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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127051
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 41/30 20230101AFI20240912BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20240912BHJP
   H10B 43/00 20230101ALI20240912BHJP
   H10B 43/35 20230101ALI20240912BHJP
   G11C 16/14 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H10B41/30
H10B41/27
H10B43/00
H10B43/35
G11C16/14 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035895
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤穂 雅之
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
【Fターム(参考)】
5B225CA21
5B225DB22
5B225EA05
5B225FA02
5B225FA07
5F083EP17
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083ER02
5F083ER03
5F083ER22
5F083GA10
5F083KA01
5F083KA03
5F083KA05
5F083LA05
5F083LA16
5F083NA01
5F083ZA03
(57)【要約】
【課題】 チップ面積を縮小する。
【解決手段】 実施形態の半導体記憶装置は、各々が直列に接続された第1選択トランジスタ、複数のメモリセルトランジスタ、及び第2選択トランジスタを含む複数のメモリストリングと、前記複数のメモリセルトランジスタのそれぞれのゲートに接続される複数のワード線と、前記複数のメモリセルトランジスタに対する書き込み動作、読み出し動作及び消去動作の少なくとも1つの動作に対応する電圧を生成する電圧供給回路と、前記電圧供給回路からの電圧を前記複数のワード線に供給するための複数のワード線選択トランジスタと、前記複数のワード線選択トランジスタをそれぞれ含む複数のトランジスタ回路群の各形成領域の間に設けられる素子分離用のダミーゲートと、を具備し、前記電圧供給回路は、前記ダミーゲートに負電圧を供給可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が直列に接続された第1選択トランジスタ、複数のメモリセルトランジスタ、及び第2選択トランジスタを含む複数のメモリストリングと、
前記複数のメモリセルトランジスタのそれぞれのゲートに接続される複数のワード線と、
前記複数のメモリセルトランジスタに対する書き込み動作、読み出し動作及び消去動作の少なくとも1つの動作に対応する電圧を生成する電圧供給回路と、
前記電圧供給回路からの電圧を前記複数のワード線に供給するための複数のワード線選択トランジスタと、
前記複数のワード線選択トランジスタをそれぞれ含む複数のトランジスタ回路群の各形成領域の間に設けられる素子分離用のダミーゲートと、
を具備し、
前記電圧供給回路は、前記ダミーゲートに負電圧を供給可能である
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数のメモリストリングの一部を含む第1ブロックと、
前記第1ブロックに含まれる前記複数のメモリストリングを除く前記複数のメモリストリングの一部を含む第2ブロックと、を有し、
前記第1ブロックに属するメモリセルトランジスタに対応するワード線選択トランジスタと前記第2ブロックに属するメモリセルトランジスタに対応するワード線選択トランジスタとは、相互に隣接した異なる前記トランジスタ回路群に属する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記ダミーゲートは、前記複数のトランジスタ回路群の各形成領域の間に形成される素子分離領域上に形成される
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記トランジスタ回路群は、
第1方向に配置された第1拡散層と第2拡散層と第3拡散層が前記第1方向に直交する方向に複数配置され、
前記複数の第1拡散層と第2拡散層との間に、前記第2方向に延設された第1ゲートと、
前記複数の第2拡散層と第3拡散層との間に、前記第2方向に延設された第2ゲートと
を含む請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記電圧供給回路は、前記メモリストリングに対する消去動作期間に、前記負電圧を前記ダミーゲートに供給する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
各々が直列に接続された第1選択トランジスタ、複数のメモリセルトランジスタ、及び第2選択トランジスタを含む複数のメモリストリングと、
前記複数のメモリセルトランジスタのそれぞれのゲートに接続される複数のワード線と、
前記複数のメモリセルトランジスタに対する書き込み動作、読み出し動作及び消去動作の少なくとも1つの動作に対応する電圧を発生する電圧供給回路と、
前記電圧供給回路からの電圧を前記複数のワード線に供給するための複数のワード線選択トランジスタを含むトランジスタ回路群を複数有するロウデコーダと、
複数の前記トランジスタ回路群の形成領域の近傍の一方向に延設されるアクティブ領域と、
前記アクティブ領域の上方に形成され前記アクティブ領域に第1電圧を供給する第1配線と、
前記複数のワード線選択トランジスタをそれぞれ含む複数のトランジスタ回路群の各形成領域の間に設けられ、前記一方向に直交する方向に延設される素子分離用のダミーゲートと、
前記一方向に直交する方向に延設され、前記ダミーゲートに前記電圧供給回路が生成する負電圧を供給する第2配線と
を具備する半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1配線は分断され、前記第2配線は前記第1配線同士の間に配線される
請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記アクティブ領域には、接地電圧が供給される
請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記電圧供給回路は、前記メモリストリングに対する消去動作期間に、前記負電圧を前記ダミーゲートに供給する
請求項6に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の一種として、NAND型メモリが知られている。このような半導体記憶装置においては、チップ面積を縮小して、高密度化するという要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/272879明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、チップ面積を縮小することができる半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、各々が直列に接続された第1選択トランジスタ、複数のメモリセルトランジスタ、及び第2選択トランジスタを含む複数のメモリストリングと、前記複数のメモリセルトランジスタのそれぞれのゲートに接続される複数のワード線と、前記複数のメモリセルトランジスタに対する書き込み動作、読み出し動作及び消去動作の少なくとも1つの動作に対応する電圧を生成する電圧供給回路と、前記電圧供給回路からの電圧を前記複数のワード線に供給するための複数のワード線選択トランジスタと、前記複数のワード線選択トランジスタをそれぞれ含む複数のトランジスタ回路群の各形成領域の間に設けられる素子分離用のダミーゲートと、を具備し、前記電圧供給回路は、前記ダミーゲートに負電圧を供給可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】メモリシステムの構成例を示すブロック図。
図2図1中の不揮発性メモリ2の一例を示すブロック図。
図3】3次元構造のメモリセルアレイ23のブロックの構成例を示す図。
図4】実施形態にかかる半導体記憶装置の一部領域の断面図。
図5図2中のロウデコーダ25の一例を示すブロック図。
図6】比較例におけるスイッチ回路群の構成を示す説明図。
図7】比較例におけるスイッチ回路群の構成を示す説明図。
図8】消去動作を説明するための説明図。
図9】消去電圧VERA及び電圧VISOを示す波形図。
図10】比較例における平面形状を示す説明図。
図11】比較例における基板断面を模式的に示す説明図。
図12】クリープアップ現象を説明するための波形図。
図13】スイッチ回路群25Aの平面レイアウトを説明するための説明図。
図14】スイッチ回路群25Aの基板断面を模式的に示す説明図。
図15】第2の実施形態を示す説明図。
図16】第3の実施形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
【0008】
(実施形態)
本実施形態は、ロウデコーダ中のスイッチを構成するトランジスタの隣接する拡散層同士に生じやすいリークを抑制する構造を設けることにより、スイッチの占有面積を低減して高密度化を図るものである。
【0009】
(メモリシステムの構成)
図1はメモリシステムの構成例を示すブロック図である。本実施形態のメモリシステム1は、メモリコントローラ3と不揮発性メモリ2とを備える。なお、不揮発性メモリ2は、複数のメモリチップを含む場合がある。メモリシステム1は、ホスト装置4と接続可能である。ホスト装置4は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末などの電子機器である。
【0010】
メモリシステム1は、ホスト装置4が搭載されたマザーボード上に、メモリシステム1を構成する複数のチップを実装して構成してもよいし、メモリシステム1を1つのモジュールで実現するシステムLSI(Large-Scale Integrated Circuit)又はSoC(System-on-a-Chip)として構成してもよい。メモリシステム1の例としては、SDカードのようなメモリカード、SSD(Solid-State-Drive)、及びeMMC(embedded-Multi-Media-Card)などが挙げられる。
【0011】
不揮発性メモリ2は、複数のメモリセルを備えたNAND型メモリであり、データを不揮発に記憶する。不揮発性メモリ2の具体的な構成については後述する。
【0012】
メモリコントローラ3は、例えばホスト装置4からの命令に応答して、不揮発性メモリ2に対して書き込み(プログラムともいう)、読み出し、及び消去などを命令する。また、メモリコントローラ3は、不揮発性メモリ2のメモリ空間を管理する。メモリコントローラ3は、ホストインターフェース(ホストI/F)回路10、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、バッファメモリ13、メモリインターフェース(メモリI/F)回路14、及びECC(Error Checking and Correcting)回路15などを備える。
【0013】
ホストI/F回路10は、ホストバスを介してホスト装置4に接続され、ホスト装置4との間でインターフェース処理を行う。また、ホストI/F回路10は、ホスト装置4との間で、命令、アドレス、及びデータの送受信を行う。
【0014】
プロセッサ11は、例えばCPU(中央処理装置)から構成される。プロセッサ11は、メモリコントローラ3全体の動作を制御する。例えば、プロセッサ11は、ホスト装置4から書き込み命令を受けた場合に、メモリI/F回路14を介して、ホスト装置4からの書き込み命令に応じた書き込み命令を不揮発性メモリ2に発行する。読み出し及び消去の場合も同様である。また、プロセッサ11は、ウェアレベリングなど、不揮発性メモリ2を管理するための様々な処理を実行する。
【0015】
RAM12は、プロセッサ11の作業領域として使用され、不揮発性メモリ2からロードされたファームウェアデータ、及びプロセッサ11が作成した各種テーブルなどを格納する。RAM12は、例えばDRAMまたはSRAMから構成される。
【0016】
バッファメモリ13は、ホスト装置4から送信されたデータを一時的に保持すると共に、不揮発性メモリ2から送信されたデータを一時的に保持する。
【0017】
メモリI/F回路14は、バスを介して不揮発性メモリ2に接続され、不揮発性メモリ2との間でインターフェース処理を行う。また、メモリI/F回路14は、不揮発性メモリ2との間で命令、アドレス、及びデータの送受信を行う。
【0018】
ECC回路15は、データの書き込み時には、書き込みデータに対してエラー訂正符号を生成し、このエラー訂正符号を書き込みデータに付加してメモリI/F回路14に送る。また、ECC回路15は、データの読み出し時には、読み出しデータに対して、読み出しデータに含まれるエラー訂正符号を用いてエラー検出及び/又はエラー訂正を行う。なお、ECC回路15は、メモリI/F回路14内に設けるようにしてもよい。
【0019】
(不揮発性メモリの構成)
図2図1中の不揮発性メモリ2の一例を示すブロック図である。不揮発性メモリ2は、ロジック制御回路21、入出力回路22、メモリセルアレイ23、センスアンプ24、ロウデコーダ25、レジスタ26、シーケンサ27、電圧供給回路28、入出力用パッド群32、ロジック制御用パッド群34、及び、電源入力用端子群35を備えている。
【0020】
メモリセルアレイ23は、複数のブロックを備える。複数のブロックBLKの各々は、複数のメモリセルトランジスタ(メモリセル)を備える。メモリセルアレイ23には、メモリセルトランジスタに印加する電圧を制御するために、複数のビット線、複数のワード線、及びソース線などが配設される。ブロックBLKの具体的な構成については後述する。
【0021】
入出力用パッド群32は、メモリコントローラ3との間でデータを含む各信号の送受信を行うため、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSに対応する複数の端子(パッド)を備えている。
【0022】
ロジック制御用パッド群34は、メモリコントローラ3との間で各信号の送受信を行うため、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、ライトプロテクト信号/WP、及び信号R/Bに対応する複数の端子(パッド)を備えている。
【0023】
信号/CEは、不揮発性メモリ2の選択を可能にする。信号CLEは、信号DQとして送信されるコマンドをコマンドレジスタにラッチすることを可能にする。信号ALEは、信号DQとして送信されるアドレスをアドレスレジスタにラッチすることを可能にする。信号WEは、書き込みを可能にする。信号REは、読み出しを可能にする。信号WPは、書き込み及び消去を禁止する。信号R/Bは、不揮発性メモリ2がレディー状態(外部からの命令を受け付けることが可能である状態)であるか、ビジー状態(外部からの命令を受け付けることができない状態)であるかを示す。メモリコントローラ3は、信号R/Bを受けることで、不揮発性メモリ2の状態を知ることができる。
【0024】
電源入力用端子群35は、外部から不揮発性メモリ2に、種々の動作電源を供給するため、電源電圧VCC、VCCQ、VPPと、接地電圧VSSを入力する複数の端子と、を備えている。電源電圧VCCは、動作電源として一般的に外部から与えられる回路電源電圧であり、例えば3.3V程度の電圧が入力される。電源電圧VCCQは、例えば1.2Vの電圧が入力される。電源電圧VCCQは、メモリコントローラ3と不揮発性メモリ2との間で信号を送受信する際に用いられる。
【0025】
電源電圧VPPは、電源電圧VCCよりも高圧の電源電圧であり、例えば12Vの電圧が入力される。メモリセルアレイ23へデータを書き込んだり、データを消去したりする際には、20V程度の高い電圧が必要となる。この際に、約3.3Vの電源電圧VCCを電圧供給回路28の昇圧回路で昇圧するよりも、約12Vの電源電圧VPPを昇圧するほうが、高速かつ低消費電力で所望の電圧を生成することができる。電源電圧VCCは、不揮発性メモリ2に標準的に供給される電源であり、電源電圧VPPは、例えば使用環境に応じて追加的・任意的に供給される電源である。
【0026】
ロジック制御回路21及び入出力回路22は、NANDバスを介して、メモリコントローラ3に接続される。入出力回路22は、メモリコントローラ3との間でNANDバスを介して、信号DQ(例えばDQ0~DQ7)を送受信する。
【0027】
ロジック制御回路21は、メモリコントローラ3からNANDバスを介して、外部制御信号(例えば、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE,/RE、及びライトプロテクト信号/WP)を受信する。また、ロジック制御回路21は、NANDバスを介して、メモリコントローラ3にレディー/ビジー信号R/Bを送信する。
【0028】
入出力回路22は、メモリコントローラ3との間で、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSを送受信する。入出力回路22は、信号DQ<7:0>内のコマンド及びアドレスをレジスタ26に転送する。また、入出力回路22は、書き込みデータ、及び読み出しデータをセンスアンプ24との間で送受信する。
【0029】
レジスタ26は、コマンドレジスタ、アドレスレジスタ、及びステータスレジスタなどを備える。コマンドレジスタは、コマンドを一時的に保持する。アドレスレジスタは、アドレスを一時的に保持する。ステータスレジスタは、不揮発性メモリ2の動作に必要なデータを一時的に保持する。レジスタ26は、例えばSRAMから構成される。
【0030】
シーケンサ27は、レジスタ26からコマンドを受け、このコマンドに基づくシーケンスに従って不揮発性メモリ2を制御する。
【0031】
電圧供給回路28は、シーケンサ27に制御されて、不揮発性メモリ2の外部から電源電圧を受け、この電源電圧を用いて、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を生成する。本実施形態においては、電圧供給回路28は、負電圧生成回路28aを備えている。負電圧生成回路28aは、電源入力用端子群35を介して入力された接地電圧VSSを負電圧VBBに変換する。この負電圧VBBは、例えば、後述するロウデコーダ25で用いられる。
【0032】
ロウデコーダ25は、レジスタ26からロウアドレスを受け、このロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ25は、デコードされたロウアドレスに基づいて、ワード線の選択動作を行う。そして、ロウデコーダ25は、選択されたブロックに、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を転送する。
【0033】
センスアンプ24は、レジスタ26からカラムアドレスを受け、このカラムアドレスをデコードする。センスアンプ24は、センスアンプユニット群24Aと、データレジスタ24Bを有する。センスアンプユニット群24Aは、各ビット線に接続されており、デコードされたカラムアドレスに基づいて、いずれかのビット線を選択する。また、センスアンプユニット群24Aは、データの読み出し時には、メモリセルトランジスタからビット線に読み出されたデータを検知及び増幅する。また、センスアンプユニット群24Aは、データの書き込み時には、書き込みデータをビット線に転送する。
【0034】
データレジスタ24Bは、データの読み出し時には、センスアンプユニット群24Aにより検出したデータを一時的に保持し、これをシリアルに入出力回路22へ転送する。また、データレジスタ24Bは、データの書き込み時には、入出力回路22からシリアルに転送されたデータを一時的に保持し、これをセンスアンプユニット群24Aへ転送する。データレジスタ24Bは、SRAMなどで構成される。
【0035】
(メモリセルアレイのブロック構成)
図3は3次元構造のメモリセルアレイ23のブロックの構成例を示す図である。図3はメモリセルアレイ23を構成する複数のブロックのうちの1つのブロックBLKを示している。メモリセルアレイ23の他のブロックも図3と同様の構成を有する。
【0036】
図示するように、ブロックBLKは、例えば4つのストリングユニットSU0~SU3(以下、これらを代表してストリングユニットSUという)を含む。また各々のストリングユニットSUは、複数のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)と、選択ゲートトランジスタST1,ST2とを含むNANDストリングNSを有する。なお、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMTの個数は、図3では8個とするが、更に多数個であってもよい。選択ゲートトランジスタST1,ST2は、電気回路上は1つのトランジスタとして示しているが、構造上はメモリセルトランジスタと同じでもよい。また、選択ゲートトランジスタST1,ST2として、それぞれ複数の選択ゲートトランジスタを用いてもよい。更に、メモリセルトランジスタMTと選択ゲートトランジスタST1,ST2との間には、ダミーセルトランジスタが設けられていてもよい。
【0037】
メモリセルトランジスタMTは、選択ゲートトランジスタST1,ST2間において、直列接続されるようにして配置されている。一端側(ビット線側)のメモリセルトランジスタMT7が、選択ゲートトランジスタST1に接続され、他端側(ソース線側)のメモリセルトランジスタMT0が、選択ゲートトランジスタST2に接続されている。
【0038】
ストリングユニットSU0~SU3の各々の選択ゲートトランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3(以下、これらを代表して選択ゲート線SGDという)に接続される。また、ストリングユニットSU0~SU3の各々の選択ゲートトランジスタST2のゲートは、共通の選択ゲート線SGSに接続される。なお、各ブロックBLK内にある複数の選択ゲートトランジスタST2のゲートが、それぞれ図示しない選択ゲート線SGS0~SGS3(以下、これらを代表して選択ゲート線SGSという)に接続される構成であってもよい。
【0039】
同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMT0~MT7のゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通接続される。すなわち、ワード線WL0~WL7は、同一ブロックBLK内の複数のストリングユニットSU0~SU3間で共通に接続されているのに対し、選択ゲート線SGDは、同一ブロックBLK内であってもストリングユニットSU0~SU3毎に独立している。ブロックBLK内において同一行にあるメモリセルトランジスタMTi(iは図3では0~7)のゲートは、同一のワード線WLiに接続される。
【0040】
各NANDストリングNSは、対応するビット線に接続されている。従って、各メモリセルトランジスタMTは、NANDストリングNSに含まれる選択ゲートトランジスタST1,ST2や他のメモリセルトランジスタMTを介して、ビット線に接続されている。一般に、同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMTのデータは、一括して消去される。一方、データの読み出し及び書き込みは、典型的には、1つのストリングユニットSUに配設された1本のワード線WLに共通接続された複数のメモリセルトランジスタMTに対して、一括して行われる。このような、1つのストリングユニットSU内でワード線WLを共有するメモリセルトランジスタMTの組を、セルユニットCUと呼ぶ。
【0041】
セルユニットCUに対する書き込み動作及び読み出し動作は、ページを単位として実行される。例えば、各セルが、3ビット(8値)のデータを保持可能なTLC(Triple Level Cell)である場合、1つのセルユニットCUが、3ページ分のデータを保持することができる。各メモリセルトランジスタMTが保持することができる3ビットは、それぞれこの3ページに対応する。
【0042】
なお、選択ゲート線SGD,SGSにより選択ゲートトランジスタST1,ST2の状態が制御され、ワード線WL0~WL7によりメモリセルトランジスタMT0~MT7の状態が制御されることから、選択ゲート線SGD,SGS及びワード線WLをコントロール信号線ともいう。
【0043】
(不揮発性メモリの断面構造)
図4は、実施形態にかかる半導体記憶装置の一部領域の断面図である。図4は、半導体基板71上にセンスアンプ24やロウデコーダ25等の周辺回路に対応する周辺回路領域が設けられ、周辺回路領域の上層にメモリ領域が設けられる例について示している。なお、以下の説明において、半導体基板71の表面に水平な直交する2方向をx方向及びy方向とし、半導体基板71表面に垂直な方向をz方向とする。
【0044】
図4に示すように、メモリ領域MRにおいて不揮発性メモリは、半導体基板71、導電体641から657、メモリピラー634、並びにコンタクトプラグC0、C1、C2及びCPを含む。なお、以下で説明される図面では、半導体基板71の上面部分に形成されたp型又はn型のウェル領域と、各ウェル領域内に形成された不純物拡散領域と、ウェル領域間を絶縁するゲート絶縁膜及び素子分離領域のそれぞれの図示は省略されている。
【0045】
メモリ領域MRにおいて、半導体基板71上には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して、導電体GCが設けられている。また、半導体基板71に導電体GCを挟むように設けられた複数の不純物拡散領域(図示せず)には、例えば複数のコンタクトC0それぞれが設けられている。半導体基板71上には、配線層領域WRを介してメモリセルアレイ23が配置されている。
【0046】
各コンタクトC0上には、配線パターンを形成する導電体641が設けられている。例えば、導電体GCはトランジスタのゲート電極として機能し、導電体641はトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能する。
【0047】
各導電体641上には、例えばコンタクトC1が設けられている。各コンタクトC1上には、例えば導電体642が設けられている。導電体642上には、例えばコンタクトC2が設けられている。コンタクトC2上には、例えば導電体643が設けられている。
【0048】
導電体641、642、643の各配線パターンは、配線層領域WRに配設されている。以下、導電体641、642、643が設けられる配線層を、それぞれ配線層D0、D1、D2と呼ぶ。配線層D0、D1、D2は、不揮発性メモリ2の下層部分に設けられている。なお、ここでは、配線層領域WRには、3つの配線層が設けられているが、配線層領域WRには、2つ以下の配線層、あるいは4つ以上の配線層が設けられていてもよい。
【0049】
導電体643の上方には、例えば層間絶縁膜を介して導電体644が設けられている。導電体644は、例えば、xy平面に平行な板状に形成され、ソース線CELSRCとして機能する。導電体644の上方には、各NANDストリングNSに対応して、例えば、導電体645~654が順に積層されている。これらの導電体のうちz方向に隣り合う導電体の間には、図示しない層間絶縁膜が設けられている。
【0050】
導電体645~654のそれぞれは、例えばxy平面に平行な板状に形成される。例えば、導電体645は、選択ゲート線SGSとして機能し、導電体646~653は、それぞれワード線WL0~WL7して機能し、導電体654は、選択ゲート線SGDして機能する。
【0051】
各メモリピラー634は、柱状であり、導電体645~654のそれぞれを貫通し、導電体644に接触している。メモリピラー634は、例えば、中心側にピラー状の半導体層(半導体ピラー)半導体層638と、半導体層638の外側に形成されるトンネル絶縁膜637と、トンネル絶縁膜637の外側に形成される電荷蓄積膜636と、電荷蓄積膜636の外側に形成されるブロック絶縁膜635を含む。
【0052】
例えば、メモリピラー634と導電体645とが交差する部分は、選択ゲートトランジスタST2として機能する。メモリピラー634と導電体646~653のそれぞれとが交差する部分は、メモリセルトランジスタ(メモリセル)MTとして機能する。メモリピラー634と導電体654とが交差する部分は、選択ゲートトランジスタST1として機能する。
【0053】
メモリピラー634の上面よりも上層には、層間絶縁膜を介して導電体655が設けられている。導電体655は、x方向に延伸したライン状に形成され、ビット線BLに対応している。複数の導電体655は、y方向において間隔をおいて配列している(図示せず)。導電体655は、ストリングユニットSU毎に対応する1つのメモリピラー634内の半導体層638と電気的に接続されている。
【0054】
具体的には、各ストリングユニットSUにおいて、例えば各メモリピラー634内の半導体層638上にコンタクトプラグCPが設けられ、コンタクトプラグCP上に1つの導電体655が設けられる。なお、このような構成に限定されず、メモリピラー634内の半導体層638及び導電体655間は、複数のコンタクトや配線などを介して接続されてもよい。
【0055】
導電体655が設けられた層よりも上層には、層間絶縁膜を介して導電体656が設けられている。導電体656が設けられた層よりも上層には、層間絶縁膜を介して導電体657が設けられている。
【0056】
導電体656及び657は、例えばメモリセルアレイ23に設けられた配線と、メモリセルアレイ23下に設けられた周辺回路とを接続するための配線に対応する。導電体656と657の間は、図示しない柱状のコンタクトで接続されてもよい。ここでは、導電体655が設けられた層のことを、配線層M0と称し、導電体656が設けられた層のことを、配線層M1と称し、導電体657が設けられた層のことを、配線層M2と称する。
【0057】
図4に示すように、実施形態の半導体記憶装置は、ストリングユニットSUより下層に配線層D0、D1、D2が形成されている。また、ストリングユニットSUより上層に配線層M0、M1、M2が形成されている。配線層D0、D1、D2は、例えば、ダマシン法により形成されるタングステン配線である。
【0058】
配線層M2は、例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)など異方性エッチングにより形成されるアルミニウム配線である。配線層M2は、膜厚が厚く低抵抗であるため、基幹電源配線(VCC、VSS)が割り当てられる。配線層M1は、例えば、ダマシン法により形成される銅(Cu)配線である。Cu配線はEM(エレクトロマイグレーション)耐性などの配線信頼性が高いため、配線層M1は、確実にデータを伝達する必要がある信号線が割り当てられる。配線層M0は、例えば、ダマシン法により形成されるCu配線である。ビット線BLとして用いられるほか、電源強化の目的で、基幹電源配線の一部も割り当てられる。なお、信号線など基幹電源配線以外の配線についても、可能な限り低抵抗とすることが好ましいため、なるべく上層の配線層(例えば、配線層M2)を用いて形成される。
【0059】
(ロウデコーダの構成)
図5図2中のロウデコーダ25の一例を示すブロック図である。図5はロウデコーダ25のうち、ブロックBLK0用の回路とブロックBLK1用の回路のみを示しているが、他のブロック用の回路もこれらの回路と同様の回路構成を有する。
【0060】
電圧供給回路28からの各種電圧が、グローバルコントロール信号線SGSI、グローバルコントロール信号線CGI0~CGI7((以下、これらを代表してグローバルコントロール信号線CGIという)、グローバルコントロール信号線SGDI0~SGDI3(以下、これらを代表してグローバルコントロール信号線SGDIという)を介してロウデコーダ25に供給される。電圧供給回路28は、書き込み動作、読み出し動作、消去動作に必要な各種電圧を発生する。例えば、電圧供給回路28は、プログラム電圧VPGM、このプログラム電圧VPGMよりも高い電圧VPGMH、消去電圧VERA等を発生する。また、電圧供給回路28の負電圧生成回路28aは、接地電圧VSSを負電圧VBBに変換して出力する。なお、図5では、1系統のグローバルコントロール信号線SGSIのみを示しているが、複数系統のグローバルコントロール信号線SGSIが採用されることもある。
【0061】
これらのグローバルコントロール信号線SGSI,SGDI,CGIは、ロウデコーダ25によって分岐されて、各ブロックBLKの配線(以下、各配線を代表してコントロール信号線CGという)に接続される。すなわち、グローバルコントロール信号線SGDI0~SGDI3は、グローバルドレイン側選択ゲート線として機能し、ロウデコーダ25を介して、各ブロックBLKにおけるローカルのコントロール信号線CGである選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。グローバルコントロール信号線CGI0~CGI7は、グローバルワード線として機能し、ロウデコーダ25を介して、各ブロックBLKにおけるローカルのコントロール信号線CGであるワード線WL0~WL7に接続される。ワード線WL0~WL7は異なるブロックBLKの間で物理的に離間している。つまりBLK0のワード線WL0とBLK1のワード線WL0とは物理的に離間している。信号線SGSIは、グローバルソース側選択ゲート線として機能し、ロウデコーダ25を介して、各ブロックBLKにおけるローカルのコントロール信号線CGである選択ゲート線SGSに接続される。
【0062】
なお、複数系統の選択ゲート線SGS0,SGS1,…が採用される場合には、これらにそれぞれ対応して複数系統のコントロール信号線SGSI0,SGSI1,…(以下、これらのグローバルコントロール信号線についても代表してグローバルコントロール信号線SGSIという)が設けられる。
【0063】
ロウデコーダ25は、シーケンサ27に制御されて、電圧供給回路28が生成した各種電圧を、対応する信号線SGDI0~SGDI3,SGSI,CGI0~CGI7にそれぞれ供給する。例えば、ロウデコーダ25は、消去動作時には、各ワード線WLに対して、電圧VISOを供給し、信号線SGSに消去電圧VERAを供給する。
【0064】
ロウデコーダ25は、各ブロックにそれぞれ対応した複数のスイッチ回路群25Aと、複数のスイッチ回路群25Aにそれぞれ対応して設けられる複数のブロックデコーダ25Bとを有している。各スイッチ回路群25Aは、信号線SGDI0~SGDI3と選択ゲート線SGD0~SGD3とをそれぞれ接続する複数のトランジスタTR_SG0~TR_SG3、信号線CGI0~CGI7とワード線WL0~WL7とをそれぞれ接続する複数のトランジスタTR_CG0~TR_CG7、信号線SGSIと選択ゲート線SGSとを接続するトトランジスタTR_SG4を含む。ワードラインスイッチとして機能するトランジスタTR_SG0~TR_SG4,TR_CG0~TR_CG7(以下、これらのトランジスタを区別する必要がない場合にはトランジスタTRという)の各々は、高耐圧トランジスタである。
【0065】
各ブロックデコーダ25Bは、ロウアドレスによって自身が指定された場合、トランジスタTR_SG0~TR_SG4及びトランジスタTR_CG0~TR_CG7のゲートに、ブロック選択信号BLKSELを供給する。これにより、ロウアドレスによって指定されるブロックデコーダ25Bからブロック選択信号BLKSELが供給されるスイッチ回路群25Aでは、トランジスタTR_SG0~TR_SG4及びトランジスタTR_CG0~TR_CG7がオン状態となって導通するため、電源生成回路28から信号線SGDI0~SGDI3、信号線SGSI及び信号線CGI0~CGI7に供給される電圧が、動作対象となるブロックBLKに含まれる選択ゲート線SGD0~SGD3、SGS及びワード線WL0~WL7に供給される。
【0066】
即ち、トランジスタTRにより構成されるワードラインスイッチは、動作に必要な電圧を、動作に必要なコントロール信号線CGに供給すると共に、動作に必要が無いコントロール信号線CGへの電圧を遮断する機能を有する。このように、ワードラインスイッチは、各コントロール信号線CG毎に設けられており、記録密度の向上に伴って必要な個数が増大している。しかも、ワードラインスイッチは比較的高い電圧を扱うことから、ロウデコーダ25に構成されるワードラインスイッチの占有面積は極めて大きい。
【0067】
(比較例におけるスイッチ回路群の構成)
図6及び図7は比較例におけるスイッチ回路群の構成を示す説明図である。
【0068】
図6において、スイッチ回路群中の各ワードラインスイッチは、それぞれ、複数の拡散層DLa,DLcと、複数の拡散層DLa,DLcの間に配置される共通のゲートGA1と、による複数のトランジスタTR1により構成されるか、又は、複数の拡散層DLb,DLcと、複数の拡散層DLb,DLcの間に配置される共通のゲートGA2と、による複数のトランジスタTR2により構成される。なお、以下の説明では、共通のゲートGA1により構成されるトランジスタTR1と共通のゲートGA2により構成されるトランジスタTR2とによる回路群をトランジスタ回路群TCという。即ち、図6の例は、共通の拡散層DLcを有するトランジスタTR1,TR2が、ゲートGA1,GA2の長手方向(以下、ゲート長手方向という)に8個並んで構成されたトランジスタ回路群TCが3列設けられている例を示している。なお、実際にはトランジスタTR1,TR2は、コントロール信号線CGの数に応じた数だけ設けられる。
【0069】
なお、各トランジスタ回路群TC同士の間は、STI(Shallow Trench Isolation)による素子分離領域である。
【0070】
各トランジスタTR1,TR2の拡散層DLcは、各グローバルコントロール信号線CGIにそれぞれ接続される。各トランジスタTR1の拡散層DLa及び各トランジスタTR2の拡散層DLbは、それぞれ各コントロール信号線CGに接続される。
【0071】
グローバルコントロール信号線CGIからの電圧は、トランジスタTR1,TR2の拡散層DLcに供給される。ゲートGA1に供給されるブロック選択信号BLKSELによってトランジスタTR1がオンになると、グローバルコントロール信号線CGIからの電圧は、トランジスタTR1の拡散層DLaに接続されたコントロール信号線CGに供給される。また、ゲートGA2に供給されるブロック選択信号BLKSELによってトランジスタTR2がオンになると、グローバルコントロール信号線CGIからの電圧は、トランジスタTR2の拡散層DLbに接続されたコントロール信号線CGに供給される。
【0072】
図6中の破線はブロックBLKの境界、即ち、同一ブロックに対応するスイッチ回路群25Aの各ワードラインスイッチの境界を示している。即ち、図6は、各トランジスタ回路群TCのトランジスタTR1,TR2が相互に異なる2つのブロックに属する例である。例えば図6の白丸にて示す拡散層DLcを有するトランジスタTR1,TR2のうち、トランジスタTR1はブロックBLKnに属するメモリセルトランジスタMTに電圧を供給し、トランジスタTR2はブロックBLKn+1に属するメモリセルトランジスタMTに電圧を供給する。このように、共通の拡散層DLcに入力された電圧を、異なるブロックのワード線WLに供給可能である。
【0073】
図7はブロックBLKの境界が図6とは異なる例を示している。
【0074】
図7の例においても、スイッチ回路群中の各ワードラインスイッチは、図6の例と同様の構成を有しており、それぞれ、複数の拡散層DLa,DLcと、複数の拡散層DLa,DLcの間に配置されるゲートGA1と、による複数のトランジスタTR1により構成されるか、又は、複数の拡散層DLb,DLcと複数の拡散層DLb,DLcの間に配置されるゲートGA2と、による複数のトランジスタTR2により構成される。なお、図7の例は、共通の拡散層DLcを有するトランジスタTR1,TR2が16個並んで構成されたトランジスタ回路群TCが3列設けられている例を示しているが、実際にはトランジスタTR1,TR2は、コントロール信号線CGの数に応じた数だけ設けられる。
【0075】
なお、各トランジスタ回路群TC同士の間は、STIによる素子分離領域が形成される。
【0076】
図7の例では、拡散層DLaと拡散層DLbとの間にブロックの境界が存在する。例えば図7の白丸にて示すブロックBLKnに属する拡散層DLcに入力された電圧は、ブロックBLKn内のワード線WLに供給され、ブロックBLKnに隣接するブロックBLKn+1に属するワード線には、ブロックBLKnに属する拡散層DLcに入力された電圧が供給される。
【0077】
(消去動作)
図8は消去動作を説明するための説明図である。図8の左側は選択BLKの状態を示し、図8の右側は非選択BLKの状態を示している。また、図9は消去電圧VERA及び電圧VISOを示す波形図である。
【0078】
消去動作においては、上述したように、ブロック単位で消去が行われる。図8に示すように、ソース線CELSRCには消去のために図9に示す消去電圧VERAが供給される。消去対象の選択ブロック(選択BLK)については、ワード線WLに電圧VISO(図9)を供給する。また、消去対象でない非選択ブロック(非選択BLK)については、ワード線WLはフローティング状態である。
【0079】
ソース線CELSRCに消去電圧VERAを供給することによって、メモリピラー634内の半導体層638により構成されるチャネル領域の電圧は電圧VERA(例えば23V)となる。選択BLKにおいては、電圧VISOとして例えば0.5Vがワード線WLに供給されており、消去電圧VERAと電圧VISOとの比較的大きな電圧差によって、メモリセルトランジスタMTに記憶されたデータを消去する消去動作が行われる。一方、非選択BLKにおいては、ワード線WLはフローティング状態であり、容量結合によって、ワード線WLの電圧は、電圧VERA近傍まで上昇する。この結果、非選択BLKにおいては、チャネル領域の電圧とワード線WLの電圧との差が小さく、消去は行われない。
【0080】
具体的には、消去動作時には、グローバルコントロール信号線CGIには、選択ブロックのワード線WLに供給するための電圧VISO(例えば、0.5V)が電圧供給回路28から与えられる。図6の例では、例えば丸印にて示す拡散層DLcに供給される電圧VISOは、ゲートGA1に供給されるブロック選択信号BLKSELによってトランジスタTR1がオンになると、丸印にて示す拡散層DLaに接続された選択BLKであるブロックBLKnのワード線WLに供給される。また、このブロックBLKnに隣接する非選択BLKであるブロックBLKn+1については、トランジスタTR2がオフとなり、丸印にて示す拡散層DLcに供給された電圧VISOは、ワード線WLに供給されず、このワード線WLは、フローティング状態となる。
【0081】
一方、図7の例では、ブロックBLKnを選択BLKとすると、ブロックBLKnのTR2はオンとなって、拡散層DLcに供給されるVISOを、ブロックBLKn内のワード線WLに供給する。このブロックBLKnに隣接するブロックBLKn+1は非選択BLKであり、トランジスタTR1はオフである。従って、ブロックBLKn+1に属するワード線WLには、VISOは供給されず、フローティング状態となる。即ち、消去動作時における非選択BLKのワード線は、消去電圧VERAまで上昇する。
【0082】
即ち、図7の例では、ブロックBLKnのトランジスタTR2の拡散層DLbにはVISOが印加され、隣接するブロックBLKn+1のトランジスタTR1の拡散層DLaには電圧VERAが印加される。隣接する拡散層DLb,拡散層DLa間において、素子分離領域を挟んで比較的大きな電圧が印加されることになり、基板内にリークが発生することがある。このようなリークの発生を防止するために、比較例では、素子分離領域の基板表面上に素子分離用のダミーゲートを配置する。このダミーゲートに接地電圧VSSを印加すると共に、ゲート長手方向に直交する方向の素子分離領域の幅(隣接する拡散層DLb,拡散層DLa間の距離)を十分に大きくするようになっている。なお、図6の例では、素子分離領域を挟んで隣接する拡散層DLb,拡散層DLaには、いずれにも略電圧VERAが印加されることになり、特に問題は生じない。
【0083】
図10はこのような比較例における平面形状を示す説明図であり、図11は比較例における基板断面を模式的に示す説明図である。
【0084】
図10に示す比較例におけるスイッチ回路群において、ワードラインスイッチを構成するトランジスタTR1,TR2によるトランジスタ回路群TCの構成は、図6及び図7の構成と同様である。図10は、図6及び図7において省略した素子分離用ダミーゲート42を示したものである。図10の例では、拡散層DLbと拡散層DLaとの間の素子分離領域REの基板表面上には、素子分離用ダミーゲート42が形成される。この素子分離用ダミーゲート42には、VSS配線LSから図示しないコンタクトを経由して接地電圧VSSが印加される。なお、VSS配線LSは、基板のアクティブ領域AA上に設けられている。
【0085】
図11図10の比較例における素子分離領域RE及び素子分離領域REに隣接するトランジスタTR1,TR2の断面を示している。STI41により素子分離領域REが形成され、STI41上には素子分離用のダミーゲート42が設けられる。この素子分離用ダミーゲート42は、VSS配線LSにより接地電圧VSSが供給される。素子分離領域REの両側にトランジスタTR2,TR1が形成される。STIは酸化シリコン膜や窒化シリコン膜のような絶縁層が埋め込まれて形成されている。ダミーゲート42はポリシリコンで形成されてもよい。ダミーゲート42はトランジスタTR1,TR2のゲートと同時に形成されてもよい。
【0086】
図11の例は、図7と同様に、選択BLKであるブロックBLKnのトランジスタTR2と非選択BLKであるブロックBLKn+1のトランジスタTR1との境界に、素子分離領域REが形成された例を示している。ブロックBLKnの拡散層DLcには、電圧VISOが供給されて、拡散層DLbには電圧VISOが現れる。また、非選択BLKであるブロックBLKn+1のTR1はオフなので、フローティング状態となったワード線WLの電圧はVERAとなり、拡散層DLaには電圧VERAが印加される。上述したように、隣接する拡散層DLa,DLb間に比較的大きな電圧が印加される結果、図11の矢印に示すように、素子分離領域REにおいてSTI41の下方を通過するリークが発生することがある。この理由から、比較例においては、素子分離領域REの幅(隣接する拡散層DLb,拡散層DLa間の距離)を大きくする。これにより、素子分離領域REを挟んで隣接する拡散層DLa,DLb間において、基板内にリークが発生することを防止するようになっている。素子分離領域REの幅が大きいので、比較例においては、スイッチ回路群の占有面積が増大し、チップ面積の縮小化が困難であった。
【0087】
また、上記説明では、非選択BLKの拡散層DLaには電圧VERAが印加されるものと説明したが、クリープアップ現象により、この拡散層DLaには、電圧VERAよりも高い電圧が印加される。
【0088】
図12はクリープアップ現象を説明するための波形図である。図12は横軸に時間をとり縦軸にワード線WLの電圧をとって、読み出し動作期間、待機期間及び消去動作期間のワード線WLの電圧変化を示すものである。
【0089】
非選択BLKにおいては、読み出し動作期間に、ワード線WLには、所定の読み出し電圧VREADが印加される。なお、チャネル領域の電圧は接地電圧VSSである。読み出し動作が終了すると、ワード線WLの電圧は接地電圧VSSに低下する。
【0090】
このとき、ワード線WLと、チャネル領域との容量結合により、チャネル領域の電位は負に低下する。その後、チャネル領域の電荷がリーク電流により基板及び/又はビット線BLへと徐々に抜けていき、チャネル領域の電位が接地電圧VSS(0V)へと戻る。チャネル領域の電位が接地電圧VSSへ戻るとき、チャネル領域と容量結合しているワード線WLがクリープアップ電圧まで上昇する。図12において、待機期間におけるワード線WLの電圧上昇は、このクリープアップ現象を示すものである。
【0091】
待機期間の後、グローバルコントロール信号線CGIからの消去電圧VERAがスイッチ回路群25Aを介してワード線WLに供給されると、クリープアップされたワード線WLに更に消去電圧VERAが加わり、ワード線WLの電圧は(電圧VERA+クリープアップ電圧)となる。
【0092】
このクリープアップ現象の結果、素子分離領域REを挟んで隣接する拡散層DLa,DLb間の電圧差は更に大きくなり、リークが生じやすくなる。クリープアップ現象を考慮すると、素子分離領域REの幅を更に大きくする必要があり、チップ面積の縮小化が更に困難となる。
【0093】
そこで、本実施形態においては、素子分離領域を挟んで隣接する拡散層DLa,DLb間のリークを防止しつつ、素子分離領域の幅を狭くすることを可能にするスイッチ回路群25Aの構成を提案する。
【0094】
(スイッチ回路群25Aの構成)
図13はスイッチ回路群25Aの平面レイアウトを説明するための説明図である。図13において図6及び図7と同一の構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略するものとする。また、図14はスイッチ回路群25Aの基板断面を模式的に示す説明図である。
【0095】
図13に示すスイッチ回路群25A中のワードラインスイッチは、図6及び図7の例と同様の構成を有しており、それぞれ、複数の拡散層DLa,DLcと、複数の拡散層DLa,DLcの間に配置されるゲートGA1と、による複数のトランジスタTR1により構成されるか、又は、複数の拡散層DLb,DLcと、複数の拡散層DLb,DLcの間に配置されるゲートGA2と、による複数のトランジスタTR2により構成される。なお、図13の例は、共通の拡散層DLcを有するトランジスタTR1,TR2が16個並んで構成されたトランジスタ回路群TCが3列設けられている例を示しているが、実際にはトランジスタTR1,TR2は、コントロール信号線CGの数に応じた数だけ設けられる。
【0096】
本実施形態のスイッチ回路群25Aは、トランジスタ回路群TC同士の間に、素子分離領域RENが設けられる。素子分離領域RENは、図10に示す素子分離領域REに比べて、幅(隣接する拡散層DLb,拡散層DLa間の距離)が狭い。
【0097】
実施形態の素子分離領域RENの基板表面には、素子分離用ダミーゲート52が形成されており、この素子分離用ダミーゲート52には、負電圧VBBが供給されるようになっている。負電圧VBBは、負電圧生成回路28aにより発生されて、例えば、配線層M1,M2等を経由し図示しないコンタクトを介して、例えば配線層D0,D1等に伝送される。
【0098】
図13では負電圧VBBが伝送される配線層D0,D1等の配線を配線LSBと呼ぶ。なお、接地電圧VSSについても、例えば、配線層M1,M2等を経由し図示しないコンタクトを介して、例えば配線層D0,D1等に伝送される。図13では接地電圧VSSが伝送される配線層D0,D1等の配線をVSS配線LSNという。
【0099】
素子分離用ダミーゲート52は、平面的には、ゲート長手方向に平行な方向であって、複数の拡散層DLc,DLa間に、延設される。素子分離用ダミーゲート52の端部において、ゲート長手方向に延設された配線LSBと素子分離用ダミーゲート52とがコンタクトCOBによって電気的に接続される。これにより、素子分離用ダミーゲート52には負電圧VBBが供給される。
【0100】
スイッチ回路群25Aの配置領域の少なくとも1辺の近傍には、基板表面に当該配置領域の1辺に沿って延設されたアクティブ領域AAが形成される。図13の例では、アクティブ領域AAの延設方向は、ゲート長手方向に直交する方向である。このアクティブ領域AAの上方にVSS配線LSNが複数に分割されて形成される。各VSS配線LSNは、それぞれコンタクトCOによりアクティブ領域AAに接続される。これにより、アクティブ領域AAには接地電圧VSSが供給される。
【0101】
アクティブ領域AAの上方において、配線LSBとVSS配線LSNとは、直交している。図13の例では、配線LSBとVSS配線LSNは、例えば同一配線層に設けられた配線であり、VSS配線LSNは、配線LSBと交わる位置において分断されて、互いに電気的に非接触となるように構成される。なお、VSS配線LSNと配線LSBとは、相互に電気的に非接触であれば、いずれの配線層に設けられていてもよい。
【0102】
素子分離用ダミーゲート52に負電圧VBBが供給される結果、素子分離領域RENを挟んで隣接する拡散層DLb,DLa相互間に比較的高い電圧が印加された場合でも、拡散層DLb,DLa間のSTI51の下方の基板中にリークが流れることを防止することが可能である。即ち、リークの発生を防止ながら、素子分離領域RENの幅を比較的狭くすることができる。
【0103】
図14は素子分離領域REN及び素子分離領域RENに隣接するトランジスタTR1,TR2の断面を示している。STI51により素子分離領域RENが形成され、STI51上の素子分離用ダミーゲート52は、負電圧VBBが供給される。素子分離領域RENを挟んで両側にトランジスタTR2,TR1が形成される。
【0104】
図14においても、ブロックBLKの境界を素子分離領域RENの位置に一致させた場合には、選択BLKであるブロックBLKnの拡散層DLcには、電圧VISOが供給されて、拡散層DLbには電圧VISOが現れる。また、非選択BLKであるブロックBLKn+1のTR1はオフなので、フローティング状態となったワード線WLがVERA(+クリープアップ電圧)となり、この電圧が拡散層DLaに印加される。隣接する拡散層DLa,DLb間に比較的大きな電圧が印加される結果、素子分離領域RENを通過するリークが発生しやすい。
【0105】
しかしながら、本実施形態においては、素子分離領域RENのSTI51上に形成した素子分離用ダミーゲート52には負電圧VBBが供給されており、素子分離領域RENを挟んで隣接する拡散層DLa,DLb間のリークの発生を抑制することが可能である。
【0106】
これにより、図14に示すように、素子分離領域RENの幅を、十分に狭くした場合でも、リークの発生を抑制することができる。この結果、スイッチ回路群25Aの占有面積を小さくすることが可能である。
【0107】
このように本実施形態においては、素子分離領域のダミーゲートに負電圧VBBを供給していることから、リークを発生させることなく、素子分離領域の幅を狭くして、スイッチ回路群の占有面積を縮小し、チップ面積の縮小化を図ることが可能である。
【0108】
(第2の実施形態)
図15は第2の実施形態を示す説明図である。図15において図13と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態は素子分離用ダミーゲート52に代えて素子分離用ダミーゲート61を採用したものである。
【0109】
素子分離用ダミーゲート61(図15の斜線部)は、素子分離領域REN上の配置領域が図13の素子分離用ダミーゲート52と異なる。即ち、素子分離用ダミーゲート61は、素子分離領域RENの基板表面において、共通の拡散層DLcを有するトランジスタTR1,TR2が16個並んで構成されたトランジスタ回路群TC同士の間に、ゲート長手方向に平行な直線形状部分と、当該直線形状部分に直交し、各トランジスタTR1の拡散層DLa同士の間、及び、各トランジスタTR2の拡散層DLb同士の間に延設された突出形状部分(櫛歯形状部分)とを有する。素子分離用ダミーゲート61には、配線LSBから負電圧VBBが供給される。
【0110】
他の構成及び作用は、第1の実施形態と同様である。この構成により、素子分離領域RENを挟んで隣接する拡散層DLa,DLb間のリークの発生を抑制することが可能である。なお、素子分離用ダミーゲート61の突出形状部分により、プログラム動作時のリークを低減可能である。
【0111】
このように本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができると共に、プログラム動作時においてもリークを低減可能である。
【0112】
(第3の実施形態)
図16は第3の実施形態を示し、負電圧生成回路の具体的な構成の一例を示すブロック図である。上記各実施形態においては、ダミーゲート42,52,61に負電圧VBBを供給可能であるが、不揮発性メモリ2の各動作タイミングの全てにおいて負電圧VBBを供給した方がよいとは限らず、ダミーゲート42,52,61に接地電圧VSSを印加した方がよい場合も考えられる。そこで、本実施形態においては、ダミーゲート42,52,61に対して、接地電圧VSSと負電圧VBBとを切り替えて供給可能にする。
【0113】
本実施形態は、負電圧生成回路28aに代えて負電圧生成回路81を採用した点が上記各実施形態と異なる。
【0114】
電圧供給回路28に構成される負電圧生成回路81は、負電圧変換回路83及びAND回路82を含む。負電圧変換回路83には、電源入力用端子群35を介して接地電圧VSSが与えられる。AND回路82には、消去動作期間を示す消去動作期間信号及び電圧VBBを出力する許可する期間を示すVBB許可期間信号が入力される。これらの消去動作期間信号及びVBB許可期間信号は、シーケンサ27から供給される。
【0115】
消去動作期間以外の期間、例えばプログラム動作時においては、ダミーゲート42,52,61に、負電圧VBBではなく接地電圧VSSを与えた方がよい。そこで、シーケンサ27は、負電圧VBBを発生する期間を制限するために、消去動作期間信号を負電圧生成回路81に与える。また、消去動作期間において、ベリファイ動作やソフトプログラム動作等が行われることがあり、このような期間においては、必ずしもダミーゲート42,52,61に負電圧VBBを供給する必要はない。そこで、シーケンサ27は、消去動作期間中において、負電圧VBBの発生を許可する期間を示すVBB許可期間信号を負電圧生成回路81に与える。
【0116】
AND回路82は、消去動作期間信号及びVBB許可期間信号に基づいて、消去動作期間中であって、負電圧VBBを発生してよい期間を示す信号を負電圧変換回路83に出力する。負電圧変換回路83は、AND回路82からの信号により、負電圧VBBを発生してよいことが示された期間において、供給された接地電圧VSSを負電圧VBBに変換して出力する。また、負電圧変換回路83は、AND回路82からの信号により負電圧VBBを発生してよいことが示されていない場合には、供給された接地電圧VSSをそのまま出力する。
【0117】
このように構成された実施形態においては、ダミーゲート42,52,61に負電圧VBBを供給した方がよい期間、例えば、消去動作中であって、高電圧の電圧VERAがワード線WLに印加される期間において、負電圧VBBをダミーゲート42,52,61に供給することが可能である。
【0118】
このように本実施形態においても上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0119】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0120】
1…メモリシステム、2…不揮発性メモリ、3…メモリコントローラ、4…ホスト装置、10…ホストI/F、11…プロセッサ、12…RAM、13…バッファメモリ、14…メモリI/F、15…ECC回路、21…ロジック制御回路、22…入出力回路、23…メモリセルアレイ、24…センスアンプ、25…ロウデコーダ、25A…スイッチ回路群、26…レジスタ、27…シーケンサ、28…電圧供給回路、28a…負電圧生成回路、51…STI、52…素子分離用ダミーゲート、DLa,DLb,DLc…拡散層、REN…素子分離領域、TR1,TR2…トランジスタ、VBB…負電圧。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図16