(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127108
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】油圧供給装置、及び油圧作動ユニット
(51)【国際特許分類】
F04B 53/10 20060101AFI20240912BHJP
F04B 23/02 20060101ALI20240912BHJP
F04B 53/16 20060101ALI20240912BHJP
B23Q 3/06 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F04B53/10 A
F04B23/02 Z
F04B53/16 D
B23Q3/06 302B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036002
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】吉村 画
【テーマコード(参考)】
3C016
3H071
【Fターム(参考)】
3C016CA03
3C016CB02
3C016CC02
3H071AA03
3H071BB01
3H071CC34
3H071CC47
3H071DD01
3H071DD06
3H071DD27
3H071DD37
3H071DD83
(57)【要約】 (修正有)
【課題】油圧作動装置に供給した作動油を簡素な構成で油圧作動装置から回収する。
【解決手段】油圧供給装置1は、内周面2aが形成された筐体部材2と、内周面の軸心から偏位した偏芯軸心3bに沿って延伸する支持軸部材3と、支持軸部材に対して放射状に延びるように形成され、回動可能に設けられた複数のシリンダ4と、複数のシリンダのそれぞれに、内周面に向かって突没可能に支持された複数のピストン5とを備え、支持軸部材が、各シリンダからの作動油を油圧作動装置17に供給し、油圧作動装置から排出された作動油を各シリンダに戻すために、偏芯軸心に沿って延伸する双方向流路14を有し、各シリンダからの作動油を双方向流路に供給する供給流路6と、油圧作動装置から排出された作動油を双方向流路から各シリンダに戻すために供給流路と遮断して形成された戻し流路7と、双方向流路と戻し流路との間を開閉する戻し操作部材8とをさらに備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面が形成された筐体部材と、
前記内周面の軸心から偏位した偏芯軸心に沿って延伸して前記筐体部材に取り付けられた支持軸部材と、
前記支持軸部材に対して放射状に延びるように形成され、且つ、前記支持軸部材の周りに回動可能に設けられた複数のシリンダと、
前記複数のシリンダのそれぞれに、前記内周面に向かって突没可能に支持された複数のピストンとを備え、
前記支持軸部材が、各シリンダからの作動油を油圧作動装置に供給し、前記油圧作動装置から排出された前記作動油を各シリンダに戻すために、前記偏芯軸心に沿って延伸する双方向流路を有し、
各シリンダからの作動油を前記双方向流路に供給するための供給流路と、
前記油圧作動装置から排出された前記作動油を前記双方向流路から各シリンダに戻すために前記供給流路と遮断して形成された戻し流路と、
前記双方向流路と前記戻し流路との間を開閉するための戻し操作部材とをさらに備えることを特徴とする油圧供給装置。
【請求項2】
前記複数のシリンダが配置され、且つ、前記支持軸部材の周りに回動可能に設けられたドラム部材をさらに備え、
前記戻し操作部材が、前記支持軸部材の端面に対向して前記偏芯軸心に沿って摺動可能に前記ドラム部材に設けられている請求項1に記載の油圧供給装置。
【請求項3】
前記支持軸部材の前記双方向流路の前記端面側に設けられ、前記作動油を各シリンダに戻すための戻し孔が形成された戻し孔部材と、
前記戻し孔に挿入されて前記戻し操作部材により押圧されることにより摺動可能に設けられた戻しピンと、
前記戻しピンの摺動により前記戻し孔を開くように設けられた弁部材と、
前記弁部材を前記戻しピンに向かって付勢する戻しばねとをさらに備える請求項2に記載の油圧供給装置。
【請求項4】
前記ドラム部材が、前記偏芯軸心の周りの回転力を受け取るための操作部を有する、請求項2に記載の油圧供給装置。
【請求項5】
前記操作部が、前記戻し操作部材を囲むように形成され、前記偏芯軸心に沿った方向から見て多角形状を有する、請求項4に記載の油圧供給装置。
【請求項6】
前記操作部が、前記偏芯軸心から半径方向に延伸するハンドル部材を有する、請求項4に記載の油圧供給装置。
【請求項7】
前記供給流路が、前記ドラム部材の内周面と前記支持軸部材の外周面との間の第1隙間と、前記第1隙間と前記支持軸部材の前記双方向流路とを連通する連通孔とを含む、請求項2に記載の油圧供給装置。
【請求項8】
前記戻し流路が、前記支持軸部材の端面と前記ドラム部材との間の第2隙間と、前記ドラム部材と各シリンダとの間の第3隙間とを含む、請求項2に記載の油圧供給装置。
【請求項9】
前記双方向流路が、前記偏芯軸心に沿って延伸する第1流路と、前記第1流路の前記戻し操作部材と反対側から前記偏芯軸心に交差する方向に沿って延伸する第2流路とを含む、請求項2に記載の油圧供給装置。
【請求項10】
前記複数のシリンダが、前記偏芯軸心に沿った方向から見て略等間隔で配置され、
前記複数のシリンダが、前記ドラム部材の外周面を展開して見た場合に、ジグザグ状に配置される、請求項2に記載の油圧供給装置。
【請求項11】
前記複数のシリンダが、前記偏芯軸心に沿った方向から見て約45度の間隔で配置された8個のシリンダである、請求項10に記載の油圧供給装置。
【請求項12】
前記供給流路が、前記ドラム部材の内周面と前記支持軸部材の外周面との間の第1隙間と、前記第1隙間と前記支持軸部材の前記双方向流路とを連通する連通孔とを含み、
前記戻し流路が、前記支持軸部材の端面と前記ドラム部材との間の第2隙間と、前記ドラム部材と各シリンダとの間の第3隙間とを含み、
各シリンダが、前記双方向流路に前記作動油を供給するために前記供給流路の前記第1隙間と連通する供給孔と、
前記双方向流路から前記作動油を戻すために前記戻し流路の前記第3隙間と連通する戻し孔とを有する、請求項2に記載の油圧供給装置。
【請求項13】
前記油圧供給装置が、前記双方向流路と前記戻し流路との間を閉じた状態で、各シリンダから前記供給流路と前記双方向流路とを通って前記作動油を前記油圧作動装置に供給する第1動作モードと、
前記双方向流路と前記戻し流路との間を開いた状態で、前記油圧作動装置から前記双方向流路と前記戻し流路とを通って前記作動油を各シリンダに戻す第2動作モードとを有する、請求項1に記載の油圧供給装置。
【請求項14】
前記複数のピストンの径寸法は、前記偏芯軸心に沿った方向から見て前記内周面に沿って順番に小さくなるように構成される、請求項1に記載の油圧供給装置。
【請求項15】
軌道に沿って移動可能に構成された搬送部材と、
前記搬送部材上に設けられた請求項1に記載の油圧供給装置と、
前記油圧供給装置から前記作動油が供給され、前記油圧供給装置に前記作動油を排出するように前記搬送部材上に設けられた油圧作動装置と、を備える、
ことを特徴とする油圧作動ユニット。
【請求項16】
前記油圧作動装置が一対の旋回式クランプを含む、請求項15に記載の油圧作動ユニット。
【請求項17】
前記油圧供給装置は、前記油圧作動装置がロック状態からリリース状態にリリース駆動する時に前記作動油を前記油圧作動装置に供給する、請求項15に記載の油圧作動ユニット。
【請求項18】
前記油圧供給装置は、前記油圧作動装置がリリース状態からロック状態にロック駆動する時に前記作動油を前記油圧作動装置に供給する、請求項15に記載の油圧作動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の筐体の中心軸心に対して偏位させた偏芯軸心を中心に回転可能な複数のシリンダにそれぞれ支持された複数のピストンが、筐体の内周面に向かって突没することにより、シリンダ内の作動油を供給する油圧供給装置、及び油圧作動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
回転軸に対して半径方向にピストンを突没させる油圧供給装置が従来技術として知られている(特許文献1)。この油圧供給装置は、筒状の筐体の中心軸心に対して偏位させた偏芯軸心を中心に回転可能なシリンダブロックと、このシリンダブロックの外周に設けられた複数のシリンダにそれぞれ半径方向に突没可能に支持された複数のピストンとを具備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、シリンダから作動油を油圧作動装置に供給するのみであり、供給した作動油を油圧作動装置から回収することができないという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、油圧作動装置に供給した作動油を簡素な構成で油圧作動装置から回収することができる油圧供給装置、及び油圧作動ユニットを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る油圧供給装置は、内周面が形成された筐体部材と、前記内周面の軸心から偏位した偏芯軸心に沿って延伸して前記筐体部材に取り付けられた支持軸部材と、前記支持軸部材に対して放射状に延びるように形成され、且つ、前記支持軸部材の周りに回動可能に設けられた複数のシリンダと、前記複数のシリンダのそれぞれに、前記内周面に向かって突没可能に支持された複数のピストンとを備え、前記支持軸部材が、各シリンダからの作動油を油圧作動装置に供給し、前記油圧作動装置から排出された前記作動油を各シリンダに戻すために、前記偏芯軸心に沿って延伸する双方向流路を有し、各シリンダからの作動油を前記双方向流路に供給するための供給流路と、前記油圧作動装置から排出された前記作動油を前記双方向流路から各シリンダに戻すために前記供給流路と遮断して形成された戻し流路と、前記双方向流路と前記戻し流路との間を開閉するための戻し操作部材とをさらに備えることを特徴とする。
【0007】
この特徴によれば、各シリンダからの作動油を油圧作動装置に供給し、油圧作動装置から排出された作動油を各シリンダに戻すために、偏芯軸心に沿って延伸する双方向流路と、油圧作動装置から排出された作動油を双方向流路から各シリンダに戻すために供給流路と遮断して形成された戻し流路との間が、戻し操作部材によって開閉される。このため、戻し操作部材によって双方向流路と戻し流路との間が開かれると、油圧作動装置から排出された作動油が、双方向流路から戻し流路を通ってシリンダに戻される。この結果、油圧作動装置に供給した作動油を簡素な構成で油圧作動装置から回収することができる。
【0008】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記複数のシリンダが配置され、且つ、前記支持軸部材の周りに回動可能に設けられたドラム部材をさらに備え、前記戻し操作部材が、前記支持軸部材の端面に対向して前記偏芯軸心に沿って摺動可能に前記ドラム部材に設けられていることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、複数のシリンダが配置され、且つ、支持軸部材の周りに回動可能に設けられたドラム部材に戻し操作部材が設けられる。そして、支持軸部材の端面に対向して偏芯軸心に沿って摺動可能な戻し操作部材が双方向流路と戻し流路との間を開く。このため、油圧作動装置から排出された作動油が、双方向流路から戻し流路を通ってシリンダに戻される。
【0010】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記支持軸部材の前記双方向流路の前記端面側に設けられ、前記作動油を各シリンダに戻すための戻し孔が形成された戻し孔部材と、前記戻し孔に挿入されて前記戻し操作部材により押圧されることにより摺動可能に設けられた戻しピンと、前記戻しピンの摺動により前記戻し孔を開くように設けられた弁部材と、前記弁部材を前記戻しピンに向かって付勢する戻しばねとをさらに備えることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、支持軸部材の双方向流路の端面側に設けられた戻し孔部材に作動油を各シリンダに戻すために形成された戻し孔に挿入された戻しピンが、戻し操作部材により押圧されることで摺動して弁部材が押されて戻し孔が開く。このため、油圧作動装置から排出された作動油が、双方向流路から戻し流路を通ってシリンダに戻される。
【0012】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記ドラム部材が、前記偏芯軸心の周りの回転力を受け取るための操作部を有することが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、ドラム部材の操作部が偏芯軸心の周りの回転力を受け取る。このため、ドラム部材が偏芯軸心の周りに回転する。従って、ドラム部材に配置された複数のシリンダのそれぞれに支持された複数のピストンが内周面に向かって突没する。この結果、各シリンダから作動油が油圧作動装置に供給される。
【0014】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記操作部が、前記戻し操作部材を囲むように形成され、前記偏芯軸心に沿った方向から見て多角形状を有することが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、多角形状を有する工具を操作部に嵌合させて偏芯軸心の周りに回転させることにより、偏芯軸心の周りの回転力をドラム部材が容易に受け取ることができる。
【0016】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記操作部が、前記偏芯軸心から半径方向に延伸するハンドル部材を有することが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、偏芯軸心から半径方向に延伸するハンドル部材を偏芯軸心の周りに回転させることにより、偏芯軸心の周りの回転力をドラム部材が容易に受け取ることができる。
【0018】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記供給流路が、前記ドラム部材の内周面と前記支持軸部材の外周面との間の第1隙間と、前記第1隙間と前記支持軸部材の前記双方向流路とを連通する連通孔とを含むことが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、ドラム部材の内周面と支持軸部材の外周面との間の第1隙間と、第1隙間と支持軸部材の双方向流路とを連通する連通孔とを通って、作動油がシリンダから双方向流路に供給される。
【0020】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記戻し流路が、前記支持軸部材の端面と前記ドラム部材との間の第2隙間と、前記ドラム部材と各シリンダとの間の第3隙間とを含むことが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、支持軸部材の端面とドラム部材との間の第2隙間と、ドラム部材と各シリンダとの間の第3隙間とを通って、作動油が双方向流路からシリンダに戻される。
【0022】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記双方向流路が、前記偏芯軸心に沿って延伸する第1流路と、前記第1流路の前記戻し操作部材と反対側から前記偏芯軸心に交差する方向に沿って延伸する第2流路とを含むことが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、偏芯軸心に沿って延伸する第1流路と、第1流路の戻し操作部材と反対側から偏芯軸心に交差する方向に沿って延伸する第2流路とを通って、シリンダからの作動油が油圧作動装置に供給される。
【0024】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記複数のシリンダが、前記偏芯軸心に沿った方向から見て略等間隔で配置され、前記複数のシリンダが、前記ドラム部材の外周面を展開して見た場合に、ジグザグ状に配置されることが好ましい。
【0025】
上記構成によれば、作動油を供給するシリンダを高密度に配置できる。このため、油圧作動装置により多くの作動油を供給できる。
【0026】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記複数のシリンダが、前記偏芯軸心に沿った方向から見て約45度の間隔で配置された8個のシリンダであることが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、偏芯軸心に沿った方向から見て約45度の間隔で配置された8個のシリンダにより、作動油を供給するシリンダを高密度に配置できる。
【0028】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記供給流路が、前記ドラム部材の内周面と前記支持軸部材の外周面との間の第1隙間と、前記第1隙間と前記支持軸部材の前記双方向流路とを連通する連通孔とを含み、前記戻し流路が、前記支持軸部材の端面と前記ドラム部材との間の第2隙間と、前記ドラム部材と各シリンダとの間の第3隙間とを含み、各シリンダが、前記双方向流路に前記作動油を供給するために前記供給流路の前記第1隙間と連通する供給孔と、前記双方向流路から前記作動油を戻すために前記戻し流路の前記第3隙間と連通する戻し孔とを有することが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、供給流路の第1隙間と連通するシリンダの供給孔を通って、双方向流路に作動油が供給され、戻し流路の第3隙間と連通するシリンダの戻し孔を通って、双方向流路から作動油がシリンダに戻される。
【0030】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記油圧供給装置が、前記双方向流路と前記戻し流路との間を閉じた状態で、各シリンダから前記供給流路と前記双方向流路とを通って前記作動油を前記油圧作動装置に供給する第1動作モードと、前記双方向流路と前記戻し流路との間を開いた状態で、前記油圧作動装置から前記双方向流路と前記戻し流路とを通って前記作動油を各シリンダに戻す第2動作モードとを有することが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、第1動作モードでは、双方向流路と戻し流路との間を閉じた状態で、各シリンダから供給流路と双方向流路とを通って作動油が油圧作動装置に供給される。そして、第2動作モードでは、双方向流路と戻し流路との間を開いた状態で、油圧作動装置から双方向流路と戻し流路とを通って作動油が各シリンダに戻される。このため、油圧作動装置に供給した作動油を簡素な構成で油圧作動装置から回収することができる。
【0032】
本発明の一態様に係る油圧供給装置は、前記複数のピストンの径寸法は、前記偏芯軸心に沿った方向から見て前記内周面に沿って順番に小さくなるように構成されることが好ましい。
【0033】
上記構成によれば、回動の進行に応じてドラム部材の回動抵抗が増加して、ドラム部材の操作部に工具が供給する回動力が増大する現象を緩和することができる。この結果、油圧供給装置を容易に動作させることができる。
【0034】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る油圧作動ユニットは、軌道に沿って移動可能に構成された搬送部材と、前記搬送部材上に設けられた本発明の一態様に係る油圧供給装置と、前記油圧供給装置から前記作動油が供給され、前記油圧供給装置に前記作動油を排出するように前記搬送部材上に設けられた油圧作動装置と、を備える、ことを特徴とする。
【0035】
本発明の一態様に係る油圧作動ユニットは、前記油圧作動装置が一対の旋回式クランプを含むことが好ましい。
【0036】
本発明の一態様に係る油圧作動ユニットは、前記油圧供給装置は、前記油圧作動装置がロック状態からリリース状態にリリース駆動する時に前記作動油を前記油圧作動装置に供給することが好ましい。
【0037】
本発明の一態様に係る油圧作動ユニットは、前記油圧供給装置は、前記油圧作動装置がリリース状態からロック状態にロック駆動する時に前記作動油を前記油圧作動装置に供給することが好ましい。
【発明の効果】
【0038】
本発明の一態様によれば、油圧作動装置に供給した作動油を簡素な構成で油圧作動装置から回収することができる油圧供給装置、及び油圧作動ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】実施形態1に係る油圧作動ユニットの平面断面図である。
【
図2】
図1に示される線II-IIに沿った断面図である。
【
図3】
図1に示される線III-IIIに沿った断面図である。
【
図4】上記油圧作動ユニットの油圧供給装置に設けられたドラム部材の側面展開図である。
【
図5】上記油圧供給装置に設けられた戻し操作部材に係る要部を示す拡大断面図である。
【
図6】上記戻し操作部材に係る要部の動作を示す拡大断面図である。
【
図7】上記油圧作動ユニットの動作を示す側面断面図である。
【
図8】上記油圧作動ユニットの動作を示す他の側面断面図である。
【
図9】上記油圧作動ユニットの動作を示す正面断面図である。
【
図10】実施形態2に係る油圧作動ユニットの側面断面図である。
【
図11】実施形態3に係る油圧作動ユニットの正面断面図である。
【
図12】上記油圧作動ユニットの動作を示す正面断面図である。
【
図13】実施形態4に係る油圧作動ユニットの正面断面図である。
【
図14】上記油圧作動ユニットの動作を示す正面断面図である。
【
図15】実施形態5に係る油圧供給装置の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0041】
(油圧作動ユニット15の構成)
図1は実施形態1に係る油圧作動ユニット15の平面断面図である。
図2は
図1に示される線II-IIに沿った断面図である。
図3は
図1に示される線III-IIIに沿った断面図である。
【0042】
油圧作動ユニット15は、軌道に沿って移動可能に構成された搬送部材16と、搬送部材16上に設けられた油圧供給装置1と、油圧供給装置1から作動油19(
図8)が供給され、油圧供給装置1に作動油19を排出するように搬送部材16上に設けられた一対の油圧作動装置17と、一対の油圧作動装置17の間に配置された支持装置18とを備える。一対の油圧作動装置17は、一対の旋回式クランプであってよい。
【0043】
油圧作動装置17はワークWを固定する旋回式クランプである例を以下説明する。但し、油圧作動装置17は、油圧により作動する装置であればよく、例えば横向き姿勢で設置してクランプロッドの先端でワークWの側壁を直接押圧して固定する直動シリンダであってもよいし、ワークWを左右から挟んで固定する二方向チャックであってもよい。
【0044】
油圧作動装置17は、
図3に示すようにワークWを上から押えて搬送部材16上に固定するために設けられる。一対の油圧作動装置17の間に、ワークWを下から支持するための支持装置18が設けられる。
【0045】
油圧作動ユニット15は、例えば、加工機の中で作業員が油圧作動装置17を動作させてワークWを搬送部材16上に固定し、加工機の扉を閉じて作業員が離れた状態でワークWを加工機により加工する。その後、再び扉を開けて作業員が油圧作動装置17を動作させてワークWを搬送部材16から解放するように使用される。
【0046】
また、油圧作動ユニット15は、例えば、加工機の外で作業員が油圧作動装置17を動作させてワークWを搬送部材16上に固定した後、異なる場所に設置された加工機の中まで油圧作動ユニット15が搬送されてもよい。そして、ワークWを加工機により加工し、加工機から油圧作動ユニット15が戻ってきたら、作業員がワークWを搬送部材16から解放するように使用されてもよい。
【0047】
図4は油圧作動ユニット15の油圧供給装置1に設けられたドラム部材9の側面展開図である。
図5は油圧供給装置1に設けられた戻し操作部材8に係る要部を示す拡大断面図である。前述した構成要素と同様の構成要素には同様の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0048】
図1~
図5を参照すると、油圧供給装置1は、搬送部材16の表面に平行な軸心を有する内周面2aが形成されて搬送部材16上に載置された略直方体状の筐体部材2と、内周面2aの上記軸心から偏位した偏芯軸心3bに沿って延伸して筐体部材2に取り付けられた支持軸部材3と、支持軸部材3に対して放射状に延びるように形成され、且つ、支持軸部材3の周りに回動可能に設けられた8個のシリンダ4と、8個のシリンダ4のそれぞれに、内周面2aに向かって突没可能に支持された8個のピストン5とを備える。
【0049】
支持軸部材3は双方向流路14を有する。この双方向流路14は、各シリンダ4からの作動油19を油圧作動装置17に供給し、油圧作動装置17から排出された作動油19を各シリンダ4に戻すために、偏芯軸心3bに沿って延伸する。
【0050】
油圧供給装置1は、各シリンダ4からの作動油19を双方向流路14に供給するための供給流路6と、油圧作動装置17から排出された作動油19を双方向流路14から各シリンダ4に戻すために供給流路6と遮断して形成された戻し流路7と、双方向流路14と戻し流路7との間を開閉するための戻し操作部材8とをさらに備える。
【0051】
これにより、各シリンダ4からの作動油19を油圧作動装置17に供給し、油圧作動装置17から排出された作動油19を各シリンダ4に戻すために、偏芯軸心3bに沿って延伸する双方向流路14と、油圧作動装置17から排出された作動油19を双方向流路14から各シリンダ4に戻すために供給流路6と遮断して形成された戻し流路7との間が、戻し操作部材8によって開閉される。このため、戻し操作部材8によって双方向流路14と戻し流路7との間が開かれると、油圧作動装置17から排出された作動油19が、双方向流路14から戻し流路7を通ってシリンダ4に戻される。この結果、油圧作動装置17に供給した作動油19を簡素な構成で油圧作動装置17から回収することができる。
【0052】
シリンダ4の個数は、8個に限定されず、複数個であればよい。油圧供給装置1は、8個のシリンダ4が配置され、且つ、支持軸部材3の周りに回動可能に設けられたドラム部材9をさらに備える。戻し操作部材8は、支持軸部材3の端面3aに対向して偏芯軸心3bに沿って摺動可能にドラム部材9に設けられている。
【0053】
このように、8個のシリンダ4が配置され、且つ、支持軸部材3の周りに回動可能に設けられたドラム部材9に戻し操作部材8が設けられる。そして、支持軸部材3の端面3aに対向して偏芯軸心3bに沿って摺動可能な戻し操作部材8が双方向流路14と戻し流路7との間を開く。このため、油圧作動装置17から排出された作動油19が、双方向流路14から戻し流路7を通ってシリンダ4に戻される。
【0054】
油圧供給装置1は、支持軸部材3の双方向流路14の端面3a側に設けられ、作動油19を各シリンダ4に戻すための戻し孔が形成された戻し孔部材10と、戻し孔に挿入されて戻し操作部材8により押圧されることにより摺動可能に設けられた戻しピン11と、戻しピン11の摺動により戻し孔を開くように設けられた弁部材12と、弁部材12を戻しピン11に向かって付勢する戻しばね13とをさらに備える。
【0055】
これにより、支持軸部材3の双方向流路14の端面3a側に戻し孔部材10が設けられる。この戻し孔部材10に形成された戻し孔に挿入された戻しピン11が、戻し操作部材8により押圧されることで摺動する。この戻しピン11の摺動により弁部材12が押されて戻し孔が開く。このため、油圧作動装置17から排出された作動油19が、双方向流路14から戻し流路7を通ってシリンダ4に戻される。弁部材12は例えばボール状の部材により構成することができる。
【0056】
ドラム部材9は、偏芯軸心3bの周りの回転力を受け取るための凸状の操作部9aを支持軸部材3の端面3a側に有する。これにより、ドラム部材9の操作部9aが偏芯軸心3bの周りの回転力を受け取る。そして、ドラム部材9が偏芯軸心3bの周りに回動する。従って、ドラム部材9に配置された複数のシリンダ4のそれぞれに支持された複数のピストン5が内周面に向かって突没する。この結果、各ピストン5が支持される各シリンダ4から作動油19が油圧作動装置17に供給される。
【0057】
この操作部9aは、戻し操作部材8を囲むように形成され、偏芯軸心3bに沿った方向から見て多角形状を有することが好ましい。多角形状を有する工具を操作部9aに嵌合させて偏芯軸心3bの周りに回転させることにより、偏芯軸心3bの周りの回転力をドラム部材9が容易に受け取ることができる。この多角形状は、例えば六角形状であり、凸状の多角形でもよいし、凹状の多角形でもよい。
【0058】
供給流路6は、ドラム部材9の内周面と支持軸部材3の外周面との間の第1隙間6aと、第1隙間6aと支持軸部材3の双方向流路14とを連通する連通孔6bとを含む。
【0059】
これにより、ドラム部材9の内周面と支持軸部材3の外周面との間の第1隙間6aと、第1隙間6aと支持軸部材3の双方向流路14とを連通する連通孔6bとを通って、作動油19がシリンダ4から双方向流路14に供給される。
【0060】
戻し流路7は、支持軸部材3の端面3aとドラム部材9との間の第2隙間7aと、ドラム部材9と各シリンダ4との間の第3隙間7bとを含む。
【0061】
これにより、支持軸部材3の端面3aとドラム部材9との間の第2隙間7aと、ドラム部材9と各シリンダ4との間の第3隙間7bとを通って、作動油19が双方向流路14からシリンダ4に戻される。
【0062】
双方向流路14は、偏芯軸心3bに沿って延伸する第1流路14aと、第1流路14aの戻し操作部材8と反対側から偏芯軸心3bに交差する方向に沿って延伸する第2流路14bとを含む。
【0063】
これにより、偏芯軸心3bに沿って延伸する第1流路14aと、第1流路14aの戻し操作部材8と反対側から偏芯軸心3bに交差する方向に沿って延伸する第2流路14bとを通って、シリンダ4からの作動油19が油圧作動装置17に供給される。
【0064】
8個のシリンダ4は、偏芯軸心3bに沿った方向から見て略等間隔で配置される。この8個のシリンダ4は、ドラム部材9の外周面を展開して見た場合に、
図4に示すように矢印Bに示す周方向に沿ってジグザグ状に配置されることが好ましい。
【0065】
これにより、作動油19を供給するシリンダ4を高密度に配置できる。このため、油圧作動装置17に、より多くの作動油19を供給できる。
【0066】
8個のシリンダ4は、
図3に示すように、偏芯軸心3bに沿った方向から見て約45度の間隔で配置されることが好ましい。
【0067】
これにより、偏芯軸心3bに沿った方向から見て約45度の間隔で8個のシリンダ4が配置される。このため、作動油19を供給するシリンダ4を高密度に配置できる。
【0068】
各シリンダ4は、双方向流路14に作動油19を供給するために供給流路6の第1隙間6aと連通する供給孔4aと、双方向流路14から作動油19を戻すために戻し流路7の第3隙間7bと連通する戻し孔4bとを有することが好ましい。
【0069】
これにより、供給流路6の第1隙間6aと連通するシリンダ4の供給孔4aを通って、双方向流路14に作動油19が供給される。そして、戻し流路7の第3隙間7bと連通するシリンダ4の戻し孔4bを通って、双方向流路14から作動油19がシリンダ4に戻される。
【0070】
油圧供給装置1は、双方向流路14と戻し流路7との間を閉じた状態で、各シリンダ4から供給流路6と双方向流路14とを通って作動油19を油圧作動装置17に供給する第1動作モードと、双方向流路14と戻し流路7との間を開いた状態で、油圧作動装置17から双方向流路14と戻し流路7とを通って作動油19を各シリンダ4に戻す第2動作モードとを有する。
【0071】
これにより、第1動作モードでは、双方向流路14と戻し流路7との間を閉じた状態で、各シリンダ4から供給流路6と双方向流路14とを通って作動油19が油圧作動装置17に供給される。そして、第2動作モードでは、双方向流路14と戻し流路7との間を開いた状態で、油圧作動装置17から双方向流路14と戻し流路7とを通って作動油19が各シリンダ4に戻される。このため、油圧作動装置17に供給した作動油19を簡素な構成で油圧作動装置17から回収することができる。
【0072】
(油圧作動ユニット15の動作)
このように構成された油圧作動ユニット15は以下のように動作する。
【0073】
図6は戻し操作部材8に係る要部の動作を示す拡大断面図である。
図7は油圧作動ユニット15の動作を示す側面断面図である。
図8は油圧作動ユニット15の動作を示す他の側面断面図である。前述した構成要素と同様の構成要素には同様の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0074】
まず、戻し孔部材10に形成された戻し孔は、
図5及び
図7に示すように、戻しばね13で付勢された弁部材12により閉じられている。
【0075】
そして、ドラム部材9の操作部9aが偏芯軸心3bの周りの回転力を受け取ることにより、ドラム部材9が支持軸部材3の偏芯軸心3bの周りに回動する。上記回転力は、例えば、多角形状を有する工具を操作部9aに嵌合させて偏芯軸心3bの周りに回転させることによりドラム部材9に与えることができる。
【0076】
そうすると、偏芯軸心3bの周りに回転するドラム部材9に配置された複数のシリンダ4のそれぞれに支持された複数のピストン5が、内周面2aにより順次押圧されてシリンダ4内の作動油19を順次供給流路6を通って双方向流路14に押し出す。双方向流路14に押し出された作動油19は、双方向流路14を通って油圧作動装置17に供給される。そして、作動油19を供給された油圧作動装置17は、
図8に示すロック状態から
図7に示すリリース状態にリリース駆動される。
【0077】
例えば、
図7に示すように、油圧作動装置17の作動室40に油圧供給装置1のシリンダ4から双方向流路14を通って作動油19が供給されていくと、作動室40に供給された作動油19に基づく押力がロックバネ41の付勢力に抗してピストン42を出力ロッド44側へ移動させるように作用する。すると、ピストン42が圧縮バネ43を介して出力ロッド44をピストン42と反対側の上方へ真っ直ぐに移動させていく。次いで、出力ロッド44の段差部44aがスラストベアリング45に上方から受け止められると、ピストン42が圧縮バネ43を押し縮めていく。すると、ピストン42の操作溝46が伝動ボール47を介して出力ロッド44の旋回溝48を上方へ押圧していく。すると、ピストン42に対して出力ロッド44が平面視で反時計回りの方向へ90度だけ回転される。
【0078】
引き続いて、ピストン42の収容孔49の底壁が出力ロッド44の下端部に上方から受け止められる。これにより、油圧作動装置17が
図8のロック状態から
図7のリリース状態に切り換わる。
【0079】
油圧作動装置17が、
図7に示すリリース状態から
図8に示すロック状態にロック駆動されると、油圧作動装置17の作動室40内の作動油19が双方向流路14から戻し流路7を通って油圧供給装置1のシリンダ4内に戻される。
【0080】
具体的には、油圧作動装置17から作動油19が排出される時は、戻し操作部材8が矢印Aに示す方向に沿って戻しピン11に向かって押圧される。このため、戻しピン11は、戻しばね13の付勢力に抗して弁部材12を押圧する。これにより、弁部材12は戻し孔部材10の戻し孔から離れるので、双方向流路14と戻し流路7との間が開かれる。
【0081】
そして、
図8に示すように、油圧作動装置17から双方向流路14に排出された作動油19は、戻し孔部材10の戻し孔と戻し流路7の第2隙間7aと第3隙間7bとを通って、シリンダ4の戻し孔4bからシリンダ4内に戻される。
【0082】
図9は油圧作動ユニット15の動作を示す正面断面図である。前述した構成要素と同様の構成要素には同様の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0083】
油圧供給装置1は、
図9に示すように、油圧作動装置17がロック状態からリリース状態にリリース駆動する時に作動油19を油圧作動装置17に供給する。そして、
図3に示すように、油圧作動装置17は、リリース状態からロック状態にロック駆動する時に作動油19を油圧供給装置1に排出する。排出された作動油19は、油圧供給装置1の双方向流路14と戻し流路7とを通ってシリンダ4内に戻される。
【0084】
〔実施形態2〕
図10は実施形態2に係る油圧作動ユニット15Aの側面断面図である。前述した構成要素と同様の構成要素には同様の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0085】
油圧作動ユニット15Aは油圧供給装置1Aを含む。油圧供給装置1Aはドラム部材9Aを備える。ドラム部材9Aは、偏芯軸心3bから半径方向に延伸するハンドル部材9bを有してもよい。偏芯軸心3bから半径方向に延伸するハンドル部材9bを偏芯軸心3bの周りに回転させることにより、偏芯軸心3bの周りの回転力をドラム部材9Aが容易に受け取ることができる。ハンドル部材9bは、作業者が手動で回転させてもよいし、ロボットが自動で回転させてもよい。
【0086】
〔実施形態3〕
図11は実施形態3に係る油圧作動ユニット15Bの正面断面図である。
図12は油圧作動ユニット15Bの動作を示す正面断面図である。前述した構成要素と同様の構成要素には同様の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0087】
油圧作動ユニット15Bは油圧作動装置17Bを備える。油圧作動装置17Bは、リンク式クランプであってもよい。
【0088】
リンク式クランプの油圧作動装置17Bは、実施形態1で前述した旋回式クランプの油圧作動装置17と異なり、
図11に示すように作動油19が供給されないときはリリース状態となり、
図12に示すように作動油19が供給されたときはロック状態となる。
【0089】
油圧供給装置1は、油圧作動装置17Bが
図11に示すリリース状態から
図12に示すロック状態にロック駆動する時に作動油19を油圧作動装置17Bに供給してもよい。
【0090】
油圧供給装置1のシリンダ4から双方向流路14を通って油圧作動装置17Bのクランプ室50に作動油19が供給されると、
図12に示すようにロッド51が上昇し、クランプアーム52がピン53回りに時計回りの方向へ駆動され、そのクランプアーム52の端部に設けた押ボルト54がワークWを下向きに押圧する。
【0091】
上記とは逆に、アンクランプ時には、クランプ室50の作動油19を、双方向流路14及び戻し流路7を通って油圧供給装置1のシリンダ4に排出する。すると、
図11に示すように、ロッド51が下降し、クランプアーム52が反時計回りの方向へ退避される。
【0092】
このように、油圧供給装置1は、
図12に示すように、油圧作動装置17Bがリリース状態からロック状態にロック駆動する時に作動油19を油圧作動装置17Bに供給する。そして、
図11に示すように、油圧作動装置17Bは、ロック状態からリリース状態にリリース駆動する時に作動油19を油圧供給装置1に排出する。排出された作動油19は、油圧供給装置1の双方向流路14と戻し流路7とを通ってシリンダ4内に戻される。
【0093】
〔実施形態4〕
図13は実施形態4に係る油圧作動ユニット15Cの正面断面図である。
図14は油圧作動ユニット15Cの動作を示す正面断面図である。前述した構成要素と同様の構成要素には同様の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0094】
油圧作動ユニット15Cは油圧作動装置17Cを備える。油圧作動装置17Cは、リンク式クランプである。
【0095】
油圧供給装置1は、
図13に示すように、油圧作動装置17Cがロック状態からリリース状態にリリース駆動する時に作動油19を油圧作動装置17Cに供給する。そして、
図14に示すように、油圧作動装置17Cは、リリース状態からロック状態にロック駆動する時に作動油19を油圧供給装置1に排出する。排出された作動油19は、油圧供給装置1の双方向流路14と戻し流路7とを通ってシリンダ4内に戻される。
【0096】
油圧供給装置1のシリンダ4から双方向流路14を通って油圧作動装置17Cのクランプ室50Cに作動油19が供給されると、
図13に示すように、ロッド51Cが下降し、クランプアーム52が反時計回りの方向へ退避される。
【0097】
上記とは逆に、クランプ時には、クランプ室50Cの作動油19を、双方向流路14及び戻し流路7を通って油圧供給装置1のシリンダ4に排出する。すると、
図14に示すようにロッド51Cが上昇し、クランプアーム52がピン53回りに時計回りの方向へ駆動され、そのクランプアーム52の端部に設けた押ボルト54がワークWを下向きに押圧する。
【0098】
〔実施形態5〕
図15は実施形態5に係る油圧供給装置1Dの正面断面図である。前述した構成要素と同様の構成要素には同様の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
【0099】
複数のシリンダ4のそれぞれに、内周面2aに向かって突没可能に支持された複数のピストン5の径寸法は、同じ径寸法でなくてもよい。例えば、内周面2aにより順次押圧されるピストン5の順番に径寸法が小さくなるように構成してもよい。
【0100】
油圧供給装置1Dは、支持軸部材3に対して放射状に延びるように形成され、且つ、支持軸部材3の周りに回動可能に設けられた複数のシリンダ4a・4b・4c・4d・4e・4f・4g・4hと、複数のシリンダ4a・4b・4c・4d・4e・4f・4g・4hのそれぞれに、内周面2aに向かって突没可能に支持された複数のピストン5a・5b・5c・5d・5e・5f・5g・5hとを備えてもよい。
【0101】
ピストン5a・5b・5c・5d・5e・5f・5g・5hの径寸法は、この順番に小さくなるように構成される。また、シリンダ4a・4b・4c・4d・4e・4f・4g・4hの径寸法も、この順番に小さくなるように構成される。
【0102】
このため、シリンダ4aに突没可能に支持されたピストン5aの径寸法が最も大きくなっており、反時計回りの方向に順番に、ピストン5b・5c・5d・5e・5f・5g・5hの径寸法が小さくなっている。
【0103】
このように、複数のピストン5a・5b・5c・5d・5e・5f・5g・5hの径寸法は、偏芯軸心3bに沿った方向から見て内周面2aに沿って順番に小さくなるように構成される。
【0104】
多角形状を有する工具が操作部9aに嵌合されたドラム部材9が偏芯軸心3bの周りの回動力を受け取ることにより、ドラム部材9が支持軸部材3の偏芯軸心3bの周りに回動すると、上記回動が進むにつれて、双方向流路14を通って油圧作動装置17に供給される作動油19の圧力が高くなりドラム部材9の回動抵抗が大きくなる。
【0105】
これに対して本実施形態によれば、内周面2aにより順次押圧されるピストン5a・5b・5c・5d・5e・5f・5g・5hの径寸法が順次小さくなっていくので、上記回動が進んだときに、内周面2aによる押圧力が小さくても、内周面2aに接触した該当するピストンを押すことができる。
【0106】
このため、回動の進行に応じてドラム部材9の回動抵抗が増加して、ドラム部材9の操作部9aに工具が供給する回動力が増大する現象を緩和することができる。この結果、油圧供給装置1Dを容易に動作させることができる。
【0107】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1 油圧供給装置
2 筐体部材
2a 内周面
3 支持軸部材
3a 端面
3b 偏芯軸心
4 シリンダ
5 ピストン
6 供給流路
6a 第1隙間
6b 連通孔
7 戻し流路
7a 第2隙間
7b 第3隙間
8 戻し操作部材
9 ドラム部材
9a 操作部
9b ハンドル部材
10 戻し孔部材
11 戻しピン
12 弁部材
13 戻しばね
14 双方向流路
14a 第1流路
14b 第2流路
15 油圧作動ユニット
16 搬送部材
17 油圧作動装置
19 作動油