(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127080
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】自動販売機、自動販売機への配達システム
(51)【国際特許分類】
G07F 9/10 20060101AFI20240912BHJP
A47G 29/20 20060101ALI20240912BHJP
A47G 29/124 20060101ALI20240912BHJP
A47G 29/12 20060101ALI20240912BHJP
G07F 17/12 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
G07F9/10 F
A47G29/20
A47G29/124
A47G29/12 Z
G07F17/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035953
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】523085614
【氏名又は名称】蔡 坤鵬
(71)【出願人】
【識別番号】523085625
【氏名又は名称】田 国輝
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】蔡 坤鵬
(72)【発明者】
【氏名】田 国輝
【テーマコード(参考)】
3E044
3K100
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044DE10
3K100CA45
3K100CA48
3K100CC10
3K100CD01
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】配達物を受け取る時間的な制限をなくし、24時間都合の良いタイミングで受取人に配達物を届けることにより、宅配便の再配達率を低減する。
【解決手段】配達員による配達物の配達不能時に、何れかの自動販売機100へ割り当てを行い、割り当てられた自動販売機100に対して配達の情報を送信し、割り当てられた自動販売機は、送信された配達の情報に基づいて配達員の身分識別を行い、身分識別手段により配達員の身分識別がなされた場合に、配達物のアクセスユニットへの収容を受け付ける。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売品を自動販売する自動販売機であって、
配達物の収容時に配達員の身分識別を行う身分識別手段と、上記身分識別手段により身分識別された配達員により配達された配達物を収容する配達物収容手段とを有する配達物収容部と、
販売品を積層して収納する販売品収納部と、売買成立時に上記販売品収納部に収納された販売品を取出口へ排出する排出部とを有する自動販売部とが互いに独立して配設されていること
を特徴とする自動販売機。
【請求項2】
請求項1記載の自動販売機が各所に予め配置され、
配達員による配達物の配達不能時に、何れかの上記自動販売機へ割り当てを行う割当手段と、
上記割り当てられた自動販売機に対して上記配達の情報を送信する送信手段とを備え、
上記割り当てられた自動販売機は、
上記送信された配達の情報に基づいて上記身分識別手段を介して配達員の身分識別を行い、
上記身分識別手段により上記配達員の身分識別がなされた場合に、上記配達物の上記配達物収容手段への収容を受け付けること
を特徴とする自動販売機への配達システム。
【請求項3】
上記割当手段は、配達員による配達物の配達不能時に、収納可能サイズを参照し、上記配達物の包装サイズに基づいて、何れかの上記自動販売機へ割り当てを行うこと
を特徴とする請求項2記載の自動販売機への配達システム。
【請求項4】
上記各所に配置された自動販売機における配達物収容部の空き状況を取得する空き状況取得手段をさらに備え、
上記割当手段は、更に上記空き状況取得手段により取得された空き状況を参照し、何れかの上記自動販売機へ割り当てを行うこと
を特徴とする請求項2記載の自動販売機への配達システム。
【請求項5】
上記割当手段は、上記配達物の受取人から予め取得した許容アクセス時間、又は受取可能エリアの条件を満たす自動販売機が存在しない場合は、その旨を上記配達員に通知すること
を特徴とする請求項3記載の自動販売機への配達システム。
【請求項6】
上記割当手段は、上記配達物の配達先からのアクセス時間がより短い自動販売機ほど上記割り当ての優先度を高くすること
を特徴とする請求項5記載の自動販売機への配達システム。
【請求項7】
上記割当手段は、自動販売機における配達物収容部の収納可能重量を参照し、上記配達物の重量に基づいて、何れかの上記自動販売機へ割り当てを行うこと
を特徴とする請求項6記載の自動販売機への配達システム。
【請求項8】
上記割当手段により割り当てられた自動販売機の位置情報又はナビゲーション情報を上記配達員が所持する携帯端末に送信すること
を特徴とする請求項2記載の自動販売機への配達システム。
【請求項9】
上記配達物収容手段により上記配達物が収容されたことを検知する収容検知手段をさらに備え、
上記送信手段は、上記収容検知手段により上記配達物の収容が検知された場合には、上記配達物の受取人に対して上記配達物が収容された自動販売機に関する情報を送信すること
を特徴とする請求項2記載の自動販売機への配達システム。
【請求項10】
上記配達物収容部は、何れかの配達物収容手段への収容の認証を行う認証手段を更に有し、
上記割当手段は、更に上記割り当てた自動販売機における何れかの配達物収容手段への割り当てを行い、
上記送信手段は、上記割り当てられた自動販売機に対して、上記割当手段により割り当てられた配達物収容手段の情報を送信し、
上記割り当てられた自動販売機は、
上記送信手段より送信された上記配達物収容手段の情報に基づいて上記認証手段を介して収容の認証を行い、
上記認証手段により収容の認証がなされた場合に、上記割り当てられた配達物収容手段への収容を受け付けること
を特徴とする請求項2記載の自動販売機への配達システム。
【請求項11】
上記送信手段は、上記配達物が収容された自動販売機に対して、上記配達物の受取人に関する情報を送信し、
上記割り当てられた自動販売機は、
上記送信された受取人に関する情報に基づいて上記身分識別手段を介して受取人の身分識別を行い、
上記身分識別手段により上記受取人の身分識別がなされた場合に、上記配達物の上記配達物収容手段からの取り出しを受け付けること
を特徴とする請求項10記載の自動販売機への配達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動販売機に関し、通常の販売品の自動販売機能に加え、いわゆる宅配ボックスとしての機能を両立させる上で好適な自動販売機、及び自動販売機への配達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マンション、アパートなどの集合住宅には、いわゆる宅配ボックスが設置してある。配達物の受取人が不在の場合、宅配ボックスに配達物を一時的に収容し、収容した宅配ボックスの番号等を受取人に通知する。受取人はその通知を受けて、配達物が収容された宅配ボックスを開いて配達物を受け取ることができる。
【0003】
このように、受取人は、配達時に不在あっても、配達員と直接対面することなく非接触で配達物を受け取ることができ、再配達の連絡を省略することで利便性を向上させることができる。また、配送業者にとっても、再配達を減少させることで配送効率を向上させることができ、配達員にとっても非接触で受取人に配達物を配達することができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、宅配物集合保管装置の任意の収納室の非常解錠が可能な宅配物集合保管システムが開示されている。また特許文献2には、インターネットなどの通信回線を利用し、依頼人が不在でも配達物を集配できる配達物集配サービスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3761049号公報
【特許文献2】特許第5259943号公報
【特許文献3】特開2003-085464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、インターネットやIT、情報システム等のインフラが整備され、ネット通販を代表とする通信販売業が飛躍的に成長し、これに伴い宅配便の取扱個数は急速な伸びを示し、今後も増加が予測されている。特に高齢化社会や人口減少社会と労働力不足の背景の下、受取人の不在による再配達率も高い状況になっている。再配達による労働生産性の低下や再配達時の二酸化炭素の排出量の増加等により、経済的、社会的な損失が発生し、今後ともその損失は増加傾向が予測される。
【0007】
上述した問題点を解決するために、宅配ボックスの普及がカギになると予測されている。宅配ボックスを介した配達物の配達を通じて、再配達を抑制し、物流に伴う温室効果ガス排出削減とともに、非接触的な配達物の受け取りの実現が期待されている。近年政府が宅配ボックスの購入費用に関する助成政策も行っている。また、配送業者が主導し、駅やスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、駐車場、公共施設等のような利便性の高い場所にオープン型宅配便ロッカーを設置するケースも増加している。
【0008】
本来であれば、配達物の受取人の利便性を考慮した場合、このような宅配ボックスは自宅により近い場所にあることが望ましいが、採算性の問題で、駅等のような人出の多いところに設置せざるを得ない場合が多い。また、マンション等の集合住宅には、玄関付近に宅配ボックスが設置される場合が多いが、居住者数に対する宅配ボックスの収容個数が明らかに足りない場合や、利用時間が集中する場合には、宅配ボックスの空きがなくなる等の問題点もある。戸建住宅では、設置時の初期費用や利用頻度等の問題により、宅配ボックスの普及率に限界がある。
【0009】
一方、飲料を代表とした自動販売機が旧来より普及している。自動販売機は、時間に左右されることなく販売品を販売できるため利便性が高い。また、災害時には自動販売機から販売品を随時購入することができることから緊急対応の面において社会的な価値が高く、日本では30人に対して1台の割合で自動販売機が設置されている。
【0010】
しかしながら、近年の自動販売機の利用者数は減少傾向にあり、市場が飽和状態となり、収益性の低下や人手不足により、採算が取れない自動販売機が増えている。その結果、メーカーによる自動販売機の設置の見直しが進み、設置台数も減ってきている。このため、自動販売機の収益性の低下とともに、設置台数減に伴い災害時における住民への対応も困難になっている。
【0011】
自動販売機の機能性と利便性の双方を向上させるべく、例えば、特許文献3には、現金以外に電子マネーでの決済を可能とするために、携帯端末と自動販売機との近距離無線通信を介した通信手段を設けたシステムも開示されているが、当該技術は既に普及していることから、近年における自動販売機の収益性の悪化に伴う上述した問題解決には至らないのが現状であった。
【0012】
そこで、本発明は、上述した宅配ボックス及び自動販売機に関する2つの問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、配達物を受け取る時間的な制限をなくし、24時間都合の良いタイミングで受取人に配達物を届けることにより、宅配便の再配達率を低減し、人手不足の問題を軽減することができ、しかも配達による環境負担を減らし、カーボンニュートラルの実現へ貢献することができ、また自動販売機の採算性を向上させ、販売品メーカーの収益性を向上させ、災害時に物資を安定的に供給することを同時に実現し得る自動販売機、自動販売機への配達システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係る自動販売機は、販売品を自動販売する自動販売機であって、配達物の収容時に配達員の身分識別を行う身分識別手段と、上記身分識別手段により身分識別された配達員により配達された配達物を収容する配達物収容手段とを有する配達物収容部と、販売品を積層して収納する販売品収納部と、売買成立時に上記販売品収納部に収納された販売品を取出口へ排出する排出部とを有する自動販売部とが互いに独立して配設されていることを特徴とする。
【0014】
第2発明に係る自動販売機への配達システムは、第1発明の自動販売機が各所に予め配置され、配達員による配達物の配達不能時に、何れかの上記自動販売機へ割り当てを行う割当手段と、上記割り当てられた自動販売機に対して上記配達の情報を送信する送信手段とを備え、上記割り当てられた自動販売機は、上記送信された配達の情報に基づいて上記身分識別手段を介して配達員の身分識別を行い、上記身分識別手段により上記配達員の身分識別がなされた場合に、上記配達物の上記配達物収容手段への収容を受け付けることを特徴とする。
【0015】
第3発明に係る自動販売機への配達システムは、第2発明において、上記割当手段は、配達員による配達物の配達不能時に、収納可能サイズを参照し、上記配達物の包装サイズに基づいて、何れかの上記自動販売機へ割り当てを行うことを特徴とする。
【0016】
第4発明に係る自動販売機への配達システムは、第2発明において、上記各所に配置された自動販売機における配達物収容部の空き状況を取得する空き状況取得手段をさらに備え、上記割当手段は、更に上記空き状況取得手段により取得された空き状況を参照し、何れかの上記自動販売機へ割り当てを行うことを特徴とする。
【0017】
第5発明に係る自動販売機への配達システムは、第3発明において、上記割当手段は、上記配達物の受取人から予め取得した許容アクセス時間、又は受取可能エリアの条件を満たす自動販売機が存在しない場合は、その旨を上記配達員に通知することを特徴とする。
【0018】
第6発明に係る自動販売機への配達システムは、第5発明において、上記割当手段は、上記配達物の配達先からのアクセス時間がより短い自動販売機ほど上記割り当ての優先度を高くすることを特徴とする。
【0019】
第7発明に係る自動販売機への配達システムは、第6発明において、上記各所に配置された自動販売機における配達物収容部の収納可能重量を参照し、上記配達物の重量に基づいて、何れかの上記自動販売機へ割り当てを行うことを特徴とする。
【0020】
第8発明に係る自動販売機への配達システムは、第2発明において、上記割当手段により割り当てられた自動販売機の位置情報又はナビゲーション情報を上記配達員が所持する携帯端末に送信することを特徴とする。
【0021】
第9発明に係る自動販売機への配達システムは、第2発明において、上記配達物収容手段により上記配達物が収容されたことを検知する収容検知手段をさらに備え、上記送信手段は、上記収容検知手段により上記配達物の収容が検知された場合には、上記配達物の受取人に対して上記配達物が収容された自動販売機に関する情報を送信することを特徴とする。
【0022】
第10発明に係る自動販売機への配達システムは、第2発明において、上記配達物収容部は、何れかの配達物収容手段への収容の認証を行う認証手段を更に有し、上記割当手段は、更に上記割り当てた自動販売機における何れかの配達物収容手段への割り当てを行い、上記送信手段は、上記割り当てられた自動販売機に対して、上記割当手段により割り当てられた配達物収容手段の情報を送信し、上記割り当てられた自動販売機は、上記送信手段より送信された上記配達物収容手段の情報に基づいて上記認証手段を介して収容の認証を行い、上記認証手段により収容の認証がなされた場合に、上記割り当てられた配達物収容手段への収容を受け付けることを特徴とする。
【0023】
第11発明に係る自動販売機への配達システムは、第10発明において、上記送信手段は、上記配達物が収容された自動販売機に対して、上記配達物の受取人に関する情報を送信し、上記割り当てられた自動販売機は、上記送信された受取人に関する情報に基づいて上記身分識別手段を介して受取人の身分識別を行い、上記身分識別手段により上記受取人の身分識別がなされた場合に、上記配達物の上記配達物収容手段からの取り出しを受け付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
上述した構成からなる本発明によれば、配達物を受け取る時間的な制限をなくし、24時間都合の良いタイミングで受取人に配達物を届けることにより、宅配便の再配達率を低減し、人手不足の問題を軽減することができる。また本発明によれば配達による環境負担を減らし、カーボンニュートラルの実現へ貢献することができ、また自動販売機の採算性を向上させ、販売品メーカーの収益性を向上させ、災害時に物資を安定的に供給することを同時に実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本実施形態による自動販売機の概要について説明するための図である。
【
図2】
図2は、配達物収容部を自動販売部の下に配置する例を示す図である。
【
図3】
図3は、配達物収容部を自動販売部の左側に配置する例を示す図である。
【
図4】
図4は、配達物収容部を自動販売部の右側に配置する例を示す図である。
【
図5】
図5は、配達物収容部を自動販売部の後方に配置する例を示す図である。
【
図7】
図7は、自動販売機のアクセス機能エリアを説明する図である。
【
図8】
図8は、無人販売機における身分識別のシステムについて説明するための図である。
【
図9】
図9は、アクセスユニットの光ガイドパスについて説明するための図である。
【
図10】
図10は、認証システムのブロック構成について説明するための図である。
【
図11】
図11は、遠隔アクセス制御システムとの通信形態について説明するための図である。
【
図12】
図12は、アクセス機能エリアの認証システムと利用者、遠隔アクセス制御システムとの通信形態について説明するための図である。
【
図13】
図13は、認証システムと利用者のインタフェースを示す図である。
【
図14】
図14は、自動販売機の制御システムについて説明するための図である。
【
図15】
図15は、配達物収容部における構成、機能について説明するための図である。
【
図16】
図16は、既存の郵便物の配送の流れを説明するための図である。
【
図17】
図17は、既存のネット販売商品の配送の流れを説明するための図である。
【
図18】
図18は、本発明を適用した自動販売機への配達システムにおけるネット販売商品の配送の流れを説明するための図である。
【
図19】
図19は、本発明を適用した自動販売機への配達システムにおける郵便物の配送の流れを説明するための図である。
【
図20】
図20は、自動販売機における認証プロセスを説明するための図である。
【
図21】
図21は、自動販売機のアクセスユニットの認証プロセスについて説明するための図である。
【
図22】
図22は、自動販売機の割り当て及び認証プロセスについて説明するための図である。
【
図23】
図23は、身分認証システムについて説明するための図である。
【
図24】
図24は、実際に割り当てるべき自動販売機の選択例について説明するための図である。
【
図25】
図25は、配達員や受取人に対して、割り当てられた自動販売機に関する情報を通知する例について説明するための図である。
【
図26】
図26は、複数台の自動販売機同士が同じ遠隔アクセス制御システムに同時または順次、通信する例を示す図である。
【
図27】
図27は、自動販売機において配達物の認証プロセスを実行する上での、利用者のユーザーインターフェースの例を示す図である。
【
図29】
図29は、アクセスユニットの収納状態を検知するプロセスを説明するための図である。
【
図30】
図30は、配達物収容部のアクセスユニットの温度の制御機能を設ける例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を適用した自動販売機、自動販売機への配達システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
[自動販売機の概要]
【0028】
図1を参照して、本実施形態による自動販売機の概要について説明する。
【0029】
図1を示すように、自動販売機100は、配達物収容部200と自動販売部300を揃い、商品表示部301に表示された販売品の販売とともに、表示された販売品と直接関係しない配達物の収容と取り出しを可能にする装置である。
【0030】
販売品は、無人で販売可能な物体の総称であり、品目に問わない。本明細書において、販売品は、飲料、食品、酒類、たばこ、生活用品、作業用品、行楽用品を含む広い概念である。
【0031】
配達物収容部200に収容し又は取り出す配達物は、アクセスユニット201に収納可能な物の総称であり、詳細品目に問わない。収容する配達物と取り出す配達物の例としては、郵便物、ネットショップで購入した商品、等である。
【0032】
配達物収容部200は、収納スペース201bの外部との接続状態を制御するセキュリティ装置202と、セキュリティ装置の開閉を制御する認証システム203、を備える。
【0033】
自動販売部300は商品表示部301、商品選択部302、情報表示部303、決済処理部304、取出口305、および制御部306、情報出力部307、商品収納部308を備える。
【0034】
自動販売機100の配達物収容部200と自動販売部300は、互いに空間的に隣接して配置することが望ましい。
図2は、配達物収容部200を自動販売部300の下に配置する例である。また
図3は、配達物収容部200を自動販売部300の左側に配置する例である。また
図4は、配達物収容部200を自動販売部300の右側に配置する例である。また
図5は、配達物収容部200を自動販売部300の後方に配置する例である。
【0035】
図6は、自動販売部300のみの拡大図である。自動販売部300は、商品表示部301、商品選択部302、情報表示部303、決済処理部304、取出口305、および制御部306、情報出力部307、商品収納部308を備える。商品選択部302は機械式、電子式、接触式、非接触式に問わない。電子式な商品選択部302の例として、商品選択することを実現可能なタッチパネルなどである。情報表示部303は光学的な情報により、選択された商品を利用者に示すことができる。情報表示部303の例としては、ライトを出す電球、選択状況や操作指示を開示するデジタルディスプレイを含む。決済処理部304は現金を決済する機構型、キャッシュレス対応の電子決済に問わない。現金を決済する機構型は紙幣や硬貨の少なくとも一つに対応する。キャッシュレス対応の電子決済の例として、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、NFC(Near Field Communication)による決済、二次元コードやバーコードを利用した決済、等がある。利用者が販売品を購入後に、制御部306の制御により、商品収納部308から、取出口305へ排出し、情報出力部307が該当取引に関する情報を利用者に出力することができる。出力方法の例としては、紙媒体でのプリントアウト、電子媒体による通信等である。
【0036】
図7を示すように、自動販売機100の配達物収容部200は自動販売部300と独立な空間で構成され、配達物を収納可能なスペースを有する唯一に識別されるアクセスユニット201と、アイテム収納スペースの外部との接続状態を制御するセキュリティ装置202と、セキュリティ装置の開閉を制御する認証システム203と、配達物収容部200の固有身分を表示する身分表示部204と、アクセスユニット201へアクセスに関する情報を取得する光学情報取得部205を有する。光学情報取得部の例としては、カメラ、光センサーなどである。
【0037】
配達物収容部200はアクセスユニット201を有する場合、各アクセスユニット201は空間的に独立される。また、単一のアクセスユニット201における配達物の収納可能なスペースより大きな配達物を収納するために、隣接するアクセスユニット201同士を合体させ、合体後もひとつのスペースとして識別される新たなアクセスユニット201に配達物の収納も可能である。アクセスユニット201における配達物を収納可能なスペースの形は長方形状であること好ましい。セキュリティ装置202は、認証システム203の認証結果により電子的に制御される電子錠であることが望ましい。身分表示部204は配達物収容部200の身分を利用者に表示することができる。身分の表示例としては、文字列、番号、識別コード、画像、その他ユニークなIDであってもよい。光学情報取得部205は利用者が自動販売機100と、配達物収容部200のアクセスユニット201への利用に関連する情報を取得する装置である。光学情報取得部205は1次元、2次元、3次元等の光学情報を取得することができる。光学情報取得部205の例として、バーコードスキャナー、カメラー等である。1次元、2次元、3次元等の光学情報の例は、商品のバーコードや二次元コード、液晶表示バーコード、利用者やアイテムの写真、画像等である。
【0038】
図8に示すように、身分表示部204は自動販売機100の配達物収容部200に形成される。具体的には、利用者が自動販売機100の前面に向かい合って立つ時、身分表示部204は利用者の目線と向かい合う場所に設置することが望ましい。また、身分表示部204は利用者の目と同程度な高さに設置することが更に望ましい。配達物収容部200は、自動販売部300の下部や後方に配置される時、この身分表示部204を自動販売部300に設置することも可能である。
【0039】
図9を示すように、アクセスユニット201の収納可能なスペースに配達物の収納状態を確認するため、光ガイドデバイス201aにより収納された配達物からの光を反射させて利用者の目に映し出すための光ガイドパスが設けられている。この光ガイドデバイスの例として、リフレクタ、ミラー、などである。
【0040】
図10を示すように、認証システム203は、情報表示部203a、情報入力部203b、情報記憶部203c、情報通信部203d、および認証処理を制御する制御部203eから構成される。
【0041】
情報表示部203aはユーザーインターフェースとして、利用者に情報開示することができる。開示する情報の例として、自動販売機100の固有身分、配達物収容部200の固有身分、自動販売機100の身分認証プロセスでの指示や結果、配達物収容部200の身分認証プロセスでの指示や結果、アクセス時の認証指示や結果、決済情報、エラーメッセージ、などである。
【0042】
情報記憶部203cには、自動販売機100の身分識別情報、アクセスユニット201の身分識別情報、アクセス認証情報が予め記憶されている。利用者が情報入力部203bを介して入力したアクセス認証情報と、情報記憶部に予め記憶されている自動販売機の身分識別情報、アクセスユニットの身分識別情報およびアクセス認証情報と比較し、情報の整合性を確認した後、アイテム収納スペースの外部との接続状態を制御するセキュリティ装置202を解除してアクセスユニット201のアイテム格納スペースを開放し、物品の預け入れや取り出しができるようにする。
【0043】
情報入力部203bはボタン式を含む機械型、タッチパネル式を含む電子型に問わない。電子型に関しても、利用者が自己端末による自動販売機100や配達物収容部200を制御する遠隔制御システムへの入力も可能である。
【0044】
情報通信部203dは、
図11を示すように、アクセス認証処理中は利用者端末500及び遠隔アクセス制御システム400と双方向の通信を行い、上記アクセスの開始や完了した時点で関連情報を更新する。利用者端末500の例としては、スマートフォン、電子認証装置、電子認証カード、などである。遠隔アクセス制御システム400の例としては、遠隔での物理的なサーバー上に構築された制御システム、遠隔でのクラウド上のサーバー上に構築された制御システム、などである。
【0045】
図12を示すように、配達物収容部200は、認証システム203を介して、遠隔アクセス制御システム400と通信し、セキュリティ装置202の開閉状況を制御し、利用者にアクセスユニット201へのアクセス可否をコントロールする。複数のアクセスユニット201でも同じ認証システム203を介して、遠隔アクセス制御システム400との通信もできる。
【0046】
図13を示すように、利用者が利用者端末500で認証システム203の情報表示部203aで表示された情報に従い、遠隔アクセス制御システム400と認証システム203を含めた認証プロセスを完了させることができる。情報表示部203aに表示された情報の例としては、二次元コード、バーコード、状態を表す画像、指示を表す文字、などである。認証プロセスに従い、情報表示部203aに表示された情報は変更や更新することが可能である。
【0047】
図14を示すように、自動販売機100の制御システムが配達物収容部200と自動販売部300の共通電子制御モジュール101、アクセス機能制御モジュール102、アイテム販売機能制御モジュール103を含む。共通電子制御モジュール101の構成例としては、情報表示部101a、電力供給部101b、決済処理部101c、情報通信部101d、などである。電力供給部101bの電力供給方式は有線供給、無線供給に問わない。情報通信部101dの通信方式も有線通信、無線通信に問わない。決済処理部101dは現金を決済する機構型、キャッシュレス対応の電子決済に問わない。現金を決済する機構型は紙幣や硬貨の少なくとも一つに対応する。キャッシュレス対応の電子決済の例として、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、NFCによる決済、二次元コード/バーコード決済、などである。アクセス機能制御モジュール102、アイテム販売機能制御モジュール103の決済処理部101cは共通された時、決済処理部101cは決済処理部304と同じである。
【0048】
図15を示すように、別の例では、配達物収容部200は収納機構206a、ユーザーインターフェース206b、情報制御処理機構206c、決済機構206dで構成される。収納機構206aは配達物の保存、セキュリティ装置、温度検知、冷却/加温の温度制御、ユーザーの目線ガイド、アイテムの置き状況検知、アクセスユニット201の開閉検知、などの機能が実装される。ユーザーインターフェース206bは収納機構の展示、アクセスユニット201収納状態の表示、選択ボタン、金額表示、決済インターフェース、情報検知、情報入出力などの機能が実装される。情報制御処理機構206cは金額の計算、収納可否判定、釣銭判定と指示、価格設定、収納や販売モードの設定、認証制御、プロセス制御、温度制御、情報通信、などの機能が実装される。決済機構206dは硬貨検銭、紙幣識別、カードの読取と書込、キャッシュレス対応、釣銭払出、金銭保存、などの機能が実装される。
【0049】
図16を示すように、既存の配達物の配送の流れを説明する図である。差出人は配達物を差出(S1700)すると、配送にかかわる配達員は配達物のピックアップと転送(S1701)を実施する。前記の転送は、差出人から回収された配達物を地区配達センターへの転送や、配達物を地区別の配達センター間の移動も含まれる。受取人に近い配達センターに移動された後、配達物が配達員に持ち出されて、受取人への配達(S1702)或いは受取人への初回配達が始まる。受取人が在宅の場合や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がある場合(S1703)、配達員が許可された場所へ配達物を配達することが完了になる(S1704)。受取人が自宅に不在や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がない場合(S1703)、配達物が配達員に持ち帰され、次回からの再配達が必要になる。前記の再配達による労働生産性の低下や再配達時の二酸化炭素排出量の増加などによる経済的と社会的な損失が発生する。
【0050】
図17を示すように、既存のネット販売商品の配送の流れを説明する図である。ユーザーがネット通販で商品を注文(S1800)後に、ネット通販の業者が商品を出荷(S1801)する。配送にかかわる配達員は集荷された商品のピックアップと転送(S1802)を実施する。前記の転送は、ネット通販業者が出荷した商品としての配達物を地区配達センターへの転送や、商品を地区別の配達センター間の移動も含まれる。ユーザーが指定した受け取り場所に近い配達センターに移動された後、出荷された配達物が配達員に持ち出されて、ユーザーが指定した受け取り場所への配達(S1803)或いは初回配達が始まる。受取人が在宅の場合や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がある場合(S1804)、配達員が許可された場所への配達物の品配達が完了する(S1805)。受取人が自宅に不在や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がない場合(S1804)、配達物が配達員に持ち帰され、次回からの再配達が必要になる。
【0051】
図18は本発明を適用した自動販売機100を介したネット販売商品の配送流れを説明する図である。ユーザーがネット通販で商品を注文(S1900)する際に、商品の受け取りオプションに本発明の自動販売機100を利用可否を指定する(S1906)。ネット通販の業者が商品を出荷(S1901)する。配送にかかわる配達員は集荷された商品のピックアップと転送(S1902)を実施する。前記の転送は、ネット通販業者が出荷した配達物を地区配達センターへの転送や、配達物を地区別の配達センター間の移動も含まれる。ユーザーが指定した受け取り場所に近い配達センターに移動された後、出荷された配達物が配達員に持ち出されて、ユーザーが指定した受け取り場所への配達(S1903)或いは初回配達が始まる。受取人が在宅の場合や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がある場合(S1904)、配達員が許可された場所への配達物の配達が完了する(S1905)。受取人が自宅に不在や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がない(S1904)かつユーザーが配達物の受け取りに本発明の自動販売機100の利用を許可していない(S1906)場合、配達物が配達員に持ち帰され、次回からの再配達が必要になる。
【0052】
一方、受取人が自宅に不在や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がない(S1904)が、ユーザーが配達物の受け取りに本発明を適用した自動販売機100の利用を許可した場合(S1906)、利用可能な自動販売機100(VP)の割り当てを遠隔アクセス制御システム400に依頼する(S1907)。
【0053】
遠隔アクセス制御システム400がユーザーが指定した受け取り場所に近い対応可能な自動販売機100とアクセスユニット201を配達員に割り当てる(S1908)。その後、配達員が割り当てられた自動販売機100に移動する(S1909)。配達員は割り当てられた自動販売機に到着後、自動販売機100は割り当てられた自動販売機100であることを確認するため、配達員の身分識別を行う(S1910)。
【0054】
この身分識別とは、配達員がその自動販売機100に対して配達物を収容することができる権限が与えられた身分に該当するか否かの識別を意味する。この身分識別は、自動販売機100自体が行う。遠隔アクセス制御システム400は、S1908において、配達員に対して自動販売機100を割り当てたときに、その割り当てた自動販売機100に対して、当該配達員に関する情報を送信する。その割り当てられた自動販売機100は、遠隔アクセス制御システム400を介してその配達員に関する情報を受信する。そして、このS1910における識別では、実際に自動販売機100まで移動してきた配達員からアクセスがあったとき、受信した配達員の情報を参照し、照合を行う。その結果、アクセスしてきた配達員と、受信した情報に記述されている配達員とが合致した場合、アクセスしてきた配達員がその自動販売機100に対して配達物を収容することができる権限が与えられた身分であると識別する、いわば身分識別されたこととなる。一方、アクセスしてきた配達員と、受信した情報に記述されている配達員とが不一致である場合、アクセスしてきた配達員がその自動販売機100に対して配達物を収容することができる権限が無い身分であり、いわば身分識別されなかったと識別することができる。配達員の情報の一致、不一致は、例えば配達員の氏名や各種情報、ID、社員証番号、遠隔アクセス制御システム400から送信されたワンタイムパスワードを代表する情報等を利用することができる。なお、配達員の情報以外に、配達物その他配達に関するあらゆる情報(以下、配達の情報、という)を送信し、割り当てられた自動販売機100は、配達の情報を受信するようにしてもよい。そして、このS1910における識別では、受信した配達の情報を参照し、照合を行う。その結果、アクセスしてきた配達員と、受信した情報に記述されている配達員とが合致した場合、アクセスしてきた配達員がその自動販売機100に対して配達物を収容することができる権限が与えられた身分であると識別する、いわば身分識別されたこととなる。
【0055】
配達員が、S1909において自動販売機100に移動した場合、S1910における身分識別において、自動販売機100に対して身分識別されなかった場合は、配達員が、誤って割り当てられていない自動販売機100に移動した場合を意味する。かかる場合には、配達員は、割り当てられた正しい自動販売機100に移動し直す(S1909)。割り当てられた自動販売機100が故障などの理由で利用不可の場合、もう一度利用可能な自動販売機100の割り当てをアクセス制御システムに依頼する(S1907)こともできる。また、ほかの理由で配達員が今回の配達収納をキャンセルし、アクセス制御システムに状況を同期することもできる(S1917)。
【0056】
自動販売機100の身分識別(S1910)が無事に完了した場合は、割り当てられた正しい自動販売機100に配達員が移動した場合を意味する。かかる場合には、アクセスユニット201の確認(S1911)とアクセスユニット201の認証(S1912)を実施する。この認証を行う上で、遠隔アクセス制御システム400は、S1908において、配達員に対して自動販売機100を割り当てたときに同時にアクセスユニット201も割り当てるようにしてもよい。割り当てた自動販売機100に対して複数のアクセスユニット201に空きがある場合、これらのうち配達物を収容させるアクセスユニット201を割り当てるようにしてもよい。
【0057】
遠隔アクセス制御システム400は、割り当てるべきアクセスユニット201に関する情報を送信する。割り当てられた自動販売機100は、遠隔アクセス制御システム400を介してその割り当てられたアクセスユニット201に関する情報を受信する。そして、このS1912における認証では、実際に自動販売機100まで移動してきた配達員からアクセスユニット201にアクセスがあったとき、照合を行う。その結果、配達員がアクセスしてきたアクセスユニット201と、受信した情報に記述されているアクセスユニット201とが合致した場合、アクセスユニット201が認証されたものであると識別することとなる。一方、配達員がアクセスしてきたアクセスユニット201と、受信した情報に記述されている受信した情報に記述されているアクセスユニット201とが不一致である場合、アクセスユニット201の認証が失敗に終わったものと識別することとなる。
【0058】
アクセスユニット201への認証回数が規定された上限を超えた場合(S1913)、状況が遠隔アクセス制御システム400にレポートされ(S1914)、適切な対応(S1915)も実施される。S1915の適切な対応の例としては、アクセスユニット201のセキュリティ装置の閉鎖、メンテナンス人員の派遣、などである。アクセスユニット201への認証回数が規定された上限を超えない場合(S1913)、継続的にアクセスユニット201の認証(S1912)が完了するまで待機する。アクセスユニット201の認証(S1912)が完了すると、配達員が配達物の収納(S1916)を実施する。場合によって、配達員が今回の配達収納をキャンセルし、遠隔アクセス制御システム400に状況を同期すること(S1917)ができる。または、配達員が新しくもう一度利用可能な自動販売機の割り当てを遠隔アクセス制御システム400に依頼する(S1907)こともできる。
【0059】
配達員が商品の収納(S1916)を完了後に、利用された自動販売機100とアクセスユニット201の状態を遠隔アクセス制御システム400において更新し(S1918)、アイテムの収納に関する情報を配達物の受取人(S1919)、差出人(ネット通販業者)(S1920)、配送システム(S1921)において更新する。前記の更新手段の例としては、携帯電話へのメッセージ、携帯アプリの通知、メール、購入システムでの情報反映、などである。また、アイテムの収納に関する情報の例としては、動画像、静止画像、その他文字列からなる情報などである。動画像、静止画像の撮影は自動販売機100で自動的に取得したものであることが望ましい。動画像、静止画像などの映像画像情報の個人情報の匿名化、画像認識などの情報処理プロセスを含むのが更に望ましい。または、それぞれの情報受信者がほかの情報受信者の受信状況も確認可能としてもよい。
【0060】
アイテムの収納に関する情報がユーザー(S1919)に更新された後、受取人が配達物が収納された自動販売機100に移動し(S1922)、自動販売機100の身分を識別する(S1923)。この身分識別とは、受取人がその自動販売機100に対して配達物を受け取ることができる権限が与えられた身分に該当するか否かの識別を意味する。この身分識別は、自動販売機100自体が行う。遠隔アクセス制御システム400は、S1919において、受取人に対して自動販売機100にアイテムの収納を通知したときに、自動販売機100に対して、その受取人に関する情報を送信する。自動販売機100は、遠隔アクセス制御システム400を介してその受取人に関する情報を受信する。そして、このS1923における識別では、実際に自動販売機100まで移動してきた受取人からアクセスがあったとき、受信した受取人の情報を参照し、照合を行う。その結果、アクセスしてきた受取人と、受信した情報に記述されている受取人とが合致した場合、アクセスしてきた受取人がその自動販売機100に対して配達物を受け取ることができる権限が与えられた身分であると識別することができ、いわば身分識別された状態となる。一方、アクセスしてきた受取人と、受信した情報に記述されている受取人とが不一致である場合、アクセスしてきた受取人がその自動販売機100に対して配達物を受け取ることができる権限が無い身分であると識別することができ、いわば身分識別がなされなかったこととなる。受取人の情報の一致、不一致は、例えば、遠隔アクセス制御システム400から受取人に送信したワンタイムパスワード、2次元コード、バーコードを代表する情報等を利用することができる。
【0061】
受取人が身分識別されなかった場合、再び割り当てられた自動販売機100に移動する(S1922)。通知された自動販売機100が故障などの理由で利用不可の場合、遠隔アクセス制御システム400に同期でレポートし(S1924)、適切な対応(S1925)を求めることができる。S1925の適切な対応の例としては、配達物収容部200のセキュリティ装置の開錠、メンテナンス人員の派遣、などである。自動販売機100の身分識別(S1923)が無事に完了した場合、配達物収容部200の確認(S1926)と認証(S1927)を実施する。
【0062】
この認証を行う上で、自動販売機100とアクセスユニット201の状態は、受取人(S1919)、差出人(ネット通販業者)(S1920)、配送システム(S1921)において更新されている。
【0063】
そして、このS1927における認証では、実際に自動販売機100まで移動してきた受取人からアクセスユニット201へアクセスがあったとき、照合を行う。その結果、受取人がアクセスしてきたアクセスユニット201と、更新されたアクセスユニット201とが合致した場合、アクセスユニット201が認証されたものであると識別することとなる。一方、受取人がアクセスしてきたアクセスユニット201と、更新されたアクセスユニット201とが不一致である場合、アクセスユニット201の認証が失敗に終わったものと識別することとなる。
【0064】
アクセスユニット201への認証回数が規定された上限を超えた場合(S1928)、状況が遠隔アクセス制御システム400にレポートされ(S1924)、適切な対応(S1925)も実施される。S1925の適切な対応の例としては、アクセスユニット201のセキュリティ装置の閉鎖、メンテナンス人員の派遣、などである。アクセスユニット201への認証回数が規定された上限を超えない場合(S1928)、継続的にアクセスユニット201の認証(S1927)が完了するまで待機する。
【0065】
受取人が商品の取出(S1929)を完了後に、利用された自動販売機100とアクセスユニット201の状態を遠隔アクセス制御システム400に更新し(S1918)、配達物の収納と配達完了に関する情報を受取人(S1919)、差出人(ネット通販業者)(S1920)、配送システム(S1921)に更新する。前記の更新手段の例としては、携帯電話へのメッセージ、携帯アプリの通知、メール、購入システムでの情報反映、などである。配達物の収納に関する情報の例としては、動画像、静止画像などである。動画像、静止画像の撮影は自動販売機100で自動的に取得したものであることが望ましい。動画像、静止画像などの映像、画像情報の個人情報の匿名化、画像認識などの情報処理プロセスを含むのが更に望ましい。または、それぞれの情報受信者がほかの関連情報受信者の受信状況も確認可能である。受取人が商品の取出(S1929)を完了できなかった場合、状況が遠隔アクセス制御システム400にレポートされ(S1924)、適切な対応(S1925)も実施される。前記の適切な対応の例としては、メンテナンス人員の派遣、ビデオ電話で繋ぐ、確認プロセスを行うなどである。
【0066】
図19は本発明を適用した自動販売機100を介した配達物としての郵便物の配送流れを説明する図である。差出人が郵便物を発送する(S2001)する前に、郵便物の受け取りオプションに本発明を適用した自動販売機100の利用可否を受取人に確認する(S2006)。配送にかかわる配達員は集荷された郵便物のピックアップと転送(S2002)を実施する。この転送は、差出された郵便物を地区配達センターへの転送や、郵便物を地区別の配達センター間の移動も含まれる。差出人が指定した受け取り場所に近い配達センターに移動した後、郵便物が配達員に持ち出されて、差出人が指定した受け取り場所への配達(S2003)或いは初回配達が始まる。受取人が在宅の場合や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がある場合(S2004)、配達員が許可された場所への商品配達が完了する(S2005)。受取人が自宅に不在の場合や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がない(S2004)かつ差出人が商品の受け取りに本発明に係る自動販売機100の利用を許可していない(S2006)場合、商品が配達員に持ち帰され、次回からの再配達が必要になる。
【0067】
一方、受取人が自宅に不在や、受取人に利用可能な配達ボックスなどの配達補助設備がない(S2004)が、差出人が商品の受け取りに本発明の自動販売機100の利用を許可した場合(S2006)、利用可能な自動販売機100の割り当てを遠隔アクセス制御システム400に依頼する(S2007)。遠隔アクセス制御システム400が差出人が指定した自動販売機100を配達員に割り当てる(S2008)。その後、配達員が割り当てられた自動販売機100に移動する(S2009)。配達員は割り当てられた自動販売機100に到着後、自動販売機100は割り当てられた自動販売機であることを確認するため、身分識別を行う(S2010)。身分識別の詳細は、S1910と同様である。収容権限がある身分として識別がなされなかった自動販売機100に移動した場合、再び配達員が割り当てられた自動販売機100に移動する(S2009)。割り当てられた自動販売機100が故障などの理由で利用不可の場合、もう一度利用可能な自動販売機100の割り当てを遠隔アクセス制御システム400に依頼する(S2007)こともできる。また、ほかの理由で配達員が今回の配達収納をキャンセルし、遠隔アクセス制御システム400に状況を同期することもできる(S2017)。自動販売機の身分識別(S2010)が無事に完了した場合、アクセスユニット201の確認(S2011)とアクセスユニット201の認証(S2012)を実施する。この確認、認証の詳細は、S1911、S1912と同様である。
【0068】
配達物の認証回数が規定された上限を超えた場合(S2013)、状況が遠隔アクセス制御システム400にレポートされ(S2014)、適切な対応(S2015)も実施される。前記の適切な対応の例としては、アクセスユニット201のセキュリティ装置の閉鎖、メンテナンス人員の派遣、などである。アクセスユニット201への認証回数が規定された上限を超えない場合(S2013)、継続的にアクセスユニット201の認証(S2012)が完了するまで待機する。アクセスユニット201の認証(S2012)が完了すと、配達員が商品の収納(S2016)を実施する。場合によって、配達員が今回の配達収納をキャンセルし、遠隔アクセス制御システム400に状況を同期すること(S2017)ができる。または、配達員が新しくもう一度利用可能な自動販売機の割り当てを遠隔アクセス制御システム400に依頼する(S2007)こともできる。
【0069】
配達員が郵便物の収納(S2016)を完了後に、利用された自動販売機100とアクセスユニット201の状態を遠隔アクセス制御システム400(S2018)に更新し、郵便物の収納に関する情報を受取人(S2019)、差出人(S2020)、配送システム(S2021)に更新する。前記の更新手段の例としては、携帯電話へのメッセージ、携帯アプリの通知、メール、購入システムでの情報反映、などである。郵便物の収納に関する情報の例としては、動画像、静止画像などである。前記の動画像、静止画像の撮影は自動販売機100で自動的に取得したものであることが望ましい。動画像、静止画像などの映像、画像情報の個人情報の匿名化、画像認識などの情報処理プロセスを含むのが更に望ましい。または、それぞれの情報受信者がほかの情報受信者の受信状況も確認できるようにしてもよい。
【0070】
郵便物の収納に関する情報が受取人(S2019)に更新された後、受取人が郵便物が収納された自動販売機100に移動し(S2022)、自動販売機100の身分を識別する(S2023)。受取人が身分認証されていない自動販売機100に移動した場合、再び割り当てられた自動販売機100に移動する(S2022)。割り当てられた自動販売機100が故障などの理由で利用不可の場合、遠隔アクセス制御システム400に同期でレポートし(S2024)、適切な対応(S2025)を求めることができる。適切な対応の例としては、アクセスユニット201のセキュリティ装置の開錠、メンテナンス人員の派遣、などである。自動販売機の身分識別(S2023)が無事に完了した場合、アクセスユニット201の確認(S2026)とアクセスユニット201の認証(S2027)を実施する。これらの確認、認証の詳細は、S1926、S1927と同様である。
【0071】
アクセスユニット201への認証回数が規定された上限を超えた場合(S2028)、状況が遠隔アクセス制御システム400にレポートされ(S2024)、適切な対応(S2025)も実施される。適切な対応の例としては、アクセスユニット201のセキュリティ装置の閉鎖、メンテナンス人員の派遣、などである。認証回数が規定された上限を超えない場合(S2028)、継続的に認証(S2027)が完了するまで待機する。
【0072】
受取人が商品の取出(S2029)を完了後に、利用された自動販売機100とアクセスユニット201の状態を遠隔アクセス制御システム400(S2018)に更新し、配達物としての郵便物の収納と受取完了に関する情報を受取人(S2019)、差出人(S2020)、配送システム(S2021)に更新する。更新手段の例としては、携帯電話へのメッセージ、携帯アプリの通知、メール、購入システムでの情報反映、などである。収納に関する情報の例としては、動画像、静止画像などである。動画像、静止画像の撮影は自動販売機100で自動的に取得したものであることが望ましい。動画像、静止画像などの映像、画像情報の個人情報の匿名化、画像認識などの情報処理プロセスを含むのが更に望ましい。または、それぞれの情報受信者がほかの情報受信者の受信状況も確認可能である。受取人が商品の取出(S2029)を完了できなかった場合、状況が遠隔アクセス制御システム400にレポートされ(S2024)、適切な対応(S2025)も実施される。適切な対応の例としては、メンテナンス人員の派遣、ビデオ電話で繋ぐ、確認プロセスを行うなどである。
【0073】
図20は、
図18、
図19における身分識別(S1910、S2010)の例を示すフローチャートである。自動販売機100が待機状態(S2100)で自動販売機に移動する配達員から認証情報入力(S2101)を待ち、正しい認証情報を受信した(S2102)結果、自動販売機の身分識別を完了する(S2103)。正しい認証情報を受信されなかった場合(S2102)、未受信の可能性もあるため、改めて規定された受信時間制限と比較しタイムアウトになっていなかった場合(S2104)、認証情報入力(S2101)を待つ。タイムアウトになった場合(S2104)、自動販売機100が待機状態(S2100)にリセットする。
【0074】
S2102において正しい認証情報を受信したか否かは、遠隔アクセス制御システム400を介して、その割り当てた自動販売機100に対して送られてきた配達員に関する情報に基づいて判断する。
【0075】
図21を示すように、
図18、
図19の自動販売機100のアクセスユニット201の認証(S1912、S2012)プロセスを説明する。自動販売機100が待機状態(S2200)で自動販売機100に移動する配達員からアクセスユニット201の認証情報入力(S2201)を待ち、正しい認証情報を受信した(S2202)結果、自動販売機100のセキュリティ装置を開錠し(S2203)、アクセスユニット201のアイテム収納スペースへのアクセスの許可を配達員に与える。S2202において正しい認証情報を受信したか否かは、遠隔アクセス制御システム400を介して、その割り当てたアクセスユニット201に関する情報に基づいて判断する。
【0076】
収納完了後に、セキュリティ装置の施錠状態を確認し(S2205)、正しく完了した場合、アクセスユニット201の収納状態と認証情報を更新する(S2206)。アクセスユニット201の収納状態と認証情報の更新例としては、アクセスユニット201の収納状態をアクセス制御システム400に更新し、遠隔アクセス制御システム400から新しい認証情報を受取ること、または遠隔アクセス制御システム400の指示された情報で更新し、更新後の情報を遠隔アクセス制御システム400に同期すること、などである。正しいアクセスユニット201の認証情報を受信されなかった場合(S2202)、未受信の可能性もあるため、改めて規定された受信時間制限と比較しタイムアウトになっていなかった場合(S2204)、認証情報入力(S2201)を継続的に待つ。タイムアウトになった場合(S2204)、自動販売機が待機状態(S2200)にリセットする。
【0077】
図22は、
図18、
図19における身分識別(S1910、S2010)とアクセスユニット201の認証(S1912、S2012)の詳細を示している。配達員は自動販売機100の割当を依頼後(S2300)に、実際に自動販売機100が割り当てられた後(S2309)、割り当られた自動販売機100へ移動し(S2301)、自動販売機100の認証を依頼する(S2302)。認証依頼を受け、遠隔アクセス制御システム400は認証に必要な情報を生成し(S2303)、自動販売機100の配達物収容部認証システムに同期する(S2304)。この同期を通じて自動販売機100において、この認証に必要な状況を共有することができることから、
図20で示すような身分識別、即ち自動販売機100自体の認証プロセスが開始する(S2305)。自動販売機の認証プロセスが完了後に(S2306)、
図21で示すような配達物の確認プロセスが開始する。割り当られた自動販売機100以外の自動販売機100に移動、認証プロセスが完了しなかった場合、改めて割当られた自動販売機100に移動する(S2301)。場合には、配達員よりの自動販売機100の割当再依頼もできる(S2300)。または、異常な場合、自動販売機100の認証を中止し、遠隔アクセス制御システム400に同期することもある(S2307)。または、遠隔アクセス制御システム400により、自動販売機100の認証を中止することもある。前記の遠隔アクセス制御システム400は認証に必要な情報は、自動販売機100の割当直後に、遠隔アクセス制御システム400により生成し、自動販売機100に同期するもの良い。
【0078】
図23に示すように、
図18、
図19の身分識別(S1910、S2010)プロセスにおけるユーザーインターフェースの例を説明する。自動販売機100の認証システムは認証開始時(S2400)、認証中(2402)、認証完了(2403)までも遠隔制御システムと通信する(S2401)。例えば、認証開始時(S2400)に、情報表示部に自動販売機100や配達物の認証を開始できるトリガーが表示さる。トリガーの例としては、二次元コード、バーコード、などである。利用者がトリガーをスタートすることが遠隔制御システムに同期され、遠隔制御システムと自動販売機100の認証システムに必要な認証情報も同期する。認証中(S2402)に利用者がユーザーインターフェースを通じて、必要な認証情報を入力し、遠隔制御システムに通信する。利用者が入力した認証情報は遠隔アクセス制御システム400より定義された必要な認証情報と合致する場合、認証を正常に完了し(S2403)、利用者が入力した認証情報は遠隔アクセス制御システム400より定義された必要な認証情報と合致しない場合、
図20で示すプロセスを介して、認証を終了する。必要な認証情報の入力例としては、文字、数字を代表する符号の入力、バーコード、二次元コードのスキャンによる遠隔通信、IDカード、セキュリティカード、などの権限を付けられた電子カードの通信、利用者の顔、指紋に基づいた情報など、である。
【0079】
図24は、自動販売機100の割り当て方法の詳細について説明するための図である。
【0080】
先ず、遠隔アクセス制御システム400は、自らのデータベースにおいて全VPList(t11)を予め取得している。この全VPList(t11)では、各所に配置された自動販売機100のID(VP 001,VP 002,VP 003,・・・)、Box ID(A,B,A,A, ・・・)、空き状況(空き、又は使用中)、収納可能なサイズ、収納可能な重量、収納条件、場所情報等がそれぞれ設定されている。
【0081】
実際に自動販売機100の割り当てを行う場合(S1908,S2008)、配達員が配達しようとする配達物の包装サイズを取得する。この配達物の包装サイズは、荷物関連情報に含めれられる。荷物関連情報は、各配達物に関して付加される情報であり、包装サイズ、重量、保存状態(冷凍か否か)等が含められる。
【0082】
また各配達物には、この荷物関連情報とは別に、受取人に関する配送関連ユーザ情報が付され、配送先、許容アクセス時間、受取人エリア指定等がこれに含められる。許容アクセス時間は、実際に受取人が配送先住所から割り当てを行う自動販売機100までどの程度のアクセス時間を希望しているかを示すものである。受取人エリア指定は、割り当てられる自動販売機100について具体的に受取可能エリアの指定があった場合に記述される情報である。これらのデータは、受取人(ユーザ)により指定することもできるが、受取人からの指定が無い場合には、デフォルト値を設定するようにしてもよい。
【0083】
このとき、配達物の受取人から予め取得した許容アクセス時間、又は受取可能エリアの条件を満たす自動販売機が存在しない場合は、その旨を配達員に通知するようにしてもよい。かかる場合には、配達員は、当該配達物を再配達することとなる。
【0084】
遠隔アクセス制御システム400は、予め取得した全VPList(t11)中の収納可能サイズを参照し、荷物関連情報における配達物の包装サイズに基づいて、何れかの自動販売機100への割り当てを行う。この参照する収納可能サイズは、遠隔アクセス制御システム400が各自動販売機100から都度取得するようにしてもよいが、これに限定されるものではなく、予め自動販売機100毎に収納可能サイズが入力又は登録されており、これを参照するようにしてもよい。
【0085】
その結果、この荷物関連情報における配達物の包装サイズを満たす自動販売機100がある場合、そのサイズを満たす自動販売機100のみからなる利用可能なVPList(t12)を作成する。一方で、そのサイズを満たす自動販売機100が一つもない場合は、利用可能な自動販売機100が無いことを連絡し、一旦システム動作は終了となる。
【0086】
次にこの利用可能なVPList(t12)から、実際に割り当てる自動販売機100を決定する。このとき優先項目としては、先ず収納可能サイズの優先度を最も高くするようにしてもよい。配達物の包装サイズに収納可能なサイズが最も近い自動販売機100を優先的に割り当てるようにしてもよい。これにより、より大きな収納可能サイズを持つ自動販売機100の収容能力を他の配達物に割り当てることができる。
【0087】
次に配達物の配達先からのアクセス時間がより短い自動販売機100ほど割り当ての優先度を高くするようにしてもよい。収納可能サイズが整合する自動販売機100が複数存在する場合、よりアクセス時間が短いものを割り当てることで、配達時間と受取時間を短縮することができる。
【0088】
次の優先度として、配達物の収納可能重量を参照するようにしてもよい。収納可能重量を参照し、配達物の重量に基づいて、何れかの自動販売機100へ割り当てを行う。このとき、配達物の重量に収納可能重量が最も近い自動販売機100を優先的に割り当てるようにしてもよい。これにより、より収納可能重量の大きい自動販売機100の収容能力を他の配達物に割り当てることができる。この参照する収納可能重量は、遠隔アクセス制御システム400が自動販売機100から都度取得するようにしてもよいが、これに限定されるものではなく、各自動販売機100の収納可能重量が元々入力、登録されており、それを参照するようにしてもよい。
【0089】
なお、上述した優先度は一例であり、他のいかなる優先度が設定されていてもよい。また、システム上に決められたアルゴリズムにより、割り当てるべき自動販売機100及びアクセスユニット201の優先順位を決め、優先順位の高い自動販売機100及びアクセスユニット201を収容対象として割り当て、配達者に通知する。
【0090】
遠隔アクセス制御システム400は、配達員や受取人に対して、このようにして割り当てられた自動販売機100に関する情報を通知する。かかる場合には、
図25に示すように、その割り当てた自動販売機100の場所を番地や画像、周囲の画像や建物の画像を表示するようにしてもよいし、現在位置からその自動販売機100までのナビゲーション画面を表示するようにしてもよい。このような自動販売機100の位置情報又はナビゲーション情報を視認することにより配達員や受取人はその割り当てられた自動販売機100まで移動することが可能となる。
【0091】
なお、自動販売機100において配達物が収容されたことを検知する図示しない収容検知部を設けて置き、その図示しない収容検知部により配達物の収容が検知された場合には、配達物の受取人に対して配達物が収容された自動販売機に関する情報を送信するようにしてもよい。
【0092】
なお本発明によれば、
図26に示すように、複数台の自動販売機100同士が同じ遠隔アクセス制御システム400に同時または順次、通信することができる。
【0093】
図27に示すように、自動販売機100の配達物の認証(S1912、S2012)のプロセスを実行する上での、利用者のユーザーインターフェースの例を説明する。利用者がユーザーインターフェースを介して、アクセスユニット201を選択する(S2500)。アクセスユニット201は遠隔制御システムにより割当られたものでも良い。また、利用者が自動販売機100のアクセスユニット201の利用状況により、主体的に選択しても良い。自動販売機100の認証システムは認証開始時(S2501)、認証中(2502)、認証完了までも遠隔アクセス制御システム400と通信する(S2504)。例としては、認証開始時(S2501)に、情報表示部に自動販売機100やアクセスユニット201の認証を開始できるトリガーが表示さる。トリガーの例としては、二次元コード、バーコード、などである。利用者がトリガーをスタートすることが遠隔制御システムに同期され、遠隔アクセス制御システム400と自動販売機100の認証システムの必要な認証情報も同期する。認証中(S2502)に利用者がユーザーインターフェースを通じて、必要な認証情報を入力し、遠隔アクセス制御システム400に通信する。利用者が入力した認証情報は遠隔アクセス制御システム400より定義された必要な認証情報と合致する場合、認証を正常に完了し(S2503)、利用者が入力した認証情報は遠隔制御システムより定義された必要な認証情報と合致しない場合、
図21で示すプロセスを介して、認証を終了する。必要な認証情報を入力される例としては、文字、数字を代表する符号の入力、バーコード、二次元コードのスキャンによる遠隔通信、IDカード、セキュリティカードなどの権限を付けられた電子カードの通信、利用者の顔、指紋に基づいてた情報など、である。
【0094】
図28に示すように、配達物収容部200の制御図を説明する。アクセス機能を果たすため、情報の入出力及び処理できる制御器600がROM600a、CPU600b、RAM600c、タイマー600d、通信部600e、電力供給部600f、などで構成される。入力された情報は、CPU600bを中心に、ROM600a、RAM600cとタイマー600dを介して、保存、計算、出力される。入力された情報の例としては、配達物収容部選択部601で選択された配達物収容部200を利用する指示、販売・アクセスモード切替部602で切替られた自動販売機の利用モード、アクセスユニット指定部603で指定された利用するアクセスユニットの関連情報、情報入力部203bで入力された認証・支払い情報、収納状態センサー604から入力されたアクセスユニットの収納状況、などである。また、収納状態センサー604はアクセスユニットの開閉状況を検知するスイッチセンサー604a、物が置かれたかを検知する物置センサー604bで構成される。出力された情報例としては、利用者に状況・指示を伝える情報表示部203a、アクセスユニット201の開閉状況をコントロールするセキュリティ装置202への開閉状態の指示、などである。
【0095】
図29で示すように、アクセスユニット201の収納状態を検知するプロセスを説明する。アクセスユニット認証が開始(S2800)した後、認証完了(S2801)していない場合、認証回数の上限を超えたかの判断を行う(S2802)。認証回数の上限を超えなかった場合、認証完了(S2801)までに待機する。認証回数の上限を超えた場合、状況を遠隔アクセス制御システム400に同期(S2803)し、次の対応(S2804)を指示する。認証完了(S2801)したあと、格納された配達物の収納を検知されなかった場合(S2807)、配達物の調整や格納をリマインドするような情報を利用者に表示する(S2808)。同時に、アクセスユニット201の施錠状況を検知(S2805)する。アクセスユニット201の施錠状況を検知されなかった場合、アクセスユニット201の施錠状況を利用者に表示する(S2806)。格納された配達物の収納が検知され、かつアクセスユニットの施錠を検知された場合、自動販売機100がアクセスユニット201の状況を制御システムに同期し、関連情報を更新する(S2809)。
【0096】
なお、
図30に示すように、配達物収容部200のアクセスユニット201の温度の制御機能を設けることで、常温以外の温度で保つことも可能である。
【0097】
なお、上述した実施例は、本発明の具体的な実施形態であり、本発明に係る技術的思想を説明するものであり、かかる形態に限定されるものではない。当業者は、上述した実施形態の範囲内で、他のいかなる周知の技術に修正又は変更、置換をすることができることは勿論である。
【符号の説明】
【0098】
100 自動販売機
101 共通電子制御モジュール
101a 情報表示部
101b 電力供給部
101c 決済処理部
102 アクセス機能制御モジュール
103 アイテム販売機能制御モジュール
200 配達物収容部
201 アクセスユニット
201a 光ガイドデバイス
201b 収納スペース
202 セキュリティ装置
203 認証システム
203a 情報表示部
203b 情報入力部
203c 情報記憶部
203d 情報通信部
203e 制御部
204 身分表示部
205 光学情報取得部
206a 収納機構
206b ユーザーインターフェース
206c 情報制御処理機構
206d 決済機構
300 自動販売部
301 商品表示部
302 商品選択部
303 情報表示部
304 決済処理部
305 取出口
306 制御部
307 情報出力部
308 商品収納部
400 遠隔アクセス制御システム
500 利用者端末
600 制御器
600a ROM
600b CPU
600c RAM
600d タイマー
600e 通信部
600f 電力供給部
601 配達物収容部選択部
602 アクセスモード切替部
603 アクセスユニット指定部
604 収納状態センサー
604a スイッチセンサー
604b 物置センサー