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特開2024-127034放射線検出器、X線コンピュータ断層撮影装置及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127034
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】放射線検出器、X線コンピュータ断層撮影装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/20 20060101AFI20240912BHJP
   G01T 1/24 20060101ALI20240912BHJP
   G01T 1/28 20060101ALI20240912BHJP
   A61B 6/42 20240101ALI20240912BHJP
   A61B 6/40 20240101ALI20240912BHJP
【FI】
G01T1/20 G
G01T1/20 E
G01T1/20 D
G01T1/24
G01T1/28
A61B6/03 320R
A61B6/03 320W
A61B6/03 320H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035870
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 響
【テーマコード(参考)】
2G188
4C093
【Fターム(参考)】
2G188AA02
2G188BB02
2G188BB04
2G188BB07
2G188CC15
2G188CC22
2G188CC28
2G188DD04
2G188DD05
2G188DD07
2G188DD17
2G188DD20
2G188DD31
2G188DD45
2G188EE06
4C093AA22
4C093CA32
4C093EB12
4C093EB13
4C093EB18
4C093EB22
(57)【要約】
【課題】検出器モジュールに含まれる不感部によって生じる不感領域を減らすこと。
【解決手段】実施形態に係る放射線検出器は、第1の検出器モジュールと、第2の検出器モジュールとを備える。第1の検出器モジュールは、放射線発生源と対向する面に、入射した放射線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する。第2の検出器モジュールは、前記第1の検出器モジュールとは異なる検出器モジュールであって、放射線発生源と対向する面に、入射した放射線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する。前記第1の検出器モジュールの有感部と、前記第2の検出器モジュールの不感部とが重なるように配置されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線発生源と対向する面に、入射した放射線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する第1の検出器モジュールと、
前記第1の検出器モジュールとは異なる検出器モジュールであって、放射線発生源と対向する面に、入射した放射線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する第2の検出器モジュールとを備え、
前記第1の検出器モジュールの有感部と、前記第2の検出器モジュールの不感部とが重なるように配置されている、
放射線検出器。
【請求項2】
前記不感部は、前記有感部から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換器を含む、
請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記有感部は、
入射した放射線を光に変換するシンチレータと、
前記シンチレータに光学的に接続されており、前記光を前記アナログ信号に変換する複数のフォトダイオードが配列されたフォトダイオードアレイとを含み、
前記第1の検出器モジュールの有感部が、前記第2の検出器モジュールの不感部の上に重なるように配置されている、
請求項1又は2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記有感部は、入射した放射線に含まれるエネルギーに応じたアナログ信号を出力する半導体結晶を含み、
前記第1の検出器モジュールの有感部が、前記第2の検出器モジュールの不感部の上に重なるように配置されている、
請求項1又は2に記載の放射線検出器。
【請求項5】
前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールは、一つの列方向の検出器モジュール群を構成するように、列方向に沿って同じ向きで一列に並ぶように配置されている、
請求項1又は2に記載の放射線検出器。
【請求項6】
前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールは、それぞれの前記放射線の入射面が同一方向を向くように、前記列方向に対して同じ角度に傾けて配置されている、
請求項5に記載の放射線検出器。
【請求項7】
前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールは、それぞれの前記放射線の入射面が前記放射線発生源の焦点方向を向くように、前記列方向に対して個別に異なる角度に傾けて配置されている、
請求項5に記載の放射線検出器。
【請求項8】
前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールそれぞれの前記放射線の入射面に沿って配置されたコリメータをさらに備え、
前記コリメータは、前記列方向に間隔を空けて平行に配置された複数の第1遮蔽板と、前記列方向と直交するチャネル方向に間隔を空けて平行に配置された複数の第2遮蔽板とを有し、
前記複数の第1遮蔽板は、前記第1の検出器モジュールの有感部と前記第2の検出器モジュールの不感部とが重なる箇所で前記第1の検出器モジュールの有感部の側面へ入射する散乱放射線を遮蔽する遮蔽板を含む、
請求項5に記載の放射線検出器。
【請求項9】
前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールは、それぞれ個別に、前記放射線の入射面上に配置されたコリメータをさらに有し、
前記コリメータは、前記列方向に間隔を空けて平行に配置された複数の第1遮蔽板と、前記列方向と直交するチャネル方向に間隔を空けて平行に配置された複数の第2遮蔽板とを有し、
前記複数の第1遮蔽板は、前記第1の検出器モジュールの有感部と前記第2の検出器モジュールの不感部とが重なる箇所で前記第1の検出器モジュールの有感部の側面へ入射する散乱放射線を遮蔽する遮蔽板を含む、
請求項5に記載の放射線検出器。
【請求項10】
前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールそれぞれの前記放射線の入射面に沿って配置されたコリメータをさらに備え、
前記コリメータは、前記列方向と直交するチャネル方向に間隔を空けて平行に配置された複数の遮蔽板を有し、
前記第1の検出器モジュールは、前記第1の検出器モジュールの有感部と前記第2の検出器モジュールの不感部とが重なる箇所で、前記第1の検出器モジュールの有感部の側面へ入射する散乱放射線を遮蔽する遮蔽板をモジュール側面にさらに有する、
請求項5に記載の放射線検出器。
【請求項11】
前記有感部は、
入射した放射線を光に変換するシンチレータと、
前記シンチレータに光学的に接続されており、前記光をアナログ信号に変換する複数のフォトダイオードが配列されたフォトダイオードアレイとを含み、
前記シンチレータは、前記複数のフォトダイオードそれぞれと個々に対応するように配列された複数のシンチレータ素子を含んでおり、各シンチレータ素子の間が、前記放射線の入射方向に沿って傾斜した反射材によって区切られている、
請求項5に記載の放射線検出器。
【請求項12】
前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールと同じ構造を有する第3の検出器モジュール及び第4の検出器モジュールをさらに備え、
前記第3の検出器モジュール及び前記第4の検出器モジュールは、前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールとともに一つの列方向の検出器モジュール群を構成するように、前記列方向に沿って前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールとは反対の向きで前記第1の検出器モジュール及び前記第2の検出器モジュールと同じ列に並ぶように配置されており、
前記放射線発生源の焦点とアイソセンタとを通る直線が放射線検出器と交差する位置において、前記第2の検出器モジュールの有感部と前記第4の検出器モジュールの有感部とが隣接するように配置されている、
請求項5に記載の放射線検出器。
【請求項13】
X線管と、X線検出器とを含むX線コンピュータ断層撮影装置であって、
前記X線検出器は、
前記X線管と対向する面に、入射したX線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する第1の検出器モジュールと、
前記第1の検出器モジュールとは異なる検出器モジュールであって、前記X線管と対向する面に、入射したX線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する第2の検出器モジュールとを備え、
前記第1の検出器モジュールの有感部と、前記第2の検出器モジュールの不感部とが重なるように配置されている、
X線コンピュータ断層撮影装置。
【請求項14】
放射線発生源と対向する面に、入射した放射線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する第1の検出器モジュールと、
前記第1の検出器モジュールとは異なる検出器モジュールであって、放射線発生源と対向する面に、入射した放射線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する第2の検出器モジュールとを備える放射線検出器の製造方法であって、
前記第1の検出器モジュールの有感部と、前記第2の検出器モジュールの不感部とを重なるように配置するステップを含む、
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、放射線検出器、X線コンピュータ断層撮影装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、X線コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)装置では、広カバレッジ化が進んでおり、歩留まりや部品共通化の観点から、小単位の検出器モジュールをチャネル方向及び列方向に複数並べてX線検出器を構成する方法が知られている。
【0003】
例えば、一般的な方法として、X線の入射面が矩形状に形成され、入射面の四辺全てがX線を検出する有感部に含まれるように構成された4Sideタイラブル検出器モジュールを用いる方法が知られている。しかし、4Sideタイラブル検出器モジュールは、フォトダイオードアレイから出力される信号を裏面(X線の入射面とは反対側の面)から読み出す必要があり、高コストとなる問題がある。
【0004】
これに対し、入射面の四辺のうちの一辺がX線を検出しない不感部に含まれるように構成された3Sideタイラブル検出器モジュールを用いる方法も知られている。3Sideタイラブル検出器モジュールは、不感部においてフォトダイオードアレイの入射面と同じ側から信号の読み出しが可能な構造となっており、4Sideタイラブル検出器モジュールと比較して安価に製造することが可能である。しかし、3Sideタイラブル検出器モジュールを用いる場合、モジュールは安価に製造できるが、不感部によって不感領域が生じるため、それを補うための補完処理が必要であり、また、必要に応じて、不感部をX線から保護するダミーシンチレータ等が必要になるという問題がある。
【0005】
なお、この問題は、X線CT装置のX線検出器に限って生じるものではなく、PET(Positron Emission Tomography)装置やSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置のγ線検出器のように、他の放射線診断装置の放射線検出器にも同様に生じ得るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-148468号公報
【特許文献2】特開2014-062898号公報
【特許文献3】特開2012-040140号公報
【特許文献4】特開2007-117733号公報
【特許文献5】特開2019-048181号公報
【特許文献6】特開2005-296340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、検出器モジュールに含まれる不感部によって生じる不感領域を減らすことである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る放射線検出器は、第1の検出器モジュールと、第2の検出器モジュールとを備える。第1の検出器モジュールは、放射線発生源と対向する面に、入射した放射線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する。第2の検出器モジュールは、前記第1の検出器モジュールとは異なる検出器モジュールであって、放射線発生源と対向する面に、入射した放射線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、前記有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有する。前記第1の検出器モジュールの有感部と、前記第2の検出器モジュールの不感部とが重なるように配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るX線検出器の構成例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る検出器モジュールの構成例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る検出器モジュールの配置例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る検出器モジュールの配置例を示す図である。
図6図6は、第2の実施形態に係る検出器モジュールの配置例を示す図である。
図7図7は、第3の実施形態に係る検出器モジュールの配置例を示す図である。
図8図8は、第4の実施形態に係る検出器モジュールの配置例を示す図である。
図9図9は、第5の実施形態に係る検出器モジュールの配置例を示す図である。
図10図10は、第6の実施形態に係る検出器モジュールの配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本願が開示する放射線検出器、X線CT装置及び製造方法の実施形態について説明する。ここで、各図面に示される構成は模式的なものであり、図示されている各構成要素の寸法や構成要素間の寸法の比率は実物と異なる場合がある。また、図面相互の間でも、同じ構成要素の寸法や構成要素間の寸法の比率が異なって示されている場合がある。
【0011】
以下の実施形態では、本願が開示する技術をX線CT装置のX線検出器に適用した場合の例を説明する。
【0012】
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す図である。
【0013】
例えば、図1に示すように、本実施形態に係るX線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。ここで、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とそれぞれ定義するものとする。
【0014】
架台装置10は、患者等である被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線を検出して、コンソール装置40に出力する装置である。具体的には、架台装置10は、X線管11と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置14と、制御装置15と、ウェッジ16と、コリメータ17と、DAS(Data Acquisition System)18とを備える。なお、図1では、図示の便宜上、X軸方向から見た架台装置10とZ軸方向から見た架台装置10とを示しているが、実際には、X線CT装置1は、一つの架台装置10を有している。
【0015】
X線管11は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、被検体Pに対し照射するX線を発生する。例えば、X線管11は、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管である。
【0016】
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。なお、ウェッジ16は、ウェッジフィルタ(wedge filter)や、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。
【0017】
X線絞り17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等を含み、複数の鉛板等を組み合わせることによってスリットを形成している。なお、X線絞り17は、コリメータと呼ばれる場合もある。
【0018】
X線検出器12は、X線管11から照射されて被検体Pを通過したX線を検出する。具体的には、X線検出器12は、X線管11の焦点を中心とする一つの円弧に沿ったチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有し、当該複数のX線検出素子列がチャネル方向と直交する列方向(スライス方向、row方向)に配列された構造を有している。
【0019】
ここで、本実施形態では、X線検出器12は、シンチレータと、フォトダイオードアレイとを含んだ間接変換型の検出器である。シンチレータは、入射したX線を光に変換する。フォトダイオードアレイは、シンチレータに光学的に接続されており、シンチレータによって変換された光をアナログ信号に変換する複数のフォトダイオードが配列されている。ここで、シンチレータは、フォトダイオードアレイに含まれる複数のフォトダイオードそれぞれと個々に対応するように配列された複数のシンチレータ素子を含んでいる。この場合に、対応するシンチレータ素子及びフォトダイオードの組は、X線検出素子の一例である。
【0020】
また、X線検出器12は、各X線検出素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換器(Analog to Digital Converter:ADC)を有し、当該ADCによって検出器データを生成する。そして、X線検出器12は、生成された検出器データをDAS18に出力する。なお、例えば、X線検出器12のX線の入射面側には、散乱X線を低減させるためにコリメータが設置されてもよい。このコリメータは、散乱線除去グリッド又は後置コリメータと呼ばれることもある。
【0021】
DAS18は、X線検出器12から出力される検出データを収集する。そして、DAS18は、収集した検出データをコンソール装置40へ転送する。
【0022】
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管11が照射するX線出力に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置14は、後述する回転フレーム13に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(図示しない)側に設けられても構わない。ここで、固定フレームは、回転フレーム13を回転可能に支持する支持フレームである。
【0023】
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とが固定され、回転軸を中心として回転する円環状のフレームである。具合的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを回転軸を挟んで対向配置した状態で支持し、後述する制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる。なお、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14を更に備えて支持する。
【0024】
ここで、回転フレーム13は、架台装置10の非回転部分(例えば、固定フレーム。図1での図示は省略している)により回転可能に支持される。回転機構は、例えば、回転駆動力を生ずるモータと、当該回転駆動力を回転フレーム13に伝達して回転させるベアリングとを含む。モータは、例えば、当該非回転部分に設けられ、ベアリングは、回転フレーム13及び当該モータと物理的に接続され、モータの回転力に応じて回転フレーム13が回転する。
【0025】
また、回転フレーム13及び非回転部分にはそれぞれ、非接触方式又は接触方式の通信回路が設けられ、これにより回転フレーム13に支持されるユニットと当該非回転部分或いは架台装置10の外部装置との通信が行われる。例えば、非接触の通信方式として光通信を採用する場合、DAS18によって生成された検出データは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を有する送信機から光通信によって架台装置10の非回転部分に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、さらに送信機により当該非回転部からコンソール装置40へ転送される。なお、通信方式としては、この他に容量結合式や電波方式等の非接触型のデータ伝送方式の他、スリップリングと電極ブラシを使った接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。
【0026】
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置15は、コンソール装置40若しくは架台装置10に取り付けられた入力インターフェース43からの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。例えば、制御装置15は、入力信号を受けて回転フレーム13を回転させる制御や、架台装置10をチルトさせる制御、及び寝台装置30及び天板33を動作させる制御を行う。なお、架台装置10をチルトさせる制御は、架台装置10に取り付けられた入力インターフェース43によって入力される傾斜角度(チルト角度)情報により、制御装置15がX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることによって実現される。なお、制御装置15は、架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられても構わない。
【0027】
寝台装置30は、スキャン対象である被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを有する。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向に移動するモータあるいはアクチュエータである。支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
【0028】
コンソール装置40は、操作者によるX線CT装置1の操作を受け付けるとともに、架台装置10によって収集された検出データを用いてCT画像データを再構成する装置である。コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。なお、ここでは、コンソール装置40と架台装置10とが別体である場合の例を説明するが、架台装置10にコンソール装置40又はコンソール装置40の構成要素の一部が含まれてもよい。
【0029】
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ41は、例えば、投影データやCT画像データを記憶する。
【0030】
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(CT画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。なお、例えば、ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。また、例えば、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されてもよい。
【0031】
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際のスキャン条件や、CT画像データを再構成する際の再構成条件、CT画像データから後処理画像データを生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等により実現される。なお、例えば、入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、例えば、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されてもよい。
【0032】
処理回路44は、X線CT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、システム制御機能441、前処理機能442、再構成処理機能443、及び画像処理機能444を実行する。
【0033】
システム制御機能441は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各種機能を制御する。例えば、システム制御機能441は、X線CT装置1において実行されるCTスキャンを制御する。また、システム制御機能441は、前処理機能442、再構成処理機能443、及び画像処理機能444を制御することで、コンソール装置40におけるCT画像データの生成や表示を制御する。
【0034】
前処理機能442は、DAS18から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施した投影データを生成する。なお、前処理前のデータ(検出データ)及び前処理後のデータを総称して投影データと称する場合もある。
【0035】
再構成処理機能443は、前処理機能442にて生成された投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データ(再構成画像データ)を生成する。
【0036】
画像処理機能444は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、再構成処理機能443によって生成されたCT画像データを公知の方法により、任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。なお、3次元画像データの生成は再構成処理機能443が直接行っても構わない。
【0037】
ここで、例えば、処理回路44は、プロセッサにより実現される。この場合に、処理回路44が有する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ41に記憶される。そして、処理回路44は、メモリ41から各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路44は、図1の処理回路44内に示された各処理機能を有することとなる。
【0038】
なお、ここでは、単一の処理回路44によって、上述した各処理機能が実現されるものとして説明したが、例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路44を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路44が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路44が有する各処理機能は、回路等のハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、単一のメモリ41が各処理機能に対応するプログラムを記憶する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、複数の記憶回路が分散して配置され、処理回路44が、個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
【0039】
以上、本実施形態に係るX線CT装置1の全体的な構成について説明した。
【0040】
ここで、近年、X線CT装置では、広カバレッジ化が進んでおり、歩留まりや部品共通化の観点から、小単位の検出器モジュールをチャネル方向及び列方向に複数並べてX線検出器を構成する方法が知られている。
【0041】
例えば、一般的な方法として、X線の入射面が矩形状に形成され、入射面の四辺全てが、X線を検出する有感部に含まれるように構成された4Sideタイラブル検出器モジュールを用いる方法が知られている。しかし、4Sideタイラブル検出器モジュールは、フォトダイオードアレイから出力される信号を裏面(X線入射面とは反対側の面)から読み出す必要があり、高コストとなる問題がある。
【0042】
これに対し、入射面の四辺のうちの一辺がX線を検出しない不感部に含まれるように構成された3Sideタイラブル検出器モジュールを用いる方法も知られている。3Sideタイラブル検出器モジュールは、不感部においてフォトダイオードアレイの入射面と同じ側から信号の読み出しが可能な構造となっており、4Sideタイラブル検出器モジュールと比較して安価に製造することが可能である。しかし、3Sideタイラブル検出器モジュールを用いる場合、モジュールは安価に製造できるが、不感部によって不感領域が生じるため、それを補うための補完処理が必要であり、また、必要に応じて、不感部をX線から保護するダミーシンチレータ等が必要になるという問題がある。
【0043】
このようなことから、本実施形態では、複数の3Sideタイラブル検出器モジュールを並べてX線検出器12が構成される場合に、検出器モジュールに含まれる不感部によって生じる不感領域を減らすことができるようにしている。以下、本実施形態に係るX線検出器12の構成について詳細に説明する。
【0044】
図2は、第1の実施形態に係るX線検出器12の構成例を示す図である。
【0045】
例えば、図2に示すように、X線検出器12は、X線管11の焦点Fを中心とする一つの円弧に沿ったチャネル方向C及びチャネル方向Cに直交する列方向Rそれぞれに沿って複数の検出器モジュール20を並べて構成されている。なお、以下では、列方向Rに沿って並ぶ検出器モジュール20の一列を列方向の検出器モジュール群と呼ぶ。ここで、X線管11及びX線検出器12は、前述した回転フレーム13が回転することによって、アイソセンタIを通る列方向Rと平行な回転軸Aを挟んで軸周りに回転する。なお、図2に示す直線Lは、X線管11の焦点F及びアイソセンタIを通り、X線検出器12と交差する直線を示している。また、図2に示す直線MLは、直線LとX線検出器12とが交差する点を通る、チャネル方向Cに沿った線(以降、列方向の中心線と呼ぶ。)を示している。
【0046】
ここで、複数の検出器モジュール20は、それぞれ、3Sideタイラブル検出器モジュールであり、各検出器モジュール20が同じ構造を有している。具体的には、各検出器モジュール20は、X線管11と対向する面に、入射したX線に応じたアナログ信号を出力する有感部と、当該有感部が出力するアナログ信号の伝送路の少なくとも一部が設けられた不感部とを有している。
【0047】
図3は、第1の実施形態に係る検出器モジュール20の構成例を示す図である。
【0048】
例えば、図3に示すように、検出器モジュール20は、有感部21と、不感部22と、基板23とを有する。ここで、有感部21及び不感部22は、基板23におけるX線管11と対向する側の面上に、列方向Rに隣接するように並べて取り付けられている。
【0049】
有感部21は、シンチレータ211と、フォトダイオードアレイ212とを有する。シンチレータ211は、入射したX線を光に変換する。フォトダイオードアレイ212は、シンチレータ211に光学的に接続されており、シンチレータ211によって変換された光をアナログ信号に変換する複数のフォトダイオード2121が配列されている。ここで、シンチレータ211は、フォトダイオードアレイ212に含まれる複数のフォトダイオード2121それぞれと個々に対応するように配列された複数のシンチレータ素子を含んでいる。
【0050】
不感部22は、有感部21から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するADCを含む。当該ADCは、アナログーデジタル変換器の一例である。
【0051】
このような構成において、本実施形態では、X線検出器12は、検出器モジュール20に含まれる不感部22によって生じる不感領域を減らすことができるように構成されている。
【0052】
具体的には、本実施形態では、X線検出器12において、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20が、隣接する二つの検出器モジュール20ごとに、一方の検出器モジュール20の有感部21と、他方の検出器モジュール20の不感部22とが重なるように配置されている。
【0053】
図4及び5は、第1の実施形態に係る検出器モジュール20の配置例を示す図である。
【0054】
ここで、図4及び5は、X線検出器12に含まれる一つの列方向の検出器モジュール群に含まれる複数の検出器モジュール20を示している。また、図4は、X線の入射方向から列方向の検出器モジュール群を見た様子を示しており、図5は、チャネル方向Cから列方向の検出器モジュール群を見た様子を示している。
【0055】
例えば、図4及び5に示すように、本実施形態では、複数の検出器モジュール20が、一つの列方向の検出器モジュール群を構成するように、列方向Rに沿って同じ向きで一列に並ぶように配置されている。
【0056】
ここで、本実施形態では、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20は、それぞれのX線の入射面が同一方向を向くように、列方向Rに対して同じ角度に傾けて配置されている。すなわち、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20は、それぞれが列方向Rに対して一定の角度だけ傾くように配置されている。
【0057】
そして、本実施形態では、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20において、各検出器モジュール20の有感部21が、隣接する検出器モジュール20の不感部22の上に重なるように配置されている。
【0058】
上記構成によれば、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20において、隣接する検出器モジュール20のうちの一方の有感部21が他方の不感部22に重なるように配置されることによって、検出器モジュール20に含まれる不感部22によって生じる不感領域を減らすことができる。これにより、不感領域を補うための補完処理が不要になる。また、X線検出器12の実装スペースを小さくすることができる。
【0059】
さらに、上記構成によれば、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20において、隣接する検出器モジュール20のうちの一方の有感部21が他方の不感部22の上に重なるように配置されることによって、不感部22に入射するX線を有感部21で遮蔽することができる。これにより、不感部22をX線から保護するダミーシンチレータ等が不要になり、X線検出器12の実装にかかるコストを削減することができる。
【0060】
以上、第1の実施形態について説明したが、上述した第1の実施形態は、X線検出器12の構成を適宜に変更して実施することも可能である。そこで、以下では、第1の実施形態に関する各種の変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下の実施形態では、第1の実施形態と異なる内容を中心に説明し、第1の実施形態と重複する内容については詳細な説明を省略する。
【0061】
(第2の実施形態)
例えば、上述した第1の実施形態では、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20が、それぞれのX線の入射面が同一方向を向くように配置される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各検出器モジュール20のX線の入射面がX線管11の焦点方向を向くようにしてもよい。以下では、このような例を第2の実施形態として説明する。
【0062】
図6は、第2の実施形態に係る検出器モジュール20の配置例を示す図である。
【0063】
ここで、図6は、X線検出器12に含まれる一つの列方向の検出器モジュール群を列方向の中心線ML(図2を参照)で二つの範囲に分けた場合の一方の範囲に含まれる検出器モジュール20を示しており、チャネル方向Cから列方向の検出器モジュール群を見た様子を示している。
【0064】
例えば、図6に示すように、本実施形態では、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20は、それぞれのX線の入射面がX線管11の焦点方向を向くように、列方向Rに対して個別に異なる角度に傾けて配置されている。すなわち、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20は、列方向の中心線MLから離れるにつれて列方向Rに対する傾きが大きくなるように配置されている。
【0065】
そして、本実施形態では、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20において、各検出器モジュール20の有感部21が、隣接する検出器モジュール20の不感部22の上に重なるように配置されている。
【0066】
上記構成によれば、列方向Rに並ぶ各検出器モジュール20の入射面がX線管11の焦点方向に向くように配置されることによって、検出器モジュール20に対するコーン角方向のX線の斜入を抑制することができる。なお、ここでいうコーン角は、X線管11から照射されるX線の列方向Rに沿った広がりの大きさを示す角度である。これにより、CT画像の画質を向上させることができる。また、チャネル方向C及び列方向Rの両方で検出器モジュール20を円弧状に配列できるようになり、X線検出器12を球面検出器として構成することができる。
【0067】
(第3の実施形態)
また、例えば、上述した第1の実施形態では、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20において、隣接する検出器モジュール20のうちの一方の有感部21が他方の不感部22の上に重なるように配置されることとしたが、実施形態はこれに限られない。例えば、検出器モジュール20の有感部21が不感部22の上に重ねられることによって露出する有感部21の側面へ入射するX線を、二次元コリメータを用いて遮蔽するようにしてもよい。以下では、このような例を第3の実施形態として説明する。
【0068】
図7は、第3の実施形態に係る検出器モジュール20の配置例を示す図である。
【0069】
ここで、図7は、図5と同様に、X線検出器12に含まれる一つの列方向の検出器モジュール群に含まれる複数の検出器モジュール20を示しており、チャネル方向Cから列方向の検出器モジュール群を見た様子を示している。
【0070】
例えば、図7に示すように、本実施形態では、X線検出器12が、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20それぞれのX線の入射面に沿って配置されたコリメータ121をさらに備える。
【0071】
ここで、本実施形態では、コリメータ121は、X線検出器12におけるX線の入射面の全体に亘って配置される二次元コリメータであり、列方向Rに間隔を空けて平行に配置された複数の第1遮蔽板(図7に破線で示す)と、列方向Rと直交するチャネル方向Cに間隔を空けて平行に配置された複数の第2遮蔽板とを有している。
【0072】
そして、本実施形態では、コリメータ121が有する複数の第1遮蔽板が、隣接する二つの検出器モジュール20ごとに、一方の検出器モジュール20の有感部21と他方の検出器モジュール20の不感部22とが重なる箇所で、一方の検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射する散乱X線を遮蔽する遮蔽板1211を含む。
【0073】
なお、図7では、コリメータ121に含まれる複数の第1遮蔽板が、それぞれ列方向Rに対して略直交する同じ角度で設けられている場合の例を示しているが、例えば、第1遮蔽板は、それぞれがX線管11の焦点方向に沿うように、列方向Rに対して個別に異なる角度で設けられてもよい。
【0074】
上記構成によれば、コリメータ121に含まれる遮蔽板1211によって、検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射する散乱X線が遮蔽されることによって、X線の検出精度を高めることができ、CT画像の画質を向上させることができる。
【0075】
(第4の実施形態)
また、例えば、上述した第3の実施形態では、X線検出器12が、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20それぞれのX線の入射面に沿って配置されたコリメータ121をさらに備える場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、検出器モジュール20と一体型の2次元コリメータを用いて、検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射するX線を遮蔽するようにしてもよい。以下では、このような例を第4の実施形態として説明する。
【0076】
図8は、第4の実施形態に係る検出器モジュール20の配置例を示す図である。
【0077】
ここで、図8は、図5と同様に、X線検出器12に含まれる一つの列方向の検出器モジュール群に含まれる複数の検出器モジュール20を示しており、チャネル方向Cから列方向の検出器モジュール群を見た様子を示している。
【0078】
例えば、図8に示すように、本実施形態では、X線検出器12に含まれる複数の検出器モジュール20が、それぞれ個別に、X線の入射面上に配置されたコリメータ122をさらに有する。コリメータ122は、検出器モジュール20と一体となるように、有感部21のシンチレータ211におけるX線の入射面側に取り付けられている。
【0079】
ここで、本実施形態では、各コリメータ122は、列方向Rに間隔を空けて平行に配置された複数の第1遮蔽板(図7に破線で示す)と、列方向Rと直交するチャネル方向Cに間隔を空けて平行に配置された複数の第2遮蔽板とを有している。
【0080】
そして、本実施形態では、各コリメータ122が有する複数の第1遮蔽板が、隣接する二つの検出器モジュール20ごとに、一方の検出器モジュール20の有感部21と他方の検出器モジュール20の不感部22とが重なる箇所で、一方の検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射する散乱X線を遮蔽する遮蔽板1221を含む。
【0081】
なお、図8では、コリメータ122に含まれる複数の第1遮蔽板が、それぞれ列方向Rに対して略直交する同じ角度で設けられている場合の例を示しているが、例えば、第1遮蔽板は、それぞれがX線管11の焦点方向に沿うように、列方向Rに対して個別に異なる角度で設けられてもよい。
【0082】
上記構成によれば、コリメータ122に含まれる遮蔽板1221によって、検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射する散乱X線が遮蔽されることによって、第3の実施形態と同様に、X線の検出精度を高めることができ、CT画像の画質を向上させることができる。
【0083】
(第5の実施形態)
また、例えば、上述した第3及び第4の実施形態では、二次元コリメータを用いて、検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射するX線を遮蔽する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、一次元コリメータと、各検出器モジュール20に設けられた遮蔽板とを用いて、検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射するX線を遮蔽するようにしてもよい。以下では、このような例を第5の実施形態として説明する。
【0084】
図9は、第5の実施形態に係る検出器モジュール20の配置例を示す図である。
【0085】
ここで、図9は、図5と同様に、X線検出器12に含まれる一つの列方向の検出器モジュール群に含まれる複数の検出器モジュール20を示しており、チャネル方向Cから列方向の検出器モジュール群を見た様子を示している。
【0086】
例えば、図9に示すように、本実施形態では、X線検出器12が、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20それぞれのX線の入射面に沿って配置されたコリメータ123をさらに備える。
【0087】
ここで、本実施形態では、コリメータ123は、X線検出器12におけるX線の入射面の全体に亘って配置される一次元コリメータであり、列方向Rと直交するチャネル方向Cに間隔を空けて平行に配置された複数の遮蔽板を有している。
【0088】
そして、本実施形態では、各検出器モジュール20が、当該検出器モジュール20の有感部21と、隣接する検出器モジュール20の不感部22とが重なる箇所で、当該検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射する散乱X線を遮蔽する遮蔽板124をモジュール側面にさらに有している。
【0089】
上記構成によれば、検出器モジュール20の有感部21の側面に設けられた遮蔽板124によって、検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射する散乱X線が遮蔽されることによって、第3及び第4の実施形態と同様に、X線の検出精度を高めることができ、CT画像の画質を向上させることができる。
【0090】
(第6の実施形態)
また、例えば、上述した第1の実施形態では、検出器モジュール20の有感部21に含まれるシンチレータ211が複数のシンチレータ素子を含むこととしたが、実施形態はこれに限られない。例えば、シンチレータ211が、各シンチレータ素子の間に反射材を有するようにしてもよい。以下では、このような例を第6の実施形態として説明する。
【0091】
図10は、第6の実施形態に係る検出器モジュール20の配置例を示す図である。
【0092】
ここで、図10は、図5と同様に、X線検出器12に含まれる一つの列方向の検出器モジュール群に含まれる複数の検出器モジュール20を示しており、チャネル方向Cから列方向の検出器モジュール群を見た様子を示している。
【0093】
例えば、図10に示すように、本実施形態では、各検出器モジュール20の有感部21に含まれるシンチレータ211が、フォトダイオードアレイ212に含まれる複数のフォトダイオードそれぞれと個々に対応するように配列された複数のシンチレータ素子を含んでおり、各シンチレータ素子の間が、X線の入射方向に沿って傾斜した反射材2131によって区切られている。
【0094】
なお、図10では、シンチレータ211に設けられる反射材2131が、それぞれ列方向Rに対して略直交する同じ角度で設けられている場合の例を示しているが、例えば、反射材2131は、それぞれがX線管11の焦点方向に沿うように、列方向Rに対して個別に異なる角度で設けられてもよい。
【0095】
上記構成によれば、シンチレータ211に含まれる各シンチレータ素子の間に設けられた反射材2131によって、フォトダイオードアレイ212に含まれる各フォトダイオードに対するX線の斜入を抑制することができ、各フォトダイオードのX線の検出精度を向上させることができる。これにより、CT画像の分解能を向上させることができる。
【0096】
(第7の実施形態)
また、上述した実施形態では、図4~10において、X線検出器12に含まれる一つの列方向の検出器モジュール群に含まれる複数の検出器モジュール20を示した。ここで、列方向の検出器モジュール群は、列方向の中心線ML(図2を参照)で当該検出器モジュール群を二つの範囲に分けた場合に、一方の範囲に含まれる検出器モジュール20と、他方の範囲に含まれる検出器モジュール20とが、列方向Rに沿って、同じ向きで配置されていてもよいし、反対の向きで配置されていてもよい。
【0097】
例えば、他方の範囲に含まれる検出器モジュール20が反対の向きで配置されている場合、他方の範囲に含まれる検出器モジュール20は、一方の範囲に含まれる検出器モジュール20とともに一つの列方向の検出器モジュール群を構成するように、列方向Rに沿って一方の範囲に含まれる検出器モジュール20とは反対の向きで、一方の範囲に含まれる検出器モジュール20と同じ列に並ぶように配置されている。そして、列方向の中心線MLにおいて、一方の範囲に含まれる検出器モジュール20の有感部21と、他方の範囲に含まれる検出器モジュール20の有感部21とが隣接するように配置されている。
【0098】
(第8の実施形態)
また、上述した実施形態では、X線検出器12が、シンチレータと、フォトダイオードアレイとを含んだ間接変換型の検出器である場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、X線検出器12は、フォトンカウンティング検出器のように、直接変換型の検出器であってもよい。
【0099】
その場合には、検出器モジュール20の有感部21が、入射したX線に含まれるエネルギーに応じたアナログ信号を出力する半導体結晶を含む。そして、上述した実施形態と同様に、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20において、各検出器モジュール20の有感部21が、隣接する検出器モジュール20の不感部22の上に重なるように配置されている。
【0100】
上記構成でも、上述した実施形態と同様に、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20において、隣接する検出器モジュール20のうちの一方の有感部21が他方の不感部22の上に重なるように配置されることによって、不感部22に入射するX線を有感部21で遮蔽することができる。これにより、不感部22をX線から保護するダミーシンチレータ等が不要になり、X線検出器12の実装にかかるコストを削減することができる。
【0101】
(第9の実施形態)
また、上述した第3~第5の実施形態では、図7~9において、コリメータ121、コリメータ122、並びに、コリメータ123及び遮蔽板124を第1の実施形態で説明したX線検出器12の構成に適用した場合の例を示したが、実施形態はこれに限られない。例えば、第3~第5の実施形態で説明したコリメータ121、コリメータ122、並びに、コリメータ123及び遮蔽板124は、第2の実施形態で説明したX線検出器12の構成や第6の実施形態で説明したX線検出器12の構成に適用されてもよい。
【0102】
(第10の実施形態)
また、上述した実施形態では、不感部22が、有感部21から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するADCを含むこととしたが、実施形態はこれに限られない。例えば、不感部22は、ADCとともに、又は、ADCの替わりに、各種の電気回路を含んでいてもよい。例えば、有感部21から出力されるアナログ信号を読み出すワイヤボンディングや、ワイヤボンディングによって読み出されたアナログ信号を検出器モジュール20の外部にあるADCへ伝送する導線等を含んでいてもよい。
【0103】
(第11の実施形態)
また、上述した実施形態では、図4~10において、検出器モジュール20の有感部21が、隣接する検出器モジュール20の不感部22の略全面に重ねられる場合の例を示したが、実施形態はこれに限られない。例えば、検出器モジュール20の有感部21が、隣接する検出器モジュール20の不感部22の一部に重ねられてもよい。
【0104】
すなわち、上述した実施形態では、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20において、隣接する検出器モジュール20のうちの一方の有感部21が他方の不感部22の少なくとも一部に重なるように配置されていれば、検出器モジュール20を重ねずに配置する場合と比較して、検出器モジュール20に含まれる不感部22によって生じる不感領域を減らすことができる。
【0105】
(第12の実施形態)
また、上述した実施形態では、X線検出器12及びX線CT装置1の構成について説明したが、本願が開示する技術は、上述した実施形態で説明したX線検出器12の製造方法として実施することも可能である。
【0106】
その場合には、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、上述した実施形態で説明したように、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20を、隣接する二つの検出器モジュール20ごとに、一方の検出器モジュール20の有感部21と、他方の検出器モジュール20の不感部22とが重なるように配置するステップを含む。
【0107】
また、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、上述した実施形態で説明したように、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20を、各検出器モジュール20の有感部21が、隣接する検出器モジュール20の不感部22の上に重なるように配置するステップを含んでもよい。
【0108】
また、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、上述した実施形態で説明したように、複数の検出器モジュール20を、一つの列方向の検出器モジュール群を構成するように、列方向Rに沿って同じ向きで一列に並ぶように配置するステップを含んでもよい。
【0109】
また、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、第1の実施形態で説明したように、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20を、それぞれのX線の入射面が同一方向を向くように、列方向Rに対して同じ角度に傾けて配置するステップを含んでもよい。
【0110】
また、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、第2の実施形態で説明したように、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20を、それぞれのX線の入射面がX線管11の焦点方向を向くように、列方向Rに対して個別に異なる角度に傾けて配置するステップを含んでもよい。
【0111】
また、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、第3の実施形態で説明したように、列方向Rに間隔を空けて平行に配置された複数の第1遮蔽板と、列方向Rと直交するチャネル方向Cに間隔を空けて平行に配置された複数の第2遮蔽板とを有し、複数の第1遮蔽板が、隣接する二つの検出器モジュール20ごとに、一方の検出器モジュール20の有感部21と他方の検出器モジュール20の不感部22とが重なる箇所で、一方の検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射する散乱X線を遮蔽する遮蔽板1211を含むコリメータ121を、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20それぞれのX線の入射面に沿って配置するステップを含んでもよい。
【0112】
また、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、第4の実施形態で説明したように、列方向Rに間隔を空けて平行に配置された複数の第1遮蔽板と、列方向Rと直交するチャネル方向Cに間隔を空けて平行に配置された複数の第2遮蔽板とを有し、複数の第1遮蔽板が、隣接する二つの検出器モジュール20ごとに、一方の検出器モジュール20の有感部21と他方の検出器モジュール20の不感部22とが重なる箇所で、一方の検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射する散乱X線を遮蔽する遮蔽板1221を含むコリメータ122を、X線検出器12に含まれる複数の検出器モジュール20に対して、それぞれ個別に、X線の入射面上に配置するステップを含んでもよい。
【0113】
また、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、第5の実施形態で説明したように、列方向Rと直交するチャネル方向Cに間隔を空けて平行に配置された複数の遮蔽板を有するコリメータ123を、列方向Rに並ぶ複数の検出器モジュール20それぞれのX線の入射面に沿って配置し、さらに、各検出器モジュール20に対して、当該検出器モジュール20の有感部21と、隣接する検出器モジュール20の不感部22とが重なる箇所で、当該検出器モジュール20の有感部21の側面へ入射する散乱X線を遮蔽する遮蔽板124をモジュール側面に設けるステップを含んでもよい。
【0114】
また、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、第6の実施形態で説明したように、各検出器モジュール20の有感部21に含められるシンチレータ211に対して、フォトダイオードアレイ212に含まれる複数のフォトダイオードそれぞれと個々に対応するように配列された複数のシンチレータ素子それぞれの間に、X線の入射方向に沿って傾斜した反射材2131を設けるステップを含んでもよい。
【0115】
また、例えば、実施形態に係るX線検出器12の製造方法は、第7の実施形態で説明したように、X線検出器12に含まれる一つの列方向の検出器モジュール群を列方向の中心線ML(図2を参照)で二つの範囲に分けた場合の一方の範囲に、上述した方法で複数の検出器モジュール20を配置し、他方の範囲に、一方の範囲に含まれる検出器モジュール20とともに一つの列方向の検出器モジュール群を構成するように、列方向Rに沿って一方の範囲に含まれる検出器モジュール20とは反対の向きで、一方の範囲に含まれる検出器モジュール20と同じ列に並ぶように、かつ、列方向の中心線MLにおいて、一方の範囲に含まれる検出器モジュール20の有感部21と、他方の範囲に含まれる検出器モジュール20の有感部21とが隣接するように、複数の検出器モジュール20を配置するステップを含んでもよい。
【0116】
(第13の実施形態)
また、X線CT装置には、X線管と検出器とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate-Type(第3世代CT)、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate-Type(第4世代CT)等のように様々なタイプがあるが、いずれのタイプでも、上述した実施形態へ適用することが可能である。
【0117】
(第14の実施形態)
また、上述した実施形態では、本願が開示する技術をX線CT装置のX線検出器に適用した場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本願が開示する技術は、X線診断装置のX線検出器、PET装置やSPECT)装置のγ線検出器のように、他の放射線診断装置の放射線検出器にも同様に適用することが可能である。
【0118】
以上、本願が開示する放射線検出器、X線CT装置及び製造方法の実施形態について説明したが、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは、記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで、機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を一つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0119】
また、上述した実施形態において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0120】
また、上述した実施形態で説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0121】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、検出器モジュールに含まれる不感部によって生じる不感領域を減らすことができる。
【0122】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0123】
1 X線CT装置
12 X線検出器
20 検出器モジュール
21 有感部
211 シンチレータ
212 フォトダイオードアレイ
22 不感部
23 基板

図1
図2
図3
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図5
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図10