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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126816
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ソケット及び検査用ソケット
(51)【国際特許分類】
   H01R 33/76 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
H01R33/76 505Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035475
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 秀之
【テーマコード(参考)】
5E024
【Fターム(参考)】
5E024CA19
(57)【要約】
【課題】電気部品への押圧の負荷を分散可能なソケット及び検査用ソケットを提供すること。
【解決手段】ソケットは、第1電気部品及び第2電気部品を電気的に接続するソケットであって、第1電気部品を収容可能な収容部と、第1電気部品及び第2電気部品を電気的に接続するコンタクトピンと、開状態及び閉状態に回動可能に設けられ、閉状態において、収容部に収容された第1電気部品の上面を押圧する押圧部を有する、ラッチ部と、を備え、ラッチ部は、収容部における第1電気部品の配置中心線を挟んで対向してそれぞれ配置され、それぞれのラッチ部は、配置中心線から配置中心線と直交する第1方向における押圧部による上面の押圧位置までの距離が互いに異なる複数のラッチを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気部品及び第2電気部品を電気的に接続するソケットであって、
前記第1電気部品を収容可能な収容部と、
前記第1電気部品及び前記第2電気部品を電気的に接続するコンタクトピンと、
開位置及び閉位置間を回動可能に設けられ、閉位置において前記収容部に収容された前記第1電気部品の上面を押圧する押圧部を有する、ラッチ部と、
を備え、
前記ラッチ部は、前記収容部における前記第1電気部品の配置中心線を挟んで対向してそれぞれ配置され、
それぞれの前記ラッチ部は、前記配置中心線から前記配置中心線と直交する第1方向における前記押圧部による前記上面の押圧位置までの距離が互いに異なる複数のラッチを含む、
ソケット。
【請求項2】
それぞれの前記ラッチ部は、前記配置中心線に沿う第2方向の両端部側の第1及び第2ラッチと、前記第1及び第2ラッチの間に配置される第3ラッチとを有し、前記第1及び第2ラッチにおける前記距離は、前記第3ラッチにおける前記距離より短い、
請求項1に記載のソケット。
【請求項3】
前記第1、第2及び第3ラッチにおいて、前記押圧部は前記第2方向に沿って延在し、
前記第3ラッチの前記押圧部が延在する長さは、前記第1及び第2ラッチの前記押圧部が延在する長さより長い、
請求項2に記載のソケット。
【請求項4】
前記第1方向で対向する前記第1ラッチの対の前記押圧部による前記押圧位置の離間距離、及び、前記第1方向で対向する前記第2ラッチの対の前記押圧部による前記押圧位置の離間距離は、いずれも、前記コンタクトピンの配置領域の前記第1方向における幅より短い、
請求項3に記載のソケット。
【請求項5】
前記第1及び第2ラッチの前記押圧部が前記上面に接触するタイミングは、前記第3ラッチの前記押圧部が前記上面に接触するタイミングと異なる、
請求項2に記載のソケット。
【請求項6】
前記第1及び第2ラッチの回動に伴って、前記第1電気部品の側面に対して接触又は離間するよう移動する壁面部と、前記上面に対して接触又は離間するよう移動する突出部と、を有する移動部材を備え、
前記移動部材は、前記第1及び第2ラッチが前記閉位置へ回動すると、前記壁面部が前記側面に接触し、前記突出部が前記第1及び第2ラッチの前記押圧部に押圧されて前記上面に接触する、
請求項2に記載のソケット。
【請求項7】
前記第1及び第2ラッチにおいて、前記押圧部は前記第1方向に沿って延在し、
前記第3ラッチにおいて、前記押圧部は前記第2方向に沿って延在する、
請求項2に記載のソケット。
【請求項8】
前記第1及び第2ラッチの前記押圧部の前記第1方向における長さは、前記第3ラッチの前記押圧部の前記第1方向における幅よりも長い、
請求項7に記載のソケット。
【請求項9】
前記第1及び第2ラッチにおいて、前記押圧部は、前記第1及び第2ラッチの回動軸とは異なる回動軸周りに回動可能に支持される、
請求項7に記載のソケット。
【請求項10】
第1電気部品の電気的特性の検査に用いる検査用ソケットであって、
請求項1から9のいずれか一項に記載のソケットを備える検査用ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソケット及び検査用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集積回路(IC)を包装した、所謂、ICパッケージなどの電気部品を、外部との電気的接続のために収容するソケットとして、例えば、ICソケットが知られている。ICソケットは、例えば、電気部品を出荷検査する際に、その電気的特性を検査するために使用されている。
【0003】
ICソケットの1つの形態として、収容部に収容されたICパッケージの上面を、回動可能なラッチの先端部で押圧して、ICパッケージの端子とコンタクトピンとを電気的に接続するものが知られている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-134251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ICパッケージの多端子化に伴い、多数のコンタクトピンを設けて、多数の端子と多数のコンタクトピンとを接触させて(多ピン接触)、電気的接続を図るようにしている。多ピン接触のためには、ICパッケージを押圧するラッチの押圧力を大きくする必要があるが、上述したようなICソケットにおいては、ICパッケージの上面の2箇所を押圧しているので、ICパッケージに局所的に高負荷が掛かることになる。局所的に高負荷が掛かると、ICパッケージに傷や跡が付く等の可能性が考えられるため、ICパッケージへの押圧の負荷を分散可能なICソケットが求められている。
【0006】
本発明の目的は、電気部品への押圧の負荷を分散可能なソケット及び検査用ソケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るソケットは、
第1電気部品及び第2電気部品を電気的に接続するソケットであって、
前記第1電気部品を収容可能な収容部と、
前記第1電気部品及び前記第2電気部品を電気的に接続するコンタクトピンと、
開位置及び閉位置間を回動可能に設けられ、閉位置において前記収容部に収容された前記第1電気部品の上面を押圧する押圧部を有する、ラッチ部と、
を備え、
前記ラッチ部は、前記収容部における前記第1電気部品の配置中心線を挟んで対向してそれぞれ配置され、
それぞれの前記ラッチ部は、前記配置中心線から前記配置中心線と直交する第1方向における前記押圧部による前記上面の押圧位置までの距離が互いに異なる複数のラッチを含む。
【0008】
本発明に係る検査用ソケットは、
第1電気部品の電気的特性の検査に用いる検査用ソケットであって、
前記ソケットを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電気部品への押圧の負荷を分散することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の実施の形態に係るソケットを示す図であって、ラッチ部を開けた状態を示す斜視図である。
図1B図1Aに示したソケットにおいて、ラッチ部を閉じた状態を示す斜視図である。
図2A図1Aに示したラッチ部を開けた状態のソケットの上面図である。
図2B図1Bに示したラッチ部を閉じた状態のソケットの上面図である。
図3】第1電気部品の上面において、ラッチ部の押圧部の押圧位置を示す図である。
図4A図1Aに示したラッチ部を開けた状態のソケットの側面図である。
図4B図1Bに示したラッチ部を閉じた状態のソケットの側面図である。
図5A図2Aに示したラッチ部を開けた状態のソケットのA-A線矢示断面図である。
図5B図2Bに示したラッチ部を閉じた状態のソケットのB-B線矢示断面図である。
図6図1Aに示したソケットにおける第1ラッチを示す斜視図であって、斜め下方側から見た図である。
図7図1Aに示したソケットにおける第3ラッチを示す斜視図であって、斜め下方側から見た図である。
図8A】本発明の実施の形態に係るソケットの変形例(変形例1)を説明する断面図であって、第1及び第2ラッチを開けた状態における移動部材を示す図である。
図8B図8Aに示した移動部材であって、第1及び第2ラッチを閉じた状態における移動部材を示す図である。
図9】本発明の実施の形態に係るソケットの変形例(変形例2)を示す図であって、ラッチ部を閉じた状態を示す上面図である。
図10図9に示したソケットの中心線C1での断面図であって、ラッチ部を閉じた状態を示す図である。
図11A図9に示したソケットのD-D線矢示断面図であって、ラッチ部を開けた状態を示す図である。
図11B図9に示したソケットのD-D線矢示断面図であって、ラッチ部を閉じた状態を示す図である。
図12図9に示したソケットにおける第1ラッチの先端部分を示す図である。
図13】第1電気部品の上面において、図9に示したソケットにおけるラッチ部の押圧部の押圧位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
本実施の形態では、ソケットの一例として、検査用ソケットを例示するが、本発明は、外部との電気的接続のために電気部品を収容するソケットであれば適用可能である。また、各図面においては、説明の便宜上、X軸、Y軸及びZ軸からなる三次元直交座標系を示し、以降において、Z方向は「上下方向」と呼ぶ場合がある。
【0013】
[ソケット]
本実施の形態に係るソケットについて、図1A図5Bを参照して説明を行う。
【0014】
図1Aは、本実施の形態に係るソケット1を示す図であって、ラッチ部20を開けた状態を示す斜視図である。図1Bは、ソケット1において、ラッチ部20を閉じた状態を示す斜視図である。図2Aは、ラッチ部20を開けた状態のソケット1の上面図である。図2Bは、ラッチ部20を閉じた状態のソケット1の上面図である。図3は、被検査体100の上面において、ラッチ部20の押圧部211A~押圧部231A、211B~231Bの押圧位置を示す図である。
【0015】
また、図4Aは、ラッチ部20を開けた状態のソケット1の側面図である。図4Bは、ラッチ部20を閉じた状態のソケット1の側面図である。図5Aは、図2Aに示したラッチ部20を開けた状態のソケット1のA-A線矢示断面図である。図5Bは、図2Bに示したラッチ部20を閉じた状態のソケット1のB-B線矢示断面図である。
【0016】
ソケット1は、ICパッケージなどの被検査体100(第1電気部品)の電気的特性を検査するときに使用する。ソケット1は、図示省略した配線基板(第2電気部品)上に配置されて、検査を行う検査装置の配線基板の端子と被検査体100の端子101(図3を参照)との電気的接続を行う。
【0017】
ICパッケージとしては、例えば、BGA(Ball Grid Array)タイプ、LGA(Land Grid Array)タイプ等のICパッケージを適用可能である。また、ICパッケージとしては、BGAタイプやLGAタイプに限らず、他の形態のICパッケージでもよい。
【0018】
本実施の形態において、ソケット1は、ベース部10、ラッチ部20(ラッチ部20A、20B)を備える。
【0019】
[ベース部]
ベース部10は、ソケット1の基部となる部分である。ベース部10は、ベース本体11と、枠部12と、接続部13とを有する。
【0020】
ベース本体11は、平面視が矩形状であり、その内側部(中央部)に矩形状の開口部(図示省略)を有する。開口部の周縁に枠部12が配置されている。
【0021】
枠部12の外側であって、ベース本体11の上面には、複数の支持部11a、11bが立設されている。複数の支持部11aと複数の支持部11bとは、後述する収容部14における被検査体100の配置中心線である中心線C1に対して、互いに線対称に構成されて、配置されている。
【0022】
複数の支持部11aは、中心線C1に沿う方向であるY方向(本発明における第2方向)に沿って配置され、ラッチ部20Aと共に、軸部15aが挿通される。支持部11a及び軸部15aにより、ラッチ部20Aは回動可能に支持される。同様に、複数の支持部11bは、Y方向に沿って配置され、ラッチ部20Bと共に、軸部15bが挿通される。支持部11b及び軸部15bにより、ラッチ部20Bは回動可能に支持される。
【0023】
また、ベース本体11の外側部には、ラッチ部20を閉じる方向に付勢する付勢部材(図示省略)を挿入する挿入穴16が複数配置されている。
【0024】
枠部12は、平面視が矩形枠形状であり、その内側部(中央部)に矩形状の開口部を有する。枠部12は、その下部に取り付けられる接続部13が底部となり、当該底部と枠部12の内壁により、被検査体100を収容する収容部14を形成する。
【0025】
接続部13は、ベース本体11及び枠部12の下部に取り付けられる。ここでは、図示は省略するが、接続部13において、開口部に露出する領域には、接続部13を厚さ方向(上下方向)に貫通する多数のコンタクトピンが配置されている。
【0026】
コンタクトピンは、導電性を有し、伸縮可能に構成されている。コンタクトピンは、上端部が被検査体100の端子101と接触し、下端部が配線基板の端子と接触して、被検査体100と配線基板との電気的接続を行うよう配置されている。例えば、収容部14に収容される被検査体100は、後述するラッチ部20に押圧され、被検査体100の端子101がコンタクトピンに押し付けられて、端子101とコンタクトピンとが接触して、電気的に接続することになる。
【0027】
なお、上述した接続部13は、例えば、BGAタイプやLGAタイプのICパッケージに対応する構成であるが、検査対象の被検査体100に応じて、接続部13の構成は適宜に変更可能である。
【0028】
[ラッチ部]
ラッチ部20は、一対のラッチ部20A、20Bを有し、ラッチ部20A、20Bは、開位置及び閉位置間を回動可能にベース部10に設けられている。具体的には、上述したように、ラッチ部20Aは、支持部11a及び軸部15aに回動可能に支持され、ラッチ部20Bは、支持部11b及び軸部15bに回動可能に支持されている。ラッチ部20A、20Bは、開位置において、ベース部10の収容部14への被検査体100の出し入れを可能とし、閉位置において、被検査体100の上面を押圧するよう構成されている。
【0029】
ラッチ部20A、20Bは、中心線C1と直交するX方向(本発明における第1方向)の両側にそれぞれ配置される。ラッチ部20A、20Bは、被検査体100の辺100a、100b、100c、100dの周縁を押圧するよう配置される。それぞれのラッチ部20A、20Bは、少なくとも3つのラッチを有する。
【0030】
ここでは、一例として、ラッチ部20Aは、ベース本体11において、Y方向の両端部側の第1ラッチ21A及び第2ラッチ22Aと、第1ラッチ21A及び第2ラッチ22Aの間に配置される第3ラッチ23Aとを有する。第1ラッチ21A、第2ラッチ22A及び第3ラッチ23Aは、同じ軸部15aを回動中心として回動する。
【0031】
また、ラッチ部20Bは、ベース本体11において、Y方向の両端部側の第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bと、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bの間に配置される第3ラッチ23Bとを有する。第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bは、同じ軸部15bを回動中心として回動する。
【0032】
第1ラッチ21A、第2ラッチ22A及び第3ラッチ23Aと、第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bとは、中心線C1に対して、互いに線対称に構成されて、配置されている。また、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A及び第3ラッチ23Aは、中心線C1に直交する中心線C2に対して線対称的に配置され、第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bも、中心線C2に対して線対称的に配置されている。
【0033】
第1ラッチ21A、第2ラッチ22A及び第3ラッチ23Aは、一方の端部にそれぞれ押圧部211A、押圧部221A及び押圧部231Aを有する。押圧部211A、押圧部221A及び押圧部231Aは、閉位置において、被検査体100の上面を押圧するよう構成されている。
【0034】
ここで、図3に示すように、押圧時における押圧部211A~231Aによる被検査体100の上面の押圧位置を、それぞれ、211Ap~231Apとする。ラッチ部20Aは、X方向において中心線C1から押圧位置211Ap~231Apまでの距離が互いに異なる複数のラッチを含む。ここでは、一例として、X方向において中心線C1から押圧位置211Ap、221Apまでの距離L11と、X方向において中心線C1から押圧位置231Apまでの距離L21と、が異なる。このように、ラッチ部20Aは、距離L11と距離L21とが互いに異なる、第1ラッチ21A及び第2ラッチ22Aと第3ラッチ23Aとを含む。
【0035】
なお、押圧位置211Ap~231Apに関しては、X方向において被検査体100の辺100aから押圧位置211Ap~231Apまでの距離L12、L22が互いに異なるとも言える。つまり、ラッチ部20Aは、距離L12と距離L22とが互いに異なる、第1ラッチ21A及び第2ラッチ22Aと第3ラッチ23Aとを含む。
【0036】
ここでは、一例として、図3に示すように、距離L11<距離L21としているが、例えば、被検査体100の端子101やコンタクトピンの配置等に応じて、距離L11>距離L21としてもよい。このように、距離L11と距離L21とが異なる押圧部211A、押圧部221A及び押圧部231Aを用いて、被検査体100の上面を押圧している。そのため、被検査体100の上面を押圧する負荷を分散して押圧することになり、局所的に高負荷が掛かることを防止することができる。
【0037】
また、押圧部211A、押圧部221A及び押圧部231Aは、ラッチ部20Aの軸部15aの軸方向(Y方向)に沿って延在する。そして、押圧部231Aが延在する長さは、押圧部211A及び押圧部221Aが延在する長さより長い。このように、押圧部231Aが延在する長さを長くすることにより、被検査体100の上面に接触する長さ(面積)を大きくし、被検査体100の上面を押圧する負荷を分散して、局所的に高負荷が掛かることを防止するようにしている。
【0038】
同様に、第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bは、一方の端部にそれぞれ押圧部211B、押圧部221B及び押圧部231Bを有する。押圧部211B、押圧部221B及び押圧部231Bは、閉位置において、被検査体100の上面を押圧するよう構成されている。
【0039】
ここで、図3に示すように、押圧時における押圧部211B~231Bによる被検査体100の上面の押圧位置を、それぞれ、211Bp~231Bpとする。ラッチ部20Bは、X方向において中心線C1から押圧位置211Bp~231Bpまでの距離が互いに異なる複数のラッチを含む。ここでは、一例として、X方向において中心線C1から押圧位置211Bp、221Bpまでの距離L11と、X方向において中心線C1から押圧位置231Bpまでの距離L21と、が異なる。このように、ラッチ部20Bは、距離L11と距離L21とが互いに異なる、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bと第3ラッチ23Bとを含む。
【0040】
なお、押圧位置211Bp~231Bpに関しては、X方向において被検査体100の辺100bから押圧位置211Bp~231Bpまでの距離L12、L22が互いに異なるとも言える。つまり、ラッチ部20Bは、距離L12と距離L22とが互いに異なる、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bと第3ラッチ23Bとを含む。
【0041】
また、押圧位置211Ap~231Ap及び押圧位置211Bp~231Bpに関しては、押圧位置211Ap、211Bpの離間距離及び押圧位置221Ap、221Bpの離間距離と、押圧位置231Ap、231Bpの離間距離とが互いに異なるとも言える。つまり、ラッチ部20A、20Bは、離間距離(=L11+L11)と離間距離(=L21+L21)とが互いに異なる、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第3ラッチ23A、第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bを含む。
【0042】
ここでは、一例として、図3に示すように、距離L11<距離L21としているが、例えば、被検査体100の端子101やコンタクトピンの配置等に応じて、距離L11>距離L21としてもよい。このように、距離L11と距離L21とが異なる押圧部211B、押圧部221B及び押圧部231Bを用いて、被検査体100の上面を押圧している。そのため、被検査体100の上面を押圧する負荷を分散して押圧することになり、局所的に高負荷が掛かることを防止することができる。
【0043】
また、押圧部211B、押圧部221B及び押圧部231Bは、ラッチ部20Bの軸部15bの軸方向に沿って延在する。そして、押圧部231Bが延在する長さは、押圧部211B及び押圧部221Bが延在する長さより長い。このように、押圧部231Bが延在する長さを長くすることにより、被検査体100の上面に接触する長さ(面積)を大きくし、被検査体100の上面を押圧する負荷を分散して、局所的に高負荷が掛かることを防止するようにしている。
【0044】
押圧位置211Ap~231Ap及び押圧位置211Bp~231Bpは、被検査体100の上面において、コンタクトピンの配置領域の外側である。ここでは、一例として、押圧位置211Ap~231Ap及び押圧位置211Bp~231Bpは、図3に示すように、被検査体100の端子101、つまり、コンタクトピンの配置領域の外側である、被検査体100の周縁部である。
【0045】
仮に、押圧力が強い場合、押圧位置211Ap~231Ap及び押圧位置211Bp~231Bpの真下に端子101及びコンタクトピンがあると、端子101及びコンタクトピンに大きな負荷が掛かる可能性がある。ここでは、押圧位置211Ap~231Ap及び押圧位置211Bp~231Bpを、端子101及びコンタクトピンの配置領域の外側とすることにより、端子101及びコンタクトピンに大きな負荷が直接的に掛からないようにしている。
【0046】
また、上述したように、押圧部231A、231BはY方向に延在し、押圧部211A、221A、211B、221Bが延在する長さより長い。ここでは、図3に示すように、押圧部231A、231Bの押圧位置231Ap、231Bpは、被検査体100の辺100a、100bの全長に近い長さである。そのため、押圧部231A、231Bは、辺100a、100bの略全長に渡って、辺100a、100bの周縁を押圧することになる。
【0047】
そして、ここでは、被検査体100の辺100c、100dに沿って押圧することに近くなるよう、押圧部211A、221A、211B、221Bの押圧位置211Ap、221Ap、211Bp、221Bpを以下の配置としている。具体的には、図3に示すように、押圧位置211Ap、211Bpの離間距離(=L11+L11)及び押圧位置221Ap、221Bpの離間距離(=L11+L11)が、X方向における端子101の配置領域の幅L3より短くなるようにしている。つまり、離間距離(=L11+L11)は、X方向におけるコンタクトピンの配置領域の幅より短い。
【0048】
このように、押圧部211A~231A及び押圧部211B~231Bにより、被検査体100の4辺100a、100b、100c、100dに沿って、その周縁を押圧するようにしている。このようにして、2辺だけでなく、4辺100a、100b、100c、100dに沿って、その周縁を押圧するようにして、局所的に高負荷が掛かることを防止するようにしている。
【0049】
ここで、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第3ラッチ23A、第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bについて、図6及び図7を参照して説明する。
【0050】
図6は、ソケット1における第1ラッチ21Aを示す斜視図であって、斜め下方側から見た図である。図7は、ソケット1における第3ラッチ23Aを示す斜視図であって、斜め下方側から見た図である。図6においては、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bを代表して、第1ラッチ21Aを図示する。また、図7においては、第3ラッチ23A及び第3ラッチ23Bを代表して、第3ラッチ23Aを図示する。
【0051】
第1ラッチ21Aは、図6に示すように、押圧部211A、爪部212A、本体部213A、操作部214Aを有する。
【0052】
本体部213Aは、挿通孔215Aを有し、軸部15aが挿通され、軸部15aにより支持部11aに回動可能に支持される。
【0053】
爪部212Aは、軸部15aに直交する方向の一方向に本体部213Aから延在され、その先端部に上述した押圧部211Aが配置されている。
【0054】
操作部214Aは、上記の一方向とは逆の方向に本体部213Aから延在される。操作部214Aの下面側には、第1ラッチ21Aを閉じる方向に付勢する付勢部材(図示省略)を挿入する挿入穴216Aが複数配置されている。
【0055】
従って、操作部214Aが押し下げられると、軸部15aを回動中心として、第1ラッチ21Aは開方向へ回動し、押圧部211Aは開位置へ移動する。一方、操作部214Aの押し下げをやめると、付勢部材の付勢力により、軸部15aを回動中心として、第1ラッチ21Aは閉方向へ回動し、押圧部211Aは閉位置へ移動し、被検査体100の上面を押圧することになる。
【0056】
第3ラッチ23Aは、基本的には、第1ラッチ21Aと同等の構成である。具体的には、第3ラッチ23Aは、図7に示すように、押圧部231A、爪部232A、本体部233A、操作部234Aを有する。
【0057】
本体部233Aは、挿通孔235Aを有し、軸部15aが挿通され、軸部15aにより支持部11aに回動可能に支持される。
【0058】
爪部232Aは、軸部15aに直交する方向の一方向に本体部233Aから延在され、その先端部に上述した押圧部231Aが配置されている。
【0059】
操作部234Aは、上記の一方向とは逆の方向に本体部233Aから延在される。操作部234Aの下面側には、第3ラッチ23Aを閉じる方向に付勢する付勢部材(図示省略)を挿入する挿入穴236Aが複数配置されている。操作部234Aは、外部からの操作力を受けると、下方へ移動し、外部からの操作力がなくなると、付勢部材の付勢力により、上方へ移動する。付勢部材としては、例えば、コイルスプリング等を使用する。
【0060】
従って、外部からの操作力により操作部234Aが押し下げられると、軸部15aを回動中心として、第3ラッチ23Aは開方向へ回動し、押圧部231Aは開位置へ移動する。一方、外部からの操作力がなくなると、付勢部材の付勢力により、操作部234Aは上方へ移動し、軸部15aを回動中心として、第3ラッチ23Aは閉方向へ回動し、押圧部231Aは閉位置へ移動し、被検査体100の上面を押圧することになる。
【0061】
[ソケットへの被検査体の収容]
以上の構成を有するソケット1への被検査体100の収容について、以下に説明する。なお、ソケット1の下部には、配線基板が取り付けられているものとする。
【0062】
被検査体100は、例えば、自動搬送装置(図示省略)を用いて、ソケット1の収容部14の上方に搬送される。この状態では、図4B図5Bに示すように、ラッチ部20は閉じた状態である。
【0063】
自動搬送装置は、その操作部材(図示省略)を用いて、ラッチ部20の操作部214A~234A、214B~234Bに操作力を上方から付与し、付勢部材の付勢力に抗して、操作部214A~234A、214B~234Bを押し下げ、この状態を維持する。
【0064】
操作部材により、操作部214A~234A、214B~234Bを押し下げると、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第3ラッチ23A、第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bは、開方向に回動する。
【0065】
これに伴い、図4A図5Aに示すように、押圧部211A~231A、211B~231Bを有する爪部212A~232A、212B~232Bは上方に移動する。これにより、収容部14は、上方に開放された状態となり、被検査体100を収容部14に収容可能となる。
【0066】
自動搬送装置は、被検査体100を収容部14に収容する(図4A図5Aを参照)。このとき、枠部12の内壁側に配置されているテーパー状の案内部(図示省略)により、被検査体100を収容部14に案内するようにしている。
【0067】
被検査体100の収容部14への収容後、自動搬送装置は、操作部材を上方に移動させる。操作部材からの操作力がなくなると、付勢部材の付勢力により、操作部214A~234A、214B~234Bは上方へ移動する。
【0068】
これに伴い、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A及び第3ラッチ23Aは、軸部15aを回動中心として、閉方向へ回動し、押圧部211A~231Aは閉位置へ移動し、被検査体100の上面を押圧することになる(図4B図5Bを参照)。同様に、第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bは、軸部15bを回動中心として、閉方向へ回動し、押圧部211B~231Bは閉位置へ移動し、被検査体100の上面を押圧することになる。
【0069】
このとき、上述したように、押圧部231A、231Bと押圧部211A、211B、221A、221Bとでは、中心線C1から異なる距離で押圧している。そのため、被検査体100の上面を押圧する負荷を分散して押圧することになり、被検査体100に局所的に高負荷が掛かることを防止することができる。
【0070】
なお、操作部材を、例えば、操作部234A、234Bに接触する部分が突出し、操作部214A、224A、214B、224Bに接触する部分が凹んだ形状としてもよい。又は、操作部材が操作部214A~234A、214B~234Bに接触する部分を平坦とし、操作部234A、234Bが操作部214A、224A、214B、224Bより上方に突出した形状としてもよい。
【0071】
以上のような形状とすることにより、第3ラッチ23A、23Bと第1ラッチ21A、21B及び第2ラッチ22A、22Bとで、開閉動作のタイミングをずらすことができる。特に、押圧部231A、231Bと押圧部211A、211B、221A、221Bとで、被検査体100の上面を押圧するタイミングをずらすことにより、段階的に押圧するようにして、被検査体100に対する押圧の負荷を時間的に分散することができる。
【0072】
[効果]
以上説明したように、本実施の形態によれば、押圧部231A、231Bと押圧部211A、211B、221A、221Bとでは、中心線C1から異なる距離で押圧している。そのため、被検査体100の上面を押圧する負荷を分散して押圧することになり、被検査体100に局所的に高負荷が掛かることを防止することができる。
【0073】
<変形例1>
図8Aは、本実施の形態に係るソケット1の変形例を説明する断面図であって、第1ラッチ21A、21B及び第2ラッチ22A、22Bを開けた状態における移動部材30を示す図である。図8Bは、図8Aに示した移動部材30であって、第1ラッチ21A、21B及び第2ラッチ22A、22Bを閉じた状態における移動部材を示す図である。図8A図8Bにおいては、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bを代表して、第1ラッチ21A及び移動部材30を図示する。
【0074】
上記実施の形態では、ソケット1において、枠部12の内側に被検査体100を収容して、被検査体100の上面を上述したラッチ部20で押圧する構成であった。この枠部12の一部に、以下に説明する移動部材30を設けて、被検査体100の側面を押圧すると共に、その上面を押圧する構成にしてもよい。
【0075】
本変形例において、移動部材30は、第1ラッチ21Aの回動に伴って、被検査体100の側面に対して接触又は離間するよう移動する壁面部31と、被検査体100の上面に対して接触又は離間するよう移動する突出部32と、を有する。
【0076】
移動部材30は、第1ラッチ21Aが閉位置へ回動すると、壁面部31が被検査体100の側面に接触し、その後、突出部32が第1ラッチ21Aの押圧部211Aに押圧されて、被検査体100の上面に接触する。一方、第1ラッチ21Aが開位置へ回動すると、壁面部31が被検査体100の側面から離間し、突出部32が被検査体100の上面から離間する。
【0077】
移動部材30は、図示は省略するが、被検査体100の側面に対して接触又は離間する方向(X方向)に移動可能な第1移動部材と、第1移動部材に上下方向(Z方向)に移動可能に支持された第2移動部材と、を有する。上述した壁面部31及び突出部32は第2移動部材に設けられている。
【0078】
第1移動部材は、被検査体100の側面に接触する方向に付勢部材により付勢されている。第1ラッチ21Aが開位置のときには、例えば、第1ラッチ21Aに設けた係止部材により、第1移動部材を係止して、壁面部31が被検査体100の側面から離間した状態を維持している。
【0079】
第1ラッチ21Aが閉位置へ回動すると、係止部材による係止状態が解除され、付勢部材による付勢力により、第1移動部材は被検査体100の側面に接触する方向に移動する。第1移動部材の移動により、壁面部31は、被検査体100の側面に接触して、X方向における位置決めを行うことになる。
【0080】
第2移動部材は、上方に付勢部材により付勢されている。第1ラッチ21Aが開位置のときには、付勢部材による付勢力以外に、第2移動部材に作用する力はないため、第2移動部材は上方の位置にあり、突出部32が被検査体100の上面から離間した状態である。
【0081】
第1ラッチ21Aが閉位置へ回動すると、上述したように、壁面部31が被検査体100の側面に接触し、その後、突出部32が第1ラッチ21Aの押圧部211Aに押圧されて、被検査体100の上面に接触する。
【0082】
このような移動部材30が、第1ラッチ21Aだけでなく、第2ラッチ22A、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bに対しても設けられている。
【0083】
以上のような構成を有する本変形例のソケット1においては、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bの回動に伴って、移動部材30が移動することになる。
【0084】
例えば、上述した自動搬送装置の操作部材により、操作部214A~234A、214B~234Bを押し下げると、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第3ラッチ23A、第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bは開方向に回動する。
【0085】
これに伴い、上述したように、押圧部211A~231A、211B~231Bを有する爪部212A~232A、212B~232Bは上方に移動する。
【0086】
加えて、本変形例では、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bの開方向への回動に伴って、壁面部31は被検査体100の側面となる位置から離間し、突出部32は被検査体100の上面となる位置から離間する。以上により、収容部14は、上方に開放された状態となる。
【0087】
そして、自動搬送装置が、被検査体100を収容部14に収容し、操作部材を上方に移動させると、操作部材からの操作力がなくなり、付勢部材の付勢力により、操作部214A~234A、214B~234Bは上方へ移動する。
【0088】
これに伴い、上述したように、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第3ラッチ23A、第1ラッチ21B、第2ラッチ22B及び第3ラッチ23Bは閉方向に回動し、押圧部211A~231A、211B~231Bは閉位置へ移動する。このとき、押圧部231A、231Bは、被検査体100の上面を押圧することになる。
【0089】
加えて、本変形例では、第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bの閉方向への回動に伴って、壁面部31は被検査体100の側面に接触する。その後、突出部32は押圧部211A、221A、211B、221Bに押圧されて、被検査体100の上面に接触し、押圧することになる。
【0090】
上述したように、本実施の形態では、押圧部231A、231Bと押圧部211A、211B、221A、221Bとで、被検査体100の上面を押圧するタイミングをずらすことができる。
【0091】
本変形例では、押圧部231A、231Bで被検査体100の上面を押圧するタイミングを、押圧部211A、211B、221A、221B(突出部32)で被検査体100の上面を押圧するタイミングより遅くする。これにより、壁面部31で被検査体100のX方向における位置決めを行った後に、被検査体100の上面を押圧することができる。
【0092】
<変形例2>
本変形例のソケット1-1について、図9図13を参照して説明を行う。
【0093】
図9は、本変形例のソケット1-1を示す図であって、ラッチ部20-1を閉じた状態を示す上面図である。図10は、図9に示したソケット1-1の中心線C1での断面図であって、ラッチ部20-1を閉じた状態を示す図である。
【0094】
また、図11Aは、図9に示したソケット1-1のD-D線矢示断面図であって、ラッチ部20-1を開けた状態を示す図である。図11Bは、図9に示したソケット1-1のD-D線矢示断面図であって、ラッチ部20-1を閉じた状態を示す図である。図12は、ソケット1-1における第1ラッチ21A-1の先端部分を示す図である。
【0095】
図9図11Bにおいては、配線基板200及びコンタクトピン(符号省略)を図示している。
【0096】
上記実施の形態では、押圧部211A、221A、211B及び押圧部221Bは、Y方向に沿って延在する。これに対して、本変形例では、以下に説明するように、押圧部211A-1、221A-1、211B-1及び221B-1を、X方向に沿って延在するよう構成している。
【0097】
そのため、第1ラッチ21A-1、第2ラッチ22A-1、第1ラッチ21B-1及び第2ラッチ22B-1の構成は、上記実施の形態における第1ラッチ21A、第2ラッチ22A、第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bの構成と相違する。第1ラッチ21A-1、第2ラッチ22A-1、第1ラッチ21B-1及び第2ラッチ22B-1以外は、上記実施の形態における構成と同等の構成であるので、ここでは、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0098】
本変形例において、ソケット1-1は、ベース部10、ラッチ部20-1(ラッチ部20A-1、20B-1)を備える。
【0099】
[ベース部]
本変形例におけるソケット1-1のベース部10は、上記実施の形態におけるソケット1のベース部10と同等の構成である。
【0100】
[ラッチ部]
ラッチ部20-1は、上述したラッチ部20と同様に、一対のラッチ部20A-1、20B-1を有し、ラッチ部20A-1、20B-1は、一部を除き、上述したラッチ部20A、20Bと同等の構成、配置である。
【0101】
本変形例において、ラッチ部20A-1は、第1ラッチ21A-1、第2ラッチ22A-1、第3ラッチ23Aを有する。つまり、ラッチ部20A-1は、上述した第1ラッチ21A及び第2ラッチ22Aに代えて、以下に説明する第1ラッチ21A-1及び第2ラッチ22A-1を有する。上記実施の形態におけるラッチ部20A及びラッチ部20A-1において、第3ラッチ23Aは同等の構成である。
【0102】
同様に、ラッチ部20B-1は、第1ラッチ21B-1、第2ラッチ22B-1、第3ラッチ23Bを有する。つまり、ラッチ部20B-1は、上述した第1ラッチ21B及び第2ラッチ22Bに代えて、以下に説明する第1ラッチ21B-1及び第2ラッチ22B-1を有する。上記実施の形態におけるラッチ部20B及びラッチ部20B-1において、第3ラッチ23Bは同等の構成である。
【0103】
第1ラッチ21A-1、第2ラッチ22A-1、第1ラッチ21B-1及び第2ラッチ22B-1は、それらの配置位置に応じて、それらを構成する部材の形状や取付位置等に相違があるが、基本的に同じ構成である。そのため、ここでは、第1ラッチ21A-1を例にとって、説明を行う。
【0104】
第1ラッチ21A-1は、図9図12に示すように、押圧部211A-1、爪部212A-1、本体部213A、操作部214A、回動部217、軸部218等を有する。
【0105】
第1ラッチ21A-1において、本体部213A、操作部214Aは、上述した第1ラッチ21Aにおける本体部213A、操作部214Aと同等の構成である。
【0106】
第1ラッチ21A-1において、爪部212A-1は、平面視で中心線C1側へ延在するが、上述した第1ラッチ21Aにおける爪部212Aと相違し、回動部217を回動可能に支持する構成である。
【0107】
回動部217は、爪部212A-1において、平面視で中心線C1側かつ中心線C2側(第3ラッチ23A側)に配置されている。また、回動部217は、爪部212A-1と共に、軸部15aの軸方向(Y方向)と同じ方向に延在する軸部218が挿通されている。軸部218は、第1ラッチ21A-1を回動可能に支持する軸部15aとは異なる回動軸である。回動部217は、軸部218により、軸部218の周りを回動可能に爪部212A-1に支持される。
【0108】
つまり、第1ラッチ21A-1は、上述した第1ラッチ21Aにおける爪部212Aの先端部分(押圧部211Aを含む部分)を、Y軸周りに回動可能にした構成である。
【0109】
そして、回動部217の中心線C2側の端部に、被検査体100の上面を押圧可能に押圧部211A-1が配置されている。押圧部211A-1は、上述した第1ラッチ21Aにおける押圧部211Aと相違し、X方向に沿って延在する。
【0110】
中心線C1を挟んで対向する第1ラッチ21B-1も、基本的に同様の構成であり、上述した回動部217、軸部218を有し、その押圧部211B-1は、X方向に延在する。
【0111】
第1ラッチ21A-1、第1ラッチ21B-1は、押圧時において、X方向に沿って延在する押圧部211A-1、211B-1により、被検査体100の辺100cに沿って、その周縁を押圧することになる(後述の図13を参照)。
【0112】
第2ラッチ22A-1、第2ラッチ22B-1も、第1ラッチ21A-1、第1ラッチ21B-1と同様の構成である。即ち、第2ラッチ22A-1、第2ラッチ22B-1は、押圧時において、X方向に沿って延在する押圧部221A-1、221B-1により、被検査体100の辺100dに沿って、その周縁を押圧することになる(後述の図13を参照)。
【0113】
本変形例の場合、押圧部211A-1、211B-1、221A-1及び221B-1が、X方向に沿って延在するので、上記実施の形態の場合よりも、4辺100a、100b、100c、100dに沿って周縁を押圧することになる。
【0114】
第1ラッチ21A-1は、上述した第1ラッチ21Aと同様に、軸部15a(Y方向)の周りに回動して、被検査体100の上面を押圧する。被検査体100の厚さが変わらなければ、X方向に沿って延在する押圧部211A-1が延在方向に渡って被検査体100の上面に接触して押圧するように、押圧部211A-1を構成すればよい。この場合は、回動部217及び軸部218は無くてもよい。
【0115】
被検査体100の厚さは変わる場合がある。また、回動部217及び軸部218が無く、押圧部211A-1が回動しない場合、被検査体100の上面を押圧する際に、押圧部211A-1が被検査体100の上面を局所的に押圧する可能性がある。例えば、押圧部211A-1が被検査体100の上面を押圧する際に、押圧部211A-1が延在方向に渡って被検査体100の上面に接触する前後のタイミングにおいて、押圧部211A-1が被検査体100の上面を局所的に押圧する可能性がある。
【0116】
そのため、本変形例においては、押圧部211A-1を有する回動部217が、爪部212A-1に対し、Y方向周りに回動可能に構成されている(図12を参照)。このように、回動部217がY方向周りに回動するので、被検査体100の厚さが変わっても、回動する押圧部211A-1は、その延在方向に渡って被検査体100の上面に接触して、被検査体100の上面を押圧することができ、局所的に押圧することはない。
【0117】
また、被検査体100の上面を押圧する際においても、回動部217により回動する押圧部211A-1は、その延在方向に渡って被検査体100の上面に接触して、被検査体100の上面を押圧することができ、局所的に押圧することはない。
【0118】
第1ラッチ21B-1も、第1ラッチ21A-1と同様であり、第1ラッチ21B-1の回動部217により、押圧部211B-1は、その延在方向に渡って被検査体100の上面に接触して、被検査体100の上面を押圧することができる。第2ラッチ22A-1、第2ラッチ22B-1でも同様である。
【0119】
図13は、被検査体100の上面において、ソケット1-1におけるラッチ部20-1の押圧部211A-1、221A-1、231A、211B-1、221B-1、231Bの押圧位置を示す図である。
【0120】
本変形例においては、図13に示すように、押圧時における押圧部211A-1、221A-1による被検査体100の上面の押圧位置を、それぞれ、211A-1p、221A-1pとする。また、押圧時における押圧部211B-1、221B-1による被検査体100の上面の押圧位置を、それぞれ、211B-1p、221B-1pとする。
【0121】
ラッチ部20A-1は、X方向において中心線C1から押圧位置211A-1p、221A-1p、231Apまでの距離が互いに異なる複数のラッチを含む。ここでは、一例として、X方向において中心線C1から押圧位置211A-1p、221A-1pまでの離間距離である距離L41と、X方向において中心線C1から押圧位置231Apまでの距離L21と、が異なる。このように、ラッチ部20A-1は、距離L41と距離L21とが互いに異なる、第1ラッチ21A-1及び第2ラッチ22A-1と第3ラッチ23Aとを含む。
【0122】
同様に、ラッチ部20B-1は、X方向において中心線C1から押圧位置211B-1p、221B-1p、231Bpまでの距離が互いに異なる複数のラッチを含む。ここでは、一例として、X方向において中心線C1から押圧位置211B-1p、221B-1pまでの離間距離である距離L41と、X方向において中心線C1から押圧位置231Bpまでの距離L21と、が異なる。このように、ラッチ部20B-1は、距離L41と距離L21とが互いに異なる、第1ラッチ21B-1及び第2ラッチ22B-1と第3ラッチ23Bとを含む。
【0123】
また、押圧位置211A-1p、221A-1p、231Ap、211B-1p、221B-1p、231Bpに関しては、以下のように、それらの対向する押圧位置同士の離間距離が異なるとも言える。具体的には、押圧位置211A-1p、211B-1pの離間距離(=L41+L41)及び押圧位置221A-1p、221B-1pの離間距離(=L41+L41)と、押圧位置231Ap、231Bpの離間距離(=L21+L21)とが互いに異なる。つまり、ラッチ部20A-1、20B-1は、対向する押圧位置同士の離間距離が異なる、第1ラッチ21A-1、第2ラッチ22A-1、第3ラッチ23A、第1ラッチ21B-1、第2ラッチ22B-1及び第3ラッチ23Bを含む。
【0124】
また、押圧位置211A-1p、221A-1p、231Ap、211B-1p、221B-1p、231Bpは、被検査体100の上面において、端子101及びコンタクトピンの配置領域の外側である。ここでは、一例として、押圧位置211A-1p、221A-1p、231Ap、211B-1p、221B-1p、231Bpは、図13に示すように、端子101及びコンタクトピンの配置領域の外側である、被検査体100の周縁部である。
【0125】
仮に、押圧力が強い場合、押圧位置211A-1p、221A-1p、231Ap、211B-1p、221B-1p、231Bpの真下に端子101及びコンタクトピンがあると、端子101及びコンタクトピンに大きな負荷が掛かる可能性がある。ここでは、上述したように、押圧位置211A-1p、221A-1p、231Ap、211B-1p、221B-1p、231Bpを、端子101及びコンタクトピンの配置領域の外側としている。これにより、端子101及びコンタクトピンに大きな負荷が直接的に掛からないようにしている。
【0126】
また、本変形例においても、押圧部231A、231Bが延在する長さは、上記実施の形態と同様に、押圧部211A-1、221A-1、211B-1、221B-1が延在する長さより長い。ここでも、図13に示すように、押圧部231A、231Bの押圧位置231Ap、231Bpは、辺100a、100bの全長に近い長さである。そのため、押圧部231A、231Bは、辺100a、100bの略全長に渡って、辺100a、100bの周縁を押圧することになる。
【0127】
本変形例においては、押圧部211A-1、221A-1、211B-1、221B-1が延在する方向と、押圧部231A、231Bが延在する方向とは相違し、互いに直交する方向である。
【0128】
本変形例の場合、押圧部211A-1、221A-1、211B-1、221B-1はX方向に延在する。そのため、押圧部211A-1、221A-1、211B-1、221B-1の押圧位置211A-1p、221A-1p、211B-1p、221B-1pもX方向に延在する。
【0129】
従って、中心線C1を挟んで対向して配置される押圧部211A-1、211B-1は、上述したように、辺100cに沿って、その周縁を押圧することになる。同様に、中心線C1を挟んで対向して配置される押圧部221A-1、221B-1は、上述したように、辺100dに沿って、その周縁を押圧することになる。
【0130】
また、ここでも、被検査体100の辺100cに沿って、その周縁を押圧することに近くなるよう、押圧部211A-1、211B-1の押圧位置211A-1p、211B-1pを以下の配置としている。具体的には、図13に示すように、押圧位置211A-1p、211B-1pの離間距離(=L41+L41)が、X方向における端子101の配置領域の幅L3より短くなるようにしている。つまり、離間距離(=L41+L41)は、X方向におけるコンタクトピンの配置領域の幅より短い。
【0131】
同様に、被検査体100の辺100dに沿って、その周縁を押圧することに近くなるよう、押圧部221A-1、221B-1の押圧位置221A-1p、221B-1pを以下の配置としている。具体的には、図13に示すように、押圧位置221A-1p、221B-1pの離間距離(=L41+L41)が、X方向における端子101の配置領域の幅L3より短くなるようにしている。つまり、離間距離(=L41+L41)は、X方向におけるコンタクトピンの配置領域の幅より短い。
【0132】
加えて、押圧部211A-1、221A-1、211B-1、221B-1のX方向における長さL42は、押圧部231A、231BのX方向における幅Wよりも長い。
【0133】
このように、押圧部211A-1、221A-1、231A及び押圧部211B-1、221B-1、231Bにより、被検査体100の4辺100a、100b、100c、100dに沿って、その周縁を押圧するようにしている。このようにして、2辺だけでなく、4辺100a、100b、100c、100dに沿って、その周縁を押圧するようにして、局所的に高負荷が掛かることを防止するようにしている。
【0134】
以上説明した構成により、本変形例においても、上記実施の形態と同様に、押圧部231A、231Bと押圧部211A-1、211B-1、221A-1、221B-1とでは、中心線C1から異なる距離で押圧している。そのため、被検査体100の上面を押圧する負荷を分散して押圧することになり、被検査体100に局所的に高負荷が掛かることを防止することができる。
【0135】
なお、上記実施の形態では、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明は、その要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0136】
1、1-1 ソケット
10 ベース部
11 ベース本体
11a、11b 支持部
12 枠部
13 接続部
14 収容部
15a、15b 軸部
16 挿入穴
20、20A、20B ラッチ部
20-1、20A-1、20B-1 ラッチ部
21A、21B 第1ラッチ
21A-1、21B-1 第1ラッチ
22A、22B 第2ラッチ
22A-1、22B-1 第2ラッチ
23A、23B 第3ラッチ
30 移動部材
31 壁面部
32 突出部
100 被検査体
100a、100b 辺
101 端子
200 配線基板
211A、211B、221A、221B、231A、231B 押圧部
211A-1、211B-1、221A-1、221B-1 押圧部
212A、212B、222A、222B、232A、232B 爪部
213A、213B、223A、223B、233A、233B 本体部
214A、214B、224A、224B、234A、234B 操作部
217 回動部
218 軸部
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13