(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001269
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】端末デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20231226BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20231226BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20231226BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20231226BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20231226BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W16/28
H04W72/0457 110
H04W72/23
H04W76/15
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184323
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2022054691の分割
【原出願日】2018-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ユエン ファン
(72)【発明者】
【氏名】リャン リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】端末デバイス及びネットワークデバイスでセカンダリセルにおけるビーム障害を処理する方法、デバイス及び装置を提供する。
【解決手段】プライマリセル及び自己スケジューリングモードに基づいて動作するセカンダリセルにおいて別々のビームでサービスされる端末デバイスにおける方法は、セカンダリセルにおけるビーム障害の検出に応答して、プライマリセルのアップリンク制御チャネルでセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送することと、プライマリセルのダウンリンク制御チャネルでセカンダリセルのビーム障害回復要求への、その後の伝送用の伝送構成指示を示すように構成される応答を受信することと、含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)リソースと第2のPUCCHリソースとが衝突する場合、前記第2のPUCCHリソースをドロップし、前記第1のPUCCHリソースを送信する手段を備え、
前記第1のPUCCHリソースは、SCell(Secondary Cell)用のBFR(Beam Failure Recovery)の送信に用いられるPUCCHリソースであり、
前記第2のPUCCHリソースは、前記第1のPUCCHリソースとは異なるPUCCHリソースである、
端末デバイス。
【請求項2】
前記第2のPUCCHリソースは、SR(Scheduling Request)の送信に用いられるPUCCHリソースである、
請求項1に記載の端末デバイス。
【請求項3】
前記第1のPUCCHリソースは、複数のコンポーネントキャリアに共有される、
請求項1または2に記載の端末デバイス。
【請求項4】
第1のPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)リソースと第2のPUCCHリソースとが衝突する場合、前記第2のPUCCHリソースをドロップし、前記第1のPUCCHリソースを送信することを備え、
前記第1のPUCCHリソースは、SCell(Secondary Cell)用のBFR(Beam Failure Recovery)の送信に用いられるPUCCHリソースであり、
前記第2のPUCCHリソースは、前記第1のPUCCHリソースとは異なるPUCCHリソースである、
方法。
【請求項5】
前記第2のPUCCHリソースは、SR(Scheduling Request)の送信に用いられるPUCCHリソースである、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のPUCCHリソースは、複数のコンポーネントキャリアに共有される、
請求項4または5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の非限定的かつ例示的な実施形態は、一般的に、無線通信技術分野に関し、特に、端末デバイス及びネットワークデバイスのそれぞれのセカンダリセルにおけるビーム障害を処理する方法、デバイス及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
NRシステム又はNRネットワークとも呼ばれる新しい無線アクセスシステムは、次世代通信システムである。3GPP(Third Generation Partnership Project)ワーキンググループのRAN(Radio Access Network)#71会議では、NRシステムの研究が認められた。NRシステムは、例えば、拡張モバイルブロードバンド、大規模なマシンタイプの通信、超信頼性・低遅延通信などの要求が含まれる、技術レポートTR38.913で定義されたすべての利用シナリオ、要求、配置シナリオに対処する単一の技術フレームワークを目的とし、100GHzまでの周波数を考慮する。
【0003】
データレートの性能を改善するために、3GPPロング・ターム・エボリューショ(LTE:Long Term Evolution)において、ダウンリンクとアップリンク伝送の両方にLAA(License Assisted Access)が導入された。LTEネットワークがNRプロジェクトでより広い帯域幅の波形が研究されることにつれて次の進化段階に入ると、LAAネットワークが5G NRシステムへと発展していくのは当然のことである。また、キャリアアグリゲーション(CA)は、3GPP LTEでも使用され、複数のコンポーネントのキャリアを使用して同じユーザにサービスを提供する技術である。CAテクノロジーがNRシステムにもサポートされることも合意された。
【0004】
ビーム障害回復は端末デバイスに用いられるすべて又は一部のビームが障害したときにビームを回復するためのメカニズムである。3GPPワーキンググループのRAN2 #90会議では、ビーム障害回復要求(BFR)がCAの同じキャリアケースでサポートされることもすでに合意された。しかしながら、例えばPcellのような別のセル上でセカンダリセル(Scell)のBFRをサポートすることについては、まだ疑問は残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このために、本開示では、従来技術における問題点の少なくとも一部を軽減又は少なくとも緩和することができる無線通信システムにおけるセカンダリセルのビーム障害を処理する新たなソリューションが提案されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によれば、プライマリセル及び自己スケジューリングモードに基づいて動作するセカンダリセルにおいて別々のビームでサービスされる端末デバイスでビーム障害を処理する方法を提供する。当該方法は、前記セカンダリセルにおけるビーム障害の検出に応答して、前記プライマリセルのアップリンク制御チャネルで前記セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送することと、前記プライマリセルのダウンリンク制御チャネルで前記セカンダリセルの前記ビーム障害回復要求への応答を受信することと、を含み、前記応答は、その後の伝送用の伝送構成指示を示すように構成される。
【0007】
本開示の第2の側面によれば、プライマリセル及び自己スケジューリングモードに基づいて動作するセカンダリセルにおいて別々のビームで端末デバイスをサービスするネットワークデバイスでビーム障害を処理する方法を提供する。当該方法は、前記プライマリセルのアップリンク制御チャネルで前記セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を受信することと、前記プライマリセルのダウンリンク制御チャネルで前記セカンダリセルの前記ビーム障害回復要求への応答を伝送することと、を含み、前記応答は、その後の伝送用の伝送構成指示を示すように構成される。
【0008】
本開示の第3の側面によれば、プライマリセル及び自己スケジューリングモードに基づいて動作するセカンダリセルにおいて別々のビームでサービスされる端末デバイスを提供する。当該端末デバイスは、前記セカンダリセルにおけるビーム障害の検出に応答して、前記プライマリセルのアップリンク制御チャネルで前記セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するように構成されるトランシーバーと、前記プライマリセルのダウンリンク制御チャネルで前記セカンダリセルの前記ビーム障害回復要求への応答を受信するように構成されるレシーバーと、を備え、前記応答は、その後の伝送用の伝送構成指示を示すように構成される。
【0009】
本開示の第4の側面によれば、プライマリセル及び自己スケジューリングモードに基づいて動作するセカンダリセルにおいて別々のビームで端末デバイスをサービスするネットワークデバイスを提供する。当該ネットワークデバイスは、前記プライマリセルのアップリンク制御チャネルで前記セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を受信するように構成されるレシーバーと、その後の伝送用の伝送構成指示を示すために、前記プライマリセルのダウンリンク制御チャネルで前記セカンダリセルの前記ビーム障害回復要求への応答を伝送するように構成されるトランシーバーと、を備える。
【0010】
本開示の第5の側面によれば、端末デバイスが提供される。端末デバイスは、プロセッサ及びメモリを備える。メモリは、前記プロセッサに接続され、プログラムコードを有し、当該プログラムコードは、前記プロセッサ上で実行されると、前記端末デバイスに第1の側面の動作を実施させる。
【0011】
本開示の第6の側面によれば、ネットワークデバイスが提供される。ネットワークデバイスは、プロセッサ及びメモリを備える。メモリは、前記プロセッサに接続され、プログラムコードを有し、当該プログラムコードは、前記プロセッサ上で実行されると、前記ネットワークデバイスに第2の側面の動作を実施させる。
【0012】
本開示の第7の側面によれば、コンピュータプログラムコードが具体化されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供され、そのコンピュータプログラムコードは、実行されると、装置に第1の側面の任意の実施形態にかかる方法における動作を実施させるように構成されている。
【0013】
本開示の第8の側面によれば、コンピュータプログラムコードが具体化されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供され、そのコンピュータプログラムコードは、実行されると、装置に第2の側面の任意の実施形態にかかる方法における動作を実施させるように構成されている。
【0014】
本開示の第9の側面によれば、第7の側面によるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0015】
本開示の第10の側面によれば、第8の側面によるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0016】
本開示の実施形態によれば、大きな遅延やオーバーヘッドの問題が存在せずにセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求をサポートするソリューションにより、セカンダリセルにおける効率的なビーム障害回復を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の上記特徴及び他の特徴は、添付の図面を参照しつつ実施形態で示される実施例への詳細な説明を通してより明らかになる。添付の図面全体において、同じ参照符号は同じ又は類似の構成要素を表す。
【0018】
【
図1A】従来技術におけるCAの2つの典型的なシナリオを模式的に示す。
【
図1B】従来技術におけるCAの2つの典型的なシナリオを模式的に示す。
【0019】
【
図2】従来技術におけるNRキャリア(Pcell)とNR免許不要キャリア(Scell)との間のCAの4つの可能な関連シナリオを模式的に示す。
【0020】
【
図3】従来技術におけるプライマリセルにおけるビーム障害回復要求のソリューションを模式的に示す。
【0021】
【
図4】従来技術のセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求のソリューションを模式的に示す。[0022]
【0022】
【
図5】セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の別の可能なソリューションを模式的に示す。
【0023】
【
図6】本開示の実施形態による端末デバイスのセカンダリセルにおけるビーム障害を処理する方法のフローチャートを模式的に示す。
【0024】
【
図7】本開示の実施形態によるセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求伝送を示す図を模式的に示す。
【0025】
【
図8】本開示の実施形態によるビーム障害回復のために受信するリソース指示のフローチャートを模式的に示す。
【0026】
【
図9】本開示の実施形態によるセカンダリセルにおけるビーム障害回復のためのリソーススケジューリングを模式的に示す。
【0027】
【
図10A】本開示の実施形態によるビーム障害回復の例示的な処理を模式的に示す。
【0028】
【
図10B】本開示の実施形態によるセカンダリセルにおけるビーム障害回復処理の終了条件をモニターする可能な設定を模式的に示す。
【0029】
【
図11】本開示の実施形態によるビーム障害検出に関する可能な動作を模式的に示す。
【0030】
【
図12】本開示の実施形態によるセカンダリセルにおける例示的な基準信号測定タイミング構成を模式的に示す。
【0031】
【
図13】本開示の実施形態によるセカンダリセルにおける例示的なビーム障害検出を模式的に示す。
【0032】
【
図14】本開示の実施形態によるアップリンクCCA(Clear Channel Assessment)障害表示を伝送するソリューションを模式的に示す。
【0033】
【
図15】本開示の実施形態によるネットワークデバイスのセカンダリセルにおけるビーム障害を処理する方法のフローチャートを模式的に示す。
【0034】
【
図16】本開示の実施形態によるビーム障害回復のためのリソース指示伝送の方法のフローチャートを模式的に示す。
【0035】
【
図17】本開示の実施形態によるビーム障害検出のための基準信号伝送の方法のフローチャートを模式的に示す。
【0036】
【
図18】本開示の実施形態によるアップリンクCCA障害表示を受信するソリューションを模式的に示す。
【0037】
【
図19】本開示の実施形態による端末デバイスのセカンダリセルにおけるビーム障害を処理する装置のブロック図を模式的に示す。
【0038】
【
図20】本開示の実施形態によるネットワークデバイスのセカンダリセルにおけるビーム障害を処理する装置のブロック図を模式的に示す。
【0039】
【
図21】本明細書で説明される、UEのような端末デバイスとして具現化され、またはそれが備えられる装置2110、gNBのようなネットワークデバイスとして具現化され、またはそれが備えられる装置2120の簡略ブロック図を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付の図面を参照しながら実施形態を通して本開示で提供されるソリューションを詳細に説明する。これらの実施形態は、当業者が本開示をより理解し、かつ実施するために提供されるものにすぎず、いかなる形で本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0041】
添付の図面において、本開示の様々な実施形態は、ブロック図、フローチャート、及び他の図で示されている。フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、本開示において、特定の論理機能を実行するための1つ又は複数の実行可能命令を含むモジュール、プログラム、又はコードの一部を表すことができ、必ずしも必要ではないブロックを点線で示している。さらに、これらのブロックは、方法のステップを実行するための特定の順序で示されているが、実際には、それらは必ずしも示された順序に厳密に従って実行されなくてもよい。たとえば、それらは逆の順序や同時に実行されてもよく、実行の順序はそれぞれの動作の性質に依存する。なお、ブロック図及び/又はフローチャート内の各ブロック、並びにそれらの組み合わせは、特定の機能/動作を実行するための専用のハードウェアベースのシステムによって、又は専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装されてもよいことに留意すべきである。
【0042】
一般的に、特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で他に明示的に定義されていない限り、その技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つ(a)/1つ(an)/前記(the)/この(said)[要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップなど]」に対する全ての言及は、特にそうではないと明示的に述べられていない限り、複数のそのようなデバイス、コンポーネント、手段、ユニット、ステップなどを除外するものではなく、少なくとも1つの要素、デバイス、コンポーネント、手段、ユニット、ステップなどの例を指すものとして素直に解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用される不定冠詞「1つ(a)/1つ(an)」は、複数のそのようなステップ、ユニット、モジュール、デバイス、及びオブジェクトなどを除外するものではない。
【0043】
さらに、本開示の文脈において、ユーザ機器(UE:User Equipment)は、端末、モバイル端末(MT:Mobile Terminal)、加入者局、ポータブル加入者局、移動局(MS:Mobile Station)、又はアクセス端末(AT:Access Terminal)を指してもよいし、UE、端末、MT、SS、ポータブル加入者局、MS、又はATの機能の一部又は全てが含まれてもよい。さらに、本開示の文脈では、用語「BS」は、たとえば、ノードB(NodeB又はNB)、evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、gNB(次世代NodeB)、Radio Header(RH)、Remote Radio Head(RRH)、リレー、又はフェムト、ピコなどの低電力ノードを表してもよい。
【0044】
背景技術で述べたように、3GPPワーキンググループのRAN2 #90会議では、ビーム障害回復要求(BFR)がPcellでサポートされることがすでに合意された。しかしながら、ScellのBFRをサポートすることについては、まだ疑問が残っている。
【0045】
図1A及び
図1Bに示されるように、キャリアアグリゲーション(CA)の典型的なシナリオは2つ存在する。
図1AはPcell及びScellが同じビームを使用するため、Scellのビーム障害回復要求の必要がない第1のシナリオを模式的に示す。
図1Bに示す第2のシナリオにおいて、Pcell及びScellは、それぞれ別々のビームを使用するため、Scellにおける障害ビームを回復する必要がある可能性がある。
【0046】
また、キャリアアグリゲーションには複数の配置シナリオがある。RAN1 #91会議では、以下の配置シナリオで、認可スペクトラムの運用仕様以外の必要な追加機能を調査することが合意された。
● 免許帯NR(Pcell)とNR-U(Scell)との間のキャリアアグリゲーション。
-NR-U Scellは、DL及びULの両方に対応し、又はDLのみに対応する。
● 免許帯LTE(Pcell)とNR-U(PScell)との間のデュアル接続。
● スタンドアロンNR-U。
● 免許不要帯にあるDL及び免許帯にあるULに対応するNRセル。
● 免許帯NR(Pcell)とNR-U(PScell)との間のデュアル接続。
【0047】
よって、Pcell及びScellには様々な配置シナリオがあることがわかる。
図2は、従来技術におけるNRキャリア(Pcell)とNR免許不要キャリア(Scell)との間のCAの4つの可能な関連シナリオを模式的に示す。
図2に示されるように、Scellは、免許キャリア又は免許不要キャリアであることが可能であり、かつ、Scellは、UL及びDLの両方、又はDLのみに対応することが可能である。ScellがUL及びDLの両方に対応すると、Scellは、そのULチャネルでBFRを伝送することができ、一方、ScellがDLのみに対応する場合に、ビーム障害回復要求をどのように伝送するかについてはまだ疑問が残っている。
【0048】
図3は、従来技術におけるプライマリセルにおけるビーム障害回復要求のソリューションを模式的に示す。NR TS38.213では、PcellのBFRは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースのセットによって処理され、新たなビーム識別子(ID)は専用のPRACHリソースに関連付けられ、BFR応答は専用の制御リソースセット又は検索スペースに伝送されるとした。
図3に示されるように、UEのような端末デバイスがプライマリセルにおけるビーム障害を検出すると、当該UEは、新たなビームに基づいて決められたPRACHリソースでBFRを伝送し、gNBのようなネットワークデバイスは、BFRへの応答として、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)でBFR-DCI(ダウンリンク制御指示)を伝送し、これにより、その後の伝送のためのリソースをスケジューリングする。その後、ネットワークデバイスは、無線リソース制御(RRC)のような上位層信号によってPDCCH受信用の伝送構成指示(TCI)のセットを通知し、かつメディアアクセス制御(MAC)の制御要素(CE)によってPDCCH受信用のセットから選択された特定のTCIをUEに通知する。
【0049】
同時に、UEは、モニタリング時間枠でPDCCHの制御リソースセット(CORESET)を監視し続ける。RAN1会議#91では、gNBからビーム障害回復要求の伝送への応答を受信すると、
● UEは、次の条件のいずれかが満たされるまで、専用のPDCCH受信用のCORESET-BFRを監視する必要がある。
■専用のPDCCHを受信するためにgNBで別のCORESETに再構成され、構成されたCORESETは構成されたTCI状態がK>1である場合、MAC-CEによってTCI状態がアクティブ化され、
■ビーム障害になる前に、CORESETのMAC-CEによってgNBで別のTCI状態に再表示される。
● PDCCHのTCI状態の再構成/アクティブ化/再表示まで、UEは、PDSCHのDMRSがビーム障害回復要求においてUEが識別した候補ビームのDL RSを用いて空間的にQCLされていると想定する。
● PDCCHのTCI状態を再構成/アクティブ化/再表示した後、UEはCORESET-BFRでDCIを受信すると期待されていない、と合意された。
【0050】
図4は従来技術のセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求のソリューションを模式的に示し、これは3GPP技術書類R1-1803362で提案された。当該示されたソリューションでは、PcellのビームレポートによってScellのBFRを処理することが提案された。
図4に示されるように、基準信号がPcell及びScellで端末デバイスに伝送されると、Pcell及びScellの両方のビームレポートはPcellのアップリンクチャネルでネットワークデバイスにレポートされる。Scellにおいてビーム障害(BF)イベントが検出されると、矢印付きの破線で示されるように、このようなイベントは次のビームレポートまでネットワークデバイスにレポートされない。これは、Pcellのビームレポート(BR)がより大きな周期性を持つように構成されると、大きな遅延になることを意味する。Pcellにおけるサブキャリア間隔(SCS)が小さく、かつScellにおけるSCSが大きい場合に、より深刻になる。また、コンポーネントキャリアグループが大きく、或いはBRの周期性が小さい場合、別の問題として、オーバーヘッドになる恐れがある。
【0051】
別のオプションとして、Scellは、Pcellでのビーム障害回復ソリューションと同様なものを使用してもよい。
図5は、従来技術のセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の別の可能なソリューションを模式的に示す。
図5に示すソリューションにおいて、ScellのBFRは、PcellのBFRと同様に、PcellのPRACHによって処理される。しかしながら、このようなソリューションは、少なくとも2セットのBFR-PRACHリソースが必要であり、同時に、如何にcc(g)インデックスを示すことが問題であり、ここでのcc(g)インデックスという用語は、コンポーネントキャリア又はコンポーネントキャリアグループのインデックスを示すために使用されている。
【0052】
よって、Scellでのビーム障害回復要求は、これらの可能なソリューションでは十分にサポートされておらず、ScellのBFRメカニズムを強化する必要があることがわかる。この目的のために、本開示では、NRシステムにおけるBFRサポートを改善するために、ScellにおけるBFRのソリューションが提案される。本開示において、ビーム障害回復要求が、PRACHまたはビームレポートの代わりに、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で伝送される、Scellの新たなビーム障害回復要求が提案される。よって、大きな遅延や高いオーバーヘッドなしで、ScellでBFRをサポートすることができる。
【0053】
以下、さらに、
図6から
図21を参照しながら、本開示で提案されるソリューションを詳細に説明する。しかしながら、以下の実施形態は、例示の目的のために過ぎず、本開示を限定するものではないと理解されるべきである。
【0054】
図6は本開示の実施形態による端末デバイスのセカンダリセルにおけるビーム障害を処理する方法のフローチャートを模式的に示す。方法600は、例えばUEのような端末デバイス、または他の同様のデバイスで実行され得る。
【0055】
図6に示されるように、ステップ601において、セカンダリセル(MSG1)におけるビーム障害回復要求は、セカンダリセルにおけるビーム障害の検出に応答して、プライマリセルのアップリンク制御チャネルで伝送される。言い換えれば、本開示の実施形態において、ScellにおいてBFイベントが発生すると、Pcellでのビームレポート又はPRACHを使用することに代わって、Pcellのアップリンク制御チャネルは、ScellのBFRを伝送するために使用される。
【0056】
例示の目的で、
図7は本開示の実施形態によるセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求伝送を示す図を模式的に示す。
図7に示されるように、ScellにおいてBFイベントが発生すると、BFRは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で伝送される。PUCCHはより小さい周期で構成されることができるため、遅延の問題が克服されることができる。一方、PUCCHで伝送されたBFRは、すべてのセカンダリセルがScellのBFRの伝送に使用されたPcellの同じ1つのPUCCHを共有できるため、ペイロードの問題を引き起こすことがない。以下、簡略化のため、ScellにおけるBFRを伝送するために使用されるPcellのPUCCHは、BFR-PUCCHとも略して称される。また、ScellにDLのみがあるCAの場合、このようなソリューションは必須であるが、ScellにDLとULの両方があるCAの場合、このようなソリューションはオプションとしてもよい。
【0057】
BFR-PUCCHは、ネットワークデバイスによって、例えば、無線リソース制御(RRC)シグナリングで、事前に構成されることができる。よって、
図8に示されるように、ステップ801において、端末デバイスは、BFR-PUCCH用の1つ以上のパラメータを示す構成情報を受信することができる。パラメータは、伝送周期、伝送オフセット、伝送禁止タイマー、伝送の最大数などの1つ以上を含んでよい。伝送周期はBFR-PUCCHの伝送頻度を示し、伝送オフセットは例えばサブフレームの開始境界に関するBFR-PUCCHのオフセットを示し、禁止タイマーはBFR-PUCCHを伝送できないタイミングを示し、伝送の最大数は許可される、1つのビーム障害イベントに対するBFR-PUCCHの再伝送の最大数を示す。
【0058】
BFR-PUCCHのパラメータは、上記の説明においてRRCによって構成されているが、これらのパラメータのうちの1つ以上は、事前に決定されることができるため、任意のシグナリングによって構成する必要がないと理解されたい。
【0059】
さらに、BFR-PUCCHを伝送するためのビームリソースも、ネットワークデバイスによって、例えばRRCシグナリングおよびMAC CEによって事前に構成されることができる。さらに、
図8に示されるように、ステップ802において、UEは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するためのプライマリセルのアップリンク制御チャネルに利用可能なアップリンク伝送ビームのセットを示すアップリンク伝送構成指示(TCI)情報を受信することができる。伝送構成指示情報は、端末デバイス側の空間リソースを示す。具体的には、UE側のアップリンク伝送又はダウンリンク受信のためのビームを示す。アップリンク伝送構成指示情報は、BFR-PUCCHを伝送するために使用されるアップリンク伝送ビームのセットを示すものである。次に、ステップ803において、UEは、例えば、さらに、MAC-CEによって特定のアップリンク伝送構成指示情報を受信することができる。特定のアップリンク伝送構成指示情報は、上記したアップリンク伝送構成指示情報から選択された、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の専用のアップリンク制御チャネルの特定のアップリンク伝送ビームを示すためのものである。このようにして、端末デバイスはBFR-PUCCHを伝送するためにどのビームを使用するかを知ることができる。
【0060】
ステップ802およびステップ803の動作は、TCIを構成するための明示的方式を提供する。本開示の別の実施形態において、黙示的方式を使用することができる。例えば、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、端末デバイスによって直近に使用されたアップリンク伝送ビームで伝送されることができる。このような場合に、明示的なシグナリングは必要がない。
【0061】
BFR-PUCCHは、複数のビットフィールドを含むことができるScellに対するBFR要求を運ぶ。例えば、cc(g)インデックス情報と、例えば、新たなビームID及びオプションとしての基準信号受信電力(RSRP)を含む新しいビーム情報と、を含んでもよい。例示の目的で、表1にはBFR-PUCCH形式の例が挙げられている。
表1:BFR-PUCCH形式の例
【0062】
BFR-PUCCH形式の例において、cc(g)インデックスはビーム障害イベントに関するコンポーネントキャリア又はコンポーネントキャリアグループのインデックスを示す。新たなビーム情報はより良好なビーム品質を有する新たなビームに関する情報を示し、新たなビームの識別子及びオプションとしてのRSRPを含んでもよい。よって、RSRPが含まれていない場合に、合計で9ビット(CC(g)インデックスに3ビット、かつビームIDに6ビット)のみが必要であり、又は、RSRPが含まれている場合に、16ビットが必要であり、かつ、7ビットでレポートされる。さらに、PUCCHリソースは全てのコンポーネントキャリアによって共有され、複数のコンポーネントキャリアのBFRは同時に処理される必要がない。よって、BFR-PUCCHには1つの物理リソースブロック(PRB)が割り当てられるだけで十分である。
【0063】
例示の目的のみで、RRC構成の例は、以下のようである。
BeamFailureRequestResourceConfig
::= SEQUENCE {
PeriodicityAndOffset
bfr-ProhibitTimer
bfr-TransMax
PUCCH-resource
PUCCH-TCIstates}
【0064】
ビーム障害要求リソース構成の例において、前の3つのパラメータは、BFR-PUCCHのパラメータ構成に用いられ、4つ目のパラメータは、PRBが使用されることを示すPUCCHリソース構成に用いられ、最後のパラメータは、BFR-PUCCHのアップリンク伝送ビームを示すことに用いられる。
【0065】
本開示の実施形態において、ScellのBFRはPcellにおけるPUCCHリソースを使用して伝送される。よって、Pcell及びScellの両方にビーム障害が発生した場合に、Pcell用のBFR-RACHは、BFR-PUCCHよりも優先度が高い。言い換えれば、このような場合に、最初にPcellのBFRを対処し、Pcellのビーム障害回復のプロセスが完了した後にBFR-PUCCHを伝送する。
【0066】
また、BFR-PUCCHは他のPUCCHと衝突する可能性がある。端末デバイスは、同じOFDMシンボルで1つのPUCCHしか伝送できないことが知られている。しかしながら、異なる目的のために複数のPUCCHが存在するため、同じOFDMシンボルで複数のPUCCHを伝送することが要求される場合がある。このような場合に、PUCCH衝突が発生する。
【0067】
本開示の実施形態において、カンダリセルにおけるビーム障害回復要求が他の制御情報とともにプライマリセルのアップリンク制御チャネルで伝送される同時PUCCH伝送ソリューションを使用することは提案されている。本開示の他の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、当該セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の優先度が他の制御情報よりも高くなる場合にのみ伝送される、優先度による伝送ソリューションを採用することが提案される。単に例示の目的で、BFR-PUCCHの衝突ルールを説明するためのいくつかの例示的なPUCCHの衝突状況が提案される。ただし、当業者にとって、これらの形態は例示的なものにすぎず、本開示を限定するものではないと理解すべきである。実際、BFR-PUCCHの衝突ルールは、例示されたもの以外の衝突状況にも適用されることができる。
[衝突状況1-スケジューリング要求(SR)及びBFR-PUCCH]
【0068】
この衝突状況において、同じOFDMシンボルで伝送されるSR及びBFR-PUCCHが存在し、かつ、2つの異なるオプションがある場合がある。1つのオプションとして、SR PUCCHとBFR-PUCCHを同時に伝送する。例えば、PUCCHは2つのビットフィールドを持ち、1つ目のビットフィールドbit-field1がBFRに使用され、2つ目のビットフィールドbit-field2がSRに使用される。もう1つのオプションとして、優先度による伝送を採用することもできる。例えば、SR及びBFRの優先度は、1)SR>BFR、または2)BFR>SRのいずれかとして事前に定義されることができ、BFR-PUCCHはSRよりも優先度が高い場合にのみ伝送される。このような場合に、cc(g)インデックスは1より大きいインデックス値として設定されることができ、これは、SRがドロップされ、かつBFR-PUCCHが伝送されることを意味する。一方、cc(g)インデックスを0に設定し、ScellのBFRをドロップすることができる。
[衝突状況2-ハイブリッド自動再送要求(HARQ)及び BFR-PUCCH]
【0069】
HARQとBFR-PUCCHとの間に衝突がある場合にも、2つの異なるオプションがある。1つ目のオプションとして、HARQ及びBFR-PUCCHを同時に伝送する。例えば、HARQ及びネガティブのBFR(BFRが伝送される必要がない)がある場合に、HARQはHARQ-PUCCHリソースで伝送されることができる。HARQ及びポジティブのBFR(HARQ及びBFRの両方が伝送されると要求される)がある場合に、HARQビットがBFRビットに追加され、HARQ及びBFRの両方がBFR-PUCCHリソースで伝送される。よって、ネットワークデバイスは、最初にHARQ PUCCHを検出し、伝送されるHARQがない場合に、さらに、HARQ及びBFRのBFR PUCCHリソースを検出することができる。2つ目のオプションとして、優先度による伝送を利用する。例えば、HARQ及びBFRの優先度は、1)HARQ>BFRとして決められ、つまり、BFRがHARQと衝突するたびに当該BFRがドロップされる。
[衝突状況3-HARQ/SR/チャネル状態情報(CSI)及びBFR-PUCCH]
【0070】
この状況において、1つ目のオプションとして、PUCCH上の異なるビットフィールドでこれらを同時に伝送する。2つ目のオプションとして、これらを優先順位に基づいて伝送する。優先順位は、以下のいずれかに決めされてもよい。
1)伝送されるBFRを持つScell以外のセル上のSR/BFR/CSI-BM。
2)伝送されるBFRを持つScell以外のセル上のBFR/SR/CSI-BM。
3)伝送されるBFRを持つScell上のSR/CSI-BM。
【0071】
これらの衝突ルールに基づいて、BFRと他の制御情報との衝突は対処されることができる。次に、
図6に戻って、
図6を参照しながら、ここで提案されているビーム障害処理ソリューションを引き続き説明する。
【0072】
示されるように、ステップ602において、端末デバイスは、プライマリセルのダウンリンク制御チャネルでセカンダリセルのビーム障害回復要求(MSG2)への応答を受信する。BFR-PUCCHを受信すると、gNBはBFR-PUCCHへ応答を送信する。当該応答は、その後の伝送のための伝送構成指示を示すことに用いられる。当該応答は、C-RNTIによってスクランブルされてPcellのダウンリンク制御チャネルで伝送されるダウンリンク制御情報(DCI)によって伝送されることができ、迅速なビーム回復/TCIの再構成を有効にする。ネットワークデバイスは、RRCシグナリングを使用して、応答のCORERSETを構成することができる。
【0073】
Scell BFRのためのRRC CORREST構成の例として、説明の目的で以下のように挙げられている。
RRC CORESET configuration for Scell BFR
BeamFailureRecoveryCoresetConfig ::= SEQUENCE {
recoveryControlResourceSetId RecoveryControlResourceSet
recoverySearchSpaceId SearchSpaceId
CellId ServCellIndex,
…
}
【0074】
以下に述べるように、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答は、Pcell上のDCIであってもよく、多くの異なる構成があるCORESETで伝送されることができる。例示の目的で、いくつかの可能な構成の例を以下に説明する。
[構成1-PcellにおけるBFR用のCORESETの再利用]
【0075】
構成において、ScellにおけるBFRに対する応答は、PcellのBFRに対する応答から再利用されるCORESETで伝送される。このような場合に、端末デバイスは、BFR-PRACHがPcellに対して伝送されたばかりであり、かつ応答の受信ビームのTCIが使用されたPRACHリソースから決定され得る場合に、PcellのBFRに対する応答であるとわかる。一方、端末デバイスは、BFR-PUCCHがScellのために伝送されたばかりの場合に、ScellにおけるBFRに対する応答であるとわかる。このような場合に、応答の受信ビームのTCIは、RRCおよび/またはMAC-CEシグナリングによって明示的に構成されることができ、又は端末デバイスは、単に、直近に使用されたCORESET又は現在のアクティブなCORRESETの1つのような他のPcellのCORESETの受信ビーム構成に従う。例えば、
図8のステップ804に示されるように、端末デバイスは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答を伝送するためのプライマリセルのダウンリンク制御チャネルを受信するために使用されたダウンリンク受信ビームを示すダウンリンク伝送構成指示情報を受信する。
【0076】
応答のターゲットキャリアについて、端末デバイスは、BFR-PUCCHがどのキャリアで伝送されたかを知るので、それから導出することができるため、ターゲットキャリアを暗黙的に導出することができる。別の選択肢として、ネットワークデバイスがセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答のDCIでターゲットキャリアIDを伝送できるように、ターゲットキャリアID伝送モードを有効化にする。例えば、ネットワークデバイスは、CORESET-BFR構成におけるDCI_1-1とDCI_1-1についてRRCによってcif-PresentInDCIをtrueに設定することができる。例示の目的で、CORESET-BFR構成の例として、以下のように挙げられている。
recoveryControlResourceSet : : = SEQUENCE {
controlResourceSetId ControlResourceSetId,
tci-StatesPDCCH
cif-PresentInDCI
…
}
【0077】
このような場合、ネットワークノードには、Scellのビーム障害回復要求への応答におけるターゲットキャリアIDが含まれる。さらに、端末デバイスは、そこに含まれるターゲットキャリアIDからターゲットキャリアを特定する。
[構成2-ScellのBFRの専用のCORESETの使用]
【0078】
当該構成において、ScellのBFRに対する応答は、Scell専用のPcellの特定のCORESETで伝送されることになる。同様に、このような場合に、TCIは、ダウンリンク受信ビームを示すためにRRCおよび/またはMACE-CEシグナリングによって明示的に構成されることができ、又は、端末デバイスは、直近に使用されたCORESETまたは現在のアクティブなCORRESETの1つのような他のPcell CORESETの受信ビームにしたがう。
【0079】
端末デバイスは、BFR-PUCCHがどのキャリアのために伝送されたかを知ることができるので、そのキャリアをそれから導出することができるため、ターゲットキャリアを暗黙的に導出することができる。別の選択肢として、ネットワークデバイスがセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答におけるターゲットキャリアIDを伝送することができるように、ターゲットキャリアID伝送モードを有効化にする。このような場合に、端末デバイスはScellのビーム障害回復要求への応答におけるターゲットキャリアIDからターゲットキャリアを特定できる。
[構成3-Pcellの通常のCORESETの使用]
【0080】
当該構成において、ScellのBFRに対する応答は、特定なものではなく、Pcell上の通常のCORESETで伝送される。このような場合に、クロススケジューリングモードは、ScellのBFRを伝送した後に暗黙的にトリガーされる。クロススケジューリングモードにおいて、ターゲットキャリアIDが任意のCORESETに含まれるため、任意の通常のCORESETで伝送される応答にターゲットキャリアIDが含まれることを確定できる。
【0081】
図9は、さらに、本開示の実施形態によるビーム障害回復のためのリソーススケジューリングを模式的に示す。
図9に示されるように、まず、Scell及びPcellのいずれも自己スケジューリングモードで動作し、つまり、Pcell及びScellはそれらのローカルDCIでそれぞれのリソースをスケジューリングする。BFイベントが発生すると、BFR-PUCCHは、Pcellのリソースを使用することで、ネットワークデバイスに伝送される。モニタリング時間枠中に、Scellリソースは、ビーム回復のためにPcellのC-RNTIによってスクランブルされたクロスキャリアDCIでスケジューリングされる。ビームの回復が完了すると、ScellとPcellの両方がセルフスケジューリングモードに戻される。よって、モニタリング時間枠中、Scellリソースがビーム回復のためにPcellでスケジューリングされることがわかる。
【0082】
モニタリング時間枠は、端末デバイスがネットワークデバイスからのビーム障害回復の情報を検出するために、ダウンリンクCORESETをモニターする継続時間である。モニタリング時間枠は、BFR-PUCCHが伝送されると開始するとともに、タイムアウトタイマーが止まったり、最大カウンタに達したり、所定条件が満たされたりすると、終了する。
【0083】
図10Aは、本開示の実施形態によるビーム障害回復及びモニタリング時間枠の例示的な処理を模式的に示す。
図10Aに示されるように、まず、ステップ0において、UEはScellにおいてビーム障害を検出し、そして、Pcell内のScellのBFR-PUCCHを伝送する(ステップ1)。次に、MSG2 DCIは、BFR-PUCCHへの応答として、gNBからUEへ伝送される(ステップ2)。その後、UEは再びScellにおけるPDCCH/PDSCHを受信する(ステップ3)。ステップ3まで、UEは、PcellにおけるダウンリンクCORESETをモニターし続ける。モニタリング時間枠は、BFR-PUCCHが伝送された後に開始するとともに、タイムアウトタイマーが止まったり、最大カウンタに達したり、所定条件が満たされたりすると、終了する。
図10Bは、モニタリング時間枠の複数の例示的な可能な終了条件を模式的に示す。
【0084】
図10Bに示されるように、第1の終了条件は、
図10Bの点Aで示されるように、セカンダリセル上のダウンリンクデータチャネルのクロスキャリア伝送制御情報の再表示を受信したときである。このような場合に、Scellは再表示されたTCIを使用して通常のPDCCH/PDSCH伝送を開始する準備ができている。第2の終了条件は、
図10Bの点Bで示されるように、Scell内のダウンリンク制御チャネルのクロスキャリア伝送制御情報の再表示を受信したときである。このような場合に、Scellは、再表示されたTCIを使用して通常のPDCCH伝送を開始する準備ができている。第3の終了条件は、
図10Bの点Cで示されるように、クロスキャリアビームのトレーニングが完了したときである。BFRへの応答としてDCIを受信した後、Scellでクロスキャリアビームのトレーニングが実行され、クロスキャリアビームのトレーニングが完了したことは、端末デバイスがセカンダリセルのダウンリンクデータチャネル/ダウンリンク制御チャネルのクロスキャリア伝送制御情報の再表示を受信することを意味する。第4の終了条件は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答を受信したときである。
【0085】
また、NRシステムのCAにおいて、CCAが成功したが、ビームが失敗した場合があり、その場合に、ビーム障害の検出を十分に対処すべきである。現在のNRシステムにおいて、周期的な同期信号ブロック(SSB)/チャネル状態指示基準信号(CSI-RS)は、チャネル状態情報を測定するために使用されるが、免許不要ScellにはSSB又はCSI-RSが存在しない。
【0086】
この目的のために、本開示の別の態様では、免許不要Scellのビーム障害検出及び新たなビーム識別基準信号を修正することが提案されている。次に、
図11を参照しながら、ソリューションについて説明する。図示のように、ステップ1101において、UEは、gNBから基準測定構成を受信し、この基準信号伝送は、通常のデータ伝送よりも短いバースト・高い強度を有する。当該構成は測定時間枠(L)、伝送周期(P)、及び伝送オフセット(O)を含んでもよい。測定時間枠(L)は、基準信号を検出するための測定継続時間を示し、伝送周期(P)は、基準信号伝送の周期を示し、伝送オフセット(O)は、サブフレームの開始境界に関する基準信号のオフセットを指す。
【0087】
図12は、本開示の実施形態によるセカンダリセルにおける例示的な基準信号測定タイミング構成を模式的に示す。
図12に示されるように、CSI-RSは、周期PおよびオフセットOをもって伝送され、UEは、測定時間枠Lの間にCSI-RSを検索する。図示のように、CCA障害の場合、re-CAAは、測定時間枠Lによって定義された検索機会の間に実行され、re-CAAが成功すると、遅延されたCSI-RSがUEに伝送される。一方、測定時間枠が終了するまでre-CAAが失敗すると、gNBはCSI-RSをUEに伝送しないため、CSI損失が発生する。
【0088】
図11に戻して、当該
図11を参照しながら、ビーム障害検出の動作について引き続き説明する。ステップ1102において、端末デバイスは、受信した基準信号測定タイミング構成に基づいてセカンダリセルにおけるビーム障害を検出する。さらに、ステップ1103において、端末デバイスは、N個の連続のビーム障害表示中にすべての測定ビームが障害し、または失われた場合、ビーム障害であると特定でき、ここでのNは、測定ビーム上の基準信号の最長周期及び最短周期によって決められる。
【0089】
NRシステムにおいて、ビーム障害表示(BFI)は周期的であり、BFI間隔は、ビーム障害検出の基準信号(RS)の最短周期によって決められる。CCAに障害が発生した場合、またはRSの伝送タイミングではない場合、RSは伝送されることができない。本開示の実施形態において、N個の連続のBFI間隔中にビーム障害検出の測定されたRSがすべて失われ、又は障害になった場合には、端末デバイスは、ビーム障害イベントがあると判断する。連続のBFIの数は、測定ビーム上の基準信号の最長周期及び最短周期によって決められる。一例として、Nは、ビーム障害検出の基準信号の最短周期で割った最長周期の結果の上限によって決められる。このようにして、ビーム障害検出用のすべての基準信号を、N個の連続のBFI間隔中に少なくとも1回測定できることを確定する。
【0090】
例示の目的で、
図13は本開示の実施形態によるセカンダリセルにおける例示的なビーム障害検出を模式的に示す。
図13に示されるように、3つのビーム(ビーム1、ビーム2及びビーム3)は測定され、かつ3つの基準信号RS1、RS2、RS3はビーム障害検出のRSとして3つのビームのそれぞれのために使用される。RS1の周期は4スロットであり、RS2の周期は5スロットであり、RS3の周期は8スロットである。よって、BFIの周期は4であり、ビーム障害が2つの連続のBFI(8/4=2)で検出されることが要求される。
図13に示されるように、2本の太線で示される時間間隔でCCA障害が発生し、そしてCSIが失われた。従って、UEは、この時間間隔で測定されるべきであるすべての基準信号を検出することに失敗したため、ビーム障害表示がカウントされる。N個の連続したBFIがカウントされた後、ビーム障害イベントが検出されて特定される。
【0091】
本開示の一実施形態では、Scellは、DLおよびULの両方に対応してもよく、そのような場合、DL伝送の後、gNBで3つのイベントが発生する。1つ目はULでのCAA障害であり、UEがULでのCCA障害をgNBに通知しない場合、DTX検出及び再伝送が実行される。2つ目は、UEでのPDCCHの欠落またはエラーであり、このような場合に、gNBもDTX検出および再伝送のソリューションを実行する。3つ目は、DLでのビーム障害であり、このような場合に、DTX検出がうまく機能せず、再伝送も役に立たない。しかしながら、UEは、1つ目のイベントと3つ目のイベントとを区別することができる。このような場合に、BFR-PUCCHリソースでUL CAA障害を多重化することが可能である。
【0092】
本開示の一実施形態において、端末デバイスは、
図14のステップ1401に示されるように、アップリンククリアチャネル評価障害表示を伝送するように、セカンダリセルにおけるビーム障害要求に使用されるプライマリセルのアップリンク制御チャネルを再利用する。このような場合に、UL CCA障害がgNBで検出されると、gNBはUL CAAが正常になるまで再伝送を保留する。一方、Scellにおけるビーム障害が検出されると、BFR応答はUEに伝送される。
【0093】
次に、
図15から
図18を参照しながら、本開示の実施形態によるネットワークデバイスにおけるビーム障害を処理する例示的な方法について説明する。
【0094】
まず、本開示の実施形態によるネットワークデバイスのセカンダリセルにおけるビーム障害を処理する方法のフローチャートを模式的に示す
図15を参照する。本開示の一実施形態において、端末デバイスは別々のビームでプライマリセル及びセカンダリセルにおけるネットワークデバイスによってサービスされ、セカンダリセルは自己スケジューリングモードに基づいて動作する。
図15に示されるように、ステップ1501において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求はプライマリセルのアップリンク制御チャネルで受信されることができる。上記のように、本開示において、ビーム障害回復要求は、プライマリセルのアップリンク制御チャネルで搬送され、ネットワークは、BFRがPRACHの代わりにアップリンク制御チャネル上にあるため、セカンダリセルのBFRであることがわかることができる。
【0095】
そして、ステップ1502において、ネットワークデバイスはプライマリセルのダウンリンク制御チャネルでセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への、その後の伝送用の伝送構成指示を示すように構成される応答を伝送する。言い換えれば、ビーム障害回復要求への応答は、プライマリセルにおける制御チャネルで搬送される。
【0096】
本開示の一実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するためのプライマリセルのアップリンク制御チャネルを事前に構成することができる。
図16に示されるように、ステップ1601において、ネットワークは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するためのプライマリセルのアップリンク制御チャネルの1つ以上のパラメータを示すように構成情報を端末デバイスに伝送する。1つ以上のパラメータは、例えば、伝送周期、伝送オフセット、伝送禁止タイマー、及び伝送最大数の1つ以上を含んでもよい。
【0097】
本開示の別の実施形態において、ネットワークデバイスは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するためのプライマリセルのアップリンク制御チャネルの伝送ビームを構成することもできる。ステップ1602に示されるように、ネットワークは、まず、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するためのプライマリセルのアップリンク制御チャネルに利用可能なアップリンク伝送ビームのセットを示すようにアップリンク伝送構成指示情報を伝送する。そして、ステップ1603において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の専用のアップリンク制御チャネルの特定のアップリンク伝送ビームを示すように特定のアップリンク伝送構成指示情報を伝送する。よって、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の専用のアップリンク制御チャネルにおける特定のアップリンク伝送ビームで受信される。
【0098】
本開示の別の実施形態において、ネットワークデバイスは、アップリンク伝送ビームを構成していないが、直近に使用されたアップリンク伝送ビームでセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を受信する。
【0099】
本開示のさらに別の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は他の制御情報とともにプライマリセルのアップリンク制御チャネルで受信されてもよい。または、代わりに、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、当該セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の優先度が他の制御情報より高い場合にのみ受信されることができる。
【0100】
また、プライマリセル及びセカンダリセルの両方にビーム障害が発生した場合に、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、プライマリセルにおけるビーム障害回復のプロセスが完了した後に受信される。
【0101】
本開示の一実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答は、プライマリセルのビーム障害応答の制御リソースセットで伝送されることができる。本開示の別の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答に固有であるプライマリセルの制御リソースセットで伝送されることができる。いずれの場合にも、応答のターゲットキャリアは、暗黙的に導出され、又は、ターゲットキャリアID伝送モードは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答に応じて有効になることで、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答にターゲットキャリアIDを含ませる。本開示のさらに別の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答は、プライマリセルの通常の制御リソースセットで伝送されることができる。この場合において、クロススケジューリングモードは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答のモニタリング時間枠中に有効になることで、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答にターゲットキャリアIDを含ませる。
【0102】
本開示の別の実施形態において、ネットワークデバイスは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答のダウンリンク受信ビームをさらに構成する。
図16に示されるように、ステップ1604において、ネットワークデバイスは、さらに、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答を伝送するために使用されたプライマリセルのダウンリンク制御チャネルを受信するダウンリンク受信ビームを示すダウンリンク伝送構成指示情報を伝送する。または、代わりに、ネットワークデバイスは、直近に使用されたダウンリンク受信ビームでセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答を伝送する。
【0103】
本開示の一実施形態において、ネットワークデバイスは、さらに、基準信号測定タイミングを構成する。
図17に示されるように、ステップ1701において、ネットワークデバイスは、基準信号測定タイミング構成を伝送する。基準信号測定タイミング構成は、測定時間枠、伝送周期、及び伝送オフセットのいずれかに関する情報を含む。そして、ステップ1702において、ネットワークデバイスは、基準信号測定タイミング構成に基づいて、基準信号を伝送する。
【0104】
本開示のさらに別の実施形態において、ネットワークデバイスは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求のために使用されたプライマリセルのアップリンク制御チャネルでアップリンククリアチャネル評価障害表示を受信してもよい。このようにして、CCA障害表示は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求のために使用されたプライマリセルのアップリンク制御チャネルで多重化される。
【0105】
以上、
図15から
図18を参照しながら、ネットワーク側でビーム障害を処理する例示的な方法を簡略に説明した。しかしながら、ネットワークデバイスでの動作は端末デバイスでの動作に対応すると理解でき、そのため、動作のいくつかの詳細については、
図6から
図14に関する説明を参照することができる。
【0106】
図19は、さらに、本開示の実施形態による端末デバイスにおけるビーム障害を処理する装置のブロック図を模式的に示す。装置1900は、例えば、UEや他の同様のデバイスなどの端末デバイスによって実装されることができる。端末デバイスは、別々のビームでプライマリセル及びセカンダリセルにおいてサービスされ、セカンダリセルは自己スケジューリングモードに基づいて動作する。
【0107】
図1900に示されるように、装置1900は、BFR伝送モジュール1901及びBFR応答受信モジュール1902を含む。BFR伝送モジュール1901は、セカンダリセルにおけるビーム障害の検出に応答して、プライマリセルのアップリンク制御チャネルでセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するように構成される。BFR応答受信モジュール1902は、プライマリセルのダウンリンク制御チャネルで、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への、その後の伝送のための伝送構成指示を示すように構成される応答を受信するように構成される。
【0108】
本開示の一実施形態において、装置1900は、さらに、構成受信モジュール1903を含む。構成受信モジュール1903は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するためのプライマリセルのアップリンク制御チャネルの1つ以上のパラメータを示す構成情報を受信するように構成される。1つ以上のパラメータは、例えば、伝送周期、伝送オフセット、伝送禁止タイマー、及び伝送の最大数の1つ以上を含む。
【0109】
本開示の別の実施形態において、装置1900は、さらに、UL TCI受信モジュール1904及び特定のUL TCI受信モジュール1905を含む。UL TCI受信モジュール1904は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するためのプライマリセルのアップリンク制御チャネルに利用可能なアップリンク伝送ビームのセットを示すアップリンク伝送構成指示情報を受信するように構成される。特定のUL TCI受信モジュール1905は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の専用のアップリンク制御チャネルの特定のアップリンク伝送ビームを示す特定のアップリンク伝送構成指示情報を受信するように構成される。このような場合に、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の専用のアップリンク制御チャネル上の特定のアップリンク伝送ビームで伝送されることができる。
【0110】
本開示のさらに別の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、直近に使用されたアップリンク伝送ビームで伝送されることができる。
【0111】
本開示のさらに別の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、他の制御情報とともにプライマリセルのアップリンク制御チャネルで伝送される。または、代わりに、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、当該セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の優先度が他の制御情報よりも高い場合にのみ伝送される。
【0112】
本開示の別の実施形態において、プライマリセル及びセカンダリセルの両方にあるビーム障害の検出に応答して、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、プライマリセルにおけるビーム障害回復のプロセスが完了した後に伝送されることができる。
【0113】
本開示のさらに別の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答は、次のいずれかで受信される。
● 応答のターゲットキャリアが、暗黙的に導出され、又はセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答に含まられるターゲットキャリアIDによって決められる、プライマリセルのビーム障害応答用の制御リソースセット。
● 応答のターゲットキャリアが、暗黙的に導出され、又はセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答に含まられるターゲットキャリアIDによって決められる、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答に固有であるプライマリセルの制御リソースセット。
● クロススケジューリングモードが、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答のモニタリング時間枠中に有効になることで、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答に含まれるターゲットキャリアIDからターゲットキャリアを決める、プライマリセルの通常の制御リソースセット。
【0114】
本開示のさらに別の実施形態において、装置1900は、さらに、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答を伝送するために使用されたプライマリセルのダウンリンク制御チャネルを受信するダウンリンク受信ビームを示すダウンリンク伝送構成指示情報を受信するように構成されることができるDL TCI受信モジュール1906を含んでもよい。このような場合に、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答は、直近に使用された受信ビームで受信される。
【0115】
本開示のさらに別の実施形態において、プライマリセルのダウンリンク制御リソースは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答を受信するようにモニターされる。モニターすることは、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送した後に開始し、セカンダリセル上のダウンリンクデータチャネルのクロスキャリア伝送制御再表示を受信すること、セカンダリセル上のダウンリンク制御チャネルのクロスキャリア伝送制御再表示を受信すること、クロスキャリアビームトレーニングの完了、及びセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答を受信することのいずれかに応じて終了する。
【0116】
本開示の別の実施形態において、装置1900は、さらに、RS測定タイミング構成受信モジュール1907及びビーム障害検出モジュール1908を含む。RS測定タイミング構成受信モジュール1907は、測定時間枠、伝送周期、及び伝送オフセットのいずれかに関する情報を含む基準信号測定タイミング構成を受信するように構成される。ビーム障害検出モジュール1908は、受信した基準信号測定タイミング構成に基づいて、セカンダリセルにおけるビーム障害を検出するように構成される。
【0117】
本開示の別の実施形態において、ビーム障害検出モジュール1908は、N個の連続のビーム障害表示中にすべての測定ビームが障害し、または失われた場合、ビーム障害が検出されたと特定するように構成され、ここで、Nは、測定ビーム上の基準信号の最長周期及び最短周期によって決められる。
【0118】
本開示のさらに別の実施形態において、装置1900は、さらに、CCA障害表示伝送モジュール1909を含む。CCA障害表示伝送モジュール1909は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求のために使用されたプライマリセルのアップリンク制御チャネルでアップリンククリアチャネル評価障害表示を伝送することで、アップリンク伝送のクリアチャネル評価障害をさらに示すように構成される。
【0119】
図20は、本開示の実施形態によるネットワークデバイスのセカンダリセルにおけるビーム障害を処理する装置のブロック図を模式的に示す。装置2000は、例えば、gNBや他の同様のネットワークデバイスなどのネットワークデバイスやノードによって実装されることができる。端末デバイスは、別々のビームでプライマリセル及びセカンダリセルにおいてサービスされ、セカンダリセルは自己スケジューリングモードに基づいて動作する。
【0120】
図2000に示されるように、装置2000は、BFR受信モジュール2001及びBFR応答伝送モジュール2002を含む。BFR受信モジュール2001は、プライマリセルのアップリンク制御チャネルでセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を受信するように構成される。BFR応答伝送モジュール2002は、プライマリセルのダウンリンク制御チャネルでセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への、その後の伝送の伝送構成指示を示すように構成される応答を伝送するように構成される。
【0121】
本開示の一実施形態において、装置2000は、さらに、構成伝送モジュール2003を含む。構成伝送モジュール1903は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するためのプライマリセルのアップリンク制御チャネルの1つ以上のパラメータを示す構成情報を伝送するように構成される。1つ以上のパラメータは、例えば、伝送周期、伝送オフセット、伝送禁止タイマー、及び伝送の最大数の1つ以上を含む。
【0122】
本開示の別の実施形態において、装置2000は、さらに、UL TCI伝送モジュール2004及び特定のUL TCI伝送モジュール2005を含む。UL TCI伝送モジュール2004は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求を伝送するためのプライマリセルのアップリンク制御チャネルに利用可能なアップリンク伝送ビームのセットを示すアップリンク伝送構成指示情報を伝送するように構成される。特定のUL TCI伝送モジュール2005は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の専用のアップリンク制御チャネルの特定のアップリンク伝送ビームを示す特定のアップリンク伝送構成指示情報を伝送するように構成される。このような場合に、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の専用のアップリンク制御チャネル上の特定のアップリンク伝送ビームで受信されることができる。
【0123】
本開示のさらに別の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、直近に使用されたアップリンク伝送ビームで受信されることができる。
【0124】
本開示のさらに別の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、他の制御情報とともにプライマリセルのアップリンク制御チャネルで受信される。または、代わりに、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、当該セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求の優先度が他の制御情報よりも高い場合にのみ受信される。
【0125】
プライマリセル及びセカンダリセルの両方にビーム障害がある場合に、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求は、プライマリセルにおけるビーム障害回復のプロセスが完了した後に受信される。
【0126】
本開示のさらに別の実施形態において、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答は、次のいずれかで伝送される。
● 応答のターゲットキャリアが、暗黙的に導出され、又はターゲットキャリアID伝送は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答に応じて有効になることで、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答にターゲットキャリアIDを含ませる、プライマリセルのビーム障害応答用の制御リソースセット。
● 応答のターゲットキャリアが、暗黙的に導出され、又はターゲットキャリアID伝送は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答に応じて有効になることで、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答にターゲットキャリアIDを含ませる、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答に固有であるプライマリセルの制御リソースセット。
● クロススケジューリングモードがセカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答のモニタリング時間枠中に有効になることで、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答にターゲットキャリアIDを含ませる、プライマリセルの通常の制御リソースセット。
【0127】
本開示のさらに別の実施形態において、装置2000は、さらに、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答を伝送するために使用されたプライマリセルのダウンリンク制御チャネルを受信するダウンリンク受信ビームを示すダウンリンク伝送構成指示情報を伝送するように構成されることができるDL TCI伝送モジュール2006を含んでもよい。このような場合に、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求への応答は、直近に使用されたダウンリンク受信ビームで伝送される。
【0128】
本開示の別の実施形態において、装置2000は、さらに、RS測定タイミング構成伝送モジュール2007及びRS伝送モジュール2008を含む。RS測定タイミング構成伝送モジュール2007は、測定時間枠、伝送周期、及び伝送オフセットのいずれかに関する情報を含む基準信号測定タイミング構成を伝送するように構成される。RS伝送モジュール2008は、基準信号測定タイミング構成に基づいて、基準信号を伝送するように構成される。
【0129】
本開示のさらに別の実施形態において、装置2000は、さらに、CCA障害表示受信モジュール2009を含む。CCA障害表示受信モジュール2009は、セカンダリセルにおけるビーム障害回復要求のために使用されたプライマリセルのアップリンク制御チャネルでアップリンククリアチャネル評価障害表示を受信するように構成される。
【0130】
ここまで、
図19から
図20を参照して装置1900から装置2000を簡単に説明した。装置1900から装置2000は、
図6から
図18を参照して説明した機能を実現するように構成されてもよいことに注意されたい。したがって、これらの装置におけるモジュールの動作の詳細については、
図6から
図18を参照する方法のそれぞれのステップに関して行われたそれらの記述を参照することができる。
【0131】
なお、装置190から装置から装置2000の構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はそれらの任意の組み合わせで具現化されてもよい。例えば、装置1900から装置2000の構成要素は、それぞれ、回路、プロセッサ、又は任意の他の適切な選択肢のデバイスによって具現化されてもよい。
【0132】
前述の例は、例示のためにのみ示されており、限定されるものではなく、本開示はそれに限定されないことが、当業者にとって理解される。本明細書で提供される教示から多くの変形、追加、削除及び修正を容易に想定することができ、これらの変形、追加、削除及び修正はすべて本開示の保護範囲に含まれる。
【0133】
さらに、本開示のいくつかの実施形態では、装置1900から装置2000は、少なくとも1つのプロセッサを備えてもよい。本開示の実施形態と共に使用するために適した少なくとも1つのプロセッサは、一例として、既に知られているかまたは将来開発される汎用及び専用プロセッサの両方を含んでもよい。装置1900から装置2000は、少なくとも1つのメモリをさらに備えてもよい。少なくとも1つのメモリは、例えば、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスどの半導体メモリデバイスを含んでもよい。少なくとも1つのメモリは、コンピュータ実行可能命令のプログラムを格納するために使用されてもよい。プログラムは、ハイレベル及び/またはローレベルの適合可能または解釈可能な任意のプログラミング言語で記述できる。実施形態によれば、コンピュータ実行可能命令は、少なくとも1つのプロセッサにより、装置1900から装置2000に、少なくとも
図6から
図18をそれぞれ参照して説明した方法にかかる動作を実行させるように構成されることができる。
【0134】
図21は、本明細書で説明される、UEのような端末デバイスとして具現化され、又はそれが備えられる装置2110と、gNBのようなネットワークデバイスとして具現化され、又はそれが備えられる装置2120の簡略ブロック図を模式的に示す。
【0135】
装置2110は、データプロセッサ(DP)などの少なくとも1つのプロセッサ2111と、プロセッサ2111に接続される少なくとも1つのメモリ(MEM)2112とを備える。装置2110は、プロセッサ2111に接続される伝送機TX及び受信機RX2113をさらに備えてもよく、伝送機TX及び受信機RX2113は装置2120に通信可能に接続するように動作できる。MEM2112は、プログラム(PROG)2114を格納する。PROG2114は、関連するプロセッサ2111上で実行されると、装置2110が本開示の実施形態、例えば方法600、800、1100、1400に従って動作することをイネーブルする命令を含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサ2111と少なくとも1つのMEM2112の組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適合された処理手段2115を形成することができる。
【0136】
装置2120は、DPなどの少なくとも1つのプロセッサ2111と、プロセッサ2111に接続される少なくとも1つのMEM2122とを備える。装置2120は、プロセッサ2121に接続される適切なTX/RX2123をさらに備えてもよく、TX/RX2123は装置2110と無線通信するように動作できる。MEM2122は、PROG2124を格納する。PROG2124は、関連するプロセッサ2121上で実行されると、装置2120が本開示の実施形態に従って動作し、例えば、方法1500、1600、1700及び1800を実行することをイネーブルする命令を含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサ2121と少なくとも1つのMEM2122との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適合された処理手段2125を形成することができる。
【0137】
本開示の様々な実施形態は、プロセッサ2111、2121のうちの1つ以上によって実行可能なコンピュータプログラム、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0138】
MEM2112及び2122は、ローカルの技術的環境に適した任意のタイプのものでもよく、非限定的な例として、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光学メモリデバイス及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実施されてもよい。
【0139】
プロセッサ2111及び2121は、ローカルの技術的環境に適した任意のタイプでもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0140】
さらに、本開示は、上述のようなコンピュータプログラムを含むキャリアも提供されてもよく、ここで、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体のうちの1つである。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、光学コンパクトディスク、又はRAM(random access memory)、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、磁気テープ、CD-ROM、DVD、Blue-rayディスクなどのような電子メモリデバイスであってもよい。
【0141】
本明細書で説明された技術は、様々な手段で実施されてもよい。そのため、実施形態で説明された対応する装置の1つ又は複数の機能を実施する装置は、従来技術の手段だけでなく、実施形態で説明された対応する装置の1つまたは複数の機能を実施するための手段を備え、別々の機能ごとに別々の手段を備えてもよいし、2つ以上の機能を実施するように設定される手段を備えてもよい。例えば、これらの技術は、ハードウェア(1つ以上の装置)、ファームウェア(1つ以上の装置)、ソフトウェア(1つ以上のモジュール)、またはそれらの組み合わせで実施されてもよい。ファームウェアまたはソフトウェアの場合、本明細書で説明された機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)を介して実施されてもよい。
【0142】
本明細書における例示的な実施形態は、上記のように、方法及び装置のブロック図及びフローチャート図を参照して説明された。ブロック図及びフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及びフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令を含む様々な手段によって実施できることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するための他のプログラマブルデータ処理装置にロードされ、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置で実行される命令が、フローチャートのブロックで特定された機能を実行するための手段を形成するようにしてもよい。
【0143】
本明細書は多くの具体的な実装の詳細を含むが、これらはいかなる実施または特許請求の範囲を限定するものではなく、むしろ特定の実装形態の特定の実施形態に特有の機能の説明として解釈されるべきである。本明細書において別々の実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施されることもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、別々にまたは任意の適切なサブコンビネーションで複数の実施形態で実施されることもできる。さらに、特徴が特定の組み合わせで動作するものとして上記のように説明され、当初はそのように特許請求されていても、請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によって、その組み合わせから除外することができ、請求された組み合わせはサブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションに向けられてもよい。
【0144】
技術の進歩につれて、本発明の概念を様々な方法で実施できることは、当業者にとって明らかである。上記の実施形態は、本開示を限定するものではなく説明するために提供され、当業者が容易に理解するように、本開示の意図及び範囲から逸脱することなく修正及び変更することができる。そのような修正及び変更は、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲内に含まれると見なされる。本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。