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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127054
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/14 20060101AFI20240912BHJP
   H01H 50/02 20060101ALI20240912BHJP
   H01H 1/50 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01H50/14 B
H01H50/02 B
H01H1/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035900
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】川口 直樹
【テーマコード(参考)】
5G051
【Fターム(参考)】
5G051NA10
5G051NB20
(57)【要約】
【課題】導電部材の変形を抑制することによって導電部材及び接点装置の接合状態を安定的に維持することができる電磁継電器が、提供される。
【解決手段】電磁継電器1は、ケース2と、駆動装置4と、接点装置3と、導電部材51,61と、を備える。駆動装置4は、ケース2の内側に配置される。接点装置3は、端子部11,12を有する。端子部11,12の少なくとも一部は、ケース2の内側に配置される。導電部材51,61は、端子部11,12の先端11a,12aに接続する接続部52a,62aと、接続部51a,61aから端子部11,12の側部に沿って延びる延長部52b,62bと、を有する。接続部52a,62a、延長部52b,62b、及びケース2の少なくともいずれか1つは、規制部21a~21jを有する。規制部21a~21jは、導電部材5の変形を規制する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースの内側に配置される駆動装置と、
少なくとも一部が前記ケースの内側に配置される端子部、を有する接点装置と、
前記端子部の先端に接続する接続部と、前記接続部から前記端子部の側部に沿って延びる延長部と、を有する導電部材と、
を備え、
前記接続部、前記延長部、及び前記ケースの少なくともいずれか1つは、前記導電部材の変形を規制する規制部、を有する、
電磁継電器。
【請求項2】
前記端子部は、前記ケースの内側に配置され、
前記接続部及び前記延長部は、前記ケースの内側に配置され、
前記規制部は、前記接続部及び前記延長部の少なくともいずれか一方に当接可能に前記ケースの内面に設けられる、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
前記規制部は、前記ケースの内面から突出する突出部である、
請求項2に記載の電磁継電器。
【請求項4】
前記端子部は、前記ケースの内側に配置され、
前記接続部及び前記延長部は、前記ケースの内側に配置され、
前記規制部は、前記ケースに当接可能に前記接続部及び前記延長部の少なくともいずれか一方に設けられる、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記規制部は、前記接続部及び前記延長部の少なくともいずれか一方から前記ケースの内面に向けて突出する突出部である、
請求項4に記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記端子部の先端は、前記ケースの外側に配置され、
前記接続部及び前記延長部は、前記ケースの外側に配置され、
前記規制部は、前記延長部を保持可能に前記ケースの外面に設けられる、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項7】
前記規制部は、前記延長部を係止可能に形成されるスリット部である、
請求項6に記載の電磁継電器。
【請求項8】
前記端子部は、第1端子部と、前記第1端子部と間隔を隔てて配置される第2端子部と、を有し、
前記導電部材は、
前記第1端子部の先端に接続され前記第1端子部から離れる第1方向に延びる第1接続部と、前記第1方向と交差する第1交差方向において前記第1接続部から前記第1端子部の側部に沿って延びる第1延長部と、を有する第1導電部材と、
前記第2端子部の先端に接続され前記第2端子部から離れる第2方向に延びる第2接続部と、前記第2方向とは交差する第2交差方向において第2接続部から前記第2端子部の側部に沿って延びる第2延長部と、を有する第2導電部材と、を有し、
前記規制部は、
前記第1接続部、前記第1延長部、及び前記ケースの少なくともいずれか1つに設けられる第1規制部と、
前記第2接続部、前記第2延長部、及び前記ケースの少なくともいずれか1つに設けられる第2規制部と、を有する、
請求項1に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁継電器では、接点装置から外部装置に通電するために、導電部材が通電経路として用いられる。特許文献1に開示された電磁継電器では、図9を参照すると、導電部材は、接点装置の固定端子に接続される固定部と、接点装置の固定端子の側方において固定部から下方に延びる延設部と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7117567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電磁継電器では、導電部材の延設部は、接点装置の固定端子の側方に配置される。この構成において、過電流が固定端子及び導電部材に流れた場合、ローレンツ力によって、導電部材の延設部が、接点装置の固定端子を支点として、接点装置の固定端子の側部から離れる方向に移動する。この導電部材の延設部の移動によって導電部材が変形し、導電部材及び接点装置の接合状態が不安定になるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、導電部材の変形を抑制することによって導電部材及び接点装置の接合状態を安定的に維持することができる電磁継電器を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電磁継電器は、ケースと、駆動装置と、接点装置と、導電部材と、を備える。駆動装置は、ケースの内側に配置される。接点装置は端子部を有する。端子部の少なくとも一部は、ケースの内側に配置される。導電部材は、端子部の先端に接続する接続部と、接続部から端子部の側部に沿って延びる延長部と、を有する。接続部、延長部、及びケースの少なくともいずれか1つは、規制部を有する。規制部は、導電部材の変形を規制する。
【0007】
本電磁継電器では、過電流が接点装置の端子部及び導電部材に流れたとしても、接点装置の端子部を支点とした導電部材の変形を、規制部によって抑制することができる。これにより、導電部材及び接点装置の接合状態を安定的に維持することができる。
【0008】
接点装置の端子部は、ケースの内側に配置されてもよい。この場合、導電部材の接続部及び延長部は、ケースの内側に配置される。規制部は、接続部及び延長部の少なくともいずれか一方に当接可能にケースの内面に設けられる。規制部は、ケースの内面から突出する突出部であることが好ましい。
【0009】
この構成では、ケースの内面に規制部を設けることによって、導電部材の変形を抑制することができる。すなわち、簡単な構成で、導電部材及び接点装置の接合状態を安定的に維持することができる。
【0010】
接点装置の端子部は、ケースの内側に配置されてもよい。この場合、導電部材の接続部及び延長部は、ケースの内側に配置される。規制部は、ケースに当接可能に接続部及び延長部の少なくともいずれか一方に設けられる。規制部は、接続部及び延長部の少なくともいずれか一方からケースの内面に向けて突出する突出部であることが好ましい。
【0011】
この構成では、導電部材(接続部及び延長部)に規制部を設けることによって、導電部材の変形を抑制することができる。すなわち、簡単な構成で、導電部材及び接点装置の接合状態を安定的に維持することができる。
【0012】
接点装置の端子部の先端は、ケースの外側に配置されてもよい。この場合、導電部材の接続部及び延長部は、ケースの外側に配置される。規制部は、延長部を保持可能にケースの外面に設けられる。規制部は、延長部を係止可能に形成されるスリット部であることが好ましい。
【0013】
この構成では、ケースの外面に規制部を設けることによって、導電部材の変形を抑制することができる。すなわち、簡単な構成で、導電部材及び接点装置の接合状態を安定的に維持することができる。
【0014】
接点装置の端子部は、第1端子部と、第1端子部と間隔を隔てて配置される第2端子部と、を有していてもよい。この場合、導電部材は、第1導電部材と、第2導電部材と、を有する。
【0015】
第1導電部材は、第1接続部と、第1延長部と、を有する。第1接続部は、第1端子部の先端に接続され、第1端子部から離れる第1方向に延びる。第1延長部は、第1方向と交差する第1交差方向において、第1接続部から第1端子部の側部に沿って延びる。
【0016】
第2導電部材は、第2接続部と、第2延長部と、を有する。第2接続部は、第2端子部の先端に接続され、第2端子部から離れる第2方向に延びる。第2延長部は、第2方向とは交差する第2交差方向において、第2接続部から第2端子部の側部に沿って延びる。
【0017】
規制部は、第1規制部と、第2規制部と、を有する。第1規制部は、第1接続部、第1延長部、及びケースの少なくともいずれか1つに設けられる。第2規制部は、第2接続部、第2延長部、及びケースの少なくともいずれか1つに設けられる。このように構成しても、規制部(第1規制部及び第2規制部)によって、導電部材の変形を抑制することができ、導電部材及び接点装置の接合状態を安定的に維持することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電磁継電器において、導電部材の変形を抑制することによって、導電部材及び接点装置の接合状態を安定的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】電磁継電器の斜視図である。
図2】電磁継電器の正面図である。
図3】電磁継電器の部分拡大側面図である。
図4】変形例1における電磁継電器の部分拡大側面図である。
図5】変形例2における電磁継電器の部分拡大側面図である。
図6】変形例3における電磁継電器の部分拡大側面図である。
図7】変形例4における電磁継電器の斜視図である。
図8】変形例4における電磁継電器の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して実施形態に係る電磁継電器1について説明する。図1に示すように、電磁継電器1は、ケース2と、接点装置3と、駆動装置4と、導電部材5と、を備える。以下の説明では、接点装置3及び駆動装置4が並べて配置される方向が、上方向と定義される。上方向の反対方向が下方向と定義される。
【0021】
後述する第1固定端子11及び第2固定端子12が並べて配置される方向が、左右方向と定義される。左右方向及び上下方向に直交する方向が前後方向と定義される。これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、電磁継電器1の配置方向を限定するものではない。
【0022】
図1に示すように、ケース2は、箱形に形成される。ケース2は、樹脂などの絶縁材で形成される。ケース2の内部には、接点装置3及び駆動装置4が配置される。接点装置3は、ケース2の内側において駆動装置4と並べて配置される。例えば、接点装置3は、ケース2の内側において駆動装置4の上方に配置される。
【0023】
図2に示すように、ケース2は、規制部21を有する。規制部21は、第1規制部21aと、第2規制部21bと、を有する。第1規制部21aは、第1導電部材51の変形を規制する。詳細には、ローレンツ力が発生した際に、第1固定端子11の中心軸心X1から右方に向かう力が第1導電部材51の第1延長部52b(後述する)に作用する。この際に、第1規制部21aは第1導電部材51の第1延長部52bの変形を規制する。
【0024】
図3に示すように、第1規制部21aは、第1導電部材51に当接可能にケース2の内面に設けられる。第1規制部21aは、第1固定端子11の上端11aより右方、例えば第1固定端子11の中心軸心X1より右方において、ケース2の右側壁の内面に設けられる。
【0025】
第1規制部21aは、ケース2の右側壁の内面から突出する突出部である。第1規制部21aは、ケース2の右側壁の内面に一体に形成される。第1規制部21aは、ケース2の右側壁と別体に形成されてもよい。この場合、第1規制部21aは、ケース2の右側壁の内面に別部材として取り付けられる。
【0026】
第1規制部21aは、左右方向において第1導電部材51の第1延長部52bに対向するように、ケース2の右側壁の内面に配置される。例えば、第1規制部21aは、第1固定端子11の側面に対向するケース2の右側壁の範囲R1内において、ケース2の右側壁の内面に配置される。例えば、範囲R1は、第1固定端子11の上面及び第1固定端子11の下面の上下方向間の距離に対応すると解釈されてもよい。
【0027】
第1規制部21aは、ケース2の右側壁の範囲R2内において、ケース2の右側壁の内面に配置されてもよい。ケース2の右側壁の範囲R2は、ケース2の右側壁において第1固定端子11の側面及び可動接触片13(後述する)の側面に対向する範囲である。例えば、範囲R2は、第1固定端子11の上面及び可動接触片13の下面の上下方向間の距離に対応すると解釈されてもよい。
【0028】
本実施形態では、第1規制部21aは、上記の範囲R1内、又は上記の範囲R2内において、ケース2の右側壁の内面に部分的に設けられる。第1規制部21aは、上記の範囲R1内、又は上記の範囲R2内であれば、範囲R1,R2の全体にわたってケース2の右側壁の内面に設けられてもよい。
【0029】
図2及び図3に示すように、第2規制部21bは、第2導電部材61の変形を規制する。詳細には、ローレンツ力が発生した際に、第2固定端子12の中心軸心X2から左方に向かう力が第2導電部材61の第2延長部62b(後述する)に作用する。この際に、第2規制部21bは、第2導電部材61の第2延長部62bの変形を規制する。
【0030】
第2規制部21bの構成は、第2規制部21bの配置形態を除いて、第1規制部21aの構成と同じである。例えば、上述した第1規制部21aの説明において、“第1”を“第2”と置き換え、“右”を”左”と置き換えることによって、第2規制部21bの構成は理解することができる。このため、本実施形態では、第2規制部21bの詳細な説明は省略される。
【0031】
図2に示すように、接点装置3は、接点ケース9と、第1固定端子11(端子部の一例;第1端子部の一例)と、第2固定端子12(端子部の一例;第2端子部の一例)と、可動接触片13と、を有する。
【0032】
図1及び図2に示すように、接点ケース9は、ケース2の内側に配置される。接点ケース9は、駆動装置4の上部に配置される。接点ケース9には、第1固定端子11と、第2固定端子12と、可動接触片13とが配置される。
【0033】
第1及び第2固定端子11,12は、外部回路を接続するための端子である。第1及び第2固定端子11,12は、銅又は銅合金のような導電性材料によって、形成される。導電性の材料は、銅又は銅合金とは異なる材料であってもよい。
【0034】
図2に示すように、第1及び第2固定端子11,12は、互いに間隔を隔てて配置される。例えば、第1及び第2固定端子11,12は、左右方向に間隔を隔てて配置される。第1及び第2固定端子11,12は、接点ケース9に支持される。
【0035】
第1及び第2固定端子11,12は、実質的に円柱状に形成される。第1及び第2固定端子11,12は、中心軸心X1,X2を有する。第1及び第2固定端子11,12の少なくとも一部は、ケース2の内側に配置される。具体的には、第1及び第2固定端子11,12の上端11a,12aは、接点ケース9の上面から突出する。
【0036】
第1固定端子11の上端11aは、後述する第1導電部材51に接続される。第1固定端子11の下端11bは、接点ケース9の内側に配置される。第2固定端子12の上端12aは、後述する第2導電部材61に接続される。第2固定端子12の下端12bは、接点ケース9の内側に配置される。
【0037】
図2に示すように、可動接触片13は、一方向に長い板状の端子である。可動接触片13は、銅又は銅合金のような導電性材料によって、形成される。導電性の材料は、銅又は銅合金とは異なる材料であってもよい。
【0038】
可動接触片13は、第1及び第2固定端子11,12の下方に配置される。可動接触片13は、第1及び第2固定端子11,12の下方において、第1及び第2固定端子11,12に対向して配置される。
【0039】
図2に示すように、駆動装置4は可動接触片13を移動させる。例えば、駆動装置4は、可動接触片13を上下方向に移動させる。詳細には、駆動装置4は、可動接触片13が第1及び第2固定端子11,12の下端11b,12bに接触する閉位置CPと、可動接触片13が第1及び第2固定端子11,12から離れる開位置OPとの間で、可動接触片13を移動させる。図2では、閉位置CPに位置する可動接触片13は破線にて示され、開位置OPに位置する可動接触片13は2点破線にて示される。
【0040】
図2に示すように、駆動装置4は、ケース2の内側に配置される。駆動装置4は、可動接触片13の下方に配置される。駆動装置4は、コイル41と、ヨーク42と、を有する。コイル41は、可動接触片13の下方に配置される。
【0041】
コイル41に対する電圧の印加状態を切り換えることによって、可動接触片13は開位置OP又は閉位置CPに配置される。例えば、コイル41に電圧が印加されていない状態では、移動構造43の復帰機構(図示しない)によって、可動接触片13が開位置OPに配置される。この状態では、第1及び第2固定端子11,12は、電気的に接続されていない。
【0042】
コイル41に電圧が印加された状態では、磁界がコイル41のまわりに発生する。この磁界によって移動構造43の磁気吸着機構が動作し、可動接触片13が開位置OPから閉位置CPに移動する。これにより、可動接触片13は第1及び第2固定端子11,12に接触する。この状態では、第1及び第2固定端子11,12は、可動接触片13を介して電気的に接続される。
【0043】
移動構造43(復帰構造及び磁気吸着構造)の構成は、従来技術と同様の構成が用いられるので、ここでは移動構造43(復帰構造及び磁気吸着構造)の構成の詳細な説明は省略される。
【0044】
図2に示すように、ヨーク42は、コイル41及びケース2の間に配置される。ヨーク42は、コイル41を取り囲むように配置される。例えば、ヨーク42は、C字形状に屈曲した形状を有する。ヨーク42は、コイル41の下面、コイル41の両側面、及びヨーク42の上面を取り囲むように配置される。
【0045】
図1及び図2に示すように、導電部材5は、ケース2の内側において接点装置3に接続される。導電部材5は、第1導電部材51と、第2導電部材61と、を有する。第1及び第2導電部材51,61は、銅又は銅合金のような導電性材料によって、形成される。導電性の材料は、銅又は銅合金とは異なる材料であってもよい。第1及び第2導電部材51,61は、帯状の金属板を折り曲げることによって形成される。
【0046】
図2及び図3に示すように、第1導電部材51は、第1通電部52を有する。第1通電部52は、接点装置3に接続され通電経路を形成する。第1通電部52は、第1固定端子11に接続される。
【0047】
第1通電部52は、第1接続部52a(接続部の一例)と、第1延長部52b(延長部の一例)と、を有する。第1接続部52a及び第1延長部52bによって、通電経路が形成される。第1接続部52aは、ケース2の内側に配置される。第1接続部52aは、ケース2の上壁に対向するように配置される。
【0048】
第1接続部52aの一端は、第1固定端子11の上端11aに接続される。第1接続部52aは、第2固定端子12から第1固定端子11に向かう方向、例えば第1固定端子11から離れる右方(第1方向の一例)に、延びる。
【0049】
図2及び図3に示すように、第1延長部52bは、ケース2の内側に配置される。第1延長部52bは、ケース2の右側壁に対向するように配置される。第1延長部52bは、第1規制部21aに対向するように配置される。
【0050】
第1延長部52bは、第1接続部52aの他端から第1固定端子11の側部に沿って延びる。例えば、第1延長部52bの一端は、第1接続部52aの他端に接続される。第1延長部52bは、第1固定端子11の側部に沿って第1接続部52aの他端から下方(第1交差方向の一例)に延びる。この状態で、第1延長部52bは第1規制部21aに当接する。第1延長部52b及び第1規制部21aの間には隙間が設けられていてもよい。
【0051】
図2及び図3に示すように、第2導電部材61は、第2通電部62を有する。第2通電部62は、第2接続部62a(接続部の一例)と、第2延長部62b(延長部の一例)と、を有する。
【0052】
第2導電部材61の構成は、第2導電部材61の配置形態を除いて、第1導電部材51の構成と実質的に同じである。例えば、上述した第1導電部材51の説明において、“第1”を“第2”と置き換え、“右”を”左と置き換えることによって、第2導電部材61の構成は理解することができる。
【0053】
このため、第2導電部材61の構成は、簡単に説明される。第2接続部62aは、第1固定端子11から第2固定端子12に向かう方向、例えば第2固定端子12から離れる左方(第2方向の一例)に、延びる。第2延長部62bは、第2固定端子12の側部に沿って第2接続部62aから下方(第2交差方向の一例)に延びる。
【0054】
上記の電磁継電器1では、第1導電部材51の第1延長部52bがケース2の第1規制部21aに当接することによって、第1導電部材51(第1延長部52b)の変形が規制される。第2導電部材61の第2延長部62bがケース2の第2規制部21bに当接することによって、第2導電部材61(第2延長部62b)の変形が規制される。これにより、第1及び第2導電部材51,61及び接点装置3の接合状態を安定的に維持することができる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0056】
図4の変形例1に示すように、電磁継電器101が構成されてもよい。例えば、規制部21は、第1及び第2接続部52a,62aに当接可能にケース2に設けられる。
【0057】
規制部21は、第3規制部21cと、第4規制部21dと、を有する。第3規制部21cは、第1導電部材51に当接可能にケース2の内面に設けられる。第3規制部21cは、第1固定端子11の上端11aより右方、例えば第1固定端子11の中心軸心X1より右方において、ケース2の上壁の内面に設けられる。
【0058】
第3規制部21cは、ケース2の上壁の内面から突出する突出部である。第3規制部21cは、ケース2の上壁の内面に一体に形成される。第3規制部21cは、ケース2の上壁と別体に形成されてもよい。この場合、第3規制部21cは、ケース2の上壁の内面に別部材として取り付けられる。
【0059】
第3規制部21cは、上下方向において第1導電部材51に対向するように、ケース2の上壁の内面に配置される。例えば、第3規制部21cは、第1導電部材51の第1接続部52aに対向するように、ケース2の上壁の内面に配置される。第3規制部21cには、第1導電部材51の第1接続部52aが当接する。第3規制部21c及び第1接続部52aの間には隙間が設けられていてもよい。
【0060】
本実施形態では、第3規制部21cは、第1固定端子11の中心軸心X1より右方においてケース2の上壁の内面に部分的に設けられる。第3規制部21cは、第1固定端子11の中心軸心X1より右方であれば、ケース2の上壁の内面に全体的に設けられてもよい。
【0061】
第4規制部21dの構成は、第4規制部21dの配置形態を除いて、第3規制部21cの構成と同じである。例えば、上述した第3規制部21cの説明において、“第3”を“第4”と置き換え、“右”を”左”と置き換えることによって、第4規制部21dの構成は理解することができる。このため、本実施形態では、第4規制部21dの詳細な説明は省略される。
【0062】
電磁継電器101では、第1導電部材51の第1接続部52aがケース2の第3規制部21cに当接することによって、第1導電部材51(第1接続部52a)の変形が規制される。第2導電部材61の第2接続部62aがケース2の第4規制部21dに当接することによって、第2導電部材61(第2接続部62a)の変形が規制される。
【0063】
これにより、第1及び第2導電部材51,61及び接点装置3の接合状態を安定的に維持することができる。なお、第3及び第4規制部21c,21dは、前記実施形態の第1及び第2規制部21a,21bと併用してもよい。
【0064】
図5の変形例2に示すように、電磁継電器201が構成されてもよい。この場合、規制部21は、導電部材5に設けられる。例えば、規制部21は、ケース2に当接可能に第1及び第2延長部52b,62bに設けられる。
【0065】
具体的には、規制部21は、第5規制部21eと、第6規制部21fと、を有する。第5規制部21eは、第1延長部52bからケース2の右側壁の内面に向けて突出する突出部である。
【0066】
ここで、図3に示した前記実施形態では、第1規制部21aが、第1延長部52bに対向するように、ケース2の右側壁の内面に設けられた。これに対して、第5規制部21eは、ケース2の右側壁の内面に対向するように、第1延長部52bに設けられる。このように、第5規制部21eの取付対象が第1延長部52bである点を除いて、第5規制部21eの構成は、前記実施形態の第1規制部21aと実質的同じである。
【0067】
第6規制部21fは、第2延長部62bからケース2の左側壁の内面に向けて突出する突出部である。第6規制部21fについても、第6規制部21fの取付対象が第2延長部62bである点を除いて、第6規制部21fの構成は、前記実施形態の第2規制部21bと実質的同じである。このため、第5規制部21e及び第6規制部21fの詳細な説明は、前記実施形態の第1規制部21a及び第2規制部21bの説明に準ずる。
【0068】
このように構成された電磁継電器201では、第1導電部材51(第1延長部52b)の第5規制部21eがケース2の右側壁の内面に当接することによって、第1導電部材51(第1延長部52b)の変形が規制される。第2導電部材61(第2延長部62b)の第6規制部21fがケース2の左側壁の内面に当接することによって、第2導電部材61(第2延長部62b)の変形が規制される。
【0069】
これにより、第1及び第2導電部材51,61及び接点装置3の接合状態を安定的に維持することができる。なお、第5及び第6規制部21e,21fは、第3及び第4規制部21c,21dと併用してもよい。
【0070】
図6の変形例3に示すように、電磁継電器301が構成されてもよい。この場合、規制部21は、導電部材5に設けられる。例えば、規制部21は、ケース2に当接可能に第1及び第2接続部52a,62aに設けられる。
【0071】
具体的には、規制部21は、第7規制部21gと、第8規制部21hと、を有する。第7規制部21gは、第1接続部52aからケース2の上壁の内面に向けて突出する突出部である。
【0072】
ここで、前記実施形態では、第3規制部21cが、第1接続部52aに対向するように、ケース2の上面の内面に設けられた。これに対して、第7規制部21gは、ケース2の上壁の内面に対向するように、第1接続部52aに設けられる。このように、第7規制部21gの取付対象が第1接続部52aである点を除いて、第7規制部21gの構成は、前記実施形態の第3規制部21cと実質的同じである。
【0073】
第8規制部21hは、第2接続部62aからケース2の上壁の内面に向けて突出する突出部である。第8規制部21hについても、第8規制部21hの取付対象が第2接続部62aである点を除いて、第8規制部21hの構成は、前記実施形態の第4規制部21dと実質的同じである。このため、第7規制部21g及び第8規制部21hの詳細な説明は、前記実施形態の第3規制部21c及び第4規制部21dの説明に準ずる。
【0074】
このように構成された電磁継電器301では、第1導電部材51(第1接続部52a)の第7規制部21gがケース2の上壁の内面に当接することによって、第1導電部材51(第1接続部52a)の変形が規制される。第2導電部材61(第2接続部62a)の第8規制部21hがケース2の上壁の内面に当接することによって、第2導電部材61(第2接続部62a)の変形が規制される。
【0075】
これにより、第1及び第2導電部材51,61及び接点装置3の接合状態を安定的に維持することができる。なお、第7及び第8規制部21g,21hは、前記実施形態の第1及び第2規制部21a,21b、又は第5及び第6規制部21e,21fと併用してもよい。
【0076】
図7の変形例4に示すように、電磁継電器401が構成されてもよい。この場合、接点装置3の第1及び第2固定端子11,12の上端11a,12aは、ケース2の外側に配置される。
【0077】
導電部材5は、ケース2の外側において接点装置3に接続される。例えば、第1導電部材51の第1接続部52a及び第1延長部52bは、ケース2の外側に配置される。第1接続部52aは、ケース2の外側において、第1固定端子11の上端11aに接続され右方に延びる。第1延長部52bは、第1接続部52aからケース2の右壁の外面に沿って下方に延びる。
【0078】
第2導電部材61の第2接続部62a及び第2延長部62bは、ケース2の外側に配置される。例えば、第2接続部62aは、ケース2の外側において、第2固定端子12の上端12aに接続され左方に延びる。第2延長部62bは、第2接続部62aからケース2の右壁の外面に沿って下方に延びる。
【0079】
図8に示すように、規制部21は、第9規制部21iと、第10規制部21jと、を有する。第9規制部21iは、ケース2の右側壁の外面に設けられる。例えば、第9規制部21iは、第1固定端子11の中心軸心X1より右方において、ケース2の右側壁の外面に設けられる。
【0080】
第9規制部21iは、第1延長部52bを保持する。例えば、第9規制部21iは、第1延長部52bを係止可能に形成されるスリット部である。第9規制部21iは、ケース2の右側壁に対する第1延長部52bの右方への移動を、規制する。
【0081】
図8に示すように、第10規制部21jは、ケース2の左側壁の外面に設けられる。例えば、第10規制部21jは、第2固定端子12の中心軸心X2より左方において、ケース2の左側壁の外面に設けられる。
【0082】
第10規制部21jは、第2延長部62bを保持する。例えば、第10規制部21jは、第2延長部62bを係止可能に形成されるスリット部である。第10規制部21jは、ケース2の左側壁に対する第2延長部62bの左方への移動を、規制する。
【0083】
このように構成された電磁継電器401では、第1導電部材51の第1延長部52bが、ケース2の右側壁に対して右方に移動しないように、第9規制部21iによって係止され、第1導電部材51の変形が規制される。第2導電部材61の第2延長部62bが、ケース2の左側壁に対して左方に移動しないように、第10規制部21jによって係止され、第2導電部材61の変形が規制される。これにより、第1及び第2導電部材51,61及び接点装置3の接合状態を安定的に維持することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 電磁継電器
2 ケース
3 接点装置
4 駆動装置
5 導電部材
11 第1固定端子
12 第2固定端子
51 第1導電部材
52 第1通電部
52a 第1接続部
52b 第1延長部
61 第2導電部材
62 第2通電部
62a 第2接続部
62b 第2延長部
21a~21j 第1から第10規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8