(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126831
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】音色設定プログラム、音色設定装置および音色設定方法
(51)【国際特許分類】
G10H 1/00 20060101AFI20240912BHJP
G10H 1/057 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G10H1/00 Z
G10H1/057 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035510
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000116068
【氏名又は名称】ローランド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】渥美 慶
(72)【発明者】
【氏名】臼井 彩佳
【テーマコード(参考)】
5D478
【Fターム(参考)】
5D478DB11
5D478KK12
(57)【要約】
【課題】シミュレートする電子機器の外観画像においてユーザが所望する音色パラメータを設定する操作子がどれかを容易に把握できる音色設定プログラム、音色設定装置および音色設定方法を提供すること。
【解決手段】ユーザHにより、設定エリアSaにおける設定操作子Sp1~Sp4のいずれかが指定された場合、指定された設定操作子Sp1~Sp4に第1表示D1が表示され、指定された設定操作子Sp1~Sp4に対応する外観画像Pの操作子に第2表示D2が表示される。更にこれら第1表示D1と第2表示D2とを結ぶ線である第3表示D3が表示される。これによって、外観画像Pの操作子と指定された設定操作子Sp1~Sp4との対応関係が明確に表示されるので、ユーザHは外観画像Pにおいて設定を所望する音色パラメータを設定する操作子の位置を容易に把握できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備えたコンピュータに、音色の設定を行う音色設定処理を実行させる音色設定プログラムであって、
前記表示部に、前記音色をシミュレートする対象の電子機器の画像である外観画像を表示する画像表示ステップと、
前記表示部に、前記音色の音色パラメータを設定する設定操作子を表示する操作子表示ステップと、
前記設定操作子と、当該設定操作子と同様の設定を行う前記外観画像に表示される操作子とを対応付ける対応表示を表示する対応表示ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする音色設定プログラム。
【請求項2】
前記画像表示ステップは、前記音色をシミュレートする対象の前記電子機器に応じた外観画像を表示する一方で、
前記操作子表示ステップは、前記画像表示ステップで表示される外観画像の態様に関わらず共通した態様の設定操作子を表示するものであることを特徴とする請求項1記載の音色設定プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータはユーザの操作を入力する入力部を備え、
前記音色設定プログラムは、前記設定操作子のうち、前記入力部を介してユーザが指定した設定操作子を取得する指定操作子取得ステップを前記コンピュータに実行させ、
前記対応表示ステップは、前記指定操作子取得ステップで取得された設定操作子と、当該設定操作子と同様の設定を行う前記外観画像の操作子とを対応付ける対応表示を表示するものであることを特徴とする請求項1記載の音色設定プログラム。
【請求項4】
前記対応表示ステップは、前記設定操作子と、当該設定操作子と同様の設定を行う前記外観画像の操作子とを線で結ぶ表示を、対応表示として表示するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の音色設定プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータはユーザの操作を入力する入力部を備え、
前記操作子表示ステップは、設定操作子として、前記入力部を介して入力されたユーザの操作に応じて、前記音色パラメータを増減させるスライダー形式の操作子を表示するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の音色設定プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータはユーザの操作を入力する入力部を備え、
前記音色パラメータは、波形の形状に応じて設定されるものであり、
前記操作子表示ステップは、設定操作子として、前記音色パラメータの設定に対応する波形の形状を前記入力部を介して入力されたユーザの操作に応じて変形させることで、その変形された波形に応じた音色パラメータを取得する波形設定エリアを表示するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の音色設定プログラム。
【請求項7】
前記設定操作子で設定された音色パラメータを適用した音色を発音する試聴ステップを、前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1記載の音色設定プログラム。
【請求項8】
音色をシミュレートする対象の電子機器の画像である外観画像を表示する画像表示手段と、
前記音色の音色パラメータを設定する設定操作子を表示する操作子表示手段と、
前記設定操作子と、当該設定操作子と同様の設定を行う前記外観画像に表示される操作子とを対応付ける対応表示を表示する対応表示手段と、を備えていることを特徴とする音色設定装置。
【請求項9】
音色をシミュレートする対象の電子機器の画像である外観画像を表示する画像表示ステップと、
前記音色の音色パラメータを設定する設定操作子を表示する操作子表示ステップと、
前記設定操作子と、当該設定操作子と同様の設定を行う前記外観画像に表示される操作子とを対応付ける対応表示を表示する対応表示ステップと、備えていることを特徴とする音色設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音色設定プログラム、音色設定装置および音色設定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1,2のように、シンセサイザ等の電子機器で発音される音色をシミュレートし、当該音色を設定するソフトウェアがある。当該ソフトウェアには、電子機器を模した表示がなされ、表示される電子機器のノブやスライダー等の操作子を操作することで、音色に関する各種のパラメータを設定できる(以下、音色に関するパラメータのことを「音色パラメータ」という)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Vengeance Sound、Vengeance Producer Suite - Avenger、[online]、[令和5年3月7日検索]、インターネット<URL:https://www.vengeance-sound.com/plugins.php>
【非特許文献2】Xfer Records、Serum Advanced Wavetable Synthesizer、[online]、[令和5年3月7日検索]、インターネット<URL:https://xferrecords.com/products/serum>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シミュレートされる電子機器に設けられる操作子は数が多く、更に電子機器ごとに操作子の位置が異なるので、ユーザは、所望の音色パラメータを設定する操作子が位置を把握するのが困難であるという問題点がある。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、シミュレートする電子機器の外観画像においてユーザが所望する音色パラメータを設定する操作子がどれかを容易に把握できる音色設定プログラム、音色設定装置および音色設定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の音色設定プログラムは、表示部を備えたコンピュータに、音色の設定を行う音色設定処理を実行させる音色設定プログラムであって、前記表示部に、前記音色をシミュレートする対象の電子機器の画像である外観画像を表示する画像表示ステップと、前記表示部に、前記音色の音色パラメータを設定する設定操作子を表示する操作子表示ステップと、前記設定操作子と、当該設定操作子と同様の設定を行う前記外観画像に表示される操作子とを対応付ける対応表示を表示する対応表示ステップと、を前記コンピュータに実行させるものである。
【0007】
本発明の音色設定装置は、音色をシミュレートする対象の電子機器の画像である外観画像を表示する画像表示手段と、前記音色の音色パラメータを設定する設定操作子を表示する操作子表示手段と、前記設定操作子と、当該設定操作子と同様の設定を行う前記外観画像に表示される操作子とを対応付ける対応表示を表示する対応表示手段とを備えている。
【0008】
また本発明の音色設定方法は、音色をシミュレートする対象の電子機器の画像である外観画像を表示する画像表示ステップと、前記音色の音色パラメータを設定する設定操作子を表示する操作子表示ステップと、前記設定操作子と、当該設定操作子と同様の設定を行う前記外観画像に表示される操作子とを対応付ける対応表示を表示する対応表示ステップと、備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)は、PCの外観図であり、(b)は、音色設定画面を表す図である。
【
図2】(a)は、波形設定エリアを表す図であり、(b)は、表示モードがエディットモードである場合の音色設定画面を表す図である。
【
図3】(a)は、PCの機能ブロック図であり、(b)は、PCの電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】(a)は、メイン処理のフローチャートであり、(b)は、エディット処理のフローチャートである。
【
図6】(a)は、変形例における音色設定画面を表す図であり、(b)は、別の変形例における音色設定画面を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。
図1を参照して、本実施形態のPC1の概要を説明する。
図1(a)は、PC1の外観図である。PC1は、ユーザHの演奏操作等に応じて楽音を出力する際に使用される、音色を設定するための情報処理装置(コンピュータ)である。PC1には、ユーザHからの指示を入力するマウス2及びキーボード3と、音を出力するスピーカ4と、各種の設定画面等が表示される表示装置5とが設けられる。
【0011】
表示装置5には、音色を設定するための画面である音色設定画面5aが表示される。音色設定画面5aでは、マウス2及びキーボード3からのユーザHの指示に応じて、オシレータや周波数フィルタ等の音色に関するパラメータ(以下「音色パラメータ」という)の設定が行われる。
図1(b)~
図2を参照して、音色設定画面5aを説明する。
【0012】
図1(b)は、音色設定画面5aを表す図である。音色設定画面5aには、後述する表示モードに関わらず、マウスカーソルMcと、ブラウズボタンBwと、エディットボタンEdと、音色設定画面5aで設定された音色パラメータの上書き保存の指示を行う保存ボタンSvとが表示される。マウスカーソルMcは、ユーザHのマウス2の移動操作に応じて音色設定画面5a上を移動する矢印状の表示パーツである。
【0013】
ブラウズボタンBwは、PC1の表示モードをブラウズモードに切り替える操作子であり、エディットボタンEdは、PC1の表示モードをエディットモードに切り替える操作子である。ブラウズボタンBwとエディットボタンEdとは、いずれか一方が選択可能に構成される。
【0014】
本実施形態では音色設定画面5aの表示モードとして、音色設定画面5aに後述の外観画像Pや設定エリアSaが表示されるブラウズモードと、音色設定画面5aに後述の実機シミュレーションエリアSMaを表示するエディットモードとが設けられる。ブラウズボタンBw及びエディットボタンEdのうち、ユーザHがマウス2を介して指定したボタンに該当する表示モードが設定され、その表示モードに応じた表示が音色設定画面5aに反映される。まず、ブラウズモードを説明する。
【0015】
ブラウズモードの音色設定画面5aには、上記したブラウズボタンBw、エディットボタンEd及び保存ボタンSvに加え、外観画像Pと、設定エリアSaと、音色指定エリアNaと、鍵盤エリアKaとが表示される。外観画像Pには、音色設定画面5aで設定する音色をシミュレートする対象のシンセサイザ(電子機器)の画像が表示される。音色設定画面5aによる音色の設定においては、予め音色をシミュレートするシンセサイザが指定され、そのシンセサイザに搭載される音色の各種の音色パラメータが設定される。
【0016】
外観画像Pとして、シミュレートするシンセサイザを実際にカメラ等で撮影した画像が用いられるが、シミュレートするシンセサイザを模式的に描画した画像を用いても良いし、シンセサイザの三次元モデルにより生成される画像を用いても良い。本実施形態では、外観画像Pに表示されるシンセサイザの操作子(以下「外観画像Pの操作子」と略す)は、マウス2等を介して操作できないように構成される。
【0017】
設定エリアSaは、音色パラメータを設定するための操作子である設定操作子が表示される表示エリアである。具体的に、設定エリアSaには、ローパスフィルタのカットオフ周波数を設定する設定操作子Sp1と、音量を設定する設定操作子Sp2と、音量の時間的変化を表すアンプエンベロープを設定する設定操作子Sp3と、ディレイ時間を設定する設定操作子Sp4とが表示される。
【0018】
このうち、設定操作子Sp1,Sp2,Sp4には、スライダー式の操作子が用いられる。スライダー式の操作子では、操作子のツマミ状のパーツ(例えば設定操作子Sp1)や操作子のレベルを表す表示の端部(例えば設定操作子Sp2)の位置に応じた音色パラメータが設定される。
【0019】
具体的に、スライダー式の操作子のツマミ状のパーツやレベルを表す表示の端部にマウスカーソルMcを合わせ、そのままマウス2を右方向にドラッグすることで、対応する音色パラメータが増加され、一方でマウス2を左方向にドラッグすることで対応する音色パラメータが減少される。設定操作子Sp1,Sp2,Sp4として、このようなスライダー式の操作子により、ユーザHは当該音色パラメータの増減を容易に設定できる。なお、スライダー式の操作子は左右方向に操作するものに限られず、上下方向に操作する方向でも良いし、斜め方向やその他の方向に操作するものでも良い。
【0020】
一方で、設定操作子Sp3には、波形で表現される音色パラメータをマウス2のドラッグによって変形させることで音色パラメータを設定する波形設定エリアが用いられる。ここで
図2(a)を参照して波形設定エリアを説明する。
【0021】
図2(a)は、波形設定エリアを表す図である。設定操作子Sp3として表示される波形設定エリアには、アンプエンベロープにおける音量の時間的変化を波形で表したものが表示される。時間的変化としては、アタック(A)、ディケイ(D)、サスティン(S)及びリリース(R)の4つの音色パラメータが設けられ、波形設定エリアに表示される波形の形状に応じてそれぞれの値が設定される。
【0022】
波形設定エリアに表示される波形は、マウス2のドラッグによって変形可能に構成される。具体的には、波形設定エリアに表示される波形において、ユーザHは所望する位置にマウスカーソルMcを合わせ、そのままマウス2を(例えば下方向に)ドラッグする。これによって、マウスカーソルMcで指定された波形の位置がドラッグした方向(例えば下方向)に移動され、これ応じて波形が変形される。そして、変形された波形の形状に応じたアタック、ディケイ、サスティン及びリリースの4つの音色パラメータがそれぞれアンプエンベロープの音色パラメータに反映される。これにより、これら4つの音色パラメータの設定を要するアンプエンベロープを、マウス2のドラッグという直感的な操作によって容易に設定できる。
【0023】
設定エリアSaには、音色をシミュレートするシンセサイザが表示される外観画像Pに関わらず、同じ音色パラメータ(即ちローパスフィルタのカットオフ周波数、音量、アンプエンベロープ及びディレイ時間)を設定する設定操作子Sp1~Sp4が表示される。これにより、ユーザHが音色をシミュレートするシンセサイザを切り替えた場合でも、常に同じ設定操作子Sp1~Sp4が表示されるので、音色パラメータを設定する設定操作子Sp1~Sp4を容易に把握し、迷いなく音色パラメータを設定できる。
【0024】
なお、設定操作子Sp1~Sp4は、それぞれ上記した音色パラメータを設定するものに限られず、それ以外の音色パラメータを設定しても良い。また、設定エリアSaに設定操作子Sp1~Sp4の4つの設定操作子を設けたが、これに限られず、設定エリアSaに設けられる設定操作子の数は、4つ以上でも4つ以下でも良い。
【0025】
ところで、設定エリアSaの設定操作子Sp1~Sp4と同様に、外観画像Pにもシミュレートするシンセサイザの操作子が含まれているので、ユーザHは外観画像Pの操作子と、設定操作子Sp1~Sp4とがどのように対応しているかを把握したい場合がある。そこで本実施形態では、設定操作子Sp1~Sp4と、その設定操作子Sp1~Sp4と同じ音色パラメータの設定を行う外観画像Pの操作子とを対応付ける対応表示Dが表示される。再び
図1(b)を参照して、対応表示Dを説明する。
【0026】
図1(b)において、対応表示Dは、第1表示D1、第2表示D2及び第3表示D3で構成される。第1表示D1は、設定エリアSaにおいて設定を行う設定操作子Sp1~Sp4の名称を線で囲む表示であり、第2表示D2は、その第1表示D1で囲まれた設定操作子Sp1~Sp4と同じ音色パラメータの設定を行う外観画像Pの操作子を線で囲む表示である。また、第3表示D3は、第1表示D1と第2表示D2とを更に線で結ぶ表示である。
【0027】
ユーザHにより、設定エリアSaにおける設定操作子Sp1~Sp4のいずれかがマウス2のクリックによって指定された場合、指定された設定操作子Sp1~Sp4に第1表示D1が表示され、指定された設定操作子Sp1~Sp4と同じ音色パラメータを設定する外観画像Pの操作子(以下「設定操作子Sp1~Sp4に対応する外観画像Pの操作子」という)に第2表示D2が表示される。更にこれら第1表示D1と第2表示D2とを結ぶ線である第3表示D3が表示される。これによって、外観画像Pの操作子と指定された設定操作子Sp1~Sp4との対応関係が明確に表示される。
【0028】
外観画像Pの操作子は数が多いため、ユーザHはどの操作子がどの音色パラメータを設定するものなのかを把握するのが困難である。そこで、指定された設定操作子Sp1~Sp4とその設定操作子Sp1~Sp4に対応する外観画像Pの操作子とを対応付ける対応表示Dが表示されることで、ユーザHは外観画像Pにおいて設定を所望する音色パラメータを設定する操作子の位置を容易に把握できる。
【0029】
また、設定エリアSaの設定操作子Sp1~Sp4の大きさが、同じ音色パラメータを設定する外観画像Pの操作子の大きさよりも大きく設定される。これにより、設定操作子Sp1~Sp4をマウスカーソルMcで指定しやすくなる等、音色パラメータの設定に関する操作性を向上させることができる。
【0030】
音色指定エリアNaは、設定エリアSaで設定する音色を指定する表示エリアである。音色指定エリアNaには、設定エリアSaで設定可能な音色に関する情報が表示され、具体的に、音色毎に、当該音色が記憶されている領域であるバンク(BANK)、当該音色の名称(NAME)、当該音色に対するユーザHの評価(RATING)及び当該音色に関するその他のユーザHの備考(NOTES)が表示される。音色指定エリアNaにおいて、マウス2を介してユーザHに指定された音色が指定表示Nsで囲まれるように表示され、当該音色が設定エリアSaで設定される対象の音色とされる。
【0031】
鍵盤エリアKaは、音色指定エリアNaで指定された音色に設定エリアSaで設定された音色パラメータを適用した音の発音を指示するための表示エリアである。鍵盤エリアKaには、複数の鍵Ksが設けられ、鍵Ksがマウス2を介してユーザHから操作された場合に、音色指定エリアNaで指定された音色に設定エリアSaで設定された音色パラメータを適用した音が発音される。この際、発音される音の音高には、操作された鍵Ksに対応する音高が設定される。
【0032】
このような鍵盤エリアKaにより、ユーザHは、設定エリアSaで音色パラメータを設定しながら、設定した音色パラメータによる音を試聴できるので、設定エリアSaによる音色パラメータの設定を効率良く行うことができる。
【0033】
次に
図2(b)を参照して、表示モードがエディットモードである場合に表示される音色設定画面5aを説明する。
図2(b)は、表示モードがエディットモードである場合の音色設定画面5aを表す図である。表示モードがエディットモードである場合に、音色設定画面5aには、上記した外観画像P、設定エリアSa、音色指定エリアNa及び鍵盤エリアKaの代わりに、音色をシミュレートするシンセサイザが表示される実機シミュレーションエリアSMaが表示される。
【0034】
実機シミュレーションエリアSMaには、上記した外観画像Pと同様に音色をシミュレートするシンセサイザの外観画像が表示される。上記した外観画像Pと同様に、シミュレートするシンセサイザを実際にカメラ等で撮影した画像を用いても良いし、シミュレートするシンセサイザを模式的に描画した画像を用いても良い。
【0035】
実機シミュレーションエリアSMaにおいては、外観画像に含まれるシンセサイザの音色パラメータを設定する操作子Scが、操作可能に構成される。即ち実機シミュレーションエリアSMaに表示される操作子Scのそれぞれが、対応する音色パラメータの設定状態に応じた態様(例えばスライダーの位置やノブの角度)で表示され、ユーザHがマウス2を介して操作子を操作することで、その操作子Scに対応する音色パラメータの設定状態が変化される。
【0036】
実機シミュレーションエリアSMaには、音色をシミュレートするシンセサイザの操作子Scに加え、設定対象の音色を表示する音色表示Nmと、設定対象の音色を切り替える変更操作子Ncとが設けられる。変更操作子Ncが操作されると設定対象の音色が所定の順番で切り替わり、切り替わった音色が設定対象の音色に指定され、その名称が音色表示Nmに表示される。
【0037】
表示モードを上記したブラウズモードからエディットモードへ切り替えた場合は、ブラウズモードの音色指定エリアNaで指定された音色および設定エリアSaで設定されていた音色パラメータの設定状態が、そのままエディットモードの実機シミュレーションエリアSMaに反映される。逆に、表示モードをエディットモードからブラウズモードへ切り替えた場合は、エディットモードの実機シミュレーションエリアSMaで設定していた音色と音色パラメータの設定状態が、そのままブラウズモードの音色指定エリアNa及び設定エリアSaに反映される。これにより、表示モードを跨いだ継続的な音色パラメータの設定が可能となる。
【0038】
上記したブラウズモードでは、音色パラメータを容易に設定できるものの、設定可能な音色パラメータが設定操作子Sp1~Sp4に対応する音色パラメータ、即ちローパスフィルタのカットオフ周波数、音量、アンプエンベロープ及びディレイ時間に限られる。そこで、表示モードをブラウズモードからエディットモードに切り替えることで、ブラウズモードでは設定できない、音色をシミュレートするシンセサイザで設定可能な音色パラメータを設定することができる。
【0039】
このように、音色設定画面5aにおいては、シンセサイザに不慣れな初心者のユーザHはブラウズモードによる容易な音色パラメータの設定を行い、シンセサイザにある程度慣れた上級者のユーザHは、ブラウズモードによる音色パラメータの設定を行いつつも必要に応じてエディットモードによる多岐に亘る音色パラメータの設定を行う等、ユーザHの習熟度や用途に応じて柔軟に音色パラメータを設定させることができる。
【0040】
次に
図3(a)を参照して、PC1の機能を説明する。
図3(a)は、PC1の機能ブロック図である。
図3(a)に示すように、PC1には、画像表示手段200と、操作子表示手段201と、対応表示手段202とを有する。
【0041】
画像表示手段200は、音色をシミュレートする対象の電子機器の画像である外観画像Pを表示する手段であり、
図3(b)で後述のCPU20で実現される。操作子表示手段201は、音色パラメータを設定する設定操作子Sp1~Sp4を表示する手段であり、CPU20で実現される。対応表示手段202は、設定操作子Sp1~Sp4と、当該設定操作子Sp1~Sp4と同様の設定を行う外観画像Pの操作子とを対応付ける対応表示を表示する手段であり、CPU20で実現される。
【0042】
PC1においては、外観画像Pが表示され、音色パラメータを設定する設定操作子Sp1~Sp4が表示され、設定操作子Sp1~Sp4と同様の設定を行う外観画像Pの操作子とが対応表示される。よって、外観画像Pにおいて音色パラメータを設定する操作子と設定操作子Sp1~Sp4との対応関係が対応表示によって明確になる。これにより、ユーザは外観画像Pにおいて設定を所望する音色パラメータを設定する操作子の位置を容易に把握できる。
【0043】
次に、
図3(b)を参照して、PC1の電気的構成を説明する。
図3(b)は、PC1の電気的構成を示すブロック図である。PC1は、CPU20と、ハードディスク・ドライブ(HDD)21と、RAM22とを有し、これらはバスライン23を介して入出力ポート24にそれぞれ接続されている。入出力ポート24には更に、上記したマウス2と、キーボード3と、スピーカ4と、表示装置5とが接続される。
【0044】
CPU20は、バスライン23により接続された各部を制御する演算装置である。HDD21は、CPU20により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、音色設定プログラム21aと、音源データ21bとが記憶される。CPU20において音色設定プログラム21aが実行されると、
図4のメイン処理が実行される。
【0045】
音源データ21bには、音色に関する情報が記憶される。具体的に、音源データ21bには、シミュレートするシンセサイザ毎に、各音色の各種の音色パラメータと、表示モードがブラウズモードの場合に表示される外観画像P、設定エリアSa、対応表示D、音色指定エリアNa、指定表示Ns及び鍵盤エリアKaの各表示データと、表示モードがエディットモードの場合に表示される外観画像とが記憶される。なお、音源データ21bに、外観画像Pや対応表示Dの表示データ等の表示に関するデータが記憶されるものに限られず、HDD21における音源データ21bと異なる領域にこれらが記憶されても良い。
【0046】
RAM22は、CPU20が音色設定プログラム21aの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリであり、設定対象の音色パラメータが記憶される設定値メモリ22aが設けられる。
【0047】
次に
図4,5を参照して、PC1のCPU20で実行されるメイン処理を説明する。
図4(a)は、メイン処理のフローチャートである。メイン処理は、PC1において音色設定プログラム21aの実行指示が行われた場合に、実行される処理である。メイン処理はまず、表示モードとしてブラウズモード又はエディットモードのいずれが設定されているかを確認する(S1)。
【0048】
S1の処理において、表示モードとしてエディットモードが設定されている場合は(S1:「エディットモード」)、S2のエディット処理を実行し、表示モードとしてブラウズモードが設定されている場合は(S1:「ブラウズモード」)、S3のブラウズ処理を実行する。ここで
図4(b)及び
図5を参照して、S2のエディット処理およびS3のブラウズ処理を説明する。
【0049】
図4(b)は、エディット処理のフローチャートである。エディット処理はまず、実機シミュレーションエリアSMaを表示する(S20)。実機シミュレーションエリアSMaに表示されるシンセサイザの外観画像は、ユーザHによって予め指定されたシンセサイザの画像が音源データ21bから取得されて表示される。
【0050】
S20の処理の後、変更操作子Ncが操作されたかを確認する(S21)。S21の処理において、変更操作子Ncの操作が確認された場合は(S21:Yes)、音源データ21bから変更操作子Ncの操作によって変更された音色の各種の音色パラメータを取得し、設定値メモリ22aに保存する(S22)。
【0051】
S22の処理の後、変更された音色の名称を音色表示Nmに表示する(S23)。S23の処理の後、設定値メモリ22aに記憶される各種の音色パラメータを操作子Scにそれぞれ反映する(S24)。S21の処理において、変更操作子Ncの操作が確認されない場合は(S21:No)、S22~S24の処理をスキップする。
【0052】
S21,S24の処理の後、操作子Scが操作されたかを確認する(S25)。S25の処理において、操作子Scの操作が確認された場合は(S25:Yes)、操作された操作子Scの操作量に応じた音色パラメータを設定値メモリ22aに保存する(S26)。一方でS25の処理において、操作子Scの操作が確認されない場合は(S25:No)、S26の処理をスキップする。S25,S26の処理の後、エディット処理を終了する。
【0053】
次にS3のブラウズ処理を説明する。
図5は、ブラウズ処理のフローチャートである。ブラウズ処理はまず、外観画像P、設定エリアSa、音色指定エリアNa及び鍵盤エリアKaを表示する(S40)。このうち外観画像Pは、ユーザHによって予め指定された音色をシミュレートするシンセサイザの画像が音源データ21bから取得されて表示され、音色指定エリアNaにも当該シンセサイザで設定可能な音色が音源データ21bから取得されて表示される。
【0054】
S40の処理の後、音色指定エリアNaで音色が変更されたかを確認する(S41)。S41の処理において、音色指定エリアNaでの音色の変更が確認された場合は(S41:Yes)、音源データ21bから変更された音色の各種の音色パラメータを取得し、設定値メモリ22aに保存する(S42)。S42の処理の後、設定値メモリ22aに記憶される各種の音色パラメータを設定エリアSaの設定操作子Sp1~Sp4に反映する(S43)。一方でS41の処理において、音色指定エリアNaでの音色の変更が確認されない場合は(S41:No)、S42,S43の処理をスキップする。
【0055】
S41,S43の処理の後、設定エリアSaで設定操作子Sp1~Sp4が指定されたかを確認する(S44)。S44の処理において、設定エリアSaでの設定操作子Sp1~Sp4の指定が確認された場合は(S44:Yes)、指定された設定操作子Sp1~Sp4と、その設定操作子Sp1~Sp4に対応する外観画像Pの操作子との対応表示Dを表示する(S45)。
【0056】
具体的には、音源データ21bから指定された設定操作子Sp1~Sp4に対応する第1表示D1、第2表示D2及び第3表示D3の表示データを取得し、指定された設定操作子Sp1~Sp4の名称に第1表示D1を表示し、その設定操作子Sp1~Sp4に対応する外観画像Pの操作子に第2表示D2を表示し、これら第1表示D1と第2表示D2とを線で結んだ第3表示D3を表示する。
【0057】
S44の処理において、設定エリアSaでの設定操作子Sp1~Sp4の指定が確認されない場合は(S44:No)、S45の処理をスキップする。
【0058】
S44,S45の処理の後、設定エリアSaで設定操作子Sp1~Sp4が操作されたかを確認する(S46)。S46の処理において、設定操作子Sp1~Sp4の操作が確認された場合は(S46:Yes)、操作された設定操作子Sp1~Sp4の操作量に応じた音色パラメータを設定値メモリ22aに保存する(S47)。一方でS46の処理において、設定操作子Sp1~Sp4の操作が確認されない場合は(S46:No)、S47の処理をスキップする。
【0059】
S46,S47の処理の後、鍵盤エリアKaで鍵Ksが操作されたかを確認する(S48)。S48の処理において、鍵Ksの操作が確認された場合は(S48:Yes)、指定されている音色へ設定値メモリ22aに記憶される各種の音色パラメータを適用した音をスピーカ4から発音する(S49)。この際に発音される音の音高には、操作された鍵Ksに対応する音高が設定される。一方でS48の処理において、鍵Ksの操作が確認されない場合は(S48:No)、S49の処理をスキップする。S48,S49の処理の後、ブラウズ処理を終了する。
【0060】
図4(a)に戻る。S2のエディット処理またはS3のブラウズ処理の後、保存ボタンSvが操作されたかを確認する(S4)。S4の処理において、保存ボタンSvの操作が確認された場合は(S4:Yes)、音源データ21bにおける音色指定エリアNa等で指定されている各種の音色パラメータを、設定値メモリ22aに記憶される各種の音色パラメータで上書き保存する(S5)。一方でS4の処理において、保存ボタンSvの操作が確認されない場合は(S4:No)、S5の処理をスキップする。S4,S5の処理の後、S1以下の処理を繰り返す。
【0061】
以上、上記実施形態に基づき説明したが、種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0062】
上記実施形態では、対応表示Dを第1表示D1、第2表示D2及び第3表示D3で構成したが、これに限られない。例えば、対応表示Dから第1表示D1及び第3表示D3の表示を省略し、第2表示D2のみを表示しても良いし、対応表示Dから第3表示D3の表示を省略し、第1表示D1及び第2表示D2のみを表示しても良い。
【0063】
また、対応表示Dの第1表示D1を指定された設定操作子Sp1~Sp4の名称を線で囲むものとしたが、これに限られない。指定された設定操作子Sp1~Sp4自体を囲むものとしても良いし、指定された設定操作子Sp1~Sp4とその名称とをまとめて囲むものでも良い。
【0064】
或いは、対応表示Dは、設定操作子Sp1~Sp4の名称や外観画像Pの操作子を第1表示D1や第2表示D2で囲み、第1表示D1と第2表示D2とを第3表示D3で結ぶものに限られない。例えば、
図6(a)の音色設定画面50aのように、対応表示Dを、設定操作子Sp1~Sp4の名称に付されるハッチングによる第4表示D4と、その設定操作子Sp1~Sp4に対応する外観画像Pの操作子に付される第5表示D5であって、第4表示D4と同一のハッチングによる第5表示D5とで構成しても良い。
【0065】
このような同一の態様のハッチングによる第4表示D4及び第5表示D5によって、ユーザHは外観画像Pにおいて設定を所望する音色パラメータを設定する操作子の位置を容易に把握できる。なお、第4表示D4と第5表示D5とに同一のハッチングを付すもの限られず、第4表示D4と第5表示D5とに同一の色を付しても良いし、第4表示D4と第5表示D5とのそれぞれに囲まれる領域の明度や輝度を同一のタイミングで変化させる等して第4表示D4と第5表示D5とを同一のタイミングで点滅させても良い。
【0066】
また
図6(b)の音色設定画面51aのように、対応表示Dを、設定操作子Sp1~Sp4の近くに配置される星形のマークによる第6表示D6と、その設定操作子Sp1~Sp4に対応する外観画像Pの操作子の近くに配置される第7表示D7であって、第6表示D6と同一の星形のマークによる第7表示D7とで構成しても良い。なお、第6表示D6及び第7表示D7のマークは星形に限られず、円形や矩形等の他の形状を用いても良い。
【0067】
また、設定操作子Sp1~Sp4をマウス2でクリックした場合に、クリックされた設定操作子Sp1~Sp4の対応表示Dを表示したが、対応表示Dを表示する操作はこれに限られない。例えば、設定操作子Sp1~Sp4やこれらの名称の上にマウスカーソルMcが位置した場合に、マウスカーソルMcの下に位置する設定操作子Sp1~Sp4の対応表示Dを表示しても良い。この場合、ユーザHが設定操作子Sp1~Sp4やこれらの名称の上にマウスカーソルMcを位置させることが、設定エリアSaで設定操作子Sp1~Sp4を指定することに相当する。
【0068】
或いは、マウス2のクリックやマウスカーソルMcに関わらず、常に全ての対応表示Dを表示しても良いし、対応表示Dを所定時間(例えば2秒間)ごとに順番に表示しても良いし(例えば、設定操作子Sp1の対応表示→設定操作子Sp2の対応表示→・・・)、対応表示Dをランダムな順番で表示しても良い。
【0069】
上記実施形態では、表示モードがブラウズモードの場合において、鍵Ksを有する鍵盤エリアKaを設け、鍵盤エリアKaの鍵Ksが操作された場合に、音色指定エリアNaで指定された音色に設定エリアSaで設定された音色パラメータを適用した音を発音したが、これに限られない。例えば、PC1に鍵盤等の入力装置を有するMIDIコントローラを接続し、MIDIコントローラからMIDIメッセージを入力した場合に、音色指定エリアNaで指定された音色に設定エリアSaで設定された音色パラメータを適用した音を発音しても良い。この際、発音される音の音高は、入力されるMIDIメッセージに設定される音高とすれば良い。
【0070】
上記実施形態では、表示モードがブラウズモードの場合において、設定操作子Sp1~Sp4のうちのスライダー式の操作子は、マウス2のドラッグによって音色パラメータを設定したが、これに限られない。例えば、スライダー式の操作子の所定の位置にマウスカーソルMcを合わせてマウス2をクリックすることで、その位置に対応する音色パラメータを設定しても良い。また、スライダー式の操作子上にマウスカーソルMcを合わせ、マウス2に設けられるスクロールホイール(図示せず)を回転させることで、音色パラメータを増減させても良い。この場合、スクロールホイールが上方向に回転された場合は音色パラメータを増加させ、スクロールホイールが下方向に回転された場合は、音色パラメータを減少させれば良い。また、所望する位置にマウスカーソルMcを合わせ、その状態でキーボード3の上下左右キー等のキー操作をすることにより音色パラメータを設定しても良い。
【0071】
同様に、設定操作子Sp1~Sp4のうちの波形設定エリアでは、波形をマウスカーソルMcでドラッグすることで波形を変形させ、変形された波形に応じた音色パラメータを設定したが、これに限られない。例えば、波形設定エリアにおいて、所定の位置にマウスカーソルMcを合わせ、マウス2のスクロールホイールを回転させることで、マウスカーソルMcが合わされた波形の位置を上下させて波形を変形しても良い。この場合、スクロールホイールが上方向に回転された場合はマウスカーソルMcが合わされた波形の位置を上方向に移動させ、スクロールホイールが下方向に回転された場合は、マウスカーソルMcが合わされた波形の位置を下方向に移動させれば良い。
【0072】
また、予め設定された波形の形状に関する情報である波形テンプレートを設定エリアSaに表示しておき、ユーザHが所望する波形の形状の波形テンプレートを波形設定エリアにドラッグ&ドロップすることで、当該波形テンプレートの波形を波形設定エリアに適用しても良い。
【0073】
上記実施形態では、表示モードがブラウズモードの場合において、設定操作子として、設定操作子Sp1のようなスライダー式の操作子や設定操作子Sp3のような波形設定エリアを例示したが、設定操作子の態様はこれに限られず、ノブ(ツマミ)式の操作子など他の態様の操作子を用いても良い。また、音色パラメータの数値をユーザHがマウス2やキーボード3を介して直接入力する入力エリアを設定操作子としても良い。
【0074】
上記実施形態では、表示モードがブラウズモードの場合において、外観画像Pの操作子を操作できないように構成したが、これに限られない。例えば、表示モードがエディットモードの場合の実機シミュレーションエリアSMaと同様に、外観画像Pの操作子を操作可能に構成しても良い。この際に、外観画像Pの操作子が操作されることで変更された音色パラメータを対応する設定エリアSaの設定操作子Sp1~Sp4に反映すれば良い。
【0075】
上記実施形態では、設定エリアSaには、外観画像Pに関わらず同じ設定操作子Sp1~Sp4を表示したが、これに限られない。外観画像Pに応じた設定操作子Sp1~Sp4を表示しても良い。例えば、ディレイ時間の設定を有さないシンセサイザをシミュレートするため、外観画像Pに当該シンセサイザが表示される場合は、設定操作子Sp4の表示を省略しても良い。
【0076】
また、表示モードがエディットモードの音色パラメータの設定において、操作子Scによって変更される頻度の高い音色パラメータを抽出しておき、その後の表示モードがブラウズモードにおいて、設定操作子Sp1~Sp4が設定する音色パラメータの対象を、エディットモードで抽出された変更される頻度が高い音色パラメータとしても良い。これにより、設定エリアSaにはユーザHが設定を行う頻度が高い音色パラメータを設定対象とする設定操作子Sp1~Sp4が表示されるので、ユーザHにとって使い勝手の良い設定エリアSaとすることができる。
【0077】
更には、設定操作子Sp1~Sp4を、変更される頻度が高い音色パラメータ順に並べても良い。例えば、最も変更する頻度が高い音色パラメータを設定する設定操作子を設定操作子Sp1に配置し、その次に変更する頻度が高い音色パラメータを設定する設定操作子を設定操作子Sp2に配置し、同様に3,4番目に変更する頻度が高い音色パラメータを設定する設定操作子をそれぞれ設定操作子Sp3,Sp4に配置すれば良い。
【0078】
また、
図4(b)のエディット処理において、S21~S24の変更操作子Ncの操作に対する処理と、S25,S26による操作子Scの操作に対する処理とに加え、
図5のブラウズ処理のS48,S49の処理のように、実機シミュレーションエリアSMaの外観画像の鍵盤(
図2(b)参照)の操作に基づく発音を行っても良い。
【0079】
上記実施形態では、
図4(a)のメイン処理のS5の処理において、保存ボタンSvが操作された場合に、音源データ21bにおける音色指定エリアNa等で指定された音色の各種の音色パラメータを、設定値メモリ22aに記憶される各種の音色パラメータで上書き保存したが、これに限られない。例えば、保存ボタンSvが操作された場合に、音源データ21bにおける音色指定エリアNa等で指定された音色に設定値メモリ22aに記憶される各種の音色パラメータを適用したものを、音源データ21bに別の音色として保存しても良い。また、保存ボタンSvが操作された場合に上書き保存するか又は別の音色として保存するかを選択可能にしても良い。
【0080】
上記実施形態では、音色設定プログラム21aを実行するコンピュータとして、PC1を例示したが、これに限られず、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置や電子楽器、その他の電子機器で音色設定プログラム21aを実行しても良い。この場合、マウス2やキーボード3の代わりにタッチパネルを表示装置5上に重ねて設ければ良い。また、音色設定プログラム21aをROM等に記憶し、音色設定プログラム21aのみを実行する専用装置(音色設定装置)に、本発明を適用しても良い。
【符号の説明】
【0081】
1 PC(コンピュータ)
21a 音色設定プログラム
2 マウス(入力部)
3 キーボード(入力部)
5 表示装置(表示部)
P 外観画像
Sp1~Sp4 設定操作子
S40 画像表示ステップ、操作子表示ステップ、画像表示手段、操作子表示手段
S44 指定操作子取得ステップ
S45 対応表示ステップ、対応表示手段
S49 試聴ステップ