IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カワサキモータース株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-乗物のカメラの取付構造 図1
  • 特開-乗物のカメラの取付構造 図2
  • 特開-乗物のカメラの取付構造 図3
  • 特開-乗物のカメラの取付構造 図4
  • 特開-乗物のカメラの取付構造 図5
  • 特開-乗物のカメラの取付構造 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127041
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】乗物のカメラの取付構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 11/00 20200101AFI20240912BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20240912BHJP
   B62J 6/026 20200101ALI20240912BHJP
【FI】
B62J11/00
B62J45/00
B62J6/026
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035880
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】岩本 太郎
(72)【発明者】
【氏名】柏原 健
(72)【発明者】
【氏名】熊田 貴文
(57)【要約】
【課題】カメラの撮影方向の調整を容易に行うことができる乗物のカメラの取付構造を提供する。
【解決手段】本開示の乗物のカメラ30の取付構造は、自動二輪車のような鞍乗型乗物の前方を撮影するカメラ30を乗物に取り付けるカメラ30の取付構造であって、乗物の前方を照射するヘッドランプ14に、カメラ30が固定されている。カメラ30は、例えば、ヘッドランプ14の下端部に固定されている。これにより、ヘッドランプ14のエーミングに伴って、カメラ30の向きも揃うので、カメラ30の撮影方向を調整する手間を減らすことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物の前方を撮影するカメラを乗物に取り付けるカメラの取付構造であって、
乗物の前方を照射するヘッドランプに、前記カメラが固定されている乗物のカメラの取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラの取付構造において、前記カメラが、前記ヘッドランプの下端部に固定されている乗物のカメラの取付構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカメラの取付構造において、前記ヘッドランプは、ランプ本体と、前記ランプ本体を乗物に支持する支持部分とを有し、
前記カメラが、前記ヘッドランプの前記支持部分に固定されている乗物のカメラの取付構造。
【請求項4】
請求項1または2に記載のカメラの取付構造において、前記ヘッドランプは、ランプ本体と、前記ランプ本体の外周を覆うランプハウジングとを有し、
前記カメラが、前記ランプ本体に前記ランプハウジングと共締めされている乗物のカメラの取付構造。
【請求項5】
請求項1または2に記載のカメラの取付構造において、前記ヘッドランプは、ランプ本体と、前記ランプ本体の外周を覆うランプハウジングとを有し、
前記カメラのハーネスと前記ヘッドランプのハーネスの両方に接続されるコネクタが、前記ランプハウジング内に配置されている乗物のカメラの取付構造。
【請求項6】
請求項1または2に記載のカメラの取付構造において、前記ヘッドランプは、ランプ本体と、前記ランプ本体の外周を覆うランプハウジングとを有し、
前記カメラが、前記ランプハウジングの外側に配置されている乗物のカメラの取付構造。
【請求項7】
請求項1または2に記載のカメラの取付構造を備えた鞍乗型乗物。
【請求項8】
請求項1または2に記載のカメラの取付構造を備えたオフロード四輪車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗物の前方を撮影するカメラを乗物に取り付けるカメラの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アクセサリとして、自動二輪車のような乗物に前方撮影用のカメラを搭載する場合がある(例えば、特許文献1)。その場合、フロントフォークを支持するロアブラケット(ボトムブリッジ)にカメラが固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/208721号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のカメラ取付構造では、カメラの撮影方向を合わせるためには、撮影画像を目視で確認しながら調整する必要があり、作業が容易でない。
【0005】
本出願の開示は、カメラの撮影方向の調整を容易に行うことができる乗物のカメラの取付構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係る乗物のカメラの取付構造は、乗物の前方を撮影するカメラを乗物に取り付けるカメラの取付構造であって、乗物の前方を照射するヘッドランプに、前記カメラが固定されている。乗物は、鞍乗型乗物、オフロード四輪車両を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一形態に係る乗物のカメラの取付構造によれば、ヘッドランプのエーミング(照射方向調整)に伴って、カメラの向きも揃うので、カメラの撮影方向を調整する手間を減らすことができる。また、振動値が規制されたヘッドランプにカメラが固定されることで、フロントフォークを支持するブラケットにカメラを固定する場合に比べて、カメラが受ける振動の低減を図りやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第1実施形態に係るカメラの取付構造を備えた乗物の一種である自動二輪車の前部を示す側面図である。
図2】同自動二輪車の前部を示す正面図である。
図3】同自動二輪車のヘッドランプのランプハウジングの内部を示す斜視図である。
図4】同カメラを支持するカメラブラケットを示す斜視図である。
図5】同カメラの取付構造を前方斜め側方から見た斜視図である。
図6】同カメラの取付構造を後方斜め側方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本開示の第1実施形態に係るカメラの取付構造を備えた乗物の一種である自動二輪車の前部を示す側面図で、図2はその正面図である。
【0010】
以下の説明において、「前方」および「後方」とは、車両の進行方向の「前方」および「後方」をいう。つまり、前後方向は、車両の長手方向と一致する。「上方」および「下方」とは、車両の「上方」および「下方」をいう。「左側」および「右側」とは、車両に乗車した運転者から見た「左側」および「右側」をいう。つまり、左右方向は、車両の幅方向(以降、「車幅方向」という。)と一致する。車幅方向において、前後方向に延びる車体中心線に向かう方向を「車幅方向内側」といい、車体中心線から離れる方向を「車幅方向外側」という。
【0011】
図1に示す自動二輪車は、前後方向に延びる車体フレームFRを有し、この車体フレームFRに駆動源(図示せず)が支持されている。駆動源は、例えば、エンジンである。ただし、駆動源は、エンジンに限定されず、電動モータであってもよい。
【0012】
車体フレームFRの前端のヘッドパイプ2にステアリングシャフト4が回動自在に挿通され、このステアリングシャフト4を介してアッパブラケット6およびロワーブラケット8がヘッドパイプ2に支持されている。これらアッパブラケット6およびロワーブラケット8にフロントフォーク10が支持されている。フロントフォーク10の下端部に前輪(図示せず)が支持され、フロントフォーク10の上端部のアッパブラケット6にハンドル12が取り付けられている。図1では、車体フレームFRおよびヘッドパイプ2は二点鎖線で描かれている。
【0013】
フロントフォーク10に、自動二輪車の前方を照射するヘッドランプ14が支持されている。本実施形態では、ヘッドランプ14の発光体として発光ダイオード(LED)が用いられているが、ハロゲンバルブであってもよい。ヘッドランプ14は、ボルトのような複数の締結部材15によりランプブラケット16を介してフロントフォーク10に着脱自在に取り付けられている。
【0014】
詳細には、ヘッドランプ14は、ゴムのような弾性体17(図3)を介したラバーマウントによりフロントフォーク10に支持されている。弾性体17は、例えば、図3に示すような筒状のゴムダンパである。ただし、弾性体17はこれに限定されない。弾性体17により車体の振動がヘッドランプ14に伝達するのが抑制され、ヘッドランプ14の規定の振動値を満たす。また、ヘッドランプ14は、上下方向、左右方向の向き(傾斜角度)を調整するエーミング機能を有している。
【0015】
図1に示すヘッドランプ14は、発光体を含むランプ本体18と、ランプ本体18の外周を覆うランプハウジング20とを有している。ランプ本体18は、照射面である前面が露出した状態で、ランプハウジング20に収納されている。
【0016】
ランプハウジング20は、前半部を構成するフロントハウジング部22と、後半部を構成するリヤハウジング部24とを有している。ランプ本体18が、ボルトのような複数の締結部材25によりフロントハウジング部22に着脱自在に取り付けられている。
【0017】
フロントハウジング部22とリヤハウジング部24は着脱可能に連結されている。詳細には、リヤハウジング部24の上部に形成された係合爪24a(図3)が、フロントハウジング部22の上部に形成された係合孔22aに差し込されることで、フロントハウジング部22の上部とリヤハウジング部24の上部が連結される。一方、フロントハウジング部22の下部とリヤハウジング部24の下部は、ボルトのような締結部材26により連結されている。ランプハウジング20の上部および下部はそれぞれ、車幅方向に離れた2か所で連結される。ランプハウジング20の下部の連結構造の詳細については後述する。
【0018】
図3に示すように、ランプハウジング20のリヤハウジング部24の両側部に、取付孔24bが形成されている。この取付孔24bに筒状の弾性体17が装着されている。外側方からランプブラケット16のボルト挿通孔16a(図1)および弾性体17の中空孔に締結部材15が挿通され、ナット27で締め付けることで、ヘッドランプ14がランプブラケット16を介してフロントフォーク10に支持される。つまり、リヤハウジング部24は、ランプ本体20を車体に支持する支持部分を構成する。
【0019】
図1に示すヘッドランプ14に、ヘッドランプ14の前方を覆う樹脂製のフロントカウル28が装着されている。本実施形態のフロントカウル28は、ヘッドランプ14の前方および上方を覆い、さらに、ヘッドランプ14の側方の一部のみを覆っている。つまり、本実施形態のフロントカウル28は、ヘッドランプ14の周囲のみを覆い、側面視で、フロントフォーク8よりも後方の車体および部品は覆わない小形のカウル(いわゆるビキニカウル)である。ただし、本開示の自動二輪車は、ビキニカウルタイプの自動二輪車に限定されない。
【0020】
本実施形態のフロントカウル28は、ランプハウジング20のフロントハウジング部22に形成されたランプ支持部22bに、ボルトのような締結部材(図示せず)で固定されている。本実施形態では、図2に示すように、フロントハウジング部22の前面の上部および下部の両側部に合計4つのランプ支持部22bが設けられている。ただし、フロントカウル28の支持構造はこれに限定されない。
【0021】
図1に示すように、ヘッドランプ14の下方に、車両の前方を撮影するカメラ30が配置されている。本実施形態のカメラ30は、ドライブレコーダ用のカメラである。ただし、カメラ30は、ドライブレコーダ用以外の用途のものであってもよい。
【0022】
カメラ30は、上下方向に関して、その上端がヘッドランプ14の下端よりも上方となるように配置されている。また、カメラ30は、前後方向に関して、その全体がヘッドランプ14の前端よりも後方に配置されている。このような配置とすることで、ヘッドランプ14およびこれに取り付けられたフロントカウル28によりカメラ30の上方が覆われ、カメラ30が保護される。さらに、カメラ30は、車幅方向に関して、図2のランプハウジング20の中心よりも外側に配置されている。本実施形態では、カメラ30は、ランプハウジング20の左側寄りに配置されている。また、カメラ30は、ランプハウジング20の内部ではなく外側に配置されている。
【0023】
カメラ30は、ヘッドランプ14に固定されている。本実施形態では、カメラ30は、ヘッドランプ14の下端部に固定されている。詳細には、カメラ30は、ランプハウジング20のリヤハウジング部24(支持部分)に固定されている。
【0024】
カメラ30は、カメラブラケット32を介してヘッドランプ14に支持されている。本実施形態のカメラブラケット32は、板金を折り曲げ加工、溶接による接合等を行うことで構成されている。図4に示すように、カメラブラケット32は、ヘッドランプ14の下縁に沿って左右方向(車幅方向)に延びる第1ブラケット部分34を有し、第1ブラケット部分34の左右両端部34a,34bにボルト挿通孔34aa,34baがそれぞれ形成されている。
【0025】
カメラブラケット32は、さらに、第1ブラケット部分34の左側端部34aから下方に延びる第2ブラケット部分36を有している。第2ブラケット部分36は、主面が前後方向を向く第1プレート36aと、主面が車幅方向(左右方向)を向く第2プレート36bとを有している。
【0026】
第2プレート36bに、カメラ取付孔36baが形成されている。カメラ取付孔36baは、車幅方向を向く貫通孔である。本実施形態では、カメラ取付孔36baは、前後方向に並んで2つ設けられている。ただし、カメラ取付孔36baの数はこれに限定されない。
【0027】
カメラ取付孔36baを用いて、図5に示すカメラ保持部材38が取り付けられている。カメラ保持部材38は、板材を直方体形状に折り曲げたもので、ボルトのような締結部材35(図3)によりカメラ取付孔36baを介してカメラブラケット32に着脱自在に取り付けられている。
【0028】
カメラ30は、帯状のホルダ40を介してカメラ保持部材38に取り付けられている。詳細には、カメラ30の外周にホルダ40が巻き付けられ、ホルダ40の両端部がボルトのような締結部材45によりカメラ保持部材38に固定されている。本実施形態では、締結部材45は、上下方向にカメラ保持部材38を貫通するボルト45と、これを締め付ける図3のナット46とを有している。
【0029】
本実施形態では、ホルダ40の表面に図5の目印42が形成されている。目印42は、例えば、けがき工具により工作物の表面に描かれた線である。図6に示すように、カメラ30の後面にも目印44が設けられている。目印44は、例えば、三角系のマークをペイントまたは貼り付けたものである。カメラ30をカメラ保持部材38に取り付ける際、ホルダ40の目印42に、カメラ30の目印44を合わせることで、カメラ30の周方向の位置決め、すなわち位相合わせが可能となる。目印42、44の構造は、図示の例に限定されない。
【0030】
つぎに、カメラブラケット32のヘッドランプ14への取付構造を説明する。図3に示すように、カメラブラケット32は、締結部材26によりランプハウジング20に取り付けられている。具体的には、カメラブラケット32は、締結部材26によりリヤハウジング部24とともにフロントハウジング部22に共締めされている。以下に詳細を説明する。
【0031】
図5に示すように、フロントハウジング部22に第1取付片48が形成されている。第1取付片48は、フロントハウジング部22の後端から後方に、すなわちリヤハウジング部24の内部に向かって突出する。図3に示すように、第1取付片48は、ランプハウジング20の下部に、左右方向に離れて2つ設けられている。第1取付片48に第1挿通孔48aが形成されている。なお、図3は、リヤハウジング部24の内部を示しているが、リヤハウジング部24の内部に向かって突出するフロントハウジング部22に第1取付片48が断面で描かれている。
【0032】
リヤハウジング部24における第1取付片48の第1挿通孔48aに対応する位置に、第2挿通孔50が形成されている。第1取付片48に挟みナット52が装着される。この状態で、締結部材26が、車幅方向外側斜め下方から、カメラブラケット32のボルト挿通孔34aa,34ba、リヤハウジング部24の第2挿通孔50およびフロントハウジング部22の第1挿通孔48aに挿通され、挟みナット52に締め付けられている。
【0033】
これにより、カメラ30が、カメラブラケット32を介して、リヤハウジング部24とともにフロントハウジング部22に共締めされる。図3では、右側の挟みナット52は第1取付片48から取り外された状態を示し、左側の挟みナット52は第1取付片48に装着された状態を示している。
【0034】
図2に示すように、カメラブラケット32の第1ブラケット部分34は、ヘッドランプ14の下方をヘッドランプ14に沿って延びている。第1ブラケット部分34とヘッドランプ14の下縁との間には、十分な隙間Gが形成されている。これにより、ラバーマウント17(図3)で装着されたヘッドランプ14がカメラブラケット32に干渉するのを防ぐことができる。
【0035】
つぎに、図3を用いて、カメラ30およびヘッドランプ14の配線を説明する。カメラ30のハーネス54がヘッドランプ14のハーネス56とまとめられて、車体の後方に延びている。本実施形態では、カメラ30のハーネス54とヘッドランプ14のハーネス56が、ランプハウジング20内に配置された共通のコネクタ58の一端側(図3の左側)に接続されている。コネクタ58の他端側(図3の右側)のハーネスは、共通のハーネス60でまとめられてメインハーネス(図示せず)に接続されている。以下に詳細を説明する。
【0036】
カメラ30のハーネス54は、カメラ30の後面から斜め上方に延び、ランプハウジング20のリヤハウジング部24の後面の開口部62からランプハウジング20の内部に導入される。ランプハウジング20内に導入されたカメラ30のハーネス54は、ランプハウジング20内に配置されたヘッドランプ14のハーネス56用のコネクタ58の一端側に接続される。
【0037】
本実施形態では、コネクタ58にカメラ30のドライブレコーダのスイッチのハーネス64も接続されている。ドライブレコーダのスイッチ(図示せず)は、例えば、ハンドル12に取り付けられる。ドライブレコーダのスイッチのハーネス64は、ハンドル12から下方に延び、ランプハウジング20の開口部62からランプハウジング20の内部に導入され、コネクタ58の一端側に接続されている。
【0038】
上述のように、コネクタ58の他端側から延びる各ハーネスは、共通のハーネス60でまとめられる。本実施形態では、コネクタ58の他端側から延びるハーネス以外のハーネスも共通のハーネス60でまとめられている。そのようなハーネスは、例えば、ETCアンテナのハーネスなどの車体前部の弱電ハーネスを含む。
【0039】
カメラ30のハーネス54、ヘッドランプ14のハーネス56等がまとめられたハーネス60は、ランプハウジング20の開口部62からランプハウジング20の外部に導出し、メータユニットのハーネス等とともに(図示せず)、メインハーネス(図示せず)に接続される。カメラ30のハーネス54とヘッドランプ14のハーネス56は、本実施形態と別の手段でまとめられてもよい。
【0040】
上記構成によれば、ヘッドランプ14のエーミングに伴って、カメラ30の向きも揃うので、カメラ30の撮影方向を調整する手間を減らすことができる。また、振動値が規制されたヘッドランプ14にカメラ30が固定されることで、フロントフォーク10を支持するブラケット6,8にカメラを固定する場合に比べて、カメラ30が受ける振動の低減を図りやすい。
【0041】
本開示に係るカメラの取付構造において、カメラ30が、ヘッドランプ14の下端部に固定されていてもよい。この構成によれば、ヘッドランプ14によりカメラ30の上方が覆われるので、ヘッドランプ14でカメラを保護しやすく、走行中に異物等に衝突してカメラ30が不所望に位置がずれることを防ぐことができる。
【0042】
本開示に係るカメラの取付構造において、カメラ30がヘッドランプ14の支持部分、すなわちリヤハウジング部24に固定されていてもよい。この構成によれば、ランプ本体18を支持するリヤハウジング部24で、カメラ30も支持することができ、安定したカメラ30の支持を実現できる。
【0043】
本開示に係るカメラの取付構造において、カメラ30が、リヤハウジング部24とともに、フロントハウジング部22に共締めされていてもよい。この構成によれば、カメラ30を固定するために別途取付部を用意する必要がないので、構造が簡単になる。
【0044】
本開示に係るカメラの取付構造において、カメラ30のハーネス54とヘッドランプ14のハーネス56の両方に接続されるコネクタ58が、ランプハウジング20の内部に配置されていてもよい。この構成によれば、カメラ30のハーネス54とヘッドランプ14のハーネス56が1つの共通のハーネス60にまとめられるので、配線しやすい。
【0045】
本開示に係るカメラの取付構造において、カメラ30が、ランプハウジング20の外側に配置されていてもよい。この構成によれば、カメラ30がランプハウジング20の外側に配置されているので、カメラ30の着脱が容易である。また、ランプハウジング20内にカメラ30を配置する場合に比べて、ヘッドランプ14を小形化できる。
【0046】
本開示に係るカメラの取付構造は、自動二輪車、三輪車、四輪バギー(全地形型車両)、小型滑走艇等の鞍乗型乗物に適用できる。本実施形態のカメラの取付構造は、特に、ヘッドランプが外側方に露出するネイキッドタイプの自動二輪車、あるいは、ヘッドランプまわりの周囲を覆う小形のビキニカウルを備えた自動二輪車に好適に用いられる。また、本実施形態のカメラの取付構造は、レクレーション・ユーティリティ・ビークル、ユーティリティ・ビークル(多用途四輪車)等の悪路を走行するオフロード四輪車両にも適用できる。
【0047】
本開示は、以上の形態に限定されるものでなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本開示の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
14 ヘッドランプ
18 ランプ本体
20 ランプハウジング
22 フロントハウジング部
24 リヤハウジング部(支持部分)
30 カメラ
54 カメラのハーネス
56ヘッドランプのハーネス
58 コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6