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特開2024-127000情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127000
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q30/0207 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035816
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 翔大
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】1人のユーザの動作を複数人分の動作として活用されることを防ぐ技術を提供する。
【解決手段】情報処理システム(1)は、第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する取得部(11)と、第1動作情報および第2動作情報が類似するか否かを判断する判断部(12)と、判断結果に応じて、第1動作情報および第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する決定部(13)とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する取得手段と、
前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する決定手段と、
を含む、情報処理システム。
【請求項2】
前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似すると判断された場合に、前記第1端末および前記第2端末の各々に関連付けられた生体認証情報を用いて、当該端末を携帯するユーザの生体認証を実行する認証手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記生体認証に成功したか否かに応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記認証手段は、前記取得手段が前記第1動作情報および前記第2動作情報をリアルタイムに取得中において、当該第1動作情報および当該第2動作情報が類似すると判断されたことに応答して、前記第1端末および前記第2端末の各々に前記生体認証を実行させる、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記取得手段は、
前記第1動作情報および前記第2動作情報をリアルタイムに取得中において、当該第1動作情報および当該第2動作情報が類似すると判断されたことに応答して、前記第1動作情報および前記第2動作情報の取得を一時停止し、
前記第1動作情報および前記第2動作情報の一方または両方の取得を、当該動作情報を検出した端末において前記生体認証に成功した場合に再開する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記認証手段は、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似すると判断された後、前記第1ユーザの指示に応じて前記第1端末に前記生体認証を実行させるとともに、前記第2ユーザの指示に応じて前記第2端末に前記生体認証を実行させる、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記取得手段は、前記第1動作情報として前記第1センサによる検出値の時系列、および、前記第2動作情報として前記第2センサによる検出値の時系列を取得し、
前記判断手段は、前記第1センサによる検出値の時系列および前記第2センサによる検出値の時系列それぞれに基づいて、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々について、前記有効であると判断された場合に当該動作情報を参照して所定の処理を実行する処理実行手段をさらに含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記取得手段は、前記第1動作情報をリアルタイムに取得中に、前記第2動作情報をリアルタイムに取得する
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
情報処理システムが、
第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得することと、
前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断することと、
前記判断することにおける判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを情報処理システムとして機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する取得手段と、
前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する決定手段と、
として機能させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、歩数計を装着した装着者の歩数データを、商業施設において通用するサービスポイントデータに変換するサービスポイント交換システムが開示されている。当該サービスポイント交換システムは、商業施設内に設置されたチェックポイントを装着者が通過したことに基づき、歩数データからサービスポイントデータに変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-218327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のサービスポイント交換システムは、例えば、ユーザが歩行せずに歩数計を手で振って歩数カウントを上げることにより得られた歩数データについては、チェックポイントを通過していないのでポイントデータに変換しない。しかしながら、当該サービスポイント交換システムは、複数台の歩数計を1人のユーザが所持してチェックポイントを通過した場合は、複数台の歩数計のそれぞれに応じた歩数データをサービスポイントデータに変換する。このように、特許文献1を用いても、1人のユーザの動作を複数人分の動作として活用されることを防止することはできないという問題があった。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、1人のユーザの動作を複数人分の動作として活用されることを防ぐ技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する取得手段と、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する決定手段と、を含む。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、情報処理システムが、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得することと、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断することと、前記判断することにおける判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定することと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを情報処理システムとして機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する取得手段と、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する決定手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、1人のユーザの動作を複数人分の動作として活用されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の例示的実施形態1に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
図3】本発明の例示的実施形態2に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の例示的実施形態2における動作情報の一例を示す図である。
図5】本発明の例示的実施形態2に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
図6】本発明の例示的実施形態2において情報処理装置が管理する表の一例である。
図7】本発明の変形例2に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
図8】各例示的実施形態に係る情報処理システム、情報処理装置、第1端末、および第2端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0012】
(情報処理システム1の構成)
本例示的実施形態に係る情報処理システム1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本例示的実施形態に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0013】
情報処理システム1は、図1に示すように、取得部11、判断部12、および決定部13を備えている。取得部11、判断部12、および決定部13は、それぞれ本例示的実施形態において、取得手段、判断手段、および決定手段を実現する構成である。
【0014】
取得部11は、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する。取得部11は、取得した第1動作情報および第2動作情報を、判断部12に供給する。
【0015】
ここで、第1ユーザと第2ユーザとは、異なる可能性もあるし、同一の可能性もある。例えば、あるユーザが第1端末を携帯し、あるユーザとは異なる他のユーザが第2端末を携帯している場合、第1ユーザ(あるユーザ)および第2ユーザ(他のユーザ)は異なる。また、あるユーザが第1端末と第2端末とを携帯している場合、第1ユーザおよび第2ユーザは何れも「あるユーザ」であり同一である。
【0016】
判断部12は、取得部11が取得した第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する。判断部12は、判断結果を決定部13に供給する。
【0017】
決定部13は、判断部12による判断結果に応じて、第1動作情報および第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する。
【0018】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理システム1においては、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する取得部11と、取得部11が取得した第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する判断部12と、判断部12による判断結果に応じて、第1動作情報および第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する決定部13と、を備える構成が採用されている。上記構成によれば、1人のユーザの動作を複数人分の動作として活用されることを防ぐことができる。
【0019】
(決定部13の変形例)
判断部12による判断結果が、第1動作情報および第2動作情報が類似していない、であった場合、決定部13は、第1動作情報および第2動作情報の各々は有効であると決定してもよい。一方、判断部12による判断結果が、第1動作情報および第2動作情報が類似する、であった場合、決定部13は、第1動作情報および第2動作情報のうち、少なくとも何れかは無効であると決定してもよい。例えば、決定部13は、類似すると判断した第1動作情報および第2動作情報の一方は有効であると決定し他方は無効であると決定してもよい。または、決定部13は、類似すると判断した第1動作情報および第2動作情報の何れも無効であると決定してもよい。
【0020】
本変形例の適用例として、情報処理システム1がイベントに参加した参加者の数をカウントするシステムである場合を例に挙げて説明する。
【0021】
参加者をカウントする一般的な方法の一例として、イベント会場における端末の数を、イベントに参加した参加者の数としてカウントする方法が挙げられる。この場合、1人の参加者が複数台の端末を携帯すると、イベントに参加した参加者の数を正確にカウントできなくなる。
【0022】
ここで、1人の参加者が複数台の端末を携帯した場合、当該複数台の端末のそれぞれから取得した動作情報は類似する。本例示的実施形態に係る情報処理システム1は、上述したように、例えば、類似すると判断した第1動作情報および第2動作情報のうち一方を有効であると決定し、他方を無効であると決定してもよい。この場合、情報処理システム1は、有効であると決定した動作情報に係る参加者をカウントすることにより、複数台の端末を所持する参加者を1人としてカウントすることができる。または、情報処理システム1は、上述したように、例えば、類似すると判断した第1動作情報および第2動作情報の何れも無効であると決定してもよい。この場合、情報処理システム1は、複数台の端末を所持する参加者は不正な参加者であるとしてカウントしないことができる。
【0023】
このように、決定部13を変形した場合の本例示的実施形態は、1人のユーザの動作を複数人分の動作として活用されることをより精度よく防ぐすることができる。
【0024】
(情報処理方法S1の流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理方法S1の流れについて、図2を参照して説明する。図2は、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1の流れを示すフロー図である。
【0025】
(ステップS11)
ステップS11において、取得部11は、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する。第1ユーザ、第2ユーザについては、上述した通りである。取得部11は、取得した第1動作情報および第2動作情報を、判断部12に供給する。
【0026】
(ステップS12)
ステップS12において、判断部12は、ステップS11において取得された第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する。判断部12は、判断結果を決定部13に供給する。
【0027】
(ステップS13)
ステップS13において、決定部13は、ステップS12における判断結果に応じて、第1動作情報および第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する。決定部13による決定方法の例については、上述した通りである。
【0028】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1においては、取得部11が、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得するステップS11と、判断部12が、ステップS11において取得された第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断するステップS12と、決定部13が、ステップS12における判断結果に応じて、第1動作情報および第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定するステップS13と、を含む構成が採用されている。
【0029】
このため、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1によれば、上述した情報処理システム1と同様の効果が得られる。
【0030】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0031】
(情報処理システム100Aの概要)
情報処理システム100Aの概要について、図3を用いて説明する。図3は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aの構成を示すブロック図である。
【0032】
情報処理システム100Aは、図3に示すように、情報処理装置1A、第1端末2A、および第2端末2Bを備えている。図3に示すように、情報処理装置1A、第1端末2A、および第2端末2Bは、それぞれネットワークNを介して通信可能に接続されている。なお、図3では端末は第1端末2Aおよび第2端末2Bのみであるが、情報処理システム100Aでは、端末の台数は限定されず、3台以上であってもよい。
【0033】
ネットワークNの具体例としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、WAN(Wide Area Network)、公衆回線網、モバイルデータ通信網(3G、LTE:Long Term Evolution、4G、5G、ローカル5G等)、又は、これらのネットワークの組み合わせが挙げられる。ただし、ネットワークNはこれらに限られない。
【0034】
情報処理装置1Aの例として、据え置き型のコンピュータおよびシングルボードコンピュータが挙げられる。第1端末2Aおよび第2端末2Bの一例として、スマートフォンおよびタブレットが挙げられる。なお、情報処理装置1A、第1端末2A、および第2端末2Bは、これらに限定されない。
【0035】
情報処理システム100Aは、第1端末2Aを携帯する第1ユーザの動作を示す第1動作情報、および第2端末2Bを携帯する第2ユーザの動作を示す第2動作情報が、それぞれ有効であるか否かに応じて、所定の処理を実行するシステムである。本例示的実施形態においても、上述した例示的実施形態と同様、第1ユーザと第2ユーザとは、異なる可能性もあるし、同一の可能性もある。
【0036】
第1動作情報および第2動作情報は、ユーザの動作を示す情報であればよく、第1動作情報および第2動作情報が示すユーザの動作は限定されない。第1動作情報および第2動作情報の例として、ユーザが歩いた歩数、歩幅、歩容、ユーザが自転車で移動した距離、ユーザが動かした身体の部位、ユーザが身体の部位を動かした速度などを示す情報が挙げられる。
【0037】
情報処理システム100Aが実行する所定の処理は限定されないが、一例として、第1動作情報および第2動作情報の各々について、有効であると判断された場合に当該動作情報を検出した端末を携帯するユーザに対して報酬を付与する処理が挙げられる。他の例として、第1動作情報および第2動作情報の各々について、有効であると判断された場合に当該動作情報を検出した端末を携帯するユーザの動作を分析する処理が挙げられる。
【0038】
本例示的実施形態では、所定の処理として、ユーザが歩いた歩数を示す第1動作情報および第2動作情報の各々について、有効であると判断された場合に当該動作情報を検出した端末を携帯するユーザに対して、歩数に応じたポイントを付与する処理が実行される構成を例に挙げ、説明する。すなわち、情報処理システム100Aは、動作情報が有効であると決定された場合、当該動作情報を検出した端末を携帯するユーザに、歩数に応じたポイントを付与するシステムである。
【0039】
また、以下の構成は情報処理システム100Aを限定するものではないものの、本例示的実施形態では、予め、端末およびユーザを関連付けたアカウントが作成される。また、本例示的実施形態では、アカウントを作成する際に本人確認を行うことにより、1人のユーザが複数の端末に関連付けられたアカウント、または複数のユーザが1つの端末に関連付けられたアカウントは作成されないものとする。当該構成により、情報処理システム100Aは、有効であると判断された場合に当該動作情報を検出した端末を特定することにより、当該端末に関連付けられた1人のユーザに対して、歩数に応じたポイントを付与することができる。
【0040】
(第1端末2Aの構成)
第1端末2Aは、図3に示すように、制御部20A、カメラ24A、センサ25A、通信部28A、および記憶部29Aを備えている。なお、第2端末2Bは、第1端末2Aと同じ構成であり、第1端末2Aと同じ機能を有しているため、第2端末2Bの構成および機能についての説明は省略する。
【0041】
カメラ24Aは、画角に含まれる被写体を撮像するデバイスである。カメラ24Aは、撮像した画像を、制御部20Aに供給する。なお、第1端末2Aは、カメラ24Aを備えず、他の撮像装置から画像を取得する構成であってもよい。
【0042】
センサ25Aは、第1端末2Aを携帯する第1ユーザの動作を検出するデバイスである。センサ25Aは、検出した動作を示す検出値を制御部20Aに供給する。一例として、センサ25Aは、第1端末2Aを携帯する第1ユーザが歩いた歩数を、検出値として出力する。
【0043】
センサ25Aの一例として、加速度センサ、ジャイロセンサ、およびGPS(Global Positioning System)に用いられるGPSセンサが挙げられるが、これらに限定されない。なお、第1端末2Aは、センサ25Aを備えず、センサ25Aを備えた他のデバイスから検出値を取得する構成であってもよい。この場合のデバイスの例として、脈波センサ(センサ25Aの一例)を備えたウェアラブルデバイスが挙げられるが、これに限定されない。
【0044】
通信部28Aは、ネットワークNを介してデータを送受信するインタフェースである。一例として、通信部28Aは、制御部20Aから出力されたデータを情報処理装置1Aに送信したり、情報処理装置1Aから送信されたデータを制御部20Aに供給したりする。通信部28Aの例として、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、モバイルデータ通信網の無線通信規格といった各種通信規格における通信チップ、およびUSB(Universal Serial Bus)準拠のコネクタが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
記憶部29Aには、制御部20Aが参照するデータが保存されている。記憶部29Aに保存されているデータの一例として、後述する生体認証に用いられる生体認証情報が挙げられるが、これに限定されない。記憶部29Aの例として、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、または、これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
(制御部20A)
制御部20Aは、第1端末2Aが備える各構成要素を制御する。また、制御部20Aは、図3に示すように、取得部21A、出力部22A、および認証部23Aを備えている。
【0047】
取得部21Aは、制御部20Aに対して供給されたデータを取得する。取得部21Aが取得するデータの一例として、カメラ24Aが供給した画像、センサ25Aが供給した検出値、および通信部28Aが受信したデータが挙げられるが、これらに限定されない。取得部21Aは、取得したデータを記憶部29Aに保存する。
【0048】
また、取得部21Aは、リアルタイムにデータを取得する構成であってもよいし、非リアルタイムにデータを取得する構成であってもよい。
【0049】
取得部21Aは、リアルタイムにデータを取得した場合、取得したデータに、現在時刻を示す時間情報を関連付けてもよい。
【0050】
また、取得部21Aが取得したデータに、当該データに関連する時刻を示す時間情報が関連付けられていてもよい。この場合の例として、センサ25Aが、第1ユーザの動作を検出した時刻を示す時間情報と、当該検出による検出値と関連付け、取得部21Aはセンサ25Aから当該時間情報と検出値とを取得する構成が挙げられる。当該構成では、取得部21Aは、取得した時間情報が示す時刻と、現在時刻との差が所定の範囲内(例えば、1秒、5秒など)である場合、リアルタイムにデータを取得していると判断してもよい。一方、取得部21Aは、取得した時間情報が示す時刻と、現在時刻との差が所定の範囲外(例えば、2秒以上、1分以上など)である場合、非リアルタイムにデータを取得していると判断してもよい。
【0051】
また、取得部21Aは、センサ25Aが供給した検出値の時系列を取得してもよい。この場合、取得部21Aは、複数回、検出値を取得することによって、検出値の時系列を取得してもよい。一例として、取得部21Aは、センサ25Aから、第1ユーザが1歩、歩いたことを示す検出値を複数回取得することによって、検出値の時系列を取得してもよい。
【0052】
他の例として、取得部21Aは、所定の期間における検出値を、複数回、取得することによって、検出値の時系列を取得してもよい。一例として、取得部21Aは、センサ25Aから、1分間に第1ユーザが歩いた歩数を示す検出値を、複数回、取得することによって、検出値の時系列を取得してもよい。
【0053】
出力部22Aは、通信部28Aを介して、データを他の装置に出力する。一例として、出力部22Aは、第1端末2Aを携帯する第1ユーザの動作を示す第1動作情報を、情報処理装置1Aに出力する。この場合の一例として、出力部22Aは、記憶部29Aに保存されている検出値を、第1ユーザの動作を示す第1動作情報として情報処理装置1Aに出力する。
【0054】
また、出力部22Aは、データを出力する場合、第1ユーザを他のユーザと識別するための情報、または第1端末2Aを他の端末と識別するための情報を、当該データに関連付けて出力する。
【0055】
また、出力部22Aは、記憶部29Aに保存されている第1ユーザに関する他の情報を、第1動作情報に関連付けて出力してもよい。一例として、出力部22Aは、第1ユーザの脈拍を示す情報、第1ユーザの位置を示す位置情報(例えば、GPSセンサが検出した検出値)、またはこれらの情報を組み合わせた情報を、第1動作情報に関連付けて出力してもよい。
【0056】
認証部23Aは、生体認証を実行する。認証部23Aは、一例として、ユーザの生体に関する情報である生体情報を取得し、当該生体情報と、記憶部29Aに保存されている生体認証情報とを用いて、生体認証を実行する。認証部23Aは、生体認証に成功したか否かを示す認証結果を、記憶部29Aに保存する。
【0057】
認証部23Aが生体認証を実行するタイミングは特に限定されない。一例として、認証部23Aは、情報処理装置1Aから生体認証を実行するよう指示を受け付けると、生体情報を取得する。そして、認証部23Aは、取得した生体情報と、記憶部29Aに保存された生体認証情報を用いて、第1端末2Aを携帯する第1ユーザの生体認証を実行する。換言すると、認証部23Aは、第1端末2Aを携帯している第1ユーザが、情報処理システム100Aにおいて、第1端末2Aに予め関連付けて登録されたユーザであることを認証する。
【0058】
認証部23Aが実行する生体認証の種類は特に限定されない。生体認証の一例として、ユーザの顔を被写体として含む画像を生体情報とした顔認証が挙げられる。この場合、認証部23Aは、予め取得した、ユーザの顔を被写体として含む画像である生体認証情報と、取得部21Aが取得したカメラ24Aから取得した画像であって、ユーザの顔を被写体として含む画像である生体情報とを参照し、2つの画像にそれぞれ被写体として含まれる顔の特徴が一致するか否かに基づき生体認証を行う。また、顔認証の場合の生体認証情報の他の例として、ユーザの顔の特徴を示す顔特徴情報も挙げられるが、生体認証情報はこれらに限定されない。認証部23Aが実行する生体認証の他の例として、指紋認証、虹彩認証、および声認証が挙げられる。
【0059】
認証部23Aが生体認証を実行する他の例として、予め生体認証情報を情報処理装置1Aに出力する構成が挙げられる。当該構成において顔認証を行う場合の一例として、認証部23Aは、情報処理装置1Aから生体認証を実行するよう指示を受け付けると生体情報を取得する。次に、認証部23Aは、取得した生体情報を出力部22Aに供給する。出力部22Aは、供給された生体情報を情報処理装置1Aに出力する。
【0060】
(情報処理装置1Aの構成)
情報処理装置1Aは、図3に示すように、制御部10、通信部18、および記憶部19を備えている。
【0061】
通信部18は、ネットワークNを介してデータを送受信するインタフェースである。一例として、通信部18は、制御部10から出力されたデータを第1端末2Aまたは第2端末2Bに送信したり、第1端末2Aまたは第2端末2Bから送信されたデータを制御部10に供給したりする。通信部18の例として、イーサネット、Wi-Fi、モバイルデータ通信網の無線通信規格といった各種通信規格における通信チップ、およびUSB準拠のコネクタが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
記憶部19には、制御部10が参照するデータが保存されている。記憶部19に保存されているデータの一例として、第1動作情報および第2動作情報が挙げられるが、これらに限定されない。記憶部19の例として、フラッシュメモリ、HDD、SSD、または、これらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
(制御部10)
制御部10は、情報処理装置1Aが備える各構成要素を制御する。また、制御部10は、図3に示すように、取得部11、判断部12、決定部13、認証部14、処理実行部15、および出力部16を備えている。取得部11、判断部12、決定部13、認証部14、および処理実行部15は、それぞれ本例示的実施形態において、取得手段、判断手段、決定手段、認証手段、および処理実行手段を実現する構成である。
【0064】
(取得部11)
取得部11は、通信部18から供給されたデータを取得する。一例として、取得部11は、第1端末2Aを携帯する第1ユーザの動作に伴い第1端末2Aがセンサ25Aを用いて検出した検出値を、第1動作情報として取得する。また、取得部11は、第2端末2Bを携帯する第2ユーザの動作に伴い第2端末2Bがセンサ25Bを用いて検出した検出値を、第2動作情報として取得する。取得部11は、取得したデータを記憶部19に保存する。
【0065】
また、取得部11は、第1動作情報としてセンサ25Aによる検出値の時系列、および、第2動作情報としてセンサ25Bによる検出値の時系列を取得してもよい。一例として、取得部11は、複数回、第1動作情報および第2動作情報を取得し、取得した第1動作情報および第2動作情報を記憶部19に時系列として保存してもよい。他の例として、取得部11は、検出値の時系列を示す第1動作情報及び第2動作情報を取得してもよい。
【0066】
また、取得部11は、第1動作情報をリアルタイムに取得中に、第2動作情報をリアルタイムに取得してもよい。換言すると、取得部11は、第1ユーザのリアルタイムの動作を示す第1情報と、第2ユーザのリアルタイムの動作を示す第2情報とを、取得してもよい。
【0067】
また、取得部11は、第1動作情報および第2動作情報を、非リアルタイムに取得してもよい。取得部11が非リアルタイムに動作情報を取得する場合、当該動作情報に、時間に関する時間情報が関連付けられていてもよい。一例として、取得部11は、第1動作情報が示す動作が第1ユーザによって行われた時刻を示す時間情報と、当該第1動作情報とを取得してもよい。
【0068】
(判断部12)
判断部12は、複数の動作情報が互いに類似するか否かを判定する。一例として、判断部12は、記憶部19に保存されている第1動作情報および第2動作情報が類似するか否かを判断する。
【0069】
一例として、第1動作情報が示す所定期間における歩数と、第2動作情報が示す所定期間における歩数とが一致する、または歩数の差が所定の範囲内である場合、判断部12は、第1動作情報および第2動作情報が類似すると判断する。
【0070】
例えば、取得部11が、第1動作情報をリアルタイムに取得中に、第2動作情報をリアルタイムに取得する場合、判断部12は、取得部11が第1動作情報および第2動作情報を取得した時刻を参照してもよい。この場合、判断部12は、参照した時刻から直近の同期間における第1動作情報および第2動作情報を比較してもよい。
【0071】
このように、取得部11が、第1動作情報をリアルタイムに取得中に、第2動作情報をリアルタイムに取得することにより、判断部12は、第1ユーザのリアルタイムの動作を示す第1情報と、第2ユーザのリアルタイムの動作を示す第2情報とが類似するか否かを判定することができる。そのため、取得部11は、同じタイミングで行われた動作が類似するか否かを、判断部12に判断させることができる。
【0072】
また、他の例として、取得部11が、第1動作情報および第2動作情報を、非リアルタイムに取得した場合、判断部12は同じ時刻を示す時間情報が関連付けられた同期間における第1動作情報および第2動作情報が類似するか否かを判断してもよい。当該構成においても、取得部11は、同じタイミングで行われた動作が類似するか否かを、判断部12に判断させることができる。
【0073】
また、他の例として、判断部12は、センサ25Aによる検出値の時系列およびセンサ25Bによる検出値の時系列それぞれに基づいて、第1動作情報および第2動作情報が類似するか否かを判断してもよい。当該構成について、図4を参照して説明する。図4は、本例示的実施形態における動作情報の一例を示す図である。
【0074】
図4における時系列MI_Aは、第1端末2Aから取得した第1動作情報の時系列であり、時系列MI_Bは、第2端末2Bから取得した第2動作情報の時系列である。図4に示すように、第1動作情報の時系列MI_Aおよび第2動作情報の時系列MI_Bにおいて、10:00~10:01、10:01~10:02、および10:02~10:03の何れの期間においても、歩数は同じである。
【0075】
図4に示すように、比較した期間(10:00~10:01、10:01~10:02、および10:02~10:03)の何れの期間においても歩数が同じである場合、判断部12は、第1動作情報および第2動作情報は、類似すると判断する。なお、判断部12は、類似するか否かを判断する歩数は、同じであるかどうかに基づいてもよいし、差が所定の範囲内(例えば、10歩など)であるかどうかに基づいてもよい。
【0076】
このように、判断部12は、センサ25Aによる検出値の時系列およびセンサ25Bによる検出値の時系列それぞれに基づいて、第1動作情報および第2動作情報が類似するか否かを判断する。そのため、判断部12は、第1動作情報および第2動作情報が類似するか否かを判断する精度を上げることができる。
【0077】
また、情報処理システム100Aが3台以上の端末を備える場合、判断部12は、動作情報をグループ化して、グループ内の動作情報が類似するか否かを判断してもよい。当該構成の一例について、再び図4を参照して説明する。
【0078】
図4における時系列MI_Cは、第3動作情報を出力する第3端末3Cから取得した第3動作情報の時系列である。図4に示すように、第1動作情報の時系列MI_A、第2動作情報の時系列MI_B、および第3動作情報の時系列MI_Cでは、10:01~10:02における歩数は、いずれも150歩である。
【0079】
一方、10;00~10:01における歩数は、第1動作情報の時系列MI_Aおよび第2動作情報の時系列MI_Bでは100歩、第3動作情報の時系列MI_Cでは10歩である。また、10:02~10:03における歩数は、第1動作情報の時系列MI_Aおよび第2動作情報の時系列MI_Bでは110歩、第3動作情報の時系列MI_Cでは20歩である。
【0080】
この場合、判断部12は、時系列が類似する第1動作情報と第2動作情報をグループ化し、第3動作情報はグループ化しない。
【0081】
このように、複数の期間のそれぞれの時系列について、判断部12は歩数を比較する。そして、判断部12は、複数の期間の何れにおいても、互いに類似する動作情報(歩数が同じ動作情報、または差が所定の範囲内の動作情報)をグループ化する。そして、判断部12は、グループ化の処理を行って以降の処理では、グループ内の動作情報が互いに類似するか否かを判断する。当該構成により、判断部12は、全ての動作情報が互いに類似するか否かを判断する場合に比べて、処理の負荷を軽減することができる。
【0082】
また、判断部12は、他の例として、複数の期間のそれぞれの時系列における動作情報の変化に基づいて、動作情報が類似するか否かを判断してもよい。例えば、判断部12は、複数の期間のそれぞれの時系列における動作情報の変化量(差分)が類似するか否かを判断してもよい。他の例として、判断部12は、複数の期間のそれぞれの時系列における動作情報の変化率(割合)が類似するか否かを判断してもよい。
【0083】
また、判断部12は、時系列に替えて、端末から送信される位置情報、または端末が通信する基地局に基づいて、グループ化してもよい。例えば、判断部12は、位置情報が示す位置が、所定の範囲内(例えば、3m以内)に含まれる複数の端末から出力された動作情報をグループ化してもよい。また、判断部12は、同じ基地局と通信する複数の端末から出力された動作情報をグループ化してもよい。
【0084】
(決定部13)
決定部13は、情報が有効であるか否かを判定する。一例として、決定部13は、判断部12による判断結果に応じて、第1動作情報および第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する。
【0085】
例えば、判断部12による判断結果が、第1動作情報および第2動作情報が類似していない、であった場合、決定部13は、第1動作情報および第2動作情報の各々は有効であると決定する。一方、判断部12による判断結果が、第1動作情報および第2動作情報が類似する、であった場合、決定部13は、第1動作情報および第2動作情報のうち、少なくとも何れかは有効ではないと決定する。
【0086】
他の例として、決定部13は、後述する認証部14による生体認証に成功したか否かに応じて、第1動作情報および第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定してもよい。例えば、第1端末2Aによる生体認証が成功した場合、決定部13は、第1端末2Aが出力する第1動作情報は有効であると決定する。一方、第1端末2Aによる生体認証が成功しなかった場合、決定部13は、第1端末2Aが出力する第1動作情報は有効ではないと決定する。
【0087】
(認証部14)
認証部14は、ユーザの生体認証を実行する。一例として、認証部14は、判断部12によって第1動作情報および第2動作情報が類似すると判断された場合に、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に関連付けられた生体認証情報を用いて、当該端末を携帯するユーザの生体認証を実行する。
【0088】
生体認証情報が第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に関連付けられている場合の例として、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々が生体認証情報を保存している場合が挙げられる。他の例として、情報処理装置1Aが第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々から生体認証情報を取得し、取得した生体認証情報を、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に関連付けて記憶部19に保存する場合が挙げられる。
【0089】
認証部14が生体認証を実行する処理の一例として、生体認証を実行するように第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に指示する構成が挙げられる。この場合、認証部14は、一例として、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に、生体認証を実行するよう指示する情報を出力する。
【0090】
認証部14が生体認証を実行する処理の他の例として、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々から生体情報を取得する構成が挙げられる。この場合、認証部14は、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に対して、生体情報を出力するよう指示する。そして、認証部14は、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々から出力された生体情報と、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に関連付けて記憶部19に保存されている生体認証情報とを参照し、第1端末2Aおよび第2端末2Bを携帯する各ユーザの生体認証を実行する。
【0091】
(処理実行部15)
処理実行部15は、所定の処理を実行する。一例として、処理実行部15は、第1動作情報および第2動作情報の各々について、決定部13によって有効であると判断された場合に動作情報を参照して所定の処理を実行する。例えば、決定部13によって第1動作情報が有効であると判断された場合、処理実行部15は、第1動作情報を参照して所定の処理を実行する。一方、決定部13によって第1動作情報が無効であると判断された場合、処理実行部15は、所定の処理を実行しない。処理実行部15が実行する所定の処理について、後述する。
【0092】
(出力部16)
出力部16は、通信部18を介してデータを出力する。一例として、出力部16は、生体認証を実行するよう指示する情報を、第1端末2Aおよび第2端末2Bに対して出力する。
【0093】
(情報処理方法S100Aの流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理方法S100Aの流れについて、図5を参照して説明する。図5は、本例示的実施形態に係る情報処理方法S100Aの流れを示すフロー図である。情報処理方法S100Aでは、一例として、判断部12が第1動作情報および第2動作情報の時系列が類似するか否かを判断する場合について説明する。
【0094】
また、情報処理方法S100Aでは、一例として、取得部11が、第1動作情報および第2動作情報をリアルタイムに取得中に実施される処理について説明する。換言すると、取得部11は、第1端末2Aから、第1ユーザのリアルタイムの動作を示す第1動作情報を取得し、第2端末2Bから、第2ユーザのリアルタイムの動作を示す動作情報を取得する。
【0095】
(ステップS101)
ステップS101において、第1端末2Aの取得部21Aは、センサ25Aが供給した第1動作情報を取得する。取得部21Aは、取得した第1動作情報を記憶部29Aに保存する。
【0096】
(ステップS102)
ステップS102において、出力部22Aは、記憶部29Aに保存されている第1動作情報を、情報処理装置1Aに出力する。
【0097】
(ステップS103)
ステップS103において、第2端末2Bの取得部21Bは、センサ25Bが供給した第2動作情報を取得する。取得部21Bは、取得した第2動作情報を記憶部29Bに保存する。
【0098】
(ステップS104)
ステップS104において、出力部22Bは、記憶部29Bに保存されている第2動作情報を、情報処理装置1Aに出力する。
【0099】
(ステップS105)
ステップS105において、取得部11は、ステップS102において出力された第1動作情報、およびステップS104において出力された第2動作情報を取得する。
【0100】
(ステップS106)
取得部11は、ステップS105において取得した第1動作情報および第2動作情報を、記憶部19に格納する。
【0101】
(ステップS107)
判断部12は、記憶部19に格納されている第1動作情報の時系列および第2動作情報の時系列が類似するか否かを判断する。
【0102】
(ステップS108)
ステップS108において、認証部14は、判断部12による判断結果を参照し、第1動作情報の時系列および第2動作情報の時系列が類似するか否かを判定する。
【0103】
(ステップS109)
ステップS109において、第1動作情報の時系列および第2動作情報の時系列が類似すると判定された場合(ステップS108:YES)、認証部14は、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に、当該端末に記憶された生体認証情報を用いて当該端末を携帯するユーザの生体認証を実行させる。換言すると、認証部14は、第1動作情報および第2動作情報が類似すると判断されたことに応答して、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に生体認証を実行させる。すなわち、認証部14は、取得部11が、第1動作情報および第2動作情報をリアルタイムに取得中において、リアルタイムに第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に生体認証を実行させる。
【0104】
当該構成により、認証部14は、第1動作情報および第2動作情報が類似すると判断した場合に、リアルタイムに生体認証を実行する。そのため、例えば、第1端末2Aの第1ユーザが第2端末2Bも携帯している場合(第1ユーザと第2ユーザとが同じであった場合)、第2端末2Bの本来の所有者はリアルタイムの生体認証に応答することができない。そのため本来のユーザが後から生体認証することによって生体認証を成功させる、といった不正を防ぐことができる。
【0105】
また、認証部14は、生体認証を第1端末2Aおよび第2端末2Bに実行させることにより、認証部14が実行する処理の負荷を軽くすることができる。
【0106】
また、ステップS109において、取得部11は、第1動作情報および第2動作情報が類似すると判断されたことに応答して、第1動作情報および第2動作情報の取得を一時停止してもよい。換言すると、取得部11は、第1動作情報および第2動作情報が類似する場合、すなわち、第1端末2Aの第1ユーザが第2端末2Bも携帯している可能性がある場合、不正を防ぐために第1動作情報および第2動作情報の取得を一時停止してもよい。
【0107】
(ステップS110)
ステップS110において、第1端末2Aの認証部23Aは、情報処理装置1Aからの指示に応じて、生体認証を実行する。認証部23Aは、認証結果を記憶部29Aに保存する。
【0108】
(ステップS111)
ステップS111において、出力部22Aは、記憶部29Aに保存されている認証結果を情報処理装置1Aに出力する。
【0109】
(ステップS112)
ステップS112において、第2端末2Bの認証部23Bは、情報処理装置1Aからの指示に応じて、生体認証を実行する。認証部23Bは、認証結果を記憶部29Bに保存する。
【0110】
(ステップS113)
ステップS113において、出力部22Bは、記憶部29Bに保存されている認証結果を情報処理装置1Aに出力する。
【0111】
(ステップS114)
情報処理装置1Aの取得部11は、ステップS111において出力された認証結果、およびステップS113において出力された認証結果を取得する。取得部11は、取得した認証結果を記憶部19に保存する。
【0112】
(ステップS115)
ステップS115において、決定部13は、記憶部19に保存されている認証結果を参照し、認証は成功したか否かを判定する。すなわち、ステップS115において決定部13は、第1端末2Aが出力した認証結果と、第2端末2Bが出力した認証結果との各々を参照し、認証は成功したか否かを判定する。
【0113】
(ステップS116)
ステップS115において、認証は成功したと判定された場合(ステップS115:YES)、ステップS116において、決定部13は、動作情報は有効であると決定する。例えば、ステップS115において、第1端末2Aによる認証が成功したと判定された場合、ステップS116において決定部13は、第1動作情報は有効であると決定する。
【0114】
また、上述したステップS109において、取得部11が、第1動作情報および第2動作情報が類似すると判断されたことに応答して、第1動作情報および第2動作情報の取得を一時停止した場合、ステップS116において取得部11は、第1動作情報および第2動作情報の一方または両方の取得を、動作情報を検出した端末において生体認証に成功した場合に再開してもよい。
【0115】
例えば、取得部11が第1動作情報および第2動作情報の取得を一時停止している状態において、第1端末2Aにおいて生体認証に成功したと判定された場合、取得部11は、第1動作情報の取得を再開する。一方、取得部11が第1動作情報および第2動作情報の取得を一時停止している状態において、第1端末2Aにおいて生体認証に成功しなかったと判定された場合、取得部11は、第1動作情報の取得を再開しない。
【0116】
このように、取得部11は、リアルタイムに生体認証に成功するまで、動作情報の取得を一時停止する。そのため、例えば、第1ユーザが不正にポイントを取得するために、第1端末2Aの第1ユーザが第2端末2Bも携帯している場合、生体認証に成功しなかった端末からの動作情報を取得しないので、不正を防ぐことができる。
【0117】
また、上述したステップS108において、第1動作情報の時系列および第2動作情報の時系列が類似しないと判定された場合(ステップS108:NO)も、ステップS116において決定部13は、第1動作情報および第2動作情報は有効であると決定する。
【0118】
(ステップS117)
ステップS117において、処理実行部15は、ステップS116において有効であると決定された動作情報を参照して所定の処理を実行する。例えば、ステップS116において、第1動作情報は有効であると決定された場合、処理実行部15は、第1動作情報を参照して所定の処理を実行する。
【0119】
(ステップS118)
ステップS115において、認証は成功していないと判定された場合(ステップS115:NO)、ステップS118において、決定部13は、動作情報は無効であると決定する。例えば、ステップS115において、第2端末2Bによる認証が成功していないと判定された場合、ステップS116において決定部13は、第2動作情報は無効であると決定する。この場合、第2動作情報については、ステップS117の処理は実行されずに、情報処理方法S100Aは終了する。
【0120】
(所定の処理の例)
本例示的実施形態において、処理実行部15が実行する所定の処理(有効であると決定された動作情報を検出した端末を携帯するユーザが歩いた歩数に応じて、当該ユーザにポイントを付与する処理)の一例について、図6を参照して説明する。図6は、本例示的実施形態において情報処理装置1Aが管理する表の一例である。
【0121】
図6に示す表では、「ユーザID」、「認証情報」、および「保有ポイント」等が関連付けられている。
【0122】
「ユーザID」には、ユーザを他のユーザと識別するための識別情報が格納されている。
【0123】
「認証情報」には、関連付けられているユーザIDが示すユーザの認証に関する情報が格納されている。一例として、「認証情報」には、関連付けられているユーザIDが示すユーザの認証が成功したか否かを示す情報が格納されている。
【0124】
「保有ポイント」には、関連付けられているユーザIDが示すユーザが保有するポイントが格納されている。
【0125】
処理実行部15は、図6に示す表を参照し、ユーザにポイントを付与する処理を実行する。例えば、図6に示す表において、ユーザID「A」に関連付けられた認証情報「xxx」が、認証が成功したことを示す場合、処理実行部15は、ユーザID「A」が携帯する端末(換言すると、ユーザID「A」と予め関連付けてアカウント登録された端末)から取得した動作情報を参照して、当該動作情報に応じたポイントを、ユーザID「A」に関連付けられた保有ポイント「300」に加算する。
【0126】
一方、図6に示す表において、ユーザID「B」に関連付けられた認証情報「yyy」が、認証が成功していないことを示す場合、処理実行部15は、保有ポイントに加算する処理を行わない。
【0127】
このように、処理実行部15は、有効であると判断された動作情報を参照して、所定の処理を実行する。そのため、処理実行部15は、有効ではないと判断された動作情報については、所定の処理を実行しない。例えば、第1ユーザが不正にポイントを取得するために、第1端末2Aの所有者である第1ユーザが他のユーザが所有する第2端末2Bも携帯している場合、第2端末2Bによる第1ユーザの生体認証は成功しない。この場合、第2情報は有効ではないため、処理実行部15は、第2情報を参照した所定の処理は実行されない。したがって、処理実行部15は、第1端末2Aおよび第2端末2Bを携帯する1人のユーザの動作を複数人分の動作として、不正に活用されることを防ぐことができる。
【0128】
また、処理実行部15は、有効であると決定された動作情報を検出した端末を携帯するユーザに対して報酬(ポイント)を付与する処理を実行し、有効でないと決定された動作情報を検出した端末を携帯するユーザに対して報酬を付与する処理を実行しない。そのため、処理実行部15は、例えば、第1端末2Aの所有者である第1ユーザが他のユーザが所有する第2端末2Bも携帯している場合であっても、第1動作情報に基づいた報酬を付与し、第2動作情報に基づいた報酬を付与しないようにすることができる。
【0129】
(情報処理システム100Aの効果)
本例示的実施形態に係る情報処理システム1は、第1動作情報および第2動作情報が類似すると判断された場合、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に、生体認証を実行させる。そして、本例示的実施形態に係る情報処理システム1は、生体認証に成功した端末が検出した動作情報が有効であると決定する。
【0130】
このように、本例示的実施形態に係る情報処理システム1は、第1動作情報および第2動作情報が類似している場合、換言すると、1人のユーザが第1端末2Aおよび第2端末2Bを携帯している可能性がある場合、第1端末2Aおよび第2端末2Bに生体認証を実行させる。そして、本例示的実施形態に係る情報処理システム1は、生体認証に成功した端末が検出した動作情報が有効であると決定する。また、本例示的実施形態に係る情報処理システム1は、生体認証に成功しなかった端末が検出した動作情報は無効であると決定する。
【0131】
したがって、本例示的実施形態に係る情報処理システム1は、1人のユーザが第1端末2Aおよび第2端末2Bを携帯している場合であっても、1人のユーザの動作を複数人分の動作として活用されることを防ぐことができる。
【0132】
(変形例1)
本例示的実施形態に係る情報処理システム1の一変形例として、上述したように、処理実行部15は、所定の処理として、有効であると決定された動作情報を検出した端末を携帯するユーザの動作を分析する処理を実行してもよい。
【0133】
一例として、上述したステップS116において、第1動作情報は有効であると決定された場合、処理実行部15は、第1動作情報を参照して、第1端末2Aを携帯するユーザの動作を分析する。処理実行部15が分析する動作は特に限定されないが、一例として、第1動作情報が歩いたことを示す場合、第1ユーザの歩行速度、歩幅、および歩容などを解析する。処理実行部15が分析する動作の他の例として、第1動作情報が腕を上げる動作を示す場合、処理実行部15は、第1ユーザが腕を上げた角度、および腕を上げる速度などを解析する。
【0134】
また、処理実行部15は、複数のユーザの各々についてそれぞれ有効であると決定された動作情報を分析する処理を実行してもよい。例えば、イベント開催者は、イベント参加者全体の動作情報の統計値(一例として、参加者の歩いた歩数の合計、平均値など)を分析する場合がある。この場合、本変形例に係る情報処理システム1は、各参加者が第1端末および第2端末を保持していた場合にも第1動作情報および第2動作情報(例えば歩数データ)の何れかのみを有効とする。その結果、本変形例に係る情報処理システム1は、より正確に複数のユーザの動作を分析することができる。
【0135】
(変形例1の効果)
このように、処理実行部15は、有効であると決定された動作情報を検出した端末を携帯するユーザの動作を分析するので、分析の対象ではないユーザの動作を、分析の対象となるユーザの動作として分析することを防ぐことができる。
【0136】
(変形例2)
本変形例に係る認証部14は、任意のタイミングにおいて、生体認証を実行させる。一例として、本変形例に係る認証部14は、第1動作情報および第2動作情報が類似すると判断された後、第1ユーザの指示に応じて第1端末に前記生体認証を実行させるとともに、第2ユーザの指示に応じて前記第2端末に前記生体認証を実行させる。
【0137】
本例示的実施形態に係る情報処理システム1の他の変形例について、図7を参照して説明する。図7は、本変形例に係る情報処理方法S200Aの流れを示すフロー図である。
【0138】
(ステップS101~ステップS108)
第1端末2Aおよび第2端末2Bが、それぞれ第1動作情報および第2動作情報を出力し、情報処理装置1Aの認証部14が、判断部12による判断結果を参照し、第1動作情報の時系列および第2動作情報の時系列が類似するか否かを判定する処理までは、上述した処理と同じである。
【0139】
(ステップS201)
ステップS201において、認証部14は、ユーザの指示を受け付けたか否かを判定する。一例として、図7には不図示であるが、認証部14は、第1端末2Aおよび第2端末2Bのそれぞれから、生体認証する旨の指示を受け付けたか否かを判定する。
【0140】
ステップS201において、ユーザの指示を受け付けたと判定された場合(ステップS201:YES)、認証部14は、第1端末2Aおよび第2端末2Bの各々に、当該端末に記憶された生体認証情報を用いて当該端末を携帯するユーザの生体認証を実行させるステップS109を実行する。
【0141】
一方、ステップS201において、ユーザの指示を受け付けていないと判定された場合(ステップS201:NO)、情報処理方法S200Aの処理は、ステップS101に戻る。
【0142】
本変形例の適用例として、例えば、イベントの参加者が、イベントで定められた動作の終了後に動作情報を登録する操作を行う態様が考えられる。この場合、各参加者は、動作の終了後、任意のタイミングで生体認証を行い、動作情報を登録する。本変形例に係る情報処理システム1は、任意のタイミングで行われた生体認証が成功したか否かに応じて、動作情報が有効であるか無効であるかを決定する。
【0143】
(変形例2の効果)
このように、認証部14は、ユーザの指示に応じて、端末に生体認証を実行させる。そのため、認証部14は、非リアルタイムに生体認証を実行させることができる。
【0144】
また、認証部14がユーザの指示を受け付けたか否かを判断するタイミングは限定されず、一例として、認証部14は、判断部12が、記憶部19に格納されている第1動作情報の時系列および第2動作情報の時系列が類似するか否かを判断する処理(上述したステップS107)の前に、ステップS201を実行してもよい。
【0145】
(変形例3)
本変形例に係る情報処理システム100Aでは、1人のユーザに1つのアカウントが関連付けられ、1人のユーザが複数端末を所有する場合について説明する。本変形例では、一例として、アカウント毎にユーザを識別するためのユーザIDが関連付けられ、各端末にユーザIDが保存されている場合について説明する。
【0146】
第1端末2Aの出力部22Aは、認証部23Aによる認証結果に、第1端末2Aの記憶部29Aに保存されているユーザIDを関連付けて、情報処理装置1Aに出力する。
【0147】
また、第2端末2Bの出力部22Bは、認証部23Bによる認証結果に、第2端末2Bの記憶部29Bに保存されているユーザIDを関連付けて、情報処理装置1Aに出力する。
【0148】
情報処理装置1Aの決定部13は、第1端末2Aおよび第2端末2Bのそれぞれから出力された認証結果を参照し、認証は成功したか否かを判定する。
【0149】
第1端末2Aおよび第2端末2Bのそれぞれから取得した認証結果が、何れも認証は成功したことを示す場合、決定部13は、第1端末2Aおよび第2端末2Bのそれぞれから取得した認証結果に関連付けられたユーザIDを参照する。決定部13は、参照したユーザIDが互いに異なる場合は、第1動作情報および第2動作情報は何れも有効であると決定する。一方、決定部13は、参照したユーザIDが同一の場合は、第1動作情報および第2動作情報の少なくとも何れかは無効であると決定する。例えば、決定部13は、第1動作情報および第2動作情報の何れかを有効とし、何れかを無効であると決定してもよいし、何れも無効であると決定してもよい。
【0150】
一方、第1端末2Aおよび第2端末2Bのそれぞれから取得した認証結果の何れかが、認証は失敗したことを示す場合は、上述したように、決定部13は、認証が成功しなかった認証結果を出力した端末が出力した動作情報を有効ではないと決定する。
【0151】
本変形例において、第1端末2Aおよび第2端末2Bを所有するユーザが、第1端末2Aおよび第2端末2Bを携帯して動作した場合を想定する。この場合、第1端末2Aおよび第2端末2Bのそれぞれから取得した認証結果は、何れも第1端末2Aおよび第2端末2Bを所有するユーザによる生体認証であるため、何れも認証に成功したことを示す。
【0152】
次に、第1端末2Aおよび第2端末2Bのそれぞれから取得した認証結果に関連付けられたユーザIDは、第1端末2Aおよび第2端末2Bのユーザが同じであるため、同一となる。そのため、決定部13は、第1動作情報および第2動作情報の少なくとも何れかを無効であると決定する。
【0153】
このように、本変形例に係る情報処理システム100Aでは、1人のユーザが複数の端末において生体認証に成功する場合(例えば、1人のユーザが複数の端末を所有する場合)であっても、決定部13は、複数の端末の何れかにおける動作情報の少なくとも何れかを無効であると決定することができる。
【0154】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理システム1、情報処理装置1A、第1端末2A、および第2端末2Bの一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0155】
後者の場合、情報処理システム1、情報処理装置1A、第1端末2A、および第2端末2Bは、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を図8に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを情報処理システム1、情報処理装置1A、第1端末2A、および第2端末2Bとして動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、情報処理システム1、情報処理装置1A、第1端末2A、および第2端末2Bの各機能が実現される。
【0156】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0157】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0158】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0159】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0160】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0161】
(付記1)
第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する取得手段と、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する決定手段と、を含む、情報処理システム。
【0162】
(付記2)
前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似すると判断された場合に、前記第1端末および前記第2端末の各々に関連付けられた生体認証情報を用いて、当該端末を携帯するユーザの生体認証を実行する認証手段をさらに備え、前記決定手段は、前記生体認証に成功したか否かに応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する、付記1に記載の情報処理システム。
【0163】
(付記3)
前記認証手段は、前記取得手段が前記第1動作情報および前記第2動作情報をリアルタイムに取得中において、当該第1動作情報および当該第2動作情報が類似すると判断されたことに応答して、前記第1端末および前記第2端末の各々に前記生体認証を実行させる、付記2に記載の情報処理システム。
【0164】
(付記4)
前記取得手段は、前記第1動作情報および前記第2動作情報をリアルタイムに取得中において、当該第1動作情報および当該第2動作情報が類似すると判断されたことに応答して、前記第1動作情報および前記第2動作情報の取得を一時停止し、前記第1動作情報および前記第2動作情報の一方または両方の取得を、当該動作情報を検出した端末において前記生体認証に成功した場合に再開する、付記3に記載の情報処理システム。
【0165】
(付記5)
前記認証手段は、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似すると判断された後、前記第1ユーザの指示に応じて前記第1端末に前記生体認証を実行させるとともに、前記第2ユーザの指示に応じて前記第2端末に前記生体認証を実行させる、付記2に記載の情報処理システム。
【0166】
(付記6)
前記取得手段は、前記第1動作情報として前記第1センサによる検出値の時系列、および、前記第2動作情報として前記第2センサによる検出値の時系列を取得し、前記判断手段は、前記第1センサによる検出値の時系列および前記第2センサによる検出値の時系列それぞれに基づいて、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する、付記1~5の何れかに記載の情報処理システム。
【0167】
(付記7)
前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々について、前記有効であると判断された場合に当該動作情報を参照して所定の処理を実行する処理実行手段をさらに含む、付記1~6の何れかに記載の情報処理システム。
【0168】
(付記8)
前記取得手段は、前記第1動作情報をリアルタイムに取得中に、前記第2動作情報をリアルタイムに取得する付記1~7の何れかに記載の情報処理システム。
【0169】
(付記9)
情報処理システムが、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得することと、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断することと、前記判断することにおける判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定することと、を含む、情報処理方法。
【0170】
(付記10)
コンピュータを情報処理システムとして機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する取得手段と、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する決定手段と、として機能させるプログラム。
【0171】
(付記11)
前記処理実行手段は、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々について、前記有効であると判断された場合に当該動作情報を検出した端末を携帯するユーザに対して報酬を付与する、付記7に記載の情報処理システム。
【0172】
(付記12)
前記処理実行手段は、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々について、前記有効であると判断された場合に当該動作情報を検出した端末を携帯するユーザの動作を分析する、付記7に記載の情報処理システム。
【0173】
(付記13)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、第1端末を携帯する第1ユーザの動作に伴い当該第1端末が第1センサを用いて検出した第1動作情報、および、前記第1端末とは異なる第2端末を携帯する第2ユーザの動作に伴い当該第2端末が第2センサを用いて検出した第2動作情報、を取得する取得処理と、前記第1動作情報および前記第2動作情報が類似するか否かを判断する判断処理と、前記判断処理における判断結果に応じて、前記第1動作情報および前記第2動作情報の各々が有効であるか否かを決定する決定処理と、を実行する情報処理システム。
【0174】
なお、この情報処理システムは、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得処理と、前記判断処理と、前記決定処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0175】
1、100A 情報処理システム
1A 情報処理装置
2A 第1端末
2B 第2端末
11、21A、21B 取得部
12 判断部
13 決定部
14、23A、23B 認証部
15 処理実行部
16、22A、22B 出力部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8