(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126814
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/21 20220101AFI20240912BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20240912BHJP
【FI】
H04L51/21
G06Q10/10 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035471
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】末澤 慶人
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
(57)【要約】
【課題】候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業をユーザが認識できるようにする。
【解決手段】コンピュータに、受信されたメッセージである受信メッセージを取得する機能と、受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御する機能と、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、候補メッセージに関連付けて表示するように制御する機能とを実現させるためのプログラム。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
受信されたメッセージである受信メッセージを取得する機能と、
前記受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御する機能と、
前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、当該候補メッセージに関連付けて表示するように制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
【請求項2】
前記候補メッセージを表示するように制御する機能は、複数の候補メッセージを表示するように制御し、
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージの何れかの返信に関連して実行すべき作業を含む複数の作業に関する前記作業情報を表示するように制御する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージ以外の表示要素に対する操作に応じて、前記作業情報を表示するように制御する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージのうちの第1の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第1の作業情報と、前記複数の候補メッセージのうちの第2の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第2の作業情報とを、区別して表示するように制御する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記第1の作業情報と前記第2の作業情報とを、当該第1の作業情報と当該第2の作業情報とが表示された際の表示態様により区別して表示するように制御する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記第1の作業情報と前記第2の作業情報とを、前記第1の候補メッセージに対する操作が行われた際の表示態様により区別して表示するように制御する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記候補メッセージを表示するように制御する機能は、複数の候補メッセージを表示するように制御し、
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージのうちの一の候補メッセージに対する操作に応じて、当該一の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を表示するように制御する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記一の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報として、前記複数の候補メッセージのうちの他の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業とは異なる作業に関する作業情報を表示するように制御する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち、未実行の作業に関する前記作業情報を表示し、実行済の作業に関する前記作業情報を表示しないように制御する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち、未実行の作業に関する前記作業情報と、実行済の作業に関する前記作業情報とを、区別して表示するように制御する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に対する前記未実行の作業又は前記実行済の作業の割合を更に表示するように制御する、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記候補メッセージは、文書に関連付けられており、
前記作業は、前記文書に対する操作を含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記作業情報として、前記文書の編集する箇所を示す情報を表示するように制御する、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、前記候補メッセージに対する操作に応じて、当該候補メッセージに関連付けて表示された作業情報に対応する作業を実行する機能を更に実現するための請求項1に記載のプログラム。
【請求項15】
1又は複数のプロセッサを備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
受信されたメッセージである受信メッセージを取得し、
前記受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御し、
前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、当該候補メッセージに関連付けて表示するように制御する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザのコンピューティングデバイスを介して少なくとも1人のユーザとのダイアログに関与するために自動メッセージングシステムを利用して、アクションのための特定のサービスエンティティを決定することを対象とする、方法及び装置が記載されている。
特許文献2には、考え得るアクションの概略を示すメッセージを装置に送信し、そのメッセージおよびアクションに対する情報は記憶され、応答メッセージの受信時に使用され、ユーザは、所望のアクションを指定するメッセージで応答することができ、記憶された情報を用いて、実行するアクションを決定し、そのアクションが実行される、アクショナブルなメッセージ通信が記載されている。
特許文献3には、メッセージを区分するための複数のメッセージの種類と種類別通知ウィンドウのフレームを予め定義することにより、ユーザ端末が受信したメッセージを構文解析して複数のメッセージの種類のうち受信したメッセージに対応する種類を判断すること、種類別通知ウィンドウのフレームのうち受信したメッセージの種類に対応するフレームを決めること、および受信したメッセージの種類に対応するフレームにしたがって受信したメッセージを加工し、受信したメッセージに対する通知ウィンドウを生成および提供することを含む、メッセージの受信通知方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-518279号公報
【特許文献2】特表2007-521562公報
【特許文献3】特開2017-41239公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するに過ぎない構成を採用した場合は、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業をユーザが認識できない。
【0005】
本発明の目的は、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業をユーザが認識できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、コンピュータに、受信されたメッセージである受信メッセージを取得する機能と、前記受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御する機能と、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、当該候補メッセージに関連付けて表示するように制御する機能とを実現させるためのプログラムである。
請求項2に記載の発明は、前記候補メッセージを表示するように制御する機能は、複数の候補メッセージを表示するように制御し、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージの何れかの返信に関連して実行すべき作業を含む複数の作業に関する前記作業情報を表示するように制御する、請求項1に記載のプログラムである。
請求項3に記載の発明は、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージ以外の表示要素に対する操作に応じて、前記作業情報を表示するように制御する、請求項2に記載のプログラムである。
請求項4に記載の発明は、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージのうちの第1の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第1の作業情報と、前記複数の候補メッセージのうちの第2の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第2の作業情報とを、区別して表示するように制御する、請求項2に記載のプログラムである。
請求項5に記載の発明は、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記第1の作業情報と前記第2の作業情報とを、当該第1の作業情報と当該第2の作業情報とが表示された際の表示態様により区別して表示するように制御する、請求項4に記載のプログラムである。
請求項6に記載の発明は、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記第1の作業情報と前記第2の作業情報とを、前記第1の候補メッセージに対する操作が行われた際の表示態様により区別して表示するように制御する、請求項4に記載のプログラムである。
請求項7に記載の発明は、前記候補メッセージを表示するように制御する機能は、複数の候補メッセージを表示するように制御し、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージのうちの一の候補メッセージに対する操作に応じて、当該一の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を表示するように制御する、請求項1に記載のプログラムである。
請求項8に記載の発明は、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記一の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報として、前記複数の候補メッセージのうちの他の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業とは異なる作業に関する作業情報を表示するように制御する、請求項7に記載のプログラムである。
請求項9に記載の発明は、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち、未実行の作業に関する前記作業情報を表示し、実行済の作業に関する前記作業情報を表示しないように制御する、請求項1に記載のプログラムである。
請求項10に記載の発明は、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち、未実行の作業に関する前記作業情報と、実行済の作業に関する前記作業情報とを、区別して表示するように制御する、請求項1に記載のプログラムである。
請求項11に記載の発明は、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に対する前記未実行の作業又は前記実行済の作業の割合を更に表示するように制御する、請求項10に記載のプログラムである。
請求項12に記載の発明は、前記候補メッセージは、文書に関連付けられており、前記作業は、前記文書に対する操作を含む、請求項1に記載のプログラムである。
請求項13に記載の発明は、前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記作業情報として、前記文書の編集する箇所を示す情報を表示するように制御する、請求項12に記載のプログラムである。
請求項14に記載の発明は、コンピュータに、前記候補メッセージに対する操作に応じて、当該候補メッセージに関連付けて表示された作業情報に対応する作業を実行する機能を更に実現するための請求項1に記載のプログラムである。
請求項15に記載の発明は、1又は複数のプロセッサを備え、前記1又は複数のプロセッサは、受信されたメッセージである受信メッセージを取得し、前記受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御し、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、当該候補メッセージに関連付けて表示するように制御する、情報処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業をユーザが認識できるようになる。
請求項2の発明によれば、複数の候補メッセージの何れかの返信に関連して実行すべき作業を含む複数の作業をユーザが認識できるようになる。
請求項3の発明によれば、複数の候補メッセージの何れかを操作することなく複数の作業をユーザが認識できるようになる。
請求項4の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業と、別の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業とを、ユーザが区別して認識できるようになる。
請求項5の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業と、別の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業とを、ユーザが迅速に区別して認識できるようになる。
請求項6の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業と、別の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業とを、ユーザが必要なときに区別して認識できるようになる。
請求項7の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業を、ユーザが必要なときに認識できるようになる。
請求項8の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業が、別の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業と異なることを、ユーザが認識できるようになる。
請求項9の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち未実行の作業のみを、ユーザが認識できるようになる。
請求項10の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち未実行の作業と実行済の作業とを、ユーザが区別して認識できるようになる。
請求項11の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に対する未実行の作業又は実行済の作業の割合を、ユーザが認識できるようになる。
請求項12の発明によれば、文書に関連付けられた候補メッセージの返信に関連して実行すべき文書に対する作業をユーザが認識できるようになる。
請求項13の発明によれば、文書の編集する箇所をユーザが認識できるようになる。
請求項14の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業としてユーザが認識した作業が自動実行される。
請求項15の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業をユーザが認識できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態における作業情報提案システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本実施の形態における携帯端末のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本実施の形態における推論サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】推論サーバの推論により返信メッセージの候補が表示された第1の画面の例を示す図である。
【
図5】
図4の画面で最左の返信候補ボタンが押下された場合に表示される画面の例を示す図である。
【
図6】
図5の画面で右の自動入力確認ボタンが押下された場合に表示される画面の例を示す図である。
【
図7】
図4の画面で最右の返信候補ボタンが押下された場合に表示される画面の例を示す図である。
【
図8】
図7の画面で右の自動入力確認ボタンが押下された場合に表示される画面の例を示す図である。
【
図9】
図4の画面でユーザが明示的に送信先名を選択した場合の画面の例を示す図である。
【
図10】
図4の画面でユーザが明示的に文書画像に承認印を付与した場合の画面の例を示す図である。
【
図11】推論サーバの推論により返信メッセージの候補が表示された第2の画面の例を示す図である。
【
図12】
図11の画面で作業確認ボタンが押下された場合に表示される画面の例を示す図である。
【
図13】推論サーバの推論により返信メッセージの候補が表示された第3の画面の例を示す図である。
【
図14】
図13の画面で左の返信候補ボタンが押下された場合に表示される画面の例を示す図である。
【
図15】本実施の形態における携帯端末の機能構成例を示すブロック図である。
【
図16】本実施の形態における作業情報提案システムの第1の動作例を示すシーケンス図である。
【
図17】本実施の形態における作業情報提案システムの第2の動作例を示すシーケンス図である。
【
図18】本実施の形態における作業情報提案システムの第3の動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態は、コンピュータに、受信されたメッセージである受信メッセージを取得させ、受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御させ、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、候補メッセージに関連付けて表示するように制御させるプログラムを提供する。
以下では、コンピュータとして携帯端末を例にとり、携帯端末からの要求により推論サーバが候補メッセージを推論し、作業情報を候補メッセージに関連付けて表示する場合を例にとって、説明する。
【0011】
[作業情報提案システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における作業情報提案システム1の全体構成例を示す図である。図示するように、作業情報提案システム1は、携帯端末10と、推論サーバ50とを含む。携帯端末10は、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信によりアクセスポイント70を介して通信回線80と無線接続可能になっている。また、推論サーバ50は、通信回線80に接続されている。尚、図では、携帯端末10、推論サーバ50は、1つずつしか示していないが、複数存在してもよい。また、通信回線80は、例えばインターネットとすればよい。
【0012】
携帯端末10は、ユーザがメッセージの送受信を行う際に使用する端末装置である。携帯端末10には、メッセージの送受信を行うためのメッセージングアプリケーションがインストールされている。そして、携帯端末10は、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信により、他のユーザからメッセージを受信したり、他のユーザへメッセージを送信したりする。尚、携帯端末10は、例えば、スマートフォンによって実現するとよい。本実施の形態では、コンピュータの一例として、携帯端末10を設けている。
【0013】
推論サーバ50は、携帯端末10から送られる説明変数としての情報に基づいて、目的変数としての情報を返すサーバコンピュータである。尚、推論サーバ50は、例えば、パーソナルコンピュータによって実現するとよい。
【0014】
ここで、推論サーバ50は、過去に受信したメッセージに対して入力された返信メッセージの内容や、返信メッセージの入力後に行われた過去の作業内容を機械学習によって学習することによりトレーニングされており、受信メッセージの内容をもとに返信メッセージの候補である返信候補を推論するとともに、その返信候補に関連して実行すべき作業を推論する機能を有する。以下、推論サーバ50が返信候補とその返信候補に関連して実行すべき作業を推論できるようにするための機械学習の手法について説明する。
【0015】
まず、返信候補の推論について説明する。返信候補の推論は複数のユーザ間で行われるメッセージのやり取りを機械学習で学習することにより実現する。この学習により、送信されたあるメッセージを入力値、あるメッセージに対して返信されたメッセージを出力値、として学習することで、送信されたメッセージが一意に定まったときに、返信メッセージの候補を推論するモデルを作成することができる。
【0016】
次に、返信候補に関連して実行すべき作業の推論について説明する。実行すべき作業については、過去にユーザが返信候補となる返信メッセージを入力した後に、どのような作業を実行したかといった作業履歴を機械学習で学習することにより実現する。例えば、返信メッセージを入力後、所定期間(例えば、1分)内に行われた作業内容を入力されたメッセージの内容に関連する作業であるとして学習するようにすればよい。またメッセージの内容だけでなく、メッセージの送信者、メッセージが添付されて送信されてきた文書が元々はどこの格納場所(トレイ)に格納されていたか、文書を受信する際にどこの格納場所(トレイ)に格納されたか、メッセージを受信した時間を、作業履歴に含めておき学習データに利用するようにしてもよい。
【0017】
このようにして機械学習を行った結果、推論サーバ50に、説明変数として何らかの値、例えば、メッセージの送信者に関する情報、メッセージの内容、メッセージが添付されて送信されてきた文書が元々はどこの格納場所(トレイ)に格納されていたか、文書を受信する際にどこの格納場所(トレイ)に格納されたか、といった値が入力されると、その値に対する目的変数として、返信候補及びその返信候補に関連して実行すべき作業が出力されるモデルが作成されることになる。
【0018】
尚、ここでは、推論サーバ50が返信候補に関連して実行すべき作業を推論することとしたが、推論サーバ50は、返信候補に関連して実行すべき作業項目(作業情報)と、その作業項目に対して実行すべき作業内容とを別々に推論してもよい。また、返信候補に関連して実行すべき作業項目については、推論サーバ50で推論するのではなく、返信候補にテーブル等で予め関連付けておき、推論サーバ50はその作業項目に対して実行すべき作業内容を推論するようにしてもよい。
【0019】
[携帯端末のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における携帯端末10のハードウェア構成例を示す図である。図示するように、携帯端末10は、演算手段であるプロセッサ11と、記憶手段であるRAM12及びROM13と、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行うタッチパネル14と、マイクロフォン等の音声入力機構15と、スピーカ等の音声出力機構16と、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信により他の装置との間で各種情報の送受信を行う近距離無線通信インターフェース(I/F)17とを備える。また、基地局を介して無線通信を行うための無線回路18及びアンテナ19を備える。ここで、無線回路18には、図示しないが、無線で送受信されるデジタルデータの信号処理を行うベースバンドLSIが含まれるものとする。
【0020】
[推論サーバのハードウェア構成]
図3は、本実施の形態における推論サーバ50のハードウェア構成例を示す図である。図示するように、推論サーバ50は、プロセッサ51と、メインメモリ52と、HDD(Hard Disk Drive)53とを備える。ここで、プロセッサ51は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各機能を実現する。また、メインメモリ52は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD53は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。更に、推論サーバ50は、外部との通信を行うための通信インターフェース(I/F)54と、ディスプレイ等の表示デバイス55と、キーボードやマウス等の入力デバイス56とを備える。
【0021】
[携帯端末における表示例]
以下では、ある文書が「ご確認お願いいたします。」という受信メッセージと共に送られてきた場面を例にとり、第1の実施形態として説明する。
図4は、携帯端末10に表示される画面301を示す図である。画面301は、推論サーバ50の推論により、「ご確認お願いいたします。」という受信メッセージに対する返信メッセージの候補が表示された第1の画面の例である。図示するように、画面301は、受信メッセージ表示欄311と、返信候補ボタン321a~321cと、返信メッセージ入力欄331と、作業情報表示欄341,342とを含む。
【0022】
受信メッセージ表示欄311は、他のユーザからの受信メッセージを表示するための表示欄である。
【0023】
返信候補ボタン321a~321cは、受信メッセージに対する返信メッセージの候補である返信候補を示すボタンである。返信候補ボタン321a~321cの何れかが押下されると、押下された返信候補ボタン321に示される返信メッセージが、文書の送り元である他のユーザへの送信のために入力される。また、返信候補ボタン321a~321cには、それぞれ、関連付けアイコン351a~351cが付されている。関連付けアイコン351a~351cは、色分けされている。図では、色をハッチングの種類により示している。返信候補ボタン321a~321cは、受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である複数の候補メッセージの一例である。返信候補ボタン321aは、複数の候補メッセージのうちの第1の候補メッセージの一例であり、返信候補ボタン321cは、複数の候補メッセージのうちの第2の候補メッセージの一例である。
【0024】
返信メッセージ入力欄331は、返信候補ボタン321a~321cの何れかを押下することで選択された返信候補を返信メッセージとして入力するための入力欄である。
【0025】
作業情報表示欄341,342は、返信メッセージの送信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を表示するための表示欄である。
【0026】
このうち、作業情報表示欄341は、作業情報として、他のユーザからの受信メッセージに関連付けられた承認対象の文書画像を表示しており、文書画像は、承認印欄343を含む。承認印欄343には、関連付けアイコン352aが付されている。関連付けアイコン352aは、関連付けアイコン351aと同じ色であり、これによって、返信候補ボタン321aに、承認印を入力するという作業が関連づいていることを示している。ここで、承認印欄343への承認印の入力は、文書に対する操作の一例であり、承認印欄343は、文書の編集する箇所の一例である。このとき、返信候補ボタン321aの押下に応じて、承認印欄343への承認印が自動で入力されるようにしてもよい。
【0027】
また、作業情報表示欄342は、作業情報として、承認済の文書又は未承認の文書の送信先名が入力される領域である。作業情報表示欄342には、関連付けアイコン353a~353cが付されている。関連付けアイコン353a~353cは、それぞれ、関連付けアイコン351a~351cと同じ色であり、これによって、返信候補ボタン321a~321cに、文書の送信先を入力するという作業が関連づいていることを示している。このとき、返信候補ボタン321a~321cの押下に応じて、文書の送信先が自動で入力されるようにしてもよい。
【0028】
承認印欄343及び作業情報表示欄342は、複数の候補メッセージの何れかの返信に関連して実行すべき作業を含む複数の作業に関する作業情報の一例である。
承認印欄343及び作業情報表示欄342は、第1の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第1の作業情報の一例である。また、作業情報表示欄342は、第2の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第2の作業情報の一例である。更に、画面301は、第1の作業情報と第2の作業情報とを区別して表示する画面の一例である。
【0029】
図5は、携帯端末10に表示される画面302を示す図である。画面302は、
図4の画面301で返信候補ボタン321aが押下された場合に表示される画面の例である。図示するように、画面302は、返信メッセージ入力欄331を含む。
【0030】
ここでは、返信候補ボタン321aを押下することで選択された返信候補「確認しました。」が返信メッセージとして返信メッセージ入力欄331に入力されている。また、返信メッセージ入力欄331は、自動入力確認ボタン361a,361bを含む。自動入力確認ボタン361aは、返信候補を返信メッセージとして自動入力することを許可しない場合に押下され、自動入力確認ボタン361bは、返信候補を返信メッセージとして自動入力することを許可する場合に押下される。
【0031】
図6は、携帯端末10に表示される画面303を示す図である。画面303は、
図5の画面302で自動入力確認ボタン361bが押下された場合に表示される画面の例である。図示するように、画面303は、返信メッセージ入力欄331と、作業情報表示欄341,342とを含む。
【0032】
ここでは、返信メッセージ「確認しました。」が、「ご確認お願いいたします。」の返信として返信メッセージ入力欄331に入力されている。
作業情報表示欄341,342は、前述した通り、返信メッセージの送信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を表示するための表示欄である。
このうち、作業情報表示欄341は、作業情報として、他のユーザからの受信メッセージに関連付けられた承認対象の文書画像を表示している。文書画像では、承認印欄343に承認印が自動入力されている。
また、作業情報表示欄342は、作業情報として、承認済の文書の送信先名を表示している。作業情報表示欄342には、送信先名「承認済トレイ」が自動入力されている。
【0033】
図7は、携帯端末10に表示される画面304を示す図である。画面304は、
図4の画面301で返信候補ボタン321cが押下された場合に表示される画面の例である。図示するように、画面304は、返信メッセージ入力欄331を含む。
【0034】
ここでは、返信候補ボタン321cを押下することで選択された返信候補「差し戻しです。」が返信メッセージとして返信メッセージ入力欄331に入力されている。また、返信メッセージ入力欄331は、自動入力確認ボタン361a,361bを含む。自動入力確認ボタン361aは、返信候補を返信メッセージとして自動入力することを許可しない場合に押下され、自動入力確認ボタン361bは、返信候補を返信メッセージとして自動入力することを許可する場合に押下される。
【0035】
図8は、携帯端末10に表示される画面305を示す図である。画面305は、
図7の画面304で自動入力確認ボタン361bが押下された場合に表示される画面の例である。図示するように、画面305は、返信メッセージ入力欄331と、作業情報表示欄342とを含む。
【0036】
返信メッセージ入力欄331には、返信候補ボタン321cを押下することで選択された返信メッセージ「差し戻しです。」が、「ご確認お願いいたします。」の返信として入力されている。
作業情報表示欄342は、前述した通り、返信メッセージの送信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を表示するための表示欄である。
作業情報表示欄342は、作業情報として、未承認の文書の送信先名を表示している。返信候補「差し戻しです。」には、文書の送信先を文書の送り元のユーザが管理する格納領域とすることが作業として関連付けられているので、作業情報表示欄342には、送信先名「鈴木さんの私書箱」が自動入力されている。ここで、「鈴木さんの私書箱」とは、文書を送信したユーザ(すなわち、他のユーザ)である鈴木という名前のユーザが管理している格納領域のことをいう。これにより、承認できず差し戻しとなった文書は、承認してもらうために文書を送ってきた他のユーザのもとへ差し戻されることになる。
【0037】
図9は、携帯端末10に表示される画面306を示す図である。画面306は、
図4の画面301でユーザが明示的に送信先名を選択した場合の画面の例である。図示するように、画面306は、受信メッセージ表示欄311と、返信候補ボタン321a~321cと、返信メッセージ入力欄331と、作業情報表示欄341,342とを含む。
【0038】
受信メッセージ表示欄311は、前述した通り、他のユーザからの受信メッセージを表示するための表示欄である。
返信候補ボタン321a~321cは、前述した通り、受信メッセージに対する返信メッセージの候補である返信候補を示すボタンである。
返信メッセージ入力欄331は、前述した通り、返信候補ボタン321a~321cの何れかを押下することで選択された返信候補を返信メッセージとして入力するための入力欄である。
【0039】
作業情報表示欄341,342は、前述した通り、返信メッセージの送信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を表示するための表示欄である。
このうち、作業情報表示欄341は、作業情報として、他のユーザからの受信メッセージに関連付けられた承認対象の文書画像を表示しており、文書画像は、承認印欄343を含む。承認印欄343は、推論サーバ50の推論により承認印が自動入力されることを示すために強調表示される。図では、承認印欄343はハイライトすることによって強調表示されるものとし、承認印欄343を太枠で囲むことによってこれを示している。ここで、承認印欄343への承認印の入力は、文書に対する操作の一例であり、承認印欄343は、文書の編集する箇所の一例である。
また、作業情報表示欄342は、作業情報として、承認済の文書又は未承認の文書の送信先名を表示している。ここでは、ユーザが、送信先名として「承認済トレイ」を選択している。
【0040】
図10は、携帯端末10に表示される画面307を示す図である。画面307は、
図4の画面301でユーザが明示的に文書画像に承認印を付与した場合の画面の例である。図示するように、画面307は、受信メッセージ表示欄311と、返信候補ボタン321a~321cと、返信メッセージ入力欄331と、作業情報表示欄341,342とを含む。
【0041】
受信メッセージ表示欄311は、前述した通り、他のユーザからの受信メッセージを表示するための表示欄である。
返信候補ボタン321a~321cは、前述した通り、受信メッセージに対する返信メッセージの候補である返信候補を示すボタンである。
返信メッセージ入力欄331は、前述した通り、返信候補ボタン321a~321cの何れかを押下することで選択された返信候補を返信メッセージとして入力するための入力欄である。
【0042】
作業情報表示欄341,342は、前述した通り、返信メッセージの送信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を表示するための表示欄である。
このうち、作業情報表示欄341は、作業情報として、他のユーザからの受信メッセージに関連付けられた承認対象の文書画像を表示しており、文書画像は、承認印欄343を含む。ここでは、ユーザが、承認印欄343に、「〇」スタンプを押印している。
また、作業情報表示欄342は、作業情報として、承認済の文書又は未承認の文書の送信先名を表示している。作業情報表示欄342は、推論サーバ50の推論により送信先名が自動入力されることを示すために強調表示される。図では、作業情報表示欄342はハイライトすることによって強調表示されるものとし、作業情報表示欄342を太枠で囲むことによってこれを示している。
【0043】
以下では、第2の実施形態として第1の実施形態とは異なる第2の画面の態様で、作業情報を候補メッセージに関連付けて表示する例を説明する。
図11は、携帯端末10に表示される画面401を示す図である。画面401は、推論サーバ50の推論により返信メッセージの候補が表示された第2の画面の例である。図示するように、画面401は、受信メッセージ表示欄411と、返信候補ボタン421a,421bと、返信メッセージ入力欄431とを含む。
【0044】
受信メッセージ表示欄411は、他のユーザからの受信メッセージを表示するための表示欄である。
【0045】
返信候補ボタン421a,421bは、受信メッセージに対する返信メッセージの候補である返信候補を示すボタンである。また、返信候補ボタン421a,421bは、色分けされている。図では、色をハッチングの種類により示している。尚、返信候補ボタン421a,421bは、画面401を最初に表示した際に色を付しておいてよい。返信候補ボタン421a,421bは、受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である複数の候補メッセージの一例である。返信候補ボタン421aは、複数の候補メッセージのうちの第1の候補メッセージの一例であり、返信候補ボタン421bは、複数の候補メッセージのうちの第2の候補メッセージの一例である。
【0046】
返信メッセージ入力欄431は、返信候補ボタン421a,421bの何れかを押下することで選択された返信候補を返信メッセージとして入力するための入力欄である。返信メッセージ入力欄431は、作業確認ボタン432と、送信ボタン433とを含む。
作業確認ボタン432は、返信候補ボタン421a,421bに関連付けられた作業を確認するためのボタンである。作業確認ボタン432は、複数の候補メッセージ以外の表示要素の一例である。
送信ボタン433は、返信候補ボタン421a,421bを押下することで入力された返信メッセージを送信するためのボタンである。
【0047】
図12は、携帯端末10に表示される画面402を示す図である。画面402は、
図11の画面401で作業確認ボタン432が押下された場合に表示される画面の例である。画面402は、複数の候補メッセージ以外の表示要素に対する操作に応じて、作業情報を表示する画面の一例である。図示するように、画面402は、受信メッセージ表示欄411と、返信候補ボタン421a,421bと、返信メッセージ入力欄431と、作業情報一覧表示欄440とを含む。
【0048】
受信メッセージ表示欄411は、前述した通り、他のユーザからの受信メッセージを表示するための表示欄である。
返信候補ボタン421a,421bは、前述した通り、受信メッセージに対する返信メッセージの候補である返信候補を示すボタンである。
返信メッセージ入力欄431は、前述した通り、返信候補ボタン421a,421bの何れかを押下することで選択された返信候補を返信メッセージとして入力するための入力欄である。
【0049】
作業情報一覧表示欄440は、返信メッセージの送信に関連して実行すべき作業に関する作業情報の一覧を表示するための表示欄である。作業情報一覧表示欄440は、作業情報を表示するための作業情報表示欄441~445を含む。
【0050】
このうち、作業情報表示欄441~444は、作業情報として、作業内容を文言で示す作業項目を表示している。また、作業情報表示欄445は、作業情報として、承認対象の文書画像を表示しており、文書画像は、承認印欄446を含む。
作業情報表示欄441~443は、返信候補ボタン421aと同じ色であり、これによって、返信候補ボタン421aの返信候補に作業情報表示欄441~443の作業が関連づいていることを示している。また、承認印欄446も、返信候補ボタン421aと同じ色であり、これによって、返信候補ボタン421aの返信候補に、承認印の押印という作業が関連づいていることを示している。ここで、承認印欄446への承認印の入力は、文書に対する操作の一例であり、承認印欄446は、文書の編集する箇所の一例である。尚、作業情報表示欄441~443及び承認印欄446は、画面402を最初に表示した際に色を付しておいてよい。
一方、作業情報表示欄444は、返信候補ボタン421bと同じ色であり、これによって、返信候補ボタン421bの返信候補に、作業情報表示欄444の作業が関連づいていることを示している。尚、作業情報表示欄444は、画面402を最初に表示した際に色を付しておいてよい。
【0051】
作業情報表示欄441~444及び承認印欄446は、複数の候補メッセージの何れかの返信に関連して実行すべき作業を含む複数の作業に関する作業情報の一例である。
作業情報表示欄441~443及び承認印欄446は、第1の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第1の作業情報の一例である。また、作業情報表示欄444は、第2の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第2の作業情報の一例である。更に、画面402は、第1の作業情報と第2の作業情報とを区別して表示する画面の一例である。
画面402は、第1の作業情報と第2の作業情報とを、第1の作業情報と第2の作業情報とが表示された際の表示態様により区別して表示する画面の一例である。表示態様としては、色以外にも考えられるが、ここでは、一例として、色を用いている。
【0052】
また、作業情報表示欄441~444には、それぞれ、チェックボックス471~474が設けられている。チェックボックス471~474には、それぞれ、作業情報表示欄441~444に表示された作業が実行済であれば、チェックが行われる。
画面402は、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち、未実行の作業に関する作業情報と、実行済の作業に関する作業情報とを、区別して表示する画面の一例である。
或いは、作業情報表示欄441~444のうち表示された作業が実行済である作業情報表示欄は、表示しないようにしてもよい。
【0053】
更に、返信候補ボタン421a,421bには、それぞれ、割合アイコン481a,481bが付されている。割合アイコン481a,481bは、作業情報表示欄441~444に表示された作業の中で、返信候補ボタン421a,421bに関連づいた作業のうちの実行済の作業の割合を示すアイコンである。
この場合、作業情報表示欄441~444に表示された作業の中で、返信候補ボタン421aに関連づいた作業は3つであるが、実行済の作業は存在しないので、割合アイコン481aは「0/3」となっている。
また、作業情報表示欄441~444に表示された作業の中で、返信候補ボタン421bに関連づいた作業は1つであるが、実行済の作業は存在しないので、割合アイコン481bは「0/1」となっている。
尚、割合アイコン481a,481bは、作業情報表示欄441~444に表示された作業の中で、返信候補ボタン421a,421bに関連づいた作業のうちの未実行の作業の割合を示すアイコンであってもよい。
画面402は、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に対する未実行の作業又は実行済の作業の割合を更に表示する画面の一例である。
【0054】
図13は、携帯端末10に表示される画面403を示す図である。画面403は、推論サーバ50の推論により返信メッセージの候補が表示された第3の画面の例である。図示するように、画面403は、受信メッセージ表示欄411と、返信候補ボタン421a,421bと、返信メッセージ入力欄431と、作業情報表示欄441~444とを含む。
【0055】
受信メッセージ表示欄411は、他のユーザからの受信メッセージを表示するための表示欄である。
【0056】
返信候補ボタン421a,421bは、受信メッセージに対する返信メッセージの候補である返信候補を示すボタンである。また、返信候補ボタン421a,421bは、色分けされている。図では、色をハッチングの種類により示している。返信候補ボタン421a,421bは、受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である複数の候補メッセージの一例である。返信候補ボタン421aは、複数の候補メッセージのうちの第1の候補メッセージの一例であり、返信候補ボタン421bは、複数の候補メッセージのうちの第2の候補メッセージの一例である。
【0057】
返信メッセージ入力欄431は、返信候補ボタン421a,421bの何れかを押下することで選択された返信候補を返信メッセージとして入力するための入力欄である。返信メッセージ入力欄431は、送信ボタン433を含む。
送信ボタン433は、返信候補ボタン421a,421bを押下することで入力された返信メッセージを送信するためのボタンである。
【0058】
作業情報表示欄441~444は、作業情報として、作業内容を文言で示す作業項目を表示している。
作業情報表示欄441~443は、返信候補ボタン421aと同じ色であり、これによって、返信候補ボタン421aに作業情報表示欄441~443の作業が関連づいていることを示している。
一方、作業情報表示欄444は、返信候補ボタン421bと同じ色であり、これによって、返信候補ボタン421bに作業情報表示欄444の作業が関連づいていることを示している。
【0059】
作業情報表示欄441~444は、複数の候補メッセージの何れかの返信に関連して実行すべき作業を含む複数の作業に関する作業情報の一例である。
作業情報表示欄441~443は、第1の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第1の作業情報の一例である。また、作業情報表示欄444は、第2の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第2の作業情報の一例である。更に、画面403は、第1の作業情報と第2の作業情報とを区別して表示する画面の一例である。
画面403は、第1の作業情報と第2の作業情報とを、第1の候補メッセージに対する操作が行われた際の表示態様により区別して表示する画面の一例である。表示態様としては、色以外にも考えられるが、ここでは、一例として、色を用いている。
【0060】
また、返信候補ボタン421a,421bには、それぞれ、割合アイコン481a,481bが付されている。割合アイコン481a,481bは、それぞれ、返信候補ボタン421a,421bに関連づいた作業のうちの実行済の作業の割合を示すアイコンである。
この場合、作業情報表示欄441~444に表示された作業の中で、返信候補ボタン421aに関連づいた作業は3つであり、実行済の作業は2つであるものとし、割合アイコン481aは「2/3」としている。
また、作業情報表示欄441~444に表示された作業の中で、返信候補ボタン421bに関連づいた作業は1つであり、実行済の作業は存在しないものとし、割合アイコン481bは「0/1」としている。
尚、割合アイコン481a,481bは、それぞれ、返信候補ボタン421a,421bに関連づいた作業のうちの未実行の作業の割合を示すアイコンであってもよい。
画面403は、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に対する未実行の作業又は実行済の作業の割合を更に表示する画面の一例である。
【0061】
図14は、携帯端末10に表示される画面404を示す図である。画面404は、
図13の画面403で返信候補ボタン421aが押下された場合に表示される画面の例である。図示するように、画面404は、返信メッセージ入力欄431と、作業情報表示欄441~443とを含む。
【0062】
返信メッセージ入力欄431は、前述した通り、返信候補ボタン421a,421bの何れかを押下することで選択された返信候補を返信メッセージとして入力するための入力欄である。ここでは、返信候補ボタン421aを押下したことにより、「いいですよ」が入力されている。
作業情報表示欄441~443は、返信候補ボタン421aに関連づいた作業に関する作業情報として、
図13の作業情報表示欄441~443が表示されたものである。このうち、作業情報表示欄441,442には、それぞれ、チェックマーク491,492が付されている。これにより、返信候補ボタン421aに関連づいた作業は3つであり、このうち、作業情報表示欄441,442に表示された作業が実行済であることが分かる。
画面404は、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち、未実行の作業に関する作業情報と、実行済の作業に関する作業情報とを、区別して表示する画面の一例である。
或いは、作業情報表示欄441~444のうち表示された作業が実行済である作業情報表示欄は、表示しないようにしてもよい。
この場合、画面404は、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち、未実行の作業に関する作業情報を表示し、実行済の作業に関する作業情報を表示しない画面の一例である。
【0063】
尚、
図4~
図10の例で返信候補ボタン321a~321cを押下した場合に実行される作業や、
図11~
図14の例で返信候補ボタン421a,421bを押下した場合に実行される作業としては、図示したものだけでなく、次のようなものも考えられる。
第一に、文書ファイル名を変更する作業である。例えば、「申請書_草案.pdf」を「申請書.pdf」に変更する場合等が該当する。
第二に、文書ファイルをモノクロ化する作業である。例えば、最終的に印刷する場合、コストを抑えるために確実に白黒印刷されるように、文書ファイルをモノクロ化するというものである。
第三に、文書ファイルを圧縮する作業である。例えば、クラウドストレージの容量の節約のために、文書ファイルの容量を削減するというものである。
第四に、文書ファイルを印刷する作業である。例えば、原本管理のために文書ファイルを紙に印刷するというものである。
【0064】
また、
図4~
図10の例では返信候補ボタン321a~321cを、
図11~
図14の例では返信候補ボタン421a,421bを、それぞれ画面内に並べて配置したが、これには限らない。
図4~
図10の例では3つの返信候補のうちの1つを、
図11~
図14の例では2つの返信候補のうちの1つを、それぞれ画面内に配置し、プルダウンメニュー等で他の返信候補を選択できるようにしてもよい。
【0065】
[携帯端末の機能構成]
図15は、このような概略動作を行う携帯端末10の機能構成例を示すブロック図である。図示するように、携帯端末10は、受信部21と、表示制御部22と、操作受付部23と、送信部24と、変数取得部25と、比較部26と、作業実行部27とを備える。
【0066】
受信部21は、他のユーザからメッセージを受信し、これを受信メッセージとして保持する。その際、受信部21は、受信メッセージと共に、この受信メッセージに記述された作業の対象となる文書ファイルを受信してもよい。本実施の形態では、受信されたメッセージである受信メッセージを取得する機能の一例として、受信部21のこの機能を用いている。
また、受信部21は、受信メッセージに対する返信メッセージの候補である返信候補を推論サーバ50が推論すると、推論サーバ50からその返信候補を受信する。そして、受信部21は、返信候補を、受信メッセージと共に受信した文書ファイルに関連付けて保持する。本実施の形態では、受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージの一例として、返信候補を用いている。また、本実施の形態では、文書に関連付けられた候補メッセージの一例として、返信候補を用いている。
更に、受信部21は、返信候補を返信メッセージとして返信する際に実行すべき作業内容を推論サーバ50が推論すると、推論サーバ50からその作業内容を受信する。
【0067】
表示制御部22は、受信部21が他のユーザから受信した受信メッセージに対して、そのユーザを送信先として返信メッセージを送信するための送信先画面を表示するように、タッチパネル14を制御する。
また、表示制御部22は、受信部21が推論サーバ50から受信した複数の返信候補を含む画面を表示するように、タッチパネル14を制御する。本実施の形態では、候補メッセージを表示するように制御する機能の一例として、表示制御部22のこの機能を用いている。
その際、表示制御部22は、返信候補を返信メッセージとして返信する際に実行すべき作業に関する作業情報を返信候補に関連付けてこの画面に表示するように、タッチパネル14を制御する。ここで、作業情報は、推論サーバ50の推論により特定されたものであってもよいし、返信候補に予め関連付けておくことにより特定されたものであってもよい。本実施の形態では、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、候補メッセージに関連付けて表示するように制御する機能の一例として、表示制御部22のこの機能を用いている。
更に、表示制御部22は、返信メッセージ及び作業内容の自動入力を行うかどうかを確認するための確認ダイアログを表示するように、タッチパネル14を制御することもある。
更にまた、表示制御部22は、ユーザが入力した作業内容と推論サーバ50から受信した作業内容とが一致しない場合に、警告を行う警告ダイアログを表示するように、タッチパネル14を制御することもある。
【0068】
操作受付部23は、複数の返信候補を含む画面がタッチパネル14に表示されている場合に、ユーザが複数の返信候補から何れかの返信候補を選択する操作を受け付ける。
その際、操作受付部23は、ユーザが作業内容を入力する操作を受け付けることもある。
また、操作受付部23は、確認ダイアログがタッチパネル14に表示されている場合に、ユーザが自動入力を許可するかどうかを入力する操作を受け付ける。
更に、操作受付部23は、警告ダイアログがタッチパネル14に表示されている場合に、ユーザが入力した作業内容の実行を許可するかどうかを入力する操作を受け付ける。
【0069】
送信部24は、受信メッセージに対する返信候補を目的変数として推論サーバ50に推論させるために、推論サーバ50へ説明変数を送信する。
また、送信部24は、返信候補を返信メッセージとして返信する際に実行すべき作業内容を目的変数として推論サーバ50に推論させるために、推論サーバ50へ説明変数を送信する。
更に、送信部24は、推論サーバ50にモデルを再学習させるために、推論サーバ50へ説明変数及び目的変数を送信する。
更にまた、送信部24は、他のユーザへ返信メッセージを送信する。
【0070】
変数取得部25は、表示制御部22がタッチパネル14に表示した画面から、受信メッセージに対する返信候補を推論サーバ50に推論させるための説明変数を取得する。
また、変数取得部25は、表示制御部22がタッチパネル14に表示した画面から、返信候補を返信メッセージとして返信する際に実行すべき作業内容を推論サーバ50に推論させるための説明変数を取得する。
更に、変数取得部25は、表示制御部22がタッチパネル14に表示した画面から、推論サーバ50にモデルを再学習させるための説明変数及び目的変数を取得する。
【0071】
比較部26は、受信部21が推論サーバ50から受信した作業内容と、操作受付部23が入力を受け付けた作業内容とが一致するかを比較することがある。
【0072】
作業実行部27は、受信部21が推論サーバ50から受信した作業内容又は操作受付部23が入力を受け付けた作業内容を実行する。本実施の形態では、候補メッセージに対する操作に応じて、候補メッセージに関連付けて表示された作業情報に対応する作業を実行する機能の一例として、作業実行部27を用いている。
また、作業実行部27は、各作業が未実行であるか実行済であるかを管理し、変数取得部25が取得した推論サーバ50に推論させるため説明変数から、実行済の作業に関する説明変数を除外することもある。
【0073】
[作業情報提案システムの動作例]
図16は、作業情報提案システム1の第1の動作例を示すシーケンス図である。この動作例は、携帯端末10が他のユーザからメッセージを受信し、このメッセージに対して返信しようとした際に、開始する。
【0074】
図示するように、まず、携帯端末10は、送信先画面を表示する(ステップ101)。具体的には、ユーザの操作により、表示制御部22が、送信先画面を表示するようにタッチパネル14を制御する。ここで、送信先画面とは、他のユーザからの受信メッセージに対し、そのユーザを送信先として返信メッセージを送信するための画面である。送信先画面は、
図4~
図8の例では、
図4で返信候補ボタン321a~321cや作業情報表示欄341~343が表示される前の画面に相当する。また、送信先画面は、
図11~
図14の例では、
図11、
図13で返信候補ボタン421a,421bや作業情報表示欄441~444が表示される前の画面に相当する。
【0075】
次に、携帯端末10は、ステップ101で表示された送信先画面から説明変数を取得し、この説明変数を推論サーバ50へ送信する(ステップ102)。具体的には、変数取得部25が、送信先画面から説明変数を取得し、送信部24が、無線回路18を介してこの説明変数を推論サーバ50へ送信する。ここで、説明変数は、
図4~
図8の例でも、
図11~
図14の例でも、受信メッセージとすればよい。
【0076】
これにより、推論サーバ50は、ステップ102で送信された説明変数を受信する(ステップ301)。
そして、推論サーバ50は、ステップ301で受信した説明変数に基づいて、目的変数として、返信メッセージの候補である返信候補を推論し、この返信候補を携帯端末10へ送信する(ステップ302)。
【0077】
すると、携帯端末10は、ステップ302で送信された返信候補を受信する(ステップ103)。具体的には、受信部21が、無線回路18を介して返信候補を推論サーバ50かから受信する。
【0078】
次に、携帯端末10は、ステップ103で受信した返信候補と、返信候補を返信メッセージとして送信する際に実行すべき作業に関する作業情報とを含む画面を表示する(ステップ104)。具体的には、表示制御部22が、返信候補と作業情報とを含む画面を表示するようにタッチパネル14を制御する。ここで、返信候補は、
図4~
図8の例では、返信候補ボタン321a~321cが示す返信候補に相当し、
図11~
図14の例では、返信候補ボタン421a,421bが示す返信候補に相当する。また、作業情報とは、例えば、作業の対象となる画面上の領域やデータ、作業の内容を文言で示す作業項目等である。携帯端末10は、推論サーバ50の推論により作業情報を特定してもよいし、返信候補に予め関連付けておくことにより作業情報を特定してもよい。表示制御部22は、作業情報を強調表示するようにタッチパネル14を制御してもよい。ここで、作業情報は、
図4~
図8の例では、作業情報表示欄341の承認印欄343及び作業情報表示欄342に相当し、
図11~
図14の例では、作業情報表示欄441~444及び作業情報表示欄445の承認印欄446に相当する。
【0079】
次に、携帯端末10は、ステップ104で表示された返信候補からのユーザの選択を受け付ける(ステップ105)。具体的には、ユーザが返信候補を選択すると、操作受付部23が、この選択を受け付ける。尚、ユーザは、返信候補を選択せずに、直接文字入力してもよい。
【0080】
次に、携帯端末10は、推論による作業を含めた自動入力を行うかどうか確認する(ステップ106)。具体的には、表示制御部22が、自動入力を行うかどうかの確認ダイアログを表示するようにタッチパネル14を制御する。ここで、確認ダイアログは、
図4~
図8の例では、
図5又は
図7の画面に相当する。
そして、携帯端末10は、自動入力を行うことが許可されたかどうかを判定する(ステップ107)。具体的には、操作受付部23が、確認ダイアログでOKボタンがタップされたかどうかを判定する。ここで、OKボタンは、
図4~
図8の例では、
図5又は
図7の自動入力確認ボタン361bに相当する。このように自動入力を行うかどうかを確認することにより、予期しない自動入力が行われることが防止される。或いは、確認ダイアログでOKボタンを押下する代わりに、例えば、シェイクジェスチャ(携帯端末10を振る動作)等によって自動入力を許可してもよい。
【0081】
ステップ107で自動入力を行うことが許可されたと判定されれば、携帯端末10は、処理をステップ108へ進める。或いは、携帯端末10は、ステップ106及びステップ107を実行せずに、処理をステップ108へ進めてもよい。
そこで、携帯端末10は、ステップ104で表示された画面から説明変数を取得し、この説明変数を推論サーバ50へ送信する(ステップ108)。具体的には、変数取得部25が、画面から説明変数を取得し、送信部24が、無線回路18を介してこの説明変数を推論サーバ50へ送信する。ここで、説明変数は、
図4~
図8の例では、送信者、送信元トレイ、受信トレイ、返信メッセージとすればよい。
【0082】
これにより、推論サーバ50は、ステップ108で送信された説明変数を受信する(ステップ303)。
そして、推論サーバ50は、ステップ303で受信した説明変数に基づいて、目的変数として、作業内容を推論し、この作業内容を携帯端末10へ送信する(ステップ304)。具体的には、推論サーバ50は、説明変数として入力された文字列に基づいて、ランダムフォレスト、勾配ブースティング木等の機械学習(分類)を用いて、推論処理を行う。その際、ユーザ毎にフィルタをかけて推論処理を行ってよく、こうすることで、無関係な推論が除外されることが期待できる。ここで、目的変数は、
図4~
図8の例では、
図6の承認印欄343への承認印の入力及び作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の入力、又は
図8の作業情報表示欄342への「鈴木さんの私書箱」の入力とすればよい。また、目的変数は、
図11~
図14の例では、
図12の作業情報表示欄441~444の作業内容の実行及び承認印欄446への承認印の入力、又は
図13の作業情報表示欄441~444の作業内容の実行とすればよい。
【0083】
すると、携帯端末10は、ステップ304で送信された作業内容を受信する(ステップ109)。具体的には、受信部21が、無線回路18を介して作業内容を受信する。
次に、携帯端末10は、作業内容を実行し、自動入力された返信メッセージを送信する(ステップ110)。また、ステップ107で自動入力を行うことが許可されなかった場合も、携帯端末10は、作業内容を実行し、ユーザが入力した返信メッセージを送信する(ステップ110)。具体的には、まず、作業実行部27が作業内容を実行する。つまり、作業実行部27は、
図4~
図8の例では、
図6の承認印欄343への承認印の自動入力及び作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の自動入力、又は
図8の作業情報表示欄342への「鈴木さんの私書箱」の自動入力を行う。その際、表示制御部22は、自動入力個所を、ユーザが分かるようにハイライトしてもよい。このようにハイライトすることで、どの部分が変更されたかをユーザが確認することができる。そして、ユーザが返信メッセージの送信を指示すると、送信部24が、無線回路18を介して返信メッセージを他のユーザへ送信する。
【0084】
その後、携帯端末10は、説明変数とこのときに入力されていた目的変数とを推論サーバ50へ送信する(ステップ111)。具体的には、変数取得部25が、ステップ109で表示された画面から説明変数と目的変数とを取得し、送信部24が、無線回路18を介してこの説明変数と目的変数とを推論サーバ50へ送信する。ここで、説明変数は、
図4~
図8の例では、送信者、送信元トレイ、受信トレイ、返信メッセージとすればよい。また、目的変数は、
図4~
図8の例では、
図6の承認印欄343への承認印の入力及び作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の入力、又は
図8の作業情報表示欄342への「鈴木さんの私書箱」の入力とすればよい。
【0085】
これにより、推論サーバ50は、ステップ111で送信された説明変数と目的変数とを受信する(ステップ305)。
そして、推論サーバ50は、ステップ305で受信した説明変数と目的変数とを用いて、推論に用いるモデルの再学習を行う(ステップ306)。こうすることで、次回の推論の精度の向上を期待することができる。
【0086】
以上の動作により、ユーザが選択した返信候補をトリガーとして、自動的に作業内容を実行でき、大幅に操作ステップを減らすことができる。また、機械学習(分類)を行うことで、事前のデータや作業定義が不要となる。
【0087】
尚、この動作例では、推論サーバ50が推論処理を行うこととしたが、携帯端末10が推論処理を行うようにしてもよい。
【0088】
図17は、作業情報提案システム1の第2の動作例を示すシーケンス図である。この動作例も、携帯端末10が他のユーザからメッセージを受信し、このメッセージに対して返信しようとした際に、開始する。
【0089】
図示するように、まず、携帯端末10は、送信先画面を表示する(ステップ121)。具体的には、ユーザの操作により、表示制御部22が、送信先画面を表示するようにタッチパネル14を制御する。ここで、送信先画面とは、他のユーザからの受信メッセージに対し、そのユーザを送信先として返信メッセージを送信するための画面である。送信先画面は、
図9及び
図10の例では、返信候補ボタン321a~321cや作業情報表示欄341~343が表示される前の画面に相当する。また、送信先画面は、
図11~
図14の例では、
図11、
図13で返信候補ボタン421a,421bや作業情報表示欄441~444が表示される前の画面に相当する。
【0090】
次に、携帯端末10は、ステップ121で表示された送信先画面から説明変数を取得し、この説明変数を推論サーバ50へ送信する(ステップ122)。具体的には、変数取得部25が、送信先画面から説明変数を取得し、送信部24が、無線回路18を介してこの説明変数を推論サーバ50へ送信する。ここで、説明変数は、
図9及び
図10の例でも、
図11~
図14の例でも、受信メッセージとすればよい。
【0091】
これにより、推論サーバ50は、ステップ122で送信された説明変数を受信する(ステップ321)。
そして、推論サーバ50は、ステップ321で受信した説明変数に基づいて、目的変数として、返信メッセージの候補である返信候補を推論し、この返信候補を携帯端末10へ送信する(ステップ322)。
【0092】
すると、携帯端末10は、ステップ322で送信された返信候補を受信する(ステップ123)。具体的には、受信部21が、無線回路18を介して返信候補を推論サーバ50かから受信する。
【0093】
次に、携帯端末10は、ステップ123で受信した返信候補と、返信候補を返信メッセージとして送信する際に実行すべき作業に関する作業情報とを含む画面を表示する(ステップ124)。具体的には、表示制御部22が、返信候補と作業情報とを含む画面を表示するようにタッチパネル14を制御する。ここで、返信候補は、
図9及び
図10の例では、返信候補ボタン321a~321cが示す返信候補に相当し、
図11~
図14の例では、返信候補ボタン421a,421bが示す返信候補に相当する。また、作業情報とは、例えば、作業の対象となる画面上の領域やデータ、作業の内容を文言で示す作業項目等である。携帯端末10は、推論サーバ50の推論により作業情報を特定してもよいし、返信候補に予め関連付けておくことにより作業情報を特定してもよい。表示制御部22は、作業情報を強調表示するようにタッチパネル14を制御してもよい。ここで、作業情報は、
図9及び
図10の例では、作業情報表示欄341の承認印欄343及び作業情報表示欄342に相当し、
図11~
図14の例では、作業情報表示欄441~444及び作業情報表示欄445の承認印欄446に相当する。
【0094】
次に、携帯端末10は、ステップ124で表示された返信候補からのユーザの選択を受け付ける(ステップ125)。具体的には、ユーザが返信候補を選択すると、操作受付部23が、この選択を受け付ける。尚、ユーザは、返信候補を選択せずに、直接文字入力してもよい。
【0095】
次に、携帯端末10は、推論による作業を含めた自動入力を行うかどうか確認する(ステップ126)。具体的には、表示制御部22が、自動入力を行うかどうかの確認ダイアログを表示するようにタッチパネル14を制御する。
そして、携帯端末10は、自動入力を行うことが許可されたかどうかを判定する(ステップ127)。具体的には、操作受付部23が、確認ダイアログでOKボタンがタップされたかどうかを判定する。このように自動入力を行うかどうかを確認することにより、予期しない自動入力が行われることが防止される。或いは、確認ダイアログでOKボタンを押下する代わりに、例えば、シェイクジェスチャ(携帯端末10を振る動作)等によって自動入力を許可してもよい。
【0096】
ステップ127で自動入力を行うことが許可されたと判定されれば、携帯端末10は、処理をステップ128へ進める。或いは、携帯端末10は、ステップ126及びステップ127を実行せずに、処理をステップ128へ進めてもよい。
そこで、携帯端末10は、ステップ124で表示された画面から実行済の作業内容以外の説明変数を取得し、この説明変数を推論サーバ50へ送信する(ステップ128)。具体的には、変数取得部25が、画面から説明変数を取得し、作業実行部27が、実行済の作業内容があるかどうかを判定する。そして、実行済の作業内容がないと判定されれば、送信部24が、無線回路18を介してこの説明変数をそのまま推論サーバ50へ送信する。また、実行済の作業内容があると判定されれば、変数取得部25が、説明変数から実行済の作業内容の説明変数を除外し、送信部24が、無線回路18を介して、この除外後の説明変数を推論サーバ50へ送信する。ここで、説明変数は、
図9の例では、送信者、送信元トレイ、受信トレイ、返信メッセージ、作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の入力とすればよい。また、説明変数は、
図10の例では、送信者、送信元トレイ、受信トレイ、返信メッセージ、承認印欄343への承認印の入力とすればよい。尚、作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の入力及び承認印欄343への承認印の入力の両方が行われている場合、携帯端末10は、処理をステップ130へ進める。
【0097】
これにより、推論サーバ50は、ステップ128で送信された説明変数を受信する(ステップ323)。
そして、推論サーバ50は、ステップ323で受信した説明変数に基づいて、目的変数として、作業内容を推論し、この作業内容を携帯端末10へ送信する(ステップ324)。具体的には、推論サーバ50は、説明変数として入力された文字列に基づいて、ランダムフォレスト、勾配ブースティング木等の機械学習(分類)を用いて、推論処理を行う。その際、ユーザ毎にフィルタをかけて推論処理を行ってよく、こうすることで、無関係な推論が除外されることが期待できる。ここで、目的変数は、
図9の例では、承認印欄343への承認印の入力とすればよく、
図10の例では、作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の入力とすればよい。
【0098】
すると、携帯端末10は、ステップ324で送信された作業内容を受信する(ステップ129)。具体的には、受信部21が、無線回路18を介して作業内容を受信する。
次に、携帯端末10は、作業内容を実行し、自動入力された返信メッセージを送信する(ステップ130)。また、ステップ127で自動入力を行うことが許可されなかった場合も、携帯端末10は、作業内容を実行し、ユーザが入力した返信メッセージを送信する(ステップ130)。具体的には、まず、作業実行部27が作業内容を実行する。つまり、作業実行部27は、
図9の例では、承認印欄343への承認印の自動入力を行い、
図10の例では、作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の自動入力を行う。その際、表示制御部22は、自動入力個所を、ユーザが分かるようにハイライトしてもよい。このようにハイライトすることで、どの部分が変更されたかをユーザが確認することができる。そして、ユーザが返信メッセージの送信を指示すると、送信部24が、無線回路18を介して返信メッセージを他のユーザへ送信する。
【0099】
その後、携帯端末10は、説明変数とこのときに入力されていた目的変数とを推論サーバ50へ送信する(ステップ131)。具体的には、変数取得部25が、ステップ129で表示された画面から説明変数と目的変数とを取得し、送信部24が、無線回路18を介してこの説明変数と目的変数とを推論サーバ50へ送信する。ここで、説明変数は、
図9及び
図10の例では、送信者、送信元トレイ、受信トレイ、返信メッセージとすればよい。また、目的変数は、
図9及び
図10の例では、承認印欄343への承認印の入力及び作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の入力とすればよい。
【0100】
これにより、推論サーバ50は、ステップ131で送信された説明変数と目的変数とを受信する(ステップ325)。
そして、推論サーバ50は、ステップ325で受信した説明変数と目的変数とを用いて、推論に用いるモデルの再学習を行う(ステップ326)。こうすることで、次回の推論の精度の向上を期待することができる。
【0101】
以上の動作により、ユーザが選択した返信候補をトリガーとして、自動的に作業内容を実行でき、大幅に操作ステップを減らすことができる。また、機械学習(分類)を行うことで、事前のデータや作業定義が不要となる。更に、
図16のシーケンス図の動作を行った場合、ユーザが事前に意図的に項目を入力した場合が考慮されていないため、自動入力による不適切候補の表示が起きる問題があるが、このシーケンス図の動作を適用することで、そのような問題を回避できる。
【0102】
尚、この動作例では、推論サーバ50が推論処理を行うこととしたが、携帯端末10が推論処理を行うようにしてもよい。
【0103】
図18は、作業情報提案システム1の第3の動作例を示すシーケンス図である。この動作例も、携帯端末10が他のユーザからメッセージを受信し、このメッセージに対して返信しようとした際に、開始する。
【0104】
図示するように、まず、携帯端末10は、送信先画面を表示する(ステップ141)。具体的には、ユーザの操作により、表示制御部22が、送信先画面を表示するようにタッチパネル14を制御する。ここで、送信先画面とは、他のユーザからの受信メッセージに対し、そのユーザを送信先として返信メッセージを送信するための画面である。送信先画面は、
図4~
図10の例では、
図4、
図9、
図10で返信候補ボタン321a~321cや作業情報表示欄341~343が表示される前の画面に相当する。また、送信先画面は、
図11~
図14の例では、
図11、
図13で返信候補ボタン421a,421bや作業情報表示欄441~444が表示される前の画面に相当する。
【0105】
次に、携帯端末10は、ステップ141で表示された送信先画面から説明変数を取得し、この説明変数を推論サーバ50へ送信する(ステップ142)。具体的には、変数取得部25が、送信先画面から説明変数を取得し、送信部24が、無線回路18を介してこの説明変数を推論サーバ50へ送信する。ここで、説明変数は、
図4~
図10の例でも、
図11~
図14の例でも、受信メッセージとすればよい。
【0106】
これにより、推論サーバ50は、ステップ142で送信された説明変数を受信する(ステップ341)。
そして、推論サーバ50は、ステップ341で受信した説明変数に基づいて、目的変数として、返信メッセージの候補である返信候補を推論し、この返信候補を携帯端末10へ送信する(ステップ342)。
【0107】
すると、携帯端末10は、ステップ342で送信された返信候補を受信する(ステップ143)。具体的には、受信部21が、無線回路18を介して返信候補を推論サーバ50かから受信する。
【0108】
次に、携帯端末10は、ステップ143で受信した返信候補と、返信候補を返信メッセージとして送信する際に実行すべき作業に関する作業情報とを含む画面を表示する(ステップ144)。具体的には、表示制御部22が、返信候補と作業情報とを含む画面を表示するようにタッチパネル14を制御する。ここで、返信候補は、
図4~
図10の例では、返信候補ボタン321a~321cが示す返信候補に相当し、
図11~
図14の例では、返信候補ボタン421a,421bが示す返信候補に相当する。また、作業情報とは、例えば、作業の対象となる画面上の領域やデータ、作業の内容を文言で示す作業項目等である。携帯端末10は、推論サーバ50の推論により作業情報を特定してもよいし、返信候補に予め関連付けておくことにより作業情報を特定してもよい。表示制御部22は、作業情報を強調表示するようにタッチパネル14を制御してもよい。ここで、作業情報は、
図4~
図10の例では、作業情報表示欄341の承認印欄343及び作業情報表示欄342に相当し、
図11~
図14の例では、作業情報表示欄441~444及び作業情報表示欄445の承認印欄446に相当する。
【0109】
次に、携帯端末10は、ステップ144で表示された返信候補からのユーザの選択を受け付ける(ステップ145)。具体的には、ユーザが返信候補を選択すると、操作受付部23が、この選択を受け付ける。尚、ユーザは、返信候補を選択せずに、直接文字入力してもよい。
【0110】
次に、携帯端末10は、作業内容の入力を受け付ける(ステップ146)。具体的には、ユーザが作業内容を入力し、返信メッセージの送信を指示すると、作業実行部27が、この作業内容の入力を受け付ける。つまり、作業実行部27は、
図4~
図10の例では、承認印欄343への承認印の入力及び作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の入力、又は作業情報表示欄342への「鈴木さんの私書箱」の入力を受け付ける。
【0111】
次に、携帯端末10は、ステップ144で表示された画面から説明変数を取得し、この説明変数を推論サーバ50へ送信する(ステップ147)。具体的には、変数取得部25が、画面から説明変数を取得し、送信部24が、無線回路18を介してこの説明変数を推論サーバ50へ送信する。ここで、説明変数は、
図4~
図10の例では、送信者、送信元トレイ、受信トレイ、返信メッセージとすればよい。
【0112】
これにより、推論サーバ50は、ステップ147で送信された説明変数を受信する(ステップ343)。
そして、推論サーバ50は、ステップ343で受信した説明変数に基づいて、目的変数として、作業内容を推論し、この作業内容を携帯端末10へ送信する(ステップ344)。具体的には、推論サーバ50は、説明変数として入力された文字列に基づいて、ランダムフォレスト、勾配ブースティング木等の機械学習(分類)を用いて、推論処理を行う。その際、ユーザ毎にフィルタをかけて推論処理を行ってよく、こうすることで、無関係な推論が除外されることが期待できる。ここで、目的変数は、
図4~
図10の例では、
図6の承認印欄343への承認印の入力及び作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の入力、又は
図8の作業情報表示欄342への「鈴木さんの私書箱」の入力とすればよい。また、目的変数は、
図11~
図14の例では、
図12の作業情報表示欄441~444の作業内容の実行及び承認印欄446への承認印の入力、又は
図13の作業情報表示欄441~444の作業内容の実行とすればよい。
【0113】
すると、携帯端末10は、ステップ344で送信された作業内容を受信する(ステップ148)。具体的には、受信部21が、無線回路18を介して作業内容を受信する。
そして、携帯端末10は、ステップ148で受信した作業内容と、ステップ146で入力された作業内容とが一致するかどうかを判定する(ステップ149)。具体的には、比較部26が、これらの作業内容が一致するかどうかを判定する。
ステップ149で作業内容が一致しないと判定されれば、携帯端末10は、警告を行う(ステップ150)。具体的には、表示制御部22が、警告ダイアログを表示するようにタッチパネル14を制御する。
そして、携帯端末10は、作業内容の実行が許可されたかどうかを判定する(ステップ151)。具体的には、操作受付部23が、OKボタンが押下されたかどうかを判定する。
ステップ151で作業内容の実行が許可されていないと判定されれば、携帯端末10は、処理をステップ146へ戻す。
ステップ151で作業内容の実行が許可されたと判定されれば、携帯端末10は、処理をステップ152へ進める。また、ステップ149で作業内容が一致すると判定された場合も、携帯端末10は、処理をステップ152へ進める。
そこで、携帯端末10は、作業内容を実行し、自動入力された返信メッセージを送信する(ステップ152)。具体的には、まず、作業実行部27が入力された作業内容を実行する。そして、ユーザが返信メッセージの送信を指示すると、送信部24が、無線回路18を介して返信メッセージを他のユーザへ送信する。
【0114】
その後、携帯端末10は、説明変数とこのときに入力されていた目的変数とを推論サーバ50へ送信する(ステップ153)。具体的には、変数取得部25が、ステップ146で表示された画面から説明変数と目的変数とを取得し、送信部24が、無線回路18を介してこの説明変数と目的変数とを推論サーバ50へ送信する。ここで、説明変数は、
図4~
図10の例では、送信者、送信元トレイ、受信トレイ、返信メッセージとすればよい。また、目的変数は、
図4~
図10の例では、
図6の承認印欄343への承認印の入力及び作業情報表示欄342への「承認済トレイ」の入力、又は
図8の作業情報表示欄342への「鈴木さんの私書箱」の入力とすればよい。
【0115】
これにより、推論サーバ50は、ステップ151で送信された説明変数と目的変数とを受信する(ステップ345)。
そして、推論サーバ50は、ステップ345で受信した説明変数と目的変数とを用いて、推論に用いるモデルの再学習を行う(ステップ346)。こうすることで、次回の推論の精度の向上を期待することができる。
【0116】
以上の動作により、ユーザが事前に意図的に作業内容を入力したがその作業内容が誤っている場合に、その誤りについてユーザに気付かせることができる。
【0117】
尚、この動作例では、推論サーバ50が推論処理を行うこととしたが、携帯端末10が推論処理を行うようにしてもよい。
【0118】
[変形例]
上記では、携帯端末10が、受信メッセージを取得し、返信候補を表示するように制御し、返信候補を返信メッセージとして返信する際に実行すべき作業に関する作業情報を、返信候補に関連付けて表示するように制御したが、これには限らない。例えば、図示しないアプリケーションサーバが、受信メッセージを取得し、返信候補を表示するように制御し、返信候補を返信メッセージとして返信する際に実行すべき作業に関する作業情報を、返信候補に関連付けて表示するように制御してもよい。具体的には、アプリケーションサーバは、携帯端末10から受信メッセージを取得するとよい。また、アプリケーションサーバは、返信候補を携帯端末10に送信することにより、返信候補を携帯端末10に表示するように制御するとよい。更に、アプリケーションサーバは、作業情報を携帯端末10に送信することにより、作業情報を携帯端末10に表示するように制御するとよい。尚、アプリケーションサーバも、
図3に示したハードウェア構成を有するものであってよい。
【0119】
この場合、このアプリケーションサーバは、1又は複数のプロセッサを備え、1又は複数のプロセッサは、受信されたメッセージである受信メッセージを取得し、受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御し、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、候補メッセージに関連付けて表示するように制御する、情報処理システムの一例である。
尚、この場合の「システム」とは、複数の装置によって構成されたものでもよいし、単一の装置によって構成されたものでもよい。
【0120】
[プロセッサ]
本実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
また、本実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0121】
[プログラム]
本実施の形態における作業情報提案システム1が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
この場合、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、受信されたメッセージである受信メッセージを取得する機能と、受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御する機能と、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、候補メッセージに関連付けて表示するように制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0122】
[付記]
(((1)))
コンピュータに、
受信されたメッセージである受信メッセージを取得する機能と、
前記受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御する機能と、
前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、当該候補メッセージに関連付けて表示するように制御する機能と
を実現させるためのプログラム。
(((2)))
前記候補メッセージを表示するように制御する機能は、複数の候補メッセージを表示するように制御し、
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージの何れかの返信に関連して実行すべき作業を含む複数の作業に関する前記作業情報を表示するように制御する、(((1)))に記載のプログラム。
(((3)))
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージ以外の表示要素に対する操作に応じて、前記作業情報を表示するように制御する、(((2)))に記載のプログラム。
(((4)))
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージのうちの第1の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第1の作業情報と、前記複数の候補メッセージのうちの第2の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する第2の作業情報とを、区別して表示するように制御する、(((2)))に記載のプログラム。
(((5)))
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記第1の作業情報と前記第2の作業情報とを、当該第1の作業情報と当該第2の作業情報とが表示された際の表示態様により区別して表示するように制御する、(((4)))に記載のプログラム。
(((6)))
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記第1の作業情報と前記第2の作業情報とを、前記第1の候補メッセージに対する操作が行われた際の表示態様により区別して表示するように制御する、(((4)))に記載のプログラム。
(((7)))
前記候補メッセージを表示するように制御する機能は、複数の候補メッセージを表示するように制御し、
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記複数の候補メッセージのうちの一の候補メッセージに対する操作に応じて、当該一の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を表示するように制御する、(((1)))に記載のプログラム。
(((8)))
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記一の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報として、前記複数の候補メッセージのうちの他の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業とは異なる作業に関する作業情報を表示するように制御する、(((7)))に記載のプログラム。
(((9)))
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち、未実行の作業に関する前記作業情報を表示し、実行済の作業に関する前記作業情報を表示しないように制御する、(((1)))乃至(((8)))の何れかに記載のプログラム。
(((10)))
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち、未実行の作業に関する前記作業情報と、実行済の作業に関する前記作業情報とを、区別して表示するように制御する、(((1)))乃至(((8)))の何れかに記載のプログラム。
(((11)))
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に対する前記未実行の作業又は前記実行済の作業の割合を更に表示するように制御する、(((10)))に記載のプログラム。
(((12)))
前記候補メッセージは、文書に関連付けられており、
前記作業は、前記文書に対する操作を含む、(((1)))乃至(((11)))の何れかに記載のプログラム。
(((13)))
前記作業情報を表示するように制御する機能は、前記作業情報として、前記文書の編集する箇所を示す情報を表示するように制御する、(((12)))に記載のプログラム。
(((14)))
コンピュータに、前記候補メッセージに対する操作に応じて、当該候補メッセージに関連付けて表示された作業情報に対応する作業を実行する機能を更に実現するための(((1)))乃至(((13)))の何れかに記載のプログラム。
(((15)))
1又は複数のプロセッサを備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
受信されたメッセージである受信メッセージを取得し、
前記受信メッセージに対して返信されるメッセージの候補である候補メッセージを表示するように制御し、
前記候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に関する作業情報を、当該候補メッセージに関連付けて表示するように制御する、
情報処理システム。
【0123】
(((1)))の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業をユーザが認識できるようになる。
(((2)))の発明によれば、複数の候補メッセージの何れかの返信に関連して実行すべき作業を含む複数の作業をユーザが認識できるようになる。
(((3)))の発明によれば、複数の候補メッセージの何れかを操作することなく複数の作業をユーザが認識できるようになる。
(((4)))の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業と、別の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業とを、ユーザが区別して認識できるようになる。
(((5)))の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業と、別の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業とを、ユーザが迅速に区別して認識できるようになる。
(((6)))の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業と、別の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業とを、ユーザが必要なときに区別して認識できるようになる。
(((7)))の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業を、ユーザが必要なときに認識できるようになる。
(((8)))の発明によれば、ある候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業が、別の候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業と異なることを、ユーザが認識できるようになる。
(((9)))の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち未実行の作業のみを、ユーザが認識できるようになる。
(((10)))の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業のうち未実行の作業と実行済の作業とを、ユーザが区別して認識できるようになる。
(((11)))の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業に対する未実行の作業又は実行済の作業の割合を、ユーザが認識できるようになる。
(((12)))の発明によれば、文書に関連付けられた候補メッセージの返信に関連して実行すべき文書に対する作業をユーザが認識できるようになる。
(((13)))の発明によれば、文書の編集する箇所をユーザが認識できるようになる。
(((14)))の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業としてユーザが認識した作業が自動実行される。
(((15)))の発明によれば、候補メッセージの返信に関連して実行すべき作業をユーザが認識できるようになる。
【符号の説明】
【0124】
1…作業情報提案システム、10…携帯端末、21…受信部、22…表示制御部、23…操作受付部、24…送信部、25…変数取得部、26…比較部、27…作業実行部、50…推論サーバ