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特開2024-127081複合型電子黒板システム及びその施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127081
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】複合型電子黒板システム及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   B43L 1/04 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B43L1/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035956
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】523330721
【氏名又は名称】一般社団法人日本未来黒板研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 晴男
(72)【発明者】
【氏名】坂和 勝紀
【テーマコード(参考)】
2C071
【Fターム(参考)】
2C071CA01
2C071CA02
2C071CA04
2C071CB06
2C071CB30
(57)【要約】
【課題】老朽化した黒板のリニューアル及び新規黒板の設置をごく短時間のうちに、低コストにて行うことができ、同時に、GIGAスクール構想を実現し得る電子黒板システムを構築することも可能な複合型電子黒板システム及びその施工方法を提供することを課題とする。
【解決手段】システム設置個所に、全体がトラス構造により構成されるトラス構造フレーム1を固定し、トラス構造フレーム1に、少なくとも電子黒板13を含む複数の新設ボードを取り付ける。トラス構造フレーム1は、四角錐状の立体トラスAの下側に、脚部となる三角錐状の立体トラスBを連設したものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム設置個所に固定された、全体がトラス構造により構成されるトラス構造フレームに、少なくとも電子黒板を含む複数の新設ボードが設置されていることを特徴とする複合型電子黒板システム。
【請求項2】
前記トラス構造フレームが、リニューアル対象の既設黒板の表面を覆うように固定されている、請求項1に記載の複合型電子黒板システム。
【請求項3】
前記トラス構造フレームは、四角錐状の立体トラスを並設して形成される、請求項1又は2に記載の複合型電子黒板システム。
【請求項4】
前記トラス構造フレームは、前記四角錐状の立体トラスの下側に、脚部となる三角錐状の立体トラスを連設したものである、請求項3に記載の複合型電子黒板システム。
【請求項5】
前記新設ボードに、上辺にプロジェクターを備えたインタラクティブボード及び板書用ボードが含まれる、請求項1に記載の複合型電子黒板システム。
【請求項6】
前記電子黒板は、前記インタラクティブボード上に移動可能である、請求項5に記載の複合型電子黒板システム。
【請求項7】
前記電子黒板を移動させる手段は、前記トラス構造フレームに固定されるベース枠と、前記ベース枠に旋回自在に軸支される旋回枠と、前記旋回枠の端部に支軸を介して軸支される固定プレートとから成り、前記電子黒板は、その裏面が前記固定プレートに固定される、請求項6に記載の複合型電子黒板システム。
【請求項8】
システム設置個所に、全体がトラス構造により構成されるトラス構造フレームを固定し、前記トラス構造フレームに、少なくとも電子黒板を含む複数の新設ボードを取り付けることを特徴とする複合型電子黒板システムの施工方法。
【請求項9】
前記トラス構造フレームを、リニューアル対象の既設黒板の表面を覆うように固定する、請求項8に記載の複合型電子黒板システムの施工方法。
【請求項10】
前記トラス構造フレームは、前記四角錐状の立体トラスの下側に、脚部となる三角錐状の立体トラスを連設したものである、請求項8又は9に記載の複合型電子黒板システムの施工方法。
【請求項11】
前記新設ボードに、上辺にプロジェクターを備えたインタラクティブボード及び板書用ボードが含まれる、請求項8に記載の複合型電子黒板システムの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合型電子黒板システム及びその施工方法に関するものであり、より詳細には、新規設置はもちろん、老朽化した黒板を極めて迅速且つ低コストにてリニューアルでき、同時に、GIGAスクール構想の実現を可能にする複合型電子黒板システム及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
学校の各教室には黒板が設置されているが、老朽化が進み、そのリニューアル需要も毎年増加している。黒板のリニューアルは、枠を残し、古い黒板を外してマグネットシートを貼り、その上に新しい表面材を貼った後、元の枠内に戻す方法が、コスト面からして一般的となっている(非特許文献1)。
【0003】
しかし、この表面材貼り替え方法の場合は、総取替の場合に比較して低コストで済むとはいっても、かなりの費用がかかる。また、黒板の重量は、大型サイズの場合は50kgを超えるので、取り外し及び取り付け作業に4~5人の作業員が必要となる。しかも、その貼り替え工事には、1教室当たり約4時間もかかり、多数の教室に対して授業のない時間及び時期に集中的に行わなければならないという事情があるため、その作業は極めて過酷なものとなっている。
【0004】
一方、令和元年にGIGAスクール構想の実現パッケージが発表されたことを受けて、各学校において校内LANが整備され、学校ICT導入・利活用が急速に進んでいる。このGIGAスクール構想の骨子は、児童・生徒1人1人に個別化され、創造性を育む教育ICT環境の構築である。具体的には、児童・生徒1人1人に学習者用端末(タブレット)が与えられ、各教室に配備される電子黒板を用いての授業ということになる。
【0005】
しかるに、各教室には黒板が設置されていて、古くから学校における授業は黒板への板書を基本に進められてきており、それは児童・生徒、教師共に馴染のある授業法であり、たとえICT教育が進んだとしても捨てがたいものである。そして、教室ごとに従来の黒板等の他に電子黒板を用意することは、予算の面及び設置スペースの面で限度がある。特に、黒板に代わるような大型の電子黒板を導入することは、極めて困難なことであり、非現実的なことである。
【0006】
そこで、既存の黒板やホワイトボードを利用し、ボード上部にプロジェクターを配設し、ボードに映写することでボードを電子黒板化(インタラクティブボード化)することが考えられ、実用化されている(特開2021-128299号公報、特開2018-189925号公報)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】https:www.sakawa.net/bbd/replace
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2021-128299号公報
【特許文献2】特開2018-189925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、老朽化した黒板のリニューアル作業は、短時間のうちに行う必要があるため、多大なコストと労力が必要である。新規設置の場合も同様の問題がある。また、GIGAスクール構想の実現のために従来の黒板等の他に電子黒板を用意することは、予算の面及び設置スペースの面で問題がある。
【0010】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、老朽化した黒板のリニューアル及び新規設置をごく短時間のうちに、低コストにて行うことができ、同時に、GIGAスクール構想を実現し得る電子黒板システムを構築することが可能な複合型電子黒板システム及びその施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、システム設置個所に固定された、全体がトラス構造により構成されるトラス構造フレームに、少なくとも電子黒板を含む複数の新設ボードが設置されていることを特徴とする複合型電子黒板システムである。
【0012】
一実施形態においては、前記トラス構造フレームが、リニューアル対象の既設黒板の表面を覆うように固定されている。一実施形態においては、前記トラス構造フレームは、四角錐状の立体トラスを並設して形成され、また、前記四角錐状の立体トラスの下側に、脚部となる三角錐状の立体トラスを連設したものである。
【0013】
一実施形態においては、前記新設ボードに、上辺にプロジェクターを備えたインタラクティブボード及び板書用ボードが含まれる。
【0014】
一実施形態においては、前記電子黒板は、前記インタラクティブボード上に移動可能にされる。一実施形態においては、前記電子黒板を移動させる手段は、前記トラス構造フレームに固定されるベース枠と、前記ベース枠に旋回自在に軸支される旋回枠と、前記旋回枠の端部に支軸を介して軸支される固定プレートとから成り、前記電子黒板は、その裏面が前記固定プレートに固定される。
【0015】
上記課題を解決するための請求項7に係る発明は、システム設置個所に、全体がトラス構造により構成されるトラス構造フレームを固定し、前記トラス構造フレームに、少なくとも電子黒板を含む複数の新設ボードを取り付けることを特徴とする複合型電子黒板システムの施工方法である。
【0016】
一実施形態においては、前記トラス構造フレームを、リニューアル対象の既設黒板の表面を覆うように固定する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記のとおりであって、本発明によれば、老朽化した既設黒板はそのままに、その上にトラス構造フレームを介して新設ボードを設置するだけでリニューアルできるので、リニューアル作業を、多くの人手を要せずにごく短時間のうちに容易に且つ低コストにて行うことができ、黒板新設の場合にも同様に、短時間のうちに容易に且つ低コストにて施工し得る効果がある。また、新設ボードとして電子黒板やインタラクティブボードを取り入れることにより、GIGAスクール構想を容易に実現し得る効果がある。
【0018】
更に、施工に用いるトラス構造フレームは、全体が湾曲力に強いトラス構造体であって、構成部材の総量が少ないために、コストや重量を抑えることができ、しかも、十分な強度を有するので、既設黒板や壁面等に取り付けて重量のあるボードを支持するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る複合型電子黒板システムの全体構成例を示す正面図である。
図2】本発明に係る方法において用いるトラス構造フレームの構成例を示す正面図である。
図3】本発明に係る方法において用いるトラス構造フレームの構成例を示す平面図である。
図4】本発明に係る方法において用いるトラス構造フレームの構成例を示す側面図である。
図5】本発明に係る複合型電子黒板システムにおいて用いられる電子黒板移動機構の構成例を示す背面図である。
図6】本発明に係る複合型電子黒板システムにおいて用いられる電子黒板移動機構の構成例を示す平面図である。
図7】本発明に係る複合型電子黒板システムにおいて用いられる電子黒板移動機構の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態につき、添付図面を参照して説明する。本発明に係る複合型電子黒板システムは、システム設置個所に固定された全体がトラス構造により構成されるトラス構造フレーム1に、少なくとも電子黒板13を含む複数の新設ボードが設置されていることを特徴とする。また、本発明に係る複合型電子黒板システムの施工方法は、システム設置個所に、全体がトラス構造により構成されるトラス構造フレーム1を固定し、トラス構造フレーム1に、少なくとも電子黒板13を含む複数の新設ボードを取り付けることを特徴とするものである。
【0021】
本発明に係る複合型電子黒板システム及びその施工方法は、主に、老朽化した黒板のリニューアルのために開発されたものであるが、それに限らず、新規に黒板、特に、電子黒板を導入する場合にも利用し得るものである。この新規設置の場合は、トラス構造フレーム1を設置固定し得る任意の壁面、間仕切り等を設置対象にでき、また、設置場所も学校や予備校はもとより、公共施設、商業施設、病院、その他任意の施設において採用可能である。以下の説明は既設黒板のリニューアルに関するものであるが、新規設置の場合の構成及び施工方法もこれに準じる。
【0022】
本発明において用いられるトラス構造フレーム1は、通例、周面に多数のボルト孔を設けた金属製のボール型ジョイント2に、複数の骨組み材3を接続して構成されるものである。このジョイント2や骨組み材3は、種々出回っており、そのうちの任意のものを採用することができる。このジョイント2と骨組み材3により形成されるトラス構造フレーム1は、湾曲力に強い骨組みであり、構成部材の総量が少なく、コストや重量を抑えることができるという特長を有するものである。
【0023】
図示した例のトラス構造フレーム1は、四角錐の立体トラスAを横向きに4つ並設し、両端の立体トラスAの下に、三角錐状の立体トラスBにより形成される脚部を連設して成る。各立体トラスA、Bは、多数のジョイント2と骨組み材3により形成される。ジョイント2の周面には、骨組み材3をねじ込むためのボルト孔が多数形成され、上記形状を生成するのに適合するボルト孔を選択して骨組み材3がねじ込まれる。
【0024】
立体トラスAは、四角形の底面(使用時には正面となる)を形成する4つのジョイント2及び4本の骨組み材3と、底面の4つのジョイント2から斜め方向に伸びて、四角錘の頂点となるジョイント2aに集結する4本の骨組み材3aにより構成される。なお、中間の2つの立体トラスAは、隣接する立体トラスAと、一部のジョイント2及び骨組み材3を共用する。既設黒板30のリニューアルの場合、この4つ並設されている立体トラスAが、既設黒板30の表面を覆うように配置される。
【0025】
また、脚部を構成する立体トラスBは、両端の立体トラスAのジョイント2から斜め下方に伸びて、三角錘の頂点となるジョイント2bに集結する一対の骨組み材3bと、ジョイント2bから立ち上がり、その上の立体トラスAのジョイント2aに接続される長尺の骨組み材3cにより構成される。この場合、骨組み材3bは、ジョイント2bに向かって斜め奥に傾斜するので、足元の邪魔になることはない。なお更に、4つの立体トラスAの各頂点のジョイント2aが、骨組み材3dにより連結されて強化される場合もある。
【0026】
上記構成例はあくまで一例であって、配架する新設ボードの種類及び数に応じて長さの異なる骨組み材3を選択することにより、また、立体トラスAの数を増減させることにより、より大きく、あるいは、小さく形成することができることは言うまでもない。なお、寸法の関係で、既設黒板30の全体が覆われずに、一部が露出することもあり得る。
【0027】
上記構成のトラス構造フレーム1は、組み立て分解が容易であり、分解して施工現場へ搬入し、短時間のうちに組み立てることができる。組み立て後既設黒板30に固定するに際しては、先ず、一対の、立体トラスBのジョイント2bを床上に定置して、4つの立体トラスAを既設黒板30の表面を覆うように配置する。そして、ジョイント2bを床面に固定すると共に、立体トラスAの頂点の4つのジョイント2aを、既設黒板30に固定する。ジョイント2a,2bの固定は、通例、アンカーボルト等のボルト類を用いる。
【0028】
なお、既設黒板30は平面黒板に限らず、曲面黒板や反曲面黒板の場合もある。曲面黒板や反曲面黒板の場合は、中間部の立体トラスAの四角錘の頂点であるジョイント2aが既設黒板面に届かない可能性がある。その場合は、アンカーボルト等のボルトとして、長尺のものを用いればよい。あるいは、適宜アジャスターを介在させて、隙間ができないようにする。
【0029】
取り付ける新設ボードとしては、電子黒板13のほかに、プロジェクター12が付設されるインタラクティブボード11と板書用ボード14等が考えられる。図1に示す例では、トラス構造フレーム1の中央部にインタラクティブボード11が取り付けられ、その左側に電子黒板13が取り付けられ、更にその右側に板書用ボード14が取り付けられている。
【0030】
インタラクティブボード11は、プロジェクター12が付設されることにより、電子黒板として機能し得るボードで、通例、投影可能なホワイトボードである。板書用ボード14は、教師及び生徒が使い慣れている、チョーク等での書き込み及び黒板消しでの消去が可能なものである。
【0031】
リニューアル作業は、施工現場において、上述したようにしてトラス構造フレーム1を組み立て、4つの立体トラスAを既設黒板30の表面を覆うように配置し、ネジやアンカーボルト等を用いてジョイント2bを床面に固定すると共に、ジョイント2aを既設黒板30に固定する。
【0032】
次いで、例えば、トラス構造フレーム1の中央部に、プロジェクター12を付設したインタラクティブボード11を取り付け、その左側に電子黒板13を取り付け、その右側に板書用ボード14を取り付ける。トラス構造フレーム1に対するインタラクティブボード11、電子黒板13及び板書用ボード14の取り付けは、例えば、それらの背面に設置したフックを、トラス構造フレーム1の水平状態の骨組み材3に引っ掛けて強固に固定すること等により行うことができる。あるいは、壁掛けテレビ用配架金具等を利用することとしてもよい。
【0033】
ここまでの作業、即ち、トラス構造フレーム1の組み立て及び既設黒板30上への固定作業、並びに、ボード類の設置作業に要する時間は、通例、30分程であり、また、ボード類も個別のものであるため、現場への搬入、及び、トラス構造フレーム1への取り付けに、多人数を要しない。
【0034】
上記のように既設黒板30をリニューアルすることにより、GIGAスクール構想の実現が可能となる。即ち、電子黒板13としてパソコン機能を備えたものを用いることにより、電子黒板13に対する筆記内容、映写内容をそのまま保存可能であると共に、プロジェクター12を介してインタラクティブボード11に拡大投影可能となる。図示してないが、GIGAスクール構想の実現のためには更に、教師が扱う教師用端末と、生徒1人に1台用意される生徒用端末とが含まれる。通例、教師用端末はタブレット又はスマホであり、生徒用端末はタブレットである。教師用端末と生徒用端末は電子黒板13にWi-Fi接続され、電子黒板13と各端末との間での相互通信が可能に設定される。
【0035】
また、好ましくはインタラクティブボード11の周縁部に、板書内容を電子黒板13に取り込み可能にするために、マーカーや指先の動きを検出するセンサ(図示してない)を複数配備する。このセンサとしては、電子黒板13において一般に用いられているのと同じ、赤外線遮断方式のセンサを用いることができる。そのようにした場合、センサからの板書内容に対応する出力信号が電子黒板13に取り込まれ、そのまま電子黒板13に表示されると共に、デジタルデータ化されて保存される。その保存データは、教師及び生徒が共有して有効活用できる。なお、上記センサを板書用ボード14の周縁部に配設し、また、プロジェクター12をスライド可能にしたり、投影範囲が板書用ボード14にまで及ぶワイドタイプのものを採用することにより、板書用ボード14にも上記同様の機能を持たせることができる。その場合は、完成後、即抹消されてしまう所謂黒板アートの電子的保存が可能となる。
【0036】
通例、電子黒板13にはテンプレートソフトが装備され、升目、五線譜、鍵盤、サッカーコートその他多種多様のテンプレートが提供される。教師は、所望のテンプレートを選択し、プロジェクター12を介してインタラクティブボード11に大きく投写させて、その上にマーカーや指先で書き込みを行うことができる。そして、インタラクティブボード11のマーカーや指先の動きが検出されて、その書き込み内容が電子黒板13に取り込まれ、デジタルデータ化されて保存される。また、教師はインタラクティブボード11の前に立たずに授業を進めることができるので、教師が筆記中、その背中が邪魔になって、生徒が筆記内容を確認できないという事態は起こらない。
【0037】
一実施形態においては、電子黒板13は、図1に示す、インタラクティブボード11に重ならない位置からその一部に重なる位置に移動可能に設置される。例えば、そのための移動機構は、トラス構造フレーム1に固定されるベース枠21と、ベース枠21に旋回自在に軸支される旋回枠22と、旋回枠22の端部に支軸24を介して軸支される固定プレート23とから成り、電子黒板13は、その裏面が固定プレート23に固定されることにより、支軸24を軸に固定プレート23と共に揺動可能となる(図5~7参照)。
【0038】
ベース枠21は、四角形状の金属製枠体で、その上辺及び下辺の中央部に軸支部15が配置され、やはり四角形状の金属製枠体である旋回枠22の一側辺上下に取り付けられた軸部26を軸支する。かくして旋回枠22は、その上下の長尺辺を半径として180度旋回し(図6参照)、電子黒板13を、図1に示されるインタラクティブボード11に重ならない位置(図5の実線)から、その一部に重なる位置(図5の仮想線)に移動可能にする。その旋回の間電子黒板13は、支軸24を介して揺動可能であるので、常に正面向きにして移動させることができる。なお、旋回枠22はその旋回端まで移動させることなく、任意の位置において止めることができ、また、電子黒板13を、任意の位置において所望方向、即ち、すべての生徒が見やすくなる方向に向けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る方法によれば、老朽化した黒板はそのままに、その上に支持フレームを介して新設ボードを取り付けるだけでリニューアルできるので、リニューアル作業を、多くの人手を要せずにごく短時間のうちに容易に且つ低コストにて行うことができ、黒板新設の場合にも同様に短時間で施工でき、支持フレームとしてトラス構造フレームを用いる場合は、全体がシンプルなトラス構造体で、十分な強度を有するものとなるので、重量のあるボードを十分に支持可能であり、また、新設ボードとして電子黒板やインタラクティブボードを取り入れることにより、GIGAスクール構想を容易に実現し得る効果があるので、その産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0040】
1 トラス構造フレーム
2~2b ジョイント
3~3d 骨組み材
11 インタラクティブボード
12 プロジェクター
13 電子黒板
14 板書用ボード
A 立体トラス
B 立体トラス
30 既設黒板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7