる形状であり、僅かに円形状、矩形状等の形状に拡がっている形状のことである。そして、当該例では、第1発光側光学部材LRS211の上面における頂点部分TP11の位置は、第3方向A23から見た場合における第1発光部L21の中心よりも第1受光部R21に近い位置であり、且つ、第2方向A22から見た場合において第1発光側光学部材LRS211の第1方向A21における中央の位置である。この場合、第1発光部L21から発光あれた第1光の多くは、第1発光側光学部材LRS211の上面において、進行方向が第2方向A22に向かってずれるように屈折する。
【0198】
これにより、検出装置2は、第1発光部L21から発光された第1光のうち迷光となる成分の量を、より確実に少なくすることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第1光の第1受光部R21による受光量を、より確実に増大させることができる。
【0199】
また、図22及び図23に示した例では、第2発光側光学部材LRS212の頂点部分TP12の形状は、点状、又は、略点状である。そして、当該例では、第2発光側光学部材LRS212の上面における頂点部分TP12の位置は、第3方向A23から見た場合において第2発光部L22の中心よりも第1受光部R21に近い位置であり、且つ、第2方向A22から見た場合において第2発光側光学部材LRS212の第1方向A21における中央よりも第1発光部L21に近い位置である。
【0200】
この場合、第2方向A22から見た場合における第1発光側光学部材LRS211の上面の形状と、第2方向A22から見た場合における第2発光側光学部材LRS212の上面の形状とは、異なる形状である。そして、この場合、第2発光部L22から発光あれた第2光の多くは、第4方向A24に近い方向に向かってずれるように屈折する。第4方向A24は、基板BD2の上面と平行な方向であり、且つ、第3方向A23から見た場合における第2発光部L22の中心から頂点部分TP12に向かう方向である。これにより、検出装置2は、第2発光部L22から発光された第2光のうち迷光となる成分の量を、より確実に少なくすることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第2光の第2受光部R22による受光量を、より確実に増大させることができる。
【0201】
また、図22及び図23に示した例では、第3発光側光学部材LRS213の頂点部分TP13の形状は、点状、又は、略点状である。そして、当該例では、第3発光側光学部材LRS213の上面における頂点部分TP13の位置は、第3方向A23から見た場合において第3発光部L23の中心よりも第1受光部R21に近い位置であり、且つ、第2方向A22から見た場合において第3発光側光学部材LRS213の第1方向A21における中央よりも第1発光部L21に近い位置である。
【0202】
この場合、第2方向A22から見た場合における第1発光側光学部材LRS211の上面の形状と、第2方向A22から見た場合における第3発光側光学部材LRS213の上面の形状とは、異なる形状である。そして、この場合、第3発光部L23から発光あれた第3光の多くは、第5方向A25に近い方向に向かってずれるように屈折する。第5方向A25は、基板BD2の上面と平行な方向であり、且つ、第3方向A23から見た場合における第3発光部L23の中心から頂点部分TP13に向かう方向である。これにより、検出装置2は、第3発光部L23から発光された第3光のうち迷光となる成分の量を、より確実に少なくすることができる。その結果、検出装置2は、人の皮膚内において反射された第3光の第2受光部R22による受光量を、より確実に増大させることができる。
【0203】
以上のように、基板BD2と、第1光を発光し、基板BD2に設けられる第1発光部L21と、第1光を受光し、基板BD2と平行な第1方向A21から見た場合、基板BD2と平行であり、且つ、第1方向A21と直交する第2方向A22に向かって第1発光部L21と並んで基板BD2に設けられる第1受光部R21と、第1光を透過し、基板BD2において第1発光部L21を覆う第1発光側光学部材LRS21と、第1光を透過し、基板BD2において第1受光部R21を覆う第1受光側光学部材RRS21と、基板BD2に設けられ、第1発光部L21と第1発光側光学部材LRS21とが収容される第1開口H21と、第1受光部R21と第1受光側光学部材RRS21とが収容される第2開口H22とが形成される収容部材CS2と、を備え、第1発光側光学部材LRS21と第1受光側光学部材RRS21とのうちの少なくとも一方の光学部材は、第1方向A21と第2方向A22とに交差する第3方向A23へ、収容部材CS2に形成された開口から突出している。
【0204】
これにより、検出装置2は、人の皮膚との間の密着性を向上させて第1受光部R21による受光量を増大させることができるとともに、第1発光部L21から発光された第1光を集光するレンズ、第1光の反射光を第1受光部R21に向かって集光するレンズ、これらのレンズを検出装置1に取り付けるための部材等を備えている場合と比較して、第3方向A23における大きさを小さくすることができる。すなわち、検出装置2は、第1受光部R21による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。
【0205】
なお、検出装置2は、第1実施形態において説明したコート部材URS11を備える構成であってもよい。この場合、コート部材URS11は、検出装置2の上面の少なくとも一部を覆う。
【0206】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について、図面を参照して説明する。
【0207】
<第3実施形態に係る検出装置の概要>
まず、第3実施形態に係る検出装置の概要について説明する。
【0208】
第3実施形態に係る検出装置は、基板と、第1発光部と、第1受光部と、第1光学部材と、第2光学部材と、収容部材を備える。第1発光部は、第1光を発光し、基板に設けられる。第1受光部は、第1光を受光し、基板と平行な第1方向から見た場合、基板と平行な方向のうち第1方向と直交する第2方向に向かって第1発光部と並んで基板に設けられる。第1光学部材は、第1光を透過し、基板において第1発光部を覆う。第2光学部材は、第1光を透過し、基板において第1受光部を覆う。収容部材は、基板に設けられ、第1発光部と第1光学部材とが収容される第1開口と、第1受光部と第2光学部材とが収容される第2開口とが形成される。ここで、第1光学部材は、第1方向と第2方向とに直交する第3方向へ収容部材の第1開口から突出している。また、第2光学部材は、第3方向へ収容部材の第2開口から突出している。
【0209】
また、収容部材は、第1光学部材と第2光学部材との間に設けられる壁部を含む。そして、第1発光部から壁部までの第2方向における第1距離は、予め決められた条件を満たす距離である。当該条件は、第1距離に応じて変化する値のうち、第1受光部が受光するノイズの強さと負の相関関係にある第1値が、予め決められた閾値以上になること、である。
【0210】
これにより、当該検出装置は、人の皮膚との間の密着性を向上させて第1受光部による受光量を増大させることができるとともに、第1発光部から発光された第1光を集光するレンズ、第1光の反射光を第1受光部に向かって集光するレンズ、これらのレンズを検出装置1に取り付けるための部材等を備えている場合と比較して、第3方向における大きさを小さくすることができる。また、これにより、当該検出装置は、第1受光部が受光するノイズの強さが小さくなるように第1発光部と壁部との間の距離を短くすることができ、第1発光部から発光された第1光のうち、第3方向に向かう成分の量を多くすることができる。すなわち、当該検出装置は、受光部による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。
【0211】
以下では、第3実施形態に係る検出装置の構成について詳しく説明する。
【0212】
<第3実施形態に係る検出装置の構成>
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。このため、第3実施形態では、第2実施形態と同様な構成部に対して同じ符号を付して説明を省略する。また、以下では、第3実施形態に係る検出装置の構成について、検出装置3を例に挙げて説明する。なお、第3実施形態でも、説明の便宜上、ある方向に向かって検出装置2を見た場合のことを、当該方向から見た場合と称して説明する。また、第3実施形態に係る検出装置2の構成は、第1実施形態に係る検出装置1の構成、第2実施形態に係る検出装置2の構成のそれぞれと如何様に組み合わされてもよい。
【0213】
図24は、検出装置3の第1構成例を示す断面図である。ただし、図24に示した断面図は、第1方向A21から見た場合において、第1発光部L21、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれが見えるように、第1方向A21と直交する仮想的な面に沿って検出装置3を切断した断面図である。
【0214】
図24に示したように、検出装置3は、例えば、基板BD2と、第1発光部L21と、第2発光部L22と、第3発光部L23と、第1受光部R21と、第2受光部R22と、第1発光側光学部材LRS21と、第1受光側光学部材RRS21と、第2受光側光学部材RRS22と、収容部材CS3を備える。すなわち、図24に示した検出装置3は、図12及び図13に示した検出装置2の変形例である。なお、図24に示した検出装置3の構成は、図14図23に示した各検出装置2に適用されてもよい。ただし、第3実施形態において、第3方向A23は、基板BD2と直交する方向である。
【0215】
収容部材CS3は、基板BD2の上面に設けられる。収容部材CS3は、基板BD2とともに検出装置2の外形を構成する部材である。以下では、説明を簡略化するため、一例として、収容部材CS2の外形が、収容部材CS3に形成された各種の開口、製造誤差による歪み等を除いて、全体として直方体形状である場合について説明する。
【0216】
この場合、収容部材CS3の上面は、基板BD2と平行な面である。なお、収容部材CS3の上面は、基板BD2と非平行な面であってもよい。また、収容部材CS3の上面の基板BD2からの高さは、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のいずれの基板BD1からの高さよりも高い高さになるように決められる。
【0217】
収容部材CS3は、例えば、光の反射率の高い不透明な樹脂、金属粉が混入された透明な樹脂、金属等によって構成される。第3実施形態では、一例として、収容部材CS3が、白樹脂である場合について説明する。
【0218】
ここで、収容部材CS3には、第1開口H31と、第2開口H22と、第3開口H23とのそれぞれが形成されている。
【0219】
第1開口H31は、基板BD2と直交する第3方向A23に向かって収容部材CS3を貫通する孔である。第1開口H31は、基板BD2の上面において、第1発光部L21と、第2発光部L22と、第3発光部L23と、第1発光側光学部材LRS21とが収容される孔である。図24に示した例では、第1開口H31の輪郭の形状は、第1方向A21から見た場合、長方形状である。また、当該例では、第1開口H31の輪郭の形状は、第3方向A23から見た場合、長方形状である。すなわち、第1開口H31の形状は、直方体形状である。
【0220】
ここで、収容部材CS3は、図24に示したように、第1発光側光学部材LRS21と第1受光側光学部材RRS21との間に設けられる壁部WL1を含んでいる。また、収容部材CS3は、図24に示したように、第1方向A21に向かって見た場合において、第1発光側光学部材LRS21と接する2つの壁部のうち壁部WL1と反対側の壁部WL2を含んでいる。
【0221】
検出装置3は、第1発光部L21から壁部WL1までの第2方向A22における第1距離W9と、第1発光部L21から壁部WL2までの第2方向A22における第2距離W10とのそれぞれを短くするほど、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光される光のうち、第1発光側光学部材LRS21の上方に向かう成分の量を増大させることができる。これは、第1距離W9、第2距離W10のそれぞれが狭くなるほど、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光される光が、壁部WL1、壁部WL2のそれぞれによって反射され易くなるからである。なお、第2距離W10は、第1距離W9と同じ距離であってもよく、第1距離W9と異なる距離であってもよい。図24では、一例として、第2距離W10が、第1距離と同じ距離である場合について説明する。
【0222】
第1距離W9は、例えば、予め決められた第3条件を満たす距離として決められる。第3条件は、第1距離W9に応じて変化する値のうち、第1受光部R21が受光するノイズの強さと負の相関関係にある第1値が、予め決められた閾値以上になること、である。そして、当該ノイズの強さは、第1受光部R21に受光される迷光の強さである。また、第1値は、例えば、線分LNと、基板BD2との間の傾斜角θのことである。ここで、線分LNは、第1方向A21から見た場合において、第1発光部L21が有する第3方向A23の面上の中央の位置と、第1開口H21の内壁のうち第1受光部R21に近い方の内壁の第3方向の端部EG41とを結ぶ仮想的な線分のことである。
【0223】
この場合、第1値である傾斜角θが大きくなるほど、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光される光のうち、第1発光側光学部材LRS21の上方に向かう成分の量が増大する。何故なら、傾斜角θが大きくなることは、第1距離W9及び第2距離W10のそれぞれが短くなることを意味するからである。なお、第3条件は、予め決められた条件の一例である。
【0224】
ここで、第1距離W9は、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23それぞれの上面の基板BD2からの高さと、収容部材CS3の上面の基板BD2からの高さと。第1値とに応じて決まる距離である。例えば、検出装置3の製造者は、第1受光部R21が受光するノイズの強さとして許容可能な強さを決めることにより、当該ノイズの強さと負の相関関係にある第1値を決定する。その後、当該製造者は、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23として用いるLEDを選定する。
【0225】
これにより、当該製造者は、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれの上面の基板BD2からの高さと、収容部材CS3の上面の基板BD2からの高さとを決定することができる。そして、当該製造者は、決定したこれら2つの高さと、決定した第1値とに基づいて、第1距離W9及び第2距離W10のそれぞれを決定することができる。
【0226】
以上のように、収容部材CS3は、第1距離W9及び第2距離W10が、前述の第3条件を満たす距離となるように、基板BD2の上面に設けられる。図24に示した例では、第1値である傾斜角θについての予め決められた閾値は、45°である。このため、図24に示した検出装置3では、第1距離W9及び第2距離W10を、図12及び図13に示した検出装置2における第1距離W9及び第2距離W10よりも短くすることができている。その結果、検出装置3は、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光される光のうち、第1発光側光学部材LRS21の上方に向かう成分の量を増大させることができる。すなわち、検出装置3は、第1受光部R21が受光するノイズの強さが小さくなるように第1距離W9及び第2距離W10を短くすることができ、第1発光部L21から発光された第1光のうち、第3方向A23に向かう成分の量を多くすることができる。
【0227】
また、この場合、検出装置3では、第1発光側光学部材LRS21の上面に含まれる曲面の勾配は、第1受光側光学部材RRS21の上面に含まれる曲面の勾配よりも大きい。これは、第1発光側光学部材LRS21の第2方向A22における長さが第1受光側光学部材RRS21の第2方向A22における長さよりも短いにもかかわらず、第1発光側光学部材LRS21の上面の基板BD2からの高さが第1受光側光学部材RRS21の上面の基板BD2からの高さと同じ高さであるためである。また、検出装置3は、図12及び図13に示した検出装置2の特徴も有している。このため、検出装置3は、第3方向A23における大きさを小さくすることもできる。すなわち、検出装置3は、第1受光部R21及び第2受光部R22による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。
【0228】
なお、第1値は、傾斜角θに代えて、第1距離W9に応じて変化する値のうち、第1受光部R21が受光するノイズの強さと負の相関関係にある他の値であってもよい。また、当該内壁は、壁部WL1が有する面のうち第1発光部L21に面する面のことである。また、前述の予め決められた閾値は、45°より小さい角度であってもよく、45°より大きい角度であってもよい。
【0229】
また、図24に示した検出装置3は、図25に示すように、第1距離W9よりも第2距離W10が短い構成であってもよい。図25は、検出装置3の第2構成例を示す断面図である。ただし、図25に示した断面図は、第1方向A21から見た場合において、第1発光部L21、第1受光部R21、第2受光部R22のそれぞれが見えるように、第1方向A21と直交する仮想的な面に沿って検出装置3を切断した断面図である。
【0230】
図25に示した検出装置3では、第2距離W10は、第1距離W9よりも短い。この場合、例えば、第1距離W9は、前述した通り、第3条件を満たす距離として決められる。そして、第2距離W10は、第1距離W9よりも短い距離であれば、如何なる距離であってもよい。図25に示した検出装置3では、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光された光は、第1方向A21から見た場合、第1発光側光学部材LRS21の上面において屈折した後の進行方向が、第2方向A22に近い方向にずれる。これは、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光された光のうち壁部WL2に向かって発光された光が、第2方向A22に近い方向に向かって反射するからである。
【0231】
これにより、図25に示した検出装置3は、図12及び図13に示した検出装置2と比べて、第1発光部L21、第2発光部L22、第3発光部L23のそれぞれから発光された光のうち、迷光になってしまう成分の量を、より確実に少なくすることができる。その結果、検出装置3は、第1受光部R21及び第2受光部R22による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。
【0232】
以上のように、検出装置3は、基板BD2と、第1光を発光し、基板BD2に設けられる第1発光部L21と、第1光を受光し、基板BD2と平行な第1方向A21から見た場合、基板BD2と平行な方向のうち第1方向A21と直交する第2方向A22に向かって第1発光部L21と並んで基板BD2に設けられる第1受光部R21と、第1光を透過し、基板BD2において第1発光部L21を覆う第1発光側光学部材LRS21と、第1光を透過し、基板BD2において第1受光部R21を覆う第1受光側光学部材RRS21と、基板BD2に設けられ、第1発光部L21と第1発光側光学部材LRS21とが収容される第1開口H21と、第1受光部R21と第1受光側光学部材RRS21とが収容される第2開口H22とが形成される収容部材CS2と、を備え、第1発光側光学部材LRS21は、第1方向A21と第2方向A22とに直交する第3方向A23へ収容部材CS2の第1開口H21から突出しており、第1受光側光学部材RRS21は、第3方向A23へ収容部材CS2の第2開口H22から突出しており、収容部材CS2は、第1発光側光学部材LRS21と第1受光側光学部材RRS21との間に設けられる壁部WL1を含み、第1発光部L21から壁部WL1までの第2方向A22における第1距離W9は、予め決められた第3条件を満たす距離であり、第3条件は、第1距離W9に応じて変化する値のうち、第1受光部R21が受光するノイズの強さと負の相関関係にある第1値が、予め決められた閾値以上になること、である。
【0233】
これにより、検出装置3は、第1受光部R21が受光するノイズの強さが小さくなるように第1距離W9を短くすることができ、第1発光部L21から発光された第1光のうち、第3方向A23に向かう成分の量を多くすることができる。また、検出装置3は、図12及び図13に示した検出装置2の特徴も有している。このため、検出装置3は、第3方向A23における大きさを小さくすることもできる。すなわち、検出装置3は、第1受光部R21及び第2受光部R22による受光量が減少してしまうことを抑制しつつ、小型化することができる。
【0234】
なお、上記において説明した事項は、如何様に組み合わされてもよい。
また、上記において説明した第2発光部L12と第3発光部L13とは、基板BD1の上面において位置が入れ替えされていてもよい。
また、上記において説明した第2発光部L22と第3発光部L23とは、基板BD2の上面において位置が入れ替えされていてもよい。
また、上記において説明した第1発光側光学部材LRS21、第1発光側光学部材LRS211、第2発光側光学部材LRS212、第3発光側光学部材LRS213、第1受光側光学部材RRS21、第2受光側光学部材RRS22のうちの一部又は全部の上面は、曲面を含まない構成であってもよい。
また、上記において説明した第1受光側光学部材RRS21は、第2受光側光学部材RRS22と一体に構成されてもよい。この場合、第2開口H22は、第3開口H23と繋がっている。
【0235】
<付記1>
[1]
基板と、第1光を発光し、前記基板に設けられる第1発光部と、前記第1光を受光し、前記基板と平行な第1方向から見た場合、前記基板と平行であり、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第1受光部と、前記第1光を透過し、前記基板において前記第1発光部を覆う第1光学部材と、前記第1光を透過し、前記基板において前記第1受光部を覆う第2光学部材と、前記基板に設けられ、前記第1発光部と、前記第1光学部材と、前記第1受光部と、前記第2光学部材とが収容される開口が形成される収容部材と、を備え、前記第2方向において、前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の少なくとも一部は、空隙である、検出装置。
[2]
前記第2光学部材が有する面のうち前記基板と接している面と反対の第1面の少なくとも一部に設けられ、前記第1面に対して第1角度未満で入射する前記第1光の透過率を、前記第1面に対して前記第1角度以上で入射する前記第1光の透過率よりも高くするコート部材を備える、[1]に記載の検出装置。
[3]
前記空隙の前記第2方向における長さは、前記第1方向と前記第2方向との両方と直交する第3方向に向かって前記基板から離れるほど長い、[1]又は[2]に記載の検出装置。
[4]
前記第1光の波長帯と異なる波長帯の第2光を発光し、前記第1方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第2発光部と、前記第2光を受光し、前記第2方向に向かって前記第1受光部と並んで前記基板に設けられる第2受光部と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2発光部を覆う第3光学部材と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2受光部を覆う第4光学部材と、を更に備え、前記開口には、前記第1発光部、前記第1光学部材、前記第1受光部、前記第2光学部材のそれぞれとともに、前記第2発光部と、前記第3光学部材と、前記第2受光部と、前記第4光学部材とが収容され、前記第2光学部材と、前記第4光学部材との間は、空隙であり、前記第1光学部材と、前記第3光学部材との間は、空隙である、[1]から[3]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[5]
前記第1光学部材と前記第3光学部材との間の空隙の前記第1方向における長さは、前記第3光学部材と前記第4光学部材との間の空隙の前記第2方向における長さよりも長い、[4]に記載の検出装置。
[6]
前記第1方向と前記第2方向との両方と直交する第3方向において、前記第1光学部材と前記第1発光部との間に、前記基板において前記第1発光部を覆う第5光学部材を備え、前記第5光学部材の屈折率は、前記第1光学部材の屈折率よりも大きく、前記第1光学部材は、前記基板において前記第5光学部材を覆うことにより、前記第1発光部を覆う、[1]から[5]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[7]
前記第5光学部材が有する面のうち前記基板と反対の面は、前記第3方向に向かって正の勾配を有する曲面を含む、[6]に記載の検出装置。
[8]
前記第2方向から見た場合、前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の空隙の一部は、前記第1発光部及び前記第1受光部のそれぞれと重なっている、[1]から[7]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[9]
前記基板は、前記空隙と重なる位置に凹部を有する、[1]から[8]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
【0236】
<付記2>
[1]
基板と、第1光を発光し、前記基板に設けられる第1発光部と、前記第1光を受光し、前記基板と平行な第1方向から見た場合、前記基板と平行であり、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第1受光部と、前記第1光を透過し、前記基板において前記第1発光部を覆う第1光学部材と、前記第1光を透過し、前記基板において前記第1受光部を覆う第2光学部材と、前記基板に設けられ、前記第1発光部と前記第1光学部材とが収容される第1開口と、前記第1受光部と前記第2光学部材とが収容される第2開口とが形成される収容部材と、を備え、前記第1光学部材と前記第2光学部材とのうちの少なくとも一方の光学部材は、前記基板と交差する第3方向へ、前記収容部材に形成された開口から突出している、検出装置。
[2]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向と直交しており、前記少なくとも一方の光学部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向に向かって正の勾配を有する曲面を含む、[1]に記載の検出装置。
[3]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向と直交しており、前記第1光学部材は、前記第3方向へ前記収容部材の前記第1開口から突出しており、前記第2光学部材は、前記第3方向へ前記収容部材の前記第2開口から突出しており、前記第1光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面は、前記第3方向に向かって正の勾配を有する曲面を含み、前記第2光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面は、前記第3方向に向かって正の勾配を有する曲面を含む、[1]又は[2]に記載の検出装置。
[4]
前記第1方向から見た場合、前記第1光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状と、前記第2光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状とは、異なる、[3]に記載の検出装置。
[5]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向と直交しており、前記第1光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面は、前記第3方向における前記収容部材からの高さが最も高い部分を第1頂点部分として有し、前記第1方向から見た場合、前記第1発光部が有する面のうちの前記第3方向の面の中心を通り、前記第3方向に向かって延伸する仮想的な第1線分は、前記第1頂点部分と重なっていない、[1]から[4]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[6]
前記第1方向から見た場合、前記第1頂点部分は、前記第2方向において前記第1線分よりも前記第1受光部に近い、[5]に記載の検出装置。
[7]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向と直交しており、前記第2光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面は、前記第3方向における前記収容部材からの高さが最も高い部分を第2頂点部分として有し、前記第1方向から見た場合、前記第1受光部が有する面のうちの前記第3方向の面の中心を通り、前記第3方向に向かって延伸する仮想的な第2線分は、前記第2頂点部分と重なっていない、[1]から[6]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[8]
前記第1方向から見た場合、前記第2頂点部分は、前記第2方向において、前記第2線分よりも前記第1発光部に近い、[7]に記載の検出装置。
[9]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向と直交しており、前記収容部材から、前記少なくとも一方の光学部材が有する面のうち前記第3方向の面までの、前記第3方向における高さは、予め決められた第1条件を満たす第1高さ以上、予め決められた第2条件を満たす第2高さ以下の高さである、[1]から[8]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[10]
前記第1条件は、人の皮膚との密着性が低下してしまわない高さであること、である、[9]に記載の検出装置。
[11]
前記第1高さは、0.2mmである、[10]に記載の検出装置。
[12]
前記第2条件は、人の真皮内の毛細血管が潰れない高さであること、である、[9]から[11]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[13]
前記第2高さは、1.2mmである、[12]に記載の検出装置。
[14]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向と直交しており、前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面を含む仮想的な面によって前記第1光学部材を切断した断面の輪郭は、前記第3方向から見た場合の前記第1開口の内縁の形状と一致し、前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面を含む仮想的な面によって前記第2光学部材を切断した断面の輪郭は、前記第3方向から見た場合の前記第2開口の内縁の形状と一致する、[1]から[13]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[15]
前記第3方向は、前記基板と直交し、前記第1方向から見た場合、前記第1光学部材が有する領域のうち前記第1開口と重なっている領域の形状は、長方形状であり、前記第1方向から見た場合、前記第2光学部材が有する領域のうち前記第2開口と重なっている領域の形状は、長方形状である、[14]に記載の検出装置。
[16]
前記第1光の波長帯と異なる波長帯の第2光を発光し、前記第1方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第2発光部と、前記第2光を受光し、前記第2方向に向かって前記第1受光部と並んで前記基板に設けられる第2受光部と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2発光部を覆う第3光学部材と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2受光部を覆う第4光学部材と、を更に備え、前記収容部材は、前記第2受光部と前記第4光学部材とが収容される第4開口が形成されており、前記第1開口は、前記第1光学部材とともに、前記第2発光部と前記第3光学部材とを収容し、前記第1光学部材は、前記第3光学部材と一体に構成されている、[1]から[15]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[17]
前記第1方向から見た場合、前記第2光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状と、前記第4光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状とは、異なる、[16]に記載の検出装置。
[18]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向と直交しており、前記第2光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面は、前記第3方向における前記収容部材からの高さが最も高い部分を第2頂点部分として有し、前記第4光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面は、前記第3方向における前記収容部材からの高さが最も高い部分を第4頂点部分として有し、前記第1方向から見た場合、前記第1受光部が有する面のうちの前記第3方向の面の中心を通り、前記第3方向に向かって延伸する仮想的な第2線分と、前記第2頂点部分との間の前記第2方向における距離は、前記第2受光部が有する面のうちの前記第3方向の面の中心を通り、前記第3方向に向かって延伸する仮想的な第4線分と、前記第4頂点部分との間の前記第2方向における距離よりも短く、前記第1方向から見た場合、前記第2頂点部分は、前記第2方向において、前記第2線分よりも前記第1発光部に近く、前記第1方向から見た場合、前記第4頂点部分は、前記第2方向において、前記第4線分よりも前記第1発光部に近い、[17]に記載の検出装置。
[19]
前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の前記第2方向における距離は、前記第2光学部材と前記第4光学部材との間の前記第2方向における距離よりも長い、[16]から[18]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[20]
前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の前記第2方向における距離は、前記第2光学部材と前記第4光学部材との間の前記第2方向における距離よりも短い、[16]から[18]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[21]
前記第1光の波長帯と異なる波長帯の第2光を発光し、前記第1方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第2発光部と、前記第2光を受光し、前記第2方向に向かって前記第1受光部と並んで前記基板に設けられる第2受光部と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2発光部を覆う第3光学部材と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2受光部を覆う第4光学部材と、を更に備え、前記収容部材は、前記第2発光部と前記第3光学部材とが収容される第3開口と、前記第2受光部と前記第4光学部材とが収容される第4開口とが形成されている、[1]から[15]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[22]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向と直交しており、前記第2方向から見た場合、前記第1光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状と、前記第3光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状とは、異なる、[21]に記載の検出装置。
<付記3>
[1]
基板と、第1光を発光し、前記基板に設けられる第1発光部と、前記第1光を受光し、前記基板と平行な第1方向から見た場合、前記基板と平行な方向のうち前記第1方向と直交する第2方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第1受光部と、前記第1光を透過し、前記基板において前記第1発光部を覆う第1光学部材と、前記第1光を透過し、前記基板において前記第1受光部を覆う第2光学部材と、前記基板に設けられ、前記第1発光部と前記第1光学部材とが収容される第1開口と、前記第1受光部と前記第2光学部材とが収容される第2開口とが形成される収容部材と、を備え、前記第1光学部材は、前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向へ前記収容部材の前記第1開口から突出しており、前記第2光学部材は、前記第3方向へ前記収容部材の前記第2開口から突出しており、前記収容部材は、前記第1光学部材と前記第2光学部材との間に設けられる壁部を含み、前記第1発光部から前記壁部までの前記第2方向における第1距離は、予め決められた条件を満たす距離であり、前記条件は、前記第1距離に応じて変化する値のうち、前記第1受光部が受光するノイズの強さと負の相関関係にある第1値が、予め決められた閾値以上になること、である、検出装置。
[2]
前記ノイズの強さは、前記第1受光部に受光される迷光の強さであり、前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記基板と平行であり、前記第1値は、前記第1方向から見た場合において、前記第1発光部が有する前記第3方向の面上の中央の位置と、前記第1開口の内壁のうち前記第1受光部に近い方の内壁の前記第3方向の端部とを結ぶ線分と、前記基板との間の傾斜角のことである、[1]に記載の検出装置。
[3]
前記第1距離は、前記第3方向における前記第1発光部の長さと、前記第3方向における前記収容部材の長さと、前記第1値とに応じて決まる値である、[2]に記載の検出装置。
[4]
前記収容部材は、前記第1距離が、前記条件を満たす距離となるように前記基板に設けられる、[1]から[3]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[5]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記基板と平行であり、前記第1光学部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向に向かって正の勾配を有する曲面を含む、[1]から[4]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[6]
前記第2光学部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記第3方向に向かって正の勾配を有する曲面を含み、前記第1光学部材が有する面のうち前記第3方向の面に含まれる曲面の曲率は、前記第2光学部材が有する面のうち前記第3方向の面に含まれる曲面の曲率よりも小さい、[5]に記載の検出装置。
[7]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記基板と平行であり、前記収容部材から、前記第1光学部材が有する面のうち前記第3方向の面までの、前記第3方向における高さは、予め決められた第1条件を満たす第1高さ以上、予め決められた第2条件を満たす第2高さ以下の高さである、[1]から[6]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[8]
前記第1条件は、人の真皮内の毛細血管が潰れないこと、である、[7]に記載の検出装置。
[9]
前記第1高さは、0.2mmである、[8]に記載の検出装置。
[10]
前記第2条件は、人の真皮内の毛細血管が潰れないこと、である、[7]から[9]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[11]
前記第2高さは、1.2mmである、[10]に記載の検出装置。
[12]
前記収容部材が有する面のうち前記第3方向の面は、前記基板と平行であり、前記第2方向から見た場合、前記第1光学部材が有する領域のうち前記第1開口と重なっている領域の形状は、長方形状であり、前記第2方向から見た場合、前記第2光学部材が有する領域のうち前記第2開口と重なっている領域の形状は、長方形状である、[1]から[11]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[13]
前記第1光の波長帯と異なる波長帯の第2光を発光し、前記第1方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第2発光部と、前記第2光を受光し、前記第2方向に向かって前記第1受光部と並んで前記基板に設けられる第2受光部と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2発光部を覆う第3光学部材と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2受光部を覆う第4光学部材と、を更に備え、前記収容部材は、前記第2受光部と前記第4光学部材が収容される第4開口が形成されており、前記第1開口は、前記第1光学部材とともに、前記第2発光部と前記第3光学部材とを収容し、前記第1光学部材は、前記第3光学部材と一体に構成されている、[1]から[12]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[14]
前記第1開口の前記第2方向における幅は、前記第2開口の前記第2方向における幅と同じである、[1]から[13]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[15]
前記第1開口の前記第2方向における幅は、前記第2開口の前記第2方向における幅よりも短い、[1]から[13]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[16]
前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の前記第2方向における距離は、前記第2光学部材と前記第4光学部材との間の前記第2方向における距離よりも長い、[13]から[15]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[17]
前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の前記第2方向における距離は、前記第2光学部材と前記第4光学部材との間の前記第2方向における距離よりも短い、[13]から[15]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[18]
前記第1方向から見た場合、前記第2光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状と、前記第4光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状とは、異なる、[13]から[17]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[19]
前記第1光の波長帯と異なる波長帯の第2光を発光し、前記第1方向に向かって前記第1発光部と並んで前記基板に設けられる第2発光部と、前記第2光を受光し、前記第2方向に向かって前記第1受光部と並んで前記基板に設けられる第2受光部と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2発光部を覆う第3光学部材と、前記第2光を透過し、前記基板において前記第2受光部を覆う第4光学部材と、を更に備え、前記収容部材は、前記第2発光部と前記第3光学部材とが収容される第3開口と、前記第2受光部と前記第4光学部材とが収容される第4開口とが形成されている、[1]から[12]のうちいずれか一項に記載の検出装置。
[20]
前記第2方向から見た場合、前記第1光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状と、前記第3光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状とは、同じである、[19]に記載の検出装置。
[21]
前記第2方向から見た場合、前記第1光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状と、前記第3光学部材が有する面のうちの前記第3方向の面の形状とは、異なる、[19]に記載の検出装置。
【0237】
以上、この開示の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【符号の説明】
【0238】
1、2、3…検出装置、AG11、AG12、AG13、AG14、AG15…空隙、BD1、BD2…基板、CS1、CS2、CS3…収容部材、H11、H21、H31…第1開口、H22…第2開口、H23…第3開口、H211、H212、H213…開口、IRS…光学部材、L11、L21…第1発光部、L12、L22…第2発光部、L13、L23…第3発光部、LRS11、LRS21、LRS211…第1発光側光学部材、LRS12、LRS212…第2発光側光学部材、LRS13、LRS213…第3発光側光学部材、MM1、MM2…金型、R11、R21…第1受光部、R12、R22…第2受光部、RRS11、RRS21…第1受光側光学部材、RRS12、RRS22…第2受光側光学部材、TC…三次元座標系、TP1…第1頂点部分、TP2…第2頂点部分、TP3…第3頂点部分、TP11、TP12、TP13…頂点部分、URS11…コート部材、WL1、WL2…壁部
図1
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