IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-半導体装置 図1
  • 特開-半導体装置 図2
  • 特開-半導体装置 図3
  • 特開-半導体装置 図4
  • 特開-半導体装置 図5
  • 特開-半導体装置 図6
  • 特開-半導体装置 図7
  • 特開-半導体装置 図8
  • 特開-半導体装置 図9
  • 特開-半導体装置 図10
  • 特開-半導体装置 図11
  • 特開-半導体装置 図12
  • 特開-半導体装置 図13
  • 特開-半導体装置 図14
  • 特開-半導体装置 図15
  • 特開-半導体装置 図16
  • 特開-半導体装置 図17
  • 特開-半導体装置 図18
  • 特開-半導体装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127035
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240912BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240912BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20240912BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01L21/66 E
H01L27/146 D
H01L21/90 A
H01L21/88 T
H01L21/66 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035872
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】岡野 仁志
(72)【発明者】
【氏名】西岡 裕太
【テーマコード(参考)】
4M106
4M118
5F033
【Fターム(参考)】
4M106AA02
4M106AA07
4M106AD06
4M106BA01
4M118AA09
4M118AB01
4M118BA09
4M118CA01
4M118EA11
4M118EA12
4M118EA14
4M118HA24
4M118HA25
4M118HA30
4M118HA33
5F033VV00
5F033VV12
5F033XX37
(57)【要約】
【課題】CoW構造のチップ積層ウェーハでも搭載する半導体装置のDUT測定を実現する。
【解決手段】複数の撮像素子が形成されたウェーハに、個片化された信号処理回路やメモリ回路などからなるLogicチップを積層して、個片化する際に切断される部位であるスクライブ表面に端子を形成し、スクライブ表面の端子と、LogicチップのDUTとを接続するための接続配線をウェーハとLogic基板との間に形成し接続することで、端子にプローブを接続して、個片化することなくDUTを実現する。半導体装置に適用することができる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子を有する第1半導体チップと、
前記第1半導体チップと異なる第2半導体チップと、
前記第2半導体チップ内の回路である内部回路と、前記第2半導体チップ外の端子または前記第2半導体チップ外の回路である外部回路とを電気的に接続する接続配線と
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記端子は、製造工程において、自らが形成されたウェーハから個片化される際に切断用ブレードにより切断される位置であるスクライブに形成された端子である
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記端子は、製造工程において、前記ウェーハに形成された前記第1半導体チップに、個片化された前記第2半導体チップが積層されることで製造された自らを前記ウェーハから個片化する際の前記スクライブに形成される
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1半導体チップは、端部周辺がガードリングで囲まれており、前記スクライブは、前記ガードリングの外側に形成される
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2半導体チップは、端部周辺の少なくとも一部がガードリングで囲まれており、前記内部回路は、前記ガードリングの外側に形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2半導体チップは、端部周辺の少なくとも一部がガードリングで囲まれており、前記内部回路は、前記ガードリングの内側に形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2半導体チップは、端部周辺の少なくとも一部がガードリングで囲まれており、前記内部回路は、前記ガードリングの内側であって、さらに、シールリングで囲まれた内側に形成される
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記接続配線は、前記第1半導体チップ内の絶縁膜中に形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記接続配線は、前記第1半導体チップと前記第2半導体チップとの接合界面に形成される
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記接続配線は、周囲の少なくとも一部においてガードリングで囲まれる
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記接続配線は、前記撮像素子の撮像面に対する入射光の入射方向について、前段および後段の少なくともいずれかにおいて、耐水性を備えた耐水膜により挟まれている
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記接続配線は、前記第1半導体チップと前記第2半導体チップを挟むように形成される
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1半導体チップからなる第1の層と、前記第2半導体チップを含む第2の層との間に、中間層をさらに含み、
前記接続配線は、前記中間層に形成される
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記接続配線は、前記中間層の基板内に形成される
請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記接続配線は、前記中間層の絶縁膜内に形成される
請求項13に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記接続配線は、前記第2の層に形成された前記内部回路と、前記第2の層の前記外部回路とを接続する
請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第2の層の前記外部回路は、前記第2の層に形成された、前記第2半導体チップとは異なる第3半導体チップの内部回路である
請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第2半導体チップは、前記内部回路として、第1の内部回路と、前記第1の内部回路と異なる第2の内部回路とを有し、
前記接続配線は、
前記第2半導体チップ内の前記第1の内部回路と、前記第2半導体チップ外の端子とを電気的に接続する第1の接続配線と、
前記第2半導体チップ内の前記第2の内部回路と、前記第2半導体チップ外の回路である外部回路とを電気的に接続する第2の接続配線とを含む
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記内部回路は、前記第2半導体チップのテストデバイスであり、
前記第2半導体チップの動作状態を検査する検査装置は、プローブにより前記端子と電気的に接続することで、前記端子および前記接続配線を介して前記テストデバイスと電気的に接続し、前記テストデバイスを制御して前記第2半導体チップの動作状態を検査する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第2半導体チップのテストデバイスと異なる他の回路をテストする他のテストデバイスと、
前記他のテストデバイスと接続された前記接続配線と異なる他の接続配線と、
前記端子、前記接続配線、および前記他の接続配線と接続され、前記接続配線を介して、前記端子と前記テストデバイスとを接続するか、前記他の接続配線を介して前記端子と前記他のテストデバイスとを接続するかを切り替える切替部をさらに含む
請求項19に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関し、特に、CoW(Chip On Wafer)構造においてもスクライブ表面に設けられた端子でDUT(Device Under Test)測定を実現できるようにした半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置等の半導体装置を製造する技術として、固体撮像素子からなる画素チップと、信号処理回路やメモリ回路などのLogicチップとをウェーハの状態で接合してWoW(Wafer on Wafer)構造に積層した状態で製造する技術が一般に知られている。
【0003】
このようにWoW構造に積層した状態で固体撮像装置が製造される場合、WoW構造により積層された複数の固体撮像装置が、ダイシングブレードにより個片化されて最終製品とされるが、個片化される前の状態、すなわち、WoW構造の状態でプロセス保証を目的としたDUT(Device Under Test)測定がなされている。
【0004】
DUT測定とは、信号処理回路やメモリ回路などLogicチップの動作状態を確認するためのテスト測定である。より具体的には、個片化される前のWoW構造で、信号処理回路やメモリ回路などのLogicチップに接続されたDUT(Device Under Test)にプローブを介して検査装置が電気的に接続されることで、検査装置によるテスト測定がなされて、動作状態の確認がなされる。
【0005】
WoW構造において、DUTは、固体撮像装置を個片化する際に、ダイシングブレードで切り込まれるスクライブが構成される領域に配置されている。また、DUTは、Cu等のBEOL(Back End of Line)配線を介してスクライブの表面に設けられた測定用の端子(AL PAD)と接続され、端子にプローブを介して検査装置が接続されることによりDUT測定がなされる。
【0006】
ところで、近年においては、1チップ内に搭載する回路規模を増大させ高機能化を実現するため、上述した、WoW(Wafer on Wafer)構造に加えて、Logicウェハを個片化したLogicチップを固体撮像素子が形成された半導体ウェーハ上に積層させるCoW(Chip on Wafer)構造が提案されている。
【0007】
CoW構造は、固体撮像素子からなる画素チップが形成されたウェーハ上に個片化されたLogicチップが1段又は2段で積層された構造である。
【0008】
このようなCoW構造においては、LogicチップのDUTが、固体撮像素子からなる画素チップが形成されたウェーハのスクライブが形成された領域と必ずしも一致するように積層されないので、スクライブ表面に形成される端子(AL PAD)と同一の位置に配置されないことがあり、双方を電気的に接続することができず、DUT測定を実現することができないことがあった。
【0009】
すなわち、CoW構造の場合、上述したDUT測定を実現するためには、LogicチップのDUTとスクライブ表面に形成される端子(AL PAD)とを接続する配線を別途形成して接続する必要があった。
【0010】
この点に関し、ガードリングを介して、スクライブ領域とチップ領域とを電気的に接続する配線層を形成して接続する技術(特許文献1)が提案されている。
【0011】
そこで、特許文献1の技術を応用することで、上述したCoW構造におけるLogicチップのDUTとスクライブ表面に形成されるAL PADとを接続することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2012-204630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、同一ウェーハプロセス中に配線層を形成する技術であるため、異なるウェーハプロセスで生成されたLogicチップのDUTと、固体撮像素子が形成されたウェーハ上のスクライブ表面に形成される端子(AL PAD)とを接続する技術に適用することはできない。
【0014】
また、固体撮像素子が形成されたウェーハ上にLogicチップを積層する場合、LogicチップのDUTとスクライブ表面に形成される端子(AL-PAD)とを接続しようとすると、Logicチップをスクライブが形成される領域に接するように配置する必要があり、Logicチップの配置位置の自由度が低下する。
【0015】
さらに、Logicチップの配置に僅かでも狂いが生じて、例えば、Logicチップがスクライブが形成された領域と重なるように配置されてしまうようなことがあると、ダイシングの際、ダイシングブレードと干渉し、ダイシングブレードを痛めてしまう恐れがあった。
【0016】
また、複数のLogicチップが、固体撮像素子が形成されたウェーハ上の同一層に積層されるような場合、第1のLogicチップと、スクライブが形成される領域との間に第2のLogicチップが配置されるようなレイアウトになると、第2のLogicチップの干渉により、第1のLogicチップのDUTは、スクライブ表面に形成される端子(AL PAD)と接続できない状態となる。
【0017】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、特に、CoW構造における、Logicチップの配置位置の自由度を低下させることなく、LogicチップのDUTとスクライブ表面に形成される端子とを電気的に接続できるようにして、CoW構造におけるDUT測定を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本開示の一側面の半導体装置は、撮像素子を有する第1半導体チップと、前記第1半導体チップと異なる第2半導体チップと、前記第2半導体チップ内の回路である内部回路と、前記第2半導体チップ外の端子または前記第2半導体チップ外の回路である外部回路とを電気的に接続する接続配線とを備える半導体装置である。
【0019】
本開示の一側面においては、撮像素子を有する第1半導体チップと、前記第1半導体チップと異なる第2半導体チップと、前記第2半導体チップ内の回路である内部回路と、前記第2半導体チップ外の端子または前記第2半導体チップ外の回路である外部回路とを電気的に接続する接続配線とが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】WoW構造を説明する図である。
図2】CoW構造を説明する図である。
図3】CoWにおいてLogicチップをスクライブから離して配置する理由を説明する図である。
図4】CoWにおけるLogicチップをスクライブから離して配置する理由を説明する図である。
図5】本開示の好適な実施の形態の固体撮像装置の製造に係るチップ積層ウェーハを説明する図である。
図6図5のチップ積層ウェーハの断面構造を説明する図である。
図7図6のCC’断面を説明する俯瞰図である。
図8】本開示の固体撮像装置の製造工程を説明する図である。
図9】本開示の固体撮像装置の製造工程を説明する図である。
図10】本開示の第1の変形例を説明する図である。
図11】本開示の第2の変形例を説明する図である。
図12】本開示の第3の変形例を説明する図である。
図13】本開示の第4の変形例を説明する図である。
図14】本開示の第5の変形例を説明する図である。
図15】本開示の第6の変形例を説明する図である。
図16】本開示の第7の変形例を説明する図である。
図17】本開示の第8の変形例を説明する図である。
図18】本開示の第9の変形例を説明する図である。
図19】本開示の第10の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.WoW構造
2.CoW構造
3.好適な実施の形態
4.第1の変形例
5.第2の変形例
6.第3の変形例
7.第4の変形例
8.第5の変形例
9.第6の変形例
10.第7の変形例
11.第8の変形例
12.第9の変形例
13.第10の変形例
【0023】
<<1.WoW構造>>
図1を参照して、WoW(Wafer on Wafer)構造について説明する。
【0024】
WoW(Wafer on Wafer)構造とは、最終製品となる半導体装置の製造工程における一形態の構造である。尚、以降においては、最終製品となる半導体装置が固体撮像装置である場合を例にして説明を進めるものとするが、最終製品となる半導体装置は、固体撮像装置以外であってもよい。
【0025】
より具体的には、最終製品となる半導体装置が固体撮像装置である場合、図1の左上部で示されるように、固体撮像素子などの半導体素子からなる画素チップが複数に形成されたウェーハ11と、信号処理回路やメモリ回路などのLogicチップが複数に形成されたウェーハ12とがそれぞれ位置合せされた状態で貼り合わされた積層ウェーハ1が生成される。
【0026】
このウェーハ11,12が積層された構成からなる積層ウェーハ1の構造が、WoW(Wafer on Wafer)構造である。
【0027】
図1の積層ウェーハ1を構成するウェーハ11においては、図中の方形状の範囲のそれぞれに固体撮像素子からなる画素チップ11aが形成されている。また、ウェーハ12の方形状の範囲のそれぞれに信号処理回路やメモリ回路からなるLogicチップ12aが形成されている。
【0028】
すなわち、積層ウェーハ1においては、複数の画素チップ11aが形成されたウェーハ11と、複数のLogicチップが形成されたウェーハ12とが、それぞれの画素チップ11aとLogicチップ12aとが位置合せされた状態で貼り合わされて積層されている。
【0029】
積層ウェーハ1上の画素チップ11aとLogicチップ12aとが形成された周囲には、図中の水平方向および垂直方向に延びる実線で表現されたスクライブ21が形成されている。スクライブ21は、1個の画素チップ11aと1個のLogicチップ12aとからなる最終製品である固体撮像装置2が個片化されて切り出される際に、ダイシングブレードにより切断される部位である。
【0030】
すなわち、積層ウェーハ1が、スクライブ21に沿ってダイシングブレードで切断されることにより、1個の画素チップ11aと1個のLogicチップ12aとからなる固体撮像装置2が個片化されて切り出され、それぞれが最終製品とされる。
【0031】
図1の左下部は、積層ウェーハ1における、1個の画素チップ(NIS)11aと1個のLogicチップ12aとからなる固体撮像装置2の積層構造を示している。ただし、図1の左下部は、積層ウェーハ1から切り出されていない状態であり、あくまでも積層ウェーハ1内における1個分の固体撮像装置2に相当する部分の積層構造を表現したものである。
【0032】
図1の左下部で示されるように、画素チップ11aのスクライブ21の直下に、Logicチップの動作状態を確認するためのテスト対象デバイスであるDUT(Device Under Test)が形成されている。
【0033】
より詳細には、図1の右下部で示されるように、画素チップ11aのスクライブ21の表面には、図示せぬDUT測定を実現するための検査装置と電気的に接続するためのプローブ51を接続する端子(PAD)31が形成されている。また、端子31は、Logicチップ12a内に形成された配線32を介して、Logicチップ12aのDUT33に接続されている。
【0034】
図1の右下部で示されるように、Logicチップ12aは、基板12abと、図示せぬ信号処理回路やメモリ回路およびDUTが形成されるLogic層12aaとから構成されている。尚、図1の右下部は、図1の左下部におけるスクライブ21が形成された範囲の側面断面図である。
【0035】
WoW構造の積層ウェーハ1においては、このような構成により、スクライブ21をダイシングブレードにより切断して個片化する前の状態で、プローブ51を端子31に接続することで、端子に接続された配線32を介してDUT33と検査装置とが電気的に接続されることにより、DUT測定が実現される。
【0036】
これにより、積層ウェーハ1に形成された複数の固体撮像装置2のDUT測定を一度に効率よく実現することが可能となる。
【0037】
<<2.CoW構造>>
次に、図2を参照して、CoW(Chip on Wafer)構造について説明する。
【0038】
CoW(Chip on Wafer)構造についても、WoW(Wafer on Wafer)構造と同様に、最終製品となる半導体装置の製造工程における一形態の構造である。
【0039】
CoW(Chip on Wafer)構造においては、固体撮像素子などの半導体素子からなる画素チップが複数に形成されたウェーハ61に、信号処理回路やメモリ回路などのLogicチップが複数に形成されたウェーハ62から個片化されたLogicチップ62Aが、それぞれ位置合せされた状態で貼り合わされる。
【0040】
このウェーハ61の画素チップ61aのそれぞれの位置に、ウェーハ62から個片化されて切り出されたLogicチップ62Aが個々に積層された構成からなるウェーハ61の構造が、CoW(Chip on Wafer)構造である。
【0041】
図2のウェーハ61においても、図中の方形状の範囲のそれぞれに固体撮像素子からなる画素チップ61aが形成されている。また、ウェーハ62の方形状の範囲のそれぞれに信号処理回路やメモリ回路からなるLogicチップ62Aが形成されている。
【0042】
そして、複数の画素チップ61aが形成されたウェーハ61に、複数のLogicチップ62Aが形成されたウェーハ62から個片化して切り出された、それぞれの画素チップ61aとLogicチップ62Aとが位置合せされた状態で貼り合わされて積層されている。
【0043】
尚、CoW構造においては、Logicチップ62Aの大きさが、画素チップ61aの大きさと一致しないのが一般的であるため、図2の左下部で示されるように、画素チップ61aと対応する位置にLogicチップ62Aが貼り合わされるときのLogicチップ62Aの周囲の空間に埋込膜が埋め込まれる。これにより、Logicチップ62Aおよび埋込膜からなる埋込層91aと基板91bとからなるLogic層91が形成される。
【0044】
このとき、ウェーハ61上の画素チップ61aが形成された周囲には、図中の水平方向および垂直方向に延びる実線で表現されたスクライブ71が形成されている。スクライブ71は、1個の画素チップ61aと1個のLogicチップ62Aとからなる最終製品である固体撮像装置2’が個片化されて切り出される際に、ダイシングブレードにより切断される部位である。
【0045】
すなわち、ウェーハ61が、スクライブ71に沿ってダイシングブレードで切断されることにより、1個の画素チップ61aと1個のLogicチップ62Aとからなる固体撮像装置2’が個片化されて切り出され、それぞれが最終製品とされる。
【0046】
しかしながら、図2の左下部で示されるように、ウェーハ61における、1個の画素チップ(NIS)61aと1個のLogicチップ62Aとは、上述したように必ずしも同一の大きさではないことから、例えば、Logicチップ62Aの一部にDUTが設けられていたとしても、画素チップ61aのスクライブ71の直下に、形成することができないことになる。
【0047】
これにより、図2の右下部で示されるように、画素チップ61aのスクライブ71の表面に、図示せぬDUT測定を実現するための検査装置と電気的に接続するためのプローブ51を接続する端子(PAD)81が形成され、配線82のような構成を用意したとしても、Logicチップ62AのDUTとの位置がずれているため、接続することができない。
【0048】
そこで、このLogicチップ62AのDUTを、画素チップ61aにおけるスクライブ71の直下に配置するように貼り付けることが考えられる。
【0049】
しかしながら、画素チップ61aは、図3で示されるように、スクライブ71が形成される周囲に水密性を維持するためのシールリングを含むガードリング61Xが形成されているような場合、Logicチップ62Aは、ガードリング61X間の間隔を考慮する必要がある。
【0050】
このため、例えば、図3の矢印で示される距離Dsで示されるように、画素チップ61aのそれぞれのLogicチップ62A間にスペースを確保する必要があり、Logicチップ62AのDUTを、画素チップ61aにおけるスクライブ71の直下に配置することはできない。
【0051】
尚、図3は、1個の画素チップ61aに2つのLogicチップ62A-1,62A-2が貼り付けられる場合の例が示されている。
【0052】
また、仮に、ガードリング61Xが設けられていない構成であったとしても、Logicチップ62AのDUTを、画素チップ61aにおけるスクライブ71の直下に配置するような構成にする場合、図4の左部で示されるように、Logicチップ62Aを、画素チップ61aが設けられた範囲のうち、スクライブ71に沿った位置にしか配置できない状態となるので、レイアウトの自由度が低下する。
【0053】
さらに、図4の右部で示されるように、Logicチップ62A-1のDUTを、スクライブ71に接するような構成とすることが考えられるが、この場合、僅かなずれで、Logicチップ62A-1がスクライブ71と干渉すると、ダイシングの際にダイシングブレードXと接触し、ダイシングブレードXを痛めてしまう恐れがある。
【0054】
また、図4の右部で示されるように、Logicチップ62A-2のDUTについては、スクライブ71との間にLogicチップ62A-1が存在するので、スクライブ71に接するような構成にすることすらできない。
【0055】
このように、CoW構造においては、スクライブ71表面に端子をダイシングブレードにより切断して個片化する前の状態で、プローブ51を端子81に接続することで、DUTと検査装置とを電気的に接続することができない構成であることが多く個片化前のDUT測定が現実的ではない。
【0056】
そこで、本開示においては、CoW構造であっても、LogicチップのDUT測定を実現できるようにする。
【0057】
<<3.好適な実施の形態>>
<固体撮像装置の構成例>
次に、図5乃至図7を参照して、本開示の固体撮像装置の構成例について説明する。
【0058】
尚、図5の右部は、固体撮像素子からなる画素チップ111aが形成されたウェーハ101と、個片化されたLogicチップ112Aが1個の画素チップ111aに積層され、その周囲が埋込膜146で埋め込まれることで形成されているLogic層102とからなる複数の固体撮像装置110が形成されたチップ積層ウェーハ100の上面図である。
【0059】
また、図5の左部は、チップ積層ウェーハ100のうち、完成時の固体撮像装置110の1個分の拡大上面図である。
【0060】
さらに、図6は、最上段が、図5のXX’断面である固体撮像装置110の側面断面図である。
【0061】
また、図6の上から2段目は、図6の最上段の側面断面図のうち、Logicチップ112Aが積層された部分の拡大図であり、図6の上から3段目は、図6の上から2段目のAA’断面におけるウェーハ101側の断面図であり、図6の上から4段目は、図6の上から2段目のAA’断面におけるLogic層102側の断面図である。
【0062】
さらに、図7は、図6の上から2段目の点線で囲まれた範囲Bの近傍であって、図6の3段目および4段目に対応する位置に存在する領域Z1,Z2のそれぞれの図6の上から2段目乃至4段目におけるCC’断面側からの俯瞰図である。
【0063】
図5、並びに図6の最上段および上から2段目で示されるように、画素チップ111aには、画素チップ111aの動作を確認するためのプローブを接続するためのPATからなる端子111aaが設けられている。また、画素チップ111aには、図中の上部となる入射光の入射面上にカラーフィルタ111abが設けられている。
【0064】
また、図5および図6の最上段で示されるように、画素チップ111aの周囲には、スクライブ121が形成されており、図5および図6の最上段における画素チップ111aの左側のスクライブ121の表面には、DUT測定において図1のプローブ51を接続するためのPATからなる端子121aが形成されている。
【0065】
さらに、端子121aは、ウェーハ101におけるLogic層102との境界面に設けられた接続配線131の図中の左端部と電気的に接続されている。接続配線131の右端部には接続部131aが設けられている。接続部131aは、図6における点線で囲まれた範囲Bで示されるように、Logic層102におけるLogicチップ112A内に設けられた接続部142と接続されている。
【0066】
Logicチップ112Aにおいては、基板145上にDUT144が形成されており、配線143を介して接続部142と電気的に接続されている。
【0067】
すなわち、スクライブ121の表面に形成された端子121aは、接続配線131、接続部131a、接続部142、および配線143を介して、DUT144と電気的に接続されている。
【0068】
このため、スクライブ121の表面に形成された端子121aに図示せぬ検査装置のプローブ51を接続することにより、端子121a、接続配線131、接続部131a、接続部142、および配線143を介して、DUT144と、図示せぬ検査装置とを電気的に接続することが可能となる。
【0069】
結果として、CoW構造のチップ積層ウェーハ100の状態のまま、換言すれば、固体撮像装置110が個片化される前の状態で、固体撮像装置110のDUT測定を実現することが可能となる。
【0070】
また、ウェーハ101においては、図6の上から3段目で示されるように、画素チップ111aが形成された範囲は、接続配線131を除く範囲を除き、全体を取り囲むようにシールリングを含むガードリング132が形成されている。
【0071】
さらに、図7で示されるように、接続配線131は、入射光の入射方向に対して前段および後段には、接続配線131を挟み込むように耐水性を備えた、例えば、シリコンナイトライド(SiN)や酸化アルミニウム(Al2O3)等からなる耐水層161,162が形成されている。より詳細には、接続配線131は、耐水層161,162およびガードリング132により囲まれた中の、絶縁膜中に形成されている。
【0072】
ただし、接続配線131の接続部131aの部分については、Logicチップ112Aに形成された配線143に接続された接続部142と電気的に接続可能となるように、接続部142と対向する範囲は、耐水層162が形成されておらず、接続部131aが一部むき出しの状態とされる。
【0073】
また、Logic層102においては、図6の上から4段目で示されるように、Logicチップ112Aが形成された範囲は、接続部142が形成された範囲を除き、全体を取り囲むようにシールリングを含むガードリング141が形成されている。
【0074】
また、接続部142と配線143との間には、耐水性を備えたシリコンナイトライド(SiN)や酸化アルミニウム(Al2O3)からなる耐水層171が形成されている。ただし、接続部142と配線143とは電気的に接続された状態であり、接続部142と配線143との接続部分には耐水層171は形成されていない。
【0075】
このような構成により、端子121aは、接続配線131、接続部131a、接続部142、および配線143を介して、DUT144と電気的に接続されているが、画素チップ111aおよびLogicチップ112Aは、それぞれガードリング132,141、および耐水層161,162,171により耐水性を備えた構成とされている。
【0076】
すなわち、本開示のCoW構造のLogic層102とウェーハ101とからなるチップ積層ウェーハ100によれば、複数に形成された画素チップ111aにおけるスクライブ121表面に形成された端子121aが、接続配線131、接続部131a、接続部142、および配線143を介して、Logicチップ112AのDUT144と接続された構成とされている。
【0077】
これにより、チップ積層ウェーハ100に形成された固体撮像装置110を個片化することなく、それぞれのスクライブ121表面に形成された端子121aに検査装置のプローブを接続することで、Logicチップ112AのDUT144と電気的に接続することが可能となり、DUT測定を実現することが可能となる。
【0078】
また、接続配線131の形成に際しては、画素チップ111aにおけるシールリングを含むガードリング132、および耐水層161,162、並びに、Logicチップ112Aにおけるシールリングを含むガードリング141、および耐水層171により、画素チップ111aおよびLogicチップ112Aは、十分な耐水性を確保することが可能となる。
【0079】
さらに、接続配線131は、上述したガードリング132、および耐水層161,162を備える限り、画素チップ111aの様々な位置に配線させることができ、接続部131aを様々な位置に配設することが可能であるので、画素チップ111a内におけるLogicチップ112Aのレイアウトの自由度を高めることが可能となる。
【0080】
この際、例えば、スクライブ121と所望とするLogicチップ112Aとの間に他のLogicチップが存在するような場合でも接続配線131の経路を迂回させるなどすることで、端子121aとDUT144とを電気的に接続することが可能となり、この点においても、レイアウトの自由度を高めることが可能となる。
【0081】
<固体撮像装置の製造工程>
次に、図8図9を参照して、本開示の固体撮像装置110の製造工程について説明する。
【0082】
ステップS1(図8)において、図8の右側の最上段で示されるように、基板145上に、DUT144および配線143、並びに、ガードリング141を備えた複数のLogicチップ112Aが形成されたウェーハ112が生成される。
【0083】
ステップS2において、図8の右側の上から2段目で示されるように、ウェーハ112の複数のLogicチップ112Aの配線143のそれぞれに接続部142が形成される。
【0084】
ステップS3において、図8の右側の上から3段目で示されるように、ウェーハ112が、Logicチップ112Aを単位として個片化される。
【0085】
ステップS4において、図8の左側の最上段で示されるように、画素チップ111aのテストデバイス201、テストデバイス201と接続される端子111aa、およびスクライブ121の位置に形成される端子121aからなる画素チップ111aが複数に形成されたウェーハ111が生成される。
【0086】
尚、テストデバイス201と端子111aaがガードリング132内に形成され、端子121aがガードリング132外に形成される。また、図8においては、ウェーハ111については、上下が反転した状態で表示されている。このため、基板200が上段に記載されているが、実際の処理は、表示の天地が反転しており、基板200が下段にされた状態でなされる。
【0087】
ステップS5において、図8の左側の上から2段目で示されるように、ウェーハ111の上面にシリコンナイトライド(SiN)からなる耐水層161が成膜される。
【0088】
ステップS6において、図8の左側の上から3段目で示されるように、ウェーハ111の上面のシリコンナイトライド(SiN)からなる耐水層161上にさらに耐水層162が成膜される。
【0089】
ステップS7において、図8の左側の上から4段目で示されるように、端子121aと電気的に接続されるように、耐水層161,162の一部が剥がされて、接続配線131が形成される。
【0090】
尚、上述したステップS1乃至S3の処理と、ステップS4乃至S7の処理とは、順序が逆であってもよいし、並列処理されてもよい。
【0091】
ステップS8において、図8の左側の上から5段目で示されるように、ウェーハ111の画素チップ111aのそれぞれに個片化されたLogicチップ112Aが積層される。この際、画素チップ111aの接続配線131の接続部131aと、Logicチップ112Aの接続部142とが電気的に接続された状態で積層される。
【0092】
ステップS9において、図8の右側の上から4段目で示されるように、積層されたLogicチップ112Aの基板145が薄肉化されると共に、Logicチップ112Aの周辺に埋込膜146が形成され、チップ積層ウェーハ100が完成する。
【0093】
ステップS10において、図8の右側の上から5段目で示されるように、基板200が薄肉化され、スクライブ121が形成されて端子121aが開口されると共に、端子111aaが開口されて、さらにカラーフィルタ111abが形成される。これにより、チップ積層ウェーハ100上に複数の固体撮像装置110が完成された状態となる。すなわち、端子121aと、Logicチップ112AのDUT144とが電気的に接続された状態となり、DUT測定が可能な状態となる。
【0094】
ステップS11(図9)において、図9の最上段および上から2段目の左部で示されるように、端子121aにプローブ191Aが接続されることで図示せぬ検査装置と、Logicチップ112AのDUT144とが電気的に接続され、DUT測定がなされる。
【0095】
また、図9の最上段および上から2段目の右部で示されるように、引き続き、端子111aaにプローブ191Bが接続されることで図示せぬ検査装置と画素チップ111aのテストデバイス201とが電気的に接続され、画素チップ111aのテスト測定が実現される。
【0096】
ステップS12において、図9の上から3段目の左図および右図で示されるように、チップ積層ウェーハ100が、スクライブ121に沿ってダイシングブレードで切断されることにより、固体撮像装置110のそれぞれが個片化されることにより、固体撮像装置110が製品として完成する。
【0097】
尚、図9の4段目の画像P1は、図中の水平方向にスクライブ121が形成され、その表面に端子121aが3個形成された状態の正対表面画像であり、画像P2は、スクライブ121に形成された端子121aを拡大した鳥瞰画像である。また、図9の5段目の画像P3は、パッケージ化された完成製品としての固体撮像装置110のイメージである。
【0098】
<<4.第1の変形例>>
以上においては、耐水層161,162が接続配線131を挟むように形成される例について説明してきたが、その他の位置に形成されてもよく、例えば、画素チップ111aの背面側と、Logicチップ112Aの全体を取り囲むような耐水層が形成されるようにしてもよい。
【0099】
図10は、画素チップ111aの背面側と、Logicチップ112Aの全体を取り囲むような耐水層が形成されるようにしたチップ積層ウェーハ100Aの構成例を示している。尚、図10以降において、図5乃至図7を参照して説明したチップ積層ウェーハ100と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
【0100】
図10においては、画素チップ111aの入射光の入射方向に対して背面側と、Logicチップ112Aの側面および背面側の全体を取り囲むような、例えば、シリコンナイトライドなどからなる耐水層251が形成されている。
【0101】
尚、図10の耐水層251は、Logicチップ112Aをウェーハ101に積層する際、埋込膜146を形成する前の工程において、形成するようにしてもよい。
【0102】
以上のような構成のCoW構造のチップ積層ウェーハ100においても、DUT測定を実現することが可能となる。また、図10の耐水層251により、より強固な耐水性を備えることが可能となる。
【0103】
<<5.第2の変形例>>
以上においては、Logicチップ112A内のDUT144は、ガードリング141内に形成される例について説明してきたが、DUT144は、ガードリングの外側に形成されてもよい。
【0104】
図11は、DUT144がガードリングの外側に形成されたチップ積層ウェーハ100Bの構成例を示している。
【0105】
図11の最上段で示されるように、チップ積層ウェーハ100Bは、ウェーハ101およびLogic層102’より構成されている。Logic層102’のLogicチップ112Aにおいて、DUT144がガードリング141に対応するガードリング141’の外側に形成されている。
【0106】
また、図11の上から2段目で示されるように、ウェーハ101における画素チップ111aの構成については、図6で示される構成と同様である。
【0107】
しかしながら、図11の最上段で示されるように、DUT144がガードリング141’の外側に存在するため、図11の上から3段目で示されるように、DUT144と配線143を介して接続された接続部142’は、ガードリング141’の外側に形成される。
【0108】
以上のような構成のCoW構造のチップ積層ウェーハ100Bにおいても、DUT測定を実現することが可能となる。
【0109】
<<6.第3の変形例>>
以上においては、Logicチップ112AのDUT144が、ガードリング141’の外側に形成される例について説明してきたが、DUT144は、ガードリング141の内側において、さらに、シールリングにより囲い込まれた構成としてもよい。
【0110】
図12は、DUT144が、ガードリング141の内側であって、さらに、シールリングにより囲い込まれたチップ積層ウェーハ100Cの構成例を示している。
【0111】
すなわち、図12のチップ積層ウェーハ100Cは、ウェーハ101およびLogic層102’’より構成されている。Logic層102’’においては、DUT144が、ガードリング141に囲まれた上で、さらに、耐水性を備えたシールリング261により囲まれた中に配置されている。シールリング261は、BEOL(Back End of Line)層に形成されている。接続部142’とDUT144とは、配線143と対応する配線143’を介して電気的に接続されている。
【0112】
尚、図12においては、基板上にDUT144以外に、内部回路271が基板145上に形成されている。内部回路271は、ガードリング141内ではあるが、シールリング261の外側に形成されている。
【0113】
以上のような構成においても、CoW構造のチップ積層ウェーハ100Cにおいても、DUT測定を実現することが可能となる。
【0114】
<<7.第4の変形例>>
以上においては、接続配線131は、ウェーハ101とLogic層102との境界に形成され、端子121aが、接続配線131、接続部131a、接続部142’、および配線143を介してDUT144と電気的に接続される構成について説明してきた。
【0115】
しかしながら、接続配線131は、ウェーハ101とLogic層102との境界以外の位置に配置されてもよく、例えば、入射光の入射方向から見て、Logicチップ112Aの背面側に設けられるようにしてもよい。
【0116】
図13は、接続配線が、Logicチップ112Aの背面側に形成されたチップ積層ウェーハ100Dの構成例を示している。チップ積層ウェーハ100Dは、ウェーハ101’およびLogic層102’’’より構成される。尚、図13においては、最上段は、チップ積層ウェーハ100Dの構成例を示している。チップ積層ウェーハ100Dは、ウェーハ101’およびLogic層102’’’の側面断面図であり、上から2段目は、Logicチップ112Aの背面側の構成例であり、上から3段目は、接続配線282が形成されている層の断面図である。
【0117】
すなわち、ウェーハ101’とLogic層102’’’との境界には、接続配線131が配線されておらず、接続配線131に代えて、Logic層102’’’のLogicチップ112Aの背面側に、対応する接続配線282が形成されている。
【0118】
接続配線282は、図中の左端部がTSV(Through Silicon Via)からなる配線281を介して端子121aと接続されている。
【0119】
また、接続配線282の図中の右端部には、接続部282aが形成されており、Logicチップ112Aの背面側に形成された接続部291と接続される。接続部291は、TSVからなる配線292を介してDUT144と電気的に接続されている。このため、端子121aは、配線281、接続配線282、接続部282a、接続部291、および配線292を介してDUT144と接続されている。
【0120】
さらに、図13の2段目で示されるように、Logicチップ112Aの背面側には、耐水層171に対応するシリコンナイトライドなどからなる耐水層171’が形成され、耐水性を備えた構成とされている。しかしながら、耐水層171’のうち接続部291が形成されている部位については、接続部291がむき出しにされた構成とされているため、接続部282aと電気的に接続可能な構成とされている。
【0121】
以上のような構成により、図13のCoW構造のチップ積層ウェーハ100Dにおいても、DUT測定を実現することが可能となる。
【0122】
<<8.第5の変形例>>
以上においては、ウェーハ101とLogic層102との2層からなるCoW構造のチップ積層ウェーハ100について説明してきたが、3層であってもよい。
【0123】
図14は、ウェーハ301、中間層302、およびLogic層303からなる3層のCoW構造のチップ積層ウェーハ300の構成例を示している。尚、中間層302は、複数の半導体チップが形成されたウェーハや、個片化された半導体チップが積層されて形成される半導体層であってもよい。
【0124】
尚、ウェーハ301は、ウェーハ101と対応する構成であり、ウェーハ301のスクライブ321、端子321a、ガードリング332、端子321aa、接続配線331、接続部331aは、それぞれウェーハ101のスクライブ121、端子121a、ガードリング132、端子121a、接続配線131、接続部131aと対応する構成である。
【0125】
また、中間層302には、基板345-1上に内部回路361-11が形成され、ガードリング341-1が形成されている。また、中間層302には、接続部342-1、配線343-1、および接続部342-2が形成されている。接続部342-1,342-2は、それぞれ配線343-1の両端部に形成されている。接続部342-1は、接続配線331の接続部331aと接続されている。接続部342-2は、Logic層303の接続部342-3と接続されている。
【0126】
中間層302の基板345-1とLogic層303との間には、層間絶縁膜371が形成されている。
【0127】
さらに、Logic層303には、Logicチップ312Aが含まれており、Logicチップ312Aには、ガードリング341-2が形成され、基板345-2上には、ガードリング341-2の内側に、内部回路361-21,361-22が形成され、ガードリング341-2の外側に、DUT344が形成されている。また、DUT344は、配線343-2を介して接続部342-3と接続されている。
【0128】
すなわち、このような構成により、端子321aは、接続配線331、接続部331a、接続部342-1、配線343-1、接続部342-2、接続部342-3、および配線343-2を介してDUT344と接続されている。
【0129】
結果として、図14の3層のCoW構造からなるチップ積層ウェーハ301においても、端子321aにプローブを接続することで、Logicチップ312AのDUT344と、図示せぬ検査装置とを電気的に接続することが可能となるので、DUT測定を実現することが可能となる。
【0130】
<<9.第6の変形例>>
以上においては、ウェーハ301、中間層302、およびLogic層303からなる3層のCoW構造のチップ積層ウェーハ300において、ウェーハ301と中間層302との境界に接続配線331が形成されて、端子321aとLogicチップ312AのDUT344とが電気的に接続されて、DUT測定を実現する例について説明してきた。
【0131】
しかしながら、接続配線331については、ウェーハ301と中間層302との境界以外に形成されてもよく、例えば、中間層302とLogic層303との境界に形成されるようにしてもよい。
【0132】
図15は、接続配線331が、中間層302とLogic層303との間に形成されるようにしたチップ積層ウェーハの構成例を示している。
【0133】
図15のチップ積層ウェーハ300Aは、図14のチップ積層ウェーハ300における接続配線331に代えて、中間層302とLogic層303との境界に接続配線331Aが形成されている。
【0134】
また、ウェーハ301においては、端子321aと接続される接続部342-11が形成され、中間層302においては、配線343-11が形成され、図中上方の端部が、接続部342-12を介して、接続部342-11と接続され、図中下方の端部が接続配線331Aの図中の左端部と電気的に接続される。
【0135】
そして、接続配線331Aの図中の右端部には、接続部331Aaが形成されており、Logicチップ312Aの接続部342-3と接続されており、配線343-2を介してDUT344と接続されている。
【0136】
このような構成により、図15のチップ積層ウェーハ300Aにおいては、端子321aが、接続部342-11と接続され、接続部342-11が配線343-11の接続部342-12と接続される。また、配線343-11は、接続配線331Aの図中の左端部と接続され、図中の左端部の接続部331Aaが、Logicチップ312Aの接続部342-3と接続される。
【0137】
すなわち、このような構成により、端子321aは、接続部342-11、接続部342-12、配線343-11、接続配線331A、接続部331Aa、接続部342-3、および配線343-2を介してDUT344と接続されている。
【0138】
結果として、図15の3層のCoW構造からなるチップ積層ウェーハ301Aにおいても、端子321aにプローブを接続することで、Logicチップ312AのDUT344と、図示せぬ検査装置とを電気的に接続することが可能となるので、DUT測定を実現することが可能となる。
【0139】
<<10.第7の変形例>>
以上においては、ウェーハ301、中間層302、およびLogic層303からなる3層のCoW構造のチップ積層ウェーハ300において、中間層302とLogic層303との境界に接続配線331Aが形成されて、端子321aとLogicチップ312AのDUT344とが電気的に接続されて、DUT測定を実現する例について説明してきた。
【0140】
しかしながら、接続配線331については、中間層302とLogic層303との境界以外でもよく、例えば、中間層302における層間絶縁膜371内に形成されるようにしてもよい。
【0141】
図16は、接続配線331が、中間層302の層間絶縁膜371内に形成されるようにしたチップ積層ウェーハの構成例を示している。
【0142】
図16のチップ積層ウェーハ300Bは、図15のチップ積層ウェーハ300Aにおける接続配線331Aに代えて、中間層302の層間絶縁膜371に接続配線331Bが形成されている。
【0143】
このような構成により、図16のチップ積層ウェーハ300Bにおいては、端子321aが、接続部342-11と接続され、接続部342-11が、接続部342-12を介して配線343-11と接続される。また、配線343-11は、接続配線331Bの図中の左端部と接続され、接続配線331Bの図中の右端部の接続部331Baが、Logicチップ312Aの接続部342-3と接続される。
【0144】
すなわち、このような構成により、端子321aは、接続部342-11、接続部342-12、配線343-11、接続配線331B、接続部331Ba、接続部342-3、および配線343-2を介してDUT344と接続されている。
【0145】
結果として、図16の3層のCoW構造からなるチップ積層ウェーハ301Bにおいても、端子321aにプローブを接続することで、Logicチップ312AのDUT344と、図示せぬ検査装置とを電気的に接続することが可能となるので、DUT測定を実現することが可能となる。
【0146】
<<11.第8の変形例>>
接続配線331については、中間層302とLogic層303との境界や、中間層302における層間絶縁膜371内以外に形成されるようにしてもよく、例えば、中間層302の基板345-1に形成されるようにしてもよい。
【0147】
図17は、接続配線331が、中間層302の基板345-1内に形成されるようにしたチップ積層ウェーハの構成例を示している。
【0148】
図17のチップ積層ウェーハ300Cは、図16のチップ積層ウェーハ300Bにおける接続配線331Bに代えて、中間層302の基板345-1に接続配線331Cが形成されている。
【0149】
このような構成により、図17のチップ積層ウェーハ300Cにおいては、端子321aが、接続部342-11と接続され、接続部342-11が、接続部342-12を介して配線343-11と接続される。また、配線343-11は、接続配線331Cの図中の左端部と接続され、接続配線331Cの図中の右端部の接続部331Caが、Logicチップ312Aの接続部342-3と接続される。
【0150】
すなわち、このような構成により、端子321aは、接続部342-11、接続部342-12、配線343-11、接続配線331C、接続部331Ca、接続部342-3、および配線343-2を介してDUT344と接続されている。
【0151】
結果として、図17の3層のCoW構造からなるチップ積層ウェーハ301Cにおいても、端子321aにプローブを接続することで、Logicチップ312AのDUT344と、図示せぬ検査装置とを電気的に接続することが可能となるので、DUT測定を実現することが可能となる。
【0152】
<<12.第9の変形例>>
以上においては、ウェーハ301、中間層302、およびLogic層303からなる3層のCoW構造のチップ積層ウェーハ300において、端子321aとLogicチップ312AのDUT344とが電気的に接続されて、DUT測定を実現する例について説明してきた。
【0153】
しかしながら、さらに、複数のLogicチップ312Aが積層されている場合には、複数のLogicチップ312A間を接続配線で接続して、相互に電気的に接続できるようにしてもよい。
【0154】
図18は、2個のLogicチップ312A間を接続する接続配線が、中間層302の層間絶縁膜371内に形成されるようにしたチップ積層ウェーハの構成例を示している。
【0155】
図18のチップ積層ウェーハ300Dは、図16のチップ積層ウェーハ300BにおけるLogic層303に2個のLogicチップ312A-1,312A-2が積層され、相互が接続配線381により接続される例が示されている。
【0156】
尚、Logicチップ312A-1,312A-2のうち、Logicチップ312A-1は、図16のLogicチップ312Aと対応するDUT344を備えており、端子321aにプローブを接続することで、DUT344と電気的に接続される構成については、同一であるので、その構成の説明については省略する。ただし、図18においては、DUT344が、ガードリング341-2-1の外側に形成されている点で異なる。
【0157】
Logicチップ312A-1は、図16のLogicチップ312Aの機能に加えて、ガードリング341-2-1の内側に内部回路361-31が基板345-2-1上に形成されており、配線392-1を介して接続部391-1と接続されている。
【0158】
Logicチップ312A-2は、ガードリング341-2-2を備えており、ガードリング341-2-2の内側に内部回路361-32が基板345-2-2上に形成されており、配線392-2を介して接続部391-2と接続されている。
【0159】
接続配線381は、中間層302の層間絶縁膜371内に形成され、両端部には、接続部381a-1,381a-2が形成されている。そして、接続部381a-1は、Logicチップ312A-1の接続部391-1と接続されており、接続部381a-2は、Logicチップ312A-2の接続部391-2と接続されている。
【0160】
このような構成により、図18のチップ積層ウェーハ300Dにおいては、Logicチップ312A-1の内部回路361-31と、Logicチップ312A-2の内部回路361-32とが、接続部391-1、接続部381a-1、接続配線381、接続部381a-2、および接続部391-2を介して電気的に接続される。
【0161】
結果として、図18の3層のCoW構造からなるチップ積層ウェーハ301Dにおいても、端子321aにプローブを接続することで、Logicチップ312A-1のDUT344と、図示せぬ検査装置とを電気的に接続することが可能となるので、DUT測定を実現することが可能となる。
【0162】
さらに、2つのLogicチップ312A-1,312A-2の内部回路361-31,361-32間が、接続配線381により接続されることにより、相互でのデータや信号の授受が可能となる。
【0163】
尚、Logicチップ312A-1,312A-2間を接続する接続配線381については、中間層302の層間絶縁膜371内のみならず、ウェーハ301と中間層302との境界に形成されるようにしてもよいし、中間層302の基板345-1内に形成されるようにしてもよい。
【0164】
<<13.第10の変形例>>
以上においては、1個のDUT344に対してDUT測定を実現する例について説明してきたが、DUTは複数であってもよく、それらを切り替えてDUT測定できるようにしてもよい。
【0165】
図19は、2個のDUTを切り替えてDUT測定を実現できるようにしたCoW構造のチップ積層ウェーハの構成例を示している。
【0166】
図19のチップ積層ウェーハ300Eは、図16のチップ積層ウェーハ300BにおけるLogic層303のDUT344に加えて、中間層にもDUT344を加えた構成とされ、切替回路401により切り替えてDUT測定を実現することができる。
【0167】
尚、図19においては、基本的な構成は、図16のチップ積層ウェーハ300Bにおける構成を採用し、Logic層303のDUTは、DUT344-1と称し、中間層302のDUTは、DUT344-2と称するものとする。
【0168】
また、Logic層303のDUT344-1については、接続配線331B以降の構成については、図16のチップ積層ウェーハ300Bにおける場合と同一であるので、その説明は省略する。
【0169】
すなわち、図18のチップ積層ウェーハ300Eにおいて、図16のチップ積層ウェーハ300Bと異なるのは、中間層304に切替回路401、接続配線331D、およびDUT344-2が設けられた点である。
【0170】
切替回路401は、配線343-11、並びに、接続配線331B,331Dと接続されている。すなわち、切替回路401は、接続部342-11,342-12、および配線343-11を介して端子321aと接続されており、端子321aにプローブが接続されて、図示せぬ検査装置が接続することが可能な構成とされている。また、切替回路401は、検査装置と電気的に接続されている場合、検査装置により制御され、検査装置からの指示に基づいて、DUT測定対象となるDUT344-1,344-2を切り替えてDUT測定を実現する。
【0171】
より詳細には、切替回路401は、DUT344-1をDUT測定対象とするように指示を受けた場合、接続配線331B、接続部331Ba、接続部342-3、配線343-2を介して、Logic層303のLogicチップ312AのDUT344-1を測定対象としてDUT測定を実施する。
【0172】
また、切替回路401は、DUT344-2をDUT測定対象とするように指示を受けた場合、接続配線331Dを介して、中間層302のDUT344-2を測定対象としてDUT測定を実施する。
【0173】
結果として、図19の3層のCoW構造からなるチップ積層ウェーハ300Eにおいては、端子321aにプローブを接続することで、Logic層303におけるLogicチップ312A-1のDUT344-1と、中間層302のDUT344-2とを切り替えて、DUT測定することが可能となる。
【0174】
尚、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
【0175】
<1>
【符号の説明】
【0176】
100,100A乃至100D チップ積層ウェーハ, 101 ウェーハ, 102 Logic層, 110 固体撮像装置, 111a 固体撮像素子, 111aa 端子, 111ab カラーフィルタ, 112A Logicチップ, 121 スクライブ, 121a 端子, 131 接続配線, 131a 接続部, 141 ガードリング, 142 接続部, 143 配線 144 DUT, 145 基板, 146 埋込膜, 161,162 耐水層, 171,171’ 耐水層, 191,191A,191B プローブ, 251 耐水層, 261 シールリング, 282 接続配線, 282a 接続部, 291 接続部, 300,300A乃至300E チップ積層ウェーハ, 301 ウェーハ, 302 中間層, 303 Logic層, 311aa 端子, 321 スクライブ, 321a 端子, 331,331A乃至331D 接続配線, 331a,331Aa乃至331Da 接続部, 344,344-1,344-2 DUT, 381 接続配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19