(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126872
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】遠心送風機および空気調和機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/44 20060101AFI20240912BHJP
F04D 29/66 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F04D29/44 R
F04D29/44 X
F04D29/66 H
F04D29/66 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035582
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】澤田 大貴
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB45
3H130AC11
3H130BA03A
3H130BA66A
3H130BA68A
3H130CA07
3H130CA09
3H130CA21
3H130DA02Z
3H130DD01Z
3H130EA06A
3H130EA07A
3H130EA08A
3H130EB01A
3H130EB05A
(57)【要約】 (修正有)
【課題】圧力損失を低減して風量および圧力等の送風性能を改善し、風速の急激な低下に起因するサージングの発生を抑制して運転の安定化を計る。
【解決手段】ケーシング110は、羽根部154の外周に対向する内周面が巻き始めPから巻き終わりQに向かうに従って回転軸153からの距離が漸次大きくなる渦巻き部131と、渦巻き部の巻き終わりにおける接線方向に添う方向に巻き終わりから延在して吹出口132に至るディフューザ部133とを備えている。ディフューザ部に、径方向外側に突出する頂部143を有する凸部140を設け、凸部は、吹出口側へ向かうに従って回転軸からの距離が漸次大きくなり頂部に至る第1の面141と、頂部から吹出口側に向けて延在し、第1の面に対して回転軸へ接近するように傾斜する第2の面142とを備えた。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の羽根を備えモータの回転軸に接続されて回転することで前記複数の羽根の間を介して遠心方向に排気を行う羽根車と、
前記回転軸方向の端部に吸込口を備え、前記羽根車を収容するケーシングと、
を備え、
前記ケーシングは、前記羽根車の前記複数の羽根に対向する内周面が巻き始めから巻き終わりに向かうに従って前記回転軸からの距離が漸次大きくなる渦巻き部と、吹出口を有し該渦巻き部の前記巻き終わりに接続されるディフューザ部とを備え、
前記ディフューザ部に、径方向外側に突出する頂部を有する凸部を設け、
前記凸部は、前記吹出口側へ向かうに従って前記回転軸からの距離が漸次大きくなり前記頂部に至る第1の面と、前記頂部から前記吹出口側に向けて延在し、前記第1の面の下流側端部から前記回転軸へ接近するように傾斜する第2の面とを備えた遠心送風機。
【請求項2】
前記凸部は、前記ディフューザ部の前記回転軸方向両端部から間隔を空けて中央部に配置されている請求項1に記載の遠心送風機。
【請求項3】
前記凸部の前記回転軸方向の幅は、上流側から下流側へ向かって徐々に広くなる請求項1に記載の遠心送風機。
【請求項4】
前記第1の面および前記第2の面に隣接する部分に、前記吹出部側へ向かって拡開するとともに、前記回転軸方向へ向かって下り勾配となる一対の第3の面を備えた請求項1に記載の遠心送風機。
【請求項5】
前記第2の面は、前記第1の面の前記吹出口側端部の前記軸方向中間部から前記吹出口側に向けて延在し、
前記第3の面は、前記頂部の両側の前記第1の面の両端部から前記第2の面に隣接して前記吹出口側に向かって延在する請求項4に記載の遠心送風機。
【請求項6】
前記第1の面と前記第3の面の前記回転軸方向に隣接する部分に、前記吹出口側に向かって拡開するとともに、前記回転軸方向へ向かって下り勾配となる一対の第4の面を備えた請求項5に記載の遠心送風機。
【請求項7】
筺体に、請求項1乃至6のいずれかに記載の遠心送風機と、熱交換器と、を備えた空気調和機。
【請求項8】
前記遠心送風機は、前記第2の面の前記吹出口側の端部、または前記端部よりも前記吹出口側の位置で前記筐体の内部に固定されるための固定板を備え、
前記第1の面が前記筐体の内面に平行に対向するように固定される、
請求項7に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心送風機及びこれを備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心ファンに含まれるシロッコファンが備えるケーシングは、例えばインボリュート曲線に従って流路断面積が拡大するように形成された渦巻部と、渦巻部終端である巻終りと吹出口とを接続するディフューザ部とから構成される(例えば特許文献1参照)。巻終りを通過した空気流は、ディフューザ部においてこれまでの旋回流からディフューザ壁面に平行な直線的な空気流へ変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ディフューザ部は、巻終りから吹出口にかけて流路断面積が拡大していくように設計されるが、ディフューザ部における流路抵抗が送風性能の悪化につながっていた。そこで、ディフューザ部の流路抵抗を低減するため、吹出口の流路断面積を拡大させてディフューザ部の流路断面積の拡大率を大きくすることが考えられる。しかしながら、流路断面積の拡大率を大きくすることで吹出口から吹き出される空気の風速が急激に低下することでディフューザ部の舌部付近を流れる風速の低い空気の流れを誘引できず、当該箇所の空気が吹出口から吹き出されることなく逆流して渦巻部を再循環してしまい、風量が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、流路抵抗を低減しつつ、風速の急激な低下に起因する風量の低下を抑制することができる遠心送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の羽根を備えモータの回転軸に接続されて回転することで前記複数の羽根の間を介して遠心方向に排気を行う羽根車と、前記回転軸方向の端部に吸込口を備え、前記羽根車を収容するケーシングと、を備え、前記ケーシングは、前記羽根車の前記複数の羽根に対向する内周面が巻き始めから巻き終わりに向かうに従って前記回転軸からの距離が漸次大きくなる渦巻き部と、吹出口を有し該渦巻き部の前記巻き終わりに接続されるディフューザ部とを備え、前記ディフューザ部に、径方向外側に突出する頂部を有する凸部を設け、前記凸部は、前記吹出口側へ向かうに従って前記回転軸からの距離が漸次大きくなり前記頂部に至る第1の面と、前記頂部から前記吹出口側に向けて延在し、前記第1の面の下流側端部から前記回転軸へ接近するように傾斜する第2の面とを備えた遠心送風機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、流路抵抗を低減しつつ、風速の急激な低下による風量を改善し、しかも、風量の低下を抑制することができる遠心送風機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態の空気調和機を示す平断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態の遠心送風機を斜め後方から視た斜視図である。
【
図4】第1実施形態の遠心送風機を斜め前方から視た斜視図である。
【
図5】第1実施形態の遠心送風機を示す側面図である。
【
図6】第1実施形態の遠心送風機を示す断面図である。
【
図7】第1実施形態の遠心送風機から固定板と羽根車を省いた斜視図である。
【
図8】第1実施形態の遠心送風機から固定板を省いた平面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態の遠心送風機を斜め後方から視た斜視図である。
【
図12】第2実施形態の遠心送風機を斜め前方から視た斜視図である。
【
図13】第2実施形態の遠心送風機を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.空気調和機の全体構造
図1および
図2を参照して第1実施形態の空気調和機1について説明する。これらの図において符号10は筺体である。筺体10は、図中左側の端面に開放された空気吸込部11と右側の端面に開放された空気吹出部12とを備えている。空気吸込部11と空気吹出部12はそれぞれ矩形状に形成されている。筺体10の内部には仕切板13が取り付けられ、仕切板13に遠心送風機100が取り付けられることで左室10aと右室10bに仕切られている。
【0010】
遠心送風機100はケーシング110を備え、ケーシング110には、固定板111が固定されている。固定板111は仕切板13にボルト、ナット等により取り付けられており、これにより、遠心送風機100は、左室10aに配置されるとともに、左室10aと右室10bは、仕切板13と固定板111によって、右室10bの空気が左室10aへ漏れるのを防ぐようにシール性が確保されている。
【0011】
遠心送風機100はシロッコファンであり、ケーシング110に羽根車150を収容し、羽根車150の円板状をなす主板151にファンモータ152の回転軸153を接続して構成されている。主板151には円筒状をなす羽根部154が取り付けられている。羽根部154は、一対の環状部材154aに複数の羽根154bの一端が固定されたもので、羽根154bの他端を主板151に固定することで主板151に固定されている。羽根154bは前向き羽根であり、羽根部154は
図2において時計回りの方向に回転する。
【0012】
筺体10の右室10bには、筺体10に固定したブラケット14に取り付けられた熱交換器160が配置されている。熱交換器160は、遠心送風機100から送られる空気に対して除湿、冷却、または加温して空気吹出部12から放出する。なお、熱交換器160は遠心送風機100の上流側に配置することもできる。すなわち、右室10bに遠心送風機100を配置し、左室10aに熱交換器160を配置することもできる。
【0013】
2.遠心送風機の構成
図3~
図10を参照して第1実施形態の遠心送風機100を説明する。なお、以下の説明においては、ファンモータ152の回転軸153の方向を「軸方向」と称し、軸方向と直交する方向を「径方向」と称する。また、「上」および「下」といった用語は、
図3における上、下を示すものとする。さらに、空気流の流れる方向を「上流側」および「下流側」と称する。
【0014】
遠心送風機100のケーシング110は、軸方向に直交する平面に沿って2分割したものを樹脂で成形し、成形した部品を接着や溶着等によって結合したものである。ケーシング110は、その側面を覆う側壁部120と、外周面を覆う外周壁部130とを有する。側壁部120は、羽根部154の内側空間に空気を導く吸込口121を備え、吸込口121は、羽根部154の内側空間を臨む位置に設けられた円形の開口である。
【0015】
吸込口121は羽根部154と同心円をなしており、その内径は羽根154bの内径よりも大きく設定されている。吸込口121の端部にはベルマウス122が形成されている。ベルマウス122は、軸方向内側へ向かって徐々に内径が減少しており、吸込口121に吸い込まれた空気は、ベルマウス122を通過することで風速が上昇する。そして、羽根部154に吸い込まれた空気は、羽根154bの間を通って羽根部154の遠心方向に排気される。
【0016】
ケーシング110の外周壁部130の内側には、渦巻き状の流路である渦巻き部131(
図6参照)が形成されている。渦巻き部131は、外周壁部130と羽根部154の間の隙間が最小となる部分を巻き始めPとし、そこから周方向に進むに従って隙間(断面積)が徐々に大きくなる構造を有している。たとえば、渦巻き部131は、インボリュート曲線に添った断面形状を有している。なお、渦巻き部131の断面形状はインボリュート曲線に限定されず、例えばアルキメデス螺旋など任意の渦巻形状を採用することができる。
【0017】
渦巻き部131は巻き終わりQまで任意の曲線に沿う形状を成している。すなわち、渦巻き部131のインボリュート曲線に沿った断面形状は巻き終わりQで終了し、巻き終わりQからその先は、矩形の開口からなる吹出口132に至る流路を形成するディフューザ部133が設けられている。渦巻き部131では空気流は回転軸153を中心とした旋回流となるが、ディフューザ部133では直線的な空気流となる。そして、巻き終わりQから下流側に離間した箇所に、凸部140が形成されている。
【0018】
凸部140は、巻き終わりQにおける接線に添って延在する第1の面141を備えている。第1の面141は、吹出口132よりも軸方向の幅が狭い矩形状をなし、吹出口132側(下流側)に向かうに従って回転軸153から徐々に離間する。また、第1の面141は、下流側に向かって軸方向の幅が一様であり、
図2に示すように、筺体10の上面10cに対して平行に対向するように配置されている。
【0019】
第1の面141の下流側に隣接して第2の面142が形成されている。第2の面142は、下流側に向かうに従って軸方向の幅が漸次増加するとともに、第1の面141から下流側に向かって下り勾配となるように傾斜している。すなわち、第2の面142は、第1の面141の下流側端部から回転軸153へ接近するように傾斜している。これにより、第1の面141と第2の面142との境界に、径方向外側に突出する頂部143が形成されている。
【0020】
凸部140には、第1の面141および第2の面142に軸方向に隣接する一対の第3の面144が形成されている。一対の第3の面144は、上流側から下流側へ向かって軸方向の幅が拡がるとともに、第1、第2の面141,142に対して軸方向に向かって下り勾配となる傾斜面に形成されている。
【0021】
以上のように、第1、第2、第3の面141,142,144からなる凸部140は、ディフューザ部133において軸方向の中央部に配置されており、かつ、軸方向の幅は、上流側から下流側へ向かって徐々に広くなっている。すなわち、側壁部120と凸部140とは隙間を空けて形成されている。
【0022】
第2の面142の下流側端部の位置に、第1の面141と直交する固定板111(
図3~
図6に示す)が固定されている。固定板111は矩形の板であり、側壁部120および外周壁部130から上下方向および左右方向に突出している。固定板111は、ケーシング110と一体に成形により形成されているが、ケーシング110と別に作製してケーシング110に接着等の手段で取り付けてもよい。固定板111は、第2の面142の下流側端部の位置に配置されているが、その位置よりも下流側に配置されてもよい。
【0023】
ディフューザ部133の固定板111から吹出口132までの部分には、第2の面142の下流側端部から上方へ向けて傾斜する拡開部145が形成されている。拡開部145と、拡開部145に対向する下壁部146との距離は、巻き終わりQから吹出口132に向かうに従って徐々に増加しており、側壁部120と、拡開部145と、下壁部146とにより形成される流路断面積は、吹出口132に向かうに従って徐々に増加している。
【0024】
3.作用および効果
ファンモータ152が回転することにより、羽根部154が回転し、羽根154bの作用により吸込口121から空気が吸引される。吸引された空気はケーシング110内で羽根154bの隙間を通って遠心方向に排出され、渦巻き部131からディフューザ部133へと流れ、吹出口132から吹き出される。
【0025】
ここで、第1の面141は、吹出口132側へ向かうに従って回転軸153からの距離が漸次大きくなり頂部143に至るので、空気の流路断面積が徐々に増加して流路抵抗が低減され、風量および圧力損失等の送風性能を改善することができる。また、頂部143から吹出口132側に向けて延在する第2の面142は、第1の面141に対して回転軸153へ接近するように傾斜していることで、一度増加させた空気の流路断面積を減少させることで風速の急激な低下が抑制されるので、ディフューザ部133の舌部134付近を流れる風速の低い空気の流れを誘引できずに当該箇所の空気が吹出口から吹き出されることなく逆流して渦巻き部131を再循環してしまうことを抑制して運転の安定化を図ることができる。
【0026】
特に、ディフューザ部133では、吸込口121から吸引される空気は主板151に沿って羽根部154の遠心方向に排出されて渦巻き部131に流入し、回転軸153を中心とした旋回流となりディフューザ部133に至るので、主板151の径方向であるディフューザ部133の軸方向中央部では風速が速く圧力損失が増加し易いが、上記第1実施形態では、凸部140をディフューザ部133の軸方向両端部から間隔を空けて中央部に配置しているから、中央部における流路断面積を増加させて流路抵抗を低減することができ、風量および圧力損失等の送風性能を改善することができる。
【0027】
また、上記第1実施形態では、凸部140の軸方向の幅を上流側から下流側へ向かって徐々に広くしているから、軸方向中央部の風の流れを両端部側に分散させて風速分布の偏りを抑制することで流路抵抗を低減することができ、風量および圧力損失等の送風性能をさらに改善することができる。
【0028】
さらに、上記第1実施形態では、第1の面141および第2の面142に軸方向に隣接し、軸方向へ向かって下り勾配の傾斜面となる第3の面144を設けているので、凸部140の軸方向中央部の風の流れを両端部側に分散させる上記第1実施形態では、第3の面144側で風の流れがさらに分散されることで風速分布の偏りを抑制し、流路抵抗がさらに低減される。
【0029】
また、上記第1実施形態の空気調和機1では、固定板111を仕切板13に取り付けて左室10aと右室10bとのシール性を確保しているが、シール性を確保するために固定板111と仕切板13との接触面積を大きくする必要がある。この点、上記第1実施形態では、第1の面141は筺体10の上面10cに平行であり、固定板111は、第1の面141に対して下り勾配となる第2の面142の下流側端部(またはそれより下流側)に配置している。つまり、筺体10の上面10cまでの距離が長い位置に固定板111を配置しているから、固定板111の高さを長くすることができ、仕切板13との接触面積を大きくしてシール性を確保することができる。
【0030】
4.第2実施形態
図11~
図13を参照して本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の説明においては、上記第1実施形態と同等の構成要素には同符号を付してその説明を省略する。第2実施形態の遠心送風機200では、凸部240の第1の面241は、上記第1実施形態と同様に、巻き終わりQから下流側へ離間した位置から吹出口132側へ向けて延在するが、第2の面242は、第1の面241の吹出口132側端部の軸方向中間部から固定板111まで形成されている。
【0031】
第2の面242は、下流側に向かうに従って軸方向の幅が漸次増加するとともに、第1の面241に対して下流側に向かって下り勾配となるように傾斜している。すなわち、第2の面242は、第1の面241の下流側端部から回転軸153(
図6参照)へ接近するように傾斜している。これにより、第1の面241と第2の面242との境界に、径方向外側に突出する頂部243が形成されている。
【0032】
凸部240には、第1の面241および第2の面242に隣接して、一対の第3の面244が固定板111まで形成されている。一対の第3の面244は、頂部243の両側の第1の面241の両端部から下流側へ向かって軸方向の幅が拡がるとともに、第1、第2の面241,242に対して軸方向に向かって下り勾配となる傾斜面に形成されている。
【0033】
第1の面241と第3の面244の軸方向に隣接する部分には、一対の第4の面246が固定板111まで形成されている。一対の第4の面246は、第1の面241の両側部から下流側へ向かって軸方向の幅が拡がるとともに、軸方向に向かって下り勾配となる傾斜面に形成されている。
【0034】
上記構成の遠心送風機200においては、上記第1実施形態と同等の作用および効果を奏することは勿論のこと、第1の面241と第3の面244の軸方向に隣接する部分に、第1の面241の側部から下流側へ向かって拡開するとともに、軸方向に向かって下り勾配となる一対の第4の面246を形成しているから、凸部240の軸方向中央部の風の流れを両端部側に分散させる上記第2実施形態では、第4の面246側で風の流れがさらに分散され、流路抵抗がさらに低減される。よって、風量および圧力等の送風性能をさらに改善することができる。
【0035】
5.変更例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように種々の変更が可能である。
i)送風ファン150の羽根部154に代えて主板に複数の羽根を固定したインペラを使用することができる。
【0036】
ii)空気調和機1では、2個の送風ファン150を用いているが、送風ファン150は1個あるいは3個以上であってもよい。
iii)空気調和機1には加湿器やエアフィルタを設置することができる。
【符号の説明】
【0037】
1…空気調和機、10…筺体、10a…左室、10b…右室、10c…上面、11…空気吸込部、12…空気吹出部、13…仕切板、14…ブラケット、100,200…遠心送風機、110…ケーシング、111…固定板、120…側壁部、121…吸込口、122…ベルマウス、130…外周壁部、131…渦巻き部、132…吹出口、133…ディフューザ部、134…舌部、140,240…凸部、141,241…第1の面、142,242…第2の面、143,243…頂部、144,244…第3の面、145…拡開部、146…下壁部、150…送風ファン、151…主板、152…ファンモータ、153…回転軸、154…羽根部154a…環状部材、154b…羽根、160…熱交換器、246…第4の面、P…巻き始め、Q…巻き終わり。