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特開2024-126901通信中継方法、通信中継装置、および通信中継プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126901
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】通信中継方法、通信中継装置、および通信中継プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/238 20110101AFI20240912BHJP
   G10L 19/00 20130101ALI20240912BHJP
   H04L 47/56 20220101ALI20240912BHJP
【FI】
H04N21/238
G10L19/00 330F
G10L19/00 330B
H04L47/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035641
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊太朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕和
【テーマコード(参考)】
5C164
5K030
【Fターム(参考)】
5C164MA02S
5C164MA07S
5C164PA41
5C164SB04S
5C164SB21P
5C164SB41S
5C164YA21
5K030HA08
5K030HB01
5K030LA03
5K030MA13
5K030MB15
(57)【要約】
【課題】遠隔地間の合奏に適した通信中継方法を提供する。
【解決手段】通信中継方法は、アナログ音信号を受け付け、受け付けたアナログ音信号をデジタル音信号に変換し、前記デジタル音信号を第1IPパケットにパケット化し、第2IPパケットを受け付けて、前記第1IPパケットを、前記第2IPパケットよりも優先して送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ音信号を受け付け、
受け付けたアナログ音信号をデジタル音信号に変換し、
前記デジタル音信号を第1IPパケットにパケット化し、
第2IPパケットを受け付けて、
前記第1IPパケットを、前記第2IPパケットよりも優先して送信する、
通信中継方法。
【請求項2】
前記第1IPパケットをキューイングし、
前記第1IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記第1IPパケットのサイズを変更する、
請求項1に記載の通信中継方法。
【請求項3】
前記第1IPパケットをキューイングし、
前記第1IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記第2IPパケットのフロー制御を変更する、
請求項1に記載の通信中継方法。
【請求項4】
前記第1IPパケットをキューイングし、
前記第1IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記アナログ音信号を前記デジタル音信号に変換するコーデックを変更する、
請求項1に記載の通信中継方法。
【請求項5】
前記第2IPパケットをキューイングし、
前記第2IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記第1IPパケットのサイズを変更する、
請求項1に記載の通信中継方法。
【請求項6】
前記第2IPパケットをキューイングし、
前記第1IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記アナログ音信号を前記デジタル音信号に変換するコーデックを変更する、
請求項1に記載の通信中継方法。
【請求項7】
所定の特徴を有するデジタル音信号に優先フラグを付与して前記第1IPパケットにパケット化する、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の通信中継方法。
【請求項8】
前記アナログ音信号は、第1オーディオインタフェースから受け付ける第1アナログ音信号と、第2オーディオインタフェースから受け付ける第2アナログ音信号と、を含み、
前記デジタル音信号は、前記第1アナログ音信号に対応する第2デジタル音信号と、前記第2アナログ音信号に対応する第2デジタル音信号と、を含み、
前記第1デジタル音信号および前記第2デジタル音信号のうち所定の特徴を有するデジタル音信号に優先フラグを付与して前記第1IPパケットにパケット化し、
前記優先フラグの付与された前記第1IPパケットを、優先フラグの付与されていない第1IPパケットより優先して送信する、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の通信中継方法。
【請求項9】
アナログ音信号を受け付けるオーディオインタフェースと、
受け付けたアナログ音信号をデジタル音信号に変換するA/D変換器と、
前記デジタル音信号を第1IPパケットにパケット化するパケット化処理部と、
第2IPパケットを受け付ける通信インタフェースと、
前記第1IPパケットを、前記第2IPパケットよりも優先して送信する通信制御部と、
を備えた通信中継装置。
【請求項10】
前記通信制御部は、
前記第1IPパケットをキューイングし、
前記第1IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記第1IPパケットのサイズを変更する、
請求項9に記載の通信中継装置。
【請求項11】
前記通信制御部は、
前記第1IPパケットをキューイングし、
前記第1IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記第2IPパケットのフロー制御を変更する、
請求項9に記載の通信中継装置。
【請求項12】
前記通信制御部は、
前記第1IPパケットをキューイングし、
前記第1IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記アナログ音信号を前記デジタル音信号に変換するコーデックを変更する、
請求項9に記載の通信中継装置。
【請求項13】
前記通信制御部は、
前記第2IPパケットをキューイングし、
前記第2IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記第1IPパケットのサイズを変更する、
請求項9に記載の通信中継装置。
【請求項14】
前記通信制御部は、
前記第2IPパケットをキューイングし、
前記第1IPパケットのキューが所定値に達した場合に前記アナログ音信号を前記デジタル音信号に変換するコーデックを変更する、
請求項9に記載の通信中継装置。
【請求項15】
前記パケット化処理部は、所定の特徴を有するデジタル音信号に優先フラグを付与して前記第1IPパケットにパケット化する、
請求項9乃至請求項14のいずれか1項に記載の通信中継装置。
【請求項16】
前記オーディオインタフェースは、第1アナログ音信号を受け付ける第1オーディオインタフェースと、第2アナログ音信号を受け付ける第2オーディオインタフェースと、を含み、
前記デジタル音信号は、前記第1アナログ音信号に対応する第2デジタル音信号と、前記第2アナログ音信号に対応する第2デジタル音信号と、を含み、
前記パケット化処理部は、前記第1デジタル音信号および前記第2デジタル音信号のうち所定の特徴を有するデジタル音信号に優先フラグを付与して前記第1IPパケットにパケット化し、
前記通信制御部は、前記優先フラグの付与された前記第1IPパケットを、優先フラグの付与されていない第1IPパケットより優先して送信する、
請求項9乃至請求項14のいずれか1項に記載の通信中継装置。
【請求項17】
アナログ音信号を受け付け、
受け付けたアナログ音信号をデジタル音信号に変換し、
前記デジタル音信号を第1IPパケットにパケット化し、
第2IPパケットを受け付けて、
前記第1IPパケットを、前記第2IPパケットよりも優先して送信する、
処理を通信中継装置に実行させる通信中継プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の一実施形態は、通信中継方法、通信中継装置、および通信中継プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の音データおよび映像データを配信する通信装置は、通信装置内にコンテンツ保持部を有し、パケット監視を行い、サーバを経由せずに直接クライアント装置に対してコンテンツを送信することで、ネットワークの負荷を軽減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009-142216
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、音に関して特別な制御を行うものではない。
【0005】
本開示のひとつの態様は、遠隔地間の合奏に適した通信中継方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る通信中継方法は、アナログ音信号を受け付け、受け付けたアナログ音信号をデジタル音信号に変換し、前記デジタル音信号を第1IPパケットにパケット化し、第2IPパケットを受け付けて、前記第1IPパケットを、前記第2IPパケットよりも優先して送信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、遠隔地間の合奏に適した通信中継方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信中継装置1の構成を示すブロック図である。
図2】通信中継装置1の機能ブロック図である。
図3】本実施形態の通信中継方法のうち音信号の処理を示すフローチャートである。
図4】本実施形態の通信中継方法のうち音信号以外のデータの処理を示すフローチャートである。
図5】通信制御部104の送信処理を示すフローチャートである。
図6】変形例1に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。
図7】変形例2に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。
図8】変形例3に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。
図9】変形例4に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。
図10】変形例5に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。
図11】変形例6に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。
図12】変形例7に係る通信中継装置1のハードウェアおよびプロセッサ11の機能ブロック図である。
図13】変形例8に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
図14】利用者端末5Aの構成を示すブロック図である。
図15】変形例8に係る通信中継装置1Aのプロセッサ11の機能ブロック図である。
図16】変形例8に係る通信中継装置1Aのプロセッサ11の受信側処理に係る機能ブロック図である。
図17】変形例9に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
図18】変形例9に係る通信中継装置1Aの構成を示すブロック図である。
図19】変形例9に係る通信中継装置1Aのハードウェアおよび受信側処理に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信中継装置1の構成を示すブロック図である。
【0010】
通信中継装置1は、プロセッサ11、フラッシュメモリ12、RAM13、オーディオインタフェース(I/F)14、A/D変換器15、第1通信I/F16、および第2通信I/F17を備えている。
【0011】
通信中継装置1は、ルータ、スイッチ、あるいは無線LANアクセスポイント等の通信装置である。あるいは、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、セットトップボックス、あるいはオーディオレシーバ等の情報処理装置も通信中継装置として機能する。本実施形態の通信中継装置1は、一例としてルータとして説明する。
【0012】
プロセッサ11は、CPU,DSP、あるいはSoC(System-on-a-Chip)等からなり、記憶媒体であるフラッシュメモリ12に記憶されているプログラムをRAM13に読み出して、通信中継装置1の各構成を制御する。フラッシュメモリ12は、本実施形態の通信中継プログラムを記憶している。プロセッサ11は、当該通信中継プログラムを読み出すことにより、本実施形態の通信中継方法を実行する。
【0013】
オーディオI/F14は、アナログオーディオ端子を有する。オーディオI/F14は、オーディオケーブルを介してアナログ音信号を受け付ける。A/D変換器15は、当該アナログ音信号をデジタル音信号に変換する。デジタル音信号は、非圧縮のリニアPCMの音信号に限らず、圧縮エンコードされた音信号であってもよい。
【0014】
オーディオI/F14には、遠隔地間で合奏を行う利用者が、当該利用者の用いる音響機器(楽器あるいはマイク等)を接続する。なお、オーディオI/F14は、出力用のオーディオ端子を有していてもよい。利用者は、出力用のオーディオ端子にヘッドフォンを接続することで、演奏音をモニタできる。
【0015】
第1通信I/F16は、LANインタフェースであり、例えば有線用のRJ45型端子を有する。第1通信I/F16は、WANインタフェースであり、例えば有線用のRJ45型端子を有する。ただし、第1通信I/F16および第1通信I/F16ともに、有線インタフェースに限らず、無線インタフェースであってもよい。
【0016】
図2は、プロセッサ11の機能ブロック図である。プロセッサ11は、機能的に、パケット化処理部103および通信制御部104を有する。
【0017】
図3は、本実施形態の通信中継方法のうち音信号の処理を示すフローチャートである。オーディオI/F14は、アナログ音信号を受け付ける(S11)。A/D変換器15は、当該アナログ音信号をデジタル音信号に変換する(S12)。パケット化処理部103は、デジタル音信号を第1IPパケットに変換する(S13)。第1IPパケットは、以下、オーディオパケットと称する。通信制御部104は、当該オーディオパケットをキューイングする(S14)。図2に示すQUE for AUDIOは、オーディオI/F14から受け付けてパケット化された、当該オーディオパケットに対応する。
【0018】
図4は、本実施形態の通信中継方法のうち音信号以外のデータの処理を示すフローチャートである。第1通信I/F16は、第2IPパケットであるデータパケットを受け付ける(S21)。データパケットとは、上記オーディオパケット以外のデータをパケット化したものである。通信制御部104は、当該データパケットをキューイングする(S22)。図2に示すQUE for DATAは、第1通信I/F16から受け付けた、当該データに対応する。
【0019】
そして、通信制御部104は、第1IPパケット(オーディオパケット)を、第2IPパケット(データパケット)よりも優先して送信する。図5は、通信制御部104の送信処理を示すフローチャートである。
【0020】
通信制御部104は、キューにオーディオパケットが有るか否かを判断する(S31)。通信制御部104は、S31の判断において、キューにオーディオパケットが有ると判断した場合、当該オーディオパケットを第2通信I/F17から送信する(S32)。通信制御部104は、S31の判断において、キューにオーディオパケットが無いと判断した場合、データパケットを第2通信I/F17から送信する(S33)。
【0021】
この様に、本実施形態の通信中継装置1は、オーディオパケットを優先して送信する。利用者は、本実施形態の通信中継装置1に音響機器を接続して遠隔地と合奏を行うことで音の遅延や途切れを大きく低減することができ、従来では得られなかった快適な遠隔合奏ができるという顧客体験を得ることができる。
【0022】
(変形例1)
図6は、変形例1に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。変形例1に係る通信制御部104は、オーディオパケットのキューを監視する。通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値に達した場合にパケット化処理部103に対してオーディオパケットのデータサイズを変更するように指示する。
【0023】
例えば、通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値に達した場合に、1つのパケットあたりのデータサイズを大きくする。これにより、通信制御部104は、ヘッダの付与数を削減してオーバーヘッド(オーディオデータに対するヘッダのサイズ割合)を削減する。したがって、通信制御部104は、オーディオパケットのキューをいち早く減らすことができ、音の遅延や途切れを大きく低減することができる。また、例えば、通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値未満となった場合に1つのパケットあたりのデータサイズを小さくする。これにより、通信制御部104は、オーディオパケット音の遅延や途切れのおそれが無い場合に、データパケットの待機時間を短くすることができる。
【0024】
(変形例2)
図7は、変形例2に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。変形例2に係る通信制御部104は、オーディオパケットのキューを監視する。通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値に達した場合にA/D変換器15に対して、アナログ音信号をデジタル音信号に変換するコーデックを変更する様に指示する。
【0025】
例えば、通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値に達した場合に、無圧縮のオーディオコーデック(例えばリニアPCM)から圧縮のオーディオコーデック(例えばMP3)に変更する。また、また、通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値に達した場合に、より高い圧縮率のコーデック(例えばMP3からAAC:Advanced Audio Coding)に変更してもよい。なお、コーデックを変更するとは、サンプリング周波数を落とす(例えば96kHzから48kHzに変更する)、あるいはビット数を落とす(例えば24ビットから16ビットに変更する)、等の処理も含む。これによりオーディオパケットのデータサイズが小さくなる。
【0026】
通信制御部104は、オーディオパケットのデータサイズを小さくすることでオーディオパケットのキューをいち早く減らし、音の遅延や途切れを大きく低減することができる。また、例えば、通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値未満となった場合にオーディオパケットのデータサイズを大きくする。これにより、通信制御部104は、オーディオパケット音の遅延や途切れのおそれが無い場合に、より高い音質のオーディオデータを送信することができる。
【0027】
(変形例3)
図8は、変形例3に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。変形例3に係るプロセッサ11は、図2に示した構成に対してさらに優先度設定部151を備える。優先度設定部151は、オーディオパケットおよびデータパケットのヘッダに優先度を付与する。例えば、優先度設定部151は、オーディオパケットのヘッダには最上位の優先度を付与する。
【0028】
通信制御部104は、優先度上位のキューほど先に送信する絶対優先度順方式、待機時間の長いキューほど優先度を上げる動的優先度順方式、あるいは処理時間の上限を定める重み付けラウンドロビン方式等の各種の方式で、オーディオパケットおよびデータパケットを第2通信I/F17から送信する。
【0029】
このように、「第1IPパケットを、第2IPパケットよりも優先して送信する」とは、データパケットのキューよりも先にオーディオパケットのキューを処理する例に限らない。例えば待機時間の長いデータパケットのキューは、オーディオパケットのキューよりも先に処理される場合もある。また、例えば、音信号を送受信するアプリケーションプログラムのデータパケットはオーディオパケットよりも高い優先度を付与されてもよい。音信号を送受信する一例として、遠隔通話用アプリケーションプログラムは、会話音のデータを送受信する。当該会話音のデータは、本発明の第2IPパケットであるデータパケットに対応する。しかし、会話音に係るデータパケットは、第1IPパケットであるオーディオパケットより高い優先度が付与されてもよい。これにより、会話音の途切が低減される。また、音信号を送受信する一例として、遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、演奏音のデータ、メトロノーム音のデータ、オーディオコンテンツに係る音のデータ等を送受信する。当該演奏音のデータ、メトロノーム音のデータ、オーディオコンテンツに係る音のデータ等は、本発明の第2IPパケットであるデータパケットに対応する。しかし、これら演奏音のデータ、メトロノーム音のデータ、オーディオコンテンツに係る音のデータ等のデータパケットは、第1IPパケットであるオーディオパケットより高い優先度が付与されてもよい。これにより、演奏音、メトロノーム音、オーディオコンテンツの音等の途切れが低減される。
【0030】
(変形例4)
図9は、変形例4に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。変形例4に係るプロセッサ11は、図8に示した変形例3に係る構成と同様の構成を備える。変形例4に係る通信制御部104は、オーディオパケットのキューを監視する。通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値に達した場合に第1通信I/F16に対してデータ流入のフロー制御を変更する。
【0031】
例えば、通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値に達した場合に、第1通信I/F16のフロー制御をオンする。第1通信I/F16は、例えばデータ送信元の機器に対してPauseパケットを送信する、あるいはコリジョン信号を送信し、データ流入量を抑制する。これにより、通信制御部104は、オーディオパケットのキューをいち早く減らすことができ、音の遅延や途切れを大きく低減することができる。また、例えば、通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値未満となった場合に第1通信I/F16のフロー制御をオフする。これにより、通信制御部104は、オーディオパケット音の遅延や途切れのおそれが無い場合に、データパケットの待機時間を短くすることができる。
【0032】
(変形例5)
図10は、変形例5に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。変形例5に係る通信制御部104は、データパケットのキューを監視する。通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値に達した場合にパケット化処理部103に対してオーディオパケットのデータサイズを変更するように指示する。
【0033】
例えば、通信制御部104は、データパケットのキューが所定値に達した場合に1つのパケットあたりのデータサイズを大きくする。これにより、通信制御部104は、ヘッダの付与数を削減してオーバーヘッドを削減する。したがって、通信制御部104は、オーディオパケットのキューをいち早く減らすことができ、データパケットの待機時間を短くすることができる。
【0034】
(変形例6)
図11は、変形例6に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。変形例6に係る通信制御部104は、データパケットのキューを監視する。通信制御部104は、データパケットのキューが所定値に達した場合にA/D変換器15に対して、アナログ音信号をデジタル音信号に変換するコーデックを変更する様に指示する。
【0035】
例えば、通信制御部104は、データパケットのキューが所定値に達した場合に、無圧縮のオーディオコーデック(例えばリニアPCM)から圧縮のオーディオコーデック(例えばMP3)に変更する。また、通信制御部104は、オーディオパケットのキューが所定値に達した場合に、より高い圧縮率のコーデック(例えばMP3からAAC:Advanced Audio Coding)に変更してもよい。なお、コーデックを変更するとは、サンプリング周波数を落とす(例えば96kHzから48kHzに変更する)、あるいはビット数を落とす(例えば24ビットから16ビットに変更する)、等の処理も含む。
【0036】
通信制御部104は、オーディオパケットのデータサイズを小さくすることでオーディオパケットのキューをいち早く減らし、データパケットの待機時間を短くすることができる。
【0037】
(変形例7)
図12は、変形例7に係る通信中継装置1のハードウェアおよびプロセッサ11の機能ブロック図である。変形例7に係る通信中継装置1は、第1オーディオI/F14Aと、第2オーディオI/F14Bと、第1A/D変換器15Aと、第2A/D変換器15Bと、を備える。
【0038】
第1オーディオI/F14Aは、第1アナログ音信号を受け付ける。第2オーディオI/F14Bは、第2アナログ音信号を受け付ける。第1A/D変換器15Aは、第1アナログ音信号を第1デジタル音信号に変換する。第2A/D変換器15Bは、第2アナログ音信号を第2デジタル音信号に変換する。
【0039】
利用者は、例えば第1オーディオI/F14Aに楽器を接続し、第2オーディオI/F14Bにマイクを接続する。あるいは、第1利用者が第1オーディオI/F14Aに第1利用者の楽器を接続し、第2利用者が第2オーディオI/F14Bに第2利用者の楽器を接続してもよい。
【0040】
パケット化処理部103は、第1デジタル音信号および第2デジタル音信号のうち所定の特徴を有するデジタル音信号に優先フラグを付与してオーディオパケットを生成する(図中のQUE for AUDIO Priority)。所定の特徴とは、ドラム音またはベース音等の、楽曲におけるリズムを担当する楽器(リズム楽器)の音の特徴である。パケット化処理部103は、受け付けたデジタル音信号の特徴量を抽出する。特徴量とは、例えばスペクトル包絡、パワー、振幅スペクトル、基本周波数、フォルマント周波数、メルスペクトル包絡、メルスペクトル、またはケプストラム等である。パケット化処理部103は、デジタル音信号から抽出した特徴量に基づいて、受け付けたデジタル音信号がリズム楽器の音であるか否かを判定する。例えば、パケット化処理部103は、特徴量とリズム楽器の音とを対応付けたテーブルを参照し、受け付けたデジタル音信号の特徴量を入力して、対応するリズム楽器の音があるか否かを検索する。パケット化処理部103は、対応するリズム楽器の音がある場合に、受け付けたデジタル音信号がリズム楽器の音であると判定する。あるいは、パケット化処理部103は、特徴量とリズム楽器の音との対応関係を訓練した訓練済モデルを用いて、受け付けたデジタル音信号がリズム楽器の音であるか否かを判定してもよい。パケット化処理部103は、当該訓練済モデルに特徴量を入力する。パケット化処理部103は、当該訓練済モデルに入力した特徴量に対してリズム楽器の音であるとの結果を出力した場合に、受け付けたデジタル音信号がリズム楽器の音であると判定する。
【0041】
通信制御部104は、優先フラグの付与されたオーディオパケットを、優先フラグの付与されていないオーディオパケットより優先して送信する。
【0042】
これにより、通信中継装置1は、合奏において重要な楽器の音のオーディオパケットを優先して送信する。利用者は、遠隔地と合奏を行う際に、合奏において重要な音の遅延や途切れを大きく低減することができ、従来では得られなかった快適な遠隔合奏ができるという顧客体験を得ることができる。
【0043】
(変形例8)
図13は、変形例8に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。変形例8に係るネットワークシステムは、第1地点90に設置された通信中継装置1Aおよび第2地点95に設置された通信中継装置1Bを備える。通信中継装置1Aおよび通信中継装置1Bは図1に示した通信中継装置1と同じハードウェア構成である。
【0044】
第1地点90の第1利用者は、通信中継装置1Aに第1利用者の楽器3および利用者端末5Aを接続する。第2地点95の第2利用者は、通信中継装置1Bに第2利用者のマイク7および利用者端末5Bを接続する。
【0045】
図14は、利用者端末5Aの構成を示すブロック図である。なお、利用者端末5Bは利用者端末5Aと同じ構成を有する。
【0046】
利用者端末5Aは、パーソナルコンピュータまたはスマートフォン等の情報処理装置である。利用者端末5Aは、表示器31、ユーザI/F32、フラッシュメモリ33、プロセッサ34、RAM35、通信I/F36、D/Aコンバータ37、およびスピーカ(SP)38を備えている。
【0047】
表示器31は、例えばLED、LCDまたはOLED等からなり、種々の情報を表示する。ユーザI/F32は、表示器31のLCDまたはOLEDに積層されるタッチパネルである。あるいは、ユーザI/F32は、キーボードまたはマウス等であってもよい。ユーザI/F32がタッチパネルである場合、該ユーザI/F32は、表示器31とともに、GUI(Graphical User Interface)を構成する。
【0048】
プロセッサ34は、利用者端末5Aの動作を制御する制御部である。プロセッサ34は、記憶媒体であるフラッシュメモリ33に記憶されたアプリケーションプログラム等の所定のプログラムをRAM35に読み出して実行することにより各種の動作を行なう。本変形例8において、プロセッサ34は、フラッシュメモリ33に記憶された遠隔合奏用アプリケーションプログラムをRAM35に読み出して実行する。
【0049】
遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、ユーザI/F32を介して利用者から指定された遠隔地の利用者の遠隔合奏用アプリケーションプログラムと接続する。本変形例8において、利用者端末5Aの遠隔合奏用アプリケーションプログラムおよび利用者端末5Bの遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、サーバを介さずに直接(Peer to Peerにより)接続してもよい。
【0050】
図15は、変形例8に係る通信中継装置1Aのプロセッサ11の機能ブロック図である。変形例8に係る通信中継装置1Aのパケット化処理部103は、所定の特徴を有するデジタル音信号に優先フラグを付与してオーディオパケットを生成する(QUE for AUDIO Priority)。所定の特徴とは、上述した様にリズム楽器の音の特徴である。パケット化処理部103は、例えば特徴量とリズム楽器の音との対応関係を訓練した訓練済モデルを用いて、受け付けたデジタル音信号がリズム楽器の音であるか否かを判定する。
【0051】
パケット化処理部103は、受け付けたデジタル音信号がリズム楽器の音であると判定した場合に、受け付けたデジタル音信号に優先フラグを付与してオーディオパケットを生成する。
【0052】
図16は、変形例8に係る通信中継装置1Aのプロセッサ11の受信側処理に係る機能ブロック図である。通信制御部104は、送信元の通信中継装置から受信したオーディオパケットおよびデータパケットをキューイングする。
【0053】
通信制御部104は、優先フラグの付与されたオーディオパケットに係るキュー(QUE for AUDIO Priority)を、優先フラグの付与されていないオーディオパケットに係るキューよりも優先的に第1通信I/F16に送信する。また、通信制御部104は、オーディオパケットを、データパケットよりも優先して第1通信I/F16に送信する。
【0054】
第1通信I/F16は、オーディオパケットを利用者端末5Aに送信する。利用者端末5Aの通信I/F36は、オーディオパケットを受信する。プロセッサ34(遠隔合奏用アプリケーションプログラム)は、当該オーディオパケットをデジタル音信号にデコードする。D/Aコンバータ37は、当該デジタル音信号をアナログ音信号に変換する。SP38は、当該アナログ音信号に基づく音を再生する。
【0055】
これにより、利用者は、遠隔合奏用アプリケーションプログラムを用いて遠隔地と合奏を行うことができる。変形例8では、楽器から出力される音信号は、利用者端末を介さずに通信中継装置に入力され、遠隔地に送信される。したがって、変形例8に係るネットワークシステムは、利用者端末に楽器を接続する場合に比べて、音の遅延や途切れをさらに低減することができる。
【0056】
(変形例9)
図17は、変形例9に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。変形例9に係るネットワークシステムの通信中継装置1Aは、オーディオI/F14を介してスピーカ8Aに接続される。また、通信中継装置1Bは、オーディオI/F14を介してスピーカ8Bに接続される。その他の構成は、図13に示した変形例8に係る構成と同一である。 変形例9においても、利用者端末5Aおよび利用者端末5Bの遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、ユーザI/F32を介して利用者から指定された遠隔地の利用者の遠隔合奏用アプリケーションプログラムと接続する。
【0057】
図18は、変形例9に係る通信中継装置1Aの構成を示すブロック図である。通信中継装置1Aおよび通信中継装置1Bは同じハードウェア構成である。
【0058】
変形例9に係る通信中継装置1Aは、さらにD/Aコンバータ19を備える。オーディオI/F14は、出力用のオーディオ端子を有する。利用者は、出力用のオーディオ端子にスピーカ8Aを接続する。
【0059】
図19は、変形例9に係る通信中継装置1Aのハードウェアおよび受信側処理に係るプロセッサ11の機能ブロック図である。送信側のプロセッサ11の機能は、図15に示した機能ブロック図と同じである。
【0060】
変形例9に係るプロセッサ11は、デコーダ109を備える。通信制御部104は、送信先の通信中継装置から受信したオーディオパケットおよびデータパケットをキューイングする。
【0061】
通信制御部104は、優先フラグの付与されたオーディオパケットに係るキュー(QUE for AUDIO Priority)を、優先フラグの付与されていないオーディオパケットに係るキューよりも優先的にデコーダ109に送信する。また、通信制御部104は、オーディオパケットを、データパケットよりも優先してデコーダ109に送信する。
【0062】
デコーダ109は、オーディオパケットをデジタル音信号にデコードする。D/Aコンバータ19は、当該デジタル音信号をアナログ音信号に変換する。オーディオI/F14は、当該アナログ音信号をSP8Aに出力する。SP8Aは、受け付けたアナログ音信号に基づく音を再生する。
【0063】
これにより、利用者は、遠隔合奏用アプリケーションプログラムを用いて遠隔地と合奏を行うことができる。本変形例9において、遠隔地から受信したオーディオパケットは、デコーダ109およびD/Aコンバータ19を介してオーディオI/F14に出力される。変形例9では、遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、利用者から指定された遠隔地の利用者の遠隔合奏用アプリケーションプログラムと接続するためだけに用いられていて、遠隔地から受信したオーディオパケットに係る音信号を受信しない。つまり、変形例9では、遠隔地から送信された音信号を、利用者端末を介さずにスピーカやヘッドフォン等の再生装置に入力する。したがって、変形例9に係るネットワークシステムは、利用者端末に再生装置を接続する場合に比べて、音の遅延や途切れをさらに低減することができる。
【0064】
(その他の例)
本実施形態は、以下の様な遅延対策の構成を採用してもよい。
【0065】
(1)第1の遠隔合奏用アプリケーションプログラムは遠隔地の第2の遠隔合奏用アプリケーションプログラムとの通信遅延時間Tcを測定する。第1の遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、バック演奏の再生指示を受け付けると、第2の遠隔合奏用アプリケーションプログラムに直ちに当該バック演奏の音信号を送信する。第1のアプリケーションプログラムは、測定した通信遅延時間Tcの経過後にバック演奏の音信号を再生する。これにより、第1の遠隔合奏用アプリケーションプログラムの利用者と、第2の遠隔合奏用アプリケーションプログラムの利用者は、同じタイミングでバック演奏を聞くことができる。
【0066】
(2)第1の遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、第2の遠隔合奏用アプリケーションプログラムとの通信開始に応じて、一定時間の間にネットワーク受信用バッファのデータ蓄積状態がフル乃至エンプティになった回数(満空発生回数)を満空カウンタで計測する。第1の遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、計測した満空発生回数に応じてバッファサイズを調整する。例えば、第1の遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、満空発生回数がN以上のときはバッファサイズを拡張し、バッファサイズを拡張しても満空発生回数がN以上のときはバッファサイズを更に拡張する。そして、第1の遠隔合奏用アプリケーションプログラムは、満空発生回数がN未満のときはバッファサイズをそのときの値に確定し、最大バッファサイズまで拡張しても満空発生回数がN以上の場合はバッファサイズの調整を中止する。
【0067】
(3)ネットワークシステムは、接続可能な利用者端末の数を所定の制限台数(例えば3台)に制限してもよい。例えば6つの利用者端末のうち、第1利用者端末、第2利用者端末、第3利用者端末が直接接続され第1セッションルームを構成する。第4利用者端末、第5利用者端末、第6利用者端末が第2セッションルームを構成する。そして、第1セッションルームおよび第2セッションルームにおいて要求が生じる場合、例えば第1利用者端末と第4利用者端末が接続される。接続された第1利用者端末と第4利用者端末は、互いのセッションルームの演奏情報を送受信し、受信した他方のセッションルームの演奏情報を、自身のセッションルーム内の他の端末装置に送信する。
【0068】
(4)遠隔合奏用アプリケーションプログラムまたは通信中継装置は、出力すべき音信号を適切なタイミングで受信できない場合に代替の音信号を出力してもよい。例えば、遠隔合奏用アプリケーションプログラムまたは通信中継装置は、受信したオーディオパケットを受信順にオーディオバッファおよび補間バッファに書き込み、オーディオバッファに格納されているオーディオパケットを格納順に出力する。遠隔合奏用アプリケーションプログラムまたは通信中継装置は、オーディオバッファの未出力のオーディオパケットが減った場合に補間バッファのオーディオパケットから上記未出力のオーディオパケットに続くオーディオパケットを生成してオーディオバッファに書き込む補間を行う。遠隔合奏用アプリケーションプログラムまたは通信中継装置は、オーディオパケットの受信の欠落を検出した場合に、補間バッファのオーディオパケットをバックアップバッファにコピーし、補間バッファをクリアし、補間バッファのオーディオパケットにより上記補間を行えない場合にバックアップバッファのオーディオパケットにより上記補間を行う。 本実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲は、特許請求の範囲と均等の範囲を含む。
【0069】
例えば本発明の通信中継方法を実行する構成は全てを1つのハードウェアに内蔵する必要は無く、各構成は別のハードウェアであってもよい。例えば、図2に示した構成のうちオーディオI/F14、A/D変換器15、およびパケット化処理部103は、オーディオIO機器に内蔵され、通信制御部104がルータに内蔵されていてもよい。
【0070】
また、通信中継装置は、指揮者の映像(特に、指揮者の指揮棒あるいは指揮者の手の映像)に係るデータパケットに優先フラグを付与してもよい。通信中継装置は、映像のデータパケットを受け付けた場合に、映像信号をデコードする。通信中継装置は、指揮者の指揮棒あるいは指揮者の手の映像の特徴量と指揮者との対応関係を訓練した訓練済モデルを用いて、受け付けた映像信号に指揮者の指揮棒あるいは指揮者の手の映像が含まれているか否かを判定する。通信中継装置は、受け付けた映像信号に指揮者の指揮棒あるいは指揮者の手の映像が含まれていると判断した場合に、対応するデータパケットに優先フラグを付与する。通信中継装置は、優先フラグの付与されたデータパケットに係るキューを、優先フラグの付与されていないデータパケットに係るキューよりも優先的に送信する。これにより、合奏において基準となる指揮者の映像の遅延や途切れを大きく低減することができ、従来では得られなかった快適な遠隔合奏ができるという顧客体験を得ることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 :通信中継装置
1A :通信中継装置
1B :通信中継装置
3 :楽器
5A :利用者端末
5B :利用者端末
7 :マイク
8A :スピーカ
8B :スピーカ
11 :プロセッサ
12 :フラッシュメモリ
13 :RAM
14 :オーディオI/F
14A :第1オーディオI/F
14B :第2オーディオI/F
15 :A/D変換器
15A :第1A/D変換器
15B :第2A/D変換器
16 :第1通信I/F
17 :第2通信I/F
19 :D/Aコンバータ
31 :表示器
32 :ユーザI/F
33 :フラッシュメモリ
34 :プロセッサ
35 :RAM
36 :通信I/F
37 :D/Aコンバータ
90 :第1地点
95 :第2地点
103 :パケット化処理部
104 :通信制御部
109 :デコーダ
151 :優先度設定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19