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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012688
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】基地局、通信方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/0836 20240101AFI20240123BHJP
   H04W 4/20 20180101ALI20240123BHJP
   H04W 72/542 20230101ALI20240123BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20240123BHJP
【FI】
H04W74/0836
H04W4/20 110
H04W72/542
H04W28/04 110
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199893
(22)【出願日】2023-11-27
(62)【分割の表示】P 2021508753の分割
【原出願日】2019-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2019061490
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲矢
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】西尾 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】堀内 綾子
(57)【要約】
【課題】ランダムアクセス処理の効率を向上すること。
【解決手段】基地局は、第1の方法におけるランダムアクセス信号であるメッセージAを受信する受信回路と、メッセージAの応答であるメッセージBを端末に送信する送信回路と、を具備し、第1の方法は、チャネル品質に基づいて第1の方法及び第2の方法から選択され、第1の方法はプリアンブル部分及びデータ部分を含むランダムアクセス信号を送信する方法であり、第2の方法はデータ部分を送信せずプリアンブル部分を送信するランダムアクセス信号を送信する方法であり、ランダムアクセス信号は、第2の閾値より大きい同期信号の受信品質に関連する少なくとも1つのリソースが存在する場合、第2の閾値より大きい同期信号の受信品質に関連する1つのリソースで受信され、第2の閾値は第1の方法と第2の方法とで異なる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方法におけるランダムアクセス信号であるメッセージAを受信する受信回路と、
前記メッセージAの応答であるメッセージBを端末に送信する送信回路と、を具備し、
前記第1の方法は、チャネル品質に基づいて前記第1の方法及び第2の方法から選択され、前記第1の方法はプリアンブル部分及びデータ部分を含むランダムアクセス信号を送信する方法であり、前記第2の方法は前記データ部分を送信せず前記プリアンブル部分を送信する前記ランダムアクセス信号を送信する方法であり、
前記ランダムアクセス信号は、第2の閾値より大きい同期信号の受信品質に関連する少なくとも1つのリソースが存在する場合、前記第2の閾値より大きい同期信号の受信品質に関連する1つのリソースで受信され、前記第2の閾値は前記第1の方法と前記第2の方法とで異なる、
基地局。
【請求項2】
前記チャネル品質が第1の閾値よりも大きい場合は前記第1の方法が選択され、前記チャネル品質が前記第1の閾値以下の場合は前記第2の方法が選択される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記チャネル品質は下り信号の受信品質である、
請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記第1の方法のメッセージAの初回送信時において、前記第1の方法及び前記第2の方法から前記第1の方法が選択される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項5】
前記端末の識別情報を含む前記メッセージBの復調処理が成功した場合、前記第1の方法のランダムアクセス手順が成功したと判断される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項6】
再送リクエストを含む前記メッセージBの送信応答において、前記受信回路は前記プリアンブル部分を含まない前記データ部分の再送を受信する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項7】
前記メッセージBは上りリソース情報を含み、
前記受信回路は前記上りリソース情報に基づく前記データ部分の再送を受信する、
請求項6に記載の基地局。
【請求項8】
前記プリアンブル部分の目標受信電力値は前記第1の方法と前記第2の方法とで独立に設定される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項9】
基地局は、
第1の方法におけるランダムアクセス信号であるメッセージAを受信し、
前記メッセージAの応答であるメッセージBを端末に送信し
前記第1の方法は、チャネル品質に基づいて前記第1の方法及び第2の方法から選択され、前記第1の方法はプリアンブル部分及びデータ部分を含むランダムアクセス信号を送信する方法であり、前記第2の方法は前記データ部分を送信せず前記プリアンブル部分を送信する前記ランダムアクセス信号を送信する方法であり、
前記選択した方法に基づいて前記ランダムアクセス信号を送信し、
前記ランダムアクセス信号の送信は、第2の閾値より大きい同期信号の受信品質に関連する少なくとも1つのリソースが存在する場合、前記第2の閾値より大きい同期信号の受信品質に関連する1つのリソースで受信され、前記第2の閾値は前記第1の方法と前記第2の方法とで異なる、
通信方法。
【請求項10】
前記チャネル品質が第1の閾値よりも大きい場合は前記第1の方法が選択され、前記チャネル品質が前記第1の閾値以下の場合は前記第2の方法が選択される、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項11】
前記チャネル品質は下り信号の受信品質である、
請求項4に記載の通信方法。
【請求項12】
前記第1の方法のメッセージAの初回送信時において、前記第1の方法及び前記第2の方法から前記第1の方法が選択される、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項13】
前記端末の識別情報を含む前記メッセージBの復調処理が成功した場合、前記第1の方法のランダムアクセス手順が成功したと判断される、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項14】
前記第1の方法におけるメッセージA送信の応答であるメッセージBを送信し、
再送リクエストを含む前記メッセージBの送信応答において、前記プリアンブル部分を含まない前記データ部分の再送を受信する、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項15】
前記メッセージBは上りリソース情報を含み、
前記上りリソース情報に基づく前記データ部分の再送を受信する、
請求項14に記載の通信方法。
【請求項16】
前記プリアンブル部分の目標受信電力値は前記第1の方法と前記第2の方法とで独立に設定される、
請求項9に記載の通信方法。
【請求項17】
第1の方法におけるランダムアクセス信号であるメッセージAを受信する処理と、
前記メッセージAの応答であるメッセージBを端末に送信する処理と、を制御し、
前記第1の方法は、チャネル品質に基づいて前記第1の方法及び第2の方法から選択され、前記第1の方法はプリアンブル部分及びデータ部分を含むランダムアクセス信号を送信する方法であり、前記第2の方法は前記データ部分を送信せず前記プリアンブル部分を送信する前記ランダムアクセス信号を送信する方法であり
前記ランダムアクセス信号の送信において、第2の閾値より大きい同期信号の受信品質に関連する少なくとも1つのリソースが存在する場合、前記第2の閾値より大きい同期信号の受信品質に関連する1つのリソースで受信され、前記第2の閾値は前記第1の方法と前記第2の方法とで異なる、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局及び送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、第5世代移動通信システム(5G:5th Generation mobile communication sysmtems)の実現に向けて、Release 15 NR(New Radio access technology)の仕様策定が完了した。NRでは、モバイルブロードバンドの高度化(eMBB: enhanced Mobile Broadband)の基本的な要求条件である高速及び大容量と合わせ、超高信頼低遅延通信(URLLC: Ultra Reliable and Low Latency Communication)を実現する機能をサポートしている(例えば、非特許文献1-7を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS 38.211 V15.4.0, "NR; Physical channels and modulation (Release 15)," December 2018.
【非特許文献2】3GPP TS 38.212 V15.4.0, "NR; Multiplexing and channel coding (Release 15)," December 2018.
【非特許文献3】3GPP TS 38.213 V15.4.0, "NR; Physical layer procedure for control (Release 15)," December 2018.
【非特許文献4】3GPP TS 38.214 V15.4.0, "NR; Physical layer procedures for data (Release 15)," December 2018.
【非特許文献5】3GPP TS 38.300 V15.4.0, “NR; NR and NG-RAN overall description; Stage 2 (Release 15)”, December 2018.
【非特許文献6】3GPP TS 38.321 V15.4.0, “NR; Medium accesss control (MAC) protocol specification (Release 15)”, December 2018.
【非特許文献7】3GPP TS 38.331 V15.4.0, “NR; Radio resource control (RRC) protocol specification (Release 15)”, December 2018.
【非特許文献8】B. Bertenyi, S. Nagata, H. Kooropaty, X. Zhou, W. Chen, Y. Kim, X. Dai, and X. Xu, “5G NR radio interface,” Journal of ICT, Vol. 6 and 2, pp. 31-58, 2018.
【非特許文献9】RP-182881, “New work item: 2-step RACH for NR,” ZTE Corporation, Sanechips, December 2018.
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、ランダムアクセス処理について十分に検討されていない。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、ランダムアクセス処理の効率を向上できる基地局及び送信方法の提供に資する。
【0006】
本開示の一実施例に係る端末は、チャネル品質に基づいて、プリアンブル部及びデータ部を含むランダムアクセス信号を送信する第1の方法、及び、前記プリアンブル部を含み、前記データ部を含まない前記ランダムアクセス信号を送信する第2の方法の何れかを選択する制御回路と、前記選択された方法に基づいて、前記ランダムアクセス信号を送信する送信回路と、を具備する。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0008】
本開示の一実施例によれば、ランダムアクセス処理の効率を向上できる。
【0009】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】4ステップRandom access procedureの一例を示す図
図2】2ステップRandom access procedureの一例を示す図
図3】実施の形態1に係る端末の一部の構成例を示すブロック図
図4】実施の形態1に係る基地局の構成例を示すブロック図
図5】実施の形態1に係る端末の構成例を示すブロック図
図6】実施の形態1に係るRandom access procedureの一例を示す図
図7】実施の形態1に係る基地局及び端末の動作例を示すシーケンス図
図8】実施の形態1に係る基地局及び端末の動作例を示すシーケンス図
図9】実施の形態2に係るRandom access procedureの一例を示す図
図10】実施の形態4に係るRandom access procedureの一例を示す図
図11】TDMされるMessage Aの構成例を示す図
図12】FDMされるMessage Aの構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[Random access procedure]
Release 15 NRにおいて、端末(移動局又はUE:User Equipmentとも呼ぶ)は、例えば、以下のケースにおいて、基地局(gNB又はeNBとも呼ぶ)に対してランダムアクセス信号(RACH:Random Access Channel、又は、PRACH:Physical RACHとも呼ぶ)を送信する。
(1)初期アクセス時(例えば、RRC_IDLE状態からRRC_CONNECTED状態へ遷移する場合)
(2)RRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECTED状態へ復帰する場合
(3)接続中(例えば、RRC_CONNECTED状態で上りリンク同期状態が“non-synchronized”の場合)において下りリンクデータ又は上りリンクデータが発生した時
(4)オンデマンドのSI(System Information)を要求する場合
(5)ビーム接続失敗から回復(BFR:Beam failure recovery)する場合
【0013】
これにより、端末から基地局への接続又は再同期確立が試行される。これらの端末から基地局への接続又は再同期確立のために行われる一連の動作は「Random access procedure」と呼ばれる。
【0014】
Release 15 NRでは、Random access procedureは、例えば、図1に示す4つのステップから構成される(4ステップRandom access procedure又は4ステップRACH procedureと呼ぶ)(例えば、非特許文献8を参照)。
【0015】
<Step 1:Message 1の送信>
端末(例えば、UE)は、プリアンブル信号(以下、RACH preamble、PRACH preamble又は単にpreambleとも呼ぶ)のリソース候補(例えば、時間リソース、周波数リソース及び系列リソースの組み合わせにより規定されるリソース)群から、実際に用いるPRACH preambleリソースをランダムに選択する。そして、端末は、選択したPRACH preambleリソースを用いてPRACH preambleを基地局(例えば、gNB)へ送信する。PRACH preambleは、例えば、「Message 1」と呼ばれることがある。
【0016】
<Step 2:Message 2の送信>
基地局は、PRACH preambleを検出した場合、RACH応答(RAR: Random Access Responseとも呼ぶ)を送信する。RARは、例えば、「Message 2」と呼ばれることがある。なお、この時点では、基地局は、PRACH preambleを送信した端末を特定できない。このため、RARは、例えば、基地局がカバーするセルの全体に送信される。
【0017】
RARには、例えば、端末が上りリンク信号の送信(Step 3:Message 3の送信)において使用するリソース(上りリンクリソース)に関する情報、又は、端末による上りリンクの送信タイミングに関する情報が含まれる。ここで、PRACH preambleを送信した端末は、PRACH preambleの送信タイミングから規定された期間(例えば、RAR reception windowと呼ぶ)内にRARを受信しない場合、再度、PRACH preambleリソースの選択、及び、PRACH preambleの送信(換言すると、Message 1の再送)を行う。
【0018】
<Step 3:Message 3の送信>
端末は、RARによって基地局から指示された上りリンクリソースを用いて、例えば、RRC(Radio Resource Control)接続要求又はスケジュール要求等を含む「Message 3」を送信する。
【0019】
<Step 4:Message 4の送信>
基地局は、端末を識別するための識別情報(例えば、UE-ID)を含むメッセージ(「Message 4」と呼ばれる)を端末へ送信する。基地局は、Message 4を送信することにより、複数の端末が競合していないことを確認する(contention resolution)。なお、UE-IDには、例えば、C-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)又はTemporary C-RNTI等が使用されてよい。
【0020】
以上、4ステップRandom access procedureの一例について説明した。
【0021】
一方、Release 16 NRでは、端末から基地局への接続又は再同期確立を低遅延で効率的に行うために、例えば、図2に示す2ステップから構成されるRandom access procedure(2ステップRandom access procedure、又は、2-step RACH procedureと呼ぶこともある)が検討されている(例えば、非特許文献9を参照)。
【0022】
<Step 1:Message Aの送信>
端末は、4ステップRandom access procedure(例えば、図1を参照)のStep 1及びStep 3に相当するMessage 1(換言すると、preamble)及びMessage 3に相当する情報を含むメッセージ(以下、「Message A」と呼ぶ)を基地局へ送信する。
【0023】
<Step 2:Message Bの送信>
基地局は、Message Aを検出した場合、Message Bを送信する。Message Bには、例えば、4ステップRandom access procedure(例えば、図1を参照)のMessage 2又はMessage 4に相当する情報(例えば、何れか一方又はまたは両方)が含まれる。
【0024】
[Random access procedureにおける送信電力制御]
NRにおける4ステップRandom access procedureでは、Message 1及びMessage 3の送信に対して送信電力制御(TPC:Transmit Power Control)が行われる。例えば、Message 1において送信されるPRACH preambleの送信電力PPRACHは、次式(1)に従って求められる(例えば、非特許文献3を参照)。
PPRACH = min{PCMAX, PPRACH_target+ PL} (1)
【0025】
ここで、PCMAXは端末が送信可能な最大送信電力を示し、PPRACH_targetはPRACH preambleに対する目標受信電力値(例えば、基地局から設定されるパラメータ)を示し、PLは端末が測定したパスロスレベルを示す。
【0026】
また、Message 3において送信されるデータ信号(例えば、上りリンクデータチャネル(例えば、PUSCH:Physical Uplink Shared Channel))の送信電力PPUSCHは、例えば、次式(2)に従って求められる(例えば、非特許文献3を参照)。
PPUSCH = min{PCMAX, PO_PUSCH+ 10log10(2μ・MRB) + α・PL + ΔTF+ f} (2)
【0027】
ここで、PCMAXは端末が送信可能な最大送信電力を示し、PO_PUSCHは、PRACH preambleに対する目標受信電力値PPRACH_targetに対するオフセット値(基地局から設定されるパラメータ)を示し、例えば、式(3)によって与えられる。μはMessage 3の送信に用いるPUSCHのサブキャリア間隔(subcarrier spacing:SCS)を表すパラメータを示す。例えば、サブキャリア間隔が15 kHzの場合にはμ= 0であり、サブキャリア間隔が30 kHzの場合にはμ = 1である(例えば、非特許文献1を参照)。PLは端末が測定したパスロスレベルを示し、αはパスロスの補償割合を表す重み係数(例えば、基地局から設定されるパラメータ)を示す。ΔTFはPUSCHのMCS(Modulation and Coding Scheme)等によって与えられるパラメータを示す。fは、Closed-loop制御におけるTPCコマンドと過去のパワーランピング(power ramping)を含めた累積値を考慮した値である。
PO_PUSCH = PPRACH_target+ ΔPREAMBLE_Msg3 (3)
【0028】
Message 3において送信されるPUSCHに対するTPCコマンドは、例えば、Message 2において送信されるRARに含まれている。
【0029】
2ステップRandom access procedureでは、端末は、Message Aにおいて4ステップRandom access procedureのMessage 1に相当する信号(例えば、PRACH preamble)及びMessage 3に相当する信号(例えば、PUSCH)を同程度(又は同時)のタイミングで送信する。そのため、端末は、Message Aにおいて、基地局からの通知(例えば、RARに含まれるTPCコマンド)無しでMessage A(例えば、PUSCH信号)を送信することになる。
【0030】
例えば、2ステップRandom access procedureにおいて、Message AにおけるPRACH preamble及びPUSCHのそれぞれに対するTPCに、Open-loop制御の適用が想定される。例えば、端末は、PRACH preambleに対して、例えば、4ステップRandom access procedureと同様に式(1)に基づいて送信電力を算出する。一方、端末は、PUSCHに対して、例えば、式(2)におけるClosed-loop制御に関するTPCコマンド部分(例えば、式(2)のf等)を削除する、若しくは、規定されたオフセット値に設定する方法があり得る。
【0031】
しかし、この方法では、基地局によるPUSCHの送信電力制御が行われず、Message A(例えば、PUSCH)の伝送品質が劣化する可能性がある。
【0032】
また、2ステップRandom access procedureにおいて、PRACH preambleには、例えば、直交又は疑似直交リソースが用いられる。ただし、PRACH preambleの各直交リソースに対応して、PUSCHにも直交リソースを適用すると、PUSCHに対してより多くの無線リソースを確保することになり、リソース利用効率が劣化する。そこで、例えば、複数のPRACH preambleの直交リソースに対応して、1つのPUSCHリソースを割り当てる方法が想定される。これらの場合、2ステップRandom access procedureにおける端末間の信号の衝突は、PRACH preambleリソースよりもPUSCHリソースにおいて発生しやすくなる。
【0033】
仮に、PUSCHの伝送品質が所定の信頼度を満たさない端末が、Message AにおいてPUSCHを送信すると、PUSCHの衝突を引き起こしやすくなるため、PUSCHリソースにおいて他の端末に与える干渉を増大させやすくなる。このような場合、端末が、Message Aにおいて、PUSCHを送信せずに、PRACH preambleを送信すること、すなわち、2ステップRandom access procedureから4ステップRandom access procedureへFallbackすることが望ましい。
【0034】
しかしながら、2ステップRandom access procedureにおけるFallback動作を考慮した送信電力制御については、十分に検討されていない。
【0035】
そこで、本開示の一実施例では、2ステップRandom access procedureにおける上りリンクの送信電力制御方法について説明する。
【0036】
以下、各実施の形態について、詳細に説明する。
【0037】
(実施の形態1)
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、基地局100及び端末200を備える。
【0038】
図3は、本開示の各実施の形態に係る端末200の一部の構成例を示すブロック図である。図3に示す端末200において、制御部209(制御回路に相当)は、チャネル品質に基づいて、プリアンブル部(例えば、PRACH preamble)及びデータ部(例えば、PUSCH)を含むランダムアクセス信号(例えば、Message A)を送信する第1の方法、及び、プリアンブル部を含み、データ部を含まないランダムアクセス信号を送信する第2の方法の何れかを選択する。送信部217は、選択された方法に基づいて、ランダムアクセス信号を送信する。
【0039】
[基地局の構成]
図4は、本開示の実施の形態1に係る基地局100の構成例を示すブロック図である。図4において、基地局100は、制御部101と、データ生成部102と、符号化部103と、変調部104と、上位制御信号生成部105と、符号化部106と、変調部107と、下り制御信号生成部108と、符号化部109と、変調部110と、信号割当部111と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部112と、送信部113と、アンテナ114と、受信部115と、FFT(Fast Fourier Transform)部116と、抽出部117と、検出部118と、復調部119と、復号部120と、を有する。
【0040】
制御部101は、端末200のMessage A送信のための情報(又は、Message Aの送信パラメータとも呼ぶ)を決定し、決定した情報を抽出部117、復調部119及び復号部120へ出力する。また、制御部101は、決定した情報を上位制御信号生成部105へ出力する。
【0041】
Message A送信のための情報には、例えば、Message AのPRACH preamble(例えば、プリアンブル部)及びPUSCH(例えば、データ部)の送信電力制御に関する情報が含まれる。また、Message A送信のための情報には、Message AのPRACH preambleリソース、PUSCHリソース、PUSCHのTBS(Transport Block Size)又はMCSに関する情報が含まれてもよい。また、例えば、端末200がMessage AにUCI(Uplink Control Information)を含めて送信する場合、Message A送信のための情報には、UCI送信に関する情報が含まれてもよい。
【0042】
また、制御部101は、データ信号(例えば、Message B等)、上位レイヤの制御信号(例えば、上位制御信号)又は下りリンク制御情報(例えば、下り制御信号)を送信するための下りリンク信号に対する無線リソース割当(例えば、下りリンクリソース及びMCS等)を決定する。制御部101は、決定した情報を、符号化部103,106,109、変調部104,107,110、及び、信号割当部111へ出力する。また、制御部101は、決定した情報を下り制御信号生成部108へ出力する。
【0043】
また,制御部101は、復号部120から入力されるMessage A(例えば、C-Planeデータ又はUP(User Plane)データ)の復号結果、及び、検出部118から入力されるMessage A(例えば、PRACH preamble)の検出結果に基づいて、Message Bに含める情報を決定し、決定した情報をデータ生成部102へ出力する。
【0044】
データ生成部102は、制御部101から入力される、Message Bに含める情報を用いて、Message Bの情報ビット列(換言すると、下りリンクデータ)を生成し、生成した情報ビット列を符号化部103へ出力する。
【0045】
符号化部103は、データ生成部102から入力される情報ビット列(データ信号)に対して誤り符号化を行い、符号化後のデータ信号を変調部104へ出力する。
【0046】
変調部104は、符号化部103から入力されるデータ信号を変調して、変調後のデータ信号を信号割当部111へ出力する。
【0047】
上位制御信号生成部105は、制御部101から入力される制御情報を用いて、制御情報ビット列(上位制御信号)を生成し、生成した制御情報ビット列を符号化部106へ出力する。
【0048】
符号化部106は、上位制御信号生成部105から入力される制御情報ビット列に対して誤り訂正符号化を行い、符号化後の制御信号を変調部107へ出力する。
【0049】
変調部107は、符号化部106から入力される制御信号を変調して、変調後の制御信号を信号割当部111へ出力する。
【0050】
下り制御信号生成部108は、制御部101から入力される制御情報を用いて、制御情報ビット列(下り制御信号。例えば、DCI)を生成し、生成した制御情報ビット列を符号化部109へ出力する。なお、制御情報が複数の端末向けに送信されることもあるため、下り制御信号生成部108は、各端末向けの制御情報(例えば、PDCCH:Physical Downlink Control Channel)に、全端末向けの識別情報(例えば、RA-RNTI:Random Access-RNTI)又は端末固有の識別情報(例えば、C-RNTI)等を用いてスクランブルしてもよい。
【0051】
符号化部109は、下り制御信号生成部108から入力される制御情報ビット列に対して誤り訂正符号化を行い、符号化後の制御信号を変調部110へ出力する。
【0052】
変調部110は、符号化部109から入力される制御信号を変調して、変調後の制御信号を信号割当部111へ出力する。
【0053】
信号割当部111は、制御部101から入力される無線リソースを示す情報に基づいて、変調部104から入力されるデータ信号、変調部107から入力される上位制御信号、又は、変調部110から入力される下り制御信号を、無線リソースにマッピングする。信号割当部111は、信号がマッピングされた下りリンクの信号をIFFT部112へ出力する。
【0054】
IFFT部112は、信号割当部111から入力される信号に対して、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等の送信波形生成処理を施す。IFFT部112は、CP(Cyclic Prefix)を付加するOFDM伝送の場合には、CPを付加する(図示せず)。IFFT部112は、生成した送信波形を送信部113へ出力する。
【0055】
送信部113は、IFFT部112から入力される信号に対してD/A(Digital-to-Analog)変換、アップコンバート等のRF(Radio Frequency)処理を行い、アンテナ114を介して端末200に無線信号を送信する。
【0056】
受信部115は、アンテナ114を介して受信された端末200からの上りリンク信号波形に対して、ダウンコンバート又はA/D(Analog-to-Digital)変換等のRF処理を行い、受信処理後の上りリンク信号波形をFFT部116に出力する。
【0057】
FFT部116は、受信部115から入力される上りリンク信号波形に対して、時間領域信号を周波数領域信号に変換するFFT処理を施す。FFT部116は、FFT処理により得られた周波数領域信号を抽出部117へ出力する。
【0058】
抽出部117は、制御部101から入力される情報に基づいて、FFT部116から入力される信号から、PRACH preambleが送信された無線リソース部分、UCIが送信された無線リソース部分、又は、Message AのPUSCHが送信された無線リソース部分を抽出する。抽出部117は、抽出したPRACH preambleが送信された無線リソース部分を検出部118へ出力し、抽出したUCIが送信された無線リソース部分又はMessage AのPUSCHが送信された無線リソース部分を復調部119へ出力する。
【0059】
検出部118は、抽出部117から入力される、PRACH preambleに対応する無線リソース部分に対して、PRACH preambleの検出を行う。検出部118は、PRACH preambleの検出結果に関する情報を制御部101へ出力する。
【0060】
復調部119は、制御部101から入力される情報に基づいて、抽出部117から入力される、UCIに対応する無線リソース部分又はMessageAのデータに対応する無線リソース部分を復調し、復調結果(復調系列)を復号部120へ出力する。
【0061】
復号部120は、制御部101から入力される情報に基づいて、復調部119から入力される復調結果に対して誤り訂正復号を行い、復号後のビット系列(例えば、UCI、C-Planeデータ又はUPデータを含む)を出力する。例えば、復号部120は、得られたUCIを制御部101へ出力する。
【0062】
[端末の構成]
図5は、本開示の実施の形態に係る端末200の構成例を示すブロック図である。図5において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、FFT部203と、抽出部204と、復調部205と、復号部206と、下り制御信号復調部207と、復号部208と、制御部209と、PRACH preamble生成部210と、符号化部211と、変調部212と、符号化部213と、変調部214と、信号割当部215と、IFFT部216と、送信部217と、を有する。
【0063】
受信部202は、アンテナ201を介して受信された基地局100からの下りリンク信号の信号波形に対して、ダウンコンバート又はA/D(Analog-to-Digital)変換などのRF処理を行い、得られる受信信号(ベースバンド信号)をFFT部203に出力する。下りリンク信号には、例えば、データ信号(例えば、Message B等)、上位制御信号、又は下り制御信号が含まれる。
【0064】
FFT部203は、受信部202から入力される信号(時間領域信号)に対して、時間領域信号を周波数領域信号に変換するFFT処理を施す。FFT部203は、FFT処理により得られた周波数領域信号を抽出部204へ出力する。
【0065】
抽出部204は、制御部209から入力される制御情報(例えば、制御信号の無線リソースに関する情報)に基づいて、FFT部203から入力される信号から、データ信号(例えば、Message B等)、下り制御信号、又は、上位制御信号を抽出する。抽出部204は、データ信号又は上位制御信号を復調部205へ出力し、下り制御信号を下り制御信号復調部207へ出力する。
【0066】
復調部205は、抽出部204から入力されるデータ信号又は上位制御信号を復調し、復調結果を復号部206へ出力する。
【0067】
復号部206は、復調部205から入力される復調結果を用いて誤り訂正復号を行い、受信データ(例えば、Message B)又は制御情報を得る。復号部208は、得られた受信データ又は制御情報を制御部209に出力する。
【0068】
下り制御信号復調部207は、抽出部204から入力される下り制御信号を復調し、復調結果を復号部208へ出力する。
【0069】
復号部208は、下り制御信号復調部207から入力される復調結果を用いて誤り訂正復号を行い、制御情報を得る。復号部208は、得られた制御情報を制御部209に出力する。
【0070】
制御部209は、復号部206又は復号部208から入力される制御情報に基づいて、上りリンク送信(例えば、Message Aの送信)における送信電力制御に関する方法又はパラメータを決定する。例えば、制御部209は、適用するRandom access procedure(例えば、2ステップRandom access procedure又は4ステップRandom access procedure)を決定(又は選択)する。また、制御部209は、復号部206から入力される上位制御信号から得られる端末200のMessage A送信に関する情報を用いて、Message Aの送信パラメータを決定する。制御部209は、決定した情報を、PRACH preamble生成部210、符号化部211,213、変調部212,214及び信号割当部215へ出力する。
【0071】
また、制御部209は、復号部206又は復号部208から入力される制御情報に含まれる、制御信号の無線リソースに関する情報を、抽出部204に出力する。
【0072】
PRACH preamble生成部210は、制御部209から入力される制御情報(例えば、Message Aの送信パラメータ)に基づいて、PRACH preambleを生成し、生成したPRACH preambleを信号割当部215へ出力する。
【0073】
符号化部211は、UCIを基地局100へ送信する場合、制御部209から入力される情報に基づいて、UCI(例えば、UCI系列)を誤り訂正符号化し、符号化後のUCI(ビット系列)を変調部212へ出力する。
【0074】
変調部212は、制御部209から入力される情報に基づいて、符号化部211から入力されるUCIを変調して、変調後のUCI(変調シンボル列)を信号割当部215へ出力する。
【0075】
符号化部213は、制御部209から入力される制御情報(例えば、Message Aの送信パラメータ)に基づいて、例えば、MessageAのデータ部分において送信される情報ビット系列(例えば、C-Planeデータ及びUPデータ)を誤り訂正符号化し、符号化後のビット系列を変調部214へ出力する。
【0076】
変調部214は、制御部209から入力される情報に基づいて、符号化部213から入力されるビット系列を変調して、データ信号(変調シンボル列)を信号割当部215へ出力する。
【0077】
信号割当部215は、PRACH preamble生成部210から入力される信号、変調部212から入力される信号、又は、変調部214から入力される信号を、制御部209から指示される無線リソースにマッピングし、信号がマッピングされた上りリンク信号をIFFT部216へ出力する。
【0078】
IFFT部216は、信号割当部215から入力される信号に対して、OFDM等の送信波形生成処理を施す。IFFT部216は、CPを付加するOFDM伝送の場合には、CPを付加する(図示せず)。または、IFFT部216がシングルキャリア波形を生成する場合には、信号割当部215の前段にDFT(Discrete Fourier Transform)部が追加されてもよい(図示せず)。IFFT部216は、生成した送信波形を送信部217へ出力する。
【0079】
送信部217は、IFFT部216から入力される信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナ201を介して基地局100に無線信号を送信する。
【0080】
[基地局100及び端末200の動作例]
以上の構成を有する基地局100及び端末200における動作例について説明する。
【0081】
本実施の形態では、2ステップRandom access procedureにおいて上りリンク信号(例えば、Message A)を送信するタイミングにおいて、端末200は、例えば、2ステップRandom access procedure(例えば、PRACH preamble及びPUSCHを含む信号の送信)、及び、4ステップRandom access procedure(例えば、PRACH preambleを含み、PUSCHを含まない信号の送信)の何れかを選択する。換言すると、端末200は、2ステップRandom access procedureを適用するか、又は、4ステップRandom access procedureへのFallbackを適用するかを決定する。
【0082】
例えば、端末200は、Message AにおけるPRACH preambleの送信電力、及び、PUSCHの送信電力を算出する。そして、端末200は、算出したPRACH preambleの送信電力値及びPUSCHの送信電力値の双方が許容値を満たす場合(換言すると、閾値以上の場合)、Message A送信時にPRACH preamble及びPUSCHを送信する(換言すると、2ステップRandom access procedureを選択する)。一方、端末200は、算出したPRACH preambleの送信電力値及びPUSCHの送信電力値の少なくとも一方が許容値を満たさない場合(換言すると、閾値未満の場合)、Message A送信時にPUSCHを送信せずに、PRACH preambleを送信する(換言すると、4ステップRandom access procedureへのFallbackを選択する)。なお、送信電力値の許容値(例えば、閾値)は、例えば、基地局100がそれぞれの信号を十分な信頼度で受信するための送信電力である。
【0083】
図6は、本実施の形態に係るRandom access procedureの一例を示す。
【0084】
端末200は、まず、Message AにおけるPRACH preambleの送信電力PPRACH、及び、PUSCHの送信電力PPUSCH(P'PUSCHと表すこともある)を算出する。送信電力の算出方法は、例えば、上述したOpen-loop制御に基づく方法がある。例えば、端末200は、PRACH preambleの送信電力PPRACH、及び、PUSCHの送信電力PPUSCHを以下のように算出する。
PPRACH = min{PCMAX, PPRACH_target+ PL} (4)
PPUSCH = min{PCMAX, PO_PUSCH+ 10log10(2μ・MRB) + α・PL + ΔTF} (5)
【0085】
ここで、一例として、端末200が送信可能な最大送信電力PCMAXによってスケーリングする前の送信電力値(例えば、式(4)及び式(5)におけるminmum関数の第2項目に相当する値)が許容値に設定される場合について説明する。例えば、信号の送信電力値が許容値(換言すると閾値)以上の場合、当該信号は、基地局100において十分な信頼度で受信される。一方、例えば、信号の送信電力値が許容値(換言すると閾値)未満の場合、当該信号は、基地局100において十分な信頼度で受信されない。なお、許容値に設定される値は、この値に限定されず、他の値でもよい。
【0086】
例えば、図6において、PRACH preambleの送信電力PPRACH及びPUSCHの送信電力P'PUSCHがそれぞれPCMAX以下の場合、端末200は、許容値(閾値)である送信電力値でPRACH preamble及びPUSCHを送信できる。よって、端末200は、基地局100がPRACH preamble及びPUSCHの双方の信号を十分な信頼度で受信できると判断し、Message Aの送信電力が許容値を満たすと判断する。この場合、端末200は、2ステップRandom access procedureを行う。換言すると、端末200は、Message AにおいてPRACH preamble及びPUSCHを送信する。
【0087】
一方、例えば、図6において、PCMAXによってスケーリングする前の送信電力値(図6では、P'PUSCH)がPCMAXを超えた場合、端末200は、送信電力(図6ではPPUSCH)をPCMAXにスケーリングする。P'PUSCHがPCMAXを超える場合、端末200は、スケーリングによって、許容値(閾値)である送信電力値P'PUSCHでPUSCHを送信できない。よって、端末200は、PRACH preamble及びPUSCHの送信電力の何れかが許容値を満たさないと判断する。この場合、端末200は、4ステップRandom access procedureを行う。換言すると、端末200は、Message Aにおいて、PUSCHを送信せずに、PRACH preambleを送信する。
【0088】
このように、本実施の形態によれば、端末200は、基地局100と端末200との間のチャネル状態に応じて、2ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preamble及びPUSCHの送信)、又は、4ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preambleの送信、PUSCHの非送信)を選択する。例えば、チャネル状態が悪く伝送品質が所定の信頼度を満たさない場合、端末200は、4ステップRandom access procedureを選択し、PUSCHを送信しないので、他の端末との間におけるPUSCHの衝突を抑制できる。
【0089】
なお、本実施の形態において、送信電力の算出方法は、上述した4ステップRandom access procedureの送信電力制御に基づくOpen-loop制御方法でもよく、その他の方法でもよい。例えば、端末200は、式(4)に従ってPRACH preambleの送信電力を算出し、算出したPRACH preambleの送信電力にオフセット値(例えば、基地局から設定されるパラメータ)を加えた値を、PUSCHの送信電力に設定してもよい。
【0090】
[上りリンク信号の送信タイミング]
次に、本実施の形態において、端末200が上りリンク信号(例えば、Message A)を送信するタイミングについて説明する。上りリンク信号の送信タイミングには、例えば、以下のタイミング1~3が想定される。
【0091】
<タイミング1>
タイミング1は、端末200がMessage Aを初回送信するタイミングである。
【0092】
端末200は、Message Aを送信して、2ステップRandom access procedureをトリガする。Message Aは、例えば、PRACH preamble及びPUSCHを含む。
【0093】
ただし、タイミング1において、端末200は、Message AにおけるPRACH preambleの送信電力値及びPUSCHの送信電力値の何れか一方が許容値を満たさない場合、Message A送信時にPUSCHを送信せずに、PRACH preambleを送信する(換言すると、4ステップRandom access procedureへFallbackする)。
【0094】
<タイミング2>
タイミング2は、端末200がMessage Bを受信したタイミングである。
【0095】
基地局100は、Message Aを検出及び正しく復号した場合、Message Bを送信する。Message Bには、例えば、RACH応答(RAR)及び端末200の識別情報(例えば、UE-ID)が含まれる。端末200は、当該端末200のUE-IDが含まれるMessage Bの復号に成功した場合、Random access procedureが成功したと判断する。
【0096】
また、基地局100は、Message AのPRACH preambleを検出し、データ部分を復号できなかった場合もMessage Bを送信する。この場合、基地局100は、この時点では、PRACH preambleを送信した端末200を特定できない。よって、Message Bには、例えば、RACH応答(RAR)が含まれる。RARには、例えば、PRACH preambleを送信した端末200に対して、Message Aの再送を要求する情報(換言すると、Message A再送に関する情報)が含まれてよい。RARに含まれるMessage A再送に関する情報は、次のOption 1及びOption 2が想定される。
【0097】
<Option 1>
Option 1では、RARには、基地局100が検出したPRACH preambleを送信した端末200に対して再送を要求する通知(例えば、NACK:negative acknowledgement)が含まれる。ただし、RARには、Message Aの再送のためのリソースに関する情報は含まれない。端末200は、当該端末200が送信したPRACH preambleに対して再送を要求する通知が含まれるMessage Bを受信すると、Message Aを再度送信(換言すると、再送)する。再送されるMessage Aには、例えば、PRACH preamble及びPUSCHが含まれる。
【0098】
ただし、タイミング2において、端末200は、再送されるMessage AにおけるPRACH preambleの送信電力値及びPUSCHの送信電力値の少なくとも一方が許容値を満たさない場合、Message A送信時にPUSCHを送信せずに、PRACH preambleを送信する(換言すると、4ステップRandom access procedureへFallbackする)。
【0099】
<Option 2>
Option 2では、RARには、基地局100が検出したPRACH preambleを送信した端末200に対して再送を要求する通知に、PUSCHリソースに関する情報が含まれる。端末200は、当該端末200が送信したPRACH preambleに対して再送を要求し、かつPUSCHのリソースに関する通知が含まれるMessage Bを受信すると、Message Aを再送する。このとき、端末200は、Message Aの再送において、PRACH preambleを送信せずに、PUSCHを送信する。換言すると、Message Aには、PRACH preambleが含まれず、PUSCHが含まれる。
【0100】
ただし、タイミング2において、端末200は、再送されるPUSCHの送信電力値が許容値を満たさない場合、Message A送信時にPUSCHを送信せずに、PRACH preambleの送信に切り替える(換言すると、4ステップRandom access procedureへFallbackする)。
【0101】
<タイミング3>
タイミング3は、端末200がMessage Aの送信後、規定された期間(例えば、Msg.B reception window等)内にMessage Bを受信しない場合にMessage Aを再送するタイミングである。
【0102】
基地局100は、Message A(例えば、PRACH preamble)を検出できなかった場合、当該Message Aを送信した端末200宛の情報をMessage Bに含めない。Message Aを送信した端末200は、Message Aの送信後から規定された期間(例えば、Msg.B reception window)内に端末200宛の情報を含むMessage Bを受信しない場合、Message Aを再送する。再送されるMessage Aには、例えば、PRACH preamble及びPUSCHが含まれる。
【0103】
ただし、タイミング3において、端末200は、再送されるMessage AにおけるPRACH preambleの送信電力値及びPUSCHの送信電力値の少なくとも一方が許容値を満たさない場合、Message A送信時にPUSCHを送信せず、PRACH preambleを送信する(換言すると、4ステップRandom access procedureへFallbackする)。
【0104】
以上、上りリンク信号の送信タイミング(例えば、タイミング1~3)について説明した。
【0105】
次に、一例として、図7は、本実施の形態に係る基地局100及び端末200における処理例のフローを示す。図7は、上述した上りリンク信号の送信タイミングのうち、タイミング1(初回送信時)及びタイミング2(再送時)における処理例を示す。
【0106】
図7において、基地局100は、Message Aの送信パラメータを端末200へ送信する(ST101)。Message Aの送信パラメータには、例えば、Message AのPRACH preamble及びPUSCHの送信電力制御に関するパラメータが含まれてよい。
【0107】
端末200は、基地局100から通知されるMessage Aの送信パラメータに関する情報を取得する(ST102)。端末200は、例えば、Message Aの送信パラメータに基づいて、Message AのPRACH preambleの送信電力、及び、PUSCHの送信電力を算出する(ST103)。
【0108】
端末200は、算出した送信電力と許容値とを比較し(ST104)、比較結果に基づいて、2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れか一方を選択する(ST105)。例えば、端末200は、PRACH preambleの送信電力及びPUSCHの送信電力の少なくとも一つが許容値を満たさない場合(換言すると、閾値未満の場合)、4ステップRandom access procedureを選択する。一方、端末200は、PRACH preambleの送信電力及びPUSCHの送信電力の双方が許容値を満たす場合(換言すると、閾値以上の場合)、2ステップRandom access procedureを選択する。
【0109】
端末200は、選択したRandom access procedureに基づいて、Message Aを生成する(ST106)。例えば、端末200は、2ステップRandom access procedureを選択した場合、PRACH preamble及びPUSCHを含むMessage Aを生成する。一方、端末200は、4ステップRandom access procedureを選択した場合、例えば、PUSCHを含まず、PRACH preambleを含むMessage Aを生成する。
【0110】
端末200は、生成したMessage Aを基地局100へ送信する(ST107)。
【0111】
基地局100は、端末200から送信されるMessage A(例えば、PRACH preamble)を検出する(ST108)。また、基地局100は、検出したMessage Aが2ステップRandom access procedureのMessage Aの場合、Message Aに含まれるPUSCHを復号する(ST109)。
【0112】
基地局100は、Message Bを生成する(ST110)。ここで、図7では、一例として、基地局100は、PRACH preambleを検出し、PUSCHを復号できないことを想定する。この場合、基地局100は、Message Aの再送に関する通知(例えば、再送要求)を含むMessage Bを生成する。基地局100は、Message Bを端末200へ送信する(ST111)。
【0113】
端末200は、基地局100からのMessage Bを受信し(ST112)、Message Bに含まれる、Message A再送に関する通知を受信する(ST113)。これにより、端末200は、Message Aの再送(換言すると、上述したタイミング2における再送)を決定する。
【0114】
例えば、上述したタイミング2のOption 1の場合、端末200は、再送するMessage AにPRACH preamble及びPUSCHを含める。
【0115】
ただし、タイミング1における処理(例えば、ST102からST106の処理)と同様、端末200は、Message Aの送信電力に基づいて、再送するMessage Aに適用するRandom access procedureを決定する。
【0116】
例えば、端末200は、Message AのPRACH preambleの送信電力、及び、PUSCHの送信電力を算出し(ST114)、算出した送信電力と許容値とを比較する(ST115)。この際、端末200は、例えば、PRACH preamble及びPUSCHの少なくとも一方の送信電力を初回送信時(例えば、タイミング1)よりも増加(power ramping)させてもよい(例えば、後述する実施の形態2又は4を参照)。
【0117】
端末200は、ST105と同様、比較結果に基づいて、2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れか一方を選択する(ST116)。そして、端末200は、選択したRandom access procedureに基づいて、再送するMessage Aを生成し(ST117)、Message Aを基地局100へ送信(換言すると、再送)する(ST118)。
【0118】
なお、図7では、タイミング2のOption 1(再送するMessage AにPRACH preamble及びPUSCHを含める場合)について説明したが、タイミング2のOption 2(再送するMessage AにPRACH preambleを含めずに、PUSCHを含める場合)が適用されてもよい。
【0119】
次に、他の例として、図8は、本実施の形態に係る基地局100及び端末200における処理例のフローを示す。図8は、上述した上りリンク信号の送信タイミングのうち、タイミング1(初回送信時)及びタイミング3(再送時)における処理例を示す。
【0120】
なお、図8において、図7と同様の処理(例えば、タイミング1における処理(例えば、ST101からST107の処理)等)については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0121】
図8では、一例として、基地局100は、端末200からのMessage A(例えば、PRACH preambleを含む)を検出できないことを想定する(ST108a)。この場合、基地局100は、Message Aを送信した端末200宛ての情報をMessage B(図示せず)に含めない。換言すると、端末200は、基地局100からのMessage Bを受信できない。
【0122】
端末200は、Message Aを送信した後(ST106)、規定された期間(例えば、Msg. B reception window)内にMessage Bが受信されたか否か(換言すると、Msg. B reception timerが満了したか否か)を判断する(ST201)。Msg. B reception timerが満了した場合、端末200は、Message Aの再送(換言すると、上述したタイミング3における再送)を決定する。
【0123】
例えば、端末200は、再送するMessage AにPRACH preamble及びPUSCHを含める。
【0124】
ただし、タイミング1における処理(例えば、ST102からST106の処理)と同様、端末200は、Message Aの送信電力に基づいて、再送するMessage Aに適用するRandom access procedureを決定する。
【0125】
例えば、端末200は、Message AのPRACH preambleの送信電力、及び、PUSCHの送信電力を算出し(ST202)、算出した送信電力と許容値とを比較する(ST203)。この際、端末200は、例えば、PRACH preamble及びPUSCHの少なくとも一方の送信電力を初回送信時(例えば、タイミング1)よりも増加(power ramping)させてもよい(例えば、後述する実施の形態2又は4を参照)。
【0126】
端末200は、ST105と同様、比較結果に基づいて、2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れか一方を選択する(ST204)。そして、端末200は、選択したRandom access procedureに基づいて、Message Aを生成し(ST205)、Message Aを基地局100へ送信(換言すると、再送)する(ST206)。
【0127】
以上のように、本実施の形態では、端末200は、2ステップRandom access procedureを行う際、Message AのPRACH preambleの送信電力及びPUSCHの送信電力の少なくとも一方が許容値を満たさない場合、Message A送信時にPUSCHを送信せず、PRACH preambleを送信する。換言すると、端末200は、Message Aの品質(例えば、送信電力)が許容値を満たさない場合、2ステップRandom access procedureから4ステップRandom access procedureへFallbackする。
【0128】
これにより、端末200は、例えば、PUSCHの伝送品質が所定の信頼度を満たすことができない場合、2ステップRandom access procedureのMessage A送信時にPUSCHを送信することを防ぎ、PUSCHリソースにおいて他の端末に与える干渉の増大を抑制できる。
【0129】
よって、本実施の形態によれば、ランダムアクセス処理の効率を向上できる。
【0130】
なお、実施の形態1では、端末200がPRACH preambleの送信電力及びPUSCHの送信電力をそれぞれ算出し、許容値との比較を行う場合について説明した。しかし、これに限定されず、例えば、端末200は、PRACH preambleの送信電力を算出せず、PUSCHの送信電力を算出し、許容値との比較を行ってもよい。換言すると、端末200は、PUSCHの送信電力に基づいて、2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れか一方を選択してもよい。
【0131】
(実施の形態1のバリエーション1)
端末200が2ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preamble及びPUSCHの送信)、及び、4ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preambleの送信及びPUSCHの非送信)の何れか一方を選択する際に基準となる値は、送信電力値に限らず、基地局100と端末200との間のチャネル品質に関する他の情報でもよい。例えば、Random access procedureを選択する際に基準となる値は、下りリンク信号の受信品質(例えば、パスロス、受信SNR(Signal to Noise Ratio)、又は、受信SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)等)の少なくとも一つでもよい。NRにおける送信電力の算出方法がパスロスの補償を目的としているため、端末200は、チャネル状態に合わせて、2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れか一方を選択できる。これにより、チャネル状態が悪く伝送品質が所定の信頼度を満たすことができない端末200がPUSCHを無駄に送信することを抑制できるので、PUSCHの不要な衝突を低減できる。
【0132】
また、NRにおける同期信号は、例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)及びSSS(Secondary Synchronozation)の2つの信号から構成される(例えば、非特許文献1を参照)。例えば、6GHz以上の高周波数帯では、基地局100において送信ビームフォーミングを適用することにより、基地局100と端末200との通信可能距離及びエリアを確保することが想定される。NRでは、同期信号及び報知チャネル(例えば、PBCH: Physical Broadcast Channel)は、1つの単位(例えば、SS/PBCHブロックと呼ぶ)として定義される。1つのSS/PBCHブロックは、例えば、同一方向の送信ビームによって送信され、順次ビームを切り替えて送信される構成(beam sweeping)がサポートされている。ただし、上記高周波数帯域よりも低い周波数帯等のために、beam sweepingを適用せず、単一のビームパターンによって1つのSS/PBCHブロックが送信される構成でもよい。
【0133】
SS/PBCHブロックにビームフォーミングが適用される場合、基地局100は、例えば、SS/PBCHブロックと同等の受信ビームフォーミングを適用して、SS/PBCHブロックを受信した端末200からのRACHを受信する。例えば、端末200は、検出したSS/PBCHブロックに関連付けられているPRACH preambleリソースに基づいてPRACH信号を送信する(例えば、非特許文献6を参照)。また、例えば、チャネル状態想定用参照信号(CSI-RS: Channel State Information Reference Signal)を用いた測定が端末200に設定され、CSI-RSとPRACH preambleリソースとが関連付けられることもある(例えば、非特許文献6を参照)。
【0134】
例えば、4ステップRandom access procedureでは、端末200は、SS/PBCHブロック又はCSI-RSの受信品質(例えば、SS-RSRP又はCSI-RSRP: Reference Signal Received Power)を測定する。そして、端末200は、SS-RSRP又はCSI-RSRPが閾値以上のSS/PBCHブロック又はCSI-RSが1つ以上ある場合、そのSS/PBCHブロック又はCSI-RSの中から、1つのSS/PBCHブロック又はCSI-RSを選択し、選択したSS/PBCHブロック又はCSI-RSに関連付けられるPRACH preambleリソース候補群からPRACH preambleを選択してもよい。なお、SS-RSRP又はCSI-RSRPが閾値以上のSS/PBCHブロック又はCSI-RSが存在しない場合、端末200は、例えば、何れか一つのSS-RSRP又はCSI-RSRPを選択してもよい。
【0135】
また、例えば、2ステップRandom access procedureにおいて、端末200は、SS/PBCHブロック又はCSI-RSの受信品質(例えば、SS-RSRP又はCSI-RSRP)を測定し、測定したSS-RSRP又はCSI-RSRPが閾値以上のSS/PBCHブロック又はCSI-RSが1つ以上ある場合、そのSS/PBCHブロック又はCSI-RSの中から、1つのSS/PBCHブロック又はCSI-RSを選択し、2ステップRandom access procedureを行ってもよい。つまり、端末200は、複数のSS/PBCHブロック又はCSI-RSのうち、受信品質が閾値以上であるSS/PBCHブロック又はCSI-RSに関連付けられたPRACH preambleリソースでPRACH preamble及びPUSCHを含むMessage Aを送信してもよい。
【0136】
一方、受信品質(例えば、SS-RSRP又はCSI-RSRP)が閾値以上のSS/PBCHブロック又はCSI-RSが存在しない場合、端末200は、例えば、何れか一つのSS/PBCHブロック又はCSI-RSを選択し、4ステップRandom access procedureへFallbackしてもよい。つまり、端末200は、複数のSS/PBCHブロック又はCSI-RSにおいて受信品質が閾値以上である信号が存在しない場合、複数のSS/PBCHブロック又はCSI-RSの何れか一つに関連付けられたPRACH preambleリソースで、PRACH preambleを含み、PUSCHを含まないMessage Aを送信してもよい。
【0137】
バリエーション1によれば、2ステップRandom access procedureについて、より高品質のビームパターンを選択できるので、PUSCHの送信品質が劣化し、チャネル状態が悪く伝送品質が所定の信頼度を満たすことができない端末200によるPUSCHの不要な衝突を低減できる。
【0138】
(実施の形態1のバリエーション2)
バリエーション1において、4ステップRandom access procedure及び2ステップRandom access procedureに対するSS-RSRP又はCSI-RSRPの閾値を異ならせてもよい。
【0139】
例えば、2ステップRandom access procedureに対しては、4ステップRandom access procedureよりも、SS-RSRP又はCSI-RSRPの閾値が高く設定されてよい。この場合、2ステップRandom access procedureについて、より高品質のビームパターンが選択されるので、PUSCHの送信品質が劣化し、チャネル状態が悪く伝送品質が所定の信頼度を満たすことができない端末200によるPUSCHの不要な衝突を低減できる。
【0140】
(実施の形態1のバリエーション3)
Message AのPUSCHの送信に対するトランスポートブロックサイズ(TBS)は固定でなくてもよい。例えば、端末200は、複数のTBSの中から、端末200が実際に送信するUPデータ(例えば、User planeデータ量)に基づいて1つのTBSを選択してもよい。
【0141】
この場合、端末200は、例えば、選択したTBSに基づいて、Message AにおけるPUSCHの送信電力を算出し、算出した送信電力値が許容値を満たさない場合(換言すると、閾値未満の場合)、PUSCHのTBSをスケーリング(換言すると、より小さいTBSを選択)してもよい。そして、端末200は、TBSをスケーリングしたPUSCHの送信電力を算出し、算出した送信電力が許容値を満たす場合にはMessage AにおいてPRACH preambleと、スケーリングしたTBSを用いたPUSCHとを送信してよい。この方法では、端末200は信頼度の高いPUSCHを可能な限り送信できるので、4ステップRandom access procedureにFallbackすることによる遅延を抑えることができる。なお、端末200は、TBSをスケーリングできない場合(これ以上小さいTBSを選択できない場合)には、Message A送信時にPUSCHを送信せず、PRACH preambleを送信してもよい(換言すると、4ステップRandom access procedureへFallbackする)。
【0142】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図4及び図5を援用して説明する。
【0143】
本実施の形態では、2ステップRandom access procedureにおいて上りリンク信号(例えば、Message A)を再送するタイミングにおいて、端末200は、Message AのPRACH preambleの送信電力を前回送信時から変更せずに、PUSCHの送信電力をランピングする(換言すると、前回送信時から増加させる)。
【0144】
また、端末200は、PRACH preambleの送信電力値、及び、ランピング後のPUSCHの送信電力値の双方が許容値(例えば、基地局100がそれぞれの信号を十分な信頼度で受信するための送信電力)を満たす場合、Message Aの再送時にPRACH preamble及びPUSCHを送信する(換言すると、2ステップRandom access procedureを選択する)。一方、端末200は、PRACH preambleの送信電力値、及び、ランピング後のPUSCHの送信電力値の少なくとも一方が許容値を満たさない場合、Message Aの再送時にPUSCHを送信せずに、PRACH preambleを送信する(換言すると、4ステップRandom access procedureへのFallbackを選択する)。
【0145】
図9は、本実施の形態に係るRandom access procedureの一例を示す。
【0146】
図9に示すように、Message Aの再送時に、端末200は、Message AにおけるPUSCHの送信電力をランピングする。
【0147】
そして、端末200は、Message AにおけるPRACH preambleの送信電力、及び、ランピング後のPUSCHの送信電力を算出する。端末200は、例えば、ランピング前に算出されたPUSCHの送信電力にオフセット値(例えば、基地局100から設定されるパラメータ)を加算した値を、ランピング後の送信電力に設定してもよい。
【0148】
ここで、一例として、端末200が送信可能な最大送信電力PCMAXによってスケーリングする前の送信電力値(例えば、式(4)及び式(5)におけるminmum関数の第2項目に相当する値)が許容値(換言すると、閾値)に設定される場合について説明する。なお、許容値に設定される値は、この値に限定されず、他の値でもよい。
【0149】
例えば、図9において、PRACH preambleの送信電力PPRACH及びランピング後のPUSCHの送信電力P'PUSCHがそれぞれPCMAX以下の場合、端末200は、許容値(閾値)である送信電力値でPRACH preamble及びPUSCHを送信できる。よって、端末200は、基地局100がPRACH preamble及びPUSCHの双方の信号を十分な信頼度で受信できると判断し、Message Aの送信電力が許容値を満たすと判断する。この場合、端末200は、2ステップRandom access procedureを行う。換言すると、端末200は、Message AにおいてPRACH preamble及びPUSCHを送信する。
【0150】
一方、例えば、図9において、PCMAXによってスケーリングする前の送信電力値(図9では、P'PUSCH)がPCMAXを超えた場合、端末200は、送信電力(図9ではPPUSCH)をPCMAXにスケーリングする。また、P'PUSCHがPCMAXを超える場合、端末200は、スケーリングによって、許容値(閾値)である送信電力値P'PUSCHでPUSCHを送信できない。よって、端末200は、PRACH preamble及びPUSCHの送信電力の何れかが許容値を満たさないと判断する。この場合、端末200は、4ステップRandom access procedureを行う。換言すると、端末200は、Message Aにおいて、PUSCHを送信せずに、PRACH preambleを送信する。
【0151】
このように、本実施の形態によれば、端末200は、基地局100と端末200との間のチャネル状態に応じて、2ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preamble及びPUSCHの送信)、又は、4ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preambleの送信、PUSCHの非送信)を選択する。例えば、チャネル状態が悪く伝送品質が所定の信頼度を満たさない場合、端末200は、4ステップRandom access procedureを選択し、PUSCHを送信しないので、他の端末との間におけるPUSCHの衝突を抑制できる。
【0152】
また、本実施の形態によれば、端末200は、Message Aの再送時に、PUSCHの送信電力をランピングすることにより、Message AにおけるPUSCHの受信品質を向上できる。
【0153】
また、本実施の形態は、例えば、上述した上りリンク信号の送信タイミングが「タイミング2」であり、Message B(例えば、RAR)に含まれる再送を要求する情報が「Option 1」である場合に有効である。端末200は、再送するMessage AにおいてPRACH preamble及びPUSCHを送信する。この際、端末200は、RARの受信に基づいて、基地局100においてPRACH preambleの検出が成功したことを知ることができる。この場合、端末200は、例えば、図9に示すように、PRACH preambleの送信電力を変更しないので、PRACH preambleに対する不要な送信電力の増加を防ぐことができる。
【0154】
(実施の形態2のバリエーション1)
Message AのPUSCHの送信に対するTBSは固定でなくてもよい。例えば、端末200は、端末200が実際に送信するUPデータ(例えば、User planeデータ量)に基づいて、複数のTBSの中から1つのTBSを選択してもよい。
【0155】
この場合、端末200は、例えば、ランピングしたPUSCHの送信電力値が許容値を満たさない場合、PUSCHのTBSをスケーリング(例えば、より小さいTBSを選択)してもよい。そして、端末200は、TBSをスケーリングしたPUSCHの送信電力を再度算出し、算出した送信電力が許容値を満たす場合にはMessage AにおいてPRACH preambleとスケーリングしたTBSを用いたPUSCHとを送信してよい。この方法では、端末200は、信頼度の高いPUSCHを可能な限り送信できるので、4ステップRandom access procedureにFallbackすることによる遅延を抑えることができる。なお、端末200は、TBSをスケーリングできない場合(これ以上小さいTBSを選択できない場合)には、Message A送信時にPUSCHを送信せず、PRACH preambleを送信してもよい(換言すると、4ステップRandom access procedureへFallbackする)。
【0156】
(実施の形態2のバリエーション2)
PUSCHの送信電力値の増加量(換言すると、パワーランピングのオフセット)は、端末200が2ステップRandom access procedureを行う場合と4ステップRandom access procedureを行う場合とで異なる値に設定されてもよい。
【0157】
(実施の形態2のバリエーション3)
端末200は、2ステップRandom access procedureにおいてパワーランピングを複数回適用した後に、4ステップRandom access procedureへFallbackした場合の送信電力には、2ステップRandom access procedureにおけるパワーランピング適用後の送信電力を継続して設定してもよい。これにより、端末200は、例えば、Fallback動作後に、送信電力を4ステップRandom access procedureの初回送信の送信電力にリセットして、PRACH preambleの不必要な送信が発生し、遅延が増大することを防ぐことができる。
【0158】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図4及び図5を援用して説明する。
【0159】
本実施の形態では、2ステップRandom access procedureにおいて上りリンク信号(例えば、Message A)を再送するタイミングにおいて、端末200は、基地局100からTPCコマンドを通知された場合、4ステップRandom access procedureへFallbackせずに、2ステップRandom access procedureを継続する。換言すると、端末200は、Message Aを再送する際、基地局100からTPCコマンド(例えば、送信電力制御に関するパラメータ)が通知された場合、TPCコマンドに基づいて、PRACH preamble及びPUSCHを含むMessage Aを送信する。
【0160】
本実施の形態は、例えば、上述した上りリンク信号の送信タイミングが「タイミング2」であり、Message B(例えば、RAR)に含まれる再送を要求する情報が「Option 2」の場合に有効である。基地局100は、RARを用いて、検出したPRACH preambleを送信した端末200に対して再送を要求する通知として、PUSCHリソースに関する情報を通知する。この時、基地局100は、RARに含まれるULグラントには、PUSCHリソースに関する情報に加えて、TPCコマンドを含めてよい。基地局100は、TPCコマンドによって、端末200の送信電力を精度良く制御できる。
【0161】
また、基地局100は、例えば、複数の端末200間においてPUSCHリソースを制御することにより、再送のためのPUSCHリソースの衝突を抑制できる。よって、本実施の形態では、PUSCHリソースの衝突を抑制するために、4ステップRandom access procedureへFallbackしなくてよいので、遅延を抑えることができる。また、本実施の形態によれば、基地局100と端末200との間でPUSCHの送信有無の齟齬が生じることを抑制できる。
【0162】
(実施の形態3のバリエーション)
実施の形態3では、RARに含まれるTPCコマンドには、送信電力の増減を指示する通知に限らず、例えば、基地局100が端末200に対して、2ステップRandom access procedureのMessage Aの再送(換言すると、PRACH preamble及びPUSCHの送信)及び4ステップRandom access procedureへのFallbackの何れか一方を指示する通知が含まれてもよい。例えば、PUSCHを再送する端末200が多く、全ての端末200を同時に収容できない場合、基地局100は、一部の端末200に対して、4ステップRandom access procedure又は2ステップRandom access procedureのPUSCHリソースへオフロードすることが可能になる。
【0163】
(実施の形態4)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図4及び図5を援用して説明する。
【0164】
本実施の形態では、2ステップRandom access procedureにおいて上りリンク信号(例えば、Message A)を再送するタイミングにおいて、端末200は、Message AのPRACH preamble及びPUSCHの双方の送信電力をランピングする(換言すると、前回送信時から増加させる)。
【0165】
また、端末200は、ランピング後のPRACH preambleの送信電力値、及び、ランピング後のPUSCHの送信電力値の双方が許容値(例えば、基地局100がそれぞれの信号を十分な信頼度で受信するための送信電力)を満たす場合、Message Aの再送時にPRACH preamble及びPUSCHを送信する(換言すると、2ステップRandom access procedureを選択する)。一方、端末200は、ランピング後のPRACH preambleの送信電力値、及び、ランピング後のPUSCHの送信電力値の少なくとも一方が許容値を満たさない場合、Message Aの再送時にPUSCHを送信せずに、PRACH preambleを送信する(換言すると、4ステップRandom access procedureへFallbackする)。
【0166】
図10は、本実施の形態に係るRandom access procedureの一例を示す。
【0167】
図10に示すように、Message Aの再送時に、端末200は、Message AにおけるPRACH preambleの送信電力及びPUSCHの送信電力をランピングする。
【0168】
そして、端末200は、ランピング後のPRACH preambleの送信電力、及び、ランピング後のPUSCHの送信電力を算出する。端末200は、例えば、ランピング前に算出された送信電力にオフセット値(例えば、基地局100から設定されるパラメータ)を加算した値を、ランピング後の送信電力に設定してもよい。
【0169】
ここで、一例として、端末200が送信可能な最大送信電力PCMAXによってスケーリングする前の送信電力値(例えば、式(4)及び式(5)におけるminmum関数の第2項目に相当する値)が許容値に設定される場合について説明する。なお、許容値に設定される値は、この値に限定されず、他の値でもよい。
【0170】
例えば、図10において、ランピング後のPRACH preambleの送信電力PPRACH及びランピング後のPUSCHの送信電力P'PUSCHがそれぞれPCMAX以下の場合、端末200は、許容値(閾値)である送信電力値でPRACH preamble及びPUSCHを送信できる。よって、端末200は、基地局100がPRACH preamble及びPUSCHの双方の信号を十分な信頼度で受信できると判断し、Message Aの送信電力が許容値を満たすと判断する。この場合、端末200は、2ステップRandom access procedureを行う。換言すると、端末200は、Message AにおいてPRACH preamble及びPUSCHを送信する。
【0171】
一方、例えば、図10において、PCMAXによってスケーリングする前の送信電力値(図10では、P'PUSCH)がPCMAXを超えた場合、端末200は、送信電力(図10ではPPUSCH)をPCMAXにスケーリングする。また、P'PUSCHがPCMAXを超える場合、端末200は、スケーリングによって、許容値(閾値)である送信電力値P'PUSCHでPUSCHを送信できない。よって、端末200は、PRACH preamble及びPUSCHの送信電力の何れかが許容値を満たさないと判断する。この場合、端末200は、4ステップRandom access procedureを行う。換言すると、端末200は、Message Aにおいて、PUSCHを送信せずに、PRACH preambleを送信する。
【0172】
このように、本実施の形態によれば、端末200は、基地局100と端末200との間のチャネル状態に応じて、2ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preamble及びPUSCHの送信)、又は、4ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preambleの送信、PUSCHの非送信)を選択する。例えば、チャネル状態が悪く伝送品質が所定の信頼度を満たさない場合、端末200は、4ステップRandom access procedureを選択し、PUSCHを送信しないので、他の端末との間におけるPUSCHの衝突を抑制できる。
【0173】
また、本実施の形態によれば、端末200は、Message Aの再送時に、PRACH preambleの送信電力及びPUSCHの送信電力をそれぞれランピングすることにより、Message Aの受信品質を向上できる。
【0174】
また、本実施の形態は、例えば、上述した端末が上りリンク信号の送信タイミングが「タイミング3」の場合に有効である。基地局100がMessage Aを検出できなかったことから、端末200は、PRACH preamble及びPUSCHの双方の送信電力を増加させることにより、基地局におけるPRACH preamble及びPUSCHの双方の受信品質を向上できる。
【0175】
(実施の形態4のバリエーション1)
Message AのPUSCHの送信に対するTBSは固定でなくてもよい。例えば、端末200は、端末200が実際に送信するUPデータ(例えば、User planeデータ量)に基づいて、複数のTBSの中から1つのTBSを選択してもよい。
【0176】
この場合、端末200は、例えば、ランピングしたPUSCHの送信電力値が許容値を満たさない場合、PUSCHのTBSをスケーリング(例えば、より小さいTBSを選択)してもよい。そして、端末200は、TBSをスケーリングしたPUSCHの送信電力を再度算出し、算出した送信電力が許容値を満たす場合にはMessage AにおいてPRACH preambleとスケーリングしたTBSを用いたPUSCHとを送信してよい。この方法では、端末200は、信頼度の高いPUSCHを可能な限り送信できるので、4ステップRandom access procedureにFallbackすることによる遅延を抑えることができる。なお、端末200は、TBSをスケーリングできない場合(これ以上小さいTBSを選択できない場合)には、Message A送信時にPUSCHを送信せず、PRACH preambleを送信してもよい(換言すると、4ステップRandom access procedureへFallbackする)。
【0177】
(実施の形態4のバリエーション2)
ランピング後の送信電力の算出方法は、例えば、ランピング前に算出した送信電力にオフセット値(基地局から設定されるパラメータ)を加えた値として算出できる。この時、パワーランピングのオフセットの値(Power ramping step)を4ステップRandom access procedureと2ステップRandom access procedureで異なる値に設定してもよい。例えば、2ステップRandom access procedureは低遅延が必要なユースケースでの提供が想定されていることから、Power ramping stepを4ステップRandom access procedureのPower ramping stepに比べて大きく設定することで、複数回の再送を防ぎ、遅延を低減することができる。Power ramping stepは、4ステップRandom access procedureと2ステップRandom access procedureで独立に設定することもできるし、2ステップRandom access procedureのPower ramping stepを既存の4ステップRandom access procedureのPower ramping stepに係数(X倍)またはオフセット(+Y)を与える方法で設定してもよい。X又はYの値は基地局100から設定されるパラメータでもよい。
【0178】
(実施の形態4のバリエーション3)
端末200は、2ステップRandom access procedureにおいてパワーランピングを複数回適用した後に、4ステップRandom access procedureへFallbackした場合の送信電力には、2ステップRandom access procedureにおけるパワーランピング適用後の送信電力を継続して設定してもよい。つまり、端末200は、2ステップRandom access procedureに基づいてMessage Aが送信された後に、4ステップRandom access procedureに基づいてMessage Aを再送する場合、2ステップRandom access procedureにおいて増加された送信電力を、4ステップRandom access procedureにおけるMessage Aの送信電力に設定してもよい。
【0179】
これにより、端末200は、例えば、Fallback動作後に、送信電力を4ステップRandom access procedureの初回送信の送信電力にリセットして、PRACH preambleの不必要な送信が発生し、遅延が増大することを防ぐことができる。
【0180】
(実施の形態4のバリエーション4)
2ステップRandom access procedureにおいて、端末200は、Message Aの送信回数(又は再送回数)のカウンタ上限値を設定してもよい。例えば、端末200は、送信回数がカウンタ上限値を超えた場合、4ステップRandom access procedureへFallbackしてもよい。これにより、PUSCHの再送が頻繁に発生することを抑え、PUSCHの衝突を防ぐことができる。
【0181】
(実施の形態5)
上述したように、2ステップRandom access procedureにおける送信電力を算出方法は、4ステップRandom access procedureの送信電力制御を流用したOpen-loop制御(例えば、式(4)及び式(5)を参照)を適用してもよい。
【0182】
例えば、PRACH preambleの送信電力制御では、2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れもOpen-loop制御であるため、式(1)又は式(4)に示すように同様の算出方法が適用されることが想定される。
【0183】
ただし、2ステップRandom access procedureでは、Message AにおいてPUSCHが含まれるので、端末間の送信タイミング差に対するロバスト性が低い。そのため、2ステップRandom access procedureはスモールセル環境での適用が想定される。よって、2ステップRandom access procedureでは、4ステップRandom access procedureよりも、PRACH preambe長の短い(例えば、シンボル数が少ない)RACH formatが用いられる可能性が高い。
【0184】
一方、4ステップRandom access procedureでは、広域のセルをカバーするための適用が想定される。そのため、4ステップRandom access procedureでは、2ステップRandom access procedureよりも、PRACH preamble長の長い(例えば、シンボル数が多い)RACH formatが用いられる可能性が高い。
【0185】
ここで、シンボルあたりの送信電力が同じ場合、PRACH preamble長が長いほど、より電力が加算される。このため、RACH preambe長がより長い4ステップRandom access procedureでは、基地局は、より高い受信信号電力によってPRACH preambleを受信できる。一方、RACH preambe長がより短い2ステップRandom access procedureでは、基地局において十分な受信電力を得ることができない可能性がある。
【0186】
そこで、本実施の形態では、2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの送信電力算出のためのPPRACH preambleに対する目標受信電力値PPRACH_targetを異ならせる。
【0187】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図4及び図5を援用して説明する。
【0188】
<Option 1>
Option 1では、PRACH preambleに対する目標受信電力値PPRACH_targetは、2ステップRandom access procedure用と4ステップRandom access procedure用とでそれぞれ独立に設定される。
【0189】
例えば、PRACH preambleの送信電力PPRACHは、以下のように算出される。
PPRACH = min{PCMAX, PPRACH_target(x) + PL} (6)
【0190】
ここで、xは2ステップRandom access procedureと4ステップRandom access procedureとを区別するためのパラメータである。例えば、x=0は2ステップRandom access procedure、x=1は4ステップRandom access procedureを表す。
【0191】
例えば、式(6)において、PPRACH_target(0)とPPRACH_target(1)とは異なる値であり、PPRACH_target(0)>PPRACH_target(1)である。これにより、例えば、2ステップRandom access procedureでは、端末200は、PRACH preambleの送信電力をより高く設定しやすくなり、基地局100における受信電力を向上できる。一方、例えば、4ステップRandom access procedureでは、端末200は、PRACH preambleの送信電力を無駄に高く設定することを防止できる。
【0192】
Option 1では、2ステップRandom access procedureと4ステップRandom access procedureとでそれぞれ適切なPRACH preambleに対する目標受信電力値の設定が可能である。
【0193】
<Option 2>
Option 2では、送信電力算出のためのPRACH preambleに対する目標受信電力値に、PRACH preambleの送信シンボル数(または、PRACH preamble長)を表すパラメータを追加する。
【0194】
例えば、PRACH preambleの送信電力は、以下のように算出される。
PPRACH = min{PCMAX, PPRACH_target+ β + PL} (7)
【0195】
ここで、βはPRACH preambleの送信シンボル数を表す係数である。例えば、PRACH preambleの送信シンボル数が1スロット長(14シンボル)の場合、β=0に設定され、0.5スロット長(7シンボル)の場合、β=3に設定されてよい。なお、βの値はこれらに限定されない。
【0196】
Option 2では、2ステップRandom access procedureと4ステップRandom access procedureとで異なるシンボル長のRACH formatが用いられる場合でも、それぞれのRACH formatに対して適切な目標受信電力値の設定が可能である。
【0197】
以上、Option 1及びOption 2についてそれぞれ説明した。
【0198】
なお、Option 1とOption 2とを組み合わせてもよい。また、端末200は、本実施の形態において説明した方法に基づいてPRACH preambleの送信電力を算出した後に、実施の形態1~4の少なくとも一つを適用して、2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れか一方を選択してもよい。
【0199】
また、ここでは、一例として、2ステップRandom access procedureにおけるPRACH preambleの送信電力が、4ステップRandom access procedureにおけるPRACH preambleの送信電力よりも高く設定される場合について説明した。しかし、これに限らず、4ステップRandom access procedureにおけるPRACH preambleの送信電力が、2ステップRandom access procedureにおけるPRACH preambleの送信電力よりも高く設定されてもよい。
【0200】
(実施の形態6)
上述した実施の形態1~5では、例えば、図11に示すように、Message AにおいてPRACH preambleとPUSCHとが時間分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)される構成を想定した。しかし、Message Aにおいて、PRACH preambleとPUSCHとは時間分割多重に限らず、例えば、図12に示すように、周波数分割多重(FDM: Frequency Division Multiplexing)されてもよい。
【0201】
FDMの場合、端末は、PRACH preambleの送信電力値とPUSCHの送信電力値とに基づいて、PRACH preambleの送信電力値及びPUSCHの送信電力値の和(換言すると、総送信電力)を算出する。そして、端末は、算出した総送信電力と、端末が送信可能な最大送信電力とを比較し、総送信電力が最大送信電力より大きい場合、電力スケーリングを行う。
【0202】
しかしながら、PRACH preamble及びPUSCHの双方の送信電力を均等にスケーリングしてしまうと、何れの送信電力値も許容値(例えば、それぞれの信号を基地局が十分な信頼度で受信できるための送信電力)を満たさなくなる場合がある。
【0203】
そこで、本実施の形態では、端末は、PRACH preambleの送信電力値とPUSCHの送信電力値との和(総送信電力)が最大送信電力より大きい場合における動作について説明する。
【0204】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図4及び図5を援用して説明する。
【0205】
<Option 1>
Option 1では、端末200は、総送信電力が最大送信電力より大きい場合、4ステップRandom access procedureへFallbackする。
【0206】
例えば、端末200は、総送信電力が最大送信電力より大きい場合、Message A送信時にPUSCHを送信せず、PRACH preambleを送信する。
【0207】
これにより、算出した総送信電力が最大送信電力より大きい場合でも、伝送品質が所定の信頼度を満たすことができない端末200によるPUSCHの不要な衝突を低減できる。
【0208】
<Option 2>
Option 2では、端末200は、総送信電力が最大送信電力より大きい場合、PUSCHの送信電力をスケーリングする。換言すると、端末200は、PRACH preambleの送信電力をスケーリングしない。
【0209】
なお、PUSCHの送信電力をスケーリングする方法において、Message AのPUSCHの送信に対するTBSは固定でなくてもよい。例えば、端末200は、端末200が実際に送信するUPデータ(例えば、User planeデータ量)に基づいて、複数のTBSの中から1つのTBSを選択してもよい。
【0210】
この場合、端末200は、例えば、PRACH preambleの送信電力値とPUSCHの送信電力値との和(総送信電力)を算出し、算出した送信電力と、端末が送信可能な最大送信電力とを比較する。端末200は、総送信電力が最大送信電力より大きい場合、端末200は、PUSCHのTBSをスケーリング(例えば、より小さいTBSを選択)してもよい。そして、端末200は、TBSをスケーリングしたPUSCHの送信電力を再度算出し、算出した送信電力が許容値を満たす場合には、Message AにおいてPRACH preambleとスケーリングしたTBSを用いたPUSCHとを送信してよい。この方法では、端末200は、信頼度の高いPUSCHを可能な限り送信できるので、4ステップRandom access procedureにFallbackすることによる遅延を抑えることができる。なお、端末200は、TBSをスケーリングできない場合(これ以上小さいTBSを選択できない場合)には、Message A送信時にPUSCHを送信せず、PRACH preambleを送信してもよい(換言すると、4ステップRandom access procedureへFallbackする)。
【0211】
このように、本実施の形態によれば、端末200は、基地局100と端末200との間のチャネル状態に応じて、2ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preamble及びPUSCHの送信)、又は、4ステップRandom access procedure(換言すると、PRACH preambleの送信、PUSCHの非送信)を選択する。例えば、チャネル状態が悪く伝送品質が所定の信頼度を満たさない場合、端末200は、4ステップRandom access procedureを選択し、PUSCHを送信しないので、他の端末との間におけるPUSCHの衝突を抑制できる。
【0212】
以上、本開示の一実施例について説明した。
【0213】
(他の実施の形態)
(1)端末200が2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れか一方を選択するタイミングには、例えば、以下のタイミングがある。
【0214】
<Option 1>
端末200は、上述したタイミング1~3の全てのタイミングにおいて、2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れか一方を選択してもよい。また、Random access procedureの選択方法は、上述したタイミング1~3のそれぞれにおいて異なってもよい。
【0215】
<Option 2>
端末200は、上述したタイミング1~3のうち、特定のタイミングにおいて2ステップRandom access procedure及び4ステップRandom access procedureの何れか一方を選択してもよい。例えば、特定のタイミングは1つでもよく、複数でもよい。また、Random access procedureの選択方法は、上述したタイミング1~3のそれぞれにおいて異なってもよい。
【0216】
(2)2ステップRandom access procedureから4ステップRandom access procedureへFallbackした場合の送信電力を算出するためのパラメータの設定方法は、例えば、以下の方法でもよい。
【0217】
<Option 1>
端末200は、4ステップRandom access procedureにおいて、2ステップRandom access procedure用のパラメータを継続して用いる。
【0218】
<Option 2>
端末200は、4ステップRandom access procedure用のパラメータを用いる。
【0219】
また、2ステップRandom access procedure用の送信電力制御パラメータと4ステップRandom access procedure用の送信電力制御パラメータとは、それぞれ独立に設定されてもよい。例えば、送信電力制御パラメータには、PRACH preambleに対する目標受信電力値PPRACH_target、PUSCHのPRACH preambleに対する目標受信電力値に対するオフセット値、端末200が送信可能な最大送信電力、パスロスの補償割合を表す重み係数α等がある。
【0220】
(3)本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0221】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0222】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0223】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0224】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0225】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0226】
本開示の一実施例に係る端末は、チャネル品質に基づいて、プリアンブル部及びデータ部を含むランダムアクセス信号を送信する第1の方法、及び、前記プリアンブル部を含み、前記データ部を含まない前記ランダムアクセス信号を送信する第2の方法の何れかを選択する制御回路と、前記選択された方法に基づいて、前記ランダムアクセス信号を送信する送信回路と、を具備する。
【0227】
本開示の一実施例において、前記チャネル品質は、前記ランダムアクセス信号の送信電力であり、前記制御回路は、前記送信電力が閾値以上の場合、前記第1の方法を選択し、前記送信電力が前記閾値未満の場合、前記第2の方法を選択する。
【0228】
本開示の一実施例において、前記チャネル品質は、下りリンク信号の受信品質である。
【0229】
本開示の一実施例において、複数の前記下りリンク信号の各々に対して、前記ランダムアクセス信号のリソースがそれぞれ関連付けられ、前記第1の方法において、前記送信回路は、前記複数の下りリンク信号のうち、前記受信品質が第1の閾値以上である信号に関連付けられた前記リソースで前記ランダムアクセス信号を送信し、前記複数の下りリンク信号において前記受信品質が前記第1の閾値以上である信号が存在しない場合、前記第2の方法に基づいて前記ランダムアクセス信号を送信する。
【0230】
本開示の一実施例において、前記第2の方法において、前記送信回路は、前記複数の下りリンク信号のうち、前記受信品質が第2の閾値以上である信号に関連付けられた前記リソースで前記ランダムアクセス信号を送信し、前記複数の下りリンク信号において前記受信品質が前記第2の閾値以上である信号が存在しない場合、前記複数の下りリンク信号のうち何れか一つに関連付けられた前記リソースに基づいて前記ランダムアクセス信号を送信し、前記第1の閾値と前記第2の閾値とは異なる。
【0231】
本開示の一実施例において、前記チャネル品質は、前記データ部の送信電力であり、前記制御回路は、前記送信電力が閾値未満の場合、前記データ部のサイズを低減し、前記送信回路は、前記サイズを低減した後の前記送信電力が前記閾値以上の場合、前記第1の方法に基づいて前記ランダムアクセス信号を送信する。
【0232】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記ランダムアクセス信号を再送する場合、前記プリアンブル部の送信電力を前回送信時から変更せずに、前記データ部の送信電力を前回送信時から増加させる。
【0233】
本開示の一実施例において、前記チャネル品質は、前記データ部の送信電力であり、前記送信回路は、前記データ部の増加後の送信電力が閾値以上の場合、前記第1の方法に基づいて前記ランダムアクセス信号を送信し、前記データ部の増加後の送信電力が前記閾値未満の場合、前記第2の方法に基づいて前記ランダムアクセス信号を送信する。
【0234】
本開示の一実施例において、前記送信電力の増加量は、前記第1の方法と前記第2の方法とで異なる。
【0235】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記第1の方法に基づいて前記ランダムアクセス信号が送信された後に、前記第2の方法に基づいて前記ランダムアクセス信号を再送する場合、前記第1の方法において増加された前記送信電力を、前記第2の方法における前記ランダムアクセス信号の送信電力に設定する。
【0236】
本開示の一実施例において、前記送信回路は、前記ランダムアクセス信号を再送する際、基地局から送信電力制御に関するパラメータを含む制御情報が通知された場合、前記パラメータに基づいて、前記第1の方法に基づく前記ランダムアクセス信号を送信する。
【0237】
本開示の一実施例において、前記制御情報には、更に、前記第1の方法及び前記第2の方法の何れか一方を示す情報が含まれ、前記制御回路は、前記制御情報に基づいて、前記第1の方法及び前記第2の方法の何れか一方を選択する。
【0238】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記ランダムアクセス信号を再送する場合、前記プリアンブル部の第1の送信電力及び前記データ部の第2の送信電力をそれぞれ増加させる。
【0239】
本開示の一実施例において、前記チャネル品質に関する情報は、前記第1の送信電力及び前記第2の送信電力であり、前記制御回路は、前記第1の送信電力及び前記第2の送信電力の双方が閾値以上の場合、前記第1の方法を選択し、前記第1の送信電力及び前記第2の送信電力の少なくとも一方が前記閾値未満の場合、前記第2の方法を選択する。
【0240】
本開示の一実施例において、前記送信電力の増加量は、前記第1の方法と前記第2の方法とで異なる。
【0241】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記第1の方法に基づいて前記ランダムアクセス信号が送信された後に、前記第2の方法に基づいて前記ランダムアクセス信号を再送する場合、前記第1の方法において増加された前記送信電力を、前記第2の方法における前記ランダムアクセス信号の送信電力に設定する。
【0242】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記第1の方法に基づく前記ランダムアクセス信号の再送回数が上限値を超えた場合、前記第2の方法を選択する。
【0243】
本開示の一実施例に係る送信方法は、チャネル品質に基づいて、プリアンブル部及びデータ部を含むランダムアクセス信号を送信する第1の方法、及び、前記プリアンブル部を含み、前記データ部を含まない前記ランダムアクセス信号を送信する第2の方法の何れかを選択し、前記選択された方法に基づいて、前記ランダムアクセス信号を送信する。
【0244】
2019年3月27日出願の特願2019-061490の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0245】
本開示の一実施例は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0246】
100 基地局
101,209 制御部
102 データ生成部
103,106,109,211,213 符号化部
104,107,110,212,214 変調部
105 上位制御信号生成部
108 下り制御信号生成部
111,215 信号割当部
112,216 IFFT部
113,217 送信部
114,201 アンテナ
115,202 受信部
116,203 FFT部
117,204 抽出部
118 検出部
119,205 復調部
120,206,208 復号部
200 端末
207 下り制御信号復調部
210 PRACH preamble生成部
図1
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