(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126910
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】乳酸菌含有飲料
(51)【国際特許分類】
A23L 2/00 20060101AFI20240912BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20240912BHJP
A23L 2/54 20060101ALI20240912BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240912BHJP
A23L 2/60 20060101ALI20240912BHJP
A23L 2/68 20060101ALI20240912BHJP
A23L 29/231 20160101ALI20240912BHJP
【FI】
A23L2/00 B
A23L2/38 G
A23L2/54
A23L2/52
A23L2/60
A23L2/68
A23L29/231
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035661
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】林 ゆめこ
【テーマコード(参考)】
4B041
4B117
【Fターム(参考)】
4B041LC01
4B041LD10
4B041LH05
4B041LK01
4B041LK05
4B041LK07
4B041LK11
4B041LK42
4B041LK50
4B041LP10
4B117LC02
4B117LC03
4B117LC04
4B117LC14
4B117LE10
4B117LK04
4B117LK06
4B117LK08
4B117LK12
4B117LK13
4B117LK21
4B117LL01
4B117LL02
4B117LP18
(57)【要約】
【課題】乳酸菌と高甘味度甘味料とを含む飲料を飲んだときに感じられる苦味を低減可能な新規な技術を提供する。
【解決手段】 乳酸菌と、高甘味度甘味料とを含有する飲料であって、クエン酸と、ペクチンとをさらに含有し、ペクチンの含有量が0.005g/L以上0.15g/L以下であり、且つ、該飲料の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)が0.05以上0.2以下である、飲料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳酸菌と、高甘味度甘味料とを含有する飲料であって、
クエン酸と、
ペクチンとをさらに含有し、
ペクチンの含有量が0.005g/L以上0.15g/L以下であり、且つ、
該飲料の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)が0.05以上0.2以下である、飲料。
【請求項2】
前記高甘味度甘味料として、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースおよびステビア抽出物からなる群から選択される一種または二種以上を含有する、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
クエン酸由来の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)が0.01以上である、請求項1または2に記載の飲料。
【請求項4】
前記飲料が、炭酸飲料である、請求項1または2に記載の飲料。
【請求項5】
前記飲料が、乳由来成分および/または大豆多糖類を含まない、請求項1または2に記載の飲料。
【請求項6】
乳酸菌と、高甘味度甘味料とを含有する飲料において、
クエン酸、およびその含有量を0.005g/L以上0.15g/L以下としてペクチンを含有させ、
飲料の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)を0.05以上0.2以下に調整することを含む、前記飲料の苦味低減およびすっきり感の改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乳酸菌含有飲料に関し、特に乳酸菌とともに高甘味度甘味料を含む飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
乳酸菌については近年様々な健康への効果が報告されており、それにより乳酸菌含有飲食品に対する注目も高まっている。
乳酸菌を手軽に摂取できる飲食品の一つとして、乳酸菌を含有する飲料が提案されている(例えば特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-209090号公報
【特許文献2】特開2018-153101号公報
【特許文献3】特開2020-178622号公報
【特許文献4】特開2021-036842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、乳酸菌と高甘味度甘味料とを含む飲料を飲んだときに感じられる苦味を低減可能な新規な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
高甘味度甘味料を含む飲料を構成したところ、該飲料においては苦みが感じられた。また、甘味料としての糖類と乳酸菌とを含有した飲料では苦みが感じられなかった。一方で、高甘味度甘味料と乳酸菌を含有した飲料では苦みがより感じられやすかった。
鋭意研究の結果、本発明者は、クエン酸およびペクチンを飲料中に含有させ、さらにペクチンの含有量を0.005g/L以上0.15g/L以下とし、飲料の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)を0.05以上0.2以下にすることで、飲料を飲んだときに感じられる苦味を低減できることを見出した。さらに、本発明者は飲料を当該構成とすることで、すっきり感についても改善できることを見出した。
なお、すっきり感とは、飲用後の後味がスッとなくなるような感覚であり、甘味、苦味、酸味、うまみ、塩味等を含む呈味が飲用後に後引きなく消失されていく感覚をいう。すっきり感が改善する(向上する)と、後味がよりはやくなくなり、口中内に違和感がより残らないようになる。
【0006】
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
乳酸菌と、高甘味度甘味料とを含有する飲料であって、
クエン酸と、
ペクチンとをさらに含有し、
ペクチンの含有量が0.005g/L以上0.15g/L以下であり、且つ、
該飲料の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)が0.05以上0.2以下である、飲料。
[2]
前記高甘味度甘味料として、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースおよびステビア抽出物からなる群から選択される一種または二種以上を含有する、[1]に記載の飲料。
[3]
クエン酸由来の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)が0.01以上である、[1]または[2]に記載の飲料。
[4]
前記飲料が炭酸飲料である、[1]から[3]のいずれか一つに記載の飲料。
[5]
前記飲料が、乳由来成分および/または大豆多糖類を含まない、[1]から[4]のいずれか一つに記載の飲料。
[6]
乳酸菌と、高甘味度甘味料とを含有する飲料において、
クエン酸、およびその含有量を0.005g/L以上0.15g/L以下としてペクチンを含有させ、
飲料の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)を0.05以上0.2以下に調整することを含む、前記飲料の苦味低減およびすっきり感の改善方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乳酸菌と高甘味度甘味料とを含む飲料を飲んだときに感じられる苦味を低減可能な新規な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態は、乳酸菌と、高甘味度甘味料とを含有する飲料に関する。本実施形態の飲料は、クエン酸と、ペクチンとをさらに含有し、ペクチンの含有量が0.005g/L以上0.15g/L以下であり、酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)が0.05以上0.2以下である。
【0009】
本実施形態の飲料に含まれる乳酸菌とは、糖類から発酵によって乳酸を生成する嫌気性の微生物をいう。含有される乳酸菌としては特に限定されず、一般的に食品に用いられるものを例示でき、例えば、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属に属する乳酸菌を例示することができる。また、これらのうち複数の乳酸菌が飲料中に含有されるようにしてもよい。
ラクトバチルス属に属する乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus amylovorus)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・クリスパータス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・デルブレッキイ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ムコーサエ(Lactobacillusmucosae)、ラクトバチルス・オリス(Lactobacillus oris)、ラクトバチルス・パラブフネリー(Lactobacillus parabuchneri)、ラクトバチルス・ロイテリー(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・バギナリス(Lactobacillus vaginalis)などが挙げられる。このうち、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)などが、本発明の構成を適用することで苦味をより低減できるため、好ましい。
【0010】
本実施形態の飲料において、乳酸菌の含有量は特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、健康機能性の観点から0.01g/L以上が好ましく、苦味低減の観点から5g/L以下が好ましい。
乳酸菌の含有量は、例えば飲料の製造に用いられる原材料に基づき算出することで得ることができる。
また、本実施形態の飲料に含まれる乳酸菌は生菌および死菌のいずれであってもよい。死菌は、例えば、生菌に対して加熱、紫外線照射、酸処理などを行うことにより得ることができる。
【0011】
本実施形態の飲料に含まれる高甘味度甘味料とは、ショ糖に比べて強い甘味(例えば数百倍から数千倍)を有する天然甘味料および合成甘味料をいう。
高甘味度甘味料としては、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物(レバウディオサイドAなど)、ネオテーム、アリテーム、モナチン、タウマチン、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、ラカンカ抽出物(モグロシド)および甘茶抽出物(フィロズルチン)などを挙げることができ、例えばこれらのうち1種または2種以上を含有するようにすることができる。
このうち、本発明の構成を適用することで苦味をより抑えることができるため、高甘味度甘味料として、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースおよびステビア抽出物からなる群から選択される一種または二種以上を含有することが好ましい。
【0012】
本実施形態の飲料において、高甘味度甘味料の含有量は特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。
一方で、高甘味度甘味料としてスクラロース、アスパルテーム、およびアセスルファムカリウムのうち1種または2種以上を含有する場合には、その合計量で0.001g/L以上1g/L以下であることが、苦味を効果的に抑える観点から好ましい。また、高甘味度甘味料としてステビア抽出物を含有する場合には、苦味を効果的に抑える観点から0.001g/L以上1g/L以下であることが好ましい。
高甘味度甘味料の含有量は、例えば飲料の製造に用いられる原材料に基づき算出することで得ることができるほか、高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)によって測定することもできる。
【0013】
本実施形態の飲料は、さらにクエン酸とペクチンとを含有する。
クエン酸は、2-hydroxypropane-1,2,3-tricarboxylic acidとも称される、有機酸の一つである。
本実施形態の飲料に係るクエン酸としては、無水クエン酸およびその水和物が挙げられ、これらの一方または両方が含有される。なお、ここでいうクエン酸にはクエン酸の塩は含まれない。
クエン酸の含有量は特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、苦味の低減およびすっきり感改善の観点から、0.4g/L以上が好ましく、0.4g/L以上2.0g/L以下がより好ましい。
クエン酸の含有量は、例えば飲料の製造に用いられる原材料に基づき算出することで得ることができる。
【0014】
また、ペクチンとは、ガラクツロン酸がα-1,4結合したポリガラクツロン酸を主成分とした増粘多糖類である。ペクチンを構成するガラクツロン酸は部分的にメチルエステル化されており、エステル化度によってLM(低メトキシル)ペクチンとHM(高メトキシル)ペクチンとに分類される。
HMペクチンは、エステル化度が50%以上であるものをいい、LMペクチンは、エステル化度が50%未満であるものをいう。風味や製造適正の観点から、HMペクチンが本実施形態の飲料に含有されることが好ましい。
【0015】
本実施形態の飲料において、ペクチンの含有量は0.005g/L以上0.15g/L以下である。また、すっきり感の改善および飲料のおいしさの観点から、ペクチンの含有量は0.01 g/L以上0.1 g/L以下が好ましい。
【0016】
本実施形態の飲料は、飲料全体の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)が0.05以上0.2以下である。酸度が0.05以上0.2以下であることで、飲料のすっきり感を改善でき、好ましい。また、すっきり感の改善および飲料のおいしさの観点から、飲料の酸度は0.05以上0.17以下が好ましく、おいしさの観点から0.1以上0.17以下が好ましい。
本明細書において、酸度とは、飲料100ml中に含まれる酸の量をクエン酸に換算した場合のグラム数[無水クエン酸g/100ml]を指す。飲料の酸度は、JAS規格の酸度測定法に定められた方法、具体的には、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)により測定できる。なお、飲料が後述する炭酸飲料である場合には、酸度の測定に供する前に炭酸ガスを常法により脱気した後、測定に供する。
酸度は、例えば、上述のクエン酸のほか、飲料中に含まれる有機酸量を調整することで調整することができる。
また、本実施形態の飲料において、クエン酸由来の酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)は、苦味の低減およびすっきり感改善の観点から、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましい。
【0017】
本実施形態の飲料は、本発明の目的を達成できる範囲で他の成分を含有してもよく、特に限定されない。他の成分として、例えば、高甘味度甘味料以外の甘味料、食塩、抗酸化剤、酸味料、pH調整剤、香料、色素、果汁、野菜汁、エキス、ビタミン類、アミノ酸、食物繊維、消泡剤、ミネラルなどが挙げられる。
例えば、本実施形態の飲料は、乳酸を含有してもよい。一方で、本実施形態の飲料において、苦味の低減とおいしさ、すっきり感の改善の観点から、乳酸を非含有であるか、乳酸を含有し、乳酸/クエン酸の値が0より大きく1.5以下である関係を満たすことが好ましく、より好ましくは0より大きく0.4以下である。
【0018】
また、本発明の構成を適用することで苦味をより抑えることができるため、本実施形態の飲料は炭酸ガスを含有する炭酸飲料であることが好ましい。炭酸ガスのガスボリュームは特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、1.0以上5.0以下が好ましく、2.0以上4.0以下がより好ましい。
【0019】
また、本発明の構成を適用することで苦味をより抑えることができるため、本実施形態の飲料はそのカロリーが5Kcal/100ml未満の飲料であることが好ましい。
【0020】
また、本実施形態の飲料はエタノールなどのアルコールを含有する飲料であってもよく、また、アルコールを実質的に含有しない飲料(具体的には、アルコールの含有量が1.0体積/体積%未満の飲料)であってもよい。
また、本実施形態に係る飲料においてpHは特に限定されず、例えばpH2.5以上4.2以下とすることができる。
【0021】
一方で、本発明の構成を適用することで苦味をより抑えることができるため、本実施形態の飲料は、乳由来成分および/または大豆多糖類を非含有であることが好ましい。
本明細書において、乳由来成分とは、牛などの乳から得られ、乳糖(ラクトース)を含む成分をいう。乳由来成分としては生乳、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、脱脂乳、部分脱脂乳、練乳等を挙げることができる。
また、大豆多糖類とは、大豆に由来する水溶性の多糖類をいう。
【0022】
本実施形態の飲料は、例えば、原料水に、乳酸菌、高甘味度甘味料、クエン酸、その含有量が0.005g/L以上0.15g/L以下であるペクチン、必要に応じて加えられるその他の成分を添加し、酸度(無水クエン酸酸度g/100mL)を0.05以上0.2以下に調整することで製造することができる。成分を添加する方法や順序などは特に限定されず、当行者が適宜設定できる。上記の原料水は、水自体のほか、含有されるその他の成分の溶液等であってもよい。
また、含有成分は、それぞれが単独で配合されても、また、他の含有成分と共に配合されるようにしてもよく、特に限定されない。
【0023】
本実施形態に係る飲料は、容器に封入された容器詰飲料とすることができる。
容器への封入方法などは特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。
容器も公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、ビン、ペットボトル等のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶などが挙げられる。
【0024】
以上、本実施形態によれば、乳酸菌および高甘味度甘味料を含有する飲料を飲んだときに感じられる苦味を抑えることができるとともに、すっきり感も改善することができる。そのため、飲料の商品価値の向上に寄与することが可能である。
【実施例0025】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0026】
<各試験における官能評価>
以下に示す各試験1~7については、下記の通り、官能評価を実施した。
試験1~3、6および7では「おいしさ」「苦味」「すっきり感」「もったり感」の4項目を評価した。
試験4および5では「おいしさ」「苦味」「すっきり感」の3項目を評価した。
試験1、2、4、5では飲料1を、試験3では飲料12を、試験6では飲料23を、試験7では飲料25、27、29、31を対照として用いた。
【0027】
なお、もったり感とは、濃厚で粘りがあるように感じられることをいう。
【0028】
各官能評価は5名のパネリストにより行った。4点を対照品と同等として7段階で評価した。
1点(対照品より思わない、弱い、悪い)<4点(対照品と同等)<7点(対照品よりそう思う、強い、良い)
【0029】
[試験A(参考)]
水に以下の表1に示す成分を添加するとともに、表1に示すガスボリュームで炭酸ガスを含有させ、容器詰め炭酸飲料を調製した。
得られた飲料について官能評価を実施した。結果を表2に示す。
なお、当該試験Aでの官能評価は5名のパネリストにより行い、4点を対照品と同等として甘さおよび苦味について7段階で評価した。
1点(対照品より、弱い)<4点(対照品と同等)<7点(対照品より強い)
【0030】
【0031】
【0032】
以上の表2のとおり、高甘味度甘味料を含む飲料では苦みが感じられた。また、グラニュー糖と乳酸菌を含有した飲料では苦みが感じられにくく、高甘味度甘味料と乳酸菌を含有した飲料では苦みがより感じられやすかった。
【0033】
[試験1]
水に表3に示す成分を添加するとともに、表1に示すガスボリュームで炭酸ガスを含有させ、容器詰め炭酸飲料を調製した。
得られた飲料について官能評価を実施した。結果を表4に示す。
【0034】
【0035】
【0036】
表4から、実施例の飲料において対照と比較して苦味の強さが低減され、すっきり感も改善していることが理解できる。
【0037】
[試験2]
ペクチンの代わりに大豆多糖類を用いた。
水に表5に示す成分を添加するとともに、表5に示すガスボリュームで炭酸ガスを含有させ、容器詰め炭酸飲料を調製した。該飲料について官能評価を行い、大豆多糖類を用いた場合にもペクチンを用いた場合と同様の効果を得られるかの確認を行った。
結果を表6に示す。
【0038】
【0039】
【0040】
表6から理解できるとおり、ペクチンに代えて大豆多糖類を添加しても苦味の低減、およびすっきり感の向上効果は見られなかった。
【0041】
[試験3]
水に表7に示す成分を添加し、容器詰め飲料を調製した。
得られた飲料について官能評価を実施した。結果を表8に示す。
【0042】
【0043】
【0044】
表8から理解できるとおり、実施例の飲料において苦味の低減、すっきり感の向上が確認された。
【0045】
[試験4]
水に表9に示す成分を添加するとともに、表9に示すガスボリュームで炭酸ガスを含有させ、容器詰め炭酸飲料を調製した。
得られた飲料について官能評価を実施した。結果を表10に示す。
【0046】
【0047】
【0048】
表10から理解できるとおり、実施例の飲料において苦味の低減、すっきり感の向上が確認された。
【0049】
[試験5]
水に表11に示す成分を添加するとともに、表11に示すガスボリュームで炭酸ガスを含有させ、容器詰め炭酸飲料を調製した。
得られた飲料について官能評価を実施した。結果を表12に示す。
【0050】
【0051】
【0052】
表12から理解できるとおり、実施例の飲料において苦味の低減、すっきり感の向上が確認された。
【0053】
[試験6]
乳酸菌をラクトバチルス・ガセリに代えてラクトバチルス・アシドフィラスとした。
水に表13に示す成分を添加するとともに、表13に示すガスボリュームで炭酸ガスを含有させ、容器詰め炭酸飲料を調製した。
得られた飲料について官能評価を実施した。結果を表14に示す。
【0054】
【0055】
【0056】
表14から理解できるとおり、実施例の飲料において苦味の低減、すっきり感の向上が確認された。
【0057】
[試験7]
水に以下の表15に示す成分を添加するとともに、表15に示すガスボリュームで炭酸ガスを含有させ、容器詰め炭酸飲料を調製した。
得られた飲料について官能評価を実施した。結果を表16~19に示す。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
表16~19から理解できるとおり、実施例の飲料においては苦味の低減、すっきり感の向上が確認された。