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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126919
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】保護部材取り付け装置
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/02 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B23P19/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035675
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】山川 洋平
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕司
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030BC13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】保護部材の孔径や孔の形状が変動しても段取り変え作業が不要であり、また、保護部材を平置きされた状態から簡単に中空円筒状物品の開口端に取り付けることが可能な保護部材取り付け装置を提供すること。
【解決手段】中空円筒状物品の開口端に、保護部材を、取り付ける保護部材取り付け装置1であって、本体部2と、保護部材の孔に挿入可能であり、孔の内壁を押圧することにより、保護部材を保持可能なチャック機構4と、チャック機構4が固定して配置され、チャック機構4の軸方向が鉛直方向と水平方向との間で直角に回動可能となるように、本体部2の上部に回動可能に取り付けられた回動部3と、回動部3を回動させる第1駆動機構5と、本体部2を、水平方向における一方向に移動可能に支持する移動支持機構6と、本体部2を、移動させる第2駆動機構と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空円筒状物品の開口端に、
中心部に孔を有する板状の保護部と、前記保護部の一方の面に配置され、前記中空円筒状物品の前記開口端に嵌合可能な凸部と、を有する保護部材を、取り付ける保護部材取り付け装置であって、
本体部と、
前記保護部材の前記孔に挿入可能であり、前記孔の内壁を押圧することにより、前記保護部材を保持可能なチャック機構と、
前記チャック機構が固定して配置され、前記チャック機構の軸方向が鉛直方向と水平方向との間で直角に回動可能となるように、前記本体部の上部に回動可能に取り付けられた回動部と、
前記回動部を回動させる第1駆動機構と、
前記本体部を、水平方向における一方向に移動可能に支持する移動支持機構と、
前記本体部を、移動させる第2駆動機構と、を有する、保護部材取り付け装置。
【請求項2】
前記チャック機構は、エアバルーンチャックである、請求項1に記載の保護部材取り付け装置。
【請求項3】
前記第1駆動機構が、エアシリンダを含む、請求項1に記載の保護部材取り付け装置。
【請求項4】
前記移動支持機構が、スライドレールを有する、請求項1に記載の保護部材取り付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、中空円筒状物品の開口端に保護部材を取り付ける保護部材取り付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、製品ロール等の中空円筒状物品に部材を取り付ける装置として、外部から供給される部材を保持し、中空円筒状物品の軸方向に進行させて取り付ける装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ピンによって円筒状物へ取り付ける蓋状のフランジを受け取って保持し、円筒状物の軸方向に前進するのに伴い、90度回動させ、フランジの取り付けを行うフランジ圧入装置が開示されている。しかし、ピンが受ける部材の内径が変更となった場合に、異なる外径のピンと交換する段取り替え作業が必要である。
【0004】
特許文献2には、拡径するチャック機構によって椀型のプラグを保持し、円筒状物の軸方向に前進することで、部材の取り付けを行う圧入装置が開示されている。しかし、平置きされた部材を供給する際には、方向転換の機構が別に必要であり、方向転換のための時間も必要である。
【0005】
近年、中空円筒状物品の開口端に取り付けられる部材として、中心部に孔を有する板状の保護部と、保護部の一方の面に配置され、中空円筒状物品の開口端に嵌合可能な凸部と、を有する保護部材を、取り付ける場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3374524号公報
【特許文献2】特開2017-127924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、上記事情に鑑みてなされた発明であり、保護部材の孔径や孔の形状が変動しても段取り変え作業が不要であり、また、保護部材を平置きされた状態から簡単に中空円筒状物品の開口端に取り付けることが可能な保護部材取り付け装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、中空円筒状物品の開口端に、中心部に孔を有する板状の保護部と、上記保護部の一方の面に配置され、上記中空円筒状物品の上記開口端に嵌合可能な凸部と、を有する保護部材を、取り付ける保護部材取り付け装置であって、本体部と、上記保護部材の上記孔に挿入可能であり、上記孔の内壁を押圧することにより、上記保護部材を保持可能なチャック機構と、上記チャック機構が固定して配置され、上記チャック機構の軸方向が鉛直方向と水平方向との間で直角に回動可能となるように、上記本体部の上部に回動可能に取り付けられた回動部と、上記回動部を回動させる第1駆動機構と、上記本体部を、水平方向における一方向に移動可能に支持する移動支持機構と、上記本体部を、移動させる第2駆動機構と、を有する、保護部材取り付け装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、保護部材の孔径や孔の形状が変動しても段取り変え作業が不要であり、また、保護部材を平置きされた状態から簡単に中空円筒状物品の開口端に取り付けることが可能な保護部材取り付け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の保護部材取り付け装置の一例を示す概略側面図および概略上面図である。
図2】本開示における中空円筒状物品の一例を示す概略斜視図および概略断面図である。
図3】本開示における保護部材の一例を示す概略斜視図および概略断面図である。
図4】本開示の保護部材取り付け装置の作動機構を説明する概略側面図である。
図5】本開示の保護部材取り付け装置の作動機構を説明する概略側面図である。
図6】本開示の保護部材取り付け装置の作動機構を説明する概略側面図である。
図7】本開示の保護部材取り付け装置の作動機構を説明する概略側面図である。
図8】本開示の保護部材取り付け装置の作動機構を説明する概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0012】
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
【0013】
以下、本開示の保護部材取り付け装置について説明する。
図1(a)は、本開示の保護部材取り付け装置の一例を示す概略側面図であり、図1(b)は、図1(a)の保護部材取り付け装置の概略上面図である。図2(a)は、本開示における中空円筒状物品の一例を示す概略斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の概略断面図である。図3(a)は、本開示における保護部材の一例を示す概略斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の概略断面図である。
【0014】
本開示の保護部材取り付け装置は、図2に例示する中空円筒状物品10の開口端Eに、図3に例示する保護部材20を取り付けるための保護部材取り付ける装置である。
【0015】
図1に示す本開示の保護部材取り付け装置1は、本体部2と、図3に例示する保護部材20の孔Oに挿入可能であり、孔Oの内壁を押圧することにより、保護部材20を保持可能なチャック機構4と、チャック機構4が固定して配置され、チャック機構4の軸方向Pが鉛直方向と水平方向との間で直角に回動可能となるように、本体部2の上部に回動可能に取り付けられた回動部3と、回動部3を回動させる第1駆動機構5と、本体部2を水平方向における一方向に移動可能に支持する移動支持機構6と、本体部2を移動させる不図示の第2駆動機構と、を有する。
【0016】
本明細書において、「直角」とは90度に限定されず、90度±5度を意味する。90度±5度の範囲であれば、保護部材を平置きされた状態から簡単に中空円筒状物品の開口端に取り付けることが可能となる。中でも、90度であることが好ましい。「水平方向」とは、水平面に対して平行である方向を含み、さらには、水平面に対して平行な方向と5°以下の範囲の傾斜をなす方向も含むものとする。「鉛直方向」とは、水平面に対して垂直な方向を含み、さらには水平面に対して垂直な方向と5°以下の範囲の傾斜をなす方向も含むものとする。
【0017】
次に、図4図8を用いて、本開示の保護部材取り付け装置の作動機構について、詳述する。
【0018】
まず、図4に示すように、本開示の保護部材取り付け装置1に保護部材20を供給し、チャック機構4により保護部材20をチャックして保持する。保護部材20の供給は、人手または自動で行うことができる。本開示の保護部材取り付け装置1であれば、保護部材の供給時において、チャック機構4の軸方向Pを鉛直方向とすることができる。そのため、図4の右図に示すような複数の保護部材20が平置きで積層された状態、即ち、各保護部材20の孔の軸方向が鉛直方向である状態から、保護部材の向きを変更する必要がない。従って、平置きされた保護部材の方向転換に要する時間および機構が不要となる。
【0019】
次に、図5に示すように、第1駆動部5によって、回動部3を本体部2側に直角に回動させることによって、チャック機構4の軸方向Pが鉛直方向から水平方向に直角に回動する。これに伴い、チャック機構4により保持されている保護部材20も直角に回動する。例えば、図1に示すように、第1駆動部5に含まれるスライド部51がDx1方向に移動することによって、押圧部52による回動部3の押圧が解かれ、チャック機構4の軸方向Pが水平方向(回動部の配置面Sの面方向が鉛直方向)となる。
【0020】
次に、図6に示すように、図示しない第2駆動機構によって、本体部2を、中空円筒状物品の軸方向に延びる移動支持機構6に沿って移動させ、中空円筒状物品10の開口端Eに保護部材20を圧入する。これにより、中空円筒状物品10の開口端Eに保護部材20の凸部22が嵌合し、中空円筒状物品10の開口端Eが保護部材20で保護される。
【0021】
次に、図7に示すように、チャック機構4による保護部材20の保持を解除し、図示しない第2駆動機構によって、本体部2を、移動支持機構6に沿って中空円筒状物品10とは反対側に移動させる。次いで、図8に示すように、第1駆動部5によって、回動部3を、チャック機構4の軸方向Pが鉛直方向となるように、直角に回動させる。例えば、図8に示すように、第1駆動部5に含まれるスライド部51がDx2方向に移動することによって、押圧部52によって回動部3が押圧され、チャック機構4の軸方向Pが鉛直方向(回動部の配置面Sの面方向が水平方向)となる。これにより、初期状態に戻る。
【0022】
本開示によれば、保護部材の孔径や孔の形状が変動しても、チャック機構によって孔の内壁を押圧することによって保護部材を保持するため、治具の段取り替え作業が不要である。また、保護部材を、平置きされた状態から簡単に中空円筒状物品の開口端に取り付けることが可能となる。
【0023】
1.本体部
本開示における本体部は、回動部を支持することが可能であれば、特に限定されない。図1に示すように、本体部2は、鉛直方向に沿って配置される複数の第1柱状部材2Aを有することが好ましい。第1柱状部材2Aの数は、4本以上であることが好ましく、8本以上であってもよい。また、本体部2は、水平方向に沿って配置され、第1柱状部材を連結する第2柱状部材2Bを有していても良い。
【0024】
本体部は、上述したように、複数の第1柱状部材および複数の第2柱状部材によって構成されていてもよいし、例えば、複数の板状部材から構成されていてもよい。
【0025】
2.チャック機構
本開示の保護部材取り付け装置は、図1に示すように、保護部材20の孔Oに挿入可能であり、孔Oの内壁を押圧することにより、保護部材20を保持可能なチャック機構4を有する。チャック機構4としては、例えばエアバルーンチャック、複数のエアシリンダを搭載したチャックが挙げられる。本開示においては、エアバルーンチャックが好ましい。エアバルーンチャックは、部品点数が少なく、コストダウンおよび保守運用上のメリットがあるためである。エアバルーンチャックは、コンプレッサから供給される圧縮空気によって、ゴム製バルーンを膨らませることによって、孔Oの内壁に対して押圧することで、保護部材を保持することができる。複数のエアシリンダを搭載したチャックは、コンプレッサから供給される圧縮空気によってエアシリンダが伸縮し、孔Oの内壁に対して押圧することで、保護部材を保持することができる。
【0026】
本開示において、チャック機構4の軸方向Pとは、保持する保護部材の孔の中心軸と同一方向をいう。
【0027】
3.回動部
本開示の保護部材取り付け装置は、図1に示すように、回動部3を有する。回動部3は、チャック機構4が固定して配置され、チャック機構4の軸方向Pが鉛直方向と水平方向との間で直角に回動可能となるように、本体部2の上部に回動可能に取り付けられている。回動部3は、例えば、図示しないヒンジ等の接続部材を介して、本体部2の上部に接続されている。
【0028】
回動部は、チャック機構が配置可能であり、チャック機構が上述のように回動可能となるように本体部に取り付けられていれば、特に限定されない。回動部は、初期状態(図1)においてチャック機構の配置面Sの面方向が水平方向であり、保護部材の取り付け時(図6)においてチャック機構の配置面Sの面方向が鉛直方向であることが好ましい。配置面Sは、初期状態(図1)において、回動部3の上面であり、かつ、保護部材の取り付け時(図6)において、中空円筒状物品10に対向する面であることが好ましい。
【0029】
回動部の形状は特に限定されないが、図1(b)に示すように、複数の矩形柱状部材3A、3Bが組み合わされた組立て体であることが好ましい。
【0030】
図1に示すように、回動部は、本体部2との接続部Yを回動軸として、配置面Sの面方向が鉛直方向と水平方向との間で直角に回動可能となるように取り付けられていることが好ましい。
【0031】
4.第1駆動機構
本開示の保護部材取り付け装置は、回動部を回動させる第1駆動機構を有することが好ましい。図1に示すように、第1駆動機構5は、回動部3を背面から押圧することによって、回動部3の配置面Sを水平方向(軸方向Pが鉛直方向)とし、押圧を解除することによって、回動部3の配置面Sを鉛直方向(軸方向Pが水平方向)とすることが可能であることが好ましい。
【0032】
第1駆動機構の具体的構成は特に限定されないが、例えば、図1に示すように、回動部3を背面から押圧する押圧部52と、押圧部52に接続されたスライド部51とを有することが好ましい。例えば、図1に示すように、スライド部51がDx1方向に移動することによって、押圧部52による押圧が解かれ、回動部の配置面Sの面方向が鉛直方向(軸方向Pが水平方向)となる。また、第1駆動機構5は、スライド部をスライドさせるためのエアシリンダ等を含むことが好ましい。上記押圧およびその解除が容易となるためである。
【0033】
5.移動支持機構
本開示の保護部材取り付け装置は、本体部を、水平方向における一方向に移動可能に支持する移動支持機構を有する。移動支持機構を有することにより、本体部を中空円筒状物品に向かって、中空円筒状物品の軸方向に直線的に移動させることができる。そのため、中空円筒状物品と保護部材の位置合わせが容易となり、中空円筒状物品の開口端にずれなく、保護部材を取り付けることが可能となる。
【0034】
図1(b)に示すように、移動支持機構6は、水平方向における一方向に延伸する2本の平行なスライドレール6a,6bを含むことが好ましい。この場合、スライドレールに沿って移動するスライド駒を有することが好ましい。本体部を、スライド駒を介してスライド可能に支持することができる。
【0035】
6.第2駆動機構
本開示の保護部材取り付け装置は、本体部を、移動させる第2駆動機構を有する。第2駆動機構としては、エアシリンダやモーター等の公知の駆動手段を使用できる。
【0036】
7.中空円筒状物品
本開示における中空円筒状物品は、例えば、中空円筒状の巻き芯と、巻き芯に巻回された製品フィルムと、を備える製品ロールを有することが好ましい。また、図2(a)に示すように、中空円筒状物品10は、製品ロールの胴部が、製品ロールのロール幅よりも大きい幅を有する包装シートで巻き付けられ、製品ロールの両端面より突出した余剰部分が中空部に収斂されていることが好ましい。包装シートとしては、例えば、アルミ蒸着フィルムが好ましい。防湿性に優れるためである。
【0037】
中空円筒状物品の内径(図2(b)の符号D1)としては、特に限定されないが、例えば、6.0cm以上であり、7.0cm以上であってもよい。一方、例えば、10cm以下であり、8.0cm以下であってもよい。
【0038】
中空円筒状物品の外径(図2(b)の符号D2)としては、特に限定されないが、例えば、20cm以上であり、25cm以上であってもよく、30cm以上であってもよい。一方、例えば、60cm以下であり、50cm以下であってもよく、45cm以下であってもよい。
【0039】
中空円筒状物品は、保護部材の取り付け時において、胴受けまたは軸受けの状態で保持されていることが好ましい。
【0040】
8.保護部材
図3に示すように、本開示における保護部材20は、中心部に孔Oを有する板状の保護部21と、保護部の一方の面に配置され、中空円筒状物品の開口端に嵌合可能な凸部22と、を有する。凸部22は、例えば、孔Oの周縁に配置された中心凸部22aと、保護部21の外縁に配置された外縁凸部22bと、を有する。
【0041】
保護部材の平面視形状としては、特に限定されないが、略正方形、略円形等が挙げられる。保護部材の大きさは、特に限定されないが、図3に示すように保護部材20が略正方形の場合、保護部材20の一辺の長さLが中空円筒状物品の外径D2よりも大きいことが好ましい。また、保護部材が略円形である場合、保護部材の直径が、中空円筒状物品の外径よりも大きいことが好ましい。中空円筒状物品を床等に載置した時に、中空円筒状物品が直接床面に接触することを防止することができる。
【0042】
保護部材における孔Oの平面視形状は、特に限定されないが、例えば、略円形状、略矩形状等が挙げられる。孔Oの孔径Loは、特に限定されないが、例えば、5.0cm以上であり、6.0cm以上であってもよい。一方、例えば、7.5cm以下であり、7.0cm以下であってもよい。本開示において、孔径は、開口部の内接円の直径である。
【0043】
図4の右図に示すように、保護部材は、一般的に、平置きで積層された状態で入荷される。本開示の保護部材取り付け装置は、直角に回動可能な回動部を有しているため、平置きされた保護部材を供給する際に、保護部材の反転操作が不要となる。
【0044】
9.保護部材取り付け装置
本開示の保護部材取り付け装置によれば、上述のように、中空円筒状物品の一方の開口端に、保護部材を取り付けることができる。一方の開口端に保護部材が取り付けられた中空円筒状物品は、通常、後工程において他方の開口端にも保護部材が取り付けられる。この際に、再度、本開示の保護部材取り付け装置を用いることが好ましい。
【0045】
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
【0046】
このように、本開示においては、例えば、以下の発明が提供される。
【0047】
[1]
中空円筒状物品の開口端に、
中心部に孔を有する板状の保護部と、前記保護部の一方の面に配置され、前記中空円筒状物品の前記開口端に嵌合可能な凸部と、を有する保護部材を、取り付ける保護部材取り付け装置であって、
本体部と、
前記保護部材の前記孔に挿入可能であり、前記孔の内壁に対して前記孔の軸方向と直交する方向に押圧することにより、前記保護部材を保持可能なチャック機構と、
前記チャック機構が固定して配置され、前記チャック機構の軸方向が鉛直方向と水平方向との間で直角に回動可能となるように、前記本体部の上部に回動可能に取り付けられた回動部と、
前記回動部を回動させる第1駆動機構と、
前記本体部を、水平方向における一方向に移動可能に支持する移動支持機構と、
前記本体部を、移動させる第2駆動機構と、を有する、保護部材取り付け装置。
【0048】
[2]
前記チャック機構は、エアバルーンチャックである、[1]に記載の保護部材取り付け装置。
【0049】
[3]
前記第1駆動機構が、エアシリンダを含む、[1]または[2]に記載の保護部材取り付け装置。
【0050】
[4]
前記移動支持機構が、スライドレールを有する、[1]から[3]までのいずれかに記載の保護部材取り付け装置。
【符号の説明】
【0051】
1 … 保護部材取り付け装置
2 … 本体部
3 … 回動部
4 … チャック機構
5 … 第1駆動機構
6 … 移動支持機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8