(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126868
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240912BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20240912BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H04N7/18 H
H04M9/00 D
A61G12/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035578
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 匠平
(72)【発明者】
【氏名】椋田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】楠 浩和
【テーマコード(参考)】
4C341
5C054
5K038
【Fターム(参考)】
4C341LL10
5C054AA02
5C054CA04
5C054CC02
5C054FE14
5C054HA22
5K038AA05
5K038CC12
5K038DD15
5K038DD18
5K038FF01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ハード機器と空中タッチディスプレイが併存する状況において、ハード機器を操作するのが好ましい場合に、ユーザに空中タッチディスプレイではなくハード機器を操作させることが可能な制御システムを提供する。
【解決手段】インターホンシステムおよびナースコールシステムの少なくとも一方に用いられる制御システムS1、S2において、空中画像Gをユーザに向けて表示するための空中タッチディスプレイ100を備える集合玄関機10Bは、空中画像Gを生成するための光を出射する光源と、光を反射および透過して空中画像Gを所定の空間に結像する光学部材と、空中画像に対するユーザの第一入力操作を検知する検知部と、を有する。空中タッチディスプレイはさらに、ユーザの第二入力操作を受け付ける操作部11を有する集合玄関機10Aと、集合玄関機10Aおよび集合玄関機10Bを制御する制御部15、110と、を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターホンシステムおよびナースコールシステムの少なくとも一方に用いられる制御システムであって、
空中画像をユーザに向けて表示するための空中タッチディスプレイであって、前記空中画像を生成するための光を出射する光源と、前記光を反射および透過して前記空中画像を所定の空間に結像する光学部材と、前記空中画像に対する前記ユーザの第一入力操作を検知する検知部と、を有する空中タッチディスプレイと、
前記ユーザの第二入力操作を受け付ける操作受付部を有するハード機器と、
前記空中タッチディスプレイおよび前記ハード機器を制御する制御部と、を備え、
所定の条件を満たさない通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御するとともに、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け可能な状態に前記ハード機器を制御し、
所定の条件を満たす非通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知不可能な状態または前記第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御する一方で、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け可能な状態に前記ハード機器を制御する、制御システム。
【請求項2】
前記空中タッチディスプレイまたは前記ハード機器から所定範囲内にいる前記ユーザを検出する検出部をさらに備え、
前記所定の条件は、前記検出部が前記ユーザを検出してから所定時間以内に、前記検知部が前記第一入力操作を検知しないことである、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記操作受付部は、前記ユーザの音声による前記第二入力操作も受け付け可能であり、
前記所定の条件は、前記制御部が、前記ユーザが前記空中画像または前記操作受付部に対するタッチ操作による入力操作をすることができないと判断することであり、
前記非通常時において、前記制御部は、前記操作受付部が前記ユーザの音声による前記第二入力操作を受け付けるように前記ハード機器を制御する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記非通常時において前記操作受付部への前記第二入力操作を促す情報を前記ユーザに報知する報知部をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
インターホンシステムおよびナースコールシステムの少なくとも一方に用いられる制御システムであって、
空中画像をユーザに向けて表示するための空中タッチディスプレイであって、前記空中画像を生成するための光を出射する光源と、前記光を反射および透過して前記空中画像を所定の空間に結像する光学部材と、前記空中画像に対する前記ユーザの第一入力操作を検知する検知部と、を有する空中タッチディスプレイと、
前記ユーザの第二入力操作を受け付ける操作受付部を有するハード機器と、
前記空中タッチディスプレイおよび前記ハード機器を制御する制御部と、を備え、
所定の条件を満たさない通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御する一方で、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け不可能な状態または前記第二入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に前記ハード機器を制御し、
所定の条件を満たす非通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知不可能な状態または前記第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御する一方で、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け可能な状態に前記ハード機器を制御する、制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、来訪者が居住者を呼び出して通話するための玄関子機としての空中タッチディスプレイと、玄関子機からの呼び出しに居住者が応答するための居室親機と、を備えたインターホン装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、集合住宅等に設置されるインターホンシステムにおいて、空中タッチディスプレイを、玄関子機と併用して用いることが考えられている。また、病院等に設置されるナースコールシステムにおいても、近年、空中タッチディスプレイを、ナースコール親機と併用して用いることが考えられている。衛生面の観点からは、空中タッチディスプレイを操作するのが好ましいが、状況によっては玄関子機やナースコール親機等のハード機器を操作するのが好ましい場合がある。
【0005】
本開示は、ハード機器と空中タッチディスプレイが併存する状況において、ハード機器を操作するのが好ましい場合に、ユーザに空中タッチディスプレイではなくハード機器を操作させることが可能な制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つの態様に係る制御システムは、
インターホンシステムおよびナースコールシステムの少なくとも一方に用いられる制御システムであって、
空中画像をユーザに向けて表示するための空中タッチディスプレイであって、前記空中画像を生成するための光を出射する光源と、前記光を反射および透過して前記空中画像を所定の空間に結像する光学部材と、前記空中画像に対する前記ユーザの第一入力操作を検知する検知部と、を有する空中タッチディスプレイと、
前記ユーザの第二入力操作を受け付ける操作受付部を有するハード機器と、
前記空中タッチディスプレイおよび前記ハード機器を制御する制御部と、を備え、
所定の条件を満たさない通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御するとともに、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け可能な状態に前記ハード機器を制御し、
所定の条件を満たす非通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知不可能な状態または前記第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御する一方で、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け可能な状態に前記ハード機器を制御する。
【0007】
また、本開示の一つの態様に係る制御システムは、
インターホンシステムおよびナースコールシステムの少なくとも一方に用いられる制御システムであって、
空中画像をユーザに向けて表示するための空中タッチディスプレイであって、前記空中画像を生成するための光を出射する光源と、前記光を反射および透過して前記空中画像を所定の空間に結像する光学部材と、前記空中画像に対する前記ユーザの第一入力操作を検知する検知部と、を有する空中タッチディスプレイと、
前記ユーザの第二入力操作を受け付ける操作受付部を有するハード機器と、
前記空中タッチディスプレイおよび前記ハード機器を制御する制御部と、を備え、
所定の条件を満たさない通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御する一方で、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け不可能な状態または前記第二入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に前記ハード機器を制御し、
所定の条件を満たす非通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知不可能な状態または前記第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御する一方で、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け可能な状態に前記ハード機器を制御する。
【0008】
上記構成によれば、所定の条件を満たす非通常時において、制御部は検知部が空中画像に対するユーザの第一入力操作を検知不可能な状態または当該第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に空中タッチディスプレイを制御する。一方で、非通常時において、制御部は操作受付部がユーザの第二入力操作を受け付け可能な状態にハード機器を制御する。ハード機器と空中タッチディスプレイが併存する状況において、例えば、ユーザが空中タッチディスプレイの操作に慣れていない場合等の非通常時においては、ユーザに空中タッチディスプレイではなくハード機器を操作させるのが好ましい。上記構成に係る制御システムによれば、このような場合に、ユーザに空中タッチディスプレイではなくハード機器を操作させることができる。
【0009】
また、本開示の制御システムは、
前記空中タッチディスプレイまたは前記ハード機器から所定範囲内にいる前記ユーザを検出する検出部をさらに備え、
前記所定の条件は、前記検出部が前記ユーザを検出してから所定時間以内に、前記検知部が前記第一入力操作を検知しないことである。
【0010】
上記構成によれば、非通常時とは、検出部がユーザを検出してから所定時間以内に検知部がユーザからの第一入力操作を検知しない場合である。このような場合としては、例えば、ユーザが空中タッチディスプレイの操作に慣れていない場合や空中タッチディスプレイに不具合がある場合が考えられる。このような場合に、上記構成に係る制御システムは好適である。
【0011】
また、本開示の制御システムは、
前記操作受付部は、前記ユーザの音声による前記第二入力操作も受け付け可能であり、
前記所定の条件は、前記制御部が、前記ユーザが前記空中画像または前記操作受付部に対するタッチ操作による入力操作をすることができないと判断することであり、
前記非通常時において、前記制御部は、前記操作受付部が前記ユーザの音声による前記第二入力操作を受け付けるように前記ハード機器を制御する。
【0012】
上記構成によれば、両手がふさがっている等の事情により、ユーザがハード機器に対しても空中タッチディスプレイに対しても入力操作をすることができない場合、操作受付部は、ユーザの音声による第二入力操作を受け付ける。したがって、ユーザが入力操作をすることができない場合においても、上記構成に係る制御システムによれば、ユーザは音声により操作受付部に対して第二入力操作を行うことができる。
【0013】
また、本開示の制御システムは、
前記非通常時において前記操作受付部への前記第二入力操作を促す情報を前記ユーザに報知する報知部をさらに備える。
【0014】
上記構成によれば、報知部は、非通常時において、操作受付部への第二入力操作を促す情報をユーザに報知するので、ユーザは、スムースに空中タッチディスプレイではなくハード機器に対して第二入力操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、ハード機器と空中タッチディスプレイが併存する状況においてハード機器を操作するのが好ましい場合に、ユーザに空中タッチディスプレイではなくハード機器を操作させることが可能な制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るインターホン装置の構成図である。
【
図2】
図2は、空中タッチディスプレイを備える集合玄関機の模式図である。
【
図3】
図3は、空中タッチディスプレイによって表示される空中画像の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第一実施例に係る制御システムが実行する処理を例示するフローチャートである。
【
図6】
図6は、空中タッチディスプレイによって表示される空中画像の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第二実施例に係る制御システムが実行する処理を例示するフローチャートである。
【
図8】
図8は、空中タッチディスプレイによって表示される空中画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示に係るインターホン装置および当該インターホン装置を搭載する制御システムについて図面を参照して説明する。なお、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「前後方向」、「上下方向」について適宜言及する場合がある。これらの方向は、
図2に例示する集合玄関機10Bについて設定された相対的な方向である。ここで、「前後方向」は、「前方向」および「後方向」を含む方向である。「上下方向」は、「上方向」および「下方向」を含む方向である。なお、
図2において図中に示した符号Fは前方向を示す。符号Bは後方向を示す。符号Uは上方向を示す。符号Dは下方向を示す。
【0018】
(全体構成)
図1は、本開示に係るインターホン装置1を例示する構成図である。
図1に例示するように、インターホン装置1は、例えば、一棟の建物内に複数の住戸が区画されるマンション等の集合住宅Mに用いられる。インターホン装置1は、集合玄関機10(10A~10C:玄関子機の一例)と、管理室親機20と、居室親機30と、制御装置40と、を備える。集合玄関機10、管理室親機20、居室親機30、および制御装置40は、汎用プロトコルに従って通信が行われるネットワーク(本例では、LAN:Local Area Network)を介して互いに接続されている。
【0019】
集合玄関機10A~10C(以下、総称する場合は集合玄関機10という)は、集合住宅Mの建物エントランスや共用スペース等に設置されている。集合玄関機10は、例えば、集合住宅M内の居室親機30や管理室親機20を呼び出すことができるように構成されている。また、集合玄関機10は、例えば、来訪者の映像を撮像することができるように構成されている。
【0020】
集合玄関機10は、例えば、集合玄関機10A,10Cに示すように、据え置き型の操作受付部を備える接触タイプの集合玄関機(ハード機器の一例)や、集合玄関機10Bに示すように、空中表示型のタッチディスプレイを備える非接触タイプの集合玄関機(空中タッチディスプレイの一例)等である。例えば、接触タイプの集合玄関機10Aは、部屋番号等の入力といった入力操作を受け付ける操作部11(操作受付部の一例)、居住者等と会話する通話部12、来訪者を撮影するカメラ13(検出部の一例)、各種情報を表示する表示部14等を備える。なお、操作部11が受け付ける入力操作は、例えば、来訪者が手指を使って行うタッチ操作による入力操作や来訪者の音声による入力操作等である。また、本明細書では、操作部11に対する来訪者の入力操作を第二入力操作と呼ぶことがある。非接触タイプの集合玄関機10Bは、来訪者を撮像するカメラ120(検出部の一例)、空中に画像(以下、空中画像という)を表示する空中タッチディスプレイ100等を備える。
【0021】
集合玄関機10A~10Cには、それぞれの集合玄関機を特定する固有情報(例えば、集合玄関機ID:identification等)が記憶されている。集合玄関機10は、インターホン回線(専用線)L1を介して制御装置40に接続されている。集合玄関機10は、制御装置40を経由して、居室親機30や管理室親機20等と通信可能である。なお、本実施形態では、3台の集合玄関機(集合玄関機10A~10C)が制御装置40に接続されているが、接続される台数はこの台数に限定されない。
【0022】
管理室親機20は、集合住宅の管理室に設置されている。管理室親機20は、操作部21、通話部22、表示部23等を備える。管理室親機20には、その管理室親機を特定する固有情報(例えば、管理室親機ID等)が記憶されている。管理室親機20は、インターホン回線L2を介して制御装置40に接続されている。管理室親機20は、制御装置40を経由して、居室親機30や集合玄関機10等と通信可能である。
【0023】
居室親機30は、集合住宅の各住居内に設置されている。居室親機30は、表示部31、操作部32、通話部33等を備える。居室親機30には、それぞれ居室親機を特定する固有情報(例えば、居室親機ID等)が記憶されている。居室親機30は、インターホン回線L3を介して制御装置40に接続されている。居室親機30は、制御装置40を経由して、集合玄関機10や管理室親機20等と通信可能である。
【0024】
制御装置40は、インターホン回線を介して接続される集合玄関機10、管理室親機20および居室親機30との間の通信等を制御する。制御装置40には、その制御装置を特定する固有情報(例えば、制御機ID等)が記憶されている。
【0025】
図2は、空中タッチディスプレイ100を備える集合玄関機10Bの模式図である。
図2に例示するように、集合玄関機10Bは、来訪者Wに向けて空中画像Gを表示可能な空中タッチディスプレイ100と、空中タッチディスプレイ100を制御する制御部110と、カメラ120と、報知部130と、を備える。
【0026】
空中タッチディスプレイ100は、表示装置101と、光学部材102と、検知部103と、を備える。
【0027】
表示装置101は、空中画像Gを生成するための光Pを出射する装置である。表示装置101は、例えば、光源(LED(Light Emitting Diode)等)、レンズユニット、液晶ディスプレイ等を備えている。表示装置101は、制御部110に通信可能に接続されている。
【0028】
空中画像Gは、例えば、
図3に示す画像である。
図3に例示するように、空中画像Gは、例えば、矩形状に形成されている。空中画像Gには、来訪者画像表示部C1と、呼出操作受付部C2と、が設けられている。来訪者画像表示部C1には、カメラ120によって撮像された来訪者Wの顔画像が表示される。呼出操作受付部C2には、呼び出す部屋番号を入力するためのテンキー41と、部屋番号を入力した後に押す呼出ボタン42と、入力した番号を取り消すことが可能な取消ボタン43等が表示される。呼出操作受付部C2のうち取消ボタン43に近傍には、「部屋番号を入力して呼出を押してください。」という文字情報が表示される。
【0029】
図2に例示するように、光学部材102は、表示装置101から出射された光Pを反射および透過し、来訪者Wに向けて表示する空中画像Gを所定の空間に結像する部材である。表示装置101から出射された光は、光学部材102で反射および透過して光学部材102と面対称の位置で集光する。集光した光は、再度発散して、空中タッチディスプレイ100の上方空間において空中画像Gとして来訪者Wに観測される。
【0030】
検知部103は、空中画像Gに対する来訪者Wの入力操作を検知する。なお、本明細書では、空中画像Gに対する来訪者Wの入力操作を第一入力操作と呼ぶことがある。検知部103は、空間にある物体までの距離を測定することが可能な三次元距離センサで構成されうる。検知部103は、制御部110に通信可能に接続されている。
【0031】
制御部110は、ハードウェア構成として、メモリと、プロセッサと、を備えている。メモリは、例えば、各種コンピュータプログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種コンピュータプログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種コンピュータプログラムから指定されたコンピュータプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
【0032】
制御部110は、空中タッチディスプレイ100の表示装置101、検知部103、カメラ120および報知部130を制御する。例えば、制御部110は、検知部103が取得する情報に基づいて、来訪者Wの指先の空間的な位置や動きを判別する。また、制御部110は、空中画像Gに対する来訪者Wの第一入力操作に応じて、表示装置101から出射する光Pにより生成される空中画像Gの表示内容を変化させる。また、制御部110は、空中画像Gを操作する来訪者Wの属性に応じて、表示装置101から出射する光Pにより生成される空中画像Gの表示位置、表示角度および表示態様等を変更させる。
【0033】
カメラ120は、集合玄関機10A(
図1参照)または集合玄関機10Bから所定範囲内にいる来訪者Wを検出するとともに、検出した来訪者Wを撮像する。カメラ120は、来訪者Wを撮像すると、撮像データを制御部110に送信する。カメラ120は、来訪者Wを撮像することが可能な位置に配置されている。例えば、カメラ120は、空中タッチディスプレイ100の後側における上方の空間に設置されている。
【0034】
報知部130は、制御部110による制御に基づき、操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報を報知するように構成されている。操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報は、例えば、文字情報(視覚的情報)や音声情報(聴覚的情報)等である。操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報が視覚的情報である場合、報知部130は、操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報を生成し、当該情報を制御部110に送信する。制御部110は、受信した操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報(画像情報)が空中画像Gに表示されるように、空中タッチディスプレイ100を制御する。一方で、操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報が聴覚的情報である場合、報知部130は、例えば、スピーカーであり、操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報(音声情報)を来訪者Wに向けて発する。
【0035】
図4は、本実施形態に係る制御システムS1の模式図である。制御システムS1は、例えば、インターホン装置1(
図1参照)が搭載されるインターホンシステムに用いられる。制御システムS1は、インターホン装置1を制御する。
図4に例示するように、制御システムS1は、集合玄関機10A(ハード機器の一例)と、集合玄関機10Bと、カメラ120と、居室親機30(
図1参照)と、制御装置40(
図1参照)と、を備える。
【0036】
集合玄関機10Aは、
図1で説明したように、操作受付部としての操作部11を有する。本実施形態において、操作部11は、来訪者Wが手指を使って行う入力操作(第二入力操作)を受け付ける。なお、集合玄関機10Aの表示部14がタッチディスプレイとして構成されている場合には、表示部14が操作受付部として機能する。また、集合玄関機10Aは、集合玄関機10Aを制御する制御部15を有する。なお、制御部15のハードウェア構成は、制御部110のハードウェア構成と同様であってもよい。
【0037】
集合玄関機10Bは、
図2で説明したように、空中タッチディスプレイ100と、制御部110と、を有する。空中タッチディスプレイ100は、表示装置101と、光学部材102と、検知部103と、を備え、来訪者W(ユーザの一例)に向けて空中画像Gを表示する。制御部110は、空中タッチディスプレイ100を制御する。また、制御部110は、インターホン回線L1を介して、集合玄関機10Aの制御部15と通信可能に接続されている。
【0038】
カメラ120は、
図2で説明したように、集合玄関機10Aまたは集合玄関機10Bから所定範囲内にいる来訪者Wを検出するとともに、検出した来訪者Wを撮像可能なカメラである。なお、所定範囲とは、例えば、集合玄関機10Aまたは集合玄関機10Bから1メートルの範囲である。ただし、所定の範囲は、集合玄関機10Aまたは集合玄関機10Bから1メートルの範囲に限られない。本実施形態では、集合玄関機10Aと集合玄関機10Bとが併設されているため、両集合玄関機の共用のカメラとして、単一のカメラ120が設けられている。カメラ120は、集合玄関機10Aおよび集合玄関機10Bに通信可能に接続されている。なお、集合玄関機10Aと集合玄関機10Bとが併設されている場合には、例えば、集合玄関機10Aに設けられているカメラ13を、両集合玄関機の共用のカメラとして用いてもよい。
【0039】
居室親機30(呼出機器の一例)は、
図1で説明したように、集合玄関機10Aまたは集合玄関機10Bからの呼び出し操作に基づいて呼出可能な機器である。
【0040】
制御装置40は、
図1で説明したように、集合玄関機10および居室親機30に接続されており、集合玄関機10と居室親機30との間の通信等を制御する。制御装置40は、集合玄関機10Aおよび集合玄関機10Bへの呼出操作の入力があった場合、集合玄関機10Aの制御部15および集合玄関機10Bの制御部110から受信する呼出信号に基づいて、居室親機30を呼び出す呼出処理を実行する。
【0041】
(第一実施例)
次に、
図5および
図6を参照しつつ、第一実施例において制御システムS1が実行する処理について説明する。なお、本実施例では、集合玄関機10Bから所定範囲内に来訪者Wがいるものとする。また、本実施例において、来訪者Wは、集合玄関機10Bが有する空中タッチディスプレイ100によって表示される空中画像Gに対して所定時間以内に第一入力操作をしていないものとする。なお、このような状況は、例えば、来訪者Wが空中タッチディスプレイ100の操作に慣れておらず、集合玄関機10Bの前で立ち往生している場合や、空中タッチディスプレイ100の検知部103に不具合が生じており検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知できない場合等に生じうる。
【0042】
まず、制御システムS1は、カメラ120が来訪者Wを検出したかどうかを判断する(STEP01)。集合玄関機10Bから所定範囲内に来訪者Wがいる場合、カメラ120は来訪者Wを撮像し、撮像データを制御部110に送信する。制御部110は、カメラ120から撮像データを受信した場合、カメラ120が来訪者Wを検出したと判断する。カメラ120が来訪者Wを検出したと制御部110が判断した場合(STEP01においてYES)、制御システムS1はSTEP02を実行する。一方で、カメラ120が来訪者Wを検出していないと制御部110が判断した場合(STEP01においてNO)、制御システムS1はSTEP01を再び実行する。
【0043】
本実施例では、集合玄関機10Bから所定範囲内に来訪者Wがいるので、カメラ120は集合玄関機10Bから所定範囲内にいる来訪者Wを検出し、撮像データを制御部110に送信する。制御部110は、カメラ120から撮像データを受信すると、カメラ120が来訪者Wを検出したと判断するので(STEP01においてYES)、制御システムS1はSTEP02を実行する。
【0044】
STEP02において、制御部110は、検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知可能な状態に空中タッチディスプレイ100を制御する。また、制御部15は、操作部11が来訪者Wの第二入力操作を受け付け可能な状態に集合玄関機10Aを制御する。なお、STEP02において空中タッチディスプレイ100によって表示される空中画像Gは、
図3に例示する画像である。
【0045】
図5に例示するように、STEP03において、制御部110は、カメラ120が来訪者Wを検出してから所定時間以内に、検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知していないかどうかを判断する。所定時間は、例えば、10秒である。カメラ120が来訪者Wを検出してから所定時間以内に、検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知していないと制御部110が判断すると(STEP03においてYES)、制御システムS1はSTEP04およびSTEP05を実行する。一方で、カメラ120が来訪者Wを検出してから所定時間以内に検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知したと制御部110が判断すると(STEP03においてNO)、制御システムS1はSTEP06を実行する。なお、本明細書では、カメラ120が来訪者Wを検出してから所定時間以内に検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知していない時のことを非通常時と称する。また、本明細書では、カメラ120が来訪者Wを検出してから所定時間以内に検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知した時のことを通常時と称する。
【0046】
本実施例において、来訪者Wは空中タッチディスプレイ100によって表示される空中画像Gに対して所定時間以内に第一入力操作をしていない。このため、制御部110は、カメラ120が来訪者Wを検出してから所定時間以内に、検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知していないと判断し(STEP03においてYES)、制御システムS1はSTEP04およびSTEP05を実行する。
【0047】
STEP04において、制御部110は、検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知不可能な状態または来訪者Wの第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に空中タッチディスプレイ100を制御する。一方で、制御部15は、操作部11が来訪者Wの第二入力操作を受け付け可能な状態に集合玄関機10Aを制御する。検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知不可能な状態は、例えば、検知部103がOFF状態である状態をいう。検知部103が来訪者Wの第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態とは、例えば、検知部103は来訪者Wの第一入力操作を検知するものの、制御部110が、検知部103によって検知された当該第一入力操作に基づいて所定の処理を行わない状態をいう。なお、本明細書では、このSTEP04における制御を非通常時の制御と称する。制御システムS1は、STEP04を実行すると、次いで、STEP05を実行する。
【0048】
STEP05において、制御部110は、操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促すよう、報知部130を制御する。報知部130は、制御部110による制御に基づき、操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報を報知する(STEP05)。
図6に例示するように、本実施例において、報知部130は、「据え置き型の集合玄関機を操作してください。」という文字情報を、制御部110を介して空中画像Gに表示させることで、操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報を来訪者Wに報知する。当該文字情報は、例えば、呼出操作受付部C2に表示される。
【0049】
なお、制御部110が、カメラ120が来訪者Wを検出してから所定時間以内に検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知したと判断した場合(STEP03においてNO)、制御システムS1はSTEP06を実行する。STEP06において、制御部110は、検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知可能な状態に空中タッチディスプレイ100を制御する。また、制御部15は、操作部11が来訪者Wの第二入力操作を受け付け可能な状態に集合玄関機10Aを制御する。なお、本明細書では、このSTEP06における制御を通常時の制御と称する。通常時の制御は、STEP02における制御と同様である。つまり、制御部15および制御部110は、STEP06において、STEP02における制御を継続する。
【0050】
上記構成に係る制御システムS1によれば、非通常時において、制御部110は検知部103が空中画像Gに対する来訪者Wの第一入力操作を検知不可能な状態または当該第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に空中タッチディスプレイ100を制御する。一方で、非通常時において、制御部15は操作部11が来訪者Wの第二入力操作を受け付け可能な状態に集合玄関機10Aを制御する。例えば、来訪者Wが空中タッチディスプレイ100の操作に慣れていない場合等においては、来訪者Wに空中タッチディスプレイ100ではなく集合玄関機10Aを操作させるのが好ましい。制御システムS1によれば、このような場合に、来訪者Wに空中タッチディスプレイ100ではなく集合玄関機10Aを操作させることができる。
【0051】
また、上記構成に係る制御システムS1によれば、非通常時とは、カメラ120が来訪者Wを検出してから所定時間以内に、検知部103が来訪者Wからの第一入力操作を検知しない場合である。このような場合としては、例えば、来訪者Wが空中タッチディスプレイ100の操作に慣れていない場合や空中タッチディスプレイ100に不具合がある場合が考えられる。このような場合に、制御システムS1は好適である。
【0052】
また、上記構成に係る制御システムS1によれば、報知部130は、非通常時において、操作部11への第二入力操作を促す情報を来訪者Wに報知する。このため、来訪者Wは、スムースに空中タッチディスプレイ100に対する第一操作ではなく集合玄関機10Aに対する第二入力操作を行うことができる。
【0053】
なお、本実施例では、制御システムS1がインターホンシステムに用いられる場合について説明したが、これに限られない。例えば、制御システムS1は、ナースコールシステムに用いられてもよい。この場合、ナースステーションに設置される従来のナースコール親機が接触タイプのハード機器に相当する。そして、空中画像Gを医療従事者に向けて表示する空中タッチディスプレイは、ナースステーション内で従来のナースコール親機の近傍に併設される。また、患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機、あるいはナースコール親機やナースコール子機からの呼び出しを受信するために医療従事者が携帯する携帯端末が呼出機器に相当する。
【0054】
(第二実施例)
次に、
図7および
図8を参照して、第二実施例に係る制御システムS2について説明する。なお、本実施例において、第一実施例と同様の部分については、同じ符号を付し、その説明は適宜省略する。本実施例は、来訪者Wが入力操作をできないかどうかを判断する点で第一実施例と異なる。なお、本実施例において、制御部110は、カメラ120が来訪者Wを検出してから所定時間以内に、検知部103が来訪者Wの第一入力操作を検知していないかどうかの判断は行わない。また、本実施例に係る操作部11は、来訪者Wが手指を使って行う第二入力操作のみならず来訪者Wの音声による第二入力操作も受け付け可能である。
【0055】
本実施例において、制御システムS2は
図7に例示する処理を実行する。なお、本実施例では、集合玄関機10Bから所定範囲内に来訪者Wがいるものとする。また、来訪者Wは両手に荷物を持っており、集合玄関機10Aおよび集合玄関機10Bに対して手指を使ったタッチ操作による入力操作ができないものとする。
【0056】
STEP11およびSTEP12は、第一実施例のSTEP01およびSTEP02と同様である。なお、本実施例においても、STEP11において、カメラ120は来訪者Wを撮像し、撮像データを制御部110に送信する。
【0057】
制御部110は、カメラ120から受信した撮像データを解析し、来訪者Wが集合玄関機10Aおよび集合玄関機10Bに対して入力操作を行うことができないかどうか判断する(STEP13)。来訪者Wが集合玄関機10Aおよび集合玄関機10Bに対して入力操作を行うことができないと制御部110が判断すると(STEP13においてYES)、制御システムS2はSTEP14およびSTEP15を実行する。一方で、来訪者Wが集合玄関機10Aおよび集合玄関機10Bの少なくとも一方に対して入力操作を行うことができると制御部110が判断すると(STEP13においてNO)、制御システムS2はSTEP16を実行する。
【0058】
本実施例において、来訪者Wは両手に荷物を持っており、集合玄関機10Aおよび集合玄関機10Bに対して手指を使ったタッチ操作による入力操作ができない。このため、制御部110は、来訪者Wが集合玄関機10Aおよび集合玄関機10Bに対して入力操作を行うことができないと判断し(STEP13においてYES)、制御システムS2はSTEP14およびSTEP15を実行する。
【0059】
STEP14において、制御部15は、操作部11が来訪者Wの音声による入力操作のみを受け付けるように集合玄関機10Aを制御する。ただし、STEP14において、制御部15は、操作部11が来訪者Wの第二入力操作を受け付け可能な状態に集合玄関機10Aを制御しつつ、さらに、操作部11が来訪者Wの音声による第二入力操作も受け付けるように集合玄関機10Aを制御してもよい。なお、本実施例のSTEP14で制御部110が空中タッチディスプレイ100に対して行う制御は、第一実施例のSTEP04で制御部110が空中タッチディスプレイ100に対して行う制御と同様である。
【0060】
STEP15は、第一実施例のSTEP05と同様である。ただし、本実施例においては、
図8に例示するように、報知部130は、「据え置き型の集合玄関機を音声により操作できます。呼び出したい部屋の部屋番号に続けてお名前とご用件をお話しください。」という文字情報を、制御部110を介して空中画像Gに表示させる。これにより、報知部130は、操作部11への音声による第二入力操作を来訪者Wに促す情報を来訪者Wに報知する。
【0061】
STEP16は、第一実施例のSTEP06と同様である。
【0062】
本実施例に係る制御システムS2についても、第一実施例に係る制御システムS1と同様の効果を奏することができる。
【0063】
また、上記構成に係る制御システムS2によれば、両手がふさがっている等の事情により、来訪者Wが空中画像Gまたは操作部11に対するタッチ操作による入力操作をすることができない場合、操作部11は、来訪者Wの音声による第二入力操作を受け付ける。したがって、来訪者Wが入力操作をすることができない場合においても、制御システムS2によれば、来訪者Wは音声により操作部11に対して第二入力操作を行うことができる。
【0064】
なお、制御システムS2についても、制御システムS1と同様に、ナースコールシステムに用いられてもよい。
【0065】
上記の実施形態は本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されうる。
【0066】
上記の第一実施例のSTEP02および第二実施例のSTEP12において、制御部15は、操作部11が来訪者Wの第二入力操作を受け付け不可能な状態または当該第二入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に集合玄関機10Aを制御してもよい。また、上記の第一実施例のSTEP06および第二実施例のSTEP16において、制御部15は、操作部11が来訪者Wの第二入力操作を受け付け不可能な状態または当該第二入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に集合玄関機10Aを制御してもよい。
【0067】
上記の第一実施例のSTEP02、STEP04およびSTEP06では、制御部110が空中タッチディスプレイ100を制御し、制御部15が集合玄関機10Aを制御しているが、本開示はこれに限られない。例えば、制御部110が空中タッチディスプレイ100および集合玄関機10Aを制御してもよいし、制御部15が空中タッチディスプレイ100および集合玄関機10Aを制御してもよい。また、制御装置40が空中タッチディスプレイ100および集合玄関機10Aを制御してもよい。
【0068】
上記の第二実施例のSTEP12、STEP14およびSTEP16では、制御部110が空中タッチディスプレイ100を制御し、制御部15が集合玄関機10Aを制御しているが、本開示はこれに限られない。例えば、制御部110が空中タッチディスプレイ100および集合玄関機10Aを制御してもよいし、制御部15が空中タッチディスプレイ100および集合玄関機10Aを制御してもよい。また、制御装置40が空中タッチディスプレイ100および集合玄関機10Aを制御してもよい。
【0069】
上記の第一実施例におけるSTEP03および第二実施例におけるSTEP13は、制御部110ではなく、集合玄関機10Aの制御部15や制御装置40が行ってもよい。
【0070】
上記の実施形態において、操作部11への第二入力操作を来訪者Wに促す情報は文字情報であるが、例えば、音声情報であってもよい。
【0071】
上記の実施形態においては、カメラ120が来訪者Wを撮像しているが、集合玄関機10Aのカメラ13が来訪者Wを撮像してもよい。
【0072】
上記の実施形態では、カメラ13およびカメラ120を検出部の一例として説明したが、検出部は、例えば、人感センサ等であってもよい。
【0073】
上記の第一実施例において、STEP05は実行されなくてもよい。また、上記の第二実施例において、STEP15は実行されなくてもよい。つまり、報知部130による操作部11への第二入力操作を促す情報の報知はされなくてもよい。この場合、集合玄関機10Bは、報知部130を備えていなくてもよい。
【0074】
上記の実施形態において、空中画像Gには、来訪者画像表示部C1と、呼出操作受付部C2と、が設けられているが、例えば、呼出操作受付部C2のみが設けられていてもよいし、呼出操作受付部C2の一部のみが設けられていてもよい。これらの場合、集合玄関機10Bは、例えば、来訪者画像表示部C1が設けられた表示部をさらに備えている。このような表示部は、例えば、液晶ディスプレイ等である。
【0075】
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
(1)インターホンシステムおよびナースコールシステムの少なくとも一方に用いられる制御システムであって、
空中画像をユーザに向けて表示するための空中タッチディスプレイであって、前記空中画像を生成するための光を出射する光源と、前記光を反射および透過して前記空中画像を所定の空間に結像する光学部材と、前記空中画像に対する前記ユーザの第一入力操作を検知する検知部と、を有する空中タッチディスプレイと、
前記ユーザの第二入力操作を受け付ける操作受付部を有するハード機器と、
前記空中タッチディスプレイおよび前記ハード機器を制御する制御部と、を備え、
所定の条件を満たさない通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御するとともに、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け可能な状態に前記ハード機器を制御し、
所定の条件を満たす非通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知不可能な状態または前記第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御する一方で、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け可能な状態に前記ハード機器を制御する、制御システム。
(2)前記空中タッチディスプレイまたは前記ハード機器から所定範囲内にいる前記ユーザを検出する検出部をさらに備え、
前記所定の条件は、前記検出部が前記ユーザを検出してから所定時間以内に、前記検知部が前記第一入力操作を検知しないことである、(1)に記載の制御システム。
(3)前記操作受付部は、前記ユーザの音声による前記第二入力操作も受け付け可能であり、
前記所定の条件は、前記制御部が、前記ユーザが前記空中画像または前記操作受付部に対するタッチ操作による入力操作をすることができないと判断することであり、
前記非通常時において、前記制御部は、前記操作受付部が前記ユーザの音声による前記第二入力操作を受け付けるように前記ハード機器を制御する、(1)に記載の制御システム。
(4)前記非通常時において前記操作受付部への前記第二入力操作を促す情報を前記ユーザに報知する報知部をさらに備える、(1)から(3)のいずれか一つに記載の制御システム。
(5)インターホンシステムおよびナースコールシステムの少なくとも一方に用いられる制御システムであって、
空中画像をユーザに向けて表示するための空中タッチディスプレイであって、前記空中画像を生成するための光を出射する光源と、前記光を反射および透過して前記空中画像を所定の空間に結像する光学部材と、前記空中画像に対する前記ユーザの第一入力操作を検知する検知部と、を有する空中タッチディスプレイと、
前記ユーザの第二入力操作を受け付ける操作受付部を有するハード機器と、
前記空中タッチディスプレイおよび前記ハード機器を制御する制御部と、を備え、
所定の条件を満たさない通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御する一方で、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け不可能な状態または前記第二入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に前記ハード機器を制御し、
所定の条件を満たす非通常時において、前記制御部は前記検知部が前記第一入力操作を検知不可能な状態または前記第一入力操作に基づく制御を実行不可能な状態に前記空中タッチディスプレイを制御する一方で、前記操作受付部が前記第二入力操作を受け付け可能な状態に前記ハード機器を制御する、制御システム。
【符号の説明】
【0076】
1:インターホン装置、10(10A,10B,10C):集合玄関機、11:操作部、12:通話部、13:カメラ、14:表示部、15:制御部、20:管理室親機、30:居室親機、40:制御装置、41:テンキー、42:呼出ボタン、43:取消ボタン、100:空中タッチディスプレイ、101:表示装置、102:光学部材、103:検知部、110:制御部、120:カメラ、C1:来訪者画像表示部、C2:呼出操作受付部、G:空中画像、M:集合住宅、S1,S2:制御システム、W:来訪者