(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126922
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】受信装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/16 20060101AFI20240912BHJP
H04B 1/26 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H04B1/16 G
H04B1/16 A
H04B1/26 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035680
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大島 英樹
(72)【発明者】
【氏名】國井 壮志
【テーマコード(参考)】
5K061
【Fターム(参考)】
5K061AA09
5K061BB01
5K061DD02
5K061FF12
(57)【要約】
【課題】ユーザの操作を受け付けてステーションリストを更新する場合の更新時間を短縮する受信装置を提供する。
【解決手段】受信装置1は、放送信号を受信する第1チューナー20及び第2チューナー30と、更新ボタン85が操作された場合に、受信可能な放送信号の周波数を検出する走査処理であって、第1チューナー20が検出する受信可能な放送信号の周波数と、第2チューナー30が検出する受信可能な放送信号の周波数と、が異なるように第1チューナー20と、第2チューナー30と、に走査処理を実行させる走査制御部131と、第1チューナー20による走査処理の処理結果と、第2チューナー30による走査処理の処理結果と、に基づいてステーションリスト113を更新する更新部133と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を受信する第1受信部及び第2受信部と、
周波数と、番組識別情報と、を含むチャネル情報が登録されるステーションリストの更新要求を受け付ける受付部と、
前記更新要求を受け付けた場合に、受信可能な放送信号の周波数を検出する走査処理であって、前記第1受信部が検出する前記受信可能な放送信号の周波数と、前記第2受信部が検出する前記受信可能な放送信号の周波数と、が異なるように前記第1受信部と、前記第2受信部と、に前記走査処理を実行させる走査制御部と、
前記第1受信部による前記走査処理の処理結果と、前記第2受信部による前記走査処理の処理結果と、に基づいて前記ステーションリストを更新する更新部と、
を備える、ことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記走査制御部は、
前記走査処理の対象となる周波数帯域を、第1周波数帯域と、第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域とに分割し、
前記第1周波数帯域を前記第1受信部に走査させ、前記第2周波数帯域を前記第2受信部に走査させる、ことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記走査制御部は、
前記第1受信部が前記受信可能な放送信号の周波数を検出すると、前記第1受信部が検出した前記放送信号の周波数よりも、予め設定された周波数だけ周波数の高い周波数、又は、前記予め設定された周波数だけ周波数の低い周波数から前記第2受信部に走査処理を開始させる、ことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項4】
前記走査制御部は、
前記第2受信部による前記第2周波数帯域の前記走査処理が終了し、前記第1受信部による前記第1周波数帯域の前記走査処理が終了していない場合であって、
前記第1受信部に、前記第1周波数帯域の周波数が低い側から周波数が高い側に対象となる周波数を変更しながら前記走査処理を実行させている場合に、
前記第2受信部に、前記第1周波数帯域の周波数が高い側から周波数が低い側に対象となる周波数を変更しながら前記走査処理を実行させる、ことを特徴とする請求項2記載の受信装置。
【請求項5】
前記走査制御部は、
前記第2受信部による前記第2周波数帯域の前記走査処理が終了し、前記第1受信部による前記第1周波数帯域の前記走査処理が終了していない場合であって、
前記第1受信部が前記受信可能な放送信号の周波数を前記第1周波数帯域において検出すると、前記第1受信部が検出した前記放送信号の周波数よりも、予め設定された周波数だけ周波数の高い周波数、又は、前記予め設定された周波数だけ周波数の低い周波数から前記第2受信部に走査処理を開始させる、ことを特徴とする請求項2記載の受信装置。
【請求項6】
前記走査制御部は、
前記更新部が、前記第1受信部の前記走査処理の処理結果に基づいて前記ステーションリストを更新している間、前記第2受信部に走査させる周波数を前記予め設定された周波数ずつ変更しながら、前記第2受信部に走査処理を継続させる、請求項1記載の受信装置。
【請求項7】
放送信号を受信する第1受信部及び第2受信部と、
周波数と番組識別情報と、を含むチャネル情報が登録されるステーションリストの更新要求を受け付ける受付部と、を備える受信装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記更新要求を受け付けた場合に、受信可能な放送信号の周波数を検出する走査処理であって、前記第1受信部が検出する前記受信可能な放送信号の周波数と、前記第2受信部が検出する前記受信可能な放送信号の周波数と、が異なるように前記第1受信部と、前記第2受信部と、に前記走査処理を実行させる手順と、
前記第1受信部による前記走査処理の処理結果と、前記第2受信部による前記走査処理の処理結果と、に基づいて前記ステーションリストを更新する手順と、
を実行させる、ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、RDS(Radio Data System)放送を受信するラジオ受信装置を開示する。このラジオ受信装置は、一方のチューナーでラジオ放送を出力している間に、他方のチューナーをバックグランド動作で周波数帯域を走査させ、受信可能な周波数を登録した周波数テーブルを作成し、周波数テーブルに基づき放送局リストを表示する。また、ラジオ受信装置は、走査が行われている期間中にRDSデータを抽出する処理A、周波数テーブル内の周波数が受信可能であるか否かを判定する処理Cなどを行う。そして、ラジオ受信装置は、電波の受信が困難であるエリアを走行する受信困難モードであると判定されたとき、処理Aを中断し、処理Cを短い周期で高速に行うことで、放送局のリストの更新をより高速に行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、受信装置が受信可能な放送信号の周波数のリストであるステーションリストを、ユーザからの要求により更新する場合、ステーションリストを迅速に更新したいという要望がある。
【0005】
本開示は、ユーザの操作を受け付けてステーションリストを更新する場合に、更新時間を短縮する受信装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の受信装置は、放送信号を受信する第1受信部及び第2受信部と、周波数と、番組識別情報と、を含むチャネル情報が登録されるステーションリストの更新要求を受け付ける受付部と、前記更新要求を受け付けた場合に、受信可能な放送信号の周波数を検出する走査処理であって、前記第1受信部が検出する前記受信可能な放送信号の周波数と、前記第2受信部が検出する前記受信可能な放送信号の周波数と、が異なるように前記第1受信部と、前記第2受信部と、に前記走査処理を実行させる走査制御部と、前記第1受信部による前記走査処理の処理結果と、前記第2受信部による前記走査処理の処理結果と、に基づいて前記ステーションリストを更新する更新部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザの操作を受け付けてステーションリストを更新する場合の更新時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】第1チューナー及び第2チューナーが実行する走査処理の周波数帯域を示す図。
【
図3】第1実施形態の受信装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】第2実施形態の第1チューナー及び第2チューナーによる走査処理を説明する説明図である。
【
図5】第2実施形態の受信装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】第3実施形態の第1チューナー及び第2チューナーによる走査処理を説明する説明図である。
【
図7】第3実施形態の受信装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】第3実施形態の受信装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施形態を説明する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、受信装置1の構成を示すブロック図である。
受信装置1は、例えば、道路を走行する車両に搭載される。受信装置1は、アンテナ10、第1チューナー20、第2チューナー30、信号処理回路40、アンプ50、スピーカ60、表示部70、操作部80及び制御部100を備える。第1チューナー20は、第1受信部に相当し、第2チューナー30は、第2受信部に相当する。
図1は、本実施形態の説明に必要な主たる構成要素を図示しており、受信装置1として一般的な構成要素である筐体など、一部の構成要素については、その図示を適宜省略している。
また、受信装置1は、例えば、スマートフォンやタブレットPC(Personal Computer)、ノートPC等の携帯型の装置に搭載される構成であってもよい。
【0011】
アンテナ10は、第1チューナー20及び第2チューナー30に接続される。アンテナ10は、放送電波を受信し、受信した放送電波を第1チューナー20及び第2チューナー30に出力する。
【0012】
第1チューナー20は、メインチューナーであり、第2チューナー30は、サブチューナーである。
第1チューナー20は、制御部100によって選択された放送局の放送電波を、アンテナ10を介して受信し、受信した放送電波に含まれる放送信号を取り出す。第1チューナー20は、取り出した放送信号を中間周波信号に変換し、変換した中間周波数信号を信号処理回路40に出力する。
第2チューナー30は、第1チューナー20のバックグラウンドで動作し、第1チューナー20で受信可能な放送局の周波数を探索する走査処理を実行する。
【0013】
第2チューナー30は、放送信号に多重されたデータを受信するRDS方式の受信機能を備える。RDS方式では、送信側である放送局が、放送信号に適宜の情報を示すデータを多重化した放送電波を送信し、受信側である受信装置1は、受信した放送信号に含まれるデータを取り出す。このデータには、受信した放送信号の周波数で放送されるプログラム(番組)の識別子となるPI(Program Identification)コードや、放送局の放送局名を表すPS(Program Service)等が含まれる。PIは、番組識別情報に相当する。
【0014】
第1チューナー20もRDS方式の受信機能を備える。第1チューナー20は、操作部80の更新ボタン85が押下された場合に、受信可能な放送局の周波数を探索する走査処理を実行する。つまり、受信装置1は、更新ボタン85が押下されると、第1チューナー20と第2チューナー30との両方で走査処理を実行する。更新ボタン85が操作されたときに、第1チューナー20が放送信号を受信中である場合、第1チューナー20は、放送信号の受信を中断して走査処理を実行する。
【0015】
また、第1チューナー20及び第2チューナー30は、受信した放送電波の受信電界強度を算出する。また、第1チューナー20及び第2チューナー30は、受信電界強度に加えて、S/N比等を算出してもよい。本実施形態では、第1チューナー20及び第2チューナー30が受信電界強度を算出する場合について説明する。第1チューナー20及び第2チューナー30は、算出した受信電界強度を示す情報を制御部100に出力する。
【0016】
信号処理回路40は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)により構成される。信号処理回路40には、第1チューナー20から中間周波数信号が入力される。信号処理回路40は、入力される中間周波数信号に含まれるオーディオ信号を復調する音声復調回路を有する。復調されたオーディオ信号は、信号処理回路40からアンプ50に出力され、アンプ50で増幅された後、スピーカ60に出力され、スピーカ60から車室内に放音される。
【0017】
表示部70は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)等の表示パネル75を備え、制御部100の制御に従って後述するステーションリスト113を表示する。
【0018】
操作部80は、ユーザの操作を受け付けるハードウェアボタンを備える。本実施形態の操作部80は、ステーションリスト113の更新を要求する更新ボタン85をハードウェアボタンとして少なくとも備える。更新ボタン85は、ステーションリストの更新要求を受け付ける受付部に相当する。
【0019】
制御部100は、記憶部110と、プロセッサー130と、を備えるコンピュータであり、第1チューナー20や第2チューナー、信号処理回路40及びアンプ50の動作を制御する。
【0020】
記憶部110は、揮発性の記憶装置と、不揮発性の記憶装置と、を備える。
揮発性の記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成される。揮発性の記憶装置は、プロセッサー130の演算領域として使用される。
不揮発性の記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)により構成される。不揮発性の記憶装置には、プロセッサー130が実行する制御プログラム111や、ステーションリスト113を記憶する。
【0021】
ステーションリスト113は、受信装置1が受信可能な放送局の周波数や、PIコード、PS等の各種情報を関連づけて登録したリストである。ステーションリスト113に登録される放送局の周波数や、PIコード、PS等を、以下ではチャネル情報という。
【0022】
プロセッサー130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサーを備える演算処理装置である。プロセッサー130は、単一のプロセッサーにより構成してもよいし、複数のプロセッサーにより構成することも可能である。また、プロセッサー130は、記憶部110の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoC(System-on-a-chip)により構成してもよい。また、プロセッサー130は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSPとの組合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサー130は、プロセッサー130の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0023】
制御部100は、機能ブロックとして、走査制御部131及び更新部133を備える。
これらの機能ブロックは、プロセッサー130が制御プログラム111に従った演算を行うことで実現される機能をブロックとして示したものである。
【0024】
走査制御部131は、操作部80に設けられた更新ボタン85が押下されると、ステーションリスト113のマニュアル更新を実行する。走査制御部131は、マニュアル更新において、受信可能なFM放送の放送信号の周波数を検出する走査処理を第1チューナー20及び第2チューナー30により実行する。
【0025】
走査制御部131は、まず、第1チューナー20及び第2チューナー30に受信させる周波数をそれぞれ設定する。走査制御部131は、第1チューナー20が検出する受信可能な放送信号の周波数と、第2チューナー30が検出する受信可能な放送信号の周波数と、がそれぞれ異なるように第1チューナー20と、第2チューナー30と、に走査処理を実行させる。走査制御部131が第1チューナー20及び第2チューナー30に設定する周波数については、
図2を参照しながら説明する。
【0026】
走査制御部131には、第1チューナー20及び第2チューナー30から受信電界強度を示す情報が入力される。第1チューナー20は、走査制御部131により設定された周波数の放送信号を受信し、この受信した放送信号の受信電界強度を示す情報を、走査制御部131に出力する。第2チューナー30は、走査制御部131により設定された周波数の放送信号を受信し、この受信した放送信号の受信電界強度を示す情報を、走査制御部131に出力する。
【0027】
走査制御部131は、入力される受信電界強度の情報に基づき、第1チューナー20に設定した周波数が、受信可能な放送信号の周波数であるか否かを判定する。走査制御部131は、入力される受信電界強度の情報が示す受信電界強度が、予め設定されたしきい値以上であるか否かを判定することで、第1チューナー20に設定した周波数が、受信可能な放送信号の周波数であるか否かを判定する。走査制御部131は、第1チューナー20に設定した周波数が、受信可能な放送信号の周波数であると判定した場合、この放送信号に含まれるデータからPIコードやPS等のチャネル情報を取得する。走査制御部131は、取得したPIコードやPSを更新部133に出力する。
【0028】
走査制御部131は、第2チューナー30から入力される受信電界強度の情報についても、第1チューナー20の場合と同様に処理する。走査制御部131は、第2チューナー30に設定した周波数が、受信可能な放送信号の周波数であると判定した場合、この放送信号に含まれるデータからPIコードやPS等のチャネル情報を取得する。走査制御部131は、取得したPIコードやPSを更新部133に出力する。
【0029】
更新部133は、更新ボタン85が操作されると、ステーションリスト113に登録された情報を消去する。そして、更新部133は、走査制御部131から入力されるチャネル情報をステーションリスト113に登録する。
【0030】
図2は、走査制御部131が、第1チューナー20及び第2チューナー30に実行させる走査処理の周波数帯域を示す図である。
図2を参照しながら、走査制御部131が、第1チューナー20及び第2チューナー30に実行させる走査処理について説明する。
第1実施形態の走査制御部131は、FM放送に使用される使用周波数帯域200を、第1周波数帯域210と、第2周波数帯域230と、の2つに分割する。
図2に示す第1周波数帯域210は、使用周波数帯域200の低域側の周波数帯域であり、第2周波数帯域230は、使用周波数帯域200の高域側の周波数帯域であり、第1周波数帯域210の帯域幅と、第2周波数帯域230の帯域幅とは同一である。すなわち、第1周波数帯域210と、第2周波数帯域230とは、使用周波数帯域200の半分の帯域幅を有する。
【0031】
走査制御部131は、第1周波数帯域210を、第1チューナー20に実行させる走査処理の処理範囲に設定し、第2周波数帯域230を、第2チューナー30に実行させる走査処理の処理範囲に設定する。
なお、第1周波数帯域210を、第2チューナー30に実行させる走査処理の処理範囲に設定し、第2周波数帯域230を、第1チューナー20に実行させる走査処理の処理範囲に設定してもよい。
【0032】
次に、走査制御部131は、第1チューナー20及び第2チューナー30に受信させる放送信号の周波数を設定する。
走査制御部131は、第1チューナー20に受信させる放送信号の周波数を、第1周波数帯域210の低周波数側から設定する。すなわち、第1チューナー20に後から設定される周波数ほど周波数が高くなるように、走査制御部131は、第1チューナー20に受信させる放送信号の周波数を設定する。
【0033】
また、走査制御部131は、第1チューナー20に受信させる放送信号の周波数を、予め設定された周波数ずつ変更しながら上記の処理を繰り返し行い、第1チューナー20に設定した周波数が受信可能な放送信号の周波数であるか否かを判定する。本実施形態では、予め設定された周波数を1ステップという。1ステップとして、例えば、10kHzに設定することができる。走査制御部131は、1ステップずつ変更しながら第1チューナー20に設定する放送信号の周波数が、第1周波数帯域210を超える場合には、第1チューナー20による走査処理を終了させる。
【0034】
同様に、走査制御部131は、第2チューナー30に受信させる放送信号の周波数を、第2周波数帯域230の低周波数側から設定する。すなわち、第2チューナー30に後から設定される周波数ほど周波数が高くなるように、走査制御部131は、第2チューナー30に受信させる放送信号の周波数を設定する。
【0035】
また、走査制御部131は、第2チューナー30に受信させる放送信号の周波数を、1ステップずつ変更しながら上記の処理を繰り返し行い、第2チューナー30に設定した周波数が受信可能な放送信号の周波数であるか否かを判定する。走査制御部131は、1ステップずつ変更しながら第2チューナー30に設定する放送信号の周波数が、第2周波数帯域230を超える場合には、第2チューナー30による走査処理を終了させる。
【0036】
図3は、制御部100の動作を示すフローチャートである。
図3に示すフローチャートを参照しながら制御部100の動作について説明する。
まず、制御部100は、操作部80の更新ボタン85が押下されたか否かを判定する(ステップS1)。制御部100は、更新ボタン85が押下されていない場合(ステップS1/NO)、更新ボタン85が押下されるまで待機する。
【0037】
制御部100は、更新ボタン85が押下されると(ステップS1/YES)、第1チューナー20及び第2チューナー30に走査させる周波数帯域を設定する(ステップS2)。制御部100は、第1チューナー20に走査させる周波数帯域として第1周波数帯域210を設定し、第2チューナー30に走査させる周波数帯帯域として第2周波数帯域230を設定する。
【0038】
制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30に走査させる周波数帯域を設定すると、第1チューナー20及び第2チューナー30に走査処理を実行させる(ステップS3)。制御部100は、第1チューナー20に受信させる放送信号の周波数を、第1周波数帯域210の低周波数側から設定する。同様に、制御部100は、第2チューナー30に受信させる放送信号の周波数を、第2周波数帯域230の低周波数側から設定する。
【0039】
次に、制御部100は、第1チューナー20から入力される受信電界強度に基づき、第1チューナー20が、受信可能な放送信号を検出したか否かを判定する(ステップS4)。同様に、制御部100は、第2チューナー30から入力される受信電界強度に基づき、第2チューナー30が、受信可能な放送信号を検出したか否かを判定する(ステップS4)。
【0040】
制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30が、受信可能な放送信号を検出していないと判定した場合(ステップS4/NO)、ステップS6の処理に移行する。また、制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30の少なくとも一方が、受信可能な放送信号を検出したと判定すると、受信した放送信号に含まれるチャネル情報を取得する。制御部100は、取得したチャネル情報をステーションリスト113に登録する(ステップS5)。
【0041】
次に、制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30の走査処理が終了したか否かを判定する(ステップS6)。制御部100は、第1チューナー20が第1周波数帯域210での走査処理を終了し、第2チューナー30が第2周波数帯域230での走査処理を終了したか否かを判定する。
【0042】
制御部100は、第1チューナー20に最後に設定した周波数に、1ステップ分の周波数を加算した周波数が、第1周波数帯域210の周波数よりも大きいか否かを判定する。制御部100は、第1チューナー20に最後に設定した周波数に、1ステップ分の周波数を加算した周波数が、第1周波数帯域210の周波数よりも大きい場合、第1周波数帯域210での走査処理を終了したと判定する。また、制御部100は、第1チューナー20に最後に設定した周波数に、1ステップ分の周波数を加算した周波数が、第1周波数帯域210の周波数である場合、第1周波数帯域210での走査処理が終了していないと判定する。制御部100は、第2チューナー30についても同様に処理を行う。
【0043】
制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30が走査処理を終了していない場合(ステップS6/NO)、ステップS4の判定に戻る。
また、制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30が走査処理を終了した場合(ステップS6/YES)、ステーションリスト113の更新処理が終了したか否かを判定する(ステップS7)。
【0044】
制御部100は、ステーションリスト113の更新処理が終了していない場合(ステップS7/NO)、ステップS7の判定に戻り、ステーションリスト113の更新処理が終了するまで待機する。
また、制御部100は、ステーションリスト113の更新処理が終了すると(ステップS7/YES)、この処理フローを終了させせる。
【0045】
[第2実施形態]
次に、受信装置1の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の受信装置1の構成は、
図1に示す第1実施形態の受信装置1と同一であるため、受信装置1の構成についての説明は省略する。
【0046】
図4は、第2実施形態の第1チューナー20及び第2チューナー30が実行する走査処理について説明する説明図である。
第2実施形態の走査制御部131は、まず、第1チューナー20に、使用周波数帯域200の低周波数側から走査処理を開始させる。ここで、第1チューナー20が、受信可能な放送信号を検出し、検出した放送信号の周波数が、A放送局が出力するAAA[MHz]であると仮定する。
【0047】
走査制御部131は、第1チューナー20が、受信可能な周波数の放送信号を検出して、ステーションリスト113に登録するチャネル情報の取得処理を開始すると、第2チューナー30に走査処理を開始させる。
走査制御部131は、第1チューナー20が検出した放送信号の周波数よりも1ステップだけ高周波数側の周波数から、第2チューナー30に走査処理を開始させる。
【0048】
ここで、第2チューナー30が、受信可能な放送信号を検出し、検出した放送信号の周波数が、B放送局が出力するBBB[MHz]であると仮定する。
走査制御部131は、第2チューナー30が、受信可能な周波数の放送信号を検出して、ステーションリスト113に登録するチャネル情報の取得処理を開始すると、第1チューナー20に走査処理を開始させる。走査制御部131は、第2チューナー30が検出した放送信号の周波数よりも1ステップだけ高周波数側の周波数から、第1チューナー20に走査処理を開始させる。
【0049】
第2実施形態の走査制御部131は、第1チューナー20及び第2チューナー30のいずれか一方に走査処理を実行させる。第1チューナー20又は第2チューナー30が受信可能な放送信号を検出し、ステーションリスト113に登録するチャネル情報の取得処理を実行している間に、走査制御部131は、他方の第2チューナー30又は第1チューナー20に走査処理を実行させる。
【0050】
図5は、第2実施形態の受信装置1の動作を示すフローチャートである。
図5に示すフローチャートを参照しながら第2実施形態の受信装置1の動作について説明する。
まず、制御部100は、操作部80の更新ボタン85が押下されたか否かを判定する(ステップS11)。制御部100は、操作部80の更新ボタン85が押下されていない場合(ステップS11/NO)、更新ボタン85が押下されるまで待機する。
【0051】
制御部100は、更新ボタン85が押下されると(ステップS11/YES)、第1チューナー20に、使用周波数帯域200の低周波数側から走査処理を開始させる(ステップS12)。
【0052】
次に、制御部100は、第1チューナー20が、受信可能な放送信号を検出したか否かを判定する(ステップS13)。制御部100は、第1チューナー20が、受信可能な放送信号を検出していない場合(ステップS13/NO)、走査処理により使用周波数帯域200の全体を走査したか否かを判定する(ステップS14)。
【0053】
制御部100は、使用周波数帯域200の全体の走査が終了したと判定した場合(ステップS14/YES)、この処理フローを終了させる。また、制御部100は、使用周波数帯域200の全体の走査が終了していない場合(ステップS14/NO)、ステップS13の判定に戻る。
【0054】
また、制御部100は、第1チューナー20が受信可能な放送信号を検出した場合(ステップS13/YES)、第1チューナー20に、検出した放送信号のチャネル情報を取得させる(ステップS15)。さらに、制御部100は、第1チューナー20に、取得したチャネル情報を、ステーションリスト113に登録させる(ステップS15)。
【0055】
制御部100は、第1チューナー20に、チャネル情報を取得させている間に、第2チューナー30に、第1チューナー20が検出した放送信号の周波数の1ステップ隣りの周波数から走査処理を開始させる(ステップS16)。
【0056】
制御部100は、第2チューナー30が、受信可能な放送信号を検出したか否かを判定する(ステップS17)。制御部100は、第2チューナー30が、受信可能な放送信号を検出していない場合(ステップS17/NO)、走査処理により使用周波数帯域200の全体を走査したか否かを判定する(ステップS18)。
【0057】
制御部100は、使用周波数帯域200の全体の走査が終了したと判定した場合(ステップS18/YES)、この処理フローを終了させる。また、制御部100は、使用周波数帯域200の全体の走査が終了していない場合(ステップS18/NO)、ステップS17の判定に戻る。
【0058】
また、制御部100は、第2チューナー30が受信可能な放送信号を検出した場合(ステップS17/YES)、第2チューナー30に、検出した放送信号のチャネル情報を取得させる(ステップS19)。さらに、制御部100は、第1チューナー20に、取得したチャネル情報を、ステーションリスト113に登録させる(ステップS19)。
【0059】
制御部100は、第2チューナー30に、チャネル情報を取得させている間に、第1チューナー20に、第2チューナー30が検出した放送信号の周波数の1ステップ隣りの周波数から走査処理を開始させる(ステップS20)。その後、制御部100は、ステップS13の判定に戻り、第1チューナー20が、受信可能な放送信号を検出したか否かを判定する。
【0060】
[変形例1]
上述の第1実施形態では、第1チューナー20に、第1周波数帯域210を走査処理させ、第2チューナー30に、第2周波数帯域230を走査処理させた。
しかし、車両の位置によっては、放送信号を受信可能な放送局が第1周波数帯域210及び第2周波数帯域230の一方に偏り、第1チューナー20の走査処理が、第2チューナー30の走査処理よりも早く終了する場合もある。また、逆に、第2チューナー30の走査処理が、第1チューナー20の走査処理よりも早く終了する場合もある。
【0061】
変形例1では、例えば、第2チューナー30による第2周波数帯域230の走査処理が、第1チューナー20による第1周波数帯域210の走査処理よりも早く終了したと仮定して説明する。
制御部100は、第2チューナー30の第2周波数帯域230の走査処理が、第1チューナー20の第1周波数帯域210の走査処理よりも早く終了すると、第2チューナー30に、第1周波数帯域210の走査処理を実行させる。
【0062】
例えば、第1チューナー20が、第1周波数帯域210を、低周波数側から高周波数側に向かって走査処理を実行していると仮定する。この場合、制御部100は、第2チューナー30に、第1周波数帯域210を、高周波数側から低周波数側に向けて走査処理を実行させる。例えば、走査制御部131は、第1チューナー20に設定する周波数が、第2チューナー30に設定する周波数に一致する場合、又は、第1チューナー20に設定する周波数が、第2チューナー30に設定する周波数よりも大きくなると走査処理を終了と判定する。また、走査制御部131は、第2チューナー30に設定する周波数が、第1チューナー20に設定する周波数に一致する場合、又は、第2チューナー30に設定する周波数が、第1チューナー20に設定する周波数よりも小さくなると走査処理を終了と判定する。
【0063】
また、第1チューナー20が、第1周波数帯域210の高周波数側から低周波数側に向かって走査処理を実行していると仮定する。この場合、制御部100は、第2チューナー30に、第1周波数帯域210の低周波数側から高周波数側に向けて走査処理を実行させる。例えば、走査制御部131は、第1チューナー20に設定する周波数が、第2チューナー30に設定する周波数に一致する場合、又は、第1チューナー20に設定する周波数が、第2チューナー30に設定する周波数よりも小さくなると走査処理を終了と判定する。また、走査制御部131は、第2チューナー30に設定する周波数が、第1チューナー20に設定する周波数に一致する場合、又は、第2チューナー30に設定する周波数が、第1チューナー20に設定する周波数よりも大きくなると走査処理を終了と判定する。
【0064】
[変形例2]
変形例2も、第2チューナー30による第2周波数帯域230の走査処理が、第1チューナー20による第1周波数帯域210の走査処理よりも早く終了したと仮定して説明する。また、第1チューナー20は、第1周波数帯域210を、低周波数側から高周波数側に向けて走査処理を行っていると仮定する。
【0065】
変形例2でも、制御部100は、処理が早く終了した第2チューナー30に、第1周波数帯域210の走査処理を実行させる。
まず、制御部100は、第1チューナー20が、受信可能な放送信号の周波数を検出したか否かを判定する。制御部100は、第1チューナー20が、受信可能な放送信号の周波数を検出すと、第2チューナー30に、第1チューナー20が検出した放送信号の周波数よりも1ステップだけ高周波数側から、第2チューナー30に走査処理を実行させる。
すなわち、上述した第2実施形態と同様に、第1チューナー20が、ステーションリスト113に登録するチャネル情報を取得している間に、第1チューナー20が検出した放送信号の周波数よりも1ステップだけ高周波数側から、第2チューナー30に走査処理を実行させる。その後、制御部100は、第2チューナー30が受信可能な放送信号を検出すると、第1チューナー20に、第2チューナー30が検出した放送信号の周波数よりも1ステップだけ高周波数側から、第1チューナー20に走査処理を実行させる。
【0066】
また、第1チューナー20が、第1周波数帯域210を、高周波数側から低周波数側に向けて走査処理を行っていると仮定する。
この場合、制御部100は、第2チューナー30に、第1チューナー20が検出した放送信号の周波数よりも1ステップだけ低周波数側から、第2チューナー30に走査処理を実行させる。すなわち、第1チューナー20が、ステーションリスト113に登録するチャネル情報を取得している間に、第1チューナー20が検出した放送信号の周波数よりも1ステップだけ低周波数側から、第2チューナー30に走査処理を実行させる。その後、制御部100は、第2チューナー30が受信可能な放送信号を検出すると、第1チューナー20に、第2チューナー30が検出した放送信号の周波数よりも1ステップだけ低周波数側から、第1チューナー20に走査処理を実行させる。
【0067】
[第3実施形態]
次に、受信装置1の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の受信装置1の構成は、
図1に示す第1実施形態の受信装置1と同一であるため、受信装置1の構成についての説明は省略する。
【0068】
図6は、第3実施形態の第1チューナー20及び第2チューナー30が実行する走査処理について説明する説明図である。
図6は、T1、T2、・・・、T12、・・・の各時刻において、第1チューナー20及び第2チューナー30に走査させる周波数を示す。
【0069】
第3実施形態の走査制御部131は、まず、第1チューナー20及び第2チューナー30に走査させる周波数を設定する。例えば、第1チューナー20及び第2チューナー30に使用周波数帯域200の低周波数側から走査処理を開始させると仮定する。また、使用周波数帯域200が87.5MHz~108.5MHzであり、1ステップが0.1MHzであると仮定する。走査制御部131は、時刻T1において、第1チューナー20に走査させる周波数として87.5MHzを設定し、第2チューナー30に走査させる周波数として87.6MHzを設定する。つまり、走査制御部131は、第2チューナー30に走査させる周波数が、第1チューナー20に走査させる周波数よりも1ステップだけ高くなるように、第1チューナー20及び第2チューナー30に走査させる周波数を設定する。
【0070】
次に、時刻T2における動作について説明する。
時刻T1において、第1チューナー20及び第2チューナー30が、設定した周波数で、放送信号の周波数を検出しなかったと仮定する。走査制御部131は、T1において第2チューナー30に走査させた87.6MHzよりも1ステップだけ高周波数側の周波数である87.7MHzを、第1チューナー20に走査させる。また、走査制御部131は、第1チューナー20に走査させる87.7MHzよりも1ステップだけ高周波数側の周波数である87.8MHzを第2チューナー30に走査させる。
【0071】
次に、時刻T3における動作について説明する。
同様にして、時刻T2において、第1チューナー20及び第2チューナー30が、設定した周波数で、放送信号の周波数を検出しなかったと仮定する。走査制御部131は、T2において第2チューナー30に走査させた87.8MHzよりも1ステップだけ高周波数側の周波数である87.9MHzを、第1チューナー20に走査させる。また、走査制御部131は、第1チューナー20に走査させる87.9MHzよりも1ステップだけ高周波数側の周波数である88.0MHzを第2チューナー30に走査させる。
【0072】
次に、時刻T4における動作について説明する。
時刻T3において、第1チューナー20に走査させた87.9MHzの周波数において、第1チューナー20が放送信号を検出したと仮定する。また、第2チューナー30は、第2チューナー30に走査させた88.0MHzの周波数において、放送信号を検出しなかったと仮定する。この場合、走査制御部131は、第1チューナー20に、検出した放送信号のチャネル情報を取得させ、取得したチャネル情報を、ステーションリスト113に登録させる。この処理が終了するまでにT3~T6までの4秒を要すると仮定する。
【0073】
第1チューナー20が、検出した放送信号のチャネル情報をステーションリスト113に登録している間、走査制御部131は、第2チューナー30に設定する周波数を変更して第2チューナー30に走査処理を継続させる。具体的には、走査制御部131は、時刻T3において第2チューナー30に設定した88.0MHzよりも1ステップだけ高周波数側の周波数である88.1MHzを第2チューナー30に設定し、この周波数を走査させる。その後も、走査制御部131は、第2チューナー30に走査させる周波数を、1ステップずつ高周波数側に変更しながら、第2チューナー30に走査を継続させる。
【0074】
次に、時刻T7における動作について説明する。
時刻T6おいて、第1チューナー20がチャネル情報のステーションリスト113への登録が完了したため、走査制御部131は、時刻T7において、第1チューナー20及び第2チューナー30に走査させる周波数を設定する。時刻T6において第2チューナー30に、88.3MHzを走査させていたため、走査制御部131は、時刻T7おいて第1チューナー20に走査させる周波数として、88.4MHzを設定する。また、走査制御部131は、時刻T7おいて第2チューナー30に走査させる周波数として、1ステップだけ高周波数側の周波数である88.5MHzを設定する。
【0075】
以降、同様の動作を繰り返して、第1チューナー20及び第2チューナー30に使用周波数帯域200を走査させる。
【0076】
図7及び
図8は、第3実施形態の受信装置1の動作を示すフローチャートである。
図7及び
図8に示すフローチャートを参照しながら第3実施形態の受信装置1の動作について説明する。
まず、制御部100は、操作部80の更新ボタン85が押下されたか否かを判定する(ステップS31)。制御部100は、操作部80の更新ボタン85が押下されていない場合(ステップS31/NO)、更新ボタン85が押下されるまで待機する。
【0077】
制御部100は、更新ボタン85が押下されると(ステップS31/YES)、第1チューナー20及び第2チューナー30に走査させる周波数を設定する(ステップS32)。このとき、制御部100は、第1チューナー20と第2チューナー30とに設定する周波数が1ステップだけ異なるように第1チューナー20と第2チューナー30とに走査させる周波数を設定する。例えば、第2チューナー30に設定する周波数を、第1チューナー20に設定する周波数よりも1ステップだけ高周波数側の周波数に設定する。
【0078】
次に、制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30に走査処理を実行させ(ステップS33)、第1チューナー20及び第2チューナー30の少なくとも一方が放送信号を検出したか否かを判定する(ステップS34)。
【0079】
制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30が放送信号を検出しなかった場合(ステップS34/NO)、使用周波数帯域200の走査処理が終了したか否かを判定する(ステップS35)。制御部100は、使用周波数帯域200の走査処理が終了していない場合(ステップS35/NO)、ステップS32に戻り、第1チューナー20と第2チューナー30とに走査させる周波数を設定する。また、制御部100は、使用周波数帯域200の走査処理が終了した場合(ステップS35/YES)、この処理フローを終了させる。
【0080】
また、制御部100は、第1チューナー20又は第2チューナー30が放送信号を検出した場合(ステップS34/YES)、検出した放送信号のチャネル情報を取得させ、取得したチャネル情報を、ステーションリスト113に登録させる(ステップS36)。ここでは、第1チューナー20が放送信号を検出し、第2チューナー30は放送信号を検出しなかったと仮定して説明する。次に、制御部100は、放送信号を検出しなかった第2チューナー30に走査させる周波数を設定し(ステップS37)、第2チューナー30に走査処理を実行させる(ステップS38)。
【0081】
図8に示すフローチャートを参照しながらステップS38以降の動作について引き続き説明する。
次に、制御部100は、第2チューナー30が、受信可能な放送信号を検出したか否かを判定する(ステップS39)。制御部100は、第2チューナー30が、受信可能な放送信号を検出していない場合(ステップS39/NO)、第1チューナー20及び第2チューナー30の2つのチューナーが、走査処理を実行可能な状態となったか否かを判定する(ステップS40)。すなわち、制御部100は、第1チューナー20が受信したチャネル情報のステーションリスト113への登録が終了したか否かを判定する。
【0082】
制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30が、走査処理を実行可能な状態になったと判定すると(ステップS40/YES)、ステップS32に戻り、第1チューナー20及び第2チューナー30に、走査させる周波数を設定する。
【0083】
また、制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30が、走査処理を実行可能な状態になっていないと判定すると(ステップS40/NO)、放送信号を受信していない第2チューナー30に、走査させる周波数を設定する(ステップS41)。そして、制御部100は、第2チューナー30に、走査処理を実行させる(ステップS42)。その後、制御部100は、ステップS39に戻り、第2チューナー30が受信可能な放送信号を検出したか否かを判定する(ステップS39)。
【0084】
また、制御部100は、第2チューナー30が受信可能な放送信号を検出したと判定すると(ステップS39/YES)、検出した放送信号のチャネル情報を取得させ、取得したチャネル情報を、ステーションリスト113に登録させる(ステップS43)。
【0085】
次に、制御部100は、チャネル情報のステーションリスト113への登録が完了したチューナーがあるか否かを判定する(ステップS44)。制御部100は、チャネル情報のステーションリスト113への登録が完了したチューナーがない場合(ステップS44/NO)、チューナーがチャネル情報のステーションリスト113への登録が完了するまで待機する。
【0086】
また、制御部100は、チャネル情報の登録が完了したチューナーがあると判定すると(ステップS44/YES)、第1チューナー20及び第2チューナー30の2つのチューナーが、チャネル情報の登録が完了しているか否かを判定する(ステップS45)。
【0087】
制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30の2つのチューナーが、チャネル情報の登録が完了している場合(ステップS45/YES)、ステップS32に戻り、第1チューナー20及び第2チューナー30に、走査させる周波数を設定する。
また、制御部100は、第1チューナー20及び第2チューナー30の2つのチューナーが、チャネル情報の登録が完了していない場合(ステップS45/NO)、走査処理を実行可能なチューナーに走査させる周波数を設定する(ステップS41)。その後、制御部100は、チューナーに走査処理を実行させ(ステップS42)、ステップS39の判定に移行する。
【0088】
第1~第3実施形態にて説明した受信装置1は、第1チューナー20及び第2チューナー30と、更新ボタン85と、走査制御部131と、更新部133と、を備える。
更新ボタン85は、チャネル情報が登録されるステーションリスト113の更新要求を受け付ける。
走査制御部131は、更新要求を受け付けた場合に、受信可能な放送信号の周波数を検出する走査処理であって、第1チューナー20が検出する受信可能な放送信号の周波数と、第2チューナー30が検出する受信可能な放送信号の周波数と、が異なるように第1チューナー20及び第2チューナー30と走査処理を実行させる。
更新部133は、第1チューナー20による走査処理の処理結果と、第2チューナー30による走査処理の処理結果と、に基づいてステーションリスト113を更新する。
【0089】
この構成によれば、更新要求を受け付けた場合に、受信可能な放送信号の周波数を検出する走査処理であって、第1チューナー20が検出する受信可能な放送信号の周波数と、第2受信部が検出する受信可能な放送信号の周波数と、が異なるように第1チューナー20と、第2チューナー30と、に走査処理を実行させる。このため、ユーザの操作を受け付けてステーションリストを更新する場合に、更新時間を短縮することができる。
【0090】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上述した第1実施形態では、第1チューナー20が、第1周波数帯域210を、低周波数側から高周波数側に向かって走査処理を実行する場合について説明した。同様に、第2チューナー30が、第2周波数帯域230を、低周波数側から高周波数側に向かって走査処理を実行する場合について説明した。
変形例として、制御部100は、第1チューナー20に、第1周波数帯域210の高周波数側から低周波数側に向かって走査処理を実行させてもよい。同様に、制御部100は、第2チューナー30に、第2周波数帯域230の高周波数側から低周波数側に向かって走査処理を実行させてもよい。
【0091】
また、
図1の各々に示した受信装置1の構成を示すブロック図は、受信装置1の機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0092】
また、
図3、
図5、
図7及び
図8に示すフローチャートの処理単位は、受信装置1の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。受信装置1の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよい。また、受信装置1の処理は、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。
【0093】
また、受信装置1が備えるコンピュータに、本開示のプログラムを実行させる場合、このコンピュータに実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD、Blu-ray(登録商標)Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、サーバー装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
20 第1チューナー
30 第2チューナー
85 更新ボタン
131 走査制御部
133 更新部