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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126967
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ワーク積み付けシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/03 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B65G57/03 G
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035765
(22)【出願日】2023-03-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】522318900
【氏名又は名称】株式会社日立オートメーション
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】フォンダビスト アダム ケイイチ
(72)【発明者】
【氏名】スリスティオウトモ ドゥインドラ
(72)【発明者】
【氏名】石田 勉
【テーマコード(参考)】
3F029
【Fターム(参考)】
3F029AA01
3F029BA01
3F029CA82
3F029DA02
3F029DA08
(57)【要約】
【課題】ワークを、物流に用いる荷役台に積み付ける作業を、安価に自動化することができるワーク積み付けシステムを提供する。
【解決手段】 ロボット2がピッキング可能な範囲R1の1個以上のワークWを、カゴ台車Dの形状dに積み付ける様々な積み付け方の候補を算出する積み付け方候補算出部504と、積み付け方候補算出部504により算出された様々な積み付け方の候補を評価する積み付け方評価部505と、積み付け方評価部505の評価に基づき、ワークWの積み付け方を決定する積み付け方決定部506と、を有してなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物流に用いる荷役台に積み付けたい様々な種類のワークを搬送する搬送装置と、
前記搬送装置上に搬送されるワークを撮像可能な撮像装置と、
前記搬送装置の所定範囲内にある1個以上のワークをピッキング可能なロボットと、
前記撮像装置が撮像する画像に基づき、前記所定範囲内にある1個以上のワークを認識する認識手段と、
前記荷役台の形状を受け付ける荷役台形状受付手段と、
前記認識手段にて認識した1個以上のワークを、前記受け付けた形状の荷役台に積み付ける様々な積み付け方の候補を算出する積み付け方候補算出手段と、
前記算出された様々な積み付け方の候補を評価する積み付け方評価手段と、
前記評価に基づき、積み付け方を決定する積み付け方決定手段と、
前記決定した積み付け方に従い、前記所定範囲内にある1個以上のワークのすべてを前記荷役台に積み付けるロボット制御手段と、
前記所定範囲内にある1個以上のワークのすべてを前記荷役台に積み付けたら、次の1個以上のワークを前記搬送装置の所定範囲内に搬送する搬送装置制御手段と、を有してなるワーク積み付けシステム。
【請求項2】
前記撮像装置が、前記所定範囲外のワークを撮像しても、前記認識手段は、該所定範囲外のワークを認識しないことにより、前記積み付け方候補算出手段による前記所定範囲外のワークの積み付け方の候補を算出しないようにしてなる、請求項1に記載のワーク積み付けシステム。
【請求項3】
前記搬送装置制御手段が前記次の1個以上のワークを前記搬送装置の所定範囲内に搬送すると、前記積み付け方候補算出手段は、前記ロボット制御手段によりワークが既に積み付けられた前記荷役台の状態から、前記次の1個以上のワークを更に積み付ける様々な積み付け方の候補を生成する、請求項1または2に記載のワーク積み付けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール箱等のワークを、物流に用いる荷役台に積み付けるワーク積み付けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流業界において、倉庫内の仕分け、積込み、荷卸し等の作業の自動化が求められており、様々な自動化システムの導入が進められている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の発明は、複数の搬送要求情報により指令される搬送対象の複数のワークが、それらの搬送要求情報のそれぞれについて設定された搬送順位により定まる搬送順序にて搬送先に搬送されるように、2次搬送部の作動が制御され、各1次搬送部によりワーク払出部に搬送されたワークを切出コンベヤでラインコンベヤに切り出すタイミングを、他の切出コンベヤから切り出されるワークのタイミングを把握しながら制御することで、搬送先にワークが搬送順序にて搬送されるようにしているというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-184784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような仕分設備は、自動化できるものの、搬送順位により定まる搬送順序にて、ワークを搬送先に搬送されるように制御していることから、非常に高価であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、ワークを、物流に用いる荷役台に積み付ける作業を、安価に自動化することができるワーク積み付けシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1に記載のワーク積み付けシステムは、
物流に用いる荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付けたい様々な種類のワーク(例えば図1に示すワークW)を搬送する搬送装置(例えば図1に示すコンベアC)と、
前記搬送装置(例えば図1に示すコンベアC)上に搬送されるワーク(例えば図1に示すワークW)を撮像可能な撮像装置(例えば図1に示す撮像部3)と、
前記搬送装置の所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)をピッキング可能なロボット(例えば図1に示すロボット2)と、
前記撮像装置(例えば図1に示す撮像部3)が撮像する画像に基づき、前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)を認識する認識手段(例えば図2に示すワーク情報認識部503、図3に示すステップS4)と、
前記荷役台の形状(例えば図4(a)に示すカゴ台車Dの形状d)を受け付ける荷役台形状受付手段(例えば図2に示す荷役台形状受付部502、図3に示すステップS2)と、
前記認識手段(例えば図2に示すワーク情報認識部503、図3に示すステップS4)にて認識した1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)を、前記受け付けた形状の荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付ける様々な積み付け方の候補(例えば図4(b)に示す候補k1、候補k2、・・・、候補kn)を算出する積み付け方候補算出手段(例えば図2に示す積み付け方候補算出部504、図3に示すステップS5)と、
前記算出された様々な積み付け方の候補(例えば図4(b)に示す候補k1、候補k2、・・・、候補kn)を評価する積み付け方評価手段(例えば図2に示す積み付け方評価部505、図3に示すステップS6)と、
前記評価に基づき、積み付け方を決定する積み付け方決定手段(例えば図2に示す積み付け方決定部506、図3に示すステップS7)と、
前記決定した積み付け方に従い、前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)のすべてを前記荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付けるロボット制御手段(例えば図2に示すロボットコントローラ指示部507、図3に示すステップS8)と、
前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)のすべてを前記荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付けたら、次の1個以上のワーク(例えば図1に示す次の1個以上のワークWE~WH)を前記搬送装置の所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内に搬送する搬送装置制御手段(例えば図2に示すPLC(プログラマブルロジックコントローラ)6、図3に示すステップS3)と、を有してなることを特徴とする。
【0008】
なお、本明細書における、積み付け方とは、積み付け位置、積み付け方向、積み付けはみだし量などの積み付け方をいうものとする。
【0009】
請求項2に記載のワーク積み付けシステムは、上記請求項1に記載のワーク積み付けシステムにおいて、
前記撮像装置(例えば図1に示す撮像部3)が、前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)外のワーク(例えば図1に示すワークWE~WH)を撮像しても、前記認識手段(例えば図2に示すワーク情報認識部503、図3に示すステップS4)は、該所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)外のワーク(例えば図1に示すワークWE~WH)を認識しないことにより、前記積み付け方候補算出手段(例えば図2に示す積み付け方候補算出部504、図3に示すステップS5)による前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)外のワーク(例えば図1に示すワークWE~WH)の積み付け方の候補を算出しないようにしてなることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載のワーク積み付けシステムは、上記請求項1または2に記載のワーク積み付けシステムにおいて、
前記搬送装置制御手段(例えば図2に示すプログラマブルロジックコントローラ6(PLC6)、図3に示すステップS3)が前記次の1個以上のワーク(例えば図1に示す次の1個以上のワークWE~WH)を前記搬送装置の所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内に搬送すると、前記積み付け方候補算出手段(例えば図2に示す積み付け方候補算出部504、図3に示すステップS5)は、前記ロボット制御手段(例えば図2に示すロボットコントローラ指示部507、図3に示すステップS8)によりワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)が既に積み付けられた前記荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)の状態から、前記次の1個以上のワーク(例えば図1に示す次の1個以上のワークWE~WH)を更に積み付ける様々な積み付け方の候補(例えば図5に示す候補k11、候補k12、・・・、候補knn)を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
請求項1に係る発明によれば、ワーク(例えば図1に示すワークW)が搬送されてくる順番に頼ることなく、最適な積み付け方を決定しているから、従来のように荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付ける順にワーク(例えば図1に示すワークW)を搬送する必要がなくなる。そのため、ワーク(例えば図1に示すワークW)を積み付ける順に搬送するための仕分設備等の設備を必要としない。このことより、荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)にワーク(例えば図1に示すワークW)を積み付ける作業を、安価に自動化することが可能となる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、積み付け方を決定しないワーク(例えば図1に示すワークWE~WH)についてまでサイズを認識する処理を行うことを避ければ、積み付け方候補算出部504にて無用な算出をしなくて良くなるから、不要な処理が省かれ、迅速な積み付け作業を行うことができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、既に積み付けられているワーク(例えば図5に示すワークWA~WD)の積み付け状態を考慮し、次のワーク(例えば図1に示すワークWE~WH)の積み付け方の候補(例えば図5に示す候補k11、候補k12、・・・。候補knn)を算出するから、より正確に積み付け方の候補を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るワーク積み付けシステムの概略全体図である。
図2】同実施形態に係る情報処理装置の機能構成図である。
図3】同実施形態に係るワーク積み付けシステムの動作内容を示すフローチャート図である。
図4】(a)は、カゴ台車の形状をモデル化したものを示す図、(b)は、(a)のモデル化したカゴ台車にワークを積み付ける積み付け方の候補を示す図、(c)は積み付け方の候補を評価する際の評価観点を示す表である。
図5】すでにワークがカゴ台車に積み付けられているときに、さらにカゴ台車にワークを積み付ける積み付け方の候補を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るワーク積み付けシステムの実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0017】
<ワーク積み付けシステムの説明>
図1に示すように、ワーク積み付けシステム1は、コンベアCにて搬送されてきたカゴ台車Dに積み付けたい様々な種類のワークW(WA~WI)の1つをロボット2に備えた吸着ハンド20を用いてカゴ台車Dに積み付けるものである。なお、本実施形態においては、荷役台としてカゴ台車Dを利用するが、荷役台は、カゴ台車に限らず、パレット、カートラック等どのようなものでも良い。
【0018】
ここで、このワーク積み付けシステム1の動作について、より詳しく説明すると、ワーク積み付けシステム1は、まず、情報処理装置5(図1参照)を用いて、予めCADデータなどでカゴ台車D(図1参照)の形状データを受け付け、それに基づき、カゴ台車Dをモデル化した形状d(図4(a)参照)を情報処理装置5内で生成しておく。次いで、撮像部3(図1参照)を用いて、コンベアC(図1参照)にて搬送されてきた1個以上のワークW(図1参照)のサイズを撮像する。より詳しくは、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1にある1個以上のワークWA~WD(図1参照)を撮像し、情報処理装置5を用いて、その撮像した画像から1個以上のワークWA~WD(図1参照)のサイズを認識する。かくして、情報処理装置5は、その認識した1個以上のワークWA~WD(図1参照)のサイズと、カゴ台車Dをモデル化した形状d(図4(a)参照)とによって、各ワークWA~WD(図1参照)をカゴ台車Dのどの位置に積み付けるかの様々な積み付け方の候補k1、候補k2、・・・、候補kn(図4(b)参照)を算出する。そして、それら候補を評価し、当該評価に基づき、ワークWA~WDをカゴ台車Dに積み付ける積み付け方を決定し、プログラマブルロジックコントローラ6(以下、PLC6と呼ぶ)経由で、ロボットコントローラ7(図1参照)へ積み付けの指示を送信する。そして、このロボットコントローラ7(図1参照)は、ロボット2(図1参照)を制御し、ワークWA~WD(図1参照)をピッキングし、カゴ台車D(図1参照)に積み付けることとなる。
【0019】
以下、図1の各部について詳細に説明することとする。
【0020】
ロボット2は、例えば、4自由度の垂直多関節型ロボットである。より詳しく説明すると、このロボット2は、コンベアCにて搬送されてきた1個以上のワークWを、ロボットアーム21に取付けられている吸着ハンド20を用いてコンベアCからカゴ台車Dへ積み付ける為のロボットアームである。なお、本実施形態においては、ロボット2として、4自由度の垂直多関節型ロボットを例示したが、これに限らず、6自由度であってもよいし、直角座標型ロボット、極座標型ロボット、水平多関節型(スカラ型)ロボット、パラレルリンク型ロボットであってもよい。すなわち、コンベアCにて搬送されてきた1個以上のワークWを、カゴ台車Dへ移載可能であれば、どのような形式であってもよい。
【0021】
ところで、吸着ハンド20は、コンプレッサ8から送られる圧縮エアを吸着ハンド20内に内蔵している真空発生装置を用いて、真空を発生させ、コンベアCにて搬送されてきた1個以上のワークWを吸着するものである。なお、本実施形態においては、吸着することにより、コンベアCにて搬送されてきた1個以上のワークWを移載する例を示したが、それに限らず、コンベアCにて搬送されてきた1個以上のワークWをグリッパーで挟み込むようなハンドであっても良く、コンベアCにて搬送されてきた1個以上のワークWを移載可能であれば、どのような形式のハンドでも良い。
【0022】
撮像部3は、図1に示す矢印Y方向からコンベアCにて搬送されてきた1個以上のワークWのうち、ロボット2がピッキング可能な範囲R1にある1個以上のワークW(図示ではワークWA~WD)を撮像するものであって、三次元点群情報を出力可能な三次元画像センサである。この撮像部3は、カメラとプロジェクタを備えており、カメラとプロジェクタによるアクティブステレオ法により被写体の三次元点群情報を算出するものである。なお、カメラとプロジェクタを用いたアクティブステレオ法は、一般的な技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0023】
情報処理装置5は、図1に示すように、CPU50と、RAM51と、ROM52と、補助記憶装置53と、入出力インタフェース54と、通信インタフェース55と、表示装置56と、バス57と、入力コントローラ58と、入力装置59と、を有している。CPU50は、情報処理装置5が備える各機能を実行、制御するもので、RAM51は、外部装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶するものである。
【0024】
一方、ROM52は、変更を必要としないプログラムや各種パラメータを格納し、補助記憶装置53は、各種情報を記憶するものである。そして、入出力インタフェース54は、外部の機器とデータの送受信を行い、通信インタフェース55は、ネットワークに接続するための装置であり、ネットワークを介して外部の機器とデータの送受信を行うものである。
【0025】
一方、表示装置56は、CPU50で描画されたグラフィックスを表示し、バス57は、システムバスであり、CPU50、RAM51、ROM52、補助記憶装置53、入出力インタフェース54、通信インタフェース55、表示装置56、入力コントローラ58を接続するものである。そして、入力コントローラ58は、入力装置59からの入力信号を制御するコントローラであり、入力装置59は、ユーザからの操作指示を受け付けるための外部入力装置であり、例えば、キーボード、マウスなどである。なお、後述する情報処理装置5の機能や処理は、CPU50がROM52等に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現することとなる。
【0026】
PLC6は、情報処理装置5とロボットコントローラ7との間の命令を受け渡すものである。そしてさらにPLC6は、コンベアCを制御し、コンベアC上に載せた複数のワークWを搬送するものである。具体的には、コンベアCの下部には、図示しないが、光電センサ等のセンサが所定間隔置きに設けられており、PLC6は、このセンサを利用し、ロボット2がピッキング可能な範囲R1にワークWが搬送されてくると、コンベアCの駆動を止めるよう制御する。
【0027】
ロボットコントローラ7は、サーボアンプや基板などが収納された制御装置であり、ロボット2の動きを総合的にコントロールする装置である。また、ロボットコントローラ7は、あらかじめ作成したロボット2を制御するプログラムを記憶し、実行することができるものである。
【0028】
コンプレッサ8は、空気を圧縮し供給する空気圧縮機であり、吸着ハンド20へ圧縮エアを供給するものである。
【0029】
ワークWは、所定の商品が収納された段ボールであって、様々な種類(サイズや重さ等)があり、カゴ台車Dに積み付けられるものである。なお、本実施形態においては、段ボールを例に説明するが、カゴ台車D上に積層可能であれば、材質は段ボール以外でも良く、例えば、プラスチックや木製であっても良く、箱形状に近似できれば袋状の物であっても良い。
【0030】
カゴ台車Dは、図1に示すような、物流に用いる荷物を載せるための荷役台である。より詳しく説明すると、カゴ台車Dの破線Deで示す開口部分からワークWを底板Daに積み付け、底板Daの3辺に立設する右側枠Db、後部枠Dc、左側枠Ddなどを手で押し、底板Daの裏側に設けられたキャスターを転がしながら、移動させるものである。
【0031】
コンベアCは、ローラーコンベアであり、図3に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1まで、ワークWを搬送するものである。そして、このコンベアCに搬送されるワークWの順番は指定されていない。なお、コンベアCは必ずしもローラ―コンベアである必要はなく、ベルトコンベアでも良い。
【0032】
<情報処理装置の説明>
次に、図2を用いて、本実施形態に係る情報処理装置5の機能構成について説明する。図2に示すように、情報処理装置5の機能構成としては、判断部500と、設定保持部501と、荷役台形状受付部502と、ワーク情報認識部503と、積み付け方候補算出部504と、積み付け方評価部505と、積み付け方決定部506と、ロボットコントローラ指示部507と、で構成されている。以下、各構成について説明することとする。
【0033】
判断部500は、判断部500が保持する状態または、各機能ブロックが保持する状態に基づいて、各機能ブロック間との情報をやり取りし、さらに、外部機器とのやり取りも行い、撮像部3、PLC6経由で、ロボット2、コンベアCを制御するものである。
【0034】
設定保持部501は、処理に必要な設定値を保持するものである。
【0035】
荷役台形状受付部502は、カゴ台車D(図1参照)の形状データをCADデータなどで受け付け、カゴ台車Dをモデル化するものである。より詳しくは、作業者が予め図1に示すカゴ台車Dの形状のデータ(カゴ台車Dの底板Daの縦・横の長さ、右側枠Db、後部枠Dc、左側枠Ddの縦・横の長さ等を示すデータ)を、CADデータ等の任意の形式で、図1に示す情報処理装置5の入力装置59を用いて、情報処理装置5に入力する。入力を受け付けると、判断部500は、受け付けたデータを荷役台形状受付部502に出力する。
【0036】
荷役台形状受付部502は、上記のようにして受け付けたデータに基づき、カゴ台車D(図1参照)の形状を、図4(a)に示す形状dのようにモデル化する。すなわち、底板Da(図1参照)に相当する底板da、右側枠Db(図1参照)、後部枠Dc(図1参照)、左側枠Dd(図1参照)に相当する右側枠db、後部枠dc、左側枠ddからなり、破線deで示す面が開口する、カゴ台車Dの形状dを生成する。
【0037】
ワーク情報認識部503は、図1に示す撮像部3にて撮像された、コンベアCにて搬送されてきた1個以上のワークWのうち、ロボット2がピッキング可能な範囲R1にある1個以上のワークW(WA~WD)の三次元画像に基づいて、ワークW(WA~WD)それぞれの縦、横、高さのサイズを認識するものである。
【0038】
なお、図1に示すように、撮像部3が撮像可能な範囲R2は、ロボット2がピッキング可能な範囲R1よりも広く、撮像部3は、ロボット2がピッキング可能な範囲R1の外のワークW(WE~WH)の画像も撮像している。しかしながら、本実施形態においては、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1に存するワークW(WA~WD)についてのみ、積み付け方を決定し、カゴ台車Dに積み付けることとしているから、ワーク情報認識部503はワークW(WE~WH)については、サイズを認識することはしない。
【0039】
このように、積み付け方を決定しないワークWについてまでワーク情報認識部503がサイズを認識する処理を行うことを避ければ、後述する積み付け方候補算出部504にて無用な算出をしなくて良くなるから、不要な処理が省かれるため、迅速な処理を行うことができる。
【0040】
積み付け方候補算出部504は、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1にある1個以上のワークW(WA~WD)を、図1に示すカゴ台車Dに積み付けるシミュレーションを行うものである。具体的には、積み付け方候補算出部504は、荷役台形状受付部502にて生成したカゴ台車Dの形状d(図4(a)参照)に対して、ワーク情報認識部503にて認識したワークW(WA~WD)のサイズを用いて、ワークW(WA~WD)をどのような位置、方向にて積み付けることができるかの様々な積み付け方の候補を算出するものである。
【0041】
このような、積み付け方の候補の算出方法は種々考えられるが、そのような方法の一例を、ワークWAの場合を例に、図4(a)および(b)を用いて説明する。
【0042】
まず、積み付け方候補算出部504は、荷役台形状受付部502が生成したカゴ台車Dの形状d(図4(a)参照)から、底板daの形状や大きさ、および、底板daの周囲の右側枠db、後部枠dc、左側枠ddの高さを認識し、また、破線deで示す面が開口していることを認識する。
【0043】
そして、積み付け方候補算出部504は、ワーク情報認識部503が認識したワークWAの縦、横のサイズを用いて、図4(b)に示す底板da上にワークWAを積み付けることができる位置を全て算出する。これら算出された位置が、ワークWAを積み付ける位置の候補となる。
【0044】
なお、積み付け方候補算出部504は、図4(b)に示すように、底板daの3辺に右側枠db、後部枠dc、左側枠ddがあることを認識しているため、底板daの端部からはみ出さない位置にワークWAを積み付ける候補k1、候補k2を算出している。一方、積み付け方候補算出部504は、図4(b)に示すように、破線deで示す箇所が開口していることを認識しているため、底板daの端部からオーバーハングした位置にワークWAを積み付ける候補knを算出している。
【0045】
また、カゴ台車D上にすでに1以上のワークWが積み付けられている場合、積み付け方候補算出部504は、カゴ台車D上のワークWの積み付け状態を考慮し、積み付け方の候補を算出する。ワークWEの場合を例に、より具体的に説明すると、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1内のワークWA~WDがカゴ台車Dに積み付けられると、次の1個以上のワークWE~WHが図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1に搬送される。そして、積み付け方候補算出部504は、ワークWEの積み付け方の候補を算出するにあたり、図5に示すように、底板da上に、すでに積み付けたワークWA~WDを再現する。そして、積み付け方候補算出部504は、何も積み付けられていない部分の底板da、および、すでに積み付けたワークW(WA~WD)の上面を積み付け可能な面として、ワークWEの積み付け方の候補k11、候補k12、・・・、候補knnを算出する。
【0046】
積み付け方評価部505は、積み付け方候補算出部504が算出した積み付け方の候補を評価するものである。
【0047】
積み付け方の候補の評価方法は種々考えられるが、そのような方法の一例を、図4(b)および(c)を用いて説明する。
【0048】
積み付け方評価部505は、「w1・F1(ei-1)+w2・F2(ei-2)+w3・F3(ei-3)+w4・F4(ei-4)+・・・」という評価式を用いて、積み付け方の候補を評価する。この評価式は、1つの候補を複数の評価観点に基づき評価したときの、その候補の評価値(スコア)の合計を表すもので、評価観点としては、例えば、図4(c)に示すよう評価観点が挙げられる。
【0049】
評価式の各項に含まれる評価関数(Fn)は、評価観点に基づき積み付け方の候補を評価したときの評価値(スコア)を算出する関数である。また、評価要素(ei-n)は、評価関数Fnに引き渡す評価要素で、具体的には、底板da(図4(b)参照)上での積み付け方の候補の位置を示す座標や、ワーク情報認識部503が認識したワークWの縦、横、高さ等である。なお、重み係数(wn)については後述することとする。
【0050】
ここで、具体例を示して、上記評価式の各項について説明する。まず、「F1(ei-1)」について説明する。図4(c)に示す第1評価観点Paは、「カゴ台車Dの奥に積むほど評価は高い」という観点である。この評価観点に基づき評価値を算出する評価関数F1は、引き渡された評価要素ei-1から、評価する候補に基づきワークWが積み付けられたときの底板da(図4(b)参照)上での位置を求め、奥(図4(b)に示す後部枠dc側)にあるほど、高い評価値を算出する。
【0051】
そのため、この評価関数F1は、ワークWAの積み付け方の候補k1、候補k2、・・・、候補kn(図4(b)参照)を評価するにあたり、カゴ台車Dの奥に積むほど、高い評価を算出し、カゴ台車Dの手間に積むほど、低い評価を算出する。それゆえ、図4(b)にて図示している候補k1、候補k2に対しては高い評価値を算出し、候補knに対しては低い評価値を算出する。
【0052】
次に、「F2(ei-2)」について説明する。図4(c)に示す第2評価観点Pbは、「ワークWを置いたあとのカゴ台車D内の積み付け可能な面積が大きいほど評価は高い」という観点である。この評価観点に基づき評価値を算出する評価関数F2は、引き渡された評価要素ei-2から、評価する候補に基づき積み付けられるワークWの底面の面積を算出し、これが積み付け方の候補に基づき積み付けられたあとの、カゴ台車D内の積み付け可能な面積を評価値として算出する。
【0053】
ここで、カゴ台車D内の積み付け可能な面積は、底板da(図4(b)参照)上で空いている面積(つまり、底板daの面積から、評価する候補に基づき積み付けられるワークWの底面積のうち、底板daに接する部分の底面積を引いたもの)と、ワークWの上面の面積(ワークWの上面にも、別のワークWを積み付けることが可能である)とからなる。
【0054】
したがって、評価関数F2は、図4(b)に図示しているワークWAの積み付け方の候補k1、候補k2、候補knを評価するにあたり、候補k1、候補k2について、同じ評価値を算出する。一方、候補knは、オーバーハングする分、底板daに接するワークWAの底面積が、候補k1、候補k2に比べると小さい。すなわち、候補knの位置にワークWAが積み付けられた後の積み付け可能な面積が、候補k1、候補k2に比べると大きくなる。このため、評価関数F2は、候補knの評価値として、候補k1、候補k2より高い値を算出する。
【0055】
次に、「F3(ei-3)」について説明する。図4(c)に示す第3評価観点Pcは、「オーバーハングが小さくなるほど評価は高い」という観点である。この評価観点に基づき評価値を算出する評価関数F3は、引き渡された評価要素ei-3から、評価する候補に基づき積み付けられるワークWの底面の面積を求め、これが積み付け方の候補に基づき積み付けられたときの、「底板daに接するワークWの底面の面積/ワークWの底面の面積全体」を、評価値として算出する。
【0056】
したがって、この評価関数F3は、図4(b)に図示しているワークWAの積み付け方の候補k1、候補k2、候補kn(図4(b)参照)を評価するにあたり、候補knに対しては候補k1、候補k2より低い評価値を算出する。
【0057】
次に、「F4(ei-4)」について説明する。図4(c)に示す第4評価観点Pdは、「ワークWを置く位置の隣に壁になる他のワークW或いはカゴ台車Dの枠(右側枠Db、後部枠Dc、左側枠Dd(図1参照))があると評価は高い」という観点である。この評価観点に基づき評価値を算出する評価関数F4は、引き渡された評価要素ei-4から、評価する候補に基づきワークWが積み付けられたときの底板da(図4(b)参照)上での位置を求め、このワークWが図4(b)に示す右側枠db、後部枠dc、左側枠ddに隣接するかを確認し、隣接する場合は、その数を評価値として算出する。
【0058】
したがって、この評価関数F4は、図4(b)に図示しているワークWAの積み付け方の候補k1、候補k2、候補knを評価するにあたり、候補k1の評価値として2、候補k2の評価値として1、候補knの評価値として1を算出する。
【0059】
また、カゴ台車D上にすでに1以上のワークWが積み付けられている場合、評価関数F4は、カゴ台車D上のワークWの積み付け状態を考慮し、評価値を算出する。ワークWEの場合を例に、より具体的に説明すると、ワーク積み付けシステム1が1個以上のワークWA~WDをカゴ台車Dに積み付けると、ワーク積み付けシステム1は次の1個以上のワークWE~WHを図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1に搬送する。そして、積み付け方評価部505は、評価関数F4を用いてワークWEの積み付け方の候補を評価するにあたり、図5に示すように、底板da上に、すでに積み付けられたワークWA~WDを再現する。そして、積み付け方評価部505は、評価する候補に基づきワークWEを底板da上に積み付けたときに、そのワークWEが右側枠db、後部枠dc、左側枠ddに隣接するかに加え、すでに積み付けられたワークWA~WDに隣接するかどうかも確認する。もし隣接する場合、その数も、評価値に加算して算出する。
【0060】
したがって、この評価関数F4は、図5に図示しているワークWEの積み付け方の候補k11、候補k12、候補knnを評価するにあたり、候補k11の評価値として2、候補k12の評価値として2、候補knnの評価値として1を算出する。
【0061】
以上のようにして算出された各評価値に対し、上記説明した評価式のように、重み係数wn(上記の説明では、w1~w4を例示)を乗じることにより、評価観点に軽重をつけることができる。たとえば、第3評価観点Pcを重視する場合、w3は1より大きい値とし、w1、w2、w4は1とすることができる。なお、この重み係数は作業者が設定することができるものである。これにより、例えばオーバーハングしない積み方を優先するなど、どの評価観点を優先するかを選択しやすくなる。
【0062】
このようにして、積み付け方評価部505は、重み係数wnを乗じた各評価値を合計し、積み付け方の候補の評価値の合計を算出することができる。
【0063】
積み付け方決定部506は、積み付け方評価部505の算出した評価値の合計に基づき、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1にある1個以上のワークW(WA~WD)の、各々の積み付け方を決定する。
【0064】
より具体的には、積み付け方決定部506は、積み付け方評価部505が算出した、ワークWの積み付け方の各候補の評価値の合計を比較し、評価値の合計が最も高かった候補を、そのワークWの積み付け方と決定することができる。
【0065】
ロボットコントローラ指示部507は、積み付け方決定部506にて決定したワークW(WA~WD)の積み付け方でワークW(WA~WD)を積み付けるよう、PLC6を介して図1に示すロボットコントローラ7に指示を出すものである。なお、この指示を受けたロボットコントローラ7は、ワークW(WA~WD)をピッキングするようロボット2を制御し、積み付け方決定部506にて決定したワークW(WA~WD)の積み付け方でそのワークWを積み付けるようロボット2を制御することとなる。なおまた、本実施形態においては、PLC6を介してロボットコントローラ7へ指示を出すようにしたが、PLC6を介さず、ロボットコントローラ7へ指示を出すようにしても良い。
【0066】
<情報処理装置の処理内容の説明>
次に、図3に示すフローチャートも参照し、本実施形態に示す情報処理装置5の処理内容について説明する。
【0067】
まず、図2に示す判断部500は、作業者から、どのようなサイズの商品をいくつ倉庫から出荷するかの出荷リストの入力を受け付ける(ステップS1)。具体的には、作業者は、情報処理装置5の入力装置59(図1参照)を用いて、情報処理装置5に出荷リストを入力する。出荷リストは、倉庫から出荷する商品(ワーク)に関する情報で、「商品A(縦10cm・横20cm・高さ30cm):1個 商品B(縦30cm・横10cm・高さ20cm):5個 ・・・」というように、商品名と、サイズと、出荷個数とからなる情報である。なお、判断部500は、出荷リストを、RAM51(図1参照)に記憶する。
【0068】
なお、商品のサイズは、予め情報処理装置5の設定保持部501(図2参照)が保持していることとしても良い。
【0069】
また、判断部500は、出荷リストを、どのような方法で受け付けても良い。例えば、図示しない倉庫管理システムから通信インタフェース55(図1参照)を介して受信しても良い。
【0070】
次いで、図2に示す荷役台形状受付部502は、作業者から、カゴ台車の形状データをCADデータなどで受け付け、カゴ台車D(図1参照)をモデル化する(ステップS2)。荷役台形状受付部502は、モデル化して生成したカゴ台車D(図1参照)の形状d(図4(a)参照)を、RAM51(図1参照)に記憶する。
【0071】
次いで、図2に示すPLC6は、ロボット2がピッキング可能な範囲R1(図1参照)に1個以上のワークを搬送する(ステップS3)。より具体的には、判断部500は、PLC6に、コンベアCを制御するように指令を行う。これにより、PLC6は、図1に示すように、ロボット2がピッキング可能な範囲R1に1個以上のワークWが搬送されるようにコンベアCを制御する。そして、PLC6は、図示しないセンサ等を利用し、ロボット2がピッキング可能な範囲R1に1個以上のワークWが搬送されてきたことを検知すると、コンベアCの駆動を止めるよう制御する。なお、図1では、4個のワークW(WA~WD)が搬送されている例を示しているが、勿論、1個のワークWだけでも良い。
【0072】
次いで、図2に示すワーク情報認識部503は、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1内に搬送されてきたワークW(WA~WD)を認識する(ステップS4)。より具体的には、判断部500が撮像部3を制御し、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1にある1個以上のワークWを撮像する。そしてその撮像された三次元画像は、判断部500にてワーク情報認識部503へ出力される。これを受けて、ワーク情報認識部503は、撮像された三次元画像に基づいて、ワークW(WA~WD)それぞれの縦、横、高さのサイズを認識する。なお、ワーク情報認識部503は、認識したサイズを、RAM51(図1参照)に記憶する。
【0073】
次いで、図2に示す積み付け方候補算出部504は、各ワークについて、様々な積み付け方の候補を算出する(ステップS5)。より具体的には、まず、荷役台形状受付部502が記憶した、カゴ台車Dの形状d(図4(a)参照)と、ワーク情報認識部503が記憶した、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1にある1個以上のワークW(WA~WD)のうち、最初のワークWAのサイズと、をRAM51(図1参照)から読み出す。そして、積み付け方候補算出部504は、カゴ台車Dの形状d(図4(a)参照)に対して、ワークWAをどのように積み付けることができるかの様々な積み付け方の候補k1、k2、・・・、kn(図4(b)参照)を算出する。そして、積み付け方候補算出部504は、算出した候補k1、k2、・・・、knを、RAM51(図1参照)に記憶する。なお、積み付け方候補算出部504は、同様に、積み付け方の候補の算出とRAM51への記憶を、残りのワークWB~WDについて行う。
【0074】
次いで、図2に示す積み付け方評価部505は、積み付け方候補算出部504にて算出した積み付け方の候補を評価する(ステップS6)。より具体的には、積み付け方評価部505は、まずワークWAの積み付け方の候補k1、k2、・・・、kn(図4(b)参照)をRAM51(図1参照)から読み出す。そして、複数の評価観点(図4(c)に示す第1評価観点Pa~第4評価観点Pd参照)に基づき積み付け方の候補を評価するための評価式「w1・F1(ei-1)+w2・F2(ei-2)+w3・F3(ei-3)+w4・F4(ei-4)+・・・」を用いて、評価値の合計を候補ごとに算出する。そしてその後、積み付け方評価部505は、各候補の評価値の合計をRAM51(図1参照)に記憶する。なお、積み付け方評価部505は、同様に、積み付け方の候補の評価とRAM51への記憶を、残りのワークWB~WDについて行う。
【0075】
次いで、図2に示す積み付け方決定部506は、積み付け方を決定する(ステップS7)。より具体的には、積み付け方決定部506は、まず、ワークWAについて、RAM51(図1参照)から積み付け方評価部505が記憶した評価値の合計を読み出し、最も評価値の合計が高かった積み付け方の候補を、ワークWAの積み付け方と決定する。そしてその後、積み付け方決定部506は、決定した積み付け方をRAM51(図1参照)に記憶する。なお、積み付け方決定部506は、同様に、積み付け方の決定とRAM51への記憶を、残りのワークWB~WDについて行う。
【0076】
次いで、図2に示すロボットコントローラ指示部507は、積み付け方決定部506にて決定した積み付け方に従い、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1内にあるワークW(WA~WD)のすべてをカゴ台車Dに積み付ける(ステップS8)。より具体的には、積み付け方決定部506にて決定した積み付け方で、各ワークW(WA~WD)を積み付けるよう、PLC6を介して図1に示すロボットコントローラ7に指示を出す。これにより、ロボットコントローラ7は、各ワークW(WA~WD)をピッキングし、決定した積み付け方でカゴ台車Dに積み付けるようロボット2を制御することとなる。
【0077】
次いで、図2に示す判断部500は、出荷リスト上のすべての商品(ワーク)がカゴ台車Dに積み付けられたかどうかを確認する(ステップS9)。より具体的には、判断部500は、ワーク情報認識部503が認識したワークW(WA~WD)の縦、横、高さのサイズと、判断部500が記憶した出荷リストを、RAM51(図1参照)から読み出す。そして、判断部500は、ステップS8にてカゴ台車Dに積み付けた各ワークW(WA~WD)の縦、横、高さのサイズと、出荷リストの各商品のサイズを照合し、各ワークW(WA~WD)が出荷リスト上のどの商品であるかを判定する。そして、該当する商品の出荷数から、1を減じた数を、その商品の残りの出荷数(あと何個その商品をカゴ台車Dに積み付ければよいかを表す数)として、RAM51の出荷リストを更新する。
【0078】
そして、図2に示す判断部500は、出荷リストのすべての商品の出荷数が0になったかを確認する。もし、まだすべての商品の出荷数が0になっていなければ(ステップS9:No)、ステップS3に戻り、判断部500は、PLC6に指示を出し、次の1個以上のワークW(例えば図1に示すワークWE~WH)を図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1内に搬送させる。そして、ステップS4~9を繰り返す。
【0079】
このとき、カゴ台車D上にはすでにワークW(WA~WD)が積み付けられていることから、積み付け方の候補を算出する(ステップS5)にあたって、積み付け方候補算出部504は、図5に示すように、すでに積み付けられているワークWA~WDの積み付け状態を考慮して、積み付け方の候補k11、候補k12、・・・、候補knnを算出することとなる。
【0080】
また、同様に、カゴ台車D上にはすでにワークW(WA~WD)が積み付けられているから、積み付け方評価部505は、積み付け方の候補を評価する(ステップS6)にあたって、図5に示すように、すでに積み付けられているワークWA~WDの積み付け状態を考慮して、積み付け方の候補k11、候補k12、・・・、候補knnを評価関数Fnを用いて評価することとなる。
【0081】
一方、出荷リストのすべての商品の出荷数が0になっていれば(ステップS9:Yes)、出荷リスト上のすべての商品がカゴ台車Dに積み付けられたと判断し、判断部500は処理を終える。
【0082】
したがって、以上説明した本実施形態によれば、図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1内に搬送されてきたワークWについて、カゴ台車Dへの積み付け方の候補を算出し、その候補を評価したうえで最適な積み付け方を決定し、決定した積み付け方によりワークWをカゴ台車Dに積み付けている。このため、ワークWが搬送されてくる順番に頼ることなく、最適な積み付け方により積み付け作業を行うことができる。
【0083】
以上のことより、本実施形態によれば、従来のように仕分設備等の設備を設置してカゴ台車Dに積み付ける順にワークWを搬送する必要がなくなり、もって、カゴ台車Dに積み付ける作業を、安価に自動化することが可能となる。
【0084】
なお、本実施形態において示したワーク積み付けシステムはあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
【0085】
たとえは、本実施形態においては、荷役台形状受付部502は、作業者によりCADデータ等の形式でカゴ台車Dの形状データを受け付け、それによりカゴ台車Dの形状dを生成したが、代わりに、カゴ台車Dを撮像可能な撮像部を設置し、カゴ台車Dを撮像した三次元画像を用いて、カゴ台車Dの形状dを生成してもよい。
【0086】
また、本実施形態においては、積み付け方候補算出部504は、ワーク情報認識部503が認識したワークWAの縦、横のサイズを用いて、図4(b)に示す底板da上にワークWAを積み付けることができる位置を全て算出したが、勿論、積み付け方によって、ワークWの縦と高さ、あるいはワークWの横と高さのサイズを用いて、図4(b)に示す底板da上に積み付ける位置の候補を算出しても良い。
【0087】
また、本実施形態においては、積み付け方候補算出部504、積み付け方評価部505は、図5に示すように、底板da上に、積み付けられたワークWA~WDを再現し、次の1個以上のワークWE~WHの積み付け方の候補を算出したり評価したが、代わりに、カゴ台車Dを撮像可能な撮像部を設置し、カゴ台車Dを撮像した三次元画像を用いて、カゴ台車D上のワークWの積み付け状態を把握して、次の1個以上のワークWE~WHの積み付け方の候補を算出したり評価したりしてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 ワーク積み付けシステム
2 ロボット
502 荷役台形状受付部(荷役台形状受付手段)
503 ワーク情報認識部(認識手段手段)
504 積み付け方候補算出部(積み付け方候補算出手段)
505 積み付け方評価部(積み付け方評価手段)
506 積み付け方決定部(積み付け方決定手段)
507 ロボットコントローラ指示部(ロボット制御手段)
6 プログラマブルロジックコントローラ(搬送装置制御手段)
W、WA~WI ワーク
D カゴ台車(荷役台)
d カゴ台車Dの形状(荷役台の形状)
C コンベア(搬送装置)
R1 図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲(所定範囲)
k1~kn、k11~knn 積み付け方の候補
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物流に用いる荷役台に積み付けたい様々な種類のワークを搬送する搬送装置と、
前記搬送装置上に搬送されるワークを撮像可能な撮像装置と、
前記搬送装置の所定範囲内にある1個以上のワークをピッキング可能なロボットと、
前記撮像装置が撮像する画像に基づき、前記所定範囲内にある1個以上のワークを認識する認識手段と、
前記荷役台の形状を受け付ける荷役台形状受付手段と、
前記認識手段にて認識した1個以上のワークを、前記受け付けた形状の荷役台に積み付ける様々な積み付け方の候補を算出する積み付け方候補算出手段と、
前記算出された様々な積み付け方の候補を評価する積み付け方評価手段と、
前記評価に基づき、所定範囲内にある1個以上のワークのすべてのワークの積み付け方を決定する積み付け方決定手段と、
所定範囲内にある1個以上のワークのすべてのワークの積み付け方を決定したら、前記決定した積み付け方に従い、前記所定範囲内にある1個以上のワークのすべてを前記荷役台に積み付けるロボット制御手段と、
前記所定範囲内にある1個以上のワークのすべてを前記荷役台に積み付けたら、次の1個以上のワークを前記搬送装置の所定範囲内に搬送する搬送装置制御手段と、を有してなるワーク積み付けシステム。
【請求項2】
前記撮像装置が、前記所定範囲外のワークを撮像しても、前記認識手段は、該所定範囲外のワークを認識しないことにより、前記積み付け方候補算出手段による前記所定範囲外のワークの積み付け方の候補を算出しないようにしてなる、請求項1に記載のワーク積み付けシステム。
【請求項3】
前記搬送装置制御手段が前記次の1個以上のワークを前記搬送装置の所定範囲内に搬送すると、前記積み付け方候補算出手段は、前記ロボット制御手段によりワークが既に積み付けられた前記荷役台の状態から、前記次の1個以上のワークを更に積み付ける様々な積み付け方の候補を生成する、請求項1または2に記載のワーク積み付けシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
請求項1に記載のワーク積み付けシステムは、
物流に用いる荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付けたい様々な種類のワーク(例えば図1に示すワークW)を搬送する搬送装置(例えば図1に示すコンベアC)と、
前記搬送装置(例えば図1に示すコンベアC)上に搬送されるワーク(例えば図1に示すワークW)を撮像可能な撮像装置(例えば図1に示す撮像部3)と、
前記搬送装置の所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)をピッキング可能なロボット(例えば図1に示すロボット2)と、
前記撮像装置(例えば図1に示す撮像部3)が撮像する画像に基づき、前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)を認識する認識手段(例えば図2に示すワーク情報認識部503、図3に示すステップS4)と、
前記荷役台の形状(例えば図4(a)に示すカゴ台車Dの形状d)を受け付ける荷役台形状受付手段(例えば図2に示す荷役台形状受付部502、図3に示すステップS2)と、
前記認識手段(例えば図2に示すワーク情報認識部503、図3に示すステップS4)にて認識した1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)を、前記受け付けた形状の荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付ける様々な積み付け方の候補(例えば図4(b)に示す候補k1、候補k2、・・・、候補kn)を算出する積み付け方候補算出手段(例えば図2に示す積み付け方候補算出部504、図3に示すステップS5)と、
前記算出された様々な積み付け方の候補(例えば図4(b)に示す候補k1、候補k2、・・・、候補kn)を評価する積み付け方評価手段(例えば図2に示す積み付け方評価部505、図3に示すステップS6)と、
前記評価に基づき、所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワークのすべてのワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)の積み付け方を決定する積み付け方決定手段(例えば図2に示す積み付け方決定部506、図3に示すステップS7)と、
所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワークのすべてのワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)の積み付け方を決定したら、前記決定した積み付け方に従い、前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)のすべてを前記荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付けるロボット制御手段(例えば図2に示すロボットコントローラ指示部507、図3に示すステップS8)と、
前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)のすべてを前記荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付けたら、次の1個以上のワーク(例えば図1に示す次の1個以上のワークWE~WH)を前記搬送装置の所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内に搬送する搬送装置制御手段(例えば図2に示すPLC(プログラマブルロジックコントローラ)6、図3に示すステップS3)と、を有してなることを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物流に用いる荷役台に積み付けたい様々な種類のワークを搬送する搬送装置と、
前記搬送装置上に搬送されるワークを撮像可能な撮像装置と、
前記搬送装置の所定範囲内にある1個以上のワークをピッキング可能なロボットと、
前記撮像装置が撮像する画像に基づき、前記所定範囲内にある1個以上のワークを認識する認識手段と、
前記荷役台の形状を受け付ける荷役台形状受付手段と、
前記認識手段にて認識した1個以上のワークを、前記受け付けた形状の荷役台に積み付ける様々な積み付け方の候補を算出する積み付け方候補算出手段と、
前記算出された様々な積み付け方の候補を、複数の評価観点に基づき評価値を算出し、前記複数の評価観点の各々に対して設定される重み係数を対応する評価値に乗じ、それら重み係数を乗じた評価値の合計を算出することにより評価する積み付け方評価手段と、
前記評価値の合計が最も高い候補を、そのワークの積み付け方と決定することにより、所定範囲内にある1個以上のワークのすべてのワークの積み付け方を決定する積み付け方決定手段と、
所定範囲内にある1個以上のワークのすべてのワークの積み付け方を決定したら、前記決定した積み付け方に従い、前記所定範囲内にある1個以上のワークのすべてを前記荷役台に積み付けるロボット制御手段と、
前記所定範囲内にある1個以上のワークのすべてを前記荷役台に積み付けたら、次の1個以上のワークを前記搬送装置の所定範囲内に搬送する搬送装置制御手段と、を有してなるワーク積み付けシステム。
【請求項2】
前記撮像装置が、前記所定範囲外のワークを撮像しても、前記認識手段は、該所定範囲外のワークを認識しないことにより、前記積み付け方候補算出手段による前記所定範囲外のワークの積み付け方の候補を算出しないようにしてなる、請求項1に記載のワーク積み付けシステム。
【請求項3】
前記搬送装置制御手段が前記次の1個以上のワークを前記搬送装置の所定範囲内に搬送すると、前記積み付け方候補算出手段は、前記ロボット制御手段によりワークが既に積み付けられた前記荷役台の状態から、前記次の1個以上のワークを更に積み付ける様々な積み付け方の候補を生成する、請求項1または2に記載のワーク積み付けシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
請求項1に記載のワーク積み付けシステムは、
物流に用いる荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付けたい様々な種類のワーク(例えば図1に示すワークW)を搬送する搬送装置(例えば図1に示すコンベアC)と、
前記搬送装置(例えば図1に示すコンベアC)上に搬送されるワーク(例えば図1に示すワークW)を撮像可能な撮像装置(例えば図1に示す撮像部3)と、
前記搬送装置の所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)をピッキング可能なロボット(例えば図1に示すロボット2)と、
前記撮像装置(例えば図1に示す撮像部3)が撮像する画像に基づき、前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)を認識する認識手段(例えば図2に示すワーク情報認識部503、図3に示すステップS4)と、
前記荷役台の形状(例えば図4(a)に示すカゴ台車Dの形状d)を受け付ける荷役台形状受付手段(例えば図2に示す荷役台形状受付部502、図3に示すステップS2)と、
前記認識手段(例えば図2に示すワーク情報認識部503、図3に示すステップS4)にて認識した1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)を、前記受け付けた形状の荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付ける様々な積み付け方の候補(例えば図4(b)に示す候補k1、候補k2、・・・、候補kn)を算出する積み付け方候補算出手段(例えば図2に示す積み付け方候補算出部504、図3に示すステップS5)と、
前記算出された様々な積み付け方の候補(例えば図4(b)に示す候補k1、候補k2、・・・、候補kn)を、複数の評価観点(例えば図4(c)に示す第1評価観点Pa、第2評価観点Pb、第3評価観点Pc、第4評価観点Pd)に基づき評価値を算出し、前記複数の評価観点(例えば図4(c)に示す第1評価観点Pa、第2評価観点Pb、第3評価観点Pc、第4評価観点Pd)の各々に対して設定される重み係数(例えば重み係数wn)を対応する評価値に乗じ、それら重み係数(例えば重み係数wn)を乗じた評価値の合計を算出することにより評価する積み付け方評価手段(例えば図2に示す積み付け方評価部505、図3に示すステップS6)と、
前記評価値の合計が最も高い候補(例えば図4(b)に示す候補k1、候補k2、・・・、候補kn)を、そのワークの積み付け方と決定することにより、所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワークのすべてのワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)の積み付け方を決定する積み付け方決定手段(例えば図2に示す積み付け方決定部506、図3に示すステップS7)と、
所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワークのすべてのワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)の積み付け方を決定したら、前記決定した積み付け方に従い、前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)のすべてを前記荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付けるロボット制御手段(例えば図2に示すロボットコントローラ指示部507、図3に示すステップS8)と、
前記所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内にある1個以上のワーク(例えば図1に示すワークWA~WD)のすべてを前記荷役台(例えば図1に示すカゴ台車D)に積み付けたら、次の1個以上のワーク(例えば図1に示す次の1個以上のワークWE~WH)を前記搬送装置の所定範囲(例えば図1に示すロボット2がピッキング可能な範囲R1)内に搬送する搬送装置制御手段(例えば図2に示すPLC(プログラマブルロジックコントローラ)6、図3に示すステップS3)と、を有してなることを特徴とする。