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特開2024-126812ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126812
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/00 20060101AFI20240912BHJP
   H01R 43/02 20060101ALI20240912BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01R43/00 B
H01R43/02 B
H01R4/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035466
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 修司
【テーマコード(参考)】
5E051
5E085
【Fターム(参考)】
5E051BA04
5E051BA06
5E051BB01
5E051BB04
5E051LA03
5E051LB03
5E085BB03
5E085BB11
5E085CC03
5E085DD03
5E085HH12
5E085JJ38
5E085JJ40
(57)【要約】
【課題】コネクタ及び端子の汎用性を向上させることができるワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス製造方法は、第1、第2収容工程の後に、第1溶接工程にて、第1端子収容溝32に収容された第1端子2Aの電線接続部22と芯線露出部Waaとを溶接し、第2溶接工程にて、第2端子収容溝42に収容された第2端子2Bの電線接続部22と芯線露出部Waaとを溶接する。第1、第2溶接工程の後に、第1カバー組付け工程にて、第1端子収容溝32を閉塞するように第1ハウジング5に第1カバー7Aを組み付け、第2カバー組付け工程にて、第2端子収容溝42を閉塞するように第2ハウジング6に第2カバー7Bを組み付ける。第1、第2カバー組付け工程の後に、コネクタ形成工程にて、第1ハウジング5と第2ハウジング6を高さ方向Zに積み重ねて相互に組み付け、相手側コネクタ9と嵌合するコネクタ1を形成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハウジングに形成された第1端子収容溝に第1端子を収容する第1収容工程と、
前記第1収容工程の後に、前記第1ハウジングの前記第1端子収容溝に収容された前記第1端子の電線接続部に、第1電線の端末に設けられた芯線露出部を接触させて前記電線接続部と前記芯線露出部とを溶接する第1溶接工程と、
前記第1溶接工程の後に、前記第1端子収容溝を閉塞するように前記第1ハウジングに第1カバーを組み付ける第1カバー組付け工程と、
第2ハウジングに形成された第2端子収容溝に第2端子を収容する第2収容工程と、
前記第2収容工程の後に、前記第2ハウジングの前記第2端子収容溝に収容された前記第2端子の電線接続部に、第2電線の端末に設けられた芯線露出部を接触させて前記電線接続部と前記芯線露出部とを溶接する第2溶接工程と、
前記第2溶接工程の後に、前記第2端子収容溝を閉塞するように前記第2ハウジングに第2カバーを組み付ける第2カバー組付け工程と、
前記第1カバー組付け工程及び前記第2カバー組付け工程の後に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを前記第1電線及び前記第2電線の延在方向と交差する高さ方向に積み重ねて相互に組み付けることにより、相手側コネクタと嵌合するコネクタを形成するコネクタ形成工程と、を含むこと特徴とする
ワイヤハーネス製造方法。
【請求項2】
前記第1カバー及び前記第2カバーは、
同一形状であり、
前記第1端子及び前記第2端子は、
同一形状であり、
前記第1電線及び前記第2電線は、
同一形状である
請求項1に記載のワイヤハーネス製造方法。
【請求項3】
前記第1カバーは、
当該第1カバーが前記第1ハウジングに組み付けられた状態で、前記第1端子の挿入方向と反対側の抜去方向への移動を規制する第1規制部を有し、
前記第2カバーは、
当該第2カバーが前記第2ハウジングに組み付けられた状態で、前記第2端子の挿入方向と反対側の抜去方向への移動を規制する第2規制部を有する
請求項1または2に記載のワイヤハーネス製造方法。
【請求項4】
軸線方向に沿って延在し導電性を有する芯線と、前記芯線の端部を芯線露出部として露出させた状態で前記芯線を覆う絶縁被覆とをそれぞれ有する第1電線及び第2電線と、
前記第1電線の前記芯線露出部が溶接された電線接続部を有する第1端子と、前記第1端子を収容する第1端子収容溝が形成された第1ハウジングと、前記第1端子収容溝に前記第1端子を収容した状態で当該第1端子収容溝を閉塞するように前記第1ハウジングに組み付けられる第1カバーとを含んで構成される第1アセンブリと、
前記第2電線の前記芯線露出部が溶接された電線接続部を有する第2端子と、前記第2端子を収容する第2端子収容溝が形成された第2ハウジングと、前記第2端子収容溝に前記第2端子を収容した状態で当該第2端子収容溝を閉塞するように前記第2ハウジングに組み付けられる第2カバーとを含んで構成される第2アセンブリと、を備え、
前記第1アセンブリ及び前記第2アセンブリは、
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが前記第1電線及び前記第2電線の延在方向と交差する高さ方向に積み重ねられて相互に組み付けられた状態で、相手側コネクタと嵌合するコネクタを構成する
ことを特徴とするワイヤハーネス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスとして、例えば、特許文献1に記載されるように、絶縁被覆を剥皮した電線とコネクタ端子とを電線受容溝に載置し、電線の上から電線挟持板を被せ、電線挟持板に設けた電線保持溝に埋設した導電性金属板で該電線を挟圧した後、溶接用穴を通じて導電性金属板にレーザ光を照射して導電性金属板と電線とを溶接するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08-008028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスにあっては、コネクタが溶接接続専用品であることから、例えば、オス端子用、メス端子用それぞれのコネクタを新設する必要があり、コネクタ及び端子の汎用性の点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、コネクタ及び端子の汎用性を向上させることができるワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネス製造方法は、第1ハウジングに形成された第1端子収容溝に第1端子を収容する第1収容工程と、前記第1収容工程の後に、前記第1ハウジングの前記第1端子収容溝に収容された前記第1端子の電線接続部に、第1電線の端末に設けられた芯線露出部を接触させて前記電線接続部と前記芯線露出部とを溶接する第1溶接工程と、前記第1溶接工程の後に、前記端子収容溝を閉塞するように前記第1ハウジングに第1カバーを組み付ける第1カバー組付け工程と、第2ハウジングに形成された第2端子収容溝に第2端子を収容する第2収容工程と、前記第2収容工程の後に、前記第2ハウジングの前記第2端子収容溝に収容された前記第2端子の電線接続部に、第2電線の端末に設けられた芯線露出部を接触させて前記電線接続部と前記芯線露出部とを溶接する第2溶接工程と、前記第2溶接工程の後に、前記端子収容溝を閉塞するように前記第2ハウジングに第2カバーを組み付ける第2カバー組付け工程と、前記第1カバー組付け工程及び前記第2カバー組付け工程の後に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを前記第1電線及び前記第2電線の延在方向と交差する高さ方向に積み重ねて相互に組み付けることにより、相手側コネクタと嵌合するコネクタを形成するコネクタ形成工程と、を含むこと特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスによれば、コネクタ及び端子の汎用性を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法により製造されるワイヤハーネスの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るワイヤハーネスに適用されるコネクタの斜視図である。
図3図3は、図2に示すコネクタの分解斜視図である。
図4図4は、実施形態に係るワイヤハーネスに適用される端子の平面図である。
図5図5は、端子収容溝に収容された端子とハウジングの位置関係を表すコネクタの部分断面図である。
図6図6は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法の一例を表すフローチャート図である。
図7図7は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法の第1収容工程を模式的に表した図である。
図8図8は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法の第1溶接工程を模式的に表した図である。
図9図9は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法の第1カバー組付け工程を模式的に表した図である。
図10図10は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法の第2収容工程を模式的に表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0010】
[実施形態]
本実施形態に係るワイヤハーネス製造方法は、図1に示すワイヤハーネスWHを製造するものである。以下では、まず、図1図5に示すワイヤハーネスWHの基本的な構成について説明し、その後、ワイヤハーネス製造方法について詳細に説明する。図1は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法により製造されるワイヤハーネスの斜視図である。図2は、実施形態に係るワイヤハーネスに適用されるコネクタの斜視図であり、図3は、当該コネクタの分解斜視図である。図4は、実施形態に係るワイヤハーネスに適用される端子の平面図である。図5は、ハウジングの端子収容溝に収容された端子と当該ハウジングの位置関係を表すコネクタの部分断面図である。なお、図2図3図5図7図10に示すコネクタ1は、図1に示すコネクタ1に対して、紙面における上下方向が逆に記載されている。
【0011】
なお、以下の説明において、便宜上、図示のX方向、Y方向、及び、Z方向のうち、X方向を「軸線方向X」といい、Y方向を「幅方向Y」といい、Z方向を「高さ方向Z」という。軸線方向Xと幅方向Yと高さ方向Zとは、相互に直交する。軸線方向Xは、電線Wの延在方向に沿う方向に相当する。幅方向Yと高さ方向Zとは、軸線方向Xと直交する方向に含まれる。特に、軸線方向Xは、一方を「挿入方向X1」、他方を「抜去方向X2」といい、高さ方向Zは、一方を「底方向Z1」、他方を「開口方向Z2」という。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向として説明する。
【0012】
図1等に示すワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを束にして集合部品とし、コネクタ1で複数の電線Wを各装置に接続するようにしたものである。本実施形態のワイヤハーネスWHは、電線Wと、端子2を収容し、かつ当該端子2の電線接続部22に電線Wの芯線露出部Waaを接触させた状態で、当該電線接続部22と芯線露出部Waaとをレーザ溶接可能にするコネクタ1とを含んで構成される。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、グロメット、電気接続箱、固定具、コネクタ等の種々の構成部品を含んで構成されてもよい。
【0013】
電線Wは、図4に示すように、軸線方向Xに沿って延在し導電性を有する芯線Waと、絶縁性を有し、当該芯線Waの外側を覆う絶縁被覆Wbとを含んで構成される。電線Wは、絶縁被覆Wbによって芯線Waを被覆した絶縁電線である。電線Wは、軸線方向Xの少なくとも一方の端末において、絶縁被覆Wbが剥ぎ取られており、芯線Waが絶縁被覆Wbの端末から露出して芯線露出部Waaが形成されている。なお、本実施形態の電線Wは、便宜上、後述する第1アセンブリ3に適用されるものを「第1電線WA」といい、後述する第2アセンブリ4に適用されるものを「第2電線WB」という場合があり、また、両者を特に区別する必要がない場合には単に「電線W」という場合がある。
【0014】
芯線Waは、例えば、導電性を有する金属、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の素線(不図示)を複数束ねたものである。芯線露出部Waaは、軸線方向Xと直交する方向の断面形状が、芯線W1と同様に、円形である。なお、芯線Waは、複数の素線を撚り合わせた撚り芯線であってもよい。
【0015】
絶縁被覆Wbは、例えば、絶縁性の樹脂材料(PP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)、架橋PE(ポリエチレン)等。耐摩耗性や耐薬品性、耐熱性等に配慮して適宜選定される。)等を押出成形することによって形成されたものである。絶縁被覆Wbは、軸線方向Xと直交する方向の断面形状が周方向に沿った略円環形に形成される。
【0016】
端子2は、銅や銅合金等の導電性を有する金属によって形成されており、いわゆる圧着端子ではなく、当該端子2と電線Wの芯線露出部Waaとの間でレーザ溶接可能に形成された、いわゆるレーザ溶接用端子である。端子2は、雌端子であり、図1に示すように、コネクタ1と相手側コネクタ9が嵌合することで、雌端子である相手側端子(不図示)と電気的に接続される。なお。本実施形態の端子2は、便宜上、後述する第1アセンブリ3に適用されるものを「第1端子2A」といい、後述する第2アセンブリ4に適用されるものを「第2端子2B」という場合があり、また、両者を特に区別する必要がない場合には単に「端子2」という場合がある。
【0017】
端子2は、端子接続部21と、電線接続部22とを有する。
【0018】
端子接続部21は、端子2における挿入方向X1側に形成されている。端子接続部21は、コネクタ1に収容された端子2に電線Wが接続された状態において、コネクタ1と相手側コネクタ9とが嵌合することで、当該相手側コネクタ9の相手側端子が接続される部分である。
【0019】
電線接続部22は、端子2における抜去方向X2側に形成されている。電線接続部22は、端子2がコネクタ1に収容された状態において、電線Wの端末に設けられた芯線露出部Waaが溶接される部分である。電線接続部22は、軸線方向Xから視た断面形状が略U字に形成されている。電線接続部22は、端子2がコネクタ1に収容された状態において、幅方向Yに対向して形成される一対の側壁22aと、一対の側壁22aを底方向Z1側で連結する底壁22bと、を有する。
【0020】
一対の側壁22aは、図4図5に示すように、各側壁22aから電線収容空間22c側に突出して形成された一対の被覆固定部23を有する。一対の被覆固定部23は、電線Wの芯線露出部Waaが端子2の電線接続部22に接触させた状態において、電線Wの絶縁被覆Wbを幅方向Yの両側から挟み込んで当該電線Wと端子2とを固定するものである。したがって、一対の被覆固定部23の幅方向Yの幅は、一対の側壁22aの幅方向Yの幅よりも短い。また、一対の被覆固定部23は、電線接続部22の挿入方向X1側、挿入方向X1と反対側の抜去方向X2側にそれぞれ形成されている。各被覆固定部23は、図5に示すように、開口方向Z2側の端部が、開口方向Z2の先端に向けて板厚が細くなるように形成されている。
【0021】
底壁22bは、図5に示すように、電線接続部22の内側に当該底壁22b及び一対の側壁22aにより形成された電線収容空間22cに向けて突出して形成された溶接部24を有する。溶接部24は、電線Wが電線接続部22に収容され、かつ当該電線Wの絶縁被覆Wbが被覆固定部23に固定された状態で、芯線露出部Waaが接触するように形成される。つまり、溶接部24は、底壁22bの被覆固定部23側よりも高さ方向Zに高く形成される。また、溶接部24は、第1端子2Aが第1ハウジング5に収容された状態、及び、第2端子2Bが第2ハウジング6に収容された状態において、第1ハウジング5及び第2ハウジング6と接触することなく、これらと離間する位置に形成される。
【0022】
次に、コネクタ1を構成する第1アセンブリ3及び第2アセンブリ4について説明する。
【0023】
第1アセンブリ3は、第1電線WAの芯線露出部Waaが溶接された電線接続部12を有する第1端子2Aと、第1端子2Aを収容する第1端子収容溝32が形成された第1ハウジング5と、第1端子収容溝32に第1端子2Aを収容した状態で当該第1端子収容溝32を閉塞するように第1ハウジング5に組み付けられる第1カバー7Aとを含んで構成される。
【0024】
第1ハウジング5は、ハウジング本体部30と、ハウジング本体部30の挿入方向X1側に形成された端子保持部31と、ハウジング本体部30の開口方向Z2側に開口するように形成された複数の第1端子収容溝32と、ハウジング本体部30の幅方向Yの両側に形成された一対の被係止部33と、ハウジング本体部30の底方向Z1側に形成された相手側コネクタ係止部35とを備える。
【0025】
端子保持部31は、第1端子2Aが第1端子収容溝32に収容された状態において、当該第1端子2Aの端子接続部21を収容して保持する部分である。
【0026】
第1端子収容溝32は、第1端子2Aを収容する部分である。第1端子収容溝32は、軸線方向Xに延在し、軸線方向Xから視た断面形状がU字に形成されている。第1端子収容溝32は、いわゆるレーザ溶接用端子に対応するものであるが、圧着端子にも対応するように形成されている。
【0027】
一対の被係止部33は、ハウジング本体部30の第1端子収容溝32側に形成され、第2ハウジング6及び第1カバー7Aを係止する部分である。各被係止部33は、第1端子収容溝32を閉塞するように第1ハウジング5に第1カバー7Aを組み付けた状態において、第1カバー7Aに設けられた一対のカバー係止爪51を係止すると共に、第1ハウジング5と第2ハウジング6とが高さ方向Zに積み重ねられて相互に組み付けられた状態で、第2ハウジング6に設けられたハウジング係止爪43を係止する。
【0028】
相手側コネクタ係止部34は、コネクタ1が相手側コネクタ9に嵌合した際に、当該相手側コネクタ9を係止する部分である。
【0029】
第2アセンブリ4は、第2電線WBの芯線露出部Waaが溶接された電線接続部12を有する第2端子2Bと、第2端子2Bを収容する第2端子収容溝42が形成された第2ハウジング6と、第2端子収容溝42に第2端子2Bを収容した状態で当該第2端子収容溝42を閉塞するように第2ハウジング6に組み付けられる第2カバー7Bとを含んで構成される。
【0030】
第2ハウジング6は、ハウジング本体部40と、ハウジング本体部40の挿入方向X1側に形成された端子保持部41と、ハウジング本体部40の開口方向Z2側に開口するように形成された複数の第2端子収容溝42と、ハウジング本体部40の抜去方向X2側の端部から底方向Z1側に突出して形成された一対のハウジング係止爪43と、ハウジング本体部40の幅方向Yの両側に形成された一対の被係止部44とを備える。
【0031】
端子保持部41は、第2端子2Bが第2端子収容溝42に収容された状態において、当該第2端子2Bの端子接続部21を収容して保持する部分である。
【0032】
第2端子収容溝42は、第2端子2Bを収容する部分である。第2端子収容溝42は、軸線方向Xに延在し、軸線方向Xから視た断面形状がU字に形成されている。第2端子収容溝42は、いわゆるレーザ溶接用端子に対応するものであるが、圧着端子にも対応するように形成されている。第2端子収容溝42は、第1端子収容溝32と同形状である。
【0033】
一対のハウジング係止爪43は、第2ハウジング6と第1ハウジング5を互いに係止する部分である。各ハウジング係止爪43は、第1ハウジング5と第2ハウジング6とが高さ方向Zに積み重ねられて相互に組み付けられた状態で、第1ハウジング5の被係止部33に係止される。
【0034】
一対の被係止部44は、第2カバー7Bを係止する部分である。各被係止部44は、第2端子収容溝42を閉塞するように第2ハウジング6に第2カバー7Bを組み付けた状態において、第2カバー7Bに設けられた一対のカバー係止爪51を係止する。
【0035】
第1カバー7A及び第2カバー7Bは、同一形状であり、それぞれがカバー本体部50と、カバー係止爪51と、カバー規制部52とを備える。
【0036】
カバー係止爪51は、カバー本体部50の幅方向Yの両端から底方向Z1側に突出して形成されている部分である。第1カバー7Aのカバー係止爪51は、第1カバー7Aが第1ハウジング5に組み付けられた状態において、当該第1ハウジング5の被係止部33に係止される。第2カバー7Bのカバー係止爪51は、第2カバー7Bが第2ハウジング6に組み付けられた状態において、当該第2ハウジング6の被係止部44に係止される。
【0037】
カバー規制部52は、図9に示すように、カバー本体部50の挿入方向X1側の端部から底方向Z1側に突出して形成された部分である。第1カバー7Aのカバー規制部52は、当該第1カバー7Aが第1ハウジング5に組み付けられた状態において、第1端子2Aの端子接続部21の抜去方向X2側端部に当接して、第1端子2Aの抜去方向X2側への移動を規制する。第2カバー7Bのカバー規制部52は、当該第2カバー7Bが第2ハウジング6に組み付けられた状態において、第2端子2Bの端子接続部21の抜去方向X2側端部に当接して、第2端子2Bの抜去方向X2側への移動を規制する。
【0038】
次に、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法について図6図10を参照して説明する。図6は、ワイヤハーネス製造方法の一例を表すフローチャート図である。図7は、ワイヤハーネス製造方法の第1収容工程を模式的に表した図である。図8は、ワイヤハーネス製造方法の第1溶接工程を模式的に表した図である。図9は、ワイヤハーネス製造方法の第1カバー組付け工程を模式的に表した図である。図10は、ワイヤハーネス製造方法の第2収容工程を模式的に表した図である。以下の説明では、図6のフローチャートを基に説明しつつ、適宜他図を参照する。以下で説明するワイヤハーネスWHの製造方法は、作業者が種々の装置、機器、治具等を用いて手作業で行ってもよいし、種々の製造装置によって自動で行われるものであってもよい。
【0039】
本実施形態のワイヤハーネスWHの製造方法は、第1収容工程(ステップS1-1)と、第1溶接工程(ステップS2-1)と、第1カバー組付け工程(ステップS3-1)と、第2収容工程(S1-2)と、第2溶接工程(S2-2)と、第2カバー組付け工程(S3-2)と、コネクタ形成工程(S4)とを含む。なお、第1収容工程及び第2収容工程の前に、電線Wの端末に芯線露出部Waaが設けられており、第1ハウジング5の第1端子収容溝32に第1端子2Aが収容され、第2ハウジング6の第2端子収容溝42に第2端子2Bが収容されているものとする。
【0040】
第1収容工程(ステップS1-1)は、第1ハウジング5に形成された第1端子収容溝32に第1端子2Aを収容する工程である。具体的には、作業者は、不図示の装置または治具を用いて、第1端子2Aの端子接続部21が第1ハウジング5の端子保持部31内側に隠れるように、複数の第1端子2Aそれぞれを挿入方向X1に沿って各第1端子収容溝32に収容する。
【0041】
第1溶接工程(ステップS2-1)は、第1収容工程(ステップS1-1)の後に、第1ハウジング5の第1端子収容溝32に収容された第1端子2Aの電線接続部22に、第1電線WAの端末に設けられた芯線露出部Waaを接触させて電線接続部22と芯線露出部Waaとを溶接する工程である。具体的には、作業者は、不図示の装置または治具を用いて、図7に示すように、第1端子収容溝32に収容された第1端子2Aに対して第1電線WAを開口方向Z2側から組み付ける。このとき、第1電線WAは、芯線露出部Waaが第1端子2Aの溶接部24に接触するように、芯線露出部Waa近傍の絶縁被覆Wbが二対の被覆固定部23それぞれにより挟持される。つづいて、作業者は、不図示の装置を用いて、開口方向Z2側から芯線露出部Waaに向けてレーザ光Lを照射して、当該芯線露出部Waaと溶接部24とをレーザ溶接する。これにより、溶接部24上に溶接部分24aが形成される。
【0042】
第1カバー組付け工程(ステップS3-1)は、第1溶接工程(ステップS2-1)の後に、第1端子収容溝32を閉塞するように第1ハウジング5に第1カバー7Aを組み付ける工程である。作業者は、不図示の装置または治具を用いて、あるいは手作業により、図9に示すように、第1カバー7Aのカバー係止爪51を第1ハウジング5の相手側コネクタ係止部34に係止させて、第1端子収容溝32を閉塞するように第1ハウジング5に第1カバー7Aを組み付ける。
【0043】
第2収容工程(ステップS1-2)は、第2ハウジング6に形成された第2端子収容溝42に第2端子2Bを収容する工程である。具体的には、作業者は、不図示の装置または治具を用いて、第2端子2Bの端子接続部21が第2ハウジング6の端子保持部41内側に隠れるように、複数の第2端子2Bそれぞれを挿入方向X1に沿って各第2端子収容溝42に収容する。
【0044】
第2溶接工程(ステップS2-2)は、第2収容工程(ステップS1-2)の後に、第2ハウジング6の第2端子収容溝42に収容された第2端子2Bの電線接続部22に、第2電線WBの端末に設けられた芯線露出部Waaを接触させて電線接続部22と芯線露出部Waaとを溶接する工程である。具体的には、作業者は、不図示の装置または治具を用いて、図10に示すように、第2端子収容溝42に収容された第2端子2Bに対して第2電線WBを開口方向Z2側から組み付ける。このとき、第2電線WBは、芯線露出部Waaが第2端子2Bの溶接部24に接触するように、芯線露出部Waa近傍の絶縁被覆Wbが二対の被覆固定部23それぞれにより挟持される。つづいて、作業者は、不図示の装置を用いて、開口方向Z2側から芯線露出部Waaに向けてレーザ光Lを照射して、当該芯線露出部Waaと溶接部24とをレーザ溶接する。これにより、溶接部24上に溶接部分24aが形成される。
【0045】
第2カバー組付け工程(ステップS3-2)は、第2溶接工程(ステップS2-2)の後に、第2端子収容溝42を閉塞するように第2ハウジング6に第2カバー7Bを組み付ける工程である。作業者は、不図示の装置または治具を用いて、あるいは手作業により、図10に示すように、第2カバー7Bのカバー係止爪51を第2ハウジング6の被係止部44に係止させて、第2端子収容溝42を閉塞するように第2ハウジング6に第2カバー7Bを組み付ける。
【0046】
コネクタ形成工程(ステップS4)は、第1カバー組付け工程(ステップS3-1)及び第2カバー組付け工程(ステップS3-2)の後に、第1ハウジング5と第2ハウジング6を第1電線WA及び第2電線WBの延在方向と交差する高さ方向Zに積み重ねて相互に組み付けることにより、相手側コネクタ9と嵌合するコネクタ1を形成する工程である。コネクタ形成工程(ステップS4)にて、ワイヤハーネス製造方法が終了する。このように、上記ワイヤハーネス製造方法により製造されたワイヤハーネスWHは、コネクタ1が、第1アセンブリ3及び第2アセンブリ4が相互に組み付けられた状態で全体として相手側コネクタ9と嵌合可能な形状になる。
【0047】
以上説明したワイヤハーネス製造方法は、第1収容工程(S1-1)において第1ハウジング5に第1端子2Aを収容し、第2収容工程(S1-2)において第2ハウジング6に第2端子2Bを収容する。第1収容工程(S1-1)及び第2収容工程(S1-2)の後に、第1溶接工程(S2-1)において、第1ハウジング5の第1端子収容溝32に収容された第1端子2Aの電線接続部22に、第1電線WAの芯線露出部Waaを接触させて電線接続部22と芯線露出部Waaとを溶接し、第2溶接工程(S2-2)において、第2ハウジング6の第2端子収容溝42に収容された第2端子2Bの電線接続部22に、第2電線WBの芯線露出部Waaを接触させて電線接続部22と芯線露出部Waaとを溶接する。第1溶接工程(S2-1)及び第2溶接工程(S2-2)の後に、第1カバー組付け工程(S3-1)において、第1端子収容溝32を閉塞するように第1ハウジング5に第1カバー7Aを組み付け、第2カバー組付け工程(S3-2)において、第2端子収容溝42を閉塞するように第2ハウジング6に第2カバー7Bを組み付ける。第1カバー組付け工程(S3-1)及び第2カバー組付け工程(S3-2)の後に、コネクタ形成工程(S4)において、第1ハウジング5と第2ハウジング6を高さ方向Zに積み重ねて相互に組み付けて、相手側コネクタ9と嵌合するコネクタ1を形成する。
【0048】
ワイヤハーネス製造方法は、上記工程により、コネクタのハウジングにレーザ溶接用端子を組み付けた状態で、当該レーザ溶接用端子と電線とをレーザ溶接する製造工程において、号口コネクタとの嵌合互換性を有するハウジングを適用することが可能となる。この結果、ワイヤハーネス製造方法は、上記製造工程に適した専用品とすることなく、コネクタ及び端子の汎用性を向上させることができる。
【0049】
また、上記ワイヤハーネス製造方法により製造されるワイヤハーネスWHは、第1アセンブリ3と、第2アセンブリ4とを備える。第1アセンブリ3は、第1ハウジング5と、第1端子収容溝32に第1端子2Aを収容した状態で当該第1端子収容溝32を閉塞するように第1ハウジング5に組み付けられる第1カバー7Aとを含んで構成される。第2アセンブリ4は、第2ハウジング6と、第2端子収容溝42に第2端子2Bを収容した状態で当該第2端子収容溝42を閉塞するように第2ハウジング6に組み付けられる第2カバー7Bとを含んで構成される。第1アセンブリ3及び第2アセンブリ4は、第1ハウジング5と第2ハウジング6とが高さ方向Zに積み重ねられて相互に組み付けられた状態で、相手側コネクタ9と嵌合するコネクタ1を構成する。
【0050】
ワイヤハーネスWHは、上記構成により、号口コネクタとの嵌合互換性を有するハウジングを適用しつつ、コネクタのハウジングにレーザ溶接用端子を組み付けた状態で、当該レーザ溶接用端子と電線とをレーザ溶接する製造工程により製造することが可能となる。この結果、ワイヤハーネスWHは、上記製造工程に適した専用品とすることなく、コネクタ及び端子の汎用性を向上させることができる。
【0051】
また、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスWHは、雌端子側のコネクタ1が号口コネクタと嵌合互換性があるため、当該コネクタ1に差し替えるだけで良く、相手側コネクタ9を変更する必要がないことから、コネクタの変更による部品コストを低減できる。また、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスWHは、コネクタ1の第1端子収容溝32、第2端子収容溝42を号口コネクタの端子収容溝と同一仕様とすることが可能であることから、コネクタ1に対して号口コネクタに適用される圧着端子を取付けることが可能となる。これにより、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスWHは、当該ワイヤハーネスWHのメンテナンス時において、レーザ溶接用端子から圧着端子への交換が容易となる。例えば、レーザ溶接設備が無い場合や、電線サイズ違いで溶接条件が合わない場合は、号口コネクタに適用される圧着端子に電線Wを圧着し、当該圧着端子をコネクタ1に取付けることが可能となる。
【0052】
また、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスWHは、第1アセンブリ3及び第2アセンブリ4が、第1ハウジング5と第2ハウジング6とが高さ方向Zに積み重ねられて相互に組み付けられた状態で、相手側コネクタ9と嵌合するコネクタ1を構成する。これにより、いわゆるキャビティが高さ方向Zに2段で構成されるコネクタを実現することが可能となる。
【0053】
また、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスWHは、第1ハウジング5、第2ハウジング6と別体で構成される第1カバー7A、第2カバー7Bにより第1端子収容溝32、第2端子収容溝42が閉塞される。これにより、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスWHは、第1端子2A及び第2端子2Bにおける各溶接部分24aを保護することができる。
【0054】
また、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスWHは、第1カバー7A及び第2カバー7Bが同一形状であり、第1端子2A及び第2端子2Bが同一形状である。これにより、第1カバー7A及び第2カバー7B、第1端子2A及び第2端子2Bを共通化することが可能となり、部品コストを低減することができる。
【0055】
また、第1カバー7Aは、当該第1カバー7Aが第1端子収容溝32に収容された状態で、第1端子2Aの挿入方向X1と反対側の抜去方向X2への移動を規制するカバー規制部(第1規制部)52を有する。第2カバー7Bは、当該第2カバー7Bが前記第2端子収容溝42に収容された状態で、第2端子2Bの挿入方向X1と反対側の抜去方向X2への移動を規制するカバー規制部(第2規制部)52を有する。これにより、ワイヤハーネス製造方法及びワイヤハーネスWHは、第1ハウジング5に対する第1端子2A、及び、第2ハウジング6に対する第2端子2Bの端子抜け止めの共用化を容易に行うことができる。
【0056】
また、第1端子2A及び第2端子2Bは、それぞれ、側壁22aから電線収容空間22c側に突出して形成された一対の被覆固定部23を有する。これにより、端末に芯線露出部Waaが設けられた電線Wを電線接続部22に組み付ける際に、当該電線Wを電線接続部22に対して開口方向Z2側から底方向Z1に向けて押し込むだけで、端子2に電線Wを容易に固定するが可能となる。
【0057】
また、第1端子2A及び第2端子2Bは、それぞれ、第1端子収容溝32の溝底部32a、第2端子収容溝42の溝底部42aと高さ方向Zに離間するように、電線収容空間22c側に凹む溶接部24を有する。これにより、第1溶接工程(ステップS2-1)及び第2溶接工程(ステップS2-2)において、芯線露出部Waaと溶接部24をレーザ溶接する際に生じた熱を、第1ハウジング5及び第2ハウジング6側に伝えにくくすることができる。
【0058】
なお、上記実施形態のワイヤハーネス製造方法では、第1収容工程(ステップS1-1)、第1溶接工程(ステップS2-1)、第1カバー組付け工程(ステップS3-1)、第2収容工程(ステップS1-2)、第2溶接工程(ステップS2-2)、第2カバー組付け工程(ステップS3-2)の順に作業が行われるが、これに限定されるものではない。上記実施形態の変形例に係るワイヤハーネス製造方法として、第2収容工程(ステップS1-2)、第2溶接工程(ステップS2-2)、第2カバー組付け工程(ステップS3-2)、第1収容工程(ステップS1-1)、第1溶接工程(ステップS2-1)、第1カバー組付け工程(ステップS3-1)の順に作業が行われてもよい。また、第1収容工程(ステップS1-1)、第1溶接工程(ステップS2-1)、及び第1カバー組付け工程(ステップS3-1)と、第2収容工程(ステップS1-2)、第2溶接工程(ステップS2-2)、及び第2カバー組付け工程(ステップS3-2)とが並行して行われてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、第1端子収容溝32、第2端子収容溝42は、レーザ溶接に適した形状を有する端子2を収容可能に形成されているが、これに限定されるものではなく、電線Wの端末に圧着された圧着端子を収容することも可能である。例えば、レーザ溶接された端子2を補修する際に、圧着端子を用いて補修することが可能となる。この場合、各第1端子収容溝32、第2端子収容溝42に収容された号口コネクタに対応するものである。
【0060】
また、上記実施形態では、コネクタ1は、高さ方向Zに積み重ねられた2つの第1アセンブリ3、第2アセンブリ4により構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、コネクタ1は、3つ以上のアセンブリで構成されていてもよい。
【0061】
また、上実施形態では、電線Wを便宜上「第1電線WA」「第2電線WB」と分けて説明したが、これら「第1電線WA」「第2電線WB」が同一仕様の電線であっても、異なる仕様の電線であってもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、端子2を便宜上「第1端子2A」「第2端子2B」と分けて説明したが、これら「第1端子2A」「第2端子2B」が同一形状、同一仕様の端子であっても、異なる形状、異なる仕様の端子であってもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、コネクタ1は、号口コネクタに対応するものとして、端子収容室32,42それぞれの列を高さ方向Zに配列したものを説明したが、これに限定されるものではなく、端子収容室32,42が高さ方向Zに3列以上配列したものであってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 コネクタ
2 端子
2A 第1端子
2B 第2端子
3 第1アセンブリ
4 第2アセンブリ
5 第1ハウジング
6 第2ハウジング
7A 第1カバー
7B 第2カバー
9 相手側コネクタ
21 端子接続部
22 電線接続部
23 被覆固定部
24 溶接部
32 第1端子収容溝
42 第2端子収容溝
WH ワイヤハーネス
W 電線
WA 第1電線
WB 第2電線
Wa 芯線
Waa 芯線露出部
Wb 絶縁被覆

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハウジングに形成された第1端子収容溝に第1端子を収容する第1収容工程と、
前記第1収容工程の後に、前記第1ハウジングの前記第1端子収容溝に収容された前記第1端子の電線接続部に、第1電線の端末に設けられた芯線露出部を接触させて前記電線接続部と前記芯線露出部とを溶接する第1溶接工程と、
前記第1溶接工程の後に、前記第1端子収容溝を閉塞するように前記第1ハウジングに第1カバーを組み付ける第1カバー組付け工程と、
第2ハウジングに形成された第2端子収容溝に第2端子を収容する第2収容工程と、
前記第2収容工程の後に、前記第2ハウジングの前記第2端子収容溝に収容された前記第2端子の電線接続部に、第2電線の端末に設けられた芯線露出部を接触させて前記電線接続部と前記芯線露出部とを溶接する第2溶接工程と、
前記第2溶接工程の後に、前記第2端子収容溝を閉塞するように前記第2ハウジングに第2カバーを組み付ける第2カバー組付け工程と、
前記第1カバー組付け工程及び前記第2カバー組付け工程の後に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを前記第1電線及び前記第2電線の延在方向と交差する高さ方向に積み重ねて相互に組み付けることにより、相手側コネクタと嵌合するコネクタを形成するコネクタ形成工程と、を含み、
前記第2ハウジングは、
当該第2ハウジングの抜去方向側の端部から前記高さ方向の一方である底方向側に突出して形成された一対のハウジング係止爪を有し、
前記第1ハウジングは、
当該第1ハウジングの幅方向の両側に形成され、前記第1ハウジングに前記第1カバーを組み付けた状態において、前記第1カバーに設けられた一対のカバー係止爪を係止する一対の被係止部を有し、
一対の前記ハウジング係止爪は、
前記第1カバーが組付けられた前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが前記高さ方向に積み重ねられて相互に組み付けられた状態で、一対の前記被係止部に係止されること特徴とする
ワイヤハーネス製造方法。
【請求項2】
前記第1カバー及び前記第2カバーは、
同一形状であり、
前記第1端子及び前記第2端子は、
同一形状であり、
前記第1電線及び前記第2電線は、
同一形状である
請求項1に記載のワイヤハーネス製造方法。
【請求項3】
前記第1カバーは、
当該第1カバーが前記第1ハウジングに組み付けられた状態で、前記第1端子の挿入方向と反対側の抜去方向への移動を規制する第1規制部を有し、
前記第2カバーは、
当該第2カバーが前記第2ハウジングに組み付けられた状態で、前記第2端子の挿入方向と反対側の抜去方向への移動を規制する第2規制部を有する
請求項1または2に記載のワイヤハーネス製造方法。
【請求項4】
軸線方向に沿って延在し導電性を有する芯線と、前記芯線の端部を芯線露出部として露出させた状態で前記芯線を覆う絶縁被覆とをそれぞれ有する第1電線及び第2電線と、
前記第1電線の前記芯線露出部が溶接された電線接続部を有する第1端子と、前記第1端子を収容する第1端子収容溝が形成された第1ハウジングと、前記第1端子収容溝に前記第1端子を収容した状態で当該第1端子収容溝を閉塞するように前記第1ハウジングに組み付けられる第1カバーとを含んで構成される第1アセンブリと、
前記第2電線の前記芯線露出部が溶接された電線接続部を有する第2端子と、前記第2端子を収容する第2端子収容溝が形成された第2ハウジングと、前記第2端子収容溝に前記第2端子を収容した状態で当該第2端子収容溝を閉塞するように前記第2ハウジングに組み付けられる第2カバーとを含んで構成される第2アセンブリと、を備え、
前記第1アセンブリ及び前記第2アセンブリは、
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが前記第1電線及び前記第2電線の延在方向と交差する高さ方向に積み重ねられて相互に組み付けられた状態で、相手側コネクタと嵌合するコネクタを構成し、
前記第2ハウジングは、
当該第2ハウジングの抜去方向側の端部から前記高さ方向の一方である底方向側に突出して形成された一対のハウジング係止爪を有し、
前記第1ハウジングは、
当該第1ハウジングの幅方向の両側に形成され、前記第1ハウジングに前記第1カバーを組み付けた状態において、前記第1カバーに設けられた一対のカバー係止爪を係止する一対の被係止部を有し、
一対の前記ハウジング係止爪は、
前記第1カバーが組付けられた前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが前記高さ方向に積み重ねられて相互に組み付けられた状態で、一対の前記被係止部に係止される
ことを特徴とするワイヤハーネス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネス製造方法は、第1ハウジングに形成された第1端子収容溝に第1端子を収容する第1収容工程と、前記第1収容工程の後に、前記第1ハウジングの前記第1端子収容溝に収容された前記第1端子の電線接続部に、第1電線の端末に設けられた芯線露出部を接触させて前記電線接続部と前記芯線露出部とを溶接する第1溶接工程と、前記第1溶接工程の後に、前記第1端子収容溝を閉塞するように前記第1ハウジングに第1カバーを組み付ける第1カバー組付け工程と、第2ハウジングに形成された第2端子収容溝に第2端子を収容する第2収容工程と、前記第2収容工程の後に、前記第2ハウジングの前記第2端子収容溝に収容された前記第2端子の電線接続部に、第2電線の端末に設けられた芯線露出部を接触させて前記電線接続部と前記芯線露出部とを溶接する第2溶接工程と、前記第2溶接工程の後に、前記第2端子収容溝を閉塞するように前記第2ハウジングに第2カバーを組み付ける第2カバー組付け工程と、前記第1カバー組付け工程及び前記第2カバー組付け工程の後に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを前記第1電線及び前記第2電線の延在方向と交差する高さ方向に積み重ねて相互に組み付けることにより、相手側コネクタと嵌合するコネクタを形成するコネクタ形成工程と、を含み、前記第2ハウジングは、当該第2ハウジングの抜去方向側の端部から前記高さ方向の一方である底方向側に突出して形成された一対のハウジング係止爪を有し、前記第1ハウジングは、当該第1ハウジングの幅方向の両側に形成され、前記第1ハウジングに前記第1カバーを組み付けた状態において、前記第1カバーに設けられた一対のカバー係止爪を係止する一対の被係止部を有し、一対の前記ハウジング係止爪は、前記第1カバーが組付けられた前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが前記高さ方向に積み重ねられて相互に組み付けられた状態で、一対の前記被係止部に係止されること特徴とする。