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  • 特開-除雪機 図1
  • 特開-除雪機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127064
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】除雪機
(51)【国際特許分類】
   E01H 5/04 20060101AFI20240912BHJP
   E01H 5/09 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
E01H5/04 Z
E01H5/09 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035927
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モマヤ ディヴィヤン
(72)【発明者】
【氏名】井上 岳志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎一郎
【テーマコード(参考)】
2D026
【Fターム(参考)】
2D026CB03
2D026CH00
(57)【要約】
【課題】パワーコントロールユニットの冷却を効率よく行うことができる除雪機を提供する。
【解決手段】車両本体を備え、前記車両本体は、バッテリから供給される電力により駆動されるモータと、前記モータに接続されるパワーコントロールユニットと、回転駆動し雪を集めるオーガと、集められた雪を飛ばすブロアと、前記ブロアを覆うブロアハウジングと、前記車両本体を走行させる走行装置と、を備える除雪機において、前記パワーコントロールユニットを格納する格納部を備え、前記格納部と前記ブロアハウジングとは金属製の仕切り板で仕切られており、前記パワーコントロールユニットは前記仕切り板に当接するように配置される、除雪機。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体を備え、前記車両本体は、バッテリから供給される電力により駆動されるモータと、前記モータに接続されるパワーコントロールユニットと、回転駆動し雪を集めるオーガと、集められた雪を飛ばすブロアと、前記ブロアを覆うブロアハウジングと、前記車両本体を走行させる走行装置と、を備える除雪機において、
前記パワーコントロールユニットを格納する格納部を備え、前記格納部と前記ブロアハウジングとは金属製の仕切り板で仕切られており、
前記パワーコントロールユニットは前記仕切り板に当接するように配置される、除雪機。
【請求項2】
前記パワーコントロールユニットは、平板状の面部を有し、前記平板状の面部が前記仕切り板に当接するように配置される、請求項1に記載の除雪機。
【請求項3】
前記モータは、熱伝導体に当接し、前記熱伝導体は前記仕切り板に当接する、請求項2に記載の除雪機。
【請求項4】
内燃式のエンジンを備え、前記オーガは前記エンジンにより駆動され、前記走行装置は前記モータにより駆動される、請求項1から3のいずれかに記載の除雪機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、道路などの積雪を除去するための除雪機が知られている。
このような除雪機として、例えば、特許文献1には、エンジンと、エンジンを冷却するための冷却ファンと、ラジエタ及びラジエタフィンを備える除雪機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-62487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された除雪機は、発熱するエンジンを、冷却ファンと、フィンとによって冷却可能である。このような除雪機において、モータやパワーコントロールユニット等の発熱部材の冷却のために、冷却ファンやフィンを設けると、エネルギー効率が低下する、かつ、除雪機が大型化するという課題があった。
そこで、本発明は、発熱部材の冷却を効率よく行うことができる除雪機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の除雪機は、車両本体を備え、前記車両本体は、バッテリから供給される電力により駆動されるモータと、前記モータに接続され動作時に発熱するパワーコントロールユニットと、回転駆動し雪を集めるオーガと、集められた雪を飛ばすブロアと、前記ブロアを覆うブロアハウジングと、前記車両本体を走行させる走行装置と、を備え、前記パワーコントロールユニットを格納する格納部を備え、前記格納部と前記ブロアハウジングとは金属製の仕切り板で仕切られており、前記パワーコントロールユニットは前記仕切り板に当接するように配置される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、除雪機が備えるパワーコントロールユニットの冷却を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態にかかる除雪機の側面図である。
図2】別の実施の形態にかかる除雪機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態にかかる除雪機1の側面図である。
図1に示すように、除雪機1は、除雪機1のフレームを構成する車両本体10と、走行装置11と、除雪作業部12とを備える。
【0009】
車両本体10の左右両側下方には、走行装置11が設けられている。
本実施形態においては、走行装置11は、一対のホイール20に履帯21を掛け渡すことで構成されるクローラ式の走行装置11が用いられている。
【0010】
車両本体10の前後方向略中央部分には、バッテリ22、モータ23、及びパワーコントロールユニット24を収納する格納部25が配置されている。バッテリ22は、走行装置11を駆動するモータ23に電力を供給する。パワーコントロールユニット24は、電装部品として、モータ23等の制御装置として機能する、いわゆるPCU(Power Control Unit)である。モータ23及びパワーコントロールユニット24は、発熱する部材である。
【0011】
また、除雪機1は、オーガ31を駆動する内燃式のエンジンを備えている。
【0012】
モータ23による左右の走行装置11の駆動により、除雪機1を前進、後進、左転回、右転回など任意の方向に走行させることができるように構成されている。
【0013】
図1に示すように、車両本体10の前方には、除雪作業部12の一部を構成する、車両本体10の幅方向に延在するオーガハウジング30が設けられている。オーガハウジング30の内側には、オーガ31が回転駆動自在に設けられている。オーガハウジング30は、オーガ31の上部および両側部を被覆している。
【0014】
オーガ31は、内燃式のエンジンにより駆動される。なお、走行装置11を駆動するモータ23とは別のモータを設け、別のモータにオーガを駆動し、除雪機1の動作を全て電動としてもよい。
【0015】
オーガハウジング30の後方には、ブロア26を被覆するブロアハウジング32が設けられており、ブロアハウジング32の上部には、シュータ33が設けられている。
【0016】
シュータ33は、ブロアハウジング32に対して略水平周りに回転自在に取付けられている。シュータ33は、任意の角度に投雪方向を調整することが可能である。
【0017】
シュータ33の上端部には、シュータガイド34が上下に揺動自在に取付けられている。シュータガイド34は、上下に揺動させることで、投雪角度を調整することが可能である。
【0018】
除雪機1は、左右の走行装置11によって前進走行しつつ、オーガ31によって雪を掻き集め、掻き集めた雪をブロア26によってシュータ33を介して遠くに投雪することができる。
【0019】
図1に示すように、車両本体10の後方には、操作ハンドル40と、除雪機1を動作させるための各種スイッチ、レバー、ボタン等の操作子を有する操作パネル41が設けられている。操作パネル41は除雪機1を動作させるための各種スイッチ、レバー、ボタン等の操作子を有する。
【0020】
除雪作業を行う作業者は、除雪機1の後方にて操作ハンドル40を把持し、除雪機1に連れて歩行しながら除雪機1を操縦する。
【0021】
格納部25とブロアハウジング32とは金属製の仕切り板50で仕切られている。本実施の形態では、パワーコントロールユニット24は、平板状の面部24Aを有し、面部24Aが仕切り板50に当接するように配置されている。
【0022】
図2は、別の実施の形態に係る除雪機1の側面図である。別の実施の形態では、モータ23と、仕切り板50との間に、モータ23及び仕切り板50に当接する熱伝導体60が設けられている。熱伝導体60は、例えば金属製であり、モータ23から発せられた熱を仕切り板50に伝導する。パワーコントロールユニット24の面部24Aは、仕切り板50に当接している。
【0023】
次に本実施の形態における作用を説明する。
【0024】
図1に示すように、オーガ31によって集められた雪は、ブロア26によって吐き出され、シュータ33を介して所望の方向に投雪されるため、投雪の経路Lの方向に沿って進む。オーガ31によって集められた雪は、一部が融解し水になっている場合がある。経路Lに沿って進んだ雪、又は水の一部は、仕切り板50の一部に衝突する。
【0025】
このため、仕切り板50は冷却される。仕切り板50にパワーコントロールユニット24は当接しているため、パワーコントロールユニット24は冷却される。
【0026】
別の実施の形態では、モータ23は熱伝導体60及び仕切り板50を介して冷却される。
【0027】
仕切り板50はパワーコントロールユニット24、またはモータ23から得た熱により加熱されているため、経路Lの雪を融解させることができ、経路Lに雪が詰まることを防止できる。
【0028】
パワーコントロールユニット24は冷却用のフィンを備えていないため、除雪機1の小型化に寄与できる。除雪機1は、パワーコントロールユニット24やモータ23を冷却するためのファンを備えていないため、ファンに用いるエネルギー消費を削減でき、エネルギー効率を向上させることができる。
【0029】
次に本実施の形態における効果を説明する。
【0030】
以上説明したように、除雪機1は、車両本体10を備え、車両本体10は、バッテリ22から供給される電力により駆動されるモータ23と、モータ23に接続されるパワーコントロールユニット24と、回転駆動し雪を集めるオーガ31と、集められた雪を飛ばすブロア26と、ブロア26を覆うブロアハウジング32と、車両本体10を走行させる走行装置11と、を備え、パワーコントロールユニット24を格納する格納部25を備え、格納部25とブロアハウジング32とは金属製の仕切り板50で仕切られており、パワーコントロールユニット24は仕切り板50に当接するように配置される。
【0031】
これによれば、除雪機1が備えるパワーコントロールユニット24の冷却を効率よく行うことができる。
【0032】
また、パワーコントロールユニット24は、平板状の面部24Aを有し、平板状の面部24Aが仕切り板50に当接するように配置される。
【0033】
これによれば、除雪機1が備えるパワーコントロールユニット24の冷却を効率よく行うことができる。
【0034】
また、モータ23は、熱伝導体60に当接し、熱伝導体60は仕切り板50に当接する。
【0035】
これによれば、除雪機1が備えるモータ23の冷却を効率よく行うことができる。
【0036】
内燃式のエンジンを備え、オーガ31はエンジンにより駆動され、走行装置11はモータ23により駆動される。
【0037】
これによれば、走行装置11の駆動よりも動力が必要なオーガ31の駆動力を確保できる。
【0038】
[他の実施の形態]
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
【0039】
例えば、除雪機1は、全電動の除雪機でもよく、内燃式のエンジンとバッテリによるハイブリッド型の除雪機でもよい。
また、格納部25内のパワーコントロールユニット24、又はモータ23の配置はパワーコントロールユニット24、又はモータ23と仕切り板50とが熱交換できる範囲で適宜変更可能である。
【0040】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0041】
(構成1)車両本体を備え、前記車両本体は、バッテリから供給される電力により駆動されるモータと、前記モータに接続されるパワーコントロールユニットと、回転駆動し雪を集めるオーガと、集められた雪を飛ばすブロアと、前記ブロアを覆うブロアハウジングと、前記車両本体を走行させる走行装置と、を備える除雪機において、前記パワーコントロールユニットを格納する格納部を備え、前記格納部と前記ブロアハウジングとは金属製の仕切り板で仕切られており、前記パワーコントロールユニットは前記仕切り板に当接するように配置される、除雪機。
これによれば、除雪機が備えるパワーコントロールユニットの冷却を効率よく行うことができる。
【0042】
(構成2)前記パワーコントロールユニットは、平板状の面部を有し、前記平板状の面部が前記仕切り板に当接するように配置される、構成1に記載の除雪機。
これによれば、除雪機が備えるパワーコントロールユニットの冷却を効率よく行うことができる。
【0043】
(構成3)前記モータは、熱伝導体に当接し、前記熱伝導体は前記仕切り板に当接する、構成2又は3に記載の除雪機。
これによれば、除雪機が備えるモータの冷却を効率よく行うことができる。
【0044】
(構成4)内燃式のエンジンを備え、前記オーガは前記エンジンにより駆動され、前記走行装置は前記モータにより駆動される、構成1から3のいずれかに記載の除雪機。
これによれば、走行装置の駆動よりも動力が必要なオーガの駆動力を確保できる。
【符号の説明】
【0045】
1 除雪機
10 車両本体
11 走行装置
12 除雪作業部
22 バッテリ
23 モータ
24 パワーコントロールユニット
24A 面部
25 格納部
26 ブロア
30 オーガハウジング
31 オーガ
32 ブロアハウジング
50 仕切り板
60 熱伝導体
L 経路
図1
図2