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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127067
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/136 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
H02K5/136
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035930
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】晦日 遼
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA03
5H605CC01
5H605CC02
5H605EC08
5H605GG06
(57)【要約】
【課題】火花が筐体の外部に到達することを抑制可能な回転電機を提供する。
【解決手段】一つの実施形態に係る回転電機は、ステータと、ロータと、シャフトと、筐体とを備える。前記筐体は、第1の部材と、第2の部材と、を有する。前記第1の部材は、第1の孔が設けられ、前記第1の孔の内側に向く内周面と、第1の方向における前記内周面の端に接続され、ボルトが嵌る第2の孔が設けられた、第1の接合面と、第2の方向における前記内周面の端に接続された第1の面と、を有する。前記第2の部材は、前記第1の孔に嵌められ、前記内周面に面する外周面と、前記第1の接合面に面し、前記ボルトが嵌る第3の孔が設けられた、第2の接合面と、前記第1の面に面する第2の面と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、
前記ステータの内側で回転可能なロータと、
前記ロータとともに回転可能なシャフトと、
第1の部材と、第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材とを互いに結合させるボルトと、を有し、前記ステータ及び前記ロータが収容される部屋が設けられた、筐体と、
を具備し、
前記第1の部材は、第1の方向に当該第1の部材を貫通して前記部屋と前記筐体の外部とを連通する第1の孔が設けられ、
前記第1の孔の内側に向く内周面と、
前記第1の方向における前記内周面の端に接続され、前記内周面が向く方向と交差する方向に向くとともに、前記ボルトが嵌る第2の孔が設けられた、第1の接合面と、
前記第1の方向の反対の第2の方向における前記内周面の端に接続され、前記内周面が向く方向と交差する方向に向く、第1の面と、
を有し、
前記第2の部材は、前記第1の孔に嵌められ、
前記内周面に面する外周面と、
前記第1の方向における前記外周面の端に接続され、前記第1の接合面に面し、前記ボルトが嵌る第3の孔が設けられた、第2の接合面と、
前記第2の方向における前記外周面の端に接続され、前記第1の面に面する、第2の面と、
を有する、
回転電機。
【請求項2】
前記筐体は、前記部屋を規定する内面を有し、
前記第1の面及び前記第2の面のうち少なくとも一方は、前記内面に接続され、前記シャフトの軸方向と交差する、
請求項1の回転電機。
【請求項3】
前記内面は、前記第1の部材に含まれる第1の内面と、前記第2の部材に含まれる第2の内面と、を有し、
前記第1の面は、前記第1の内面の第1の縁に接続され、
前記第2の面は、前記第2の内面の第2の縁に接続され、
前記第1の縁と前記第2の縁とは、前記第1の面及び前記第2の面のうち少なくとも一方が向く方向において同一位置にある、
請求項2の回転電機。
【請求項4】
前記第1の面は、前記内周面に接続された第1の端と、前記第1の端の反対側の第2の端と、を有し、
前記第1の端と前記第2の端との間の距離は、前記第1の接合面と前記第1の面との間の距離よりも短い、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つの回転電機。
【請求項5】
前記第1の面は、前記内周面から突出した第1の突起に設けられる、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの回転電機。
【請求項6】
前記第2の面は、前記外周面から突出した第2の突起に設けられる、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの回転電機。
【請求項7】
前記第1の部材は、前記ステータ及びロータを囲むとともに前記ステータに固定されたフレームを有し、
前記第2の部材は、前記シャフトの軸方向における前記フレームの端部を塞ぐブラケットを有する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つの回転電機。
【請求項8】
前記シャフトを回転可能に支持する軸受、をさらに具備し、
前記筐体は、前記ステータ及びロータを囲むとともに前記ステータに固定されたフレームと、前記シャフトの軸方向における前記フレームの端部を塞ぐブラケットと、前記ブラケットに取り付けられる壁と、を有し、
前記軸受は、前記壁と前記ブラケットとの間に位置し、
前記第1の部材及び前記第2の部材のうち一方は、前記ブラケットを有し、
前記第1の部材及び前記第2の部材のうち他方は、前記壁を有する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つの回転電機。
【請求項9】
前記第1の部材は、前記ステータ及びロータを囲むとともに前記ステータに固定されたフレームを有し、
前記第2の部材は、前記第1の孔を塞ぐカバーと、前記カバーを貫通して前記ステータに電気的に接続される端子と、を有する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つの回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機は、一般的に、ステータと、ロータと、当該ステータ及びロータを収容する筐体とを有する。筐体は、互いに結合された複数の部材を含む。防爆モータ(危険地帯モータとも呼ばれる)の一種である耐圧防爆形モータと呼ばれる回転電機は、当該回転電機の内部で爆発が生じたときに、火花が隙間を通って筐体の外部に到達することを防ぐように設計される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61-104750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筐体の容積が大きい場合、筐体の内部の爆発は、圧力重積を生じる虞がある。圧力重積を伴う爆発は、部材の間の隙間を通ろうとする火花の勢いを増してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態に係る回転電機は、ステータと、ロータと、シャフトと、筐体とを備える。前記ロータは、前記ステータの内側で回転可能である。前記シャフトは、前記ロータとともに回転可能である。前記筐体は、第1の部材と、第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材とを互いに結合させるボルトと、を有し、前記ステータ及び前記ロータが収容される部屋が設けられる。前記第1の部材は、第1の方向に当該第1の部材を貫通して前記部屋と前記筐体の外部とを連通する第1の孔が設けられ、前記第1の孔の内側に向く内周面と、前記第1の方向における前記内周面の端に接続され、前記内周面が向く方向と交差する方向に向くとともに、前記ボルトが嵌る第2の孔が設けられた、第1の接合面と、前記第1の方向の反対の第2の方向における前記内周面の端に接続され、前記内周面が向く方向と交差する方向に向く、第1の面と、を有する。前記第2の部材は、前記第1の孔に嵌められ、前記内周面に面する外周面と、前記第1の方向における前記外周面の端に接続され、前記第1の接合面に面し、前記ボルトが嵌る第3の孔が設けられた、第2の接合面と、前記第2の方向における前記外周面の端に接続され、前記第1の面に面する、第2の面と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、一つの実施形態に係る電動機を模式的に示す断面図である。
図2図2は、上記実施形態のフレームとブラケットとを示す断面図である。
図3図3は、上記実施形態のブラケットと油切を示す断面図である。
図4図4は、上記実施形態のフレームと端子板とを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、一つの実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0008】
図1は、本実施形態に係る電動機10を模式的に示す断面図である。電動機10は、回転電機の一例である。電動機10は、例えば防爆モータである。回転電機は、発電機のような他の回転電機であっても良い。図1に示すように、電動機10は、ステータ11と、ロータ12と、シャフト13と、筐体14と、二つの軸受15と、端子箱16とを有する。
【0009】
ステータ11と、ロータ12と、シャフト13の一部とは、筐体14の内部に収容される。ロータ12は、ステータ11の巻線に流れる電流により駆動され、回転軸Axまわりに回転する。シャフト13は、ロータ12に取り付けられ、ロータ12とともに回転する。回転軸Axは、例えば、シャフト13の中心線である。図1は、シャフト13の回転軸Axを含むように、回転軸Axと平行な電動機10の断面を示している。
【0010】
以下の説明において、便宜上、シャフト13の回転軸Axに沿う方向が軸方向と定義される。さらに、回転軸Axと直交する方向が径方向と定義され、回転軸Axまわりに回転する方向が周方向と定義される。
【0011】
ステータ11は、軸方向に延びる略円筒状に形成される。ステータ11は、筐体14に固定されている。ステータ11は、例えば、磁性体で作られた固定子鉄心と、当該固定子鉄心に取り付けられた巻線とを有する。
【0012】
ロータ12は、軸方向に延びる略円筒状に形成され、ステータ11と略同心に配置される。ロータ12は、隙間を介してステータ11の内側に配置される。ロータ12は、例えば、複数の永久磁石を有する。
【0013】
ステータ11及びロータ12は、電磁力により回転力を生み出せれば、上述の構成に限られない。例えば、ロータ12は、磁性体で作られた回転子鉄心と、当該回転子鉄心に取り付けられた導体と、を有しても良い。
【0014】
シャフト13は、軸方向に延びる略円柱状に形成される。シャフト13の一部は、筐体14の内部に位置する。シャフト13の他の一部は、筐体14の外部に位置する。筐体14の外部において、シャフト13に例えば外部装置が連結される。シャフト13が回転することで、当該外部装置が駆動される。
【0015】
筐体14は、例えば、金属で作られ、箱状に形成される。なお、筐体14は、他の材料で作られても良い。筐体14は、フレーム21と、二つのブラケット22と、二つの油切23と、二つの端子板24と、複数の第1のボルト25と、複数の第2のボルト26と、複数の第3のボルト27とを有する。油切23は、壁の一例である。第1のボルト25、第2のボルト26、及び第3のボルト27のそれぞれは、ボルトの一例である。
【0016】
筐体14の内部に、部屋30が設けられる。部屋30は、軸方向に延びる略円柱形の空間である。部屋30は、フレーム21と二つのブラケット22とに囲まれる。部屋30は、他の形状であっても良い。部屋30に、ステータ11と、ロータ12と、シャフト13の一部とが収容される。
【0017】
フレーム21は、軸方向に延びる略円筒状に形成される。なお、フレーム21は、他の形状であっても良い。部屋30は、フレーム21の内側に設けられ、フレーム21に囲まれる。フレーム21は、ステータ11及びロータ12を囲む。フレーム21は、ステータ11及びロータ12と略同心に配置される。フレーム21は、ステータ11に固定されている。
【0018】
ブラケット22は、軸方向と交差する板状に形成される。二つのブラケット22は、軸方向におけるフレーム21の両端部21aに、複数の第1のボルト25によって結合される。これにより、ブラケット22は、フレーム21の端部21aを塞ぐ。ステータ11及びロータ12は、軸方向において、二つのブラケット22の間に位置する。
【0019】
二つのブラケット22のそれぞれに、挿通孔31が設けられる。挿通孔31は、ブラケット22を軸方向に貫通する。挿通孔31は、部屋30と筐体14の外部とを連通する。なお、挿通孔31は、単独で部屋30と筐体14の外部とを連通しなくても良い。例えば、挿通孔31は、単独で部屋30と筐体14の外部とを連通する通路の途中に設けられても良い。シャフト13は、挿通孔31を通るように配置される。言い換えると、シャフト13は、ブラケット22を軸方向に貫通する。
【0020】
油切23は、軸方向と交差する板状に形成される。二つの油切23は、ブラケット22よりも筐体14の内側に位置する。二つの油切23のそれぞれは、対応するブラケット22に、複数の第2のボルト26によって結合される。
【0021】
二つの油切23のそれぞれに、挿通孔32が設けられる。挿通孔32は、油切23を軸方向に貫通する。挿通孔32は、ブラケット22の挿通孔31と略同心に設けられる。シャフト13は、挿通孔32を通るように配置される。言い換えると、シャフト13は、油切23を軸方向に貫通する。
【0022】
ブラケット22と、当該ブラケット22に結合された油切23と、の間に、軸受室33が設けられる。軸受室33は、ブラケット22の挿通孔31と、油切23の挿通孔32とに連通する。
【0023】
軸受15は、軸受室33に位置する。軸受15は、例えば、軸受室33において、ブラケット22に取り付けられる。軸受15は、シャフト13を回転軸Axまわりに回転可能に支持する。
【0024】
二つのブラケット22のそれぞれに、油路34が設けられる。油路34は、軸受室33と、筐体14の外部とを連通する。軸受室33は、油路34を通じて潤滑剤を供給されることができる。
【0025】
二つの端子板24のそれぞれは、カバー35と、複数の端子36とを有する。カバー35は、板状に形成され、複数の第3のボルト27によってフレーム21に結合される。端子36は、カバー35を貫通する導体である。端子36は、例えば配線を介してステータ11に電気的に接続される。端子36は、部屋30に配置されたセンサのような他の部品に電気的に接続されても良い。
【0026】
端子箱16は、筐体14の外部に位置する。端子箱16は、端子板24の端子36に電気的に接続される。このため、端子箱16は、端子36を介して、ステータ11に電気的に接続される。
【0027】
フレーム21、ブラケット22、油切23、及び端子板24は、印籠接合により互いに結合される。印籠接合は、インローとも呼ばれる。印籠接合では、一方の部材に設けられた窪み又は穴に、他方の部材に設けられた突起又は栓が嵌め込まれる。なお、フレーム21、ブラケット22、油切23、及び端子板24は、他の方法で互いに結合されても良い。
【0028】
筐体14は、内面40をさらに有する。内面40は、筐体14の内側に向く。内面40は、部屋30を形成(規定、又は区画とも表現され得る)する。言い換えると、内面40は、部屋30に曝された筐体14の表面である。
【0029】
フレーム21、ブラケット22、油切23、及び端子板24のそれぞれは、内面40の一部を含む。このため、内面40は、フレーム21に含まれる部分内面41と、ブラケット22に含まれる部分内面42と、油切23に含まれる部分内面43と、端子板24に含まれる部分内面44とを有する。部分内面41~44のそれぞれは、内面40の一部であり、部屋30の一部を形成(規定、又は区画)する。
【0030】
図2は、本実施形態のフレーム21とブラケット22とを示す断面図である。図2に示される例において、フレーム21が第1の部材の一例であり、ブラケット22が第2の部材の一例である。
【0031】
フレーム21に、二つの嵌合口51が設けられる。二つの嵌合口51は、フレーム21の両方の端部21aに設けられ、部屋30と筐体14の外部とを連通する。嵌合口51は、第1の孔の一例である。
【0032】
本実施形態において、嵌合口51は、フレーム21の内部の空間の一部である。しかし、嵌合口51は、軸方向にフレーム21の端部21aを貫通していると表現され得る。軸方向は、第1の方向の一例である。フレーム21の内部の空間は、部屋30と嵌合口51とを含む。
【0033】
フレーム21は、内周面52と、接合面53と、段状面54とを有する。接合面53は、第1の接合面の一例である。段状面54は、第1の面の一例である。
【0034】
内周面52は、軸方向に延びる略円筒状の曲面である。内周面52は、嵌合口51の少なくとも一部を形成(規定、又は区画)する。内周面52は、径方向の内側に向く。言い換えると、内周面52は、嵌合口51の内側に向く。
【0035】
接合面53は、例えば、軸方向におけるフレーム21の端部21aに設けられる。なお、接合面53は、他の位置に設けられても良い。接合面53は、軸方向の外側Dxoにおける内周面52の端に接続される。軸方向の外側Dxoは、軸方向において筐体14の外部に向かう方向であり、軸方向に含まれる。軸方向の外側Dxoは、第1の方向の一例である。
【0036】
接合面53は、例えば、内周面52の端から径方向の外側に延びる略円環状の平面である。接合面53は、軸方向の外側Dxoに向く。軸方向の外側Dxoは、内周面52が向く方向と直交する。軸方向の外側Dxoは、内周面が向く方向と交差する方向の一例である。なお、接合面53は、内周面52が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。
【0037】
接合面53に、ボルト穴55が設けられる。言い換えると、フレーム21に、接合面53で開口するボルト穴55が設けられる。ボルト穴55は、第2の孔の一例である。ボルト穴55は、接合面53から軸方向に延びている。ボルト穴55の内面に雌ネジが形成される。ボルト穴55の雌ネジは、第1のボルト25の雄ネジに嵌ることができる。
【0038】
段状面54は、例えば、接合面53から軸方向の内側Dxiに離間した位置に設けられる。軸方向の内側Dxiは、軸方向において筐体14の内部に向かう方向であり、軸方向に含まれる。軸方向の内側Dxiは、軸方向の外側Dxoの反対方向であり、第2の方向の一例である。
【0039】
径方向の外側における段状面54の端54aは、軸方向の内側Dxiにおける内周面52の端に接続される。端54aは、第1の端の一例である。径方向の内側における段状面54の端54bは、フレーム21の部分内面41の縁41aに接続される。端54bは、端54aの反対側に位置する。端54bは、第2の端の一例である。縁41aは、第1の縁の一例である。
【0040】
段状面54は、例えば、内周面52の端から径方向の内側に延びる略円環状の平面である。段状面54は、軸方向の外側Dxoに向く。このため、段状面54は、軸方向と交差する。なお、段状面54は、内周面52が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。段状面54が向く方向は、接合面53が向く方向と異なっても良い。
【0041】
径方向における段状面54の長さは、軸方向における内周面52の長さよりも短い。言い換えると、段状面54の端54aと端54bとの間の距離は、接合面53と段状面54との間の距離よりも短い。
【0042】
フレーム21は、段56をさらに有する。段56は、第1の突起の一例である。段56は、内周面52から径方向の内側に突出すると表現され得る。段56は、フレーム21の端部21aから軸方向の内側Dxiに離間している。段状面54は、段56に設けられる。
【0043】
ブラケット22は、栓部61と、フランジ62とを有する。栓部61は、略円柱状に形成され、嵌合口51に嵌められる。嵌合口51は、フレーム21の内部の空間のうち、栓部61が嵌められる一部である。栓部61は、外周面63と端面64とを有する。端面64は、第2の面の一例である。
【0044】
外周面63は、軸方向に延びる略円筒状の曲面である。外周面63の直径は、内周面52の直径と等しいか、僅かに短い。また、軸方向において、外周面63の長さは、内周面52の長さと略等しい。
【0045】
外周面63は、径方向の外側に向く。外周面63は、内周面52に面する。外周面63は、内周面52に接触しても良いし、内周面52から僅かに離間していても良い。外周面63と内周面52とは、略同心に配置され、且つ略平行に配置される。
【0046】
端面64は、軸方向の内側Dxiにおける栓部61の端に設けられる。なお、端面64は、他の位置に設けられても良い。径方向の外側における端面64の端64aは、軸方向の内側Dxiにおける外周面63の端に接続される。径方向の内側における端面64の端64bは、ブラケット22の部分内面42の縁42aに接続される。縁42aは、第2の縁の一例である。
【0047】
端面64は、例えば、外周面63の端から径方向の内側に延びる略円環状の平面である。端面64は、軸方向の内側Dxiに向く。このため、端面64は、軸方向と交差する。なお、端面64は、内周面52が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。
【0048】
端面64は、段状面54に面する。端面64は、段状面54に接触しても良いし、段状面54から僅かに離間しても良い。端面64と段状面54とは、略同心に配置され、且つ略平行に配置される。
【0049】
フランジ62は、栓部61から径方向の外側に突出し、フレーム21の接合面53を覆う。フランジ62は、接合面65を有する。接合面65は、第2の接合面の一例である。接合面65は、例えば、軸方向の内側Dxiにおけるフランジ62の端に設けられる。なお、接合面65は、他の位置に設けられても良い。接合面65は、軸方向の外側Dxoにおける外周面63の端に接続される。
【0050】
接合面65は、例えば、外周面63の端から径方向の外側に延びる略円環状の平面である。接合面65は、軸方向の内側Dxiに向く。なお、接合面65は、内周面52が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。
【0051】
接合面65は、フレーム21の接合面53に面する。接合面65は、接合面53に接触しても良いし、接合面53から僅かに離間しても良い。接合面65と接合面53とは、略同心に配置され、且つ略平行に配置される。
【0052】
径方向における端面64の長さは、軸方向における外周面63の長さよりも短い。言い換えると、端面64の端64aと端64bとの間の距離は、接合面65と端面64との間の距離よりも短い。
【0053】
接合面65に、貫通孔66が設けられる。言い換えると、ブラケット22に、接合面65で開口する貫通孔66が設けられる。貫通孔66は、第3の孔の一例である。貫通孔66は、フランジ62を軸方向に貫通する。貫通孔66は、当該貫通孔66の内側を第1のボルト25が通ることが可能な直径を有する。貫通孔66は、ボルト穴55に連通している。
【0054】
第1のボルト25は、筐体14の外部から、ブラケット22の貫通孔66を通り、フレーム21のボルト穴55に挿入される。言い換えると、第1のボルト25は、貫通孔66及びボルト穴55に嵌る。これにより、第1のボルト25は、フレーム21とブラケット22とを互いに結合させる。
【0055】
上述のように、フレーム21の段状面54は、部分内面41の縁41aに接続されている。さらに、ブラケット22の端面64は、部分内面42の縁42aに接続されている。このため、段状面54及び端面64は、内面40に接続されている。
【0056】
部分内面41は、縁41aにおいて、径方向の内側に向く。また、部分内面42は、縁42aにおいて、径方向の内側に向く。部分内面41の縁41aと、部分内面42の縁42aとは、径方向において略同一位置にある。このため、部分内面41と、部分内面42とは、実質的に滑らかに連続する面を形成する。
【0057】
図3は、本実施形態のブラケット22と油切23を示す断面図である。図3に示される例において、ブラケット22が第1の部材の一例であり、油切23が第2の部材の一例である。
【0058】
上述のように、挿通孔31は、ブラケット22を軸方向に貫通する。挿通孔31は、部屋30と筐体14の外部とを連通する。挿通孔31は、第1の孔の一例である。軸方向は、第1の方向の一例である。
【0059】
ブラケット22は、内周面72と、接合面73と、端面74とを有する。接合面73は、第1の接合面の一例である。端面74は、第1の面の一例である。
【0060】
内周面72は、軸方向に延びる略円筒状の曲面である。内周面72は、挿通孔31の一部を形成(規定、又は区画)する。内周面72は、径方向の内側に向く。言い換えると、内周面72は、挿通孔31の内側に向く。
【0061】
接合面73は、軸方向の外側Dxoにおける内周面72の端に接続される。軸方向の外側Dxoは、第1の方向の一例である。接合面73は、例えば、内周面72の端から径方向の内側に延びる略円環状の平面である。
【0062】
接合面73は、軸方向の内側Dxiに向く。軸方向の内側Dxiは、内周面72が向く方向と直交する。軸方向の内側Dxiは、内周面が向く方向と交差する方向の一例である。なお、接合面73は、内周面72が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。
【0063】
接合面73に、貫通孔75が設けられる。言い換えると、ブラケット22に、接合面73で開口する貫通孔75が設けられる。貫通孔75は、第2の孔の一例である。貫通孔75は、ブラケット22を軸方向に貫通する。貫通孔75は、当該貫通孔75の内側を第2のボルト26が通ることが可能な直径を有する。また、接合面73で、油路34が開口する。
【0064】
端面74は、例えば、接合面73から、軸方向の内側Dxiに離間した位置に設けられる。軸方向の内側Dxiは、第2の方向の一例である。径方向の内側における端面74の端74aは、軸方向の内側Dxiにおける内周面72の端に接続される。端74aは、第1の端の一例である。径方向の外側における端面74の端74bは、ブラケット22の部分内面42の縁42bに接続される。端74bは、端74aの反対側に位置する。端74bは、第2の端の一例である。縁42bは、第1の縁の一例である。
【0065】
端面74は、例えば、内周面72の端から径方向の外側に延びる略円環状の平面である。端面74は、軸方向の内側Dxiに向く。このため、端面74は、軸方向と交差する。なお、端面74は、内周面72が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。端面74が向く方向は、接合面73が向く方向と異なっても良い。
【0066】
径方向における端面74の長さは、軸方向における内周面72の長さよりも短い。言い換えると、端面74の端74aと端74bとの間の距離は、接合面73と端面74との間の距離よりも短い。
【0067】
油切23は、栓部81と、フランジ82とを有する。フランジ82は、第2の突起の一例である。栓部81は、略円柱状に形成され、挿通孔31の一部に嵌められる。栓部81は、外周面83と接合面84とを有する。接合面84は、第2の接合面の一例である。
【0068】
外周面83は、軸方向に延びる略円筒状の曲面である。外周面83の直径は、内周面72の直径と等しいか、僅かに短い。また、軸方向において、外周面83の長さは、内周面72の長さと略等しい。
【0069】
外周面83は、径方向の外側に向く。外周面83は、内周面72に面する。外周面83は、内周面72に接触しても良いし、内周面72から僅かに離間していても良い。外周面83と内周面72とは、略同心に配置され、且つ略平行に配置される。
【0070】
接合面84は、軸方向の外側Dxoにおける栓部81の端に設けられる。なお、接合面84は、他の位置に設けられても良い。接合面84は、例えば、外周面83の端から径方向の内側に延びる略円環状の平面である。接合面84は、軸方向の外側Dxoに向く。なお、接合面84は、内周面72が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。
【0071】
接合面84は、ブラケット22の接合面73に面する。接合面84は、接合面73に接触しても良いし、接合面73から僅かに離間しても良い。接合面84と接合面73とは、略同心に配置され、且つ略平行に配置される。
【0072】
接合面84に、ボルト穴85が設けられる。言い換えると、油切23に、接合面84で開口するボルト穴85が設けられる。ボルト穴85は、第3の孔の一例である。ボルト穴85は、接合面84から軸方向に延びている。ボルト穴85は、貫通孔75に連通している。ボルト穴85の内面に雌ネジが形成される。ボルト穴85の雌ネジは、第2のボルト26の雄ネジに嵌ることができる。
【0073】
第2のボルト26は、筐体14の外部から、ブラケット22の貫通孔75を通り、油切23のボルト穴85に挿入される。言い換えると、第2のボルト26は、貫通孔75及びボルト穴85に嵌る。これにより、第2のボルト26は、ブラケット22と油切23とを互いに結合させる。
【0074】
フランジ82は、栓部81の外周面83から径方向の外側に突出する。フランジ82は、ブラケット22の接合面73を覆う。フランジ82に、側面86が設けられる。側面86は、第2の面の一例である。側面86は、例えば、軸方向の外側Dxoにおけるフランジ82の端に設けられる。なお、側面86は、他の位置に設けられても良い。側面86は、軸方向の内側Dxiにおける外周面83の端に接続される。
【0075】
側面86は、例えば、外周面83の端から径方向の外側に延びる略円環状の平面である。側面86は、軸方向の外側Dxoに向く。このため、側面86は、軸方向と交差する。なお、側面86は、内周面72が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。
【0076】
側面86は、端面74に面する。側面86は、端面74に接触しても良いし、端面74から僅かに離間しても良い。側面86と端面74とは、略同心に配置され、且つ略平行に配置される。
【0077】
径方向の内側における側面86の端86aは、軸方向の内側Dxiにおける外周面83の端に接続される。径方向の外側における側面86の端86bは、油切23の部分内面43の縁43aに接続される。縁43aは、第2の縁の一例である。
【0078】
径方向における側面86の長さは、軸方向における外周面83の長さよりも短い。言い換えると、側面86の端86aと端86bとの間の距離は、接合面84と側面86との間の距離よりも短い。
【0079】
上述のように、ブラケット22の端面74は、部分内面42の縁42bに接続されている。さらに、油切23の側面86は、部分内面43の縁43aに接続されている。このため、端面74及び側面86は、内面40に接続されている。
【0080】
部分内面42は、縁42bにおいて、径方向の外側に向く。また、部分内面43は、縁43aにおいて、径方向の外側に向く。部分内面42の縁42bと、部分内面43の縁43aとは、径方向において略同一位置にある。このため、部分内面42と、部分内面43とは、実質的に滑らかに連続する面を形成する。
【0081】
図4は、本実施形態のフレーム21と端子板24とを示す断面図である。図4に示される例において、フレーム21が第1の部材の一例であり、端子板24が第2の部材の一例である。
【0082】
フレーム21に、二つの嵌合口91が設けられる。二つの嵌合口91は、フレーム21に設けられ、部屋30と筐体14の外部とを連通する。嵌合口91は、第1の孔の一例である。嵌合口91は、径方向にフレーム21を貫通している。径方向は、第1の方向の一例である。二つの嵌合口91は、軸方向に互いに離間して配置される。
【0083】
フレーム21は、内周面92と、接合面93と、第1の段状面94と、第2の段状面95とを有する。接合面93は、第1の接合面の一例である。第1の段状面94は、第1の面の一例である。
【0084】
内周面92は、径方向に延びる略筒状の面である。内周面92は、嵌合口91の一部を形成(規定、又は区画)する。内周面92は、嵌合口91の内側に向く。
【0085】
接合面93は、径方向の外側Droにおける内周面92の端に接続される。径方向の外側Droは、複数の径方向のうち、嵌合口91が延びる一つの径方向において、筐体14の外部に向かう方向である。径方向の外側Droは、径方向に含まれる。径方向の外側Droは、第1の方向の一例である。
【0086】
接合面93は、例えば、内周面92の端から径方向と直交する方向に延びる略環状の平面である。接合面93は、径方向の外側Droに向く。径方向の外側Droは、内周面92が向く方向と直交する。径方向の外側Droは、内周面が向く方向と交差する方向の一例である。なお、接合面93は、内周面92が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。
【0087】
接合面93に、ボルト穴96が設けられる。言い換えると、フレーム21に、接合面93で開口するボルト穴96が設けられる。ボルト穴96は、第2の孔の一例である。ボルト穴96は、接合面93から径方向に延びている。ボルト穴96の内面に雌ネジが形成される。ボルト穴96の雌ネジは、第3のボルト27の雄ネジに嵌ることができる。
【0088】
第1の段状面94は、例えば、接合面93から、径方向の内側Driに離間した位置に設けられる。径方向の内側Driは、複数の径方向のうち、嵌合口91が延びる上記一つの径方向において、筐体14の内部に向かう方向である。径方向の内側Driは、径方向に含まれる。径方向の内側Driは、径方向の外側Droの反対方向であり、第2の方向の一例である。
【0089】
径方向と直交する方向における第1の段状面94の一方の端94aは、径方向の内側Driにおける内周面92の端に接続される。径方向と直交する方向における第1の段状面94の他方の端94bは、第2の段状面95に接続される。端94bは、端94aの反対側に位置する。
【0090】
第1の段状面94は、例えば、内周面92の端から径方向と直交する方向に延びる略環状の平面である。第1の段状面94は、径方向の外側Droに向く。このため、第1の段状面94は、径方向と交差する。なお、第1の段状面94は、内周面92が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。第1の段状面94が向く方向は、接合面93が向く方向と異なっても良い。
【0091】
径方向と直交する方向における第1の段状面94の長さは、径方向における内周面92の長さよりも短い。言い換えると、第1の段状面94の端94aと端94bとの間の距離は、接合面93と第1の段状面94との間の距離よりも短い。
【0092】
第2の段状面95は、第1の段状面94から径方向の内側Driに延びる略筒状の面である。第2の段状面95は、嵌合口91の一部を形成(規定、又は区画)する。第2の段状面95は、嵌合口91の内側に向く。
【0093】
径方向の外側Droにおける第2の段状面95の端95aは、第1の段状面94の端94bに接続される。径方向の内側Driにおける第2の段状面95の端95bは、フレーム21の部分内面41の縁41bに接続される。端95bは、端95aの反対側に位置する。
【0094】
径方向における第2の段状面95の長さは、径方向における内周面92の長さよりも短い。言い換えると、第2の段状面95の端95aと端95bとの間の距離は、接合面93と第1の段状面94との間の距離よりも短い。
【0095】
フレーム21は、段97をさらに有する。段97は、第1の突起の一例である。段97は、内周面92から突出する。段97は、接合面93から径方向の内側Driに離間している。第1の段状面94及び第2の段状面95は、段97に設けられる。
【0096】
端子板24のカバー35は、栓部101と、フランジ102とを有する。栓部101は、略柱状に形成され、嵌合口91に嵌められる。このため、栓部101は、嵌合口91を塞ぐ。栓部101は、外周面103と、第1の段状面104と、第2の段状面105とを有する。第1の段状面104は、第2の面の一例である。
【0097】
外周面103は、径方向に延びる略筒状の面である。外周面103の大きさは、内周面92の大きさと等しいか、僅かに小さい。また、径方向において、外周面103の長さは、内周面92の長さと略等しい。
【0098】
外周面103は、内周面92に面する。外周面103は、内周面92に接触しても良いし、内周面92から僅かに離間していても良い。外周面103と内周面92とは、略平行に配置される。
【0099】
径方向と直交する方向における第1の段状面104の一方の端104aは、径方向の内側Driにおける外周面103の端に接続される。径方向と直交する方向における第1の段状面104の他方の端104bは、第2の段状面105に接続される。
【0100】
第1の段状面104は、例えば、外周面103の端から延びる略環状の平面である。第1の段状面104は、径方向の内側Driに向く。このため、第1の段状面104は、径方向と交差する。なお、第1の段状面104は、内周面92が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。
【0101】
第1の段状面104は、フレーム21の第1の段状面94に面する。第1の段状面104は、第1の段状面94に接触しても良いし、第1の段状面94から僅かに離間しても良い。フレーム21及びカバー35の第1の段状面94,104は、略平行に配置される。
【0102】
第2の段状面105は、第1の段状面104から径方向の内側Driに延びる略筒状の面である。径方向の外側Droにおける第2の段状面105の端105aは、第1の段状面104の端104bに接続される。径方向の内側Driにおける第2の段状面105の端105bは、端子板24の部分内面44の縁44aに接続される。端105bは、端105aの反対側に位置する。
【0103】
第2の段状面105は、フレーム21の第2の段状面95に面する。第2の段状面105は、第2の段状面95に接触しても良いし、第2の段状面95から僅かに離間しても良い。フレーム21及びカバー35の第2の段状面95,105は、略平行に配置される。
【0104】
フランジ102は、栓部101から径方向の外側に突出し、フレーム21の接合面93を覆う。フランジ102は、接合面106を有する。接合面106は、第2の接合面の一例である。接合面106は、例えば、径方向の内側Driにおけるフランジ102の端に設けられる。なお、接合面106は、他の位置に設けられても良い。接合面106は、径方向の外側Droにおける外周面103の端に接続される。
【0105】
接合面106は、例えば、外周面103の端から延びる略環状の平面である。接合面106は、径方向の内側Driに向く。なお、接合面106は、内周面92が向く方向と交差する他の方向に向いても良い。
【0106】
接合面106は、フレーム21の接合面93に面する。接合面106は、接合面93に接触しても良いし、接合面93から僅かに離間しても良い。接合面106と接合面93とは、略平行に配置される。
【0107】
径方向と直交する方向における第1の段状面104の長さは、径方向における外周面103の長さよりも短い。言い換えると、第1の段状面104の端104aと端104bとの間の距離は、接合面106と第1の段状面104との間の距離よりも短い。また、第2の段状面105の端105aと端105bとの間の距離は、接合面106と第1の段状面104との間の距離よりも短い。
【0108】
接合面106に、貫通孔107が設けられる。言い換えると、カバー35に、接合面106で開口する貫通孔107が設けられる。貫通孔107は、第3の孔の一例である。貫通孔107は、フランジ102を径方向に貫通する。貫通孔107は、当該貫通孔107の内側を第3のボルト27が通ることが可能な直径を有する。貫通孔107は、ボルト穴96に連通している。
【0109】
第3のボルト27は、筐体14の外部から、カバー35の貫通孔107を通り、フレーム21のボルト穴96に挿入される。言い換えると、第3のボルト27は、貫通孔107及びボルト穴96に嵌る。これにより、第3のボルト27は、フレーム21とカバー35とを互いに結合させる。
【0110】
上述のように、フレーム21の第2の段状面95は、部分内面41の縁41bに接続されている。さらに、カバー35の第2の段状面105は、部分内面44の縁44aに接続されている。このため、第2の段状面95,105は、内面40に接続されている。
【0111】
部分内面41は、縁41bにおいて、径方向の内側Driに向く。また、部分内面44は、縁44aにおいて、径方向の内側Driに向く。部分内面41の縁41bと、部分内面44の縁44aとは、径方向において略同一位置にある。このため、部分内面41と、部分内面44とは、実質的に滑らかに連続する面を形成する。
【0112】
防爆モータである電動機10は、もし部屋30で爆発が生じたとしても、火花が筐体14の外部に到達することを抑制できる。以下の記載は、部屋30で爆発が生じた場合について説明する。なお、電動機10は、部屋30で爆発が生じることを抑制可能な種々の構成を備える。
【0113】
図2に示すように、フレーム21とブラケット22との間に、隙間G1,G2,G3が設けられることがある。隙間G1は、接合面53と接合面65との間に設けられる。隙間G2は、内周面52と外周面63との間に設けられる。隙間G3は、段状面54と端面64との間に設けられる。
【0114】
隙間G1は、径方向に延び、筐体14の外部に連通する。さらに、隙間G1は、貫通孔66を通じて筐体14の外部に連通する。隙間G3は、径方向に延び、部屋30に連通する。隙間G2は、軸方向に延び、隙間G1と隙間G3とを連通する。このため、部屋30は、隙間G1,G2,G3及び貫通孔66を通じて筐体14の外部に連通する虞がある。
【0115】
部屋30で爆発が生じると、火花が隙間G3に侵入する虞がある。しかし、火花は、隙間G3と隙間G2とが接続される部分において、内周面52に衝突し、圧力損失を生じる。圧力が低減された火花は、隙間G3よりも長い隙間G2を軸方向に進む。このため、電動機10は、隙間G2において火花を消失させることができる。
【0116】
図3に示すように、ブラケット22と油切23との間に、隙間G4,G5,G6が設けられることがある。隙間G4は、接合面73と接合面84との間に設けられる。隙間G5は、内周面72と外周面83との間に設けられる。隙間G6は、端面74と側面86との間に設けられる。
【0117】
隙間G4は、径方向に延びている。隙間G4は、例えば、軸受室33と、シャフト13とブラケット22との間の隙間と、を通じて筐体14の外部に連通する。さらに、隙間G4は、軸受室33と貫通孔75とを通じて筐体14の外部に連通する。隙間G6は、径方向に延び、部屋30に連通する。隙間G5は、軸方向に延び、隙間G4と隙間G6とを連通する。このため、部屋30は、隙間G4,G5,G6及び貫通孔75を通じて筐体14の外部に連通する虞がある。
【0118】
部屋30で爆発が生じると、火花が隙間G6に侵入する虞がある。しかし、火花は、隙間G6と隙間G5とが接続される部分において、外周面83に衝突し、圧力損失を生じる。圧力が低減された火花は、隙間G6よりも長い隙間G5を軸方向に進む。このため、電動機10は、隙間G5において火花を消失させることができる。
【0119】
図4に示すように、フレーム21と端子板24との間に、隙間G7,G8,G9,G10が設けられることがある。隙間G7は、接合面93と接合面106との間に設けられる。隙間G8は、内周面92と外周面103との間に設けられる。隙間G9は、第1の段状面94と第1の段状面104との間に設けられる。隙間G10は、第2の段状面95と第2の段状面105との間に設けられる。
【0120】
隙間G7は、径方向と直交する方向に延び、筐体14の外部に連通する。さらに、隙間G7は、貫通孔107を通じて筐体14の外部に連通する。隙間G10は、径方向に延び、部屋30に連通する。隙間G8は、径方向に延び、隙間G7と隙間G9とを連通する。隙間G9は、径方向と直交する方向に延び、隙間G8と隙間G10とを連通する。このため、部屋30は、隙間G7,G8,G9,G10及び貫通孔107を通じて筐体14の外部に連通する虞がある。
【0121】
部屋30で爆発が生じると、火花が隙間G10に侵入する虞がある。しかし、火花は、隙間G10と隙間G9とが接続される部分において、第1の段状面104に衝突し、圧力損失を生じる。圧力が低減された火花は、隙間G9を径方向と直交する方向に進む。このため、電動機10は、隙間G9において火花を消失させることができる。
【0122】
火花は、隙間G9を通過する虞がある。しかし、火花は、隙間G8と隙間G9とが接続される部分において、内周面92に衝突し、圧力損失を生じる。圧力が低減された火花は、隙間G9よりも長い隙間G8を径方向に進む。このため、電動機10は、隙間G8において火花を消失させることができる。
【0123】
以上説明された実施形態に係る回転電機において、筐体は、第1の部材と、第2の部材と、ボルトとを有する。ボルトは、第1の部材と第2の部材とを互いに結合させる。筐体に、ステータ及びロータが収容される部屋が設けられる。第1の部材に、第1の方向に当該第1の部材を貫通して部屋と筐体の外部とを連通する第1の孔が設けられる。第1の部材は、内周面と、第1の接合面と、第1の面とを有する。内周面は、第1の孔の内側に向く。第1の接合面は、第1の方向における内周面の端に接続され、内周面が向く方向と交差する方向に向くとともに、ボルトが嵌る第2の孔が設けられる。第1の面は、第1の方向の反対の第2の方向における内周面の端に接続され、内周面が向く方向と交差する方向に向く。第2の部材は、第1の孔に嵌められる。第2の部材は、外周面と、第2の接合面と、第2の面とを有する。外周面は、内周面に面する。第2の接合面は、第1の方向における外周面の端に接続され、第1の接合面に面し、ボルトが嵌る第3の孔が設けられる。第2の面は、第2の方向における外周面の端に接続され、第1の面に面する。以上の回転電機において、内周面と外周面との間、第1の接合面と第2の接合面との間、そして第1の面と第2の面との間のそれぞれに、隙間が生じる場合がある。そして、ボルトによって互いに接合される第1の接合面と第2の接合面との間の隙間は、内周面と外周面との間の隙間、及び第1の面と第2の面との間の隙間、を通じて部屋に連通し得る。内周面と外周面との間の隙間が延びる方向は、第1の接合面と第2の接合面との間の隙間が延びる方向と異なり、且つ第1の面と第2の面との間の隙間が延びる方向とも異なる。このため、部屋において爆発が発生した場合、当該爆発により生じる火花は、第1の面と第2の面との間の隙間に侵入すると、内周面又は外周面に衝突する。従って、本実施形態の回転電機は、火花に衝突による圧力損失を生じさせ、火花が第1の接合面と第2の接合面との間の隙間及び貫通孔を通って筐体の外部に到達することを抑制できる。また、第1の面と第2の面との間の隙間が延びる方向は、内周面と外周面との間の隙間が延びる方向と異なる。このため、回転電機は、内周面と外周面との間の隙間が延びる方向に大型化することなく、部屋から筐体の外部までの距離(沿面距離)を長くすることができ、火花が筐体の外部に到達することを抑制できる。
【0124】
筐体は、部屋を規定する内面を有する。第1の面及び第2の面のうち少なくとも一方は、内面に接続され、シャフトの軸方向と交差する。これにより、第1の面と第2の面との間の隙間は軸方向と交差する方向に延びる。部屋は、一般的に、シャフトの軸方向に延びている。このため、部屋で生じた爆発は、シャフトの軸方向に広がる傾向にある。従って、本実施形態の回転電機は、第1の面と第2の面との間の隙間を、爆発が広がるシャフトの軸方向と交差する方向に延ばすことで、火花が第1の面と第2の面との間の隙間に侵入することを抑制できる。
【0125】
内面は、第1の内面と第2の内面とを有する。第1の内面は、第1の部材に含まれる。第2の内面は、第2の部材に含まれる。第1の面は、第1の内面の第1の縁に接続される。第2の面は、第2の内面の第2の縁に接続される。第1の縁と第2の縁とは、第1の面及び第2の面のうち少なくとも一方が向く方向において同一位置にある。これにより、第1の内面と第2の内面とが、第1の縁及び第2の縁で実質的に滑らかに連続する。これにより、部屋において爆発が発生した場合、当該爆発により生じる火花は、連続する第1の内面及び第2の内面に沿って流れやすくなる。従って、本実施形態の回転電機は、火花が第1の面と第2の面との間の隙間に侵入することを抑制できる。
【0126】
第1の面は、内周面に接続された第1の端と、第1の端の反対側の第2の端と、を有する。第1の端と第2の端との間の距離は、第1の接合面と第1の面との間の距離よりも短い。すなわち、第1の面と第2の面との間の隙間の長さ(沿面距離)は、内周面と外周面との間の隙間の長さ(沿面距離)よりも短い。このため、第1の面と第2の面との間の隙間に侵入した火花は、すぐに圧力損失を生じる。従って、本実施形態の回転電機は、火花をすぐに弱めることができ、当該火花が筐体の外部に到達することを抑制できる。
【0127】
第1の面は、内周面から突出した第1の突起に設けられる。これにより、第1の突起が第2の部材を支持することができる。従って、本実施形態の回転電機は、第1の部材と第2の部材とが互いに結合された部分の強度を向上できる。
【0128】
第2の面は、外周面から突出した第2の突起に設けられる。これにより、第2の突起が第1の部材に支持されることができる。従って、本実施形態の回転電機は、第1の部材と第2の部材とが互いに結合された部分の強度を向上できる。
【0129】
第1の部材は、フレームを有する。フレームは、ステータ及びロータを囲むとともに、ステータに固定される。第2の部材は、ブラケットを有する。ブラケットは、シャフトの軸方向におけるフレームの端部を塞ぐ。これにより、本実施形態の回転電機は、火花がフレームとブラケットとの間の隙間を通って筐体の外部に到達することを抑制できる。
【0130】
筐体は、フレームと、ブラケットと、壁とを有する。フレームは、ステータ及びロータを囲むとともにステータに固定される。ブラケットは、シャフトの軸方向におけるフレームの端部を塞ぐ。壁は、ブラケットに取り付けられる。軸受は、壁とブラケットとの間に位置するとともにシャフトを回転可能に支持する。第1の部材及び第2の部材のうち一方は、ブラケットを有する。第1の部材及び第2の部材のうち他方は、壁を有する。これにより、本実施形態の回転電機は、火花がブラケットと壁との間の隙間を通って筐体の外部に到達することを抑制できる。
【0131】
第1の部材は、フレームを有する。フレームは、ステータ及びロータを囲むとともにステータに固定される。第2の部材は、カバーと端子とを有する。カバーは、第1の孔を塞ぐ。端子は、カバーを貫通してステータに電気的に接続される。これにより、本実施形態の回転電機は、火花がフレームとカバーとの間の隙間を通って筐体の外部に到達することを抑制できる。
【0132】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0133】
上述の本発明の実施形態は、発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲に含まれる一例に過ぎない。本発明のある実施形態は、上述の実施形態に対して、例えば、具体的な用途、構造、形状、作用、及び効果の少なくとも一部について、発明の要旨を逸脱しない範囲において変更、省略、及び追加がされたものであっても良い。
【符号の説明】
【0134】
10…電動機、11…ステータ、12…ロータ、13…シャフト、14…筐体、21…フレーム、22…ブラケット、23…油切、24…端子板、25…第1のボルト、26…第2のボルト、27…第3のボルト、30…部屋、31…挿通孔、51…嵌合口、52…内周面、53…接合面、54…段状面、55…ボルト穴、63…外周面、65…接合面、66…貫通孔、72…内周面、73…接合面、74…端面、75…貫通孔、83…外周面、84…接合面、85…ボルト穴、91…嵌合口、92…内周面、93…接合面、94…第1の段状面、96…ボルト穴、103…外周面、104…第1の段状面、107…貫通孔、Dxo…軸方向の外側、Dro…径方向の外側、Dxi…軸方向の内側、Dri…径方向の内側。
図1
図2
図3
図4