IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特開2024-127076情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127076
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/20 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
G06T11/20 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035940
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐地 宏太
【テーマコード(参考)】
5B080
【Fターム(参考)】
5B080FA00
(57)【要約】
【課題】座標面上の座標を分かりやすい形式で表示できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、表示装置に表示される座標面における座標軸の設定に係る座標軸情報を取得し、座標軸情報が第1の条件を満たしている場合に、座標面上の点の座標を、数学記号を含む数学的記法で表示する制御部を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示される座標面における座標軸の設定に係る座標軸情報を取得し、
前記座標軸情報が第1の条件を満たしている場合に、前記座標面上の点の座標を、数学記号を含む数学的記法で表示する制御部を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の条件は、座標軸が特定の軸である条件又は座標軸の目盛が特定の目盛である条件であり、
前記制御部は、前記座標軸情報が示す座標軸が前記特定の軸であるか否かの判定又は前記座標軸情報が示す座標軸の目盛が前記特定の目盛であるか否かの判定を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記座標軸情報が示す座標軸との関係が第2の条件を満たしている前記点の座標を、前記数学記号を含む数学的記法で表示する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の条件は、座標軸の設定又は座標軸の目盛の設定に応じて決められる特定の座標である条件であり、
前記制御部は、前記点の座標が前記特定の座標であるか否かの判定を行う、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記座標軸情報が第1の条件を満たし、かつ、前記点の座標が前記第2の条件を満たす場合に、前記点の座標を、数学記号を含む数学的記法で表示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記点の座標は、ユーザが前記座標面上で指定した1つの点に対応する座標である、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の条件が満たされ、かつ、前記点が前記座標面上に設定されたグリッド線の近傍の点である場合に、前記点の座標を、前記数学記号を含む数学的記法で表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記点が前記座標面上に設定されたグリッド線の近傍の点でない場合に、前記点の座標を、10進小数値で表示する請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、ユーザが前記点のプロットのために入力した数式が前記数学記号を含む数学的記法を用いて入力されている場合に、前記数式によってプロットされる前記点の座標を、前記数学記号を含む数学的記法で表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、ユーザが前記点のプロットのために入力した数式が前記数学記号を含む数学的記法を用いて入力されていない場合に、前記数式によってプロットされる前記点の座標を、10進小数値で表示する請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記点の座標の表示設定が10進小数値で表示する設定である場合には、前記点の座標を10進小数値で表示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記特定の軸は、対数軸であり、
前記特定の目盛は、円周率記号を含む目盛又は指数表示の目盛である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
表示装置に表示される座標面における座標軸の設定に係る座標軸情報を取得することと、
前記座標軸情報が第1の条件を満たしている場合に、前記座標面上の点の座標を、数学記号を含む数学的記法で表示することと、
を具備する情報処理方法。
【請求項14】
表示装置に表示される座標面における座標軸の設定に係る座標軸情報を取得することと、
前記座標軸情報が第1の条件を満たしている場合に、前記座標面上の点の座標を、数学記号を含む数学的記法で表示することと、
をプロセッサに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが入力した数式に対応するグラフを表示画面に描画する機能であるグラフ描画機能が知られている。この種のグラフ表示機能は、関数電卓に搭載されたり、コンピュータ上で実行される表計算ソフトウェアに搭載されたりしている。また、この種のグラフ表示機能は、コンピュータのウェブブラウザ上で実行される教育用のウェブアプリケーションの1つの機能として搭載されることもある。また、この種のグラフ表示機能において、座標面上にプロットされた点がユーザにより選択された場合、選択された点の座標を表示する機能も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-185685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のグラフ表示機能においては、通常、選択された点の座標が10進小数値を用いて表示される。このような表示は、グラフ関数又は軸の数値が10進数で表される数値である場合には好適である。一方、グラフ関数又は軸の数値は必ずしも10進数の数値で表されるとは限らない。例えば、三角関数は弧度法で表されることもある。弧度法で表される三角関数のグラフの場合、座標軸の目盛が円周率を基準にして表示されていると分かりやすいことがある。また、座標軸の目盛に指数、対数、分数、無理数等の10進小数値では表しきることができない数値が用いられることもある。このように、座標軸の目盛が指数、対数、無理数、分数等で表示される場合、選択された点の座標の表示も軸の表示と合わせられている方がわかりやすい場合がある。
【0005】
本開示は、座標面上の座標を分かりやすい形式で表示できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、表示装置に表示される座標面における座標軸の設定に係る座標軸情報を取得し、座標軸情報が第1の条件を満たしている場合に、座標面上の点の座標を、数学記号を含む数学的記法で表示する制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、座標面上の座標を分かりやすい形式で表示できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、システムの詳細な構成を示す図である。
図3図3は、端末のウェブブラウザ上で動作するアプリケーションによる画面表示の一例を示す図である。
図4図4は、端末におけるグラフ付箋の処理について示すフローチャートである。
図5図5は、表示設定が10進小数表示の場合の表示例を示す図である。
図6図6は、表示設定が数学自然表示の場合の表示例を示す図である。
図7図7は、表示設定が数学自然表示の場合の別の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、一実施形態に係るシステム1の構成の一例を示す図である。システム1は、端末10と、サーバ20とを含む。端末10とサーバ20とは、ネットワーク30を介して通信可能に接続される。ネットワーク30は、例えばインターネットである。図1には、1台の端末10のみが示されているが、端末10の台数は1台に限定されない。すなわち、端末10は2台以上であってもよい。
【0010】
図2は、システム1の詳細な構成を示す図である。端末10は、プロセッサ11と、ROM12と、RAM13と、ストレージ14と、入力装置15と、表示装置16と、通信装置17とを有する情報処理装置である。これらの各々は、システムバス18を介して互いに接続されている。端末10は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートフォン等のブラウザ機能を備えた電子機器であってよい。また、端末10は、通信機能を備えた関数電卓等であってもよい。
【0011】
プロセッサ11は、端末10の各種動作を制御するプロセッサである。プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)等を含む集積回路であってよい。プロセッサ11として、CPU以外のプロセッサ、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphic Processing unit)等が用いられてもよい。プロセッサ11は、サーバ20のウェブアプリケーションに従って処理を実行することにより、制御部として動作し得る。
【0012】
ROM12は、端末10の起動プログラム等を記録している。RAM13は、プロセッサ11等のための主記憶装置である。
【0013】
ストレージ14は、記憶装置として動作し得る。ストレージ14には、プロセッサ11で用いられる端末制御プログラム等の各種プログラム、パラメータ等が記憶されている。プロセッサ11は、入力装置15からの入力信号等に応じて各種プログラムを実行することで端末10の動作を制御する。各種プログラムは、例えばブラウザアプリケーション141を含む。ブラウザアプリケーションは、サーバ20から提供されるコンテンツを表示装置16に表示するためのアプリケーションプログラムである。
【0014】
入力装置15は、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。また、入力装置15は、マイクロホン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含んでいてもよい。入力装置15を介したユーザ操作に応じて、そのユーザ操作の内容を示す信号がシステムバス18を介してプロセッサ11に入力される。
【0015】
表示装置16は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。表示装置16は、端末10に一体的に設けられていてもよいし、端末10とは別に設けられていてもよい。表示装置16には、各種の画像が表示される。
【0016】
通信装置17は、ネットワーク30等の外部の通信ネットワークと通信するための回路を含む。通信装置17は、通信部として動作し得る。
【0017】
サーバ20は、プロセッサ21と、ROM22と、RAM23と、ストレージ24と、通信装置25とを有する情報処理装置である。これらの各々は、システムバス26を介して互いに接続されている。
【0018】
プロセッサ21は、サーバ20の各種動作を制御するプロセッサである。プロセッサ21は、CPU等を含む集積回路であってよい。プロセッサ21として、CPU以外のプロセッサ、例えば、ASIC、FPGA、GPU等が用いられてもよい。
【0019】
ROM22は、プロセッサ21等の動作に用いられる情報を記録している。RAM23は、プロセッサ21等の動作のための主記憶装置である。
【0020】
ストレージ24は、記憶装置として動作し得る。ストレージ24には、プロセッサ21で用いられるサーバ制御プログラム等の各種プログラム、パラメータ等が記憶されている。プロセッサ21は、各種プログラムを実行することでサーバ20の動作を制御する。各種プログラムは、ウェブアプリケーション241を含む。ウェブアプリケーション241は、端末10のウェブブラウザ上で実行される教育用のアプリケーションである。ウェブアプリケーション241は、教育に供する各種のコンテンツ、例えば辞書コンテンツ、表計算コンテンツ、問題集コンテンツといったコンテンツ242を統合的に管理する教育用プラットフォームアプリケーションであり得る。
【0021】
また、ストレージ24には、グラフデータ243が格納され得る。グラフデータ243は、ユーザによって作成が指示されたグラフの各プロット点の座標のデータである。以下での「グラフ」は、座標面におけるプロット点の集合を表す図形である。実施形態において、座標は、10進小数形式と、数学自然形式の2通りで管理される。具体的には、座標面に設定されたグリッド線の座標は、10進小数形式と、数学自然形式の2通りで管理される。一方、グリッド線以外の座標は、10進小数形式で管理される。10進小数形式は、点の座標を10進小数値のデータ、例えばデシマルデータで管理する形式である。10進小数形式では、例えば、円周率は3.14159…という10進小数値として管理される。円周率等の無限小数は、適当な桁で丸められて管理される。数学自然形式は、点の座標を数学記号を含む数学的記法を用いて表示できるデータ、例えばLaTeXデータで管理する形式である。数学自然形式では、例えば、円周率は円周率記号πとして表示できるように管理される。この他、数学自然形式では、点の座標が、分数記号、ルート記号、対数記号等を用いて表示できるように管理されることもある。勿論、数学自然形式であっても、数値が10進小数値で管理されることもある。何れの数学記号が用いられるかは、グラフの作成の元となった数式及び/又はユーザによって指定された座標軸に基づいて決められ得る。以下、10進小数形式で管理される座標の値は10進小数値と記載され、数学自然形式で管理される座標の値は数学自然値と記載されることとする。
【0022】
通信装置25は、ネットワーク30等の外部の通信ネットワークと通信するための回路を含む。通信装置25は、通信部として動作し得る。
【0023】
一例では、ユーザは、端末10で動作するウェブブラウザにおいてサーバ20のアドレスを指定する。このとき、サーバ20に記憶されているウェブアプリケーションのための表示画面が端末10のウェブブラウザ上に表示される。この表示画面上での入力装置15を介した操作に応じてサーバ20へのリクエストが発行される。この操作は、ユーザの作業領域上での各種の入力操作等を含む。サーバ20は、リクエストに応じた処理を実行し、処理結果をレスポンスとして端末10に返す。端末10は、サーバ20からのレスポンスに従ってユーザの操作に応じた表示等をする。このように、システム1では、端末10のウェブブラウザ上で動作するプログラムとサーバ20のプログラムとにより、ウェブアプリケーションとしての機能が実現される。
【0024】
このようなウェブアプリケーションは、例えば、ICT(Information and Communication Technology)化が進む学校教育の現場において活用され得る。
【0025】
図3は、端末10のウェブブラウザ上で動作するアプリケーションによる画面表示の一例を示す図である。端末10の表示装置16に表示される画面160は、「ノートブック」と呼ばれる作業領域(表示領域)を含む。ノートブックには、作成する電子付箋の種別を選択するための複数のアイコン(以下、付箋アイコンと称する)が表示される。複数の付箋アイコンは、付箋アイコン1601、1602、1603、1604、1605、1606及び1607を含む。これらの付箋アイコンの選択により、ノートブックには、種々の電子付箋が表示され得る。電子付箋は、ウェブアプリケーションに係る種々の情報を表示するための小さな表示領域を有するオブジェクト(表示体)である。電子付箋は、表示領域(ノートブックの作業領域)内の任意の位置に配置され、ユーザ操作に応じて少なくとも表示位置を変更できるフローティングオブジェクトであってよい。
【0026】
付箋アイコン1601は、ユーザによる手描き入力のための電子付箋を表示させる手描き付箋アイコンである。付箋アイコン1601が選択された場合には、ユーザによる手描き入力を受け付けることができる手描き付箋がノートブック内に表示される。
【0027】
付箋アイコン1602は、ユーザによるテキスト入力のための電子付箋を表示させるテキスト付箋アイコンである。付箋アイコン1602が選択された場合には、ユーザによるテキスト入力を受け付けることができるテキスト付箋がノートブック内に表示される。
【0028】
付箋アイコン1603は、ユーザによる画像入力を受け付けるための電子付箋を表示させるカメラ付箋アイコンである。付箋アイコン1603が選択された場合には、画像の入力を受け付けることができるカメラ付箋がノートブックに表示されるとともに図示しない端末10のカメラが起動され、カメラによって得られた画像がこのカメラ付箋に貼り付けられる。
【0029】
付箋アイコン1604は、Webページの操作のための電子付箋を表示させるリンク付箋アイコンである。付箋アイコン1604が選択された場合には、URL(Universal Resource Locator)の入力が受け付けられる。URLの入力により、対応するWebページが表示されたリンク付箋がノートブックに表示される。ユーザは、リンク付箋内でWebページに対する操作を実施し得る。
【0030】
付箋アイコン1605は、ファイル操作のための電子付箋を表示させるファイル付箋アイコンである。付箋アイコン1605が選択された場合には、ファイルの選択が受け付けられる。ファイルの選択により、ファイルの内容が表示された状態のファイル付箋がノートブックに表示される。ユーザは、ファイル付箋内で対応するファイルに対する操作を実施し得る。
【0031】
付箋アイコン1606は、辞書コンテンツ及び問題集コンテンツの操作のための電子付箋を表示させる付箋アイコンである。付箋アイコン1606が選択された場合には、ユーザによる辞書コンテンツ及び問題集コンテンツ等の選択を受け付ける辞書付箋がノートブックに表示される。ユーザは、所望の辞書コンテンツ又は問題集コンテンツを選択することにより、辞書付箋内又は辞書付箋外で対応する辞書や問題集コンテンツに対する操作を実施し得る。
【0032】
付箋アイコン1607は、数式、グラフ作成及び表計算等のテキスト以外の入力を受け付けるための各種のツール付箋を表示させる付箋アイコンである。付箋アイコン1607が選択された場合には、さらにツールの選択が受け付けられる。ツールの選択により、数式、グラフ、テーブル等を作成するためのツール付箋がノートブックに表示される。ユーザは、このツール付箋の中で数式、グラフ、テーブル等を作成し得る。
【0033】
図3では、グラフ作成用のグラフ付箋1607aがノートブックに表示されている例が示されている。例えば、ユーザによってグラフ描画のための数式が入力された場合に、グラフ付箋1607aの座標面上にグラフが描画される。このとき、ユーザによって入力された数式は、グラフ付箋1607aとは別の数式付箋1607bに表示される。そして、グラフ付箋1607aと数式付箋1607bとは相互に関連があることを示す紐で結ばれる。なお、グラフは、必ずしも数式の入力によって描画される必要はない。例えば、グラフは、ユーザによって座標面上の点がプロットされることによって入力されてもよいし、プロット点の座標を表すテーブルから入力されてもよい。
【0034】
また、グラフ付箋1607aには、メニューアイコン1607cが設けられている。メニューアイコン1607cは、メニューを表示するためのアイコンである。ユーザは、メニューから各種のグラフの設定を実施し得る。グラフの設定は、例えばグラフの軸の設定を含む。グラフの軸の設定は、グラフ軸の目盛の表示を10進数表示に切り替えたり、円周率表示に切り替えたり、分数表示に切り替えたり、指数表示に切り替えたり、対数表示に切り替えたりする設定を含む。また、グラフの軸の設定は、グラフの軸を、対数軸に切り替えたり、指数軸に切り替えたりする設定を含む。この他、グラフの軸の設定は、グリッド線の表示/非表示の設定、軸の表示/非表示の設定、軸名の表示/非表示の設定、目盛の表示/非表示の設定、x軸及びy軸の目盛り間隔の設定等を含み得る。また、グラフの設定は、表示設定を含む。また、表示設定は、座標の表示を10進小数表示で実施するか、数学自然表示で実施するかの設定を含む。10進小数表示は、座標を10進小数形式で表示する設定である。例えば、正弦関数y=sin(x)上の点の座標(π,0)の有効数字3桁の10進小数表示は、(3.14,0)である。数学自然表示は、座標を数学自然形式で表示する設定である。例えば、正弦関数y=sin(x)上の点の座標(π,0)の数学自然表示は、(π,0)である。この他、グラフの設定は、定義域の設定、値域の設定を含み得る。
【0035】
また、ノートブックには、保管アイコン1608、提出アイコン1609、配布アイコン1610も表示される。保管アイコン1608は、現在のノートブックにおいて作成された電子付箋を保管する際にユーザによって選択されるアイコンである。保管アイコン1608が選択された場合には、サーバ20のストレージ24にユーザによって作成された電子付箋のデータが保管される。提出アイコン1609は、現在のノートブックにおいて作成された電子付箋を所定の提出先に提出する際にユーザによって選択されるアイコンである。例えば、ユーザが生徒であれば、所定の提出先は教師である。ユーザが提出アイコン1609を選択することにより、教師に対してユーザからの電子付箋の提出があった旨の通知がなされる。教師は、この通知に合わせて設定されているリンクを選択することにより、ユーザから提出された電子付箋を閲覧し得る。配布アイコン1610は、現在のノートブックにおいて作成された電子付箋を任意の配布先に送信する際にユーザによって選択されるアイコンである。ユーザが配布アイコン1610を選択し、送信先を設定することにより、送信先に対してユーザからの電子付箋の配布があった旨の通知がなされる。送信先のユーザは、この通知に合わせて設定されているリンクを選択することにより、配布された電子付箋を閲覧し得る。
【0036】
ここで、図3の画面は一例である。図3で示したすべてのアイコンが必ずしも表示される必要はない。また、図3では示していないアイコンがさらに表示されてもよい。
【0037】
以下、システム1の動作を説明する。図4は、端末10におけるグラフ付箋の処理について示すフローチャートである。ここで、以下の説明では、端末10とサーバ20との通信接続が確立しており、端末10のウェブブラウザ上でサーバ20からダウンロードされたウェブアプリケーションが実行されているものとする。また、以下の説明では、付箋アイコン1607からの選択によってグラフ付箋がノートブック上に表示されているものとする。さらには、数式の入力又はテーブルからの入力によって幾つかのプロット点がグラフ付箋の座標面上に表示されているとする。
【0038】
ステップS1において、端末10のプロセッサ11は、メニューを表示するか否かを判定する。例えば、メニューアイコン1607cが選択された場合にメニューを表示すると判定される。なお、メニューの表示のさせ方はこれに限らない。右クリック等の所定の操作がされた場合にメニューを表示すると判定されてもよい。ステップS1において、メニューを表示すると判定された場合には、処理はステップS2に移行する。ステップS1において、メニューを表示すると判定されていない場合には、処理はステップS10に移行する。
【0039】
ステップS2において、プロセッサ11は、メニューを表示させる。前述したように、メニューは、グラフの軸の設定、グラフの表示設定等の設定項目を含む。
【0040】
ステップS3において、プロセッサ11は、軸の設定の切り替えを行うか否かを判定する。メニューにおいて、軸の目盛の表示の切り替え、他の軸への切り替え、グリッド線の表示と非表示の切り替え、軸の表示と非表示の切り替え、軸名の表示と非表示の切り替え、目盛の表示と非表示の切り替え、x軸及びy軸の目盛り間隔の切り替え等の軸の設定に関する切り替えの操作がされた場合には、軸の設定の切り替えを行うと判定される。また、入力された数式に応じて軸の設定の切り替えを行うと判定されてもよい。例えば、グラフ関数として数学自然値を含む数式が入力された場合には、目盛の表示が数学自然値である軸が指定されるように構成されてもよい。一例として、グラフ関数として弧度法表記の三角関数の数式が入力された場合には、目盛の表示が円周率表示である軸が指定されるように構成されてもよい。ステップS3において、軸の設定の切り替えを行うと判定された場合には、処理はステップS4に移行する。ステップS3において、軸の設定の切り替えを行うと判定されていない場合には、処理はステップS5に移行する。
【0041】
ステップS4において、プロセッサ11は、軸の切り替えを行う。プロセッサ11は、切り替え後の軸の情報をサーバ20に送信する。サーバ20のプロセッサ21は、対応するグラフデータ243として保持されているそれぞれのプロット点を切り替え後の軸によって構成されるグラフ付箋の座標面上にプロットすることでプロット点を再描画する。ここで、他の軸への切り替えに際して目盛の表示が数式自然表示の軸に切り替えられてよい。例えば、対数軸への切り替えに応じて目盛の表示が指数表示に切り替えられてもよい。また、座標面上にグラフが表示されていた場合には、プロセッサ21は、切り替え後の軸によって構成される座標面上にグラフを再描画する。プロット点及び/又はグラフの再描画後、プロセッサ21は、再描画したプロット点及び/又はグラフを含むグラフ付箋を端末10に返却する。これに基づき、端末10のプロセッサ11は、軸の切り替え後のプロット点及び/又はグラフが描画されたグラフ付箋を表示させる。
【0042】
ステップS5において、プロセッサ11は、表示設定の切り替えを行うか否かを判定する。10進小数表示から数学自然表示への切り替え操作又は数学自然表示から10進小数表示への切り替え操作がされた場合には、表示設定の切り替えを行うと判定される。
【0043】
ステップS6において、プロセッサ11は、表示設定の切り替えを行う。例えば、プロセッサ11は、表示設定を10進小数表示から数学自然表示に切り替える。または、プロセッサ11は、表示設定を数学自然表示から10進小数表示に切り替える。ここで、表示設定が実際の表示に反映されるのは、ユーザによってプロット点の選択があった場合である。詳細については後で説明される。
【0044】
ステップS7において、プロセッサ11は、軸の設定の切り替え及び表示設定の切り替え以外のその他の設定を行うか否かを判定する。例えば、定義域の設定の切り替え、値域の設定の切り替えといった操作がされた場合には、その他の設定を行うと判定される。ステップS7において、その他の設定をすると判定された場合には、処理はステップS8に移行する。ステップS7において、その他の設定をすると判定されていない場合には、処理はステップS9に移行する。
【0045】
ステップS8において、プロセッサ11は、その他の設定をする。ここで、その他の設定において、グラフ付箋の座標面に表示されているプロット点及び/又はグラフの更新が必要となった場合には、プロセッサ11は、サーバ20に対してプロット点及び/又はグラフの更新を要求する。これにより、例えば、定義域、値域の切り替えによって、新たに範囲外となったプロット点を非表示としたり、新たに範囲内となったプロット点を表示したりする更新が行われ得る。
【0046】
ステップS9において、プロセッサ11は、メニューの表示を終了するか否かを判定する。例えば、再度のメニューアイコン1601cの選択等のメニュー表示の終了操作がされた場合には、メニューの表示を終了すると判定される。ステップS9において、メニューの表示を終了すると判定された場合には、処理はステップS10に移行する。ステップS9において、メニューの表示を終了すると判定されていない場合には、処理はステップS3に戻る。
【0047】
ステップS10において、プロセッサ11は、プロット点の選択があったか否かを判定する。例えば、座標面上の何れかのプロット点がユーザによって選択された場合には、プロット点の選択があったと判定される。プロット点の選択は、単純に特定のプロット点が選択されるのに加えて、ドラッグ操作等によって選択されたプロット点が移動する場合も含む。この他、テーブルにおいてプロット点の座標の追加の入力があった場合に、プロット点の選択があったと判定される。ステップS10において、プロット点の選択があったと判定された場合には、処理はステップS11に移行する。ステップS10において、プロット点の選択があったと判定されていない場合には、処理はステップS18に移行する。
【0048】
ステップS11において、プロセッサ11は、選択されたプロット点が座標面上のグリッド線の近傍の点であるか否かを判定する。ステップS11における選択されたプロット点は、ユーザの選択操作の終了時点の点である。例えば、ユーザがドラッグ操作等によってプロット点を移動させた場合には、移動後のプロット点が選択されたプロット点となる。また、グリッド線の近傍の点は、グリッド線を基準として予め定められた距離までの点である。この距離は、画面上のピクセル数単位の距離又はマウス等の操作単位の距離として設定され得る。また、この距離は、例えばグリッド線の間隔に応じて決められてよい。また、この距離は、ユーザによって決められてもよい。さらに、前述したように、グリッド線は、非表示ともされ得る。グリッド線が非表示とされている場合には、ステップS11において、常に、選択されたプロット点が座標面上のグリッド線の近傍の点でないと判定されてよい。または、グリッド線が非表示とされている場合であっても、選択されたプロット点が目盛等に応じて決められる仮想的なグリッド線を基準として予め定められた距離までの点である場合には、選択されたプロット点が座標面上のグリッド線の近傍の点であると判定されてもよい。ステップS11において、選択されたプロット点が座標面上のグリッド線の近傍の点であると判定された場合には、処理はステップS12に移行する。ステップS11において、選択されたプロット点が座標面上のグリッド線の近傍の点であると判定されていない場合には、処理はステップS13に移行する。
【0049】
ステップS12において、プロセッサ11は、選択されたプロット点の近傍のグリッド線の10進小数値及び数学自然値をサーバ20のグラフデータ243から取得する。ステップS13において、プロセッサ11は、選択されたプロット点の10進小数値をサーバ20のグラフデータ243から取得する。
【0050】
ステップS14において、プロセッサ11は、取得した値に基づき、選択されたプロット点の座標を設定する。10進小数値及び数学自然値の両方を取得している場合には、プロセッサ11は、取得したグリッド線の10進小数値及び数学自然値の両方をプロット点の座標に設定する。また、10進小数値のみを取得している場合には、プロセッサ11は、取得した10進小数値をプロット点の座標に設定する。つまり、グリッド線の近傍の点は、グリッド線上のプロット点として扱われる。これは、グリッド線の近傍の点に対する選択は、ユーザが本来グリッド線上の点を選択しようとしていたと考えられるためである。なお、ユーザがドラッグ操作等によって移動させたプロット点がグリッド線の近傍の位置であるときには、ユーザがプロット点をグリッド線上に位置させようとしたとして、プロセッサ11は、座標面上のプロット点の位置をグリッド線上の位置に自動的に修正してもよい。このような自動修正の有無をユーザが設定できてもよい。
【0051】
ステップS15において、プロセッサ11は、現在の表示設定を抽出する。
【0052】
ステップS16において、プロセッサ11は、現在の表示設定に応じて、テーブル中のプロット点の座標の表示を更新する。具体的には、現在の表示設定が10進小数表示であれば、プロセッサ11は、テーブル中のプロット点の座標を10進小数値で表示させる。一方、現在の表示設定が数学自然表示であって、かつ、座標に数学自然値が設定されている、すなわち選択されたプロット点がグリッド線の近傍の点である場合には、プロセッサ11は、テーブル中のプロット点の座標を数学自然値で表示させる。また、現在の表示設定が数学自然表示であって、かつ、座標に数学自然値が設定されていない、すなわち選択されたプロット点がグリッド線の近傍の点でない場合には、プロセッサ11は、テーブル中のプロット点の座標を10進小数値で表示させる。
【0053】
ステップS17において、プロセッサ11は、現在の表示設定に応じて、プロット点の近傍に座標を表示する。具体的には、現在の表示設定が10進小数表示であれば、プロセッサ11は、プロット点の座標を10進小数値で表示させる。一方、現在の表示設定が数学自然表示であって、かつ、座標に数学自然値が設定されている、すなわち選択されたプロット点がグリッド線の近傍の点である場合には、プロセッサ11は、プロット点の座標を数学自然値で表示させる。また、現在の表示設定が数学自然表示であって、かつ、座標に数学自然値が設定されていない、すなわち選択されたプロット点がグリッド線の近傍の点でない場合には、プロセッサ11は、プロット点の座標を10進小数値で表示させる。
【0054】
ステップS18において、プロセッサ11は、グラフを表示させるか否かを判定する。例えば、図示しないツールバーからの選択といった予め定められたグラフ表示のための操作がされた場合には、グラフを表示させると判定される。ステップS18において、グラフを表示させると判定された場合には、処理はステップS19に移行する。ステップS18において、グラフを表示させると判定されていない場合には、処理はステップS20に移行する。なお、ステップS18において、表示中のグラフを非表示とするか否かの判定が併せて行われてもよい。
【0055】
ステップS19において、プロセッサ11は、グラフ付箋の座標面上にグラフを表示させる。このために、プロセッサ11は、グラフの描画をサーバ20に要求する。これを受けて、サーバ20のプロセッサ21は、グラフデータ243に基づいてグラフ付箋の座標面にグラフを描画し、グラフが描画されたグラフ付箋を端末10に返却する。これを受けて、プロセッサ11は、グラフが描画されたグラフ付箋を表示させる。また、ステップS18において、表示中のグラフを非表示とするか否かの判定が行われ、これによってグラフを非表示とすると判定された場合に、プロセッサ11は、グラフを非表示としてもよい。この場合、プロセッサ11は、グラフが描画されていないグラフ付箋をサーバ20に対して要求してよい。
【0056】
ステップS20において、プロセッサ11は、グラフ付箋に対する処理を終了するか否かを判定する。例えば、グラフ付箋に設けられた終了アイコンの選択等の予め定められた終了操作があった場合には、グラフ付箋に対する処理を終了すると判定される。ステップS20において、グラフ付箋に対する処理を終了すると判定された場合には、図4の処理は終了する。ステップS20において、グラフ付箋に対する処理を終了すると判定されていない場合には、処理はステップS1に戻る。
【0057】
以下、図5及び図6を用いて座標の表示についてさらに具体的に説明する。図5は、表示設定が10進小数表示の場合の表示例を示す図である。図6は、表示設定が数学自然表示の場合の表示例を示す図である。ここで、図5及び図6の何れにおいても、x軸の目盛の表示として円周率表示が選択されている。図5及び図6のx軸についてはπまでで10本のグリッド線が表示されている。したがって、グリッド線の間隔は、10進小数値では0.314…であり、数学自然値ではπ/10である。
【0058】
まず、表示設定として10進表示が設定されている場合の表示について説明する。図5の画面161においては、座標面上に3点のプロット点が表示されている。これらの3点のプロット点が選択されたものとする。
【0059】
座標面上の3点のうち、2点のプロット点1611は、何れもグリッド線上の点である。この場合、プロセッサ11は、プロット点1611の座標として10進小数値と数学自然値の両方を設定する。前述したように、数学自然値は、πを含む値である。実際の座標の表示の際には、プロセッサ11は、表示設定を参照する。したがって、プロセッサ11は、テーブル1613におけるプロット点1611に対応するテーブルの座標を10進小数値で表示させる。また、プロセッサ11は、プロット点1611のそれぞれの近傍に表示する座標チップ1614において座標を10進小数値で表示させる。
【0060】
一方、プロット点1612は、グリッド線上の点ではない。この場合、プロセッサ11は、プロット点1612の座標として10進小数値を設定する。したがって、プロセッサ11は、テーブル1613におけるプロット点1612に対応するテーブルの座標を10進小数値で表示させる。また、プロセッサ11は、プロット点1612の近傍に表示する座標チップ1615において座標を10進小数値で表示させる。
【0061】
この結果、表示設定が10進小数表示である場合には、取得した座標に数学自然値が含まれている場合であっても、3つの点の座標の何れもが10進小数値で表示される。つまり、ユーザの表示設定が優先されて座標が表示される。
【0062】
次に、表示設定として数学自然表示が設定されている場合の表示について説明する。図5との比較のため、図6の画面162においても、画面161と同じ位置に3点のプロット点が表示されている。これらの3点のプロット点が選択されたものとする。
【0063】
座標面上の3点のうち、2点のプロット点1621は、何れもグリッド線上の点である。この場合、プロセッサ11は、プロット点1621の座標として10進小数値と数学自然値の両方を設定する。実際の座標の表示の際には、プロセッサ11は、表示設定を参照する。したがって、プロセッサ11は、テーブル1623におけるプロット点1621に対応するテーブルの座標を数学自然値で表示させる。また、プロセッサ11は、プロット点1621のそれぞれの近傍に表示する座標チップ1624において座標を数学自然値で表示させる。
【0064】
一方、プロット点1622は、グリッド線上の点ではない。この場合、プロセッサ11は、プロット点1622の座標として10進小数値を設定する。表示設定としては数学自然表示が設定されていても、プロセッサ11は、テーブル1623におけるプロット点1622に対応するテーブルの座標を10進小数値で表示させる。また、プロセッサ11は、プロット点1622の近傍に表示する座標チップ1625において座標を10進小数値で表示させる。
【0065】
この結果、表示設定が数学自然表示である場合には、取得した座標に数学自然値が含まれている場合、すなわち選択されたプロット点がグリッド線の近傍の点である場合には点の座標が数学自然値で表示され、取得した座標に数学自然値が含まれていない場合、すなわち選択されたプロット点がグリッド線の近傍の点でない場合には点の座標が10進小数値で表示される。
【0066】
図6は、目盛にπが用いられているときの表示例である。これに対し、図7は、目盛に指数が用いられているときの表示例を示す図である。
【0067】
座標面上の3点のうち、2点のプロット点1631は、何れもグリッド線上の点である。この場合、プロセッサ11は、プロット点1631の座標として10進小数値と数学自然値の両方を設定する。ここでの数学自然値は、指数を含む数値である。実際の座標の表示の際には、プロセッサ11は、表示設定を参照する。したがって、プロセッサ11は、テーブル1623におけるプロット点1631に対応するテーブルの座標を数学自然値で表示させる。また、プロセッサ11は、プロット点1631のそれぞれの近傍に表示する座標チップ1634において座標を数学自然値で表示させる。
【0068】
一方、プロット点1632は、グリッド線上の点ではない。この場合、プロセッサ11は、プロット点1632の座標として10進小数値を設定する。表示設定としては数学自然表示が設定されていても、プロセッサ11は、テーブル1623におけるプロット点1632に対応するテーブルの座標を10進小数値で表示させる。また、プロセッサ11は、プロット点1632の近傍に表示する座標チップ1635において座標を10進小数値で表示させる。
【0069】
この結果、図7においても図6と同様に、表示設定が数学自然表示である場合には、取得した座標に数学自然値が含まれている場合、すなわち選択されたプロット点がグリッド線の近傍の点である場合には点の座標が数学自然値で表示され、取得した座標に数学自然値が含まれていない場合、すなわち選択されたプロット点がグリッド線の近傍の点でない場合には点の座標が10進小数値で表示される。
【0070】
以上説明したように実施形態によれば、グリッド線の座標が10進小数値と数学自然値の2通りで管理される。これにより、グリッド線の近傍のプロット点の座標の表示に数学自然値が用いられ得る。この場合、軸の目盛の表示に数学自然値が用いられている場合には、軸の目盛の表示形式と座標の表示形式とが同じになる。このため、ユーザはプロット点の座標を直感的に把握し得る。つまり、ユーザにとって分かりやすい表示が提供される。
【0071】
また、実施形態では、グリッド線の座標だけが10進小数値と数学自然値の2通りで管理される。すべてのプロット点の座標が10進小数値と数学自然値の2通りで管理されないため、グラフデータ243のデータ量が節減され得る。グリッド線の近傍の点でないプロット点の座標が数学自然値で表示されたとしても、ユーザは直感的には分かりにくいと考えられる。したがって、グリッド線の座標だけが10進小数値と数学自然値の2通りで管理されても十分であると考えられる。一方で、グラフデータ243の容量の増大が許容されるのであれば、グリッド線以外のプロット点の座標も10進小数値と数学自然値の2通りで管理されてもよい。この場合、すべてのプロット点の座標について数学自然表示が可能となる。
【0072】
[変形例]
実施形態の変形例を説明する。グラフ付箋の座標面上に表示されるグリッド線の数は、前述したグラフ設定としてのx軸及びy軸の目盛り間隔の設定により変わり得る。また、グラフの表示機能は、グラフの表示領域の拡縮に対応しているものもある。通常、グラフの拡縮に応じてグリッド線の数も変更され得る。実施形態は、このようなグリッド線の数が変更される場合にも対応し得る。つまり、グリッド線の数の変更に応じてグラフデータ243として管理されているグリッド線の座標が追加又は削除されればよい。グリッド線の座標の追加又は削除がされた後の処理は、前述した図4の処理がそのまま適用され得る。
【0073】
また、前述した実施形態では、表示設定によってグリッド線の近傍のプロット点の座標が10進小数表示されるか、数学自然表示されるかが決定される。これに対し、軸の目盛の表示形式や軸の形式等の座標軸情報によって、グリッド線の近傍のプロット点の座標が10進小数表示されるか、数学自然表示されるかが決定されてもよい。例えば、弧度法表記の三角関数が入力されて目盛の表示が円周率表示である軸が指定される場合、それに合わせてプロット点の座標の表示も数学自然表示に設定されてもよい。一方、例えば、度数法表記の三角関数が入力された場合には、目盛の表示が10進小数表示である軸が指定され、それに合わせてプロット点の座標の表示も10進小数表示に設定されてもよい。なお、軸の目盛の表示形式によるプロット点の座標の10進小数表示されるか、数学自然表示されるかの決定は、実際に軸に目盛やグリッド線が表示されるか否かにかかわらずにおこなわれてよい。さらには、入力された数式によって、軸の目盛は変わらずに座標の表示設定のみが変わってもよい。例えば、弧度法表記の三角関数が入力された場合であっても、目盛の表示は10進小数表示のままで、プロット点の座標の表示だけが数学自然表示に設定されてもよい。
【0074】
また、前述した実施形態では、選択されたプロット点の近傍にのみ座標チップが表示される。しかしながら、これに限らない。選択されていない点であっても、例えば最大値、最小値、極大値、極小値といったグラフの特徴点については座標チップが表示されてもよい。
【0075】
また、前述した実施形態では、一連の処理は、端末10とサーバ20との連携によるウェブアプリケーション上で行われる。しかしながら、これに限らない。例えば、すべての処理が端末10において行われてもよい。この場合において、グラフは、必ずしも電子付箋に表示される必要はない。
【0076】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0077】
1…システム、10…端末、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…ストレージ、15…入力装置、16…表示装置、17…通信装置、18…システムバス、20…サーバ、21…プロセッサ、22…ROM、23…RAM、24…ストレージ、25…通信装置、26…システムバス、30…ネットワーク、141…ブラウザアプリケーション、241…ウェブアプリケーション、242…コンテンツ、243…グラフデータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7