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特開2024-127103画像形成装置および画像形成装置の制御方法
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  • 特開-画像形成装置および画像形成装置の制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127103
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240912BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240912BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240912BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240912BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240912BHJP
   G03G 21/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H04N1/00 002B
H04N1/00 127A
G06F3/12 339
G06F3/12 310
G06F3/12 336
G06F3/12 373
B41J29/00 Z
B41J29/38 204
G03G21/00 388
G03G21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035994
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】端山 幸義
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HK15
2C061HK19
2C061HN05
2C061HN08
2C061HN15
2H270KA59
2H270NC01
2H270NC02
2H270NC06
2H270NC24
2H270ND03
2H270ND10
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AF06
5C062AF08
(57)【要約】
【課題】外部のサーバとの通信を切断されたオフライン中においても、不正使用の判定が容易な画像形成装置を提供する。
【解決手段】制御部(61)は、サーバ(8)と通信して支払期限情報を取得する取得処理と、サーバ(8)と通信可能であるか否かを判定する通信判定処理と、通信判定処理にて、サーバ(8)と通信できないと判定した場合、リアルタイムクロック(73)が稼働しているか否かを判定する稼働判定処理と、稼働判定処理にて、リアルタイムクロック(73)が稼働していると判定した場合、取得処理にて取得した支払期限情報とリアルタイムクロック(73)から取得した時刻情報とを参照し、時刻情報が、支払い期限を過ぎていると判定した場合、画像形成装置(1)で使用できる機能のうち少なくとも一部の機能を利用不可とするロック処理と、を実行するように構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと通信可能な画像形成装置であって、
制御部と、
契約が締結されることで使用可能となる前記画像形成装置に関する契約料金の支払い期限を含む支払期限情報を記憶可能なメモリと、
リアルタイムクロックと、
を備え、
前記制御部は、
前記サーバと通信して前記支払期限情報を取得する取得処理と、
前記サーバと通信可能であるか否かを判定する通信判定処理と、
前記通信判定処理にて、前記サーバと通信できないと判定した場合、前記リアルタイムクロックが稼働しているか否かを判定する稼働判定処理と、
前記稼働判定処理にて、前記リアルタイムクロックが稼働していると判定した場合、前記取得処理にて取得した前記支払期限情報と前記リアルタイムクロックから取得した時刻情報とを参照し、前記時刻情報が、前記支払い期限を過ぎているか否かを判定する期限判定処理と、
前記期限判定処理にて、前記支払い期限を過ぎていると判定した場合、前記画像形成装置で使用できる機能のうち少なくとも一部の機能を利用不可とするロック処理と、
を実行する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記期限判定処理にて、前記支払い期限を過ぎていないと判定した場合、前記画像形成装置で使用できる機能を利用可とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記稼働判定処理にて、前記リアルタイムクロックが稼働しているかを判定する場合、前記リアルタイムクロックが初期化されたか否かを判定し、
前記リアルタイムクロックが初期化されたと判定した場合、前記ロック処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記サーバと通信して時刻情報を取得して、前記リアルタイムクロックの前記時刻情報を更新した際に、前記リアルタイムクロックの前記時刻情報が更新されたことを示すRTC稼働フラグを設定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ユーザインタフェースをさらに備え、
前記制御部は、
前記ロック処理にて、前記画像形成装置で使用できる機能を利用不可とした場合、前記ユーザインタフェース、および、前記サーバとの通信機能の少なくとも1つを利用可とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ユーザインタフェースは、表示部と操作部とを有し、
前記制御部は、
前記ロック処理にて、前記画像形成装置で使用できる機能のうちの少なくとも一部の機能を利用不可とする場合、前記表示部に前記契約料金が未払いであることを表示させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記サーバは、
契約が締結されることで使用可能となる画像形成装置に関する契約情報を記憶しており、
前記制御部は、
前記取得処理にて、前記サーバと通信して前記契約情報を取得し、
前記契約情報を取得した後、前記リアルタイムクロックの時刻をユーザが手動で変更することを不可とする変更制限処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
サーバと通信可能な画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置は、
制御部と、
契約が締結されることで使用可能となる前記画像形成装置に関する契約料金の支払い期限を含む支払期限情報を記憶可能なメモリと、
リアルタイムクロックと、
を備え、
前記制御部は、
前記サーバと通信して前記支払期限情報を取得する取得ステップと、
前記サーバと通信可能であるか否かを判定する通信判定ステップと、
前記通信判定ステップにて、前記サーバと通信できないと判定した場合、前記リアルタイムクロックが稼働しているか否かを判定する稼働判定ステップと、
前記稼働判定ステップにて、前記リアルタイムクロックが稼働していると判定した場合、前記取得ステップにて取得した前記支払期限情報と前記リアルタイムクロックから取得した時刻情報とを参照し、前記時刻情報が、前記支払い期限を過ぎているか否かを判定する期限判定ステップと、
前記期限判定ステップにて、前記支払い期限を過ぎていると判定した場合、前記画像形成装置で使用できる機能のうち少なくとも一部の機能を利用不可とするロックステップと、
を実行する、
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置および画像形成装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置を利用するユーザに対して定額印刷サービスが広く提供されている。定額印刷サービスは、サブスクリプションサービスとも呼ばれる。例えば、特許文献1には、定額印刷サービスの利用に関する契約が締結された契約機である画像形成装置において、予め定められた期間中、予め設定された枚数までなら、一定の利用料金で印刷が許可されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/120199号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなサブスクリプションサービスにおいて、印刷機能、スキャン機能、ファックス送信機能、ファックス受信機能などの複数の機能を有する画像形成装置を対象とする契約がある。画像形成装置を対象とする本体契約が締結されている場合に、契約料金未払いなどの不正使用があった際には、画像形成装置の使用できる機能を制限したいという要望がある。しかしながら、画像形成装置が外部のサーバとの通信を切断されたオフライン中の場合には、不正使用の判定が難しい。
【0005】
本開示は、上述の問題点を鑑みたものであり、外部のサーバとの通信を切断されたオフライン中においても、不正使用の判定が容易な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本開示の第1の態様の画像形成装置は、サーバと通信可能な画像形成装置であって、制御部と、契約が締結されることで使用可能となる前記画像形成装置に関する契約料金の支払い期限を含む支払期限情報を記憶可能なメモリと、リアルタイムクロックと、を備え、前記制御部は、前記サーバと通信して前記支払期限情報を取得する取得処理と、前記サーバと通信可能であるか否かを判定する通信判定処理と、前記通信判定処理にて、前記サーバと通信できないと判定した場合、前記リアルタイムクロックが稼働しているか否かを判定する稼働判定処理と、前記稼働判定処理にて、前記リアルタイムクロックが稼働していると判定した場合、前記取得処理にて取得した前記支払期限情報と前記リアルタイムクロックから取得した時刻情報とを参照し、前記時刻情報が、前記支払い期限を過ぎているか否かを判定する期限判定処理と、前記期限判定処理にて、前記支払い期限を過ぎていると判定した場合、前記画像形成装置で使用できる機能のうち少なくとも一部の機能を利用不可とするロック処理と、を実行するものである。
【0007】
第2の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記制御部は、前記期限判定処理にて、前記支払い期限を過ぎていないと判定した場合、前記画像形成装置で使用できる機能を利用可とするようにしてもよい。
【0008】
第3の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記制御部は、前記稼働判定処理にて、前記リアルタイムクロックが稼働しているかを判定する場合、前記リアルタイムクロックが初期化されたか否かを判定し、前記リアルタイムクロックが初期化されたと判定した場合、前記ロック処理を実行するようにしてもよい。
【0009】
第4の態様は、第3の態様の画像形成装置であって、前記制御部は、前記サーバと通信して時刻情報を取得して、前記リアルタイムクロックの前記時刻情報を更新した際に、前記リアルタイムクロックの前記時刻情報が更新されたことを示すRTC稼働フラグを設定するようにしてもよい。
【0010】
第5の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、ユーザインタフェースをさらに備え、前記制御部は、前記ロック処理にて、前記画像形成装置で使用できる機能を利用不可とした場合、前記ユーザインタフェース、および、前記サーバとの通信機能の少なくとも1つを利用可とするようにしてもよい。
【0011】
第6の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記ユーザインタフェースは、表示部と操作部とを有し、前記制御部は、前記ロック処理にて、前記画像形成装置で使用できる機能のうちの少なくとも一部の機能を利用不可とする場合、前記表示部に前記契約料金が未払いであることを表示させるようにしてもよい。
【0012】
第7の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記サーバは、契約が締結されることで使用可能となる画像形成装置に関する契約情報を記憶しており、前記制御部は、前記取得処理にて、前記サーバと通信して前記契約情報を取得し、前記契約情報を取得した後、前記リアルタイムクロックの時刻をユーザが手動で変更することを不可とする変更制限処理を実行するようにしてもよい。
【0013】
第8の態様の画像形成装置の制御方法は、サーバと通信可能な画像形成装置の制御方法であって、前記画像形成装置は、制御部と、契約が締結されることで使用可能となる前記画像形成装置に関する契約料金の支払い期限を含む支払期限情報を記憶可能なメモリと、リアルタイムクロックと、を備え、前記制御部は、前記サーバと通信して前記支払期限情報を取得する取得ステップと、前記サーバと通信可能であるか否かを判定する通信判定ステップと、前記通信判定ステップにて、前記サーバと通信できないと判定した場合、前記リアルタイムクロックが稼働しているか否かを判定する稼働判定ステップと、前記稼働判定ステップにて、前記リアルタイムクロックが稼働していると判定した場合、前記取得ステップにて取得した前記支払期限情報と前記リアルタイムクロックから取得した時刻情報とを参照し、前記時刻情報が、前記支払い期限を過ぎているか否かを判定する期限判定ステップと、前記期限判定ステップにて、前記支払い期限を過ぎていると判定した場合、前記画像形成装置で使用できる機能のうち少なくとも一部の機能を利用不可とするロックステップと、を実行するものである。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様の画像形成装置、または、第8の態様の画像形成装置の制御方法によれば、サーバとの通信ができない場合において、リアルタイムクロックが稼働していると判定すると、リアルタイムクロックから時刻情報を取得する。リアルタイムクロックから取得した時刻情報が、契約料金の支払い期限を過ぎている場合は、画像形成装置の使用できる機能のうち少なくとも一部の機能が利用不可とされる。これにより、外部のサーバとの通信を切断されたオフライン中に、契約料金の支払い期限が過ぎると、画像形成装置の使用できる機能を制限することが可能となる。よって、外部のサーバとの通信を切断されたオフライン中においても、不正使用の判定が容易な画像形成装置を提供できる。
【0015】
第2の態様の画像形成装置によれば、リアルタイムクロックから取得した時刻情報が、契約料金の支払い期限を過ぎていない場合は、画像形成装置の使用できる機能は、利用可能となる。これにより、外部のサーバとの通信を切断されたオフライン中でも、契約料金の支払い期限が過ぎるまでは、画像形成装置の使用できる機能は、利用可能となる。
【0016】
第3の態様の画像形成装置によれば、制御部は、リアルタイムクロックが初期化された場合は、所定の期限情報が表す期限を過ぎているかを判定することができないため、ロック処理を実行する。これにより、不正にリアルタイムクロックが初期化された場合に、画像形成装置の使用できる機能を制限することが可能となる。
【0017】
第4の態様の画像形成装置によれば、制御部は、サーバから時刻情報を取得して、リアルタイムクロックの時刻情報を更新した際に、RTC稼働フラグを設定する。これにより、制御部は、サーバとの通信ができない状態で、不正にリアルタイムクロックが初期化された場合に、RTC稼働フラグを参照することによって、リアルタイムクロックの時刻情報がサーバと通信して更新されているか否かを判定することが可能となる。
【0018】
第5の態様の画像形成装置によれば、サーバとの通信機能を利用可とすることによって、ユーザが契約料金を支払って、画像形成装置をネットワークに接続した場合には、制御部は、サーバとの通信を行うことができる。その結果、制御部は、サーバと通信を行い、利用不可となった各機能を利用可能に設定することができる。また、ユーザインタフェースを利用可とすることによって、制御部は、ユーザインタフェースを介して、ユーザに対して利用不可になった機能や各種情報を報知することが可能となる。
【0019】
第6の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、画像形成装置の機能が利用できなくなった原因が契約料金の未払いであることを認識することができる。これにより、制御部は、ユーザに対して、契約料金の支払いを督促することが可能となる。
【0020】
第7の態様の画像形成装置によれば、サーバから契約情報を取得した後、リアルタイムクロックの時刻をユーザが手動で変更することを制限する。これにより、リアルタイムクロックの信頼性を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の実施形態1における画像形成システムの全体概略構成を示すブロック図である。
図2】本体メモリに記憶される情報の一例を説明するブロック図である。
図3】サーバが実行する本体契約管理処理の一例を示すフローチャートである。
図4】複合機のコントローラが実行するリアルタイムクロック管理処理の一例を示すフローチャートである。
図5】複合機のコントローラが実行する一部の機能を利用不可とするインターフェースロック処理の一例を示すフローチャートである。
図6】複合機の一部の機能が利用不可となる使用状態の一例を説明するテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態1について図1図6を参照しつつ説明する。本実施形態では、一例として、画像形成装置は、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能を有する、いわゆる複合機(MFP:Multi Function Printer)である。印刷機能は、レーザープリンタで構成されている場合について説明する。
【0023】
[画像形成システムの概要]
図1は、本実施形態の画像形成システム100の全体概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成システム100は、複合機1と、サーバ8と、ユーザ端末9とを含む。
【0024】
複合機1は、複合機1に対する後述の「本体契約」や「消耗品契約」などの契約の締結により提供されるサービスを実現するための装置である。また、複合機1は、契約の対象となる装置であるともいえる。以下では、ユーザが指定した、または、事業者からユーザに提供された、契約の対象となる複合機1を「契約対象機」とも称する。
【0025】
例えば、ユーザは、事業者と「契約」の一例である「本体契約」を締結する。これにより、ユーザは、事業者から提供された契約専用の本体10を、例えば、毎月定額で使用することができるサービスが提供される。従って、ユーザが事業者と「本体契約」を締結した場合は、複合機1の所有権は事業者に属する。一方、ユーザが複合機1を購入して、事業者と「本体契約」を締結していない場合は、複合機1の所有権はユーザに属する。
【0026】
また、例えば、ユーザは、事業者と「契約」の一例である「消耗品契約」を締結する。これにより、ユーザは、契約専用の消耗品を、例えば、毎月定額で使用することができる。これらの契約の締結は、サービスを提供する事業者と、ユーザとの間で、サービスの利用期間、利用料金(契約料金ともいう。)などが取り決められた上で、事業者がユーザにサービスを提供することを事業者とユーザが了承することである。
【0027】
すなわち、本実施形態の複合機1では、「消耗品契約」が締結された後、複合機1は、締結した契約の内容に基づく契約専用の消耗品を使用した印刷(以下、「契約印刷」と称することもある。)を実行することが可能となる。
【0028】
また、本実施形態の複合機1では、「本体契約」が締結された後、ユーザは、締結した契約の内容に基づく契約専用の本体10の使用が可能となる。つまり、「本体契約」が締結された後、ユーザは、契約が締結された複合機1の使用が可能となる。
【0029】
また、ユーザは、「本体契約」を締結した場合は、同時に、「消耗品契約」も締結する場合がある。ユーザは、「本体契約」と「消耗品契約」とを締結することによって、契約専用の本体10の複合機1で、契約専用の消耗品を使用した契約印刷を行うことが可能となる。
【0030】
[ユーザ端末9]
ユーザが利用するユーザ端末9は、サーバ8と通信して、契約の締結、解除、および、その他の手続を実行するための装置である。ユーザ端末9としては、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン等、標準的な通信機能を備えた情報処理端末が採用され得る。また、ユーザはユーザ端末9を介して、複合機1に印刷指示をして、契約専用の消耗品を使用した任意の枚数の印刷を行ってもよい。画像形成システム100を構成するユーザ端末9、サーバ8、および複合機1は、インターネットなどのネットワークNTを介して、互いに通信することができる。
【0031】
ユーザ端末9は、ユーザの各種入力操作を受け付けるための入力インタフェースと、サーバ8と通信するための通信インタフェースと、を有している。ユーザは、ユーザ端末9を介して入力操作を行うことによって、サーバ8に「消耗品契約」の契約対象機を登録する。例えば、ユーザは自分の識別情報と、「消耗品契約」の契約対象機としたい複合機1の識別情報とを、ユーザ端末9に入力する。ユーザ端末9は入力を受け付けると、サーバ8に対して入力された情報を送信する。
【0032】
[サーバ8]
サーバ8は、複合機1とネットワークNTを介して通信する外部の装置であって、複合機1の稼働状態を管理する管理装置の一例である。本実施形態では、サーバ8は事業者が管理するサーバである。図1に示すように、サーバ8は、サーバ制御部81と、サーバメモリ82と、通信インタフェース83と、タイマ84と、を備えている。サーバ制御部81と、サーバメモリ82と、通信インタフェース83と、タイマ84とは、バス85を介して互いに接続されている。サーバ制御部81は、サーバ8を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)である。サーバメモリ82は、サーバ8の動作に必要なデータを記憶する記憶装置である。
【0033】
サーバ制御部81は、複合機1から受信した通知またはリクエストに応じて、サーバメモリ82が記憶している登録テーブルを更新する。「登録テーブル」とは、ユーザにより、または、サーバ8により、契約対象機に指定された複合機1を識別する装置IDとユーザ名、および、ユーザを識別するユーザIDと対応付けて登録したデータテーブルである。つまり、登録テーブルはユーザと契約対象機である複合機1とを紐づける情報を含む。また、「登録テーブル」とは、契約対象機それぞれに対して契約中か否かを表すデータでもある。
【0034】
サーバメモリ82は、領域821と、領域822とを有する。サーバメモリ82は領域821に装置情報を記憶する。サーバメモリ82は領域822に登録テーブルを記憶する。なお、各領域821、822は書き替え可能な領域である。装置情報とは、複合機1に関する種々の情報をまとめたデータである。装置情報は、複合機1の1台ごとに分けて記憶される。装置情報は少なくとも、複合機1を識別する装置IDを含んでいる。他にも、装置情報は、複合機1が印刷した印刷物の累計枚数と、複合機1が契約印刷で印刷した印刷物の累計枚数と、本体契約の契約期間、本体契約の契約料金、契約料金の支払い期限、契約料金の支払いの有無情報等を装置IDに対応付けて含むようにしてもよい。
【0035】
通信インタフェース83は、ユーザ端末9、および複合機1と通信するための有線インタフェースまたは無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して各種データ、通知、および要求を複合機1から受信する。また、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して各種データ、通知、および要求を複合機1へ送信する。
【0036】
例えば、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して複合機1から、装置IDと、印刷物の累計枚数と、契約印刷で印刷した印刷物の累計枚数とを受信する。そして、サーバ制御部81は、受信した装置IDと、各累計枚数とを対応付けて、複合機1の装置情報としてサーバメモリ82の領域821に記憶させてもよい。
【0037】
[複合機1]
図1に示すように、複合機1は、コントローラ61と、本体メモリ62と、通信インタフェース63と、ディスプレイ64と、操作部65と、印刷部66と、スキャナ部67と、ファクシミリ及び電話通信部68と、カートリッジ通信部71と、リアルタイムクロック73と、コンデンサ75と、を備えている。コントローラ61と、本体メモリ62と、通信インタフェース63と、ディスプレイ64と、操作部65と、印刷部66と、スキャナ部67と、ファクシミリ及び電話通信部68と、カートリッジ通信部71、リアルタイムクロック73とは、バス72を介して互いに接続されている。また、本体10は、電源プラグ77を介して電源91に接続されている。
【0038】
また、複合機1は、トナーカートリッジ4がドラムカートリッジ20に装着された状態で、ドラムカートリッジ20と共に、本体10に脱着可能に装着されている。ドラムカートリッジ20は、画像形成を行うために使用される部品として、不図時の感光体ドラムを有している。また、ドラムカートリッジ20は、ドラムメモリ22を有していてもよい。ドラムメモリ22は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。ドラムメモリ22は、例えばフラッシュROM(Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標、Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。
【0039】
ドラムメモリ22は、ドラムカートリッジ20の感光体ドラムに関する情報を記憶していてもよい。ドラムメモリ22はドラムIDを記憶していてもよい。ドラムメモリ22はドラム寿命情報を記憶していてもよい。ドラムIDは、個々のドラムカートリッジ20を識別するための固有のシリアルナンバーである。ドラム寿命情報は、感光体ドラムの寿命を表す情報である。
【0040】
また、トナーカートリッジ4は、消耗品メモリの一例としてのトナーメモリ42を有する。トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4の外表面に配置される。トナーメモリ42は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリ、例えば、フラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)である。
【0041】
トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4に関する情報を記憶している。例えば、トナーメモリ42は、トナーID、第2種別情報、トナー残量情報を記憶している。
【0042】
トナーIDは、例えば、個々のトナーカートリッジ4を識別するための固有のシリアルナンバーである。なお、トナーIDには、各トナーカートリッジ4の色を表す情報が含まれていてもよい。
【0043】
第2種別情報は、トナーカートリッジ4の種別を表す情報である。本実施形態において、トナーカートリッジ4の種別は2種類存在する。1つは、契約対象機でのみ使用可能な専用の消耗品の一例としての「専用カートリッジ」である。もう1つは、契約対象機でない複合機1でも使用可能な通常の消耗品の一例としての「通常カートリッジ」である。なお、第2種別情報は、トナーIDに含まれていてもよい。すなわち、トナーIDは、個々のトナーカートリッジ4を識別する情報であると同時に、個々のトナーカートリッジ4の種別が何であるかを表す情報であってよい。
【0044】
トナー残量情報は、トナーカートリッジ4のトナーの残量を表す情報である。トナーの残量は、一例として、満杯から空までの複数の段階に対応する値で構成され、満杯から空までの複数の段階のうち、トナー残量に対応する値が記憶されている。トナーメモリ42が記憶するトナーの残量の各段階は、上述の値に基づいて、「FULL」~「EMPTY」等の文字列であってもよいし、「100%」~「0%」などの数値であってもよいし、文字列と数値を組み合わせた情報であってもよい。
【0045】
カートリッジ通信部71は、例えば、端子などであり、本体10に装着されたドラムカートリッジ20のドラムメモリ22と、ドラムカートリッジ20と共に本体10に装着されたトナーカートリッジ4のトナーメモリ42と、のそれぞれに電気的に接続される。
【0046】
コントローラ61は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を有する。コントローラ61は、種々の処理を実行することによって、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能の使用を可能とする。
【0047】
なお、コントローラ61は、CPU等のプロセッサを備えてもよい。この場合、本体メモリ62に印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能を実現する制御プログラムが記憶されていてもよい。そして、コントローラ61のプロセッサが、本体メモリ62が記憶する制御プログラムにしたがって動作することにより、複合機1における印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能の使用が実現されてもよい。
【0048】
また、コントローラ61自体が、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えていてもよい。記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを利用してもよい。
【0049】
また、制御プログラムは、制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介してコンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0050】
ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4が本体10に装着されると、ドラムメモリ22およびトナーメモリ42は、カートリッジ通信部71を介して、コントローラ61と電気的に接続される。コントローラ61は、カートリッジ通信部71を介してドラムメモリ22およびトナーメモリ42からの情報の読出処理を実行することが可能となる。また、コントローラ61は、カートリッジ通信部71を介して、ドラムメモリ22およびトナーメモリ42への情報の書き込み処理と書き替え処理との少なくとも一方を実行することが可能となる。
【0051】
本体メモリ62は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。本体メモリ62は、例えばフラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)である。図2に示すように、本体メモリ62は、種々の情報を記憶する領域621~領域628を有している。本体メモリ62は、領域621にトナー情報を記憶している。
【0052】
トナー情報は、複合機1に装着された個々のトナーカートリッジ4に関する情報である。例えば、トナー情報は、あるトナーメモリ42から読み出されたトナーIDに、同一のトナーメモリ42から読み出された第2種別情報およびトナー残量情報を対応付けたデータであってよい。そして、本体メモリ62は領域621に、このように対応付けたデータをトナーカートリッジ4毎に記憶してよい。
【0053】
また、本体メモリ62は、領域622に装置IDを記憶している。装置IDは、複合機1を識別するための識別情報である。装置IDは、例えば複合機1のシリアルナンバーであってもよい。
【0054】
また、本体メモリ62は、領域623に契約情報を記憶している。契約情報は、「契約モード」と「通常モード」との2種類のモードのいずれかであることとする。「契約モード」は、複合機1を対象とする「消耗品契約」を締結している状態であることを表わす。「通常モード」は、複合機1を対象とする「消耗品契約」を締結していない状態であるか、「消耗品契約」が解除済であることを表わす。複合機1の工場からの出荷時には、領域623には初期値として、「通常モード」に対応する値が格納されている。コントローラ61は「契約情報」を適宜書き替える。
【0055】
また、本体メモリ62は、領域624に種別情報を記憶している。種別情報は、複合機1の種別を表す情報である。本実施形態において、複合機1の種別は2種類存在する。1つは、「本体契約」が締結されている場合に使用可能な専用の本体の一例としての「専用本体」である。もう1つは、「本体契約」が締結されておらず、または、「本体契約」の締結に関わらず使用可能な通常の本体の一例としての「通常本体」である。
【0056】
コントローラ61は、種別情報を適宜書き換える。複合機1の工場からの出荷時には、領域624には、初期値として「通常本体」に対応する値が記憶されている。なお、種別情報は、装置IDに含まれてもよい。すなわち、装置IDは、個々の複合機1を識別する情報であると同時に、個々の複合機1の種別が何であるかを表す情報であってもよい。
【0057】
また、本体メモリ62は、領域625に第1枚数カウンタを記憶している。第1枚数カウンタは、複合機1における印刷枚数の累計である。また、本体メモリ62は、領域626に第2枚数カウンタを記憶している。第2枚数カウンタは、複合機1が契約印刷で印刷した印刷物の枚数を示す。第2枚数カウンタは、複合機1が契約モードから通常モードに移行する度に0にカウントリセットされてもよいし、今まで複合機1において契約に基づく印刷で印刷された印刷物の枚数の累計であってもよい。以降、特段の記載がない限り、第2枚数カウンタの値は契約印刷で印刷された印刷物の枚数の累計あるいは、印刷可能枚数であることとする。
【0058】
また、本体メモリ62は、領域627に枚数記憶部を有している。枚数記憶部は、複合機1が契約印刷によって印刷可能な印刷物の枚数を記憶している。また、本体メモリ62は、領域628に期限情報記憶部を有している。期限情報記憶部は、「消耗品契約」と「本体契約」のそれぞれの契約開始日時と、契約終了日時と、契約料金の支払い期限とを含む期限情報を記憶している。
【0059】
また、図1に示すように、通信インタフェース63は、ユーザ端末9およびサーバ8と通信するための有線インタフェースまたは無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。また、通信インタフェース63は、電話回線にも接続されている。コントローラ61は、通信インタフェース63を介して各種データ、通知、および要求をサーバ8等から受信する。また、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して各種データ、通知、および要求をサーバ8へ送信する。
【0060】
ディスプレイ64は、例えば液晶ディスプレイである。操作部65は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部65を操作することによって、種々の指示を複合機1に入力可能である。尚、操作部65は、ディスプレイ64の画面上に一体的に配置されたタッチパネルによって構成されてもよい。
【0061】
印刷部66は、図示しない搬送機構により給紙トレイ中の用紙を取り出して搬送する。印刷部66は、搬送される用紙に対してドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4によるレーザープリンタ方式により画像を印刷する。従って、複合機1は、印刷部66を使用できる印刷機能を有する。尚、トナーカートリッジ4には、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックのそれぞれのトナーカートリッジ4が含まれる。しかし、以下、特に断らない限り、それらを区別せずに単に「トナーカートリッジ4」と表記して説明する。
【0062】
スキャナ部67は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に読み取り対象物である原稿を読み取る。その後、複合機1は、スキャナ部67で読み取った画像を表すスキャンデータを生成する。従って、複合機1は、スキャナ部67を使用できるスキャナ機能を有する。
【0063】
ファクシミリ及び電話通信部68は、通信インタフェース63を介して、電話回線に接続される。ファクシミリ及び電話通信部68は、外部の通信先装置との間でファクシミリ信号としての画像データの送信、受信、および、所望の通話先との音声通信を行う。従って、複合機1は、ファックス送信機能とファックス受信機能とを有する。
【0064】
リアルタイムクロック(RTC:Real Time Clock)73は、時刻の計時を行う電気回路であり、内部時計としての機能を有している。リアルタイムクロック73は、図示しない電源回路から駆動電力が供給されることで駆動される。リアルタイムクロック73は、本体10の電源プラグ77が電源91から抜かれて、本体10への電力供給が停止した場合は、図示しない電源回路に替えて、コンデンサ75から駆動電力が供給される。コンデンサ75からの駆動電力は、コンデンサ75の静電容量に応じて所定期間、供給される。例えば、約2週間程度である。
【0065】
リアルタイムクロック73により計時される現在時刻情報は、コントローラ61により参照可能である。また、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8から現在時刻情報を取得して、リアルタイムクロック73の時刻を現在時刻情報に更新することも可能である。
【0066】
[本体契約管理処理]
次に、複合機1を対象とする本体契約の締結状態を管理する本体契約管理処理について図3に基づいて説明する。図3は、サーバ8が実行する本体契約管理処理の一例を示すフローチャートである。図3にフローチャートで示されるプログラムは、予めサーバメモリ82に記憶されている。また、サーバ制御部81は、本体契約管理処理のプログラムを数分~数時間毎に起動して、ステップS111の処理に進む。
【0067】
図3に示すように、ステップS111において、サーバ制御部81は、複合機1との本体契約が締結されているか否かを判定する。具体的には、サーバ制御部81は、サーバメモリ82の領域822に記憶する登録テーブルに契約対象機としての複合機1を識別する装置IDが記憶されているか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、複合機1との本体契約が締結されていないと判定した場合、つまり、契約対象機としての複合機1を識別する装置IDが登録テーブルに記憶されていないと判定した場合は(S111:NO)、本体契約管理処理を終了する。
【0068】
一方、サーバ制御部81は、複合機1との本体契約が締結されていると判定した場合、つまり、契約対象機としての複合機1を識別する装置IDが登録テーブルに記憶されていると判定した場合は(S111:YES)、ステップS112の処理に進む。ステップS112において、サーバ制御部81は、本体契約を締結している複合機1の本体契約の契約料金の支払いがあったか否かを判定する。具体的には、サーバ制御部81は、本体契約を締結した複合機1を識別する装置IDを登録テーブルから読み出す。続いて、サーバ制御部81は、サーバメモリ82の領域821に記憶する装置情報から、この装置IDに対応する契約料金の支払いの有無情報を読み出して、契約料金の支払いがあったか否かを判定する。
【0069】
そして、サーバ制御部81は、本体契約を締結している複合機1の本体契約の契約料金の支払いがないと判定した場合は(S112:NO)、本体契約管理処理を終了する。一方、サーバ制御部81は、本体契約を締結している複合機1の本体契約の契約料金の支払いがあったと判定した場合は(S112:YES)、ステップS113の処理に進む。
【0070】
ステップS113において、サーバ制御部81は、本体契約を締結した複合機1を識別する装置IDを登録テーブルから読み出す。続いて、サーバ制御部81は、サーバメモリ82の領域821に記憶する装置情報から、この装置IDに対応する「契約料金の支払い期限」を「次回支払い期限」まで延長して、再度、領域821の装置情報に記憶する。その後、サーバ制御部81は、ステップS114の処理に進む。
【0071】
ステップS114において、サーバ制御部81は、本体契約を締結した複合機1を識別する装置IDを登録テーブルから読み出す。続いて、サーバ制御部81は、装置IDに対応する複合機1に対して、本体使用可否情報と、支払期限情報とを通信インタフェース83を介して通知した後、本体契約管理処理を終了する。本体使用可否情報には、複合機1の本体契約の契約料金が支払われて、本体10を継続して使用可能であるか否かと、当該複合機1を識別する装置IDとが含まれる。支払期限情報には、契約料金の次回支払い期限と、契約料金と、当該複合機1を識別する装置IDとが含まれる。
【0072】
[リアルタイムクロック管理処理]
次に、複合機1のコントローラ61が実行するリアルタイムクロック73の稼働状態を管理するリアルタイムクロック管理処理について図4に基づいて説明する。図4は、複合機1のコントローラ61が実行するリアルタイムクロック管理処理の一例を示すフローチャートである。図4にフローチャートで示されるプログラムは、予め本体メモリ62に記憶されている。また、コントローラ61は、リアルタイムクロック管理処理のプログラムを複合機1が起動するときに起動する。これにより、コントローラ61は、図4にフローチャートで示されるプログラムのステップS11の処理に進む。
【0073】
図4に示すように、ステップS11において、コントローラ61は、リアルタイムクロック73のレジスタと通信し、リアルタイムクロック73が初期化されたか否かを判定する。つまり、コントローラ61は、コンデンサ75の充電が切れて、リアルタイムクロック73が初期化されたか否かを判定する。
【0074】
ここで、リアルタイムクロック73の初期化について説明する。本体10への電力供給が停止する。その後、リアルタイムクロック73に駆動電力を供給するコンデンサ75の充電が切れる。その後、再度、電源91から電源プラグ77を介してリアルタイムクロック73に電力供給がされる。この場合、リアルタイムクロック73は、初期化されて再起動する。このリアルタイムクロック73が初期化された時に、コントローラ61は、リアルタイムクロック73のレジスタと通信し、リアルタイムクロック73が初期化されたかどうか判定することができる。
【0075】
そして、コントローラ61は、リアルタイムクロック73が初期化されていないと判定した場合は(S11:NO)、後述のステップS13の処理に進む。一方、コントローラ61は、リアルタイムクロック73が初期化されていると判定した場合は(S11:YES)、ステップS12の処理に進む。
【0076】
ステップS12において、コントローラ61は、RTC稼働フラグをOFFに設定する。具体的には、コントローラ61は、RTC稼働フラグを本体メモリ62から読み出す。そして、コントローラ61は、初期化されて再起動したリアルタイムクロック73の計時した現在時刻情報が正確な時刻でないため、RTC稼働フラグをOFFに設定して、ステップS13の処理に進む。
【0077】
ここでRTC稼働フラグについて説明する。RTC稼働フラグは、リアルタイムクロック73の計時した現在時刻情報が正確な時刻であるか否かを示すフラグである。RTC稼働フラグがONの場合、リアルタイムクロック73の計時した現在時刻情報が正確な時刻であることを示す。RTC稼働フラグがOFFの場合、リアルタイムクロック73の計時した現在時刻情報が正確な時刻ではないことを示す。
【0078】
ステップS13において、コントローラ61は、通信インタフェース63を介してサーバ8と通信可能であるか否かを判定する。
【0079】
そして、コントローラ61は、サーバ8と通信できないと判定した場合は(S13:NO)、再度、ステップS13の処理を実行する。一方、コントローラ61は、サーバ8と通信できると判定した場合は(S13:YES)、ステップS14の処理に進む。
【0080】
ステップS14において、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8から現在時刻情報を取得する。そして、コントローラ61は、リアルタイムクロック73の時刻をサーバ8から取得した現在時刻情報に更新した後、ステップS15の処理に進む。サーバ8から取得して更新された現在時刻情報は、正確な時刻である。なお、コントローラ61は、サーバ8ではなく、通信インタフェース63を介してネットワークNT上にあるSNTP(Simple Network Time Protocol)サーバから現在時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0081】
ステップS15において、コントローラ61は、RTC稼働フラグをONに設定して本体メモリ62に記憶する。その後、コントローラ61は、ステップS16の処理に進む。
【0082】
ステップS16において、コントローラ61は、本体メモリ62の領域624に記憶されている種別情報を読み出し、種別情報が「専用本体」であるか否か、つまり、「本体契約」が締結されているか否かを判定する。
【0083】
そして、コントローラ61は、種別情報が「専用本体」である、つまり、「本体契約」が締結されていると判定した場合は(S16:YES)、再度、ステップS13以降の処理を実行する。一方、コントローラ61は、種別情報が「通常本体」である、つまり、「本体契約」が締結されていないと判定した場合は(S16:NO)、ステップS17の処理に進む。
【0084】
ステップS17において、コントローラ61は、操作部65を介して、リアルタイムクロック73の時刻変更指示が入力されたか否かを判定する。そして、コントローラ61は、操作部65を介して、リアルタイムクロック73の時刻変更指示が入力されていないと判定した場合は(S17:NO)、再度、ステップS13以降の処理を実行する。一方、コントローラ61は、操作部65を介して、リアルタイムクロック73の時刻変更指示が入力されたと判定した場合は(S17:YES)、ステップS18の処理に進む。
【0085】
ステップS18において、コントローラ61は、リアルタイムクロック73の時刻を操作部65を介して取得した時刻情報に更新する。その後、コントローラ61は、再度、ステップS13以降の処理を実行する。
【0086】
[インターフェースロック処理]
次に、上記のように構成された複合機1のコントローラ61が実行する印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とのうちの少なくとも一部を利用不可とするインターフェースロック処理について図5および図6に基づいて説明する。図5は、複合機1のコントローラ61が実行する一部の機能を利用不可とするインターフェースロック処理(I/Fロック処理)の一例を示すフローチャートである。図5にフローチャートで示されるプログラムは、予め本体メモリ62に記憶されている。また、コントローラ61は、インターフェースロック処理のプログラムを数秒~数分毎に起動する。図6は、複合機1の一部の機能が利用不可となる使用状態の一例を説明するテーブルである。
【0087】
図5に示すように、ステップS31において、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8と通信を行う。そして、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8と通信可能であるか否かを判定する。そして、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8と通信可能であると判定した場合は(S31:YES)、ステップS32の処理に進む。
【0088】
ステップS32において、コントローラ61は、本体使用可否情報と、支払期限情報とを要求する要求情報を、複合機1の装置IDと共に、通信インタフェース63を介して、サーバ8に対して送信する。そして、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、複合機1の装置IDに対応する本体使用可否情報と、支払期限情報とをサーバ8から受信して、本体メモリ62の領域628の期限情報記憶部に記憶する。
【0089】
そして、コントローラ61は、本体使用可否情報が、複合機1の本体契約の契約料金が支払われて、本体10を継続して使用可能であることを示している場合は、支払いフラグを本体メモリ62から読み出し、支払いフラグをONに設定して、本体メモリ62に記憶する。一方、コントローラ61は、本体使用可否情報が、複合機1の本体契約の契約料金が未納で、本体10を継続して使用できないことを示している場合は、支払いフラグを本体メモリ62から読み出し、支払いフラグをOFFに設定して、本体メモリ62に記憶する。その後、コントローラ61は、ステップS33の処理に進む。
【0090】
ステップS33において、コントローラ61は、受信した本体使用可否情報から複合機1の本体10を継続して使用可能であるか否かを判定する。具体的には、コントローラ61は、支払いフラグを本体メモリ62から読み出し、ONに設定されているか否かを判定する。そして、コントローラ61は、複合機1の本体10を継続して使用可能であると判定した場合、つまり、支払いフラグがONに設定されていると判定した場合は(S33:YES)、再度、ステップS31以降の処理を実行する。
【0091】
その結果、図6の「No.6」と「No.8」に示すように、「サーバとの通信」が可能で、かつ、「支払いフラグ」がONの場合に該当する。このため、「インタフェース(I/F)ロック判定」は使用可となる。つまり、コントローラ61は、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる使用(利用)を可能とする。
【0092】
一方、コントローラ61は、複合機1の本体10を継続して使用できないと判定した場合、つまり、支払いフラグがOFFに設定されていると判定した場合は(S33:NO)、ステップS34の処理に進む。
【0093】
ステップS34において、コントローラ61は、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる使用(利用)を不可とする。なお、コントローラ61は、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能との一部の機能のユーザによる使用を不可としてもよい。但し、コントローラ61は、ユーザインタフェースであるディスプレイ64と、通信インタフェース63を介したネットワークNTへの接続は、利用可能に設定する。その後、コントローラ61は、ステップS35の処理に進む。
【0094】
従って、図6の「No.5」と「No.7」に示すように、「サーバとの通信」が可能で、かつ、「支払いフラグ」がOFFの場合に該当する。その結果、「インタフェース(I/F)ロック判定」は使用不可となる。つまり、コントローラ61は、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる使用を不可とする。なお、コントローラ61は、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能との一部の機能のユーザによる使用を不可としてもよい。
【0095】
ステップS35において、コントローラ61は、複合機1のディスプレイ64に、本体契約の契約料金が未納である旨を表示して、ユーザに対して、本体契約の契約料金が未納であることを通知する。その後、コントローラ61は、再度、ステップS31以降の処理を再度実行する。これにより、コントローラ61は、ユーザに対して、契約料金の支払いを督促することが可能となる。
【0096】
他方、ステップS31において、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8と通信不可であると判定した場合は(S31:NO)、ステップS36の処理に進む。
【0097】
ステップS36において、コントローラ61は、RTC稼働フラグを本体メモリ62から読み出し、RTC稼働フラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、コントローラ61は、RTC稼働フラグがOFFに設定されていると判定した場合、つまり、リアルタイムクロック73の計時した現在時刻情報が正確な時刻でないと判定した場合は(S36:NO)、ステップS38の処理に進む。
【0098】
ステップS38において、コントローラ61は、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる使用(利用)を不可とする。なお、コントローラ61は、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能との一部の機能のユーザによる使用を不可としてもよい。但し、コントローラ61は、ユーザインタフェースであるディスプレイ64と、通信インタフェース63を介したネットワークNTへの接続は、利用可能に設定する。その後、コントローラ61は、後述のステップS39の処理に進む。
【0099】
従って、図6の「No.1」と「No.2」に示すように、「サーバとの通信」が不可で、かつ、「RTC稼働フラグ」がOFFの場合に該当する。その結果、「インタフェース(I/F)ロック判定」は使用不可となる。つまり、コントローラ61は、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる使用を不可とする。なお、コントローラ61は、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能との一部の機能のユーザによる使用を不可としてもよい。
【0100】
一方、ステップS36にて、コントローラ61は、RTC稼働フラグがONに設定されていると判定した場合、つまり、リアルタイムクロック73の計時した現在時刻情報が正確な時刻であると判定した場合は(S36:YES)、ステップS37の処理に進む。
【0101】
ステップS37において、コントローラ61は、本体メモリ62の領域628の期限情報記憶部から本体契約の契約料金の支払い期限を読み出す。また、コントローラ61は、リアルタイムクロック73から現在時刻情報を取得する。続いて、コントローラ61は、現在時刻が本体契約の契約料金の支払い期限を過ぎているか否かを判定する。そして、コントローラ61は、現在時刻が本体契約の契約料金の支払い期限を過ぎていないと判定した場合は(S37:NO)、再度、ステップS31以降の処理を実行する。なお、現在時刻が本体契約の契約料金の支払い期限を過ぎていない場合は、本体メモリ62に記憶されている支払いフラグは、ONに設定される(ステップS32参照)。
【0102】
その結果、図6の「No.4」に示すように、「サーバとの通信」が不可で、「RTC稼働フラグ」がONで、更に、「支払いフラグ」がONの場合に該当する。このため、「インタフェース(I/F)ロック判定」は使用可となる。つまり、コントローラ61は、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる使用(利用)を可能とする。
【0103】
従って、外部のサーバ8との通信を切断されたオフライン中でも、契約料金の支払い期限が過ぎるまでは、複合機1の使用できる印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能は、利用可能となる。
【0104】
一方、ステップS37にて、コントローラ61は、現在時刻が本体契約の契約料金の支払い期限を過ぎていると判定した場合は(S37:YES)、上記ステップS38の処理に進む。なお、現在時刻が本体契約の契約料金の支払い期限を過ぎている場合は、本体メモリ62に記憶されている支払いフラグは、OFFに設定される(ステップS32参照)。従って、外部のサーバ8との通信を切断されたオフライン中でも、リアルタイムクロック73の現在時刻が契約料金の支払い期限を過ぎた場合には(S37:YES)、上記ステップS38の処理に進むことができる。
【0105】
ステップS38において、コントローラ61は、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる使用(利用)を不可とする。但し、コントローラ61は、ユーザインタフェースであるディスプレイ64と、通信インタフェース63を介したネットワークNTへの接続は、利用可能に設定する。その後、コントローラ61は、後述のステップS39の処理に進む。
【0106】
従って、図6の「No.3」に示すように、「サーバとの通信」が不可で、「RTC稼働フラグ」がONで、さらに、「支払いフラグ」がOFFの場合に該当する。その結果、「インタフェース(I/F)ロック判定」は使用不可となる。つまり、コントローラ61は、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる使用を不可とする。なお、コントローラ61は、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能との一部の機能のユーザによる使用を不可としてもよい。
【0107】
これにより、外部のサーバ8との通信を切断されたオフライン中に、契約料金の支払い期限が過ぎると、コントローラ61は、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能の使用を制限することが可能となる。また、コントローラ61は、不正にリアルタイムクロック73が初期化された場合に、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能の使用を制限することが可能となる。よって、外部のサーバ8との通信を切断されたオフライン中においても、不正使用の判定が容易な複合機1を提供できる。
【0108】
ステップS39において、コントローラ61は、複合機1のディスプレイ64に、本体契約の契約料金が未納である旨を表示して、ユーザに対して、本体契約の契約料金が未納であることを通知する。その後、コントローラ61は、再度、ステップS31以降の処理を再度実行する。これにより、コントローラ61は、ユーザに対して、契約料金の支払いを督促することが可能となる。
【0109】
[変形例1]
本開示の画像形成装置は、複合機1に限られない。画像形成装置は、印刷機能のみを有する装置、例えば、レーザープリンタやインクジェットプリンタであってもよい。
【0110】
[変形例2]
ドラムカートリッジ20は、感光体ドラムと、カートリッジ筐体と、ドラムメモリ22と、帯電器と、現像ローラを有してもよい。カートリッジ筐体には、感光体ドラム、ドラムメモリ22、帯電器及び現像ローラが設けられる。また、トナーカートリッジ4は、カートリッジ筐体及びトナーメモリ42を有するが、現像ローラを有しない。カートリッジ筐体はトナーを収容する。現像ローラの外周面は、ドラムカートリッジ20の内部で感光体ドラムの外周面と接触する。
【0111】
[変形例3]
トナーカートリッジ4は、図示しない2つのカートリッジから構成されていてもよい。トナーカートリッジ4を構成する2つのカートリッジのうち1つ目のカートリッジは、現像ローラを有する。トナーカートリッジ4を構成する2つのカートリッジのうち2つ目のカートリッジは、カートリッジ筐体と、トナーメモリ42と、を有する。カートリッジ筐体はトナーを収容する。
【0112】
[変形例4]
複合機1は、ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4に代えて、図示しない1つのカートリッジを備えてもよい。1つのカートリッジは、感光体ドラムと、カートリッジ筐体と、メモリと、帯電器と、現像ローラと、を有する。現像ローラの外周面は、1つのカートリッジの内部で感光体ドラムの外周面と接触する。1つのカートリッジのカートリッジ筐体はトナーを収容する。
【0113】
[変形例5]
また、複合機1では、ドラムカートリッジ20とトナーカートリッジ4とが本体10に対して互いに独立して着脱可能であってもよい。
【0114】
[変形例6]
複合機1の印刷部66は、インクジェットプリンタ方式であってもよい。印刷部66がインクジェットプリンタ方式である場合、複合機1の本体10には、ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4ではなく、インクカートリッジが装着される。なお、複合機1に装着されるインクカートリッジの個数は、特に限定されない。例えば、複合機1には、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの4色それぞれに対応する、合計4個のインクカートリッジが装着されてよいし、ブラック1色のみが装着されてもよい。
【0115】
インクカートリッジは、インクメモリを内蔵している。インクメモリには、例えば、インクIDと、インク種別情報と、インク残量と、新品フラグと、発注済み情報と、が記憶されている。インクIDは、トナーIDと同様の情報である。インク種別情報は、第2種別情報と同様の情報である。
【0116】
印刷部66がインクジェットプリンタ方式である場合においても、図4図5の処理の流れは同様である。具体的には、印刷部66がインクジェットプリンタ方式である場合、前述の実施形態の説明における「トナーカートリッジ4」、「トナーメモリ42」をそれぞれ、インクカートリッジ、インクメモリ、に読みかえればよい。また、「トナーID」、「第2種別情報」、および「トナー残量情報」をそれぞれ、インクID、インク種別情報、およびインク残量情報に読みかえればよい。印刷部66がインクジェットプリンタ方式である場合も、前記実施形態の複合機1と同様の効果を奏する。
【0117】
[変形例7]
上記ステップS34およびステップS38において、コントローラ61は、通信インタフェース63を介したネットワークNTへの接続のみ利用可能に設定し、ユーザインタフェースであるディスプレイ64は、利用不可に設定するようにしてもよい。これにより、ユーザが契約料金を支払って、複合機1をネットワークNTに接続した場合には、コントローラ61は、サーバ8との通信を行い、利用不可となった各機能を利用可能に設定することができる。
【0118】
また、上記ステップS34およびステップS38において、コントローラ61は、ユーザインタフェースであるディスプレイ64のみ利用可能に設定し、通信インタフェース63を介したネットワークNTへの接続は、利用不可に設定するようにしてもよい。これにより、コントローラ61は、ディスプレイ64を介して、ユーザに対して利用不可になった機能や各種情報を報知することが可能となる。
【0119】
[ソフトウェアによる実現例]
複合機1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、複合機1としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、複合機1のコントローラ61としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0120】
この場合、複合機1は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0121】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、複合機1が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して複合機1に供給されてもよい。
【0122】
また、コントローラ61の機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。
【0123】
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0124】
1 複合機、8 サーバ、61 コントローラ、62 本体メモリ、63、83 通信インタフェース、64 ディスプレイ、65、操作部、73 リアルタイムクロック、82 サーバメモリ

図1
図2
図3
図4
図5
図6