(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126798
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/28 20190101AFI20240912BHJP
【FI】
G06F16/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035440
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】望月 柾成
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175AA02
5B175CA09
(57)【要約】
【課題】相互連携されていない複数のクラウドストレージサービスの相互間でファイルを関連付けて管理できるようにする。
【解決手段】第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、ユーザ端末10の制御部11では、取得部101が、ウェブページにおけるリンクオブジェクトを特定するための特定情報を取得し、表示制御部103が、第2のクラウドストレージに格納された第2のファイルを示す情報をウェブページに表示する制御を行う。そして、第2のファイルを指定する操作が行われると、管理部102が、第2のファイルと特定情報とを対応付けて管理し、リンクオブジェクトを含む複数のオブジェクトがウェブページに表示される際、表示制御部103が、特定情報から特定されるリンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する制御を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
第1のクラウドストレージのウェブページにおいて第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該リンクオブジェクトを表示する当該第1のクラウドストレージのウェブページにおける当該リンクオブジェクトを特定するための特定情報を取得し、
前記リンクオブジェクトを表示する前記第1のクラウドストレージのウェブページに、第2のクラウドストレージに格納された第2のファイルを示す情報を表示する制御を行い、
前記第2のファイルを指定する操作が行われると、当該第2のファイルと前記特定情報とを対応付けて管理し、
前記リンクオブジェクトを含む複数のオブジェクトが前記ウェブページに表示される際、前記特定情報から特定される当該リンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する制御を行うことを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、前記リンクオブジェクトを指定する操作として、前記第1のファイルをローカルストレージに格納する操作が行われると、当該リンクオブジェクトの前記特定情報を取得することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、
前記ローカルストレージに格納された前記第1のファイルを、第2のファイルとして前記第2のクラウドストレージに格納する操作が行われると、前記特定情報を取得し、
前記第2のファイルを示す情報を、他の第2のファイルを示す情報と判別可能な態様で前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、前記第1のクラウドストレージに前記第1のファイルが格納されていない場合に、その旨を示す情報を前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、前記第1のファイルが、前記第2のファイルとして、前記第2のクラウドストレージに格納されている場合に、その旨を示す情報を前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、前記その旨を示す情報として、前記第1のファイルが、前記第1のクラウドストレージに格納されておらず前記第2のファイルとして前記第2のクラウドストレージに格納されていることを示すメッセージを前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、前記第1のクラウドストレージに格納された前記第1のファイルの更新日時と、前記第2のクラウドストレージに前記第2のファイルとして格納された当該第1のファイルの更新日時との違いに基づく情報を、前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、
前記第1のクラウドストレージに格納された前記第1のファイルの更新日時よりも、前記第2のクラウドストレージに前記第2のファイルとして格納された当該第1のファイルの更新日時の方が新しい場合、前記違いに基づく情報として、前記第1のクラウドストレージに格納された情報の更新を促すメッセージを前記ウェブページに表示する制御を行い、
前記第2のクラウドストレージに前記第2のファイルとして格納された前記第1のファイルの更新日時よりも、前記第1のクラウドストレージに格納された当該第1のファイルの更新日時の方が新しい場合、前記違いに基づく情報として、当該第2のクラウドストレージに格納された情報の更新を促すメッセージを前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、前記第2のファイルを指定する操作として、当該第2のファイルを、前記第1のファイルを複製したファイルとして指定する操作と、当該第1のファイルに関連するファイルとして指定する操作とのいずれか一方の操作が行われると、当該1のファイルと前記特定情報とを対応付けて管理することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは、前記第2のファイルが、前記第1のファイルを複製したファイルとして指定されたものであるか、または、当該第1のファイルに関連するファイルとして指定されたものであるかに応じて、前記ウェブページにおける前記リンクオブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記1または複数のプロセッサは、
前記特定情報として、前記ウェブページの操作履歴、URL、およびDOM(Document Object Model)のうち少なくとも1の情報を取得し、
前記特定情報に基づいて、前記ウェブページにおける前記リンクオブジェクトを特定することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記1または複数のプロセッサは、前記操作履歴から特定される、ダウンロードの操作が行われたタイミングと、前記DOMから特定される、当該タイミングにて前記ウェブページに重畳的に表示されていたカーソルの位置とに基づいて、当該ウェブページにおける前記リンクオブジェクトを特定することを特徴とする、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
1または複数のコンピュータに、
第1のクラウドストレージのウェブページにおいて第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該リンクオブジェクトを表示する当該第1のクラウドストレージのウェブページにおける当該リンクオブジェクトを特定するための特定情報を取得する機能と、
前記リンクオブジェクトを表示する前記第1のクラウドストレージのウェブページに、第2のクラウドストレージに格納された第2のファイルを示す情報を表示する機能と、
前記第2のファイルを指定する操作が行われると、当該第2のファイルと前記特定情報とを対応付けて管理する機能と、
前記リンクオブジェクトを含む複数のオブジェクトが前記ウェブページに表示される際、前記特定情報から特定される当該リンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドストレージサービスをウェブブラウザの表示画面にて利用可能にする技術が知られている(例えば、特許文献1)。このような技術は、ウェブブラウザに複数のクラウドストレージサービスをそれぞれ表示させて利用することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のクラウドストレージサービスが相互連携されていない場合には、その複数のクラウドストレージサービスの相互間でファイルを関連付けて管理することができない。
【0005】
本発明の目的は、相互連携されていない複数のクラウドストレージサービスの相互間でファイルを関連付けて管理できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、第1のクラウドストレージのウェブページにおいて第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該リンクオブジェクトを表示する当該第1のクラウドストレージのウェブページにおける当該リンクオブジェクトを特定するための特定情報を取得し、前記リンクオブジェクトを表示する前記第1のクラウドストレージのウェブページに、第2のクラウドストレージに格納された第2のファイルを示す情報を表示する制御を行い、前記第2のファイルを指定する操作が行われると、当該第2のファイルと前記特定情報とを対応付けて管理し、前記リンクオブジェクトを含む複数のオブジェクトが前記ウェブページに表示される際、前記特定情報から特定される当該リンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する制御を行うことを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記リンクオブジェクトを指定する操作として、前記第1のファイルをローカルストレージに格納する操作が行われると、当該リンクオブジェクトの前記特定情報を取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記ローカルストレージに格納された前記第1のファイルを、第2のファイルとして前記第2のクラウドストレージに格納する操作が行われると、前記特定情報を取得し、前記第2のファイルを示す情報を、他の第2のファイルを示す情報と判別可能な態様で前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記第1のクラウドストレージに前記第1のファイルが格納されていない場合に、その旨を示す情報を前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記第1のファイルが、前記第2のファイルとして、前記第2のクラウドストレージに格納されている場合に、その旨を示す情報を前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記その旨を示す情報として、前記第1のファイルが、前記第1のクラウドストレージに格納されておらず前記第2のファイルとして前記第2のクラウドストレージに格納されていることを示すメッセージを前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、請求項5に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記第1のクラウドストレージに格納された前記第1のファイルの更新日時と、前記第2のクラウドストレージに前記第2のファイルとして格納された当該第1のファイルの更新日時との違いに基づく情報を、前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記第1のクラウドストレージに格納された前記第1のファイルの更新日時よりも、前記第2のクラウドストレージに前記第2のファイルとして格納された当該第1のファイルの更新日時の方が新しい場合、前記違いに基づく情報として、前記第1のクラウドストレージに格納された情報の更新を促すメッセージを前記ウェブページに表示する制御を行い、前記第2のクラウドストレージに前記第2のファイルとして格納された前記第1のファイルの更新日時よりも、前記第1のクラウドストレージに格納された当該第1のファイルの更新日時の方が新しい場合、前記違いに基づく情報として、当該第2のクラウドストレージに格納された情報の更新を促すメッセージを前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記第2のファイルを指定する操作として、当該第2のファイルを、前記第1のファイルを複製したファイルとして指定する操作と、当該第1のファイルに関連するファイルとして指定する操作とのいずれか一方の操作が行われると、当該1のファイルと前記特定情報とを対応付けて管理することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記第2のファイルが、前記第1のファイルを複製したファイルとして指定されたものであるか、または、当該第1のファイルに関連するファイルとして指定されたものであるかに応じて、前記ウェブページにおける前記リンクオブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記特定情報として、前記ウェブページの操作履歴、URL、およびDOM(Document Object Model)のうち少なくとも1の情報を取得し、前記特定情報に基づいて、前記ウェブページにおける前記リンクオブジェクトを特定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記操作履歴から特定される、ダウンロードの操作が行われたタイミングと、前記DOMから特定される、当該タイミングにて前記ウェブページに重畳的に表示されていたカーソルの位置とに基づいて、当該ウェブページにおける前記リンクオブジェクトを特定することを特徴とする、請求項11に記載の情報処理システムである。
請求項13に記載された発明は、1または複数のコンピュータに、第1のクラウドストレージのウェブページにおいて第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該リンクオブジェクトを表示する当該第1のクラウドストレージのウェブページにおける当該リンクオブジェクトを特定するための特定情報を取得する機能と、前記リンクオブジェクトを表示する前記第1のクラウドストレージのウェブページに、第2のクラウドストレージに格納された第2のファイルを示す情報を表示する機能と、前記第2のファイルを指定する操作が行われると、当該第2のファイルと前記特定情報とを対応付けて管理する機能と、前記リンクオブジェクトを含む複数のオブジェクトが前記ウェブページに表示される際、前記特定情報から特定される当該リンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトの特定情報と、第2のクラウドストレージに記憶された第2のファイルとが対応付けられるので、第1のクラウドストレージと第2のクラウドストレージとが相互連携されていない場合であっても、相互間でファイルを関連付けて管理できる。
請求項2の本発明によれば、第1のファイルがローカルストレージに格納された後に、リンクオブジェクトの特定情報が取得されるので、ダウンロードされた第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを判別可能な態様で表示させることができる。
請求項3の本発明によれば、第1のファイルが第2のファイルとして第2のクラウドストレージに格納された後に、リンクオブジェクトの特定情報が取得されるので、第2のファイルとして第2のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを判別可能な態様で表示させることができる。これにより、相互連携されていない複数のクラウドストレージの相互間で同一のファイルを関連付けて管理できる。
請求項4の本発明によれば、ユーザは、リンクオブジェクトに対応付けられた第1のファイルが第1のクラウドストレージに格納されているかどうかを一見して把握できる。
請求項5の本発明によれば、ユーザは、リンクオブジェクトに対応付けられた第1のファイルが、第2のファイルとして第2のクラウドストレージに格納されているかどうかを一見して把握できる。
請求項6の本発明によれば、確認を容易に行うことができる。
請求項7の本発明によれば、相互連携されていない複数のクラウドストレージにそれぞれ格納されているファイルの同一性の有無を一見して把握できる。
請求項8の本発明によれば、相互連携されていない複数のクラウドストレージにそれぞれ格納されているファイルの同一性の維持を図ることができる。
請求項9の本発明によれば、ユーザは、第2のクラウドストレージに格納されている第2のファイルを、第1のファイルの複製(同一のファイル)として関連付けることもできるし、第1のファイルに関連する文書(例えば、見積書と請求書など)として関連付けることもできる。
請求項10の本発明によれば、ユーザは、第2のクラウドストレージに格納されている第2のファイルを、第1のファイルの複製として関連付けたのか、それとも第1のファイルに関連する文書として関連付けたのかを一見して判別できる。
請求項11の本発明によれば、第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトのウェブページの操作履歴、URL、およびDOMと、第2のクラウドストレージに記憶された第2のファイルとが対応付けられるので、第1のクラウドストレージと第2のクラウドストレージとが相互連携されていない場合であっても、相互間でファイルを関連付けて管理できる。
請求項12の本発明によれば、特定情報が取得されたタイミングにおけるカーソルの位置に基づいて、リンクオブジェクトを特定できる。
請求項13の本発明によれば、第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトの特定情報と、第2のクラウドストレージに記憶された第2のファイルとが対応付けられるので、第1のクラウドストレージと第2のクラウドストレージとが相互連携されていない場合であっても、相互間でファイルを関連付けて管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】ユーザ端末に表示された、ウェブページの具体例を示す図である。
【
図6】ユーザ端末に表示された、ウェブページの具体例を示す図である。
【
図7】ユーザ端末に表示された、ウェブページの具体例を示す図である。
【
図8】ユーザ端末に表示された、ウェブページの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<情報処理システムの全体構成>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、ユーザ端末10-1乃至10-n(nは1以上の整数値)と、第1のクラウドストレージとしてのクラウドストレージ30-1と、第2のクラウドストレージとしてのクラウドストレージ30-2とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。以下、ユーザ端末10-1乃至10-nの各々を個別に説明する必要がない場合には、これらをまとめて「ユーザ端末10」と呼ぶ場合がある。
【0010】
(ユーザ端末)
ユーザ端末10は、情報処理システム1を利用するユーザが操作するパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置である。なお、ユーザ端末10には、ブラウザの拡張機能として、本実施の形態における各種の処理の実行を可能にするアプリケーションソフトウェアが予めインストールされているものとする。
【0011】
ユーザ端末10は、クラウドストレージ30-1および30-2の各々に各種の情報を格納する。また、ユーザ端末10は、クラウドストレージ30-1および30-2の各々に格納されている各種の情報を取得して各種の処理を行う。
【0012】
例えば、ユーザ端末10は、ユーザの操作に基づいて、ファイルが対応付けられている画像やテキストのオブジェクト(以下、「リンクオブジェクト」と呼ぶ。)を含むウェブページにアクセスし、そのウェブページを表示する。リンクオブジェクトに対応付けられているファイル(以下、「リンク先ファイル」と呼ぶ。)は、例えば、画像(静止画像および動画像)ファイル、テキストファイル、HTMLファイルなどである。
【0013】
ユーザ端末10は、表示したウェブページに含まれるリンクオブジェクトのうち、クラウドストレージ30-1に格納されたリンク先ファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作を受け付ける。そして、ユーザ端末10は、指定されたリンクオブジェクトを含むウェブページを分析し、そのウェブページにおけるリンクオブジェクトを特定するための情報(以下、「オブジェクト特定情報」と呼ぶ。)を取得する。なお、オブジェクト特定情報の詳細については後述する。
【0014】
また、ユーザ端末10は、表示したウェブページに、クラウドストレージ30-2に格納されたファイルを示す情報(以下、「第2リンク先情報」と呼ぶ。)を表示する。具体的には、ユーザ端末10は、第2リンク先情報として、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルに関する情報の少なくとも一部を、ウェブページに重畳させて表示する。
【0015】
ユーザ端末10は、第2リンク先情報としてウェブページに表示された、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルのうち、1のファイルを指定する操作が行われると、以下の処理を行う。すなわち、ユーザ端末10は、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルのうち、指定された1のファイルと、指定されたリンクオブジェクトのオブジェクト特定情報とを対応付けて管理する。これにより、クラウドストレージ30-1のウェブページに含まれるリンクオブジェクトに対応付けられているファイルであるリンク先ファイルと、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルのうち指定された1のファイルとが関連付けて管理されることとなる。
【0016】
ユーザ端末10は、リンクオブジェクトを含むクラウドストレージ30-1のウェブページを表示する際、オブジェクト特定情報から特定されるリンクオブジェクト、すなわち別のクラウドストレージであるクラウドストレージ30―2に格納されているファイルに既に関連付けられているリンク先ファイルに対応づいているリンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する。なお、ユーザ端末10の構成や処理の詳細については後述する。
【0017】
(クラウドストレージ)
情報処理システム1を構成するクラウドストレージ30-1および30-2は、リンク先ファイルの格納先としてネットワーク90上に設けられたストレージである。本実施の形態において、クラウドストレージ30-1および30-2は相互連携されていないため、本発明を適用する前においては、ファイル同士の関連付けが行われていない。
【0018】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。また、情報処理システム1を構成するユーザ端末10の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲し、上述の処理の一部または全部を行わせてもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0019】
(ユーザ端末のハードウェア構成)
図2は、ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。
ユーザ端末10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0020】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じてユーザ端末10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0021】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する、ローカルストレージとしての記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種の情報を記憶するデータベースが格納されている。記憶部13に格納されているデータベースとしては、例えば、クラウドストレージ30からダウンロードされたリンク先ファイルが記憶されたファイルDB131、オブジェクト特定情報が記憶された特定情報DB132などが格納されている。
【0022】
通信部14は、ネットワーク90を介してクラウドストレージ30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサが含まれていてもよい。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像(動画像および静止画像)データやテキストデータなどを表示する。
【0023】
(ユーザ端末の制御部の機能構成)
図3は、ユーザ端末10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
ユーザ端末10の制御部11では、取得部101と、管理部102と、表示制御部103と、送信制御部104とが機能する。
【0024】
取得部101は、各種の情報を取得する。例えば、取得部101は、操作部15(
図2参照)により受け付けられた操作の内容に基づいて、各種の情報を取得する。具体的には、取得部101は、クラウドストレージ30-1のウェブページに含まれるリンクオブジェクトを指定する操作が受け付けられると、指定されたリンクオブジェクトのリンク先ファイルが格納されているクラウドストレージ30-1から、そのリンク先ファイルをダウンロードし、記憶部13のファイルDB131に格納する。
【0025】
また、取得部101は、クラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルに対応付けられている、クラウドストレージ30-1のウェブページに含まれるリンクオブジェクトを指定する操作が受け付けられると、指定されたリンクオブジェクトのオブジェクト特定情報を取得する。具体的には、取得部101は、指定されたリンクオブジェクトを含むクラウドストレージ30-1のウェブページを分析し、その結果に基づいて、そのリンクオブジェクトのオブジェクト特定情報を取得する。オブジェクト特定情報には、例えば、リンクオブジェクトを含むクラウドストレージ30-1のウェブページのURL(Uniform Resource Locator)、ウェブページの操作履歴、ウェブページのHTML上におけるリンクオブジェクトの表示場所に関する情報などが含まれる。このうち、ウェブページのHTML上におけるリンクオブジェクトの表示場所に関する情報には、例えば、DOM(Document Object Model)中のnodeを一意に特定した情報などが含まれる。ここで、「リンクオブジェクトを指定する操作」とは、例えば、クラウドストレージ30-1のウェブページに含まれるリンクオブジェクトのリンク先ファイルをユーザ端末10に格納するためにダウンロードする操作などである。
【0026】
また、取得部101は、第2リンク先情報としてクラウドストレージ30-1のウェブページに表示された、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルのうち、1のファイルを指定する操作が受け付けられると、指定されたファイルを一意に特定可能な情報(例えば、ファイル名など)を取得する。ここで、「1のファイルを指定する操作」としては、例えば、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルを、複製したファイルとして指定する操作と、関連するファイルとして指定する操作とが挙げられる。ここで、「複製したファイルとして指定する操作」と「関連するファイルとして指定する操作」は、ユーザがクラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルと、クラウドストレージ30-2に格納されている1のファイルとをどのように関連付けたいかによって決定するものであり、1のファイルが実際にリンク先ファイルの複製として作成されているかどうかは問わない。このようにして、クラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルと、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルのうち指定された1のファイルとが関連付けられることとなる。
【0027】
管理部102は、各種の情報を管理する。例えば、管理部102は、クラウドストレージ30-1に格納されている、リンク先ファイルを含む各種のファイルを管理する。また、管理部102は、クラウドストレージ30-2に格納されている各種のファイルを管理する。具体的には、例えば、管理部102は、クラウドストレージ30-2に格納されている各種のファイルのうち、ユーザにより指定された1のファイルと、ユーザにより指定された、クラウドストレージ30-1のウェブページに含まれるリンクオブジェクトのオブジェクト特定情報とを対応付けて管理する。また、例えば、管理部102は、クラウドストレージ30-1および30-2の各々に格納されているファイルの更新日時を管理する。
【0028】
表示制御部103は、各種の情報を表示部16(
図2参照)に表示する制御を行う。例えば、表示制御部103は、ユーザにより指定されたウェブページを表示する制御を行う。具体的には、表示制御部103は、ウェブページを表示する制御として、操作部15により受け付けられた操作の内容に基づいて、リンクオブジェクトを含むウェブページにアクセスし、そのウェブページを表示部16に表示させる。
【0029】
また、表示制御部103は、ウェブページ上に第2リンク先情報を表示する制御を行う。具体的には、表示制御部103は、第2リンク先情報を表示する制御として、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルに関する情報の少なくとも一部をウェブページに重畳させて表示させる。なお、第2リンク先情報の表示態様は特に限定されず、例えば、ポップアップ等により表示されてもよい。
【0030】
さらに、表示制御部103は、第2リンク先情報を表示する制御として、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルのうち、第1のクラウドストレージのウェブページに含まれるオブジェクト特定情報が既に対応付けられているファイルに関する情報を、他のファイルに関する情報と判別可能な態様で表示する制御を行う。ここで、「判別可能な態様で表示」とは、例えば、特定されるリンクオブジェクトを枠で囲って表示するなどである。なお、第2リンク先情報が表示されたウェブページの具体例については、
図6(A)を参照して後述する。
【0031】
また、表示制御部103は、リンクオブジェクトを含むウェブページを表示部16に表示させる際、取得部101により取得されたオブジェクト特定情報に基づいて、ウェブページにおけるリンクオブジェクトを特定する。具体的には、例えば、表示制御部103は、オブジェクト特定情報のうち、リンクオブジェクトの操作履歴から特定される、リンク先ファイルをダウンロードする操作が行われたタイミングと、DOMから特定される、そのタイミングにてウェブページに重畳的に表示されていたカーソルの位置とに基づいて、ウェブページにおけるリンクオブジェクトを特定する。
【0032】
また、表示制御部103は、取得部101により取得されたオブジェクト特定情報から特定されるリンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する。なお、「判別可能な態様で表示」とは、例えば、特定されるリンクオブジェクトを枠で囲って表示するなどである。ここで、表示制御部103は、オブジェクト特定情報から特定されるリンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する際、第2リンク先情報のうち指定された1のファイルがどういうファイルとして指定されたかに応じて、リンクオブジェクトの表示態様を変化させる。
【0033】
具体的には、表示制御部103は、第2リンク先情報のうち指定された1のファイルが、クラウドストレージ30-1に格納されたリンク先ファイルを、複製したファイルとして指定されたものであるか、または、関連するファイルとして指定されたものであるかに応じて、リンクオブジェクトの表示態様を変化させる。なお、上述したように、「複製したファイルとして指定する操作」と「関連するファイルとして指定する操作」は、ユーザがクラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルと、クラウドストレージ30-2に格納されている1のファイルとをどのように関連付けたいかによって決定するものであり、1のファイルが実際にリンク先ファイルの複製として作成されているかどうかは問わない。
【0034】
また、表示制御部103は、クラウドストレージ30-1のウェブページに指定された1のリンクオブジェクトが存在しない場合、すなわち、指定された1のリンクオブジェクトのリンク先ファイルがクラウドストレージ30-1に格納されていない場合には、その旨を示す情報をウェブページに表示する制御を行う。例えば、表示制御部103は、その旨を示すメッセージをウェブページに表示する制御を行う。
【0035】
さらに、表示制御部103は、クラウドストレージ30-1のウェブページに指定された1のリンクオブジェクトが存在しない、すなわち、指定された1のリンクオブジェクトのリンク先ファイルがクラウドストレージ30-1に格納されていないが、存在しないリンク先オブジェクトに関連付けられた1のファイルがクラウドストレージ30-2にのみ存在している場合には、その旨を示す情報をウェブページに表示する制御を行う。例えば、表示制御部103は、指定された1のリンクオブジェクトのリンク先ファイルが、クラウドストレージ30-1には格納されていないが、クラウドストレージ30-1に存在していないリンク先ファイルに過去に関連付けられたファイルがクラウドストレージ30-2に存在している旨を示すメッセージをウェブページに表示する制御を行う。
【0036】
また、表示制御部103は、クラウドストレージ30-1に格納されているファイルの各々の更新日時と、クラウドストレージ30-2に格納されている、クラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルと関連付けられたファイルの各々の更新日時との違いに基づく情報をウェブページに表示する制御を行う。例えば、表示制御部103は、ユーザにより指定されたリンクオブジェクトのリンク先ファイルが、クラウドストレージ30-1とクラウドストレージ30-2とにそれぞれ格納されている場合に、それぞれの更新日時の違いに基づく情報をウェブページに表示する制御を行う。
【0037】
具体的には、表示制御部103は、クラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルの更新日時よりも、クラウドストレージ30-2に格納されている、クラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルと関連付けられたファイルの更新日時の方が新しい場合には、「更新日時の違いに基づく情報」として、クラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルの更新を促すメッセージをウェブページに表示する制御を行う。これに対して、クラウドストレージ30-2に格納されている、クラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルと関連付けられたファイルの更新日時よりも、クラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルの更新日時の方が新しい場合、表示制御部103は、「更新日時の違いに基づく情報」として、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルの更新を促すメッセージをウェブページに表示する制御を行う。
【0038】
送信制御部104は、クラウドストレージ30-1および30-2の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部104は、クラウドストレージ30-1から取得されたリンク先ファイルや、ユーザにより指定されたリンクオブジェクトのオブジェクト特定情報などを、クラウドストレージ30-2に送信する制御を行う。
【0039】
(ユーザ端末の処理の流れ)
図4は、ユーザ端末10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ユーザ端末10は、クラウドストレージ30-1に格納されたリンク先ファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを含むクラウドストレージ30-1のウェブページを表示させるための操作が行われると(ステップ401でYES)、ウェブページにアクセスして、そのウェブページを表示する(ステップ402)。これに対して、ウェブページを表示させるための操作が行われていない場合(ステップ401でNO)、ユーザ端末10は、ウェブページを表示させるための操作が行われるまでステップ401を繰り返す。
【0040】
ユーザ端末10は、クラウドストレージ30-1のウェブページに表示されているリンクオブジェクトのうち、1のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると(ステップ403でYES)、指定されたリンクオブジェクトのリンク先ファイルを、第1のクラウドストレージとしてのクラウドストレージ30-1からダウンロードする(ステップ404)。
【0041】
次に、ユーザ端末10は、ステップ404でダウンロードしたリンク先ファイルをローカルストレージに格納する(ステップ405)。ここで、ローカルストレージと第2のクラウドストレージとが連携しており、ローカルストレージに格納されたファイルが自動的に第2のクラウドストレージにアップロードされるといった設定がユーザにより行われている場合、ユーザ端末10は、そのリンク先ファイルを、第2のクラウドストレージとしてのクラウドストレージ30-2にアップロードする(ステップ406)。すなわち、このような設定が行われている場合、クラウドストレージ30-1からダウンロードされたリンク先ファイルは、記憶部13のファイルDB131に記憶されるとともに、クラウドストレージ30-2に自動的にアップロードされることとなる。これに対して、1のリンクオブジェクトを指定する操作が行われていない場合(ステップ403でNO)、ユーザ端末10は、1のリンクオブジェクトを指定する操作が行われるまでステップ403を繰り返す。
【0042】
次に、ユーザ端末10は、ステップ403で指定されたリンクオブジェクトのオブジェクト特定情報を取得する(ステップ407)。具体的には、ユーザ端末10は、ステップ403で指定されたリンクオブジェクトを含むクラウドストレージ30-1のウェブページを分析し、その分析結果に基づいて、指定されたリンクオブジェクトのオブジェクト特定情報を取得する。
【0043】
次に、ユーザ端末10は、ステップ406でクラウドストレージ30-2にアップロードされたリンク先ファイルに、ステップ407で取得したオブジェクト特定情報を対応付けて管理する(ステップ408)。
【0044】
次に、ユーザ端末10は、オブジェクト特定情報が対応付けられているリンクオブジェクトを含むクラウドストレージ30-1のウェブページを表示させるための操作が行われると(ステップ409でYES)、ウェブページにアクセスして、ウェブページを表示する(ステップ410)。このとき、ユーザ端末10は、オブジェクト特定情報が対応付けられているリンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様でウェブページに表示する(ステップ411)。これに対して、ウェブページを表示させるための操作が行われていない場合(ステップ409でNO)、ユーザ端末10は、ウェブページを表示させるための操作が行われるまでステップ409を繰り返す。
【0045】
<具体例>
図5乃至
図8は、ユーザ端末10に表示された、ウェブページの具体例を示す図である。なお、
図5乃至
図8において、ウェブページ100には、クラウドストレージ30-1に格納されているファイルの情報が示されている。
図5(A)に示すように、ユーザが、ウェブページ100に表示されている複数のリンクオブジェクトのうち、「AAAA」と表記されたリンクオブジェクト21に対して右クリック等の操作を行うと、操作画面301が表示される。そして、ユーザが、「ダウンロード」と表記されたボタンにカーソル700を合わせて押下すると、リンクオブジェクト21のリンク先ファイルがクラウドストレージ30-1からダウンロードされる。
【0046】
図5(B)に示す画面302には、「ダウンロードの操作が行われました。△△△内のファイルを表示しますか?」というメッセージとともに、「はい」と表記されたボタン321と、「いいえ」と表記されたボタン322とが表示されている。なお、「△△△」はクラウドストレージ30-2を示しているものとする。また、リンクオブジェクト21には、リンク先ファイルがダウンロードされたことを示すハイライト表示201が付されている。ここで、ユーザが、ボタン321にカーソル700を合わせて押下すると、
図6(A)に示す画面303が表示される。
【0047】
図6(A)に示す画面303には、「△△△に最近アップロードされたファイル」という表記とともに、クラウドストレージ30-2にアップロードされた日付と、アップロードされたファイルの名称(ファイル名)とが表示されている。さらに、「複製ファイル」と表記されたボタン221と、「関連ファイル」と表記されたボタン222とが表示されている。ここで、ユーザが、ボタン221にカーソル700を合わせて押下すると、
図6(B)に示す画面304が表示される。
【0048】
図6(B)に示す画面304には、「複製ファイルとして登録しました。」というメッセージとともに、アップロード先のファイルストレージの名称(ストレージ名)と、アップロードされたファイル名と、複製ファイルとして登録された日付が表示されている。さらに、リンクオブジェクト21には、複製ファイルとして登録されていることを示す、「複」と表記されたマーク401が付されている。なお、図示はしないが、リンクオブジェクト21が関連ファイルとして登録されている場合には、関連ファイルとして登録されていることを示す、「関」と表記されたマークが付されてもよい。これにより、クラウドストレージ30-1に格納されているファイルと、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルのうちユーザに指定された1のファイルが関連付けられることになる。
【0049】
図7(A)には、クラウドストレージ30-1に格納されているリンク先ファイルの更新日時よりも、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルの更新日時の方が新しい場合に、ウェブページ100に表示される画面305の具体例が示されている。
図7(A)に示す画面305には、「△△△に複製ファイル「AAAA」を登録済みです(yyyy/mm/dd)。ただし、登録後に編集された履歴があります。△△△の操作履歴を表示しますか?」というメッセージとともに、「はい」と表記されたボタン351と、「いいえ」と表記されたボタン352とが表示されている。なお、「△△△」はクラウドストレージ30-2を示しているものとする。ここで、ユーザが、ボタン351にカーソル700を合わせて押下すると、
図7(B)に示す画面306が表示される。
【0050】
図7(B)に示す画面306には、「△△△の操作履歴」という表記とともに、操作された日付と、操作の名称(操作名)と、操作を行ったユーザの名称(ユーザ名)とが表示されている。ユーザは、画面306に表示された情報と、リンクオブジェクト21の情報(例えば、更新日)を比較することで、クラウドストレージ30-1に格納されているファイルの各々の更新日時と、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルであって、クラウドストレージ30-1に格納されているファイルに関連付けられたファイルの更新日時の違いを把握できる。
【0051】
図8(A)には、ユーザにより指定された1のリンクオブジェクトのリンク先ファイルがクラウドストレージ30-1に格納されていない場合に、ウェブページ100に表示される画面307の具体例が示されている。
図8(A)に示す画面307には、「△△△に登録済みの複製ファイル「AAAA」があります(yyyy/mm/dd)。登録後に〇〇〇からファイル「AAAA」が移動または削除された可能性があります。△△△に登録済みの複製ファイル「AAAA」を表示しますか?」というメッセージとともに、「はい」と表記されたボタン371と、「いいえ」と表記されたボタン372とが表示されている。なお、「△△△」はクラウドストレージ30-2を示し、「〇〇〇」はクラウドストレージ30-1を示しているものとする。また、ウェブページ100には、ファイル「AAAA」がクラウドストレージ30-1に存在しないことを示す破線の枠203と、「?」と表記されたマーク402とが示されている。ここで、ユーザが、ボタン371にカーソル700を合わせて押下すると、
図8(B)に示す画面308が表示される。
【0052】
図8(B)に示す画面308には、クラウドストレージ30-2に格納されている登録済みの複製ファイル「AAAA」のサムネイル画像41と、登録済みの複製ファイル「AAAA」を操作するためのツールボックス381が表示されている。このように、ユーザは、クラウドストレージ30―1に存在していないファイル「AAAA」と過去に関連付けられた、クラウドストレージ30-2に格納されているファイルを確認することができ、クラウドストレージ30-1においてファイル「AAAA」が存在しない状態が問題ないものであるかどうかを確かめることができる。
【0053】
<他の実施の形態>
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、
図1に示す情報処理システム1の構成、および
図2に示すユーザ端末10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、
図3に示すユーザ端末10の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が
図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは
図3の例に限定されない。
【0054】
また、
図4に示すユーザ端末10の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、
図5乃至
図8に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0055】
例えば、上述の実施の形態では、ユーザの操作により、クラウドストレージ30-1からリンク先ファイルがダウンロードされ、クラウドストレージ30-2にアップロードされる構成となっているが、これに限定されない。例えば、ウェブページに含まれるリンク先ファイルを指定する操作を行うだけで、自動的にクラウドストレージ30-1からリンク先ファイルがダウンロードされ、さらにクラウドストレージ30-2にアップロードされる構成であってもよい。
【0056】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
第1のクラウドストレージのウェブページにおいて第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該リンクオブジェクトを表示する当該第1のクラウドストレージのウェブページにおける当該リンクオブジェクトを特定するための特定情報を取得し、
前記リンクオブジェクトを表示する前記第1のクラウドストレージのウェブページに、第2のクラウドストレージに格納された第2のファイルを示す情報を表示する制御を行い、
前記第2のファイルを指定する操作が行われると、当該第2のファイルと前記特定情報とを対応付けて管理し、
前記リンクオブジェクトを含む複数のオブジェクトが前記ウェブページに表示される際、前記特定情報から特定される当該リンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する制御を行うことを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、前記リンクオブジェクトを指定する操作として、前記第1のファイルをローカルストレージに格納する操作が行われると、当該リンクオブジェクトの前記特定情報を取得することを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記ローカルストレージに格納された前記第1のファイルを、第2のファイルとして前記第2のクラウドストレージに格納する操作が行われると、前記特定情報を取得し、
前記第2のファイルを示す情報を、他の第2のファイルを示す情報と判別可能な態様で前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、前記第1のクラウドストレージに前記第1のファイルが格納されていない場合に、その旨を示す情報を前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
(((1)))乃至(((3)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((5)))
前記1または複数のプロセッサは、前記第1のファイルが、前記第2のファイルとして、前記第2のクラウドストレージに格納されている場合に、その旨を示す情報を前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、前記その旨を示す情報として、前記第1のファイルが、前記第1のクラウドストレージに格納されておらず前記第2のファイルとして前記第2のクラウドストレージに格納されていることを示すメッセージを前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
(((5)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、前記第1のクラウドストレージに格納された前記第1のファイルの更新日時と、前記第2のクラウドストレージに前記第2のファイルとして格納された当該第1のファイルの更新日時との違いに基づく情報を、前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
(((1)))乃至(((6)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記第1のクラウドストレージに格納された前記第1のファイルの更新日時よりも、前記第2のクラウドストレージに前記第2のファイルとして格納された当該第1のファイルの更新日時の方が新しい場合、前記違いに基づく情報として、前記第1のクラウドストレージに格納された情報の更新を促すメッセージを前記ウェブページに表示する制御を行い、
前記第2のクラウドストレージに前記第2のファイルとして格納された前記第1のファイルの更新日時よりも、前記第1のクラウドストレージに格納された当該第1のファイルの更新日時の方が新しい場合、前記違いに基づく情報として、当該第2のクラウドストレージに格納された情報の更新を促すメッセージを前記ウェブページに表示する制御を行うことを特徴とする、
(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、前記第2のファイルを指定する操作として、当該第2のファイルを、前記第1のファイルを複製したファイルとして指定する操作と、当該第1のファイルに関連するファイルとして指定する操作とのいずれか一方の操作が行われると、当該1のファイルと前記特定情報とを対応付けて管理することを特徴とする、
(((1)))乃至(((8)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1または複数のプロセッサは、前記第2のファイルが、前記第1のファイルを複製したファイルとして指定されたものであるか、または、当該第1のファイルに関連するファイルとして指定されたものであるかに応じて、前記ウェブページにおける前記リンクオブジェクトの表示態様を変化させることを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記特定情報として、前記ウェブページの操作履歴、URL、およびDOM(Document Object Model)のうち少なくとも1の情報を取得し、
前記特定情報に基づいて、前記ウェブページにおける前記リンクオブジェクトを特定することを特徴とする、
(((1)))乃至(((10)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((12)))
前記1または複数のプロセッサは、前記操作履歴から特定される、ダウンロードの操作が行われたタイミングと、前記DOMから特定される、当該タイミングにて前記ウェブページに重畳的に表示されていたカーソルの位置とに基づいて、当該ウェブページにおける前記リンクオブジェクトを特定することを特徴とする、
(((11)))に記載の情報処理システム。
(((13)))
1または複数のコンピュータに、
第1のクラウドストレージのウェブページにおいて第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該リンクオブジェクトを表示する当該第1のクラウドストレージのウェブページにおける当該リンクオブジェクトを特定するための特定情報を取得する機能と、
前記リンクオブジェクトを表示する前記第1のクラウドストレージのウェブページに、第2のクラウドストレージに格納された第2のファイルを示す情報を表示する機能と、
前記第2のファイルを指定する操作が行われると、当該第2のファイルと前記特定情報とを対応付けて管理する機能と、
前記リンクオブジェクトを含む複数のオブジェクトが前記ウェブページに表示される際、前記特定情報から特定される当該リンクオブジェクトを、他のリンクオブジェクトと判別可能な態様で表示する機能と、
を実現させるプログラム。
【0057】
(((1)))の本発明によれば、第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトの特定情報と、第2のクラウドストレージに記憶された第2のファイルとが対応付けられるので、第1のクラウドストレージと第2のクラウドストレージとが相互連携されていない場合であっても、相互間でファイルを関連付けて管理できる。
(((2)))の本発明によれば、第1のファイルがローカルストレージに格納された後に、リンクオブジェクトの特定情報が取得されるので、ダウンロードされた第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを判別可能な態様で表示させることができる。
(((3)))の本発明によれば、第1のファイルが第2のファイルとして第2のクラウドストレージに格納された後に、リンクオブジェクトの特定情報が取得されるので、第2のファイルとして第2のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトを判別可能な態様で表示させることができる。これにより、相互連携されていない複数のクラウドストレージの相互間で同一のファイルを関連付けて管理できる。
(((4)))の本発明によれば、ユーザは、リンクオブジェクトに対応付けられた第1のファイルが第1のクラウドストレージに格納されているかどうかを一見して把握できる。
(((5)))の本発明によれば、ユーザは、リンクオブジェクトに対応付けられた第1のファイルが、第2のファイルとして第2のクラウドストレージに格納されているかどうかを一見して把握できる。
(((6)))の本発明によれば、確認を容易に行うことができる。
(((7)))の本発明によれば、相互連携されていない複数のクラウドストレージにそれぞれ格納されているファイルの同一性の有無を一見して把握できる。
(((8)))の本発明によれば、相互連携されていない複数のクラウドストレージにそれぞれ格納されているファイルの同一性の維持を図ることができる。
(((9)))の本発明によれば、ユーザは、第2のクラウドストレージに格納されている第2のファイルを、第1のファイルの複製(同一のファイル)として関連付けることもできるし、第1のファイルに関連する文書(例えば、見積書と請求書など)として関連付けることもできる。
(((10)))の本発明によれば、ユーザは、第2のクラウドストレージに格納されている第2のファイルを、第1のファイルの複製として関連付けたのか、それとも第1のファイルに関連する文書として関連付けたのかを一見して判別できる。
(((11)))の本発明によれば、第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトのウェブページの操作履歴、URL、およびDOMと、第2のクラウドストレージに記憶された第2のファイルとが対応付けられるので、第1のクラウドストレージと第2のクラウドストレージとが相互連携されていない場合であっても、相互間でファイルを関連付けて管理できる。
(((12)))の本発明によれば、特定情報が取得されたタイミングにおけるカーソルの位置に基づいて、リンクオブジェクトを特定できる。
(((13)))の本発明によれば、第1のクラウドストレージに格納された第1のファイルに対応付けられているリンクオブジェクトの特定情報と、第2のクラウドストレージに記憶された第2のファイルとが対応付けられるので、第1のクラウドストレージと第2のクラウドストレージとが相互連携されていない場合であっても、相互間でファイルを関連付けて管理できる。
【符号の説明】
【0058】
1…情報処理システム、10…ユーザ端末、11…制御部、30-1,30-2…クラウドストレージ、90…ネットワーク、101…取得部、102…管理部、103…表示制御部、104…送信制御部