(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126832
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ガス圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04B 31/00 20060101AFI20240912BHJP
F04B 39/12 20060101ALI20240912BHJP
F04B 9/137 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F04B31/00
F04B39/12 101E
F04B9/137
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035511
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】壬生 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】服部 智秀
【テーマコード(参考)】
3H003
3H075
3H076
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AC04
3H003CB01
3H003CD03
3H003CD06
3H075AA18
3H075BB03
3H075BB16
3H075BB20
3H075CC34
3H075CC37
3H075DA03
3H075DA04
3H075DA08
3H075DB10
3H075DB42
3H075DB43
3H076AA13
3H076BB38
3H076BB45
3H076CC26
3H076CC28
3H076CC44
(57)【要約】
【課題】設置面積を小さく保ったままで構成機器のメンテナンス性を向上させることができるガス圧縮機を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るガス圧縮機1は、架台10と、同軸上に並ぶガスシリンダ3A,3Bおよび油圧シリンダ4A,4Bを含み、ガスシリンダ3A,3Bおよび油圧シリンダ4A,4Bの軸方向が上下方向となるように架台10上に設置されたガスブースタ2A,2Bを含む。さらに、ガス圧縮機1は、平面視でガスブースタ2A,2Bと異なる位置に位置するポンプユニット6A,6Bと、平面視でガスブースタ2A,2Bおよびポンプユニット6A,6Bと異なる位置に位置するマニホールド7を含む。ポンプユニット6A,6Bは油圧シリンダ3A,3Bと共に油圧回路を構成する油圧ポンプ61を含み、マニホールド7の内部には前記油圧回路の一部を構成する流路が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架台と、
同軸上に並ぶガスシリンダおよび油圧シリンダを含み、前記ガスシリンダおよび前記油圧シリンダの軸方向が上下方向となるように前記架台上に設置された少なくとも1つのガスブースタと、
前記油圧シリンダと共に油圧回路を構成する油圧ポンプ、および前記油圧ポンプを駆動する電動機を含む、平面視で前記ガスブースタと異なる位置に位置するポンプユニットと、
平面視で前記ガスブースタおよび前記油圧ポンプと異なる位置に位置し、前記油圧回路の一部を構成する流路が内部に形成されたマニホールドと、
を備える、ガス圧縮機。
【請求項2】
前記マニホールドの上面には、前記油圧回路に含まれる少なくとも1つのバルブが取り付けられている、請求項1に記載のガス圧縮機。
【請求項3】
前記ポンプユニットは、同軸上に並ぶ前記油圧ポンプおよび前記電動機の軸方向が上下方向となるように前記架台上に設置されている、請求項1または2に記載のガス圧縮機。
【請求項4】
前記電動機は前記油圧ポンプの上方に位置する、請求項3に記載のガス圧縮機。
【請求項5】
前記ガスシリンダは前記油圧シリンダの上方に位置する、請求項1または2に記載のガス圧縮機。
【請求項6】
前記少なくとも1つのガスブースタの上方には配管が配策されていない、請求項1または2に記載のガス圧縮機。
【請求項7】
前記少なくとも1つのガスブースタは、互いに横方向に離間する第1ガスブースタと第2ガスブースタを含み、
前記マニホールドは、前記第1ガスブースタと前記ガスブースタの間に配置されている、請求項1または2に記載のガス圧縮機。
【請求項8】
前記少なくとも1つのガスブースタは、互いに横方向に離間する第1ガスブースタと第2ガスブースタを含み、
前記マニホールドは、前記第1ガスブースタと前記第2ガスブースタとに跨るサイズを有する、請求項1または2に記載のガス圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、油圧駆動式のガス圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、油圧駆動式のガス圧縮機が知られている。例えば、このようなガス圧縮機は、大型のガス圧縮機として用いられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、2つのガスブースタを含むガス圧縮機が開示されている。各ガスブースタは、同軸上に並ぶガスシリンダおよび油圧シリンダを含む。
【0004】
より詳しくは、各ガスブースタのガスシリンダはガスシリンダチューブ、ガスカバーおよびガスピストンを含み、油圧シリンダは油圧シリンダチューブ、一対の油圧カバーおよび油圧ピストンを含む。
【0005】
ガスカバーは油圧シリンダと反対側でガスシリンダチューブの一方の開口を閉塞し、ガスピストンはガスシリンダチューブ内に配置されてガスカバーとの間に圧縮室を形成する。また、一対の油圧カバーは油圧シリンダチューブの双方の開口を閉塞し、油圧ピストンは油圧シリンダチューブ内に配置されて一対の油圧カバーとの間に一対の駆動室を形成する。ガスピストンと油圧ピストンとは、ガスシリンダ側の油圧カバーを貫通するロッドにより連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のガス圧縮機では、ガスシリンダおよび油圧シリンダの軸方向が上下方向である。このため、ガス圧縮機の設置面積を小さくすることができる。
【0008】
ところで、油圧駆動式のガス圧縮機では、ガスブースタの油圧シリンダが油圧ポンプと共に油圧回路を構成する。また、前記油圧ポンプは、当該油圧ポンプを駆動する電動機と共にポンプユニットを構成することがある。このようなガス圧縮機では、ガスブースタやポンプユニットなどの構成機器のメンテナンス性を向上させることが望まれる。
【0009】
そこで、本開示は、設置面積を小さく保ったままで構成機器のメンテナンス性を向上させることができるガス圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、架台と、同軸上に並ぶガスシリンダおよび油圧シリンダを含み、前記ガスシリンダおよび前記油圧シリンダの軸方向が上下方向となるように前記架台上に設置された少なくとも1つのガスブースタと、前記油圧シリンダと共に油圧回路を構成する油圧ポンプ、および前記油圧ポンプを駆動する電動機を含む、平面視で前記ガスブースタと異なる位置に位置するポンプユニットと、平面視で前記ガスブースタおよび前記油圧ポンプと異なる位置に位置し、前記油圧回路の一部を構成する流路が内部に形成されたマニホールドと、を備える、ガス圧縮機を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、設置面積を小さく保ったままで構成機器のメンテナンス性を向上させることができるガス圧縮機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係るガス圧縮機の斜視図である。
【
図4】第1変形例のガス圧縮機の概略的な平面図である。
【
図5】第2変形例のガス圧縮機の概略的な平面図である。
【
図6】第3変形例のガス圧縮機の概略的な平面図である。
【
図7】第4変形例のガス圧縮機の概略的な平面図である。
【
図8】第5変形例のガス圧縮機の概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に、一実施形態に係るガス圧縮機1Aを示す。本実施形態では、ガス圧縮機1Aが、構成機器として第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bを含み、ガスを二段で圧縮する。圧縮対象となるガスは特に限定されるものではないが、例えば水素である。
【0014】
また、本実施形態では、ガス圧縮機1Aが、架台10を含むとともに、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2B以外の構成機器として2つのポンプユニット6A,6B、マニホールド7およびタンク9を含む。ただし、ガス圧縮機1Aはポンプユニット6A,6Bの一方のみを含んでもよい。
【0015】
ポンプユニット6A,6Bは平面視で第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bと異なる位置に位置し、マニホールド7は平面視で第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bならびにポンプユニット6A,6Bと異なる位置に位置する。
【0016】
より詳しくは、第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bは、互いに横方向に離間する。本実施形態では、架台10が矩形の板状であり、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bが架台10の一辺側の両コーナーに配置されている。マニホールド7は、第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの離間方向において第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの間に配置されている。このため、第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの離間方向と直交する方向においてガス圧縮機1Aをコンパクト化することができる。
【0017】
本実施形態では、マニホールド7が、架台10から上方に離間するとともに、第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの上端よりも下方に位置している。換言すれば、マニホールド7は、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bの存する高さ領域内に配置されている。例えば、マニホールド7は、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bの上下方向の中央よりも上方に位置してもよい。このようにマニホールド7がある程度の高さに配置されていれば、メンテナンス時に上方からのアクセス性が向上する。また、マニホールド7が第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの上端よりも下方に位置すれば、ガス圧縮機1Aの高さが高くなることがない。
【0018】
本実施形態では、タンク9が
図3に示すように、互いに並列に接続された複数の小型容器91を含む。本実施形態では、小型容器91が第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bの離間方向に一列で並んでいる。例えば、小型容器91は、架台10を第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bの離間方向と直交する方向に三等分したときの第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bとは反対側の末端領域内に配置される。ただし、タンク9は1つの大型容器であってもよい。
【0019】
ポンプユニット6A,6Bは、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bの離間方向に互いに離間している。また、ポンプユニット6A,6Bは、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bの離間方向と直交する方向において第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bとタンク9の間に配置されている。換言すれば、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bの離間方向と直交する方向において、第1ガスブースタ2A、ポンプユニット6Aおよびタンク9はこの順に並んでおり、第2ガスブースタ2B、ポンプユニット6Bおよびタンク9はこの順に並んでいる。
【0020】
そして、第1ガスブースタ2A、第2ガスブースタ2B、マニホールド7、ポンプユニット6A,6Bおよびタンク9の間に、後述する油圧配管1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1iが折れ曲がりながら配策されている。
【0021】
図1に示すように、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bのそれぞれはサポート10aを介して架台10上に設置されている。
図1では、サポート10aが台であるが、サポート10aは後述する油圧カバー43,47と架台10との間に介在する複数の柱であってもよい。マニホールド7は幅の狭い机状のフレーム10cを介して架台10上に設置されており、ポンプユニット6A,6Bは幅の広い机状のフレーム10bを介して架台10上に設置されている。
【0022】
図2に示すように、第1ガスブースタ2Aは、ガスシリンダ3A、油圧シリンダ4Aおよびロッド55を含み、第2ガスブースタ2Bは、ガスシリンダ3B、油圧シリンダ4Bおよびロッド56を含む。第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bが大きく異なる点は、ガスシリンダ3A,3Bのサイズである。具体的には、後述する第2ガスピストン37の直径が後述する第1ガスピストン33の直径よりも小さい。例えば、第1ガスピストン33の面積は、第2ガスピストン37の面積の2倍以上10倍以下である。なお、第1ガスピストン33および第2ガスピストン37の直径以外の他の要素によって後述するガスシリンダチューブ31,35内の体積が異なってもよい。
【0023】
第1ガスブースタ2Aのガスシリンダ3Aおよび油圧シリンダ4Aは同軸上に並んでおり、第2ガスブースタ2Bのガスシリンダ3Bおよび油圧シリンダ4Bは同軸上に並んでいる。ガスシリンダ3A,3Bおよび油圧シリンダ4A,4Bの軸方向は上下方向である。ガスシリンダ3A,3Bおよび油圧シリンダ4A,4Bの軸方向は鉛直方向と平行であってもよいし、鉛直方向に対して僅かに、例えば20度以内で傾いてもよい。また、本実施形態では、ガスシリンダ3Aが油圧シリンダ4Aの上方に位置し、ガスシリンダ3Bが油圧シリンダ4Bの上方に位置する。
【0024】
第1ガスブースタ2Aに関し、ガスシリンダ3Aは、ガスシリンダチューブ31、ガスカバー32および第1ガスピストン33を含む。ガスシリンダチューブ31は上下方向に延びる筒状であり、ガスカバー32は油圧シリンダ4Aと反対側でガスシリンダチューブ31の上方の開口を閉塞する。第1ガスピストン33はガスシリンダチューブ31内に配置されてガスカバー32との間に第1圧縮室3aを形成する。
【0025】
ガスシリンダ3Aは、ガスシリンダチューブ31を収容する、ガスカバー32から後述する油圧カバー42まで延びる筒状のジャケット34も含む。ガスシリンダチューブ31とジャケット34との間には環状の冷却室が形成され、前記冷却室に冷却液が供給されるとともに前記冷却室から冷却液が排出される。ただし、ジャケット34は省略されてもよい。
【0026】
ガスカバー32は、例えば円盤状である。本実施形態では、ガスカバー32が、径方向外側を向く端面上に吸入ポート2aおよび吐出ポート2bを有する。ただし、吸入ポート2aおよび吐出ポート2bの一方または双方はガスカバー32の上面上にあってもよい。
【0027】
ガスカバー32には、吸入ポート2aから第1圧縮室3aに至るガス流路21と、第1圧縮室3aから吐出ポート2bに至るガス流路23が形成されている。ガス流路21,23には逆止弁22,24がそれぞれ設けられている。
【0028】
ただし、逆止弁22は後述するガス配管11に設けられてもよいし、逆止弁24は後述するガス配管12に設けられてもよい。この場合、吸入ポート2aおよび吐出ポート2bがガスシリンダチューブ31の上部に設けられて、ガス流路21,23が省略されてもよい。吸入ポート2aおよび吐出ポート2bがガスシリンダチューブ31に設けられる場合、ガス配管11がジャケット34を貫通して吸入ポート2aにつながるとともに、ガス配管12がジャケット34を貫通して吐出ポート2bにつながってもよい。
【0029】
油圧シリンダ4Aは、油圧シリンダチューブ41、一対の油圧カバー42,43および第1油圧ピストン44を含む。油圧シリンダチューブ41は上下方向に延びる筒状であり、油圧カバー42は油圧シリンダチューブ41の上方の開口を閉塞し、油圧カバー43は油圧シリンダチューブ41の下方の開口を閉塞する。
【0030】
第1油圧ピストン44は油圧シリンダチューブ41内に配置されて油圧カバー42との間に第1駆動室4aを形成するとともに油圧カバー43との間に第2駆動室4bを形成する。本実施形態では第1油圧ピストン44が一枚の板であるが、第1油圧ピストン44は二枚の板とその間のロッドで構成されてもよい。この場合、二枚の板の間に作動油が供給されてもよい。
【0031】
本実施形態では、ガスシリンダチューブ31の下方の開口が油圧カバー42で閉塞される。ロッド55は、第1駆動室4aを横断するとともに油圧カバー42を貫通して第1ガスピストン33と第1油圧ピストン44とを連結する。
【0032】
油圧カバー42,43は、例えば円盤状である。本実施形態では、油圧カバー42が径方向外側を向く端面上に給排ポート5aを有し、油圧カバー43が径方向外側を向く端面上に給排ポート5bを有する。ただし、給排ポート5a,5bの位置はこれに限らない。例えば、給排ポート5aが油圧シリンダチューブ41の上部に設けられて後述する油圧流路51が省略されてもよいし、給排ポート5bが油圧シリンダチューブ41の下部に設けられて後述する油圧流路52が省略されてもよい。
【0033】
油圧カバー42には、給排ポート5aと第1駆動室4aとを連通する油圧流路51が形成されており、油圧カバー43には、給排ポート5bと第2駆動室4bとを連通する油圧流路52が形成されている。
【0034】
第2ガスブースタ2Bに関し、ガスシリンダ3Bは、ガスシリンダチューブ35、ガスカバー36および第2ガスピストン37を含む。ガスシリンダチューブ35は上下方向に延びる筒状であり、ガスカバー36は油圧シリンダ4Bと反対側でガスシリンダチューブ35の上方の開口を閉塞する。第2ガスピストン37はガスシリンダチューブ35内に配置されてガスカバー36との間に第2圧縮室3bを形成する。
【0035】
ガスシリンダ3Bは、ガスシリンダチューブ35を収容する、ガスカバー36から後述する油圧カバー46まで延びる筒状のジャケット38も含む。ガスシリンダチューブ35とジャケット38との間には環状の冷却室が形成され、前記冷却室に冷却液が供給されるとともに前記冷却室から冷却液が排出される。ただし、ジャケット38は省略されてもよい。
【0036】
ガスカバー36は、例えば円盤状である。本実施形態では、ガスカバー36が、径方向外側を向く端面上に吸入ポート2cおよび吐出ポート2dを有する。ただし、吸入ポート2cおよび吐出ポート2dの一方または双方はガスカバー36の上面上にあってもよい。
【0037】
ガスカバー36には、吸入ポート2cから第2圧縮室3bに至るガス流路25と、第2圧縮室3bから吐出ポート2dに至るガス流路27が形成されている。ガス流路25,57には逆止弁26,28がそれぞれ設けられている。
【0038】
ただし、逆止弁26は後述するガス配管12に設けられてもよいし、逆止弁28は後述するガス配管13に設けられてもよい。この場合、吸入ポート2cおよび吐出ポート2dがガスシリンダチューブ35の上部に設けられて、ガス流路25,27が省略されてもよい。吸入ポート2cおよび吐出ポート2dがガスシリンダチューブ35に設けられる場合、ガス配管12がジャケット38を貫通して吸入ポート2cにつながるとともに、ガス配管13がジャケット38を貫通して吐出ポート2dにつながってもよい。
【0039】
油圧シリンダ4Bは、油圧シリンダチューブ45、一対の油圧カバー46,47および第2油圧ピストン48を含む。油圧シリンダチューブ45は上下方向に延びる筒状であり、油圧カバー46は油圧シリンダチューブ45の上方の開口を閉塞し、油圧カバー47は油圧シリンダチューブ45の下方の開口を閉塞する。
【0040】
第2油圧ピストン48は油圧シリンダチューブ45内に配置されて油圧カバー46との間に第3駆動室4cを形成するとともに油圧カバー47との間に第4駆動室4dを形成する。本実施形態では第2油圧ピストン48が一枚の板であるが、第2油圧ピストン48は二枚の板とその間のロッドで構成されてもよい。この場合、二枚の板の間に作動油が供給されてもよい。
【0041】
本実施形態では、ガスシリンダチューブ35の下方の開口が油圧カバー46で閉塞される。ロッド56は、第3駆動室4cを横断するとともに油圧カバー46を貫通して第2ガスピストン37と第2油圧ピストン48とを連結する。
【0042】
油圧カバー46,47は、例えば円盤状である。本実施形態では、油圧カバー46が径方向外側を向く端面上に給排ポート5cを有し、油圧カバー47が径方向外側を向く端面上に給排ポート5dを有する。ただし、給排ポート5c,5dの位置はこれに限らない。例えば、給排ポート5cが油圧シリンダチューブ45の上部に設けられて後述する油圧流路53が省略されてもよいし、給排ポート5dが油圧シリンダチューブ45の下部に設けられて後述する油圧流路54が省略されてもよい。
【0043】
油圧カバー46には、給排ポート5cと第3駆動室4cとを連通する油圧流路53が形成されており、油圧カバー47には、給排ポート5dと第4駆動室4dとを連通する油圧流路54が形成されている。
【0044】
詳しくは後述するが、通常運転時、第1ガスブースタ2Aの第2駆動室4bと第2ガスブースタ2Bの第4駆動室4dとが連通する。第1ガスブースタ2Aの第1油圧ピストン44の直径と第2ガスブースタ2Bの第2油圧ピストン48の直径は等しい。このため、第1油圧ピストン44および第1ガスピストン33のストロークと第2油圧ピストン48および第2ガスピストン37のストロークは等しい。ただし、第1油圧ピストン44の直径と第2油圧ピストン48の直径が異なり、第1油圧ピストン44および第1ガスピストン33のストロークと第2油圧ピストン48および第2ガスピストン37のストロークが異なってもよい。
【0045】
第1ガスブースタ2Aの吸入ポート2aにはガス配管11が接続され、第2ガスブースタ2Bの吐出ポート2dにはガス配管13が接続されている。また、第1ガスブースタ2Aの吐出ポート2bと第2ガスブースタ2Bの吸入ポート2cとはガス配管12により互いに接続されている。このため、第1圧縮室3aから第2圧縮室3bへガスが供給される。なお、図面の簡略化のために、
図1ではガス配管11,12,13の作図を省略する。
【0046】
第1ガスピストン33と第2ガスピストン37は互い違いに動く。第1ガスピストン33が下降すると、ガス配管11からガス流路21を通じて第1圧縮室3aへガスが供給される。第1ガスピストン33が上昇するとともに第2ガスピストン37が下降すると、第1圧縮室3aからガス流路23、ガス配管12およびガス流路25を通じて第2圧縮室3bへガスが供給される。このとき、第1圧縮室3aと第2圧縮室3bとの面積差によりガスが圧縮される。第2ガスピストン37が上昇すると、第2圧縮室3bでガスが少なくとも逆止弁28の下流側の圧力まで圧縮されるとともに、圧縮されたガスがガス流路27およびガス配管13を通じて排出される。
【0047】
上述したマニホールド7は、本実施形態では、直方体状のブロックである。マニホールド7は、表面上に、4つのブースタポート7e,7f,7g,7hと、4つのポンプポート7a,7b,7c,7dと、1つのタンクポート7iを含む。第1ガスブースタ2Aの給排ポート5a,5bはそれぞれ油圧配管1e,1fによりマニホールド7のブースタポート7e,7fと接続されており、第2ガスブースタ2Bの給排ポート5c,5dは油圧配管1g,1hによりマニホールド7のブースタポート7g,7hと接続されている。なお、図面の簡略化のために、
図1では油圧配管1e,1f,1g,1hの作図を省略する。
【0048】
図1に示すように、マニホールド7は第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの間に位置するため、油圧配管1e,1fは第1ガスブースタ2Aの側方に配策され、油圧配管1g,1hは第2ガスブースタ2Bの側方に配策される。つまり、第1ガスブースタ2Aの上方および第2ガスブースタ2Bの上方には油圧配管が配策されていない。また、本実施形態では上述したように第1ガスブースタ2Aのガスカバー32が端面上に吸入ポート2aおよび吐出ポート2bを有するとともに第2ガスブースタ2Bのガスカバー36が端面上に吸入ポート2cおよび吐出ポート2dを有するため、ガス配管も第1ガスブースタ2Aの上方および第2ガスブースタ2Bの上方に配策されていない。
【0049】
マニホールド7のポンプポート7a,7bは油圧配管1a,1bによりポンプユニット6Aと接続されており、マニホールド7のポンプポート7c,7dは油圧配管1c,1dによりポンプユニット6Bと接続されている。さらに、マニホールド7のタンクポート7iは油圧配管1iによりタンク9と接続されている。なお、図面の簡略化のために、
図1では油圧配管1a,1b,1c,1d,1iの作図を省略し、
図3では油圧配管1iの作図を省略する。
【0050】
ポンプユニット6A,6Bはそれぞれ油圧配管9a,9bによりタンク9と接続されている。ポンプユニット6A,6Bのそれぞれは、油圧ポンプ61と、油圧ポンプ61を駆動する電動機62を含む。双方の油圧ポンプ61は、第1ガスブースタ2Aの油圧シリンダ4Aおよび第2ガスブースタ2Bの油圧シリンダ4Bと共に油圧回路を構成する。
【0051】
図1に示すように、油圧ポンプ61と電動機62は同軸上に並んでいる。本実施形態では、油圧ポンプ61および電動機62の軸方向が上下方向である。また、電動機62は油圧ポンプ61の上方に位置する。
【0052】
本実施形態では、
図2に示すように、各油圧ポンプ61が、回転方向によって作動油の吐出方向が切り換え可能な両方向ポンプである。例えば、両方向ポンプはアキシャルピストンポンプである。ただし、油圧ポンプ61は、一方向に回転する、斜板や斜軸のセンターからの傾倒方向によって作動油の吐出方向が切り換わるアキシャルピストンポンプであってもよい。また、図例では油圧ポンプ61が可変容量型ポンプであるが、油圧ポンプ61は固定容量型ポンプであってもよい。
【0053】
ポンプユニット6Aの油圧ポンプ61は、流路63を通じて油圧配管1aへ作動油を吐出するとともに流路64を通じて油圧配管1bから作動油を吸入するか、流路64を通じて油圧配管1bへ作動油を吐出するとともに流路63を通じて油圧配管1aから作動油を吸入する。流路63から分岐して油圧配管9aにつながる流路65には逆止弁66が設けられており、流路64から分岐して油圧配管9aにつながる流路67には逆止弁68が設けられている。
【0054】
同様に、ポンプユニット6Bの油圧ポンプ61は、流路63を通じて油圧配管1cへ作動油を吐出するとともに流路64を通じて油圧配管1dから作動油を吸入するか、流路64を通じて油圧配管1dへ作動油を吐出するとともに流路63を通じて油圧配管1cから作動油を吸入する。流路63から分岐して油圧配管9bにつながる流路65には逆止弁66が設けられており、流路64から分岐して油圧配管9bにつながる流路67には逆止弁68が設けられている。
【0055】
マニホールド7の内部には、上述した油圧回路の一部を構成する複数の流路が形成されている。具体的に、マニホールド7の内部には、ブースタポート7eから途中で分岐してポンプポート7a,7cに至る第1流路71と、ブースタポート7hから途中で分岐してポンプポート7b,7dに至る第2流路72が形成されている。第1流路71には分岐点よりもブースタポート7e側に第1開閉弁81が設けられ、第2流路72には分岐点よりもブースタポート7h側に第2開閉弁82が設けられている。
【0056】
また、マニホールド7の内部には、ブースタポート7f,7g同士を接続する第3流路73が形成されている。第3流路73には第3開閉弁83が設けられている。
【0057】
第3流路73からは、第3開閉弁83とブースタポート7gの間で第4流路74が分岐しており、第4流路74は第1開閉弁81とポンプポート7a,7cの間で第1流路71につながっている。第4流路74には第4開閉弁84が設けられている。同様に、第3流路73からは、第3開閉弁83とブースタポート7fの間で第5流路75が分岐しており、第5流路75は第2開閉弁82とポンプポート7b,7dの間で第2流路72につながっている。第5流路75には第5開閉弁85が設けられている。
【0058】
さらに、第1流路71からは、第1開閉弁81とブースタポート7eの間で第6流路76が分岐しており、第6流路76はタンクポート7iにつながっている。第6流路76には第6開閉弁86が設けられている。同様に、第2流路72からは、第2開閉弁82とブースタポート7hの間で第7流路77が分岐しており、第7流路77はタンクポート7iにつながっている。第7流路77には第7開閉弁87が設けられている。
【0059】
第1開閉弁81、第2開閉弁82、第3開閉弁83、第4開閉弁84、第5開閉弁85、第6開閉弁86および第7開閉弁87は、上述した油圧回路に含まれる。
【0060】
通常運転では、第1開閉弁81、第2開閉弁82および第3開閉弁83が開かれ、第4開閉弁84および第5開閉弁85が閉じられる。通常運転の前には作動油充填運転が行われる。なお、第6開閉弁86および第7開閉弁87は通常運転の終了時などに一時的に開かれるがそれ以外は閉じられる。
【0061】
作動油充填運転では、まず第2開閉弁82および第4開閉弁84を開くとともに、第1開閉弁81、第3開閉弁83および第5開閉弁85を閉じた状態で、ポンプユニット6A,6Bの少なくとも一方の油圧ポンプ61から第2ガスブースタ2Bの第4駆動室4dへ作動油を供給する。第2油圧ピストン48が上限まで上昇した後は、第1開閉弁81および第5開閉弁85を開くとともに、第2開閉弁82、第3開閉弁83および第4開閉弁84を閉じた状態で、ポンプユニット6A,6Bの少なくとも一方の油圧ポンプ61から第2ガスブースタ2Bの第4駆動室4dへ作動油を供給する。これにより、第2駆動室4b、油圧流路52、油圧配管1f、第3流路73、油圧配管1g、油圧流路54および第4駆動室4dで構成される中間室に、第2駆動室4bまたは第4駆動室4dの容積よりも多くの作動油を充填することができる。
【0062】
第1開閉弁81、第2開閉弁82、第3開閉弁83、第4開閉弁84および第5開閉弁85は、
図3に示すように、マニホールド7の上面に取り付けられている。なお、図面の簡略化のために、
図1では第1開閉弁81、第2開閉弁82、第3開閉弁83、第4開閉弁84および第5開閉弁85の作図を省略する。また、
図1および
図3では第6開閉弁86および第7開閉弁87の作図を省略するが、第6開閉弁86および第7開閉弁87もマニホールド7の上面に取り付けられている。ただし、第1開閉弁81、第2開閉弁82、第3開閉弁83、第4開閉弁84および第5開閉弁85に比べて小型な第6開閉弁86および第7開閉弁87は、マニホールド7の下面以外の任意の面に取り付け可能である。
【0063】
以上説明したように、本実施形態のガス圧縮機1Aでは、第1ガスブースタ2Aのガスシリンダ3Aおよび油圧シリンダ4Aの軸方向が上下方向であり、第2ガスブースタ2Bのガスシリンダ3Bおよび油圧シリンダ4Bの軸方向が上下方向であるので、ガス圧縮機1Aの設置面積を小さくすることができる。また、第1ガスブースタ2A、第2ガスブースタ2B、ポンプユニット6A,6Bおよびマニホールド7が平面視で互いに重なり合わないように配置されているので、第1ガスブースタ2A、第2ガスブースタ2B、ポンプユニット6A,6Bおよびマニホールド7である構成機器のそれぞれの上方にメンテナンススペースを確保することができ、各構成機器に対して上方からアクセスすることができる。従って、構成機器のメンテナンス性を向上させることができる。
【0064】
しかも、マニホールド7の上面には、第1開閉弁81、第2開閉弁82、第3開閉弁83、第4開閉弁84および第5開閉弁85が取り付けられているので、これらのバルブを簡単にメンテナンスすることができる。
【0065】
さらに、本実施形態では、ポンプユニット6A,6Bのそれぞれにおいて電動機62が油圧ポンプ61の上方に位置するので、ポンプユニットの上方のメンテナンススペースを利用して電動機62をメンテナンスすることができる。
【0066】
また、本実施形態では、第1ガスブースタ2Aにおいてガスシリンダ3Aが油圧シリンダ4Aの上方に位置するので、第1ガスブースタ2Aの上方のメンテナンススペースを利用してガスシリンダ3Aをメンテナンスすることができる。同様に、第2ガスブースタ2Bにおいてガスシリンダ3Bが油圧シリンダ4Bの上方に位置するので、第2ガスブースタ2Bの上方のメンテナンススペースを利用してガスシリンダ3Bをメンテナンスすることができる。例えば、第1ガスピストン33および第2ガスピストン37をクレーンにより上方から吊り上げることができる。ガス圧縮機1Aがハウジングで覆われる場合は、クレーンの代わりにチェーンブロックなどを使用可能である。
【0067】
さらに、本実施形態では、第1ガスブースタ2Aの上方および第2ガスブースタ2Bの上方にガス配管も油圧配管も配策されていないので、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bのメンテナンスを円滑に行うことができる。
【0068】
<変形例>
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0069】
例えば、第1ガスブースタ2Aの第1圧縮室3aと第2ガスブースタ2Bの第2圧縮室3bとが並列に接続され、第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの双方を用いてガスを一段で圧縮してもよい。あるいは、ガス圧縮機1Aが第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの一方のみを含み、ガスを一段で圧縮してもよい。
【0070】
マニホールド7の上面に取り付けられるバルブは、必ずしも第1開閉弁81、第2開閉弁82、第3開閉弁83、第4開閉弁84および第5開閉弁85である必要はなく、第1開閉弁81、第2開閉弁82、第3開閉弁83、第4開閉弁84、第5開閉弁85、第6開閉弁86および第7開閉弁87の少なくとも1つであってもよい。ただし、マニホールド7の上面に取り付けられるバルブは、作動油の通過流量が多い比較的に大きなバルブであることが望ましい。あるいは、マニホールド7の上面にはどのバルブも取り付けられなくてもよい。
【0071】
また、
図4に示す第1変形例のガス圧縮機1Bのように、油圧配管1e,1f,1g,1hが省略されて、第1ガスブースタ2Aの油圧シリンダ4Aおよび第2ガスブースタ2Bの油圧シリンダ4Bが直接的にマニホールド7の側面に接続されてもよい。
【0072】
あるいは、
図5に示す第2変形例のガス圧縮機1Cのように、マニホールド7の幅が大きくされて、第1ガスブースタ2Aの油圧シリンダ4Aおよび第2ガスブースタ2Bの油圧シリンダ4Bが直接的にマニホールド7の正面に接続されてもよい。この場合、マニホールド7は、第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bとに跨るサイズを有する。換言すれば、マニホールド7の幅は、第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの離間距離よりも大きい。この構成によれば、第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bの離間方向においてガス圧縮機1Cをコンパクト化することができる。
【0073】
または、
図6に示す第3変形例のガス圧縮機1Dのように、第1ガスブースタ2Aの油圧シリンダ4Aおよび第2ガスブースタ2Bの油圧シリンダ4Bが直接的にマニホールド7の上面に接続されてもよい。この構成でも、マニホールド7は、第1ガスブースタ2Aと第2ガスブースタ2Bとに跨るサイズを有する。
【0074】
さらに、
図7に示す第4変形例のガス圧縮機1Eのように、第1ガスブースタ2Aおよび第2ガスブースタ2Bと同様に構成された第3ガスブースタ2Cおよび第4ガスブースタ2Dが採用されてもよい。この場合、第1ガスブースタ2Aと第3ガスブースタ2Cの油圧シリンダ4A同士が油圧配管1e,1fで並列に接続され、第2ガスブースタ2Bと第4ガスブースタ2Dの油圧シリンダ4B同士が油圧配管1g,1hで並列に接続されてもよい。油圧配管1e,1f,1g,1hには使用するガスブースタを切り換えるための切換弁が設けられる。
【0075】
また、
図8に示す第5変形例のガス圧縮機1Fのように、架台10上には、第1ガスブースタ2A、第2ガスブースタ2B、マニホールド7およびポンプユニット6A,6Bで構成されるモジュールが複数設置され、それらのモジュールでタンク9が共通に使用されてもよい。
【0076】
なお、
図8に示すガス圧縮機1Fでも、各モジュールのマニホールド7の上面に、ポンプユニット6A,6Bの油圧ポンプ61と、第1ガスブースタ2Aの油圧シリンダ4Aおよび第2ガスブースタ2Bの油圧シリンダ4Bで構成される油圧回路に含まれる少なくとも1つのバルブ8が取り付けられてもよいし、どのバルブも取り付けられなくてもよい。
【0077】
また、油圧ポンプ61は一方向のみに回転してもよい。この場合、マニホールド7は、油圧ポンプ61から吐出された作動油を第1流路71へ導くか第2流路72へ導くかを切り換える切換弁を含み、前記切換弁がマニホールド7の上面に取り付けられてもよい。
【0078】
<まとめ>
第1の態様として、本開示は、架台と、同軸上に並ぶガスシリンダおよび油圧シリンダを含み、前記ガスシリンダおよび前記油圧シリンダの軸方向が上下方向となるように前記架台上に設置された少なくとも1つのガスブースタと、前記油圧シリンダと共に油圧回路を構成する油圧ポンプ、および前記油圧ポンプを駆動する電動機を含む、平面視で前記ガスブースタと異なる位置に位置するポンプユニットと、平面視で前記ガスブースタおよび前記油圧ポンプと異なる位置に位置し、前記油圧回路の一部を構成する流路が内部に形成されたマニホールドと、を備える、ガス圧縮機を提供する。
【0079】
上記の構成によれば、ガスブースタのガスシリンダおよび油圧シリンダの軸方向が上下方向であるので、ガス圧縮機の設置面積を小さくすることができる。また、ガスブースタ、ポンプユニットおよびマニホールドが平面視で互いに重なり合わないように配置されているので、ガスブースタ、ポンプユニットおよびマニホールドのそれぞれの上方にメンテナンススペースを確保することができ、各構成機器に対して上方からアクセスすることができる。従って、構成機器のメンテナンス性を向上させることができる。
【0080】
第2の態様として、第1の態様において、前記マニホールドの上面には、前記油圧回路に含まれる少なくとも1つのバルブが取り付けられてもよい。この構成によれば、マニホールドの上面に取り付けられたバルブを簡単にメンテナンスすることができる。
【0081】
第3の態様として、第1または第2の態様において、前記ポンプユニットは、同軸上に並ぶ前記油圧ポンプおよび前記電動機の軸方向が上下方向となるように前記架台上に設置されてもよい。この構成によれば、油圧ポンプおよび電動機の軸方向が横方向である場合に比べて、ガス圧縮機の設置面積を小さくすることができる。
【0082】
第4の態様として、第3の態様において、前記電動機は前記油圧ポンプの上方に位置してもよい。この構成によれば、ポンプユニットの上方のメンテナンススペースを利用して電動機をメンテナンスすることができる。
【0083】
第5の態様として、第1乃至第4の態様の何れかにおいて、前記ガスシリンダは前記油圧シリンダの上方に位置してもよい。この構成によれば、ガスブースタの上方のメンテナンススペースを利用してガスシリンダをメンテナンスすることができる。
【0084】
第6の態様として、第1乃至第5の態様の何れかにおいて、前記少なくとも1つのガスブースタの上方には配管が配策されていなくてもよい。この構成によれば、ガスブースタのメンテナンスを円滑に行うことができる。
【0085】
第7の態様として、第1乃至第6の態様の何れかにおいて、前記少なくとも1つのガスブースタは、互いに横方向に離間する第1ガスブースタと第2ガスブースタを含み、前記マニホールドは、前記第1ガスブースタと前記ガスブースタの間に配置されてもよい。この構成によれば、第1ガスブースタと第2ガスブースタの離間方向と直交する方向においてガス圧縮機をコンパクト化することができる。
【0086】
第8の態様として、第1乃至第6の態様の何れかにおいて、前記少なくとも1つのガスブースタは、互いに横方向に離間する第1ガスブースタと第2ガスブースタを含み、前記マニホールドは、前記第1ガスブースタと前記第2ガスブースタとに跨るサイズを有してもよい。この構成によれば、第1ガスブースタと第2ガスブースタの離間方向においてガス圧縮機をコンパクト化することができる。
【符号の説明】
【0087】
1A,1B、1C,1D,1E,1F ガス圧縮機
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i 油圧配管
10 架台
11,12,13 ガス配管
2A 第1ガスブースタ
2B 第2ガスブースタ
3A,3B ガスシリンダ
4A,4B 油圧シリンダ
6A,6B ポンプユニット
61 油圧ポンプ
62 電動機
7 マニホールド
71,72,73,74,75,76,77 流路
81,82,83,84,85,86,87 開閉弁
9 タンク